(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】チャネル切替え電力マルチプレクサ回路、及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
H03K 17/693 20060101AFI20240827BHJP
H03K 17/16 20060101ALI20240827BHJP
G05F 1/56 20060101ALI20240827BHJP
H02M 1/08 20060101ALI20240827BHJP
H03K 17/0812 20060101ALN20240827BHJP
H03K 17/08 20060101ALN20240827BHJP
【FI】
H03K17/693 D
H03K17/16 H
G05F1/56 310Z
H02M1/08 A
H03K17/0812
H03K17/08 C
(21)【出願番号】P 2021506974
(86)(22)【出願日】2019-08-09
(86)【国際出願番号】 US2019045884
(87)【国際公開番号】W WO2020033816
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-07-21
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ジャエ ウォン チョイ
(72)【発明者】
【氏名】スンホ ベック
(72)【発明者】
【氏名】リチャード タークソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョニー クラレンベーク
(72)【発明者】
【氏名】ビクシア リー
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0012635(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0019673(US,A1)
【文献】特開2001-111403(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121434(WO,A1)
【文献】特開平01-321829(JP,A)
【文献】特開平08-054967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/00-17/70
G05F 1/56
H02M 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力マルチプレクサであって、
第1の入力に結合される第1のトランジスタ、
前記第1のトランジスタと電力マルチプレクサの出力との間に結合され、前記第1の入力における第1の電圧を前記出力に選択的に結合するための第2のトランジスタ、
第2の入力に結合される第3のトランジスタ、
前記第3のトランジスタと電力マルチプレクサの出力との間に結合され、前記第2の入力における第2の電圧を前記出力に結合するための第4のトランジスタ、
電圧源を介して前記第1の入力に結合された一方の入力、前記出力に結合された他方の入力、および前記第1のトランジスタのゲートに結合された出力を含み、入力電圧の切替え動作の間に前記出力の電圧を監視することにより、前記第1のトランジスタのゲートに第3の電圧を提供する第1のダイオード増幅器、
一定のランプレートで前記第4のトランジスタをオンにするため、前記第4のトランジスタのゲートに第4の電圧を提供する第1のソフトスタート増幅器、
電圧源を介して前記第2の入力に結合された一方の入力、前記出力に結合された他方の入力、および前記第3のトランジスタのゲートに結合された出力を含み、入力電圧の切替え動作の間に前記出力の電圧を監視することにより、前記第3のトランジスタのゲートに第5の電圧を提供する第2のダイオード増幅器、および
一定のランプレートで前記第2のトランジスタをオンにするため、前記第2のトランジスタのゲートに第6の電圧を提供する第2のソフトスタート増幅器、
を含む、電力マルチプレクサ。
【請求項2】
請求項1に記載の電力マルチプレクサであって、
前記第1のダイオード増幅器が前記第1のトランジスタの前記ゲートに前記第3の電圧を提供する間に、前記出力における第7の電圧の降下を検出するためのコンパレータ、及び
前記コンパレータの出力に応じて、前記第1のトランジスタを一時的にオンにするためパルスを形成するためのワンショットジェネレータ、
をさらに含む、電力マルチプレクサ。
【請求項3】
請求項1に記載の電力マルチプレクサであって、前記第1のトランジスタが、前記第1の入力と前記出力の間で電流を双方向に通過させるように前記第2のトランジスタに接続される、電力マルチプレクサ。
【請求項4】
請求項1に記載の電力マルチプレクサであって、
接地に結合され、前記第1のソフトスタート増幅器の入力及び前記第2のソフトスタート増幅器の入力に結合されるコンデンサ、
をさらに含む、電力マルチプレクサ。
【請求項5】
請求項1に記載の電力マルチプレクサであって、
前記第1のダイオード増幅器をイネーブルし、前記第1のソフトスタート増幅器をイネーブルすることによって、前記電力マルチプレクサを、(a)前記第1の入力における前記第1の電圧が前記出力に結合される第1の状態から(b)前記第2の入力における前記第2の電圧が前記出力に結合される第2の状態に切り替えるコントローラをさらに含
み、
前記第1のダイオード増幅器は、前記他方の入力の電圧を前記一方の入力の電圧に調節するように前記第3の電圧を制御する、電力マルチプレクサ。
【請求項6】
請求項5に記載の電力マルチプレクサであって、前記コントローラが、前記第1のダイオード増幅器をディセーブルし、前記第1のソフトスタート増幅器をディセーブルするためのものである、電力マルチプレクサ。
【請求項7】
請求項6に記載の電力マルチプレクサであって、
前記コントローラが、前記第2のダイオード増幅器をイネーブルし、前記第2のソフトスタート増幅器をイネーブルすることによって、前記電力マルチプレクサを前記第2の状態から前記第1の状態に切り替えるためのものである、
電力マルチプレクサ。
【請求項8】
請求項1に記載の電力マルチプレクサであって、
前記第1のトランジスタのゲートに結合される第1のドライバ、
前記第2のトランジスタのゲートに結合される第2のドライバ、
前記第2のトランジスタの前記ゲートに結合される第1のプルダウン、
前記第3のトランジスタのゲートに結合される第3のドライバ、
前記第4のトランジスタのゲートに結合される第4のドライバ、
第4トランジスタの前記ゲートに結合される第2のプルダウン、及び
コントローラ、
をさらに含み、
前記コントローラが、
第1の状態において、前記第1のドライバをイネーブルし、前記第2のドライバをイネーブルし、前記第3のドライバをディセーブルし、前記第4のドライバをディセーブルし、前記第1のソフトスタート増幅器をディセーブルし、前記第1のダイオード増幅器をディセーブルし、第1のプルダウンをディセーブルし、第2のプルダウンをイネーブルして、前記第1の入力における前記第1の電圧を前記出力に結合し、
第2の状態において、前記第1のドライバをディセーブルし、前記第2のドライバをディセーブルし、前記第3のドライバをイネーブルし、前記第4のドライバをイネーブルし、前記第1のソフトスタート増幅器をディセーブルし、前記第1のダイオード増幅器をディセーブルし、前記第1のプルダウンをイネーブルし、前記第2のプルダウンをディセーブルして、前記第2の入力における前記第2の電圧を前記出力に結合し、並びに、
前記第1のプルダウンをディセーブルし、前記第2のプルダウンをディセーブルし、前記第1のダイオード増幅器をイネーブルし、前記第1のソフトスタート増幅器をイネーブルし、前記第1のドライバをディセーブルし、前記第2のドライバをイネーブルし、前記第3のドライバをイネーブルし、前記第4のドライバをディセーブルすることによって、前記電力マルチプレクサを前記第1の状態から前記第2の状態に移行させるためのものである、
電力マルチプレクサ。
【請求項9】
請求項
8に記載の電力マルチプレクサであって、
前記コントローラは、前記第1の状態から前記第2の状態に移行するとき、前記第2のダイオード増幅器をディスエーブルし、前記第2のソフトスタート増幅器をディスエーブルする、電力マルチプレクサ。
【請求項10】
請求項1に記載の電力マルチプレクサであって、
前記第1のトランジスタが前記第1の入力に結合されるソースを有し、
前記第2のトランジスタが前記第1のトランジスタのドレインに結合されるドレインと前記出力に結合されるソースとを有し、
前記第3のトランジスタが前記第2の入力に結合されるソースを有し、
