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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240827BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20240827BHJP
   G06F 40/186 20200101ALI20240827BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
H04N1/00 127Z
H04N1/387 110
G06F40/186
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020069282
(22)【出願日】2020-04-07
(65)【公開番号】P2021166355
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】ジェストニ・バカルソ
(72)【発明者】
【氏名】リアニー・シー
(72)【発明者】
【氏名】ジュナリン・クタール
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-152819(JP,A)
【文献】特開2011-182175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/387
G06F 40/186
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読取る画像読取部と、
前記画像読取部により読取られた原稿の画像を外部端末に送信する通信部と、
前記画像読取部により読取られた原稿の画像におけるテキスト領域を認識して、該認識したテキスト領域から予め設定されたキーワードを抽出し、予め設定された表紙テンプレートにおける前記抽出したキーワードに対応付けられている貼り付け位置に、該キーワードが抽出されたテキスト領域の文字列を貼り付けて表紙を生成し、該生成した表紙を前記原稿の画像と共に前記通信部から送信させる制御部と、を備え
複数のキーワードからなるそれぞれのキーワードグループに対応付けてそれぞれの表紙テンプレートが設定されており、
前記制御部は、前記認識したテキスト領域から少なくとも1つのキーワードを抽出して計数し、前記各キーワードグループのうちから計数値が最大のキーワードグループを選択して、該選択したキーワードグループに対応付けられている表紙テンプレートにおける抽出した前記キーワードに対応付けられている貼り付け位置に該キーワードが抽出されたテキスト領域の文字列を貼り付けて、前記表紙を生成し、
更に、各キーワードに対応付けて同義のキーワード及びアイコン画像のうちの少なくともいずれかが設定されており、
前記制御部は更に、前記認識したテキスト領域から、前記同義のキーワード及びアイコン画像のうちの少なくとも1つを抽出した場合には、該抽出回数を計数して前記計数値に加え、前記選択したキーワードグループに対応付けられている表紙テンプレートにおける抽出した前記同義のキーワード又は前記アイコン画像に対応付けられている貼り付け位置に該同義のキーワード又は該アイコン画像が抽出されたテキスト領域の文字列を貼り付けて、前記表紙を生成する画像処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記表紙テンプレートにおいて複数のキーワードに対応付けられているそれぞれの貼り付け位置から、前記抽出したキーワードに対応付けられている貼り付け位置を選択し、該選択した貼り付け位置に、該キーワードが抽出されたテキスト領域の文字列を貼り付けて、前記表紙を生成する請求項1に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の原稿の画像を読取って外部端末に送信する画像処理装置に関し、特に、原稿の画像に基づき表紙を生成して該画像と共に送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置として、例えばファクシミリ装置がある。このファクシミリ装置では、画像読取部により原稿の画像を読取り、この読取った画像を通信相手のファクシミリ装置に送信する。ここで、画像を送信する際には、表紙を画像に添付して送信することがあるが、表紙の作成に手間がかかるので、その作成が自動化されるのが望ましい。