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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】熱補償を扱うシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/52 20230101AFI20240827BHJP
   G06T 5/80 20240101ALI20240827BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20240827BHJP
   H04N 23/95 20230101ALI20240827BHJP
【FI】
H04N23/52
G06T5/80
H04N23/56
H04N23/95
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022190728
(22)【出願日】2022-11-29
(65)【公開番号】P2024078282
(43)【公開日】2024-06-10
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】502429109
【氏名又は名称】奇景光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】張 乃▲てぃん▼
(72)【発明者】
【氏名】劉 逸▲のぉん▼
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-111101(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0061056(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/52
G06T 5/80
H04N 23/56
H04N 23/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱補償を扱うシステムであって、
画像キャプチャ装置であり、
第1画像をキャプチャするように構成されたキャプチャ回路、及び
当該画像キャプチャ装置の第1温度を検出するように構成された第1センシング回路、
を有する画像キャプチャ装置と、
投影装置であり、
参照画像を投影するように構成された投影回路、及び
当該投影装置の第2温度を検出するように構成された第2センシング回路、
を有する投影装置と、
前記画像キャプチャ装置に関連する複数の第1パラメータ、前記投影装置に関連する複数の第2パラメータ、及び前記参照画像を格納するように構成された記憶装置と、
前記画像キャプチャ装置、前記投影装置、及び前記記憶装置に結合された処理装置であり、
前記第1温度及び前記複数の第1パラメータに従って第1補間画像を生成し、
前記第1補間画像に従って前記第1画像を補償して第1の補償された画像を生成し、
前記第2温度及び前記複数の第2パラメータに従って第2補間画像を生成し、
前記第2補間画像に従って前記参照画像を補償して第2の補償された画像を生成し、
前記第1の補償された画像及び前記第2の補償された画像に従って第2画像を生成する、
ように構成された処理回路、を有する処理装置と、
を有するシステム。
【請求項2】
前記処理装置は更に、
前記画像キャプチャ装置から前記第1画像及び前記第1温度を受信し、
前記投影装置から前記第2温度を受信し、
前記記憶装置から前記複数の第1パラメータ、前記複数の第2パラメータ、及び前記参照画像を受信する、
ように構成された受信回路、を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の第1パラメータは、前記第1温度と前記第1画像の第1ピクセルシフトとの間の第1関係を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の第2パラメータは、前記第2温度と前記参照画像の第2ピクセルシフトとの間の第2関係を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
周囲温度を検出するように構成された第3センシング回路、
を更に有する請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記記憶装置は、前記画像キャプチャ装置及び前記周囲温度に関連する複数の第3パラメータを格納し、且つ前記投影装置及び前記周囲温度に関連する複数の第4パラメータを格納する、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理回路は、前記第1温度、前記複数の第1パラメータ、前記周囲温度、及び前記複数の第3パラメータに従って前記第1画像を補償して、前記第1の補償された画像を生成する、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記処理回路は、前記第2温度、前記複数の第2パラメータ、前記周囲温度、及び前記複数の第4パラメータに従って前記参照画像を補償して、前記第2の補償された画像を生成する、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