前記第4のトランジスタが前記第3のトランジスタのドレインに結合されるドレインと前記出力に結合されるソースとを有
する、電力マルチプレクサ。
【請求項11】
請求項10に記載の電力マルチプレクサであって、前記第1のトランジスタが第1の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)であり、前記第2のトランジスタが第2のMOSFETであり、前記第3のトランジスタが第3のMOSFETであり、前記第4のトランジスタが第4のMOSFETである、電力マルチプレクサ。
【請求項12】
請求項11に記載の電力マルチプレクサであって、
前記出力に結合される第1の入力と、第2の電圧源を介して電力マルチプレクサの前記第1の入力に結合される第2の入力と、出力とを有するコンパレータ、
前記コンパレータの前記出力に結合される第1の入力と、
コントローラに結合されるイネーブル入力と、前記第1のダイオード増幅器のイネーブル入力に結合される出力とを有する論理ゲート、
をさらに含む、電力マルチプレクサ。
【請求項13】
請求項12に記載の電力マルチプレクサであって、
前記コンパレータの前記出力に結合される入力を有するパルスジェネレータ、及び
前記パルスジェネレータの出力に結合される入力と前記第1のMOSFETの前記ゲートに結合される出力とを有するドライバ、
をさらに含む、電力マルチプレクサ。
【請求項14】
請求項13に記載の電力マルチプレクサであって、
前記第1のMOSFETの前記ゲートに結合される出力を有する第1のドライバ、
前記第2のMOSFETのゲートに結合される出力を有する第2のドライバ、
前記第3のMOSFETのゲートに結合される出力を有する第3のドライバ、
前記第4のMOSFETの前記ゲートに結合される出力を有する第4のドライバ、
前記第2のMOSFETの前記ゲートに結合される出力を有する第1のプルダウン、及び
前記第4のMOSFETの前記ゲートに結合される出力を有する第2のプルダウン、
をさらに含む、電力マルチプレクサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して電力マルチプレクサに関し、より詳細には、チャネル切替え電力マルチプレクサ回路、及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力マルチプレクサは、継続的な出力電源を提供するために二つ又はそれ以上の入力電源を切り替える回路、デバイスなどである。
【発明の概要】
【0003】
例示の電力マルチプレクサが、第1の入力に結合される第1のトランジスタ、第1のトランジスタに結合され、第1の入力における第1の電圧を出力に結合するための第2のトランジスタ、第2の入力に結合される第3のトランジスタ、第3のトランジスタに結合され、第2の入力における第2の電圧を出力に結合するための第4のトランジスタ、逆電流を遮断するため第1トランジスタのゲートに第3の電圧を提供するためのダイオード増幅器、及び、一定のランプレートで第4のトランジスタをオンにするため第4のトランジスタのゲートに第4の電圧を提供するためのソフトスタート増幅器を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】本説明の態様に従って構築される例示の電力マルチプレクサ回路を図示する。
【
図1B】本説明の態様に従って構築される例示の電力マルチプレクサ回路を図示する。
【
図1C】本説明の態様に従って構築される例示の電力マルチプレクサ回路を図示する。
【0005】
【
図2】
図1A~
図1Cの電力マルチプレクサ回路を動作させるための例示のハードウェア論理又は機械可読命令を表わす例示の状態図を図示する。
【0006】
【0007】
【
図7】
図1A~
図1Cの例示の電力マルチプレクサ回路の例示の切替えを図示するグラフである。
【0008】
【
図8A】
図1A~
図1Cの電力マルチプレクサ回路を動作させるための例示のハードウェア論理又は機械可読命令を表す別の例示の状態図を図示する。
【
図8B】
図1A~
図1Cの電力マルチプレクサ回路を動作させるための例示のハードウェア論理又は機械可読命令を表す別の例示の状態図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
概して、同じ又は同様の部分を指すために、図面及び本説明を通して同じ参照番号が用いられる。図面は一定の縮尺で描かれていない。図面に示される接続線又はコネクタは、様々な要素間の例示の機能的関係及び/又は物理的又は論理的結合を表すことが意図されている。
【0010】
電力マルチプレクサには、入力電源間の切替えの際に望ましくないチャネル切替え挙動を示し得るものがある。例えば、入力電源間の即時切替えは、大きな突入電流、回路損傷を引き起こす恐れのある大きな逆電流、不十分な負荷過渡性、負荷容量及び/又は抵抗による不安定性、出力電圧の降下などを引き起こし得る。
【0011】
ここで、いくつかの電力マルチプレクサの特性及び/又は能力を向上させる例を詳細に参照し、これらの例の一部を添付の図面に示す。有利にも、説明する例は、広範な負荷条件下で、かつ、望ましくないチャネル切替え挙動を伴うことなく、チャネル切替えを実施する。
【0012】
図1A~
図1Cは、本説明の態様に従って構築される例示の電力マルチプレクサ回路100を図示する。出力101(例えば、電力マルチプレクサ出力)を第1の入力102(例えば、第1の電力マルチプレクサ入力)と第2の入力103(例えば、第2の電力マルチプレクサ入力)との間で選択的に切り替えるために、例示の電力マルチプレクサ回路100は例示のスイッチ回路104を含む。例示のスイッチ回路104は、例えば、第1の電源入力と第2の電源入力との間で電源出力を切り替えるために用いられ得る。
【0013】
入力102に結合される第1の入力電源を(例えば、コントローラ、状態機械などの制御下などで)出力101に選択的に結合するために、例示のスイッチ回路104は、例示の第1のトランジスタ(例えば、nチャネル金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)105、電界効果トランジスタ(FET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)など)、及び、例示の第2のトランジスタ(例えば、nチャネルMOSFET106、FET、BJTなど)を含む。例示のMOSFET105及び例示のMOSFET106は、それぞれのドレイン105Aと106Aが接続された状態のバックツーバックトポロジーで配置される。MOSFET105のソース105Bが第1の入力102に接続され、MOSFET106のソース106Bが出力101に接続される。MOSFET105及びMOSFET106両方がオンにされると、入力102は出力101に接続され、MOSFET105及びMOSFET106によって形成される第1のチャネルA107を介して入力102と出力101との間を電流が往復し得る。MOSFET105はボディダイオード105Dを有し、MOSFET106はボディダイオード106Dを有する。
【0014】
MOSFET105をオンにするため、例示のスイッチ回路104は例示のドライバ108を含む。例示のドライバ108は、出力108AからMOSFET105のゲート105Cにライン109上のゲート電圧を出力する。論理HIGH電圧がドライバ108のイネーブル入力108Bへのライン110上で提供されると、ドライバ108はMOSFET105をオンにする(例えば、閉じる)。MOSFET105が閉じられると、ドレイン105Aはソース105Bに結合される。
【0015】
MOSFET106をオンにするため、例示のスイッチ回路104は例示のドライバ111を含む。例示のドライバ111は、出力111AからMOSFET106のゲート106Cにライン112上のゲート電圧を出力する。ドライバ111は、ドライバ111のイネーブル入力111Bへのライン113上で論理HIGH電圧が提供されると、MOSFET106をオンにする(例えば、閉じる)。MOSFET106が閉じられると、ドレイン106Aはソース106Bに結合される。
【0016】
MOSFET105をオフにするため、例示のスイッチ回路104は例示のプルダウン114を含む。ライン115上の論理HIGHゲート電圧がプルダウン114のイネーブル入力114Aに提供されると、例示のプルダウン114は、MOSFET105のゲート105Cにおいてライン109上のゲート電圧を入力102における入力電圧VINAにプルして、MOSFET105をオフにし(例えば、開き)、ソース105Bからドレイン105Aを結合解除する。
【0017】
