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特許7543564情報処理装置、制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240826BHJP
   H04N 1/40 20060101ALI20240826BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240826BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20240826BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 127B
H04N1/40
H04N23/63 100
H04N23/66
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023528900
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 JP2021023105
(87)【国際公開番号】W WO2022264383
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】高山 百合香
(72)【発明者】
【氏名】長江 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】古屋 博崇
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-271058(JP,A)
【文献】特開2019-088382(JP,A)
【文献】特開2016-092543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/40- 1/409
H04N 23/60-23/698
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の撮像又は画像処理に関する複数のモード毎に、当該モードと異なる対比用モードと、当該モードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対して当該モードにおいて規定された画像処理が実行された画像であるサンプル画像と、当該モードに対応する対比用モードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対して当該モードに対応する対比用モードにおいて規定された画像処理が実行された画像である対比用サンプル画像とが予め記憶された記憶部と、
利用者により指定されたモードに対応する前記サンプル画像及び前記対比用サンプル画像を並べて表示する表示部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
画像読取装置と通信するための通信部と、
前記通信部を介して画像読取装置から、利用者により指定されたモードで媒体が撮像された画像又は媒体が撮像された画像に対して利用者により指定されたモードにおいて規定された画像処理が実行された画像である読取画像、及び、当該モードに対応する対比用モードで媒体が撮像された画像又は媒体が撮像された画像に対して当該モードに対応する対比用モードにおいて規定された画像処理が実行された画像である対比用読取画像を取得する取得部と、をさらに有し、
前記表示部は、前記取得部が取得した前記読取画像及び前記対比用読取画像を並べて表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、
利用者により指定されたモードで前記撮像部により媒体が撮像された画像又は前記入力画像に対して利用者により指定されたモードにおいて規定された画像処理が実行された画像である読取画像、及び、当該モードに対応する対比用モードで前記撮像部により媒体が撮像された画像又は前記入力画像に対して当該モードに対応する対比用モードにおいて規定された画像処理が実行された画像である対比用読取画像を取得する取得部と、をさらに有し、
前記表示部は、前記取得部が取得した前記読取画像及び前記対比用読取画像を並べて表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部が取得した前記読取画像及び前記対比用読取画像を、利用者により指定されたモードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像として前記記憶部に登録する登録部をさらに有する、請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記サンプル画像及び前記対比用サンプル画像内で、相互に異なる領域を検出する検出部をさらに有し、
前記表示部は、前記サンプル画像又は前記対比用サンプル画像内で、前記検出部により検出された領域を識別可能に表示する、請求項1~4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数のモードは、画像の解像度、階調範囲、色、明度、色相、彩度、又は、ノイズ除去に関する設定を含む、請求項1~5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置の制御方法であって、
媒体の撮像又は画像処理に関する複数のモード毎に、当該モードと異なる対比用モードと、当該モードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対して当該モードにおいて規定された画像処理が実行された画像であるサンプル画像と、当該モードに対応する対比用モードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対して当該モードに対応する対比用モードにおいて規定された画像処理が実行された画像である対比用サンプル画像とを予め記憶部に記憶し、
利用者により指定されたモードに対応する前記サンプル画像及び前記対比用サンプル画像を並べて表示部に表示する、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
記憶部と、表示部と、を有する情報処理装置の制御プログラムであって、
媒体の撮像又は画像処理に関する複数のモード毎に、当該モードと異なる対比用モードと、当該モードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対して当該モードにおいて規定された画像処理が実行された画像であるサンプル画像と、当該モードに対応する対比用モードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対して当該モードに対応する対比用モードにおいて規定された画像処理が実行された画像である対比用サンプル画像とを予め前記記憶部に記憶し、
利用者により指定されたモードに対応する前記サンプル画像及び前記対比用サンプル画像を並べて前記表示部に表示する、
ことを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、媒体を撮像して画像を生成するスキャナ等の画像読取装置が、様々な用途において、様々な種類の媒体を撮像するために利用されている。画像読取装置に求められる画像の品質は、その用途又は撮像対象の媒体の種類等に応じて異なる。一般に、画像読取装置は、用途又は媒体の種類等に応じた適切な画像を生成できるように、解像度、階調範囲、色、明度、色相、彩度又はノイズ除去に関する設定等の、媒体の撮像又は画像処理に関する多様なモードを有している。しかしながら、利用者が、様々なモードの中から、用途又は媒体の種類に応じた適切なモードを選択することは容易でない。
【0003】
各種の設定処理項目の中から選択された処理を画像データに対して設定した結果を示すプレビュー画像を表示する画像処理装置が開示されている(特許文献1)。この画像処理装置は、画像データの入力に先立って、画像データに対して設定可能な設定処理項目のうちコンテンツに依存しない設定処理項目と予め記憶されたサンプル画像データとを含む入力画面情報を表示する。そして、画像処理装置は、コンテンツに依存しない設定処理項目について受け付けた設定入力を反映したサンプル画像データをプレビュー画像として表示する。
【0004】
プロファイルの入力を受付け、画像をそのプロファイルにより変換した編集前画像と、同じ画像を、そのプロファイルを編集したプロファイルにより変換した編集後画像とを生成するプロファイル編集装置が開示されている(特許文献2)。このプロファイル編集装置は、編集前画像と編集後画像とを、並べて表示させる、もしくは、交互に表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-219735号公報
【文献】特開2008-10946号公報
【発明の概要】
【0006】
画像読取装置では、利用者がより適切なモードを設定できるように、モードを設定する際のユーザビリティを向上させることが求められている。
【0007】
情報処理装置、制御方法及び制御プログラムの目的は、利用者がモードを設定する際のユーザビリティを向上させることにある。
【0008】
実施形態の一側面に係る情報処理装置は、媒体の撮像又は画像処理に関する複数のモード毎に、そのモードと異なる対比用モードと、そのモードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対してそのモードで画像処理が実行された画像であるサンプル画像と、そのモードに対応する対比用モードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対してそのモードに対応する対比用モードで画像処理が実行された画像である対比用サンプル画像とが予め記憶された記憶部と、画像読取装置と通信するための通信部と、利用者により指定されたモードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像を並べて表示する表示部と、利用者により設定されたモードを、通信部を介して画像読取装置に設定する設定部と、を有する。
