(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】感光性着色組成物、カラーフィルタ、および画像表示装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20240827BHJP
G03F 7/031 20060101ALI20240827BHJP
G03F 7/027 20060101ALI20240827BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G03F7/004 505
G03F7/031
G03F7/027 502
G03F7/004 503
G02B5/20 101
(21)【出願番号】P 2020115897
(22)【出願日】2020-07-03
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】718000495
【氏名又は名称】東洋ビジュアルソリューションズ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】常川 美沙緒
(72)【発明者】
【氏名】吉良 沙也加
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 由宇
(72)【発明者】
【氏名】吉田 寛之
【審査官】川口 真隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-146429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/004
G03F 7/031
G03F 7/027
G02B 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、および光重合開始剤(D)を含む感光性着色組成物であって、
前記光重合開始剤(D)が、下記一般式(1)で表される光重合開始剤(D-1)、および下記一般式(2)で表される光重合開始剤(D-2)を含む感光性着色組成物。
一般式(1)
【化1】
(一般式(1)中、R
1は、
シクロペンチル基、またはシクロヘキシル基を有する炭素原子数4~20のアルキル基を表す。
R
2は、
メチル基、またはフェニル基を表す。
R
3は、水素原子、
またはニトロ基
を表す。)
一般式(2)
【化2】
(一般式(2)中、R
4
は、炭素原子数3~8のアルキル基を表し、R
5は、
メチル基、またはフェニル基を表す。)
【請求項2】
前記光重合開始剤(D-1)の含有量が、前記光重合開始剤(D-1)と前記光重合開始剤(D-2)の合計含有量100質量部に対して、5~95質量部である請求項1に記載の感光性着色組成物。
【請求項3】
前記光重合開始剤(D)が、更に、前記光重合開始剤(D-1)および前記光重合開始剤(D-2)以外の光重合開始剤(D-3)を含む請求項1または2に記載の感光性着色組成物。
【請求項4】
前記光重合開始剤(D-3)が、アセトフェノン系化合物、アシルホスフィンオキサイド系化合物、およびイミダゾール系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である請求項3に記載の感光性着色組成物。
【請求項5】
前記光重合開始剤(D-1)と前記光重合開始剤(D-2)の合計含有量が、前記光重合開始剤(D)の含有量100質量部に対して、30質量部以上である請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
【請求項6】
前記重合性化合物(C)が、カプロラクトン構造を有する重合性化合物(C-1)を含む請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
【請求項7】
前記重合性化合物(C)が、酸基を有する重合性化合物(C-2)を含む請求項1~6のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
【請求項8】
更に、増感剤(E)を含む請求項1~7のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
【請求項9】
基板、および請求項1~8のいずれか1項に記載の感光性着色組成物を用いて形成されてなるフィルタセグメントを有するカラーフィルタ。
【請求項10】
請求項9記載のカラーフィルタを備える画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置、固体撮像素子、有機EL表示装置、量子ドット表示装置、および電子ペーパー等に用いられるカラーフィルタの製造に使用される感光性着色組成物、当該感光性着色組成物を用いて形成されてなるカラーフィルタ、並びに当該カラーフィルタを備える画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルタは、ガラス基板等の透明な基板上に、色相が異なる2種以上の微細な帯状のフィルタセグメントを互いに平行に(ストライプ状に)若しくは交差するように配置してなるか、又は、色相が異なる2種以上の微細なフィルタセグメントを縦方向及び横方向の各々において順番に配列するように配置してなる。フィルタセグメントは、数ミクロン~数100ミクロンの小さな寸法を有しており、色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
【0003】
現在、カラーフィルタの製造方法としては、感光性着色組成物を、ガラス等の透明基板に塗布し、乾燥によってこの塗膜から溶剤を除去する工程、この塗膜を、所望するパターン形状を有するフォトマスクを介して放射線を照射・硬化(以下、露光という)工程、次いで、この塗膜の未露光部を洗浄・除去(以下、現像という)する工程、その後、必要に応じて硬化膜を十分に硬化させるために加熱処理(以下、ポストベークという)工程により1色目のフィルタセグメントパターンを得る。そして、これと同様の操作を行うことにより他の色のフィルタセグメントパターンを形成し、カラーフィルタを完成する。
【0004】
上記現像工程は、現像液としてアルカリ性の現像液を用いて、未露光部分を洗浄・除去する。その際に、露光した部分が欠けたり、剥がれたりしてパターン形状に欠陥が発生するという課題があった。また、アルカリ性の現像液に塗膜が曝された場合、塗膜が変色する現象(以下、水しみという)が発生するという課題もあった。そのため、現像工程においてパターン形状の不良と水しみが発生しない感光性着色組成物が求められている。さらに、現像工程やポストベーク工程の際に、未反応物等が溶出や気化することで塗膜の膜厚が変化する(以下、残膜率という)という課題があった。
【0005】
水しみの改善の取り組みとして、特許文献1には、特定構造のアルカリ可溶性樹脂と、光重合開始剤としてオキシムエステルフルオレン誘導体化合物を含む着色感光性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、特定構造のフッ素系界面活性剤を含むレジスト組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-173787号公報
【文献】特開2016-102212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1、特許文献2のいずれの組成物も水しみの改善は十分でなく、また、パターン形状、残膜率は考慮されておらず、満足できるものではなかった。
【0008】
本発明は、現像後の水しみを抑制し、優れたパターン形状、かつ高い残膜率を得ることができる感光性着色組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、および光重合開始剤(D)を含む感光性着色組成物であって、
前記光重合開始剤(D)として、下記一般式(1)で表される光重合開始剤(D-1)、および下記一般式(2)で表される光重合開始剤(D-2)を含む感光性着色組成物に関する。
一般式(1)
【化1】
(一般式(1)中、R
1は、脂環式炭化水素基を有する炭素原子数4~20のアルキル基を表す。
R
2は、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、または炭素原子数2~20の複素環基を表す。
R
3は、水素原子、ニトロ基、エーテル結合を有する基、または芳香族性を示す基を表す。)
一般式(2)
【化2】
(一般式(2)中、R
4、およびR
5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、または炭素原子数2~20の複素環基を表す。)
【0010】
また、本発明は、前記光重合開始剤(D-1)の含有量が、前記光重合開始剤(D-1)と前記光重合開始剤(D-2)の合計含有量100質量部に対して、5~95質量部である感光性着色組成物に関する。
【0011】
また、本発明は、前記光重合開始剤(D)が、更に、前記光重合開始剤(D-1)および前記光重合開始剤(D-2)以外の光重合開始剤(D-3)を含む感光性着色組成物に関する。
【0012】
また、本発明は、前記光重合開始剤(D-3)が、アセトフェノン系化合物、アシルホスフィンオキサイド系化合物、およびイミダゾール系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である感光性着色組成物に関する。
【0013】
また、本発明は、前記光重合開始剤(D-1)と前記光重合開始剤(D-2)の合計含有量が、前記光重合開始剤(D)の含有量100質量部に対して、30質量部以上である感光性着色組成物に関する。
【0014】
また、本発明は、前記重合性化合物(C)として、カプロラクトン構造を有する重合性化合物(C-1)を含む感光性着色組成物に関する。
【0015】
また、本発明は、前記重合性化合物(C)として、酸基を有する重合性化合物(C-2)を含む感光性着色組成物に関する。
【0016】
また、本発明は、更に、増感剤(E)を含む感光性着色組成物に関する。
【0017】
また、本発明は、基板、および上記感光性着色組成物を用いて形成されてなるフィルタセグメントを有するカラーフィルタに関する。
【0018】
また、本発明は、上記カラーフィルタを備える画像表示装置に関する。
【発明の効果】
【0019】
上記の本発明によれば、現像後の水しみを抑制し、優れたパターン形状、かつ高い残膜率を得ることができる感光性着色組成物、当該感光性着色組成物を用いて形成されてなるカラーフィルタ、並びに当該カラーフィルタを備える画像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、液晶表示装置の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0022】
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」とは、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタアクリロイル」、「アクリル及び/又はメタアクリル」、「アクリル酸及び/又はメタアクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタアクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタアクリルアミド」を意味する。また、「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)を意味する。
【0023】
<感光性着色組成物>
本発明の一実施形態は、感光性着色組成物に係わる。本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、および光重合開始剤(D)を含む感光性着色組成物であって、
前記光重合開始剤(D)として、下記一般式(1)で表される光重合開始剤(D-1)、および下記一般式(2)で表される光重合開始剤(D-2)を含む。
一般式(1)
【化1】
(一般式(1)中、R
1は、脂環式炭化水素基を有する炭素原子数4~20のアルキル基を表す。
R
2は、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、または炭素原子数2~20の複素環基を表す。
R
3は、水素原子、ニトロ基、エーテル結合を有する基、または芳香族性を示す基を表す。)
一般式(2)
【化2】
(一般式(2)中、R
4、およびR
5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、または炭素原子数2~20の複素環基を表す。)
【0024】
以下、一実施形態の感光性着色組成物に含まれるか、又は含まれ得る成分を詳細に説明する。
【0025】
[着色剤(A)]
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)を含む。着色剤(A)は、特に限定されるものではなく、顔料、および染料のいずれでもよいが、カラーフィルタには耐熱性、および耐溶剤性が求められることから顔料が好ましい。
【0026】
(顔料)
本発明に用いることができる顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げることができる。
