(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】管理装置
(51)【国際特許分類】
H04L 69/18 20220101AFI20240826BHJP
H04L 41/50 20220101ALI20240826BHJP
H04L 69/14 20220101ALI20240826BHJP
H04M 3/00 20240101ALI20240826BHJP
H04W 4/50 20180101ALI20240826BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20240826BHJP
【FI】
H04L69/18
H04L41/50
H04L69/14
H04M3/00 B
H04W4/50
H04W88/18
(21)【出願番号】P 2024019837
(22)【出願日】2024-02-13
(62)【分割の表示】P 2022543311の分割
【原出願日】2021-07-02
【審査請求日】2024-02-13
(31)【優先権主張番号】P 2020138663
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 広樹
(72)【発明者】
【氏名】安沢 昌志
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-109964(JP,A)
【文献】特開2012-257077(JP,A)
【文献】特開2005-277815(JP,A)
【文献】特開2014-033446(JP,A)
【文献】特開2007-208711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 69/18
H04L 41/50
H04L 69/14
H04M 3/00
H04W 4/50
H04W 88/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の通信事業者に管理される複数のネットワークのうちの1つ以上のネットワークに接続中の端末装置に対して提供される通信サービスの品質の制御を開始する開始要求と前記端末装置に関する端末情報とを、取得する取得部と、
前記複数のネットワークのうち、前記端末装置と接続中の前記1つ以上のネットワークを、前記取得部により取得された前記端末情報に基づいて、特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記1つ以上のネットワークのうち、前記通信サービスの品質の制御の対象となる制御対象のネットワークに前記通信サービスの品質の制御を開始させる制御処理を、実行するサービス管理部と、
を備えている、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記通信サービスは、複数の品質に対応する複数の品質モードを有し、
前記制御処理は、
前記端末装置と接続中の前記1つ以上のネットワークが複数のネットワークである場合、前記複数の品質モードのうちの前記開始要求により示される品質モードに基づいて、前記端末装置と接続中の前記複数のネットワークのうちの一部又は全部を、前記制御対象のネットワークとして選択する処理を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記サービス管理部は、
前記開始要求により示される品質モードが前記複数の品質モードのうちの低遅延モードである場合、前記端末装置と接続中の前記複数のネットワークのうちの1つのネットワークを前記制御対象のネットワークとして選択し、
前記低遅延モードは、
前記複数の品質モードのうち、他の品質モードに比べて通信の遅延が小さい品質モードである、
ことを特徴とする請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記サービス管理部は、
前記開始要求により示される品質モードが前記低遅延モードである場合、前記端末装置と接続中の前記複数のネットワークのうち、通信品質が最も高いネットワークを、前記制御対象のネットワークとして選択する、
ことを特徴とする請求項3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記サービス管理部は、
前記端末装置と接続中の前記複数のネットワークのうちの前記制御対象のネットワーク以外のネットワークと前記端末装置との間の通信を切断する処理を実行する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記サービス管理部は、
前記開始要求により示される品質モードが前記複数の品質モードのうちの大容量モードである場合、前記端末装置と接続中の前記複数のネットワークのうちの全部を、前記制御対象のネットワークとして選択し、
前記大容量モードは、
前記複数の品質モードのうち、他の品質モードに比べて大容量のデータを転送可能な品質モードである、
ことを特徴とする請求項2に記載の管理装置。
【請求項7】
前記サービス管理部は、
前記開始要求により示される品質モードが前記複数の品質モードのうちの大容量モードである場合、
前記端末装置と接続中の前記複数のネットワークのうち、通信品質が所定のレベル以上のネットワークを前記制御対象のネットワークとして選択し、
前記端末装置と接続中の前記複数のネットワークのうちの前記制御対象のネットワーク以外のネットワークと前記端末装置との間の通信を切断する処理を実行し、
前記大容量モードは、
前記複数の品質モードのうち、他の品質モードに比べて大容量のデータを転送可能な品質モードである、
ことを特徴とする請求項2に記載の管理装置。
【請求項8】
前記取得部は、
前記端末装置と接続中の前記1つ以上のネットワークが複数のネットワークである場合、前記端末装置と接続中のネットワーク毎に前記端末装置から送信される前記開始要求及び前記端末情報を、取得し、
前記特定部は、
所定期間内に前記取得部により取得された前記端末情報に基づいて、前記端末装置と接続中の前記複数のネットワークを特定する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項9】
前記取得部は、
前記端末装置と接続中の前記1つ以上のネットワークが複数のネットワークである場合、前記端末装置と接続中の前記複数のネットワークのいずれかを介して前記端末装置から所定期間内に送信される前記端末情報を取得し、
前記特定部は、
前記所定期間内に前記取得部により取得された前記端末情報に基づいて、前記端末装置と接続中の前記複数のネットワークを特定する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項10】
前記サービス管理部は、
前記1又は複数の通信事業者に管理される前記複数のネットワークの各々の通信品質をモニタリングしたモニタリング結果を繰り返し取得し、
前記特定部により特定された、前記端末装置と接続中の前記1つ以上のネットワークから、前記制御対象のネットワークを、前記モニタリング結果に基づいて選択する処理を、繰り返す、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク等の通信網における通信の品質を確保する技術として、QoS(Quality of Service)制御が知られている。例えば、スマートフォン等の端末装置がネットワークに接続されるシステムでは、端末装置から要求されたQoSのレベルに応じたQoS制御を実行する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。また、近年では、複数の通信事業者によりそれぞれ管理される複数のネットワークに同時に接続可能な端末装置が普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、端末装置が複数のネットワークに同時に接続している場合、端末装置と接続中の複数のネットワークから、QoS制御の開始の要求先として適切なネットワークが選択されることが望ましい。しかしながら、例えば、端末装置にインストールされるアプリケーションプログラムを提供するアプリケーション事業者が、端末装置と接続中の複数のネットワークから、QoS制御の開始の要求先を選択できるようにアプリケーションプログラムを作成する場合、アプリケーションプログラムが煩雑になる問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る管理装置は、1又は複数の通信事業者に管理される複数のネットワークのうちの1つ以上のネットワークに接続中の端末装置に対して提供される通信サービスの品質の制御を開始する開始要求と前記端末装置に関する端末情報とを、取得する取得部と、前記複数のネットワークのうち、前記端末装置と接続中の前記1つ以上のネットワークを、前記取得部により取得された前記端末情報に基づいて、特定する特定部と、前記特定部により特定された前記1つ以上のネットワークのうち、前記通信サービスの品質の制御の対象となる制御対象のネットワークに前記通信サービスの品質の制御を開始させる制御処理を、実行するサービス管理部と、を備えている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数のネットワークに同時に接続可能な端末装置にインストールされるアプリケーションプログラムがQoS制御の開始を要求する場合に、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る管理装置を含むネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示した管理テーブルの一例を示す説明図である。
【
図5】ネットワーク情報の一例を示す説明図である。
【
図6】
図1に示したネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図7】
図1に示したネットワークシステムの動作の別の例を示すシーケンスチャートである。
【
図8】第1変形例に係るネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.実施形態]
図1は、実施形態に係る管理装置100を含むネットワークシステム10の全体構成を示すブロック図である。
図1に例示するように、ネットワークシステム10は、インターネットINETを介して互いに接続される複数のネットワークNWと、インターネットINETを介して複数のネットワークNWに接続される管理装置100と、ネットワークNWに接続される複数の端末装置200とを有する。なお、端末装置200は、複数のネットワークNWのうちの1つ以上のネットワークNWに接続される。例えば、端末装置200は、複数のネットワークNWのうちの2つ以上のネットワークNWに同時に接続されてもよい。また、管理装置100は、インターネットINETを介さずに、複数のネットワークNWに接続されてもよい。本明細書における「装置」という用語は、回路、デバイス又はユニット等の他の用語に読替えてもよい。
【0009】
複数のネットワークNWの各々は、例えば、通信サービスを提供する複数の通信事業者の各々により管理される移動体通信網等の電気通信回線であり、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方又は両方を含む。なお、複数のネットワークNWには、同一の通信事業者により管理される2つ以上のネットワークNWが含まれてもよい。ネットワークNWの管理には、例えば、ネットワークNWの運用が含まれる。但し、通信事業者が仮想移動体通信事業者である場合、ネットワークNWの管理には、例えば、ネットワークNWに含まれる基地局等の無線局の運用が含まれない場合、及び、有線の運用が含まれない場合がある。また、複数のネットワークNWの各々は、品質制御装置300を有する。なお、
図1では、図を見やくするため、ネットワークNWに含まれる複数のノード(装置)のうち、品質制御装置300以外のノード(例えば、基地局等)の記載を省略している。
【0010】
ここで、複数のネットワークNW間の接続、ネットワークNWと端末装置200との接続、及び、ネットワークNWと管理装置100との接続は、例えば、複数の要素間を互いに通信可能にする接続であればよく、有線及び無線の一方を用いた接続でもよいし、有線及び無線の両方を用いた接続でもよい。
【0011】
なお、
図1では、複数のネットワークNWを互いに区別するために、ネットワークNWの符号の末尾には、小文字のアルファベット(a又はb)が付されている。また、ネットワークNWに含まれる品質制御装置300等の符号の末尾にも、対応するネットワークNWと同じ小文字のアルファベット(a又はb)が付されている。
【0012】
