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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】分離型寝具カバー
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/02 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
A47G9/02 K
A47G9/02 P
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2024010067
(22)【出願日】2024-01-26
【審査請求日】2024-01-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503394866
【氏名又は名称】岡本 凉子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 凉子
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0169247(US,A1)
【文献】登録実用新案第3055121(JP,U)
【文献】特開2001-095663(JP,A)
【文献】登録実用新案第3160918(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ及び幅及び形状が等しい一対の寝具カバー布で寝具を覆う分離型寝具カバーであって、
前記一対の寝具カバー布は、第寝具カバー布と第寝具カバー布とからなり
前記第1寝具カバー布は、矩形状に形成され、その長軸方向の一端部に布を折り曲げて袋状をなす第1折曲部を備え、
前記第2寝具カバー布は、矩形状に形成され、その長軸方向の一端部に布を折り曲げて袋状をなす第2折曲部を備え、
前記第1寝具カバー布の前記第1折曲部に、前記第2寝具カバー布が入り込むとともに、前記第2寝具カバー布の前記第2折曲部に、前記第1寝具カバー布が入り込み
前記第1寝具カバー布には、前記第2寝具カバー布を係止する結び紐を、前記第1折曲部の谷部の両端と中央、及び長軸方向の他端部の両端と中央に備え、
前記第2寝具カバー布には、前記第1寝具カバー布を係止する結び紐を、前記第2折曲部の谷部の両端と中央、及び長軸方向の他端部の両端と中央に備えることを特徴とする分離型寝具カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寝具カバーの身体に接する内側面と外側面を分離して、其々個別
に扱うことを可能にし、カバーの着脱を簡便にして、寝具を清潔に保つために
要する手間や時間や労力を大幅に軽減する分離型寝具カバーに関するものであ
る。
【背景技術】
【0002】
従来広く使用されている寝具カバーは、矩形状の一辺が開く袋型であるため、
寝具カバーの着脱の際には、重くて嵩高い寝具を折り畳み抱え持って開口部から出し入れする必要があり手間と労力を要した。また、カバーの外側面と体に直に接する内側面の汚れの度合いに差が有るにも係わらず、同時に洗濯せざるを得なかった。これらの不都合を解消するために、寝具カバーの外側面シートと内側面シートを分離した寝具カバーの提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実全昭59-023370号広報
【文献】特許2020-036830号広報
【0004】
特許文献1のふとんカバーは、其々が平らな布である表面シートと裏面シート
に分離されており、裏面シートは長手方向に布団より長く形成して布団の一端辺で折り返し、表面シートと裏面シートの周縁部の全体に設けられた係着具で互いを接合するものであり、シートの着脱の際は、シートの全周縁の係着具を着け外しするので非常に手間を要する。
【0005】
また、直接、掛け布団に取り付ける方法として二件の提案がなされ、第一の方
法は其々のシートの係着具と接合可能な接合具を別々に掛け布団に設けて、表面シートと裏面シートを別々に取り付ける方法であり、第二の方法は、掛け布団の厚さを貫くような接合具により、表面シート、掛け布団、裏面シートを接合する方法である。
