(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240827BHJP
H04N 1/191 20060101ALI20240827BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H04N1/00 002Z
H04N1/00 350
H04N1/191
G03G21/00 512
G03G21/00 386
(21)【出願番号】P 2020070599
(22)【出願日】2020-04-09
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石堂 紘平
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-047475(JP,A)
【文献】特開2006-262285(JP,A)
【文献】特開2019-073347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/191
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する用紙搬送部と、
搬送用紙に画像を形成する画像形成部と、
ランプと、前記搬送用紙を読み取るラインセンサーと、を含み、前記画像形成部よりも用紙搬送方向上流側に設けられる用紙読取ユニットと、
前記ラインセンサーが出力する各画素のアナログ画像信号に基づき、画素順に、前記用紙読取ユニット上の反射物を読み取ったか否かを示す検知用信号を生成する信号処理回路と、
ユニット制御回路と、
第1検知結果信号を出力する第1カウント回路と、
読取クロック信号を生成するクロック信号生成回路と、
を含み、
前記用紙読取ユニットは、
前記読取クロック信号が入力され、
入力された前記読取クロック信号に基づき、1画素ずつ画素の並び順で前記アナログ画像信号を出力し、
前記第1カウント回路は、
前記読取クロック信号が入力され、
入力された前記読取クロック信号の立ち上がり、又は、立ち下がりの時点で前記検知用信号のレベルを確認して、前記検知用信号が前記用紙読取ユニット上の反射物を読み取ったことを示すレベルを維持している時間である継続時間を測り、
前記継続時間が予め定められた第1指定時間以上になると、前記第1検知結果信号のレベルを、清掃不要を示すレベルから清掃必要を示すレベルに変化させ、
前記継続時間が前記第1指定時間未満のとき、前記第1検知結果信号のレベルを、清掃不要を示すレベルとし、
前記ユニット制御回路は、前記第1検知結果信号のレベルに基づき、前記用紙読取ユニットの清掃が必要か否かを判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記クロック信号生成回路は、スペクトラム拡散クロック発振回路であることを特徴とする請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
用紙を搬送する用紙搬送部と、
搬送用紙に画像を形成する画像形成部と、
ランプと、前記搬送用紙を読み取るラインセンサーと、を含み、前記画像形成部よりも用紙搬送方向上流側に設けられる用紙読取ユニットと、
前記ラインセンサーが出力する各画素のアナログ画像信号に基づき、画素順に、前記用紙読取ユニット上の反射物を読み取ったか否かを示す検知用信号を生成する信号処理回路と、
ユニット制御回路と、
第1検知結果信号を出力する第1カウント回路と、
第2カウント回路と、
を含み、
前記第1カウント回路は、
前記検知用信号が前記用紙読取ユニット上の反射物を読み取ったことを示すレベルを維持している時間である継続時間を測り、
前記継続時間が予め定められた第1指定時間以上になると、前記第1検知結果信号のレベルを、清掃不要を示すレベルから清掃必要を示すレベルに変化させ、
前記継続時間が前記第1指定時間未満のとき、前記第1検知結果信号のレベルを、清掃不要を示すレベルとし、
前記ユニット制御回路は、前記第1検知結果信号のレベルに基づき、前記用紙読取ユニットの清掃が必要か否かを判定
し、
前記第2カウント回路は、
前記継続時間を測り、第2検知結果信号を出力し、
前記継続時間が予め定められた第2指定時間以上になったとき、前記第2検知結果信号のレベルを、前記用紙読取ユニット上に前記搬送用紙がないことを示すレベルから、前記搬送用紙があることを示すレベルに変化させ、
前記継続時間が前記第2指定時間未満のとき、前記第2検知結果信号のレベルを、前記搬送用紙がないことを示すレベルとし、
前記ユニット制御回路は、前記第2検知結果信号のレベルに基づき、前記用紙読取ユニットに前記搬送用紙の先端が到達したか否かを認識し、
前記第2指定時間は前記第1指定時間よりも長いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記第2カウント回路の入力端子は、前記第1検知結果信号が入力され、
前記第2カウント回路は、前記第1検知結果信号を利用して前記継続時間が前記第2指定時間以上になったことを認識することを特徴とする請求項
3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
AND回路を含み、
前記第1検知結果信号の清掃必要を示すレベルはHighレベルであり、
前記第2検知結果信号の前記用紙読取ユニット上に前記搬送用紙があることを示すレベルもHighレベルであり、
前記AND回路は、前記第1検知結果信号と前記第2検知結果信号が入力され、
前記ユニット制御回路は、
前記AND回路の出力が入力され、
前記AND回路の出力がHighレベルになったとき、前記用紙読取ユニットに前記搬送用紙の先端が到達したと認識することを特徴とする請求項
3又は
4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1検知結果信号のレベルが清掃必要を示すレベルになったとき、前記用紙読取ユニットの清掃を求めるメッセージを表示する表示パネルを含むことを特徴とする請求項1
乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記信号処理回路は、
各画素の前記アナログ画像信号が入力される二値化回路を含み、
前記アナログ画像信号を二値化した二値化信号を前記検知用信号として生成し、出力することを特徴とする請求項1乃至
6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成部よりも用紙搬送方向上流側かつ前記用紙読取ユニットよりも用紙搬送方向下流側に設けられたレジストレスユニットを備え、
前記レジストレスユニットは、
前記用紙を止めずに前記画像形成部に向けて送るレジストレスローラー対と、
前記レジストレスローラー対を回転させるレジストレスモーターと、
前記レジストレスローラー対を収容し、主走査方向の一端側に設けられた支点軸を有するケースと、
前記支点軸を中心に前記ケースの他端側を用紙搬送方向で移動させる斜行矯正機構を含み、
前記ユニット制御回路は、
前記アナログ画像信号に基づき生成された搬送読取画像データを用いて、前記搬送用紙の傾き角度を認識し、
スキュー矯正のために前記レジストレスユニットを前記斜行矯正機構に移動させることを特徴とする請求項1乃至
7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷する用紙を搬送し、搬送用紙を読み取る画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿読取用のイメージセンサーを画像形成装置に設けることがある。例えば、複合機、複写機にイメージセンサーが設けられる。イメージセンサーと向かい合う位置に、透明板が設けられる。透明板の一方側にイメージセンサーが設けられ、他方側に原稿が配置される。イメージセンサーは原稿の反射光を受光する。汚れがある透明板を通して原稿を読み取った場合、イメージセンサーのうちの汚れに対応する受光素子の受光量が減ることがある。その結果、読み取りで得られた画像データに暗いスジができることがある。CISイメージセンサーの汚れを検知する装置の一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、原稿の濃淡情報を電気情報に変換するCISイメージセンサー、CISイメージセンサーからの電気情報をデジタル信号に変換するA/D変換部、原稿の濃度補正用の白基準データを記憶する白基準メモリー、白基準データに基づいてA/D変換部が出力するデジタル信号を補正する白補正部、白補正したデジタル信号の送信制御を行う画像メモリー制御部と、を備え、白基準メモリーの白基準データを参照して原稿読み取り時の白データのデジタル信号からCISイメージセンサーの汚れを検知してARM信号を出力する判定部を白補正部に併設したことを特徴とするファクシミリ装置が記載されている。CISイメージセンサーの表面の汚れを送信前に検知しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0020]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置は機内で用紙を搬送し、搬送する用紙に画像を形成する。搬送される用紙の姿勢、位置にずれがあると、適切に画像を印刷することができない。そこで、イメージセンサーを機内に設け、搬送用紙(印刷に用いる用紙)を読み取ることがある。イメージセンサーの読み取りで得た画像データから、用紙の搬送状態が確認される。