例えば、ネットワークNWaは、ネットワークNWbを管理する通信事業者と異なる通信事業者により管理される。また、例えば、品質制御装置300aは、ネットワークNWaに含まれ、ネットワークNWaに係る通信サービスの品質を制御する。また、例えば、品質制御装置300bは、ネットワークNWbに含まれ、ネットワークNWbに係る通信サービスの品質を制御する。
【0013】
本実施形態では、複数の端末装置200が接続されるネットワークNWに係る通信サービスの品質の制御が端末装置200毎に実行可能である場合を想定する。通信サービスは、例えば、複数の品質に対応する複数の品質モードを有する。例えば、品質モードとしては、他の品質モードに比べて大容量のデータを転送可能な大容量モード、他の品質モードに比べて通信の遅延が小さい低遅延モード、及び、ベストエフォートによる制御が行われるベストエフォートモード等がある。また、通信サービスの品質の制御は、例えば、帯域制御、低遅延制御及び優先制御等を含む。
【0014】
帯域制御では、例えば、ネットワークNWにおける通信の帯域が制御される。帯域の制御は、帯域の下限値が設定される帯域保証であってもよいし、帯域の上限値が設定される帯域制限であってもよい。同様に、低遅延制御は、例えば、遅延の上限値が設定される遅延保証であってもよいし、遅延の下限値が設定される遅延制限であってもよい。優先制御では、例えば、特定の通信に係るパケット(通信を行う際の転送単位のデータ)が優先して転送される。例えば、ネットワークNW上を流れるパケットに優先度が付けられ、優先度が他のパケットより高いパケットは、他のパケットよりも先に処理される。
【0015】
以下では、通信サービスの品質の制御は、QoS(Quality of Service)制御とも称される。例えば、大容量モードのQoS制御では、帯域の下限値が設定される帯域保証の帯域制御が実行されてもよい。また、例えば、低遅延モードのQoS制御では、遅延の上限値が設定される遅延保証の低遅延制御が実行されてもよい。なお、品質モードは、例えば、端末装置200により指定されてもよいし、管理装置100等のサーバにより指定されてもよい。あるいは、品質モードは、ネットワークNWに含まれる装置(品質制御装置300とは別の図示しない装置)により指定されてもよい。また、品質モードの指定は、例えば、QCI(QoS Class Identifier)を指定することであってもよい。
【0016】
本実施形態では、QoS制御は、例えば、端末装置200がQoS制御の開始を管理装置100を介して品質制御装置300に要求することにより、開始される。以下では、端末装置200が2つ以上のネットワークNWに同時に接続されている場合のQoS制御に係るネットワークシステム10の動作を中心に説明する。
【0017】
管理装置100は、例えば、サーバ等の情報処理装置であり、各ネットワークNWに接続された複数の端末装置200と通信可能である。また、本実施形態では、管理装置100は、各ネットワークNWに含まれる品質制御装置300と通信可能である。すなわち、ネットワークシステム10は、通信事業者に依存しない管理装置100を有する。なお、管理装置100は、複数の通信事業者のうちの特定の通信事業者により管理されてもよい。すなわち、特定の通信事業者が管理装置100を運用してもよい。この場合、例えば、管理装置100は、特定の通信事業者により管理されるネットワークNWにインターネットINETを介さずに接続され、他の通信事業者により管理されるネットワークNWにインターネットINETを介して接続されてもよい。管理装置100が特定の通信事業者により運用される場合においても、端末装置200等による管理装置100に対する動作は、通信事業者に依存しない。
【0018】
管理装置100は、例えば、処理装置110、記憶装置160及び通信装置170を具備するコンピュータシステムにより実現される。管理装置100の複数の要素の各々は、情報を通信するための単体又は複数のバスで相互に接続される。また、管理装置100の複数の要素の各々を、単数又は複数の機器が構成してもよい。また、管理装置100の一部の要素は省略されてもよい。
【0019】
処理装置110は、管理装置100の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップにより構成される。処理装置110は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)により構成される。なお、処理装置110の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及び、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置110は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0020】
処理装置110は、例えば、記憶装置160から制御プログラムPR1を読み出し、読み出した制御プログラムPR1を実行することによって、取得部120、特定部130及びサービス管理部140として機能する。なお、制御プログラムPR1は、ネットワークNWを介して他の装置から送信されてもよい。
【0021】
取得部120は、例えば、1又は複数の通信事業者に管理される複数のネットワークNWのうちの1つ以上のネットワークNWに接続中の端末装置200に対して提供される通信サービスの品質の制御の開始を要求する開始要求REQs1と端末装置200に関する端末情報TEINFとを、取得する(
図6のS100参照)。
【0022】
なお、本実施形態では、端末装置200が複数のネットワークNWに接続している場合、端末装置200と接続中のネットワークNW毎に端末装置200が開始要求REQs1及び端末情報TEINFを送信する場合を想定する。従って、取得部120は、端末装置200が複数のネットワークNWに接続している場合、端末装置200と接続中のネットワークNW毎に端末装置200から送信される開始要求REQs1及び端末情報TEINFを、取得する。端末情報TEINFの一例は、後述する
図4において説明する。
【0023】
特定部130は、複数のネットワークNWのうち、QoS制御の開始を要求した端末装置200と接続中のネットワークNWを、取得部120により取得された端末情報TEINFに基づいて、特定する。なお、特定部130は、例えば、取得部120が取得した端末情報TEINFに基づいて、複数の通信事業者のうち、開始要求REQs1の送信元の端末装置200が接続されたネットワークNWを管理する通信事業者を、特定してもよい。この場合においても、端末装置200と接続中のネットワークNWが特定される。
【0024】
サービス管理部140は、端末装置200と接続中のネットワークNWとして特定部130により特定されたネットワークNWのうち、QoS制御の対象となる制御対象のネットワークNWにQoS制御を開始させるための制御処理を、実行する。以下では、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWの一部が制御対象のネットワークNWである場合、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうち、制御対象のネットワークNWを除くネットワークNWは、制御対象外のネットワークNWとも称される。
【0025】
制御処理は、例えば、端末装置200と接続中のネットワークNWの数が複数である場合、複数の品質モードのうちの開始要求REQs1により示される品質モードに基づいて、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうちの一部又は全部を、制御対象のネットワークNWとして選択する処理を含む。例えば、サービス管理部140は、制御対象のネットワークNWを、QoS制御の品質モードに応じて決定する。なお、制御対象のネットワークNWを決定する方法の詳細は、後述する
図6及び
図7において説明する。
【0026】
また、本実施形態では、制御処理は、例えば、制御対象のネットワークNWの品質制御装置300にQoS制御を開始させるための処理を含む。具体的には、制御処理は、例えば、制御対象のネットワークNWの品質制御装置300に開始要求REQs2を送信する処理を含む(
図6のS120参照)。この場合、サービス管理部140は、例えば、端末装置200から取得した開始要求REQs1を、開始要求REQs2として、制御対象のネットワークNWの品質制御装置300に送信する。これにより、例えば、端末装置200(QoS制御の開始を要求した端末装置200)に対するQoS制御が、端末装置200と接続中のネットワークNWのうちの制御対象のネットワークNWの品質制御装置300により実行される。以下では、開始要求REQs1及びREQs2は、開始要求REQsと総称される場合がある。
【0027】
なお、サービス管理部140は、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWが制御対象外のネットワークNWを含む場合、制御対象外のネットワークNWに対する開始要求REQsの応答として、否定応答NACKsBを端末装置200に送信してもよい(S122)。否定応答NACKsは、開始要求REQsに応じたQoS制御が実行されないことを示す情報であり、開始要求REQsが否定されたことを示す。否定応答NACKsを端末装置200に送信する処理は、制御処理に含まれてもよい。
【0028】
ここで、制御処理は、例えば、記憶装置160に記憶された管理テーブルTBLに基づいて実行される。管理テーブルTBLの一例は、後述する
図2において説明する。
【0029】
記憶装置160は、処理装置110が読取可能な記録媒体であり、処理装置110が実行する制御プログラムPR1を含む複数のプログラム及び管理テーブルTBL等の各種のデータを記憶する。記憶装置160は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、及び、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置160は、レジスタ、キャッシュ、又は、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。
【0030】
通信装置170は、端末装置200及び品質制御装置300等の他の装置とネットワークNWを介して通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。通信装置170は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、又は、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置170は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の一方又は両方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、及び、周波数シンセサイザ等を含んで構成されてもよい。
【0031】
端末装置200としては、例えば、任意の情報処理装置を採用することができ、パーソナルコンピュータ等の据置型の情報機器であってもよいし、スマートフォン、ノートパソコン、ウェアラブル端末及びタブレット端末等の可搬型の情報端末であってもよい。以下の説明では、端末装置200としてスマートフォンを想定する。
【0032】
端末装置200は、例えば、処理装置210、記憶装置260、通信装置270、入力装置280及び出力装置290を具備するコンピュータシステムにより実現される。処理装置210は、端末装置200の全体を制御するプロセッサであり、上述した管理装置100の処理装置110と同様に構成される。例えば、処理装置210は、記憶装置260から制御プログラムPR2を読み出し、読み出した制御プログラムPR2を実行することによって、要求部220等として機能する。なお、制御プログラムPR2は、ネットワークNWを介して他の装置から送信されてもよい。
【0033】
要求部220は、例えば、QoS制御の開始を要求する場合に、開始要求REQs1及び端末情報TEINFを管理装置100に送信する。なお、QoS制御の開始の要求は、QoS制御の開始API(Application Programming Interface)を呼び出すことであってもよい。例えば、要求部220は、QoS制御の開始APIの呼び出しを管理装置100に対して実行することにより、QoS制御の開始を管理装置100に要求してもよい。
【0034】
なお、本実施形態では、端末装置200は、例えば、複数のネットワークNWに接続している場合、端末装置200と接続中のネットワークNW毎に開始要求REQs1及び端末情報TEINFを送信する。
【0035】
また、本実施形態では、要求部220は、例えば、QoS制御の終了を要求する場合に、QoS制御の終了を要求する終了要求REQeを品質制御装置300に送信する(
