(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】アキシャルダイオードジャンクションボックスおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H02S 40/34 20140101AFI20240826BHJP
H02G 3/16 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
H02S40/34
H02G3/16
(21)【出願番号】P 2023518422
(86)(22)【出願日】2021-09-06
(86)【国際出願番号】 CN2021116761
(87)【国際公開番号】W WO2023010645
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】202110881967.5
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523100087
【氏名又は名称】ゼルン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ZERUN CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No.16 Yaxi Road, Zhixi Town, Jintan District, Changzhou, Jiangsu, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン ゼペン
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-229424(JP,A)
【文献】中国実用新案第210435251(CN,U)
【文献】中国実用新案第201927619(CN,U)
【文献】特開2019-092234(JP,A)
【文献】中国実用新案第202473989(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0380588(US,A1)
【文献】中国実用新案第204257664(CN,U)
【文献】特開2013-008745(JP,A)
【文献】特開2014-220416(JP,A)
【文献】特開2001-298134(JP,A)
【文献】登録実用新案第3069523(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/078
H01L 31/18-31/20
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/00
H02G 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アキシャルダイオード(1)とジャンクションボックス本体(2)を含み、前記アキシャルダイオード(1)は前記ジャンクションボックス本体(2)の内部に取り付けられ、前記アキシャルダイオード(1)はダイオード本体(11)、第1ピン(12)と第2ピン(13)を含み、前記ダイオード本体(11)の一端が前記第1ピン(12)に接続され、前記ダイオード本体(11)の他端が前記第2ピン(13)に接続され、前記ダイオード本体(1
1)の前記ジャンクションボックス本体(2)に近い方向を前方として定義し、前記第1ピン(12)は第1接続部(121)と第1平板部(122)を含み、前記第1接続部(121)の一端が前記ダイオード本体(11)の一端に接続され、前記第1接続部(121)の他端が前記第1平板部(122)に接続され、前記第2ピン(13)は第2接続部(131)と第2平板部(132)を含み、前記第2接続部(131)の一端が前記ダイオード本体(11)の他端に接続され、前記第2接続部(131)の他端が前記第2平板部(132)に接続され、前記ダイオード本体(11)が前記ジャンクションボックス本体(2)に固定され、
前記第1平板部(122)と前記第2平板部(132)はいずれも平板状であり、前記ダイオード本体(11)が前記ジャンクションボックス本体(2)に固定される場合、前記第1平板部(122)が位置する平面は、前記ジャンクションボックス本体(2)の底部の平面に平行であり、前記第2平板部(132)が位置する平面は、前記ジャンクションボックス本体(2)の底部の平面に平行であ
