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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240827BHJP
   G06F 15/02 20060101ALI20240827BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240827BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240827BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06F15/02 340Z
G06F15/02 310Z
G06K7/10 436
G07G1/00 311D
G07G1/01 301D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019229962
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021099566
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-11-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】菅ヶ谷 啓希
(72)【発明者】
【氏名】内村 淳
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-081888(JP,A)
【文献】特開2005-276059(JP,A)
【文献】特開2015-111344(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0114627(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0325511(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 15/02
G06K 7/10
G07G 1/00
G07G 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報を保存した商品情報データベースと、
前記商品情報データベースに保存された前記商品情報を更新する制御部と、
情報処理端末と、
を備え、
前記情報処理端末は、
小売店に陳列された商品の近傍に配置された商品情報取得媒体または前記商品に取り付けられた前記商品情報取得媒体であって、前記商品の前記商品情報を保存した商品情報データベース上の位置を示す商品情報取得媒体を撮像することにより前記商品情報を取得する取得部と、
取得した前記商品情報を用いて、所定の外貨換算レートで換算された前記商品の換算価格を、撮像した前記商品情報取得媒体に重畳表示する表示部と、
を有し、
前記制御部は、前記商品情報取得媒体を更新する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記商品情報取得媒体は、前記商品の近傍に配置され、一次元または二次元コードを表示し、
前記取得部は、前記一次元または二次元コードを用いて、前記商品情報を取得する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記商品情報取得媒体は、前記商品に取り付けられた商品札であり、
前記取得部は、前記商品札を撮像した画像において、前記商品札をオブジェクト認識することにより、前記商品情報を取得する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項4】
商品情報を保存した商品情報データベースと、
前記商品情報データベースに保存された前記商品情報を更新する制御部と、
情報処理端末と、
を備えた情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
前記情報処理端末は、
小売店に陳列された商品の近傍に配置された商品情報取得媒体または前記商品に取り付けられた前記商品情報取得媒体であって、前記商品の前記商品情報を保存した商品情報データベース上の位置を示す商品情報取得媒体を撮像することにより前記商品情報を取得する取得部と、
取得した前記商品情報を用いて、所定の外貨換算レートで換算された前記商品の換算価格を、撮像した前記商品情報取得媒体に重畳表示する表示部と、
を有し、
前記制御部は、前記商品情報取得媒体を更新する、
情報処理方法であって、
前記商品情報取得媒体を撮像することにより前記商品情報を取得するステップと、
取得した前記商品情報を用いて、所定の外貨換算レートで換算された前記商品の換算価格を、撮像した前記商品情報取得媒体に重畳表示するステップと、
を備えた情報処理方法。
【請求項5】
前記商品情報を取得するステップは、
前記商品情報取得媒体として、前記商品の近傍に配置された一次元または二次元コードを撮像するステップと、
撮像した前記一次元または二次元コードを用いて、前記商品情報を取得するステップと、
