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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】多機能家具
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/00 20060101AFI20240826BHJP
   A47B 85/06 20060101ALI20240826BHJP
   A47B 77/06 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
B60P3/00 Z
A47B85/06
A47B77/06
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2023553002
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2021083852
(87)【国際公開番号】W WO2022128483
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】102020134244.6
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523232115
【氏名又は名称】チャレンジアイティー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ChallengeIT GmbH
【住所又は居所原語表記】Robert Perthel Strase 32-36 50739 Koln (DE)
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】コナース, ジャン-ミヒャエル
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0049056(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0104294(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0227557(US,A1)
【文献】スイス国特許発明第00180635(CH,A)
【文献】スイス国特許発明第00174594(CH,A)
【文献】仏国特許発明第00878092(FR,A)
【文献】米国特許第02867711(US,A)
【文献】特開2007-029305(JP,A)
【文献】実開昭51-110850(JP,U)
【文献】独国実用新案第202019103922(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 85/06
A47B 77/06
A47B 77/08
B60P 3/00
B60P 3/39
E03C 1/18
F24C 15/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面を備えた家具本体(2、21)を含む、ユーザの異なる意図された用途のために使用される様々な機能を提供するための、車両(40)に配置される多機能家具(1、20、30)であって、
前記外面は、前記ユーザの異なる前記意図された用途のために使用される少なくとも4つの異なる機能面(11、12、13、14)に分割され、
各前記機能面(11、12、13、14)は、それぞれの前記意図された用途に応じて前記ユーザによって意図されたように使用されることができる少なくとも1つの所定の使用位置を割り当てられ、
少なくとも1つの懸架手段(6、22)が設けられ、前記懸架手段は、前記家具本体(2、21)の回転軸(5)を画定し、家具配置場所(7)から離れた位置で、前記家具配置場所(7)において空間的に水平な向きで前記回転軸(5)を中心として回転可能に前記家具本体(2、21)を保持するように構成および配置され、
前記家具本体(2、21)を回転させることによって、前記異なる機能面(11、12、13、14)のそれぞれの前記使用位置に到達することができ、
前記機能面(11、12、13、14)のそれぞれの前記意図された用途が、作業、調理、保管、睡眠を含む群から選択され、
前記意図された用途が前記作業である前記機能面(11)は、前記ユーザに少なくとも1つの平坦な作業面(9)を提供し、前記意図された用途が前記調理である前記機能面(14)は、前記ユーザに食品を加熱するための少なくとも1つのホットプレート(28)を提供し、前記意図された用途が前記保管である前記機能面(13)は、前記ユーザに物体を保管するための少なくとも1つの保管空間(16)を提供し、前記意図された用途が前記睡眠である前記機能面(12)は、前記ユーザに少なくとも1つの横臥面(25)を提供し、
前記意図された用途が前記調理である前記機能面(14)に割り当てられた前記使用位置が、前記意図された用途が前記保管である前記機能面(13)に割り当てられた前記使用位置に対応することを特徴とする多機能家具(1、20、30)。
【請求項2】
前記家具本体(2、21)が、底面(3)と、反対側の上面(4)と、前記底面(3)を前記上面(4)に接続する側面とを有する角柱の形状で実質的に構成され、
前記側面が、前記異なる機能面(11、12、13、14)に分割された前記家具本体(2、21)の前記外面を形成することを特徴とする、請求項1に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項3】
角柱状の前記家具本体(2、21)の前記底面(3)および前記上面(4)は、それぞれ3つの角または4つの角を有する多角形の形状で構成されることを特徴とする、請求項2に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項4】
角柱状の前記家具本体(2、21)の前記底面(3)および前記上面(4)は、それぞれ6つの角または8つの角を有する多角形の形状で構成され、
六角形および八角形の前記多角形は、それぞれ、第1の長さ(L1)の3つまたは4つの等しい長さの辺と、前記第1の長さ(L1)よりも小さい第2の長さ(L2)の3つまたは4つの等しい長さの辺とを有することを特徴とする、請求項2に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項5】
前記懸架手段(6、22)は、前記回転軸(5)の方向に貫通開口を有し、前記貫通開口は、前記家具本体(2、21)内において電力、ガスおよび/または水のための少なくとも1つの供給ラインを通過させるように適合していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項6】
前記懸架手段(6、22)が、前記家具本体(2、21)の2つの対向する端面(3、4)に設けられたシャフト片として、または、前記家具本体(2、21)の前記2つの対向する端面(3、4)の間を延びる1つのシャフトとして構成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項7】
前記家具本体(2、21)が、前記シャフト片(22)または前記シャフト(6)に回転不能に接続されることを特徴とする、請求項6に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項8】
前記シャフト片(22)の少なくとも1つもしくは両方の前記シャフト片、または前記シャフト(6)が、少なくとも入力側および/または出力側で中空であるように構成されることを特徴とする、請求項6または7に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項9】
前記懸架手段(6、22)を、回転可能または回転不能に収容し、前記家具配置場所(7)で、そこから所定の距離で、固定位置において保持するように構成および配置された少なくとも1つの支持体(8)が設けられていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項10】
前記家具本体(2、21)の回転を選択的に可能とするまたは防止する固定装置が設けられ、
前記家具本体(2、21)は、前記固定装置によって、前記異なる機能面(11、12、13、14)の少なくとも個々の前記使用位置に固定されることができることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項11】
前記固定装置は、前記家具本体(2、21)の回転を、常に所定の回転方向にのみ解放することを特徴とする、請求項10に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項12】
前記家具本体(2、21)内の前記保管空間(16)は、前記家具本体(2、21)上に回転可能に保持される、前記回転軸(5)に平行に延びるチューブ(17)によって形成されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項13】
前記チューブ(17)の下側に、少なくとも1つの追加の重りが取り付けられることを特徴とする、請求項12に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項14】