【0027】
本発明に用いることができる赤色顔料としては、具体的には、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,37,38,41,47,48,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53,53:1,53:2,53:3,57,57:1,57:2,58:4,60,63,63:1,63:2,64,64:1,68,69,81,81:1,81:2,81:3,81:4,83,88,90:1,101,101:1,104,108,108:1,109,112,113,114,122,123,144,146,147,149,151,166,168,169,170,172,173,174,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,193,194,200,202,206,207,208,209,210,214,216,220,221,224,230,231,232,233,235,236,237,238,239,242,243,245,247,249,250,251,253,254,255,256,257,258,259,260,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料等を挙げることができる。これらの中でも、フィルタセグメントの耐熱性、耐光性、及び透過率の観点から、C.I.ピグメントレッド48:1,122,177,224,242,269,254,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料が好ましく、C.I.ピグメントレッド177,254,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料が特に好ましい。
【0028】
本発明で用いることができる橙色顔料としては、具体的には、C.I.ピグメントオレンジ36,38,43,64,71、73等が挙げられる。
【0029】
本発明で用いることができる黄色顔料としては、具体的には、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,126,127,128,129,138,139,147,150,151,152、153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,192,193,194,196,198,199,213,214,231,233、特開2012-226110号公報に記載された顔料等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー138,139,150,185,231,233、特開2012-226110号公報に記載された顔料が好ましい。
【0030】
本発明で用いることができる緑色顔料としては、具体的には、C.I.ピグメントグリーン1,2,4,7,8,10,13,14,15,17,18,19,26,36,37,45,48,50,51,54,55,58,62,63等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントグリーン36、58、59、62、63が好ましい。
【0031】
本発明で用いることができる青色顔料は、具体的には、C.I.ピグメントブルー1,1:2,9,14,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17,19,25,27,28,29,33,35,36,56,56:1,60,61,61:1,62,63,66,67,68,71,72,73,74,75,76,78,79等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントブルー15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6が好ましい。
【0032】
本発明で用いることができる紫色顔料は、具体的には、C.I.ピグメントバイオレット1,1:1,2,2:2,3,3:1,3:3,5,5:1,14,15,16,19,23,25,27,29,31,32,37,39,42,44,47,49,50等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントバイオレット19,23が好ましい。
【0033】
本発明で用いることができる黒色顔料は、具体的には、C.I.ピグメントブラック1,6,7,12,20,31等が挙げられる。
【0034】
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)として無機顔料も用いることができる。例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。
【0035】
(染料)
本発明に用いることができる染料としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等が挙げられる。また、これらの誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料の形態であってもかまわない。
【0036】
さらに、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料、直接染料の形態の場合は、酸性染料の無機塩や、酸性染料と四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、もしくは一級アミン化合物等の含窒素化合物との造塩化合物、又はこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることで耐性に優れたものとなるために、堅牢性に優れた着色組成物とすることができ、好ましい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、堅牢性に優れるため好ましく、より好ましくは、オニウム塩基を有する化合物が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂である場合である。
【0037】
塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸もしくはその金属塩を用いて造塩化して用いることができる。中でも、塩基性染料の造塩化合物が耐性、顔料との併用性に優れているために好ましく、さらに塩基性染料と、カウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分である有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、又は酸性染料とを造塩した、造塩化合物を用いることがより好ましいものである。
【0038】
また、色素骨格に重合性不飽和基を有する場合、耐性に優れた染料とすることができ、好ましい。
【0039】
染料の化学構造としては、例えば、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ローダミン系染料、及びそれらの金属錯体系染料等から選ばれる染料に由来する色素構造を挙げることができるが、特にこれらに限定されない。
【0040】
これらの色素構造の中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造がより好ましい。色素構造を形成しうる具体的な色素化合物については「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善、1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)、「色素ハンドブック」(大河原他編;講談社、1986)などに記載されている。
【0041】
前記着色剤(A)は、単独、または所望の色相を得られるように2種類以上を併用して使用することができる。
【0042】
前記着色剤(A)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、5~70質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましい。
【0043】
(顔料の微細化)
本発明で顔料は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は、特に限定されるものではなく、例えば、湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用できる。これらの中でも湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理が好ましい。微細化顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は、5~90nmが好ましい。なお、分散性、コントラスト比の観点から、平均一次粒子径は10~70nmがより好ましい。
【0044】
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
【0045】
水溶性無機塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)が好ましい。水溶性無機塩の使用量は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対して、50~2,000質量部が好ましく、300~1,000質量部がより好ましい。
【0046】
水溶性有機溶剤は、顔料、および水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2-メトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤の使用量は、顔料100質量部に対して、5~1,000質量部が好ましく、50~500質量部がより好ましい。
【0047】
ソルトミリング処理には、必要に応じて樹脂を変化してもよい。前記樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が挙げられる。これらの中でも、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることが好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対して、2~200質量部が好ましい。
【0048】
[色素誘導体(F)]
本発明に用いる感光性着色組成物は、必要に応じて色素誘導体(F)を使用してもよい。
【0049】
本発明に用いることができる色素誘導体(F)としては、特に制限はなく、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する公知の色素誘導体を用いることができる。例えば、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物、およびこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素としては、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、等が挙げられる。
【0050】
具体的には、ジケトピロロピロール系色素誘導体としては、特開2001-220520号公報、国際公開第2009/081930号、国際公開第2011/052617号、国際公開第2012/102399号、特開2017-156397号公報、フタロシアニン系色素誘導体としては、特開2007-226161号公報、国際公開第2016/163351号、特開2017-165820号公報、特許第5753266号公報、アントラキノン系色素誘導体としては、特開昭63-264674号公報、特開平09-272812号公報、特開平10-245501号公報、特開平10-265697号公報、特開2007-079094号公報、国際公開第2009/025325号、キナクリドン系色素誘導体としては、特開昭48-54128号公報、特開平03-9961号公報、特開2000-273383号公報、ジオキサジン系色素誘導体としては、特開2011-162662号公報、チアジンインジゴ系色素誘導体としては、特開2007-314785号公報、トリアジン系色素誘導体としては、特開昭61-246261号公報、特開平11-199796号公報、特開2003-165922号公報、特開2003-168208号公報、特開2004-217842号公報、特開2007-314681号公報、ベンゾイソインドール系色素誘導体としては、特開2009-57478号公報、キノフタロン系色素誘導体としては、特開2003-167112号公報、特開2006-291194号公報、特開2008-31281号公報、特開2012-226110号公報、ナフトール系色素誘導体としては、特開2012-208329号公報、特開2014-5439号公報、アゾ系色素誘導体としては、特開2001-172520号公報、特開2012-172092号公報、酸性置換基としては、特開2004-307854号公報、塩基性置換基としては、特開2002-201377号公報、特開2003-171594号公報、特開2005-181383号公報、特開2005-213404号公報、などに記載の公知の色素誘導体が挙げられる。なお、これらの文献には、色素誘導体を誘導体、顔料誘導体、分散剤、顔料分散剤若しくは単に化合物などと記載している場合があるが、前記した有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などの置換基を有する化合物は、色素誘導体と同義である。これらの色素誘導体(F)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0051】
