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特許7543651記録再生制御装置、再生制御装置、表示制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】記録再生制御装置、再生制御装置、表示制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240827BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20240827BHJP
   H04N 5/91 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H04N7/18 J
H04N7/18 U
H04N5/93
H04N5/91
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020010088
(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公開番号】P2021118423
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 啓太
(72)【発明者】
【氏名】酒井 康利
(72)【発明者】
【氏名】谷山 紘史
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-134912(JP,A)
【文献】特開2012-253609(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0247471(US,A1)
【文献】特開2008-221906(JP,A)
【文献】登録実用新案第3178291(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 5/76
B60R 1/20
G07C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも車両の前方または後方を撮影する撮影部が撮影した映像データを取得する像データ取得部と、
前記車両が所定速度以上で走行している状態で、前記車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出する検出部と、
前記映像データ取得部が取得した前記映像データに対して、前記車両の上方を仮想視点として視点変換処理を行う視点変換処理部と、
前記映像データ取得部が取得した前記映像データを記録する記録制御部と、
前記記録制御部が記録した前記映像データのうち、前記検出部が、前記車両が所定速度以上で走行している状態で前記車両に前記他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出してない期間の前記映像データを再生する場合、前記映像データに対して前記視点変換処理部で視点変換処理を行わず、前記検出部が、前記車両が所定速度以上で走行している状態で前記車両に前記他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出している期間の前記映像データを再生する場合、前記映像データを前記視点変換処理部で視点変換処理を行って再生する再生制御部と、
前記再生制御部が再生した前記映像データを表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、記録再生制御装置。

【請求項2】
前記再生制御部は、前記検出部が、前記車両が所定速度以上で走行している状態で前記車両に前記他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出している期間の前記映像データを再生する場合、前記視点変換処理部による視点変換前の前記映像データに加えて、視点変換処理を行った前記映像データを再生する、
請求項1に記載の記録再生制御装置。
【請求項3】
前記再生制御部は、前記検出部が、前記車両が所定速度以上で走行している状態で前記車両に前記他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出している期間の前記映像データを再生する場合、前記車両に前記他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出した方向を撮影した前記映像データを視点変換して再生する、
請求項1または2に記載の記録再生制御装置。
【請求項4】
前記再生制御部は、前記検出部が、前記車両が所定速度以上で走行している状態で前記車両に前記他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出している期間の前記映像データを再生する場合、視点変換した前記映像データに、前記車両の端部と、相対する前記他車両の端部との距離が判別可能なスケールを含めて再生する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の記録再生制御装置。
【請求項5】
前記視点変換処理部は、前記車両の端部と、相対する前記他車両の端部との間の上方を仮想視点として視点変換処理を行う、
請求項1から4のいずれか一項に記載の記録再生制御装置。
【請求項6】
少なくとも車両の前方または後方を撮影する撮影部が撮影した映像データ、および、前記車両の走行速度、前記車両と他車両との距離を示す情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記映像データに対して、前記車両の上方を仮想視点として視点変換処理を行う視点変換処理部と、
前記情報取得部が取得した前記映像データのうち、前記車両が所定速度以上で走行している状態で前記車両と前記他車両との距離が所定未満ではない期間の前記映像データを再生する場合、前記映像データに対して前記視点変換処理部で視点変換処理を行わず、前記車両の走行速度が所定速度以上で走行している状態で前記車両と前記他車両との距離が所定未満である期間の前記映像データを再生する場合、前記映像データを前記視点変換処理部で視点変換処理を行って再生する再生制御部と、
を備える、再生制御装置。
【請求項7】