例えば、特許文献1に記載のファクシミリ装置では、カバーページ(表紙)のテンプレートを予め設定しておき、ユーザーの操作によりカバーページの文字入力枠に文字列が入力されて、カバーページが生成され、このカバーページが送信データに付加されて送信されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-082258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、カバーページの文字入力枠に文字列を入力するにはユーザーの操作が必要であり、カバーページの作成が自動化されているとは言い難い。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、画像を送信する際に、ユーザーに作業をさせることなく画像に添付される表紙を作成して、当該表紙及び画像を送信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面にかかる画像処理装置は、原稿の画像を読取る画像読取部と、前記画像読取部により読取られた原稿の画像を外部端末に送信する通信部と、前記画像読取部により読取られた原稿の画像におけるテキスト領域を認識して、該認識したテキスト領域から予め設定されたキーワードを抽出し、予め設定された表紙テンプレートにおける前記抽出したキーワードに対応付けられている貼り付け位置に該キーワードが抽出されたテキスト領域の文字列を貼り付けて、表紙を生成し、該生成した表紙を前記原稿の画像と共に前記通信部から送信させる制御部と、を備え、複数のキーワードからなるそれぞれのキーワードグループに対応付けてそれぞれの表紙テンプレートが設定されており、前記制御部は、前記認識したテキスト領域から少なくとも1つのキーワードを抽出して計数し、前記各キーワードグループのうちから計数値が最大のキーワードグループを選択して、該選択したキーワードグループに対応付けられている表紙テンプレートにおける抽出した前記キーワードに対応付けられている貼り付け位置に該キーワードが抽出されたテキスト領域の文字列を貼り付けて、前記表紙を生成し、更に、各キーワードに対応付けて同義のキーワード及びアイコン画像のうちの少なくともいずれかが設定されており、前記制御部は更に、前記認識したテキスト領域から、前記同義のキーワード及びアイコン画像のうちの少なくとも1つを抽出した場合には、該抽出回数を計数して前記計数値に加え、前記選択したキーワードグループに対応付けられている表紙テンプレートにおける抽出した前記同義のキーワード又は前記アイコン画像に対応付けられている貼り付け位置に該同義のキーワード又は該アイコン画像が抽出されたテキスト領域の文字列を貼り付けて、前記表紙を生成するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像を送信する際に、ユーザーに作業をさせることなく画像に添付される表紙を作成して、当該表紙及び画像を送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態にかかる画像処理装置が適用された画像形成装置を示す断面図である。
図2】画像形成装置の主要内部構成を示す機能ブロック図である。
図3】3種類の表紙テンプレートを例示する図である。
図4】各表紙テンプレートと各キーワードグループを対応付けて記憶したテンプレートテーブルを概念的に示す図である。
図5】各表紙テンプレート別に、表紙テンプレートにおける複数の貼り付け位置と該表紙テンプレートのキーワードグループにおける複数のキーワードを対応付けて記憶した貼り付け位置テーブルを概念的に示す図である。
図6】画像読取部により読取られた原稿の画像に基づき表紙を作成するための制御手順を示すフローチャートである。
図7】表示部の画面に表示された表紙の作成機能を指示するための機能キーを示す図である。
図8】表示部の画面に表示された表紙テンプレートの更新を指示するための機能キー、キーワードを更新するための機能キーなどを示す図である。
図9】表示部の画面に表示された表紙テンプレートなどを示す図である。
図10】表示部の画面に表示された各表紙テンプレートと各キーワードグループを対応付けた一覧などを示す図である。
図11】画像読取部で読取られた特許文献(原稿)の画像を概略的に示す図である。
図12】表示部の画面に表示された表紙テンプレートの自動選択を設定するための機能キー、任意選択を設定するための機能キーなどを示す図である。
図13】各キーワードグループ別に計数されたキーワードの計数値を示す図表である。
図14】表示部の画面に表示された各表紙テンプレートを指示して選択するためのそれぞれの機能キーを示す図である。