【0009】
また、実施形態の一側面に係る情報処理装置は、媒体の撮像又は画像処理に関する複数のモード毎に、そのモードと異なる対比用モードと、そのモードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対してそのモードで画像処理が実行された画像であるサンプル画像と、そのモードに対応する対比用モードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対してそのモードに対応する対比用モードで画像処理が実行された画像である対比用サンプル画像とが予め記憶された記憶部と、媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、利用者により指定されたモードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像を並べて表示する表示部と、利用者により設定されたモードで、撮像部を制御し、又は、入力画像に対する画像処理を実行する制御部と、を有する。
【0010】
実施形態の一側面に係る制御方法は、情報処理装置の制御方法であって、媒体の撮像又は画像処理に関する複数のモード毎に、そのモードと異なる対比用モードと、そのモードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対してそのモードで画像処理が実行された画像であるサンプル画像と、そのモードに対応する対比用モードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対してそのモードに対応する対比用モードで画像処理が実行された画像である対比用サンプル画像とを予め記憶部に記憶し、利用者により指定されたモードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像を並べて表示部に表示し、利用者により設定されたモードを、通信部を介して画像読取装置に設定する。
【0011】
また、実施形態の一側面に係る制御方法は、情報処理装置の制御方法であって、媒体の撮像又は画像処理に関する複数のモード毎に、そのモードと異なる対比用モードと、そのモードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対してそのモードで画像処理が実行された画像であるサンプル画像と、そのモードに対応する対比用モードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対してそのモードに対応する対比用モードで画像処理が実行された画像である対比用サンプル画像とを予め記憶部に記憶し、利用者により指定されたモードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像を並べて表示部に表示し、利用者により設定されたモードで媒体を撮像させるように撮像部を制御する。
【0012】
実施形態の一側面に係る制御プログラムは、記憶部と、画像読取装置と通信するための通信部と、表示部と、を有する情報処理装置の制御プログラムであって、媒体の撮像又は画像処理に関する複数のモード毎に、そのモードと異なる対比用モードと、そのモードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対してそのモードで画像処理が実行された画像であるサンプル画像と、そのモードに対応する対比用モードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対してそのモードに対応する対比用モードで画像処理が実行された画像である対比用サンプル画像とを予め記憶部に記憶し、利用者により指定されたモードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像を並べて表示部に表示し、利用者により設定されたモードを、通信部を介して画像読取装置に設定することを情報処理装置に実行させる。
【0013】
また、実施形態の一側面に係る制御プログラムは、記憶部と、媒体を撮像する撮像部と、表示部と、を有する情報処理装置の制御プログラムであって、媒体の撮像又は画像処理に関する複数のモード毎に、そのモードと異なる対比用モードと、そのモードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対してそのモードで画像処理が実行された画像であるサンプル画像と、そのモードに対応する対比用モードでサンプル媒体が撮像された画像又はサンプル媒体が撮像された画像に対してそのモードに対応する対比用モードで画像処理が実行された画像である対比用サンプル画像とを予め記憶部に記憶し、利用者により指定されたモードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像を並べて表示部に表示し、利用者により設定されたモードで媒体を撮像させるように撮像部を制御することを情報処理装置に実行させる。
【0014】
本実施形態によれば、情報処理装置、制御方法及び制御プログラムは、利用者がモードを設定する際のユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0015】
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に従った画像処理システム1の一例の構成図である。
図2】画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図3】画像読取装置100等の概略構成を示すブロック図である。
図4】(a)は撮像モードテーブルのデータ構造の一例を示す図であり、(b)は画像処理モードテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5】第1記憶装置130及び第1処理回路140の概略構成を示す図である。
図6】第2記憶装置210及び第2処理回路220の概略構成を示す図である。
図7】設定処理の動作の例を示すフローチャートである。
図8】撮像モード設定画面800の一例を示す模式図である。
図9】画像処理モード設定画面900の一例を示す模式図である。
図10】撮像モード設定画面1000の一例を示す模式図である。
図11】画像処理モード設定画面1100の一例を示す模式図である。
図12】撮像モード設定画面1200の一例を示す模式図である。
図13】画像処理モード設定画面1300の一例を示す模式図である。
図14】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図15】他の設定処理の動作の例を示すフローチャートである。
図16】他の第1処理回路340の概略構成を示す図である。
図17】他の第2処理回路420の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の一側面に係る画像読取装置、制御方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0018】
図1は、実施形態に従った画像処理システム1の一例の構成図である。
【0019】
画像処理システム1は、画像読取装置100及び情報処理装置200を備える。画像読取装置100及び情報処理装置200は、相互に通信接続されている。画像読取装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像するイメージスキャナ等である。媒体は、用紙、薄紙、厚紙又はカード等である。なお、画像読取装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。また、画像読取装置100は、媒体を搬送せずに撮像するフラットベッドタイプのイメージスキャナ、ファクシミリ、複写機、MFP等でもよい。また、画像読取装置100は、人物、物体、風景等を撮像する携帯電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ等でもよい。情報処理装置200は、パーソナルコンピュータ等である。なお、情報処理装置200は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ等でもよい。また、情報処理装置200は、サーバでもよい。その場合、一台の情報処理装置200に対して複数の画像読取装置100が通信接続されてもよい。
【0020】
画像読取装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104及び表示操作装置105等を備える。
【0021】
上側筐体102は、画像読取装置100の上面を覆う位置に配置され、下側筐体101に係合している。載置台103は、下側筐体101に係合し、搬送される媒体を載置する。排出台104は、上側筐体102に係合し、排出された媒体を載置する。なお、排出台104は、下側筐体101に係合してもよい。
【0022】
表示操作装置105は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等から構成されるディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。また、表示操作装置105は、タッチパネル式の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路をさらに有し、利用者による操作を受け付け、利用者の入力に応じた信号を出力する。なお、表示装置と操作装置は、別個に設けられてもよい。
【0023】
図2は、画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0024】