少なくとも車両の前方または後方を撮影する撮影部が撮影した映像データを取得する映像データ取得ステップと、
前記車両が所定速度以上で走行している状態で、前記車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出する検出ステップと、
前記映像データ取得ステップによって取得された前記映像データを記録する記録制御ステップと、
前記記録制御ステップによって記録された前記映像データのうち、前記検出ステップによって前記車両が所定速度以上で走行している状態で前記車両に前記他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出してない期間の前記映像データを再生する場合、前記映像データに対して前記車両の上方を仮想視点とした視点変換処理を行わず、前記検出ステップによって前記車両が所定速度以上で走行している状態で前記車両に前記他車両が所定未満の距離まで近接したことが検出されている期間の前記映像データを再生する場合、前記映像データを、前記車両の上方を仮想視点として視点変換処理を行って再生する再生制御ステップと、
前記再生制御ステップによって再生された前記映像データを表示部に表示させる表示制御ステップと、
を含む表示制御方法。
【請求項8】
少なくとも車両の前方または後方を撮影する撮影部が撮影した映像データを取得する映像データ取得ステップと、
前記車両が所定速度以上で走行している状態で、前記車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出する検出ステップと、
前記映像データ取得ステップによって取得された前記映像データを記録する記録制御ステップと、
前記記録制御ステップによって記録された前記映像データのうち、前記検出ステップによって前記車両が所定速度以上で走行している状態で前記車両に前記他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出してない期間の前記映像データを再生する場合、前記映像データに対して前記車両の上方を仮想視点とした視点変換処理を行わず、前記検出ステップによって前記車両が所定速度以上で走行している状態で前記車両に前記他車両が所定未満の距離まで近接したことが検出されている期間の前記映像データを再生する場合、前記映像データを、前記車両の上方を仮想視点として視点変換処理を行って再生する再生制御ステップと、
前記再生制御ステップによって再生された前記映像データを表示部に表示させる表示制御ステップと、
を記録再生制御装置として動作するコンピュータに実行させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録再生制御装置、再生制御装置、表示制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に設置されたカメラが撮影した映像を、いわゆるドライブレコーダ用の映像として記録し再生する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-068436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に対する衝突などによって検出されるイベントに加えて、車両の周辺の他車両から煽られた場合、通常のドライブレコーダで撮影した映像を再生しても、煽りの程度を判定しにくく、危険運転の立証が難しいおそれがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両に対する他車両の近接状態を適切に確認可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る記録再生制御装置は、少なくとも車両の前方または後方を撮影する撮影部が撮影した映像データを取得する映像データ取得部と、前記車両が所定速度以上で走行している状態で、前記車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出する検出部と、前記映像データ取得部が取得した前記映像データに対して、前記車両の上方を仮想視点として視点変換処理を行う視点変換処理部と、前記映像データ取得部が取得した前記映像データを記録する記録制御部と、前記記録制御部が記録した前記映像データのうち、前記検出部が前記車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出している期間の前記映像データを再生する場合、前記映像データを前記視点変換処理部で視点変換した映像を再生する再生制御部と、前記再生制御部が再生した映像を表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
【0007】
本発明に係る再生制御装置は、少なくとも車両の前方または後方を撮影する撮影部が撮影した映像データ、および、前記車両の走行速度、前記車両と他車両との距離を示す情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記映像データに対して、前記車両の上方を仮想視点として視点変換処理を行う視点変換処理部と、前記車両の走行速度が所定速度以上で、前記車両と他車両との距離が所定未満である期間の前記映像データを再生する場合、前記映像データを前記視点変換処理部で視点変換した映像を再生する再生制御部と、を備える。
【0008】
本発明に係る表示制御方法は、少なくとも車両の前方または後方を撮影する撮影部が撮影した映像データを取得する映像データ取得ステップと、前記車両が所定速度以上で走行している状態で、前記車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出する検出ステップと、前記映像データ取得ステップによって取得された前記映像データに対して、前記車両の上方を仮想視点として視点変換処理を行う視点変換処理ステップと、前記映像データ取得ステップによって取得された前記映像データを記録する記録制御ステップと、前記記録制御ステップによって記録された前記映像データのうち、前記検出ステップによって前記車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことが検出されている期間の前記映像データを再生する場合、前記映像データを前記視点変換処理ステップによって視点変換された映像を再生する再生制御ステップと、前記再生制御ステップによって再生された映像を表示部に表示させる表示制御ステップと、を含む。