【0006】
第一の方法では、掛け布団に設けた接合具に表面シートと裏面シートを個別に
係合するので更に係着具の着け外しに、シート同士の着脱の2倍の手間を要し、第二の方法は、掛け布団の厚さを貫くような接合具を用いるので寝具の傷みが気掛かりである。
【0007】
特許文献2は、寝具カバーの上生地と下生地の隣り合う二辺が一本の線ファス
ナーで係合され、全周が二本の線ファスナーで結合されて、上生地と下生地は分離可能である。
【0008】
寝具からカバーを取り外す作業には問題はないが、寝具に取り付ける際は、ファスナーは、互いの決まった歯が連続して噛み合いながら係合される仕組みであるために、寝具を両面から覆って、ファスナーの両側が係合し易く上生地と下生地の縁が揃うように、寝具と上下カバーの位置の調整に細かい注意を要するので取り扱いが簡便なカバーとは言い難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来広く使用されている寝具カバーは、矩形状の長辺のうち一辺が開く袋型で
あるため、カバーを寝具に取り付ける際には、カバーの開口部から、嵩高い寝具を折り畳み抱え持ってカバー内へ入れ、カバーに合わせて形を整え、掛け布団の場合は、掛け布団の周縁に備えられた係着具とカバーの内側周縁に設けられた係着具とを、カバー内を手探りで探して係着し、取り外す際には、それらの作業を逆の手順で行っている。
【0010】
更に、カバーの外側面と内側面は汚れの度合に差があるにも係わらず同時に洗
濯せざるを得ないので不必要に洗濯物の量が増え、カバーの乾燥後は、就寝前に前述のカバーを取り付ける作業を行なう。寝具カバーを清潔に気持ち良く保つためには、手間と労力と時間を費やさざるを得ないのが現状である。
【0011】
寝具を整えるには、通常の家庭生活においても前記のような課題をかかえてお
り、更に、高齢者にとっては寝具を抱え持つことが困難であり、要介護者を抱えたご家庭や、幼児を育児中のご家庭においては、寝具カバーは汚れやすいので取り替える頻度が高く、大変な労力と手間と時間が費やされていることは想像に難くない。
【0012】
上記の様々な不都合を解決して、寝具カバーの手入れに要する時間と手間と労
力を軽減して寝具を簡便な方法で清潔に保つことが可能となる寝具カバーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、一対の寝具カバー布で寝具を覆う分離型寝具カバーであって、前記一対の寝具カバー布は、第一寝具カバー布と第二寝具カバー布とからなり、前記第1寝具カバー布は、矩形状をなす長軸方向の少なくとも一端部に布を折り曲げて袋状をなす第1折曲部を備え、前記第2寝具カバー布は、矩形状をなす長軸方向の少なくとも一端部に布を折り曲げて袋状をなす第2折曲部を備え、前記第1寝具カバー布の前記第1折曲部に、前記第2寝具カバー布が収納されるか、または、前記第2寝具カバー布の前記第2折曲部に、前記第1寝具カバー布が収納されることを特徴とする。
【0014】
本発明の分離型寝具カバーは、前記第1寝具カバー布の前記第1折曲部に、前
記第2寝具カバー布が収納されるとともに、前記第2寝具カバー布の前記第2折曲部に、前記第1寝具カバー布が収納されることを特徴とする。
【0015】
本発明の分離型寝具カバーは、前記第1折曲部は、前記第1寝具カバー布の矩
形状をなす長軸方向の両端部にそれぞれ設けられており、前記第2折曲部は、前記第2寝具カバー布の矩形状をなす長軸方向の両端部にそれぞれ設けられており、前記第2寝具カバー布の前記第2折曲部に、前記第1寝具カバー布の前記第1折曲部がそれぞれ収納されることを特徴とする。
【0016】
本発明の分離型寝具カバーは、前記第1寝具カバー布には、前記第2寝具カバ
ー布を係止する係着具を少なくとも1以上備え、前記第2寝具カバー布には、前記第1寝具カバー布を係止する係着具を少なくとも1以上備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、一対の寝具カバー布で寝具全体を覆う分離型寝具カバーであって