前記意図された用途が前記調理である機能面(14)は、前記ユーザに、淡水供給部および用水処理部を備えたシンク(29)を提供し、
前記用水処理部は、前記シンク(29)への用水の逆流を防止するように構成および配置されることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項15】
前記用水処理部は、逆止弁および/またはウォームポンプおよび/または仮想螺旋に沿って螺旋状に案内される用水ドレンラインを有することを特徴とする、請求項14に記載の多機能家具(1、20、30)。
【請求項16】
外面を備えた家具本体(2、21)を含む、ユーザの異なる意図された用途に供する、請求項1~15のいずれか一項に記載の多機能家具(1、20、30)の様々な機能を使用するための方法であって、
前記外面が、前記ユーザの異なる前記意図された用途に供する少なくとも4つの異なる機能面(11、12、13、14)に分割され、
各前記機能面(11、12、13、14)が、それぞれの前記意図された用途に応じて、前記ユーザによって意図されたように使用されることができる少なくとも1つの所定の使用位置を割り当てられ、
前記家具本体(2、21)の回転軸(5)が、少なくとも1つの懸架手段(6、22)によって固定され、それによって、前記家具本体(2、21)が、家具配置場所(7)から離れた位置で、前記家具配置場所(7)において空間的に水平な向きで、前記回転軸(5)を中心として回転可能に保持され、
前記家具本体(2、21)を回転させることによって、前記異なる機能面(11、12、13、14)のそれぞれの前記使用位置に到達することができ、
前記機能面(11、12、13、14)のそれぞれの前記意図された用途が、作業、調理、保管、睡眠を含む群から選択され、
前記ユーザは、前記意図された用途が前記作業である前記機能面(11)を介して少なくとも1つの平坦な作業面(9)を提供され、前記ユーザは、前記意図された用途が前記調理である前記機能面(14)を介して食品を加熱するための少なくとも1つのホットプレート(28)を提供され、前記ユーザは、前記意図された用途が前記保管である前記機能面(13)を介して物体を保管するための少なくとも1つの保管空間(16)を提供され、前記ユーザは、前記意図された用途が前記睡眠である前記機能面(12)を介して少なくとも1つの横臥面(25)を提供され、
前記意図された用途が前記調理である前記機能面(14)に割り当てられた前記使用位置に達すると、前記意図された用途が前記保管である前記機能面(13)に割り当てられた前記使用位置に同時に達することを特徴とする方法。
【請求項17】
電力、ガスおよび/または水のための少なくとも1つの供給ラインが、前記回転軸(5)の方向に延在する前記懸架手段(6、22)の貫通開口を介して、前記家具本体(2、21)内に通されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記懸架手段(6、22)が、少なくとも1つの支持体(8)内に回転可能または回転不能に受け入れられ、それによって、前記懸架手段(6、22)が、前記家具配置場所(7)において、かつ前記家具配置場所(7)から所定の距離にある固定位置にあることを特徴とする、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記家具本体(2、21)の回転が、固定装置によって選択的に可能とされまたは防止され、
前記家具本体(2、21)が、前記固定装置によって、前記異なる機能面(11、12、13、14)の少なくとも個々の前記使用位置に固定されることを特徴とする、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記固定装置による前記家具本体(2、21)の回転が、常に所定の回転方向にのみ解放されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記家具本体(2、21)内の前記保管空間(16)は、前記家具本体(2、21)上に回転可能に保持される、前記回転軸(5)に平行に延びるチューブ(17)によって形成されることを特徴とする、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記チューブ(17)の下側に、少なくとも1つの追加の重りが取り付けられることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ユーザは、前記意図された用途が前記調理である機能面(14)を介して、淡水供給部と、用水処理部とを備えたシンク(29)を提供され、
前記用水処理部から前記シンク(29)への用水の逆流は、逆止弁および/またはウォームポンプおよび/または仮想螺旋に沿って螺旋状に通される用水ドレンラインによって防止されることを特徴とする、請求項16~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
車室(42)を有する車両(40)であって、請求項1~15のいずれか一項に記載の前記多機能家具(1、20、30)が、前記車室(42)に機能的に配置されることを特徴とする、車両(40)。
【請求項25】
前記家具本体(2、21)の前記回転軸(5)が、前記車両(40)の長手方向軸(45)と平行に位置合わせされることを特徴とする、請求項24に記載の車両(40)。
【請求項26】
前記車両(40)は、ユーザが居住可能な車両であることを特徴とする、請求項24または25に記載の車両(40)。
【請求項27】
請求項24~26のいずれか一項に記載の前記車両(40)の前記車室(42)における、請求項1~15のいずれか一項に記載の前記多機能家具(1、20、30)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの異なる意図された用途に役立つ様々な機能を提供するための家具本体を有する多機能家具に関する。本発明はさらに、ユーザの異なる意図された用途に役立つ多機能家具の様々な機能を使用するための方法に関する。本発明は、車両、特に居住可能な自動車にも関する。
【背景技術】
【0002】
異なる意図された用途に役立ついくつかの機能をユーザに提供する多機能家具自体は、知られている。
【0003】
例えば、AT521492A4は、水平回転軸を中心に回転可能な家具ユニットを備えた家具システムを記載しており、この家具ユニットは、座席装置および横臥装置の両方が、家具ユニットにおける正反対に対向する内壁のそれぞれに配置されている内部容積を囲んでいる。家具ユニットを回転させることによって、2つの装置のうちの1つをより低い使用位置にすることができ、その使用位置において、ユーザが使用することができる。記載された家具システムの欠点は、とりわけ、その大型で複雑な構造である。
【0004】
DE102012007690A1はまた、ベッド機能およびテーブル機能を提供する組合せ家具を開示する。この目的のために、2つのサイドパネルの間に、寝台とテーブルトップとが互いに直角に配置され、その結果、テーブルトップまたは寝台のいずれかが、組合せ家具を90°傾けることによって、ユーザによる使用のために水平使用位置にされ得る。特にその使用位置の変更に関して、組合せ家具の取り扱いは、とりわけ、非常に骨の折れる作業であり、時間がかかり、したがって比較的不快であることが分かっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この背景に対して、本発明の目的は、所定の変換スペース(converted space)を最大限に使用できるように、特に省スペースで、異なる意図された用途に役立つ様々な機能を提供する多機能家具を作成することである。したがって、多機能家具は、可能な限り最小の床面積および可能な限り最小の容積を有するべきである。同時に、様々な機能がユーザによって便利に、迅速に、かつ多大な労力なしに使用され得るよう、異なる使用位置の間で変更することが可能であるべきである。特に、ユーザは、負傷の危険なしにこれらの変更を実行することが可能であるべきである。また、本発明は、前述の利点を有する、ユーザのために異なる意図された用途に役立つ多機能家具の様々な機能を使用するための方法、および少なくともそのような利点を有する車両を提供するという目的にも基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有する多機能家具、請求項18の特徴を有する方法、および請求項28の特徴を有する車両によって達成される。さらに、本発明の特に有利な実施形態は、それぞれの従属請求項に開示されている。
【0007】
請求項に個別に列挙された特徴は、技術的に意味のある任意の方法で(例えば、方法と装置との間のカテゴリ境界を越えてさえ)互いに組み合わせることができ、本発明のさらなる実施形態を示すことができることに留意すべきである。本明細書は、特に図面に関連して、本発明をさらに特徴付け、特定する。
【0008】
本明細書で使用される「および/または」は、2つの特徴の間にあり、それらを互いに連結するが、本発明による主題の第1の実施形態では、第1の特徴のみが存在することができ、第2の実施形態では、第2の特徴のみが存在することができ、第3の実施形態では、第1の特徴および第2の特徴の両方が存在することができるように、常に解釈されなければならないことも留意すべきである。
