(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】加工パス生成方法、レーザ加工システム、プログラム、および、レーザ加工方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/00 20140101AFI20240826BHJP
B23K 31/00 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
B23K26/00 M
B23K31/00 F
(21)【出願番号】P 2024536367
(86)(22)【出願日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 JP2024009567
【審査請求日】2024-06-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114787
【氏名又は名称】ヤマザキマザック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】片山 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】酒井 吉彦
(72)【発明者】
【氏名】小池 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】飯田 秀人
(72)【発明者】
【氏名】ミレビッチ アレキサンダー
【審査官】杉田 隼一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-101900(JP,A)
【文献】特開2023-025924(JP,A)
【文献】特開2017-091429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00
B23K 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1細長部材をモデリングした第1モデルと、第2細長部材をモデリングした第2モデルとを含む複数のモデルを準備する工程と、
前記第1細長部材と前記第2細長部材とが溶接されることとなる部分を第1溶接部と定義するとき、前記第1溶接部における前記第1細長部材と前記第2細長部材との第1位置合わせ形状としての第1形状を決定する工程と、
前記第1溶接部における溶接により生じる前記第1細長部材の第1縮み量を示す第1値を決定する工程と、
少なくとも前記第1形状および前記第1値に基づいて、前記第1モデルの形状を修正することにより、前記第1モデルから第1加工パス生成モデルを作成する工程と、
前記第1加工パス生成モデルに基づいて、前記第1細長部材を作製するための第1加工パスを生成する工程と
を具備する
加工パス生成方法。
【請求項2】
前記第1モデルのうちの前記第1溶接部に対応する部分を第1部分と定義するとき、前記第1モデルの形状を修正することは、
前記第1部分の形状を前記第1形状に整合する形状に変形することと、
少なくとも前記第1値に基づいて前記第1モデルの長さを増加させることと
を含む
請求項1に記載の加工パス生成方法。
【請求項3】
前記第1形状を決定する工程は、
ユーザインターフェースとしての入力装置が、前記第1形状を特定する第1入力を受け取ることと、
演算装置が、前記第1入力に基づいて、前記第1形状を決定することと
を含む
請求項1または2に記載の加工パス生成方法。
【請求項4】
前記第1値を決定する工程は、
ユーザインターフェースとしての入力装置が、前記第1値を特定する第2入力を受け取ることと、
演算装置が、前記第2入力に基づいて、前記第1値を決定することと
を含む
請求項1または2に記載の加工パス生成方法。
【請求項5】
前記第1値を決定する工程は、
前記入力装置が、前記第1値を特定する第2入力を受け取ることと、
前記演算装置が、前記第2入力に基づいて、前記第1値を決定することと
を含む
請求項3に記載の加工パス生成方法。
【請求項6】
前記第1溶接部における溶接により生じる前記第2細長部材の第2縮み量を示す第2値を決定する工程と、
少なくとも前記第1形状および前記第2値に基づいて、前記第2モデルの形状を修正することにより、前記第2モデルから第2加工パス生成モデルを作成する工程と、
前記第2加工パス生成モデルに基づいて、前記第2細長部材を作製するための第2加工パスを生成する工程と
を具備する
請求項
1または2に記載の加工パス生成方法。
【請求項7】
前記第1モデルは、第1壁と、前記第1壁に設けられた第1貫通孔部とを含み、
前記第1加工パス生成モデルは、前記第1壁に対応する第2壁と、前記第2壁に設けられ前記第1貫通孔部に対応する第2貫通孔部とを含み、
前記第1加工パスは、前記第2貫通孔部の位置、および、前記第2貫通孔部の形状に基づいて生成される穿孔加工パスを含む
請求項
1または2に記載の加工パス生成方法。
【請求項8】
前記第1加工パス生成モデルをディスプレイに表示する工程を具備する
請求項
1または2に記載の加工パス生成方法。
【請求項9】
前記第1加工パス生成モデルを前記ディスプレイに表示することは、前記第1モデルが表示されていた位置に、前記第1加工パス生成モデルを表示することを含む
請求項8に記載の加工パス生成方法。
【請求項10】
前記第1加工パス生成モデルをディスプレイに表示する工程を具備し、
前記ディスプレイに表示される前記第1加工パス生成モデルは、前記第1加工パス生成モデルと、前記第2モデルの形状を修正することにより作成された第2加工パス生成モデルとが重複する第1干渉部分を含む
請求項
1または2に記載の加工パス生成方法。
【請求項11】
前記複数のモデルが組み合わせられた組立体モデルをディスプレイに表示する工程と、
前記ディスプレイに表示された前記組立体モデルにおいて前記第1モデルが選択されることに応じて、前記ディスプレイに表示された前記組立体モデルの中で前記第1モデルを強調表示する工程と、
選択された前記第1モデルにおいて、前記第1溶接部に対応する部分が指定されることに応じて、前記第1形状を決定するための情報、および、前記第1値を決定するための情報のうちの少なくとも一方の入力を受け付ける画像を前記ディスプレイに表示する工程と
を具備する
請求項
1または2に記載の加工パス生成方法。
【請求項12】
前記第1細長部材と第3細長部材とが溶接されることとなる部分を第2溶接部と定義するとき、前記第2溶接部における前記第1細長部材と前記第3細長部材との第2位置合わせ形状としての第2形状を決定する工程と、
前記第2溶接部における溶接により生じる前記第1細長部材の第3縮み量を示す第3値を決定する工程と
を具備し、
前記第1加工パス生成モデルを作成する工程は、少なくとも前記第1形状、前記第1値、前記第2形状、および、前記第3値に基づいて、前記第1モデルの形状を修正することにより、前記第1モデルから前記第1加工パス生成モデルを作成することを含む
請求項
1または2に記載の加工パス生成方法。
【請求項13】
第1細長部材をモデリングした第1モデルと、第2細長部材をモデリングした第2モデルとを含む複数のモデルを準備する準備処理と、前記第1細長部材と前記第2細長部材とが溶接されることとなる部分を第1溶接部と定義するとき、前記第1溶接部における前記第1細長部材と前記第2細長部材との第1位置合わせ形状としての第1形状を決定する第1決定処理と、前記第1溶接部における溶接により生じる前記第1細長部材の第1縮み量を示す第1値を決定する第2決定処理と、少なくとも前記第1形状および前記第1値に基づいて、前記第1モデルの形状を修正することにより、前記第1モデルから第1加工パス生成モデルを作成する第1作成処理と、前記第1加工パス生成モデルに基づいて、前記第1細長部材を作製するための第1加工パスを生成する第1生成処理と、を実行する加工パス生成装置と、
少なくとも前記第1加工パスに基づいて作成される加工プログラムを実行することにより、制御指令を生成し、生成された前記制御指令をレーザ加工機に送信する制御装置と、
前記制御指令に基づいて動作し、第1細長ワークにレーザを照射することにより前記第1細長ワークから前記第1細長部材を作製する前記レーザ加工機と
を具備する
レーザ加工システム。
【請求項14】
請求項
1または2に記載の加工パス生成方法を加工パス生成装置またはレーザ加工システムに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
第1細長部材をモデリングした第1モデルと、第2細長部材をモデリングした第2モデルとを含む複数のモデルを準備する工程と、
前記第1細長部材と前記第2細長部材とが溶接されることとなる部分を第1溶接部と定義するとき、前記第1溶接部における前記第1細長部材と前記第2細長部材との第1位置合わせ形状としての第1形状を決定する工程と、
前記第1溶接部における溶接により生じる前記第1細長部材の第1縮み量を示す第1値を決定する工程と、
少なくとも前記第1形状および前記第1値に基づいて、前記第1モデルの形状を修正することにより、前記第1モデルから第1加工パス生成モデルを作成する工程と、
前記第1加工パス生成モデルに基づいて、前記第1細長部材を作製するための第1加工パスを生成する工程と、
少なくとも前記第1加工パスに基づいて、加工プログラムを作成する工程と、
前記加工プログラムを実行する制御装置が、制御指令を生成する工程と、
前記制御指令を受信するレーザ加工機が第1細長ワークにレーザを照射することにより、前記第1細長ワークから前記第1細長部材を作製する工程と
を具備する
レーザ加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工パス生成方法、レーザ加工システム、プログラム、および、レーザ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第1部材を第2部材に溶接する際に、第1部材を第2部材に対して位置決めする位置決め治具を用いる技術が知られていている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、位置決め治具が開示されている。特許文献1に記載の位置決め治具は、床小梁がセットされる梁セット部と、受け金具がセットされる受け金具セット部と、床小梁の長手方向に受け金具セット部を案内する案内部と、受け金具セット部を床小梁の長手方向に位置決めする複数の位置決めピンを有する位置決め部材と、位置決め部材を着脱可能に取り付ける取付ピンと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、溶接縮み量を加味して細長部材を作製するための加工パスを生成することを可能にする加工パス生成方法、レーザ加工システム、プログラム、および、レーザ加工方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、他の細長部材に対する位置合わせが容易な細長部材を作製するための加工パスを生成することを可能にする加工パス生成方法、レーザ加工システム、プログラム、および、レーザ加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態における加工パス生成方法は、第1細長部材をモデリングした第1モデルと、第2細長部材をモデリングした第2モデルとを含む複数のモデルを準備する工程と、前記第1細長部材と前記第2細長部材とが溶接されることとなる部分を第1溶接部と定義するとき、前記第1溶接部における前記第1細長部材と前記第2細長部材との第1位置合わせ形状としての第1形状を決定する工程と、前記第1溶接部における溶接により生じる前記第1細長部材の第1縮み量を示す第1値を決定する工程と、少なくとも前記第1形状および前記第1値に基づいて、前記第1モデルの形状を修正することにより、前記第1モデルから第1加工パス生成モデルを作成する工程と、前記第1加工パス生成モデルに基づいて、前記第1細長部材を作製するための第1加工パスを生成する工程と、を具備する。
【0007】
いくつかの実施形態におけるレーザ加工システムは、第1細長部材をモデリングした第1モデルと、第2細長部材をモデリングした第2モデルとを含む複数のモデルを準備する準備処理と、前記第1細長部材と前記第2細長部材とが溶接されることとなる部分を第1溶接部と定義するとき、前記第1溶接部における前記第1細長部材と前記第2細長部材との第1位置合わせ形状としての第1形状を決定する第1決定処理と、前記第1溶接部における溶接により生じる前記第1細長部材の第1縮み量を示す第1値を決定する第2決定処理と、少なくとも前記第1形状および前記第1値に基づいて、前記第1モデルの形状を修正することにより、前記第1モデルから第1加工パス生成モデルを作成する第1作成処理と、前記第1加工パス生成モデルに基づいて、前記第1細長部材を作製するための第1加工パスを生成する第1生成処理と、を実行する加工パス生成装置と、少なくとも前記第1加工パスに基づいて作成される加工プログラムを実行することにより、制御指令を生成し、生成された前記制御指令をレーザ加工機に送信する制御装置と、前記制御指令に基づいて動作し、第1細長ワークにレーザを照射することにより前記第1細長ワークから前記第1細長部材を作製する前記レーザ加工機と、を具備する。
【0008】
いくつかの実施形態におけるプログラムは、上述の加工パス生成方法を加工パス生成装置またはレーザ加工システムに実行させるためのプログラムである。
【0009】
いくつかの実施形態におけるレーザ加工方法は、第1細長部材をモデリングした第1モデルと、第2細長部材をモデリングした第2モデルとを含む複数のモデルを準備する工程と、前記第1細長部材と前記第2細長部材とが溶接されることとなる部分を第1溶接部と定義するとき、前記第1溶接部における前記第1細長部材と前記第2細長部材との第1位置合わせ形状としての第1形状を決定する工程と、前記第1溶接部における溶接により生じる前記第1細長部材の第1縮み量を示す第1値を決定する工程と、少なくとも前記第1形状および前記第1値に基づいて、前記第1モデルの形状を修正することにより、前記第1モデルから第1加工パス生成モデルを作成する工程と、前記第1加工パス生成モデルに基づいて、前記第1細長部材を作製するための第1加工パスを生成する工程と、少なくとも前記第1加工パスに基づいて、加工プログラムを作成する工程と、前記加工プログラムを実行する制御装置が、制御指令を生成する工程と、前記制御指令を受信するレーザ加工機が第1細長ワークにレーザを照射することにより、前記第1細長ワークから前記第1細長部材を作製する工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、溶接縮み量を加味して細長部材を作製するための加工パスを生成することを可能にする加工パス生成方法、レーザ加工システム、プログラム、および、レーザ加工方法を提供することができる。また、本発明により、他の細長部材に対する位置合わせが容易な細長部材を作製するための加工パスを生成することを可能にする加工パス生成方法、レーザ加工システム、プログラム、および、レーザ加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1の実施形態におけるレーザ加工システムを模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、加工パス生成装置がCAD装置から複数のモデルの形状データを受け取る様子を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、第1細長部材、第2細長部材、および、第3細長部材の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図4】
図4は、加工パス生成装置の一例を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、加工パス生成装置の一例を模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、加工パス生成装置の一例を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態におけるレーザ加工システムを模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【
図10】
図10は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【
図11】
図11は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【
図12】
図12は、第1加工パス生成モデルと第2加工パス生成モデルとが位置合わせされた状態を模式的に示す図である。
【
図13】
図13は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【
図14】
図14は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【
図15】
図15は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【
図16】