前記色素誘導体(F)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、1~15質量部が好ましく、2~10質量部がより好ましい。
【0052】
[分散樹脂(G)]
本発明における感光性着色組成物は、必要に応じて分散樹脂(G)を使用してもよい。
【0053】
本発明に用いることができる分散樹脂(G)としては、特に制限がなく、公知のものを用いることができる。なかでも、分散安定性の観点から、着色剤に吸着する基(以下、吸着基という)を有することが好ましい。吸着基として、カチオン性基、及び/又はアニオン性基を有する樹脂が好ましい。
【0054】
カチオン性基を有する樹脂としては、特に制限がなく、公知のものを用いることができる。具体的には、カチオン性基として、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニア塩基、および含窒素複素環など窒素原子を含有する基などが挙げられる。
【0055】
アニオン性基を有する樹脂としては、特に制限がなく、公知のものを用いることができる。具体的には、アニオン性基として、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられる。中でも、着色剤への吸着性の観点からカルボキシル基、リン酸基であることが好ましい。
【0056】
前記分散樹脂(G)の構造に関しても、特に制限がないが、ランダム構造、ブロック構造、グラフト構造、くし型構造、および星型構造等が挙げられる。なかでも、分散安定性の観点から、ブロック構造、またはくし型構造が好ましい。
【0057】
本発明の感光性着色組成物に用いることができる前記分散樹脂(G)としては、具体的に、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101, 103, 107, 108, 110,111,116,130,140,154,161,162,163,164,165,166,167,168,170,171,174,180,181,182,183,184,185,190,2000,2001,2009,2010,2020,2025,2050,2070,2095,2150,2155,2163,2164、またはAnti-Terra-U203,204、またはBYK-P104,P104S,220S、またはLactimon、Lactimon-WS、またはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000,9000,13000,13240,13650,13940,16000,17000,18000,20000,21000,24000,26000,27000,28000,31845,32000,32500,32550,33500,32600,34750,35100,36600,38500,41000,41090,53095,55000,56000,76500等、BASF社製のEFKA-46,47,48,452,4008,4009,4010,4015,4020,4047,4050,4055,4060,4080,4400,4401,4402,4403,4406,4408,4300,4310,4320,4330,4340,450,451,453,4540,4550,4560,4800,5010,5065,5066,5070,7500,7554,1101,120,150,1501,1502,1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111,PB711,PB821,PB822,PB824等、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報等に記載の樹脂が挙げられる。これらの分散樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0058】
前記分散樹脂(G)の含有量は、分散安定性の観点から、着色剤(A)100質量部に対して、3~200質量部が好ましく、5~100質量部がより好ましい。
【0059】
[アルカリ可溶性樹脂(B)]
本発明の感光性着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂(B)を含む。アルカリ可溶性樹脂(B)は、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
【0060】
前記アルカリ可溶性樹脂(B)は、400~700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂(B)には、その主たる硬化方式で分類すると熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エチレン性不飽和二重結合等を有する活性エネルギー線硬化性樹脂などがあり、活性エネルギー線硬化性樹脂は熱可塑性樹脂であっても熱硬化の機能を併せ持つものであってもよい。これらのアルカリ可溶性樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0061】
前記アルカリ可溶性樹脂(B)としては、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、(メタ)アクリル酸共重合体樹脂、スチレン/マレイン酸共重合体樹脂、α-オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体樹脂、アクリルアミド系樹脂、(メタ)アクリル/アクリルアミド共重合体等が挙げられ、樹脂中にアルカリ溶解を促進する基を有する。なかでも、(メタ)アクリル酸と共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体が好ましい。アルカリ溶解を促進する基としては、具体的には、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、フェノール性ヒドロキシル基などが挙げられ、カルボキシル基が好ましい。これらの基は、1種のみでもあってもよいし、2種以上併用してもよい。
【0062】
(エチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂)
前記アルカリ可溶性樹脂(B)は、水しみ抑制、パターン形状の観点から、エチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましい。特に、以下に示す(i) 、(ii)の方法によるエチレン性不飽和二重結合を導入したアルカリ可溶性樹脂を用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで架橋密度が上がり、水しみが抑制され、パターン形状が良好になる。
【0063】
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合、およびカルボキシル基を導入する方法がある。
【0064】
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0065】
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
【0066】
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
【0067】
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合、およびカルボキシル基を導入する方法がある。
【0068】
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
【0069】
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ-バレロラクトン、ポリε-カプロラクトン、及び/又はポリ12-ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2-ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、また感度の点からは2個以上6個以下の水酸基を有するものを使用することが感度の点から好ましく、グリセロールモノ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
【0070】
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
【0071】
アルカリ可溶性樹脂を構成するエチレン性不飽和単量体としては、以下のものが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類スチレン、又はα-メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
【0072】
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンジマレイミド、N-(1-ピレニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-アミノフェニル)マレイミド、N-(4-ニトロフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ブロモメチル-2,3-ジクロロマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチラート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドヘキサノアート、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9-マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類、EO変性クレゾールアクリレート、n-ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0073】
又、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ε-カプロラクトン付加アクリル酸、ε-カプロラクトン付加メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられる。
【0074】
又、水酸基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。又、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ-バレロラクトン、(ポリ)ε-カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12-ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0075】
又、リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、上記水酸基含有エチレン性不飽和モノマーの水酸基にたとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応せしめることで得ることができるモノマーが挙げられる。これらのエチレン性不飽和単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0076】
前記アルカリ可溶性樹脂(B)は、塗膜の硬化度合を調整するために、エチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂と、エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂を併用することができる。少なくとも1種のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体と、その他の前記エチレン性不飽和単量体を1種以上用いて合成し、側鎖にエチレン性不飽和結合を付与しないことで、エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂が得ることができる。
【0077】
前記アルカリ可溶性樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、現像性の観点から、2,000~40,000であり、3,000~300,00が好ましく、4,000~20,000がより好ましい。また、Mw/Mnの値は10以下が好ましい。重量平均分子量(Mw)が2,000未満であると基板に対する密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。40,000を超えるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。