図6のS240参照)。QoS制御の終了の要求は、QoS制御の終了APIを呼び出すことであってもよい。例えば、要求部220は、QoS制御の終了APIの呼び出しを品質制御装置300に対して実行することにより、QoS制御の終了を品質制御装置300に要求してもよい。なお、要求部220は、終了要求REQeを、管理装置100を介して品質制御装置300に送信してもよい。本実施形態では、開始要求REQsを送信することには、QoS制御の開始APIを呼び出すことも含まれ、終了要求REQeを送信することには、QoS制御の終了APIを呼び出すことも含まれる。
【0036】
記憶装置260は、処理装置210が読取可能な記録媒体であり、処理装置210が実行する制御プログラムPR2を含む複数のプログラム等の各種のデータを記憶する。記憶装置260は、上述した記憶装置160と同様に、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、及び、RAM等の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0037】
通信装置270は、管理装置100及び品質制御装置300等の他の装置とネットワークNWを介して通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、上述した通信装置170と同様に構成される。
【0038】
入力装置280は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、及び、センサ等)である。例えば、入力装置280は、数字及び文字等の符号を処理装置210に入力するための操作と、端末装置200の表示面に表示されるアイコンを選択するための操作とを受け付ける。例えば、端末装置200の表示面に対する接触を検出するタッチパネルが入力装置280として好適である。なお、入力装置280は、ユーザが操作可能な複数の操作子を含んでもよい。
【0039】
出力装置290は、外部への出力を実施するディスプレイ等の出力デバイスである。出力装置290は、例えば、処理装置210による制御のもとで、画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルが出力装置290として好適に利用される。なお、入力装置280及び出力装置290は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。また、出力装置290は、スピーカー及びLED(Light Emitting Diode)ランプ等を有する出力デバイスでもよい。
【0040】
品質制御装置300は、例えば、サーバ等の情報処理装置であり、QoS制御を実行する。また、品質制御装置300は、管理装置100及び端末装置200と、通信可能である。例えば、品質制御装置300は、端末装置200に対するQoS制御の開始を要求する開始要求REQs2を受けた場合、開始要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を、端末装置200による通信に対して実行する。
【0041】
例えば、品質制御装置300は、開始要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を実行する場合、開始要求REQs2に対する肯定応答ACKsを端末装置200に送信する(
図6のS322参照)。また、品質制御装置300は、開始要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を実行できない場合、開始要求REQs2に対する否定応答NACKsを端末装置200に送信する。なお、品質制御装置300は、肯定応答ACKs及び否定応答NACKs等の応答情報を、管理装置100を介して端末装置200に送信してもよい。
【0042】
また、開始要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を実行できるか否かは、例えば、QoS利用判定情報に基づいて判定されてもよい。QoS利用判定情報は、例えば、ネットワークNWに関するネットワーク情報、QoS制御に関するAPI情報、通信サービスの提供事業者情報、及び、緊急度情報の一部又は全部を含む。ネットワーク情報の一例は、後述する
図5において説明する。また、API情報の一例は、後述する
図3において説明する。提供事業者情報は、例えば、端末装置200に提供された通信サービスが仮想移動体通信事業者により提供された通信サービスか否かを判定するための情報である。また、緊急度情報は、例えば、通信の緊急度(例えば、災害時か否か等)を示す情報である。なお、QoS利用判定情報は、上述の項目以外の項目を含んでもよい。
【0043】
図1では、品質制御装置300の構成を特に図示していないが、品質制御装置300は、例えば、管理装置100と同様に、品質制御装置300の全体を制御する処理装置と、各種のデータを記憶する記憶装置と、他の装置と通信を行うための通信装置とを具備するコンピュータシステムにより実現される。なお、品質制御装置300は、単体の装置として実現されてもよいし、相互に別体で構成された複数の装置の集合(すなわち、システム)として実現されてもよい。例えば、品質制御装置300において、開始要求REQs2等を受け付ける機能とQoS制御を実行する機能とが、単体の装置として実現されてもよいし、相互に別体で構成された2つの装置の集合として実現されてもよい。あるいは、品質制御装置300は、QoS制御を実行する複数の装置を有してもよい。
【0044】
なお、管理装置100、端末装置200及び品質制御装置300の構成は、
図1に示す例に限定されない。例えば、管理装置100は、端末装置200と同様に、入力装置及び出力装置を有してもよい。また、例えば、管理装置100は、補助記憶装置を有してもよい。補助記憶装置は、管理装置100が読取可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、及び、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、及び、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、及び、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。同様に、端末装置200及び品質制御装置300の一方又は両方は、補助記憶装置を有してもよい。補助記憶装置は、ストレージと呼ばれてもよい。
【0045】
また、品質制御装置300は、対応するネットワークNWにおいてQoS制御を実行できればよく、ネットワークNWが品質制御装置300を含まずに定義されるか否かは特に限定されない。
【0046】
図2は、
図1に示した管理テーブルTBLの一例を示す説明図である。管理テーブルTBLには、例えば、制御処理をサービス管理部140が実行するために必要な情報を含む事業者個別情報CAINFが、通信事業者毎に記憶されている。
【0047】
例えば、管理テーブルTBLは、複数の通信事業者と1対1に対応する複数のレコードを有する。そして、管理テーブルTBLの各レコードには、例えば、複数の通信事業者の中から各通信事業者を識別するための通信事業者IDと、通信事業者IDにより示される通信事業者の事業者個別情報CAINFとが記憶されている。
【0048】
事業者個別情報CAINFは、例えば、通信事業者により管理装置100に通知されたAPIに関するAPI情報と、QoS制御の開始等を要求する際のアクセス先を示すアクセス先情報とを含む。API情報及びアクセス先情報は、通信事業者により公開されてもよい。API情報の一例は、後述する
図3において説明する。アクセス先情報は、例えば、品質制御装置300のIP(Internet Protocol)アドレスであってもよいし、APIのURL(Uniform Resource Locator)であってもよい。また、アクセス先情報は、API情報に含まれてもよい。
【0049】
管理装置100は、例えば、制御対象のネットワークNWを管理している通信事業者の事業者個別情報CAINFに基づいて、開始要求REQs2を、制御対象のネットワークNWの品質制御装置300に、送信する。制御対象のネットワークNWを管理している通信事業者は、例えば、開始要求REQs2の送信先の品質制御装置300を管理している通信事業者である。
【0050】
なお、管理テーブルTBLは、
図2に示す例に限定されない。例えば、複数の通信事業者が、2つ以上のネットワークNWを管理する一の通信事業者を含む場合、互いに異なる2つ以上の通信事業者IDが一の通信事業者に割り当てられてもよい。一の通信事業者に割り当てられる2つ以上の通信事業者IDは、例えば、一の通信事業者が管理する2つ以上のネットワークNWと1対1に対応する。すなわち、管理テーブルTBLは、1又は複数の通信事業者に管理される複数のネットワークNWと1対1に対応する複数のレコードを有する。ここで、一の通信事業者が2つ以上のネットワークNWを管理することは、例えば、QoS制御の開始等を要求する際のアクセス先(アクセス先情報)が互いに異なる2つ以上のネットワークNWを一の通信事業者が管理することであってもよい。
【0051】
【0052】
API情報は、例えば、QoS制御の開始の要求、QoS制御の終了の要求、QoS制御の状態の確認、QoS制御の利用可否の確認及びSIM(Subscriber Identity Module)情報の取得等に関する情報を含む。さらに、API情報は、例えば、要求モード種別を示す情報、要求通信品質を示す情報、SIM情報、ユーザ装置情報、端末装置200が在圏するエリアに関するエリア情報、及び、通信事業者の独自機能を示す情報の一部又は全部を含む。
【0053】
要求モード種別は、例えば、品質制御装置300に要求するQoS制御の品質モードである。要求通信品質は、例えば、品質制御装置300に要求するQoS制御により実現される通信品質、又は、目標となる通信品質である。通信品質としては、例えば、スループット、遅延時間、ジッタ、フレームレート及びパケット損失率等が該当する。SIM情報は、例えば、SIMに格納されている情報である。ユーザ装置情報は、例えば、端末装置200に格納されている情報である。SIM情報及びユーザ装置情報の一例は、後述する
図4において説明する。
【0054】
エリア情報は、端末装置200の位置を示す位置情報、端末装置200が在圏するエリアの地図情報、端末装置200が在圏するエリアの基地局に関する基地局情報、端末装置200が在圏するエリアの気象情報、端末装置200の周囲の遮蔽物に関する遮蔽物情報、及び、端末装置200が在圏するエリアの通信に関する障害通知の有無を示す情報の一部又は全部を含む。なお、エリア情報は、上述の項目以外の項目を含んでもよい。通信事業者の独自機能は、例えば、他の通信事業者と共通する機能と異なる機能であり、通信事業者により独自に付加された機能である。
【0055】
なお、API情報に含まれる項目は、
図3に示す例に限定されない。例えば、API情報は、
図3に示した項目の一部を含まなくてもよい。あるいは、API情報は、
図3に示した項目の一部又は全部と、
図3に示した項目以外の項目(例えば、
図2において説明したアクセス先情報等)とを含んでもよい。また、API情報に含まれる項目は、
図1において説明したように、QoS利用判定情報に含まれてもよい。
【0056】
図4は、端末情報TEINFの一例を示す説明図である。端末情報TEINFは、例えば、SIM情報及びユーザ装置情報を含む。
【0057】
SIM情報は、例えば、開始要求REQsを送信した端末装置200に通信サービスを提供している通信事業者を特定する場合に管理装置100により参照される。例えば、SIM情報は、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、MSNSDN(Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network Number)、ICCID(Integrated Circuit Card ID)、契約情報、及び、契約状態を示す情報の一部又は全部を含む。なお、SIM情報に含まれる項目は、
図4に示す例に限定されない。例えば、SIM情報は、
図4に示した項目の一部又は全部と、
図4に示した項目以外の項目とを含んでもよい。
【0058】
ユーザ装置情報は、例えば、SIM情報と同様に、開始要求REQsを送信した端末装置200に通信サービスを提供している通信事業者を特定する場合に管理装置100により参照されてもよい。ユーザ装置情報は、例えば、端末装置200のIPアドレス、端末装置200のモデル名、アプリケーション情報、対向サーバ情報、対向ユーザ装置情報、署名情報、パッケージ情報、端末装置200のOS(Operating System)に関するOS情報、端末装置200のメモリに関するメモリ情報、端末装置200のCPUに関するCPU情報、CPUの利用率、メモリの利用率、ユーザの本人性情報の一部又は全部を含む。
