(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】グリッドフレームワーク構造
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
(21)【出願番号】P 2023514986
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2021073546
(87)【国際公開番号】W WO2022048973
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-03-27
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】イングラム-テッド、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ミルウォード、スティーブン
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/122150(WO,A1)
【文献】特開平07-208541(JP,A)
【文献】特開2013-040494(JP,A)
【文献】特開2014-218346(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102017222801(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その上に1つ以上の積み荷取り扱いデバイス(30)を支持するように構成されたグリッドフレームワーク構造(114)であって、前記グリッドフレームワーク構造(114)は、
i)複数のグリッドセルを備えるグリッド構造(115)と、
ii)耐荷重フレームワーク(116)と、
iii)前記耐荷重フレームワーク(116)に対する前記グリッド構造(115)の動きを減衰させるための手段と、
を備え、
前記グリッド構造(115)は、前記グリッド構造(115)上のいくつかの吊り下げ点(121)のそれぞれに接続された3つ以上の引張要素(119)によって前記耐荷重フレームワーク(116)から吊り下げられ、前記3つ以上の引張要素(119)の各々は、実質的に水平な平面において前記グリッド構造(115)を吊り下げるように構成された長さを有し、
前記耐荷重フレームワーク(116)に対する前記グリッド構造(115)の動きを減衰させるための前記手段は、前記耐荷重フレームワーク(116)と前記グリッド構造(115)との間に配設されている、グリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項2】
前記グリッド構造(115)は、前記グリッド構造(115)の隅から及び/若しくは隅に近位して、並びに/又は前記グリッド構造(115)の外周に沿って吊り下げられる、請求項1に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項3】
前記グリッド構造(115)は、複数のモジュラーユニットの組み立て体を備え、前記モジュラーユニットの各々は、複数のグリッドセルを備える、請求項1又は2に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項4】
前記耐荷重フレームワーク(116)は、前記グリッド構造(115)を吊り下げるための1つ以上の耐荷重取り付け点を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項5】
前記耐荷重フレームワーク(116)は、少なくとも1つの垂直直立柱(116b)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項6】
前記耐荷重フレームワーク(116)は、前記少なくとも1つの垂直直立柱(116b)によって支持された複数のトラスを更に備える、請求項5に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項7】
前記複数のトラスは、第1の方向に延在するトラスの第1のセットと、第2の方向に延在するトラスの第2のセットとを備える、請求項6に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項8】
前記トラスの第1のセットは、互いに対して平行な関係で配置され、及び/又は前記トラスの第2のセットは、互いに対して平行な関係で配置される、請求項7に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項9】
前記グリッド構造(115)は、複数の前記トラスから吊り下げられる、請求項6~8のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの垂直直立柱(116b)は、前記複数のトラスのうちの少なくとも1つが複数の垂直直立柱(116b)の各々から延在して、そこから前記グリッド構造(115)を吊り下げるための筋交い構造を形成するように、前記複数の垂直直立柱(116b)を備える、請求項6~9のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項11】
前記グリッド構造(115)の動きを減衰させるための前記手段は、前記少なくとも1つの垂直直立柱(116b)と前記グリッド構造(115)との間に配設される、請求項
5~10のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項12】
前記グリッド構造(115)の動きを減衰させるための前記手段は、1つ以上の同調マスダンパを備える、請求項
1~11のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項13】
前記グリッド構造(115)は、前記グリッド構造(115)上の前記1つ以上の積み荷取り扱いデバイス(30)の通常動作中の前記グリッド構造(115)の動きを安定化させるための1つ以上のスタビライザ(128)に固定される、請求項1~1
2のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項14】
前記1つ以上のスタビライザ(128)は、前記耐荷重フレームワーク(116)と前記グリッド構造(115)との間に固定される、請求項1
3に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項15】
前記1つ以上のスタビライザ(128)は、前記グリッド構造(115)の動きが前記耐荷重フレームワーク(116)の動きを打ち消すことを可能にするように、印加された力が地震事象を表す所定の力を上回ったときに解除されるように構成され
ている、請求項1
4に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項16】
前記グリッド構造(115)上のそれぞれのいくつかの吊り下げ点のうちの少なくとも1つは、枢動可能なジョイントを備える、請求項1~1
5のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項17】
前記3つ以上の引張要素(119)のうちの少なくとも1つ
の引張要素(119)は、その長さが調整可能であるように調整機構を備える、請求項1~1
6のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項18】
前記調整機構は、前記3つ以上の引張要素(119)のうちの少なくとも1つの長さの調整が動力化されるように電動化される、請求項
17に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項19】
前記グリッド構造(115)は、
i)上部グリッド構造(215b)と、
ii)下部グリッド構造(215c)と
を備え、前記上部グリッド構造(215b)及び前記下部グリッド構造(215c)の各々は、複数のグリッドセルを備え、前記上部グリッド構造(215b)は、前記上部グリッド構造(215b)中のグリッドセルが前記下部グリッド構造(215c)中のグリッドセルと位置合わせされるように、前記下部グリッド構造(215c)から垂直に離間されており、
前記上部グリッド構造(215b)及び前記下部グリッド構造(215c)は、複数の斜め及び直線筋交い部材によって共に接続されて、組み立て体トラスを形成する、請求項1~
18のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項20】
前記複数の斜め及び直線筋交い部材は、前記上部グリッド構造(215b)及び前記下部グリッド構造(215c)中におけるグリッド部材の対向する第1のセット又は第2のセットのいずれかの間に延在する、請求項
19に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項21】
前記複数の斜め筋交い部材は、前記上部グリッド構造(215b)及び前記下部グリッド構造(215c)中におけるグリッド部材の対向する第1のセット又は第2のセットの間でK又はXブレースを形成するように配置される、請求項2
0に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
【請求項22】
保管システムであって、
i)請求項1~2
1のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)と、
ii)前記グリッド構造(115)の下方に位置するコンテナ(10)の複数のスタック(12)と、ここにおいて、前記コンテナ(10)の複数のスタック(12)の各々は、単一のグリッド空間又はグリッドセルを占有し、
iii)前記グリッドフレームワーク構造(114)中に保管された1つ以上の前記コンテナ(10)を移動させるように遠隔操作される1つ以上の積み荷取り扱いデバイス(30)と
を備え、前記1つ以上の積み荷取り扱いデバイス(30)の各々は、
i)前記グリッド構造(115)上で前記積み荷取り扱いデバイス(30)を案内するための車輪組み立て体と、
ii)前記グリッド構造(115)の上方に位置するコンテナ受け入れ空間(40)と、
iii)単一のコンテナ(10)をスタック(12)から前記コンテナ受け入れ空間(40)中に持ち上げるために配置された持ち上げデバイスと
を備える、保管システム。
【請求項23】
前記持ち上げデバイスは、持ち上げ駆動組み立て体と、使用時に、コンテナ(10)を解放可能に把持し、コンテナ(10)を前記スタック(12)から前記コンテナ受け入れ空間(40)中に持ち上げるように構成されたグラバーデバイス(39)と、前記グリッド構造(115)上で前記積み荷取り扱いデバイス(30)を移動させるために動作可能に配置された駆動機構とを備える、請求項2
2に記載の保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリッドフレームワーク構造中に積み重ねられた保管コンテナ又は容器を取り扱うための、グリッドフレームワーク構造上に位置するトラック上の遠隔操作される積み荷取り扱いデバイスの分野に関し、より具体的には、遠隔操作される積み荷取り扱いデバイスを支持するためのグリッドフレームワーク構造に関する。
【背景技術】
【0002】
保管コンテナ構造/容器が互いの上に積み重ねられた3次元保管グリッドフレームワーク構造を備える保管システム1は、良く知られている。PCT公報第WO2015/185628A号(Ocado)は、容器又はコンテナのスタックがグリッドフレームワーク構造内に配置される既知の保管及びフルフィルメント又は配送システムを記載している。容器又はコンテナは、グリッドフレームワーク構造の最上部に位置するトラック上で遠隔操作可能な積み荷取り扱いデバイスによってアクセスされる。このタイプのシステムは、添付図面の
図1~3に概略的に例示する。
【0003】
図1及び2に示すように、保管容器又はコンテナ10として知られる積み重ね可能なコンテナは、互いの上に積み重ねられて、スタック12を形成する。スタック12は、倉庫又は製造環境におけるグリッドフレームワーク構造14中に配置される。グリッドフレームワークは、複数の保管列又はグリッド列で構成される。グリッドフレームワーク構造中の各グリッドは、コンテナのスタックを保管するための少なくとも1つのグリッド列を有する。
図1は、グリッドフレームワーク構造14の概略斜視図であり、
図2は、グリッドフレームワーク構造14内に配置された容器10のスタック12を示す上面図である。各容器10は典型的には、複数の製品アイテム(図示せず)を保持し、容器10内の製品アイテムは、同一であり得るか、又は用途に応じて異なる製品タイプであり得る。
【0004】
詳細には、グリッドフレームワーク構造14は、水平グリッド部材18、20を支持する複数の垂直直立材又直立部材又は直立柱16を備える。平行な水平グリッド部材の第1のセット18は、平行な水平グリッド部材の第2のセット20に対して垂直に配置されて、複数のグリッドセル17を備えるグリッド構造即ちグリッド15を形成する。グリッドセルは、積み荷取り扱いデバイスがグリッドセルを通してコンテナ又は保管容器を持ち上げることを可能にするための開口部を有する。グリッド構造では、平行な水平グリッド部材の第1のセット18は、ノードにおいて平行な水平グリッド部材の第2のセットと交差する。グリッド構造は、ノードの各々において又はグリッド部材が交差する点において直立部材16によって支持され、そのため、直立部材は、交差するグリッド部材によってそれらの上端において相互接続される。グリッド部材16、18、20は、典型的には、金属から製造され、典型的には、共に溶接されるか、若しくはボルト留めされるか、又は両方の組み合わせである。保管容器又はコンテナ10は、グリッドフレームワーク構造14の直立部材16の間に積み重ねられ、そのため、直立部材16は、容器10のスタック12の水平移動を防ぎ、保管容器10の垂直移動を案内する。
【0005】
グリッドフレームワーク構造14の最上レベルは、スタック12の最上部にわたってグリッドパターンで配置されたレール22を含む。加えて
図3を参照すると、レール22は、複数の積み荷取り扱いデバイス30を支持する。平行なレール22の第1のセット22aは、グリッドフレームワーク構造14の最上部にわたる第1の方向(例えばX方向)へのロボット積み荷取り扱いデバイス30の移動を案内し、第1のセット22aに対して垂直に配置された平行なレール22の第2のセット22bは、第1の方向に対して垂直な第2の方向(例えばY方向)への積み荷取り扱いデバイス30の移動を案内する。このようにして、レール22は、水平なX-Y平面において2次元で横方向にロボット積み荷取り扱いデバイス30の移動を可能にし、そのため、積み荷取り扱いデバイス30を、どのスタック12の上方の位置にも移動させることができる。
【0006】
車体32を備える、
図4及び5に示すボット30としても知られる既知の積み荷取り扱いデバイスは、参照により本明細書に援用されるPCT特許公報第WO2015/019055号(Ocado)に記載されており、ここで、各積み荷取り扱いデバイス30は、グリッドフレームワーク構造14の単一のグリッド空間又はグリッドセルのみをカバーする。ここで、積み荷取り扱いデバイス30は、第1の方向へのデバイスの移動を案内するためにレール又はトラックの第1のセットと係合するための、車体32の前部上の一対の車輪及び車体32の後部上の一対の車輪34から成る車輪の第1のセット34と、第2の方向へのデバイスの移動を案内するためにレール又はトラックの第2のセットと係合するための、車体32の各側部上の一対の車輪36から成る車輪の第2のセット36とを備える車輪組み立て体を備える。車輪のセットの各々は、それぞれレールに沿ってx方向及びy方向への車両の移動を可能にするように駆動される。車輪の一方又は両方のセットを垂直に移動させて、車輪の各セットをそれぞれのレールから離して持ち上げることができ、それによって、車両がグリッド構造上で所望の方向、例えばX又はY方向に移動することを可能にする。