熱補償を扱う方法であって、
参照画像を投影し、
第1画像をキャプチャし、
画像キャプチャ装置の第1温度を検出し、
投影装置の第2温度を検出し、
前記画像キャプチャ装置に関連する複数の第1パラメータ、前記投影装置に関連する複数の第2パラメータ、及び前記参照画像を格納し、
前記第1温度及び前記複数の第1パラメータに従って第1補間画像を生成し、
前記第1補間画像に従って前記第1画像を補償して第1の補償された画像を生成し、
前記第2温度及び前記複数の第2パラメータに従って第2補間画像を生成し、
前記第2補間画像に従って前記参照画像を補償して第2の補償された画像を生成し、
前記第1の補償された画像及び前記第2の補償された画像に従って第2画像を生成する、
ことを有する方法。
【請求項10】
前記複数の第1パラメータは、前記第1温度と前記第1画像の第1ピクセルシフトとの間の第1関係を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の第2パラメータは、前記第2温度と前記参照画像の第2ピクセルシフトとの間の第2関係を含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
周囲温度を検出し、
前記画像キャプチャ装置及び前記周囲温度に関連する複数の第3パラメータを格納し、
前記投影装置及び前記周囲温度に関連する複数の第4パラメータを格納する、
ことを更に有する請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1温度、前記複数の第1パラメータ、前記周囲温度、及び前記複数の第3パラメータに従って前記第1画像を補償して、前記第1の補償された画像を生成する、
ことを更に有する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2温度、前記複数の第2パラメータ、前記周囲温度、及び前記複数の第4パラメータに従って前記参照画像を補償して、前記第2の補償された画像を生成する、
ことを更に有する請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストラクチャードライト(structured light)3Dシステムで使用されるシステム及び方法に関し、より具体的には、ストラクチャードライト3Dシステムの熱補償を扱うシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ストラクチャードライト3Dシステムは、投影装置、画像キャプチャ装置、及び処理装置で構成される。処理装置は、投影装置に関連する参照画像と画像キャプチャ装置からのキャプチャ画像とに従って深度マップを生成する。画像キャプチャ装置及び投影装置は、温度の変化及びコンポーネントウォームアップの影響を受けやすい。熱的な影響は、投影装置の投影像における歪み、並びにキャプチャ画像及び参照画像におけるピクセルドリフトにつながる。従って、正確な深度マップを得るために、投影装置及び画像キャプチャ装置に対してどのように熱補償を扱うかが、解決すべき重要な問題である。
【発明の概要】
【0003】
故に、本発明は、上述の問題を解決するための熱補償を扱う装置及び方法を提供する。
【0004】
熱補償を扱うシステムは、画像キャプチャ装置であり、第1画像をキャプチャするように構成されたキャプチャ回路、及び当該画像キャプチャ装置の第1温度を検出するように構成された第1センシング回路、を有する画像キャプチャ装置と、投影装置であり、当該投影装置の第2温度を検出するように構成された第2センシング回路、を有する投影装置と、画像キャプチャ装置に関連する複数の第1パラメータ、投影装置に関連する複数の第2パラメータ、及び投影装置に関連する参照画像を格納するように構成された記憶装置と、処理装置であり、第1温度及び複数の第1パラメータに従って第1画像を補償して、第1の補償された画像を生成し、第2温度及び複数の第2パラメータに従って参照画像を補償して、第2の補償された画像を生成し、第1の補償された画像及び第2の補償された画像に従って第2画像を生成する、ように構成された処理回路を有する処理装置と、を有する。
【0005】
熱補償を扱う方法は、第1画像をキャプチャし、画像キャプチャ装置の第1温度を検出し、投影装置の第2温度を検出し、画像キャプチャ装置に関連する複数の第1パラメータ、投影装置に関連する複数の第2パラメータ、及び投影装置に関連する参照画像を格納し、第1温度及び複数の第1パラメータに従って第1画像を補償して、第1の補償された画像を生成し、第2温度及び複数の第2パラメータに従って参照画像を補償して、第2の補償された画像を生成し、そして、第1の補償された画像及び第2の補償された画像に従って第2画像を生成する、ことを有する。
【0006】