寝具に本発明の分離型寝具カバー布を取り付ける際には、床に広げて置いた寝具の上の面を第一寝具カバー布で覆い、寝具の一方の端部を第一折曲部に収納し、次に寝具の面を反転させて、第二寝具カバー布で覆い、寝具のもう一方の端部と第一寝具カバー布を第二折曲部に収納して、第二寝具カバー布を第一折曲部に収納する。
【0018】
本発明の一対の寝具カバー布は、同じ形態であるので、第一寝具カバー布と第
二寝具カバー布は入れ替えても支障はない。そのため、誰でも簡単に装着をすることができる。
【0019】
折曲部は両側が縫着された袋状であり、カバー布の短軸の巾が折曲部の開口部
となる。寝具を覆って折曲部に収納されるカバー布は、其々収納された折曲部の谷部に届く長さであり折曲部に保持されるので、係着具を用いることなく、簡便に寝具カバーを取り付けることができる。特に、この形態のカバーは、部厚さがあり変形しにくい敷き布団用のカバーに向いている。また、さらに折曲部の開口部端部の内側に、高摩擦性の布を取り付ければ、収納されたカバー布の保持性に奏功し、掛け布団にも用いることができる。
【0020】
カバー布を取り外す際には、広げた状態の寝具から、取り外すカバー布の折曲
部を引いて取り外せばよい。このように、カバーの着脱の際に、嵩高く重量のある寝具を折り畳み抱え持ってカバーの開口部から出し入れする必要はなく、従来の寝具カバーの着脱作業と比較すると作業量は大幅に軽減される。
【0021】
また、身体に触れて汚れの激しい内側面と汚れの少ない外側面のカバーを個別
に取り扱うことができるので、洗濯を要するカバーのみ取り替えて洗うことが可能となり、洗濯物の量を半減できる。
【0022】
カバー布の端部及び折曲部の谷部に係着具を設け、第1折曲部と第2折曲部が
互い違いに位置する様に寝具を覆い、係着具を係止すると、分離している二枚のカバー布が其々長軸の端部でつながり、寝具を安定した状態で覆うことができる。
【0023】
カバーの折曲部の谷部及びカバー布の端部に設けた係着具の数は、其々3であ
り、折曲部の奥行は浅く、寝具の開口部は広く開くので、3組の係着具の着脱作業は目視して行うことができ、従来の袋型カバーや特許文献1や特許文献2と比較すると、カバー布の着脱作業が大幅に簡便である。
【0024】
また、係着具の係止部は、其々折曲部に覆われるので外観を損なうことがなく、
更に、折曲部は寝具の端部を収納して保持するのでカバーと寝具に一体感が生じて扱い易くなり、この形態の寝具カバー布は、部厚さがあり変形しにくい敷布団のカバーに向いている。
【0025】
従来、掛け布団には、掛け布団の周縁と寝具カバーの内側の周縁を係止するた
めの結び紐、又は、結び紐を通す輪の系着具が一定の間隔で備えられており、掛け布団周縁の系着具と寝具カバーの内側の係着具を係止して、寝具カバー内で掛け布団が変形や偏りを起こすのを防いでいる。
【0026】
掛け布団の長軸端部には3カ所に係着具が備えられ、両側部には1カ所の係着
具が備えられている。本発明の折曲部の谷部とカバー布の端部には3カ所、両側部に1カ所の係着具を設け、第1折曲部と第2折曲部が互い違いに位置する様に掛け布団を覆うと、掛け布団に備えられた係着具とカバー布に設けられた係着具とが其々の位置で一致して係止することができる。
【0027】
掛け布団に備えられた係着具が結び紐の場合には、寝具カバー布の2本の結び
紐と共に結び合わせて、第一寝具カバー布と第二寝具カバー布と掛け布団の各所を係止することができ、又、掛け布団に備えられた係着具が結び紐を通す輪の場合には、寝具カバー布の一方の結び紐を輪に通して結び付けて係止することができる。掛け布団とカバー布を係着するので、掛け布団がカバー内で変形や偏ることなく一体化して快適に使用できる。
【0028】
掛け布団と、本発明のカバー布との着脱作業については、布団の両端部では係
着部が折曲部で覆われているが、折曲部の奥行は深くなく、折曲部の開口部は大きく開くので目視しながら着脱作業を行うことができ、両側部では、カバー布の外部で係止作業ができるので、従来の袋状のカバーの内側で、其々の係着具を手さぐりで探しながら係止作業を行うことと比較すると、時間も手間も大幅に短縮され作業量が軽減される。