【0059】
端末装置200のIPアドレスは、例えば、通信事業者により提供される通信サービスを利用するために端末装置200に付与され、通信事業者及びネットワークNW等を識別するための情報である。アプリケーション情報は、例えば、端末装置200において実行されているアプリケーションプログラムの名称等を示す情報である。また、ユーザの本人性情報は、例えば、ユーザを認証する際に使用される情報(指紋、光彩、顔及びパスワード等)である。なお、ユーザ装置情報に含まれる項目は、
図4に示す例に限定されない。例えば、ユーザ装置情報は、
図4に示した項目の一部又は全部と、
図4に示した項目以外の項目とを含んでもよい。
【0060】
また、端末情報TEINFに含まれる項目は、
図4に示す例に限定されない。例えば、端末情報TEINFは、SIM情報及びユーザ装置情報の一方を含まなくてもよい。あるいは、端末情報TEINFは、SIM情報及びユーザ装置情報の一方又は両方と、SIM情報及びユーザ装置情報以外の情報(例えば、後述する
図5に示すネットワーク情報)とを含んでもよい。
【0061】
図5は、ネットワーク情報の一例を示す説明図である。ネットワーク情報に含まれる項目は、例えば、
図1において説明したように、QoS利用判定情報に含まれ、品質制御装置300が開始要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を実行できるか否かを判定する場合に、品質制御装置300により参照される。また、ネットワーク情報に含まれる項目は、端末情報TEINFに含まれてもよい。この場合、ネットワークNWに含まれる基地局等が、端末装置200からネットワークNWを介して管理装置100に送信される端末情報TEINFに、ネットワーク情報を付加してもよい。
【0062】
ネットワーク情報は、例えば、5タプル情報、APN(Access Point Name)、通信方式情報、通信品質を示す情報、基地局の稼働率を示す情報、基地局の可用性を示す情報、及び、基地局への同時接続数を示す情報の一部又は全部を含む。5タプル情報は、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号及びプロトコルIDを含む情報である。通信方式情報は、例えば、3G(3rd generation mobile communication system)、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、無線LAN(Local Area Network)、テザリング及び有線通信等の通信方式を示す。
【0063】
なお、ネットワーク情報に含まれる項目は、
図5に示す例に限定されない。例えば、ネットワーク情報は、
図5に示した項目の一部又は全部と、
図5に示した項目以外の項目とを含んでもよい。また、ネットワーク情報が端末情報TEINFに含まれる場合、QoS利用判定情報に含まれるネットワーク情報の項目は、端末情報TEINFに含まれるネットワーク情報の項目と相違してもよい。ネットワーク情報が端末情報TEINFに含まれる場合、特定部130は、例えば、複数のネットワークNWのうち、端末装置200と接続中のネットワークNWを、端末情報TEINFに含まれるネットワーク情報(例えば、APN等)に基づいて、特定してもよい。
【0064】
図6は、
図1に示したネットワークシステム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図6に示す例では、複数の端末装置200のうち、ネットワークNWa及びNWbに同時に接続された一の端末装置200から開始要求REQs1が送信される場合を想定する。従って、
図6の説明では、特に断りがない場合、端末装置200は、ネットワークNWa及びNWbに同時に接続された一の端末装置200を意味するものとする。また、
図6に示す例では、開始要求REQs1により示される品質モードが複数の品質モードのうちの低遅延モードである場合を想定する。また、
図6に示す例では、端末装置200が、開始要求REQs1及び端末情報TEINFを管理装置100に送信する処理を、接続中のネットワークNW毎に実行する場合を想定する。
【0065】
先ず、端末装置200の要求部220は、開始要求REQs1及び端末情報TEINFaを、ネットワークNWaを介して管理装置100に送信し、開始要求REQs1及び端末情報TEINFbを、ネットワークNWbを介して管理装置100に送信する(S200)。なお、開始要求REQs1の送信先(管理装置100のアドレス)は、通信事業者に依存せずに、複数の通信事業者で共通である。
【0066】
また、端末装置200からネットワークNWaを介して管理装置100に送信される開始要求REQs1の内容は、端末装置200からネットワークNWbを介して管理装置100に送信される開始要求REQs1の内容と同様である。また、端末装置200からネットワークNWaを介して管理装置100に送信される端末情報TEINFaには、例えば、ネットワークNWaを管理する通信事業者により提供されるIPアドレス等の通信事業者を識別するための情報が含まれる。同様に、端末装置200からネットワークNWbを介して管理装置100に送信される端末情報TEINFbには、例えば、ネットワークNWbを管理する通信事業者により提供されるIPアドレス等の通信事業者を識別するための情報が含まれる。
【0067】
また、
図6に示す例では、端末装置200からネットワークNWaを介して管理装置100に送信される開始要求REQs1等が、端末装置200からネットワークNWbを介して管理装置100に送信される開始要求REQs1等より先に、管理装置100に到達する場合を想定する。なお、開始要求REQs1等が管理装置100に到達する順番は、
図6に示す例に限定されない。
【0068】
管理装置100の取得部120は、端末装置200からネットワークNWaを介して管理装置100に送信された開始要求REQs1及び端末情報TEINFaを取得する(S100)。そして、取得部120は、1つ目の開始要求REQs1を取得した第1タイミングT1から所定時間TP経過するまで、他のネットワークNW(
図6に示す例では、ネットワークNWb)を介して端末装置200から送信される開始要求REQs等の到達を待機する。第1タイミングT1から所定時間TP経過するまでの期間(第1タイミングT1から第2タイミングT2までの所定時間TP)は、「所定期間」の一例である。以下では、第1タイミングT1から所定時間TP経過するまでの期間は、単に、所定時間TPとも称される。
【0069】
また、第1タイミングT1は、以下に示すように決定されてもよい。例えば、取得部120は、取得した開始要求REQs1と同じ内容の開始要求REQs1を、開始要求REQs1を取得した取得タイミングを起点にして所定時間TP遡ったタイミングから取得タイミングまでの期間に取得していない場合、取得タイミングを第1タイミングと決定してもよい。
【0070】
あるいは、取得部120は、開始要求REQs1を送信した端末装置200と開始要求REQs1の内容との組に対応付けたフラグを用いて、第1タイミングを決定してもよい。例えば、取得部120は、端末装置200から取得した開始要求REQs1に対応するフラグがセットされていない場合、開始要求REQs1を取得したタイミングを第1タイミングに決定し、フラグをセットする。そして、取得部120は、例えば、開始要求REQs1に応じたQoS制御が終了した場合、終了したQoS制御に対応する開始要求REQs1のフラグをリセットしてもよい。
【0071】
図6に示す例では、取得部120は、第1タイミングT1から所定時間TP経過するまでの期間に、端末装置200からネットワークNWbを介して送信された開始要求REQs1及び端末情報TEINFbを取得する(S102)。
【0072】
そして、管理装置100の特定部130は、複数のネットワークNWのうち、端末装置200と接続中のネットワークNWを、所定時間TP内に取得部120により取得された端末情報TEINFに基づいて、特定する(S104)。例えば、特定部130は、複数のネットワークNWのうち、端末装置200と接続中のネットワークNWを、端末情報TEINFに含まれるIPアドレスに基づいて特定する。なお、特定部130は、例えば、端末装置200と接続中のネットワークNWを管理する通信事業者を端末情報TEINFに基づいて特定することにより、端末装置200と接続中のネットワークNWを特定してもよい。具体的には、特定部130は、端末情報TEINFaに含まれるIPアドレスに基づいてネットワークNWaの通信事業者を特定し、端末情報TEINFbに含まれるIPアドレスに基づいてネットワークNWbの通信事業者を特定してもよい。あるいは、特定部130は、端末情報TEINFaに含まれるSIM情報(例えば、ICCID等)に基づいてネットワークNWaの通信事業者を特定し、端末情報TEINFbに含まれるSIM情報に基づいてネットワークNWbの通信事業者を特定してもよい。
【0073】
また、管理装置100のサービス管理部140は、例えば、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWa及びNWbのうち、制御対象のネットワークNWを、開始要求REQs1により示される品質モードに基づいて決定する(S106)。制御対象のネットワークNWは、
図1において説明したように、QoS制御の対象となるネットワークNWである。すなわち、制御対象のネットワークNWは、QoS制御の要求先(開始要求REQs2の送信先)となるネットワークNWである。
図6に示す例では、サービス管理部140は、開始要求REQs1により示される品質モードが低遅延モードであるため、ネットワークNWa及びNWbのうちの1つのネットワークNWaを、制御対象のネットワークNWとして選択する。
【0074】
このように、開始要求REQs1により示される品質モードが低遅延モードであり、かつ、端末装置200が複数のネットワークNWに接続している場合、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうちの1つが、制御対象のネットワークNWとして選択される。開始要求REQs1により示される品質モードが低遅延モードであり、かつ、端末装置200が複数のネットワークNWに接続している場合における制御対象のネットワークNWの選択方法として、以下の方法を採用してもよい。
【0075】
例えば、第1の方法では、サービス管理部140は、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうち、通信品質が最も高いネットワークNW(例えば、通信の遅延が最も小さいネットワークNW)を、制御対象のネットワークNWとして選択する。各ネットワークNWの通信品質は、例えば、QoS利用判定情報に含まれるネットワーク情報の通信品質により示されてもよい。
【0076】
第2の方法では、サービス管理部140は、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうち、端末装置200に最も近い位置に基地局を有するネットワークNWを、制御対象のネットワークNWとして選択してもよい。また、第3の方法では、サービス管理部140は、端末装置200がエッジサーバと通信する場合、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうち、端末装置200に最も近い位置にエッジサーバを有するネットワークNWを、制御対象のネットワークNWとして選択してもよい。なお、エッジサーバは、例えば、MEC(Multi-access Edge Computing)を実現するためのサーバ等の情報処理装置である。MECは、例えば、移動体通信網等の電気通信回線において、ユーザに、より近い位置にサーバ及びストレージ等のコンピュータシステムを配置する仕組みである。
【0077】
上述の第2の方法及び第3の方法では、管理装置100が、各ネットワークNWの基地局及びエッジサーバの位置を示す位置情報、及び、各ネットワークNW内の通信経路を設定するルーティングの方法等が記憶されたデータベースを有する場合を想定している。また、例えば、
図3に示したAPI情報に、端末装置200が在圏するエリアの基地局に関する基地局情報が含まれる場合、上述のデータベースに基づいて、端末装置200が在圏するエリアの基地局に関する基地局情報がAPI情報に含まれてもよい。
【0078】
なお、制御対象のネットワークNWの選択方法は、上述の第1の方法、第2の方法、及び、第3の方法に限定されない。例えば、サービス管理部140は、ネットワークNWa及びNWbのいずれも通信の遅延が開始要求REQs1により示される低遅延モードにより保証されている遅延より小さい場合、ネットワークNWa及びNWbからランダムに、制御対象のネットワークNWを選択してもよい。
【0079】