【0009】
本発明に係るプログラムは、少なくとも車両の前方または後方を撮影する撮影部が撮影した映像データを取得する映像データ取得ステップと、前記車両が所定速度以上で走行している状態で、前記車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出する検出ステップと、前記映像データ取得ステップによって取得された前記映像データに対して、前記車両の上方を仮想視点として視点変換処理を行う視点変換処理ステップと、前記映像データ取得ステップによって取得された前記映像データを記録する記録制御ステップと、前記記録制御ステップによって記録された前記映像データのうち、前記検出ステップによって前記車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことが検出されている期間の前記映像データを再生する場合、前記映像データを前記視点変換処理ステップによって視点変換された映像を再生する再生制御ステップと、前記再生制御ステップによって再生された映像を表示部に表示させる表示制御ステップと、を記録再生制御装置として動作するコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車両に対する他車両の近接状態を適切に確認可能にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第一実施形態に係る記録再生制御装置を有する車両用記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、表示部に表示された映像の一例を示す図である。
図3図3は、表示部に表示された映像の他の例を示す図である。
図4図4は、表示部に表示された映像の他の例を示す図である。
図5図5は、表示部に表示された映像の他の例を示す図である。
図6図6は、表示部に表示された映像の他の例を示す図である。
図7図7は、表示部に表示された映像の他の例を示す図である。
図8図8は、仮想視点の位置の一例を説明する概略図である。
図9図9は、第一実施形態に係る記録再生制御装置における記録処理の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、第一実施形態に係る記録再生制御装置における再生処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、第二実施形態に係る再生制御装置を有する再生装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る記録再生制御装置、再生制御装置、表示制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る記録再生制御装置100を有する車両用記録再生装置10の構成例を示すブロック図である。車両用記録再生装置10は、車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出している期間の映像データを再生する場合、映像データを視点変換処理部130で視点変換した映像(俯瞰映像)310を再生する。
【0014】
車両用記録再生装置10は、いわゆるドライブレコーダであり、車両に載置されているものに加えて、可搬型で車両において利用可能な装置であってもよい。車両用記録再生装置10は、カメラユニット(撮影部)210と、記録部220と、操作部230と、表示部240と、GPS(Global Positioning System)受信部250と、加速度センサ260と、記録再生制御装置100とを有する。
【0015】
カメラユニット210は、車両の外部を撮影するカメラである。カメラユニット210は、少なくとも車両の前方または後方を撮影する。カメラユニット210は、車両の前方を撮影する前方カメラ211と車両の後方を撮影する後方カメラ212、および図示しない左側方カメラと右側方カメラを含む俯瞰映像用のカメラであってもよい。カメラユニット210は、少なくとも車両の前方を撮影する前方カメラ211と車両の後方を撮影する後方カメラ212とを含む。本実施形態では、カメラユニット210は、前方を撮影する前方カメラ211と、後方を撮影する後方カメラ212とを含む。前方カメラ211は、例えば、車両の前方に配置されている。後方カメラ212は、例えば、車両の後方に配置されている。前方カメラ211と後方カメラ212との区別を要しない場合、カメラユニット210として説明する。カメラユニット210は、エンジンが始動してから停止するまでの間、つまり車両が動作している間は、映像を常時撮影する。本実施形態では、カメラユニット210は、車両のアクセサリ電源がONである間、映像を常時撮影する。カメラユニット210は、撮影した映像データを記録再生制御装置100の映像データ取得部120へ出力する。映像データは、例えば毎秒30フレームの画像から構成される動画像である。
【0016】
記録部220は、車両用記録再生装置10におけるデータの一時記憶などに用いられる。記録部220は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、メモリカードなどの記録部である。または、図示しない通信装置を介して無線接続される外部記録部であってもよい。記録部220は、記録再生制御装置100の記録制御部123から出力された制御信号に基づいて、イベント記録データまたはループ記録データを記録する。
【0017】
操作部230は、車両用記録再生装置10に対する各種操作を受付可能である。例えば、操作部230は、撮影した映像データを記録部220に手動で保存する操作を受付可能である。例えば、操作部230は、記録部220に記録したイベント記録データまたはループ記録データを再生する操作を受付可能である。例えば、操作部230は、記録部220に記録したイベント記録データを消去する操作を受付可能である。例えば、操作部230は、ループ記録を終了する操作を受付可能である。操作部230は、操作情報を記録再生制御装置100の操作制御部125に出力する。
【0018】