り、
前記ジャンクションボックス本体(2)の底部に第1フック部(21)、支持座(22)、第2フック部(23)およびバッフル(24)が固定的に設けられ、前記第1フック部(21)が前記ジャンクションボックス本体(2)の前端に近く、前記第2フック部(23)が前記ジャンクションボックス本体(2)の後端に近く、前記バッフル(24)が前記ジャンクションボックス本体(2)の中部に位置し、前記第1フック部(21)は、左第1フック部(211)と右第1フック部(212)を含み、前記左第1フック部(211)と前記右第1フック部(212)は平行に設けられ、前記左第1フック部(211)と前記右第1フック部(212)間の距離がd3であり、前記ダイオード本体(11)の長さはd4であり、前記距離d3と前記長さd4が一致しており、前記左第1フック部(211)と前記右第1フック部(212)が位置する平面Aは前記バッフル(24)が位置する平面Bに平行であり、前記支持座(22)は左支持座(221)と右支持座(222)を含み、前記左支持座(221)と右支持座(222)は対向して設けられ、前記第2フック部(23)は左第2フック部(231)と右第2フック部(232)を含み、前記左第2フック部(231)と前記右第2フック部(232)は対向して設けられ、前記左第2フック部(231)と前記右第2フック部(232)間の距離が前記距離d3よりも大きく、前記アキシャルダイオード(1)が前記ジャンクションボックス本体(2)内に取り付けられたとき、前記ダイオード本体(11)は前記左第1フック部(211)と前記右第1フック部(212)間に位置し、前記ダイオード本体(11)の外側壁が前記バッフル(24)に当接され、前記第1接続部(121)が前記左第1フック部(211)に当接され、前記第2接続部(131)が前記右第1フック部(212)に当接され、前記第1平板部(122)が前記左支持座(221)の上端面に接触し、前記第2平板部(132)が前記右支持座(222)の上端面に接触し、前記左第2フック部(231)が前記第1平板部(122)の後端を制限し、前記右第2フック部(232)が前記第2平板部(132)の後端を制限する、ことを特徴とするアキシャルダイオードジャンクションボックス。
【請求項2】
前記第1接続部(121)の長さが少なくとも1mmであり、前記第2接続部(131)の長さが少なくとも1mmである、ことを特徴とする請求項1に記載のアキシャルダイオードジャンクションボックス。
【請求項3】
前記第1平板部(122)の幅が少なくとも2mmであり、前記第1平板部(122)の厚さが少なくとも0.2mmであり、前記第2平板部(132)の幅が少なくとも2mmであり、前記第2平板部(132)の厚さが少なくとも0.2mmである、ことを特徴とする請求項1に記載のアキシャルダイオードジャンクションボックス。
【請求項4】
前記第1平板部(122)の長さが少なくとも2mmであり、前記第2平板部(132)の長さが少なくとも2mmであり、前記第1接続部(121)と前記第1平板部(122)の後端間の距離がd1であり、前記第2接続部(131)と前記第2平板部(132)の後端間の距離がd2であり、前記距離d1が少なくとも1mmであり、前記距離d2が少なくとも1mmである、ことを特徴とする請求項1に記載のアキシャルダイオードジャンクションボックス。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1項に記載のアキシャルダイオードジャンクションボックスの製造方法であって、
S1:アキシャルダイオード(1)をプレス金型内に入れ、前記アキシャルダイオード(1)の第1ピン(12)を曲げ、その後プレスして平らにし、第1平板部(122)を得、前記アキシャルダイオード(1)の第2ピン(13)を曲げ、その後プレスして平らにし、第2平板部(132)を得、
または、アキシャルダイオード(1)をプレス金型内に入れ、前記アキシャルダイオード(1)の第1ピン(12)をプレスして平らにし、その後平らにした一部を曲げ、第1平板部(122)を得、前記アキシャルダイオード(1)の第2ピン(13)をプレスして平らにし、その後平らにした一部を曲げ、第2平板部(132)を得るステップと、