図16は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【
図17】
図17は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【
図18】
図18は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【
図19】
図19は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【
図20】
図20は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【
図21】
図21は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【
図22】
図22は、加工パス生成装置の一例を模式的に示す図である。
【
図23】
図23は、第1の実施形態におけるレーザ加工システムを模式的に示す図である。
【
図24】
図24は、第1の実施形態におけるレーザ加工システムを模式的に示す図である。
【
図25】
図25は、第2の実施形態におけるレーザ加工方法の一例を示すフローチャートである。
【
図26】
図26は、プログラムを記録した不揮発性記憶媒体の一例を模式的に示す図である。
【
図27】
図27は、第1の実施形態におけるレーザ加工システム、あるいは、第2の実施形態におけるレーザ加工方法を用いて作製される複数の細長部材の一例を模式的に示す図である。
【
図28】
図28は、第1の実施形態におけるレーザ加工システム、あるいは、第2の実施形態におけるレーザ加工方法を用いて作製される複数の細長部材の一例を模式的に示す図である。
【
図29】
図29は、加工パス生成装置の一例を模式的に示す図である。
【
図30】
図30は、加工パス生成装置の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態における加工パス生成方法、レーザ加工システム100、プログラムP、および、レーザ加工方法について説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部位、部材については同一の符号を付し、同一の符号が付された部位、部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1乃至
図24を参照して、第1の実施形態におけるレーザ加工システム100Aについて説明する。
図1は、第1の実施形態におけるレーザ加工システム100Aを模式的に示す図である。
図2は、加工パス生成装置1AがCAD装置91から複数のモデルMの形状データDAを受け取る様子を模式的に示す図である。
図3は、第1細長部材Q1、第2細長部材Q2、および、第3細長部材Q3の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図4および
図5は、加工パス生成装置1Aの一例を模式的に示す図である。
図6は、
図5の一部分を拡大して示す図である。
図7は、加工パス生成装置1Aの一例を模式的に示す図である。
図8は、第1の実施形態におけるレーザ加工システム100Aを模式的に示す図である。
図9、
図10、
図11、および、
図13は、ディスプレイ5に表示される画像の例を示す図である。
図12は、第1加工パス生成モデルG1と第2加工パス生成モデルG2とが位置合わせされた状態を模式的に示す図である。
図14乃至
図21は、ディスプレイ5に表示される画像の例を示す図である。
図22は、加工パス生成装置1Aの一例を模式的に示す図である。
図23は、第1の実施形態におけるレーザ加工システム100Aを模式的に示す図である。
図24は、第1の実施形態におけるレーザ加工システム100Aを模式的に示す図である。
【0014】
図1に例示されるように、レーザ加工システム100Aは、加工パス生成装置1Aと、制御装置7と、レーザ加工機101と、を備える。
【0015】
加工パス生成装置1Aは、細長ワークWから細長部材Qを作製するための加工パスを生成する。なお、本明細書において、加工パスとは、レーザまたは工具が、細長ワークWを加工する経路を意味する。
【0016】
制御装置7は、加工パスに基づいて作成される加工プログラムを実行することにより、制御指令SAを生成し、生成された制御指令SAをレーザ加工機101に送信する。
【0017】
レーザ加工機101は、制御指令SAに基づいて動作し、細長ワークWにレーザを照射することにより細長ワークWから細長部材Qを作製する。
【0018】
図2に記載の例では、加工パス生成装置1A(例えば、CAD/CAM装置10a)は、演算装置2と、メモリ3と、入力装置4と、ディスプレイ5と、通信回路6と、を有する。入力装置4は、キーボード4kを含んでいてもよいし、マウス等のポインティングデバイス4pを含んでいてもよいし、タッチパネル付きディスプレイのタッチパネルを含んでいてもよい。
【0019】
図3には、第1細長部材Q1、第2細長部材Q2、および、第3細長部材Q3の一例が示されている。加工パス生成装置1Aは、第1細長部材Q1をモデリングした第1モデルM1(
図2を参照。)、および、第2細長部材Q2をモデリングした第2モデルM2(
図2を参照。)を含む複数のモデルMを準備する処理(以下、「準備処理」という。)を実行する。
【0020】
第1モデルM1は、第1細長部材Q1の基礎的形状に対応する形状を有する。換言すれば、第1モデルM1は、第1細長部材Q1の形状モデルである。第2モデルM2は、第2細長部材Q2の基礎的形状に対応する形状を有する。換言すれば、第2モデルM2は、第2細長部材Q2の形状モデルである。準備処理において準備される複数のモデルMには、第3細長部材Q3をモデリングした第3モデルM3が含まれていてもよい。第3モデルM3は、第3細長部材Q3の基礎的形状に対応する形状を有する。換言すれば、第3モデルM3は、第3細長部材Q3の形状モデルである。
【0021】
図2には、準備処理によって準備された複数のモデルMがディスプレイ5に表示された状態が示されている。
【0022】
準備処理は、例えば、演算装置2が、複数のモデルMの形状データDAを読み出すことを含む。より具体的には、準備処理は、メモリ3に記憶されたプログラムPを実行する演算装置2が、複数のモデルMの形状データDAを含むファイルFをメモリ3から読み出すことを含む。代替的に、あるいは、付加的に、準備処理は、
図2に例示されるように、演算装置2が、複数のモデルMをディスプレイ5に表示させることを含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、準備処理は、演算装置2によって実行されるソフトウェア(例えば、CADソフト)を用いて、複数のモデルMを作成することを含んでいてもよい。
【0023】
複数のモデルMの形状データDAには、第1モデルM1の形状データDA1と、第2モデルM2の形状データDA2とが含まれている。付加的に、複数のモデルMの形状データDAには、第3モデルM3の形状データDA3が含まれていてもよい。
【0024】
図2に記載の例では、複数のモデルMの形状データDA(より具体的には、第1モデルM1の形状データDA1、第2モデルM2の形状データDA2、第3モデルM3の形状データ)がメモリ3に記憶されている。
【0025】
複数のモデルMの形状データDAは、加工パス生成装置1Aとは別のCAD装置91によって作成されてもよい。この場合、加工パス生成装置1Aは、CAD装置91から複数のモデルMの形状データDAを受信する。また、加工パス生成装置1Aは、受信した複数のモデルMの形状データDAをメモリ3に記憶する。代替的に、加工パス生成装置1Aは、USBメモリ等の可搬式メモリから複数のモデルMの形状データDAを受け取り、受け取った複数のモデルMの形状データDAをメモリ3に記憶してもよい。
【0026】
代替的に、複数のモデルMの形状データDAは、加工パス生成装置1Aによって作成されてもよい。例えば、演算装置2によって実行されるソフトウェア(例えば、CADソフト)を用いて、複数のモデルMが作成されてもよい。作成された複数のモデルMの形状データDAは、メモリ3に記憶される。
【0027】
図3に例示されるように、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが溶接されることとなる部分(矢印AR1が指す一点鎖線で囲まれた部分を参照。)を第1溶接部T1と定義する。また、第1細長部材Q1と第3細長部材Q3とが溶接されることとなる部分(矢印AR2が指す一点鎖線で囲まれた部分を参照。)を第2溶接部T2と定義する。
【0028】
図4に例示されるように、加工パス生成装置1Aは、第1溶接部T1における第1細長部材Q1と第2細長部材Q2との位置合わせ形状(以下、「第1位置合わせ形状」という。)としての第1形状HD1を決定する処理(以下、「第1決定処理」という。)を実行する。
図4に記載の例では、ディスプレイ5に第1形状HD1が表示されている。
図4に記載の例では、入力装置4を介して第1形状HD1の承認操作が行われることに応じて(例えば、ディスプレイ5に表示された第1ボタンBN1がマウス等のポインティングデバイスを用いてクリックされることに応じて)、加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2)は、第1溶接部T1における第1細長部材Q1と第2細長部材Q2との第1位置合わせ形状としての第1形状HD1を決定する。また、第1形状HD1が決定されることに応じて、演算装置2は、第1形状HD1を特定する形状特定データDsをメモリ3に記憶させる(
図7を参照。)。
【0029】
代替的に、第1形状HD1の決定は、演算装置2によって自動的に行われてもよい。例えば、第1決定処理は、第1モデルM1の形状、第2モデルM2の形状、および、第1モデルM1と第2モデルM2との間の配置関係に基づいて、演算装置2が第1形状HD1を自動的に決定することを含んでいてもよい。
【0030】
図4に例示されるように、加工パス生成装置1Aは、第1溶接部T1における溶接により生じる第1細長部材Q1の縮み量(以下、「第1縮み量」という。)を示す第1値V1を決定する処理(以下、「第2決定処理」という。)を実行する。
図4に記載の例では、ディスプレイ5に第1値V1が表示されている。第1値V1は、例えば、入力装置4を介して入力または選択された値である。
図4に記載の例では、入力装置4を介して第1値V1の承認操作が行われることに応じて(例えば、ディスプレイ5に表示された第2ボタンBN2がマウス等のポインティングデバイスを用いてクリックされることに応じて)、加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2)は、第1溶接部T1における溶接により生じる第1細長部材Q1の第1縮み量を示す第1値V1を決定する。また、第1値V1が決定されることに応じて、演算装置2は、第1値V1をメモリ3に記憶させる(
図7を参照。)。
【0031】
代替的に、第1値V1は、演算装置2によって自動的に決定されてもよい。例えば、第2決定処理は、演算装置2が、第1モデルM1の寸法、および/または、第1細長部材Q1の材質に基づいて、第1溶接部T1における溶接により生じる第1細長部材Q1の第1縮み量を示す第1値V1を自動的に決定することを含んでいてもよい。また、第2決定処理は、演算装置2が、第1細長部材Q1に関するデータ(例えば、第1細長部材Q1をモデリングした第1モデルM1の寸法、第1細長部材Q1の材質)と、溶接条件(例えば、溶接長さ、溶接部の脚長、連続的な溶接であるか断続的な溶接であるか、溶接材の材質、溶接手法(例えば、アーク溶接、レーザ溶接等))とに基づいて、第1溶接部T1における溶接により生じる第1細長部材Q1の第1縮み量を示す第1値V1を自動的に決定することを含んでいてもよい。
【0032】
加工パス生成装置1Aは、少なくとも第1形状HD1および第1値V1に基づいて、第1モデルM1の形状を修正することにより、第1モデルM1(
図4を参照。)から第1加工パス生成モデルG1(
図5を参照。)を作成する処理(以下、「第1作成処理」という。)を実行する。第1加工パス生成モデルG1が作成されることに応じて、演算装置2は、第1加工パス生成モデルG1の形状データDB1をメモリ3に記憶させる(
図7を参照。)。
【0033】
図4および
図5に記載の例では、第1作成処理は、少なくとも第1値V1に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることを含む処理を実行することにより、第1モデルM1(
図4を参照。)から第1加工パス生成モデルG1(
図5を参照。)を作成することを含む。
【0034】
図4および
図5に記載の例では、第1作成処理は、少なくとも第1形状HD1に基づいて、第1モデルM1のうちの第1溶接部T1に対応する部分(以下、「第1部分R1」という。)の形状を第1形状HD1に整合する形状に修正することを含む処理を実行することにより、第1モデルM1(
図4を参照。)から第1加工パス生成モデルG1(
図5を参照。)を作成することを含む。なお、第1形状HD1に整合する形状とは、第1形状HD1に一致する形状、または、第1形状HD1に類似する形状(例えば、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2との間の遊びが確保されるように第1形状HD1が微修正された形状)を意味する。
【0035】
加工パス生成装置1Aは、第1加工パス生成モデルG1に基づいて、第1細長部材Q1を作製するための第1加工パスを生成する処理(以下、「第1生成処理」という。)を実行する。なお、第1加工パスとは、第1細長ワークW1から第1細長部材Q1が作製されるように、レーザまたは工具が第1細長ワークW1を加工する経路(例えば、第1細長ワークW1から第1細長部材Q1が作製されるように、レーザヘッド111が第1細長ワークW1に対して相対移動する経路)を意味する。なお、
図8に例示されるように、レーザ加工機101が、切削工具141等の工具を保持する加工ヘッド140を有する場合には、第1加工パスは、レーザが第1細長ワークW1を加工する経路と、切削工具141等の工具が第1細長ワークW1を加工する経路との両方を含んでいてもよい。演算装置2は、生成された第1加工パスを示す第1加工パスデータDP1を、メモリ3に記憶させる(
図7を参照。)。
【0036】
加工パス生成装置1Aあるいは制御装置7は、少なくとも第1加工パスに基づいて、加工プログラムPGを作成する。また、制御装置7は、加工プログラムPGを実行することにより、制御指令SAを生成する。制御装置7は、生成された制御指令SAをレーザ加工機101に送信する(
図8を参照。)。
【0037】
レーザ加工機101は、制御指令SAに基づいて動作し、第1細長ワークW1にレーザを照射することにより第1細長ワークW1から第1細長部材Q1を作製する。
【0038】
第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが第1溶接部T1において溶接されると、第1細長部材Q1および第2細長部材Q2の各々の長さが、元の長さよりも短くなる。換言すれば、第1細長部材Q1は、第1溶接部T1における溶接縮みに起因して、長さが短くなる。また、第2細長部材Q2は、第1溶接部T1における溶接縮みに起因して、長さが短くなる。
【0039】
第1の実施形態におけるレーザ加工システム100Aでは、溶接縮みが加味されて、第1加工パス生成モデルG1が作成され、当該第1加工パス生成モデルG1に基づいて、第1加工パスが生成される。また、少なくとも第1加工パスに基づいて加工プログラムPGが作成される。よって、加工プログラムPGに基づいてレーザ加工機101によって作製された第1細長部材Q1が第2細長部材Q2に溶接されると、当該第1細長部材Q1の長さは、第1溶接部T1における溶接縮みによって、過大な長さから適度な長さに低減される。こうして、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とを第1溶接部T1において溶接することを含む手順に基づいて作製される組立体が所望の形状となる。
【0040】
また、第1の実施形態におけるレーザ加工システム100Aでは、第1位置合わせ形状としての第1形状HD1に基づいて第1モデルM1が修正されることにより、第1モデルM1から第1加工パス生成モデルG1が作成され、当該第1加工パス生成モデルG1に基づいて、第1加工パスが生成される。よって、レーザ加工機101によって作製された第1細長部材Q1を、第2細長部材Q2に位置合わせするのが容易となる。よって、溶接用の位置決め治具を省略することができるか、あるいは、位置決め治具の数を低減することができる。
【0041】
(任意付加的な構成)
続いて、
図1乃至
図24を参照して、第1の実施形態におけるレーザ加工システム100Aにおいて採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0042】
(加工パス生成装置1A)