【0009】
加えて、用語「約」は、本明細書において、本分野の当業者によって通常であると考えられる許容範囲を示すために使用される。特に、用語「約」は、最大±20%、好ましくは最大±10%までの関連量の許容範囲を意味する。
【0010】
本発明の意味において、「より大きい」、「より小さい」、「より広い」、「より狭い」、「より高い」、「より低い」、「より重い」、「より軽い」などの特徴に関して以下で使用される相対的用語は、関連する特徴のそれぞれの製造について定義された製造公差(manufacturing tolerances)内にある関連する特徴の製造関連サイズ偏差(manufacturing-related size deviations)が、それぞれの相対的用語によってカバーされないように、常に解釈されるべきである。言い換えれば、この定義によれば、比較される2つのサイズがそれらの値において著しく異なり、このサイズの差が、関連する特徴の製造関連公差範囲(manufacturing-related tolerance range)内に確実に入るのではなく、目的とする作用の結果である場合、特徴のサイズは、比較される特徴のサイズよりも、本発明の意味において「より大きい」、「より小さい」、「より広い」、「より狭い」、「より高い」、「より低い」、「より重い」、「より軽い」などであるとみなされるべきである。
【0011】
本発明によれば、特に、モータホーム、キャンパーバン、キャラバン、キャンピングバン、トランスポータ、バスなどの(居住可能である)車両に配置するための多機能家具は、必ずしもこれに限定されるものではないが、ユーザの異なる意図された用途に役立つ異なる機能を提供するための外面付き家具本体を有する。一般に、多機能家具の耐荷重部品(load-bearing parts)は、その外面が外側にある壁部によって実質的に形成されるように、家具本体として理解されるべきである。外面は、実質的に閉じた表面として構成することができるが、必ずしもこれに限定されない。
【0012】
さらに、本発明によれば、家具本体の外面は、ユーザの異なる意図された用途に供する少なくとも2つの異なる機能面に分割され、各機能面は、その意図された用途に従ってユーザがそれぞれの機能面を意図されたように使用することができる少なくとも1つの所定の使用位置が割り当てられる。したがって、各機能面は、意図されるように機能面の想定される使用がユーザによって実行されるように、独自の使用位置を有する。異なる機能面の使用位置は、異なり得るが、ある場合には同じであることを理解されたい。例えば、3つ以上の異なる機能面が提供される場合、2つの機能面は、必ずしもこれに限定されないが、1つの同じ使用位置において、ユーザによって意図されるように使用され得る。
【0013】
さらに、本発明によれば、少なくとも1つの懸架手段(suspension means)が設けられる。この懸架手段は、家具本体の回転軸を画定し、家具配置場所、例えば、すでに述べた車両の車室において、その家具配置場所から、すなわち、床面、壁面、天井面などの家具配置場所を形成する表面から距離をおいて、空間的に水平な向きで回転軸を中心として回転可能に家具本体を保持するように構成および配置される。したがって、家具本体は、画定された回転軸の周りで自由に回転することができ、回転軸は、家具本体に対するその配置場所で基本的に懸架手段によって、配置場所の空間内で水平に整列される。したがって、異なる使用位置は、家具本体の異なる角度位置に対応することができる。本発明の意味における水平方向の整列は、地面に対して実質的に平行に、または局所的な重力加速度の方向に対して実質的に直角に延びる方向として理解されるべきである。配置場所における回転軸の垂直方向、すなわち、局所的な重力加速度に従う方向は、多機能家具の意図された使用および機能的な使用をもたらさない。
【0014】
したがって、本発明による多機能家具は、省スペース方式で、異なる意図された用途、好ましくは、2つを超える、例えば、3つまたは4つまたはそれ以上の用途に役立ついくつかの機能を提供する。これにより、配置場所における1つの表面のみが、家具本体の底面に対応しなければならならない。また、多機能家具の容積に実質的に対応し、それに加えて、多機能家具の意図された用途のためにユーザによって必要とされる使用容積を加えた空間的容積が、配置場所に提供されなければならない。配置場所における家具本体の回転能力は、配置場所におけるベースエリア/部屋容積が複数回有利に使用され得るという点で、家具配置場所の所与の変換スペースから最大の利益を引き出すことを可能にする。加えて、個々の機能面は、ユーザによって便利かつ安全にそれぞれの使用位置にされることができ、ユーザは、多大な時間をかけることなく、かつ多大な労力をかけることなく、意図した通りに使用することができる。家具本体は、懸架手段によって配置場所に常にしっかりと保持されるので、家具本体の制御されない移動の結果としてユーザが負傷する危険性はほとんど完全に排除され、少なくとも、異なる機能面をアクセス可能にするために、床面上でユーザが傾斜しなければならない家具と比較して最大限に低減される。
【0015】
したがって、本発明による多機能家具は、モータホーム、キャンパーバン、キャラバン、キャンピングバン、バン、長距離バス(coaches)や、電車、ボート、船、航空機において、またはホリデーアパートメント、ホテルルーム、1つまたは2つの部屋のみを有するアパートなどの固定の配置場所など、比較的利用可能な空間が少ないことを自然に特徴とする居住可能配置場所での使用に特に適している。
【0016】
配置場所において実質的に空間的に水平に整列された状態に維持される、回転軸を中心とする家具本体の回転は、筋力によって最も簡単な方法で実行することができる。それによって、ユーザは、家具本体を例えば手で回転させる。この目的のために、例えば、回転軸上に配置されたハンドクランクの形態で駆動手段を設けることができる。
【0017】
代替的にまたは追加的に、家具本体の回転は、設けられた電気モータを用いて行うこともできる。
【0018】
応力および使用の容易さの点で手動操作において特に有利である家具本体の均一な回転運動のために、少なくとも1つの懸架手段によって画定される(仮想)回転軸は、回転軸に対して家具本体の360°の完全な回転中にもたらされるトルクが、全体的に最小化され、補償されるように、家具本体内を通る。所望の機能を提供するために、異なる(すなわち、数および重量が異なる)構成要素、機能的構成要素、機器などを備えることができる、家具本体の特定の構造およびその外面上に提供される機能面を考慮に入れて、懸架手段は、家具本体上に適切に配置することができる。
【0019】
本発明の特に有利な実施形態では、家具本体は、実質的に角柱の形状で構成され、角柱が、概して、底面と、反対側の上面と、底面を上面に接続する側面とを有する。角柱の側面は、ここでは、家具本体の外面に対応し、これは、実質的に閉じていると考えることができる。それに対応して、角柱の底面および反対面は、家具本体のそれぞれの端面を形成する。
【0020】
言い換えれば、本実施形態における家具本体は、実質的に、底面を描く平面多角形を、底面以外の空間において直線に沿って平行移動させるによって形成される幾何学的(角柱状)本体として構成される。底面と上面は一致し、互いに平行である。底面および上面(すなわち、本実施形態の家具本体の場合、端面同士)の間の距離は、角柱の高さとして指定されることが知られており、家具本体の「長さ」という用語は、本明細書では角柱の高さについても同義語として使用される。その結果、実質的に角柱のように構成された家具本体は、非常に対称的な構造を有し、回転軸を中心とした家具本体の均一な回転能力のために特に有利であり、回転の全範囲にわたってトルクが補償される。
【0021】
家具本体の長さは、例えば、180cm~220cmであることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。特定の意図された用途に応じて、長さは、180cm未満であってもよく、最小長さは、好ましくは、少なくとも60cmである。また、家具本体の長さは、220cmを超え、例えば、300cmまでとすることができる。しかしながら、約220cmから最大約240cmの最大長は、家具本体の均一に達成可能な回転能力に関して有利であり、したがって、特に家具本体が筋力によって回転される場合に特に好ましいことが示されている。
【0022】
本発明のさらなる有利な実施形態では、角柱状の家具本体の底面および上面は、それぞれが3つまたは4つの角を有する多角形の形状で構成される。したがって、家具本体の側面または外面は、当然、互いに向かって傾斜し、したがって互いに境界を定める少なくとも3つまたは4つの細分化された面を有し、これらの面は、異なる機能面として機能することができる。本実施形態による家具本体の単純な幾何学的構造は、とりわけ、安価な製造および単純な組み立てを可能にする。
【0023】