【0007】
積み荷取り扱いデバイス30は、上方から保管コンテナを持ち上げるための持ち上げデバイス又はクレーン機構を装備される。クレーン機構は、スプール又はリール(図示せず)上に巻き付けられたウィンチテザー又はケーブル38と、持ち上げフレームの形態のグラバーデバイス39とを備える。持ち上げデバイスは、垂直方向に延在し、保管コンテナ10への解放可能な接続のために、グラバーデバイスとしても知られる持ち上げフレーム39の4つの隅の近くに又は4つの隅に接続された持ち上げテザー38のセット(グラバーデバイスの4つの隅の各々の近くに1つのテザー)を備える。グラバーデバイス39は、保管コンテナ10の最上部を解放可能に把持して、
図1及び2に示すタイプの保管システム中のコンテナのスタックから保管コンテナ10を持ち上げるように構成される。
【0008】
車輪34、36は、下部において、コンテナ受け入れ凹部又はコンテナ受け入れ空間40として知られる空洞又は凹部の周囲の周りに配置される。凹部は、
図5(a)及び(b)に示すように、コンテナ10がクレーン機構によって持ち上げられたときにコンテナ10を収容するようにサイズ決定される。凹部中にあるとき、コンテナは、下のレールから離れて持ち上げられ、そのため、車両は、異なる場所に横方向に移動することができる。目標の場所、例えば別のスタック、保管システム中のアクセス地点又はベルトコンベアに到達すると、容器又はコンテナを、コンテナ受け入れ空間から下降させ、グラバーデバイスから解放することができる。コンテナ受け入れ空間は、例えば、WO2015/019055号(Ocado Innovation Limited)に記載されているように、車体内に配置された空洞又は凹部を備え得る。代替として、積み荷取り扱いデバイスの車体は、WO2019/238702(Autostore Technology AS)に教示されているようなカンチレバーを備え得、その場合、コンテナ受け入れ空間は、積み荷取り扱いデバイスのカンチレバーの下方に位置する。この場合、グラバーデバイスは、カンチレバーによって吊り上げられ、そのため、グラバーデバイスは、コンテナに係合し、コンテナをスタックからカンチレバーの下方のコンテナ受け入れ空間中に持ち上げることが可能である。
【0009】
グリッドフレームワーク構造の安定性を確実にするために、先行技術の保管システムは、グリッドフレームワーク構造内に又はグリッドフレームワーク構造の周囲に少なくとも部分的に沿って配置された様々な支持体及び筋交いに大きく依存している。しかしながら、内力及び外力からグリッドフレームワーク構造を安定化させるために様々な支持体及び筋交い(動き防止ブレース)を使用することは、いくつかの理由により不利である。グリッドフレームワーク構造は、コンテナを保管するために利用することができる空間又はエリアを占有し、コンテナの保管のために利用可能な空間又はエリアの最適な使用を妨げる。どの補助グリッド支持構造も、建物の内壁などの周囲構造への接続を必要とすることが多いため、支持構造の必要性は、グリッドフレームワーク構造の位置付けのために利用可能な選択肢を限定し得る。グリッドフレームワーク構造を安定化させるために支持構造を必要とすることは、一般にコスト効率が悪く、有用な保管空間を占有する。
【0010】
WO2019/101367号(Autostore Technology AS)は、グリッド支持構造を保管グリッド構造に統合することによって、それほど大規模な補助グリッド支持構造を必要としない自立型保管グリッドを教示している。グリッド支持構造は、複数の垂直方向に傾斜した支持支柱によって相互連結された4つの保管列で構成される。保管列輪郭は、中空部と4つの隅部とを備える断面を有し、各隅部は、保管容器の隅を収容するための2つの垂直な容器案内プレートを備える。支持支柱は、コンテナ又は保管容器のスタックを収容するための保管列の能力を損なわないように、支持支柱が2つの平行な案内プレート間に収まることを可能にする幅を有する。
【0011】
当該技術分野におけるグリッドフレームワーク構造を建造するために、複数の垂直直立材が、地面上にグリッド状パターンで個々に位置付けられる。垂直直立材の高さ、及びこのことから、その上に取り付けられたグリッドのレベルは、垂直直立材の各々の基部又は下端における1つ以上の調整可能な足部によって調整される。垂直直立材のサブグループは、グリッドフレームワーク構造に構造的な安定性を提供するために共に筋交いを付けられる。垂直直立材は、グリッド部材が垂直直立材と同じグリッドパターンを採用するように、グリッド部材によってそれらの上端において相互接続され、即ち、垂直直立材は、グリッド部材の各々がグリッドパターンで交差する点においてグリッド部材を支持する。本発明の説明の目的のために、グリッド部材が交差するか又は相互接続される点又は接合部は、グリッド構造のノードを構成し、グリッド構造が垂直直立材によって支持されるエリアに対応する。結果として生じるグリッドフレームワーク構造は、交差する水平グリッド部材から形成されたグリッドを支持する直立柱の自立型直線集合体、即ち、4つの壁形状のフレームワークと考えることができる。
【0012】
垂直直立材の配置は、スタック中に1つ以上のコンテナを保管するための複数の垂直保管列を提供する。垂直直立材は、持ち上げ機構のグラバーデバイスがグリッドフレームワーク構造内のコンテナと係合し、グリッド上で動作可能な積み荷取り扱いデバイスに向かって持ち上げられるときに、持ち上げ機構のグラバーデバイスを案内するのに役立つ。グリッドフレームワーク構造のサイズ、及びこのことから、異なるアイテム又は在庫管理単位(SKU)を包含するコンテナを保管する能力は、グリッドフレームワーク構造の所与の設置面積にわたる垂直直立材の数に大きく依存する。しかしながら、フルフィルメント又は配送センターの建設における最大のボトルネックのうちの1つは、グリッドフレームワーク構造の建造である。グリッドフレームワーク構造を組み立てるための時間及びコストは、フルフィルメント又は配送センターを建設するための時間及びコストの大部分を占める。最も大きく、最も時間の掛かる作業は、垂直直立材を個々に立て、垂直直立材にグリッド構造を固定することを含む。
【0013】
当該技術分野における現在のグリッドフレームワーク構造よりも迅速及び/又は安価にグリッドフレームワーク構造が建造されることを可能にするグリッドフレームワーク構造が、このことから必要とされている。その上、グリッドフレームワーク構造はまた、複数のコンテナの保管のために利用可能な空間又はエリアを最大化すべきである。
【0014】
当該技術分野における現在のグリッドフレームワーク構造よりも遙かに迅速に建造されることが可能であることに加えて、グリッドフレームワーク構造は、様々な外力及び内力を受ける。これらは、地面の組成又は土壌型に起因する可能性がある地盤変動、グリッドフレームワーク構造上の積み荷取り扱いデバイス(100kgを超える重さであり得る)の移動によって発生する力、近くの建築物又は列車などの移動車両の結果としての動き、又は地震若しくは嵐の間の動きに起因する力さえも含むが、それらに限定されない。グリッドフレームワークによって経験されるそのような外力の結果として、グリッドフレームワーク構造内の個々の要素を無傷に保つことが最も重要である。
【0015】
グリッドフレームワーク構造の安定性を確実にするために、先行技術の保管システムは、グリッド内に又はグリッドの周囲に少なくとも部分的に沿って配置された様々な支持体及び筋交いに大きく依存している。しかしながら、内力及び外力からグリッドフレームワーク構造を安定化させるために様々な支持体及び筋交い(動き防止ブレース)を使用することは、いくつかの理由により不利である。グリッドフレームワーク構造の周囲又はグリッドフレームワーク構造内の支持構造は、コンテナを保管するためにグリッドが利用することができる空間又はエリアを占有し、コンテナの保管のために利用可能な空間又はエリアの最適な使用を妨げる。どの補助グリッド支持構造も、建物の内壁などの周囲構造への接続を必要とすることが多く、支持構造を必要とすることは、コスト効率が高くないため、支持構造の必要性は、グリッドフレームワーク構造の位置付けのために利用可能な選択肢を限定し得る。
【0016】
このことから、自立型保管グリッドを提供するように、又は少なくともそれほど大規模な補助グリッド支持構造を必要としないように、コンテナの保管のために利用可能な空間又はエリアに対する支持構造の影響を最小限に抑えるグリッドフレームワーク構造が必要とされる。
【0017】
世界の人口の多くは、地震断層線に沿って、又はハリケーンや竜巻などの強力な嵐の通り道に住んでいる。そのようなエリア中にグリッドフレーム構造を設置することは、現在のグリッドフレームワーク構造がグリッド構造を共に保持しない場合があるので、地震及び嵐の事象からの構造的損傷のリスクを伴う。強力な地震及び嵐の事象は、例えば、構造締結具が、グリッドを直立部材にしっかりと取り付けられた状態に保つことができない結果として、グリッドフレームワーク構造の構造的健全性についての障害をもたらし得る。
【0018】
地震は、タイプAが最も強力でない地震と考えられ、タイプDが最も強力な地震と考えられる、地震の激しさに応じてタイプA、B、C、又はDとしてラベル付けされた4つのカテゴリーにラベル付けすることができる。タイプA~Dは、それらのスペクトル加速度によって等級分けすることができ、このスペクトル加速度は、地表面より上の物体が地震の間に経験するgで測定された最大加速度である。タイプDは、最も強力な地震事象を表すと考えられ、典型的には、0.5g~1.83gの範囲内の測定されたスペクトル加速度を有し(短期間スペクトル応答加速度SDS、https://www.fegstructural.com/seismic-design-category-101/を参照)、建物の大部分の故障の原因である。強力な地震事象が構造物に作用すると、3次元の動的な力が、グリッドフレームワーク構造を共に保持している構造締結具を損傷させ、構造締結具が埋め込まれている部材から構造締結具を緩めさせる若しくは外れさせるか、又は構造締結具が適所に残っている場合には、動的な力が構造締結具を破損させ得る。
【0019】
米国の州などの多くの管轄区域は、住宅用又は商業用の全ての新しい建物が、その中に組み込まれたある特定の耐震用筋交い特徴を用いて建築されることを義務付ける法律を可決している。グリッドフレームワーク構造は、直立部材のうちの1つ以上が1つ以上の筋交い部材又は筋交いタワーによって共に筋交いを付けられる、グリッドフレームワーク構造内に組み込まれた内部筋交い特徴を備える。典型的には、筋交い部材は、グリッドフレームワーク構造全体を通じて内部に分散される。内部筋交いの分散は、グリッドフレームワーク構造のサイズ、地面の状態、及び温度などの環境条件に大きく依存する。しかしながら、グリッドフレームワーク構造は、0.3g未満のスペクトル加速度を有する非常に低レベルの地震事象に耐えることが可能であるが、現在、0.5g~1.83gの範囲内のスペクトル加速度によって分類されるより強力なタイプC及びタイプDの地震事象に耐えることが可能なグリッドフレームワーク構造用の地震制振システムは存在しない。
【0020】
本願は、2020年9月4日に出願された英国特許出願第GB2013968.9号の優先権を主張し、その内容は、参照によって本明細書に援用される。
【発明の概要】
【0021】
本出願人は、その上に1つ以上の積み荷取り扱いデバイスを支持するように構成されたグリッドフレームワーク構造を提供することによって上記の問題を軽減し、グリッドフレームワーク構造は、
i)複数のグリッドセルを備えるグリッド構造と、
ii)耐荷重フレームワークと
を備え、グリッド構造は、グリッド構造上のそれぞれのいくつかの吊り下げ点に接続された3つ以上の引張要素によって耐荷重フレームワークから吊り下げられ、3つ以上の引張要素の各々は、実質的に水平な平面においてグリッド構造を吊り下げるように構成された長さを有する。
【0022】
本発明の範囲内に含まれる、耐荷重フレームワークによって上方からグリッド構造を吊り下げるための異なる方法がある。本発明の目的のために、「吊り下げる」という用語は、上方からグリッド構造を吊り下げることをカバーする。グリッド構造は、耐荷重フレームワーク上の単一又は複数の耐荷重取り付け点から吊り下げることができる。例えば、グリッド構造は、単一の耐荷重取り付け点に接続又は固定された3つ以上の引張要素によって耐荷重フレームワークから吊り下げることができる。代替として、グリッド構造は、耐荷重フレームワーク上のそれぞれのいくつかの耐荷重取り付け点に接続又は固定された引張要素によって耐荷重フレームワークから吊り下げることができる。それぞれのいくつかの耐荷重取り付け点は、ここでは、耐荷重フレームワークからグリッド構造を吊り下げるために、同等の数の引張要素が同等の数の耐荷重取り付け点に接続又は固定されることを意味する。
【0023】
耐荷重フレームワークによって上方から複数のグリッドセルを備えるグリッド構造を吊り下げることは、ノードの各々において、又はグリッド部材が交差する点において、別個の垂直直立材によってグリッド構造を支持する必要性を取り除く。フルフィルメント又は配送センターの建設における最大のボトルネックのうちの1つは、垂直直立材を個々に立て、グリッド部材が交差するノードの各々において垂直直立材にグリッド構造を固定することである。業界における従来の常識は、グリッド構造は、(i)グリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスを支持し、(ii)積み荷取り扱いデバイスのグラバーデバイスを案内してスタック中のコンテナと係合させるのを助けるために、グリッド部材が交差するか又は相互接続される各ノード又は接合部において垂直直立材によって支持される必要があるという意見である。垂直直立材の各々は、上方のグリッド構造を支持するための圧縮下の構造要素として機能すると考えることができる。しかしながら、従来の常識とは対照的に、本発明は、耐荷重フレームワークからグリッド構造を吊り下げることが、コンテナ又は保管容器を垂直直立材に沿ってスタック中に案内する必要性を取り除くことを実現した。
【0024】
本発明では、グラバーデバイスと、コンテナに係合してコンテナを保管場所からグリッド構造に向かって持ち上げるために使用される持ち上げテザーとは、コンテナがグリッドに接近するときに、グリッドセル又は隣接するスタックからの別のコンテナを過度に揺らす又は汚す又はぶつけることなく、コンテナをグリッドセルを通して積み荷取り扱いデバイスに向かって垂直に十分に持ち上げるのに十分に安定していることが実現される。典型的には、積み荷取り扱いデバイスは、上方から保管コンテナを持ち上げるために配置された持ち上げデバイス又はクレーンデバイスを装備される。持ち上げデバイスは、垂直方向に延在し、保管コンテナへの解放可能な接続のために、グラバーデバイスとしても知られる持ち上げフレームの4つの隅に接続された持ち上げテザーのセット(グラバーデバイスの4つの隅の各々の近くに1つのテザー)を備える。グラバーデバイスは、保管コンテナの最上部を解放可能に把持して、
図1及び2に示すタイプの保管システム中のコンテナのスタックから保管コンテナを持ち上げるように構成される。4つの隅においてグラバーデバイスを支持する持ち上げテザーは、グラバーデバイスが垂直軸に沿ってグリッド構造に向かってほぼ垂直方向につり上げられるときに十分に安定しており、グラバーデバイス及びその上に係合されたコンテナの揺れはほとんど又は全くない。
【0025】
グリッド構造のノードにおける垂直直立材の除去は、コンテナの複数の隣接するスタックが並んで保管されることを可能にし、コンテナの各スタックは、グリッド構造上で動作可能な積み荷取り扱いデバイスが保管場所から関連するコンテナを吊り上げることが可能となるように、それぞれのグリッドセルの下方に位置する。コンテナをグリッド構造に向かって案内するための垂直直立材の除去は、コンテナの保管のために利用可能な空間又はエリアに影響を及ぼす垂直直立材の影響を最小限に抑える。結果として、1つ以上のコンテナのスタックを、共により近くに保管することができ、従って、以前は垂直直立材によって占有されていた空間を占有することができる。