S2:成形後の前記アキシャルダイオード(1)をジャンクションボックス本体(2)の内部に取り付けるステップと、を含む、ことを特徴とする製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電用ジャンクションボックスの技術分野に関し、特にアキシャルダイオードジャンクションボックスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電の用途の普及に伴い、その用途と密接に関連するジャンクションボックスも続々登場し、太陽光発電は、複数組の太陽光電池モジュールをマトリクス状に配置し、太陽光を電気エネルギーに変換するものであり、各組の太陽光電池モジュールはジャンクションボックスに接続され、ジャンクションボックスは太陽光発電システムの他の部分に接続される。
【0003】
ダイオードは、太陽電池用ジャンクションボックス中の重要な部品であり、使用中、ダイオードが発熱し、その熱を即時に放出しないと、ダイオードの寿命に影響する同時に、電気安全上の要件を満たすことができない。さらに、大電流の太陽光発電用ジャンクションボックスの市場需要が増加するにつれて、通常のアキシャルダイオードでは大電流需求に対応できないため、アキシャルダイオードの代わりにモジュールダイオードを使用するメーカーが増えているが、モジュールダイオードを使用するとき、モジュールダイオードのパッケージ・測定に関連する装置が必要であり、装置コストが高くテストサイクルが長いという問題がある。大電流用途のモジュールダイオードは生産工程が複雑で製品コストが高い。
【発明の概要】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的問題は、従来技術における大電流用途のモジュールダイオードの取付が複雑で高価である技術的問題を解決するために、本発明は、アキシャルダイオードジャンクションボックスおよびその製造方法を提供し、ダイオードの放熱効率を向上させ、大電流用途に対応でき、取付プロセスが簡単でコストが低い。
【0005】
その技術的問題を解決する本発明の技術手段は、アキシャルダイオードジャンクションボックスであり、アキシャルダイオードとジャンクションボックス本体を含み、前記アキシャルダイオードは前記ジャンクションボックス本体の内部に取り付けられ、前記アキシャルダイオードはダイオード本体、第1ピンと第2ピンを含み、前記ダイオード本体の一端が前記第1ピンに接続され、前記ダイオード本体の他端が前記第2ピンに接続され、前記ダイオード本体の前記ジャンクションボックス本体に近い方向を前方として定義し、前記第1ピンは第1接続部と第1平板部を含み、前記第1接続部の一端が前記ダイオード本体の一端に接続され、前記第1接続部の他端が前記第1平板部に接続され、前記第2ピンは第2接続部と第2平板部を含み、前記第2接続部の一端が前記ダイオード本体の他端に接続され、前記第2接続部の他端が前記第2平板部に接続され、前記ダイオード本体が前記ジャンクションボックス本体に係合される。
【0006】
本発明のアキシャルダイオードジャンクションボックスは、アキシャルダイオードの第1ピンと第2ピンの一部を平板状にプレスして、第1平板部と第2平板部を直接溶接面とし、バスバーと直接溶接し、ジャンクションボックス内に追加のコネクタ(例えば導電シート)を配置する必要がなく、コストを削減でき、第1平板部と第2平板部は、アキシャルダイオードの放熱面積を増加させ、放熱経路を短縮し(元のピンを介する導電シートへの転送・放熱を、ピンの直接放熱に短縮する)、放熱効果を高め、さらに電気利用率を向上させ、本発明のアキシャルダイオードは大電流(20A~35A)の用途に対応でき、モジュールダイオードの代わりとして生産コストを削減し、取付手順を簡略化することができる。
【0007】
さらに、具体的に、前記第1接続部の長さが少なくとも1mmであり、前記第2接続部の長さが少なくとも1mmである。これにより、プレスときダイオード本体が損傷することを防止することができる。
【0008】
さらに、具体的に、前記第1平板部と前記第2平板部はいずれも平板状であり、前記ダイオード本体が前記ジャンクションボックス本体に係合される場合、前記第1平板部が位置する平面は前記ジャンクションボックス本体の底部の平面に平行であり、前記第2平板部が位置する平面は前記ジャンクションボックス本体の底部の平面に平行である。
【0009】
さらに、具体的に、前記第1平板部と前記第2平板部はいずれもL字形であり、前記ダイオード本体が前記ジャンクションボックス本体に係合される場合、前記第1平板部が前記ジャンクションボックス本体の底部の平面に垂直であり、前記第2平板部が前記ジャンクションボックス本体の底部の平面に垂直である。