【0006】
イメージセンサー自体は読取用ユニットの筐体内に格納される。格納することにより、ホコリがイメージセンサーに直接的に付くことを防ぐことができる。この筐体の一面が透光板とされる。例えば、透光板はガラス板である。イメージセンサーは透光板を透過し、読取対象(搬送用紙)で反射された光を受光して読み取る。
【0007】
透光板に異物(反射物)が付着する場合がある。例えば、異物は紙粉、トナー粒子、ホコリである。異物は用紙の搬送状態の誤検知を引き起こすおそれがある。異物を読み取った画素(受光素子)と異物のない部分を読み取った画素では、イメージセンサーが出力するアナログ画像信号のレベルに差が出る。そして、用紙がない状態でのアナログ画像信号のレベルに基づき、異物を読み取った画素を検知できる。例えば、CPUのような制御回路にイメージセンサーのアナログ画像信号を入力する。制御回路がアナログ画像信号の変化を監視し、異物の有無を判定する。異物ありと判定したとき、例えば、制御回路は清掃を促すメッセージの表示を行わせる。
【0008】
近年、イメージセンサーの解像度は高くなっている。そのため、微小な異物を検知できる。異物に過敏に反応しすぎて(異物検知の感度が良すぎて)、複雑な制御が必要となる場合があるという問題がある。例えば、微小な異物を頻繁に検知し、レベルが何度も大きく変化する信号が制御回路に入力される場合がある。入力される信号のレベル変化の回数が多すぎると、制御回路の監視負担が大きくなる場合がある。信号を監視しても処理の遅延が生じないように、処理速度が速く、高価な制御回路を用いる必要がある。
【0009】
また、1画素分程度の微小な異物の存在を検知したとき、清掃作業を使用者に要求する必要があるか否かの判断は難しい。異物が微小であれば、印刷に影響がない場合もある。微小な異物を検知しただけで清掃作業を要求すると、清掃作業の要求頻度が高くなりすぎる場合がある。必要以上の作業負担を使用者に強いるおそれがある。
【0010】
特許文献1記載の装置では、判定部1は、1画素単位で白基準データ(S1)と原稿の読み取り結果(白データS2)を比較する(特許文献1:段落[0042]、[0043])。判定部1が出力するアーム信号のレベルが高速に変化する可能性がある。また、清掃作業の要求が頻繁に出され、煩わしい装置となる可能性がある。
【0011】
本発明は上記問題点を鑑み、異物(反射物)の有無を判定する制御回路の処理負担を減らしつつ、清掃作業の要求頻度が高くなりすぎないようにする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、用紙搬送部、画像形成部、用紙読取ユニット、信号処理回路、ユニット制御回路、第1カウント回路を含む。前記用紙搬送部は用紙を搬送する。前記画像形成部は搬送用紙に画像を形成する。前記用紙読取ユニットは、ランプと、前記搬送用紙を読み取るラインセンサーと、を含む。前記用紙読取ユニットは、前記画像形成部よりも用紙搬送方向上流側に設けられる。前記ラインセンサーが出力する各画素のアナログ画像信号に基づき、前記信号処理回路は、画素順に、前記用紙読取ユニット上の反射物を読み取ったか否かを示す検知用信号を生成する。前記第1カウント回路は、第1検知結果信号を出力する。前記第1カウント回路は、前記検知用信号が前記用紙読取ユニット上の反射物を読み取ったことを示すレベルを維持している時間である継続時間を測る。前記継続時間が予め定められた第1指定時間以上になると、前記第1カウント回路は、前記第1検知結果信号のレベルを、清掃不要を示すレベルから清掃必要を示すレベルに変化させる。前記継続時間が前記第1指定時間未満のとき、前記第1カウント回路は、前記第1検知結果信号のレベルを、清掃不要を示すレベルとする。前記ユニット制御回路は、前記第1検知結果信号のレベルに基づき、前記用紙読取ユニットの清掃が必要か否かを判定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、異物(反射物)の有無を判定する制御回路の処理負担を減らすことができる。しかも、清掃作業の要求頻度が高くなりすぎないようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る複合機の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る複合機の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る画像形成部の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る複合機が含むユニットの一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る用紙読取ユニットの一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係るレジストレスユニットの一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る複合機の一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る複合機が含む回路の一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る用紙読取ユニットが用紙を読み取ったときの各信号のタイミングチャートの一例を示す図である。
【
図10】実施形態に係る複合機での斜行矯正と位置ずれ補正の一例を示す図である。
【
図11】実施形態に係る複合機が含むカウント回路の一例を示す図である。
【
図12】実施形態に係る清掃判定処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、
図1~
図12を用い、実施形態に係る画像形成装置を説明する。以下では、画像形成装置として、複合機100を例に挙げて説明する。複合機100は画像データに基づく印刷や送信を行える。本実施形態の説明に記載されている構成、配置等の各要素は発明の範囲を限定せず単なる説明例にすぎない。
【0016】
(複合機100)
図1~
図3を用いて、実施形態に係る複合機100を説明する。
図1、
図2は実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。
図3は実施形態に係る画像形成部5cの一例を示す図である。
【0017】
図1に示すように、複合機100は制御部1、記憶部2、画像読取部3、操作パネル4、プリンター部5を含む。
【0018】
制御部1は複合機100の動作を制御する。制御部1はジョブ(コピーや送信)での複合機100の各部の動作を制御する。制御部1はCPU11、画像データ生成回路12、画像処理回路13、通信回路14を含む。CPU11はジョブに関する処理、演算を行う。画像データ生成回路12はA/D変換回路を含む。画像データ生成回路12は、画像読取部3が原稿を読み取って出力したアナログ画像信号を処理して原稿画像データを生成する。画像処理回路13は画像処理用の集積回路(例えば、ASIC)である。画像処理回路13は原稿画像データの画像処理を行う。
【0019】
通信回路14は通信制御回路と通信メモリーを含む。通信メモリーは通信用ソフトウェアを記憶する。通信用ソフトウェアに基づき、通信制御回路は通信を制御する。通信回路14はコンピューター200と通信する。例えば、コンピューター200はPCやサーバーである。通信回路14はコンピューター200からの印刷用データを受信する。制御部1は受信した印刷用データに基づきプリンター部5に印刷させる(プリントジョブ)。また、操作パネル4は宛先の設定を受け付ける。設定された宛先に向けて、制御部1は原稿の読み取りに基づく画像データを通信回路14に送信させる(スキャン送信)。
【0020】
記憶部2はRAM、ROM、ストレージを含む。例えば、ストレージはHDD又はSSDである。記憶部2に記憶されたプログラムやデータに基づき、制御部1は各部を制御する。画像読取部3は光源、イメージセンサーを含む。画像読取部3は原稿を読み取る。
【0021】
操作パネル4は使用者の設定を受け付ける。操作パネル4は表示パネル41、タッチパネル42、ハードキー43を含む。制御部1はメッセージ、設定用画面、操作用画像を表示パネル41に表示させる。例えば、操作用画像はボタン、キー、タブである。タッチパネル42の出力に基づき、制御部1は操作された操作用画像を認識する。ハードキー43はスタートキーやテンキーを含む。タッチパネル42、ハードキー43は使用者の設定操作(ジョブ関連操作)を受け付ける。例えば、実行するジョブの種類や、ジョブの設定値の設定を受け付ける。操作パネル4の出力に基づき、制御部1は設定内容を認識する。
【0022】
複合機100はプリンター部5を含む。プリンター部5はエンジン制御部50、給紙部5a、用紙搬送部5b、画像形成部5c、中間転写部5d、定着部5eを含む。エンジン制御部50はエンジン制御回路50a(エンジンCPU)とエンジンメモリー50bを含む(
図7参照)。エンジンメモリー50bは印刷制御用のプログラムとデータを記憶する。制御部1の印刷指示に基づき、エンジン制御部50は給紙部5a、用紙搬送部5b、画像形成部5c、中間転写部5d、定着部5eの動作を制御する。エンジンメモリー50bが記憶するプログラムとデータに基づき、エンジン制御回路50aが制御を行う。
【0023】