【0026】
グリッド構造が水平であることを確実にするために、好ましくは、グリッド構造は、グリッド構造の隅から、又はグリッド構造の隅に近位して吊り下げられる。グリッド構造をグリッド構造の隅から吊り下げることによって、グリッド構造のレベルを、実質的に水平な平面にあるように調整することができる。引張要素の数は、グリッド構造の形状に依存するであろう。正方形又は直線状のグリッド構造の場合、グリッド構造が水平であることを確実にするために、少なくとも4つの引張要素が必要とされるであろう。同様に、三角形のグリッド構造の場合、グリッド構造が水平であることを確実にするために、少なくとも3つの引張要素が必要である。本発明の目的のために、グリッド構造が水平であることを確実にすることは、グリッド構造が実質的に水平な平面にあることを確実にすることを含む。任意選択で、3つ以上の引張要素のうちの少なくとも1つは、テザー又はケーブル又はビームを備える。
【0027】
任意選択で、グリッド構造は、モジュラーユニットの組み立て体を備え、モジュラーユニットの各々は、複数のグリッドセルを備える。任意選択で、グリッド構造は、建物の天井から吊り下げることができ、この場合、耐荷重フレームワークは、建物の天井であり、ここで、天井は、建物の壁によって支持される。任意選択で、耐荷重フレームワークは、グリッド構造を吊り下げるための1つ以上の耐荷重取り付け点を備える。例えば、グリッド構造は、グリッド構造に固定された、1つ以上の耐荷重取り付け点とそれぞれのいくつかの吊り下げ点とに固定された3つ以上の引張要素によって、耐荷重フレームワークから吊り下げることができる。好ましくは、耐荷重フレームワーク構造は、少なくとも1つの垂直直立柱を備える。任意選択で、少なくとも1つの垂直直立柱は、1つ以上の耐荷重取り付け点を備える。
【0028】
任意選択で又は代替として、耐荷重フレームワークは、少なくとも1つの垂直直立柱によって支持された複数のトラス又はトラスの組み立て体を更に備える。好ましくは、複数のトラス又はトラスの組み立て体は、第1の方向に延在するトラスの第1のセットと、第2の方向に延在するトラスの第2のセットとを備える。任意選択で、トラスの第1のセットは、互いに対して平行な関係で配置され、及び/又はトラスの第2のセットは、互いに対して平行な関係で配置される。
【0029】
任意選択で、少なくとも1つの垂直直立柱は、複数の垂直直立材を備える。任意選択で、複数の垂直直立材は、複数の垂直直立材の各々から延在する複数のトラスのうちの少なくとも1つによって共に筋交いを付けられて、そこからグリッド構造を吊り下げるための筋交い構造を提供する。任意選択で、筋交い構造は、実質的に長方形又は正方形である。
【0030】
例えば、地震活動又は強風の間の耐荷重フレームワークの動きの影響を相殺するために、好ましくは、グリッド構造は、耐荷重フレームワークに対して水平に動くように、即ち、耐荷重フレームワークに対して振動するように構成される。耐荷重フレームワークから吊り下げられたグリッド構造の動きの性質は、同じ質量の振り子の動きの性質と同様であると想定することができる。耐荷重フレームワークが水平方向に動かされた場合、グリッド構造は、そのような動きに直ちに反応せず、振り子のように、耐荷重フレームワークの元の位置に対して相対的に静止したままである。耐荷重フレームワークからのグリッド構造の吊り下げは、このことから、グリッド構造を吊り下げる引張又は吊り下げ要素に起因する耐荷重フレームワークの動きから分離される。耐荷重フレームワークからグリッド構造を吊り下げることによって、グリッド構造は、地震又は強風などの強い横方向の力がグリッド構造に当たるときはいつでも、耐荷重フレームワークのバイブレーションの振幅を許容可能なレベルまで低減するために、「高調波アブソーバ」とも呼ばれる同調マスダンパ(TMD)のように作用することができる。吊り下げられたグリッド構造は、耐荷重フレームワークの振動中に発生する運動エネルギーを打ち消して吸収する。好ましくは、耐荷重フレームワークは、耐荷重フレームワークに対するグリッド構造の動きを減衰させるための手段を更に備える。グリッド構造の動きを減衰させることは、地震事象の結果としての耐荷重フレームワークの動き中のグリッド構造の振動を軽減する。
【0031】
好ましくは、グリッド構造の動きを減衰させるための手段は、耐荷重フレームワークとグリッド構造との間に配設された1つ以上のダンパを備える。好ましくは、グリッド構造の動きを減衰させるための手段は、1つ以上の同調マスダンパ、より好ましくは、ダンパの固有振動数を調整するための調整可能な同調マスダンパを備える。任意選択で、グリッド構造の動きを減衰させるための手段は、弾性要素を備える。例えば、弾性要素は、ゴムなどの弾性材料であり得る。グリッド構造の振動質量及び/又はグリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイス(ボット)の質量は、地震事象中に耐荷重フレームワークの動きと位相がずれてバイブレートするように調整される。好ましくは、グリッド構造の動きを減衰させるための手段は、少なくとも1つの垂直直立柱とグリッド構造との間に配設される。任意選択で、グリッド構造の動きを減衰させるための手段は、液圧ダンパを備える。
【0032】
グリッド構造上の1つ以上の積み荷取り扱いデバイスの、特に横方向への移動又は動作中にグリッド構造を安定化させるために、1つ以上のダンパは、所定の力未満でグリッド構造の横方向への動きに抵抗するように調整される。所定の力は、グリッド構造上の1つ以上の積み荷取り扱いデバイスの通常動作中のグリッド構造の動きを防止すると決定される。好ましくは、グリッド構造は、グリッド構造上の1つ以上の積み荷取り扱いデバイスの通常動作中のグリッド構造の動きを安定化させるための1つ以上のスタビライザに固定される。1つ以上のスタビライザは、耐荷重フレームワークとグリッド構造との間に固定される。好ましくは、1つ以上のスタビライザは、グリッド構造の動きが耐荷重フレームワークの動きを打ち消すことを可能にするように、印加された力が地震事象を表す所定の力を上回ったときに解除されるように構成される。グリッド構造の動きを助けるために、好ましくは、グリッド構造上のそれぞれのいくつかの吊り下げ点又は取り付け点のうちの少なくとも1つは、枢動可能なジョイントを備える。
【0033】
グリッド構造上のそれぞれのいくつかの吊り下げ点に接続された3つ以上の引張要素によって耐荷重フレームワークからグリッド構造を吊り下げることは、グリッド構造が実質的に水平な平面にあることを確実にするが、それは、これがコンテナ又は保管容器がグリッドセルを通って正しい位置中に吊り上げられる方向に影響を及ぼすからである。グリッド構造のレベルが水平な平面から逸脱するにつれて、これは、グリッド構造上を移動する1つ以上の積み荷取り扱いデバイスに負担を掛けるだけでなく、逸脱の方向に応じて、持ち上げテザーを片側に揺らせ、最悪のシナリオでは、グラバーデバイスを下方のコンテナ又は保管容器と係合させない。好ましくは、3つ以上の引張要素のうちの少なくとも1つは、伸長可能である。好ましくは、3つ以上の引張要素のうちの少なくとも1つは、3つ以上の引張要素のうちの少なくとも1つの長さが調整可能であるように、調整機構を備えるか又は調整機構に固定される。好ましくは、引張要素は、非伸長可能部分及び調整機構を備え、非伸長可能部分は、調整機構に接続される。好ましくは、調整機構は、3つ以上の引張要素のうちの少なくとも1つの長さの調整が電動化されるように電動化される。3つ以上の引張要素のうちの少なくとも1つの長さを調整するための調整機構の電動化は、グリッド構造のレベルの調整を、例えば遠隔で自動化することができる柔軟性を改善する。
【0034】
グリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスの力に抵抗するのに十分な構造的健全性を有する軽量グリッド構造を提供するために、好ましくは、グリッド構造は、トラスの組み立て体を備える。好ましくは、グリッド構造は、
i)上部グリッド構造と、
ii)下部グリッド構造と
を備え、上部グリッド構造及び下部グリッド構造の各々は、複数のグリッドセルを備え、上部グリッド構造は、上部グリッド構造中のグリッドセルが下部グリッド構造中のグリッドセルと位置合わせされるように、下部グリッド構造から垂直に離間され、
上部グリッド構造及び下部グリッド構造は、複数の斜め及び直線筋交い部材によって共に接続されて、トラスの組み立て体を形成する。
【0035】
複数の斜め及び直線筋交い部材によって共に接続された上部グリッド構造及び下部グリッド構造は、水平な平面にある複数の等しく離間された平行なトラスを備えるトラス組み立て体とみなすことができる。複数のトラスの各々は、1つ以上の斜めブレース及び1つ以上の直線垂直ウェブによって共に接続された上部の細長いトラス部材(上弦材)及び下部の細長いトラス部材(下弦材)を備えると考えることができる。上部及び下部の細長いトラス部材は、それぞれ、個々のトラスの上弦材及び下弦材を形成する。上弦材は、典型的には、圧縮状態に置かれ、下弦材は、典型的には、グリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスの重さの下で引張状態に置かれる。複数のトラスは、平行な配置で共に接続されるが、近隣の上部の細長いトラス部材又は弦材の間の複数の直線水平上部交差ウェブによって分離又は離間される。同様に、複数の直線水平下部交差ウェブは、近隣の下部の細長いトラス部材又は下弦材の間を接続する。複数の直線水平上部交差ウェブは、上部の細長いトラス部材の長手方向の長さに沿って実質的に等しく離間又は分離され、そのため、上部の細長いトラス部材と、隣接するトラスを共に接続する複数の直線水平上部交差ウェブとは、グリッド状パターンで配置されて、複数のグリッドセルを備えるグリッド構造(上部グリッド構造)を形成する。同様に、複数の直線水平下部交差ウェブは、下部の細長いトラス部材の長手方向の長さに沿って実質的に等しく離間され、そのため、下部の細長いトラス部材と、隣接するトラスを共に接続する複数の直線水平下部交差ウェブとは、グリッド状パターンで配置されて、複数のグリッドセルを備えるグリッド構造(下部グリッド構造)を形成する。
【0036】
好ましくは、複数の斜め及び直線筋交い部材は、上部グリッド構造と下部グリッド構造との間に延在する。任意選択で、複数の斜め筋交い部材は、上部グリッド構造と下部グリッド構造との間にKブレースを形成するように配置される。しかしながら、Xブレースを含むがそれに限定されない他の筋交い組み立て体が、本発明において許容可能である。複数のトラスからグリッド構造を形成することは、グリッド構造が軽量材料から作製されることを可能にする。例えば、グリッド構造は、繊維強化複合材料から作製することができる。更に別の選択肢では、グリッド構造は、ポリマー材料から作製される。
【0037】
好ましくは、グリッド構造は、第1の方向に延在するグリッド部材の第1のセットと、第2の方向に延在するグリッド部材の第2のセットとを備え、第1の方向は、第2の方向に対して実質的に垂直である。グリッド部材の第1のセット及びグリッド部材の第2のセットは、複数のセルを備えるグリッド構造を形成するように配置される。グリッド構造が上部グリッド構造及び下部グリッド構造を備える場合、上部グリッド構造及び下部グリッド構造の各々は、複数のグリッドセルを形成するために、第1の方向に延在するグリッド部材の第1のセットと、第2の方向に延在するグリッド部材の第2のセットとを備える。1つ以上の積み荷取り扱いデバイスがグリッド構造上を移動することを可能にするために、グリッド部材の第1のセットは、トラックの第1のセットを備え、グリッド部材の第2のセットは、トラックの第2のセットを備える。任意選択で、グリッド部材の第1のセットは、トラック支持体の第1のセットを備え、グリッド部材の第2のセットは、トラック支持体の第2のセットを備える。任意選択で、トラックの第1のセットは、トラック支持体の第1のセットにスナップ嵌めされ、トラックの第2のセットは、トラック支持体の第2のセットにスナップ嵌めされる。本発明において同様に妥当であるのは、グリッド構造のグリッド部材がトラック及びトラック支持体の両方を備えるように、複数のトラックをトラック支持体の第1及び第2のセットに統合することができることである。
【0038】
本発明は、保管システムを更に提供し、保管システムは、
i)上記で議論した本発明のグリッドフレームワーク構造と、
ii)グリッド構造の下方に位置するコンテナの複数のスタックと、ここにおいて、コンテナの複数のスタックの各々は、単一のグリッド空間又はグリッドセルを占有し、
iii)グリッドフレームワーク構造中に保管された1つ以上のコンテナを移動させるように遠隔操作される1つ以上の積み荷取り扱いデバイスと
を備え、1つ以上の積み荷取り扱いデバイスの各々は、
i)グリッド構造上で積み荷取り扱いデバイスを案内するための車輪組み立て体と、
ii)グリッド構造の上方に位置するコンテナ受け入れ空間と、
iii)単一のコンテナをスタックからコンテナ受け入れ空間中に持ち上げるために配置された持ち上げデバイスと
を備える。
【0039】
好ましくは、持ち上げデバイスは、持ち上げ駆動組み立て体と、使用時に、コンテナを解放可能に把持し、コンテナをスタックからコンテナ受け入れ空間中に持ち上げるように構成されたグラバーデバイスと、グリッド構造上で積み荷取り扱いデバイスを移動させるために動作可能に配置された駆動機構とを備える。
【0040】
任意選択で、車体は、グラバーデバイスが、使用時に、コンテナを解放可能に把持し、コンテナをグリッドフレームワーク構造中のスタックからコンテナ受け入れ空間中に持ち上げるように構成されるように、持ち上げ駆動組み立て体及びグラバーデバイスを備える持ち上げデバイスを収容する。コンテナ受け入れ空間は、例えば、WO2015/019055号(Ocado Innovation Limited)に記載されているように、車体内に配置された空洞又は凹部を備え得る。代替として、積み荷取り扱いデバイスの車体は、WO2019/238702(Autostore Technology AS)に教示されているようなカンチレバーを備え得、その場合、コンテナ受け入れ空間は、積み荷取り扱いデバイスのカンチレバーの下方に位置する。この場合、グラバーデバイスは、カンチレバーによって吊り上げられ、そのため、グラバーデバイスは、コンテナに係合し、コンテナをスタックからカンチレバーの下方のコンテナ受け入れ空間中に持ち上げることが可能である。任意選択で、車体は、再充電可能な電源を収容する。
【0041】
本発明の更なる特徴及び態様は、図面を参照して行われる例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】既知のシステムによるグリッドフレームワーク構造の概略図である。
【
図2】
図1のグリッドフレームワーク構造内に配置された容器のスタックを示す上面図の概略図である。
【
図3】グリッドフレームワーク構造上で動作可能な積み荷取り扱いデバイスを示す既知の保管システムの概略図である。
【
図4】上方からコンテナを把持する持ち上げデバイスを示す積み荷取り扱いデバイスの概略斜視図である。
【
図5】
図4の積み荷取り扱いデバイスの概略斜視切欠図であり、(a)積み荷取り扱いデバイスのコンテナ受け入れ空間内に収容されたコンテナと、(b)積み荷取り扱いデバイスのコンテナ受け入れ空間とを示す。
【
図6】本発明の第1の実施形態による、吊り下げられたグリッド構造を備える保管システムの概略図である。
【
図7】本発明の実施形態による、グリッド構造上の吊り下げ点を示すグリッド構造の一部分の拡大図である。
【
図8】本発明の実施形態による、グリッド構造の動きを安定化させるための、グリッド構造の隅部における少なくとも1つのスタビライザの斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態による、グリッド構造にわたる吊り下げ点の分布を示す斜視図である。