を有する、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記商品情報を取得するステップは、
前記商品に取り付けられた商品札を撮像するステップと、
撮像した画像において前記商品札をオブジェクト認識するステップと、
オブジェクト認識した前記商品札を用いて前記商品情報を取得するステップと、
を有する、
請求項に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理端末、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
訪日外国人が増加している。訪日外国人が日本の小売店で買い物を行う機会も増加している。日本の小売店では、基本的に、商品の価格は、日本円で表示されている。したがって、訪日外国人が買い物を行う際には、日本円表示された価格を電卓や暗算等で母国通貨に換算し、概算価格を求めている。
【0003】
特許文献1には、各国の通貨レートが送信装置より配信され、商品に貼付されたICタグによって受信されることが記載されている。そして、通貨レートが受信されたICタグに、レート表示器を近づけると、商品の単価と通貨レートに基づいて他の通貨に換算された価格を表示することが開示されている。
【0004】
特許文献2には、通貨を選択して商品の価格を表示するシステムが開示されている。当該システムは、商品の価格を表示する端末装置と、通貨の交換レートを収容するためのデータ記憶手段と、通貨入力手段により通貨を入力したときに、通貨の交換レートを用いて、端末装置に表示される商品の価格を使用する通貨に変換するための計算手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-018035号公報
【文献】特開2002-197552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
訪日外国人等の渡航者は、外国の小売店で買い物を行う際に、現地の通貨で表示された価格が母国通貨ではどれくらいなのか、感覚的につかむことは難しい。また、小売店側は、換算価格を外国人から尋ねられた際に換算価格を算出する等の顧客対応が発生していた。
【0007】
本開発の目的は、かかる事情に鑑み、顧客が希望する通貨表示で商品の価格を表示することができる情報処理端末、情報処理システム及び情報処理方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施の形態に係る情報処理端末は、商品情報を保存した商品情報データベース上の位置を示す商品情報取得媒体を撮像することにより前記商品情報を取得する取得部と、取得した前記商品情報を用いて、所定の換算レートで換算された商品の換算価格を、撮像した前記商品情報取得媒体に重畳表示する表示部と、を備える。
【0009】
一実施の形態に係る情報処理システムは、商品情報を格納した商品情報データベースと、前記商品情報データベースに格納された前記商品情報を更新する制御部と、情報処理端末と、を備え、前記情報処理端末は、前記商品情報を保存した前記商品情報データベース上の位置を示す商品情報取得媒体を撮像することにより前記商品情報を取得する取得部と、取得した前記商品情報を用いて、所定の換算レートで換算された商品の換算価格を、撮像した前記商品情報取得媒体に重畳表示する表示部と、を有する。
【0010】
一実施の形態に係る情報処理方法は、商品情報を保存した商品情報データベース上の位置を示す商品情報取得媒体を撮像することにより前記商品情報を取得するステップと、取得した前記商品情報を用いて、所定の換算レートで換算された商品の換算価格を、撮像した前記商品情報取得媒体に重畳表示するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
一実施の形態によれば、顧客が希望する通貨表示で商品の価格を表示することができる情報処理端末、情報処理システム及び情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1に係る情報処理システムを例示したブロック図である。
図2】実施形態1に係る情報処理システムにおいて、情報処理端末を例示した構成図である。
図3】実施形態1に係る情報処理システムにおいて、情報処理端末の表示部に表示された商品情報及び換算価格を例示した図である。
図4】実施形態1に係る情報処理システムの動作として、情報処理方法を例示したフローチャート図である。
図5】実施形態2に係る情報処理システムの構成を例示したブロックである。
図6】実施形態2に係る情報処理システムにおいて、情報処理端末の表示部に重畳表示された商品の画像を例示した図である。
図7】実施形態2に係る情報処理システムにおいて、情報処理端末の表示部に重畳表示された商品の画像を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、図示の態様に限定することを意図するものではないことは言うまでもない。
【0014】