【0029】
長軸両端部の係着具は、其々の折曲部により覆われて外からは見えず、また
両側部の係着部は、係着具の結び紐を側部の端部より内側に設けると、係着部はカバー布に覆われるので、全ての係着具が外部から見えず、外観が損なわれることはない。
【0030】
第一寝具カバー布と第二寝具カバー布の両端に、其々折曲部が設けられたカバ
ー布を寝具に取り付ける際は、床に広げた寝具を第一寝具カバー布で覆い、寝具の両端をカバー両端の第一折曲部に其々収納し、寝具の面を反転させて、第二寝具カバー布で寝具を覆い、寝具の両端をカバー両端の第二折曲部に収納する。カバー布を取り外す際には、寝具を広げたままの状態で、寝具の端部を覆っているカバー布の折曲部を外せばよく、従来のカバーの着脱作業と比較すると、作業は簡便であり、労力と時間と手間が大幅に軽減される。
【0031】
寝具の両端部は、内側面と外側面から二重に折曲部に収納されて保持されるの
でカバー布は係着具を用いて係止されることなく安定して寝具をカバーし、また、寝具の一方の端部を収納する際に、第一折曲部と第二折曲部を覆う順番を入れ替えて交互になるように収納すると、寝具とカバーの一体感が増して更に安定し、部厚さがあり変形し難い敷布団用カバーに向いている。
【0032】
本発明の寝具を覆う第一寝具カバー布と第二寝具カバー布は同じ形態の一対
をなしているので、同形態のカバーを少なくとも1枚備えて3枚セットにすると、片面のカバーを取り替える際に、すぐに替えカバーを取り付けることができるので、カバーの取り替え作業が一度で終了し、洗濯して乾くのを待って就寝前にカバーを取り付けるという作業を無くすことができる。
【0033】
引例1は、表面シートと裏面シートに分離した寝具カバーを全周縁にわたり係
着具で系合するので係着具の数が多く、着脱に手間が掛かり、掛け布団に各シートを個別に係止する際には、更に手間がかかる作業を要し、また、表面シートと裏面シートの形が異なるので、二種類の替えカバーの備えが必要となり、管理が複雑になる不都合をも生じる。
【0034】
本発明の分離型カバー布は、他の分離型寝具カバーと比較して、敷き布団用
と掛け布団用として其々の用途に応じる機能を過不足なく備え、カバーの着脱作業は簡便であり、一対をなす本発明のカバー布に同形態のカバー布1枚を備えると取り替え作業が一度で終了する等、寝具カバーを清潔に保つための手間と時間と作業量とが大幅に軽減される利点を持つものである。
【0035】
通常のご家庭においてはもとより、高齢となり嵩高く重量のある寝具を扱う
のが不自由になられた方や、育児中や介護中のご家庭で度々寝具が汚れる状況において、本発明の分離型寝具カバー布は、寝具を良好な状態に保つために係る労力と時間と手間を大幅に軽減することに奏功する。
【0036】
また、介護や幼児使用などでは、カバーの材質に、通気性を有しながら撥水性
を有する生地を用いると、汚れる部分が限定され、更に、殺菌機能を有する生地を用いると臭いの発生を抑え、不快感を軽減し衛生面の向上に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】第一実施形態であり、長軸方向の一端部に第一折曲部3を備えた第一寝具カバー布2と同様の第二寝具カバー布4で覆われた寝具の概観図である。破線は、裏側面の折曲部5の開口部5-1である。
図2図1A-A線断面の概観図である。
図3図1B-B線断面の概観図である。
図4】第1折曲部3の谷部とカバー布2の端部に係着具9を設けた第一寝具カバー布2で、寝具12の下側面を覆い、第1折曲部3に寝具12の一方の端部を収納した概観図である。破線は、第1折曲部3の谷部に設けた係着具9である。
図5】第一寝具カバー布2と同様に係着具11を設けた第二寝具カバー布4で図4の寝具12の上側面を覆い、其々の係着具が係止された概観図である。
図6図5C-C線断面であり、第一折曲部3に、寝具12の端部と第二寝具カバー布4を収納途中の概観図である。
図7図5C-CC線断面の概観図である。