【0078】
前記アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価は、現像性の観点から、50~200(KOHmg/g)が好ましく、70~180がより好ましく、90~170が特に好ましい。酸価が50未満であるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。200を超えると基板への密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。
【0079】
前記アルカリ可溶性樹脂(B)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、20~400質量部が好ましく、50~250質量部がより好ましい。
【0080】
[重合性化合物(C)]
本発明の感光性着色組成物は、重合性化合物(C)を含む。前記重合性化合物(C)は、特に限定されるものではなく、ラジカル、酸、熱により架橋可能な公知の化合物を用いることができる。例えば、エチレン性不飽和結合を有する基、メチロール基等を有する化合物が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
【0081】
前記重合性化合物(C)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0082】
前記重合性化合物(C)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量部に対して、1~60質量部が好ましく、2~50質量部がより好ましい。
【0083】
(カプロラクトン構造を有する重合性化合物(C-1))
本発明の感光性着色組成物は、水しみ抑制の観点から、前記重合性化合物(C)としてカプロラクトン構造を有する重合性化合物(C-1)を含むことが好ましい。
【0084】
前記カプロラクトン構造を有する重合性化合物(C-1)としては、分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエチスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメトロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε-カプロラクトンをエステル化することにより得られる。なかでも、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
【0085】
一般式(3)
【化3】
(一般式(3)中、6個のRは全て下記一般式(4)で表される基であるか、または6個のRのうち1~5個が下記一般式(4)で表される基であり、残りが下記一般式(5)で表される基である。)
【0086】
一般式(4)
【化4】
(一般式(4)中、R
1は水素原子、またはメチル基を表し、mは1、または2の数であり、*は結合手である。)
【0087】
一般式(5)
【化5】
(一般式(5)中、R
1は水素原子、またはメチル基を表し、*は結合手である。)
【0088】
前記カプロラクトン構造を有する重合性化合物(C-1)は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA-20(上記一般式(3)~(5)において、m=1、一般式(4)に表される基の数=2、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA-30(上記一般式(3)~(5)において、m=1、一般式(4)に表される基の数=3、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA-60(上記一般式(3)~(5)において、m=1、一般式(4)に表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA-120(上記一般式(3)~(5)において、m=2、一般式(4)に表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)等が挙げられる。
【0089】
前記カプロラクトン構造を有する重合性化合物(C-1)は、水しみ抑制の観点から、上記一般式(3)~(5)において、m=1、一般式(4)に表される基の数=2~6、R1が全て水素原子である化合物が好ましく、上記一般式(3)~(5)において、m=1、一般式(4)に表される基の数=2又は3、R1が全て水素原子である化合物がより好ましい。
【0090】
前記カプロラクトン構造を有する重合性化合物(C-1)の含有量は、水しみ抑制の観点から、前記重合性化合物(C)100質量部に対して、5~80質量部が好ましく、10~70質量部がより好ましく、20~60質量部であることが特に好ましい。
【0091】
(酸基を有する重合性化合物(C-2))
本発明の感光性着色組成物は、パターン形状の観点から、前記重合性化合物(C)として酸基を有する重合性化合物(C-2)を含むことが好ましい。酸基としては、スルホン酸基やカルボキシル基、リン酸基等を挙げることができる。
【0092】
前記酸基を有する重合性化合物(C-2)としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げることができる。具体的には、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレート又はモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン-1,2,3-トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン-1,2,4-トリカルボン酸、ベンゼン-1,2,3-トリカルボン酸、ベンゼン-1,3,4-トリカルボン酸、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレート又はモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等が挙げられる。
【0093】
前記酸基を有する重合性化合物の市販品としては、大阪有機社製のビスコート#2500P、東亜合成社製アロニックスM-5300,M-5400,M-5700,M-510,M-520,M-521等が挙げられる。
【0094】
前記酸基を有する重合性化合物(C-2)の含有量は、パターン形状の観点から、前記重合性化合物(C)100質量部に対して、20~80質量部が好ましく、25~75質量部がより好ましく、35~70質量部であることがより好ましい。
【0095】
(その他重合性化合物(C-3))
前記重合性化合物(C)は、前記カプロラクトン構造を有する重合性化合物(C-1)、および前記酸基を有する重合性化合物(C-2)以外のその他の重合性化合物(C-3)を含んでもよい。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0096】
これらの市販品としては、日本化薬社製のKAYARAD R-128H,R526,PEG400DA,MAND,NPGDA,R-167,HX-220,R-551,R712,R-604,R-684,GPO-303,TMPTA,DPHA,DPEA-12,DPHA-2C,D-310,D-330、東亜合成社製のアロニックスM-303,M-306,M-309,M-310,M-321,M-325,M-350,M-360,M-313,M-315,M-400,M-402,M-403,M-404,M-405,M-406,M-450,M-452,M-408,M-211B,M-101A、大阪有機社製のビスコート#310HP,#335HP,#700,#295,#330,#360,#GPT,#400,#405,UV-4108F、UV-4117F、新中村化学社製のNKエステルA-9300、UA-160TM、共栄社化学社製のAH-600、AT-600、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H、UF-8001G、DAUA-167等が挙げられる。
【0097】
[光重合開始剤(D)]
本発明の感光性着色組成物は、光重合開始剤(D)として、後述の一般式(1)で表される光重合開始剤(D-1)、および後述の一般式(2)で表される光重合開始剤(D-2)を含む。
【0098】
(光重合開始剤(D-1))
光重合開始剤(D-1)は、下記一般式(1)で表される化合物である。
【0099】
一般式(1)
【化1】
(一般式(1)中、R
1は、脂環式炭化水素基を有する炭素原子数4~20のアルキル基を表す。
R
2は、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、または炭素原子数2~20の複素環基を表す。
R
3は、水素原子、ニトロ基、エーテル結合を有する基、または芳香族性を示す基を表す。)
【0100】
一般式(1)中、R1は、脂環式炭化水素基を有する炭素原子数4~20のアルキル基を表す。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。なかでも、反応性の観点から、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく、水しみ抑制の観点から、シクロヘキシル基がより好ましい。
【0101】
一般式(1)中、R2は、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、または炭素原子数2~20の複素環基を表す。
炭素原子数1~20のアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
炭素原子数6~30のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
炭素原子数7~30のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、α―メチルベンジル基、α,α―ジメチルベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
炭素原子数2~20の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、イミダゾリジル基、オキサゾリジル基、ピペリジル基、モルホリノ基等が挙げられる。
上記の中でも、反応性の観点から、メチル基、エチル基、またはフェニル基が好ましく、メチル基、またはエチル基がより好ましい。
【0102】
一般式(1)中、R3は、水素原子、ニトロ基、エーテル結合を有する基、または芳香族性を示す基を表す。R3が芳香族性を示す基の場合は、その芳香環部分は単環であってもよいし縮合環であってもよい。また、炭化水素環であってもよいし複素環であってもよい。特に、R3がカルボニル基を有し、環同士がカルボニル基を介して結合された構造となるようになっていることが好ましい。芳香族性を示す基としては、例えば、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ナフタレン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環を有する基等が挙げられる。なかでも、反応性の観点から、水素原子、ニトロ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0103】
前記光重合開始剤(D-1)の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、特表2012-526185号公報に記載の方法を用いることができる。
【0104】
以下、一般式(1)で表される化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
前記光重合開始剤(D-1)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0112】
(光重合開始剤(D-2))
光重合開始剤(D-2)は、下記一般式(2)で表される化合物である。
【0113】
一般式(2)
【化2】
(一般式(2)中、R
4、およびR
5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、または炭素原子数2~20の複素環基を表す。)
【0114】
一般式(2)中、R4、およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、または炭素原子数2~20の複素環基を表す。
炭素原子数1~20のアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
炭素原子数6~30のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
炭素原子数7~30のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、α―メチルベンジル、α,α―ジメチルベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