(実施形態1)
実施形態1に係る情報処理システムを説明する。図1は、実施形態1に係る情報処理システムを例示したブロック図である。図1に示すように、情報処理システム1は、商品情報データベースPIDB、制御部10、商品情報取得媒体20、情報処理端末30を備えている。情報処理システム1は、外貨換算レートデータベースERDBを備えてもよい。
【0015】
商品情報データベースPIDBは、商品情報を保存している。商品情報データベースPIDBは、制御部10と、有線または無線の通信回線で接続されている。また、商品情報データベースPIDBは、情報処理端末30と、無線の通信回線で接続されている。商品情報データベースPIDBは、制御部10及び情報処理端末30に接続されたネットワーク上のクラウドに設けられてもよいし、サーバに設けられてもよい。商品情報データベースPIDBは、制御部10の制御によって、商品情報の追加・削除・変更等により商品情報を更新する。商品情報データベースPIDBは、情報処理端末30によってアクセスされ、情報処理端末30の要求により、商品情報を出力する。
【0016】
商品情報は、小売店に陳列された商品の情報を含む。商品情報は、例えば、日本円等の現地通貨での商品の価格である。また、商品情報は、商品名、商品の製造年月日、商品の産地等を含んでもよい。
【0017】
外貨換算レートデータベースERDBは、各国の外貨換算レートを保存している。外貨換算レートデータベースERDBは、制御部10と、有線または無線の通信回線で接続されている。また、外貨換算レートデータベースERDBは、情報処理端末30と、無線の通信回線で接続されている。外貨換算レートデータベースERDBは、制御部10及び情報処理端末30に接続されたネットワーク上のクラウドに設けられてもよいし、サーバに設けられてもよい。
【0018】
外貨換算レートデータベースERDBは、制御部10の制御によって、各国の外貨換算レートを更新する。外貨換算レートの更新は、例えば、1日1回でもよいし、相場変動に伴ってリアルタイムでもよい。また、制御部10は、外貨換算レートデータベースERDBに、クレジットカード会社が決定する外貨換算レートを保存してもよい。外貨換算レートデータベースERDBは、情報処理端末30によってアクセスされ、情報処理端末30の要求により、外貨換算レートを出力する。
【0019】
なお、情報処理端末30は、各国の外貨換算レートを、外貨換算レートデータベースERDBから取得する代わりに、実際の外国為替相場の情報にアクセスして取得してもよい。また、情報処理端末30は、顧客が使用するクレジットカード会社のウェブページにアクセスして、クレジットカード会社が決定する外貨換算レートを取得してもよい。
【0020】
制御部10は、例えば、PCまたはサーバ等の情報処理装置である。制御部10は、商品が陳列された小売店に配置されている。なお、制御部10は、小売店以外の、例えば、小売店の営業を統括する本部に配置されてもよい。
【0021】
制御部10は、商品情報データベースPIDB及び外貨換算レートデータベースERDBと、有線又は無線の通信回線で接続されている。制御部10は、商品情報データベースPIDBに保存された商品情報の追加・削除・変更により商品情報を更新する。また、制御部10は、外貨換算レートデータベースERDBに保存された外貨換算レートを更新する。
【0022】
制御部10は、商品情報取得媒体20を更新する。商品情報取得媒体20が電子棚札21の場合には、制御部10は、電子棚札21と有線又は無線の通信回線で接続されている。そして、制御部10は、電子棚札21の表示を更新する。
【0023】
商品情報取得媒体20が商品に取り付けられたタグ22、または、商品に貼り付けられたラベル23の場合には、制御部10は、タグ22及びラベル23に印刷すべき表示を更新し、更新した表示がタグ22及びラベル23に印刷されるように、プリンタ等に対して印刷させる。また、商品情報取得媒体20が表示内容を印刷される棚札の場合には、制御部10は、棚札に印刷すべき表示を更新し、更新した表示が棚札に印刷されるように、プリンタ等に対して印刷させる。
【0024】
商品情報取得媒体20は、上述のように、商品の近傍に配置された電子棚札21、棚札、商品に取り付けられたタグ22、及び、商品に貼り付けられたラベル23を含む。電子棚札21は、表示画面を有している。表示画面は、例えば、ディスプレイである。電子棚札21は、商品情報を保存した商品情報データベースPIDB上の位置を示す情報を表示画面に表示する。電子棚札21は、商品情報データベースPIDB上の位置を示す情報として、例えば、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コードを表示する。電子棚札21は、制御部10の制御により、表示画面を更新する。
【0025】
棚札、タグ22及びラベル23は、印字面を有している。印字面は、例えば、プリンタにより印刷される。棚札、タグ22及びラベル23は、商品情報が保存された商品情報データベースPIDB上の位置を示す情報を印字面に表示する。棚札、タグ22及びラベル23は、商品情報データベースPIDB上の位置を示す情報として、例えば、一次元コード及び二次元コード等を表示する。棚札、タグ22及びラベル23は、制御部10の制御により、更新された表示が印刷される。電子棚札21、棚札、タグ22及びラベル23の表示は、情報処理端末30によって読み取られる。