図8】第一寝具カバー布2で掛け布団7の下側面を覆い、第一折曲部3に、掛け布団7の一方の端部を収納し、掛け布団7に備えられた係着具8と係止可能な位置に第一寝具カバー布2の係着具9と係着具9-1が設けられた概観図である。破線は、第1折曲部3の谷部に設けた係着具9と、第1折曲部3に収納された掛け布団7の端部に備えられた係着具8である。
図9】第一寝具カバー布2と同様に係着具11と係着具11-1が設けられた第二寝具カバー布4で、図8の掛け布団7の上側面を覆い其々の係着具が係止された概観図である。
図10図9D-D線断面であり、第一折曲部3に、掛け布団7の端部と第二寝具カバー布4を収納途中の状態の概観図である。
図11図9D-DD線断面である。
図12】第二実施例であり、両端部に第一折曲部3を備えた第一寝具カバー布2で寝具12の上面を覆い、同様に両端に第二折曲部5を備えた第二寝具カバー布4で寝具12の下面を覆った概観図である。
図13図12E-E線断面である。
図14図13の一方の端部で、第一折曲部3と第二折曲部5の覆う順を入れ替えた概観図である。
図15】一端部に第一折曲部を備えた第一寝具カバー布2と同様の第二寝具カバー布4で覆われた掛け布団7の衿部を衿カバー14で覆い、寝具カバー布の衿部に設けた係止部16と衿カバー14の係着具15とを係止した概観図である。
図16図15F-F線断面の概観図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の実施形態について、各図面を参照しながら以下に説明する。
【0039】
本発明の第一実施形態例について図1図11を用いて以下に説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態の分離型寝具カバーは、図1に示すように、一対の寝具カバー布2、4で寝具12を覆うものである。一対の寝具カバー布2は、一端部に第一折曲部3を備えた第一寝具カバー布2と、一端部に第二折曲部5を備えた第二寝具カバー布4とで構成されている。
【0040】
第一寝具カバー布2は、矩形状をなしており、その長軸方向の一端部に布を折り曲げて袋状に構成した第一折曲部3が設けられている。第二寝具カバー布4も、同様に矩形状をなしており、その長軸方向の一端部に布を折り曲げて袋状に構成した第二折曲部5が設けられている。
【0041】
寝具12は、その一端部が第一折曲部3に収納され、他端部が第二折曲部5に収納されている。図2に示す、図1のA-A断面図では、第一折曲部3に寝具12の一方の端部と第二寝具カバー布4が収納され、第二折曲部5には寝具12のもう一方の端部と第一寝具カバー布2が収納されており、其々の折曲部の谷部に、もう一方のカバー布の端部が届いている。
【0042】
其々の折曲部は寝具の端部とカバー布を収納して保持しており、係着具を設けることなく寝具カバーとして用いることが可能となる。この形態は、分厚く使用中に変形することの無い敷き布団に向いている。また、折曲部3・5の開口部3-1・5―1端部の内側に、高摩擦性の布を取り付けると、収納されたカバー布の保持に奏功する。
【0043】
寝具12に本実施形態の分離型寝具カバー1を取り付けた状態においては、図3図1のB-B断面図に示すように、第一寝具カバー布2と第二寝具カバー布4に両面を覆われた寝具12の長軸方向中央部の断面で、カバー布同士は分離している。
【0044】
<第一実施形態の変形例1>
第一実施形態の分離型寝具カバーの変形例1としては、図4に示すように、第一折曲部3の谷部及び第一寝具カバー布2の第一折曲部3が設けられていない端部に結び紐9を設け、第二折曲部5の谷部及び第二寝具カバー布4の第二折曲部4が設けられていない端部に係着具の結び紐11を設けたものがある。第一寝具カバー布2で寝具12の下側面を覆い、寝具12の一方の端部は第一折曲部3に収納されている。
【0045】
この状態で、図5に示すように、図4に示す寝具12の上側面を、第2寝具カバー布4で覆い、図6及び図7に見られるように、第一折曲部3の谷部に設けられた結び紐9と、第二寝具カバー布4の第二折曲部5が設けられていない端部に設けられた結び紐11とを結んで係止部13を設ける。
【0046】
また、第二折曲部5の谷部に設けられた結び紐11と、第一寝具カバー布2の第一折曲部3が設けられていない端部に設けられた結び紐9とを結んで係止部13を設ける。曲折部内の係止部13は、其々の第一折曲部3・第二折曲部5で覆われるので外部からは見えず、外観を損ねることがない。