MOSFET106をオフにするため、例示のスイッチ回路104は例示のプルダウン116を含む。ライン117上の論理HIGHゲート電圧がプルダウン116のイネーブル入力116Aに提供されると、例示のプルダウン116は、MOSFET106のゲート106Cにおけるライン112上のゲート電圧を出力101における出力電圧VOUTにプルして、MOSFET106をオフにし(例えば、開き)、ソース106Bからドレイン106Aを結合解除する。
【0018】
概して、MOSFET105、106、118、119の一つがそのゲート電圧を介してオフにされているとき、それぞれのプルダウン114、116、127、129がイネーブルされ、それによって、関連の入力102、103が出力101から完全に結合解除される。
【0019】
入力103に結合される第2の入力電源を(例えば、コントローラ、状態機械などの制御下で)出力101に選択的に結合するために、例示のスイッチ回路104は、第3のトランジスタ(例えば、nチャネルMOSFET118、FET、BJTなど)及び第4のトランジスタ(例えば、nチャネルMOSFET119、FET、BJTなど)を含む。MOSFET118及びMOSFET119は、それぞれのドレイン118Aと119Aが接続される状態のバックツーバックトポロジーで配置される。MOSFET118のソース118Bは第2の入力103に接続され、MOSFET119のソース119Bは出力101に接続される。MOSFET118及びMOSFET119両方がオンにされると、入力103は出力101に接続され、MOSFET1118及びMOSFET119によって形成される第2のチャネルB120を介して入力103と出力101との間を電流が往復し得る。
【0020】
MOSFET118をオンにするため、例示のスイッチ回路104は例示のドライバ121を含む。例示のドライバ121は、出力121AからMOSFET118のゲート118Cにライン122上のゲート電圧を出力する。ドライバ121は、ドライバ121のイネーブル入力121Bへの論理HIGH電圧がライン123上で提供されると、MOSFET118をオンにする(例えば、閉じる)。MOSFET118が閉じられると、ドレイン118Aはソース118Bに結合される。
【0021】
MOSFET119をオンにするため、例示のスイッチ回路104は例示のドライバ124を含む。例示のドライバ124は、出力124AからMOSFET119のゲート119Cにライン125上のゲート電圧を出力する。ドライバ124は、ドライバ124のイネーブル入力124Bへの論理HIGH電圧がライン126上で提供されると、MOSFET119をオンにする(例えば、閉じる)。MOSFET119が閉じられると、ドレイン119Aがソース119Bに結合される。
【0022】
MOSFET118をオフにするため、例示のスイッチ回路104は例示のプルダウン127を含む。ライン128上の論理HIGHゲート電圧がプルダウン127のイネーブル入力127Aに提供されると、例示のプルダウン127は、MOSFET118のゲート118Cにおけるライン122上のゲート電圧を入力103における入力電圧VINBにプルして、MOSFET118をオフにし(例えば、開き)、ソース118Bからドレイン118Aを結合解除する。
【0023】
MOSFET119をオフにするため、例示のスイッチ回路104は例示のプルダウン129を含む。ライン130上の論理HIGHゲート電圧がプルダウン129のイネーブル入力129Aに提供されると、例示のプルダウン129は、MOSFET119のゲート119Cライン125上のゲート電圧を出力101における出力電圧VOUTにプルして、出力101でMOSFET119をオフにし(例えば、開き)、出力101から入力103を結合解除する。
【0024】
MOSFET105、106のゲート105C、106Cに対する寄生容量性結合により、入力102における入力電圧VINAが、MOSFET105、106をオンにすることによって出力101に結合されるのが早すぎると、入力102からの大きな突入電流が、関連するMOSFET105、106に切り替えられることが生じ得る。MOSFET105、106はそれぞれのチャネルを介して突入電流を通過させる。例えば、寄生容量性結合がMOSFET105をオンにすることができなかった場合、MOSFET105の突入電流はボディダイオード105Dを流れ得る。寄生結合による入力102からMOSFET105、106への突入電流を除去するため、例示のプルダウン114はイネーブルされて入力102にゲート105Cを放電してMOSFET105をオフに保ち、プルダウン116はイネーブルされてゲート106Cを出力101に放電してMOSFET106をオフに保つ。同様に、寄生結合による入力103からMOSFET118、119への突入電流を低減するため、例示のプルダウン127はイネーブルされてゲート118Cを入力103に放電してMOSFET118をオフに保ち、プルダウン129はイネーブルされてゲート119Cを出力101に放電してMOSFET119をオフに保つ。
【0025】
いくつかの例では、プルダウン114、116、127、及び129は、ライン131、132上のソフトスタート電圧に基づいて制御される(下記に記載)。例えば、ライン131、132上のソフトスタート電圧が閾値を満たす(例えば、基準電圧未満である)一方で、論理HIGHイネーブル電圧が、プルダウン114、116、127、及び129のそれぞれのイネーブル入力114A、116A、127A、及び129Aにおいて提供されて、プルダウン114、116、127、及び129を閉じ、それによって、MOSFET105、106、118、及び119を開き、寄生容量性結合の影響が低減される。
【0026】
ドライバ111及びドライバ124による固定出力電圧VOUTランプレート(dVout/dt)では、大きな出力容量Cout条件によって大きな突入電流が生成され得る。突入電流は、数学的にCout×dVout/dtと表現され得る。大きな出力容量Coutを小さな突入電流でサポートするため、例示の電力マルチプレクサ回路100は、調整可能なVOUTランプレートを可能にする例示のソフトスタート増幅器133を含む。例示のソフトスタート増幅器133の出力133Aが、ライン112を介してMOSFET106のゲート106Cに接続される。ソフトスタート増幅器133は、入力133Bにおけるライン131上のソフトスタート電圧に応答して、ゲート106Cにおけるライン112上のゲート電圧を駆動する。ソフトスタート増幅器133は、入力133Cにおけるライン134上のイネーブル電圧が論理HIGH電圧であるときイネーブルされる。入力133Bにおけるライン131上のソフトスタート電圧は、(例えば、一定又は安定したランプレートで、一定又は安定したランプレートに従ってなど)経時的に徐々に増加し、それによって、出力133A上の電圧は(例えば、一定又は安定したランプレートで、一定又は安定したランプレートに従ってなど)経時的に徐々に増加して、突入電流を管理するための出力101の立ち上がり時間が制御される。例えば、入力133Bにおけるライン131上のソフトスタート電圧は、IREF/Cssの一定のランプレートで増加し得、それによって、出力133Aにおける電圧を下記の一定のランプレートで増加させる。
ramp_rate=(IREF/Css)×ゲイン
ここで、Cssは外部コンデンサ135であり、ゲインはソフトスタート増幅器133のゲインであり、IREFは基準電流源136の電流出力である。
概して、外部コンデンサCss135は、応用例要件(例えば、予期される負荷条件、出力容量Cout条件、ターンオン時間目標、突入電流制限など)を満たすVOUTランプレートを制御するように選択され得る。例えば、大きな出力容量Cout条件下では、大型の外部コンデンサCss135が用いられて、遅いVOUTランプレートを形成し得、それによって、デバイスを損傷させたり電源VINを降下させたり(例えば、システムリセット)する恐れのある大きな突入電流を防ぎ得る。ただし、遅すぎるVOUTランプレートは、パワーアップシーケンスタイミング要件を満たすためのより高速なパワーアップから恩恵を受ける応用例に適さないことがある。いくつかの例では、ソフトスタート増幅器133は、ライン131上のソフトスタート電圧に基づいて制御される。例えば、ライン131上のソフトスタート電圧が閾値を満たさなくなると(例えば、基準電圧に等しいかそれより大きくなると)、プルダウン114及び116のイネーブル入力114A及び116Aにおいて論理LOWイネーブル電圧が提供されてプルダウン114及び116が開き、入力133Cにおいてライン134上の論理HIGHイネーブル電圧が提供されて、調節可能な出力ランプレート(IREF/Css)×ゲインでソフトスタート増幅器133がMOSFET106を閉じ得る。いくつかの例において、小さな出力容量COUTで、ソフトスタート増幅器133の代わりに固定充電電流ドライバが用いられ得る。いくつかの例において、基準電圧VREFは、ソフトスタート増幅器のヘッドルームに基づいて選択される。