【0010】
さらに、溶接面積を増加させ、溶接信頼性を高めるために、前記第1平板部の幅が少なくとも2mmであり、前記第1平板部の厚さが少なくとも0.2mmであり、前記第2平板部の幅が少なくとも2mmであり、前記第2平板部の厚さが少なくとも0.2mmである。
【0011】
さらに、溶接面積を増加させ、溶接信頼性を高めるために、前記第1平板部の長さが少なくとも2mmであり、前記第2平板部の長さが少なくとも2mmであり、前記ダイオード本体に垂直する方向を前方とし、前記第1接続部と前記第1平板部の後端間の距離がd1、前記第2接続部と前記第2平板部の後端間の距離がd2であり、前記距離d1が少なくとも1mmであり、前記距離d2が少なくとも1mmである。
【0012】
さらに、具体的に、前記ダイオード本体に垂直する方向を前方とし、前記第1平板部の一部が後方に折り曲げられてL字形となり、前記第2平板部の一部が後方に折り曲げられてL字形となり、前記第1平板部は第1水平部と第1垂直部を含み、前記第1水平部の一端が第1接続部に固定的に接続され、前記第1水平部の他端が前記第1垂直部の前端に垂直に固定的に接続され、前記第2平板部は第2水平部と第2垂直部を含み、前記第2水平部の一端が第2接続部に固定的に接続され、前記第2水平部の他端が前記第2垂直部の前端に垂直に固定的に接続され、前記第1水平部、前記第1垂直部、前記第2水平部および前記第2垂直部はいずれも平板状であり、かつ前記第1水平部が位置する平面は前記ジャンクションボックス本体の底部の平面に垂直であり、前記第1垂直部が位置する平面は前記ジャンクションボックス本体の底部の平面に垂直であり、前記第2水平部が位置する平面は前記ジャンクションボックス本体の底部の平面に垂直であり、前記第2垂直部が位置する平面は前記ジャンクションボックス本体の底部の平面に垂直である。
【0013】
さらに、溶接面積を増加させ、溶接信頼性を高めるために、前記第1垂直部の長さが少なくとも2mmであり、前記第2垂直部の長さが少なくとも2mmである。
【0014】
さらに、具体的に、前記ジャンクションボックス本体の底部に第1フック部、支持座、第2フック部およびバッフルが固定的に設けられ、前記第1フック部が前記ジャンクションボックス本体の前端に近く、前記第2フック部が前記ジャンクションボックス本体の後端に近く、前記バッフルが前記ジャンクションボックス本体の中部に位置し、前記第1フック部は左第1フック部と右第1フック部を含み、前記左第1フック部と前記右第1フック部は平行に設けられ、前記左第1フック部と前記右第1フック部間の距離がd3であり、前記ダイオード本体の長さはd4であり、前記距離d3と前記長さd4が一致しており、前記左第1フック部と前記右第1フック部が位置する平面Aは前記バッフルが位置する平面Bと平行であり、前記支持座は左支持座と右支持座を含み、前記左支持座と右支持座は対向して設けられ、前記第2フック部は左第2フック部と右第2フック部を含み、前記左第2フック部と前記右第2フック部は対向して設けられ、前記左第2フック部と前記右第2フック部間の距離が前記距離d3よりも大きく、前記アキシャルダイオードが前記ジャンクションボックス本体内に取り付けられたとき、前記ダイオード本体が前記左第1フック部と前記右第1フック部間に位置し、前記ダイオード本体の外側壁が前記バッフルに当接され、前記第1接続部が前記左第1フック部に当接され、前記第2接続部が前記右第1フック部に当接され、前記第1平板部が前記左支持座の上端面に接触し、前記第2平板部が前記右支持座の上端面に接触し、前記左第2フック部が前記第1平板部の後端を制限し、前記右第2フック部が前記第2平板部の後端を制限する。第1フック部、第2フック部とバッフルはアキシャルダイオードを固定および制限し、支持座は第1平板部と第2平板部を支持し、同時に第1平板部と第2平板部がジャンクションボックス本体の底部とはオーバーヘッドであり、放熱空間を増加させ、さらに第1平板部と第2平板部の放熱効果を向上させることができる。
【0015】
