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特許7543715情報システム、情報分離方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】情報システム、情報分離方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/32 20060101AFI20240827BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20240827BHJP
   G06F 21/62 20130101ALN20240827BHJP
【FI】
H04N1/32 144
H04N1/387 110
G06F21/62
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020103813
(22)【出願日】2020-06-16
(65)【公開番号】P2021197655
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】田口 祐介
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-215723(JP,A)
【文献】特開2008-177666(JP,A)
【文献】特表2020-509457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/32 - 1/36
1/42 - 1/44
H04N 1/38 - 1/393
G06F 12/14
21/10
21/60 -21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステガノグラフィー技術を用いて論理情報を単一のマーカーに重畳させる情報重畳手段と、
前記単一のマーカーの情報を読み取るマーカー読み取り手段と、
前記単一のマーカーに前記論理情報が隠蔽されていることを解析できた場合に前記マーカー読み取り手段が読み取った前記単一のマーカーから複数のマーカーの情報を復元する情報分離手段と、
前記情報分離手段によって復元された後の複数のマーカーの情報から、合成可能な組み合わせについてマーカーの情報を合成する出力情報生成手段と、
を備える情報システム
【請求項2】
前記出力情報生成手段は、
合成可能な組み合わせについて合成した前記マーカーの情報の中から、ユーザが有する権限、前記ユーザに対して設定された作業内容、及び、前記ユーザに対して設定された条件に合致したマーカーを特定する、
請求項1に記載の情報システム
【請求項3】
前記出力情報生成手段が合成した後のマーカーの情報を映像情報と共に表示する表示手段、
を備える請求項1または請求項2に記載の情報システム
【請求項4】
ステガノグラフィー技術を用いて論理情報を単一のマーカーに重畳させることと、
前記単一のマーカーの情報を読み取ることと、
前記単一のマーカーに前記論理情報が隠蔽されていることを解析できた場合に読み取った前記単一のマーカーから複数のマーカーを復元することと、
復元された後の複数のマーカーの情報から、合成可能な組み合わせについてマーカーの情報を合成することと、
を含む情報分離方法。
【請求項5】
コンピュータに、
ステガノグラフィー技術を用いて論理情報を単一のマーカーに重畳させることと、
前記単一のマーカーの情報を読み取ることと、
前記単一のマーカーに前記論理情報が隠蔽されていることを解析できた場合に読み取った前記単一のマーカーから複数のマーカーを復元することと、
復元された後の複数のマーカーの情報から、合成可能な組み合わせについてマーカーの情報を合成することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報システム、情報分離方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
論理的なネットワークや仮想化サーバの構成情報を取得したり視覚化したりするシステムにおいて、QRコード(登録商標)や拡張現実(Augmented Reality、以降ARと記載)を実現する際に利用されるようなマーカーといったパターン画像が用いられることがある。そして、マーカーのようなパターン画像について電子透かしで情報を重畳させる場合がある。
特許文献1には、関連する技術として、マーカーのようなパターン画像について電子透かしで情報を重畳させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-174107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、機器や装置などに表示されたマーカーのような映像に隠蔽したい情報を重畳させる場合、その映像の解析に対して高いセキュリティを実現する必要がある。一般的に、そのような高いセキュリティを実現するためには、ユーザが有する解析の権限をサーバで認証した後、その認証結果をユーザに送信することによって実現される。つまり、機器や装置から離れた場所に存在する認証サーバが存在することを前提とする可能性が高い。
そこで、機器や装置などに表示されたマーカーのような映像に隠蔽したい情報を重畳させる場合に、簡易的な構成で映像の解析に対して高いセキュリティを実現することのできる技術が求められている。
【0005】