サービス管理部140は、制御対象のネットワークNWaを決定した後、制御対象のネットワークNWaに対応する事業者個別情報CAINFに基づいて、開始要求REQs2を制御対象のネットワークNWaに送信する(S120)。
【0080】
本実施形態では、開始要求REQs2は、管理装置100のサービス管理部140から制御対象のネットワークNWの品質制御装置300に送信される場合を想定する。開始要求REQs2には、例えば、端末装置200から取得した開始要求REQs1に含まれる項目が含まれる。なお、開始要求REQs2には、
図3に示したAPI情報に含まれる項目の一部又は全部と、開始要求REQs1に含まれる項目とが含まれてもよい。従って、開始要求REQs2を品質制御装置300に送信することには、開始要求REQs1を品質制御装置300に送信することも含まれる。すなわち、サービス管理部140が実行する制御処理には、端末装置200から取得した開始要求REQs1を品質制御装置300に送信する処理が含まれてもよい。
【0081】
制御対象のネットワークNWaの品質制御装置300aは、管理装置100から送信された開始要求REQs2を受信する(S320)。そして、品質制御装置300aは、開始要求REQs2により指定される品質モード(
図6に示す例では、低遅延モード)のQoS制御を実行できるか否かを、QoS利用判定情報に基づいて判定する。
図6に示す例では、開始要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を品質制御装置300aが実行できる場合を想定する。従って、品質制御装置300aは、開始要求REQs2に対する肯定応答ACKs(開始要求REQsに応じたQoS制御が実行されることを示す情報)を、端末装置200に送信する(S322)。なお、品質制御装置300aは、開始要求REQs2に対する肯定応答ACKsを、端末装置200と管理装置100とに送信してもよいし、開始要求REQs2に対する肯定応答ACKsを、管理装置100を介して端末装置200に送信してもよい。
【0082】
また、品質制御装置300aは、開始要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を開始する(S324)。例えば、品質制御装置300aは、API情報に含まれるSIM情報等に基づいて、端末装置200の電話番号を特定し、特定した電話番号に対応する端末装置200に対して、開始要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を開始する。これにより、端末装置200に対するQoS制御が開始される。
【0083】
また、管理装置100のサービス管理部140は、ネットワークNWbの品質制御装置300bに開始要求REQs2を送信しないため、ネットワークNWbに対する開始要求REQs1が否定されたことを示す情報として、否定応答NACKsBを端末装置200に送信する(S122)。
【0084】
また、管理装置100のサービス管理部140は、制御対象外のネットワークNWbと端末装置200との間の通信の切断を要求する切断要求REQdcを、ネットワークNWb(例えば、ネットワークNWbの基地局)に送信する(S130)。これにより、ネットワークNWbは、切断要求REQdcを受信する(S330)。なお、切断要求REQdcを送信することには、通信の切断APIを呼び出すことが含まれてもよい。すなわち、通信の切断の処理に関するAPIが設けられてもよい。
【0085】
切断要求REQdcを受信したネットワークNWbは、端末装置200との間の通信を切断する場合、通信を切断することを示す切断情報DCINFを、端末装置200に送信する(S332)。なお、ネットワークNWbは、切断情報DCINFを、管理装置100を介して端末装置200に送信してもよい。また、ネットワークNWbは、切断要求REQdcに応じて、端末装置200との間の通信を切断する(S334)。これにより、ネットワークシステム10のリソースの空き(より詳細には、ネットワークNWbのリソースの空き)を増やすことができる。
【0086】
なお、ネットワークNWbは、切断要求REQdcを承諾しなくてもよい。この場合、ネットワークNWbは、端末装置200との間の通信を切断しないことを示す否定応答を、管理装置100に送信してもよい。あるいは、制御対象外のネットワークNWbと端末装置200との間の通信の切断は、要求されなくてもよい。すなわち、ステップS130、S330、S332、S334及びS230の処理は、実行されなくてもよい。
【0087】
端末装置200は、開始要求REQs1に対する応答として、肯定応答ACKs、否定応答NACKsB及び切断情報DCINF等の応答情報を受信する(S220、S222及びS230)。例えば、端末装置200は、ネットワークNWaに対する開始要求REQs1の応答として肯定応答ACKsを受信することにより、開始要求REQs1に応じたQoS制御がネットワークNWaにおいて開始されることを認識できる。また、例えば、端末装置200は、ネットワークNWbに対する開始要求REQs1の応答として否定応答NACKsBを受信することにより、ネットワークNWbにおいてQoS制御が実行されないことを認識できる。また、例えば、端末装置200は、ネットワークNWbからの切断情報DCINFを受信することにより、ネットワークNWbとの間の通信が切断されることを認識できる。
【0088】
また、端末装置200の要求部220は、端末装置200に対するQoS制御を終了させる場合、端末装置200に対するQoS制御を実行しているネットワークNWaの品質制御装置300aに終了要求REQeを送信する(S240)。なお、要求部220は、終了要求REQeを品質制御装置300aと管理装置100とに送信してもよいし、終了要求REQeを管理装置100を介して品質制御装置300aに送信してもよい。品質制御装置300aにアクセスするための情報(品質制御装置300aのアドレス等)は、例えば、肯定応答ACKsに含まれてもよいし、管理装置100から端末装置200に送信されてもよい。
【0089】
ネットワークNWaの品質制御装置300aは、終了要求REQeを端末装置200から受信する(S340)。そして、品質制御装置300aは、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、端末装置200に送信する(S342)。これにより、端末装置200は、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、品質制御装置300aから受信する(S242)。また、品質制御装置300aは、終了要求REQeにより示される端末装置200に対するQoS制御を終了する(S344)。
【0090】
なお、品質制御装置300aは、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、端末装置200と管理装置100とに送信してもよいし、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、管理装置100を介して端末装置200に送信してもよい。この場合、管理装置100は、端末装置200に対するQoS制御が終了することを認識できる。
【0091】
このように、本実施形態では、端末装置200は、管理装置100に開始要求REQs1を送信することにより、端末装置200と接続中のネットワークNWのうちの適切なネットワークNWの品質制御装置300にQoS制御を開始させることができる。すなわち、端末装置200は、通信サービスを提供する通信事業者を特に認識することなく、QoS制御を品質制御装置300に開始させることができる。これにより、本実施形態では、例えば、QoS制御の実行を要求するアプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
【0092】
例えば、アプリケーションプログラムを提供するアプリケーション事業者は、QoS制御を利用するために、QoS制御を利用するためのQoS制御SDK(Software Development Kit)をアプリケーションプログラムに内包してもよい。開始要求REQs1の送信先は、アプリケーションプログラムがインストールされる端末装置200が接続されるネットワークNWを管理する通信事業者に拘わらず、管理装置100である。この結果、本実施形態では、複数の通信事業者が管理する複数のネットワークNWのいずれに対しても、QoS制御の実行を要求できるアプリケーションプログラムを作成する場合に、通信事業者に合わせて開始要求REQs1の送信先を変更する必要がない。このため、本実施形態では、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。すなわち、本実施形態では、アプリケーション事業者が、複数の通信事業者のうちのどの通信事業者に対しても、QoS制御の実行を要求できるようにアプリケーションプログラムを作成する場合においても、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
【0093】
さらに、本実施形態では、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWから、QoS制御の開始の要求先として適切なネットワークNW(制御対象のネットワークNW)を管理装置100が選択する。このため、例えば、複数のネットワークNWに同時に接続可能な端末装置200にインストールされるアプリケーションプログラムがQoS制御の開始を要求する場合に、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
【0094】
図7は、
図1に示したネットワークシステム10の動作の別の例を示すシーケンスチャートである。
図7に示す例では、
図6に示した例と同様に、複数の端末装置200のうち、ネットワークNWa及びNWbに同時に接続された一の端末装置200から開始要求REQs1が送信される場合を想定する。従って、
図7の説明においても、特に断りがない場合、端末装置200は、ネットワークNWa及びNWbに同時に接続された一の端末装置200を意味するものとする。また、
図7に示す例では、開始要求REQs1により示される品質モードが複数の品質モードのうちの大容量モードである場合を想定する。なお、
図7に示す例では、管理装置100が端末装置200と接続中のネットワークNWを特定するまでの動作(S200、S100、S102及び104)は、
図6に示した動作と同様であるため、説明を省略する。また、
図7では、
図6において説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。
【0095】
管理装置100のサービス管理部140は、例えば、特定部130が端末装置200と接続中のネットワークNWを特定した後、制御対象のネットワークNWを、開始要求REQs1により示される品質モードに基づいて決定する(S106)。
図7に示す例では、サービス管理部140は、開始要求REQs1により示される品質モードが大容量モードであるため、端末装置200と接続中の全てのネットワークNWa及びNWbを制御対象のネットワークNWとして選択する。
【0096】
そして、管理装置100のサービス管理部140は、ネットワークNWaの品質制御装置300a及びネットワークNWbの品質制御装置300bに、開始要求REQs2を送信する(S120)。これにより、ネットワークNWaの品質制御装置300a及びネットワークNWbの品質制御装置300bは、管理装置100から送信された開始要求REQs2を受信する(S320a及びS320b)。
【0097】
ステップS322a及びS322bの処理は、
図6において説明したステップS322の処理と同様であり、ステップS324a及びS324bの処理は、
図6において説明したステップS324の処理と同様である。例えば、ネットワークNWaの品質制御装置300aは、開始要求REQs2に対する肯定応答ACKsを端末装置200に送信し、開始要求REQs2により指定される大容量モードのQoS制御を開始する(S322a及びS324a)。同様に、ネットワークNWbの品質制御装置300bは、開始要求REQs2に対する肯定応答ACKsを端末装置200に送信し、開始要求REQs2により指定される大容量モードのQoS制御を開始する(S322b及びS324b)。なお、
図7に示す例では、ネットワークNWbにおいてもQoS制御が実行されるため、端末装置200とネットワークNWbとの間の通信を切断するための処理(例えば、
図6のS130の処理等)は、実行されない。
【0098】
ステップS340a及びS340bの処理は、
図6において説明したステップS340の処理と同様である。また、ステップS342a及びS342bの処理は、
図6において説明したステップS342の処理と同様であり、ステップS344a及びS344bの処理は、