【
図10】本発明の実施形態による、グリッド構造のトラック上の取り付け点又は吊り下げ点に固定された引張要素を示すグリッド構造の一部分の斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態による、耐荷重フレームワークの筋交い部材から吊り下げられたグリッド構造を示すグリッドフレームワーク構造の一部分の斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態による、耐荷重フレームワークからグリッド構造を吊り下げるための、耐荷重フレームワーク及びグリッド構造に固定された引張又は吊り下げ要素の斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態による、グリッド構造のレベルを自動的に制御するためのフィードバックループのブロック図である。
【
図14】本発明の実施形態による、トラック支持体に取り付けられたトラックを示す、トラック支持体のノード又は交差部における
図11のグリッド構造の拡大図である。
【
図15】本発明の別の実施形態によるグリッドフレームワーク構造のグリッド構造を示す斜視図である。
【
図16】トラック支持体上に取り付けられたトラックを示す、
図15のグリッド構造のトラック支持体の交差部の拡大図である。
【
図17】本発明の第2の実施形態による、グリッドフレームワーク構造を備える保管システムの斜視図である。
【
図18】本発明の第3の実施形態による、グリッドフレームワーク構造を備える保管システムの斜視図である。
【
図19】
図18に示す本発明の第3の実施形態による、グリッド構造を吊り下げる引張要素のパターンの概略上面図である。
【
図20】(a)は、本発明の第4の実施形態による、グリッドフレームワーク構造を備える保管システムの斜視図である。(b)は、1つ以上の積み荷取り扱いデバイスが隣接するモジュラーユニット間を移動するための経路を示す、グリッド構造の一部分の斜視図である。
【
図21】本発明の第5の実施形態によるグリッドフレームワーク構造の斜視図である。
【
図22】本発明の第6の実施形態による、保管システムが中二階の両側のグリッドフレームワーク構造によって支持された中二階を備える、保管システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図6~8は、本発明の第1の実施形態による、グリッドフレームワーク構造114を備える保管システム100の例を示す。グリッドフレームワーク構造114は、耐荷重構造又はフレームワーク116から吊り下げられた複数のグリッドセルを備えるグリッド構造即ちグリッド115を備える。耐荷重フレームワーク116は、グリッド構造115上のそれぞれのいくつかの吊り下げ点121に固定された1つ以上の引張又は吊り下げ要素119によってグリッド構造115を吊り下げるための1つ以上の耐荷重取り付け点117を備える。当該技術分野において知られている、耐荷重フレームワークからグリッド構造を吊り下げるための様々な引張又は吊り下げ要素119が、本発明において適用可能である。例えば、少なくとも1つの引張又は吊り下げ要素119は、ケーブル(例えば、スチールケーブル)又はロープを含むがそれらに限定されないテザーを備えることができる。理想的には、少なくとも1つの引張又は吊り下げ要素119は、非伸長可能部分を備えるか、又は2GPaよりも大きい非常に高い降伏強度を有する。非常に高い強度を有するテザーの例は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を備える材料である。超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を備える市販の材料は、Dyneema(登録商標)である。代替として、少なくとも1つの引張又は吊り下げ要素119は、剛性構造、例えばパイプ又はバー又はビームを備えることができる。説明の目的のために、引張要素119は、耐荷重フレームワークとグリッド構造との間に延在する1つ以上の部分を備える要素であると考えることができる。
【0044】
図6に示す特定の実施形態では、グリッド構造115は、グリッド構造115上の水平X-Y平面における2つの方向への1つ以上の積み荷取り扱いデバイスの移動を案内するためのグリッドパターンで配置されたグリッド部材118、120の正方形又は直線集合体を備える。
図7に示すグリッド構造115の一部分は、グリッドセル123を構成する複数の長方形フレームを形成するように配置された一連の水平交差ビーム又はグリッド部材118、120、より具体的には、第1の方向に延在するグリッド部材の第1のセット118及び第2の方向に延在するグリッド部材の第2のセット120を備え、グリッド部材の第2のセット120は、実質的に水平な平面においてグリッド部材の第1のセット118に対して横断方向に走り、即ち、グリッド構造115は、X及びY平面におけるデカルト座標によって表される。本発明の説明の目的のために、グリッド部材が交差する即ち交わる点又は接合部は、ノード又は交差部124として定義することができる。
【0045】
図6の特定の実施形態は、正方形又は直線形状を有するグリッド構造115を示すが、1つ以上の積み荷取り扱いデバイス130がグリッド構造上で2つの方向に案内されるための複数のグリッドセル123を備える他の形状のグリッド構造が、本発明において許容可能である。正方形又は直線形状のグリッド構造の場合、グリッド構造115が水平であることを確実にするために、グリッド構造115は、グリッド構造115の隅の各々に近位して又は隅の各々において、即ち、グリッド構造115の4つの隅の各々に近位して固定された少なくとも1つの引張要素119によって、耐荷重フレームワーク116から吊り下げられる。グリッド構造115は、グリッド構造115上のそれぞれのいくつかの取り付け点又は吊り下げ点121に固定された複数の引張要素119によって耐荷重フレームワーク構造116から吊り下げられる。取り付け点又は吊り下げ点121は、グリッド構造が複数の引張要素119によって吊り下げられたときに、グリッド構造が実質的に水平な平面にある、即ちグリッド構造が水平であることを確実にするように、グリッド構造115上に戦略的に配置される。グリッド構造を吊り下げるためのグリッド構造115上の取り付け点又は吊り下げ点121の数は、グリッド構造の形状及びグリッド構造上の荷重に依存する。グリッド構造上の荷重は、グリッド構造115上の1つ以上の積み荷取り扱いデバイス130と、1つ以上の積み荷取り扱いデバイスによって運搬される1つ以上のコンテナ又は保管容器の重さとを含むが、それらに限定されない。例えば、三角形の形状のグリッド構造は、グリッド構造が水平であることを確実にするために、グリッド構造の隅に又はグリッド構造の隅に近位して固定された最小数の少なくとも3つの引張要素119を必要とするであろう。同様に、正方形又は直線形状のグリッド構造の場合、最小数の少なくとも4つの引張要素119が、グリッド構造の4つの隅に又は4つの隅に近位して固定される。本発明の目的のために、グリッド構造の形状は、グリッド構造の周囲の形状を表す。
図6に示す特定の実施形態では、耐荷重フレームワーク116は、グリッド構造の隅の各々に近位し、直線又は正方形構成で配置された少なくとも1つの垂直直立柱116bを備える。
【0046】
グリッド構造115は、耐荷重フレームワーク116から吊り下げられ、そのため、グリッド構造115は、耐荷重フレームワーク116によって囲まれた体積内に吊り下げられる。それぞれのいくつかの引張要素119によって耐荷重フレームワーク116からグリッド構造115を吊り下げるための、当該技術分野において知られている様々な取り付け点又は吊り下げ点又は固定点121が、本発明において適用可能である。本発明の一例では、それぞれのいくつかの引張要素119を固定するための取り付け点又は吊り下げ点121の各々は、枢動可能なジョイント、例えば、ボールジョイントなどを備え、そのため、グリッド構造115が耐荷重フレームワーク116に対してスイング又は揺れることを可能にする。
【0047】
複数の引張要素119によって耐荷重フレームワーク116からグリッド構造115を吊り下げることの主な利点のうちの1つは、ノードの各々に分散された複数の垂直直立材によってグリッド構造を支持する必要性を取り除くことに加えて、例えば地震活動又は強風の間に耐荷重フレームワーク116の動きの影響を補償する能力である。耐荷重フレームワーク116からグリッド構造115を吊り下げることは、吊り下げられたグリッド構造115が耐荷重フレームワーク116に対して水平に動いて、地面又はフロアと同じ振動数で振動するであろう耐荷重フレームワークの動きを打ち消すことを可能にする。耐荷重フレームワーク116から吊り下げられたグリッド構造115の動きの性質は、同じ質量の振り子の動きの性質と同様であると想定することができる。耐荷重フレームワーク116が水平方向に動かされた場合、グリッド構造115は、そのような動きに直ちに反応せず、最初は、振り子のように、耐荷重フレームワーク116の元の位置に対して相対的に静止したままである。耐荷重フレームワーク116からのグリッド構造115の吊り下げは、このことから、グリッド構造を吊り下げる引張又は吊り下げ要素119に起因する耐荷重フレームワーク116の動きから分離される。耐荷重フレームワーク116からグリッド構造115を吊り下げることによって、グリッド構造115は、地震又は強風などの強い横方向の力がグリッド構造115に当たるときはいつでも、耐荷重フレームワーク116のバイブレーションの振幅を許容可能なレベルまで低減するために、「高調波アブソーバ」とも呼ばれる同調マスダンパ(TMD)のように作用することができる。吊り下げられたグリッド構造115は、耐荷重フレームワーク116の振動中に発生する運動エネルギーを打ち消して吸収する。例えば、吊り下げられたグリッド構造115は、耐荷重フレームワーク116の振動を打ち消すように振動して、グリッドフレームワーク構造115のあるレベルの減衰を発生させる。
【0048】
吊り下げられたグリッド構造115が地震事象中に耐荷重フレームワーク116の振動中に発生する運動エネルギーを打ち消して吸収する能力を改善するために、耐荷重フレームワーク116は、耐荷重フレームワークに対するグリッド構造の動きを減衰させるための手段を更に備える。例えば、グリッド構造115の動きを減衰させるための手段は、耐荷重フレームワークとグリッド構造との間に配設された1つ以上のダンパ126を備える(
図8を参照)。例えば、弾性要素は、耐荷重フレームワーク116とグリッド構造115との間に配設することができる。弾性要素は、耐荷重フレームワーク116に対するグリッド構造115の衝撃を吸収することが可能な弾性材料であり得る。
図8に示す特定の実施形態では、弾性材料126は、グリッド構造115の横方向又は水平の動き又は揺れがゴムダンパ126によって減衰されるように、グリッド構造115のレベル即ち高さにおいて垂直直立柱116bの隅部に取り付けられたゴムを備える。垂直直立材116bの隅部におけるゴムダンパ126は、地震事象中にグリッド構造115が垂直直立柱116b又は耐荷重フレームワーク116の任意の部分に衝突する衝撃を吸収するためのゴムダンパとして機能する。他の弾性要素を、又はゴムと組み合わせて使用することができる。これらは、ばねの使用を含む。代替として、又は弾性要素の使用に加えて、グリッド構造115の動きを減衰させるための他の手段が、本発明において許容可能である。これらは、液圧ダンパを含むが、それに限定されない。
図8に示す特定の実施形態は、耐荷重フレームワーク116、特に垂直直立柱116bに取り付けられたダンパを示すが、逆も同様に適用可能であり、ここで、ダンパ126のうちの1つ以上は、グリッド構造115、特にグリッド構造の隅に、又は耐荷重フレームワーク116に近接したグリッド構造の任意の部分に沿って取り付けることができる。
【0049】
1つ以上のダンパは、同調マスダンパであり得、ここで、減衰の振動数は、例えば、グリッド構造115を、耐荷重フレームワーク116の振動と同じ振動数であるが、耐荷重フレームワーク116の運動と位相がずれて振動即ちバイブレートさせることによって、グリッド構造115の動きのより効果的な減衰を提供するように調整することができる。例えば、1つ以上のダンパは、当該技術分野において一般的に知られているが、グリッド構造115のバイブレーション又は振動のダンパの固有振動数を調整するように構成された調整可能な同調マスダンパであり得る。耐荷重フレームワーク116の振動の振幅を低減する例は、グリッド構造115の振動の振動数を制御することによる。吊り下げられたグリッド構造115の振動の振動数を制御する1つの方法は、耐荷重フレームワーク116からグリッド構造115を吊り下げる引張又は吊り下げ要素119の長さを調整することであり、引張要素119の長さが短いほど、振動の周期は小さくなり、振動数は高くなる。逆に、引張要素119の長さが長いほど、振動の周期は大きくなり、振動の振動数は低くなる。
【0050】
地震又は地震活動の場合にグリッド構造115の振動を制御することに加えて、グリッド構造の動きはまた、保管システム100の通常動作中にグリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスによって誘発されるであろう。本発明の目的のために、保管システム100の通常動作は、グリッド構造115上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイス130による、1つ以上のコンテナ又は保管容器110の保管と、グリッド構造115の下方の保管場所からの取り出しとを含む。グリッド構造115は、グリッド構造115上で加速する1つ以上の積み荷取り扱いデバイス130からの反作用力の結果として力を経験するであろう。同様に、グリッド構造115上の1つ以上の積み荷取り扱いデバイス130の制動は、加えて、グリッド構造115上に反跳力を発生させるであろう。反作用力及び反跳力は、耐荷重フレームワーク116から吊り下げられたグリッド構造115を動かして、グリッド構造115上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイス130の動きを打ち消すであろう。保管システム100の通常動作中のグリッド構造115のそのような動きは、スタック112中に通常保持される保管システム100からのコンテナ又は保管容器とうまく係合しているグラバーデバイスに影響を与えるので、望ましくないであろう。加えて、通常動作中のグリッド構造115の動きは、グリッド構造115上の1つ以上の積み荷取り扱いデバイス130の動きに影響を与えるであろう。
【0051】
保管システム100の通常動作中にグリッド構造115を安定化させ、それによって、コンテナ又は保管容器110を保管し、保管システム100から取り出すときに、保管システム100の通常動作を可能にするために、1つ以上のスタビライザ128を、耐荷重フレームワーク116から吊り下げられたグリッド構造115を安定化させるために使用することができる。耐荷重フレームワーク116とグリッド構造115との間に接続された1つ以上のスタビライザ128は、吊り下げられたグリッド構造115のX及びY方向への水平な平面に沿った動き、又は水平な平面に沿ったあらゆる方向への動きを防止する。例えば、1つ以上のスタビライザ128は、水平な平面に沿った全ての方向への動きを防止するために、グリッド構造の縁部に沿った様々な場所においてグリッド構造115と耐荷重フレームワーク116との間で張力を掛けられた実質的に非伸長可能な要素又はケーブルであり得る。1つ以上のスタビライザ128は、引張要素119の少なくとも一部分と同じ材料に基づき得る。グリッド構造115の隅部を示す
図8に示す特定の実施形態では、ケーブル又はテザーの形態の1つ以上のスタビライザ128は、耐荷重フレームワーク116、より具体的には、垂直直立柱116bと、グリッド構造115の隅との間で張力を掛けられて、水平な平面に沿った動きからグリッド構造115を安定化させる。