加工パス生成装置1Aは、少なくとも1台のコンピュータを含む。加工パス生成装置1Aは、CAD/CAM装置10aを含んでいてもよい。なお、CADは、「Computer Aided Design」の略語であり、CAMは、「Computer Aided Manufacturing」の略語である。CAD/CAM装置10aは、部品図面を作成可能であり、作成された部品図面に基づいて加工パス(例えば、第1加工パス)を生成可能である。
【0043】
図2に記載の例では、加工パス生成装置1A(例えば、CAD/CAM装置10a)は、演算装置2と、メモリ3と、入力装置4と、ディスプレイ5と、通信回路6と、を備える。
【0044】
演算装置2は、少なくとも1つのプロセッサ2a(例えば、少なくとも1つのCPU)を含む。
図2に記載の例では、加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2)は、メモリ3に記憶されたプログラムPを実行することにより、演算装置2を、加工パス生成モデル作成部21、および、加工パス生成部23として機能させる。
【0045】
メモリ3は、演算装置2によって読み取り可能な記憶媒体である。メモリ3は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリであってもよいし、磁気ディスクであってもよいし、その他の形式のメモリであってもよい。メモリ3は、プログラムP、および、データを記憶する。
【0046】
メモリ3は、複数の場所に分散配置されていてもよい。例えば、データを記憶するメモリが、プログラムPを記憶するメモリとは、別に設けられていてもよい。メモリ3は、ネットワークを介してアクセス可能なクラウドストレージを含んでいてもよい。
【0047】
入力装置4は、キーボード4kを含んでいてもよいし、マウス等のポインティングデバイス4pを含んでいてもよいし、その他のデバイス(例えば、ディスプレイ5上のタッチパネル)を含んでいてもよい。
【0048】
図2に記載の例では、演算装置2と、メモリ3と、入力装置4と、ディスプレイ5と、通信回路6とは、バス15を介して互いに接続されている。
【0049】
図1に記載の例では、加工パス生成装置1Aは、制御装置7とは別の装置である。代替的に、制御装置7が加工パス生成装置1Aとして機能してもよい。更に代替的に、CAD/CAM装置10aと制御装置7とが協働して加工パス生成装置1Aとして機能してもよく、CAD/CAM装置10aとCAD装置91とが協働して加工パス生成装置1Aとして機能してもよい。また、CAD/CAM装置10aと、制御装置7と、CAD装置91とが協働して加工パス生成装置1Aとして機能してもよい。
【0050】
(第1モデルM1の形状の修正)
図4および
図6に記載の例では、第1モデルM1の形状を修正することは、(1)第1部分R1(換言すれば、第1モデルM1のうちの第1溶接部T1に対応する部分)の形状を第1形状HD1に整合する形状HB1(
図6を参照。)に変形することと、(2)少なくとも第1値V1に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることと、を含む。
【0051】
換言すれば、上述の第1作成処理は、第1部分R1の形状をオリジナル形状HA1(
図4を参照。)から第1形状HD1に整合する形状HB1(
図6を参照。)に変形し、且つ、少なくとも第1値V1に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることにより、第1モデルM1から第1加工パス生成モデルG1を作成することを含む。
【0052】
より具体的には、少なくとも第1値V1に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることは、第1モデルM1の長さを、少なくとも第1値V1だけ増加させることを含む。第1細長部材Q1における溶接部が第1溶接部T1のみである場合には、少なくとも第1値V1に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることは、第1モデルM1の長さを、第1値V1だけ増加させることを含む。後述されるように、第1細長部材Q1における溶接部が第1溶接部T1および第2溶接部T2である場合には、少なくとも第1値V1に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることは、第1モデルM1の長さを、第1値V1および後述の第3値V3の合計値だけ増加させることを含む。
【0053】
(第1画像IM1)
図9および
図10(あるいは、
図16および
図17)に記載の例において、演算装置2(より具体的には、加工パス生成モデル作成部21)は、ディスプレイ5に、第1画像IM1を表示させる処理(以下、「第1表示処理」という。)を実行する。より具体的には、演算装置2がメモリ3に記憶されたプログラムPを実行することにより、演算装置2は、ディスプレイ5に、第1画像IM1を表示させる。第1画像IM1に含まれる各画像については、後述される。
【0054】
(第1形状HD1の決定)
上述の第1決定処理(換言すれば、第1形状HD1を決定する第1決定処理)は、入力装置4がユーザからの第1入力を受け取ることと、第1入力に基づいて、演算装置2が、第1溶接部T1における第1細長部材Q1と第2細長部材Q2との第1位置合わせ形状としての第1形状HD1を決定することと、を含んでいてもよい。
【0055】
図9および
図10(あるいは、
図16および
図17)に記載の例では、演算装置2は、ディスプレイ5に、第1形状HD1を特定する第1入力を受け付ける画像IG1(より具体的には、第1欄C1、および/または、第2欄C2)を表示させる。
【0056】
図9および
図10(あるいは、
図16および
図17)に記載の例では、第1画像IM1が、第1形状HD1を特定する第1入力を受け付ける画像IG1(より具体的には、第1欄C1、および/または、第2欄C2)を含む。第1画像IM1は、第1モデルM1の形状を示す画像を含んでいてもよい。また、第1画像IM1は、第2モデルM2の形状を示す画像を含んでいてもよい。更に、第1画像IM1は、第3モデルM3の形状を示す画像を含んでいてもよい(
図16および
図17を参照。)。
【0057】
図9(あるいは、
図16)に記載の例では、第1入力を受け付ける画像IG1(より具体的には、第1欄C1)は、形状タイプの第1候補E1を示す画像と、形状タイプの第2候補E2を示す画像とを含む。第1候補E1は、例えば、第1タイプのインロー形状を有する。第2候補E2は、例えば、第2タイプのインロー形状を有する。なお、本明細書において、インロー形状とは、凸部が凹部に嵌まる場合における凸部と凹部との境界形状を意味するものとする。
【0058】
図10(あるいは、
図17)に記載の例では、第1入力を受け付ける画像IG1は、第1形状HD1の寸法が入力される第2欄C2を含む。
【0059】
図9(あるいは、
図16)に記載の例では、形状タイプの複数の候補の中から入力装置4を介して第1候補E1が選択されることに応じて、演算装置2(より具体的には、加工パス生成モデル作成部21)は、第1形状HD1の形状タイプとして、第1候補E1が示す形状タイプを採用する。
図10(あるいは、
図17)に記載の例では、第1形状HD1の寸法が入力装置4を介して入力されることに応じて、演算装置2(より具体的には、加工パス生成モデル作成部21)は、入力された寸法に基づいて第1形状HD1を決定する。
【0060】
より具体的には、
図9および
図10(あるいは、
図16および
図17)に記載の例では、形状タイプの複数の候補の中から入力装置4を介して第1候補E1が選択され、且つ、第1形状HD1の寸法が入力装置4を介して入力されることに応じて、演算装置2は、選択された第1候補E1と、入力された寸法とに基づいて、第1形状HD1を決定する。
【0061】
図13に記載の例では、形状タイプの複数の候補の中から入力装置4を介して第2候補E2が選択され、且つ、第1形状HD1の寸法が入力装置4を介して入力されることに応じて、演算装置2は、選択された第2候補E2と、入力された寸法とに基づいて、第1形状HD1を決定する。
【0062】
(第1値V1の決定)
上述の第2決定処理(換言すれば、第1値V1を決定する第2決定処理)は、入力装置4がユーザからの第2入力(より具体的には、第1値V1を特定する第1データの入力)を受け取ることと、第2入力(より具体的には、第1値V1を特定する第1データの入力)に基づいて、演算装置2が、第1溶接部T1における溶接により生じる第1細長部材Q1の第1縮み量を示す第1値V1を決定することと、を含んでいてもよい。
【0063】
図9(あるいは、
図16)に記載の例では、演算装置2は、ディスプレイ5に、第2入力(より具体的には、第1値V1を特定する第1データの入力)を受け付ける画像IG2を表示させる。
図9(あるいは、
図16)に記載の例では、第1画像IM1が、第2入力を受け付ける画像IG2を含む。
【0064】
図9(あるいは、
図16)に例示されるように、第2入力を受け付ける画像IG2は、第1値V1を特定する第1データの入力を受け付ける第3欄C3を含んでいてもよい。
【0065】
第3欄C3は、ユーザが直接的に数字を入力する直接入力形式の入力欄であってもよい。代替的に、
図10に例示されるように、第3欄C3は、リストに表示される複数の数字の中から1つの数字を選択するように構成された選択形式の入力欄であってもよい。なお、第3欄C3に、第1値V1の推奨値Vcが表示されるようにしてもよい。推奨値Vcは、ユーザによって登録された値であってもよい。
【0066】
(第2画像IM2)
図11(あるいは、
図21)に記載の例において、演算装置2(より具体的には、加工パス生成モデル作成部21)は、ディスプレイ5に、第2画像IM2を表示させる処理(以下、「第2表示処理」という。)を実行する。より具体的には、演算装置2がメモリ3に記憶されたプログラムPを実行することにより、演算装置2は、ディスプレイ5に、第2画像IM2を表示させる。第2画像IM2に含まれる各画像については、後述される。
【0067】
(加工パス生成モデルの表示)
加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2)は、第1作成処理の実行によって作成された第1加工パス生成モデルG1を、ディスプレイ5に表示させる。
図11(あるいは、
図21)に記載の例では、第2画像IM2が、第1加工パス生成モデルG1の形状を示す画像を含む。
【0068】
図10および
図11(あるいは、
図17および
図21)に記載の例では、第2表示処理を実行する演算装置2(より具体的には、加工パス生成モデル作成部21)は、ディスプレイ5の第1モデルM1が表示されていた位置(
図10、あるいは、
図17を参照。)に、第1加工パス生成モデルG1(
図11、あるいは、
図21を参照。)を表示させることを含む。第1モデルM1が表示されていた位置に、第1加工パス生成モデルG1が表示されることにより、ユーザは、溶接縮みが加味された第1加工パス生成モデルG1が作成されたことを把握し易い。
【0069】
溶接縮みが加味された第1加工パス生成モデルG1が作成されたことを把握し易くする観点から、第1加工パス生成モデルG1をディスプレイ5に表示することは、第1モデルM1(
図10を参照。)に置換して、第1加工パス生成モデルG1(
図11を参照。)を表示することを含んでいてもよい。代替的に、第1加工パス生成モデルG1をディスプレイ5に表示することは、第1加工パス生成モデルG1と第1モデルM1とが重なるように、第1加工パス生成モデルG1と第1モデルM1とを同時に表示することを含んでいてもよい。
【0070】
図11に例示されるように、ディスプレイ5に表示される第1加工パス生成モデルG1は、第1加工パス生成モデルG1と修正された第2モデルM2(より具体的には、後述の第2加工パス生成モデルG2)とが重複する第1干渉部分RF1を含んでいてもよい。換言すれば、ディスプレイ5に表示される第1加工パス生成モデルG1は、第1加工パス生成モデルG1が、修正された第2モデルM2(より具体的には、後述の第2加工パス生成モデルG2)にめり込んだ第1干渉部分RF1を含んでいてもよい。
図11に記載の例では、第1加工パス生成モデルG1の端面の一部Geが、修正された第2モデルM2(より具体的には、後述の第2加工パス生成モデルG2)の内部に位置する。第1干渉部分RF1がディスプレイ5に表示されることにより、ユーザは、溶接縮みが加味された第1加工パス生成モデルG1が作成されたことを更に把握し易い。
【0071】
(組立体モデルAMの表示)
図9(あるいは、
図16)に記載の例では、第1表示処理を実行する演算装置2は、ディスプレイ5に、複数のモデルMが組み合わせられた組立体モデルAMを表示させる。
図9(あるいは、
図16)に記載の例では、組立体モデルAMは、第1モデルM1と第2モデルM2とを含む。
図9(あるいは、
図16)に記載の例では、ディスプレイ5に表示された第1モデルM1は、第1モデルM1と第2モデルM2とが重複する干渉部分を含んでいない(換言すれば、ディスプレイ5に表示された第1モデルM1は、第2モデルM2にめり込んでいない。)。
【0072】
図9に記載の例では、組立体モデルAMは、第1モデルM1と第2モデルM2とからなる2つのモデルが組み合わせられた組立体モデルである。
図16に記載の例では、組立体モデルAMは、第1細長部材Q1をモデリングした第1モデルM1、第2細長部材Q2をモデリングした第2モデルM2、および、第3細長部材Q3をモデリングした第3モデルM3を含む3個以上のモデルが組み合わせされた組立体モデルである。換言すれば、組立体モデルAMに含まれるモデルの数は、2個であってもよいし、3個であってもよいし、4個以上であってもよい。また、
図18に例示されるように、組立体モデルAMにおいて、第1モデルM1の形状の修正、および/または、第2モデルM2の形状の修正が反映されていてもよい。換言すれば、組立体モデルAMは、修正された第1モデルM1、および/または、修正された第2モデルM2を含んでいてもよい。
【0073】
図9に記載の例では、第1モデルM1の2次元形状(例えば、平面図形状)、および、第2モデルM2の2次元形状(例えば、平面図形状)の各々が、ディスプレイ5に表示されている。代替的に、
図16に例示されるように、第1モデルM1の3次元形状(例えば、斜視図形状)、および、第2モデルM2の3次元形状(例えば、斜視図形状)の各々が、ディスプレイ5に表示されてもよい。
【0074】
図14に記載の例では、演算装置2は、ディスプレイ5に、複数のモデルMが組み合わせられた組立体モデルAMを表示させる。
【0075】
図14および
図15に記載の例では、ディスプレイ5に表示された組立体モデルAMにおいて第1モデルM1が入力装置4を介して選択されることに応じて、演算装置2はディスプレイ5に強調表示指令を送信する。また、強調表示指令を受け取るディスプレイ5は、ディスプレイ5に表示された組立体モデルAMの中で第1モデルM1を強調表示する(
図15を参照。)。強調表示は、例えば、第1モデルM1の色を、組立体モデルAMの中の他のモデルの色と異なる色にすることにより行われる。
【0076】
入力装置4を介して選択された第1モデルM1において、第1溶接部T1に対応する部分(
図15における破線矢印AR3を参照。)が入力装置4を介して指定されることに応じて、演算装置2は、ディスプレイ5に、第1形状HD1を決定するための情報、および、第1値V1を決定するための情報のうちの少なくとも一方の入力を受け付ける画像(より具体的には、上述の第1画像IM1)を表示させる(
図16を参照。)。
【0077】
図16および
図17に記載の例では、演算装置2は、ディスプレイ5に、第1形状HD1を決定するための情報を受け付ける画像として、第1形状HD1を特定する第1入力を受け付ける画像IG1(より具体的には、第1欄C1、および/または、第2欄C2)を表示させる。また、
図16および
図17に記載の例では、演算装置2は、ディスプレイ5に、第1値V1を決定するための情報を受け付ける画像として、第1値V1を特定する第1データの入力を受け付ける画像IG2(より具体的には、第3欄C3)を表示させる。
【0078】
(第3決定処理)
図10(あるいは、
図17)に記載の例では、加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2の加工パス生成モデル作成部21)は、第1溶接部T1における溶接により生じる第2細長部材Q2の縮み量(以下、「第2縮み量」という。)を示す第2値V2を決定する処理(以下、「第3決定処理」という。)を実行する。
図10(あるいは、
図17)に記載の例では、ディスプレイ5に第2値V2が表示されている。第2値V2は、例えば、入力装置4を介して入力または選択された値である。
図10(あるいは、
図17)に記載の例では、入力装置4を介して第2値V2の承認操作が行われることに応じて(例えば、ディスプレイ5に表示された第3ボタンBN3がマウス等のポインティングデバイスを用いてクリックされることに応じて)、加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2)は、第1溶接部T1における溶接により生じる第2細長部材Q2の第2縮み量を示す第2値V2を決定する。また、第2値V2が決定されることに応じて、演算装置2は、第2値V2をメモリ3に記憶させる(