【0026】
情報処理端末30は、小売店に来店する顧客に携帯されている。情報処理端末30は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末や、スマートグラス等のウェアラブル端末等のように、何らかの情報を処理可能な端末であれば、どのような端末でも構わない。図2は、実施形態1に係る情報処理システムにおいて、情報処理端末を例示した構成図である。図2に示すように、情報処理端末30は、取得部31、表示部32を備えている。また、情報処理端末30は、スマートフォン、タブレット、スマートグラス等が当然有する撮像機能及び通信機能等を備えてもよい。
【0027】
取得部31は、商品情報データベースPIDBから商品情報を取得する。また、取得部31は、外貨換算レートデータベースERDBから外貨換算レートを取得する。取得部31は、例えば、カメラ等の撮像装置を含んでもよい。また、取得部31は、1次元コードを読み取る赤外線センサ等のセンサを含んでもよい。取得部31は、商品情報取得媒体20を用いて、商品情報を取得する。例えば、取得部31は、電子棚札21、棚札、タグ22及びラベル23に表示された1次元コードまたは二次元コードを撮像することにより商品情報を取得する。
【0028】
具体的には、取得部31は、1次元コードまたは二次元コードを撮像及び読み取りにより、商品情報データベースPIDB上の位置の情報を取得する。そして、取得部31は、取得した位置情報に基づいて、商品情報データベースPIDBにアクセスし、現地通貨の価格を含む商品情報を取得する。また、取得部31は、外貨換算レートデータベースERDBにアクセスし、外貨換算レートを取得する。取得部31は、外貨換算レートデータベースERDBにアクセスする際に、顧客が使用する外貨の情報を、あらかじめ設定されている。例えば、情報処理端末30を携帯する顧客は、あらかじめ、取得部31が取得する外貨の情報として、「ドル」表示、「元」表示、「クレジットカード会社が決定する換算レートでのドル」等を選択しておく。
【0029】
表示部32は、取得した商品情報を用いて、所定の換算レートで換算された商品の換算価格を表示する。図3は、実施形態1に係る情報処理システムにおいて、情報処理端末の表示部に表示された商品情報及び換算価格を例示した図である。図3に示すように、表示部32は、換算価格の他、換算価格以外の情報、例えば、商品の画像、商品名、商品の特徴、日本円の価格等を表示させてもよい。表示部32は、例えば、ディスプレイを含む。例えば、表示部32は、ディスプレイ上に、商品情報データベースPIDBから取得した商品情報を表示する。なお、表示部32は、ディスプレイに限らず、スマートグラス等の眼鏡または網膜等へ商品情報を投射する投射装置でもよい。
【0030】
次に、実施形態1に係る情報処理システムの動作を説明する。図4は、実施形態1に係る情報処理システムの動作として、情報処理方法を例示したフローチャート図である。図4のステップS11に示すように、まず、顧客は、情報処理端末30の取得部31を操作して、希望外貨の換算レートを取得する。具体的には、顧客は、情報処理端末30において、希望外貨を「ドル」「元」「クレジットカード会社が決定する換算レートでのドル」等、予め選択する。そして、顧客は、取得部31によって、外貨換算レートデータベースERDBにアクセスする。これにより、希望外貨の換算レートを取得する。
【0031】
次に、ステップS12に示すように、商品情報を取得する。例えば、顧客は、情報処理端末30の取得部31を操作して、商品情報取得媒体20に表示された一次元または二次元コードを読み取る。そして、読み取った一次元または二次元コードを用いて、商品情報データベースPIDBにアクセスし、日本円の価格を含む商品情報を取得する。
【0032】
次に、ステップS13に示すように、換算価格を表示させる。例えば、顧客の操作により、または、自動的に、表示部32は、取得した商品情報及び外貨換算レートを用いて、換算された商品の換算価格を表示する。このようにして、情報処理システム1は、顧客が希望する通貨表示で商品の換算価格を表示することができる。
【0033】
次に、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態の情報処理システム1では、訪日外国人等の渡航者が外国の小売店で買い物を行う際に、渡航者が携帯するスマートフォン等の情報処理端末30に、希望外貨での概算を表示させることができる。具体的には、商品の近傍に配置された電子棚札21、または、棚札、商品に取り付けられたタグ22、商品に貼り付けられたラベル23の表示から商品情報を取得し、取得した商品情報を用いて、換算価格を表示する。これにより、渡航者が外国の小売店で買い物を行う際に、現地通貨で表示された価格が希望通貨ではどれくらいなのか、容易に把握することができる。