本発明による主題の別の好ましい実施形態によれば、角柱状の家具本体の底面および上面は、それぞれ6つの角または8つの角を有する多角形の形態で構成される。言い換えれば、本実施形態の多角形コースの角の数は、上述の三角形または四角形の多角形コースと比較して2倍である。しかしながら、本実施形態の場合、角は、多角形コースに沿って等間隔に配置されておらず、六角形および八角形の多角形は、それぞれ、第1の長さを有する3つまたは4つの等しい長さの辺と、第1の長さよりも小さい第2の長さを有する3つまたは4つの等しい長さの辺とを有する。家具本体の長さと共に、多角形の底面および上面の第1のより長い長さは、それぞれの機能面の使用可能領域を決定し、その結果、本実施形態の家具本体は、合計3つの機能面を有する。多角形の底面および上面の第2のより短い長さは、実質的に、1つの機能面から次の機能面への面取りされた移行部(bevelled transition)を提供する。面取り(bevel)により、機能面の使用可能領域は、面取りされた中間面無しで直接隣接する機能面を有する溝成と比較してわずかに減少するが、有利には、家具本体の回転、ために考慮される最大半径または最大直径も減少する。家具本体は、よりコンパクトであり、配置場所において必要な容積がより小さい。加えて、本実施形態によれば、家具本体上の鋭く先細りになる当接縁部が完全に回避される。これにより、ユーザの快適性の向上に加えて、特に、家具本体の視覚的により魅力的な設計を可能にする。
【0024】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、懸架手段は、回転軸の方向に貫通開口を有し、この貫通開口は、電力、ガスおよび/または水のための少なくとも1つの供給ラインを家具本体内に案内するように適合されている。回転軸を固定し、家具本体を配置場所に回転可能に取り付けることに加えて、懸架手段は、例えば、電気装置を動作させることができるように、また、洗浄機能(水)および/または加熱機能(ガス)を提供することができるように、電力、水またはガスを機能面に供給する機能も果たす。家具本体の回転能力を保証するために、懸架手段は、供給ラインの固定供給にもかかわらず、外部からまたは外部への適切な回転継手(rotary couplings)を提供することができる。これらは、電力、ガス、水などを安全に、または(例えば、用水を)外部から家具本体の中または外に液密な方法で、導入するように構成することができる。複数の供給ラインを回転継手上に同心円状に配置することによって、単一の回転継手のみを介して複数の供給ラインを供給することが考えられる。例えば、内部淡水供給ライン(internal fresh water supply line)を設けることができ、この内部淡水供給ラインは、用水ドレンライン(service water drain line)によって半径方向外側に同心円状に囲まれている(またはその逆)。さらに外側に、例えば、電力伝送を提供することもできるが、必ずしも上記の順序または数に限定されない。
【0025】
本発明の主題の有利な実施形態では、懸架手段が、家具本体の2つの対向する端面に設けられたシャフト片(shaft pieces)として、または家具本体の2つの対向する端面の間を延びるシャフト(shaft)として構成される。シャフト片またはシャフトは、回転運動およびトルクを伝達するためにも使用される細長い円筒形の機械要素として理解されるべきである。家具本体の回転軸は、シャフト片またはシャフトのシリンダ軸の位置合わせによって画定される。シャフト片またはシャフトは、中実材料から形成することができ、または中空シャフトとして構成することができる。いずれの場合も、家具本体が、シャフトまたはシャフト片に回転不能に接続されるならば、家具本体を回転させるのに必要な回転力は、筋肉またはモータ動力によって外部からシャフト内に導入され、シャフトを介して家具本体に伝達され得る。角柱状の家具本体の場合、端面は、すでに説明したように、角柱の底面および上面に対応する。
【0026】
簡単にするために、以下では、用語「シャフト」のみが使用され、用語「シャフト」は、特に明記しない限り、シャフト片と、2つの端面の間に延在するシャフト全体との両方を含むことが意図される。
【0027】
特に好ましくは、さらなる実施形態によれば、シャフト(したがって、シャフト片のうちの少なくとも1つ、好ましくは両方)は、懸架手段の例について本明細書の他の箇所で既に一般的に説明されているように、回転軸の方向に延びる貫通開口を有する。言い換えれば、この場合のシャフトは、少なくとも入力側および/または出力側において中空シャフトとして構成される。対応する供給ライン(例えば、電力、ガス、水等)は、家具本体内に、またはシャフトキャビティを通って家具本体から外に案内され得る。このような場合、固定供給ラインを外部から回転可能な家具本体に接続するために、安全なおよび/または液密な媒体通路のための適切な回転継手を設けることができる。中空シャフトとしてのシャフトの構成は、必ずしも供給ラインの通路に接続されているわけではないことに留意されたい。シャフトは、有利には、例えば、多機能家具の重量を低減するために、供給ラインを接続することなく中空シャフトとして構成することもできる。
【0028】
一般に、回転継手に関して、このような回転継手は、例えば、動力伝達のために、例えば、互いに対して回転される継手部品上の摺動接点を介して実装することができることに留意されたい。代替的に、回転可能な動力伝達は、有利には、誘導エネルギー伝達によっても提供され得、誘導エネルギー伝達は、特に、互いに対して回転する継手部品の接触がないために、低摩耗または摩耗がなく、したがってメンテナンスフリーである。
【0029】
いくつかの供供ラインは、これらを回転継手上に同心円状に配置することによって、単一の回転継手を介して通されることもできる。例えば、内部淡水供給ラインを設けることができ、この内部淡水供給ラインは、用水ドレンラインによって半径方向外側に同心円状に取り囲まれる(または逆に)。さらに外側に、例えば、動力伝達は、回転継手によって提供され得るが、必ずしも上記の順序または数に限定されない。
【0030】
構造的に単純な方法で実現することができる家具本体の回転駆動のために、さらなる好ましい実施形態によれば、家具本体は、シャフト片またはシャフトに回転不能に接続される。したがって、シャフトは、家具配置場所に回転可能に取り付けることができ、その結果、シャフトの回転は、家具本体の回転運動をもたらす。
【0031】
しかしながら、本発明は、前述のタイプの回転駆動装置に限定されない。シャフトの代わりに、家具本体が回転可能に取り付けられる剛性の車軸(axle)または車軸片(axle pieces)を端部に設けることが考えられる。この場合、車軸自体は、トルクを伝達するために使用されるのではなく、車軸または車軸片を(少なくとも回転不能に)しっかりとクランプすることができる配置場所で、家具本体を固定位置に保持するためにのみ使用される。
【0032】
本発明の主題のさらなる実施形態では、少なくとも1つの支持体が提供され、この支持体は、回転可能または回転不能に懸架手段を収容し、懸架手段を家具配置場所および家具配置場所から所定の距離で固定位置に保持するように構成および配置される。例えば、配置場所の床面上で調整または固定することができる、架台、脚部などの形態で構成することができる支持体は、懸架手段の一部であり得、したがって、多機能家具の構成要素であり得るが、必ずしもこれに限定されない。例えば、支持体は、壁または天井などの配置場所の一部によって機能的に提供することもできる。そのような場合、多機能家具は、間隔をあけて支持する機能が家具配置場所によって既に完全に提供されているので、そのような支持体を有さない。
【0033】
さらに、本発明の別の実施形態では、家具本体の回転を任意に可能にするかまたは防止する固定装置を提供することができる。家具本体は、それぞれの機能面の安全な使用を保証するために、固定装置によって、少なくとも異なる機能面の個々の使用位置に固定することができる。固定は、例えば、ラッチ、クランプ等によって、または、電気モータによって提供される回転駆動の場合には、電気モータ自体および/または場合によっては回転駆動のために提供される可能性のあるトランスミッション(例えば、セルフロック)によって達成することができる。
【0034】
本発明による主題の有利なさらなる実施形態によれば、固定装置は、常に、所定の回転方向にのみ、家具本体の回転を解放する。これは、特に、液体媒体(例えば、水)を家具本体に供給する場合に特に有利である。なぜなら、このようにして、家具本体の回転中に必然的に流れる媒体に対する制御を改善することができるからである。例えば、シンクの排水管内に配置された用水が、家具本体が固定装置によって現在防止されている回転方向に回転されるときに制御されない方法で排水管から流出することを、このようにして防止することができる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によれば、機能面のそれぞれの意図された用途は、作業、調理、保管、睡眠からなる群から選択される。意図された用途が「作業」である機能面は、ユーザに少なくとも1つの平坦な作業面(例えば、筆記面)を提供する。意図された用途が「調理」である機能面は、ユーザに食品を加熱するための少なくとも1つのホットプレート(例えば、電気またはガスストーブ)を提供する。意図された用途が「保管」である機能面は、ユーザに物体を保管するための少なくとも1つの保管空間を提供する。意図された用途が「睡眠」である機能面は、ユーザに少なくとも1つの横臥面(lying surface)を提供する。