図22を参照。)。
【0079】
代替的に、第2値V2は、演算装置2によって自動的に決定されてもよい。例えば、第3決定処理は、演算装置2が、第2モデルM2の寸法、および/または、第2細長部材Q2の材質に基づいて、第1溶接部T1における溶接により生じる第2細長部材Q2の第2縮み量を示す第2値V2を自動的に決定することを含んでいてもよい。また、第3決定処理は、演算装置2が、第2細長部材Q2に関するデータ(例えば、第2細長部材Q2をモデリングした第2モデルM2の寸法、第2細長部材Q2の材質)と、溶接条件(例えば、溶接長さ、溶接部の脚長、連続的な溶接であるか断続的な溶接であるか、溶接材の材質、溶接手法(例えば、アーク溶接、レーザ溶接等))とに基づいて、第1溶接部T1における溶接により生じる第2細長部材Q2の第2縮み量を示す第2値V2を自動的に決定することを含んでいてもよい。
【0080】
(第2値V2の決定)
上述の第3決定処理(換言すれば、第2値V2を決定する第3決定処理)は、入力装置4がユーザからの第3入力(より具体的には、第2値V2を特定する第2データの入力)を受け取ることと、第3入力(より具体的には、第2値V2を特定する第2データの入力)に基づいて、演算装置2が、第1溶接部T1における溶接により生じる第2細長部材Q2の第2縮み量を示す第2値V2を決定することと、を含んでいてもよい。
【0081】
図10(あるいは、
図17)に記載の例では、演算装置2は、ディスプレイ5に、第3入力(より具体的には、第2値V2を特定する第2データの入力)を受け付ける画像IG3を表示させる。
図10(あるいは、
図17)に記載の例では、第1画像IM1が、第3入力を受け付ける画像IG3を含む。
【0082】
図10(あるいは、
図17)に例示されるように、第3入力を受け付ける画像IG3は、第2値V2を特定する第2データの入力を受け付ける第4欄C4を含んでいてもよい。
【0083】
第4欄C4は、ユーザが直接的に数字を入力する直接入力形式の入力欄であってもよい。代替的に、第4欄C4は、リストに表示される複数の数字の中から1つの数字を選択するように構成された選択形式の入力欄であってもよい。なお、第4欄C4に、第2値V2の推奨値が表示されるようにしてもよい。当該推奨値は、ユーザによって登録された値であってもよい。
【0084】
図10(あるいは、
図17)に記載の例では、第2値V2が第1値V1とは異なる。換言すれば、加工パス生成装置1Aにおいて、演算装置2によって決定される第2値V2は、演算装置2によって決定される第1値V1と異なることが許容される。
【0085】
(第2作成処理)
図10および
図11(あるいは、
図17および
図21)に記載の例では、加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2の加工パス生成モデル作成部21)は、少なくとも第1形状HD1および第2値V2に基づいて、第2モデルM2の形状を修正することにより、第2モデルM2(
図10、あるいは、
図17を参照。)から第2加工パス生成モデルG2(
図11、あるいは、
図21を参照。)を作成する処理(以下、「第2作成処理」という。)を実行する。第2加工パス生成モデルG2が作成されることに応じて、演算装置2は、第2加工パス生成モデルG2の形状データDB2をメモリ3に記憶させる(
図22を参照。)。
【0086】
図10および
図11に記載の例では、第2作成処理は、少なくとも第1形状HD1に基づいて、第2モデルM2のうちの第1溶接部T1に対応する部分(以下、「第2部分R2」という。)の形状を第1形状HD1に整合する形状に修正することを含む処理を実行することにより、第2モデルM2(
図10を参照。)から第2加工パス生成モデルG2(
図11を参照。)を作成することを含む。なお、上述されたように、第1形状HD1に整合する形状とは、第1形状HD1に一致する形状、または、第1形状HD1に類似する形状(例えば、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2との間の遊びが確保されるように第1形状HD1が微修正された形状)を意味する。
【0087】
(複数の加工パス生成モデルの表示)
図11に記載の例において、加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2)は、第1作成処理の実行によって作成された第1加工パス生成モデルG1と、第2作成処理の実行によって作成された第2加工パス生成モデルG2とを、同時に、ディスプレイ5に表示させる。
図11に記載の例では、第2画像IM2が、第1加工パス生成モデルG1の形状を示す画像と、第2加工パス生成モデルG2の形状を示す画像とを含む。
【0088】
図10および
図11に記載の例では、第1加工パス生成モデルG1をディスプレイ5に表示することは、第1モデルM1が表示されていた位置(
図10を参照。)に、第1加工パス生成モデルG1(
図11を参照。)を表示することと、第2モデルM2が表示されていた位置(
図10を参照。)に、第2加工パス生成モデルG2(
図11を参照。)を表示することと、を含む。
【0089】
図10および
図11に例示されるように、第1加工パス生成モデルG1と第2加工パス生成モデルG2とをディスプレイ5に同時に表示することは、第1モデルM1に置換して、第1加工パス生成モデルG1を表示することと、第2モデルM2に置換して、第2加工パス生成モデルG2を表示することと、を含んでいてもよい。
【0090】
図11に記載の例では、ディスプレイ5に表示される第1加工パス生成モデルG1は、第1加工パス生成モデルG1と第2加工パス生成モデルG2とが重複する第1干渉部分RF1を含む。より具体的には、ディスプレイ5に表示される第1加工パス生成モデルG1は、第1加工パス生成モデルG1が第2加工パス生成モデルG2にめり込み、第2加工パス生成モデルG2が第1加工パス生成モデルG1にめり込んだ第1干渉部分RF1を含む。第1干渉部分RF1がディスプレイ5に表示されることにより、ユーザは、溶接縮みが加味された第1加工パス生成モデルG1、および、溶接縮みが加味された第2加工パス生成モデルG2が作成されたことを把握し易い。
【0091】
(第2生成処理)
加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2の加工パス生成部23)は、第1加工パス生成モデルG1に基づいて、第1細長部材Q1を作製するための第1加工パスを生成する第1生成処理を実行する。付加的に、加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2の加工パス生成部23)は、第2加工パス生成モデルG2に基づいて、第2細長部材Q2を作製するための第2加工パスを生成する処理(以下、「第2生成処理」という。)を実行してもよい。なお、第2加工パスとは、第1細長ワークW1または第2細長ワークから第2細長部材Q2が作製されるように、レーザまたは工具が、第1細長ワークW1または第2細長ワークを加工する経路(例えば、第1細長ワークW1または第2細長ワークから第2細長部材Q2が作製されるように、レーザヘッド111が、第1細長ワークW1または第2細長ワークに対して相対移動する経路)を意味する。なお、
図8に例示されるように、レーザ加工機101が、切削工具141等の工具を保持する加工ヘッド140を有する場合には、第2加工パスは、レーザが第1細長ワークW1または第2細長ワークを加工する経路と、切削工具141等の工具が第1細長ワークW1または第2細長ワークを加工する経路との両方を含んでいてもよい。演算装置2は、生成された第2加工パスを示す第2加工パスデータDP2を、メモリ3に記憶する(
図22を参照。)。
【0092】
(第2モデルM2の形状の修正)
図10および
図11に記載の例では、第2モデルM2の形状を修正することは、(1)第2部分R2の形状を第1形状HD1に整合する形状HB2(
図11を参照。)に変形することと、(2)第2値V2に基づいて第2モデルM2の長さを増加させることと、を含む。
【0093】
換言すれば、上述の第2作成処理は、第2部分R2の形状をオリジナル形状HA2(
図10を参照。)から第1形状HD1に整合する形状HB2(
図11を参照。)に変形し、且つ、少なくとも第2値V2に基づいて第2モデルM2の長さを増加させることにより、第2モデルM2から第2加工パス生成モデルG2を作成することを含む。
【0094】
より具体的には、少なくとも第2値V2に基づいて第2モデルM2の長さを増加させることは、第2モデルM2の長さを、少なくとも第2値V2だけ増加させることを含む。第2細長部材Q2における溶接部が第1溶接部T1のみである場合には、少なくとも第2値V2に基づいて第2モデルM2の長さを増加させることは、第2モデルM2の長さを、第2値V2だけ増加させることを含む。代替的に、第2細長部材Q2における溶接部が第1溶接部T1と他の溶接部とを含む場合には、少なくとも第2値V2に基づいて第2モデルM2の長さを増加させることは、第2モデルM2の長さを、第2値V2と他の値の合計値だけ増加させることを含む。
【0095】
図12に例示されるように、修正後の第1部分R1の形状HB1と修正後の第2部分R2の形状HB2との間には多少の遊び(換言すれば、多少の隙間)が設けられてもよい。
図12は、第1加工パス生成モデルG1と第2加工パス生成モデルG2とが位置合わせされた状態を模式的に示す。当然のことながら、第1加工パス生成モデルG1と第2加工パス生成モデルG2とが位置合わせされた状態では、第1加工パス生成モデルG1と第2加工パス生成モデルG2とが互いにめり込む第1干渉部分RF1(
図11を参照。)は存在しない。
【0096】
(第4決定処理)
図20に例示されるように、加工パス生成装置1Aは、第2溶接部T2における第1細長部材Q1と第3細長部材Q3との位置合わせ形状(以下、「第2位置合わせ形状」という。)としての第2形状HD2を決定する処理(以下、「第4決定処理」という。)を実行する。
図20に記載の例では、ディスプレイ5に第2形状HD2が表示されている。
図20に記載の例では、入力装置4を介して第2形状HD2の承認操作が行われることに応じて(例えば、ディスプレイ5に表示された第4ボタンBN4がマウス等のポインティングデバイスを用いてクリックされることに応じて)、加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2)は、第2溶接部T2における第1細長部材Q1と第3細長部材Q3との第2位置合わせ形状としての第2形状HD2を決定する。また、第2形状HD2が決定されることに応じて、演算装置2は、第2形状HD2を特定する形状特定データDtをメモリ3に記憶させる(
図22を参照。)。
【0097】
(第5決定処理)
図20に例示されるように、加工パス生成装置1Aは、第2溶接部T2における溶接により生じる第1細長部材Q1の縮み量(以下、「第3縮み量」という。)を示す第3値V3を決定する処理(以下、「第5決定処理」という。)を実行する。
図20に記載の例では、ディスプレイ5に第3値V3が表示されている。第3値V3は、例えば、入力装置4を介して入力または選択された値である。
図20に記載の例では、入力装置4を介して第3値V3の承認操作が行われることに応じて(例えば、ディスプレイ5に表示された第5ボタンBN5がマウス等のポインティングデバイスを用いてクリックされることに応じて)、加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2)は、第2溶接部T2における溶接により生じる第1細長部材Q1の第3縮み量を示す第3値V3を決定する。また、第3値V3が決定されることに応じて、演算装置2は、第3値V3をメモリ3に記憶させる(
図22を参照。)。
【0098】
加工パス生成装置1Aは、少なくとも、第1形状HD1、第1値V1、第2形状HD2、第3値V3に基づいて、第1モデルM1の形状を修正することにより、第1モデルM1(
図17を参照。)から第1加工パス生成モデルG1(
図21を参照。)を作成する第1作成処理を実行する。第1加工パス生成モデルG1が作成されることに応じて、演算装置2は、第1加工パス生成モデルG1の形状データDB1をメモリ3(
図22を参照。)に記憶させる。
【0099】
図17および
図21に記載の例では、第1作成処理は、少なくとも第2形状HD2に基づいて、第1モデルM1のうちの第2溶接部T2に対応する部分(以下、「第3部分R3」という。)の形状を第2形状HD2(
図20を参照。)に整合する形状に修正することを含む処理を実行することにより、第1モデルM1(
図17を参照。)から第1加工パス生成モデルG1(
図21を参照。)を作成することを含む。なお、第2形状HD2に整合する形状とは、第2形状HD2に一致する形状または第2形状HD2に類似する形状(例えば、第1細長部材Q1と第3細長部材Q3との間の遊びが確保されるように第2形状HD2が微修正された形状)を意味する。
【0100】
(第1モデルM1の形状の修正)
図17乃至
図21に記載の例では、第1モデルM1の形状を修正することは、(1)第1部分R1の形状を第1形状HD1に整合する形状HB1(
図21を参照。)に変形することと、(2)第3部分R3の形状を第2形状HD2に整合する形状HB3(
図21を参照。)に変形することと、(2)少なくとも第1値V1および第3値V3に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることと、を含む。
【0101】
換言すれば、上述の第1作成処理は、第1部分R1の形状をオリジナル形状HA1(
図17を参照。)から第1形状HD1に整合する形状HB1(
図21を参照。)に変形し、第3部分R3の形状をオリジナル形状HA3(
図17を参照。)から第2形状HD2に整合する形状HB3(
図21を参照。)に変形し、且つ、少なくとも第1値V1および第3値V3に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることにより、第1モデルM1から第1加工パス生成モデルG1を作成することを含む。
【0102】
より具体的には、少なくとも第1値V1および第3値V3に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることは、第1モデルM1の長さを、少なくとも第1値V1および第3値V3の合計値だけ増加させることを含む。第1細長部材Q1における溶接部が第1溶接部T1および第2溶接部T2のみである場合には、少なくとも第1値V1および第3値V3に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることは、第1モデルM1の長さを、第1値V1および第3値V3の合計値だけ増加させることを含む。
【0103】
図17乃至
図21に記載の例では、演算装置2は、(1)少なくとも第1形状HD1および第1値V1に基づいて、第1モデルM1の形状を修正し(
図18を参照。)、(2)少なくとも第2形状HD2および第3値V3に基づいて、修正された第1モデルM1の形状を更に修正することにより、第1モデルM1から第1加工パス生成モデルG1(
図21を参照。)を作成する。
【0104】
(第3画像IM3)
図20に記載の例において、演算装置2(より具体的には、加工パス生成モデル作成部21)は、ディスプレイ5に、第3画像IM3を表示させる処理(以下、「第3表示処理」という。)を実行する。第3画像IM3に含まれる各画像については、後述される。
【0105】
(第2形状HD2の決定)
上述の第4決定処理(換言すれば、第2形状HD2を決定する第4決定処理)は、入力装置4がユーザからの第4入力を受け取ることと、第4入力に基づいて、演算装置2が、第2溶接部T2における第1細長部材Q1と第3細長部材Q3との第2位置合わせ形状としての第2形状HD2を決定することと、を含んでいてもよい。
【0106】
図20に記載の例では、演算装置2は、ディスプレイ5に、第2形状HD2を特定する第4入力を受け付ける画像IG4(より具体的には、第5欄C5、および/または、第6欄C6)を表示させる。
【0107】
図20に記載の例では、第3画像IM3が、第2形状HD2を特定する第4入力を受け付ける画像IG4(より具体的には、第5欄C5、および/または、第6欄C6)を含む。
【0108】
図20に記載の例では、第4入力を受け付ける画像IG4(より具体的には、第5欄C5)は、形状タイプの第1候補E1を示す画像と、形状タイプの第2候補E2を示す画像とを含む。第1候補E1は、例えば、第1タイプのインロー形状を有する。第2候補E2は、例えば、第2タイプのインロー形状を有する。
【0109】
図20に記載の例では、第4入力を受け付ける画像IG4は、第2形状HD2の寸法が入力される第6欄C6を含む。
【0110】
図20に記載の例では、形状タイプの複数の候補の中から入力装置4を介して第1候補E1が選択され、且つ、第2形状HD2の寸法が入力装置4を介して入力されることに応じて、演算装置2は、選択された第1候補E1と、入力された寸法とに基づいて、第2形状HD2を決定する。
【0111】
(第3値V3の決定)