画像読取装置100内部の搬送経路は、媒体センサ111、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第1従動ローラ115、撮像装置116、第2搬送ローラ117及び第2従動ローラ118等を有している。
【0025】
なお、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第1従動ローラ115、第2搬送ローラ117及び/又は第2従動ローラ118のそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数の給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第1従動ローラ115、第2搬送ローラ117及び/又は第2従動ローラ118は、それぞれ媒体搬送方向A1と直交する幅方向に間隔を空けて並べて配置される。
【0026】
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド101aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド102aを形成する。図2において矢印A1は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0027】
媒体センサ111は、給送ローラ112及び分離ローラ113より上流側に配置される。媒体センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する媒体信号を生成して出力する。なお、媒体センサ111は接触検知センサに限定されず、媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0028】
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に分離して給送する。分離ローラ113は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112と対向して配置され、媒体給送方向の反対方向に回転する。なお、給送ローラ112が上側筐体102に、分離ローラ113が下側筐体101に設けられ、給送ローラ112は、載置台103に載置された媒体を上側から順に給送してもよい。
【0029】
第1搬送ローラ114及び第1従動ローラ115は、給送ローラ112より下流側に、相互に対向して配置され、給送ローラ112及び分離ローラ113によって給送された媒体を撮像装置116に搬送する。
【0030】
撮像装置116は、撮像部の一例であり、第1搬送ローラ114より下流側に配置され、第1搬送ローラ114によって搬送された媒体を撮像する。撮像装置116は、媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置された第1撮像装置116a及び第2撮像装置116bを含む。第1撮像装置116aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置116aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置116aは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送される媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0031】
同様に、第2撮像装置116bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置116bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置116bは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送される媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0032】
なお、画像読取装置100は、第1撮像装置116a及び第2撮像装置116bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0033】
第2搬送ローラ117及び第2従動ローラ118は、撮像装置116より下流側に、相互に対向して配置され、第1搬送ローラ114及び第1従動ローラ115によって搬送され、撮像装置116によって撮像された媒体を排出台104に排出する。
【0034】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が図2の矢印A2の方向、即ち媒体給送方向に回転することによって、下側ガイド101aと上側ガイド102aの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。分離ローラ113は、媒体給送時、矢印A3の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ112及び分離ローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0035】
媒体は、下側ガイド101aと上側ガイド102aによりガイドされながら、第1搬送ローラ114と第1従動ローラ115の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ114が矢印A4の方向に回転することによって、第1撮像装置116aと第2撮像装置116bの間に送り込まれる。撮像装置116により読み取られた媒体は、第2搬送ローラ117が矢印A5の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0036】
図3は、画像読取装置100及び情報処理装置200の概略構成を示すブロック図である。
【0037】
画像読取装置100は、前述した構成に加えて、モータ121、第1通信装置122、第1記憶装置130及び第1処理回路140等をさらに有する。
【0038】
モータ121は、一又は複数のモータを有し、第1処理回路140からの制御信号によって、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ117を回転させて媒体を搬送させる。なお、第1従動ローラ115及び/又は第2従動ローラ118は、第1搬送ローラ114又は第2搬送ローラ117に従動回転するのでなく、モータ121によって駆動されてもよい。
【0039】
第1通信装置122は、無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN(Local Area Network)等の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する。第1通信装置122は、情報処理装置200と通信可能であり、情報処理装置200と通信接続して各種の画像及び情報を送受信する。なお、第1通信装置122は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルに従った有線通信インタフェース回路を有し、ネットワークを介して情報処理装置200と接続されてもよい。また、第1通信装置122は、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、USBケーブル等の有線ケーブルを介して情報処理装置200と接続されてもよい。
【0040】
第1記憶装置130は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又は、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第1記憶装置130には、画像読取装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第1記憶装置130にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0041】
第1処理回路140は、予め第1記憶装置130に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。第1処理回路140として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0042】
第1処理回路140は、表示操作装置105、媒体センサ111、撮像装置116、モータ121、第1通信装置122及び第1記憶装置130等と接続され、これらの各部を制御する。第1処理回路140は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から、媒体の撮像又は画像処理に関するモードを示す情報を受信し、そのモードを第1記憶装置130に設定する。第1処理回路140は、設定されたモードに従って、撮像装置116を制御し、又は、撮像装置116から取得した入力画像に対する画像処理を実行する。
【0043】
情報処理装置200は、表示装置201、操作装置202、第2通信装置203、第2記憶装置210及び第2処理回路220等を有する。
【0044】
表示装置201は、表示部の一例であり、液晶、有機EL等から構成されるディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、第2処理回路220からの指示に従って、画像データをディスプレイに表示する。
【0045】
操作装置202は、入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による操作を受け付け、利用者の入力に応じた信号を第2処理回路220に出力する。なお、タッチパネル式の入力デバイスを用いて、表示装置と操作装置を、一体に設けてもよい。
【0046】