図15】表示部の画面に表示された表紙などを示す図である。
図16】テンプレートテーブルの変形例を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明にかかる一実施形態の画像処理装置が適用された画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置10は、例えばコピー機能、プリンター機能、ファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えたMFP(複合機)である。この画像形成装置10は、画像読取部11と、画像形成部12とを備えている。
【0011】
画像読取部11は、原稿の画像を光学的に読み取る撮像素子を有しており、この撮像素子のアナログ出力がデジタル信号に変換されて、原稿の画像を示す画像データが生成される。
【0012】
画像形成部12は、上記画像データによって示される画像を記録紙に形成するものであり、マゼンタ用の画像形成ユニット3M、シアン用の画像形成ユニット3C、イエロー用の画像形成ユニット3Y、及びブラック用の画像形成ユニット3Bkを備えている。各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkのいずれにおいても、感光体ドラム4の表面を均一帯電させ、感光体ドラム4の表面を露光して、感光体ドラム4の表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム4の表面の静電潜像をトナー像に現像して、感光体ドラム4の表面のトナー像を中間転写ベルト5に1次転写する。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト5上に形成される。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト5と2次転写ローラー6の間のニップ域Nにおいて給紙部14から搬送路8を通じて搬送されてきた記録紙Pに2次転写される。
【0013】
この後、定着装置15で記録紙Pが加熱及び加圧されて、記録紙P上のトナー像が熱圧着により定着され、更に記録紙Pが排出ローラー16を通じて排出トレイ17に排出される。
【0014】
次に、画像形成装置10の制御に係る構成について説明する。図2は、画像形成装置10の主要内部構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように画像形成装置10は、画像読取部11と、画像形成部12と、表示部21と、操作部22と、タッチパネル23と、ネットワーク通信部24と、ファクシミリ通信部25と、画像メモリー26と、記憶部28と、制御ユニット29とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0015】
表示部21は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどから構成される。操作部22は、テンキー、決定キー、スタートキーなどの物理キーを備えている。
【0016】
表示部21の画面には、タッチパネル23が配置されている。タッチパネル23は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルであって、タッチパネル23に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置とともに検知して、その接触位置の座標を示す検知信号を制御ユニット29の後述する制御部31などに出力する。これにより、タッチパネル23を通じての表示部21の画面に表示されているGUI(Graphical User Interface)の操作が可能となる。
【0017】
ネットワーク通信部(NW通信部)24は、不図示のLANチップなどの通信モジュールを備える通信インターフェイスであり、有線又は無線LANを通じて他の端末装置と接続され、他の端末装置との間でデータの送受信を行う。
【0018】
ファクシミリ通信部(FAX通信部)25は、画像を示す画像データを、ネットワークを通じて他の画像形成装置やファクシミリ装置40などとの間で送受信する。
【0019】
記憶部28は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0020】