例えば、給紙部5aは用紙をセットする用紙カセット、用紙を送り出す給紙ローラーを含む。印刷時、エンジン制御部50は給紙部5aに用紙を供給させる。例えば、用紙搬送部5bはモーター、搬送ローラー対、用紙搬送路を含む。エンジン制御部50は給紙部5aから送り出された用紙を用紙搬送部5bに搬送させる。用紙搬送部5bは機内で用紙を搬送する(用紙搬送路を通過させる)。
【0024】
画像形成部5cは画像(トナー像)を形成する。
図2、
図3に示すように、画像形成部5cは4色分の画像形成ユニット51と露光装置52を含む。複合機100はブラックの画像を形成する画像形成ユニット51Bkと、イエローの画像を形成する画像形成ユニット51Yと、シアンの画像を形成する画像形成ユニット51Cと、マゼンタの画像を形成する画像形成ユニット51Mを含む。尚、各画像形成ユニット51Bk~51Mは、形成するトナー像の色が異なる。しかし、各画像形成ユニット51Bk~51Mの構成は基本的に同じである。そこで、以下の説明では各画像形成ユニット51のBk、Y、C、Mの符号は特に説明する場合を除き省略する。
【0025】
各画像形成ユニット51は、感光体ドラム53、帯電装置54、現像装置55を含む。印刷のとき、エンジン制御部50はドラムモーター(不図示)を回転させ、感光体ドラム53を回転させる。また、エンジン制御部50は感光体ドラム53を帯電装置54に帯電させる。また、画像データに基づき、エンジン制御部50は感光体ドラム53を露光装置52に露光させる。現像装置55はトナーを含む現像剤を収容する。エンジン制御部50は感光体ドラム53の静電潜像のトナーによる現像を現像装置55に行わせる。
【0026】
中間転写部5dは中間転写ベルト56、2次転写ローラー57、駆動ローラー58、1次転写ローラー59Bk、59Y、59C、59M、従動ローラー510、511を含む。中間転写部5dの各ローラーの軸線方向は平行である。中間転写ベルト56は無端状である。中間転写ベルト56は中間転写部5dの各ローラーにかけ回される。中間転写部5d(中間転写ベルト56)は感光体ドラム53からトナー像の1次転写を受ける。また、中間転写部5dは用紙にトナー像を2次転写する。例えば、定着部5eはヒーター、定着用ローラーを含む。エンジン制御部50はトナー像が転写された用紙を定着用ローラーに加熱・加圧させる。エンジン制御部50はトナー像の定着を定着部5eに行わせる。用紙搬送部5bは定着後の用紙を機外(排出トレイ)に排出する。
【0027】
(用紙読取ユニット6とレジストレスユニット7)
次に、
図4~
図7を用いて、実施形態に係る用紙読取ユニット6とレジストレスユニット7の一例を説明する。
図4は実施形態に係る複合機100が含むユニットの一例を示す図である。
図5は実施形態に係る用紙読取ユニット6の一例を示す図である。
図6は実施形態に係るレジストレスユニット7の一例を示す図である。
図7は実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。
【0028】
複合機100は用紙読取ユニット6とレジストレスユニット7を含む。用紙読取ユニット6は用紙搬送経路上に設けられる。用紙読取ユニット6は搬送される用紙を読み取る。用紙読取ユニット6は画像形成部5c(2次転写ローラー57)よりも用紙搬送方向上流側に設けられる(
図2参照)。
【0029】
図5に示すように、用紙読取ユニット6は一面に透光板6bが取り付けられる。透光板6bはガラス板、又は、透光性樹脂板である。筐体6aと透光板6bによる密閉空間内にランプ6c、レンズ6d、ラインセンサー60が内蔵される。用紙読取ユニット6はCIS方式のスキャナユニットである。
【0030】
図7に示すように、エンジン制御部50は、エンジン制御回路50aとユニット制御回路8を含む。例えば、エンジン制御回路50aとユニット制御回路8はCPUである。ユニット制御回路8は、エンジン制御回路50aの指示を受けて、所定の処理を行う。以下では、ユニット制御回路8が用紙読取ユニット6とレジストレスユニット7を制御する例を説明する。なお、エンジン制御回路50aが用紙読取ユニット6とレジストレスユニット7の何れか一方、又は、両方の動作を制御してもよい。
【0031】
図5は用紙搬送路を用紙搬送方向に対して垂直な方向から見た図である。印刷ジョブのとき、ユニット制御回路8は、ランプ6cに電流を供給し、ランプ6cを点灯させる。
図5は用紙読取ユニット6が2本のランプ6cを含む例を示す。ランプ6cは主走査方向に沿って光を照射する。例えば、ランプ6cはLEDランプである。
【0032】
ラインセンサー60は画素(受光素子、光電変換素子)を複数含む。画素は主走査方向に並べられる。
図5に示すように、ランプ6cから放たれ、原稿で反射した光は、レンズ6dを経て、ラインセンサー60の各画素に入射する。用紙搬送時(印刷ジョブのとき)、ユニット制御回路8は、ラインセンサー60に読み取りを行わせる。
【0033】
3ブロックに分割されたラインセンサー60を用いることができる。言い換えると、3本のライン読取用センサーを組み合わせたものをラインセンサー60として用いることができる。各ブロックが複数の画素を含む。便宜上、主走査方向の一方側(
図4の右側、支点軸側)から順に、第1ブロック61、第2ブロック62、第3ブロック63と称する。複合機100では、中央通紙方式で用紙が搬送される。用紙搬送路の主走査方向の中央と、搬送用紙の主走査方向の中央が一致するように、給紙部5aの用紙は位置が規制され、用紙搬送部5bは用紙を搬送する。
図4の破線は主走査方向での用紙及び用紙搬送路の中央を示すラインである。
【0034】
第3ブロック63は、主走査方向の中央を読み取る位置に設けられる。第1ブロック61は印刷可能な用紙のうち、主走査方向幅が最大の用紙が用いられた場合に、主走査方向の一方側の端を読み取る位置に設けられる。
【0035】
ユニット制御回路8は、ラインセンサー60にトリガー信号TRを入力する。ラインセンサー60は電荷転送回路(シフトレジスター、転送用CCD)を含む。トリガー信号TRにあわせて、各画素が蓄えた電荷が電荷転送回路に移される。電荷転送回路は電荷を電圧に変換する。
【0036】
複合機100はクロック信号生成回路90を含む。クロック信号生成回路90は読取クロック信号CLKを生成する。クロック信号生成回路90は、読取クロック信号CLKをラインセンサー60に入力する。各ブロックは、1つの読取クロック信号CLKにつき、1画素分のアナログ画像信号A1を出力する。読取クロック信号CLKの周波数は、トリガー信号TRの1周期中に、全画素のアナログ画像信号A1を送出できる速さとされる。
【0037】
従来の画像形成装置でレジストローラー対が設けられる位置に、レジストレスユニット7が設けられる(
図2参照)。従来のレジストローラー対は、用紙の先端到達当初、停止している。停止しているレジストローラー対に用紙を突き当てることで、用紙の斜行を矯正する。しかし、レジストローラー対を用いると、用紙が一時停止する。そこで、レジストレスユニット7は用紙を止めずに斜行を矯正し、下流に向けて用紙を搬送する。レジストレスユニット7は、画像形成部5c(2次転写ニップ5n、2次転写ローラー57、描画位置)よりも用紙搬送方向上流側に設けられる(
図2参照)。レジストレスユニット7は、用紙読取ユニット6よりも用紙搬送方向下流側に設けられる。
【0038】
図6は、レジストレスユニット7の一例を示す。
図6に示すように、レジストレスユニット7はケース7aと移動板7bを含む。ケース7aと移動板7bの間には隙間が設けられる。
図6の例では、ケース7aは箱型である。移動板7bは板状である。ケース7aと移動板7bは何れも、主走査方向を長手方向とする。移動板7bとケース7aの底面は平行である。
図6の上側の図は、レジストレスユニット7を
図2における下方向(複合機100の下側)から見た図の一例である。
図6の下側の図は、ケース7aの面のうち、移動板7bと対向する面を示す図である(移動板7bの図示は省略)。
【0039】
ケース7aは、レジストレスローラー対7cとレジストレスモーター7dを内蔵する。レジストレスローラー対7cは駆動ローラー7eと従動ローラー7fを含む。駆動ローラー7eと従動ローラー7fは、軸線が平行である。駆動ローラー7eの周面と従動ローラー7fの周面が接する。
図2に示すように、用紙は、下から上に向けて搬送される。駆動ローラー7eと従動ローラー7fのニップに搬送用紙が進入する。複数のギアによって、レジストレスモーター7dの駆動力が駆動ローラー7eに伝達される。レジストレスモーター7dを回転させると、レジストレスローラー対7cが回転する。レジストレスローラー対7cの回転により、搬送用紙がレジストレスユニット7(ニップ)を通過する。
【0040】
支点軸7g(支点、回動軸)が移動板7bに設けられる。支点軸7gの一端は動かないように移動板7bに挿し込まれる。支点軸7gは移動板7bの平面に垂直に立つ。支点軸7gは、ケース7aの主走査方向(用紙搬送方向と垂直な方向)の一方側の端部に差し込まれる。支点軸7gにより、ケース7a(レジストレスユニット7の一部)の他方側の端部を振ることができる。ケース7a(レジストレスユニット7の一部)を回転させることができる。
図4の実線矢印で示すようにケース7aの他方側の端部を、用紙搬送方向下流側、又は、上流側にスイングすることができる。
【0041】
レジストレスユニット7は斜行矯正機構71と位置ずれ補正機構72を含む。搬送用紙の斜行(スキュー)矯正のため、斜行矯正機構71はレジストレスユニット7の他方側(移動側)の端部を移動させる。斜行矯正機構71は、矯正用モーター73、矯正用ベルト74、矯正用歯面部材75を含む。