操作部230は、表示部240に備えられているタッチパネルであり、記録部220に保存されているイベント記録データを再生する操作を、表示部240に表示されたイベント記録データの一覧などをタッチすることで、イベント記録データの選択、再生指示を行う。
【0019】
表示部240は、一例としては、車両用記録再生装置10に固有の表示装置、または、ナビゲーションシステムを含む他のシステムと共用した表示装置などである。表示部240は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部240は、記録再生制御装置100の表示制御部132から出力された映像信号に基づいて、映像を表示する。表示部240は、カメラユニット210が撮影している映像、または、記録部220に記録された映像を表示する。
【0020】
GPS受信部250は、図示しないGPS衛星から電波を受信する。GPS受信部250は、受信した電波の信号を記録再生制御装置100の位置情報取得部126へ出力する。
【0021】
加速度センサ260は、車両に加わる加速度を検出するセンサである。加速度センサ260は、検出結果を記録再生制御装置100の加速度情報取得部127に出力する。加速度センサ260は、例えば3軸方向の加速度を検出するセンサである。3軸方向とは、車両の前後方向、左右方向、および上下方向である。3軸方向に加速度によって、車両に対する衝撃が検出可能である。
【0022】
記録再生制御装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。記録再生制御装置100は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。記録再生制御装置100には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは記録再生制御装置100におけるデータの一時記憶などに用いられる。記録再生制御装置100は、バス100Xに接続された、映像データ取得部120と、バッファメモリ121と、映像データ処理部122と、記録制御部123と、操作制御部125と、位置情報取得部126と、加速度情報取得部127と、車両情報取得部128と、イベント検出部(検出部)129と、視点変換処理部130と、再生制御部131と、表示制御部132とを有する。
【0023】
映像データ取得部120は、少なくとも車両の前方または後方を撮影した映像データを取得する。より詳しくは、映像データ取得部120は、カメラユニット210が出力した映像データを取得する。
【0024】
バッファメモリ121は、記録再生制御装置100が備える内部メモリであり、映像データ取得部120が取得した一定時間分の映像データを、更新しながら一時的に記録するメモリである。
【0025】
映像データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している映像データを、例えばH.264やMPEG-4(Moving Picture Experts Group)などの任意の方式のコーデックで符号化された、例えばMP4形式などの任意のファイル形式に変換する。映像データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している映像データから、一定時間分のファイルとした映像データを生成する。具体例として、映像データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している映像データを、記録順に60秒間の映像データを1ファイルとして生成する。映像データ処理部122は、生成した映像データを記録制御部123へ出力する。また、映像データ処理部122は、生成した映像データを表示制御部132へ出力する。ファイルとして生成される映像データの期間は、一例として60秒としたが、これには限定されない。ここで言う映像データとは、カメラユニット210が撮影した映像に加えて音声が含まれたデータであってもよい。
【0026】
記録制御部123は、映像データ処理部122でファイル化された映像データを、記録部220に記録させる制御を行う。記録制御部123は、車両のアクセサリ電源がONであるときなど、ループ記録処理を実行する期間は、映像データ処理部122でファイル化された映像データを、上書き可能な映像データとして、記録部220に記録する。より詳しくは、記録制御部123は、ループ記録処理を実行する期間は、映像データ処理部122が生成した映像データを記録部220に記録し続け、記録部220の容量が一杯になった場合、最も古い映像データに新しい映像データを上書きして記録する。
【0027】
また、記録制御部123は、イベント検出部129がイベントを検出した場合、映像データ処理部122が生成した映像データにおける所定の期間の映像データを、上書きが禁止されたイベント記録データとして記録部220に保存する。
【0028】
さらに、記録制御部123は、イベント検出部129が検出したイベントが、他車両の煽り運転である場合、煽り運転が検出されたことを示す煽り情報を付加したイベント記録データを保存する。
【0029】
煽り情報は、例えば、近接フラグである。煽り情報は、例えば、フォルダ名またはファイル名を、通常と異なるフォルダ名またはファイル名としてもよい。煽り情報は、イベント記録データに対応付けてもよいし、イベント記録データのうち、煽り運転が検出された時点に対応付けてもよい。
【0030】
イベント記録データは、ループ記録処理が行われている期間においては、イベントが検出された時点の前後所定期間の映像データである。イベント記録データは、ループ記録処理が行われず、イベントが検出されてから撮影を開始する場合は、イベントが検出され撮影が開始されてから、所定期間経過するまでの映像データである。所定期間の例としては、イベントが検出された時点の前後10秒以上、60秒以下程度の期間である。
【0031】
操作制御部125は、操作部230が受け付けた操作の操作情報を取得する。例えば、操作制御部125は、映像データの手動保存操作を示す保存操作情報、映像データの選択操作を示す選択操作情報、映像データの再生操作を示す再生操作情報、または、映像データの消去操作を示す消去操作情報を取得して制御信号を出力する。例えば、操作制御部125は、ループ記録を終了する操作を示す終了操作情報を取得して制御信号を出力する。