第2通信装置203は、画像読取装置100と通信するための通信部の一例であり、第1通信装置122と同様のインタフェース回路を有する。第2通信装置203は、画像読取装置100と通信可能であり、画像読取装置100と通信接続して各種の画像及び情報を送受信する。
【0047】
第2記憶装置210は、記憶部の一例であり、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又は、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第2記憶装置210には、情報処理装置200の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第2記憶装置210にインストールされてもよい。また、第2記憶装置210には、データとして、撮像モードテーブル及び画像処理モードテーブルが記憶される。撮像モードテーブル及び画像処理モードテーブルの詳細については後述する。
【0048】
第2処理回路220は、予め第2記憶装置210に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPUである。第2処理回路220として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0049】
第2処理回路220は、表示装置201、操作装置202、第2通信装置203及び第2記憶装置210等と接続され、これらの各部を制御する。第2処理回路220は、各装置の制御を行い、画像読取装置100に、媒体の撮像又は画像処理に関するモードを設定する。
【0050】
図4(a)は、撮像モードテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【0051】
図4(a)に示すように、撮像モードテーブルには、媒体の撮像に関する複数のモード毎に、対比用モード、サンプル画像及び対比用サンプル画像等が相互に関連付けて予め記憶される。以下では、媒体の撮像に関するモードを撮像モードと称する場合がある。撮像モードは、画像読取装置100において、利用者毎に設定されるプロファイルに含まれる機能の一つであり、画像読取装置100が媒体を撮像する際の動作を規定するための設定情報である。撮像モードは、画像の解像度、又は、階調範囲に関する設定等を含む。
【0052】
図4(a)に示す例では、撮像モードとして、画像の解像度及び階調範囲が設定される。画像の解像度として、200dpi(Dots Per Inch)、300dpi等が設定される。画像の階調範囲として、0~255、0~65535等の画像内の各画素の階調範囲が設定される。
【0053】
なお、撮像モードには、媒体の撮像に関する他の任意の要素(項目)が含まれてもよい。また、撮像モードには、各要素の任意の組合せが含まれてもよい。撮像モードには、各要素のうちの少なくとも一つの要素が含まれていればよい。
【0054】
対比用モードは、各撮像モードと異なる、媒体の撮像に関するモードであり、各撮像モードと排他的に選択される排他機能である。対比用モードとして、撮像モードで設定された各要素(解像度又は階調範囲)と同一種類の要素が設定され、対比用モードでは、各要素のうちの少なくとも一つの要素について、対応する撮像モードとは異なる値が設定される。図4(a)に示す例では、撮像モード「解像度=200dpi、階調範囲=0~255」の対比用モードとして「解像度=1200dpi、階調範囲=0~255」が設定されている。撮像モード「解像度=300dpi、階調範囲=0~255」の対比用モードとして「解像度=1200dpi、階調範囲=0~255」が設定されている。
【0055】
サンプル画像は、その撮像モードでサンプル媒体が撮像された画像である。サンプル媒体は、例えば媒体搬送装置により搬送される用紙、薄紙、厚紙又はカード等の媒体である。サンプル媒体には、サンプル画像内で、各撮像モード又は後述する各画像処理モードの特徴及び効果が際立つ文字、罫線、模様、画像等が含まれることが好ましい。対比用サンプル画像は、その撮像モードに対応する対比用モードで、対応するサンプル画像に含まれるサンプル媒体と同一のサンプル媒体が撮像された画像である。なお、各サンプル画像及び対比用サンプル画像は、撮像モードで指定される要素以外の他の要素(例えば色、明度等)については、予め定められたデフォルト設定に従って生成される。
【0056】
図4(b)は、画像処理モードテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【0057】
図4(b)に示すように、画像処理モードテーブルには、画像処理に関する複数のモード毎に、対比用モード、サンプル画像及び対比用サンプル画像等が相互に関連付けて予め記憶される。以下では、画像処理に関するモードを画像処理モードと称する場合がある。画像処理モードは、画像読取装置100において、利用者毎に設定されるプロファイルに含まれる機能の一つであり、画像読取装置100が撮像した画像に対して実行する画像処理の内容を規定するための設定情報である。画像処理モードは、画像の色、色相、彩度、明度、又は、ノイズ除去に関する設定等を含む。
【0058】
図4(b)に示す例では、画像の色として、二値、グレースケール又はカラーが設定されている。画像の色として二値が設定された場合、ノイズ除去として、通常(除去しない)、地紋除去、下地追従等が設定される。地紋除去は、公知の画像処理技術を利用して、媒体内の背景に含まれる地紋(格子、波、斜線等の連続模様)を除去するための設定である。下地追従は、新聞紙のように背景色が白色以外である媒体を撮像した画像において、背景が白色画素となるように二値化用の閾値を調整するための設定である。
【0059】
画像の色としてグレースケールが設定された場合、ノイズ除去として、通常(除去しない)、輪郭強調、モアレ除去等が設定される。輪郭強調は、公知の画像処理技術を利用して、媒体内の文字、図形等の輪郭(エッジ)を強調するための設定である。モアレ除去は、公知の画像処理技術を利用して、画像内のモアレ(干渉縞)を除去するための設定である。
【0060】
画像の色としてカラーが設定された場合、画像の補正として、通常(補正しない)、コントラスト優先、色合い優先等が設定される。コントラスト優先は、公知の画像処理技術を利用して、画像内の色の明暗をはっきりさせて(明度の差を大きくして)、くっきりした画像を生成するための設定である。色合い優先は、公知の画像処理技術を利用して、画像内の色の違いをはっきりさせて(色相の差を大きくして)、滑らかな画像を生成するための設定である。なお、色相、彩度又は明度に関する設定には、ガンマ補正、レベル補正等により明度、色相等を補正するための設定、又は、所定の係数もしくはオフセット値を乗算もしくは加算することにより明度、色相、彩度等を補正するための設定等が含まれてもよい。
【0061】
なお、画像処理モードには、画像処理に関する他の任意の要素が含まれてもよい。また、画像処理モードには、各要素の任意の組合せが含まれてもよい。画像処理モードには、各要素のうちの少なくとも一つの要素が含まれていればよい。
【0062】
対比用モードは、各画像処理モードと異なる、画像処理に関するモードであり、各画像処理モードと排他的に選択される排他機能である。図4(a)に示す例では、画像処理モード「二値(通常)」の対比用モードとして「カラー(通常)」が設定されている。画像処理モード「二値+地紋除去」の対比用モードとして「二値(通常)」が設定されている。画像処理モード「二値+下地追従」の対比用モードとして「二値(通常)」が設定されている。画像処理モード「グレースケール(通常)」の対比用モードとして「カラー(通常)」が設定されている。画像処理モード「グレースケール+輪郭強調」の対比用モードとして「グレースケール+モアレ除去」が設定されている。画像処理モード「グレースケール+モアレ除去」の対比用モードとして「グレースケール+輪郭強調」が設定されている。画像処理モード「カラー(通常)」の対比用モードとして「グレースケール(通常)」が設定されている。画像処理モード「カラー+色合い優先」の対比用モードとして「カラー+コントラスト優先」が設定されている。画像処理モード「カラー+コントラスト優先」の対比用モードとして「カラー+色合い優先」が設定されている。
【0063】
画像処理モードの対比用モードとして、その画像処理モードの特徴が含まれないモードが設定されることが好ましい。特に、画像処理モードの対比用モードとして、その画像処理モードの特徴とは異なる特徴が含まれるモード(例えばコントラスト優先に対する色合い優先等)が設定されることが好ましい。
【0064】
サンプル画像は、サンプル媒体が撮像された画像に対して、その画像処理モードで画像処理が実行された画像である。対比用サンプル画像は、対応するサンプル画像に含まれるサンプル媒体と同一のサンプル媒体が撮像された画像に対して、その画像処理モードに対応する対比用モードで画像処理が実行された画像である。なお、各サンプル画像及び対比用サンプル画像は、画像処理モードで指定される要素以外の他の要素(例えば解像度、階調範囲等)については、予め定められたデフォルト設定に従って生成される。
【0065】
図5は、画像読取装置100の第1記憶装置130及び第1処理回路140の概略構成を示す図である。
【0066】
図5に示すように、第1記憶装置130には、制御プログラム131、第1表示制御プログラム132、第1検出プログラム133、第1設定プログラム134、第1取得プログラム135及び第1登録プログラム136等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第1処理回路140は、第1記憶装置130に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、第1処理回路140は、制御部141、第1表示制御部142、第1検出部143、第1設定部144、第1取得部145及び第1登録部146として機能する。
【0067】