【0042】
例えば、矯正用モーター73はステッピングモーターである。矯正用モーター73は移動板7bに取り付けられる。矯正用モーター73は正逆両方に回転可能である。矯正用モーター73のシャフトに第1矯正用ギア76が設けられる。ケース7aのうち、移動板7bと向かい合う面に、矯正用歯面部材75(ラック歯)が取り付けられる。矯正用歯面部材75の歯は、用紙搬送方向に沿って並ぶ。矯正用歯面部材75には、第2矯正用ギア77が噛み合う。矯正用ベルト74が第1矯正用ギア76と第2矯正用ギア77に回しかけられる。矯正用モーター73を回転させると、第1矯正用ギア76、矯正用ベルト74、第2矯正用ギア77が回転する。その結果、矯正用歯面部材75が取り付けられたケース7aが支点軸7gを中心に回転する。
【0043】
レジストレスユニット7(ケース7a、レジストレスローラー対7c)の他方側を、用紙搬送方向で移動させることができる。斜行矯正機構71によるレジストレスユニット7(ケース7a)の他方側端部の移動量は、第1ホームポジション(第1基準位置)を中心に、搬送方向上流側に数mm~5mm程度、下流側に数mm~5mm程度でよい。第1ホームポジションの詳細は、後述する。
【0044】
位置ずれ補正機構72は、ずれ補正用モーター78を含む。例えば、ずれ補正用モーター78はステッピングモーターである。ずれ補正用モーター78は移動板7bに取り付けられる。ずれ補正用モーター78は正逆両方に回転可能である。ずれ補正用モーター78のシャフトには、ずれ補正用ギア79が設けられる。ずれ補正用ギア79は、移動板7bの端縁に形成された補正用歯面部材710(ラック歯)と噛み合う。ずれ補正用モーター78を回転させると、ずれ補正用モーター78、ずれ補正用ギア79が回転する。
【0045】
その結果、レジストレスユニット7(移動板7bとケース7a)が主走査方向で移動する。主走査方向の搬送用紙のずれ量は、最大数ミリ程度である。位置ずれ補正機構72によるレジストレスユニット7の主走査方向での移動範囲は、第2ホームポジション(第2基準位置)を中心に、主走査方向の一方側に数mm~5mm程度、他方側に数mm~5mm程度でよい。
【0046】
次に、第1ホームポジションについて説明する。第1ホームポジションは、レジストレスローラー対7cの軸線方向と主走査方向とが平行となるケース7aの位置(角度)である。第1ホームポジションは、斜行せずに(用紙搬送方向と平行に)、レジストレスローラー対7cが用紙を送る位置である。レジストレスユニット7(ケース7a)の位置を第1ホームポジションとするため、第1ホームセンサー8aが設けられる。第1ホームセンサー8aは、ケース7aの回転方向での位置を、第1ホームポジションにあわせるためのセンサーである。
【0047】
例えば、透過型光センサーを第1ホームセンサー8aとして用いることができる。この場合、第1ホームセンサー8aは、発光素子と受光素子を含む。発光素子の発光面と受光素子の受光面の間には、隙間が設けられる。受光素子の出力レベル(出力電圧値)は、発光素子から受ける光の量で変化する。レジストレスユニット7(ケース7a)には、検知用突起711が設けられる。
図6は、ケース7aの主走査方向の他方側(移動側)の端部に検知用突起711を設ける例を示す。検知用突起711と向かい合う位置に第1ホームセンサー8aが設けられる。レジストレスユニット7(ケース7a)を回転させたとき、検知用突起711は第1ホームセンサー8aの隙間を通過する。隙間に進入した検知用突起711は、発光素子から受光素子への光路を遮る。
【0048】
第1ホームセンサー8a(受光素子)の出力は、ユニット制御回路8に入力される。ユニット制御回路8は、第1ホームセンサー8a(受光素子)の出力レベルを認識する。矯正用モーター73を動作させ、第1ホームセンサー8aの出力レベルが検知用突起711を検知したときのレベルになった時点に基づき、ユニット制御回路8は、レジストレスユニット7(ケース7a)を第1ホームポジションとする。例えば、ユニット制御回路8は、矯正用モーター73を逆回転させ、ケース7aを持ち上げる。第1ホームセンサー8aの出力レベルが検知用突起711を検知したときのレベルになった時点で、ユニット制御回路8は、矯正用モーター73を正回転させる。所定パルス分、矯正用モーター73を正回転させた後、ユニット制御回路8は、矯正用モーター73を停止させる。停止したとき、レジストレスユニット7(ケース7a)が第1ホームポジションとなる。
【0049】
例えば、主電源投入により複合機100が起動したとき、省電力モードが解除されてアクティブモード(印刷実行可能なモード、通常モード)に復帰したとき、ユニット制御回路8は、レジストレスユニット7(ケース7a)を第1ホームポジションとする。
【0050】
図2に示すように、レジストレスユニット7は、下方向から上方向に用紙が抜けるように設置される。そのため、矯正用モーター73を励磁していないとき、ケース7aは、主走査方向の他方側は自重で下がろうとする(
図2参照)。ケース7aを第1ホームポジションで維持するとき、ユニット制御回路8は、矯正用モーター73を励磁する。これにより、レジストレスユニット7(ケース7a)の位置が維持される。
【0051】
レジストレスユニット7を主走査方向で移動させることもできる。そのため、第2ホームポジションも予め定められる。第2ホームポジションは移動板7b(レジストレスユニット7)の主走査方向でのホームポジションである。例えば、レジストレスユニット7(移動板7b)の主走査方向の移動範囲の中央位置を、第2ホームポジションとすることができる。第2ホームポジションは、レジストレスユニット7(移動板7b)を主走査方向の一方側に移動でき、他方側にも移動できる位置である。
【0052】
レジストレスユニット7(移動板7b)を第2ホームポジションとするため、第2ホームセンサー8bが設けられる。移動板7bの主走査方向の他方側の端に、第2ホームセンサー8bを設けることができる(一方側の端でもよい)。
【0053】
例えば、透過型光センサーを第2ホームセンサー8bとして用いることができる。この場合、第2ホームセンサー8bは、発光素子と受光素子を含む。発光素子の発光面と受光素子の受光面の間には、隙間が設けられる。受光素子の出力レベル(出力電圧値)は、発光素子から受ける光の量で変化する。
【0054】
第2ホームセンサー8bは、レジストレスユニット7が最も他方側に移動したときに、移動板7bの他方側の端が隙間に進入する位置に設けられる。第2ホームセンサー8bは、レジストレスユニット7(移動板7b)が主走査方向で最も他方側まで移動したことを検知するためのセンサーである。
【0055】
第2ホームセンサー8b(受光素子)の出力は、ユニット制御回路8に入力される。ユニット制御回路8は、第2ホームセンサー8ba(受光素子)の出力レベルを認識する。
レジストレスユニット7(移動板7b)を第2ホームポジションとするとき、ユニット制御回路8は、ずれ補正用モーター78を動作させ、移動板7bを主走査方向の他方側に移動させる。第2ホームセンサー8bの出力レベルが移動板7bの主走査方向の端を検知したときのレベルになったとき、ユニット制御回路8は、所定の距離だけレジストレスユニット7(移動板7b)を主走査方向の移動範囲の中央位置に向けて主走査方向の一方側に移動させる。
【0056】
(信号処理回路80)
次に、
図8~
図9を用いて、実施形態にかかる信号処理回路80の一例を説明する。
図8は実施形態に係る複合機100が含む回路の一例を示す図である。
図9は実施形態に係る用紙読取ユニット6が搬送用紙を読み取ったときの各信号のタイミングチャートの一例を示す図である。
【0057】
複合機100は信号処理回路80を含む。信号処理回路80はラインセンサー60が出力するアナログ画像信号A1を処理、変換し、検知用信号B1を生成する。検知用信号B1は、用紙読取ユニット6(透光板6b)上の反射物を読み取ったか否かを示す信号である。
【0058】
本説明での、反射物の一例は搬送用紙である。また、反射物には、透光板6b上の異物が含まれる。異物とは、用紙以外の透光板6bに付着した反射物であり、例えば、異物は紙粉、トナーの粉、ホコリである。搬送用紙や異物はランプ6cの光を反射する。一方、用紙や異物が無い部分では、ランプ6cの光は反射されない。そのため、反射物を読み取った画素、画素が蓄える電荷が多くなる。
【0059】
つまり、反射物を読み取った画素のアナログ画像信号A1の電圧値が大きくなる。アナログ画像信号A1の電圧値が大きいほど、画素が読み取ったものが明るい(白い、色が薄い)ことを示す。反対に、反射物がない部分を読み取った画素のアナログ画像信号A1の電圧値は小さくなる。反射物を読み取った画素のアナログ画像信号A1の電圧値は、反射物を読み取っていない画素のアナログ画像信号A1の電圧値よりも大きくなる。
【0060】
各画素のアナログ画像信号A1に基づき、信号処理回路80は検知用信号B1を生成する。具体的に、複合機100は信号処理回路80として二値化回路80aを含む。本説明では、検知用信号B1は二値化信号である。各画素のアナログ画像信号A1は二値化信号である検知用信号B1に変換される。
【0061】
アナログ画像信号A1の電圧値が予め定められた閾値Vrefよりも大きいとき、信号処理回路80(二値化回路80a)はHighレベルの検知用信号B1を出力する。アナログ画像信号A1の電圧値が閾値Vref以下のとき、信号処理回路80(二値化回路80a)はLowレベルの検知用信号B1を出力する。二値化によって、モノクロ(1画素1ビット)の画像データを検知用信号B1として得ることができる。