上述の第5決定処理(換言すれば、第3値V3を決定する第5決定処理)は、入力装置4がユーザからの第5入力(より具体的には、第3値V3を特定する第3データの入力)を受け取ることと、第5入力(より具体的には、第3値V3を特定する第3データの入力)に基づいて、演算装置2が、第2溶接部T2における溶接により生じる第1細長部材Q1の第3縮み量を示す第3値V3を決定することと、を含んでいてもよい。
【0112】
図20に記載の例では、演算装置2は、ディスプレイ5に、第5入力(より具体的には、第3値V3を特定する第3データの入力)を受け付ける画像IG5を表示させる。
図20に記載の例では、第3画像IM3が、第5入力を受け付ける画像IG5を含む。また、
図20に記載の例では、ディスプレイ5に表示される画像IG5あるいは第3画像IM3は、第3値V3を特定する第3データの入力を受け付ける第7欄C7を含む。
【0113】
(加工パス生成モデルの表示)
図21に記載の例において、加工パス生成装置1A(より具体的には、演算装置2)は、第1作成処理の実行によって作成された第1加工パス生成モデルG1を、ディスプレイ5に表示させる。
【0114】
図17および
図21に記載の例では、第2表示処理を実行する演算装置2は、ディスプレイ5の第1モデルM1が表示されていた位置(
図17を参照。)に、第1加工パス生成モデルG1を表示させることを含む。第1モデルM1が表示されていた位置に、第1加工パス生成モデルG1が表示されることにより、ユーザは、溶接縮みが加味された第1加工パス生成モデルG1が作成されたことを把握し易い。
【0115】
溶接縮みが加味された第1加工パス生成モデルG1が作成されたことを把握し易くする観点から、第1加工パス生成モデルG1をディスプレイ5に表示することは、第1モデルM1(
図17を参照。)に置換して、第1加工パス生成モデルG1(
図21を参照。)を表示することを含んでいてもよい。
【0116】
図21に記載の例では、ディスプレイ5に表示される第1加工パス生成モデルG1は、第1加工パス生成モデルG1と、修正された第3モデルM3とが重複する第2干渉部分RF2を含む。換言すれば、ディスプレイ5に表示される第1加工パス生成モデルG1は、第1加工パス生成モデルG1が、修正された第3モデルMD3にめり込んだ第2干渉部分RF2を含む。第2干渉部分RF2がディスプレイ5に表示されることにより、ユーザは、溶接縮みが加味された第1加工パス生成モデルG1が作成されたことを把握し易い。
【0117】
(第1壁8m、第1貫通孔部81m、第2壁8g、第2貫通孔部81g)
図10(あるいは、
図17)に記載の例では、第1モデルM1は、第1壁8mと、第1壁8mに設けられた第1貫通孔部81mと、を含む。また、
図11(あるいは、
図21)に記載の例では、第1加工パス生成モデルG1は、第2壁8gと、第2壁8gに設けられた第2貫通孔部81gと、を含む。
【0118】
第1加工パス生成モデルG1の第2壁8gは、第1モデルM1の第1壁8mに対応する壁である。また、第1加工パス生成モデルG1の第2貫通孔部81gは、第1モデルM1の第1貫通孔部81mに対応する孔部である。
図10および
図11(あるいは、
図17および
図21)に記載の例では、第2貫通孔部81gの形状は、第1貫通孔部81mの形状と同じである。また、
図10および
図11(あるいは、
図17および
図21)に記載の例では、第1加工パス生成モデルG1における第2貫通孔部81gの位置は、第1モデルM1における第1貫通孔部81mの位置と実質的に同じである。
【0119】
上述の第1生成処理(第1細長部材Q1を作製するための第1加工パスを生成する処理)の実行によって生成される第1加工パスは、第2貫通孔部81gの位置、および、第2貫通孔部81gの形状に基づいて生成される穿孔加工パスを含む。
【0120】
図8に記載の例では、制御指令SAを受信するレーザ加工機101は、第1細長ワークW1から第1細長部材Q1を作製する。
図8に記載の例では、制御指令SAを受信するレーザ加工機101は、第1細長ワークW1の壁8wにレーザを照射することにより、当該壁8wに貫通孔部81h(より具体的には、第1加工パス生成モデルG1の第2貫通孔部81gに対応する貫通孔部81h)を形成する。
【0121】
第1細長部材Q1に第2貫通孔部81gに対応する貫通孔部81hが形成され、その後、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが第1溶接部T1において溶接される場合を想定する。第1の実施形態では、溶接縮みが加味されて第1加工パスが生成されるため、第1溶接部T1における溶接縮みに起因して、貫通孔部81hの位置が、所望の位置から位置ずれしないか、あるいは、当該位置ずれが小さくて済む。
【0122】
第1細長部材Q1に位置精度が要求される貫通孔部を設ける必要がある場合、従来、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが溶接された後、第1細長部材Q1に当該貫通孔部が形成されていた。これに対し、第1の実施形態におけるレーザ加工システム100Aでは、第1細長部材Q1に位置精度が要求される貫通孔部を設ける必要がある場合において、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが溶接される前に、当該貫通孔部を第1細長部材Q1に形成することができる。よって、位置精度が要求される貫通孔部を有する第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とを含む組立体の作製時間が短縮される。また、組立体に対応した大型の加工機の使用が不要になるか、あるいは、当該大型の加工機の使用時間を低減することができる。
【0123】
(制御装置7)
制御装置7は、レーザ加工機101を制御する。
図23に記載の例において、制御装置7は、ディスプレイ72と、入力装置73(例えば、ディスプレイ72上のタッチパネル)と、演算装置74と、通信回路75と、メモリ76と、を備える。
図23に記載の例では、メモリ76には、少なくとも第1加工パスに基づいて作成された加工プログラムPGが記憶されている。メモリ76に記憶された加工プログラムPGは、第1加工パスと第2加工パスとに基づいて作成されたプログラムであってもよい。
【0124】
制御装置7(より具体的には、演算装置74)は、加工プログラムPGを実行することにより制御指令SAを生成する。なお、本明細書において、制御装置7(より具体的には、演算装置74)が、加工プログラムPGを実行することには、制御装置7(より具体的には、演算装置74)が、演算プログラムPJを介して加工プログラムPGを実行することが包含される。換言すれば、制御装置7(より具体的には、演算装置74)が、演算プログラムPJを実行することにより、制御装置7(より具体的には、演算装置74)によって加工プログラムPGが処理(換言すれば、解釈)されてもよい。
【0125】
図23に記載の例では、ディスプレイ72と、入力装置73と、演算装置74と、通信回路75と、メモリ76とは、バス77を介して互いに接続されている。
【0126】
レーザ加工機101は、加工プログラムPGが制御装置7(より具体的には、演算装置74)によって実行されることにより生成される制御指令SAに基づいて動作する。より具体的には、通信回路75は、制御指令SAをレーザ加工機101に送信し、制御指令SAを受け取るレーザ加工機101は、当該制御指令SAに基づいて動作する。なお、制御指令SAには、レーザヘッド111を移動させる移動指令SA1、レーザヘッド111からレーザを射出させる射出指令SA2等の複数の指令が含まれる。
【0127】
(レーザ加工機101)
図23に記載の例では、レーザ加工機101は、レーザヘッド111を有するレーザ照射装置110と、移動装置120と、ワーク支持装置130と、を備える。
【0128】
図23に記載の例では、ワーク支持装置130は、第1チャック131と、第2チャック134とを有する。第1チャック131および第2チャック134は、細長ワーク(例えば、第1細長ワークW1)を支持する。
【0129】
第1チャック131は、細長ワーク(例えば、第1細長ワークW1)を把持可能な把持部材132を有していてもよい。第1チャック131は、細長ワーク(例えば、第1細長ワークW1)とともにX軸に平行な方向に移動可能であってもよい。なお、
図23に記載の例において、X軸は、第1チャック131によって把持された細長ワーク(例えば、第1細長ワークW1)の長手方向に平行な軸である。
【0130】
第2チャック134は、細長ワーク(例えば、第1細長ワークW1)を挟む複数のガイドローラ135を有していてもよい。複数のガイドローラ135は、X軸に平行な方向への細長ワーク(例えば、第1細長ワークW1)の移動をガイドする。
【0131】
図23に記載の例において、ワーク支持装置130は、細長ワーク(例えば、第1細長ワークW1)を、当該細長ワークの長手方向に平行な軸まわりに回転させる回転駆動装置137を有していてもよい。
【0132】
移動装置120は、レーザヘッド111を、ワーク支持装置130に対して相対移動させる。
【0133】
図23に記載の例では、移動装置120は、レーザヘッド111を移動させる第1移動装置121を含む。移動装置120は、細長ワーク(例えば、第1細長ワークW1)を移動させるワーク移動装置(より具体的には、細長ワークをX軸に平行な方向に移動させるモータ)を含んでいてもよい。
【0134】
図23に記載の例では、第1移動装置121は、レーザヘッド111を支持する移動体(122a;123a)と、移動体(122a;123a)を移動させる駆動装置(122b;123b)と、を有する。
【0135】
第1移動装置121は、第1移動体122aと、第1移動体122aをZ軸に平行な方向に移動させる第1駆動装置122bとを有していてもよい。
図23に記載の例では、第1移動体122aは、レーザヘッド111を直接的または間接的に支持し、レーザヘッド111とともにZ軸に平行な方向に移動可能である。なお、Z軸は、X軸に垂直な軸である。
図23に記載の例では、Z軸は、鉛直方向に平行な軸である。
【0136】
第1移動装置121は、第2移動体123aと、第2移動体123aをY軸に平行な方向に移動させる第2駆動装置123bとを有していてもよい。
図23に記載の例では、第2移動体123aは、レーザヘッド111を直接的または間接的に支持し、レーザヘッド111とともにY軸に平行な方向に移動可能である。なお、Y軸は、X軸およびZ軸の両方に垂直な軸である。
図23に記載の例では、Y軸は、水平面に平行な軸である。
【0137】
レーザ照射装置110は、レーザヘッド111と、レーザ光源113と、レーザ光源113からレーザヘッド111にレーザを伝達する光学部品115(例えば、光ファイバ等)と、を有する。レーザヘッド111は、レーザを射出するレーザ射出口112を有する。
【0138】
図24に例示されるように、レーザ加工機101は、搬入部103と、レーザ加工部105と、搬出部107と、を有していてもよい。搬入部103に搬入された細長ワーク(例えば、第1細長ワークW1)は、ワーク移動装置等の移動装置によって、レーザ加工部105に移送される。細長ワーク(例えば、第1細長ワークW1)から作製された第1細長部材Q1等の部材は、コンベヤ等の任意の移送装置によって、レーザ加工部105から搬出部107に移送される。
【0139】
(レーザ加工システム100A)
図24に記載の例では、レーザ加工システム100Aは、加工パス生成装置1A(より具体的には、CAD/CAM装置10a)と、制御装置7と、レーザ加工機101とを備える。
図24に記載の例では、加工パス生成装置1A(より具体的には、CAD/CAM装置10a)と制御装置7とが、有線LNまたは無線を介して、情報伝達可能に接続されている。
【0140】
加工パス生成装置1Aは、上述の第1加工パスを生成する。加工パス生成装置1Aは、上述の第2加工パスを生成してもよい。加工パス生成装置1Aは、少なくとも第1加工パスに基づいて加工プログラムPGを作成してもよい。
図24に記載の例では、加工パス生成装置1Aは、加工プログラムPGを、有線LNまたは無線を介して、制御装置7に送信することができる。制御装置7は、加工パス生成装置1Aから受信する加工プログラムPGをメモリ76に記憶する。代替的に、制御装置7が、少なくとも第1加工パスに基づいて加工プログラムPGを作成してもよい。この場合、加工パス生成装置1Aによって生成された第1加工パスが、有線LNまたは無線を介して、制御装置7に送信されてもよく、制御装置7は、少なくとも第1加工パスに基づいて加工プログラムPGを作成してもよい。作成された加工プログラムPGは、メモリ76に記憶される。
【0141】
代替的に、加工パス生成装置1Aと制御装置7との間の情報伝達は、可搬式のメモリ(例えば、USBメモリ)を用いて行われてもよい。
【0142】
図24に記載の例では、制御装置7は、レーザ加工機101が配置されている場所に配置されている。より具体的には、制御装置7とレーザ加工機101とは、同一の作業室SP1内に配置される。制御装置7は、レーザ加工機101(例えば、レーザ加工機101の外壁)に取り付けられていてもよい。
図24に記載の例では、加工パス生成装置1Aは、レーザ加工機101が配置される作業室SP1とは、異なる室(より具体的には、オフィス空間SP2)に配置されている。
【0143】
(第2の実施形態)
図1乃至
図25を参照して、第2の実施形態における加工パス生成方法、および、レーザ加工方法について説明する。
図25は、第2の実施形態におけるレーザ加工方法の一例を示すフローチャートである。
【0144】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済みの事項を第2の実施形態に適用できることは言うまでもない。逆に、第2の実施形態で説明される事項は、第1の実施形態に適用可能である。
【0145】
第2の実施形態における加工パス生成方法は、第1の実施形態における加工パス生成装置1A(例えば、CAD/CAM装置10a)またはレーザ加工システム100Aを用いて行われてもよいし、他の加工パス生成装置またはレーザ加工システムを用いて行われてもよい。
【0146】
第1ステップST1において、複数のモデルMが準備される。第1ステップST1は、準備工程である。
図2、
図9、または、
図14に記載の例では、準備工程で準備される複数のモデルMは、第1細長部材Q1をモデリングした第1モデルM1と、第2細長部材Q2をモデリングした第2モデルM2と、を含む。準備工程で準備される複数のモデルMは、第3細長部材Q3をモデリングした第3モデルM3を含んでいてもよい。
【0147】
準備工程(第1ステップST1)は、例えば、加工パス生成装置1(例えば、CAD/CAM装置10a)が、複数のモデルMの形状データDAを読み出すことを含む。より具体的には、準備工程(第1ステップST1)は、メモリ3に記憶されたプログラムPを実行する加工パス生成装置1(より具体的には、演算装置2)が、複数のモデルMの形状データDAを含むファイルFをメモリ3から読み出すことを含む。
【0148】
代替的に、あるいは、付加的に、準備工程(第1ステップST1)は、
図2に例示されるように、演算装置2が、複数のモデルMをディスプレイ5に表示させることを含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、準備工程(第1ステップST1)は、演算装置2によって実行されるソフトウェア(例えば、CADソフト)を用いて、第1モデルM1および第2モデルM2を含む複数のモデルMを作成することを含んでいてもよい。
【0149】
第2ステップST2において、溶接部における位置合わせ形状が決定される。第2ステップST2は、形状決定工程である。
【0150】
図3に例示されるように、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが溶接されることとなる部分を第1溶接部T1と定義する。
図4、
図9、または、
図17に記載の例では、形状決定工程(第2ステップST2)は、第1溶接部T1における第1細長部材Q1と第2細長部材Q2との第1位置合わせ形状としての第1形状HD1を決定することを含む。
【0151】
形状決定工程(より具体的には、第1位置合わせ形状としての第1形状HD1を決定する工程)は、入力装置4が受け取るユーザ指示に基づいて、プログラムPを実行する加工パス生成装置1(より具体的には、演算装置2)によって行われる。より具体的には、形状決定工程(第2ステップST2)は、ユーザインターフェースとしての入力装置4が第1形状HD1を特定する第1入力を受け取ること(より具体的には、入力装置4がユーザから第1形状HD1を特定する第1入力を受け取ること)、および、演算装置2が、第1入力に基づいて、上述の第1形状HD1を決定すること、を含む。
【0152】
代替的に、形状決定工程(第2ステップST2)は、演算装置2によって自動的に行われてもよい。例えば、形状決定工程(第2ステップST2)は、演算装置2が、第1モデルM1と第2モデルM2との間の境界部分(以下、「第1境界部分」という。)の形状を自動的に認識することと、演算装置2が、第1境界部分の形状に基づいて、第1境界部分の形状に適した位置合わせ形状としての第1形状HD1を自動的に決定することと、を含んでいてもよい。
【0153】