【0032】
位置情報取得部126は、GPS受信部250が受信した電波に基づいて、車両の現在の位置情報を公知の方法によって算出する。位置情報取得部126が算出した位置情報は、イベント検出部129がイベントを検出した場合、イベント記録データとともに保存される。
【0033】
加速度情報取得部127は、加速度センサ260の検出結果から、車両に加わる加速度を示す加速度情報を取得する。
【0034】
車両情報取得部128は、車両の速度情報などの車両情報を、CAN(Controller Area Network)や車両の状態をセンシングする各種センサなどから取得する。車両情報取得部128は、取得した車両情報をイベント検出部129に出力する。
【0035】
イベント検出部129は、車両に対するイベントを検出する。イベント検出部129が車両に対するイベントを検出する方法は任意であるが、一例として、イベント検出部129は、加速度センサ260の検出結果に基づいて、イベントを検出する。この場合、イベント検出部129は、加速度センサ260が検出した加速度における閾値以上の加速度が検出されると、イベントとして検出する。イベント検出部129がイベントとして検出する加速度は、車両に対する衝撃が検出されるような閾値が設定される。
【0036】
また、イベント検出部129は、他車両による煽り運転をイベントとして検出する。より詳しくは、イベント検出部129は、車両が所定速度以上で走行している状態で、車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを、他車両による煽り運転のイベントとして検出する。本実施形態では、イベント検出部129は、車両情報取得部128が取得した車両情報と、カメラユニット210が撮影した映像データとに基づいて、車両が所定速度以上で走行している状態で、車両に他車両が所定距離未満の距離まで近接したことを検出した場合、他車両による煽り運転が行われていることとして検出する。他車両が所定距離未満の距離まで近接したことは、映像データに画像認識処理を行って、他車両を認識する。そして、認識した他車両の映像データに占める面積に基づいて、他車両が所定距離未満の距離まで近接しているか否かを判定可能である。
【0037】
視点変換処理部130は、映像データ取得部120で取得した映像データに対して、車両の上方を仮想視点Eとし、映像データを仮想視点Eから見たような映像データとなるように視点変換処理を行う。視点変換処理部130は、車両の端部と、相対する他車両の端部との間の上方を仮想視点Eとして視点変換処理を行ってもよい。視点変換処理部130は、車両から所定の表示範囲を表示する俯瞰映像310を生成する。視点変換処理部130は、生成した俯瞰映像310を表示制御部132に出力する。
【0038】
再生制御部131は、選択されたイベント記録データまたはループ記録データを再生する。再生制御部131は、操作制御部125から出力された選択操作および再生操作の制御信号に基づいて、記録部220に記録されたイベント記録データまたはループ記録データを再生するよう制御する。
【0039】
また、再生制御部131は、記録制御部123が記録した映像データのうち、イベント検出部129が車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出している期間の映像データを再生する場合、映像データを視点変換処理部130で視点変換した俯瞰映像310を再生する。再生制御部131は、選択されたイベント記録データに対応付けられた煽り情報がある場合、俯瞰映像310を、表示制御部132に出力する。再生制御部131は、イベント記録データまたはループ記録データである再生映像300とともに俯瞰映像310を再生してもよいし、俯瞰映像310のみを再生してもよい。
【0040】
再生制御部131は、車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出した方向の映像データを視点変換した俯瞰映像310を再生してもよい。より詳しくは、再生制御部131は、後方の他車両が所定未満の距離まで近接している場合、少なくとも後方を撮影した映像データを視点変換した俯瞰映像310を再生してもよい。近接した他車両を検出した方向は、イベント検出部129が他車両による煽り運転を検出した映像データから取得可能である。後方を撮影した映像データから、他車両による煽り運転を検出した場合、近接した他車両を検出した方向は後方である。
【0041】
再生制御部131は、俯瞰映像310に、車両の端部と、相対する他車両の端部との距離が判別可能なスケールを含めた俯瞰映像310を再生してもよい。
【0042】
表示制御部132は、表示部240における映像データの表示を制御する。表示制御部132は、映像データを表示部240に出力させる映像信号を出力する。より詳しくは、表示制御部132は、再生制御部131が再生した映像を表示部240に表示させる。表示制御部132は、カメラユニット210が撮影している映像、または、記録部220に記録されたイベント記録データまたはループ記録データの再生によって表示する映像信号を出力する。
【0043】
表示制御部132は、記録部220に記録されたイベント記録データまたはループ記録データの表示部240における表示を制御する。表示制御部132は、再生する映像データが煽り情報を有する場合、イベント記録データまたはループ記録データである再生映像300とともに俯瞰映像310(図3参照)を表示させてもよいし、俯瞰映像310(図3参照)のみを表示させてもよい。
【0044】
図2ないし図7を用いて、表示制御部132によって表示部240に表示される映像について説明する。
【0045】
図2は、表示部240に表示された映像の一例を示す図である。図2に示すように、表示制御部132は、イベントや他車両の近接が検出されていない状態のループ記録データである再生映像300を表示部240に単独で表示させる。
【0046】
図3は、表示部240に表示された映像の他の例を示す図である。図3に示すように、表示制御部132は、再生映像300が対応する煽り情報を有する場合、再生映像300とともに、再生映像300を視点変換した俯瞰映像310を表示部240に表示させる。再生映像300は、映像データに占める他車両の面積が広い場合の映像であり、他車両が煽り運転を行っている映像である。図3では、再生映像300は、図2のように表示部240に単独で表示させる場合に比べて、表示面積が縮小されている。俯瞰映像310は、車両から2m程度の範囲を表示する。