【0062】
上述のように、ラインセンサー60は3つのブロックを含む(第1ブロック61、第2ブロック62、第3ブロック63)。信号処理回路80(二値化回路80a)はブロックごとに設けられる。第1ブロック61の各画素のアナログ画像信号A1が1つめの信号処理回路80に入力される。第2ブロック62の各画素のアナログ画像信号A1が2つめの信号処理回路80に入力される。第3ブロック63の各画素のアナログ画像信号A1が3つめの信号処理回路80に入力される。
【0063】
各信号処理回路80が含む二値化回路80aは同様の構成である。
図8の下方に二値化回路80aの一例を示す。二値化回路80aはコンパレーター81と複数の抵抗を含む。ラインセンサー60の出力(アナログ画像信号A1)が、1画素ずつ順番にコンパレーター81の一方の入力端子に入力される。コンパレーター81の他方の入力端子には、第1抵抗82と第2抵抗83の分圧で生成した参照電圧(閾値Vref)が入力される。
【0064】
コンパレーター81がアナログ画像信号A1の二値化を行う。アナログ画像信号A1の電圧値が参照電圧よりも大きいとき、コンパレーター81はHighレベルの検知用信号B1を出力する。Highレベルは、反射物を読み取ったことを示すレベルである。アナログ画像信号A1の電圧値が参照電圧以下のとき、コンパレーター81はLowレベルの検知用信号B1を出力する。Lowレベルは、反射物を読み取っていないことを示すレベルである。
【0065】
各信号処理回路80の出力(検知用信号B1)は、ユニット制御回路8に入力される。ユニット制御回路8は、各信号処理回路80が生成した二値の画像データ(モノクロ画像データ、搬送読取画像データ)を得る。ユニット制御回路8は、各ブロックの何番目の画素がHighレベルであり、各ブロックの何番目の画素がLowレベルであるかを認識できる。搬送読取画像データに基づき、例えば、ユニット制御回路8は、搬送用紙の傾きの方向と傾き角度を認識する(求める)ことができる。
【0066】
図9は搬送用紙のあるラインを読み取ったときの各信号処理回路80が出力する信号の一例を示す。
図9のうち、最上段のチャートは読取クロック信号CLKを示す。例えば、読取クロック信号CLKの周波数は数MHz以上である。
図9のうち、上から2段目のチャートは、トリガー信号TRの一例を示す。
図9のうち、上から3段目のチャートは、第1ブロック61からのアナログ画像信号A1に基づく検知用信号B1の波形の一例を示す。
図9のうち、上から4段目のチャートは第2ブロック62からのアナログ画像信号A1に基づく検知用信号B1の波形の一例を示す。
図9のうち、上から5段目のチャートは第3ブロック63からのアナログ画像信号A1に基づく検知用信号B1の波形の一例を示す。上から5段目のチャートの破線は、主走査方向での用紙と用紙搬送路の中央の画素の位置を示す。
【0067】
(搬送用紙の傾き角度の認識)
次に、搬送読取画像データに基づく搬送用紙の傾き角度の認識の一例を説明する。搬送用紙の傾き角度θを求めるため、2点の画素(基準点画素)が予め定められる。基準点画素は、仕様上、印刷に使用する最小の用紙の読み取り範囲内に設けられる。例えば、基準点画素間の主走査方向の距離は、印刷に使用できる最小の用紙の主走査方向の幅の1/2よりも大きくしてもよい。
【0068】
2つの基準点画素において、搬送用紙の先端を読み取った(Highレベルになった)時点(ライン)が同じとき、ユニット制御回路8は、傾き角度θがゼロと認識する。2点のうち、何れか一方が早くHighレベルになったとき、ユニット制御回路8は、搬送用紙が傾いていると認識する。主走査方向の一方側の基準点画素の方が早くHighレベルになったとき、ユニット制御回路8は、搬送用紙の主走査方向の一方側の隅が下流側に突出する方向で傾いていると認識する。主走査方向で他方側の基準点画素の方が早くHighレベルとなったとき、ユニット制御回路8は、搬送用紙の主走査方向の他方側の隅が下流側に突出する方向で傾いていると認識する。
【0069】
搬送用紙が傾いているとき、ユニット制御回路8は、アークタンジェント(tan-1)の演算を行って、傾き角度θを求める。具体的に、ユニット制御回路8は、以下の演算を行う。
傾き角度θ=tan-1(a/b)
ここで、aは一方の基準点画素がHighレベルとなってから他方の基準点画素がHighレベルとなるまでの搬送距離である。例えば、ユニット制御回路8は、一方の基準点画素がHighレベルとなってから他方の基準点画素がHighレベルとなるまでのライン数と、1ラインの周期と、単位時間あたりの用紙搬送速度を乗じて、aを求める。bは2つの基準点画素の距離の主走査方向の成分(主走査方向での距離)である。一方の基準点画素から他方の基準点画素までの画素数に1画素のピッチを乗ずることにより、bを求めることができる。aを高さとし、bを底辺とする直角三角形に基づき、傾き角度θを求める。
【0070】
(搬送用紙の主走査方向の位置ずれ量の認識)
次に、搬送読取画像データに基づく搬送用紙の主走査方向の位置ずれ量の認識の一例を説明する。中央通紙がなされるので、用紙サイズによって、用紙のエッジ(端縁)が通過する位置は決まっている。言い換えると、搬送用紙の位置が主走査方向でずれていない場合、用紙端を読み取る画素の位置は決まっている。
【0071】
ユニット制御回路8は、搬送読取画像データのうち、主走査方向で最も端のHighレベルの画素の位置を認識する。そして、記憶部2は、各用紙のサイズにおいて、主走査方向でずれていないときの用紙端の画素の位置を定義したデータ(ずれ量認識用データD0)を不揮発的に記憶する(
図1参照)。ユニット制御回路8は、最も端の低濃度画素の位置が、ずれ量認識用データD0で定義された位置に対し、どの方向に何画素ずれているかを認識する。ユニット制御回路8は、ずれ方向(主走査方向の一方側と他方側のいずれにずれているか)を認識できる。また。ユニット制御回路8は、ずれの画素数に搬送読取画像データの1画素のピッチを乗じて、主走査方向のずれ量を求める。
【0072】
(斜行矯正と位置ずれ補正)
次に、
図10を用いて、実施形態に係る複合機100での斜行矯正と位置ずれ補正の一例を説明する。
図10は、実施形態に係る複合機100での斜行矯正と位置ずれ補正の一例を示す図である。
【0073】
図10のスタートは、印刷ジョブの開始時点である。印刷ジョブ中、ユニット制御回路8は、各搬送用紙を用紙読取ユニット6に読み取らせる。例えば、1枚目の用紙の給紙が開始されると(給紙ローラーの回転が開始すると)、ユニット制御回路8は、ランプ6cの点灯を開始する(ステップ♯11)。ユニット制御回路8は、ランプ6cへの電流供給を開始する。また、ユニット制御回路8は、読み取りをラインセンサー60に開始させる(ステップ♯12)。ユニット制御回路8は、ラインセンサー60へのトリガー信号TRと読取クロック信号CLKの入力を開始する。
【0074】
信号処理回路80が出力する検知用信号B1に基づき、ユニット制御回路8は、前記搬送用紙の先端(下流端)の到達を認識する(ステップ♯13)。次に、搬送読取画像データに基づき、ユニット制御回路8は、読み取り中の搬送用紙の傾き方向と傾き角度θを認識する(ステップ♯14)。さらに、搬送読取画像データに基づき、ユニット制御回路8は、読み取り中の搬送用紙の主走査方向での位置のずれ方向とずれ量を認識する(ステップ♯15)。
【0075】
そして、ユニット制御回路8は、レジストレスユニット7(ケース7a)をホームポジションから矯正位置に移動させる(ステップ♯16)。ユニット制御回路8は、用紙がレジストレスユニット7(レジストレスローラー対7c)に進入する前に矯正位置への移動を完了させる。
【0076】
(1)用紙の主走査方向の一方側(支点軸側)の隅が搬送方向下流側に突出している場合
搬送用紙の先端到達前に、ユニット制御回路8は、レジストレスユニット7(ケース7a)の他方側(移動側)の端部を用紙搬送方向上流側に移動させる。第1ホームポジションから傾き角度θと同じ角度だけレジストレスユニット7を移動(回動)させた位置が矯正位置である。
【0077】
(2)主走査方向の他方側(移動側)の隅が搬送方向下流側に突出している場合
搬送用紙の先端到達前に、ユニット制御回路8は、レジストレスユニット7(ケース7a)の他方側の端部を用紙搬送方向下流側に移動させる。第1ホームポジションから傾き角度θと同じ角度だけレジストレスユニット7を移動(回動)させた位置が矯正位置である。
【0078】
(3)主走査方向の一方側(支点軸側)に用紙の位置がずれている場合
搬送用紙の先端到達前に、ユニット制御回路8は、レジストレスユニット7(移動板7b)を主走査方向の一方側に、認識したずれ量だけ移動させる。
【0079】
(4)主走査方向の他方側(移動側)に用紙の位置がずれている場合
搬送用紙の先端到達前に、ユニット制御回路8は、レジストレスユニット7(移動板7b)を主走査方向の他方側に、認識したずれ量だけ移動させる。
【0080】
用紙のレジストレスローラー対7cへの進入後、ユニット制御回路8は、レジストレスユニット7(ケース7a)を矯正位置から第1ホームポジション及び第2ホームポジションに移動させる(ステップ♯17)。用紙のレジストレスユニット7への進入後、搬送用紙が2次転写ニップ5nに到達する前に、ユニット制御回路8は、各ホームポジションへの移動を完了させる。各ホームポジションへの復帰によって、用紙搬送を続けつつ、搬送用紙の斜行と位置ずれを正すことができる。
【0081】