形状決定工程(第2ステップST2)は、演算装置2によって決定された第1形状HD1を特定する形状特定データDsをメモリ3に記憶させることを含んでいてもよい(
図7、または、
図22を参照。)。
【0154】
第3ステップST3において、溶接により生じる細長部材の縮み量が決定される。第3ステップST3は、縮み量決定工程である。
【0155】
図4、
図9、または、
図17に記載の例では、縮み量決定工程(第3ステップST3)は、第1溶接部T1における溶接により生じる第1細長部材Q1の第1縮み量を示す第1値V1を決定することを含む。
【0156】
縮み量決定工程(より具体的には、第1縮み量を示す第1値V1を決定する工程)は、入力装置4が受け取るユーザ指示に基づいて、プログラムPを実行する加工パス生成装置1(より具体的には、演算装置2)によって行われる。より具体的には、縮み量決定工程(第3ステップST3)は、ユーザインターフェースとしての入力装置4が第1値V1を特定する第2入力を受け取ること(より具体的には、入力装置4がユーザから第1値V1を特定する第2入力を受け取ること)、および、演算装置2が、第2入力に基づいて、上述の第1値V1を決定すること、を含む。
【0157】
代替的に、第1値V1は、演算装置2によって自動的に決定されてもよい。例えば、縮み量決定工程(第3ステップST3)は、演算装置2が、第1モデルM1の寸法、および/または、第1細長部材Q1の材質に基づいて、第1溶接部T1における溶接により生じる第1細長部材Q1の第1縮み量を示す第1値V1を自動的に決定することを含んでいてもよい。また、縮み量決定工程(第3ステップST3)は、演算装置2が、第1細長部材Q1に関するデータ(例えば、第1細長部材Q1をモデリングした第1モデルM1の寸法、第1細長部材Q1の材質)と、溶接条件(例えば、溶接長さ、溶接部の脚長、連続的な溶接であるか断続的な溶接であるか、溶接材の材質、溶接手法(例えば、アーク溶接、レーザ溶接等))とに基づいて、第1溶接部T1における溶接により生じる第1細長部材Q1の第1縮み量を示す第1値V1を自動的に決定することを含んでいてもよい。
【0158】
縮み量決定工程(第3ステップST3)は、演算装置2によって決定された第1値V1をメモリ3に記憶させることを含んでいてもよい(
図7、または、
図22を参照。)。
【0159】
第3ステップST3は、第2ステップST2よりも前に実行されてもよいし、第2ステップST2よりも後に実行されてもよいし、第2ステップST2と並列的に実行されてもよい。なお、第2ステップST2(形状決定工程)、および、第3ステップST3(縮み量決定工程)のうちの一方が省略されてもよい。
【0160】
第4ステップST4において、少なくとも1つのモデルから少なくとも1つの加工パス生成モデルが作成される。第4ステップST4は、加工パス生成モデル作成工程である。
【0161】
図4および
図5、
図10および
図11、あるいは、
図17および
図21に記載の例では、加工パス生成モデル作成工程は、少なくとも第1形状HD1および第1値V1のうちの一方に基づいて(より具体的には、少なくとも第1形状HD1および第1値V1に基づいて)、第1モデルM1の形状を修正することにより、第1モデルM1から第1加工パス生成モデルG1を作成することを含む。
【0162】
加工パス生成モデル作成工程(第4ステップST4)は、プログラムPを実行する加工パス生成装置1(より具体的には、演算装置2)によって自動的に行われてもよい。より具体的には、加工パス生成モデル作成工程(第4ステップST4)は、少なくとも第1形状HD1および第1値V1のうちの一方に基づいて(より具体的には、少なくとも第1形状HD1および第1値V1に基づいて)、演算装置2が、第1モデルM1から第1加工パス生成モデルG1を自動的に作成することを含んでいてもよい。
【0163】
加工パス生成モデル作成工程(第4ステップST4)は、演算装置2によって作成された第1加工パス生成モデルG1の形状データDB1をメモリ3に記憶させることを含んでいてもよい(
図7、または、
図22を参照。)。
【0164】
第5ステップST5において、加工パスが生成される。第5ステップST5は、加工パス生成工程である。
【0165】
加工パス生成工程(第5ステップST5)は、第1加工パス生成モデルG1に基づいて、第1細長部材Q1を作製するための第1加工パスを生成することを含む。第1加工パスについては、第1の実施形態において説明済みであるため、第1加工パスについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0166】
加工パス生成工程(第5ステップST5)は、プログラムPを実行する加工パス生成装置1(より具体的には、演算装置2)によって自動的に行われてもよい。より具体的には、加工パス生成工程(第5ステップST5)は、第1加工パス生成モデルG1に基づいて、演算装置2が、第1細長部材Q1を作製するための第1加工パスを自動的に生成することを含んでいてもよい。
【0167】
加工パス生成工程(第5ステップST5)は、演算装置2によって生成された第1加工パスを示す第1加工パスデータDP1をメモリ3に記憶させることを含んでいてもよい(
図7、または、
図22を参照。)。
【0168】
第1の実施形態におけるレーザ加工方法は、上述の第1ステップST1乃至第5ステップST5に加え、(1)少なくとも上述の第1加工パスに基づいて、加工プログラムPGを作成する工程と、(2)加工プログラムPGを実行する制御装置7が制御指令SAを生成する工程と、(3)制御指令SAを受信するレーザ加工機101が第1細長ワークW1にレーザを照射することにより、第1細長ワークW1から第1細長部材Q1を作製する工程と、を備える。
【0169】
第2の実施形態における加工パス生成方法(あるいは、第2の実施形態におけるレーザ加工方法)では、溶接縮みが加味されて、第1加工パス生成モデルG1が作成され、当該第1加工パス生成モデルG1に基づいて、第1加工パスが生成される。よって、当該第1加工パスに基づいてレーザ加工機101によって作製される第1細長部材Q1と、当該第1細長部材Q1とは別の第2細長部材Q2とが、第1溶接部T1において溶接された後、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とを含む組立体が所望の形状となる。
【0170】
また、第2の実施形態における加工パス生成方法(あるいは、第2の実施形態におけるレーザ加工方法)では、第1位置合わせ形状としての第1形状HD1に基づいて第1モデルM1が修正されることにより、第1加工パス生成モデルG1が作成され、当該第1加工パス生成モデルG1に基づいて、第1加工パスが生成される。よって、レーザ加工機101によって作製された第1細長部材Q1を、第2細長部材Q2に位置合わせするのが容易となる。よって、溶接用の位置決め治具を省略することができるか、あるいは、位置決め治具の数を低減することができる。
【0171】
(任意付加的な構成)
続いて、
図1乃至
図25を参照して、第2の実施形態における加工パス生成方法、および、レーザ加工方法において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0172】
(加工パス生成装置1A、レーザ加工システム100A)
上述の第1ステップST1乃至第5ステップST5は、例えば、第1の実施形態における加工パス生成装置1A(より具体的には、CAD/CAM装置10a)、あるいは、第1の実施形態におけるレーザ加工システム100Aによって実行される。加工パス生成装置1A、レーザ加工システム100Aについては、第1の実施形態において説明済みであるため、加工パス生成装置1A、レーザ加工システム100Aについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0173】
(第1モデルM1の形状の修正)
図4、
図10、または、
図17に例示されるように、第1モデルM1のうちの第1溶接部T1(
図3を参照。)に対応する部分を第1部分R1と定義する。
【0174】
図4および
図5、
図10および
図11、または、
図17および
図21に記載の例では、第1モデルM1の形状を修正することは、(1)第1部分R1の形状を第1形状HD1に整合する形状HB1に変形することと、(2)少なくとも第1値V1に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることと、を含む。
【0175】
換言すれば、加工パス生成モデル作成工程(第4ステップST4)は、第1部分R1の形状をオリジナル形状HA1から第1形状HD1に整合する形状HB1に変形し、且つ、少なくとも第1値V1に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることにより、第1モデルM1から第1加工パス生成モデルG1を作成することを含む。
【0176】
より具体的には、少なくとも第1値V1に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることは、第1モデルM1の長さを、少なくとも第1値V1だけ増加させることを含む。第1細長部材Q1における溶接部が第1溶接部T1のみである場合には、少なくとも第1値V1に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることは、第1モデルM1の長さを、第1値V1だけ増加させることを含む。第1細長部材Q1における溶接部が第1溶接部T1および第2溶接部T2である場合には、少なくとも第1値V1に基づいて第1モデルM1の長さを増加させることは、第1モデルM1の長さを、第1値V1および第3値V3(より具体的には、第2溶接部T2における溶接により生じる第1細長部材Q1の第3縮み量を示す第3値V3)の合計値だけ増加させることを含む。
【0177】
図17乃至
図21に例示されるように、第2の実施形態における加工パス生成方法は、(1)少なくとも第1形状HD1および第1値V1に基づいて、第1モデルM1の形状を修正し(
図18を参照。)、(2)少なくとも第2形状HD2および第3値V3に基づいて、修正された第1モデルM1の形状を更に修正することにより、第1モデルM1から第1加工パス生成モデルG1(
図21を参照。)を作成することを含んでいてもよい。
【0178】
(組立体モデルAMの表示)
図2、
図9、あるいは、
図14に例示されるように、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第1ステップST1)は、複数のモデルMが組み合わせられた組立体モデルAMを、ディスプレイ5に表示する工程を含んでいてもよい。
【0179】
図2、
図9、あるいは、
図14に記載の例では、ディスプレイ5に表示される組立体モデルAMは、第1モデルM1と、第2モデルM2とを含む。ディスプレイ5に表示される組立体モデルAMは、第3モデルM3を含んでいてもよい。
図9に例示されるように、ディスプレイ5には、組立体モデルAMの2次元形状(例えば、平面図形状)が表示されてもよい。代替的に、
図14に例示されるように、ディスプレイ5には、組立体モデルAMの3次元形状(例えば、斜視図形状)が表示されてもよい。
【0180】
図14に記載の例において、2つの隣接するモデルMの境界を示す領域を境界領域Bと定義するとき、組立体モデルAMは、複数の境界領域Bを有する。組立体モデルAMが複数の境界領域Bを有する場合、ユーザは、どの境界領域Bが形状修正されたのかを認識し難くなる可能性がある。そこで、
図18乃至
図21に例示されるように、第2の実施形態における加工パス生成方法は、形状修正された境界領域B1を他の境界領域B2と区別するための強調表示部Jを、ディスプレイ5に表示された組立体モデルAMに付加することを含んでいてもよい。例えば、
図18に示される組立体モデルAMにおいて、新たに2つの境界領域の形状が修正される場合を想定する。この場合、
図19に例示されるように、組立体モデルAMには、2つの強調表示部Jが新たに付加される。
図18乃至
図21に記載の例では、強調表示部Jは、円形状を有する。代替的に、強調表示部Jは、他の形状(例えば、多角形形状)を有していてもよい。
【0181】
図14および
図15に例示されるように、第2の実施形態における加工パス生成方法は、ディスプレイ5に表示された組立体モデルAMにおいて第1モデルM1が選択されることに応じて、ディスプレイ5に表示された組立体モデルAMの中で第1モデルM1を強調表示する工程を有していてもよい。強調表示は、例えば、第1モデルM1の色を、組立体モデルAMの中の他のモデルの色と異なる色にすることにより行われる。
【0182】
図15および
図16に例示されるように、第2の実施形態における加工パス生成方法は、入力装置4を介して選択された第1モデルM1において、第1溶接部T1に対応する部分(
図15における破線矢印AR3を参照。)が入力装置4を介して指定されることに応じて、第1形状HD1を決定するための情報の入力、および/または、第1値V1を決定するための情報の入力を受け付ける画像(より具体的には、
図16に示される第1画像IM1)をディスプレイ5に表示する工程を有していてもよい。
【0183】
図16および
図17に記載の例では、ディスプレイ5において、第1形状HD1を決定するための情報を受け付ける画像として、第1形状HD1を特定する第1入力を受け付ける画像IG1(より具体的には、第1欄C1、および/または、第2欄C2)が表示される。また、
図16および
図17に記載の例では、ディスプレイ5において、第1値V1を決定するための情報を受け付ける画像として、第1値V1を特定する第1データの入力を受け付ける画像IG2(より具体的には、第3欄C3)が表示される。
【0184】
(第1画像IM1)
図9および
図10、あるいは、
図16および
図17に記載の例において、第2の実施形態における加工パス生成方法は、ディスプレイ5に、第1画像IM1を表示させることを含む。
【0185】
(第1形状HD1の決定)
図9および
図10、あるいは、
図16および
図17に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第2ステップST2)は、ディスプレイ5に、第1形状HD1を特定する第1入力を受け付ける画像IG1(より具体的には、第1欄C1、および/または、第2欄C2)を表示させることを含む。
【0186】
図9および
図10、あるいは、
図16および
図17に記載の例では、第1画像IM1が、第1形状HD1を特定する第1入力を受け付ける画像IG1(より具体的には、第1欄C1、および/または、第2欄C2)を含む。第1画像IM1は、第1モデルM1の形状を示す画像を含んでいてもよい。また、第1画像IM1は、第2モデルM2の形状を示す画像を含んでいてもよい。更に、第1画像IM1は、第3モデルM3の形状を示す画像を含んでいてもよい(
図16および
図17を参照。)。
【0187】
図9、あるいは、
図16に記載の例では、第1入力を受け付ける画像IG1(より具体的には、第1欄C1)は、形状タイプの第1候補E1を示す画像と、形状タイプの第2候補E2を示す画像とを含む。第1候補E1は、例えば、第1タイプのインロー形状を有する。第2候補E2は、例えば、第2タイプのインロー形状を有する。
【0188】
図10、あるいは、
図17に記載の例では、第1入力を受け付ける画像IG1は、第1形状HD1の寸法が入力される第2欄C2を含む。
【0189】
図9、あるいは、
図16に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第2ステップST2)は、形状タイプの複数の候補の中から入力装置4を介して第1候補E1が選択されることに応じて、演算装置2が、第1形状HD1の形状タイプとして、第1候補E1が示す形状タイプを採用することを含む。
図10、あるいは、
図17に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第2ステップST2)は、第1形状HD1の寸法が入力装置4を介して入力されることに応じて、演算装置2が、入力された寸法に基づいて第1形状HD1を決定することを含む。
【0190】
第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第2ステップST2)は、形状タイプの複数の候補の中から入力装置4を介して第1候補E1が選択され(例えば、
図16を参照。)、且つ、第1形状HD1の寸法が入力装置4を介して入力されることに応じて(例えば、
図17を参照。)、演算装置2が、選択された第1候補E1と、入力された寸法とに基づいて、第1形状HD1を決定することを含んでいてもよい。
【0191】
(第1値V1の決定)
図4、
図9、あるいは、
図16に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第3ステップST3)は、ディスプレイ5に、第2入力(より具体的には、第1値V1を特定する第1データの入力)を受け付ける画像IG2を表示させることを含む。
図4、
図9、あるいは、
図16に記載の例では、第1画像IM1が、第2入力を受け付ける画像IG2を含む。
【0192】
図4、
図9、あるいは、