図6において説明したステップS344の処理と同様である。
【0099】
例えば、ネットワークNWaの品質制御装置300a及びネットワークNWbの品質制御装置300bは、終了要求REQeを端末装置200から受信する(S340a及びS340b)。そして、ネットワークNWaの品質制御装置300aは、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを端末装置200に送信し、終了要求REQeにより示されるQoS制御を終了する(S342a及びS344a)。同様に、ネットワークNWbの品質制御装置300bは、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを端末装置200に送信し、終了要求REQeにより示されるQoS制御を終了する(S342b及びS344b)。
【0100】
ステップS220a及びS220bの処理は、
図6において説明したステップS220の処理と同様である。また、ステップS240の処理は、
図6において説明したステップS240の処理と同様であり、ステップS242a及びS242bの処理は、
図6において説明したステップS242の処理と同様である。
【0101】
例えば、端末装置200は、開始要求REQs1に対する応答として、肯定応答ACKsを、ネットワークNWa及びNWbから受信する(S220a及びS220b)。また、端末装置200は、ネットワークNWa及びNWbに終了要求REQeを送信し、終了要求REQeに対する応答として、肯定応答ACKeを、ネットワークNWa及びNWbから受信する(S240、S242a及びS242b)。
【0102】
このように、開始要求REQs2により指定される品質モードが大容量モードの場合でも、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWから、QoS制御の開始の要求先として適切なネットワークNWを、通信事業者に依存しない管理装置100が選択する。従って、開始要求REQs2により指定される品質モードが大容量モードの場合でも、開始要求REQs2により指定される品質モードが低遅延モードの場合と同様に、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
【0103】
なお、ネットワークシステム10の動作は、
図6及び
図7に示す例に限定されない。例えば、管理装置100の特定部130は、第1タイミングT1から所定時間TP経過するまでの期間中に、端末情報TEINFを受信する度に、端末装置200と接続中のネットワークNWを端末情報TEINFに基づいて特定してもよい。
【0104】
また、例えば、制御対象のネットワークNWは、開始要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を実行できない場合、開始要求REQs2に対する否定応答NACKsを、管理装置100に送信してもよい。この場合、管理装置100のサービス管理部140は、制御対象のネットワークNWの決定を、再度実行してもよい。また、制御対象のネットワークNWは、開始要求REQs2に対する否定応答NACKsを管理装置100に送信する場合、QoS制御を実行できない理由を示す否定理由情報を、管理装置100に送信してもよい。また、管理装置100のサービス管理部140は、QoS制御が実行されない場合、否定応答NACKsを端末装置200に送信してもよいし、否定応答NACKs及び否定理由情報の両方を端末装置200に送信してもよい。
【0105】
また、管理装置100のサービス管理部140は、QoS制御に関する予め決められた複数の品質モードのいずれにも、開始要求REQs1により指定される品質モードが当てはまらない場合、開始要求REQs1を棄却してもよい。この場合、管理装置100のサービス管理部140は、開始要求REQs2を品質制御装置300に送信せずに、否定応答NACKsを端末装置200に送信してもよい。この場合においても、管理装置100のサービス管理部140は、否定応答NACKsと一緒に否定理由情報を端末装置200に送信してもよい。
【0106】
また、管理装置100のサービス管理部140は、品質モード以外の条件に基づいて、開始要求REQs1を棄却するか否かを判定してもよい。例えば、管理装置100のサービス管理部140は、開始要求REQs2により指定される品質モードのQoS制御を端末装置200と接続中のネットワークNWにおいて実行可能か否かを、QoS利用判定情報に基づいて判定してもよい。管理装置100のサービス管理部140は、例えば、開始要求REQs1により指定される品質モードのQoS制御を実行可能なネットワークNWに端末装置200が接続されていない場合、開始要求REQs2を品質制御装置300に送信せずに、否定応答NACKsを端末装置200に送信してもよい。この場合においても、管理装置100のサービス管理部140は、否定応答NACKsと一緒に否定理由情報を端末装置200に送信してもよい。
【0107】
また、例えば、開始要求REQs1により指定される品質モードが大容量モードである場合、管理装置100のサービス管理部140は、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうち、通信品質が所定のレベル以上のネットワークNWを制御対象のネットワークNWとして選択してもよい。この場合、管理装置100のサービス管理部140は、制御対象外のネットワークNWと端末装置200との間の通信を切断するための処理を実行してもよい。すなわち、管理装置100のサービス管理部140は、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうち、通信品質が所定のレベルより小さいネットワークNWと端末装置200との間の通信を切断するための処理を実行してもよい。制御対象外のネットワークNWと端末装置200との間の通信が切断されることにより、ネットワークシステム10のリソースの空きを増やすことができる。
【0108】
また、開始要求REQs1により指定される品質モードが低遅延モード及び大容量モードのいずれでもない場合においても、制御対象のネットワークNWは、例えば、開始要求REQs1により指定される品質モードに応じて選択される。
【0109】
また、例えば、開始要求REQs1が、複数の端末装置200が接続される所定のサーバ(
図1等には図示せず)と端末装置200との間の通信に対するQoS制御の開始を示す場合、管理装置100は、端末装置200毎に、1つの制御対象のネットワークNWを決定してもよい。例えば、管理装置100のサービス管理部140は、所定のサーバに接続された複数の端末装置200のうちの一の端末装置200に対応する制御対象のネットワークNWとして、一の端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうちの1つを選択してもよい。さらに、サービス管理部140は、一の端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうちの制御対象外のネットワークNWと一の端末装置200との間の通信を切断してもよい。これにより、ネットワークシステム10のリソースの空きを増やすことができる。
【0110】
所定のサーバに接続された複数の端末装置200のうちの一の端末装置200に対応する制御対象のネットワークNWの選択方法として、以下の方法を採用してもよい。例えば、サービス管理部140は、一の端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうち、単位時間当たりの通信量が最も少ないネットワークNWを、制御対象のネットワークNWとして選択してもよい。あるいは、サービス管理部140は、一の端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうち、エリア展開が最も少ない通信事業者のネットワークNWを、制御対象のネットワークNWとして選択してもよい。なお、所定のサーバに接続された複数の端末装置200のうちの一の端末装置200に対応する制御対象のネットワークNWの選択方法は、上述の例に限定されない。例えば、サービス管理部140は、一の端末装置200と接続中の複数のネットワークNWから1つのネットワークNWを制御対象のネットワークNWとしてランダムに選択してもよい。
【0111】
以上、本実施形態では、管理装置100は、取得部120、特定部130及びサービス管理部140を有する。取得部120は、1又は複数の通信事業者に管理される複数のネットワークNWのうちの1つ以上のネットワークNWに接続中の端末装置200に対して提供される通信サービスの品質の制御(QoS制御)を開始する開始要求REQs1と端末装置200に関する端末情報TEINFとを、取得する。特定部130は、複数のネットワークNWのうち、端末装置200と接続中の1つ以上のネットワークNWを、取得部120により取得された端末情報TEINFに基づいて、特定する。サービス管理部140は、特定部130により特定された1つ以上のネットワークNWのうち、QoS制御の対象となる制御対象のネットワークNWにQoS制御を開始させる制御処理を、実行する。
【0112】
このように、本実施形態では、端末装置200から開始要求REQs1を取得した管理装置100が、端末装置200と接続中のネットワークNWのうちの適切なネットワークNWにQoS制御を開始させる制御処理を、実行する。従って、本実施形態では、端末装置200は、通信サービスを提供する通信事業者に拘わらず、管理装置100に開始要求REQs1を送信することにより、端末装置200と接続中のネットワークNWのうちの適切なネットワークNWにQoS制御を開始させることができる。すなわち、開始要求REQs1の送信先は、アプリケーションプログラムがインストールされる端末装置200が接続されるネットワークNWを管理する通信事業者に拘わらず、管理装置100である。この結果、本実施形態では、1又は複数の通信事業者が管理する複数のネットワークNWのいずれに対しても、QoS制御の実行を要求できるアプリケーションプログラムを作成する場合に、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
【0113】
さらに、本実施形態では、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWから、QoS制御の開始の要求先として適切なネットワークNW(制御対象のネットワークNW)を管理装置100が選択する。このため、例えば、複数のネットワークNWに同時に接続可能な端末装置200にインストールされるアプリケーションプログラムがQoS制御の開始を要求する場合に、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
【0114】
また、本実施形態では、特定部130は、所定期間(第1タイミングT1から所定時間TP経過するまでの期間)内に取得部120により取得された端末情報TEINFに基づいて、端末装置200と接続中の1つ以上のネットワークNWを特定してもよい。この場合、特定部130は、所定期間内に取得部120により取得された端末情報TEINFに基づいて、端末装置200と接続中の1つ以上のネットワークNWが複数のネットワークNWであるか否かを容易に判定できる。
【0115】
また、本実施形態では、制御処理は、端末装置200と接続中の1つ以上のネットワークNWが複数のネットワークNWである場合、複数の品質モードのうちの開始要求REQs1により示される品質モードに基づいて、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうちの一部又は全部を、制御対象のネットワークNWとして選択する処理を含んでもよい。この場合、サービス管理部140は、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうち、開始要求REQs1により指定される品質モードに適したネットワークNWを、制御対象のネットワークNWとして選択することができる。
【0116】
例えば、サービス管理部140は、開始要求REQs1により示される品質モードが低遅延モードである場合、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうちの1つのネットワークNWを制御対象のネットワークNWとして選択してもよい。この場合、制御対象外のネットワークNWが端末装置200に対するQoS制御を実行しないため、不要なQoS制御が実行されることを抑制することができる。
【0117】
また、例えば、サービス管理部140は、開始要求REQs1により示される品質モードが低遅延モードである場合、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうち、通信品質が最も高いネットワークNWを、制御対象のネットワークNWとして選択してもよい。この場合、制御対象のネットワークNWにより、低遅延モードのQoSを端末装置200に適切に提供することができる。