ステップ♯17の後、ユニット制御回路8は、印刷ジョブの最後の用紙を読み取ったか否かを確認する(ステップ♯18)。言い換えると、ユニット制御回路8は、最後の用紙が用紙読取ユニット6を通過したか否かを確認する。
【0082】
最後の用紙ではないとき(ステップ♯18のNo)、ユニット制御回路8は、次の用紙について、ステップ♯13を行う(ステップ♯13に戻る)。搬送される用紙と用紙の間には、紙間が設けられる。紙間では、1ラインの読み取りごとに、ユニット制御回路8は、搬送用紙の先端(下流端)が到達したか否かを確認する。
【0083】
最後の用紙の場合(ステップ♯18のYes)、ユニット制御回路8は、本フローチャートの処理を終了する(エンド)。フローチャートを終了するとき、ユニット制御回路8は、ランプ6cを消灯し、ラインセンサー60の読み取りを終了させる。
【0084】
(カウント回路)
次に、
図11を用いて、実施形態に係る複合機100が含むカウント回路の一例を説明する。
図11は実施形態に係る複合機100が含むカウント回路の一例を示す図である。
【0085】
複合機100は、第1カウント回路91と第2カウント回路92を含む。第1カウント回路91は透光板6b(用紙読取ユニット6)の清掃の必要性を判定するための回路である。第2カウント回路92は、用紙読取ユニット6への搬送用紙の到達と通過を検知するための回路である。
【0086】
まず、第1カウント回路91について説明する。用紙読取ユニット6(透光板6b)に、異物が付着することがある。例えば、異物は紙粉、トナー、ほこりである。上述のように、異物も反射物である。用紙には紙粉が付着している。トナーを用いて印刷する。そのため、紙粉やトナーが透光板6bに付着することがある。用紙の繊維が絡まり、複数の紙粉が固まって、異物が大きくなることもある。紙粉にトナーが絡みつく可能性もある。
【0087】
用紙読取ユニット6の読取ライン上に搬送用紙がないとき(搬送用紙を読み取っていないとき)、異物を読み取った画素(受光素子)は、異物を読み取っていない画素よりも受光量が多くなる。画素に蓄えられる電荷が多くなる。異物を読み取った画素のアナログ画像信号A1のレベル(電圧値)は異物を読み取っていない画素のアナログ画像信号A1のレベルよりも大きくなる。異物を読み取っていない画素のアナログ画像信号A1の電圧値は、読み取り結果として暗い(黒い、濃い)ことを示す。一方、異物を読み取った画素のアナログ画像信号A1の電圧値は、明るい(白い、色が薄い)ことを示す。
【0088】
コンパレーター81はアナログ画像信号A1の二値化を行う。用紙を搬送していない(搬送用紙読み取っていない)ときの検知用信号B1のHighレベルは、異物を読み取ったことを意味する。異物のために用紙の無い部分を用紙ありと誤認識するおそれがある。傾き角度を誤認識するおそれもある。特に、異物が大きいと、誤認識が生じやすくなる。
【0089】
用紙読取ユニット6(透光板6b)への異物の付着を検知することが好ましい。そこで、複合機100は第1カウント回路91を含む。第1カウント回路91は、ラインセンサー60が出力するアナログ画像信号A1及び検知用信号B1に基づき、第1検知結果信号S1を生成する。ユニット制御回路8は、第1検知結果信号S1のレベルに基づき、透光板6bの清掃の必要性を判定する。
【0090】
例えば、小型のFPGA等の集積回路を用いて第1カウント回路91を実現することができる。集積回路は複数のゲートが集積された回路である。集積回路はプログラム可能なゲートアレイを含む。第1カウント回路91は、時間を測るカウンターとして設定される。
【0091】
上述のように、ラインセンサー60は3つのブロックを含む(第1ブロック61、第2ブロック62、第3ブロック63)。ブロック及び信号処理回路80ごとに、第1カウント回路91が設けられる。第1ブロック61の信号処理回路80の出力(検知用信号B1)が1つめの第1カウント回路91に入力される。第2ブロック62の信号処理回路80の出力(検知用信号B1)が2つめの第1カウント回路91に入力される。第3ブロック63の信号処理回路80の出力(検知用信号B1)が3つめの第1カウント回路91に入力される。1つの集積回路内に各第1カウント回路91をまとめて設定してもよい。安価、かつ、省スペースに複数の第1カウント回路91を設置することができる。
【0092】
各第1カウント回路91には、検知用信号B1と読取クロック信号CLKが入力される。読取クロック信号CLKを用いて、各第1カウント回路91は、継続時間を測る。継続時間は、検知用信号B1において、用紙読取ユニット6上の反射物を読み取ったことを示すレベル(Highレベル)が続いた時間である。
【0093】
例えば、第1カウント回路91は、読取クロック信号CLKを用いてカウントを行う。第1カウント回路91は、読取クロック信号CLKが立ち上がった時点、又は、立ち下がった時点に、検知用信号B1がHighレベルか否かを確認する。Highレベルのとき、第1カウント回路91は、カウント値を1大きくする。Lowレベルのとき、第1カウント回路91はカウント値をリセットする。
【0094】
ここで、クロック信号生成回路90として、SSCG(Spread Spectrum Clock Generator)を用いてもよい。SSCGを用いることにより、用紙読取ユニット6、ラインセンサー60、第1カウント回路91からの電磁波ノイズを軽減することができる。ラインセンサー60と第1カウント回路91を同じクロック信号で動作させるので、継続時間でカウントするクロックと画素がずれない。
【0095】
継続時間が予め定められた第1指定時間以上になったとき、第1カウント回路91は、第1検知結果信号S1のレベルを、清掃不要を示すレベルから清掃必要を示すレベルに変化させる。複合機100では、清掃必要を示すレベルはHighレベルである。
【0096】
継続時間が第1指定時間未満のとき、第1検知結果信号S1のレベルを、清掃不要を示すレベルとする。複合機100では、清掃不要を示すレベルは、Lowレベルである。第1指定時間に相当する読取クロック信号CLKのクロック数が予め定められる。複合機100では、第1指定時間に相当する読取クロック信号CLKのクロック数は8クロックである。つまり、第1指定時間は読取クロック信号CLKの周期の8倍の時間である。8クロック連続で検知用信号B1がHighレベルのとき(カウント値が8になったとき)、第1カウント回路91は、第1検知結果信号S1のレベルを、LowレベルからHighレベルに変化させる。
【0097】
各第1カウント回路91の出力(第1検知結果信号S1)はユニット制御回路8に入力される。第1検知結果信号S1のレベルに基づき、ユニット制御回路8は、用紙読取ユニット6の清掃が必要か否かを判定する。
【0098】
次に、第2カウント回路92を説明する。第2カウント回路92は、用紙読取ユニット6に搬送用紙の先端が到達したこと、及び、搬送用紙が通過したことを検知するためのセンサーとして機能する。例えば、用紙読取ユニット6への搬送用紙到達の認識後、搬送用紙の先端がレジストレスローラー対7cに進入する前に、ユニット制御回路8は、ケース7aや移動板7bの位置を矯正位置にセットする。言い換えると、第2カウント回路92は、斜行矯正、位置ずれ補正の制御に用いられる。
【0099】
搬送用紙の先端到達を認識してから矯正待ち時間が経過すると、ユニット制御回路8は、ケース7aと移動板7bの位置をホームポジションとする。矯正待ち時間は、用紙読取ユニット6の位置からレジストレスローラー対7cまでの距離を仕様上の用紙搬送速度で除した時間よりも長い時間とされる。
【0100】
コンパレーター81はアナログ画像信号A1の二値化を行う。用紙搬送中、搬送用紙の先端が用紙読取ユニット6に到達すると、多数の画素で、検知用信号B1がHighレベルになる。つまり、用紙を読み取る画素が多くなる。また、用紙搬送中、搬送用紙後端が用紙読取ユニット6を通過すると、多数の画素で、検知用信号B1がLowレベルになる。つまり、用紙を読み取らなくなる画素が多くなる。
【0101】
搬送用紙の先端到達、後端通過の検知のため、複合機100は第2カウント回路92を含む。アナログ画像信号A1及び検知用信号B1に基づき、第2カウント回路92は、第2検知結果信号S2を生成する。ユニット制御回路8は、第2検知結果信号S2のレベルに基づき、搬送用紙の先端到達と後端通過を認識する。
【0102】
例えば、第2カウント回路92も、小型のFPGA等の集積回路を用いて実現することができる。第2カウント回路92は、時間を測るカウンターとして設定される。第1カウント回路91と同じ集積回路内に第2カウント回路92が設定されてもよい。
【0103】
上述のように、ラインセンサー60は3つのブロックを含む(第1ブロック61、第2ブロック62、第3ブロック63)。第2カウント回路92も、ブロック及び信号処理回路80ごとに設けられる。第1ブロック61の第1カウント回路91の出力(第1検知結果信号S1)が1つめの第2カウント回路92に入力される。第2ブロック62の第1カウント回路91の出力(第1検知結果信号S1)が2つめの第2カウント回路92に入力される。第3ブロック63の第1カウント回路91の出力(第1検知結果信号S1)が3つめの第2カウント回路92に入力される。1つの集積回路内に各第2カウント回路92も含めてもよい。
【0104】