炭素原子数2~20の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、イミダゾリジル基、オキサゾリジル基、ピペリジル基、モルホリニル基等が挙げられる。なかでも、水しみ抑制の観点から、R4は炭素原子数1~12のアルキル基、または炭素原子数7~15のアリールアルキル基が好ましく、炭素原子数3~8のアルキル基がより好ましい。反応性の観点から、R5はメチル基、エチル基、またはフェニル基が好ましく、メチル基、またはエチル基がより好ましい。
【0115】
前記光重合開始剤(D-2)の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、国際公開第2015/152153号に記載の方法を用いることができる。
【0116】
以下、一般式(2)で表される化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
前記光重合開始剤(D-2)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0123】
前記光重合開始剤(D-1)の含有量は、前記光重合開始剤(D-1)と前記光重合開始剤(D-2)の合計含有量100質量部に対して、水しみ抑制、パターン形状、および残膜率の観点から、5~95質量部であることが好ましく、25~85質量部であることがより好ましい。
【0124】
(光重合開始剤(D-3))
本発明の感光性着色組成物は、パターン形状の観点から、光重合開始剤(D)として、更に、前記光重合開始剤(D-1)、および前記光重合開始剤(D-2)以外の光重合開始剤(D-3)を含むことが好ましい。
【0125】
前記光重合開始剤(D-3)は、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
具体的には、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;
1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物;
2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-ブロモフェニル))4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o,p-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(m-メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’-ビス(o,o’-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-ニトロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-メチルフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-トリフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール等のイミダゾール系化合物等が挙げられる。これらの化合物の中でも、アセトフェノン系化合物、アシルホスフィンオキサイド系化合物、およびイミダゾール系化合物が好ましく、パターン形状の観点から、アセトフェノン系化合物がより好ましい。
【0126】
前記アセトフェノン系化合物の市販品として、IGM Resins社製で「Omnirad 907」(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン)、「Omnirad 369」(2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン)、「Omnirad 379EG」(2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン)、アシルホスフィンオキサイド系化合物の市販品として、IGM Resins社製で「Omnirad 819」(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド)、「Omnirad TPO」(ジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド)、等が挙げられる。
【0127】
前記光重合開始剤(D-3)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0128】
前記光重合開始剤(D)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、水しみ抑制、パターン形状の観点から、0.5~50質量部が好ましく、1~30質量部がより好ましく、2~15質量部が特にこのましい。
【0129】
前記光重合開始剤(D-1)と前記光重合開始剤(D-2)の合計含有量は、水しみ抑制、パターン形状、および残膜率の観点から、光重合開始剤(D)100質量部に対して、30質量部以上であることが好ましく、30~90質量部であることがより好ましく、50~80質量部であることが特に好ましい。
【0130】
[増感剤(E)]
本発明の感光性着色組成物は、反応性、パターン形状の観点から、増感剤(E)を含むことが好ましい。更に、増感剤(E)は、前記重合開始剤(C-3)と併用することがより好ましい。増感剤(E)は、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
【0131】
前記増感剤(E)としては、例えば、カルコン系化合物、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン系化合物、ベンゾイン系化合物、フルオレン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、キサンテン系化合物、チオキサンテン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、クマリン系化合物、ケトクマリン系化合物、シアニン系化合物、メロシアニン系化合物、オキソノール系化合物等のポリメチン色素、アクリジン系化合物、アジン系化合物、チアジン系化合物、オキサジン系化合物、インドリン系化合物、アズレン系化合物、アズレニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラフェニルポルフィリン系化合物、トリアリールメタン系化合物、テトラベンゾポルフィリン系化合物、テトラピラジノポルフィラジン系化合物、フタロシアニン系化合物、テトラアザポルフィラジン系化合物、テトラキノキサリロポルフィラジン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、サブフタロシアニン系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、テトラフィリン系化合物、アヌレン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、チオスピロピラン系化合物、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はベンゾフェノン系化合物、α-アシロキシエステル、アシルオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’-ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。これらの中でも、パターン形状の観点から、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物が好ましい。
【0132】
(チオキサントン系化合物(E-1))
チオキサントン系化合物(E-1)としては、具体的に、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
【0133】
(ベンゾフェノン系化合物(E-2))
ベンゾフェノン系化合物(E-2としては、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン、2-アミノベンゾフェノン等が挙げられる。
【0134】
前記増感剤(E)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0135】
前記増感剤(E)の含有量は、水しみ抑制、パターン形状の両立の観点から、前記光重合開始剤(D)100質量部に対して、3~60質量部が好ましく、5~50質量部がより好ましい。
【0136】
[熱硬化性化合物(H)]
本発明の着色組成物は、熱硬化性化合物(H)を含有できる。熱硬化性化合物を含むことで、カラーフィルタを作製する際、フィルタセグメントの焼成時に反応し塗膜の架橋密度が向上する。これにより耐熱性が向上し、前記焼成時の顔料凝集が抑えられ、コントラスト比が向上する。
【0137】
前記熱硬化性化合物(H)は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。前記熱硬化性化合物は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、およびフェノール化合物が挙げられる。これらの中でもエポキシ化合物およびオキセタン化合物が好ましい。
【0138】
(エポキシ化合物(H-1))
エポキシ化合物(H-1)は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。エポキシ化合物は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’-ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’-ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0139】
市販品は、例えば、エピコート807,815,825,827,828,190P,191P(以上は商品名;油化シェルエポキシ社製)、エピコート1004,1256(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、TECHMORE VG3101L(商品名;三井化学社製)、EPPN-501H、502H(商品名;日本化薬社製)、JER 1032H60(商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、JER 157S65,157S70(商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、EPPN-201(商品名;日本化薬社製)、JER152,154(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、EOCN-102S,103S,104S,1020(以上は商品名;日本化薬社製)、セロキサイド2021、EHPE-3150(以上商品名;ダイセル化学工業社製)、デナコールEX-211,212,252,313,314,321,411,421,512,521,611,612,614,614B,622,711,721(以上は商品名;ナガセケムテックス社製)、TEPIC-L,H,S(日産化学工業社製)等が挙げられる。
【0140】
前記エポキシ化合物(H-1)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対し、0.5~300質量部が好ましく、1.0~50質量部がより好ましい。適量配合するとコントラスト比、および耐熱性が向上する。
【0141】
(オキセタン化合物(H-2))
オキセタン化合物(H-2)は、オキセタン基を有する公知の化合物である。オキセタン化合物は、1官能オキセタン化合物、2官能オキセタン化合物、2官能以上のオキセタン化合物が挙げられる。
【0142】
1官能オキセタン化合物は、例えば、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート、 (3-エチルオキセタン-3-イル)メチルメタクリレート、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-メタクリロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-{[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
具体例としては、大阪有機化学工業社製OXE-10,30、東亞合成社製OXT-101,212等が挙げられる。
【0143】
2官能オキセタン化合物は、例えば、4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル-3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-フェノキシメチル)オキセタン、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコースビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