【0036】
本発明の主題の好ましいさらなる実施形態によれば、家具本体内の保管空間は、家具本体上に回転可能に保持される、回転軸に平行に延びるチューブ(tube)によって形成される。当然のことながら、チューブおよび家具本体は、物体をチューブ内に挿入し、それらを再び取り出すことができるようにするために、適切な保管空間開口を有する。家具本体上へのチューブの回転可能な取り付けは、家具本体が回転されるとき、保管空間チューブの位置がユーザにとって変化しないという本質的な利点を有する。チューブは、単に、家具本体が回転されるのと同じ角度だけ家具本体に対して回転する。したがって、保管空間チューブ内に置かれた物体は、家具本体の回転にもかかわらず、乱雑にならない。チューブは、保管空間チューブ内の異なる保管区画を分離することを可能にして、チューブの長手方向における設置された物体の望ましくない変位を防止するために、その長手方向に分離要素を有することができる。これは、例えば、保管空間チューブの長手方向が車両の長手方向を指している車両に、多機能家具を設置する場合に特に有利である。この場合、車両の加速過程において、保管空間に収納された物体の変位が確実に防止される。チューブは、家具本体の全長にわたって延在するチューブとすることができる。また、チューブを、より短くすることも可能である。さらに、適切な保管空間を作り出すために、いくつかの個別の保管空間チューブを家具本体内に配置することもできる。
【0037】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、少なくとも1つの追加の重りが、チューブの下側に取り付けられる。この手段によって、家具本体の回転の際のチューブの一定の整列(alignment)が、例えば、保管空間チューブ内に物体が存在しないときに、さらに改善され得る。その結果、チューブ内部へのアクセスを提供する保管空間開口は、「保管」機能面の提供された使用位置において、使用のために準備された状態で常に向けられる。当然のことながら、保管空間チューブは、ユーザによって、使用のための所望の位置に最初に回転させることもできる。例えば、異なる使用位置において、すなわち、家具本体の異なる角度位置において、意図された用途が「保管」である機能面を使用することができる。例えば、保管空間は、意図された用途が「保管」である機能面が家具本体の上面を形成する第1の使用位置で、または、意図された用途が「保管」である機能面が家具本体の前面および/または後面を形成する他の使用位置で、使用することができる。
【0038】
したがって、本発明のさらなる有利な実施形態では、意図された用途が「調理」である機能面に割り当てられた使用位置が、意図された用途が「保管」である機能面に割り当てられた使用位置に対応する。すなわち、両方の機能面を同時に使用することができる。例えば、この使用位置における意図された用途が「調理」である機能面は、家具本体の上面を形成し、意図された用途が「保管」である機能面は、家具本体の前面を形成する。ユーザは、調理時にアクセス可能な保管空間を有利に使用して、台所用品および/または食品を保管することができる。
【0039】
有利なことに、さらに別の実施形態によれば、意図された用途が「調理」である機能面は、ユーザに淡水供給部(fresh water supply)および用水処理部(service water disposal)を提供することができる。ここで、用水処理部は、用水がシンクに逆流することを防止するように、すなわち、家具本体のその後の回転中に、排水管内にすでに存在する用水が流出することを確実に防止するように構成および配置される。例えば、このような用水ドレンラインは、所定の回転方向における家具本体の回転が、ドレンライン内の用水が常にシンクから流れるという結果を常に有するように、家具本体内の仮想螺旋に沿って、螺旋状に案内、配置され得る。これに関連して、反対方向の回転の偶発的な回転を防止し、したがって、ユーザのための多機能家具の使用快適性をさらに高めるために、本明細書の他の箇所で既に説明したように、単に単一の所定の回転方向において家具本体の回転能力を制限することも有利である。
【0040】
ドレンラインの上記のねじれに加えて、またはそれに代わるものとして、用水処理部は、ドレンラインからの用水の制御されない逆流を確実に防止する逆止弁および/またはウォームポンプを有することができる。例えば、逆止弁と、下流に配置されたウォームポンプ(アルキメデススクリュー)との直列配置を提供することができる。
【0041】
本発明のさらなる態様によれば、ユーザの異なる意図された用途に役立つ多機能家具、特に、本明細書に開示される構成のうちの1つによる多機能家具の様々な機能を使用するための方法において、多機能家具は、外面付きの家具本体を有し、外面は、ユーザの異なる意図された用途に役立つ少なくとも2つの異なる機能面に分割される。各機能面は、それぞれの機能面がユーザによって、その意図された用途に従って意図された通りに使用され得る、少なくとも1つの所定の使用位置が割り当てられる。さらに、家具本体の回転軸は、少なくとも1つの懸架手段によって画定され、それによって家具本体は、家具配置場所から離れた位置で、家具配置場所において空間的に水平な向きで、回転軸を中心として回転可能に保持され、家具本体を回転させることによって、異なる機能面のそれぞれの使用位置に到達することができる。
【0042】
用語のプロセス関連定義、ならびにプロセス関連特徴の効果および利点に関して、本明細書に開示される本発明による多機能家具に関連する対応する定義、効果および利点の開示を十分に参照し、使用することができることに留意すべきである。言い換えれば、本発明による多機能家具に関する本明細書の開示は、明確に除外されない限り、本発明による方法を定義するために同様に使用することもできるべきである。同様に、本発明による方法に関する本明細書の開示は、明確に除外されない限り、本発明による多機能家具を定義するために同様に使用することができるべきである。この点において、開示された多機能家具および本明細書に開示された方法の発明の同じ特徴、それらの効果および利点の説明の繰り返しは、簡潔な説明を優先して基本的に省略でき、そのような省略は、制限として解釈されるべきではない。
【0043】
本発明の有利なさらなる実施形態によれば、電力、ガスおよび/または水のための少なくとも1つの供給ラインは、回転軸の方向に延在する懸架手段の貫通開口を通って家具本体内に通される。
【0044】
さらなる有利な実施形態では、懸架手段は、少なくとも1つの支持体に回転可能または回転不能に収容される。それによって、懸架手段が、家具配置場所で、そこから所定の距離で、固定位置に保持される。
【0045】
本発明の別の有利な実施形態によれば、家具本体の回転は、固定装置によって選択的に可能にされまたは防止される。家具本体は、固定装置によって、少なくとも異なる機能面の個々の使用位置に固定される。
【0046】
加えて、別の実施形態であって、本発明の有利なさらなる実施形態では、固定装置による家具本体の回転は、常に、所定の回転方向にのみ解放することができる。
【0047】
本発明の好ましいさらなる実施形態によれば、機能面のそれぞれの意図された用途は、作業、調理、保管、睡眠を含む群から選択される。ユーザは、意図された用途が「作業」である機能面を介して少なくとも1つの平坦な作業面を提供される。ユーザは、意図された用途が「調理」である機能面を介して食品を加熱するための少なくとも1つのホットプレートを提供される。ユーザは、意図された用途が「保管」である機能面を介して物体を保管するための少なくとも1つの保管空間を提供される。ユーザは、意図された用途が「睡眠」である機能面を介して少なくとも1つの横臥面を提供される。
【0048】
有利なさらなる実施形態では、家具本体内の保管空間は、回転軸に平行に延び、家具本体上に回転可能に保持されたチューブによって形成することができる。
【0049】
少なくとも1つの追加の重りをチューブの下側に任意に取り付けることができ、これにより、チューブの回転に関して意図的に不均衡が生じる。
【0050】
さらに、本発明の別の有利な実施形態によれば、意図された用途が「調理」である機能面に割り当てられた使用位置に達すると、意図された用途が「保管」である機能面に割り当てられた使用位置に同時に達する。
【0051】
本発明の主題の別の好ましいさらなる実施形態によれば、ユーザは、意図された用途が「調理」である機能面を介して、淡水供給部および用水処分部を備えるシンクを提供される。用水処分部からシンクへの用水の逆流は、逆止弁および/またはウォームポンプおよび/または仮想螺旋に沿って螺旋状に案内される用水ドレンラインによって防止される。
【0052】
本発明のさらなる態様によれば、車両、特に自動車が開示され、車両は、多機能家具が機能的に配置される車室を有する。
【0053】
車両は、例えば、モータホーム、キャンパーバン、キャラバン、キャンピングバン、バン、バス、長距離バスなどのユーザが居住可能な車両(すなわち、居住可能な車室を有するもの)であってもよい。