【0027】
大出力容量Cout条件下で小さな突入電流を維持するために、例示の電力マルチプレクサ回路100は、調整可能なVOUTランプレートを可能にする例示のソフトスタート増幅器137を含む。例示のソフトスタート増幅器137の出力137Aが、ライン125を介してMOSFET119のゲート119Cに接続される。ソフトスタート増幅器137は、入力137Bにおけるライン132上のソフトスタート電圧に応答してゲート119Cにおけるライン125上のゲート電圧を駆動する。ソフトスタート増幅器137は、入力137Cにおけるライン138上のイネーブル電圧が論理HIGH電圧であるときイネーブルされる。ライン132上のソフトスタート電圧は一定のランプレートで増加し、それによって出力137A上の電圧が一定のランプレートで増加して出力101における電圧VOUTの立ち上がり時間を制御し、それによって突入電流を管理する。例えば、入力137Bにおけるライン132上のソフトスタート電圧は、一定のランプレートIREF/Cssで増加し得、それによって、出力137A上の電圧を下記の一定のランプレートで増加させる。
ramp_rate=(IREF/Css)×ゲイン
ここで、Cssは外部コンデンサ135であり、ゲインはソフトスタート増幅器137のゲインであり、IREFは基準電流源136の電流出力である。
概して、外部コンデンサCss135は、応用例要件(例えば、予期される負荷条件、出力容量Cout条件、ターンオン時間目標、突入電流制限など)を満たすVOUTランプレートを制御するように選択され得る。例えば、大きな出力容量Cout条件下では、大型の外部コンデンサCss135を用いて遅いVOUTランプレートを形成し得、それによって、デバイスを損傷したり電源VINを降下させたり(例えば、システムリセット)する恐れのある大きな突入電流を防ぎ得る。ただし、遅すぎるVOUTランプレートは、パワーアップシーケンスタイミング要件を満たすためのより高速なパワーアップから恩恵を受ける応用例に適さないことがある。いくつかの例では、ソフトスタート増幅器137はソフトスタート電圧に基づいて制御される。例えば、ライン132上のソフトスタート電圧が閾値を満たさなくなると(例えば、基準電圧に等しく又はそれより大きくなると)、プルダウン127及び129のイネーブル入力127A及び129Aにおいて論理LOWイネーブル電圧が提供されてプルダウン127及び129を開き、入力137Cにおいてライン138上の論理HIGHイネーブル電圧が提供されて、ソフトスタート増幅器137が調節可能な出力ランプレート(IREF/Css)×ゲインでMOSFET119を閉じ得る。小さい出力容量COUTを有するいくつかの例では、固定充電電流ドライバがソフトスタート増幅器137の代わりに用いられ得る。いくつかの例において、基準電圧VREFは、ソフトスタート増幅器のヘッドルームに基づいて選択される。
【0028】
任意の数及び/又は種類の供給源、ジェネレータなどが、ライン131、132上のソフトスタート電圧を生成するために用いられ得る。例えば、例示のジェネレータ139が、充電源(例えば、基準電流源136)及びライン131、132に結合される端子を有する外部コンデンサ135を含む。外部コンデンサ135は、基準電流源136によって充電され、ライン131、132上のソフトスタート電圧の一方又は両方を形成するように放電される。いくつかの例では、MOSFET106のゲート106C及びMOSFET119のゲート119Cは、それら自体の外部コンデンサ135を有する。いくつかの例では、外部コンデンサ135は、両方のチャネルによって共有され、各チャネル切替えの前に又は各チャネル切替えの一部として、ゲート140によって放電される。外部コンデンサ135は、ライン141上であってゲート140のゲート140A上のゲート電圧を制御することによって放電される。
【0029】
(a)第2のチャネルB120がオンにされる前に第1のチャネルA107がオフにされるときに生じ得る出力101における出力電圧VOUTの下落、及び/又は、(b)第1のチャネルA107がオフにされる前に第2のチャネルB120がオンにされるときに生じ得る逆電流(例えば、入力102、103から反対の入力103、102に流れる電流)を防止(例えば、低減、遮断、限定など)するために、
図1A~
図1Cの例示の電力マルチプレクサ回路100は例示のダイオード増幅器142を含む。例示のダイオード増幅器142の出力142Aが、MOSFET105のゲート105Cに接続される。例示のダイオード増幅器142は、ゲート105Cにおけるライン109上のゲート電圧を制御して、入力142Bにおける出力電圧VOUTを入力142Cにおける電圧VINA-VOS1Aに調節する。VOS1Aは、電圧源143の両端間の電圧(例えば、40ミリボルト(mV))である。何らかの負荷条件下では、ダイオード増幅器143は不安定になり得る。したがって、いくつかの例において、ダイオード増幅器142はチャネル切替え動作の間のみイネーブルされる。イネーブル入力142D上で受信されたライン144上のイネーブル入力電圧が、ダイオード増幅器142をディセーブル及びイネーブルするように制御され得る。
【0030】
(a)第2のチャネルA107がオンにされる前に第1のチャネルB120がオフにされるときに生じ得る出力101における出力電圧VOUTの下落、及び/又は、(b)第1のチャネルB120がオフにされる前に第2のチャネルA107がオンにされるときに生じ得る逆電流(例えば、入力103から入力102に流れる電流)を防止(例えば、低減、遮断、限定など)するために、
図1A~
図1Cの例示の電力マルチプレクサ回路100は例示のダイオード増幅器145を含む。例示のダイオード増幅器145の出力145Aが、MOSFET118のゲート118Cに接続される。例示のダイオード増幅器145は、ゲート118Cにおけるライン122上のゲート電圧を調節して、入力145Bにおける出力電圧VOUTを入力145Cにおける電圧VINB-VOS1Bに調節する。VOS1Bは、電圧源146の両端間の電圧(例えば、40ミリボルト(mV))である。何らかの負荷条件下では、ダイオード増幅器145は不安定になり得る。したがって、いくつかの例において、ダイオード増幅器145はチャネル切替え動作の間のみイネーブルされる。イネーブル入力145D上で受信されたライン147上のイネーブル入力電圧が、ダイオード増幅器145をディセーブル及びイネーブルするように制御され得る。
【0031】
必要であれば、例示のダイオード増幅器142を安定化させるために、
図1A~
図1Cの例示の電力マルチプレクサ回路100は、例示の昇圧コンパレータ148、パルスジェネレータ(例えば、例示のワンショットジェネレータ149)、及び例示の昇圧ドライバ150を含む。入力148Aにおける出力電圧VOUTが入力148Bにおける電圧VINA-VOS2A未満に下がると(例えば、VOS2>VOS1であるために潜在的に不安定なダイオード増幅器142又はVOUT降下を示す)、例示の昇圧コンパレータ148は、出力148Cにおけるライン151上に論理LOW電圧を出力する。論理ゲート(例えばANDゲート152)が、入力152Aにおけるライン151上の電圧の論理ANDと、入力152Bにおけるライン153上のイネーブル電圧とを演算する。ライン151上の論理LOW電圧は、ライン144上のイネーブル電圧を論理LOW電圧にし、それによってダイオード増幅器142をディセーブルする。VOS2Aは、いくつかの例では、VOS1Aより大きい電圧源154の両端間の電圧である。
【0032】