図6は、情報処理装置200の第2記憶装置210及び第2処理回路220の概略構成を示す図である。
【0068】
図6に示すように、第2記憶装置210には、第2表示制御プログラム211、第2検出プログラム212、第2設定プログラム213、第2取得プログラム214及び第2登録プログラム215等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第2処理回路220は、第2記憶装置210に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、第2処理回路220は、第2表示制御部221、第2検出部222、第2設定部223、第2取得部224及び第2登録部225として機能する。第2表示制御部221、第2検出部222、第2設定部223、第2取得部224及び第2登録部225は、それぞれ表示制御部、検出部、設定部、取得部及び登録部の一例である。
【0069】
図7は、情報処理装置200の設定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0070】
以下、図7に示したフローチャートを参照しつつ、情報処理装置200の設定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第2記憶装置210に記憶されているプログラムに基づき主に第2処理回路220により情報処理装置200の各要素と協働して実行される。
【0071】
最初に、第2表示制御部221は、利用者により操作装置202を用いて設定画面の表示指示が入力されて、設定画面の表示を指示する表示指示信号を操作装置202から受信するまで待機する(ステップS101)。設定画面は、利用者が画像読取装置100の撮像モード又は画像処理モードを設定するための画面である。表示指示信号には、撮像モード又は画像処理モードを示すモード情報が含まれる。
【0072】
次に、第2表示制御部221は、表示指示信号を受信した場合、設定画面を表示装置201に表示させる(ステップS102)。第2表示制御部221は、表示指示信号に含まれるモード情報が撮像モードを示す場合、撮像モードを設定するための撮像モード設定画面を表示する。一方、第2表示制御部221は、表示指示信号に含まれるモード情報が画像処理モードを示す場合、画像処理モードを設定するための画像処理モード設定画面を表示する。
【0073】
図8は、撮像モード設定画面800の一例を示す模式図である。
【0074】
図8に示すように、撮像モード設定画面800には、選択領域801及び終了ボタン802等が含まれる。選択領域801には、撮像モードテーブルに記憶された複数の撮像モードが、利用者により選択可能に表示される。図8に示す例では、各撮像モードは、ラジオボタンにより選択される。なお、各撮像モードは、各撮像モードの文字が表示されている領域にカーソルが配置されることにより選択されてもよい。終了ボタン802は、撮像モード設定画面800の表示を終了させるためのボタンである。
【0075】
図9は、画像処理モード設定画面900の一例を示す模式図である。
【0076】
図9に示すように、画像処理モード設定画面900には、選択領域901及び終了ボタン902等が含まれる。選択領域901には、画像処理モードテーブルに記憶された複数の画像処理モードが、利用者により選択可能に表示される。図9に示す例では、各画像処理モードは、ラジオボタンにより選択される。なお、各画像処理モードは、各撮像モードの文字が表示されている領域にカーソルが配置されることにより選択されてもよい。終了ボタン902は、画像処理モード設定画面900の表示を終了させるためのボタンである。
【0077】
次に、第2表示制御部221は、利用者によるモードの指定指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS103)。利用者により操作装置202を用いて、各設定画面内で何れかのモードが選択されることにより指定されると、第2表示制御部221は、利用者によるモードの指定指示を受け付ける。第2表示制御部221は、利用者によるモードの指定指示を受け付けていない場合、ステップS107へ処理を移行する。
【0078】
一方、第2表示制御部221は、利用者によるモードの指定指示を受け付けた場合、利用者により指定されたモードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像を第2記憶装置210から読み出す(ステップS104)。第2表示制御部221は、撮像モードテーブル又は画像処理モードテーブルを参照し、指定されたモードに対応する対比用モードを特定し、指定されたモードに対応するサンプル画像、及び、特定した対比用モードに対応する対比用サンプル画像を特定する。
【0079】
次に、第2検出部222は、第2表示制御部221が読み出したサンプル画像及び対比用サンプル画像内で、相互に異なる変化領域を検出する(ステップS105)。第2検出部222は、サンプル画像及び対比用サンプル画像内で相互に対応する画素毎に、各画素の階調値(輝度値又は色値)の差を算出する。第2検出部222は、算出した差が階調閾値以上である画素をラベリングによりグループ化し、変化領域として検出する。階調閾値は、例えば、人が画像上の輝度の違いを目視により判別可能な階調値の差(例えば20)に設定される。なお、第2検出部222は、各グループの外接矩形領域を変化領域として検出してもよい。
【0080】
また、第2検出部222は、サンプル画像及び対比用サンプル画像を複数の領域に分割し、相互に対応する領域毎に、各領域が類似する度合いを示す類似度を算出してもよい。類似度は、SSD(Sum of Squared Difference)、SAD(Sum of Absolute Difference)、正規化相互相関等である。領域が類似するほど類似度が高くなるように類似度が算出される場合、第2検出部222は、類似度が閾値以下である領域を変化領域として検出する。その場合、第2検出部222は、類似度が低い順に所定数の領域を変化領域として検出してもよい。一方、領域が類似するほど類似度が低くなるように類似度が算出される場合、第2検出部222は、類似度が閾値以上である領域を変化領域として検出する。その場合、第2検出部222は、類似度が高い順に所定数の領域を変化領域として検出してもよい。
【0081】
次に、第2表示制御部221は、利用者により指定されたモードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像を並べて表示装置201に表示させる(ステップS106)。また、第2表示制御部221は、サンプル画像又は対比用サンプル画像内で、第2検出部222により検出された変化領域を識別可能に表示する。
【0082】
図10は、サンプル画像及び対比用サンプル画像が表示された撮像モード設定画面1000の一例を示す模式図である。
【0083】
図10に示すように、撮像モード設定画面1000には、選択領域801及び終了ボタン802に加えて、サンプル画像1003、対比用サンプル画像1004、設定ボタン1005及び読取ボタン1006等が含まれる。サンプル画像1003は、選択領域801で指定された撮像モードでサンプル媒体が撮像された画像である。対比用サンプル画像1004は、選択領域801で指定された撮像モードに対応する対比用モードでサンプル媒体が撮像された画像である。サンプル画像1003及び対比用サンプル画像1004内の点線で囲まれた領域Dは、第2検出部222により検出された変化領域である。なお、領域Dは、他の領域に対して色を変更する等、他の様式により識別可能に表示されてもよい。また、領域Dは、サンプル画像1003又は対比用サンプル画像1004のうちの何れか一方でのみ表示されてもよい。
【0084】
設定ボタン1005は、選択領域801で指定された撮像モードを、画像読取装置100に設定するためのボタンである。読取ボタン1006は、選択領域801で指定された撮像モード及びその撮像モードに対応する対比用モードで媒体が撮像された画像を画像読取装置100に新たに生成させるためのボタンである。
【0085】
図11は、サンプル画像及び対比用サンプル画像が表示された画像処理モード設定画面1100の一例を示す模式図である。
【0086】
図11に示すように、画像処理モード設定画面1100には、選択領域901及び終了ボタン902に加えて、サンプル画像1103、対比用サンプル画像1104、設定ボタン1105及び読取ボタン1106等が含まれる。サンプル画像1103は、サンプル媒体が撮像された画像に対して、選択領域901で指定された画像処理モードで画像処理が実行された画像である。対比用サンプル画像1104は、サンプル媒体が撮像された画像に対して、選択領域901で指定された画像処理モードに対応する対比用モードで画像処理が実行された画像である。サンプル画像1103及び対比用サンプル画像1104内の点線で囲まれた領域Dは、第2検出部222により検出された変化領域である。なお、領域Dは、他の領域に対して色を変更する等、他の様式により識別可能に表示されてもよい。また、領域Dは、サンプル画像1103又は対比用サンプル画像1104のうちの何れか一方でのみ表示されてもよい。
【0087】
設定ボタン1105は、選択領域901で指定された画像処理モードを、画像読取装置100に設定するためのボタンである。読取ボタン1106は、画像読取装置100で新たに媒体が撮像された画像に対して、選択領域901で指定された画像処理モード及びその画像処理モードに対応する対比用モードで画像読取装置100に画像処理を実行させるためのボタンである。
【0088】
図10及び図11に示すように、サンプル画像と対比用サンプル画像とが並べて表示されることにより、利用者は、指定したモードの特徴及び効果を直感的に認識でき、自己の用途又は撮像対象の媒体の種類に応じたより適切なモードを選択することができる。したがって、画像読取装置100は、利用者がモードを設定する際のユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0089】