さらに、具体的に、前記ジャンクションボックス本体の底部に第3フック部、第4フック部、第1制限柱、第2制限柱および支持ブロックが固定的に設けられ、前記第3フック部は左第3フック部と右第3フック部を含み、前記左第3フック部と前記右第3フック部は平行に設けられ、前記第4フック部は左第4フック部と右第4フック部を含み、前記左第4フック部と前記右第4フック部は平行に設けられ、前記左第3フック部と前記左第4フック部は対向して設けられ、前記右第3フック部と前記右第4フック部は対向して設けられ、前記左第3フック部と前記左第4フック部が位置する平面はCであり、前記右第3フック部と前記右第4フック部が位置する平面はDであり、前記平面Cと前記平面Dは平行であり、前記平面Cと前記平面D間の距離がd5であり、前記ダイオード本体の長さはd4であり、前記距離d5と前記長さd4が一致しており、前記第1制限柱と前記第2制限柱は交差して設けられ、前記第1制限柱の左端面と前記第2制限柱の右端面間の距離がd6であり、前記第1水平部の長さはd7であり、前記距離d6と前記長さd7が一致しており、前記アキシャルダイオードが前記ジャンクションボックス本体内に取り付けられたとき、前記ダイオード本体が前記平面Cと平面D間に位置し、前記第1接続部が前記左第3フック部と前記左第4フック部間に位置し、前記第2接続部が前記右第3フック部と前記右第4フック部間に位置し、前記第1水平部が前記第1制限柱の後端面と前記第2制限柱の前端面間に位置し、前記第1垂直部が前記支持ブロックに当接される。第3フック部と第4フック部はダイオード本体を固定し、第1制限柱と第2制限柱は第1平板部を案内および制限し、支持ブロックは第1平板部を支持する同時に、第1平板部とジャンクションボックス本体の底部とはオーバーヘッドであり、第1平板部と第2平板部の放熱を促進し、放熱効果を向上させることができる。
【0016】
上記に記載のアキシャルダイオードジャンクションボックスの製造方法は、以下ステップ:
S1:アキシャルダイオードをプレス金型内に入れ、前記アキシャルダイオードの第1ピンを曲げ、その後プレスして平らにし、第1平板部を得、前記アキシャルダイオードの第2ピンを曲げ、その後プレスして平らにし、第2平板部を得、
または、アキシャルダイオードをプレス金型内に入れ、前記アキシャルダイオードの第1ピンをプレスして平らにし、その後平らにした一部を曲げ、第1平板部を得、前記アキシャルダイオードの第2ピンをプレスして平らにし、その後平らにした一部を曲げ、第2平板部を得るステップと、
S2:成形後の前記アキシャルダイオードをジャンクションボックス本体の内部に取り付けるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以下の有益な効果を有する。本発明のアキシャルダイオードジャンクションボックスは、アキシャルダイオードの第1ピンと第2ピンの一部を平板状にプレスし、第1平板部と第2平板部を直接溶接面とし、ジャンクションボックス内に追加のコネクタ(例えば導電シート)を配置する必要がなく、コストを削減し、第1平板部と第2平板部はアキシャルダイオードの放熱面積を増加させ、放熱経路を短縮し(元のピンを介する導電シートへの転送・放熱を、ピンの直接放熱に短縮する)、放熱効果を高め、さらに電気利用率を向上させ、本発明のアキシャルダイオードは大電流(20A~35A)の用途に対応でき、モジュールダイオードの代わりとして生産コストを削減し、取付手順を簡略化することができる。本発明は、第1平板部と第2平板部をアキシャルダイオードの溶接面として使用し、バスバーとケーブルはいずれも第1平板部と第2平板部に直接溶接され得、ジャンクションボックス内部の溶接スポットの数を減少し、ジャンクションボックス内部の部品点数を削減し、生産プロセスを簡略化し、製品コストを下げ、製品信頼性を高め、生産ラインの生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、図面および実施例と併せて本発明をさらに説明する。
【
図1】本発明のアキシャルダイオードジャンクションボックスの構造概略図である。
【
図2】本発明の実施例1のアキシャルダイオードの構造概略図である。
【
図3】本発明の実施例1のジャンクションボックス本体の斜視図である。
【
図4】本発明の実施例1のジャンクションボックス本体の正面図である。
【
図7】本発明のアキシャルダイオードジャンクションボックスの別の構造概略図である。
【
図8】本発明の実施例2のアキシャルダイオードの構造概略図である。
【
図9】本発明の実施例2のアキシャルダイオードの正面図である。
【
図10】本発明の実施例2のジャンクションボックス本体の構造概略図である。
【