ワンショットジェネレータ149の入力149Aにおけるライン151上の論理LOW電圧により、ワンショットジェネレータ149が、出力149B上にパルス155(例えば、5マイクロ秒長)を形成する。例示の昇圧ドライバ150の入力149Aにおけるパルス155により、昇圧ドライバ150が、ライン109上にパルスゲート電圧を出力し、それによってMOSFET105が一定期間オンになる。例えば、VOUTをVIN-VOS1より大きくなる(VOUT>VIN-VOS1)ように増加させるために必要とされる時間となるように選択される5マイクロ秒により、ダイオード増幅器142が安定化される。例えば、VOUT>VIN-VOS1である場合、ダイオード増幅器142はMOSFET105をオフにし、そのため、ダイオード増幅器142は、安定性のためにVIN-VOS1を超えるようにVOUTを調節することができない。代わりに、VOUTをVIN-VOS1未満に放電してダイオード増幅器142のフィードバックループが再び行われるようにする必要があり、それによって、MOSFET10がオンになる。ダイオード増幅器142が再び不安定になると、又は負荷過渡性によりVOUTが降下すると、昇圧コンパレータ148がトリップする。このサイクルは、他のチャネルのソフトスタート増幅器137が出力電圧VOUTを制御し、VOUTがVIN-VOS1(ダイオード増幅器142のループカットオフ)より大きくなるまで繰り返される。出力101における出力電圧VOUTが電圧VINA-VOS2Aより大きくなると、例示の昇圧コンパレータ148は、出力148Cからライン151上に論理HIGH電圧を出力し、これによりANDゲート152の出力152Cがライン144上の論理HIGH電圧となり、それによって、ダイオード増幅器142が再びイネーブルされる。
【0033】
必要であれば、例示のダイオード増幅器145を安定化させるために、
図1A~
図1Cの例示の電力マルチプレクサ回路100は、例示の昇圧コンパレータ156、パルスジェネレータ(例えば、例示のワンショットジェネレータ157)、及び例示の昇圧ドライバ158を含む。入力156Aにおける出力電圧VOUTが、入力156Bにおける電圧VINB-VOS2B未満に下がると(例えば、潜在的に不安定なダイオード増幅器145又はVOUT降下を示す)、例示の昇圧コンパレータ156は、出力156Cからライン159上に論理LOW電圧を出力する。論理ゲート(例えばANDゲート160)が、入力159Aにおけるライン159上の電圧の論理ANDと、入力160Bにおけるライン161上のイネーブル電圧とを演算する。ライン159上の論理LOW電圧は、ライン147上のイネーブル電圧を論理LOW電圧となるようにし、それによってダイオード増幅器145をディセーブルする。VOS2Bは、電圧源162の両端間の電圧である。
【0034】
例示のワンショットジェネレータ157の入力157Aにおけるライン159上の論理LOW電圧により、ワンショットジェネレータ157が、出力157Bからライン163上にパルス(例えば、5マイクロ秒長)を形成する。例示の昇圧ドライバ158の入力158Aにおけるライン163上のパルスにより、昇圧ドライバ158が、ライン122上にパルスゲート電圧を出力し、それによってMOSFET118が例えば5マイクロ秒間オンになり、それによってダイオード増幅器145が安定化される。出力101における出力電圧VOUTが電圧VINA-VOS2Bより大きくなると、例示の昇圧コンパレータ156は、出力156Cからライン159上に論理HIGH電圧を出力し、これによりANDゲート160の出力160Cが論理HIGH電圧となるようにし、それによって、ダイオード増幅器145を再びイネーブルする。
【0035】
動作を制御するために、
図1A~
図1Cの例示の電力マルチプレクサ回路100は例示のコントローラ164を含む。例示のコントローラ164は、
図1A~
図1Cのデバイスの動作を、少なくとも制御するため、一つ又は複数の状態機械165を実装する。例示のコントローラ164は、入力166(例えば、電圧など)を受信し、出力を提供するか、又は電圧167(例えば、ライン110、113、115、117、123、126、128、130、134、138、153、161などの上の電圧など)を出力させて、電力マルチプレクサ回路100の状態を制御する。
【0036】
例示の状態機械165は、例えば、ハードウェア論理、及び/又は、不揮発性メモリ(例えば、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ)、揮発性メモリ(例えば、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、RAMBUS(登録商標)ダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM(登録商標))、及び/又は、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなどの、任意の数の及び/又は任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読ストレージデバイス又は非一時的なストレージディスクに格納される、機械可読命令によって実装され得る。
図1A~
図1Cの例示のコントローラ164は、例えば、論理回路、プログラマブルプロセッサ、プログラマブルコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、アドバンストRISCマシン(ARM)プロセッサ、フィールドプログラマブル論理デバイス(FPLD)などの一つ又は複数を含み得る。
【0037】
図示の例の例示のコントローラ164は、例えばバスを介して、ローカルメモリ168A(例えば、キャッシュ)、メインメモリ168B、揮発性メモリ168C、及び/又は不揮発性メモリ168Dを含むメモリ168を含む。揮発性メモリ168Cは、SDRAM、DRAM、RDRAM、及び/又は任意の他のタイプのランダムアクセスメモリデバイスによって実装され得る。不揮発性メモリ168Dは、フラッシュメモリ及び/又は任意の他の所望のタイプのメモリデバイスによって実装され得る。メモリ168へのアクセスは、メモリコントローラ(図示せず)によって制御される。
【0038】
状態機械165を含むコード化命令168E、並びに、
図2及び
図8A~
図8Bのコード化命令は、メインメモリ168B、揮発性メモリ168C、不揮発性メモリ168D、及び/又は、CD-ROM又はDVDなどの非一時的なリムーバブルコンピュータ可読ストレージ媒体上に格納され得る。
【0039】
例示の電力マルチプレクサ回路100が
図1A~
図1Cに示されているが、
図1A~
図1Cに示される要素、プロセス、構成要素、及び/又は、デバイスの一つ又は複数が、組み合わせ、分割、再配置、省略、削除、及び/又は他の方式で実装され得る。また、
図1A~
図1Cの例示の電力マルチプレクサ回路100は、
図1A~
図1Cに示すものに加えて又はその代わりに、一つ又は複数の要素、プロセス、及び/又はデバイスを含み得、及び/又は、図示の要素、プロセス、及びデバイスの任意のもの又は全部のうちの二つ以上を含み得る。例えば、電力マルチプレクサのいくつかの切替え態様が、必要とされない場合や望まれない場合などに省かれ得る。いくつかの例では、通信、結合などは、一つ又は複数の中間構成要素を介する間接的なものである。いくつかの例では、中間構成要素は、通信の信号又は情報完全性を変化させない。間接的な通信は、直接の物理的な(例えば、有線)通信及び/又は一定の通信を必要としない。
【0040】
図2は、
図1A~
図1Cの例示の電力マルチプレクサ回路100を動作させるための例示の状態機械の動作を表わす状態
図200である。
図2の状態
図200を実装するための状態機械が、
図1A~
図1Cの例示の電力マルチプレクサ回路100を動作させるためのハードウェア論理、機械可読命令、ハードウェア実装状態機械、及び/又はこれらの組み合わせとして実装され得る。状態
図200は、プロセッサによって実行されるための実行可能プログラム又は実行可能プログラムの一部とし得る。こういったプログラムは、ハードウェア論理及び/又は機械可読命令を含めて、不揮発性メモリ(例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ)、揮発性メモリ(例えば、SDRAM、DRAM、RDRAM(登録商標)、及び/又は、任意の他のタイプのRAMデバイス)などの、任意の数及び/又はタイプの非一時的なコンピュータ可読ストレージデバイス又は非一時的なストレージディスクに格納されるソフトウェア(例えば、機械可読命令)において具現化され得る。
【0041】
例示のプロセッサは、例えば、一つ又は複数のプログラマブルプロセッサ、プログラマブルコントローラ、DSP、ASIC、ARMプロセッサなどとし得る。これに加えて及び/又はこの代わりに、状態
図200は、一つ又は複数のハードウェア回路(個別及び/又は集積アナログ及び/又はデジタル回路要素、PLD、FPGA、ASIC、コンパレータ、演算増幅器(オペアンプ)、論理回路など)によって実装され得、こういったハードウェア回路は、ソフトウェア又はファームウェアを実行することなく、対応する動作を実施するように構成される。
図2に示す状態
図200を参照して例示の状態機械を説明するが、電力マルチプレクサ回路100を動作させる多くの他の方法が代替的に用いられ得る。例えば、これらの状態の実行順は変更され得、及び/又は、説明される状態の一部が、変更、削除、又は組み合わされ得る。