図16に記載の例では、第2入力を受け付ける画像IG2は、第1値V1を特定する第1データの入力を受け付ける第3欄C3を含む。
【0193】
第3欄C3は、ユーザが直接的に数字を入力する直接入力形式の入力欄であってもよい。代替的に、
図10に例示されるように、第3欄C3は、リストに表示される複数の数字の中から1つの数字を選択するように構成された選択形式の入力欄であってもよい。なお、第3欄C3に、第1値V1の推奨値Vcが表示されるようにしてもよい。推奨値Vcは、ユーザによって登録された値であってもよい。
【0194】
(第2値V2の決定)
図10、あるいは、
図17に例示されるように、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第3ステップST3)は、第1溶接部T1における溶接により生じる第2細長部材Q2の第2縮み量を示す第2値V2を決定することを含んでいてもよい。
【0195】
縮み量決定工程(より具体的には、第2縮み量を示す第2値V2を決定する工程)は、入力装置4が受け取るユーザ指示に基づいて、プログラムPを実行する加工パス生成装置1(より具体的には、演算装置2)によって行われる。より具体的には、縮み量決定工程(第3ステップST3)は、ユーザインターフェースとしての入力装置4が第2値V2を特定する第3入力を受け取ること、および、演算装置2が、第3入力に基づいて、上述の第2値V2を決定すること、を含む。
【0196】
代替的に、第2値V2は、演算装置2によって自動的に決定されてもよい。例えば、縮み量決定工程(第3ステップST3)は、演算装置2が、第2モデルM2の寸法、および/または、第2細長部材Q2の材質に基づいて、第1溶接部T1における溶接により生じる第2細長部材Q2の第2縮み量を示す第2値V2を自動的に決定することを含んでいてもよい。また、縮み量決定工程(第3ステップST3)は、演算装置2が、第2細長部材Q2に関するデータ(例えば、第2細長部材Q2をモデリングした第2モデルM2の寸法、第2細長部材Q2の材質)と、溶接条件(例えば、溶接長さ、溶接部の脚長、連続的な溶接であるか断続的な溶接であるか、溶接材の材質、溶接手法(例えば、アーク溶接、レーザ溶接等))とに基づいて、第1溶接部T1における溶接により生じる第2細長部材Q2の第2縮み量を示す第2値V2を自動的に決定することを含んでいてもよい。
【0197】
縮み量決定工程(第3ステップST3)は、演算装置2によって決定された第2値V2をメモリ3に記憶させることを含んでいてもよい(
図22を参照。)。
【0198】
図10、あるいは、
図17に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第3ステップST3)は、ディスプレイ5に、第3入力(より具体的には、第2値V2を特定する第2データの入力)を受け付ける画像IG3を表示させることを含む。
図10、あるいは、
図17に記載の例では、第1画像IM1が、第3入力を受け付ける画像IG3を含む。
【0199】
図10、あるいは、
図17に記載の例では、第3入力を受け付ける画像IG3は、第2値V2を特定する第2データの入力を受け付ける第4欄C4を含む。
【0200】
第4欄C4は、ユーザが直接的に数字を入力する直接入力形式の入力欄であってもよい。代替的に、第4欄C4は、リストに表示される複数の数字の中から1つの数字を選択するように構成された選択形式の入力欄であってもよい。
【0201】
(第2形状HD2の決定)
図3に例示されるように、第1細長部材Q1と第3細長部材Q3とが溶接されることとなる部分を第2溶接部T2と定義する。
図20に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第2ステップST2)は、第2溶接部T2における第1細長部材Q1と第3細長部材Q3との第2位置合わせ形状としての第2形状HD2を決定することを含む。
【0202】
形状決定工程(より具体的には、第2位置合わせ形状としての第2形状HD2を決定する工程)は、入力装置4が受け取るユーザ指示に基づいて、プログラムPを実行する加工パス生成装置1(より具体的には、演算装置2)によって行われる。より具体的には、形状決定工程(第2ステップST2)は、ユーザインターフェースとしての入力装置4が第2形状HD2を特定する第4入力を受け取ること(より具体的には、入力装置4がユーザから第2形状HD2を特定する第4入力を受け取ること)、および、演算装置2が、第4入力に基づいて、上述の第2形状HD2を決定すること、を含む。代替的に、第2形状HD2の決定は、演算装置2によって自動的に行われてもよい。
【0203】
形状決定工程(第2ステップST2)は、演算装置2によって決定された第2形状HD2を特定する形状特定データDtをメモリ3に記憶させることを含んでいてもよい(
図22を参照。)。
【0204】
図20に記載の例において、第2の実施形態における加工パス生成方法は、ディスプレイ5に、第3画像IM3を表示させることを含む。
【0205】
図20に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第2ステップST2)は、ディスプレイ5に、第2形状HD2を特定する第4入力を受け付ける画像IG4(より具体的には、第5欄C5、および/または、第6欄C6)を表示させることを含む。
【0206】
図20に記載の例では、第3画像IM3が、第2形状HD2を特定する第4入力を受け付ける画像IG4(より具体的には、第5欄C5、および/または、第6欄C6)を含む。第3画像IM3は、第1モデルM1の形状を示す画像(より具体的には、修正された第1モデルM1の形状を示す画像)を含んでいてもよい。また、第3画像IM3は、修正された第2モデルM2あるいは第2加工パス生成モデルG2の形状を示す画像を含んでいてもよい。更に、第3画像IM3は、第3モデルM3の形状を示す画像を含んでいてもよい。
【0207】
図20に記載の例では、第4入力を受け付ける画像IG4(より具体的には、第5欄C5)は、形状タイプの第1候補E1を示す画像と、形状タイプの第2候補E2を示す画像とを含む。第1候補E1は、例えば、第1タイプのインロー形状を有する。第2候補E2は、例えば、第2タイプのインロー形状を有する。
【0208】
図20に記載の例では、第4入力を受け付ける画像IG4は、第2形状HD2の寸法が入力される第6欄C6を含む。
【0209】
第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第2ステップST2)は、形状タイプの複数の候補の中から入力装置4を介して第1候補E1が選択され、且つ、第2形状HD2の寸法が入力装置4を介して入力されることに応じて、演算装置2が、選択された第1候補E1と、入力された寸法とに基づいて、第2形状HD2を決定することを含んでいてもよい。
【0210】
(第3値V3の決定)
図20に例示されるように、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第3ステップST3)は、第2溶接部T2(
図3を参照。)における溶接により生じる第1細長部材Q1の第3縮み量を示す第3値V3を決定することを含んでいてもよい。
【0211】
縮み量決定工程(より具体的には、第3縮み量を示す第3値V3を決定する工程)は、入力装置4が受け取るユーザ指示に基づいて、プログラムPを実行する加工パス生成装置1(より具体的には、演算装置2)によって行われる。より具体的には、縮み量決定工程(第3ステップST3)は、ユーザインターフェースとしての入力装置4が第3値V3を特定する第5入力を受け取ること、および、演算装置2が、第5入力に基づいて、上述の第3値V3を決定すること、を含む。代替的に、第3値V3は、演算装置2によって自動的に決定されてもよい。
【0212】
縮み量決定工程(第3ステップST3)は、演算装置2によって決定された第3値V3をメモリ3に記憶させることを含んでいてもよい(
図22を参照。)。
【0213】
図20に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第3ステップST3)は、ディスプレイ5に、第5入力(より具体的には、第3値V3を特定する第3データの入力)を受け付ける画像IG5を表示させることを含む。
図20に記載の例では、第3画像IM3が、第5入力を受け付ける画像IG5を含む。
【0214】
図20に記載の例では、第5入力を受け付ける画像IG5は、第3値V3を特定する第3データの入力を受け付ける第7欄C7を含む。
【0215】
第7欄C7は、ユーザが直接的に数字を入力する直接入力形式の入力欄であってもよい。代替的に、第7欄C7は、リストに表示される複数の数字の中から1つの数字を選択するように構成された選択形式の入力欄であってもよい。
【0216】
(第1加工パス生成モデルG1の作成)
図4および
図5、
図10および
図11、あるいは、
図17および
図21に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第4ステップST4)は、少なくとも第1形状HD1および第1値V1に基づいて、第1モデルM1の形状を修正することにより、第1モデルM1から第1加工パス生成モデルG1を作成することを含む。
【0217】
図17乃至
図21に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第4ステップST4)は、少なくとも、第1形状HD1、第1値V1、第2形状HD2、および、第3値V3に基づいて、第1モデルM1の形状を修正することにより、第1モデルM1から第1加工パス生成モデルG1を作成することを含む。
【0218】
(第2加工パス生成モデルG2の作成)
図10および
図11、あるいは、
図17および
図21に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第4ステップST4)は、少なくとも第1形状HD1および第2値V2に基づいて、第2モデルM2の形状を修正することにより、第2モデルM2から第2加工パス生成モデルG2を作成することを含む。
【0219】
(加工パス生成モデルの表示)
図5、
図11、あるいは、
図21に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第4ステップST4)は、作成された第1加工パス生成モデルG1を、ディスプレイ5に表示する工程を含む。
図5、
図11、あるいは、
図21に記載の例では、第2画像IM2が、第1加工パス生成モデルG1の形状を示す画像を含む。
【0220】
図4および
図5、
図10および
図11、あるいは、
図17および
図21に記載の例では、第1加工パス生成モデルG1をディスプレイ5に表示することは、第1モデルM1が表示されていた位置(
図4、
図10、あるいは、
図17を参照。)に、第1加工パス生成モデルG1(
図5、
図11、あるいは、
図21を参照。)を表示することを含む。第1モデルM1が表示されていた位置に、第1加工パス生成モデルG1が表示されることにより、ユーザは、溶接縮みが加味された第1加工パス生成モデルG1が作成されたことを把握し易い。
【0221】
溶接縮みが加味された第1加工パス生成モデルG1が作成されたことを把握し易くする観点から、第1加工パス生成モデルG1をディスプレイ5に表示することは、第1モデルM1(
図10、または、
図17を参照。)に置換して、第1加工パス生成モデルG1(
図11、あるいは、
図21を参照。)を表示することを含んでいてもよい。代替的に、第1加工パス生成モデルG1をディスプレイ5に表示することは、第1加工パス生成モデルG1と、第1モデルM1とが重なるように、第1加工パス生成モデルG1と第1モデルM1とを同時に表示することを含んでいてもよい。
【0222】
図11に例示されるように、ディスプレイ5に表示される第1加工パス生成モデルG1は、第1加工パス生成モデルG1と、修正された第2モデルM2(より具体的には、第2モデルM2の形状を修正することにより作成された第2加工パス生成モデルG2)とが重複する第1干渉部分RF1を含んでいてもよい。
【0223】
第1干渉部分RF1がディスプレイ5に表示されることにより、ユーザは、溶接縮みが加味された第1加工パス生成モデルG1が作成されたことを更に把握し易い。
【0224】
図11、あるいは、
図21に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第4ステップST4)は、第1加工パス生成モデルG1と、第2加工パス生成モデルG2とを、同時に、ディスプレイ5に表示させる工程を含む。
図11、あるいは、
図21に記載の例では、第2画像IM2が、第1加工パス生成モデルG1の形状を示す画像と、第2加工パス生成モデルG2の形状を示す画像とを含む。
【0225】
図10および
図11、あるいは、
図17および
図21に記載の例では、第2の実施形態における加工パス生成方法(より具体的には、上述の第4ステップST4)は、第1モデルM1が表示されていた位置に、第1加工パス生成モデルG1を表示する工程と、第2モデルM2が表示されていた位置に、第2加工パス生成モデルG2を表示する工程と、を含む。
【0226】
図10および
図11に例示されるように、第1加工パス生成モデルG1と第2加工パス生成モデルG2とをディスプレイ5に同時に表示することは、第1モデルM1に置換して、第1加工パス生成モデルG1を表示することと、第2モデルM2に置換して、第2加工パス生成モデルG2を表示することと、を含んでいてもよい。
【0227】
図17および
図21に例示されるように、第1加工パス生成モデルG1と第2加工パス生成モデルG2とをディスプレイ5に同時に表示することは、第1モデルM1に置換して、第1加工パス生成モデルG1を表示することと、第2モデルM2に置換して、第2加工パス生成モデルG2を表示することと、を含んでいてもよい。
【0228】
(第2加工パスの生成)
加工パス生成工程(第5ステップST5)は、第2加工パス生成モデルG2に基づいて、第2細長部材Q2を作製するための第2加工パスを生成することを含んでいてもよい。第2加工パスについては、第1の実施形態において説明済みであるため、第2加工パスについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0229】
加工パス生成工程(第5ステップST5)は、第2加工パス生成モデルG2に基づいて、演算装置2が、第2細長部材Q2を作製するための第2加工パスを自動的に生成することを含んでいてもよい。加工パス生成工程(第5ステップST5)は、演算装置2によって生成された第2加工パスを示す第2加工パスデータDP2をメモリ3に記憶させることを含んでいてもよい(
図22を参照。)。
【0230】
(第1壁8m、第1貫通孔部81m、第2壁8g、第2貫通孔部81g)
図10(あるいは、
図17)に記載の例では、第1モデルM1は、第1壁8mと、第1壁8mに設けられた第1貫通孔部81mと、を含む。また、
図11(あるいは、
図21)に記載の例では、第1加工パス生成モデルG1は、第2壁8gと、第2壁8gに設けられた第2貫通孔部81gと、を含む。
【0231】
第1加工パス生成モデルG1の第2壁8gは、第1モデルM1の第1壁8mに対応する壁である。また、第1加工パス生成モデルG1の第2貫通孔部81gは、第1モデルM1の第1貫通孔部81mに対応する孔部である。
図10および
図11(あるいは、
図17および
図21)に記載の例では、第2貫通孔部81gの形状は、第1貫通孔部81mの形状と同じである。また、
図10および
図11(あるいは、
図17および
図21)に記載の例では、第1加工パス生成モデルG1における第2貫通孔部81gの位置は、第1モデルM1における第1貫通孔部81mの位置と実質的に同じである。
【0232】
加工パス生成工程(第5ステップST5)の実行によって生成される第1加工パスは、第2貫通孔部81gの位置、および、第2貫通孔部81gの形状に基づいて生成される穿孔加工パスを含む。
【0233】
図8に記載の例では、制御指令SAを受信するレーザ加工機101は、第1細長ワークW1から第1細長部材Q1を作製する。また、制御指令SAを受信するレーザ加工機101は、第1細長ワークW1の壁8wにレーザを照射することにより、当該壁8wに貫通孔部81h(より具体的には、第1加工パス生成モデルG1の第2貫通孔部81gに対応する貫通孔部81h)を形成する。
【0234】
第1細長部材Q1に第2貫通孔部81gに対応する貫通孔部81hが形成され、その後、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが第1溶接部T1において溶接される場合を想定する。第2の実施形態では、溶接縮みが加味されて第1加工パスが生成されるため、第1溶接部T1における溶接縮みに起因して、貫通孔部81hの位置が、所望の位置から位置ずれしないか、あるいは、当該位置ずれが小さくて済む。
【0235】