【0118】
また、例えば、サービス管理部140は、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうちの制御対象のネットワークNW以外のネットワークNW(制御対象外のネットワークNW)と端末装置200との間の通信を切断する処理を実行してもよい。この場合、ネットワークシステム10の空き(より詳細には、制御対象外のネットワークNWのリソースの空き)を増やすことができる。
【0119】
また、例えば、サービス管理部140は、開始要求REQs1により示される品質モードが大容量モードである場合、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうちの全部を、制御対象のネットワークNWとして選択してもよい。この場合、制御対象のネットワークNWにより、大容量モードのQoSを端末装置200に適切に提供することができる。
【0120】
また、例えば、サービス管理部140は、開始要求REQs1により示される品質モードが大容量モードである場合、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうち、通信品質が所定のレベル以上のネットワークNWを制御対象のネットワークNWとして選択してもよい。そして、サービス管理部140は、制御対象外のネットワークNWと端末装置200との間の通信を切断する処理を実行してもよい。この場合においても、制御対象のネットワークNWにより、大容量モードのQoSを端末装置200に適切に提供することができる。さらに、制御対象外のネットワークNWと端末装置200との間の通信が切断される場合、ネットワークシステム10の空き(より詳細には、制御対象外のネットワークNWのリソースの空き)を増やすことができる。
【0121】
[2.変形例]
本発明は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
【0122】
[第1変形例]
上述した実施形態では、端末装置200と接続中のネットワークNW毎に端末装置200が開始要求REQs1及び端末情報TEINFを送信する場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、端末装置200は、開始要求REQs1及び端末情報TEINFを管理装置100に送信してから所定時間経過するまで、端末情報TEINFを管理装置100にランダムに送信してもよい。この場合においても、管理装置100の特定部130は、所定期間内に取得部120により取得された端末情報TEINFに基づいて、端末装置200と接続中のネットワークNWを特定する。所定期間は、例えば、取得部120が開始要求REQs1を端末装置200から取得した第1タイミングT1から所定時間TP経過するまでの期間である。なお、端末装置200が端末情報TEINFを管理装置100にランダムに送信する期間に対応する所定時間は、所定時間TPと同じ長さでもよいし、所定時間TPと異なる長さでもよい。
【0123】
図8は、第1変形例に係るネットワークシステム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図8に示す例では、
図6に示した例と同様に、複数の端末装置200のうち、ネットワークNWa及びNWbに同時に接続された一の端末装置200から開始要求REQs1が送信される場合を想定する。従って、
図8の説明においても、特に断りがない場合、端末装置200は、ネットワークNWa及びNWbに同時に接続された一の端末装置200を意味するものとする。また、
図8に示す例では、ステップS104以降の処理は、
図6に示した動作と同様であるため、説明を省略する。
【0124】
先ず、端末装置200の要求部220は、開始要求REQs1及び端末情報TEINFを、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWa及びNWbのいずれかを介して管理装置100に送信する。
図8に示す例では、開始要求REQs1等が、ネットワークNWa及びNWbのうちのネットワークNWaを介して端末装置200から送信される場合を想定する。従って、端末装置200の要求部220は、開始要求REQs1及び端末情報TEINFaを、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWa及びNWbのうちのネットワークNWaを介して管理装置100に送信する(S201)。これにより、管理装置100の取得部120は、端末装置200からネットワークNWaを介して管理装置100に送信された開始要求REQs1及び端末情報TEINFaを取得する(S100)。
【0125】
また、端末装置200の要求部220は、開始要求REQs1及び端末情報TEINFaをネットワークNWaを介して管理装置100に送信してから所定時間経過するまで、端末情報TEINFを管理装置100にランダムに送信する(S203)。例えば、端末装置200が複数のネットワークNWに接続している場合、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWから、端末情報TEINFの送信に用いられるネットワークNWがランダムに選択される。このため、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWのうち、互いに異なるネットワークNWを介して端末装置200から送信される複数の端末情報TEINFが、管理装置100に到達することが期待できる。
【0126】
図6において説明したように、端末装置200からネットワークNWaを介して管理装置100に送信される端末情報TEINFaには、例えば、ネットワークNWaを管理する通信事業者を識別するための情報が含まれる。同様に、端末装置200からネットワークNWbを介して管理装置100に送信される端末情報TEINFbには、例えば、ネットワークNWbを管理する通信事業者を識別するための情報が含まれる。
【0127】
管理装置100の取得部120は、開始要求REQs1を取得した第1タイミングT1から所定時間TP経過するまでの期間に、端末装置200から送信された端末情報TEINFa及びTEINFbを取得する(S103)。
【0128】
そして、管理装置100の特定部130は、複数のネットワークNWのうち、端末装置200と接続中のネットワークNWを、所定時間TP内に取得部120により取得された端末情報TEINFに基づいて、特定する(S104)。なお、特定部130は、第1タイミングT1から所定時間TP経過するまでの期間中に、端末情報TEINFを受信する度に、端末装置200と接続中のネットワークNWを端末情報TEINFに基づいて特定してもよい。
【0129】
第1変形例においても、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWから、QoS制御の開始の要求先として適切なネットワークNW(制御対象のネットワークNW)を管理装置100が選択するため、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0130】
[第2変形例]
上述した実施形態及び第1変形例において、管理装置100のサービス管理部140は、1又は複数の通信事業者に管理される複数のネットワークNWの各々の通信品質をモニタリングしたモニタリング結果を繰り返し取得してもよい。この場合、QoS利用判定情報は、モニタリング結果に基づいて更新されてもよい。そして、サービス管理部140は、端末装置200と接続中のネットワークNWから制御対象のネットワークNWをQoS利用判定情報に基づいて選択する処理を繰り返してもよい。すなわち、サービス管理部140は、特定部130により特定された、端末装置200と接続中の1つ以上のネットワークNWから、制御対象のネットワークNWを、モニタリング結果に基づいて選択する処理を、繰り返してもよい。なお、各ネットワークNWの通信品質のモニタリング結果は、各ネットワークNWから取得される。
【0131】
第2変形例においても、上述した実施形態及び第1変形例と同様の効果を得ることができる。さらに、第2変形例では、各ネットワークNWの通信品質をモニタリングしたモニタリング結果が、制御対象のネットワークNWの決定にフィードバックされる。すなわち、第2変形例では、制御対象のネットワークNWが、各ネットワークNWの通信品質(モニタリング結果)に応じて動的に変更される。この結果、第2変形例では、各ネットワークNWの通信品質が変化した場合においても、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWから、QoS制御を適切に実行可能なネットワークNW(制御対象のネットワークNW)を動的に選択することができる。
【0132】
[第3変形例]
上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例では、端末装置200が開始要求REQs1を管理装置100に送信する場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、端末装置200は、端末装置200と接続中の全てのネットワークNWの品質制御装置300に開始要求REQs1を送信してもよい。この場合、端末装置200から開始要求REQs1を受信した品質制御装置300は、開始要求REQs1を管理装置100に転送し、開始要求REQs1の折り返しとして開始要求REQs2を管理装置100から受信するまで、QoS制御の実行を待機する。
【0133】
例えば、管理装置100の特定部130は、開始要求REQs1を管理装置100に転送した品質制御装置300を含むネットワークNWを、端末装置200と接続中のネットワークNWとして特定する。そして、管理装置100のサービス管理部140は、端末装置200と接続中のネットワークNWから制御対象のネットワークNWを選択し、制御対象のネットワークNWの品質制御装置300に、開始要求REQs1の折り返しとして、開始要求REQs2を送信する。また、サービス管理部140は、制御対象外のネットワークNWの品質制御装置300が開始要求REQs1に応じたQoS制御を実行しないようにする情報(例えば、否定応答NACKs)を、制御対象外のネットワークNWの品質制御装置300に送信してもよい。
【0134】
第3変形例においても、複数のネットワークNWに同時に接続可能な端末装置200にインストールされるアプリケーションプログラムがQoS制御の開始を要求する場合に、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。但し、第3変形例では、通信事業者に合わせて開始要求REQs1の送信先が決定されるため、上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例と比べた場合には、アプリケーションプログラムが煩雑になる可能性がある。
【0135】
[第4変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第3変形例までの変形例では、制御対象のネットワークNWにQoS制御を開始させるための制御処理が、制御対象のネットワークNWに開始要求REQs2を送信する処理を含む場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
【0136】
例えば、上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例において、制御処理は、制御対象のネットワークNWに対して端末装置200がQoS制御を要求するために必要な事業者個別情報CAINFを、管理装置100が端末装置200に送信する処理を含んでもよい。この場合、端末装置200は、管理装置100から受信した事業者個別情報CAINFに基づいて、制御対象のネットワークNWに開始要求REQs2を送信する。この場合においても、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWから、QoS制御の開始の要求先として適切なネットワークNWを管理装置100が選択するため、上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例と同様の効果を得ることができる。
【0137】
また、例えば、上述した第3変形例において、品質制御装置300は、端末装置200から受信した開始要求REQs1に基づいて、QoS制御を実行可能か否かを判定できる場合、判定結果を管理装置100又は端末装置200に送信してもよい。具体的には、品質制御装置300は、開始要求REQs1に応じたQoS制御を実行可能である場合、QoS制御を実行可能であることを示す情報を管理装置100に送信し、開始要求REQs1に応じたQoS制御を実行可能でない場合、否定応答NACKsを端末装置200に送信してもよい。