【0042】
図2の例示の状態
図200を
図3A~
図3C、
図4A~
図4C、
図5A~
図5C、及び
図6A~
図6C参照して説明する。
図3A~
図3C、
図4A~
図4C、
図5A~
図5C、及び
図6A~
図6Cは、
図2の状態
図200の状態202、204、206、及び208にそれぞれ対応する。
図3A~
図3C、
図4A~
図4C、
図5A~
図5C、及び
図6A~
図6Cは、図が関連する状態に対してどの構成要素、デバイスなどがイネーブルされるか、アクティブであるかなどを示すために、異なる構成要素、デバイスなどに陰影を付けている点を除き、
図1A~
図1Cと同一である。例えば、
図2の「チャネルAオン」状態202(これは
図3A~
図3Cに対応する)は、プルダウン127、129がイネーブルされてチャネルB120をオフにすることを示す。そのため、プルダウン127及び129は、
図3A~
図3Cにおいて陰影が付けられている。同様に、ソフトスタート増幅器133及び137は、「チャネルAオン」状態202においてディセーブルされ、そのため、
図3A~
図3Cにおいて陰影を付けずに示される。
図3A~
図3C、
図4A~
図4C、
図5A~
図5C、及び
図6A~
図6Cにおいてわかりやすく図示するために、或る状態においてイネーブルされる構成要素、デバイスなどのみを示す。他の構成要素、デバイスなどはすべてディセーブルされる。構成要素、デバイスなどが一つの状態においてイネーブルされ、電力マルチプレクサ回路100が、こういった構成要素、デバイスなどがディセーブルされる別の状態に移行する場合、状態移行時にこういった構成要素、デバイスなどがディセーブルされる。
【0043】
図2の例示の状態
図200は、チャネルA107(
図1A~
図1Cの入力102)からチャネルB120(
図1A~
図1Cの入力103)へのチャネル切替えを示す。
図3A~
図3Cに示す「チャネルAオン」状態202で開始すると、コントローラ164は、プルダウン127及びプルダウン129をイネーブルして、MOSFET118及び119をオフにしてチャネルB120をディセーブルし、ドライバ108及び111をイネーブルして、MOSFET105及び106をオンにし、それによって入力102を出力101に結合する。切替えに関連するすべてのデバイス(例えば、ソフトスタート増幅器133及び137、ダイオード増幅器142及び145、並びに昇圧コンパレータ148及び156)がディセーブルされる。
【0044】
チャネルB120がイネーブルされ(ブロック210)、入力103における入力電圧VINBが入力102における入力電圧VINAより大きい(ブロック212)場合、コントローラ164は、電力マルチプレクサ回路100を
図4A~
図4Cに示す「切替え」状態204に移行させる。「切替え」状態204において、ドライバ111、ドライバ121、ソフトスタート増幅器137、ダイオード増幅器142、及び昇圧コンパレータ148がイネーブルされる。ドライバ108及び124並びにプルダウン127、114、116、及び129はディセーブルされる。ソフトスタート増幅器137は、イネーブルされてMOSFET119を徐々にオンにし、それによって突入電流を管理(低減、制限など)する。ダイオード増幅器142及び昇圧コンパレータ148は、イネーブルされて、回路損傷及び/又は回路不安定を引き起こす恐れのある逆電流及び/又は出力電圧降下を管理(低減、制限、遮断など)する。ソフトスタート増幅器137、ダイオード増幅器142、及び昇圧コンパレータ148の使用により、電力マルチプレクサ回路100が、広範な負荷条件下で、及び、望ましくないチャネル切替え動作を伴うことなく、チャネルAからチャネルBに切り替わり得る。
【0045】
「切替え」状態204における
図1A~
図1Cの電力マルチプレクサ回路100の例示の動作を
図7に示す。
図7に示す例において、電力マルチプレクサ回路100は、入力102(VIN1)から入力103(VIN2)に切り替わっている。切替えのフェーズ702の間、ライン132上のソフトスタート電圧が基準電圧VREFを上回っている間は、ソフトスタート増幅器137がイネーブルされ(
図8A~
図8BのソフトスタートB状態を参照)、ダイオード増幅器142がイネーブルされ、昇圧コンパレータ148は、出力101において出力電圧VOUTを監視する。フェーズ702の間、ソフトスタート増幅器137は、ゲート119C上のゲート電圧をゲート119のVOUT+Vtより小さく保つことによってMOSFET119をオフにする。ソフトスタート増幅器137は、MOSFET119を徐々にオンにし、それによって突入電流を管理(低減、制限など)する。図示の例において、出力101における出力電圧VOUTが時間t1と時間t2の間でVIN1-VOS2を下回ると、昇圧コンパレータ148は、ワンショットジェネレータ149及び昇圧ドライバ150をトリガして、時間t2と時間t3におけるワンショット信号の立下りエッジとの間の出力電圧VOUTを一時的に高める。ダイオード増幅器142は、イネーブルされて、回路損傷及び/又は回路不安定を引き起こす恐れのある逆電流及び/又は出力電圧降下を管理(低減、制限、遮断など)する。昇圧コンパレータ148はイネーブルされて、ダイオード増幅器142に関連する不安定性を示し得る出力101における出力電圧VOUTの降下が検出及び制限される。このような不安定性は出力負荷条件から生じ得る。ソフトスタート増幅器137、ダイオード増幅器142、及び昇圧コンパレータ148の使用により、電力マルチプレクサ回路100が、広範な負荷条件下で、及び、望ましくないチャネル切替え動作を伴うことなく、チャネルAからチャネルBに切り替わり得る。
【0046】
フェーズ702の後、ソフトスタート増幅器137は、ゲート119C上のゲート電圧をVOUT+Vtよりも高く増加させ、(IREF/Css)×ゲインのレートでVOUTを増加させて、MOSFET119を経時的に徐々にオンにし、それによって、出力101における出力電圧VOUTを経時的に徐々に増大させる。
【0047】
図2に戻り、MOSFET119がオンになっているとき(ブロック214)、コントローラ164は、
図5A~
図5Cに示す「チャネルBオン」状態206に電力マルチプレクサ回路100を移行させる。いくつかの例では、MOSFET119がオンになった時点を判定することは、コンパレータがゲート119Cとソース119Bとの間のVgs電圧を基準電圧(例えば、3V)と比較し、及び/又は、コンパレータが電圧Cssを基準電圧(例えば、4V)と比較することを含む。いくつかの例において、基準電圧は、最も大きい期待値VINA及びVINB条件下でMOSFET106及びMOSFET119をオンにするように選択される。
図5A~
図5Cの「チャネルBオン」状態206において、ドライバ121及び124がイネーブルされて、それぞれ、MOSFET118及び119をオンにし、それによって入力103を出力101に結合する。チャネルA107に関連するドライバ108及び111がディセーブルされる。プルダウン114がイネーブルされてMOSFET105がオフになり、プルダウン116がイネーブルされてMOSFET106がオフになる。切替えに関連するすべてのデバイス(例えば、ソフトスタート増幅器133及び137、ダイオード増幅器142及び145、並びに、昇圧コンパレータ148及び156)がディセーブルされる。
【0048】
ブロック212に戻ると、入力103における入力電圧VINBが入力102における入力電圧VINAより大きくないとき(ブロック212)、コントローラは、電力マルチプレクサ回路100を
図6A~
図6Cの「両チャネルオフ」状態208に移行させる。「両チャネルオフ」状態208では、プルダウン114、116、127、及び129がイネーブルされ、すべての他のデバイス、構成要素がディセーブルされ、それによって入力電圧VINAも入力電圧VINBも出力101に接続されず、それによってRout(例えば、出力負荷)によってVOUTが放電する。VOUTは放電し、入力103における入力電圧VINBが出力101における出力電圧VOUTに等しいかそれより大きいとき(ブロック216)、コントローラ164は、電力マルチプレクサ回路100を上述の「チャネルBオン」状態206に移行させる。
【0049】
図8A~
図8Bは、
図1A~
図1Cの例示の電力マルチプレクサ回路100を動作させるための例示の状態機械を表わす状態
図800である。状態
図800は、
図1A~
図1Cの例示の電力マルチプレクサ回路100を動作させるためのハードウェア論理、機械可読命令、ハードウェア実装状態機械、及び/又はこれらの組合せとして実装され得る。状態