図12】本発明のアキシャルダイオードジャンクションボックスの製造方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0019】
1 アキシャルダイオード
2 ジャンクションボックス本体
11 ダイオード本体
12 第1ピン
13 第2ピン
121 第1接続部
122 第1平板部
131 第2接続部
132 第2平板部
1221 第1水平部
1222 第1垂直部
1321 第2水平部
1322 第2垂直部
21 第1フック部
22 支持座
23 第2フック部
24 バッフル
211 左第1フック部
212 右第1フック部
221 左支持座
222 右支持座
231 左第2フック部
232 右第2フック部
25 第3フック部
26 第4フック部
27 第1制限柱
28 第2制限柱
29 支持ブロック
251 左第3フック部
252 右第3フック部
261 左第4フック部
262 右第4フック部
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明をさらに説明する。これらの図面はいずれも簡略化した概略図であり、概略的に本発明の基本的な構造を説明するため、本発明に関する構成のみを示す。
【0021】
本発明の説明において、「中心」、「縦」、「横」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「アキシャル」、「径方向」、「周方向」などの用語で示す方位または位置関係は、図面に基づいた方位または位置関係であり、本発明の説明および説明の簡略化の目的でのみ使用され、かかる装置またはデバイスは必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構成および操作されるのを指示または暗示ものではないため、本発明の制限として理解されない。また、「第1」、「第2」で定義された特徴は、1つまたは複数のこの特徴を明示または暗示する。本発明の説明において、特に断らない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0022】
本発明の説明において、特に明確に指定され限定されない限り、「取付」、「連結」、「接続」という用語は広義に理解されるべきであることに留意されたく、例えば、固定的に接続しても、着脱可能に接続しても、または一体的に接続してもよく、機械的に接続しても、電気的に接続してもよく、直接に連結しても、中間媒体を介して間接に連結しても、2つのデバイス内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本発明における上記した用語の具体的な意味を理解することができる。
【0023】
実施例1
図1~6に示すように、アキシャルダイオードジャンクションボックスは、アキシャルダイオード1とジャンクションボックス本体2を含み、アキシャルダイオード1はジャンクションボックス本体2の内部に取り付けられる。アキシャルダイオード1はダイオード本体11、第1ピン12と第2ピン13を含み、ダイオード本体11の一端が第1ピン12に接続され、ダイオード本体11の他端が第2ピン13に接続され、ダイオード本体1のジャンクションボックス本体2に近い方向を前方として定義する。第1ピン12は第1接続部121と第1平板部122を含み、第1接続部121の一端がダイオード本体11の一端に接続され、第1接続部121の他端が第1平板部122に接続され、第2ピン13は第2接続部131と第2平板部132を含み、第2接続部131の一端がダイオード本体11の他端に接続され、第2接続部131の他端が第2平板部132に接続され、ダイオード本体11がジャンクションボックス本体2に係合される。
【0024】
第1接続部121の長さが少なくとも1mmであり、第2接続部131の長さが少なくとも1mmである。このように、プレス成形のとき、ダイオード本体11に影響を与えない一方、バスバーが第1接続部121と第2接続部131に容易に取り付けられ得る。
【0025】
第1平板部122と第2平板部132はいずれも平板状、ダイオード本体11がジャンクションボックス本体2に係合される場合、第1平板部122が位置する平面は、ジャンクションボックス本体2の底部の平面に平行であり、第2平板部132が位置する平面は、ジャンクションボックス本体2の底部の平面に平行である。
【0026】