制御ユニット29は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット29は、上記のROM又は記憶部28に記憶された制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部31として機能する。
【0021】
制御部31は、画像形成装置10を統括的に制御する。制御ユニット29は、画像読取部11、画像形成部12、表示部21、操作部22、タッチパネル23、ネットワーク通信部24、ファクシミリ通信部25、画像メモリー26、及び記憶部28などと接続されている。制御部31は、これらの構成要素の動作制御や、該各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0022】
制御部31は、画像形成装置10による画像形成に必要な各種の処理などを実行する処理部としての役割を果たす。また、制御部31は、タッチパネル23から出力される検知信号あるいは操作部22の物理キーの操作に基づき、ユーザーにより入力された操作指示を受け付ける。更に、制御部31は、表示部21の表示動作を制御する機能、ネットワーク通信部24及びファクシミリ通信部25の通信動作を制御する機能を有する。
【0023】
このような構成の画像形成装置10において、例えば、ユーザーによる、タッチパネル23を通じて表示部21の画面に表示されているGUIの操作又は操作部22の操作により、タッチパネル23又は操作部22に、コピージョブの設定情報(カラー又はモノクロ、枚数など)の設定が受け付けられる。更にユーザーが原稿を画像読取部11にセットし、操作部22のスタートキーの操作で、操作部22にジョブの実行指示が受け付けられると、制御部31は、当該実行指示に従って、上記受け付けられたコピージョブの設定情報を用いて、画像読取部11により原稿の画像を読取らせて、画像を示す画像データを画像メモリー26に一旦記憶させ、当該画像データを画像形成部12に入力させて、画像形成部12より原稿の画像を記録紙に形成させる。
【0024】
また、例えば、ユーザーによる、タッチパネル23を通じて表示部21の画面に表示されているGUIの操作又は操作部22の操作により、タッチパネル23又は操作部22に、ファクシミリジョブの設定情報(宛先(受信側のファクシミリ装置40の電話番号)、解像度など)の設定が受け付けられる。更にユーザーは、原稿を画像読取部11にセットし、操作部22のスタートキーの操作で、操作部22にファクシミリジョブの実行指示が受け付けられると、制御部31は、当該ファクシミリジョブの実行指示に従って、ファクシミリジョブの設定情報を用いて、画像読取部11により原稿の画像を読取らせ、画像を示す画像データを画像メモリー26に一旦記憶させ、当該画像データを、ファクシミリ通信部25を通じて受信側のファクシミリ装置40に送信させる。
【0025】
このように画像形成装置10では、コピージョブやファクシミリジョブなどが実行される。
【0026】
ところで、ファクシミリジョブに際しては、表紙(カバーページ)を送信対象の画像に添付して送信することがあるが、表紙の作成に手間がかかるので、その作成の作業が自動化されることが望ましい。
【0027】
そこで、本実施形態の画像形成装置10においては、制御部31は、画像読取部11により読取られた原稿の画像におけるテキスト領域を認識して、該認識したテキスト領域から予め設定されたキーワードを抽出し、予め定められた複数のキーワードグループのうち、この抽出したキーワードが含まれるキーワードグループを選択する。そして、制御部31は、複数種の表紙テンプレートのうちから、当該選択したキーワードグループに対応付けられている表紙テンプレートを選択し、この選択した表紙テンプレートにおける前記抽出したキーワードに対応付けられている貼り付け位置に、当該キーワードが抽出されたテキスト領域の文字列を貼り付けて、表紙を生成し、原稿の画像及び表紙をファクシミリ通信部25から送信させるようにしている。
【0028】
例えば、図3に示すように3種類の表紙テンプレートTP1、TP2、TP3が予め設定されているものとする。表紙テンプレートTP1は請求書の表紙として用いられるもの、また表紙テンプレートTP2は特許文献の表紙として用いられるもの、更に表紙テンプレートTP3は報告書の表紙として用いられるものである。
【0029】
例えば、表紙テンプレートTP1にはキーワードグループKG1が対応付けられ、表紙テンプレートTP2にはキーワードグループKG2が対応付けられ、表紙テンプレートTP3にはキーワードグループKG3が対応付けられている。そして、各キーワードグループKG1、KG2、KG3別に、複数のキーワードがそれぞれ設定されている。
【0030】