図800は、プロセッサによって実行される実行可能プログラム又は実行可能プログラムの一部とし得る。このプログラムは、不揮発性メモリ(例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ)、揮発性メモリ(例えば、SDRAM、DRAM、RDRAM(登録商標)、及び/又は任意の他のタイプのRAMデバイス)などの、任意の数及び/又はタイプの非一時的なコンピュータ可読ストレージデバイス又は非一時的なストレージディスクに格納されるソフトウェア(例えば、機械可読命令)において具現化され得る。例示のプロセッサは、例えば、プログラマブルプロセッサ、プログラマブルコントローラ、DSP、ASIC、ARMプロセッサなどの一つ又は複数とし得る。これに加えて及び/又はこの代わりに、状態
図800は、一つ又は複数のハードウェア回路(例えば、個別及び/又は集積アナログ及び/又はデジタル回路要素、PLD、FPGA、ASIC、コンパレータ、オペアンプ、論理回路など)によって実装され得、こういったハードウェア回路は、ソフトウェア又はファームウェアを実行することなく、対応する動作を実施するように構成される。例示の状態機械を
図8A~
図8Bに示す状態
図800を参照して説明するが、電力マルチプレクサ回路100を動作させる多くの他の方法が代替的に用いられ得る。例えば、こういった状態の実行順は変更され得、及び/又は、説明される状態の一部が変更、削除、又は組み合わされ得る。
【0050】
図示をわかりやすくするため、
図8A~
図8Bにおいて、或る状態においてイネーブルされる構成要素、デバイスなどのみを示す。他の構成要素、デバイスなどはすべてディセーブルされる。構成要素、デバイスなどが一つの状態においてイネーブルされ、電力マルチプレクサ回路100が、こういった構成要素、デバイスなどがディセーブルされる別の状態に移行する場合、状態移行時にこういった構成要素、デバイスなどがディセーブルされる。
【0051】
「ゲートAプルダウン」状態802で開始すると、プルダウン114、116、127、及び129は、Cgd寄生容量を介するゲートへの入力電圧結合を防止するために閉じる。ライン131上のソフトスタート信号SSが基準電圧VREFを超えると(ブロック804)、コントローラ164は、電力マルチプレクサ回路100を「ソフトスタートA」状態806に移行させる。
【0052】
「ソフトスタートA」状態806において、電力マルチプレクサ回路100は、ドライバ108、ソフトスタート増幅器133、及びプルダウン127及び129をイネーブルすることによってチャネルA107をオンにする構成になっている。MOSFET106がオンになると(ブロック808)、コントローラ164は、電力マルチプレクサ回路100を「チャネルAオン」状態810に移行させる。「チャネルAオン」状態810では、電力マルチプレクサ回路100は
図3A~
図3Cに示すように構成される。ソフトスタート増幅器133は、イネーブルされてMOSFET106を徐々にオンにし、それによって突入電流を管理(低減、制限など)する。
【0053】
チャネルB120がイネーブルされ(ブロック812)、及びVINB<VINAである(ブロック814)場合、コントローラは、電源マルチプレクサ回路100を、VINB≧VOUTとなるまで(ブロック818)、プルダウン114、116、127、及び129がイネーブルされる「2チャネルオフ状態816に移行させる。VINB≧VOUTである場合(ブロック818)、コントローラ164は、電力マルチプレクサ回路100を「チャネルBオン」状態820に移行させる。「チャネルBオン」状態820では、電力マルチプレクサ回路100は
図5A~
図5Cに示す構成になっている。
【0054】
ブロック814に戻ると、VINB>VINAである場合(ブロック814)、コントローラ164は、電力マルチプレクサ回路100を「ゲートBプルダウン」状態822に移行させる。「ゲートBプルダウン」状態822ではチャネルA107は以前にオンにされたため、状態822において、プルダウン127及び129がイネーブルされて入力VINBから寄生結合が除去される間、ドライバ108、111はイネーブルされてチャネルAをオンに保つ。ライン131、132上のソフトスタート信号SSが基準電圧VREFを超えると(ブロック824)、コントローラ164は、電力マルチプレクサ回路100を「ソフトスタートB」状態826に移行させる。
【0055】
「ソフトスタートB」状態826において、電力マルチプレクサ回路100は
図4A~
図4Cに示す構成になっている。「ソフトスタートB」状態826において、ソフトスタート増幅器137はイネーブルされて、MOSFET119を徐々にオンにし、それによって突入電流を管理(低減、制限など)する。ダイオード増幅器142はイネーブルされて、回路損傷及び/又は回路不安定を引き起こす恐れのある逆電流及び/又は出力電圧降下を管理(低減、制限、遮断など)する。昇圧コンパレータ148はイネーブルされて、ダイオード増幅器142に関連する不安定性を示し得る出力101における出力電圧VOUTの降下を検出及び制限する。このような不安定性は出力負荷条件から生じ得る。ソフトスタート増幅器137、ダイオード増幅器142、及び昇圧コンパレータ148の使用により、電力マルチプレクサ回路100が、広範な負荷条件下で、及び、望ましくないチャネル切替え動作を伴うことなく、チャネルAからチャネルBに切り替わり得る。
【0056】
MOSFET119がオンになると(ブロック828)、
図5A~
図5Cに示すように、コントローラ164は、電力マルチプレクサ回路100を「チャネルBオン」状態820に移行させる。
【0057】
例示の電力マルチプレクサ回路100が
図1A~
図1Cに示されているが、電力マルチプレクサは、付加的な回路要素を含み得、及び/又は、
図1A~
図1Cに示す回路要素の一部を除外し得る。例えば、出力Cout及びRoutの条件が制限される場合、昇圧コンパレータ148、ワンショットジェネレータ149、及び昇圧ドライバ150は、ダイオード増幅器142の安定性のために必要とされないことがある。
【0058】
明細書で用いられるように、「少なくとも」という句が、例えば請求項のプリアンブルおいて移行項として用いられる場合、この句は限定されない。用語「及び/又は」は、例えば、A、B、及び/又はCなどの形態で用いられる場合、A、B、Cの下記の任意の組み合わせ又はサブセット、例えば、(a)Aのみ、(b)Bのみ、(c)Cのみ、(d)Bを伴うA、(e)Cを伴うA、(f)Cを伴うB、及び(g)B及びCを伴うAなど、を指す。本明細書において構造、構成要素、品目、対象物、及び/又は物を記述する文脈で用いられる場合、「A及びBの少なくとも一つ」という句は、(a)少なくとも一つのA、(b)少なくとも一つのB、並びに(c)少なくとも一つのA及び少なくとも一つのB、のうちの任意のものを含む実装を指す。同様に、本明細書において構造、構成要素、品目、対象物、及び/又は物を記述する文脈で用いられる場合、「A又はBの少なくとも一つ」という句は、(a)少なくとも一つのA、(b)少なくとも一つのB、並びに(c)少なくとも一つのA及び少なくとも一つのB、のうちの任意のものを含む実装を指す。本明細書においてプロセス、命令、動作、行為、及び/又は工程の実施又は実行を記述する文脈で用いられる場合、「A及びBの少なくとも一つ」という句は、(a)少なくとも一つのA、(b)少なくとも一つのB、並びに(c)少なくとも一つのA及び少なくとも一つのB、のうちの任意のものを含む実装を指す。同様に、本明細書においてプロセス、命令、動作、行為、及び/又は工程の実施又は実行を記述する文脈で用いられる場合、「A又はBの少なくとも一つ」という句は、(a)少なくとも一つのA、(b)少なくとも一つのB、並びに(c)少なくとも一つのA及び少なくとも一つのB、のうちの任意のものを含む実装を指す。
【0059】
例示のチャネル切替え電力マルチプレクサ回路及びそれを動作させる方法が本明細書に記載されている。さらなる例及びそれらの組合せには、少なくとも以下のものが含まれる。
【0060】
例1は、第1の入力に結合される第1のトランジスタ、第1のトランジスタに結合され、第1の入力における第1の電圧を出力に選択的に結合するための第2のトランジスタ、第2の入力に結合される第3のトランジスタ、第3のトランジスタに結合され、第2の入力における第2の電圧を出力に結合するための第4のトランジスタ、第1トランジスタのゲートに第3の電圧を選択的に提供し、逆電流を遮断するためのダイオード増幅器、及び、第4のトランジスタのゲートに第4の電圧を提供して一定のランプレートで第4のトランジスタをオンにするためのソフトスタート増幅器を含む、電力マルチプレクサである。