また、サンプル画像及び対比用サンプル画像内で相互に異なる領域が識別可能に表示されることにより、利用者は、指定したモードの特徴及び効果をより具体的に認識できる。したがって、画像読取装置100は、利用者がモードを設定する際のユーザビリティをより向上させることが可能となる。
【0090】
次に、第2表示制御部221は、利用者によるモードの設定指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS107)。利用者により操作装置202を用いて、各設定画面の設定ボタンが押下されると、第2表示制御部221は、利用者によるモードの設定指示を受け付ける。第2表示制御部221は、利用者によるモードの設定指示を受け付けていない場合、ステップS109へ処理を移行する。
【0091】
一方、第2表示制御部221が利用者によるモードの設定指示を受け付けた場合、第2設定部223は、利用者により設定されたモードを、第2通信装置203を介して画像読取装置100に設定する(ステップS108)。第2設定部223は、各設定画面の設定ボタンが押下されたときに選択領域内で指定されていたモードを利用者により設定されたモードとして特定する。第2設定部223は、画像読取装置100にモードを設定させるための設定信号を生成し、第2通信装置203を介して画像読取装置100に送信する。設定信号には、利用者により設定されたモードを示す情報が含まれる。画像読取装置100の制御部141は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から設定信号を受信した場合、受信した設定信号に含まれる情報が示すモードを第1記憶装置130に記憶することにより、プロファイルとして設定する。
【0092】
なお、情報処理装置200に複数の画像読取装置100が通信接続されている場合、第2設定部223は、利用者により設定されたモードを、複数の画像読取装置100に設定してもよい。
【0093】
次に、第2表示制御部221は、利用者による読取指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS109)。利用者により操作装置202を用いて、各設定画面の読取ボタンが押下されると、第2表示制御部221は、利用者による読取指示を受け付ける。第2表示制御部221は、利用者による読取指示を受け付けていない場合、ステップS113へ処理を移行する。
【0094】
一方、第2表示制御部221が利用者による読取指示を受け付けた場合、第2取得部224は、読取画像及び対比用読取画像を、第2通信装置203を介して画像読取装置100から取得する(ステップS110)。
【0095】
利用者により撮像モードが指定されている場合、読取画像は、画像読取装置100において、利用者により指定された撮像モードで撮像装置116により新たに媒体が撮像されて生成された入力画像である。その場合、対比用読取画像は、画像読取装置100において、利用者により指定された撮像モードに対応する対比用モードで撮像装置116により新たに媒体が撮像されて生成された入力画像である。
【0096】
一方、利用者により画像処理モードが指定されている場合、読取画像は、画像読取装置100において、撮像装置116により新たに媒体が撮像されて生成された入力画像に対して、利用者により指定された画像処理モードで画像処理が実行された画像である。その場合、対比用読取画像は、画像読取装置100において、撮像装置116により新たに媒体が撮像されて生成された入力画像に対して、利用者により指定された画像処理モードに対応する対比用モードで画像処理が実行された画像である。
【0097】
第2取得部224は、各設定画面の読取ボタンが押下されたときに各設定画面の選択領域内で指定されていたモードを、利用者により指定されたモードとして特定する。第2取得部224は、画像読取装置100に媒体の読み取りを指示するための読取指示信号を生成し、第2通信装置203を介して画像読取装置100に送信する。読取指示信号には、利用者により指定されたモードを示す情報が含まれる。画像読取装置100の制御部141は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から読取指示信号を受信した場合、受信した読取指示信号に含まれる情報が示すモードを特定する。制御部141は、後述する媒体読取処理に従って、読取画像を生成し、生成した読取画像を、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信する。
【0098】
特定したモードが撮像モードである場合、制御部141は、利用者により載置台103に新たに載置された媒体を搬送させ、特定したモードで撮像装置116にその媒体を撮像させ、生成された入力画像を読取画像として取得する。一方、特定したモードが画像処理モードである場合、制御部141は、利用者により載置台103に新たに載置された媒体を搬送させ、撮像装置116にその媒体を撮像させ、生成された入力画像を取得する。制御部141は、特定したモードで、取得した入力画像に対する画像処理を実行して読取画像を生成する。
【0099】
次に、第2取得部224は、各モードテーブルを参照し、利用者により指定されたモードに対応する対比用モードを特定する。第2取得部224は、読取画像を取得する場合と同様にして、画像読取装置100に対比用読取画像を送信させるための読取指示信号を、第2通信装置203を介して画像読取装置100に送信する。制御部141は、読取画像を生成する場合と同様にして、対比用読取画像を生成し、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信する。
【0100】
なお、特定したモードが画像処理モードである場合、画像読取装置100は、一回の撮像でまとめて読取画像及び対比用読取画像を生成し、読取画像及び対比用読取画像をまとめて情報処理装置200に送信してもよい。その場合、第2取得部224は、読取指示信号に、利用者により指定されたモード及び対比用モードを示す情報を含ませる。制御部141は、受信した読取指示信号に含まれる情報が示すモード及び対比用モードを特定し、特定した各モードで、入力画像に対する画像処理を実行して読取画像及び対比用読取画像を生成する。これにより、情報処理装置200は、より短時間に読取画像及び対比用読取画像を取得することが可能となる。また、利用者が載置台103に媒体をセットする回数が一回になるため、情報処理装置200は、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0101】
次に、第2検出部222は、第2取得部224が取得した読取画像及び対比用読取画像内で、相互に異なる変化領域を検出する(ステップS111)。第2検出部222は、ステップS105の処理と同様にして、読取画像と対比用読取画像とを比較し、変化領域を検出する。
【0102】
次に、第2表示制御部221は、第2取得部224が取得した読取画像及び対比用読取画像を並べて表示装置201に表示させる(ステップS112)。また、第2表示制御部221は、読取画像又は対比用読取画像内で、第2検出部222により検出された変化領域を識別可能に表示する。
【0103】
図12は、読取画像及び対比用読取画像が表示された撮像モード設定画面1200の一例を示す模式図である。
【0104】
図12に示すように、撮像モード設定画面1200には、サンプル画像1003及び対比用サンプル画像1004に代えて、読取画像1203及び対比用読取画像1204が含まれる。また、撮像モード設定画面1200には、選択領域801、終了ボタン802、設定ボタン1005及び読取ボタン1006に加えて、登録ボタン1207等が含まれる。読取画像1203は、選択領域801で指定された撮像モードで画像読取装置100により新たに媒体が撮像された画像である。対比用読取画像1204は、選択領域801で指定された撮像モードに対応する対比用モードで画像読取装置100により新たに媒体が撮像された画像である。読取画像1203及び対比用読取画像1204内の点線で囲まれた領域Dは、第2検出部222により検出された変化領域である。
【0105】
登録ボタン1207は、読取画像1203及び対比用読取画像1204を、選択領域801で指定された撮像モードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像として撮像モードテーブルに登録するためのボタンである。
【0106】
図13は、読取画像及び対比用読取画像が表示された画像処理モード設定画面1300の一例を示す模式図である。
【0107】
図13に示すように、画像処理モード設定画面1300には、サンプル画像1103及び対比用サンプル画像1104に代えて、読取画像1303及び対比用読取画像1304が含まれる。また、画像処理モード設定画面1300には、選択領域901、終了ボタン902、設定ボタン1105及び読取ボタン1106に加えて、登録ボタン1307等が含まれる。読取画像1303は、画像読取装置100により新たに媒体が撮像された画像に対して、選択領域901で指定された画像処理モードで画像処理が実行された画像である。対比用読取画像1304は、画像読取装置100により新たに媒体が撮像された画像に対して、選択領域901で指定された画像処理モードに対応する対比用モードで画像処理が実行された画像である。読取画像1303及び対比用読取画像1304内の点線で囲まれた領域Dは、第2検出部222により検出された変化領域である。
【0108】
登録ボタン1307は、読取画像1303及び対比用読取画像1304を、選択領域901で指定された画像処理モードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像として画像処理モードテーブルに登録するためのボタンである。
【0109】