図8に示す特定の実施形態は、1つ以上のスタビライザ128が実質的に非伸長可能なケーブル又はテザーであることを示しているが、グリッド構造115上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイス130の反作用力及び反跳力の結果として水平な平面に沿ったグリッド構造115の動きを防止するための他のタイプのスタビライザが、本発明において許容可能である。これらは、グリッド構造115と耐荷重フレームワーク116との間で張力を掛けられたビーム又はロッド、及びグリッド構造と耐荷重フレームワークとの間に接続された液圧ダンパ又はショックアブソーバの使用に基づくより高度なスタビライザを含むが、それらに限定されない。1つ以上のスタビライザ128は、グリッド構造と耐荷重フレームワークとの間に固定される。
【0052】
保管システム100の通常動作中のグリッド構造115の動きを防止することは必須であるが、特に上記で議論したような地震活動の影響を受けやすいエリアでは、耐荷重フレームワーク116の動きを減衰させることも重要であり得る。地震事象中の耐荷重フレームワーク116の減衰に対応するために、1つ以上のスタビライザ128は、保管システム100の通常動作中の耐荷重フレームワーク116に対するグリッド構造115の動きを防止するように調整することができるが、地震が発生した場合には、グリッド構造115の動きが耐荷重フレームワーク116の動きを減衰させることを可能にする。1つ以上のスタビライザ128は、グリッド構造115が所定の力を上回る力を経験したことに応答して、耐荷重フレームワーク116に対するグリッド構造115の動きを可能にするように作動させることができる。グリッド構造を安定化させるケーブル又はテザー128は、力が地震事象に特有の所定の量を上回ると、所与の降伏強度で破断又は解除されるように調整又はサイズ決定することができる。例えば、ケーブル又はテザー128は、力が所定の引張応力又は降伏強度を上回ったときに破断するように構成することができる。これは、特定の引張応力を有するケーブル若しくはテザー128に使用される材料の選択、又はケーブル若しくはテザー128の厚さを制御することによるものであり得る。代替として、耐荷重フレームワーク116に取り付けられた1つ以上のセンサ(例えば、加速度計)は、地震事象を示す所定の加速度を上回る加速度計からの信号に応答して、グリッド構造115の動きを可能にするために、1つ以上のスタビライザ128を作動させる(即ち、解除する)ための信号を制御システムに送るように構成することができる。地震事象中の耐荷重フレームワーク116の震えは、潜在的に、グリッド構造115上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスを転倒させるであろう。耐荷重フレームワークのそのような動きは、耐荷重フレームワークに取り付けられた1つ以上の加速度計によって感知されて、1つ以上のスタビライザ128の解除を作動させて、グリッド構造の動きが耐荷重フレームワークの動きを減衰させることを可能にするであろう。1つ以上のスタビライザ128が液圧ダンパである場合、液圧ダンパのピストンの動きに対する抵抗は、そのサイズを制御することができるボア又は解放弁を通る流体の流れを制御することによって制御することができる。当該技術分野において知られている、グリッド構造115の動きに対する抵抗を所定の力未満に制御するが、力が所定の力を上回ったときに動きを可能にする他の手段が、本発明において許容可能である。
【0053】
図8に示すようなグリッド構造の隅は、任意選択で、垂直直立柱116bを収容するために、少なくとも1つのグリッドセルのサイズへの切り欠き部分131を備えることができる。グリッド構造115の隅に垂直直立柱116bを収容するための他の手段は、
図17に示すように、グリッド構造の隅に近位して又はグリッド構造の隅においてグリッドセルを通して垂直直立柱116bを螺入又は挿入することを含むが、それに限定されない。
【0054】
グリッド構造115の下方には、上方のグリッド構造115のグリッドパターンに対応するグリッドパターンで配置されたコンテナ110の複数のスタック112があり、そのため、グリッド構造115上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイス130は、コンテナ又は保管容器110をスタック112中の正しい位置まで下降させることが可能である。グリッド部材がグリッド構造中で交差する接合部においてノードに垂直直立材が存在しないことは、コンテナの複数のスタックが共に近接して保管されることを可能にし、従って、垂直直立材によって占有されていた空間を占有することが可能になる。本出願人は、グラバーデバイス39の4つの隅における持ち上げテザー又はテープ38のセット(
図5を参照)が、コンテナの隣接するスタックから持ち上げられている近隣のコンテナに衝突又は妨害することなく、グリッドセルを通してコンテナを持ち上げるために、グラバーデバイス39及びそれに取り付けられたコンテナの十分な横方向の安定性を提供することを知った。
図6に示すように、コンテナ又は保管容器110のスタックは、近隣のスタック中の保管容器又はコンテナがそれぞれのグリッドセルを通って持ち上げられるか、又は下降されるときに互いに衝突するのを防止するように十分に離間される。コンテナ110の近隣のスタックが保管空間中で十分に離間されることを確実にするために、コンテナの1つ以上のスタック112が、1つ以上のグリッドセルを備えるグリッドパターンで配置されたフロアレール132上に配置される(
図6を参照)。フロアレール132の配置は、フロアレール132の1つ以上のグリッドセルを備えるグリッドパターンが上方のグリッド構造115の1つ以上のグリッドセル123と整列されることを確実にする。これは、コンテナのスタック112が、グリッド構造115と同じグリッドパターンでフロアレール132上に配置されることを可能にするためである。このことから、フロアレール132は、グリッド構造115上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイス130がコンテナ又は保管容器を下方の保管空間中のそれらの正しい位置へと下降させることが可能になることを可能にする。
【0055】
耐荷重フレームワーク116は、そこから吊り下げられたグリッド構造115及びグリッド構造115上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイス130(ボットとしても知られる)の重さを含む垂直方向下向きの荷重に耐えるように構成される。
図6に示す本発明の1つの特定の実施形態では、耐荷重フレームワーク116は、グリッド構造115の隅の各々に近位して又は隅の各々において少なくとも1つの吊り下げ又は引張要素119によってグリッド構造115を吊り下げるための4つの垂直支持柱116bを備える。少なくとも1つの筋交い部材134が、各々の垂直直立柱116bの間に延在して、そこからグリッド構造115を吊り下げるための耐荷重フレームワーク116を構造的に支持する。複数の垂直直立柱116bは、垂直直立柱116bの各々の間に延在する少なくとも1つの筋交い部材134と共に、グリッド構造の周囲の周りに外骨格を形成する。耐荷重フレームワーク116、特に垂直直立柱116bは、グリッド構造が耐荷重フレームワークによって囲まれた体積内に吊り下げられるように、グリッド構造の周囲の周りに配置される。より具体的には、耐荷重フレームワーク116は、垂直直立柱116bの各々の間に延在する筋交い部材134の下にグリッド構造115を吊り下げる。
【0056】
グリッド構造の隅の各々に近位して又は隅の各々において少なくとも1つの取り付け点又は吊り下げ点121からグリッド構造を吊り下げることは、グリッド構造が実質的に水平な平面にあるように、グリッド構造を水平にすることができることを確実にする。耐荷重フレームワーク116にわたって荷重を分散させ、荷重がグリッド構造115の隅に集中するのを防止するために、グリッド構造115をそこから吊り下げるための追加の取り付け点又は吊り下げ点121を、グリッド構造115上に設けることができる。例えば、1つ以上の筋交い部材134、134bは、グリッド構造115がそこから吊り下げられるための追加の耐荷重取り付け点117を提供するように、グリッド構造115を横切って異なる場所に延在することができる。
図6に示す特定の実施形態では、筋交い部材134、134bは、グリッド構造115のグリッド部材118、120の向き又は方向に対応する2つの垂直方向に沿って延在し、即ち、筋交い部材の第1のセット134は、第1の方向に延在し、筋交い部材の第2のセット134bは、第2の方向に延在する。筋交い部材134、134bのセット(筋交い部材の第1のセット又は第2のセットのうちのいずれか)は、1つ以上のグリッドセルだけ第2の方向又は第1の方向にグリッド構造115の長さに沿って離間される。例えば、
図6に示す特定の実施形態では、第1の方向に延在する筋交い部材の第1のセット134は、第2の方向にグリッド構造115の長さに沿って等しく離間され、第2の方向に延在する筋交い部材の第2のセット134bは、第1の方向にグリッド構造115の長さに沿って等しく離間される。グリッド構造の長さに沿って離間された複数の交差筋交い部材134bは、グリッド構造115に固定されたそれぞれのいくつかの引張要素119によって、グリッド構造がそこから取り付けられる複数の耐荷重取り付け点117を提供する。引張要素119は、グリッド構造115上のそれぞれのいくつかの取り付け点又は吊り下げ点121に固定される。
図9では、グリッド構造115は、複数の引張要素119の間で荷重を分散させるために、グリッド構造115上の様々な場所に固定された複数の引張要素119から吊り下げられている。
【0057】
引張要素119は、引張要素119が障害物となることなく1つ以上の積み荷取り扱いデバイスが引張要素119を越えて移動することが可能となるように、グリッド構造115に固定される。1つ以上の積み荷取り扱いデバイスは、グリッド構造115上に溝136を備えるトラック122によって案内される。積み荷取り扱いデバイスを案内するためのトラックの更なる詳細は、以下に議論する。
図10は、積み荷取り扱いデバイスがトラックに沿って互いに通過することを可能にするようにトラック122の溝136が並んで配置される、ダブル又はデュアルトラックとして構成されたトラック122を示す。トラックの両側の溝136は、積み荷取り扱いデバイスが互いに通過することを可能にするように十分に離間される。溝と溝の間の間隔又は安全地帯138は、少なくとも1つの引張要素119がグリッド構造115上の移動する積み荷取り扱いデバイスの障害物とはならずに、少なくとも1つの引張要素119をそこから固定するための便利な場所を提供する。
【0058】
図6及び
図11に示す特定の実施形態では、垂直直立柱116bの各々の間に及び/又はグリッド構造を横切って延在する少なくとも1つの筋交い部材134、134bは、トラスであり得る。垂直直立柱を接続する及び/又はグリッド構造を横切るトラスは、軸方向の引張又は圧縮状態にある直線状の相互接続された構造要素の三角形システムを備える軽量剛性構造を提供する。本発明の目的のために、「トラス」は、1つ以上の斜め及び/又は直線部材によって共に接合された上弦材及び下弦材から成る剛性構造である。垂直直立柱116bに少なくとも1つの筋交い部材134、134bを堅く固定するために、及び/又は隣接する筋交い部材134、134bを接続するために、様々な構造ジョイント又はコネクタを使用することができる。これらは、溶接、ボルト、及び/又はリベットを含むが、それらに限定されない。構造ジョイント又はコネクタはまた、筋交い部材及び/又は垂直直立柱の接続のいずれかの間に相対的な動き又は「スリップ」を提供するための1つ以上のスリップジョイントを含むことができる。
【0059】
平坦でないグリッド構造は、グラバーデバイスの下方の1つ以上の保管容器又はコンテナとの適切な係合に影響を及ぼすので、耐荷重フレームワークから吊り下げられたときのグリッド構造115が水平であることが必須である。上記で議論したように、グリッド構造115は、グリッド構造115上の様々な取り付け点121から取り付けられる。グリッド構造115が実質的に水平な平面にあるように水平であるために、耐荷重フレームワークからグリッド構造を吊り下げるための引張要素119は、グリッド構造の隅の各々に近位しているか、又は隅の各々にある。グリッド構造の隅の各々に近位して又は隅の各々においてグリッド構造を吊り下げている引張要素119の各々の長さは、グリッド構造が実質的に水平な平面にあるようにサイズ決定される。グリッド構造のレベルを制御するために、グリッド構造の隅の各々に近位する又は隅の各々における引張要素のうちの少なくとも1つの長さは、調整可能にすることができる。少なくとも1つの引張要素119の長さを調整するための、当該技術分野において知られている様々な機構が、本発明において許容可能である。例えば、少なくとも1つの引張要素119は、少なくとも1つの引張要素119の長さを調整し、それによって、耐荷重フレームワークの耐荷重取り付け点とグリッド構造との間の分離を調整するための調整機構119cを備えるか、又は調整機構119cに固定される。引張又は吊り下げ要素、特に引張要素の可変長の説明を容易にするために、引張要素は、1つ以上の部分を備えることができ、1つ以上の部分の各々は、非伸長可能部分119b、任意選択の調整可能部分119c、及び任意選択の電動部分119dを備える。非伸長可能部分119bは、例えば、上記で議論したような超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を備えるテザーであり得る。本発明の実施形態による引張要素119の異なる部分は、
図12に示す。調整可能部分119c及び電動部分119dは、任意選択であり、引張要素119の長さL全体を調整するように機能する。言い換えれば、引張要素という用語は、非伸長可能部分、任意選択の調整可能部分119c、及び任意選択の電動部分119dを包含するように広く定義される。引張要素を説明する別の方法は、引張要素119bが非伸長可能要素であり、耐荷重フレームワークが、任意選択で、引張要素119bに固定された調整機構119cを備えることができることである。調整機構は、グリッド構造の高さを調整するために伸長又は収縮することができる可変長を有する。更に、耐荷重フレームワークは、任意選択で、調整機構を自動的に調整するためのモータを備えることができる。
【0060】
本発明の特定の実施形態では、調整機構又は部分119cは、
図12に示すように、少なくとも1つの引張要素119の長さを調整するために伸長又は収縮することができるねじ軸を備える。少なくとも1つの引張要素119の長さを調整するための他の手段が、本発明において適用可能である。これらは、当該技術分野において一般に知られている、空気又は油圧縮を使用する液圧システムを含むが、それに限定されない。調整機構119cは、グリッド構造のレベルが自動的に調整されることを可能にするように電動化することができる。
図12に示すように、耐荷重フレームワークの耐荷重取り付け点117に固定されたモータ119dは、引張要素119bの一部分に接続されたねじ軸を回転させて、引張要素119の長さ又は耐荷重フレームワークの耐荷重取り付け点117とグリッド構造115との間の分離を制御するために使用される。調整機構に接続された引張要素119bの一部分又は部分は、ケーブル又はロープ又はビームであり得る。例えば、ケーブル119bの一端は、調整機構119cに固定され、ケーブル119bの他端は、グリッド構造又は別の任意選択の調整部分119cに固定される。
【0061】