【0138】
管理装置100のサービス管理部140は、QoS制御を実行可能であることを示す情報を送信した品質制御装置300を含むネットワークNWから制御対象のネットワークNWを選択する。そして、サービス管理部140は、制御対象のネットワークNWの品質制御装置300に、開始要求REQs1に応じたQoS制御の実行の待機を解除する情報を送信してもよい。また、サービス管理部140は、制御対象外のネットワークNWの品質制御装置300に、開始要求REQs1に応じたQoS制御を実行しないようにする情報(例えば、否定応答NACKs)を送信してもよい。この場合においても、端末装置200と接続中の複数のネットワークNWから、QoS制御の開始の要求先として適切なネットワークNWを管理装置100が選択するため、上述した第3変形例と同様の効果を得ることができる。
【0139】
[第5変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第4変形例までの変形例では、端末装置200が終了要求REQeを品質制御装置300に送信する場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、管理装置100のサービス管理部140は、端末装置200に関する所定の制御終了条件が満たされた場合、端末装置200に対するQoS制御の終了を要求する終了要求REQeを、制御対象のネットワークNWの品質制御装置300に送信してもよい。制御終了条件は、例えば、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムが異常終了することであってもよい。
【0140】
例えば、端末装置200は、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムが動作している期間中、端末識別情報を所定間隔で管理装置100に送信してもよい。端末識別情報の送信は、例えば、pingコマンドを実行することであってもよい。
【0141】
管理装置100のサービス管理部140は、例えば、端末装置200からの端末識別情報の送信が途絶えた場合、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムが異常終了したと認識し、制御終了条件が満たされたと判定してもよい。この場合、管理装置100のサービス管理部140は、端末装置200に対するQoS制御の終了を要求する終了要求REQeを、制御対象のネットワークNWの品質制御装置300に送信する。
【0142】
これにより、制御対象のネットワークNWの品質制御装置300は、終了要求REQeにより示される端末装置200に対するQoS制御を終了する。このように、管理装置100は、例えば、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムが異常終了した場合、端末装置200に対するQoS制御を終了させることができる。この場合、不要なQoS制御が継続されることを抑制することができる。
【0143】
あるいは、管理装置100のサービス管理部140は、例えば、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムが動作しているかを端末装置200に問い合わせることにより、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムが異常終了したか否かを判定してもよい。
【0144】
また、制御終了条件は、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムが異常終了することに限定されない。例えば、制御終了条件は、端末装置200が異常終了することを含んでもよいし、端末装置200と制御対象のネットワークNWとの接続が予め決められた処理が実行されずに切断されることを含んでもよい。
【0145】
第5変形例においても、上述した実施形態、及び、第1変形例から第4変形例までの変形例と同様の効果を得ることができる。さらに、第5変形例では、端末装置200に関する所定の制御終了条件が満たされた場合、端末装置200に対するQoS制御を終了させることができるため、不要なQoS制御が継続されることを抑制することができる。すなわち、第5変形例では、例えば、端末装置200に異常が発生した場合、制御対象のネットワークNWにおける通信サービスの品質を元の状態(端末装置200に対するQoS制御が実行される前の状態)に正常に戻すことができる。
【0146】
[第6変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第5変形例までの変形例では、特定部130により特定された通信事業者が仮想移動体通信事業者である場合については、特に説明していないが、通信事業者が仮想移動体通信事業者である場合、管理装置100は、例えば、以下に示す例のように動作してもよい。
【0147】
仮想移動体通信事業者により管理されるネットワークNWのQoS制御の実行の権限を、仮想移動体通信事業者が有する場合、管理装置100の動作は、上述した実施形態及び変形例の管理装置100の動作と同様である。
【0148】
また、仮想移動体通信事業者により管理されるネットワークNWのQoS制御の実行の権限を他の通信事業者が有する場合、管理装置100は、例えば、仮想移動体通信事業者を識別するための事業者識別情報と開始要求REQs2とを、他の通信事業者の品質制御装置300に送信してもよい。他の通信事業者は、例えば、ネットワークNWを仮想移動体通信事業者に貸し出している移動体通信事業者である。また、事業者識別情報は、例えば、仮想移動体通信事業者のAPNであってもよい。他の通信事業者の品質制御装置300は、事業者識別情報及び開始要求REQs2に基づいて、QoS制御を実行するかを決定してもよい。また、仮想移動体通信事業者の所定の装置が、例えば、他の通信事業者の品質制御装置300にQoS制御を実行するかを問い合わせてもよい。
【0149】
第6変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。
【0150】
[第7変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第6変形例までの変形例では、通信サービスが海外ローミングにより提供される場合については、特に説明していないが、通信サービスが海外ローミングにより提供される場合、管理装置100は、上述した実施形態及び変形例と同様に動作してもよい。但し、管理装置100又は端末装置200は、通信サービスが海外ローミングにより提供されているか否かを判定し、判定結果に基づいて、QoS制御の開始を要求するか否かを判定してもよい。あるいは、品質制御装置300は、通信サービスが海外ローミングにより提供されているか否かを判定し、判定結果に基づいて、QoS制御を実行するか否かを判定してもよい。以上、第7変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。
【0151】
[第8変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第7変形例までの変形例では、端末装置200が開始要求REQs1を管理装置100に送信する場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムを実行している端末装置200の通信先であるアプリケーション管理装置(
図1等には図示せず)が、端末装置200に対するQoS制御の開始要求REQs1と端末装置200に関する端末情報TEINFとを、管理装置100に送信してもよい。すなわち、管理装置100の取得部120は、端末装置200に対するQoS制御の開始要求REQs1と端末装置200に関する端末情報TEINFとを、アプリケーション管理装置から取得してもよい。この場合においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。
【0152】
また、管理装置100の取得部120は、第1タイミングT1から所定時間TP経過した後の期間においても、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムを実行している端末装置200に関する端末情報TEINFを、端末装置200又はアプリケーション管理装置から取得してもよい。そして、管理装置100のサービス管理部140は、第1タイミングT1から所定時間TP経過した後の期間において、端末情報TEINF(例えば、アプリケーション情報及びエリア情報等)に基づいて、制御対象のネットワークNWを変更してもよい。例えば、QoS制御を受けている端末装置200の位置が移動したことにより、制御対象のネットワークNWが変更されてもよい。この場合においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。
【0153】
[3.その他]
(1)上述した実施形態では、記憶装置(例えば、記憶装置160及び260)は、処理装置(例えば、処理装置110及び210)が読取可能な記録媒体であり、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網から送信されてもよい。
【0154】
(2)上述した実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0155】
(3)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0156】
(4)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0157】
(5)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0158】
(6)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0159】
(7)
図1等の図面に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0160】
また、通信装置170及び270は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置170及び270は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0161】
(8)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0162】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0163】
(9)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0164】
(10)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0165】
(11)上述した実施形態において、端末装置200は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0166】
(12)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0167】
(13)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0168】
(14)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0169】
(15)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0170】
(16)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0171】
(17)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0172】
(18)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0173】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0174】
10…ネットワークシステム、100…管理装置、110…処理装置、120…取得部、130…特定部、140…サービス管理部、160…記憶装置、170…通信装置、200…端末装置、210…処理装置、220…要求部、260…記憶装置、270…通信装置、280…入力装置、290…出力装置、300…品質制御装置。