【0047】
図3に示す俯瞰映像310は、前方映像311と後方映像312と右側方映像313と左側方映像314とで囲まれた中央部に位置する車両アイコン320とを含む。カメラユニット210の撮影範囲を超える部分は、俯瞰映像310に含まなくてよい。また、俯瞰映像310は、後方映像312および前方映像311で構成されてもよい。この場合、右側方映像313と左側方映像314に該当する範囲は黒画像としてもよい。さらには、俯瞰映像310は、後方映像312で構成されてもよい。この場合、前方映像311と右側方映像313と左側方映像314に該当する範囲は黒画像としてもよい。つまり、表示される最小限の映像は、煽り運転を行っている車両が撮影されている方向の映像であり、煽り運転を行っている車両を撮影した映像データを、再生映像300として表示するとともに、視点変換を行った俯瞰映像310としても表示する。図3から図7に示す後方映像312は、車両後方に設置された後方カメラ212で撮影した映像を視点変換処理しているため、実際には他車両330は図のように示されない。ここで示す他車両330は、他車両330の位置を概念的に示している。
【0048】
車両アイコン320は、車両の位置と向きとを示す。車両アイコン320は、前後方向を俯瞰映像310の前後方向と平行にして、中央部に配置されている。図3では、再生映像300の下方に、例えば、文字情報を表示する情報表示領域340を有する。情報表示領域340には、例えば、他車両による煽り運転が検出されていることを文字情報で表示してもよい。
【0049】
図4は、表示部240に表示された映像の他の例を示す図である。図4に示すように、表示制御部132は、再生映像300が対応する煽り情報を有する場合、再生映像300とともに、俯瞰映像310を表示部240に表示させる。俯瞰映像310は、後方映像312と右側方映像313と左側方映像314と車両アイコン320とを含む。俯瞰映像310は、煽り運転をしている後方車両が位置する後方を含み、前方を含まない。
【0050】
図5は、表示部240に表示された映像の他の例を示す図である。図5に示すように、表示制御部132は、再生映像300が対応する煽り情報を有する場合、再生映像300とともに、俯瞰映像310を表示部240に表示させる。俯瞰映像310は、車両の後端部と、他車両の前端部との距離を示す距離情報315を表示してもよい。
【0051】
図6は、表示部240に表示された映像の他の例を示す図である。図6に示すように、再生映像300は、表示部240に単独で表示する場合の表示面積のままで縮小されておらず、再生映像300の上に、俯瞰映像310が重ねて表示される。
【0052】
図7は、表示部240に表示された映像の他の例を示す図である。図7に示すように、俯瞰映像310は、表示部240に単独で表示される。俯瞰映像310に重ねて、車両の後端部からの距離を示す目盛りを表示してもよい。
【0053】
視点変換処理部130は、カメラユニット210で撮影した映像データに基づいて、車両Vの上方を仮想視点Eとした視点変換処理を行った俯瞰映像310を生成する。視点変換処理部130は、車両Vの端部と、相対する他車両VAの端部との間の上方を仮想視点EAとした視点変換処理を行った俯瞰映像310を生成してもよい。本実施形態では、視点変換処理部130は、車両Vの後方を仮想視点EAとした視点変換処理を行った俯瞰映像310を生成してもよい。視点変換処理の方法は、公知のいずれの方法でもよく、限定されない。そして、視点変換処理部130は、視点変換処理を行った映像データを合成する合成処理を行う。そして、視点変換処理部130は、合成した映像に車両アイコン320を表示した俯瞰映像310を生成する。
【0054】
図8を用いて、仮想視点Eについて説明する。仮想視点Eは、車両Vの中央の上方となるように設定されている。仮想視点Eは、車両Vを真上から見下すような視点である。車両Vの中央とは、車両Vの車幅方向の中央、かつ、前後方向の中央である。車両Vの真上とは、車両Vの基準面の垂線上の位置である。基準面とは、車両Vが水平かつ平坦な路面上に位置しているときに路面と水平な平面である。本実施形態では、仮想視点EAは、仮想視点Eに対して、他車両VAに近づけた位置である。仮想視点EAは、車両Vを後方から見下すような視点である。
【0055】
次に、図9を用いて、記録再生制御装置100における記録処理の流れについて説明する。図9は、第一実施形態に係る記録再生制御装置100における記録処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、ループ記録処理を行う場合について説明する。以下の説明では、煽り情報の一例を、近接フラグとして説明する。
【0056】
記録再生制御装置100は、ループ記録およびイベント検出を開始する(ステップS101)。より詳しくは、記録再生制御装置100は、イベント検出部129によって、加速度センサ260の検出結果に基づいて、イベントを検出する。記録再生制御装置100は、映像データ処理部122によって、バッファメモリ121に記録された映像データから、所定期間の映像ごとのループ記録映像データを生成する。記録再生制御装置100は、記録制御部123によって、ループ記録映像データを記録部220に記録させる。記録再生制御装置100は、ステップS102に進む。
【0057】
記録再生制御装置100は、イベント検出部129によって、他車両による煽り運転をイベントとして検出したか否かを判定する(ステップS102)。より詳しくは、イベント検出部129によって、車両の速度が所定速度以上で、他車両が車両に所定距離未満まで近接した場合、言い換えると、条件を満たす場合、他車両による煽り運転をイベントとして検出する。煽り運転をイベントとして検出した場合(ステップS102でYes)、ステップS103へ進む。イベント検出部129によって、車両の速度が所定速度未満、または、他車両が車両に所定距離未満まで近接していない場合、言い換えると、条件を満たさない場合、他車両による煽り運転をイベントとして検出しない。他車両による煽り運転をイベントとして検出しない場合(ステップS102でNo)、ステップS104へ進む。
【0058】