図4は、各表紙テンプレートTP1、TP2、TP3と各キーワードグループKG1、KG2、KG3を対応付けたテンプレートテーブルTDを示す図であり、このテンプレートテーブルTDが記憶部28に予め記憶されている。
【0031】
また、図3に示すように各表紙テンプレートTP1、TP2、TP3の各別に、表紙テンプレートにおける複数の貼り付け位置Qmnには、該表紙テンプレートのキーワードグループにおけるそれぞれのキーワードが対応付けられている。
【0032】
図5は、各表紙テンプレートTP1、TP2、TP3別に、表紙テンプレートにおける複数の貼り付け位置Qmnと該表紙テンプレートのキーワードグループにおけるそれぞれのキーワードを対応付けた貼り付け位置テーブルPDを示す図であり、この貼り付け位置テーブルPDが記憶部28に予め記憶されている。
【0033】
例えば、制御部31は、原稿の画像におけるテキスト領域からキーワード「pat no.」、「(54)」、「inventor」を抽出し、記憶部28内のテンプレートテーブルTDを参照して、その抽出したキーワード「pat no.」、「(54)」、「inventor」を含むキーワードグループKG2を選択して、このキーワードグループKG2に対応付けられている表紙テンプレートTP2を選択し、記憶部28内の貼り付け位置テーブルPDを参照して、その選択した表紙テンプレートTP2におけるその抽出した各キーワード「pat no.」、「(54)」、「inventor」に対応付けられているそれぞれの貼り付け位置Q21、Q22、Q23を取得し、これらの貼り付け位置Q21、Q22、Q23に該各キーワード「pat no.」、「(54)」、「inventor」が抽出されたそれぞれのテキスト領域の文字列を貼り付けて、表紙の画像を生成する。これにより、ユーザーによる表紙の作成のための作業負担が軽減される。
【0034】
次に、上記のようにファクシミリジョブに際し、画像読取部11により読取られた原稿の画像に基づき表紙を作成する処理を、図6に示すフローチャートなどを参照して詳しく説明する。
【0035】
まず、制御部31は、図7に例を示すように表紙の作成機能を指示するための機能キーK41を表示部21の画面に表示させているものとする。ユーザーがその機能キーK41にタッチ操作すると、制御部31は、タッチパネル23を通じて、表紙の作成モードを設定する設定指示を検出し、この設定指示に従って、画像形成装置10を表紙の作成モードに設定する(S101)。
【0036】
制御部31は、表紙の作成モードに設定すると、図8に例を示すように、表紙テンプレートの更新を指示するための機能キーK11、キーワードを更新するための機能キーK12、及びOKキーK13を有する画面を表示部21に表示させる(S102)。このとき、ユーザーが機能キーK11にタッチ操作すると、制御部31は、タッチパネル23を通じて、表紙テンプレートの更新指示を受け付け、この更新指示に従って、記憶部28内の貼り付け位置テーブルPDに記憶されている各表紙テンプレートTP1、TP2、TP3の一覧を表示部21の画面に表示させ、ユーザーのタッチ操作によりタッチパネル23を介して、該一覧のいずれかの表紙テンプレートの選択を受け付けると、貼り付け位置テーブルPDを参照して、当該選択された表紙テンプレートを表示部21の画面に表示させる。例えば、図9に例を示すように、制御部31は、表紙テンプレートTP2及びOKキーK14を表示部21の画面に表示させる。
【0037】
ユーザーによる、表示部21の当該画面上の表紙テンプレートTP2に対するタッチ操作、表示部21の画面に一時的に表示されるソフトキーボード(GUIの一例)、又は操作部22などの操作に応じて、制御部31は、表紙テンプレートにおける貼り付け位置Qmnの場所の指定、あるいは、該貼り付け位置Qmnに対応付けるキーワードの指定、変更、追加又は削除する指示を受け付ける。図9には、表紙テンプレートTP2において、[]の位置が貼り付け位置Qmnとして指定され、[]内の文字列が該貼り付け位置Qmnに対応付けられたキーワードとされた例を示している。
【0038】
制御部31は、ユーザーによりOKキーK14に対するタッチ操作に応じて、タッチパネル23を介して、上記受け付けた各指定等を確定させる確定指示を受け付ける。制御部31は、当該確定指示に従って、この時点で受け付けている、表紙テンプレートTP2における貼り付け位置Qmnの場所の指定、該貼り付け位置Qmnに対応付けるキーワードの指定、変更、追加又は削除を、それまでの貼り付け位置Qmnの場所、該貼り付け位置Qmnに対応付けるキーワードに上書きして貼り付け位置テーブルPDを更新し、また、当該指定、変更、追加又は削除後のキーワードをテンプレートテーブルTDに上書きして更新する。これにより、表紙テンプレートにおける貼り付け位置Qmnあるいは該貼り付け位置Qmnに対応付けられたキーワードが更新される(S103)。