本発明の各態様は、上記の課題を解決することのできる情報システム、情報分離方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、情報システムは、ステガノグラフィー技術を用いて論理情報を単一のマーカーに重畳させる情報重畳手段と、前記単一のマーカーの情報を読み取るマーカー読み取り手段と、前記単一のマーカーに前記論理情報が隠蔽されていることを解析できた場合に前記マーカー読み取り手段が読み取った前記単一のマーカーから複数のマーカーの情報を復元する情報分離手段と、前記情報分離手段によって復元された後の複数のマーカーの情報から、合成可能な組み合わせについてマーカーの情報を合成する出力情報生成手段と、を備える
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の別の態様によれば、情報分離方法は、ステガノグラフィー技術を用いて論理情報を単一のマーカーに重畳させることと、前記単一のマーカーの情報を読み取ることと、前記単一のマーカーに前記論理情報が隠蔽されていることを解析できた場合に読み取った前記単一のマーカーから複数のマーカーを復元することと、復元された後の複数のマーカーの情報から、合成可能な組み合わせについてマーカーの情報を合成することと、を含む
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の別の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、ステガノグラフィー技術を用いて論理情報を単一のマーカーに重畳させることと、前記単一のマーカーの情報を読み取ることと、前記単一のマーカーに前記論理情報が隠蔽されていることを解析できた場合に読み取った前記単一のマーカーから複数のマーカーを復元することと、復元された後の複数のマーカーの情報から、合成可能な組み合わせについてマーカーの情報を合成することと、を実行させる
【発明の効果】
【0010】
本発明の各態様によれば、マーカーのような映像に情報を重畳させる場合、より高いセキュリティを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による情報システムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による情報重畳装置の構成の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態による情報分離装置の構成の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態による情報システムの処理フローの一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態による最小構成の情報分離装置の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態による最小構成の情報分離装置の処理フローの一例を示す図である。
図7】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
<実施形態>
本発明の一実施形態による情報システム1は、ステガノグラフィー技術を用いて複数の情報を重畳し、重畳された複数の情報を分離するシステムである。情報システム1は、図1に示すように、情報重畳装置10、情報分離装置20を備える。
【0013】
情報重畳装置10は、図2に示すように、物理情報取得部101、論理情報取得部102、情報重畳部103、通信部104を備える。
【0014】
物理情報取得部101は、物理情報を取得する。物理情報とは、例えば、映像である。
論理情報取得部102は、論理情報を取得する。論理情報とは、例えば、コンフィグ情報、仮想化サーバ情報、テナント情報である。
【0015】
情報重畳部103は、ステガノグラフィー技術を用いて、物理情報に論理情報を重畳させ、マーカーを生成する。物理情報の例としては、機器などに表示されている製品ログ、QR(Quick Response)コード、バーコードなどが挙げられる。つまり、マーカーは、論理情報を含んだ状態の物理情報であり、見た目は機器などに表示されている製品ログ、QRコード、バーコードなどと同一のものである。
例えば、情報重畳部103は、ステガノグラフィー技術を用いて、入力された映像に、コンフィグ情報、仮想化サーバ情報、テナント情報を重畳させて、単一のマーカーを生成する。
なお、物理情報に論理情報を重畳させた単一のマーカーの情報は、論理情報についてのさまざまな情報が隠蔽された状態である。ここでのさまざまな情報が隠蔽された状態とは、ステガノグラフィー技術を用いて隠したい論理情報をマーカーに隠した状態のことである。
通信部104は、情報分離装置20と通信を行う。
【0016】
情報分離装置20は、図3に示すように、マーカー読み取り部201(マーカー読み取り手段の一例)、情報分離部202(情報分離手段の一例)、出力情報生成部203(出力情報生成手段の一例)、表示部204(表示手段の一例)、通信部205を備える。情報分離装置20はクライアントであるユーザが使用する装置である。
【0017】
マーカー読み取り部201は、情報重畳装置10が生成したマーカーの情報を読み取る。マーカー読み取り部201が読み取ったマーカーの情報には、隠蔽された状態のさまざまな情報が含まれる。マーカー読み取り部201は、例えば、カメラ、AR(Augmented Reality)メガネなどである。
【0018】
情報分離部202は、マーカー読み取り部201が読み取った単一のマーカーの情報を複数のマーカーの情報に分離する。
例えば、マーカーには解析が許されているユーザに関する情報が含まれており、その解析できる権限を持つユーザのみがそのマーカーに隠された論理情報を入手できるようにする。そして、第1段階まで解析を進められたユーザは第1の情報を取得でき、ステガノグラフィー技術を用いてマーカーに論理情報を隠蔽したことまで解析できたユーザのみがその隠蔽された論理情報を入手できるようにする。