様々な図及び図面に示される好適実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後、本発明のこれら及び他の目的が当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に従ったシステムの概略図である。
図2】本発明の一実施形態に従ったシステムの概略図である。
図3】本発明の一実施形態に従った画像キャプチャ装置のピクセルシフトパラメータと温度との間の関係図である。
図4】本発明の一実施形態に従った投影装置のピクセルシフトパラメータと温度との間の関係図である。
図5】本発明の一例に従ったプロセスのフローチャートである。
図6】本発明の一例に従ったプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施形態に従ったシステム100の概略図である。システム100は、ストラクチャードライト3Dシステムとし得る。図1において、システム100は、画像キャプチャ装置110、投影装置120、記憶装置130、及び処理装置140を有する。画像キャプチャ装置110は、キャプチャ回路112及び第1センシング回路114を有する。キャプチャ回路112は、第1画像をキャプチャするように構成される。第1センシング回路114は、画像キャプチャ装置110の第1温度を検出(例えば、測定)するように構成される。投影装置120は第2センシング回路122を有する。第2センシング回路122は、投影装置120の第2温度を検出(例えば、測定)するように構成される。記憶装置130は、画像キャプチャ装置110に関連する複数の第1パラメータ、投影装置120に関連する複数の第2パラメータ、及び投影装置120に関連する参照画像(例えば、グランドトゥルース画像)を格納するように構成される。処理装置140は、画像キャプチャ装置110、投影装置120、及び記憶装置130に結合され、処理回路142を有する。処理回路142は、第1温度及び複数の第1パラメータに従って第1画像を補償して、第1の補償された画像を生成し、第2温度及び複数の第2パラメータに従って参照画像を補償して、第2の補償された画像を生成し、第1の補償された画像及び第2の補償された画像に従って第2画像(例えば、深度マップ)を生成するように構成される。
【0009】
一実施形態において、画像キャプチャ装置110は、モニタ、ビデオカメラ、カメラ、又は上記のいずれかの組み合わせであるが、ここで限定されるものではない。一実施形態において、投影装置120は、バイオスコープ、プロジェクタ、又は上記のいずれかの組み合わせであるが、ここで限定されるものではない。一実施形態において、記憶装置130は、処理装置140に外部接続されたり、処理装置140内に配置されたりするが、ここで限定されるものではない。一実施形態において、第1/第2センシング回路114/122は、装置の温度を検出するセンサ(例えば、温度計)であるが、ここで限定されるものではない。
【0010】
一実施形態において、投影装置120は更に投影回路を有する。投影回路は、設計画像(例えば、参照画像)を投影するように構成される。一実施形態において、処理装置140は更に受信回路を有する。受信回路は、画像キャプチャ装置110から第1画像及び第1温度を受信し、投影装置120から第2温度を受信し、記憶装置130から複数の第1パラメータ、複数の第2パラメータ、及び参照画像を受信するように構成される。一実施形態において、受信回路は、他の装置/回路からデータを受信(例えば、取得、ロード)する中央演算処理ユニット(CPU)であるが、ここで限定されるものではない。
【0011】
一実施形態において、第1温度及び複数の第1パラメータに従って第1画像を補償して第1の補償された画像を生成するステップは、(例えば、補間法を用いることによって)第1温度及び複数の第1パラメータに従って第1補間画像を生成し、第1補間画像に従って第1画像を補償して第1の補償された画像を生成することを有する。一実施形態において、第2温度及び複数の第2パラメータに従って参照画像を補償して第2の補償された画像を生成するステップは、(例えば、補間法を用いることによって)第2温度及び複数の第2パラメータに従って第2補間画像を生成し、第2補間画像に従って参照画像を補償して第2の補償された画像を生成することを有する。一実施形態において、処理回路142は、第1の補償された画像及び第2の補償された画像に深度デコーディングを使用することによって第2画像を生成する。
【0012】
一実施形態において、複数の第1パラメータは、第1温度と第1画像の第1ピクセルシフトとの間の第1関係(例えば、テーブル)を含む。一実施形態において、複数の第1パラメータは、第1画像の複数の第1ピクセルシフトパラメータを含み、複数の第1ピクセルシフトパラメータは第1温度と関連付けられる。一実施形態において、複数の第1パラメータは、画像キャプチャ装置110の複数の第1レンズ歪み係数を含み、複数の第1レンズ歪み係数は第1温度と関連付けられる。第1関係と複数の第1レンズ歪み係数とを、記憶装置130によって格納されるテーブルへと結合し得るが、ここで限定されるものではない。
【0013】