第1平板部122の幅が少なくとも2mmであり、第1平板部122の厚さが少なくとも0.2mmであり、第2平板部132の幅が少なくとも2mmであり、第2平板部132の厚さが少なくとも0.2mmである。このように幅と厚さを設定することにより、第1平板部122と第2平板部132の強度を確保するだけでなく、第1平板部122と第2平板部132の十分な溶接面を確保し、バスバーまたはケーブルとの溶接を保証する。
【0027】
第1平板部122の長さが少なくとも2mmであり、例えば8mmであり、第2平板部132の長さが少なくとも2mmであり、例えば8mmであり、第1接続部121と第1平板部122の後端間の距離がd1、第2接続部131と第2平板部132の後端間の距離がd2であり、距離d1が少なくとも1mmであり、例えば6mmであり、距離d2が少なくとも1mmであり、例えば6mmである。d1とd2が少なくとも1mmであると、バスバーとの溶接面積を増加させ、溶接信頼性および強固性を向上させることができる。
【0028】
ジャンクションボックス本体2の底部に第1フック部21、支持座22、第2フック部23およびバッフル24が固定的に設けられ、第1フック部21がジャンクションボックス本体2の前端に近く、第2フック部23がジャンクションボックス本体2の後端に近く、バッフル24がジャンクションボックス本体2の中部に位置し、第1フック部21は、左第1フック部211と右第1フック部212を含み、左第1フック部211と右第1フック部212は平行に設けられ、左第1フック部211と右第1フック部212間の距離がd3であり、ダイオード本体11の長さはd4であり、距離d3と長さd4が一致しており、左第1フック部211と右第1フック部212が位置する平面Aはバッフル24が位置する平面Bに平行であり、支持座22は左支持座221と右支持座222を含み、左支持座221と右支持座222は対向して設けられ、第2フック部23は左第2フック部231と右第2フック部232を含み、左第2フック部231と右第2フック部232は対向して設けられ、左第2フック部231と右第2フック部232間の距離が距離d3よりも大きく、アキシャルダイオード1がジャンクションボックス本体2内に取り付けられたとき、ダイオード本体11は左第1フック部211と右第1フック部212間に位置し、ダイオード本体11の外側壁がバッフル24に当接され、第1接続部121が左第1フック部211に当接され、第2接続部131が右第1フック部212に当接され、第1平板部122が左支持座221の上端面に接触し、第2平板部132が右支持座222の上端面に接触し、左第2フック部231が第1平板部122の後端を制限し、右第2フック部232が第2平板部132の後端を制限する。本実施例では、支持座22は十字形の支持座であるため、第1平板部122と第2平板部132をより強固に支持することができる。
【0029】
実施例2
図7~
図10に示すように、アキシャルダイオードジャンクションボックスは、アキシャルダイオード1とジャンクションボックス本体2を含み、アキシャルダイオード1がジャンクションボックス本体2内部に取り付けられる。アキシャルダイオード1はダイオード本体11、第1ピン12と第2ピン13を含み、ダイオード本体11の一端が第1ピン12に接続され、ダイオード本体11の他端が第2ピン13に接続され、ダイオード本体1のジャンクションボックス本体2に近い方向を前方として定義する。第1ピン12は第1接続部121と第1平板部122を含み、第1接続部121の一端がダイオード本体11の一端に接続され、第1接続部121の他端が第1平板部122に接続され、第2ピン13は第2接続部131と第2平板部132を含み、第2接続部131の一端がダイオード本体11の他端に接続され、第2接続部131の他端が第2平板部132に接続される。ダイオード本体11がジャンクションボックス本体2に係合される。
【0030】
第1接続部121の長さが少なくとも1mmであり、第2接続部131の長さが少なくとも1mmである。
【0031】
第1平板部122と第2平板部132はいずれもL字形であり、ダイオード本体11がジャンクションボックス本体2に係合される場合、第1平板部122がジャンクションボックス本体2の底部の平面に垂直であり、第2平板部132がジャンクションボックス本体2の底部の平面に垂直である。
【0032】
第1平板部122の幅が少なくとも2mmであり、例えば6mmであり、第1平板部122の厚さが少なくとも0.2mmであり、第2平板部132の幅が少なくとも2mmであり、例えば6mmであり、第2平板部132の厚さが少なくとも0.2mmである。