具体例としては、宇部興産社製、OXBP、OXTP、東亞合成社製OXT-121,221等が挙げられる。
【0144】
2官能以上のオキセタン化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE-30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。
【0145】
前記オキセタン化合物(H-2)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量部に対して、0.5~50質量部が好ましく、1~40質量部がより好ましい。オキセタン化合物(G-2)の含有量が、前記の範囲にあると水シミが良好で、かつ耐薬品性が高い優れた塗膜が得られるため好ましい。
【0146】
メラミン化合物とは、メラミン環構造を有する化合物を指す。メラミン化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。本発明において好ましいのは、メチロール型やエーテル型であり、メラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0以上のメラミン化合物である。メラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0未満であると、反応点が少なく、硬化時の架橋構造が十分に密にならないため熱処理工程によるコントラスト比低下抑制やN-メチルピロリドン耐性改善の効果が小さくなる場合がある。
【0147】
市販品は、例えば、二カラックMW-30HM、MW-390、MW-100LM、MX-750LM、MW-30M、MW-30、MW-22、MS-21、MS-11、MW-24X、MS-001、MX-002、MX-730、MX-750、MX-708、MX-706、MX-042、MX-45、MX-500、MX-520、MX-43、MX-417、MX-410(三和ケミカル社製)、サイメル232,235,236,238,285,300,301,303,350,370(日本サイテックインダストリーズ社製)等が挙げられる。
【0148】
これらの中でもメラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0以上である、二カラックMW-30HM、MW-390、MW-100LM、MX-750LM、MW-30M、MW-30、MW-22、MS-21、MS-11、MW-24X、MX-45(三和ケミカル社製)サイメル232,235,236,238,300,301,303,350(日本サイテックインダストリーズ社製)等は、架橋密度を高められる面で好ましい。
【0149】
前記熱硬化性化合物(H)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0150】
本発明の感光性着色組成物には、熱硬化性化合物の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤(硬化促進剤)を併用できる。硬化剤は、例えば、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物等が挙げられる。硬化剤は、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)等が挙げられる。
【0151】
硬化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0152】
前記硬化剤の含有量は、熱硬化性化合物(H)100質量部に対して、0.01~15質量部が好ましい。
【0153】
[チオール系連鎖移動剤(I)]
感光性着色組成物は、チオール系連鎖移動剤(I)を含有できる。チオール系連鎖移動剤は、光重合開始剤と併用すると光照射後のラジカル重合の際、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生し、感光性着色組成物の感度が向上する。
【0154】
チオール系連鎖移動剤は、チオール基(SH基)2以上有る多官能チオールが好ましい。なお、チオール系連鎖移動剤は、SH基を4以上有することがより好ましい。官能基数が増えると被膜の表面から最深部まで光硬化し易くなる。
【0155】
多官能チオールは、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等が挙げられる。
【0156】
前記チオール系連鎖移動剤(I)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0157】
前記チオール系連鎖移動剤(I)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%に対して、1~10質量%が好ましく、2~8質量%がより好ましい。適量含有すると光感度が向上し、被膜表面にシワが発生し難くなる。
【0158】
[重合禁止剤(J)]
感光性着色組成物は、重合禁止剤(J)を含有できる。これによりフォトリソグラフィー法の露光時にマスクの回折光による感光を防止し、良好なパタ-ン形状が得やすくなる。
【0159】
前記重合禁止剤(J)は、例えば、カテコール、レゾルシノール、1,4-ヒドロキノン、2-メチルカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール、4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n-ブチルカテコール、2-t-ブチルカテコール、3-t-ブチルカテコール、4-t-ブチルカテコール、3,5-ジ-t-ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2-メチルレゾルシノール、4-メチルレゾルシノール、2-エチルレゾルシノール、4-エチルレゾルシノール、2-プロピルレゾルシノール、4-プロピルレゾルシノール、2-n-ブチルレゾルシノール、4-n-ブチルレゾルシノール、2-t-ブチルレゾルシノール、4-t-ブチルレゾルシノール等のアルキルレゾルシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロール、フロログルシン等が挙げられる。
【0160】
前記重合禁止剤(J)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%に対して、0.01~0.4質量%が好ましい。適量含有すると良好なパタ-ン形状が得やすくなる。
【0161】
[紫外線吸収剤(K)]
本発明の感光性着色組成物は、紫外線吸収剤(K)を含有できる。紫外線吸収剤(K)は、紫外線吸収機能を有する有機化合物であり、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、サリチル酸エステル系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、及びサリシレート系有機化合物等が挙げられる。
【0162】
ベンゾトリアゾール系化合物は、例えば、2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2-メトキシ-1-メチルエチルアセテ-トと95%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、メチル 3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-p-クレゾール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-t-ブチル-4-メチルフェノール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネート、2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。
【0163】
市販品は、株式会社BASFジャパン社製TINUVIN P、PS、234、326、329、384-2、900、928、99-2、1130、ADEKA社製アデカスタブLA-29、LA-31RG、LA-32、LA-36、ケミプロ化成社製KEMISORB71、73、74、79、279、大塚化学社製RUVA-93等が挙げられる。
【0164】
トリアジン系化合物は、例えば、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
【0165】
市販品は、ケミプロ化成社製KEMISORB 102、BASFジャパン社製TINUVIN 400、405、460、477、479、1577ED、ADEKA社アデカスタブLA-46、LA-F70、サンケミカル社製CYASORB UV-1164等が挙げられる。
【0166】
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、2,4-ジ-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸-3水温、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2,2’-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0167】
市販品は、ケミプロ化成社製KEMISORB 10、11、11S、12、111、シプロ化成社製SEESORB 101、107、ADEKA社製アデカスタブ1413、サンケミカル社製UV-12等が挙げられる。
【0168】
サリチル酸エステル系化合物は、例えば、サリチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サリチル酸p-tertブチルフェニル等が挙げられる。
【0169】
前記紫外線吸収剤(K)の含有量は、光重合開始剤と紫外線吸収剤との合計100質量%中、5~70質量%が好ましい。適量含有すると良好なパタ-ン形状が得やすくなる。
【0170】
[酸化防止剤(L)]
本発明の感光性着色組成物は、酸化防止剤(L)を含有できる。酸化防止剤は、感光性着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニ-ル時の熱工程によって酸化による黄変を防ぎ、被膜の透過率の低下を抑制できる。特に、感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、相対的に光重合性化合物の含有量が減少するため、光重合開始剤の増量や、熱硬化性化合物の配合で対応すると被膜が黄変し易い。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、被膜の透過率の低下を抑制できる。
【0171】
前記酸化防止剤(L)としては、例えば、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、およびヒドロキシルアミン系の化合物が挙げられる。なお、本明細書で酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有しない化合物が好ましい。
【0172】
これらの中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。
【0173】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例えば、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,1,3-トリス-(2’-メチル-4’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)-ブタン、4,4’-ブチリデン-ビス-(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-4-t-ブチル-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、2,2’-メチレンビス(6-t-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-チオジエチルビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)、i-オクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、ビス[3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロピオン酸]エチレンビスオキシビスエチレン、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2,2’-チオ-ビス-(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)、2,5-ジ-t-アミル-ヒドロキノン、2,6-ジ-t-ブチル-4-ノニルフェノール、2,2’-イソブチリデン-ビス-(4,6-ジメチル-フェノール)、2,2’-メチレン-ビス-(6-(1-メチル-シクロヘキシル)-p-クレゾール)、2,4-ジメチル-6-(1-メチル-シクロヘキシル)-フェノール等が挙げられる。