図12及び図13に示すように、読取画像と対比用読取画像とが並べて表示されることにより、利用者は、指定したモードにより、自己が利用する媒体が撮像された画像に与えられる影響を認識することができる。したがって、画像読取装置100は、利用者がモードを設定する際のユーザビリティをより向上させることが可能となる。
【0110】
次に、第2表示制御部221は、利用者による登録指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS113)。利用者により操作装置202を用いて、各設定画面の登録ボタンが押下されると、第2表示制御部221は、利用者による登録指示を受け付ける。第2表示制御部221は、利用者による登録指示を受け付けていない場合、ステップS115へ処理を移行する。
【0111】
一方、第2表示制御部221が利用者による登録指示を受け付けた場合、第2登録部225は、第2取得部224が取得した読取画像及び対比用読取画像を第2記憶装置210に登録する(ステップS114)。第2登録部225は、各設定画面の登録ボタンが押下されたときに各設定画面の選択領域内で指定されていたモードを、利用者により指定されたモードとして特定する。第2設定部223は、利用者により撮像モードが指定されている場合、読取画像及び対比用読取画像を、利用者により指定された撮像モードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像として、撮像モードテーブルに登録する。一方、第2設定部223は、利用者により画像処理モードが指定されている場合、読取画像及び対比用読取画像を、利用者により指定された画像処理モードに対応するサンプル画像及び対比用サンプル画像として、画像処理モードテーブルに登録する。
【0112】
これにより、以降、利用者は、登録した読取画像に対応するモードを指定した場合に、新たに媒体を撮像しなおすことなく、指定したモードにより、自己が利用する媒体に与えられる影響を認識することができる。したがって、画像読取装置100は、利用者がモードを設定する際のユーザビリティ及びユーザの利便性をより向上させることが可能となる。
【0113】
次に、第2表示制御部221は、利用者による終了指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS115)。利用者により操作装置202を用いて、各設定画面の終了ボタンが押下されると、第2表示制御部221は、利用者による終了指示を受け付ける。第2表示制御部221は、利用者による終了指示を受け付けていない場合、ステップS103へ処理を移行し、ステップS103~S115の処理を繰り返す。一方、第2表示制御部221は、利用者による終了指示を受け付けた場合、一連のステップを終了する。
【0114】
なお、ステップS109~S112又はステップS113~S114の処理は、省略されてもよい。
【0115】
図14は、画像読取装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0116】
以下、図14に示したフローチャートを参照しつつ、画像読取装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第1記憶装置130に記憶されているプログラムに基づき主に第1処理回路140により画像読取装置100の各要素と協働して実行される。
【0117】
最初に、制御部141は、利用者により表示操作装置105又は情報処理装置200を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、読取指示信号を表示操作装置105又は第1通信装置122から受信するまで待機する(ステップS201)。
【0118】
次に、制御部141は、媒体センサ111から媒体信号を取得し、取得した媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS202)。載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部141は、一連のステップを終了する。なお、載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部141は、載置台103に媒体を載置することを促す情報を表示操作装置105に表示して利用者に通知し、載置台103に媒体が載置されるまで待機してもよい。
【0119】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部141は、利用者により設定された撮像モード及び画像処理モードを特定する(ステップS203)。制御部141は、第1記憶装置130から、プロファイルとして設定されている撮像モード及び画像処理モードを読み出し、撮像モード及び画像処理モードを特定する。また、制御部141は、読取指示信号に撮像モード又は画像処理モードが含まれる場合、読取指示信号に含まれる撮像モード又は画像処理モードを優先するように、撮像モード及び画像処理モードを特定する。
【0120】
次に、制御部141は、モータ121を駆動して、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ117を回転させて、媒体を搬送させる(ステップS204)。制御部141は、特定した撮像モードで指定された解像度に従って媒体が撮像されるように、モータ121の回転速度を制御する。
【0121】
次に、制御部141は、撮像装置116に媒体の撮像を開始させる(ステップS205)。制御部141は、特定した撮像モードで指定された解像度に従って媒体が撮像され、特定した撮像モードで指定された階調範囲に従って入力画像が生成されるように、撮像装置116を制御する。このように、制御部141は、利用者により設定された撮像モードで撮像装置116を制御する。
【0122】
次に、制御部141は、媒体の搬送が完了したときに、撮像装置116から入力画像を取得し、撮像装置116による撮像を停止させる(ステップS206)。
【0123】
次に、制御部141は、取得した入力画像に対する画像処理を実行し、画像処理が実行された読取画像を生成する(ステップS207)。制御部141は、特定した画像処理モードで、入力画像に対する画像処理を実行し、読取画像を生成する。
【0124】
次に、制御部141は、生成した読取画像を、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信することにより出力する(ステップS208)。情報処理装置200は、第2通信装置203を介して画像読取装置100から読取画像を受信し、受信した読取画像を第2記憶装置210に記憶するとともに、表示装置201に表示させる。
【0125】
次に、制御部141は、媒体センサ111から受信する媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS209)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部141は、処理をステップS205へ戻し、ステップS205~S209の処理を繰り返す。
【0126】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部141は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ117を停止させるように、モータ121を制御し(ステップS210)、一連のステップを終了する。
【0127】
なお、図7のステップS110において読取指示信号が送信された場合、画像読取装置100は、読取画像と対比用読取画像とを生成するために、画像読取処理を二回実行する。
【0128】
また、画像処理システム1は、撮像モード又は画像処理モードのうちの何れか一方のモードのみを利用者により設定可能とし、他方のモードについては固定的に設定してもよい。その場合、情報処理装置200は、利用者により設定可能なモードについてのみサンプル画像及び対比用サンプル画像を並べて表示する。
【0129】
以上詳述したように、情報処理装置200は、プロファイルで設定されるモード毎に対比用モードを設定しておき、利用者により指定されたモードで媒体が撮像された画像と、対応する対比用モードで媒体が撮像された画像とを並べて表示する。または、情報処理装置200は、利用者により指定されたモードで画像処理が実行された画像と、対応する対比用モードで画像処理が実行された画像とを並べて表示する。これにより、利用者は、それぞれのモードで撮像又は処理された画像の特徴及び効果を直感的に認識することが可能となり、より適切なモードを設定することが可能となった。したがって、情報処理装置200は、利用者がモードを設定する際のユーザビリティを向上させることが可能となった。
【0130】
特に、利用者は、指定したモードで撮像又は処理された画像と、そのモードとは異なり且つ排他的に用いられるモードで撮像又は処理された画像とを比較することにより、そのモードの特徴及び効果を的確に認識することが可能となった。
【0131】
近年、撮像技術及び画像処理技術の向上により、撮像及び画像処理に関するモードの多様化が進んでおり、スキャナに不慣れな利用者にとって、様々なモードの特徴及び効果を正しく理解することは困難である。情報処理装置200は、二つのモードで撮像又は処理された画像を並べて表示するため、スキャナに不慣れな利用者であっても、各モードの特徴及び効果を直感的に理解することが可能となる。そのため、利用者は、様々なモードの中から、自己の用途又は撮像対象の媒体の種類に応じた適切なモードを選択することが可能となった。
【0132】
図15は、他の実施形態に係る画像処理システム1における設定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0133】