【0047】
このように第一寝具カバー布2と第二寝具カバー布4で覆われ、寝具カバー同士は係着具で係止されて、寝具本体とは係止されない形態は、分厚く使用中に変形することの無い敷き布団に向いている。
【0048】
<第一実施形態の変形例2>
第一実施形態の分離型寝具カバーの変形例2としては、掛け布団7に使用するものであって、掛け布団7の長軸両端部には、其々中央と両端の3カ所に係着具8が備えられ、また、両側の側部には中央部に1カ所の係着具8が備えられている。
【0049】
図8に示すように、掛け布団7の下側面を、第一寝具カバー布2で覆う。掛け布団7の一方の端部は第一折曲部3に収納されている。このとき、第一寝具カバー布2には、第一折曲部3の谷部、第一寝具カバー布2の第一折曲部3が設けられていない端部に係着具の結び紐9を設けるとともに、第一寝具カバー布2の両側部に係着具の結び紐9―1が設けられている。
【0050】
この状態で、図9に示すように、掛け布団7の上側面を、第二寝具カバー布4で覆う。第二折曲部5には掛け布団7の一方の端部と第一寝具カバー布2が収納されている。このとき、第二寝具カバー布4には、第二折曲部5の谷部及び第二寝具カバー布4の第二折曲部4が設けられていない端部に係着具の結び紐11を設けるとともに、第二寝具カバー布4の両側部に係着具の結び紐が設けられている。
【0051】
最後に、図8及び図10に示すように、第一折曲部3の谷部に設けられた結び紐9、第二寝具カバー布4の第二折曲部5が設けられていない端部に設けられた結び紐11、及び掛け布団7に設けられた結び紐8を結んで係止部10を設ける。
【0052】
同様に、第二折曲部5の谷部に設けられた結び紐11、第一寝具カバー布2の第一折曲部3が設けられていない端部に設けられた結び紐9、及び掛け布団7に設けられた結び紐8を結んで係止部10を設ける。さらに、第一寝具カバー布2の両側部に設けられた結び紐9―1と、第二寝具カバー布4の両側部に設けられた結び紐11-1と、掛け布団7の側部に設けられた結び紐8とを結んで、係止部10―1を設ける。
【0053】
両側部の係着部10―1は、図9では露出して見えるが、カバー布に係着具の結び紐9を、側部の端部より40mmほど内側に取り付けると係着部10-1はカバー布に覆われて見えなくなり外観が良くなる。また、掛け布団に係着具が備えられていない箇所においても、第一寝具カバー布と第二寝具カバー布を係止するための係着具を設けて係止してもよい。
【0054】
掛け布団7の係着具8が結び紐の場合は、カバー布の2本の結び紐9・11と結び合わせて係止し、掛け布団7の係着具8が輪状の場合は、カバー布の結び紐の一方を輪に通して結び付けて係止することができる。図11は、掛け布団7の両端部では、其々の係着具が係止され、係止部10は第一折曲部3と第二折曲部5に覆われて外部からは見えないので外観が損なわれることがない。
【0055】
掛け布団7に従来備えられている係着具8が、結び紐又は、結び紐を通す輪であることに対応して、本発明の掛け布団カバーに結び紐の係着具を用いる実施形態を示したが、これに限らず、掛け布団に他の種類の係着具が備えられた場合はその係着具に対応して係止可能な係着具を用いることは勿論である。
【0056】
<第二実施形態>
図12図13図14は、本発明の第二実施形態の分離型寝具カバー6を示すものであり、第一折曲部3を両端部に設けた第一寝具カバー布2で寝具12の一方の面を覆い、寝具12の両端部を其々第一折曲部3に収納し、 次に、両端部に第二折曲部5を設けた第二寝具カバー布4を用いて、寝具12のもう一方の面を覆い、寝具12の両端部を其々第二折曲部5に収納したものである。寝具12の両端部は両方の面から二重に覆われて保持されており寝具12とカバー布が一体化して、係着具を用いることなく、分厚く使用中に変形することの無い敷き布団カバーに向いている。
【0057】
図14図13の一方の端部で、第一折曲部3と第二折曲部5の覆う順番を入れ替えて寝具12を覆ったものであり、一層、寝具12と其々の寝具カバー布が一体化して安定して使用できる。