調整機構119cは、グリッド構造のレベルを制御するために遠隔操作することができる。グリッド構造に取り付けられた傾斜計又は傾斜センサなどの1つ以上のセンサ(図示せず)を、グリッド構造のレベルを監視するために使用することができる。グリッド構造の傾斜を測定するのに適した傾斜計の例は、ボール機構、容量性傾斜センサ、等を含むが、それらに限定されない。制御システムは、グリッド構造に取り付けられた1つ以上の傾斜センサからのグリッド構造のレベルの測定値が制御システム中に入力され、制御システムによって使用されて、グリッド構造の傾斜又は角度方向が所定の範囲、即ち+/-0°~5°、好ましくは0°~1°、より好ましくは0.1°から外れることに応答して1つ以上の引張要素の調整機構を制御するフィードバックループ上で動作することができる。制御システムは、上記で議論したように、耐荷重フレームワーク内のグリッド構造の安定化を制御するための同じ制御システムであり得るか、又は別個の制御システムであり得る。
【0062】
グリッド構造のレベル又は角度方向を測定及び調整するための傾斜センサを利用するフィードバックループの主要構成要素を示すブロック図の例は、
図13に示す。
図13に示す例では、1つ以上の傾斜センサ140が、グリッド構造の角度方向を監視し、測定信号が、制御システム142に供給される。グリッド構造に取り付けられた1つ以上の傾斜センサ140によって測定されたグリッド構造の角度方向が所定の傾斜角度範囲外にある場合、コントローラ又は制御システム142は、1つ以上の傾斜センサからの信号が所定の傾斜角度範囲内に入るまで、それらのそれぞれの調整レベル機構119cを作動させることによってそれらの長さを調整するように、1つ以上の引張要素119に命令するであろう。制御システム142は、1つ以上の傾斜センサ及び/又は調整機構のうちのいずれかからの信号を制御システムにワイヤレスに送ることができるように、ネットワークにわたって1つ以上の傾斜センサ140及び/又は調整機構119cと通信するように構成することができる。ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、又は任意の他のタイプのネットワーク、例えば、Bluetooth(登録商標)若しくは他の短距離ワイヤレスリンクを備え得る。1つ以上の傾斜センサ及び/又は調整機構は、ネットワークにワイヤード又はワイヤレスで結合することができる。制御システムと1つ以上の傾斜センサ及び/又は調整機構との間のデータ通信は、ワイヤレス送信機/受信機手段を経由することができる。
【0063】
しかしながら、グリッドレベルの調整は、1つ以上のスタビライザ128が、耐荷重フレームワーク116から吊り下げられたグリッド構造115を安定化させる能力に影響を及ぼし得る。この問題を軽減するために、1つ以上のスタビライザ128は、グリッド構造のレベルが調整された場合にグリッド構造115を再安定化させるように調整することができる。例えば、1つ以上のスタビライザ128がケーブル又はテザーである場合、ケーブル又はテザー128の引張は、それらが正しい引張状態にあること、即ち収縮されることを確実にするように調整することができる。同様に、1つ以上のスタビライザ128が液圧ダンパである場合、液圧ダンパが動きに対して正しい抵抗を提供することを確実にするように、例えば解放弁及び/又は液圧流体を制御することによって、液圧ダンパを調整することができる。いずれの場合も、地震事象中の1つ以上の加速度計による耐荷重フレームワークの動きの検出は、1つ以上のスタビライザ128を解除させ得、グリッド構造の振動が耐荷重フレームワークの動きを減衰させることを可能にし得る。
【0064】
グリッド構造115自体に移ると、本発明のグリッド部材118、120の各々は、トラック支持体118b、120b、及び/又はトラック若しくはレール122a、122b(
図14を参照)を備えることができ、それによって、トラック又はレール122a、122bは、トラック支持体118b、120bに取り付けられる。積み荷取り扱いデバイスは、本発明のトラック又はレール122a、122bに沿って移動するように動作可能である。代替として、トラック122a、122bは、例えば押出成形によって、単一体としてトラック支持体118b、120bに統合することができる。
図14に示す本発明の特定の実施形態では、グリッド部材は、トラック支持体118b、120b及び/又はトラック122a、122bを備え、それによって、トラック又はレール122a、122bは、トラック支持体118b、120bに取り付けられる。横断面におけるトラック支持体118b、120bは、C字形若しくはU字形若しくはI字形の断面の中実支持体、又は二重C字形若しくは二重U字形の支持体でさえあり得る。
【0065】
図14は、グリッド構造115のグリッド部材118、120が、ウェブによって接続された対向するビームフランジを備えるIビームであり、グリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスからの荷重に抵抗することが可能な例である。トラック又はレール122a、122bは、それらがTビーム118b、120bのビームフランジ上に単にスナップ嵌めされることを可能にする係合部分を有する。
図14に示すように、トラック支持体118b、120bへのトラックの取り付けは、トラック支持体118b、120bの最上部又はビームフランジに置くか又はそれに重なるように成形された逆U字形断面輪郭を含む。U字形輪郭の各枝部から延在する1つ以上の突起が、トラック支持体118b、120bの端部とスナップ嵌め構成で係合する。Tビームは、垂直方向に優れた支持を提供するが、本発明の別の例では、グリッド部材118、120は、主に、管状又は箱形断面ビームから作製することができる。
図15に示すように、管状ビーム118、120は、背中合わせのC断面及びTビームと比較して改善された剛性及び強度を提供する。
図15に示すようなグリッド部材118、120の管状断面輪郭は、複数の方向への曲げモーメントに対する抵抗を提供し、このことから、グリッド構造によって経験される曲げモーメントは、横方向の力を大きく吸収する垂直直立柱に伝達することができる。管状ビーム118、120の外面は、
図16に示すように、トラック又はレール122が管状ビーム上にスナップ嵌め又はスライド嵌めされることを可能にする、即ち、トラック支持体が統合され、グリッド部材118、120の一部を形成するための、管状ビームの対向する壁の長手方向の長さに沿って延在する刻み目又は窪み141を有する。
図14及び
図15に示す本発明の両方の実施形態では、「グリッド部材」という用語は、トラック支持体及び/又はトラックを備えるものとして大まかに定義される。トラックは、トラック支持体に統合することができる。例えば、トラックの輪郭は、トラック支持体に成形することができる。
【0066】
代替として、別個のトラック支持要素(図示せず)を、グリッド部材に直接取り付けて、その上にトラックが取り付けられることを可能にすることができる。トラック支持要素は、トラック又はレールがグリッド部材118、120に確実に嵌合されることを可能にするキーを提供する。複数のトラック支持要素が、トラックを受け入れるように成形された輪郭を有するグリッド部材上に分散される。このことから、トラック支持要素がグリッド部材の本体に統合される上記で議論したグリッド構造のグリッド部材と比較して、グリッド構造のトラック支持要素は、グリッド部材とは別個であり、トラックを固定するためのキーを提供する。トラックは、スナップ嵌め及び/又はスライド嵌め構成によって、トラック支持要素を介してグリッド部材に嵌合される。トラック支持要素は、グリッド部材に溶接することができる。本発明のグリッド構造は、グリッドのグリッド要素に溶接される別個の構成要素であるトラック支持要素に限定されない。トラック支持要素は、管状グリッド部材の本体に統合することができる。例えば、トラック支持要素の輪郭は、単一体としてグリッド部材と共に押出成形することができるか、又はグリッド部材の輪郭は、トラック支持要素を含むように成形することができる。
【0067】
本発明の目的のために、トラックは、シングルトラック又はダブルトラックのうちのいずれかを備えることができる。グリッド構造を吊り下げるための取り付け点は、取り付け点及びそこから吊り下げられた少なくとも1つの引張要素が、トラック上を移動する1つ以上の積み荷取り扱いデバイスの障害物になることを防止するように、トラック上に配置される。トラックは、積み荷取り扱いデバイスの車輪の少なくとも1つのセットを収容するための溝又は凹部を備える。
図10は、積み荷取り扱いデバイスがトラックに沿って互いに通過することを可能にするようにトラックの溝136が並んで配置されるダブルトラックとして構成されたトラック122を示す。上記で議論したように、トラックの両側の溝136は、積み荷取り扱いデバイスが互いに通過することを可能にするように十分に離間される。溝又は島の間の間隔は、少なくとも1つの引張要素がグリッド構造上の移動する積み荷取り扱いデバイスの障害物とはならずに、少なくとも1つの引張要素をそこから取り付けるための便利な場所を提供する。
【0068】
本発明の態様では、グリッド部材118、120は、共にボルト留めされる代わりに、交差部において共に溶接されて、ボルト留めのみによって提供することができるよりも剛性で頑丈なジョイントを提供する。このことから、グリッド構造中で発生した横方向の力は、グリッド部材がノード124の各々において交差するジョイントにおいて曲げモーメントとして伝達される。グリッド構造115全体は、吊り下げられるより前に共に事前に組み立てることができる。グリッド部材118、120を共に事前に組み立てることによって、例えばロボット溶接を使用して、グリッド部材をより安全な環境で遠隔的に溶接することができるので、現場でグリッド部材を共に溶接した結果としての安全衛生面が軽減されるであろう。事前に組み立てられたグリッド構造は、次いで、現場で耐荷重フレームワークから吊り下げられるようにその後上昇させることができる。現場で即ちインサイチュでグリッド部材を共に溶接することは、溶接ヒュームの暴露及び火災の危険に起因して、安全衛生法に反し得る。グリッド部材118、120は、管状であるように示しているが、グリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスを支持するために必要とされる耐荷重特性を有する他の断面形状が、本発明において適用可能である。これらは、ウェブによって接続する対向するビームフランジを備えるI字形、箱形、L字形、又はC字形チャンネルさえも含むが、それらに限定されない。
【0069】
グリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスの結果として経験される重さ及び横方向の力に集合的に耐えるために、(厚さ及び重さが)より実質的なグリッド構造のグリッド部材を有することとは対照的に、
図17に示す本発明のまた更なる実施形態では、グリッド構造215は、トラス218の組み立て体上に支することができるか、又はトラス218の組み立て体から形成することができる。トラス218の組み立て体は、軸方向の引張又は圧縮状態にある直線状の相互接続された構造要素の三角形システムを備える軽量剛性構造を提供する。軽量剛性構造は、グリッド構造215が耐荷重フレームワーク116から吊り下げられることを可能にし、グリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスの重さに耐えるのに十分な構造的剛性を更に提供するための完璧な候補である。トラス組み立て体は、現場で耐荷重フレームワークから吊り下げられるより前に、完全に又は部分的に予め組み立てることができる。軸方向の引張又は圧縮状態にある直線状の相互接続された構造要素の三角形システムは、鋼、アルミニウム、又はプラスチック材料若しくは複合材料、例えば、炭素繊維強化材などのより軽量な材料さえも含むが、それらに限定されない、異なるタイプの材料がトラス要素のために使用されることを可能にする。ボルト又は他の適切な取り付け手段が、トラスを組み立て体中に共に固定するために使用され得る。トラスの構造要素のための複合材料又はポリマー材料の使用はまた、構造要素を共に接合するための特殊接着材の使用を可能にする。トラス要素又は部材を構成する軽量材料又はビームを使用することは、重い持ち上げ機械を使用せずに、又は最小限の使用で、グリッド構造が現場で容易に手動で取り扱われることを可能にする。
【0070】
詳細には、グリッド構造は、1つ以上の直線部材によって共に接続された横方向に離間されたトラス218の組み立て体であると想定することができ、トラスの各々は、斜め及び/又は直線の下向き部材又はウェブによって接合された上弦材及び下弦材を備える。
図17に示す保管システム200の特定の実施形態では、トラック222は、上側及び下側の弦材又は部材を接合する斜め筋交い部材を備えるワーレントラスの組み立て体上に支持される。特定の実施形態は、ワーレントラスの組み立て体を示すが、トラス組み立て体は、ワーレントラス、又はKトラス、又はフィンクトラス、又はプラットトラス、又はギャンブレルトラス、又はハウトラスを含むが、それらに限定されない、横方向の力に対してグリッド構造に構造的剛性を提供するあらゆるタイプのトラスであり得る。本発明の特定の実施形態では、斜め筋交い部材227は、上弦材218bと下弦材218cとの間に配置されて、Kブレースを形成する。トラス組み立て体は、三角形又は他の非台形の形状を有し得る。例えば、上弦材と下弦材との間のXブレースを含むが、それに限定されない、他の斜め構成が適用可能である。グリッド構造の動作では、上弦材218bは、典型的には、圧縮状態にあり、下弦材218cは、典型的には、組み立て体中で引張状態にある。上弦材と下弦材とを接続する斜め筋交い部材227に加えて、直線状の下向き部材又はウェブが、上弦材と下弦材との間に配設される。
【0071】
トラスの組み立て体は、第1の方向に延在する1つ以上の直線状の交差部材221a、221bによって互いに対して分離された水平な平面において共に横方向に接合される。直線交差部材221aは、近隣のトラス218の上弦材218bの間に固定して接続される。任意選択で、直線交差部材221bは、近隣のトラス218の下弦材218cの間に固定して接続される。個々のトラス部材218を共に接続する直線交差部材221a、221bは、第2の方向に延在するトラス218の長手方向の長さに沿って等間隔で離間される。個々のトラス218と、個々のトラス218を共に接続する直線交差部材221a、221bの間隔との間の分離は、上記で議論したグリッド構造のグリッドパターンに類似するグリッドパターンを作成するように配置され、即ち、第1の方向は、第2の方向に対して実質的に垂直である。
図17に示す本発明の特定の実施形態では、近隣のトラス218の上弦材218bと、上弦材218bを共に接続する直線交差部材221aとは、複数のグリッドセルを備える上部グリッド構造を提供するように配置される。同様に、近隣のトラス218の下弦材218cと、下弦材218cを共に接続する直線交差部材又は下部直線交差部材221bとは、複数のグリッドセルを備える下部グリッド構造を提供するように配置される。本発明の他の実施形態で使用する文言との一貫性を保つために、本発明のこの実施形態におけるグリッド構造は、上部グリッド構造215b及び下部グリッド構造215cを備えると想定することができる。上部グリッド構造215bのグリッドセルと下部グリッド構造215cのグリッドセルとは、上部グリッド構造215b上で動作可能な積み荷取り扱いデバイス30からのグラバーデバイスを上部グリッド構造215b及び下部グリッド構造215c中のグリッドセルを通って下降及び/又は上昇させることができるように整列又は位置合わせされ、即ち、上部グリッド構造215b及び下部グリッド構造215c中のグリッドセルは、それらのそれぞれのグリッドセルが整列されるように垂直に重なり合う。
【0072】