【0039】
また、図8に例を示す表示部21の画面が表示されているときに、ユーザーがキーワードの更新を指示するための機能キーK12にタッチ操作すると、制御部31は、タッチパネル23を通じて、キーワードの更新指示を受け付け、この更新指示に従って、記憶部28内のテンプレートテーブルTDに記憶されている各表紙テンプレートTP1、TP2、TP3と各キーワードグループKG1、KG2、KG3の一覧を表示部21の画面に表示させる。例えば、図10に例を示すように、制御部31は、各表紙テンプレートTP1、TP2、TP3と各キーワードグループKG1、KG2、KG3を対応付けた一覧、及びOKキーK15を有する画面を表示部21に表示させる(S102)。
【0040】
ユーザーによる、表示部21の当該画面上の一覧に対するタッチ操作、表示部21の画面に一時的に表示されるソフトキーボード(GUIの一例)、又は操作部22などの操作に応じて、制御部31は、キーワードの指定、変更、追加又は削除する指示を受け付ける。
【0041】
更に、制御部31は、ユーザーによりOKキーK15に対するタッチ操作応じて、タッチパネル23を介して、上記受け付けたキーワードを確定させる確定指示を受け付ける。制御部31は、当該確定指示に従って、一覧におけるキーワードの変更、追加、削除を行い、上記一覧におけるキーワードを上書きして、テンプレートテーブルTDを更新する。これにより、キーワードグループのキーワードが更新される(S103)。
【0042】
このようにして貼り付け位置テーブルPD及びテンプレートテーブルTDが更新される。この後、処理はS104に移る。また、図8に示す表示部21の画面が表示されているときに、ユーザーが貼り付け位置テーブルPD及びテンプレートテーブルTDを更新させることなくOKキーK13にタッチ操作すると、制御部31は、タッチパネル23を介してキャンセル指示を受け付け、このキャンセル指示を受け付けた場合は、処理はS104に移る。
【0043】
そして、制御部31は、ユーザーによる、タッチパネル23を通じて表示部21の画面に表示されているGUIの操作又は操作部22の操作により、タッチパネル23又は操作部22を介してファクシミリジョブの設定情報の設定を受け付け、更に、ユーザーによる操作部22のスタートキーの操作で、操作部22を介してファクシミリジョブの実行指示を受け付けると、制御部31は、当該ファクシミリジョブの実行指示に従って、上記受け付けたファクシミリジョブの設定情報を用いて、画像読取部11により原稿の画像を読取らせ(S104)、画像を示す画像データを画像メモリー26に一旦記憶させる。
【0044】
続いて、制御部31は、周知のOCR(Optical Character Recognition)機能及び領域判定技術を用いて、画像メモリー26内の原稿の画像からテキスト領域、画像領域、余白領域などを抽出する(S105)。
【0045】
例えば、図11に示すような特許文献(原稿)Jの画像が原稿として画像読取部11で読取られて、特許文献Jの画像が画像メモリー26に記憶されたものとする。特許文献Jには、複数のテキスト領域51、画像領域52、複数の余白領域53などが配置されており、制御部31は、OCR機能及び領域判定技術により各テキスト領域51、画像領域52、各余白領域53などを抽出する。
【0046】
そして、制御部31は、図12に例を示すような、表紙テンプレートの自動選択又は任意選択を設定するための画面を表示部21に表示させる(S106)。この画面には、自動選択を設定するための機能キーK21及び手動選択を設定するための機能キーK22が表示されている。
【0047】
例えば、ユーザーが自動選択を設定するための機能キーK21にタッチ操作すると、制御部31は、タッチパネル23を通じて、キーワードの抽出指示を受け付ける(S107「自動」)。制御部31は、S105で抽出した全てのテキスト領域に含まれるテキストを、テンプレートテーブルTDの各キーワードグループKG1、KG2、KG3の各キーワードと比較し、当該各キーワードと一致するテキスト(以下、単にキーワードという)を、テキスト領域から逐次抽出する。
【0048】