【0058】
折曲部の奥行は、300mm前後が好ましく、折曲部の両側部は寝具カバー布と縫着され袋状に構成されている。折曲部の開口部の内側に高摩擦性の布を設けると、更に折曲部のカバー布の保持性に奏功して、係着具を取り付けることなく安定して用いることができる。折曲部に別布を用いて、デザインに変化を持たせてもよい。
【0059】
係着具の結び紐のサイズは巾10mm前後、長さは200mm前後が適当で
あり、材質は、係止部が解けないように摩擦性を有する生地が望ましい。
【0060】
本発明の分離型寝具カバー布は、掛け布団に向いたものと、敷き布団に向いたものが有り、其々の寝具のサイズに合わせたものである。これまでは、通常の所謂シングルサイズの寝具を主な対象にした場合のカバー布について述べたが、他のサイズの寝具では、カバーのサイズや係着具の数や係着具を設ける位置等、寝具に合わせるとよい。
【0061】
掛け布団の衿部に取り付ける衿カバー14について以下に説明する。通常の使用において、掛け布団で最も汚れる部分は、顔や首に直に接する衿部である。図15では、本発明のカバー布を装着した寝具の衿部を、折曲部を覆うサイズの衿カバー14で覆い、衿カバー14の端部に設けた係着具15を寝具カバー布の衿部に設けた衿カバー係止部16に係着15している。
【0062】
衿カバー14の端部に設ける係着具15は、結び紐の長さの中央部を衿カバー14に縫着したものやボタンや面テープでも良く、寝具カバー布の衿部の衿カバー係止部16には、衿カバー係着具15の結び紐の一方を通して結び付けて係止したり、ボタンを通すことが可能な連続して孔を有した係止部16や、面テープ等を設けると、衿カバー14が着脱自在となり、度々取り替え易くなる。
【0063】
衿カバー係止部16を設ける位置は、寝具カバー布の折曲部が形成されない側であり、折曲部に収納された寝具カバー布が開口部と接する位置に、開口部に沿うように設けられる。本発明の寝具カバーは同じ形態の一対をなすので、衿カバー係止部16は寝具カバーの衿部と足部の二カ所に設けられ、衿カバー係止部16として使用されない足部で、就寝中に煩わしく感じないように平らな形状のものが望ましい。
【0064】
本発明は上記実施形態に限られたものではなく、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 一端部に折曲部を備えた寝具カバー布で覆われた寝具
2 第一寝具カバー布
3 第一折曲部
3-1 第一折曲部の開口部
4 第二寝具カバー布
5 第二折曲部
5-1 第二折曲部の開口部
6 両端部に折曲部を備えた寝具カバー布で覆われた寝具
7 掛け布団
8 掛け布団に備えられた係着具
9 第一寝具カバー布の長軸端部に設けた係着具
9-1 第一寝具カバー布の両側部に設けた係着具
10 長軸端部で寝具カバー布及び掛け布団を係止した係止部
10-1 両側部で寝具カバー布及び掛け布団を係止した係止部
11 第二寝具カバー布に設けた係着具
12 寝具・敷き布団
13 第一寝具カバー布及び第二寝具カバー布の係着具の係止部
14 衿カバー
15 衿カバーに設けた係着具
16 寝具カバー布に設けた衿カバーの係止部


【要約】
【課題】従来の寝具カバーは、矩形状の一辺が開く袋型であるため、カバーの洗濯の際には矩形の一辺の開口部から重くて嵩高い寝具を折り畳み抱え持って出し入れし、更に、カバーの外側面と内側面は汚れの度合に差があるにも係わらず同時に洗濯せざるを得ないので不必要に洗濯量が増える等の不便があった。
【解決手段】寝具カバーの身体に接する内側面と外側面を分離して着脱が簡便な一対のカバー布とすることで、カバー取り替え時に嵩高く重い寝具を抱え持つ必要を無くし、個別に取り扱うことが可能となり、洗濯を要する面のカバーのみを洗うことができ、又、同じ形態のカバーを3枚セットにすると、汚れたカバーを取り外した際に直ぐに替えカバーを取り付けて一度に取り替え作業を終了できる等、寝具を清潔に保つために要する手間や時間や労力が大幅に軽減される分離型寝具カバーを提供する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16