【0034】
また、小売店側は、顧客として来店した渡航者が、どの通貨の表示を希望するのか不明でも、顧客が希望する通貨の換算価格を表示することができる。よって、顧客満足度(Customer Satisfaction)を向上させ、販売を促進させることができる。さらに、本実施形態の情報処理システム1を用いない場合には、換算価格等を顧客から尋ねられる等の顧客対応が発生していたが、本実施形態の情報処理システム1により、顧客が顧客自身の情報処理端末30を用いて換算価格を把握するため、顧客対応を減らし、その他の業務に工数を割くことが可能になる。
【0035】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る情報処理システムを説明する。本実施形態の情報処理システムは、商品情報を取得する方法が異なる。具体的には、一次元または二次元コードを用いる代わりに、オブジェクト認識を用いる。
【0036】
図5は、実施形態2に係る情報処理システムの構成を例示したブロックである。図5に示すように、情報処理システム2において、情報処理端末30の取得部31は、オブジェクト認識を用いて商品情報を取得するオブジェクト認識機能を有している。また、情報処理端末30の表示部32は、AR(Augmented Reality)表示機能を有している。
【0037】
オブジェクト認識機能は、撮像した画像から対象物の特徴を抽出・分析・識別して対象物を認識する機能である。AR表示機能は、撮像している現実の画像に特定の情報を重ね合わせて、重畳表示する機能である。
【0038】
取得部31は、カメラ等の撮像装置を含んでいる。取得部31は、撮像装置によって、商品を撮像する。本実施形態の商品情報取得媒体は、商品を含む。取得部31は、商品を撮像した画像において、商品をオブジェクト認識することにより、商品情報を取得する。具体的には、取得部31は、撮像した商品を含む画像において、当該商品を対象物としてオブジェクト認識する。取得部31は、オブジェクト認識によって認識した商品に基づいて、商品情報データベースPIDBにアクセスし、日本円の価格を含む商品情報を取得する。
【0039】
表示部32は、取得した商品情報を用いて、所定の換算レートで換算された商品の換算価格を表示する。表示部32は、実施形態1と同様に、換算価格及び換算価格以外の情報を表示してもよい。また、表示部32は、撮像装置が撮像する商品の現実及びリアルタイムの画像に、換算価格を重ね合わせて重畳表示してもよい。
【0040】
図6は、実施形態2に係る情報処理システムにおいて、情報処理端末の表示部に重畳表示された商品の画像を例示した図である。図6に示すように、取得部31が取得した商品の画像に、換算価格が重畳表示されている。「$2」と表示された吹き出し部分以外は、現実のリアルタイムの画像である。例えば、情報処理端末30を移動させて、他の商品をリアルタイムで撮像させると、取得部31は、撮像された他の商品をオブジェクト認識し、他の商品の商品情報を取得する。そして、表示部32は、撮像された他の商品のリアルタイムの画像に、他の商品の換算価格を重畳表示する。よって、顧客は、情報処理端末30で、所望の商品を撮像するだけで、希望する通貨表示で商品の換算価格を表示させることができる。
【0041】
図7は、実施形態2に係る情報処理システムにおいて、情報処理端末の表示部に重畳表示された商品の画像を例示した図である。図7に示すように、複数の商品を同時に撮像した場合には、各商品の画像に、各商品の換算価格を重畳表示するようにする。具体的には、取得部31は、複数の商品を撮像した画像において各商品をオブジェクト認識する。これにより、取得部31は、各商品の商品情報を取得する。表示部32は、取得した各商品情報を用いて換算された各商品の換算価格を、撮像した画像における各商品に重ね合わせて重畳表示する。
【0042】
なお、取得部31は、商品情報取得媒体を商品とし、商品を対象物としてオブジェクト認識することにより商品情報を取得するとしたが、これに限らない。例えば、取得部31は、商品情報取得媒体を、タグ22及びラベル23のように、商品に取り付けられた商品札とし、商品札を撮像した画像において、商品札を対象物としてオブジェクト認識することにより商品情報を取得してもよい。具体的には、タグ22及びラベル23の形状及び色、並びに、タグ22及びラベル23に印刷された一次元コード、二次元コード、マーク、記号、価格等を対象物としてもよい。そして、タグ22及びラベル23に、換算価格を重畳表示させてもよい。
【0043】
本実施形態の情報処理方法は、実施形態1における情報処理方法において、商品情報を取得するステップ及び換算価格を表示するステップの以下の点が異なる。すなわち、商品情報を取得するステップは、商品または商品札を撮像するステップと、撮像した画像において商品または商品札をオブジェクト認識するステップと、オブジェクト認識した商品または商品札を用いて商品情報を取得するステップと、を有している。商品の換算価格を表示するステップは、撮像した画像に換算価格を重畳表示する。
【0044】