一実施形態において、複数の第2パラメータは、第2温度と参照画像の第2ピクセルシフトとの間の第2関係(例えば、テーブル)を含む。一実施形態において、複数の第2パラメータは、参照画像の複数の第2ピクセルシフトパラメータを含み、複数の第2ピクセルシフトパラメータは第2温度と関連付けられる。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態に従ったシステム200の概略図である。システム200は、ストラクチャードライト3Dシステムとし得る。図2において、システム200は、画像キャプチャ装置210、投影装置220、記憶装置230、処理装置240、及び第3センシング回路250を有する。キャプチャ回路212と第1センシング回路214とを有する画像キャプチャ装置210、第2センシング回路222を有する投影装置220、記憶装置230、処理回路242を有する処理装置240については、それぞれ、図1の画像キャプチャ装置110、投影装置120、記憶装置130、及び処理装置140を参照することができる。図1の実施形態を図2に適用することができ、簡潔さのため、ここで説明することはしない。図2では、第3センシング回路250が、周囲温度(例えば、環境温度)を検出(例えば、測定)するように構成されている。一実施形態において、第3センシング回路250は、温度を検出するセンサ(例えば、温度計)であるが、ここで限定されるものではない。
【0015】
図2において、記憶装置230は、画像キャプチャ装置210及び周囲温度に関連する複数の第3パラメータを格納するとともに、投影装置220及び周囲温度に関連する複数の第4パラメータを格納する。処理回路242は、第1温度、複数の第1パラメータ、周囲温度、及び複数の第3パラメータに従って第1画像を補償して、第1の補償された画像を生成する。処理回路242は、第2温度、複数の第2パラメータ、周囲温度、及び複数の第4パラメータに従って参照画像を補償して、第2の補償された画像を生成する。そして、処理回路242は、第1の補償された画像及び第2の補償された画像に従って、第2画像(例えば、深度マップ)を生成する。
【0016】
一実施形態において、複数の第3パラメータは、周囲温度と第1画像の第3ピクセルシフトとの間の第3関係(例えば、テーブル)を含む。一実施形態において、複数の第3パラメータは、第1画像の複数の第3ピクセルシフトパラメータを含み、複数の第3ピクセルシフトパラメータは周囲温度と関連付けられる。一実施形態において、複数の第3パラメータは、画像キャプチャ装置210の複数の第2レンズ歪み係数を含み、複数の第2レンズ歪み係数は周囲温度と関連付けられる。第3関係と複数の第2レンズ歪み係数とを、記憶装置230によって格納されるテーブルへと結合し得るが、ここで限定されるものではない。
【0017】
一実施形態において、複数の第4パラメータは、周囲温度と参照画像の第4ピクセルシフトとの間の第4関係(例えば、テーブル)を含む。一実施形態において、複数の第4パラメータは、参照画像の複数の第4ピクセルシフトパラメータを含み、複数の第4ピクセルシフトパラメータは周囲温度と関連付けられる。
【0018】
上記のピクセルシフトパラメータ(例えば、複数の第1ピクセルシフトパラメータ、複数の第2ピクセルシフトパラメータ、複数の第3ピクセルシフトパラメータ、及び複数の第4ピクセルシフトパラメータ)は、画像キャプチャ装置110/210及び/又は投影装置120/220に関する(1つ以上の)多項式によって測定され得るが、ここで限定されるものではない。上記のピクセルシフトパラメータはチャンバ内で測定され得るが、ここで限定されるものではない。
【0019】
図1において、システム100は、画像キャプチャ装置110及び投影装置120のコンポーネントの自己加熱を考慮して、画像キャプチャ装置110によってキャプチャされた画像及び投影装置120に関連する参照画像を、画像キャプチャ装置110及び投影装置120の温度に関連するパラメータに従って補償する。図2において、システム200は、画像キャプチャ装置210及び投影装置220のコンポーネントの自己加熱を考慮するだけでなく、周囲温度も考慮する。従って、システム200は、画像キャプチャ装置210によってキャプチャされた画像及び投影装置220に関連する参照画像を、周囲温度に関連するパラメータ、並びに画像キャプチャ装置210及び投影装置220の温度に関連するパラメータに従って補償する。すなわち、システム100は、周囲温度が変化しない(例えば、周囲温度が一定である)、又は周囲温度の変化が無視できるほど小さい(例えば、温度差が3度未満である)ときに実現されることができ、システム200は、周囲温度が変化する(例えば、周囲温度が一定でない)ときに実現されることができる。
【0020】
図3は、本発明の一実施形態に従った画像キャプチャ装置のピクセルシフトパラメータと温度との間の関係図である。図3は、図1図2における複数の第1パラメータとすることができ、X軸とY軸を示している。X軸は、基準温度(例えば、20度)と画像キャプチャ装置110/210の温度との温度差(ΔT)を表している。Y軸は、画像キャプチャ装置110/210に関するピクセルシフトパラメータ(倍率の変動)を表している。ピクセルシフトパラメータは、モジュールM1-M3に従って、モジュールあたり3回、チャンバ内で測定されている。モジュールM1-M3は同じ倍率で実行されている。モジュールM1-M3は、画像キャプチャ装置110/210に関する異なる条件(例えば、異なる多項式)を表す。