【0054】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、家具本体の回転軸は、車両の長手方向軸(longitudinal axis)と実質的に平行に整列される。多機能家具が長手方向に設置される場合、例えば、横臥面は、好ましくは約180cm~220cmの範囲の長さを有する、ユーザにとって快適な横臥面を備えることができるが、必ずしもこれに限定されない。
【0055】
車両の横方向に多機能家具を設置すること、すなわち、車両の横軸(transverse axis)に対して実質的に平行に家具本体の回転軸を整列させることも考えられる。この目的のために、例えば、横臥面は、横向きの引き出し要素を有することができ、その結果、意図された用途が「睡眠」である機能面が使用されていないとき、家具本体の側部で車両側壁まで十分な空間を確保することができ、横臥面は、車室の全幅を使用するように、引き出し要素によって使用されるために、横方向にのみ拡大される。
【0056】
車両関連の用語の定義、ならびに車両特有の特徴の効果および利点に関して、本明細書に開示される本発明による多機能家具に関連する類似の定義、効果および利点の開示を、その全範囲において参照することができ、使用することができることに留意されたい。言い換えれば、本発明による多機能家具に関する本明細書の開示は、明確に除外されない限り、本発明による車両を定義するために同様に使用することもできる。同様に、本発明による車両に関する本明細書の開示は、明確に除外されない限り、本発明による多機能家具を定義するために同様に使用することができるべきである。この点において、本発明による開示された多機能家具および本発明による本明細書に開示された車両の同じ特徴、それらの効果および利点の説明の繰り返しは、簡潔な説明を優先して省略でき、そのような省略は、制限として解釈されるべきではない。
【0057】
本発明のさらに別の態様によれば、本明細書に開示される構成による、車両、特に自動車の車室内における、本明細書に開示される構成の1つによる多機能家具の使用も開示される。車両は、特に好ましくは、居住可能な車室を備えた車両であり、その中に多機能家具が機能的に取り付けられており、例えば、モータホーム、キャンパーバン、キャラバン、キャンピングバン、バン、バス、長距離バスなどである
【0058】
用語の使用に関連する定義、ならびに使用に関連する特徴の効果および利点に関して、本明細書に開示される多機能家具に関する類似の定義、効果および利点の開示を完全に参照することができ、それらを使用することができることに再び留意すべきである。言い換えれば、本発明による多機能家具に関する本明細書の開示はまた、これが明確に除外されない限り、本発明による使用を定義するために同様に使用することができるべきである。同様に、本発明による使用に関する本明細書の開示は、これが明確に除外されない限り、本発明による多機能家具を定義するために同様に使用することができるべきである。この点において、本発明による開示された多機能家具の同様の特徴、それらの効果および利点、ならびに本明細書に開示された車両における本発明による使用についての同様の説明の繰り返しは、簡潔な説明を優先して省略でき、そのような省略は、制限として解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の例示的な実施形態の以下の説明から得られ、これらは、限定として理解されるべきではなく、図面を参照して以下でより詳細に説明される。図面は、概略的に示す。
【0060】
図1図1は、本発明による多機能家具の実施形態を示し、第1の機能面が、斜視図Aでは、非使用状態で使用位置にあり、斜視図Bでは、使用状態で使用位置にある。
図2図2は、図1からの多機能家具の断面図を図Aに示し、図Aからの多機能家具の長手方向側面図を図Bに示す。
図3図3は、本発明による多機能家具のさらなる実施形態の断面図を図Aに示し、図Aからの多機能家具の長手方向側面図を図Bに示す。
図4図4は、電気モータによって操作される回転運動中の図1からの多機能家具の端面の平面図を図Aに示し、固定された使用位置におけるものを図Bに示す。
図5図5は、筋力によって操作される回転運動中の、本発明による多機能家具のさらに別の例示的な実施形態の端面の平面図を図Aに示し、固定された使用位置におけるものを図Bに示す。
図6図6は、図1からの多機能家具の斜視図であって、第2および第3の機能面が、非使用状態でそれらの使用位置にある斜視図Aと、第3の機能面が使用状態にある斜視図Bを示す。
図7図7は、第1の使用状態における、図6からの第2の機能面の斜視図を示す。
図8図8は、第2の機能面の非使用状態における、図7からの多機能家具の端面の詳細な平面図を示す。
図9図9は、第2の使用状態における図7からの第2の機能面の斜視図を示す。
図10図10は、図1からの多機能家具の斜視図であって、使用位置にある第3および第4の機能面が非使用状態である斜視図Aと、第3の機能面が使用状態である斜視図Bとを示す。
図11図11は、本発明による車両の例示的な実施形態と、車両における本発明による多機能家具の一例の本発明の使用のための例示的な実施形態とを示す。
【0061】
異なる図面において、それらの機能に関する均等な部分は、それらが通常1回だけ説明されるように、常に同じ参照番号を与えられる。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、本発明による多機能家具1の例示的な実施形態を示し、第1の機能面11が、斜視図Aでは、非使用状態で使用位置にあり、斜視図Bでは、機能面2は、使用状態にある。
【0063】
多機能家具1は、実質的に閉鎖された外面を有する家具本体2を有する。図示の例示的な実施形態では、家具本体2は、底面3と、反対側の上面4と、家具本体の外面を形成する、底面2と上面3とを接続する側面と、を有し、実質的に角柱の形状である。図示の例では、底面3は家具本体2の第1の端面に対応し、上面4は家具本体2の第2の端面(図1では見えない)に対応する。
【0064】
外面、または本実施形態における図示された家具本体2の側面は、図示されていないユーザの異なる意図された用途に供する合計4つの異なる機能面11、12、13、14に分割されており、そのうちの2つは図1に見ることができる。
【0065】
本実施形態において、以下でより詳細に説明されるように、機能面11は、意図された用途「作業」を割り当てられ、機能面12は、意図された用途「睡眠」を割り当てられ、機能面13は、意図された用途「保管」を割り当てられ、機能面14は、意図された用途「調理」を割り当てられる。加えて、各機能面11、12、13、14には、それぞれの機能面11、12、13、または14が、その意図された用途に従って意図された通りにユーザによって使用され得る、少なくとも1つの所定の使用位置が割り当てられる。図1には、家具本体の上面を現在形成している機能面11が、その使用位置で示されている。
【0066】
図1からも推定できるように、家具本体2は、回転軸5を画定する懸架手段6を有し、懸架手段6は、この場合、家具本体2の2つの対向する端面3および端面4の間を延在するシャフトとして構成されるが、必ずしもこれに限定されない。いずれの場合も、懸架手段6は、配置場所または床面7から一定の距離で、家具配置場所7において回転軸5を中心にして回転可能に家具本体2を保持するように適合される。家具配置場所7は、図1では床面として例示されているが、必ずしもこれに限定されない(例えば、配置場所は、壁、天井などによって形成され得る)。
【0067】
図1から、回転軸5は、配置場所7において空間内で水平に整列された状態に維持されることが推定できる。本明細書の他の箇所で既に述べたように、家具本体2の配置場所における回転軸5の整列は、多機能家具1の意図された機能的な使用のために常に水平に位置合わせされる。したがって、家具本体が、床面7に対して実質的に垂直に延びる2つの壁(図示せず)上またはそれらの間に保持される場合であっても、配置場所における回転軸5の空間的整列は、依然として水平に固定されることを理解されたい。
【0068】
図1に示される実施形態では、多機能家具1は、2つの支持体8(例えば、配置場所7でセットアップまたは固定することができる、架台、脚、三脚等)を追加的に有することができ、そのうち、第1の端面3に配置された前側の支持体8のみが、図1に見られる。しかしながら、このような支持体8は、家具本体2の第2の端面4にも同様に設けられることを理解されたい。支持体8は、懸架手段6、本実施形態においてはシャフトを回転可能または回転不能に収容し、シャフトを家具配置場所7の固定位置および家具配置場所7から所定の距離に保持するように構成される。ここに示される多機能家具1の例示的な実施形態では、家具本体2は、シャフト6に回転不能に接続され、その結果、本実施形態では、各支持体8は、シャフト6を受け入れ、回転可能に保持する。また、シャフト6が家具本体2を回転可能に支持することにより、シャフト6を支持体8に回転不能に収容することも考えられる。ここに示す多機能家具1の場合、シャフト6も中空シャフトとして構成されるが、必ずしもこれに限定されない。
【0069】