読取クロック信号CLKが各第2カウント回路92に入力される。第2カウント回路92も読取クロック信号CLKを用いてカウントする。第2カウント回路92は読取クロック信号CLKを用いて継続時間を測る。第2カウント回路92は、読取クロック信号CLKが立ち上がった時点、又は、立ち下がった時点に、第1検知結果信号S1がHighレベルか否かを確認する。Highレベルのとき、第2カウント回路92はカウント値を1大きくする。Lowレベルのとき、第2カウント回路92はカウント値をリセットする。
【0105】
継続時間が予め定められた第2指定時間以上になったとき、第2カウント回路92は、第2検知結果信号S2のレベルを、搬送用紙なしを示すレベルから搬送用紙ありを示すレベルに変化させる。複合機100では、搬送用紙ありを示すレベルはHighレベルである。
【0106】
複合機100では、搬送用紙なしを示すレベルは、Lowレベルである。第1検知結果信号S1がHighレベルになっても、継続時間が第2指定時間未満のとき、第2検知結果信号S2のレベルを、搬送用紙なしのレベル(Lowレベル)で維持する。
【0107】
第1指定時間は第2指定時間よりも短い。第2指定時間は第1指定時間よりも長い。搬送用紙の先端到達、後端通過の誤検知が生ずるほど異物が大きくなる前に、清掃が必要であることを検知することができる。
【0108】
第2指定時間に相当する読取クロック信号CLKのクロック数が予め定められる。複合機100では、第2指定時間に相当する読取クロック信号CLKのクロック数は16クロックである。つまり、第2指定時間は読取クロック信号CLKの周期の16倍である。16クロック連続で検知用信号B1がHighレベルのとき、第2カウント回路92は、第2検知結果信号S2のレベルを、LowレベルからHighレベルに変化させる。
【0109】
具体的に、第2カウント回路92は、カウントに第1検知結果信号S1を用いる。そのため、第1検知結果信号S1がHighレベルになってから、第1検知結果信号S1がHighレベルの期間が8画素(8クロック)続くと、第2カウント回路92は、第2検知結果信号S2を、LowレベルからHighレベルに変化させる。
【0110】
さらに、複合機100にはAND回路93が設けられる。第1カウント回路91と第2カウント回路92の組み合わせごとに、AND回路93が設けられる。AND回路93の一方の入力端子には、第1カウント回路91の出力(第1検知結果信号S1)が入力される。AND回路93の他方の入力端子には、第2カウント回路92の出力(第2検知結果信号S2)が入力される。AND回路93の出力は、ユニット制御回路8に入力される。AND回路93が出力する信号のレベルに基づき、ユニット制御回路8は、搬送用紙の先端到達と後端通過を認識する。ノイズに左右されずに、ユニット制御回路8は、搬送用紙到達と後端通過を正確に検知できる。
【0111】
図10で説明したように、印刷ジョブでは、ユニット制御回路8は、複合機100での用紙読取ユニット6への搬送用紙の先端到達と後端通過を認識する。具体的には、継続時間が第2指定時間に到達すると、第2カウント回路92は第2検知結果信号S2をHighレベル(搬送用紙ありを示すレベル)とする。搬送用紙の先端が到達していれば、第1検知結果信号S1もHighレベルである。その結果、AND回路93の出力もHighレベル(搬送用紙ありを示すレベル)となる。AND回路93の出力がLowレベルからHighレベルに変化したとき、ユニット制御回路8は、搬送用紙の先端が到達したと認識する。搬送用紙到達の認識後、搬送読取画像データ(モノクロ画像データ)に基づき、ユニット制御回路8は、搬送用紙の傾きや位置ずれを認識する。
【0112】
用紙読取ユニット6(ラインセンサー60)の読取ラインを搬送用紙が抜けると、反射物がなくなる。継続時間が第2指定時間に到達しなくなる。その結果、第2カウント回路92は、Lowレベルの第2検知結果信号S2を出力する。AND回路93の出力は、HighレベルからLowレベル(搬送用紙なしを示すレベル)に変化する。AND回路93の出力がHighレベルからLowレベルに変化したとき、ユニット制御回路8は、搬送用紙が通過したと認識する。
【0113】
(清掃の必要性の判定)
次に、
図12を用いて、実施形態に係る複合機100での清掃の必要か否かの判定処理(清掃判定処理)の一例を説明する。
図12は、実施形態に係る清掃判定処理の一例を示す図である。
【0114】
ユニット制御回路8は、予め定められたときに、清掃判定処理を行う。例えば、ユニット制御回路8が新たに起動したとき、ユニット制御回路8は清掃判定処理を行ってもよい。例えば、複合機100の主電源が新たに投入されたとき、ユニット制御回路8が新たに起動する。また、複合機100のモードが省電力モードからアクティブモード(通常モード)に復帰したとき、ユニット制御回路8が新たに起動する。
【0115】
なお、複合機100は用紙読取ユニット6を清掃するときに開けられる清掃用カバーを備える。清掃のとき、使用者は清掃用カバーを開ける。清掃用カバーを開けた状態で、使用者は清掃作業を行う。例えば、使用者は清掃作業にて用紙読取ユニット6の透光板6bの表面の異物を布やブラシで拭き取る。清掃作業後、使用者は清掃用カバーを閉じる。複合機100は清掃用カバーが開いているか、閉じているかを検知する開閉検知センサー64を含んでもよい(
図7参照)。開閉検知センサー64の出力は、ユニット制御回路8に入力されてもよい。この場合、ユニット制御回路8は、清掃用カバーの開閉を認識できる。清掃用カバーの開閉がなされた後、ユニット制御回路8は、清掃判定処理を行ってもよい。きちんと清掃がなされたかを確認することができる。
【0116】
また、ユニット制御回路8は、印刷ジョブの開始前に清掃判定処理を行ってもよい。また、ユニット制御回路8は、印刷ジョブ中、紙間(用紙読取ユニット6が搬送用紙と向かい合っていない間)に、清掃判定処理を行ってもよい。
【0117】
図12のスタートは、清掃判定処理を開始する時点である。まず、ユニット制御回路8は、1ラインの読み取りを用紙読取ユニット6に行わせる(数ラインでもよい)(ステップ♯21)。清掃判定処理の読取で得られたアナログ画像信号A1に基づく信号(検知用信号B1)が第1カウント回路91に入力される。最初の画素の検知用信号B1を第1カウント回路91に入力してから、最後の画素の検知用信号B1を第1カウント回路91に入力するまで、ユニット制御回路8は、第1検知結果信号S1のレベルを監視する(ステップ♯22)。複合機100では、ユニット制御回路8は、ラインセンサー60の各ブロックに対応する3本の第1検知結果信号S1のそれぞれのレベルを監視する。ユニット制御回路8は、1又は数ラインの読取期間中のみ、第1検知結果信号S1のレベルを監視すればよい。
【0118】
異物(反射物)を読み取った画素が第1指定時間分続くと、第1カウント回路91は、第1検知結果信号S1のレベルをHighレベルとする。異物を読み取って受光量が多くなった画素が8画素続くと、第1検知結果信号S1のレベルはHighレベルになる。
【0119】
1画素程度の大きさの異物を取り除くために使用者に清掃を要求すると、清掃要求の頻度が高くなりすぎる場合がある。清掃判定処理の感度が高すぎて、使用者に何度も清掃作業を強いるおそれがある。複合機100では、異物を読み取っても、異物を読み取った画素が第1指定時間分続かないとき、第1カウント回路91は、第1検知結果信号S1のレベルをLowレベルで維持する。異物があっても、微小なサイズであれば、第1検知結果信号S1のレベルはLowレベルで維持される。異物検知の感度を下げ、高頻度で清掃要求を出さないようにすることができる。
【0120】
やがて、ユニット制御回路8は、第1検知結果信号S1のレベル変化の監視を終了する(ステップ♯23)。例えば、清掃判定処理のための1ラインの読み取りで得られたアナログ画像信号A1に基づく検知用信号B1の全てが第1カウント回路91に入力されると、ユニット制御回路8は、監視を終了する。
【0121】
ユニット制御回路8は、3つのうち、1つでも第1検知結果信号S1がHighレベルになったか否かを確認する(ステップ♯24)。ユニット制御回路8は、第1検知結果信号S1がHighレベルになった第1カウント回路91に対応するブロック部分の透光板6bの清掃が必要と認識する。
【0122】
1つも第1検知結果信号S1がHighレベルにならなかったとき(ステップ♯24のNo)、ユニット制御回路8は、処理を終了する(エンド)。一方、3つのうち、1つでも第1検知結果信号S1がHighレベルになったとき(ステップ♯24のYes)、ユニット制御回路8は、用紙読取ユニット6の清掃メッセージを表示パネル41に表示させる(ステップ♯25)。そして、ユニット制御回路8は、処理を終了する(エンド)。
【0123】
清掃メッセージは、用紙読取ユニット6の清掃を求めるメッセージである。例えば、ユニット制御回路8は、表示パネル41での清掃メッセージの表示要求を制御部1に送信する。表示要求を受けたとき、制御部1は表示パネル41に清掃メッセージを表示させる。例えば、制御部1は「カバーを開けて、用紙読取ユニット6を清掃して下さい。」のような清掃メッセージを表示させる。
【0124】
ユニット制御回路8は、第1検知結果信号S1がHighレベルとなったラインセンサー60のブロックを制御部1に通知してもよい。この場合、制御部1は、ラインセンサー60のどのブロックに異物(反射物)があるかを表示パネル41に表示させてもよい。
【0125】