本実施形態の情報処理システムによれば、商品または商品札のオブジェクト認識に基づいて、商品情報を取得することができる。よって、一次元コード及び二次元コードを不要とすることができる。これにより、コストを低減することができる。また、換算価格を商品または商品札の画像に重畳表示することができるので、商品の換算価格を極めて容易に把握することができる。これ以外の構成、動作及び効果は、実施形態1の記載に含まれている。
【0045】
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る情報処理システムを説明する。本実施形態の情報処理システムは、商品情報を取得する方法として、一次元または二次元コードを用いるとともに、換算価格の表示方法として、重畳表示を用いる。
【0046】
本実施形態の情報処理システムは、図1に示す情報処理システム1における情報処理端末30に、図5に示す情報処理システム2における情報処理端末30の機能を付加したものである。よって、本実施形態の情報処理端末30は、一次元または二次元コードを用いて、商品情報を取得するとともに、取得した各商品情報を用いて換算された各商品の換算価格を、各一次元または二次元コード、各商品、各商品札に重畳表示する。
【0047】
具体的には、取得部31は、一次元コードまたは二次元コードを撮像等によって読み取り、商品情報データベースPIDB上の位置の情報を取得する。そして、取得部31は、取得した位置情報に基づいて、商品情報データベースPIDBにアクセスし、日本円の価格を含む商品情報を取得する。また、取得部31は、外貨換算レートデータベースERDBにアクセスし、外貨換算レートを取得する。さらに、取得部31は、撮像装置によって、一次元コードまたは二次元コードの他、電子棚札21、棚札、タグ22、ラベル23、商品、商品札等を撮像する。
【0048】
表示部32は、取得した商品情報を用いて、所定の換算レートで換算された商品の換算価格を表示する際に、撮像装置が撮像した一次元コードまたは二次元コードの他、電子棚札21、棚札、タグ22、ラベル23、商品、商品札等の現実及びリアルタイムの画像に、換算価格を重畳表示する。
【0049】
本実施形態によれば、オブジェクト認識等のような大きな負荷がかかる処理を不要としつつ、換算価格を、各一次元または二次元コード、各電子棚札21、各棚札、各タグ22、各ラベル23、各商品、各商品札の画像に重畳表示することができるので、商品の換算価格を極めて容易に把握することができる。これ以外の構成、動作及び効果は、実施形態1~2の記載に含まれている。
【0050】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態1~3の各構成を組み合わせた実施形態も、技術的思想の範囲に含まれる。上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限らない。
【0051】
(付記1)
商品情報を保存した商品情報データベースと、
前記商品情報データベースに保存された前記商品情報を更新する制御部と、
情報処理端末と、
を備え、
前記情報処理端末は、
前記商品情報を取得する取得部と、
取得した前記商品情報を用いて、所定の換算レートで換算された商品の換算価格を表示する表示部と、
を有する、
情報処理システム。
【0052】
(付記2)
前記取得部は、複数の前記商品または各商品に取り付けられた複数の商品札を撮像した画像において、各商品または各商品札をオブジェクト認識することにより、前記各商品の前記商品情報を取得し、
前記表示部は、取得した各商品情報を用いて換算した前記各商品の換算価格を、前記画像における前記各商品または前記各商品札に重ね合わせて重畳表示する、
付記1に記載の情報処理システム。
【0053】
(付記3)
商品情報を取得するステップと、
取得した前記商品情報を用いて、所定の換算レートで換算された商品の換算価格を表示するステップと、
を備えた情報処理方法。
【0054】
(付記4)
前記商品情報を取得するステップは、
前記商品または前記商品に取り付けられた商品札を撮像した画像において、前記商品または前記商品札をオブジェクト認識することにより、前記商品情報を取得する、
付記3に記載の情報処理方法。
【0055】
(付記5)
前記商品情報を取得するステップは、
複数の前記商品または各商品に取り付けられた複数の商品札を撮像した画像において、各商品または各商品札をオブジェクト認識することにより、前記各商品の前記商品情報を取得し、
前記換算価格を表示するステップは、
取得した各商品情報を用いて換算された前記各商品の換算価格を、前記画像における前記各商品または前記各商品札に重ね合わせて重畳表示する、
付記4に記載の情報処理方法。
【符号の説明】
【0056】
1、2 情報処理システム
10 制御部
20 商品情報取得媒体
21 電子棚札
22 タグ
23 ラベル
30 情報処理端末
31 取得部
32 表示部
ERDB 外貨換算レートデータベース
PIDB 商品情報データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7