なお、ここでの解析とは、ステガノグラフィーを用いてマーカー内に隠されている情報を入手する処理のことである。また、解析できる権限を持つユーザのみがそのマーカーに隠された論理情報を入手できるようにする方法の例としては、マーカー読み取り部201に対して認証を行うこと、あるいはマーカー読み取り部201とユーザとを紐づけてユーザによるマーカー読み取り部201の利用可能な機能を制限することなどが挙げられる。
【0019】
なお、解析できる権限に関する情報は、マーカーが有する情報に含まれており、特定の情報分離装置20のみがその情報を解析することができる、すなわち、特定の情報分離装置20を所有するユーザが権限を有するものであってもよい。
【0020】
出力情報生成部203は、情報分離部202によって分離された後の複数のマーカーの情報から、合成可能なすべての組み合わせについてマーカーの情報を合成する。
出力情報生成部203は、合成可能なすべての組み合わせについて合成したマーカーの情報の中から、例えば、クライアントデバイスを扱うユーザが有する権限、そのユーザに対して設定された作業内容や条件などに合致したマーカーを特定する。例えば、ユーザが有する権限、そのユーザに対して設定された作業内容や条件などで情報のグループ分けや表示レイヤーが設定されている場合、この特定により、出力情報生成部203は、情報のグループ分けや表示レイヤーを分離したりすることが可能になる。この設定されたグループ分けや表示レイヤーは、各ユーザのマーカーの解析可能な段階と関連付けられている。そして、グループ分けや表示レイヤーによって各ユーザの解析可能な段階が制限される。
そして、出力情報生成部203は、特定したマーカーの情報をARオブジェクトとして映像に重ね合わせて表示部204に出力する。
【0021】
表示部204は、映像と共にマーカーの情報を表示する。この表示は、例えば、AR(Augmented Reality、拡張現実)などを実現する表示であり、情報のグループ分けがされ、表示レイヤーごとに適切な表示がされる。
通信部205は、情報重畳装置10と通信を行う。
【0022】
次に、情報システム1の処理について説明する。
ここでは、図4に示す情報分離装置20が行う単一のマーカーの情報を複数のマーカーの情報に分離する処理について説明する。
【0023】
マーカー読み取り部201は、情報重畳装置10が生成したマーカーの情報を読み取る。
例えば、マーカー読み取り部201は、カメラなどを介して映像を取得する(ステップS1)。マーカー読み取り部201は、取得した映像内にマーカーが存在するか否かを判定する(ステップS2)。具体的には、マーカー読み取り部201は、予め読み取り可能なマーカーのパターンを記憶しており、映像内にそのパターンに合致するパターンが存在すると判定した場合に映像内にマーカーが存在すると判定する。なお、ここでのマーカーは、例えば、ステガノグラフィー技術を用いてデジタルウォータマーキング処理を施したマーカーである。このマーカーには仮想化サーバの情報が隠されている。仮想化サーバ内には複数の仮想マシン(VM、Virtual Machine)が作成され、1つの仮想化サーバにより、複数の仮想マシンを実現することができる。これら複数の仮想マシンを複数の企業の所有物とすることにより、各企業の担当者(ユーザ)ごとに解析できる権限を設定することにより、各担当者が自企業の仮想マシンの情報しか入手できない(解析できない)という状態を実現することができる。
【0024】
マーカー読み取り部201は、映像内にマーカーが存在しないと判定した場合(ステップS2においてNO)、ステップS1の処理に戻す。
また、マーカー読み取り部201は、映像内にマーカーが存在すると判定した場合(ステップS2においてYES)、そのマーカーを特定する(ステップS3)。
【0025】
マーカー読み取り部201がマーカーを特定した場合、情報分離部202は、単一のマーカーに対してステガノグラフィー技術を用いた解読の処理(すなわち、単一のマーカーから複数のマーカーを復元する処理)を行う(ステップS4)。
【0026】
出力情報生成部203は、情報分離部202によって分離された後の複数のマーカーの情報から、合成可能なすべての組み合わせについてマーカーの情報を合成する(ステップS5)。
出力情報生成部203は、合成可能なすべての組み合わせについて合成したマーカーの情報の中から、例えば、クライアントデバイスを扱うユーザが有する権限、そのユーザに対して設定された作業内容や条件などに合致したマーカーを特定する(ステップS6)。
そして、出力情報生成部203は、特定したマーカーの情報をARオブジェクトとして映像に重ね合わせて表示部204に出力する(ステップS7)。
表示部204は、映像と共にマーカーの情報を表示する(ステップS8)。
【0027】
以上、本発明の一実施形態による情報システム1について説明した。
情報システム1において、情報分離部202は、単一のマーカーに対してステガノグラフィー技術を用いた解読の処理(すなわち、単一のマーカーから複数のマーカーを復元する処理)を行う。出力情報生成部203は、情報分離部202によって復元された後の複数のマーカーの情報から、合成可能なすべての組み合わせについてマーカーの情報を合成する。
こうすることにより、情報システム1は、情報分離装置20において、論理情報についてのさまざまな情報が隠蔽された状態で、単一のマーカーから複数のマーカーを特定し合成することができる。その結果、セキュリティを確保しつつ映像と共にマーカーの情報をクライアントであるユーザに提供することができる。つまり、機器や装置などに表示されたマーカーのような映像に隠蔽したい情報を重畳させる場合に、簡易的な構成で映像の解析に対して高いセキュリティを実現することができる。