上弦材218bの組み立て体と、近隣のトラス218間の直線交差部材221aとは、複数のグリッドセルを備えるトラック支持体を提供するようにグリッドパターンで配置される。トラック支持体には、第1の方向に延在するトラックの第1のセットと第2の方向に延在するトラックの第2のセットとを有する同様のグリッドパターンで配置されたトラック222が取り付けられ、第1の方向は、第1の方向に対して実質的に垂直である。トラック支持体及びトラックは、本発明のグリッド構造を画定するようにグリッドパターンで配置される。複数のトラック222は、上部グリッド構造215bのトラック支持体上の対応する係合特徴にスナップ嵌めすることができる係合特徴を備える。本発明において同様に適用可能であるのは、1つ以上の積み荷取り扱いデバイス30が上部グリッド構造215b上を移動することを可能にするように、トラック222を近隣のトラス218間の上弦材218b及び直線交差部材221aに統合することである。例えば、近隣のトラス218間の上弦材218b及び直線交差部材221aの輪郭は、トラック222を提供するように成形される。本発明の目的のために、トラックは、シングルトラック又はダブルトラックのうちのいずれかを備えることができる。
【0073】
トラスの組み立て体を備えるトラック支持体は、本発明の耐荷重フレームワークによってフロアの上方に吊り下げられて、コンテナ110の複数のスタックを保管するための開放保管空間を作成する。コンテナ又は保管容器の複数のスタックは、グリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスが、下方の保管空間中のその正しい位置におけるコンテナ又は保管容器を正しく取り出すことができるか又は下降させることができるように、グリッド構造と同様のグリッドパターンで配置される。上記で議論したように、上方に吊り下げられたグリッド構造と同様のグリッドパターンを有するフロアレール132は、フロア上にコンテナ又は保管容器を正確に位置付けるのに役立つ。1つ以上の耐荷重取り付け点を提供するために、複数の垂直直立柱116bの各々からの少なくとも1つの筋交い部材134と、グリッド構造を横切る1つ以上の交差筋交い部材134bとによって筋交いを付けられた複数の垂直直立柱116bを備える、上記で論議された同様の耐荷重フレームワーク116を、下にグリッド構造を吊り下げるために使用することができる。また、
図17に示すように、グリッド構造は、垂直直立柱116bが、
図6に示すようなグリッド構造の切り欠きに対してではなく、グリッド構造215の隅においてグリッドセル223を通して螺入されるように、耐荷重フレームワークから吊り下げられる。
図6に示す本発明の第1の実施形態と同様に、耐荷重フレームワーク116は、耐荷重フレームワークに対するグリッド構造の動きを減衰させるための手段を更に備える。例えば、グリッド構造の動きを減衰させるための手段は、グリッド構造の動きを減衰させるために耐荷重フレームワークとグリッド構造との間に配設された1つ以上のダンパを備える。同様に、本発明の第1の実施形態の場合と同様に、1つ以上のスタビライザは、グリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスによって保管場所から1つ以上のコンテナを取り出し、保管場所に1つ以上のコンテナを下降させるときに、保管システムの通常動作中の動きからグリッド構造を支持する。
【0074】
グリッド構造が実質的に水平な平面にあるように耐荷重フレームワークからグリッド構造を吊り下げる異なる配置も、本発明において許容可能である。
図18に示すグリッドフレームワーク構造314を備える保管システム300の第3の実施形態では、引張要素319によって耐荷重フレームワーク316からグリッド構造315を吊り下げるための異なる配置を示す。
図6及び17に示す本発明の他の実施形態と同様に、グリッド構造315は、グリッド構造315のレベルが調整されることを可能にするように、グリッド構造315の隅321の各々から、又は隅321の各々に近位して吊り下げられる。上記の
図17を参照して説明したトラスの組み立て体から形成された同じグリッド構造315は、本発明の第3の実施形態におけるグリッドフレームワーク構造314中で使用することができる。しかしながら、1つ以上の積み荷取り扱いデバイスを支持するための他のタイプのグリッド構造が、本発明において適用可能である。例えば、グリッド構造は、Iビーム又は管状ビームを備える、
図14~16に教示するような耐荷重ビームに基づくグリッド部材を備えることができる。
【0075】
耐荷重フレームワークからグリッド構造315を吊り下げる引張要素319は、横方向への動きからグリッド構造315を安定化させるようなパターンで配置される。本発明の他の実施形態で説明した引張要素と比較して、引張要素319は、耐荷重フレームワークとグリッド構造との間に固定された伸長可能な要素である。
図18に示す本発明の特定の実施形態では、引張要素319は、垂直直立柱316bの各々と、グリッド構造315の少なくとも2つの異なる隅とに固定される317。より具体的には、少なくとも2つの引張要素319が、垂直直立柱316bの各々と、グリッド構造315の少なくとも2つの対角線上に対向する隅との間で張力を掛けられる。これは、少なくとも2つの垂直直立柱316bに固定された少なくとも2つの引張要素319によって、グリッド構造の各隅が異なる方向又は反対方向(実質的に2つの垂直方向)に引っ張られるように、グリッド構造の全ての4つの隅において繰り返される。言い換えれば、少なくとも2つの引張要素319が、垂直直立柱316bの各々に、及びグリッド構造315の2つの異なる隅に、より具体的にはグリッド構造315の対角線上に対向する隅に固定され、そのため、グリッド構造315の隅の各々における引張要素319が、2つの異なる方向又は反対方向(実質的に垂直な方向)にグリッド構造を引っ張る。垂直直立柱316b及びグリッド構造315に固定された引張要素319のパターンは、
図19におけるグリッドフレームワーク構造の上面図に示す。2つの異なる方向にグリッド構造の各隅を引っ張ることによって、グリッド構造315は、全ての方向への横方向の動きから安定化される。グリッド構造315の隅に固定された引張要素319は、引張要素がグリッド構造の周囲の周りに延在し、それによって、グリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスの移動を妨害しないようなパターンで配置され、即ち、グリッド構造の動作表面を、1つ以上の積み荷取り扱いデバイスがグリッド構造上を移動するのを妨げるであろう任意の障害物が一掃された状態に保つ。言い換えれば、グリッド構造315は、グリッド構造の周囲の周りの引張要素319によって囲まれた体積内に吊り下げられる。
【0076】
グリッド構造315の周囲の引張要素319のパターンは、
図19において説明することができ、ここで、グリッド構造315の隅に近位する又は隅における垂直直立柱316bは、A、B、C、及びDとラベル付けされ、グリッド構造の隅は、I、II、III、及びIVとラベル付けされる。耐荷重フレームワーク316からグリッド構造を吊り下げながらグリッド構造を安定化させるために、引張要素319は、少なくとも1つの耐荷重取り付け点への垂直直立材Aとグリッド構造315の隅II、IVとの間に固定される。同様に、引張要素319は、垂直直立材Bとグリッド構造315の隅I、IIIとの間に固定される。これは、垂直柱Cが隅II及びIVを支持し、垂直柱Dが隅I及びIIIを支持するように、グリッド構造の周囲で繰り返される。垂直柱A、B、C、Dとグリッド構造のそれらのそれぞれの隅との間で張力を掛けられた引張要素は、グリッド構造が垂直直立柱によって囲まれた体積内に吊り下げられるように、全ての方向に引張力を提供する。
図19の矢印は、耐荷重フレームワークによって囲まれた体積内でグリッド構造を安定化させる引張要素の各々からの引張力の方向を示す。
図19から分かるように、2つの引張要素319が、グリッド構造315の各隅に固定される。また、
図18及び19では、破線として示す、垂直直立柱の各々における追加の任意選択の引張要素319bを示し、そのため、3つの引張要素が、垂直直立柱の各々及びグリッド構造の3つの隅に固定されて、グリッド構造の増大した安定性を提供する。別の言い方をすれば、3つの引張要素が、グリッド構造315の各隅に固定される。
【0077】
図18には、グリッド構造315を吊り下げるための異なる耐荷重フレームワーク316も示す。耐荷重フレームワークの垂直直立柱316bの各々は、正方形又は長方形の構成で配置され、1つ以上の斜め及び/又は直線部材によって共に筋交いを付けられた4つの垂直部材を備える。垂直直立柱316bは、耐荷重フレームワーク316の安定性を改善するために、1つ以上の交差部材334によって共に接続することができる。垂直直立柱316bと同様に、1つ以上の交差部材334は、正方形又は長方形構成で配置され、1つ以上の斜め及び/又は直線筋交い部材によって共に筋交いを付けられた4つの部材を備え得る。グリッド構造315の隅に近位する垂直直立柱316bの各々は、2つ以上の引張要素319を垂直直立柱316bに固定するための少なくとも1つの耐荷重取り付け点を備えることができる。
【0078】
図18に示す実施形態は、垂直直立柱316b及び交差部材334の異なる配置を示すが、耐荷重フレームワーク316は、
図18に示す耐荷重フレームワークに限定されず、耐荷重フレームワークからグリッド構造を吊り下げるための構造的安定性を提供する、垂直直立柱及び交差部材の他の配置が、本発明において適用可能である。例えば、グリッド構造及び引張要素のパターンは、
図6に示す耐荷重フレームワークから吊り下げることができる。
【0079】
グリッドフレームワーク構造を備える保管システム400の第4の実施形態では、グリッド構造415は、1つ以上の積み荷取り扱いデバイスがグリッド構造415のモジュラーユニット415(a~d)間で動作することを可能にするために、共に接合されて単一体を形成する別個のモジュラーユニット415(a~d)として形成される。モジュラーユニット415(a~d)の各々は、グリッド構造415上で動作可能な積み荷取り扱いデバイスがあるモジュラーユニットから別のモジュラーユニットに移動することが可能であるように、組み立てられ、共に接続された複数のグリッドセルを備える個々のモジュラーグリッド構造を備える。
図20(a)に示す本発明の第4の実施形態では、4つのモジュラーユニット415(a~d)が組み立てられ、共に接続されて、直線状又は正方形のグリッド構造415を形成する。複数のモジュラーユニットを備えるグリッド構造を吊り下げる様々な方法が、本発明において適用可能である。
図20(a)に示す本発明の一例では、グリッド構造415は、傘型構成で単一の支柱又は単一の垂直直立柱416bから吊り下げられ、ここで、単一の垂直直立柱416bからグリッド構造415を吊り下げる引張要素419は、傘の親骨を形成し、即ち、グリッド構造は、中心垂直直立材から吊り下げられ、引張要素は、中心垂直直立柱から扇形に広がる。
【0080】
隣接する又は近隣のモジュラーユニット415(a~d)を共に接続するジョイントは、溶接、ボルト、及び/又はリベットを含むことができるが、それらには限定されない。構造ジョイント又はコネクタはまた、隣接する又は近隣のモジュラーユニット415(a~d)間に相対的な動き又は「スリップ」を提供するための1つ以上のスリップジョイントを含むことができる。隣接するモジュラーユニット間の接続部417bは、グリッド構造415の軸方向に沿っており、即ち、近隣のモジュラーユニット間の接続部417bは、第1の方向及び第2の方向に沿っており、ここで、第1の方向及び第2の方向は、実質的に垂直である。複数の引張要素の一端は、隣接する又は近隣のモジュラーユニット415(a~d)間を軸方向に走る接続部に沿って複数の取り付け点又は吊り下げ点421に固定され、複数の引張要素419の他端は、垂直直立柱416bに固定されて、地上からグリッド構造を吊り下げる。グリッド構造が水平であることを確実にするために、グリッド構造は、近隣の又は隣接するモジュラーユニット415(a~d)間の4つの軸方向接続部から吊り下げられる。
【0081】
複数の引張要素419は、単一の垂直直立柱416bの最上部又は上部における頂点417(耐荷重取り付け点を表す)から、隣接するモジュラーユニット415(a~d)間の接合部に沿ってそれぞれのいくつかの取り付け点又は吊り下げ点421まで延在する。単一の垂直直立柱416bからグリッド構造415を吊り下げるための引張要素419の各々は、グリッド構造上の近隣のモジュラーユニット415(a~d)間のそれぞれの吊り下げ点又は取り付け点421から垂直直立柱416bまである角度で延在する。グリッド構造415上の複数の取り付け点又は吊り下げ点421は、隣接するモジュラーユニット415(a~d)間の接続部417bの長さに沿って離間され、そのため、引張要素419が、垂直直立柱416bまで異なる角度で延在する。引張要素419がグリッド構造415と垂直直立柱416bとの間で張力を掛けられたケーブルである場合、ケーブル419は、グリッド構造415と垂直直立柱416bとの間である角度で延在する。しかしながら、モジュラーユニット415(a~d)と単一の垂直直立柱416bとの間で角度を付けられた引張要素419は、モジュラーユニット415(a~d)を横切ってあるモジュラーユニットから別のモジュラーユニットに移動する1つ以上の積み荷取り扱いデバイスにとっての障害物となるであろう。1つ以上の積み荷取り扱いデバイスがモジュラーユニット415(a~d)間を移動することを可能にするために、近隣の又は隣接するモジュラーユニット間の1つ以上のグリッドセルは、近隣のモジュラーユニット間を移動する1つ以上の積み荷取り扱いデバイスが引張要素によって遮られない程度に遮られていない経路が設けられる。近隣のモジュラーユニット間に遮られていない経路を提供する1つの方法は、引張要素419がグリッド構造415と成す角度が、1つ以上の積み荷取り扱いデバイスが引張要素419の下を移動することを可能にすることである。
図20(b)において矢印によって示すように、近隣のモジュラーユニット415(a~d)間に遮られていない経路を提供する別の方法は、近隣のモジュラーユニット間の1つ以上のセルには垂直直立柱に引張要素を固定するために使用される取り付け点又は吊り下げ点421がないことである。このことから、近隣のモジュラーユニット間の1つ以上の遮られていない経路は、1つ以上の積み荷取り扱いデバイスが近隣のモジュラーユニットを横切って移動するための経路を提供し、複数のモジュラーユニット415(a~d)が共に接続されて、複数のグリッドセルを備える単一のモジュラーユニットで達成することができるよりも大きいグリッド構造415を作成することを可能にする。
【0082】
複数のモジュラーユニットを備えるグリッド構造を吊り下げる異なる配置は、
図20及び21に示す。
図21に示すグリッドフレームワーク構造を備える保管システム500の第5の実施形態では、2つのモジュラーユニット515a、515bが組み立てられ、共に接続されて、グリッド構造515を形成する。グリッド構造515は、グリッド構造515の両側又は対向する縁部524から吊り下げられる。グリッド構造515が実質的に水平な平面にあるようにバランスを保たれることを確実にするために、垂直直立柱516bは、モジュラーユニット515a、515bを共に接続する接合部においてグリッド構造515の両側に位置付けられる。複数の引張要素519は、グリッド構造515の両側の単一の垂直直立柱516b上の少なくとも1つの耐荷重取り付け点517と、グリッド構造の縁部524におけるそれぞれのいくつかの吊り下げ点又は取り付け点521とに固定される。グリッド構造515は、グリッド構造の対向する縁部又は側部に固定された複数の引張要素519によって少なくとも1つの垂直直立柱516bから吊り下げられる。複数の引張要素519は、垂直直立柱516bの最上部又は上部における頂点517から、グリッド構造515の縁部又は側部524に沿ってそれぞれのいくつかの取り付け点又は吊り下げ点521までV字形の構成で延在する。垂直直立柱516b上の少なくとも1つの耐荷重取り付け点521は、複数の引張要素の頂点を画定する。
【0083】