配置場所7における家具本体2の回転能力は、家具本体2を回転させることによって、異なる機能面11、12、13、14のそれぞれの使用位置に到達することを可能にする。既に述べたように、図1の機能面11は、その上側の使用位置に配置されている。機能面11の意図された用途「作業」は、例えば自由なテーブル面のような平坦な作業面11をユーザに提供する。図1に示す多機能家具1の場合、作業面の一部は、家具本体2から引き出すことができるテーブル面9として付加的に設けられる(矢印参照)。図Aは、家具本体2に挿入された位置にあるテーブル面9を示し、図Bは、伸長位置にあるテーブル面を示す。さらに、この場合の機能面11は、必ずしもこれに限定されることなく、家具本体2において回動可能(矢印参照)および/または引き出し可能(矢印参照)なスクリーンまたはモニタ10も有する。図Aでは、スクリーン10は、内側に回動した位置で、図Bでは、外側に回動した位置で示されている。スクリーン10は、異なる内容を表示するように構成することができる。例えば、スクリーン10は、TVスクリーンおよび/または図示されていないコンピューターに接続され得るコンピューターモニタであり得る。この目的のために、スクリーンは、10の異なる接続オプション(図示せず)、例えば、HDMI/HDMIミニ、DisplayPort/DisplayPortミニ、USB、ネットワークなどの接続部を提供することができる。これらは、例えば、端面3または端面4の一方に並べて設けられ、それに応じて家具本体2の内部を通ってスクリーン10に案内されることができる。端面3および/または端面4への接続部の取り付けは、スクリーン10が折り畳まれるかまたは格納されるときでさえ、それらが使用されることを可能にする(例えば、USB接続部を介して充電機能を提供するため)。これに代えてまたはこれに加えて、接続部は、スクリーンの端部および/またはスクリーンの後壁に配置することもでき、その結果、接続部は、スクリーンが引き出される、または開かれるときにのみアクセス可能となり、それ以外の場合は家具本体2によって保護される。
【0070】
図1において、本実施形態では角柱状であるように構成された家具本体2の底面3(および、同様に、見えない上面4)も、それぞれ8つの角を有する多角形の形状で構成されていることをさらに確認することができる。
【0071】
図2は、図Aにおいて、図1からの多機能家具1の断面図を示し、図Bにおいて、図Aからの多機能家具1の長手方向側面図を示す。八角形の多角形(破線を含む)は、第1の長さL1の4つの等しい長さの辺と、第2の長さL2の4つの等しい長さの辺とを有し、第2の長さL2は、第1の長さL1よりも著しく短いことが分かる。
【0072】
家具本体2の長さLと共に、底面および上面の多角形の第1のより長い長さL1は、それぞれの機能面11、12、13、14の使用可能領域を決定する。底面および上面の多角形の第2のより短い長さL2は、実質的に、1つの機能面から次の機能面への面取りされた移行部15を提供する。面取り15により、機能面11、12、13、14の使用可能領域は、面取り加工された中間面15無しで直接隣接する機能面を有する実施形態(4つの角のみを有する底面の多角形を表す図2の実線参照)と比較してわずかに減少するが、有利には、家具本体2の回転のために考慮される最大半径R、R’または対応する直径もまた減少する。面取りされた中間面15を有する家具本体2は、よりコンパクトであり、配置場所7において必要な容積がより小さい。加えて、中間面15を有する構成によれば、中間面15無しで隣接する機能面11、12、13、14のテーパ状の当接縁部が、家具本体2において回避される。
【0073】
図2のB図は、第1の端面3から第2の端面4まで家具本体2を通って延びる、本発明の多機能家具1における中空シャフトとして構成されたシャフト6も示す。
【0074】
図3は、図Aにおいて、本発明による家具本体21を有する多機能家具20のさらなる例示的な実施形態の断面図を示し、図Bにおいて、図Aからの多機能家具20の長手方向側面図を示す。
【0075】
図1図2からの多機能家具1と比較した大きな違いは、図3に示される多機能家具20の家具本体21が、3つの異なる機能面、例えば機能面11、12、13のみを有することである。同様に角柱状の家具本体21の底面3および上面4は、それぞれ、3つの角(連続線)または6つの角(破線を含む)を有する多角形の面を有する。六角形の多角形の場合、第1の長さL1を有する4つの等しい長さの辺と、第2の長さL2を有する4つの等しい長さの辺とが再び設けられ、第2の長さL2は、第1の長さL1よりも著しく短い。
【0076】
図3に示される例示的な実施形態では、多角形の底面および上面の第1のより長い長さL1は、家具本体21の長さLとともに、それぞれの機能面11、12、13の使用可能領域を決定する。多角形の底面および上面の第2のより短い長さL2は、1つの機能面から次の機能面への面取りされた移行部15を提供する。面取り15により、機能面11、12、13の使用可能領域は、面取り加工された中間面15のない直接隣接する機能面を有する実施形態(3つの角のみを有する底面多角形を表す図3の実線参照)と比較してわずかに低減されるが、有利には、家具本体21の回転のために考慮される最大半径R、R’または対応する直径もまた低減される。したがって、面取りされた中間面15を有する家具本体21は、よりコンパクトであり、配置場所7において必要な容積がより小さい。さらに、中間面15を有する家具本体21の場合、中間面15を有さない隣接する機能面11、12、13のテーパ状の当接縁部が回避される。
【0077】
図2の家具本体2との別の違いは、懸架手段6の構成である。家具本体21の場合、2つの懸架手段22が、それぞれシャフト片の形態において、(各端面3、4に1つずつ)設けられる。この場合、シャフト片22も、必ずしもこれに限定されるものではないが、中空シャフトとして構成されている。両方のシャフト片22は、中実シャフトとして構成することができる。2つのシャフト片の一方は、中空シャフトとして構成することもでき、他方は中実シャフトとして構成することもできる。
【0078】
図1および図2からの多機能家具1のシャフト6または中空シャフト、および図3からの多機能家具20のシャフト片22または中空シャフト片の両方は、内側通路を備えて構成され、電力、ガスおよび/または水のための少なくとも1つの供給ライン(図示せず)を家具本体2または21に導くように適合されている。
【0079】
図4は、図Aにおいて、電気モータによって操作される回転運動(矢印によって示される)中の、図1からの多機能家具1の端面3の平面図を示し、図Bにおいて、固定された使用位置にある状態を示す。電気モータ駆動のために、多機能家具1は、懸架手段6、または本例ではシャフト6に作用し、カウンタベアリングとして支持体8に固定される電気モータ23を有する。加えて、多機能家具1は、家具本体2の回転を任意に可能にするまたは防止する固定装置(図示せず)を有し、家具本体2は、固定装置によって、少なくとも異なる機能面11、12、13、14の使用位置に固定されて(図B参照)、ユーザが快適かつ安全にそれらを使用することを可能にする。
【0080】
図5は、本発明による多機能家具30のさらに別の実施形態の家具本体2を回転させるための代替の駆動オプションを示す。特に、図5は、図Aにおいて、筋力(矢印)によって駆動される回転運動中の多機能家具30の端面3の平面図を示し、図Bにおいて、固定された使用位置にある状態を示す。この目的のために、図4に示される多機能家具1の電気モータ23の代わりに、ハンドクランク24が設けられ、これは、ハンドクランク24上でユーザによって導入されたトルクを、本例では(場合によっては中空の)シャフト6として構成することができる懸架手段6に伝達する。また、多機能家具30は、家具本体2の回転を任意に可能にするまたは防止する固定装置(図示せず)を有する。家具本体2は、固定装置によって、少なくとも異なる機能面11、12、13、14の使用位置に固定することができ(図B参照)、ユーザが快適かつ安全にそれらを使用することができる。
【0081】
図6は、斜視図Aにおいて、第2および第3の機能面12および13が、非使用状態において、それらの使用位置にある図1からの多機能家具1を示し、斜視図Bにおいて、第3の機能面13が使用状態にあるものを示す。
【0082】
意図された用途が「保管」である機能面13は、図Bに見られるように、物体(図示せず)を保管するための少なくとも1つの保管空間16をユーザに提供する。保管空間16は、本例では、回転軸5に平行に延びて、家具本体2上に回転可能に保持される2つのチューブ17によって形成される。しかし、これは必須ではない。保管空間は、従来の固定された区画によって提供され得る。
【0083】
本例示的実施形態では、保管空間チューブ17は、家具本体2の全長Lにわたって延びているが、必ずしもこれに限定されるものではない。保管空間16は、それぞれのチューブ17における対応する保管空間開口を介してアクセス可能である。保管空間16はまた、回動可能な扉18(本例では4つ)によって家具本体2の外面上で閉じることができる。また、保管空間チューブ17は、各回動扉に応じて、隔壁19によって長手方向に複数の保管区画に分割されている。
【0084】
チューブ17は、家具本体2の回転中にそれらの位置合わせを安定させるために、それらの下側に追加の重り(図示せず)を有することができる。しかし、これは必須ではない。
【0085】
すでに述べたように、意図された用途「睡眠」は、機能面12に割り当てられる。機能面12は、(広げられた)使用状態において、図7に明確に見られるように、横臥面25をユーザに提供する。図6Aにおいて、横臥面25は、折り畳まれた状態で見ることができる。横臥面25は、横臥パッド26、例えばマットレスで覆われている。