他車両による煽り運転がイベントとして検出された場合(ステップS102でYes)、記録再生制御装置100は、記録制御部123によって、条件を満たす期間、言い換えると、他車両による煽り運転がイベントとして検出された期間の映像データに、近接フラグを付与して保存する(ステップS103)。より詳しくは、記録再生制御装置100は、映像データ処理部122によって、記録部220に記録されたループ記録映像データから、条件を満たす期間を含む映像データに近接フラグを付与してイベント記録データとして生成する。記録再生制御装置100は、記録制御部123によって、近接フラグが付与されたイベント記録データを記録部220に保存する。記録再生制御装置100は、ステップS104に進む。
【0059】
記録再生制御装置100は、イベント検出およびループ記録を終了するか否かを判定する(ステップS104)。より詳しくは、記録再生制御装置100は、操作制御部125によって、終了操作情報が出力された場合や、車両の動作が終了するなど、任意の条件で、イベント検出およびループ記録を終了すると判定して(ステップS104でYes)、処理を終了する。記録再生制御装置100は、操作制御部125によって、終了操作情報が出力されていないと、イベント検出およびループ記録を終了しないと判定して(ステップS104でNo)、ステップS102の処理を再度実行する。
【0060】
次に、図10を用いて、記録再生制御装置100における再生処理の流れについて説明する。図10は、第一実施形態に係る記録再生制御装置100における再生処理の流れを示すフローチャートである。
【0061】
記録再生制御装置100は、操作制御部125がイベント記録データまたはループ記録データの再生メニューの表示指示を示す操作情報を取得した場合、再生制御部131によって、再生対象の映像データの再生を開始する(ステップS201)。記録再生制御装置100は、ステップS202へ進む。
【0062】
記録再生制御装置100は、再生対象の映像データの再生時点に近接フラグがあるか否かを判定する(ステップS202)。より詳しくは、記録再生制御装置100は、記録部220に保存された再生対象の映像データの再生時点に近接フラグがある場合、再生対象の映像データの再生時点に近接フラグがあると判定して(ステップS202でYes)、ステップS203に進む。記録再生制御装置100は、記録部220に保存された、再生対象の映像データの再生時点に近接フラグがない場合、再生対象の映像データの再生時点に近接フラグがないと判定して(ステップS202でNo)、ステップS204へ進む。
【0063】
再生対象の映像データの再生時点に近接フラグがあると判定した場合(ステップS202でYes)、記録再生制御装置100は、第一形態で表示部240に表示する(ステップS203)。第一形態は、例えば、図3ないし図7に示す表示形態である。記録再生制御装置100は、ステップS205に進む。
【0064】
再生対象の映像データの再生時点に近接フラグがないと判定した場合(ステップS202でNo)、記録再生制御装置100は、第二形態で表示部240に表示する(ステップS204)。第二形態は、例えば、図2に示す表示形態である。記録再生制御装置100は、ステップS205に進む。
【0065】
記録再生制御装置100は、再生対象の映像データの再生を終了するか否かを判定する(ステップS205)。再生対象の映像データを最後まで再生した場合、または、再生を停止する操作が行われた場合、記録再生制御装置100は、再生対象の映像データの再生を終了すると判定して(ステップS205でYes)、処理を終了する。上記に該当しない場合、記録再生制御装置100は、再生対象の映像データの再生を終了しないと判定して(ステップS205でNo)、ステップS202の処理を再度実行する。
【0066】
上述したように、本実施形態では、車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出している期間の映像データを再生する場合、映像データを視点変換した俯瞰映像310を再生して、表示部240に表示する。本実施形態は、他車両による煽り運転が検出された場合、車両と他車両との相対的な位置関係が確認しやすい俯瞰映像310を表示することができる。本実施形態によれば、俯瞰映像310によって、車両に対する他車両の近接状態が確認可能になり、煽りの程度が判定しやすくなり、危険運転の立証を容易にできる。このようにして、本実施形態によれば、他車両が煽り運転をしている場合、車両と他車両との位置関係を適切に確認できる。
【0067】
本実施形態では、俯瞰映像310が、再生対象の映像データである再生映像300とともに表示する。本実施形態によれば、車両と他車両との相対的な位置関係がより確認しやすいように表示することができる。
【0068】
本実施形態では、車両に他車両が所定未満の距離まで近接したことを検出した方向の俯瞰映像310を表示する。本実施形態によれば、車両と他車両との相対的な位置関係がより確認しやすいように表示することができる。
【0069】
本実施形態では、俯瞰映像310が、車両の端部と他車両の端部との距離が判別可能なスケールを含む。本実施形態によれば、車両と他車両との距離を容易に確認できる。
【0070】
本実施形態では、俯瞰映像310は、車両の端部と他車両の端部との間の上方を仮想視点EAとする。本実施形態によれば、車両と他車両との相対的な位置関係がより確認しやすいように表示することができる。
【0071】
[第二実施形態]
図11を参照しながら、本実施形態に係る再生装置20について説明する。図11は、第二実施形態に係る再生制御装置400を有する再生装置20の構成例を示すブロック図である。
【0072】
再生装置20は、再生するイベント記録データまたはループ記録映像が、近接フラグを有する場合、俯瞰映像310を再生して表示させる。再生装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットを含む電子機器である。再生装置20は、記録部420と、操作部430と、表示部440と、再生制御装置400とを有する。
【0073】
記録部420は、車両用記録再生装置10などによって、イベント記録データ、ループ記録データなどが記録されている。記録部420は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、メモリカードなどの記録部である。または、図示しない通信装置を介して無線接続される外部記録部であってもよい。