第1細長部材Q1に位置精度が要求される貫通孔部を設ける必要がある場合、従来、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが溶接された後、第1細長部材Q1に当該貫通孔部が形成されていた。これに対し、第2の実施形態におけるレーザ加工方法では、第1細長部材Q1に位置精度が要求される貫通孔部を設ける必要がある場合において、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが溶接される前に、当該貫通孔部を第1細長部材Q1に形成することができる。よって、位置精度が要求される貫通孔部を有する第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とを含む組立体の作製時間が短縮される。また、組立体に対応した大型の加工機の使用が不要になるか、あるいは、当該大型の加工機の使用時間を低減することができる。
【0236】
(レーザ加工方法)
第2の実施形態におけるレーザ加工方法は、加工プログラムPGを作成する工程を有する。より具体的には、上述の第1ステップST1乃至第5ステップST5の実行後、第6ステップST6において、加工プログラムPGが作成される。第6ステップST6は、加工プログラム作成工程である。
【0237】
加工プログラム作成工程(第6ステップST6)は、少なくとも第1加工パスに基づいて、加工プログラムPGを作成することを含む。加工プログラム作成工程(第6ステップST6)は、少なくとも第1加工パスおよび第2加工パスに基づいて、加工プログラムPGを作成することを含んでいてもよい。なお、第1加工パス等の加工パスに基づいて加工プログラムPGを作成するアルゴリズムとしては、任意の公知のアルゴリズムを採用することができる。
【0238】
加工プログラムPGの作成は、プログラムPを実行する加工パス生成装置1(より具体的には、演算装置2)によって行われてもよい。代替的に、加工プログラムPGの作成は、制御装置7によって行われてもよい。
【0239】
加工プログラムPGの作成が加工パス生成装置1によって行われる場合には、第2の実施形態におけるレーザ加工方法は、制御装置7が、加工パス生成装置1によって作成された加工プログラムPGを受け取る工程を有する。より具体的には、第2の実施形態におけるレーザ加工方法は、制御装置7が、加工パス生成装置1から加工プログラムPGを受信する工程を有する。
【0240】
他方、加工プログラムPGの作成が制御装置7によって行われる場合には、第2の実施形態におけるレーザ加工方法は、制御装置7が、第1加工パスを示す第1加工パスデータDP1を受け取る工程と、制御装置7が、少なくとも第1加工パスに基づいて、加工プログラムPGを作成する工程と、を有する。
【0241】
第2の実施形態におけるレーザ加工方法は、加工プログラムPGに基づいて制御指令SAを生成する工程を有する。より具体的には、上述の第6ステップST6の実行後、第7ステップST7において、加工プログラムPGを実行する制御装置7は、制御指令SAを生成する。第7ステップST7は、制御指令生成工程である。
【0242】
制御装置7については、第1の実施形態において説明済みであるため、制御装置7についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0243】
第2の実施形態におけるレーザ加工方法は、第1細長ワークW1から第1細長部材Q1を作製する工程を有する。より具体的には、上述の第7ステップST7の実行後、第8ステップST8において、制御指令SAを受信するレーザ加工機101が第1細長ワークW1にレーザを照射することにより、第1細長ワークW1から第1細長部材Q1が作製される。第8ステップST8は、細長部材作製工程である。
【0244】
レーザ加工機101については、第1の実施形態において説明済みであるため、レーザ加工機101についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0245】
図8に例示されるように、細長部材作製工程(第8ステップST8)は、制御指令SAを受信するレーザ加工機101が、第1細長ワークW1の壁8wにレーザを照射することにより、当該壁8wに貫通孔部81h(より具体的には、第1加工パス生成モデルG1の第2貫通孔部81gに対応する貫通孔部81h)を形成することを含んでいてもよい。また、
図8に例示されるように、レーザ加工機101が、切削工具141等の工具を保持する加工ヘッド140を有する場合には、細長部材作製工程(第8ステップST8)は、制御指令SAを受信するレーザ加工機101が、工具を用いて第1細長ワークW1を加工することを含んでいてもよい。
【0246】
第2の実施形態におけるレーザ加工方法は、第1細長ワークW1または第1細長ワークW1とは別の第2細長ワークから、第2細長部材Q2を作製する工程を有していてもよい。より具体的には、制御指令SAを受信するレーザ加工機101が第1細長ワークW1または第2細長ワークにレーザを照射することにより、第1細長ワークW1または第2細長ワークから第2細長部材Q2が作製されてもよい。
【0247】
(プログラムP)
実施形態におけるプログラムPは、第2の実施形態における加工パス生成方法を加工パス生成装置1またはレーザ加工システム100に実行させるためのプログラムである。
【0248】
より具体的には、実施形態におけるプログラムPは、(1)第1細長部材Q1をモデリングした第1モデルM1と、第2細長部材Q2をモデリングした第2モデルM2とを含む複数のモデルMを準備する工程(換言すれば、上述の第1ステップST1)と、(2)第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが溶接されることとなる部分を第1溶接部T1と定義するとき、第1溶接部T1における第1細長部材Q1と第2細長部材Q2との第1位置合わせ形状としての第1形状HD1を決定する工程(換言すれば、上述の第2ステップST2)と、(3)第1溶接部T1における溶接により生じる第1細長部材Q1の第1縮み量を示す第1値V1を決定する工程(換言すれば、上述の第3ステップST3)と、(4)少なくとも第1形状HD1および第1値V1に基づいて、第1モデルM1の形状を修正することにより、第1モデルM1から第1加工パス生成モデルG1を作成する工程(換言すれば、上述の第4ステップST4)と、(5)第1加工パス生成モデルG1に基づいて、第1細長部材Q1を作製するための第1加工パスを生成する工程(換言すれば、上述の第5ステップST5)と、を具備する加工パス生成方法(より具体的には、第2の実施形態における加工パス生成方法)を、加工パス生成装置1またはレーザ加工システム100に実行させるためのプログラムである。
【0249】
第2の実施形態における加工パス生成方法については、説明済みであるため、第2の実施形態における加工パス生成方法についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0250】
プログラムPは、複数のサブプログラムを含んでいてもよい。例えば、プログラムPは、上述の第1ステップST1(準備工程)、上述の第2ステップST2(形状決定工程)および上述の第3ステップST3(縮み量決定工程)を実行するサブプログラムと、上述の第4ステップST4(加工パス生成モデル作成工程)を実行するサブプログラムと、上述の第5ステップST5(加工パス生成工程)を実行するサブプログラムと、を含んでいてもよい。
【0251】
プログラムPは、上述の第6ステップST6(加工プログラム作成工程)を実行するプログラムを含んでいてもよい。換言すれば、実施形態におけるプログラムPは、上述の第1ステップST1乃至第6ステップST6を含む加工プログラム作成方法を加工パス生成装置1またはレーザ加工システム100に実行させるためのプログラムであってもよい。
【0252】
第1の実施形態におけるメモリ3は、上述のプログラムPを記録した不揮発性記憶媒体であってもよい。上述のプログラムPを記録した不揮発性記憶媒体は、
図26に例示されるように、可搬式の記憶媒体3Mであってもよい。
【0253】
実施形態におけるプログラムPは、当該プログラムPが加工パス生成装置1またはレーザ加工システムによって実行されることにより、第2の実施形態における加工パス生成方法と同様の効果を奏する。
【0254】
(複数の細長部材Q)
図27には、第1の実施形態におけるレーザ加工システム100A、あるいは、第2の実施形態におけるレーザ加工方法を用いて作製される複数の細長部材が模式的に示されている。
【0255】
図27に記載の例では、第1細長部材Q1は、第1パイプQaである。よって、本明細書における「第1細長部材」は、「第1パイプ」に読み替え可能であり、本明細書における「第1モデル」は、「第1パイプモデル」に読み替え可能である。第1パイプQaは、例えば、中空、且つ、金属製である。第1パイプQaは、例えば、長方形パイプである(なお、長方形には、正方形も含まれる。)。換言すれば、第1パイプQaは、第1パイプQaの長手方向に垂直な断面において、矩形形状を有する。
図27に記載の例では、第1パイプQaの端部は、第1端部開口OP1を有する。
【0256】
図27に記載の例では、第2細長部材Q2は、第2パイプQbである。よって、本明細書における「第2細長部材」は、「第2パイプ」に読み替え可能であり、本明細書における「第2モデル」は、「第2パイプモデル」に読み替え可能である。第2パイプQbは、例えば、中空、且つ、金属製である。第2パイプQbは、例えば、長方形パイプである。換言すれば、第2パイプQbは、第2パイプQbの長手方向に垂直な断面において、矩形形状を有する。
図27に記載の例では、第2パイプQbの端部は、第2端部開口OP2を有する。
【0257】
図27に記載の例では、第3細長部材Q3は、第3パイプQcである。よって、本明細書における「第3細長部材」は、「第3パイプ」に読み替え可能であり、本明細書における「第3モデル」は、「第3パイプモデル」に読み替え可能である。第3パイプQcは、例えば、中空、且つ、金属製である。第3パイプQcは、例えば、長方形パイプである。換言すれば、第3パイプQcは、第3パイプQcの長手方向に垂直な断面において、矩形形状を有する。
図27に記載の例では、第3パイプQcの端部は、第3端部開口OP3を有する。
【0258】
図28に記載の例では、第1細長部材Q1は、C型チャンネル部材Qdである。よって、本明細書における「第1細長部材」は、「C型チャンネル部材」に読み替え可能であり、本明細書における「第1モデル」は、「C型チャンネル部材モデル」に読み替え可能である。C型チャンネル部材Qdは、例えば、金属製である。C型チャンネル部材Qdは、C型チャンネル部材の長手方向に垂直な断面において、略C字形状を有する。
【0259】
代替的に、第1細長部材Q1は、断面H字形状を有する細長部材(換言すれば、H型細長部材)であってもよい。よって、本明細書における「第1細長部材」は、「H型細長部材」に読み替え可能であり、本明細書における「第1モデル」は、「H型細長部材モデル」に読み替え可能である。
【0260】
更に代替的に、第1細長部材Q1は、第1パイプ、C型チャンネル部材、および、H型細長部材以外の細長部材であってもよい。
【0261】
第2細長部材Q2は、C型チャンネル部材であってもよいし、H型細長部材であってもよいし、その他の形状の細長部材であってもよい。
【0262】
第3細長部材Q3は、C型チャンネル部材であってもよいし、H型細長部材であってもよいし、その他の形状の細長部材であってもよい。
【0263】
図4、
図9、および、
図16に記載の例では、組立体モデルAMにおいて、第1モデルM1の延在方向と、第2モデルM2の延在方向との間のなす角度が90度である。換言すれば、第1細長部材Q1の延在方向と第2細長部材Q2の延在方向との間のなす角度が90度である状態で、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが溶接される。
【0264】
代替的に、
図29に例示されるように、組立体モデルAMにおいて、第1モデルM1の延在方向と、第2モデルM2の延在方向との間のなす角度は、90度より大きくてもよい。換言すれば、第1細長部材Q1の延在方向と第2細長部材Q2の延在方向との間のなす角度が90度より大きな状態で、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが溶接されてもよい。
【0265】
代替的に、
図30に例示されるように、組立体モデルAMにおいて、第1モデルM1の延在方向と、第2モデルM2の延在方向との間のなす角度は、90度より小さくてもよい。換言すれば、第1細長部材Q1の延在方向と第2細長部材Q2の延在方向との間のなす角度が90度より小さな状態で、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが溶接されてもよい。
【0266】
更に代替的に、組立体モデルAMにおいて、第1モデルM1と第2モデルM2とが一直線状に配置されていてもよい。換言すれば、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが一直線状に配置された状態で、第1細長部材Q1と第2細長部材Q2とが溶接されてもよい。
【0267】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0268】
1、1A…加工パス生成装置、2…演算装置、2a…プロセッサ、3…メモリ、3M…記憶媒体、4…入力装置、4k…キーボード、4p…ポインティングデバイス、5…ディスプレイ、6…通信回路、7…制御装置、8g…第2壁、8m…第1壁、8w…壁、10a…CAM装置、15…バス、21…加工パス生成モデル作成部、23…加工パス生成部、72…ディスプレイ、73…入力装置、74…演算装置、75…通信回路、76…メモリ、77…バス、81g…第2貫通孔部、81h…貫通孔部、81m…第1貫通孔部、91…CAD装置、100、100A…レーザ加工システム、101…レーザ加工機、103…搬入部、105…レーザ加工部、107…搬出部、110…レーザ照射装置、111…レーザヘッド、112…レーザ射出口、113…レーザ光源、115…光学部品、120…移動装置、121…第1移動装置、122a…第1移動体、122b…第1駆動装置、123a…第2移動体、123b…第2駆動装置、130…ワーク支持装置、131…第1チャック、132…把持部材、134…第2チャック、135…ガイドローラ、137…回転駆動装置、140…加工ヘッド、141…切削工具、AM…組立体モデル、B…境界領域、B1…形状修正された境界領域、B2…形状修正されていない境界領域、BN1…第1ボタン、BN2…第2ボタン、BN3…第3ボタン、BN4…第4ボタン、BN5…第5ボタン、C1…第1欄、C2…第2欄、C3…第3欄、C4…第4欄、C5…第5欄、C6…第6欄、C7…第7欄、DA…複数のモデルの形状データ、DA1…第1モデルの形状データ、DA2…第2モデルの形状データ、DA3…第3モデルの形状データ、DB1…第1加工パス生成モデルの形状データ、DB2…第2加工パス生成モデルの形状データ、DP1…第1加工パスデータ、DP2…第2加工パスデータ、Ds…第1形状を特定する形状特定データ、Dt…第2形状を特定する形状特定データ、E1…形状タイプの第1候補、E2…形状タイプの第2候補、F…ファイル、G1…第1加工パス生成モデル、Ge…第1加工パス生成モデルの端面の一部、G2…第2加工パス生成モデル、HA1…第1部分のオリジナル形状、HA2…第2部分のオリジナル形状、HA3…第3部分のオリジナル形状、HB1…修正後の第1部分の形状、HB2…修正後の第2部分の形状、HB3…修正後の第3部分の形状、HD1…第1形状、HD2…第2形状、IG1…第1入力を受け付ける画像、IG2…第2入力を受け付ける画像、IG3…第3入力を受け付ける画像、IG4…第4入力を受け付ける画像、IG5…第5入力を受け付ける画像、IM1…第1画像、IM2…第2画像、IM3…第3画像、J…強調表示部、LN…有線、M…モデル、M1…第1モデル、M2…第2モデル、M3…第3モデル、OP1…第1端部開口、OP2…第2端部開口、OP3…第3端部開口、P…プログラム、PG…加工プログラム、PJ…演算プログラム、Q…細長部材、Q1…第1細長部材、Q2…第2細長部材、Q3…第3細長部材、Qa…第1パイプ、Qb…第2パイプ、Qc…第3パイプ、Qd…C型チャンネル部材、R1…第1部分、R2…第2部分、R3…第3部分、RF1…第1干渉部分、RF2…第2干渉部分、SA…制御指令、SA1…移動指令、SA2…射出指令、SP1…作業室、SP2…オフィス空間、T1…第1溶接部、T2…第2溶接部、V1…第1値、V2…第2値、V3…第3値、Vc…推奨値、W…細長ワーク、W1…第1細長ワーク
【要約】
加工パス生成方法は、第1細長部材をモデリングした第1モデルと、第2細長部材をモデリングした第2モデルとを含む複数のモデルを準備する工程と、第1細長部材と第2細長部材とが溶接されることとなる部分を第1溶接部と定義するとき、第1溶接部における第1細長部材と第2細長部材との第1位置合わせ形状としての第1形状を決定する工程と、第1溶接部における溶接により生じる第1細長部材の第1縮み量を示す第1値を決定する工程と、少なくとも第1形状および第1値に基づいて、第1モデルの形状を修正することにより、第1モデルから第1加工パス生成モデルを作成する工程と、第1加工パス生成モデルに基づいて、第1細長部材を作製するための第1加工パスを生成する工程と、を具備する。