【0086】
図7は、第1の使用状態における図6からの第2の機能面12の斜視図を示す。家具本体2の上に広げられた横臥面25の一部は、折り畳み可能な支持脚27によって配置場所7で支持されることが分かる。図6では、支持脚27は、省スペースで非使用位置において、家具本体2の外面に整列して折り畳まれている。
【0087】
横臥面25を単独で使用して図7に示される使用状態を達成するために、支持脚27は、例えば、図6Aに示される家具本体2の位置で、最初にロック解除される。図6Aに示される位置での非使用位置にある支持脚27は、対応する支持脚固定部(図示せず)によって家具本体2に固定されることを理解されたい。
【0088】
設置の安全性をさらに高めるために、それぞれの支持脚27のための金属接触面(図示せず)を配置場所または床面7に設けることができ、その上に支持脚27をその自由な床側端部で展開位置に置き、任意に係合させることができる。係合は、積極的に(例えば、ロック)または非積極的にのみ、例えば、磁力、クランプ力などによって、生成することができる。いずれにしても、横臥面25の使用中に支持脚27が偶発的に折れ重なることを確実に防止することができる。
【0089】
横臥面25は、支持脚27のロックを解除した後に展開することができ、これにより、例えば、対応する凹部に凹んだ2つのハンドル(図示せず)、例えば、拡張ハンドルを、図6Aに示される折り畳まれた位置から開始して、横臥面25を回動させて開くために、ユーザは引っ張ることができる。支持脚27は、横臥面25の約178°の開き角度(opening angle)で床側の金属接触面と係合するために、横臥面25の約100°の開き角度で自動的に振り出るように構成および配置され得る。
【0090】
図7に示される横臥面25の完全に展開された状態に達した後、マットレス26を保持する保持ストラップ(図示せず)を解放することができる。マットレス26は、好ましくは、滑りを防止するために、面ファスナーによって家具本体2の下側に固定することができる。好ましくは、面ファスナー機能は、マットレス26を覆うカバーによって提供することができる。さらに、マットレス26の通気性を確保するために、マットレス26の間にスラットフレーム(図示せず)を配置することができる。また、枕およびベッドカバー(両方とも図示せず)は、面ファスナー保持機能を備え、それに応じて家具本体2に保持/取り付けることができる。
【0091】
図7に示される横臥面25は、例えば、160cm(または180cm)×200cmのサイズを有することができる。
【0092】
図8は、第2の機能面12が非使用状態である図7からの多機能家具1の端面3の詳細な平面図を示す。図8では、本例示的実施形態において、横臥面25またはパッド26が加熱され得ることも示されているが、必ずしもこれに限定されない。横臥面25または横臥パッド26の加熱性は、周囲温度が低い、例えば冬に、居住可能な車両で多機能家具1を使用するときに、著しい利点を提供する。
【0093】
図9は、第2の使用状態における図7からの第2の機能面12の斜視図を示す。横臥面25は、第1の機能面11に割り当てられたスクリーン10(例えば、TV/コンピュータスクリーン)と同時に有利に使用可能なことが分かる。これを行うために、スクリーン10は、回動される代わりに(図1B参照)、機能面11から引き出されることができる(図1Aの矢印参照)。このようにして、第1の機能面11と第2の機能面12とを同時に使用することができる。すでに述べたように、スクリーン10の引き出し位置では、HDM、DisplayPort、USBなどのようなそれが提供する接続オプションも横臥機能(lying function)において使用することができる。
【0094】
図10は、斜視図Aにおいて、使用位置にある第3の機能面13および第4の機能面14が非使用状態である図1からの多機能家具1を示し、斜視図Bにおいて、第3の機能面13が使用状態にあるものを示す。したがって、意図された用途が「調理」である機能面14に割り当てられた使用位置は、意図された用途が「保管」である機能面13に割り当てられた使用位置に対応する。なぜなら、両方の意図された用途が、家具本体2の1つの同じ角度位置で同時に使用され得るからである。
【0095】
図10から、機能面14は、ユーザに、食品を加熱するためのホットプレート28を提供することが分かる。この場合、ホットプレート28はガスコンロとして構成される。電気ストーブも考えられる。加えて、図示の例示的な実施形態では、機能面14は、淡水供給部(図示せず)および用水処分部(同様に図示せず)を有するシンク29を提供する。用水処理部は、特に家具本体2の回転中に、シンク29内への用水の逆流を防止するように構成され、配置される。この目的のために、用水処理部は、例えば、逆止弁および/またはウォームポンプ(いずれも図示せず)を有することができる。特に、この文脈において、家具本体2の回転が常に単一の所定の回転方向においてのみ可能であるように固定装置(図示せず)を設計することも有利であり得る。
【0096】
図11は、本発明による車両40の例示的な実施形態と、車両、ここでは車両40における、本発明による多機能家具の一例、例えば多機能家具1または20の本発明による使用のための例示的な実施形態とを示す。車両40は、車両構造41によって形成された内部空間42、特に、ユーザ(図示せず)が居住することができる車室空間(vehicle interior space)を有する。車室42では、多機能家具1は、機能的にセットアップされるか、または取り付けられ/固定される。車室42は、例えば、この目的のために特別に設けられた入口ドア43を介して到達することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。車室42は、車両40の運転室が車室42に連続的に接続されている場合、運転席または助手席ドア44を介して到達することもできる。
【0097】
図11において、図1に示される多機能家具1は、回転軸5が車両の長手方向軸45に平行な(したがって、空間においても水平な)状態で、車室42内に設置される。基本的に、車室42において、多機能家具1を横方向に配置することも可能である。
【0098】
この場合、車両40は、例えば、キャンパーバン、キャンピングバン等のモータホームである。鉄道車両、航空機、ボート、船舶などを含む他の種類の車両も考えられる。
【0099】
本明細書に開示される本発明による多機能家具、本発明による車両、および本明細書に開示される車両におけるその使用は、それぞれの場合に記載される実施形態に限定されず、同じように作用し、本明細書に記載される多機能家具の特徴の他の技術的に有意義なさらなる組合せから、およびその使用から生じる他の実施形態も含む。特に、一般的な説明および図の説明において上述された特徴および特徴の組合せ、および/または図に単独で示されたものは、本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書で明示的に述べられた組合せだけでなく、他の組合せで、またはそれら自体で使用することができる。
【0100】
特に好ましい実施形態では、本発明による多機能家具は、好ましくは、自動車、例えば、モータホーム、キャンパーバン、キャラバン、キャンピングバン、バン、バス、長距離バスなど、ユーザが居住することができる車両の車室内で使用される。しかしながら、本発明は、必ずしもそのような陸上車両に限定されるものではなく、例えば、鉄道を利用する陸上車両(例えば、列車)、航空機(例えば、飛行機)、および船舶(例えば、ボート、船)にも使用することができる。例えば、ホテル、アパート等の建物のような固定施設における多機能家具の使用も考えられる。
【0101】
車両において多機能家具を使用する場合、家具本体の回転軸は、好ましくは、車両の長手方向軸と平行に位置合わせされる。これは、とりわけ、好ましくは約190cm~220cmの範囲の長さおよび約80cm~120cmの範囲の幅を有する、ユーザによって使用され得る横臥面の提供および使用を可能にする。
【符号の説明】
【0102】
1 多機能家具
2 家具本体
3 底面/第1の端面
4 上面/第2の端面
5 回転軸
6 懸架手段
7 家具配置場所/床面
8 支持体
9 引き出しテーブル面
10 スクリーン
11 第1の機能面、意図された用途「作業」、作業面
12 第2の機能面、意図された用途「睡眠」
13 第3の機能面、意図された用途「保管」
14 第4の機能面、意図された用途「調理」
15 面取りされた移行部/中間面
16 保管空間
17 回転チューブ
18 回動可能な扉
19 隔壁
20 多機能家具
21 家具本体
22 懸架手段
23 電気モータ
24 ハンドクランク
25 横臥面
26 パッド
27 支持脚
28 ホットプレート
29 シンク
30 多機能家具
40 車両
41 車両構造
42 車室
43 入口ドア
44 運転席・助手席ドア
45 車両の長手方向軸
L 本体長さ
LI 第1の長さ
L2 第2の長さ
R 面取りされた中間面無しの最大半径
R’ 面取りされた中間面を有する最大半径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11