【0174】
市販品は、ADEKA社製アデカスタブAO-20、AO-30、AO-40,AO-50、AO-60、AO-80、AO-330、ケミプロ社製KEMINOX101、179、76、9425、株式会社BASFジャパン社製IRGANOX1010,1035,1076,1098,1135,1330,1726,1425WL,1520L,245,259,3114,5057,565、サンケミカル社製サイアノックスCY-1790、CY-2777等が挙げられる。
【0175】
ヒンダードアミン系酸化防止剤は、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルボネート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールと3,5,5-トリメチルヘキサン酸のエステル、N,N’-4,7-テトラキス〔4,6-ビス{N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル〕-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル,1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジル)[[3,5-ビス(1,1ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジルセバケート、ポリ[[6-モルホリノ-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-C12-21およびC18不飽和脂肪酸エステル、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,6-ヘキサメチレンジアミン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
【0176】
市販品は、ADEKA社製アデカスタブLA-52、LA-57、LA-63P、LA-68、LA-72、LA-77Y、LA-77G、LA-81、LA-82、LA-87、LA-402F、LA-502XP、ケミプロ化成社製KAMISTAB29、62、77、94、BASFジャパン社製Tinuvin249、TINUVIN111FDL、123、144、292、5100、サンケミカル社製サイアソーブUV-3346、UV-3529、UV-3853等が挙げられる。
【0177】
リン系酸化防止剤は、例えば、ジ(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)2-エチルヘキシルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラ(C12~C15アルキル)-4,4’-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4-ビフェニルジフォスホニト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、4,4’-イソプロピリデンジフェノールアルキルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスジノニルフェニルホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラトリデシル4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ソジウム-2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)-ホスファイト、1,3-ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)-ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4-ジt-ブチル-6-メチルフェニル)等が挙げられる。
【0178】
市販品は、ADEKA社製アデカスタブPEP-36、PEP-8、HP-10、2112、1178、1500、C、135A、3010、TPP、BASFジャパン社製IRGAFOS168、クラリアントケミカルズ社製HostanoxP-EPQ等が挙げられる。
【0179】
イオウ系酸化防止剤は、例えば、2,2-ビス{〔3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ〕メチル}プロパン-1,3-ジイルビス〔3-(ドデシルチオ)プロピオネート〕、3,3’-チオビスプロピオン酸ジトリデシル、2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4-ビス〔(オクチルチオ)メチル〕-o-クレゾール、2,4-ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕-o-クレゾール等が挙げられる。
【0180】
市販品は、ADEKA社製アデカスタブAO-412S、AO-503、ケミプロ化成社製KEMINOXPLS等が挙げられる。
【0181】
前記酸化防止剤(L)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0182】
前記酸化防止剤(L)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5~5.0質量%が好ましい。適量含有すると透過率、分光特性、および感度が向上する。
【0183】
[レベリング剤(M)]
本発明の感光性着色組成物には、レベリング剤(M)を含有できる。これにより、被膜形成時の基板に対する濡れ性および被膜の乾燥性がより向上する。レベリング剤(M)は、例えば、シリコ-ン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0184】
シリコーン系界面活性剤は、例えば、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
【0185】
市販品は、ビックケミー社製BYK-300,306,310,313,315N,320,322,323,330,331,333,342,345,346,347,348,349,370,377,378,3455,UV3510,3570、東レ・ダウコーニング社製FZ-7002,2110,2122,2123,2191,5609、信越化学工業社製X-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、KF-354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-4515、KF-6004、KP-341等が挙げられる。
【0186】
フッ素系界面活性剤は、例えば、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤又はレベリング剤が挙げられる。
【0187】
市販品は、AGCセイミケミカル社製サーフロンS-242、S-243、S-420、S-611、S-651、S-386、DIC社製メガファックF-253、F-477、F-551、F-552、F-555、F-558、F-560、F-570、F-575,F-576、R-40-LM、R-41、RS-72-K、DS-21、住友スリーエム社製FC-4430、FC-4432、三菱マテリアル電子化成社製EF-PP31N09、EF-PP33G1、EF-PP32C1、ネオス社製フタージェント602A等が挙げられる。
【0188】
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
【0189】
市販品は、花王社製エマルゲン103,104P,106,108,109P,120,123P,130K,147,150,210P,220,306P,320P,350,404,408,409PV,420,430,705,707,709,1108,1118S-70,1135S-70,1150S-60,2020G-HA,2025G,LS-106,LS-110,LS-114,MS-110,A-60,A-90,B-66,PP-290、ラテムルPD-420,PD-430,PD-430S,PD-450、レオドールSP-L10,SP-P10,SP-S10V,SP-S20,SP-S30V,SP-O10V,SP-O30V、スーパーSP-L10,AS-10V,AO-10V,AO-15V,TW-L120,TW-L106,TW-P120,TW-S120V,TW-S320V,TW-O120V,TW-O106V,TW-IS399C、スーパーTW-L120,430V,440V,460V,MS-50,MS-60,MO-60,MS-165V、エマノーン1112,3199V,3299V,3299RV,4110,CH-25,CH-40,CH-60(K),アミート102,105,105A,302,320、アミノーンPK-02S、L-02、ホモゲノールL-95、ADEKA社製アデカプルロニック(登録商標)L-23,31,44,61,62,64,71,72,101,121、TR-701,702,704,913R、共栄社化学社製(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75,No.90,No.95等が挙げられる。
【0190】
カチオン性界面活性剤は、例えばアルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
【0191】
市販品は、花王社製アセタミン24、コータミン24P、60W、86Pコンク等が挙げられる。
【0192】
アニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
【0193】
市販品は、ネオス社製フタージェント100,150、ADEKA社製アデカホープYES-25、アデカコールTS-230E,PS-440E,EC-8600等が挙げられる。
【0194】
両性界面活性剤は、例えばラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0195】
市販品は、花王社製アンヒトール20AB,20BS,24B,55AB,86B,20Y-B,20N等が挙げられる。
【0196】
前記レベリング剤(M)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0197】
前記レベリング剤(M)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.001~2.0質量%が好ましく、0.005~1.0質量%がより好ましい。この範囲内であることで、感光性着色組成物の塗布性とパタ-ン密着性、透過率のバランスがより向上する。
【0198】
[貯蔵安定剤(N)]
本発明の感光性着色組成物は、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有できる。貯蔵安定剤(N)は、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。前記貯蔵安定剤(N)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましい。
【0199】
[密着向上剤(O)]
本発明の感光性着色組成物は、密着向上剤(O)を含有できる。これにより被膜と基材の密着性がより向上する。また、フォトリソグラフィー法で幅が狭いパタ-ンを形成し易くなる。
【0200】
前記密着向上剤(O)としては、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類などのシランカップリング剤が挙げられる。
【0201】
前記密着向上剤(O)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0202】
前記密着向上剤(O)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.05~5質量部がより好ましい。適量含有すると感光性着色組成物の光感度が向上し、被膜の密着性がより向上し、良好なパターン形状が得られる。
【0203】
[有機溶剤(P)]
本発明の感光性着色組成物は、有機溶剤(P)を含有することが好ましい。有機溶剤(P)は、特に制限はなく、公知のものを使用できる。
【0204】
前記有機溶剤(P)としては、例えば、1,2,3-トリクロロプロパン、1-メトキシ-2-プロパノール、乳酸エチル、1,3-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4-ジオキサン、2-ヘプタノン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3-メトキシブチルアセテート、4-ヘプタノン、m-キシレン、m-ジエチルベンゼン、m-ジクロロベンゼン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、n-ブチルアルコール、n-ブチルベンゼン、n-プロピルアセテート、N-メチルピロリドン、o-キシレン、o-クロロトルエン、o-ジエチルベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p-クロロトルエン、p-ジエチルベンゼン、sec-ブチルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、γ-ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n-アミル、酢酸n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、着色剤の分散性、バインダ樹脂の溶解性の観点から、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類が好ましい。