【0074】
操作部430は、再生装置20に対する各種操作を受付可能である。例えば、操作部430は、記録部420に記録したイベント記録データまたはループ記録データを再生する操作を受付可能である。例えば、操作部430は、記録部420に記録したイベント記録データを消去する操作を受付可能である。操作部430は、操作情報を再生制御装置400の操作制御部414に出力する。
【0075】
操作部430は、表示部440に備えられているタッチパネルであり、記録部420に保存されているイベント記録データを再生する操作を、表示部440をタッチ操作して、イベント記録データの選択、再生指示を行う。
【0076】
表示部440は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部440は、再生制御装置400の表示制御部415から出力された映像信号に基づいて、映像を表示する。表示部440は、記録部420に記録された映像を表示する。
【0077】
再生制御装置400は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置(制御装置)である。再生制御装置400は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。再生制御装置400には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは再生制御装置400におけるデータの一時記憶などに用いられる。再生制御装置400は、バス400Xに接続された、情報取得部411と、再生制御部412と、視点変換処理部413と、操作制御部414と、表示制御部415とを有する。
【0078】
情報取得部411は、少なくとも車両の前方または後方を撮影するカメラが撮影した映像データ、および、車両の走行速度、車両と他車両との距離を示す情報を取得する。情報取得部411は、取得した情報を記録部420に保存する。
【0079】
再生制御部412は、再生するイベント記録データを記録部420から取得して再生する。再生制御部412は、操作制御部414から出力された選択操作および再生操作の制御信号に基づいて、記録部420に記録されたイベント記録データまたはループ記録データを再生するよう制御する。
【0080】
再生制御部412は、車両の走行速度が所定速度以上で、車両と他車両との距離が所定未満である期間の映像データを再生する場合、映像データを視点変換処理部413で視点変換した映像を再生する。再生制御部412は、選択されたイベント記録データに対応付けられた煽り情報がある場合、俯瞰映像310を、表示制御部415に出力する。再生制御部412は、イベント記録データまたはループ記録データとともに俯瞰映像310を再生するよう制御してもよいし、俯瞰映像310のみを再生するよう制御してもよい。
【0081】
視点変換処理部413は、情報取得部411が取得した映像データに対して、車両の上方を仮想視点Eとして視点変換処理を行う。
【0082】
操作制御部414は、操作部430が受け付けた操作の操作情報を取得する。例えば、操作制御部414は、映像データの選択操作を示す選択操作情報、映像データの再生操作を示す再生操作情報、または、映像データの消去操作を示す消去操作情報を取得して制御信号を出力する。
【0083】
表示制御部415は、再生されたイベント記録データを表示部440に表示させる。第二実施形態に係る再生制御装置400の再生処理は、図10に示す第一実施形態に係る記録再生制御装置100の再生処理と同様である。
【0084】
表示制御部415は、記録部420に記録されたイベント記録データまたはループ記録データの表示部440における表示を制御する。表示制御部415は、再生する映像データが煽り情報を有する場合、イベント記録データまたはループ記録データとともに俯瞰映像310を表示させてもよいし、俯瞰映像310のみを表示させてもよい。
【0085】
このように、車両用記録再生装置10で保存された映像データを再生する再生装置20においても、第一実施形態と同様に、再生する映像データに、近接フラグがある場合、俯瞰映像310を表示させる。
【0086】
上述したように、本実施形態では、車両用記録再生装置10で保存された映像データを再生する再生装置20においても、第一実施形態と同様に、再生する映像データに、近接フラグがある場合、俯瞰映像310を表示できる。このようにして、本実施形態によれば、他車両が煽り運転をしている場合、車両と他車両との位置関係を適切に確認できる。
【0087】
これまで本発明に係る車両用記録再生装置10および再生装置20について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0088】
図示した車両用記録再生装置10および再生装置20の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0089】
車両用記録再生装置10および再生装置20の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0090】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0091】
上記では、ループ記録処理を行う場合について説明したが、イベントが検出されてから撮影を開始する場合についても同様である。
【符号の説明】
【0092】
10 車両用記録再生装置
20 再生装置
100 記録再生制御装置
100X バス
120 映像データ取得部
121 バッファメモリ
122 映像データ処理部
123 記録制御部
125 操作制御部
126 位置情報取得部
127 加速度情報取得部
128 車両情報取得部
129 イベント検出部(検出部)
130 視点変換処理部
131 再生制御部
132 表示制御部
210 カメラユニット(撮影部)
220 記録部
230 操作部
240 表示部
250 GPS受信部
260 加速度センサ
310 俯瞰映像
400 再生制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11