図15に示すフローチャートは、図7に示したフローチャートの代わりに実行される。本実施形態では、設定処理は、情報処理装置200でなく、画像読取装置100により実行される。即ち、本実施形態では、画像読取装置が情報処理装置として機能し、第1記憶装置130が記憶部として機能し、第1通信装置122が通信部として機能し、表示操作装置105が表示部として機能する。また、第1表示制御部142、第1検出部143、第1設定部144、第1取得部145及び第1登録部146が、それぞれ表示制御部、検出部、設定部、取得部及び登録部として機能する。また、第1記憶装置130に、撮像モードテーブル及び画像処理モードテーブルが記憶される。
【0134】
以下、図15に示したフローチャートを参照しつつ、画像読取装置100の設定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第1記憶装置130に記憶されているプログラムに基づき主に第1処理回路140により画像読取装置100の各要素と協働して実行される。
【0135】
図15に示すフローチャートのステップS301~S315の各処理は、図7に示したフローチャートのステップS101~S115の各処理と同様の処理である。但し、第2表示制御部221、第2検出部222、第2設定部223、第2取得部224及び第2登録部225により実行される各処理は、それぞれ第1表示制御部142、第1検出部143、第1設定部144、第1取得部145及び第1登録部146により実行される。また、表示装置201に表示される画面は、表示操作装置105に表示され、操作装置202を用いて入力される情報は、表示操作装置105を用いて入力される。また、第2記憶装置210から読み出される各情報は、第1記憶装置130から読み出され、第2記憶装置210に記憶される各情報は、第1記憶装置130に記憶される。
【0136】
ステップS308において、第1設定部144は、利用者により設定されたモードを第1記憶装置130に記憶することにより、プロファイルとして設定する。
【0137】
ステップS310において、第1取得部145は、読取画像及び対比用読取画像を制御部141から取得する。
【0138】
利用者により指定されたモードが撮像モードである場合、制御部141は、利用者により載置台103に新たに載置された媒体を搬送させ、利用者により指定されたモードで撮像装置116にその媒体を撮像させ、生成された入力画像を読取画像として取得する。一方、利用者により指定されたモードが画像処理モードである場合、制御部141は、利用者により載置台103に新たに載置された媒体を搬送させ、撮像装置116にその媒体を撮像させ、生成された入力画像を取得する。制御部141は、利用者により指定されたモードで、取得した入力画像に対する画像処理を実行して読取画像を生成する。また、制御部141は、読取画像を生成する場合と同様にして、対比用読取画像を生成する。
【0139】
以上詳述したように、画像読取装置100が設定処理を実行する場合も、画像読取装置100は、利用者がモードを設定する際のユーザビリティを向上させることが可能となった。
【0140】
図16は、さらに他の実施形態に係る画像読取装置における第1処理回路340の概略構成を示す図である。第1処理回路340は、画像読取装置100の第1処理回路140の代わりに使用され、第1処理回路140の代わりに、媒体読取処理、設定処理等を実行する。第1処理回路340は、制御回路341、第1表示制御回路342、第1検出回路343、第1設定回路344、第1取得回路345及び第1登録回路346等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0141】
制御回路341は、制御部の一例であり、制御部141と同様の機能を有する。制御回路341は、第1通信装置122を介して情報処理装置から、利用者により設定されたモードを示す情報を受信し、そのモードを第1記憶装置130に設定する。制御回路341は、表示操作装置105又は第1通信装置122から読取指示信号を、媒体センサ111から媒体信号を受信するとともに、第1記憶装置130から各モードを読み出し、取得した各情報に基づいてモータ121を制御する。また、制御回路341は、読み出したモードに従って、撮像装置116を制御して入力画像を取得し、入力画像に基づいて読取画像を生成し、生成した読取画像を第1通信装置122に出力する。
【0142】
第1表示制御回路342は、第1表示制御部の一例であり、第1表示制御部142と同様の機能を有する。第1表示制御回路342は、設定画面を表示操作装置105に表示するとともに、表示操作装置105から利用者による各種指示を受け付ける。第1表示制御回路342は、第1記憶装置130からサンプル画像及び対比用サンプル画像を読み出して第1検出回路343に出力し、第1検出回路343から変化領域の検出結果を受信する。第1表示制御回路342は、利用者により設定されたモードを示す情報を第1設定回路344に出力する。第1表示制御回路342は、利用者により設定されたモード及び対比用モードを示す情報を第1取得回路345に出力し、第1取得回路345から読取画像及び対比用読取画像を受信する。第1表示制御回路342は、利用者により登録された読取画像及び対比用読取画像を第1登録回路346に出力する。
【0143】
第1検出回路343は、第1検出部の一例であり、第1検出部143と同様の機能を有する。第1検出回路343は、第1表示制御回路342からサンプル画像及び対比用サンプル画像を受信し、変化領域を検出して検出結果を第1表示制御回路342に出力する。
【0144】
第1設定回路344は、第1設定部の一例であり、第1設定部144と同様の機能を有する。第1設定回路344は、第1表示制御回路342から、利用者により設定されたモードを示す情報を受信し、そのモードを第1記憶装置130に登録する。
【0145】
第1取得回路345は、第1取得部の一例であり、第1取得部145と同様の機能を有する。第1取得回路345は、第1表示制御回路342から、利用者により設定されたモード及び対比用モードを示す情報を受信し、制御回路341に出力する。第1取得回路345は、制御回路341から読取画像及び対比用読取画像を受信し、第1表示制御回路342に出力する。
【0146】
第1登録回路346は、第1登録部の一例であり、第1登録部146と同様の機能を有する。第1登録回路346は、第1表示制御回路342から、利用者により登録された読取画像及び対比用読取画像を受信し、第1記憶装置130に登録する。
【0147】
以上詳述したように、画像読取装置は、第1処理回路340を用いる場合も、利用者がモードを設定する際のユーザビリティを向上させることが可能となった。
【0148】
図17は、さらに他の実施形態に係る画像読取装置における第2処理回路420の概略構成を示す図である。第2処理回路420は、情報処理装置200の第2処理回路220の代わりに使用され、第2処理回路220の代わりに、設定処理等を実行する。第2処理回路420は、第2表示制御回路421、第2検出回路422、第2設定回路423、第2取得回路424及び第2登録回路425等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0149】
第2表示制御回路421は、第2表示制御部の一例であり、第2表示制御部221と同様の機能を有する。第2表示制御回路421は、設定画面を表示装置201に表示するとともに、操作装置202から利用者による各種指示を受け付ける。第2表示制御回路421は、第2記憶装置210からサンプル画像及び対比用サンプル画像を読み出して第2検出回路422に出力し、第2検出回路422から変化領域の検出結果を受信する。第2表示制御回路421は、利用者により設定されたモードを示す情報を第2設定回路423に出力する。第2表示制御回路421は、利用者により設定されたモード及び対比用モードを示す情報を第2取得回路424に出力し、第2取得回路424から読取画像及び対比用読取画像を受信する。第2表示制御回路421は、利用者により登録された読取画像及び対比用読取画像を第2登録回路425に出力する。
【0150】
第2検出回路422は、第2検出部の一例であり、第2検出部222と同様の機能を有する。第2検出回路422は、第2表示制御回路421からサンプル画像及び対比用サンプル画像を受信し、変化領域を検出して検出結果を第2表示制御回路421に出力する。
【0151】
第2設定回路423は、第2設定部の一例であり、第2設定部223同様の機能を有する。第2設定回路423は、第2表示制御回路421から、利用者により設定されたモードを示す情報を受信し、第2通信装置203を介して画像読取装置に送信する。
【0152】
第2取得回路424は、第2取得部の一例であり、第2取得部224と同様の機能を有する。第2取得回路424は、第2表示制御回路421から、利用者により設定されたモード及び対比用モードを示す情報を受信し、第2通信装置203を介して画像読取装置に送信する。第2取得回路424は、第2通信装置203を介して画像読取装置から読取画像及び対比用読取画像を受信し、第2表示制御回路421に出力する。
【0153】
第2登録回路425は、第2登録部の一例であり、第2登録部225と同様の機能を有する。第2登録回路425は、第2表示制御回路421から、利用者により登録された読取画像及び対比用読取画像を受信し、第2記憶装置210に登録する。
【0154】
以上詳述したように、情報処理装置は、第2処理回路420を用いる場合も、利用者がモードを設定する際のユーザビリティを向上させることが可能となった。
【符号の説明】
【0155】
100 画像読取装置、105 表示操作装置、116 撮像装置、122 第1通信装置、130 第1記憶装置、141 制御部、142 第1表示制御部、143 第1検出部、144 第1設定部、145 第1取得部、146 第1登録部、200 情報処理装置、201 表示装置、203 第2通信装置、210 第2記憶装置、221 第2表示制御部、222 第2検出部、223 第2設定部、224 第2取得部、225 第2登録部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17