【0061】
例2は、例1の電力マルチプレクサであり、ダイオード増幅器が第1のトランジスタのゲートに第3の電圧を提供する間に、出力における第5の電圧の降下を検出するためのコンパレータと、ダイオード増幅器が第1のトランジスタのゲートに第3の電圧を供給する間に、パルスを形成して第1のトランジスタを一時的にオンにするためのワンショットジェネレータとをさらに含む。
【0062】
例3は、例1の電力マルチプレクサであり、第1のトランジスタが、第1の入力と出力の間で電流を双方向に通過させるように第2のトランジスタに接続される。
【0063】
例4は、例1の電力マルチプレクサであり、第2のトランジスタのゲートに第5の電圧を提供して一定のランプレートで第2のトランジスタオンにするための第2のソフトスタート増幅器と、接地に結合され、ソフトスタート増幅器の入力及び第2のソフトスタート増幅器の入力に結合されるコンデンサとをさらに含む。
【0064】
例5は、例1の電力マルチプレクサであり、ダイオード増幅器をイネーブルし、ソフトスタート増幅器をイネーブルすることによって、電力マルチプレクサを、(a)第1の入力における第1の電圧が出力に結合される第1の状態から(b)第2の入力における第2の電圧が出力に結合される第2の状態に切り替えるコントローラをさらに含む。
【0065】
例6は、例5の電力マルチプレクサであり、コントローラが、ダイオード増幅器をディセーブルし、ソフトスタート増幅器をディセーブルするためのものである。
【0066】
例7は、例6の電力マルチプレクサであり、第3のトランジスタのゲートに第5の電圧を提供して逆電流を遮断するための第2のダイオード増幅器と、第2のトランジスタのゲートに第6の電圧を提供して一定のランプレートで第2のトランジスタをオンにするための第2のソフトスタート増幅器とをさらに含み、コントローラは、第2のダイオード増幅器をイネーブルし、第2のソフトスタート増幅器をイネーブルすることによって、電力マルチプレクサを第1の状態から第2の状態に切り替える。
【0067】
例8は、例7の電力マルチプレクサであり、第1のトランジスタのゲートに結合される第1のドライバ、第2のトランジスタのゲートに結合される第2のドライバ、第2のトランジスタのゲートに結合される第1のプルダウン、第3のトランジスタのゲートに結合される第3のドライバ、第4のトランジスタのゲートに結合される第4のドライバ、第4トランジスタのゲートに結合される第2のプルダウン、及びコントローラをさらに含む。コントローラは、第1の状態において、第1のドライバをイネーブルし、第2のドライバをイネーブルし、第3のドライバをディセーブルし、第4のドライバをディセーブルし、ソフトスタート増幅器をディセーブルし、第2のダイオード増幅器をディセーブルし、第1のプルダウンをディセーブルし、第2のプルダウンをイネーブルして、第1の入力における第1の電圧を出力に結合し;第2の状態において、第1のドライバをディセーブルし、第2のドライバをディセーブルし、第3のドライバをイネーブルし、第4のドライバをイネーブルし、ソフトスタート増幅器をディセーブルし、ダイオード増幅器をディセーブルし、第1のプルダウンをイネーブルし、第2のプルダウンをディセーブルして、第2の入力における第2の電圧を出力に結合し;並びに、第1のプルダウンをディセーブルし、ダイオード増幅器をイネーブルし、ソフトスタート増幅器をイネーブルし、第1のドライバをディセーブルし、第2のドライバをイネーブルし、第3のドライバをイネーブルし、第4のドライバをディセーブルすることによって、電力マルチプレクサを第1の状態から第2の状態に移行させる。
【0068】
例9は、電力マルチプレクサ回路を制御する方法であり、ソフトスタート増幅器をイネーブルして第2のトランジスタをオンにすること、第2のトランジスタが、第1の入力と出力の間に第1のチャネルを形成するために第1のトランジスタのドレインに接続されるドレインを有し、ダイオード増幅器をイネーブルして第3のトランジスタのゲート電圧をレギュレートすること、第3のトランジスタが、第2の入力と出力の間に第2のチャネルを形成するために第4のトランジスタのドレインに接続されるドレインを有し、第1のトランジスタがオンになっているとき、ソフトスタート増幅器をディセーブルし、第1のドライバをイネーブルして第1のトランジスタをオンにし、ダイオード増幅器をディセーブルすることを含む。
【0069】
例10は、例9の電力マルチプレクサ回路を制御する方法であり、ソフトスタート増幅器がイネーブルされるとき第2のトランジスタを保つために第2のドライバをイネーブルすることをさらに含む。
【0070】
例11は、例9の電力マルチプレクサ回路を制御する方法であり、出力における出力電圧がしきい値を満たすとき、ダイオード増幅器をディセーブルし、昇圧ドライバをイネーブルして第3のトランジスタに対するパルスゲート電圧を形成する。
【0071】
例12は、例9の電力マルチプレクサ回路を制御する方法であり、第1のトランジスタがオンになっているとき、プルダウンをイネーブルして第3のトランジスタ及び第4のトランジスタをディセーブルすることをさらに含む。
【0072】
例13は、例9の電力マルチプレクサ回路を制御する方法であり、ダイオード増幅器が、出力における出力電圧と入力電圧との比較に基づいて第3のトランジスタのゲート電圧をレギュレートする。
【0073】
例14は、例9の電力マルチプレクサ回路を制御する方法であり、コンデンサを充電及び放電してソフトスタート増幅器に対する入力を生成することをさらに含む。
【0074】
例15は、電力マルチプレクサ回路であり、電力マルチプレクサ回路は、第1の電力マルチプレクサ入力に結合されるソースを有する第1のトランジスタ、第1のトランジスタのドレインに結合されるドレインと電力マルチプレクサ出力に結合されるソースとを有する第2のトランジスタ、第2の電源入力に結合されるソースを有する第3のトランジスタ、第3のトランジスタのドレインに結合されるドレインと電源マルチプレクサ入力に結合されるソースとを有する第4のトランジスタ、第1のトランジスタのゲートに結合される出力と、第1の電圧源を介して第1の電力マルチプレクサ入力に結合される第1の入力と、電力マルチプレクサ出力に結合される第2の入力とを有する第1の増幅器、第4のトランジスタのゲートに結合される出力を有する第2の増幅器、第2の増幅器の入力及び充電源に結合される第1の端子を有するコンデンサ、及び、第1の増幅器のイネーブル入力及び第2の増幅器のイネーブル入力に結合されるコントローラを含む。
【0075】
例16は、例15の電力マルチプレクサ回路であり、第1のトランジスタが第1の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)であり、第2のトランジスタが第2のMOSFETであり、第3のトランジスタが第3のMOSFETであり、第4のトランジスタが第4のMOSFETである。
【0076】
例17は、例16の電力マルチプレクサ回路であり、電力マルチプレクサ回路は、電力マルチプレクサ出力に結合される第1の入力と、第2の電圧源を介して第1の電力マルチプレクサ入力に結合される第2の入力と、出力とを有するコンパレータをさらに含む。
【0077】
この電力マルチプレクサ回路は、コンパレータの出力に結合される第1の入力と、コントローラに結合されるイネーブル入力と、第1の増幅器のイネーブル入力に結合される出力とを有する論理ゲートをさらに含む。
【0078】
例18は、例17の電力マルチプレクサ回路であり、コンパレータの出力に結合される入力を有するパルスジェネレータ、及び、パルスジェネレータの出力に結合される入力と第1のMOSFETのゲートに結合される出力とを有するドライバをさらに含む。
【0079】
例19は、例18の電力マルチプレクサ回路であり、第1のMOSFETのゲートに結合される出力を有する第1のドライバ、第2のMOSFETのゲートに結合される出力を有する第2のドライバ、第3のMOSFETのゲートに結合される出力を有する第3のドライバ、第4のMOSFETのゲートに結合される出力を有する第4のドライバ、第2のMOSFETのゲートに結合される出力を有する第1のプルダウン、及び第4のMOSFETのゲートに結合される出力を有する第2のプルダウンをさらに含む。
【0080】
本明細書に引用される出版物、特許出願、及び特許を含むいかなる参照文献も、各参照文献が参照によって組み込まれることが個別に及び具体的に示されており、その全体が本明細書に記載されているのと同程度に、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0081】
特許請求の範囲内で、説明した実施形態における改変が可能であり、他の実施形態が可能である。