【0033】
第1平板部122の一部は後方に折り曲げられてL字形となり、第2平板部132の一部は後方に折り曲げられてL字形となり、第1平板部122は第1水平部1221と第1垂直部1222を含み、第1水平部1221の一端が第1接続部121に固定的に接続され、第1水平部1221の他端が第1垂直部1222の前端に垂直に固定的に接続され、第2平板部132は第2水平部1321と第2垂直部1322を含み、第2水平部1321の一端が第2接続部131に固定的に接続され、第2水平部1321の他端が第2垂直部1322の前端に垂直に固定的に接続され、第1水平部1221、第1垂直部1222、第2水平部1321および第2垂直部1322はいずれも平板状であり、第1水平部1221が位置する平面はジャンクションボックス本体2の底部の平面に垂直であり、第1垂直部1222が位置する平面はジャンクションボックス本体2の底部の平面に垂直であり、第2水平部1321が位置する平面はジャンクションボックス本体2の底部の平面に垂直であり、第2垂直部1322が位置する平面はジャンクションボックス本体2の底部の平面に垂直である。第1垂直部1222の長さが少なくとも2mmであり、例えば6mmであり、第2垂直部1322の長さが少なくとも2mmであり、例えば6mmである。
【0034】
ジャンクションボックス本体2の底部に第3フック部25、第4フック部26、第1制限柱27、第2制限柱28および支持ブロック29が固定的に設けられ、第3フック部25は左第3フック部251と右第3フック部252を含み、左第3フック部251と右第3フック部252は平行に設けられ、第4フック部26は左第4フック部261と右第4フック部262を含み、左第4フック部261と右第4フック部262は平行に設けられ、左第3フック部251と左第4フック部261は対向して設けられ、右第3フック部252と右第4フック部262は対向して設けられ、左第3フック部251と左第4フック部261が位置する平面はCであり、右第3フック部252と右第4フック部262が位置する平面はDであり、平面Cと平面Dは平行であり、平面Cと平面D間の距離がd5であり、ダイオード本体11の長さはd4であり、距離d5と長さd4が一致しており、第1制限柱27と第2制限柱28は交差して設けられ、第1制限柱27の左端面と第2制限柱28の右端面間の距離がd6であり、第1水平部1221の長さはd7であり、距離d6と長さd7が一致しており、アキシャルダイオード1がジャンクションボックス本体2内に取り付けられたとき、ダイオード本体11は平面Cと平面D間に位置し、第1接続部121は左第3フック部251と左第4フック部261間に位置し、第2接続部131は右第3フック部252と右第4フック部262間に位置し、第1水平部1221は第1制限柱27の後端面と第2制限柱28の前端面間に位置し、第1垂直部1222は支持ブロック29に当接される。
【0035】
実施例3
図11に示すように、アキシャルダイオードジャンクションボックスの製造方法は、以下のステップを含む。
【0036】
S1:アキシャルダイオード1をプレス金型内に入れ、アキシャルダイオード1の第1ピン12を曲げ、その後プレスして平らにし、第1平板部122を得、アキシャルダイオード1の第2ピン13を曲げ、その後プレスして平らにし、第2平板部132を得る。
【0037】
または、アキシャルダイオード1をプレス金型内に入れ、アキシャルダイオード1の第1ピン12をプレスして平らにし、その後平らにした一部を曲げ、第1平板部122を得、アキシャルダイオード1の第2ピン13をプレスして平らにし、その後平らにした一部を曲げ、第2平板部132を得る。
【0038】
S2:成形後のアキシャルダイオード1をジャンクションボックス本体2の内部に取り付ける。
【0039】
実施例1と実施例2のアキシャルダイオードジャンクションボックスはステップS1~S2によって調整され得る。
【0040】
上記した本発明による理想的な実施例を啓示として、上記の説明内容を通じて、関連作業者は本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない限り、様々な変更および修正をすることができる。本発明の技術的範囲は明細書の内容に限定されなく、特許請求の範囲に従ってその技術的範囲を決定する必要がある。