制御部31は、当該キーワードを抽出する度に、抽出したキーワードが各キーワードグループKG1、KG2、KG3のいずれに含まれるかを記録し、その抽出したキーワードが含まれるキーワードグループの計数値をカウントアップする(S108)。但し、制御部31は、同一のキーワードについては、キーワードが繰り返し抽出されても、計数値のカウントアップを1度しか行わないことが好ましい。このようにして、テンプレートテーブルTDの各キーワードグループKG1、KG2、KG3別に、キーワードグループに含まれるキーワードの数を示す計数値が取得される。例えば、図13の表Mに例を示すように、表紙テンプレートTP1のキーワードグループKG1の計数値が「1」となり、表紙テンプレートTP2のキーワードグループKG2の計数値が「3」となり、表紙テンプレートTP3のキーワードグループKG3の計数値が「1」となる。
【0049】
そして、制御部31は、計数値が最大のキーワードグループの表紙テンプレートを選択する(S109)。この例では、制御部31は、計数値「3」のキーワードグループKG2の表紙テンプレートTP2を選択する。この後、処理はS112に移る。
【0050】
一方、S107において、ユーザーが任意選択を設定するための機能キーK22にタッチ操作すると、制御部31は、タッチパネル23を通じて、テンプレートを手動で選択する指示を受け付け(S107「任意」)、図14に例を示すような、各表紙テンプレートTP1、TP2、TP3のいずれかを選択するための画面を表示部21に表示させる(S110)。この画面には、各表紙テンプレートTP1、TP2、TP3を指示して選択するためのそれぞれの機能キーK25、K26、K27が表示されている。制御部31は、ユーザーにより操作された位置に表示されている機能キーに対応付けられた表紙テンプレートを選択する指示を、タッチパネル23を介して受け付ける(S111)。例えば、ユーザーが表紙テンプレートTP2を指示して選択するための機能キーK26にタッチ操作すると、制御部31は、タッチパネル23を通じて、表紙テンプレートTP2を選択する指示を受け付ける。この後、処理はS112に移る。
【0051】
S112においては、制御部31は、記憶部28内の貼り付け位置テーブルPDを参照して、S109又はS111で選択された表紙テンプレートにおける各貼り付け位置及び当該位置に対応付けられている各キーワードを取得する(S112)。ここでの例では、制御部31は、表紙テンプレートTP2における各貼り付け位置Q21、Q22、Q23を取得すると共に、該各貼り付け位置Q21、Q22、Q23に対応付けられている各キーワード「pat no.」、「(54)」、「inventor」を取得する。そして、制御部31は、その取得した各キーワード別に、この例では「pat no.」、「(54)」、「inventor」別に、S105で判定した各テキスト領域51のうちからキーワードを含むテキスト領域51を抽出して、この抽出したテキスト領域51の文字列を、表紙テンプレートTP2における該キーワードに対応付けられている貼り付け位置に貼り付けて表紙を生成する(S113)。例えば、図15に示すような、表紙テンプレートTP2において、制御部31は、貼り付け位置Q21に対応付けられているキーワード「pat no.」が抽出されたテキスト領域51の文字列「Patent No.US 8,………」を該貼り付け位置Q21に貼り付け、また貼り付け位置Q22に対応付けられているキーワード「(54)」が抽出されたテキスト領域51の文字列「(54)PRINTING SYSTEM ……… AND DEVICE」を該貼り付け位置Q22に貼り付け、更に貼り付け位置Q23に対応付けられているキーワード「inventor」が抽出されたテキスト領域51の文字列「Inventors Kyasee Taro, ………,………」を該貼り付け位置Q23に貼り付けて、表紙を生成する。制御部31は、この生成した表紙を表示部21の画面にプレビュー表示させる。
【0052】
更に、制御部31は、このように生成された表紙を変更するか否か、すなわち、表紙テンプレートを変更して表示生成をやり直したいかを示す指示の入力をユーザーに対して促すメッセージを、上記プレビュー表示時に表示させる。ここで、ユーザーの操作により表紙テンプレートの変更指示が操作部22又はタッチパネル23を介して制御部31が受け付けると(S114「Yes」)、処理はS110に戻る。この場合、制御部31は、図14に例を示すような各表紙テンプレートTP1、TP2、TP3のいずれかを選択するための画面を表示部21に表示させる(S110)。この後、S111以降の処理を繰り返す。
【0053】