【0028】
本発明の実施形態による最小構成の情報分離装置20について説明する。
本発明の実施形態による最小構成の情報分離装置20は、図5に示すように、情報分離部202、出力情報生成部203を備える。
情報分離部202は、ステガノグラフィー技術を用いて単一のマーカーから複数のマーカーを復元する。
出力情報生成部203は、前記情報分離部202によって分離された後の複数のマーカーの情報から、合成可能なすべての組み合わせについてマーカーの情報を合成する。
【0029】
次に、最小構成の情報分離装置20の処理について図6を参照して説明する。
情報分離部202は、ステガノグラフィー技術を用いて単一のマーカーから複数のマーカーを復元する(ステップS11)。
出力情報生成部203は、前記情報分離部202によって復元された後の複数のマーカーの情報から、合成可能なすべての組み合わせについてマーカーの情報を合成する(ステップS12)。
こうすることにより、情報システム1は、情報分離装置20において、論理情報についてのさまざまな情報が隠蔽された状態で、単一のマーカーから複数のマーカーを特定し合成することができる。その結果、セキュリティを確保しつつ映像と共にマーカーの情報をクライアントであるユーザに提供することができる。つまり、機器や装置などに表示されたマーカーのような映像に隠蔽したい情報を重畳させる場合に、簡易的な構成で映像の解析に対して高いセキュリティを実現することができる。
【0030】
なお、本発明の一実施形態では、出力情報生成部203は、情報分離部202によって分離された後の複数のマーカーの情報から、合成可能なすべての組み合わせについてマーカーの情報を合成するものとして説明した。また、出力情報生成部203は、合成可能なすべての組み合わせについて合成したマーカーの情報の中から、例えば、クライアントデバイスを扱うユーザが有する権限、そのユーザに対して設定された作業内容や条件などに合致したマーカーを特定するものとして説明した。しかしながら、本発明の別の実施形態では、出力情報生成部203は、クライアントデバイスを扱うユーザが有する権限、そのユーザに対して設定された作業内容や条件などに合致する場合についてのみ、単一のマーカーから複数のマーカーへ分離するものであってもよい。
【0031】
なお、本発明の別の実施形態では、マーカーは、AR用のマーカー以外に、QRコード(登録商標)であってもよい、また、マーカーは、一見してそれとわかるようなものではなく、例えば、通常の製品ロゴや看板に対して、デジタルウォータマーキングにより見せたい情報(広告や取扱説明書のような情報そのものでも、情報を取得できるURLやAPIなどのアクセス先)を隠しておくことのできるものであってもよく、デザイン性を損ねることなく、また、マーカー用のスペースを設けることなく、利用者に目に見える情報に加え論理的に情報を付与し提供することができるものであってもよい。
【0032】
なお、ARオブジェクトを利用したアプリ(ゲーム)等も多数存在しているが、本発明の別の実施形態では、マーカーは、あるユーザ(分離するための情報を持ってない)に対してはただの単一のマーカーであるが、条件を満たしているユーザ(分離するための情報を持っている)に対しては隠れている情報も読み取ることができるものであってもよい、この場合、マーカーは、別マーカーを用意することなくユーザに与える情報やコンテンツに差をつけることができる。つまり、一般ユーザにはただのマークにしか見えないが、シルバーランクユーザには第1のコンテンツを提供し、ゴールドランクユーザには第2のコンテンツを提供するなどユーザによって差別化することができるものであってもよい。
【0033】
なお、本発明の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0034】
本発明の実施形態について説明したが、上述の情報重畳装置10、情報分離装置20、その他の制御装置は内部に、コンピュータ装置を有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図7は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図7に示すように、CPU6(ベクトルプロセッサを含む)、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の情報重畳装置10、情報分離装置20、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0035】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0036】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータ装置にすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、発明の範囲を限定しない。これらの実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
【符号の説明】
【0038】
1・・・情報システム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・情報重畳装置
20・・・情報分離装置
101・・・物理情報取得部
102・・・論理情報取得部
103・・・情報重畳部
104、205・・・通信部
201・・・マーカー読み取り部
202・・・情報分離部
203・・・出力情報生成部
204・・・表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7