【0021】
図4は、本発明の一実施形態に従った投影装置のピクセルシフトパラメータと温度との間の関係図である。図4は、図1図2における複数の第2パラメータとすることができ、X軸とY軸を示している。X軸は、基準温度(例えば、20度)と投影装置120/220の温度との温度差(ΔT)を表している。Y軸は、投影装置120/220に関するピクセルシフトパラメータ(倍率の変動)を表している。ピクセルシフトパラメータは、モジュールM4-M6に従ってチャンバ内で測定されており、モジュールM4-M6は倍率SF1及びSF2にて行われている。モジュールM4-M6は、投影装置120/220に関する異なる条件(例えば、異なる多項式)を表す。
【0022】
図5は、システム100の動作を例示するための、本発明の一例に従ったプロセス500のフローチャートである。プロセス500は以下のステップを含む。
【0023】
ステップ502:第1画像をキャプチャする。
【0024】
ステップ504:画像キャプチャ装置の第1温度を検出する。
【0025】
ステップ506:投影装置の第2温度を検出する。
【0026】
ステップ508:画像キャプチャ装置に関連する複数の第1パラメータ、投影装置に関連する複数の第2パラメータ、及び投影装置に関連する参照画像を記憶装置からロードする。
【0027】
ステップ510:第1温度及び複数の第1パラメータに従って画像を補償して、第1の補償された画像を生成する。
【0028】
ステップ512:第2温度及び複数の第2パラメータに従って参照画像を補償して、第2の補償された画像を生成する。
【0029】
ステップ514:第1の補償された画像及び第2の補償された画像に従って第2画像を生成する。
【0030】
プロセス500は、システム100の動作を説明するために使用されている。プロセス500の詳細な説明及びバリエーションについては、先の説明を参照することができ、ここで説明することはしない。
【0031】
図6は、システム200の動作を例示するための、本発明の一例に従ったプロセス600のフローチャートである。プロセス600は以下のステップを含む。
【0032】
ステップ602:第1画像をキャプチャする。
【0033】
ステップ604:画像キャプチャ装置の第1温度を検出する。
【0034】
ステップ606:投影装置の第2温度を検出する。
【0035】
ステップ608:周囲温度を検出する。
【0036】
ステップ610:画像キャプチャ装置に関連する複数の第1パラメータ、投影装置に関連する複数の第2パラメータ、画像キャプチャ装置及び周囲温度に関連する複数の第3パラメータ、投影装置及び周囲温度に関連する複数の第4パラメータ、及び投影装置に関連する参照画像を記憶装置からロードする。
【0037】
ステップ612:第1温度、複数の第1パラメータ、周囲温度、及び複数の第3パラメータに従って第1画像を補償して、第1の補償された画像を生成する。
【0038】
ステップ614:第2温度、複数の第2パラメータ、周囲温度、及び複数の第4パラメータに従って参照画像を補償して、第2の補償された画像を生成する。
【0039】
ステップ616:第1の補償された画像及び第2の補償された画像に従って第2画像を生成する。
【0040】
プロセス600は、システム200の動作を説明するために使用されている。プロセス600の詳細な説明及びバリエーションについては、先の説明を参照することができ、ここで説明することはしない。
【0041】
なお、システム100及び200は様々に実現される。例えば、上述の装置/回路は1つ以上の装置/回路に統合され得る。また、システム100及び200は、ハードウェア(例えば、回路)、ソフトウェア、ファームウェア(ハードウェア装置と、該ハードウェア装置上の読み出し専用ソフトウェアとして存在するコンピュータ命令及びデータとの組み合わせとして知られる)、電子システム、又は上述の装置の組み合わせによって実現され得るが、ここで限定されるものではない。
【0042】
まとめるに、本発明は、熱補償を扱うシステム及び方法を提供する。当該システムは、画像キャプチャ装置によってキャプチャされた画像を、該画像キャプチャ装置の温度に関連するパラメータに従って補償し、投影装置に関連する参照画像を、該投影装置の温度に関連するパラメータに従って補償する。さらに、当該システムは、画像キャプチャ装置によってキャプチャされた画像及び投影装置に関連する参照画像を、周囲温度に関連するパラメータに従って補償し得る。従って、システムにおける熱補償を打開して正確な深度マップを得ることができる。
【0043】
当業者が直ちに気付くことには、発明の教示を保持しながら装置及び方法の数多くの変更及び改変が為され得る。従って、以上の開示は、添付の請求項の境界範囲によってのみ限定されると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6