また、制御部31は、表紙テンプレートの変更指示を受け付けなかった場合(S114「No」)、S113で生成されて表示部21の画面にプレビュー表示されている表紙について、当該表紙を編集するか否かの指示の入力をユーザーに対して促すメッセージを有する画面を表示部21に表示させる。
【0054】
ここで、制御部31は、操作部22又はタッチパネル23を介してユーザーからの表紙の編集指示を受け付けると(S115「Yes」)、ユーザーによる、表示部21の画面上に表示されている表紙に対するタッチ操作、表示部21の画面に一時的に表示されるソフトキーボード、操作部22などの操作に応じて、操作部22又はタッチパネル23を介して、貼り付け位置あるいは貼り付け位置に貼り付けられた文字列などを変更する変更指示を受け付け、当該変更指示に従って、貼り付け位置あるいは貼り付け位置に貼り付けられた文字列などを変更する(S116)。この後、処理はS117に移る。
【0055】
なお、制御部31は、表紙の編集指示を受け付けなかった場合は(S115「No」)、S116を行わない。処理はS117に移る。
【0056】
S117では、制御部31は、例えば、ユーザーによる、図15に示す表示部21の画面上の送信キーK28のタッチ操作に基づいて、タッチパネル23を介して、ファクシミリ送信指示を受け付けると、S113で生成された表紙を示す画像、又はS116で編集された表紙を示す画像を1頁目に添付し、S104で設定されたファクシミリジョブの設定情報に基づき、当該添付した表紙を示す画像及びS105で画像読取部11により読取られた原稿の画像を、ファクシミリ通信部25を通じて宛先に送信する(S117)。
【0057】
このように、本実施形態では、画像読取部11により読取られた原稿の画像におけるテキスト領域を認識して、該認識したテキスト領域から抽出したキーワードに基づき複数のキーワードグループのいずれかを選択し、複数種の表紙テンプレートのうちからその選択したキーワードグループに対応付けられている表紙テンプレートを選択し、この選択した表紙テンプレートにおけるその抽出したキーワードに対応付けられている貼り付け位置に該キーワードが抽出されたテキスト領域の文字列を貼り付けて、表紙を生成し、原稿の画像及び表紙をファクシミリ通信部25から送信させているので、ユーザーは、表紙の作成並びに原稿の画像を送信するための作業を行う必要がない。
【0058】
なお、上記実施形態では、特定の意味を持つ1つのキーワードを用いているが、同一の意味を持つ複数種のキーワードやアイコンを用いてもよい。例えば、図16に示すように、テンプレートテーブルTDにおいて、表紙テンプレートTP1のキーワード「to」に対応付けて同義の「receiver」を記憶させる、キーワード「from」に対応付けて同義の「sender」を記憶させる、或いは、キーワード「tel no.」に対応付けて同義の「telnum」やアイコンICを記憶させる。この場合、S108において、制御部31は、原稿の画像におけるテキスト領域から、(i)キーワード「to」又は「receiver」、(ii)キーワード「from」又は「sender」、(iii)キーワード「tel no.」、「telnum」、或いは、(iv)アイコンICの(i)-(iv)のいずれかを抽出する度に、表紙テンプレートTP1のキーワードグループKG1の計数値をカウントアップする。また、制御部31は、当該いずれのキーワード又はアイコンについても、S105で抽出した各テキスト領域51のうちからキーワード又はアイコンを含むテキスト領域51を抽出して、この抽出したテキスト領域51の文字列を、表紙テンプレートTP1における該キーワード又はアイコンに対応付けられている貼り付け位置に貼り付けて、表紙を生成する。
【0059】
また、上記実施形態では、画像形成装置を例に挙げているが、本発明の画像処理装置をファクシミリ装置に適用することも可能である。
【0060】
また、ファクシミリ通信だけではなく、画像読取部により読取られた画像を、ネットワークを通じてパーソナルコンピューターなどの端末装置に送信する場合も、本発明を適用することができる。
【0061】
また、図1乃至図16を用いて説明した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0062】
10 画像形成装置
11 画像読取部
12 画像形成部
21 表示部
22 操作部
23 タッチパネル
24 ネットワーク通信部
25 ファクシミリ通信部
26 画像メモリー
28 記憶部
29 制御ユニット
31 制御部
図1
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