グリッド構造515は、頂点から垂直直立柱516bの両側から延在する複数の引張要素519によって、グリッド構造515の1つの縁部524に沿ってバランスを保たれる。これは、実質的に水平な平面にあるようにグリッド構造のバランスを保つために、グリッド構造515の対向する縁部又は側部524上で繰り返される。言い換えれば、垂直直立柱516b及びグリッド構造515に固定された複数の引張要素519は、実質的に水平な平面にあるように吊り下げ構成でグリッド構造のバランスを保つように配置される。グリッド構造の対向する縁部又は側部524においてグリッド構造を吊り下げることによって、グリッド構造上の経路、即ち、吊り下げ点521間の経路は、1つ以上の積み荷取り扱いデバイスがあるモジュラーユニット515aから別のモジュラーユニット515bに遮られずに移動することが可能であるように空いている。
【0084】
図21に示すグリッド構造の拡張として、複数のモジュラーユニットを組み立て、共に接続して、より一層大きいグリッド構造を作成することができる。
図22に示すグリッドフレームワーク構造を備える保管システム600の特定の実施形態では、各列が2つ以上のモジュラーユニット615a、615b及び615c、615dを備える、2列のグリッド構造615a、615b及び615c、615dは、共に接続され、複数の垂直直立柱から吊り下げられる。2つ以上のモジュラーユニット615a、615b及び615c、615dの列は、少なくとも1つの中二階640によって分離される。中二階640は、積み荷取り扱いデバイスにサービス提供するためのピッキングステーション及び/若しくはサービスステーション、並びに/又は積み荷取り扱いデバイスに搭載された再充電可能な電源、例えばバッテリを充電するための充電ステーションを収容するために、グリッドフレームワーク構造内にトンネルの形態のサービスエリアを提供する。1つ以上の積み荷取り扱いデバイスが、中二階640の両側のグリッド構造615a、615b及び615c、615d上で動作可能である。
図21と同様の引張要素619のパターン配置は、複数の垂直直立柱616bからグリッド構造615a、615b及び615c、615dを吊り下げるために使用することができ、それによって、中二階640の両側のグリッド構造615a、615b及び615c、615dは、垂直直立柱616bの両側の複数の引張要素619によってバランスを保たれる。垂直直立柱616bの3つのセットは、グリッド構造に沿った異なる場所において
図22に示す。垂直直立柱の各セットは、中二階の両側でグリッド構造の一部分を吊り下げるための2つの垂直直立柱を備える。複数の引張要素619は、垂直直立柱616b上の固定点又は耐荷重取り付け点617から延在し、グリッド構造615a、615b及び615c、615d上の、即ちグリッド構造の縁部及び/又は隣接するモジュラーユニット間の接合部における、それぞれのいくつかの取り付け点又は吊り下げ点621に扇形に広がる。
【0085】
保管場所からコンテナ又は保管容器を取り出す、グリッド構造上で動作可能な1つ以上の積み荷取り扱いデバイスのための、グリッド構造615a、615b及び615c、615dの下に、コンテナ又は保管容器610の複数のスタック612が保管されていることが、示されている。
図6~21を参照して議論した本発明の他の実施形態と同様に、グリッドフレームワーク構造614は、吊り下げられたグリッド構造の動きを減衰させるための1つ以上のダンパを備える。1つ以上のダンパは、垂直直立柱又はグリッド構造の任意の部分に取り付けることができる。ダンパは、地震又は強風などの強い横方向の力がグリッド構造に当たるときはいつでも、耐荷重フレームワークのバイブレーションの振幅を許容可能なレベルまで低減するための、「高調波アブソーバ」とも呼ばれる同調マスダンパ(TMD)であり得る。また、示していないが、グリッド構造は、上記で議論したように、保管システムの通常動作中の動きからグリッド構造を安定化させるために1つ以上のスタビライザを備えることができる。1つ以上のスタビライザは、ダンパ中に組み込むことができる。本発明の他の実施形態で説明したグリッドフレームワーク構造の他の特徴は、グリッドレベル調整機構を含むが、それに限定されない、
図18~22に示すグリッド構造中に組み込むことができる。例えば、少なくとも1つの引張要素は、少なくとも1つの引張要素の長さを調整するための調整機構を備えることができるか、又は調整機構に接続することができる。調整機構は、少なくとも1つの引張要素の長さを調整するために伸長又は伸縮することができるねじ軸を備えることができる。少なくとも1つの引張要素の長さを調整するための他の手段が、本発明において適用可能である。調整機構は、グリッド構造のレベルの自動調整を可能にするように電動化することができる。
【0086】
本発明の全ての実施形態において説明したグリッド構造は、軽量剛性構造を作り出すためのトラスの組み立て体、又は代替として、
図14~16において説明したような耐荷重ビームの組み立て体を備えることができる。任意選択で、グリッド構造の外周は、グリッド構造の縁部に沿って接続されたトラスによって補強されて、そこからグリッド構造を固定するための補強された外周を提供することができる。加えて、耐荷重フレームワークの垂直直立柱は、垂直直立柱からグリッド構造を吊り下げることによる横方向の力に耐えることが可能な任意の数の耐荷重ビームであり得る。これらは、Iビーム、管状ビーム、又は中実ビームを含むが、それらに限定されない。垂直直立柱は、
図18に示すように、垂直直立材を安定化させるために、増大した表面積を有する様々な足場に取り付けることができる。これらは、平板又は様々なトポロジー最適化された足部を含むが、それらに限定されない。
【0087】
耐荷重フレームワークに引張要素の一端を固定し、グリッド構造に引張要素の他端を固定するための、当該技術分野において知られている様々な手段又はジョイントが、本発明において適用可能である。これらは、ボルトなどの様々なケーブルジョイント、及び引張要素がシャックルの目を通過されるシャックルを含むが、それらに限定されない。引張要素が引張要素の長さを調整するための調整機構を備える場合、
図12に示すように、引張要素の一端における調整機構は、耐荷重フレームワークに固定することができ、引張要素の他端は、グリッド構造に固定される。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] その上に1つ以上の積み荷取り扱いデバイス(30)を支持するように構成されたグリッドフレームワーク構造(114)であって、前記グリッドフレームワーク構造(114)は、
i)複数のグリッドセルを備えるグリッド構造(115)と、
ii)耐荷重フレームワーク(116)と
を備え、前記グリッド構造(115)は、前記グリッド構造(115)上のいくつかの吊り下げ点(121)のそれぞれに接続された3つ以上の引張要素(119)によって前記耐荷重フレームワーク(116)から吊り下げられ、前記3つ以上の引張要素(119)の各々は、実質的に水平な平面において前記グリッド構造(115)を吊り下げるように構成された長さを有する、グリッドフレームワーク構造(114)。
[2] 前記グリッド構造(115)は、前記グリッド構造(115)の隅から及び/若しくは隅に近位して、並びに/又は前記グリッド構造(115)の外周に沿って吊り下げられる、[1]に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[3] 前記グリッド構造(115)は、複数のモジュラーユニットの組み立て体を備え、前記モジュラーユニットの各々は、複数のグリッドセルを備える、[1]又は[2]に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[4] 前記耐荷重フレームワーク(116)は、前記グリッド構造(115)を吊り下げるための1つ以上の耐荷重取り付け点を備える、[1]~[3]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[5] 前記耐荷重フレームワーク(116)は、少なくとも1つの垂直直立柱(116b)を備える、[1]~[4]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[6] 前記耐荷重フレームワーク(116)は、前記少なくとも1つの垂直直立柱(116b)によって支持された複数のトラスを更に備える、[5]に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[7] 前記複数のトラスは、第1の方向に延在するトラスの第1のセットと、第2の方向に延在するトラスの第2のセットとを備える、[6]に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[8] 前記トラスの第1のセットは、互いに対して平行な関係で配置され、及び/又は前記トラスの第2のセットは、互いに対して平行な関係で配置される、[7]に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[9] 前記グリッド構造(115)は、前記複数のトラスから吊り下げられる、[6]~[8]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[10] 前記少なくとも1つの垂直直立柱(116b)は、前記複数のトラスのうちの少なくとも1つが複数の垂直直立柱(116b)の各々から延在して、そこから前記グリッド構造(115)を吊り下げるための筋交い構造を形成するように、前記複数の垂直直立柱(116b)を備える、[6]~[9]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[11] 前記グリッド構造(115)は、前記耐荷重フレームワーク(116)に対して動くように構成される、[1]~[10]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[12] 前記耐荷重フレームワーク(116)は、前記耐荷重フレームワーク(116)に対する前記グリッド構造(115)の動きを減衰させるための手段を更に備える、[1]~[11]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[13] 前記耐荷重フレームワーク(116)に対する前記グリッド構造(115)の動きを減衰させるための前記手段は、前記耐荷重フレームワーク(116)と前記グリッド構造(115)との間に配設される、[12]に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[14] 前記グリッド構造(115)の動きを減衰させるための前記手段は、前記少なくとも1つの垂直直立柱(116b)と前記グリッド構造(115)との間に配設される、[13]に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[15] 前記グリッド構造(115)の動きを減衰させるための前記手段は、1つ以上の同調マスダンパを備える、[12]~[14]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[16] 前記グリッド構造(115)は、前記グリッド構造(115)上の前記1つ以上の積み荷取り扱いデバイス(30)の通常動作中の前記グリッド構造(115)の動きを安定化させるための1つ以上のスタビライザ(128)に固定される、[1]~[15]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[17] 前記1つ以上のスタビライザ(128)は、前記耐荷重フレームワーク(116)と前記グリッド構造(115)との間に固定される、[16]に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[18] 前記1つ以上のスタビライザ(128)は、前記グリッド構造(115)の動きが前記耐荷重フレームワーク(116)の動きを打ち消すことを可能にするように、印加された力が地震事象を表す所定の力を上回ったときに解除されるように構成される、[17]に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[19] 前記グリッド構造(115)上のそれぞれのいくつかの吊り下げ点のうちの少なくとも1つは、枢動可能なジョイントを備える、[1]~[18]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[20] 前記3つ以上の引張要素(119)のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの引張要素(119)の長さが調整可能であるように調整機構を備える、[1]~[19]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[21] 前記調整機構は、前記3つ以上の引張要素(119)のうちの少なくとも1つの長さの調整が動力化されるように電動化される、[20]に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[22] 前記グリッド構造(115)は、
i)上部グリッド構造(215b)と、
ii)下部グリッド構造(215c)と
を備え、前記上部グリッド構造(215b)及び前記下部グリッド構造(215c)の各々は、複数のグリッドセルを備え、前記上部グリッド構造(215b)は、前記上部グリッド構造(215b)中のグリッドセルが前記下部グリッド構造(215c)中のグリッドセルと位置合わせされるように、前記下部グリッド構造(215c)から垂直に離間されており、
前記上部グリッド構造(215b)及び前記下部グリッド構造(215c)は、複数の斜め及び直線筋交い部材によって共に接続されて、組み立て体トラスを形成する、[1]~[21]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[23] 前記複数の斜め及び直線筋交い部材は、前記上部グリッド構造(215b)及び前記下部グリッド構造(215c)中におけるグリッド部材の対向する第1のセット又は第2のセットのいずれかの間に延在する、[22]に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[24] 前記複数の斜め筋交い部材は、前記上部グリッド構造(215b)及び前記下部グリッド構造(215c)中におけるグリッド部材の対向する第1のセット又は第2のセットの間でK又はXブレースを形成するように配置される、[23]に記載のグリッドフレームワーク構造(114)。
[25] 保管システムであって、
i)[1]~[24]のいずれか一項に記載のグリッドフレームワーク構造(114)と、
ii)前記グリッド構造(115)の下方に位置するコンテナ(10)の複数のスタック(12)と、ここにおいて、前記コンテナ(10)の複数のスタック(12)の各々は、単一のグリッド空間又はグリッドセルを占有し、
iii)前記グリッドフレームワーク構造(114)中に保管された1つ以上の前記コンテナ(10)を移動させるように遠隔操作される1つ以上の積み荷取り扱いデバイス(30)と
を備え、前記1つ以上の積み荷取り扱いデバイス(30)の各々は、
i)前記グリッド構造(115)上で前記積み荷取り扱いデバイス(30)を案内するための車輪組み立て体と、
ii)前記グリッド構造(115)の上方に位置するコンテナ受け入れ空間(40)と、
iii)単一のコンテナ(10)をスタック(12)から前記コンテナ受け入れ空間(40)中に持ち上げるために配置された持ち上げデバイスと
を備える、保管システム。
[26] 前記持ち上げデバイスは、持ち上げ駆動組み立て体と、使用時に、コンテナ(10)を解放可能に把持し、コンテナ(10)を前記スタック(12)から前記コンテナ受け入れ空間(40)中に持ち上げるように構成されたグラバーデバイス(39)と、前記グリッド構造(115)上で前記積み荷取り扱いデバイス(30)を移動させるために動作可能に配置された駆動機構とを備える、[25]に記載の保管システム。