このようにして、実施形態に係る画像形成装置(複合機100)は、用紙搬送部5b、画像形成部5c、用紙読取ユニット6、信号処理回路80、ユニット制御回路8、第1カウント回路91を含む。用紙搬送部5bは用紙を搬送する。画像形成部5cは搬送用紙に画像を形成する。用紙読取ユニット6は、ランプ6cと、搬送用紙を読み取るラインセンサー60と、を含む。用紙読取ユニット6は、画像形成部5cよりも用紙搬送方向上流側に設けられる。ラインセンサー60が出力する各画素のアナログ画像信号A1に基づき、信号処理回路80は、画素順に、用紙読取ユニット6上の反射物を読み取ったか否かを示す検知用信号B1を生成する。第1カウント回路91は、第1検知結果信号S1を出力する。第1カウント回路91は、検知用信号B1が用紙読取ユニット6上の反射物を読み取ったことを示すレベルを維持している時間である継続時間を測る。継続時間が予め定められた第1指定時間以上になると、第1カウント回路91は、第1検知結果信号S1のレベルを、清掃不要を示すレベルから清掃必要を示すレベルに変化させる。継続時間が第1指定時間未満のとき、第1カウント回路91は、第1検知結果信号S1のレベルを、清掃不要を示すレベルとする。ユニット制御回路8は、第1検知結果信号S1のレベルに基づき、用紙読取ユニット6の清掃が必要か否かを判定する。
【0126】
単発的に反射物(異物)を読み取った画素があっても、連続しないかぎり、第1検知結果信号S1のレベルは清掃不要を示すレベルで維持される。従って、第1検知結果信号S1のレベルの変化回数を減らすことができる。ユニット制御回路8の処理負担(監視負担)を減らすことができる。例えば、ユニット制御回路8は、1ラインの読み取りごとに第1検知結果信号S1のレベル変化かあったか否かを確認すればよい。第1検知結果信号S1のレベルの変化を細かく監視する必要がない。高速、高価格のCPU11を採用しなくてすむ。ユニット制御回路8の選択肢を広げることができる。画像形成装置の製造コストを抑えることができる。
【0127】
また、継続時間が第1指定時間を超えると、第1検知結果信号S1のレベルを、清掃必要を示すレベルに変化させることができる。用紙の搬送状態の誤検知を引き起こす反射物(大きな異物)の存在を正確に検知することができる。一方で、用紙の搬送状態の誤検知を引き起こす可能性が少ない微小な異物を無視することができる。従って、小さな異物では、清掃作業を要求しないようすることができる。清掃作業の要求頻度が高くなりすぎることを防ぐことができる。
【0128】
画像形成装置は、第1検知結果信号S1のレベルが清掃必要を示すレベルになったとき、用紙読取ユニット6の清掃を求めるメッセージを表示する表示パネル41を含む。用紙読取ユニット6(透光板6b)に付着する大きめの異物の除去を使用者に促すことができる。
【0129】
画像形成装置は、読取クロック信号CLKを生成するクロック信号生成回路90を含む。用紙読取ユニット6は、読取クロック信号CLKが入力される。入力された読取クロック信号CLKに基づき、用紙読取ユニット6は1画素ずつ画素の並び順でアナログ画像信号A1を出力する。第1カウント回路91は、読取クロック信号CLKが入力される。第1カウント回路91は、入力された読取クロック信号CLKの立ち上がり、又は、立ち下がりの時点で検知用信号B1のレベルを確認して、継続時間を測る。1画素分ずつ、ずれなく、異物(反射物)の読み取りが続いた時間を測ることができる。言い換えると、第1指定時間に相当する画素数分、反射物を読み取ったことを示すレベルが連続したことを正確に検知することができる。
【0130】
クロック信号生成回路90は、スペクトラム拡散クロック発振回路としてもよい。用紙読取ユニット6から発生する電磁波ノイズを減らすことができる。スペクトラム拡散クロック発振回路(SSCG回路)が生成するクロック信号を用紙読取ユニット6と第1カウント回路91の両方に入力するので、1画素分ずつ、ずれなく、異物(反射物)の読み取りが続いた時間を測ることができる。
【0131】
信号処理回路80は、各画素のアナログ画像信号A1が入力される二値化回路80aを含む。信号処理回路80は、アナログ画像信号A1を二値化した二値化信号を検知用信号B1として生成し、出力する。反射物(異物)を読み取ったか否かを示す信号として、二値化信号を生成することができる。反射物を読み取ったことを示すレベルが続いた時間を、正確、容易に測ることできる。
【0132】
画像形成装置は第2カウント回路92を含む。第2カウント回路92は、継続時間を測り、第2検知結果信号S2を出力する。継続時間が予め定められた第2指定時間以上になったとき、第2カウント回路92は、第2検知結果信号S2のレベルを、用紙読取ユニット6上に搬送用紙がないことを示すレベルから、搬送用紙があることを示すレベルに変化させる。継続時間が第2指定時間未満のとき、第2カウント回路92は、第2検知結果信号S2のレベルを、搬送用紙がないことを示すレベルとする。第2検知結果信号S2のレベルに基づき、ユニット制御回路8は、用紙読取ユニット6に搬送用紙の先端が到達したか否かを認識する。第2指定時間は第1指定時間よりも長い。単発的に反射物(異物)を読み取った画素があっても、連続しないかぎり、第2検知結果信号S2のレベルは搬送用紙なしのレベルで維持される。従って、紙粉等の異物があっても、搬送用紙の先端が到達したと誤検知しない画像形成装置を提供することができる。また、搬送用紙の先端が到達したか否かを判定するために、第2検知結果信号S2のレベルの変化を細かく監視する必要がない。例えば、ユニット制御回路8は、1ラインの読み取りごとに第2検知結果信号S2のレベル変化かあったか否かを確認すればよい。高速、高価格のユニット制御回路8を採用しなくてすむ。また、継続時間が第2指定時間を超えると、第2検知結果信号S2のレベルを、搬送用紙ありを示すレベルに変化させることができる。多少大きな異物があっても搬送用紙ありと誤検知することがない。
【0133】
第2カウント回路92の入力端子は、第1検知結果信号S1が入力される。第2カウント回路92は、第1検知結果信号S1を利用して継続時間が第2指定時間以上になったことを認識する。第1カウント回路91が出力する信号を利用して、継続時間が第2指定時間以上になったか否かを判定することができる。
【0134】
画像形成装置はAND回路93を含む。第1検知結果信号S1の清掃必要を示すレベルはHighレベルである。第2検知結果信号S2の用紙読取ユニット6上に搬送用紙があることを示すレベルもHighレベルである。AND回路93は、第1検知結果信号S1と第2検知結果信号S2が入力される。ユニット制御回路8は、AND回路93の出力が入力される。AND回路93の出力がHighレベルになったとき、ユニット制御回路8は、用紙読取ユニット6に搬送用紙の先端が到達したと認識する。AND回路93を用いて継続時間が第2指定時間以上になったことを正確に認識することができる。
【0135】
画像形成装置はレジストレスユニット7を含む。レジストレスユニット7は、画像形成部5cよりも用紙搬送方向上流側かつ用紙読取ユニット6よりも用紙搬送方向下流側に設けられる。レジストレスユニット7は、搬送用紙を止めずに画像形成部5cに向けて送るレジストレスローラー対7cと、レジストレスローラー対7cを回転させるレジストレスモーター7dと、レジストレスローラー対7cを収容し、主走査方向の一端側に設けられた支点軸7gを有するケース7aと、支点軸7gを中心にケース7aの他端側を用紙搬送方向で移動させる斜行矯正機構71を含む。ユニット制御回路8は、アナログ画像信号A1に基づき生成された搬送読取画像データを用いて、搬送用紙の傾き角度を認識する。ユニット制御回路8は、スキュー矯正のためにレジストレスユニット7を斜行矯正機構71に移動させる。用紙読取ユニット6の読み取りで得られた搬送読取画像データに基づき、搬送用紙のスキューを矯正することができる。正確なスキューの矯正の妨げになる異物を検知することができる。
【0136】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0137】
例えば、第1検知結果信号S1を用いて、継続時間が第2指定時間以上になったとき、第2カウント回路92が第2検知結果信号S2のレベルを変化させる例を説明した。しかし、第2カウント回路92に検知用信号B1を入力してもよい。この場合、第2カウント回路92は、入力された検知用信号B1に基づき、検知用信号B1が用紙読取ユニット6上の反射物を読み取ったことを示すレベルを維持している時間である継続時間を測る。継続時間が予め定められた第2指定時間以上になると、第2カウント回路92は、第2検知結果信号S2のレベルを、搬送用紙なしを示すレベルから搬送用紙ありを示すレベルに変化させる。継続時間が第2指定時間未満のとき、第2カウント回路92は、第2検知結果信号S2のレベルを、搬送用紙なしを示すレベルで維持する。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明は搬送用紙を読み取る用紙読取ユニットを含む画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0139】
100 複合機(画像形成装置) 41 表示パネル
5b 用紙搬送部 5c 画像形成部
6 用紙読取ユニット 6c ランプ
60 ラインセンサー 7 レジストレスユニット
7a ケース 7c レジストレスローラー対
7d レジストレスモーター 7g 支点軸
71 斜行矯正機構 8 ユニット制御回路
80 信号処理回路 80a 二値化回路
90 クロック信号生成回路 91 第1カウント回路
92 第2カウント回路 93 AND回路
A1 アナログ画像信号 B1 検知用信号
CLK 読取クロック信号 S1 第1検知結果信号
S2 第2検知結果信号