【0205】
前記有機溶剤(P)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<感光性着色組成物の製造方法>
本発明の感光性着色組成物の製造方法は、特に制限がなく、公知の方法を用いることができる。例えば、着色剤(A)、アルカリ可溶樹脂(B)、および必要に応じて色素誘導体(F)、分散樹脂(G)、有機溶剤(P)を加えて分散処理を行うことで、分散体を作製する。その後、前記分散体に、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、および必要に応じて上述の成分を加えて混合することで製造することができる。
【0206】
分散処理の行うための分散機としては、特に制限がなく、公知の分散機を用いることができる。例えば、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等が挙げられる。
【0207】
前記分散体中の着色剤(A)の平均分散粒子径(二次粒子径)は、30~200nmが好ましく、40~200nmがより好ましい。この範囲であると、分散安定性が高い感光性着色組成物が得ることができ、それを用いてカラーフィルタを作成すると高品質なカラーフィルタとなる。
【0208】
平均分散粒子径(二次粒子径)の測定方法は、例えば、動的光散乱法(FFTパワースペクトル法)を採用した日機装社のマイクロトラックUPA‐EX150を用い、粒子透過性を吸収モード、粒子形状を非球形とし、D50を平均径とすることが挙げられる。測定用の希釈溶剤は分散に使用した有機溶剤をそれぞれ用い、超音波で処理したサンプルについてサンプル調整直後に測定するとバラツキが少ない結果が得られやすく好ましい。
【0209】
本発明の感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。本発明の感光性着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下である。
【0210】
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、基板、および感光性着色組成物から形成されるフィルタセグメントを備える。カラーフィルタセグメントは、使用する着色剤(A)の種類を適宜選択することで、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを有することが好ましい。また、カラーフィルタは、前記カラーフィルタセグメントに代えてまたは加え、マゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、イエロー色フィルタセグメントを有することができる。
基板は、透明基板、および反射基板が挙げられる。透明基板は、例えば、ガラス基板が挙げられる。反射基材は、例えばアルミ電極や金属薄膜を反射面として使用する基板が挙げられる。
【0211】
[カラーフィルタの製造方法]
本発明のカラーフィルタは、基板上に本発明の感光性着色組成物を塗布し着色層を形成する工程と、前記着色層に、マスクを介してパターン状に露光する工程と、未露光部分を現像除去し着色パターンを形成する工程により得ることができる。
さらに、必要に応じて、前記着色層を乾燥する工程(プリベーク工程)、および前記着色パターンを熱硬化させる工程(ポストベーク)を設けてもよい。
【0212】
以下に、本発明のカラーフィルタの製造方法について詳細に説明する。
【0213】
(着色層を形成する工程)
着色層を形成する工程は、本発明の感光性着色組成物を基板上に回転塗布、ロール塗布、スリット塗布、流延塗布、インクジェット塗布等の塗布方法により塗布し、必要に応じてオーブン、ホットプレート等を用いて、50~120℃の温度で10~120秒乾燥(プリベーク)する。
【0214】
(パターン状に露光する工程)
露光工程では、着色層を形成する工程で形成された層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、マスクを介して特定のパターンを露光する。これにより硬化膜が得られる。
露光に用いることができる放射線は、例えば、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
【0215】
硬化膜の膜厚は、1.0μm以下であることが好ましく、0.2~0.8μmであることがより好ましく、0.2~0.6μmであることが特に好ましい。
【0216】
(現像工程)
アルカリ現像処理を行うことで、露光工程における未照射部分の着色層がアルカリ水溶液に溶出し、硬化部分のみが残る。
現像液は、例えば、特に制限がなく公知のものを用いることができる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム, 硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1 ,8-ジアザビシクロ-〔5 .4 .0 〕-7-ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001~10質量% 、好ましくは0.01~1質量% となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ現像液は、アルカリ濃度を好ましくはpH11~13 、さらに好ましくはpH11.5~~12.5 となるように調整したアルカリ性水溶液を使用することが好ましく、アルカリ濃度が前記範囲内であると、パターンの荒れや剥離をより効果的に抑制することができ、残膜率をより向上させることができ、また、現像速度の低下や現像残渣の発生をより効果的に抑制することができる。
【0217】
現像方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、ディップ法、スプレー法、パドル法等があり、温度は15~40℃ が好ましい。アルカリ現像後は、純水で洗浄することが好ましい。
【0218】
次いで、乾燥を施した後、硬化膜を十分に硬化させるために加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。ポストベークの加熱温度は、100~300℃ が好ましく、150~250℃ がさらに好ましい。また、加熱時間は、2分間~ 1時間程度が好ましく、3分間~30分間程度がより好ましい。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、本発明のカラーフィルタを備える。
本発明の画像表示装置の構成は、画像表示装置として機能すればよく限定されない。また、本発明のカラーフィルタは、画像表示装置以外に固体撮像素子等にも使用することができる。
【0219】
(液晶表示装置)
本発明のカラーフィルタを備えた画像表示装置の例として、液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと、光源とを具備する。光源としては、冷陰極管(CCFL),白色LEDが挙げられるが、本発明においては赤の再現領域が広がるという点で、白色LEDを使用することが好ましい。
図1は、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置10の概略断面図である。
図1に示す装置10は、離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶LCが封入されている。
【0220】
第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスター)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
【0221】
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
【0222】
カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。
【0223】
また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、バックライトユニット30が設けられている。
【0224】
液晶LCは、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In‐Plane スイッチング)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等の駆動モードに応じて配向される。第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスター)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
【0225】
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
【0226】
カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。
【0227】
また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、バックライトユニット30が設けられている。
【0228】
白色LED光源としては、青色LEDの表面に蛍光フィルタを形成したものや、青色LEDの樹脂パッケージに蛍光体を含有させたものがあり、430nm~485nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ3)を有し、530nm~580nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ4)を有し、600nm~650nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ5)を有し、かつ波長λ3における発光強度I3と波長λ4における発光強度I4の比(I4/I3)が0.2以上0.4以下であり、波長λ3における発光強度I3と波長λ5における発光強度I5の比(I5/I3)が0.1以上1.3以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED1)や、430nm~485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長(λ1)を有し、530nm~580nmの範囲内に第2の発光強度のピーク波長(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.2以上0.7以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED2)が好ましい。
【0229】
LED1としては、具体的にはNSSW306D-HG-V1(日亜化学社製)、NSSW304D-HG-V1(日亜化学社製)等が挙げられる。
【0230】
LED2としては、具体的にはNSSW440(日亜化学社製)、NSSW304D(日亜化学社製)等が挙げられる。
【実施例】
【0231】
以下に実施例、および比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
【0232】
実施例に先立ち、各測定方法について説明する。
【0233】
樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、酸価(mgKOH/g)、アミン価(mgKOH/g)は以下の通りである。
【0234】
(アルカリ可溶性樹脂、および分散樹脂の平均分子量)
アルカリ可溶性樹脂、および分散樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK-GEL SUPER HZM-N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1wt%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットル注入した。分子量は、ポリスチレン換算値である。
【0235】
(アルカリ可溶性樹脂、および分散樹脂の酸価)
アルカリ可溶性樹脂、および分散樹脂溶液0.5~1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM-555」平沼産業社製)を用いて滴定し、酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。
【0236】
(塩基性分散樹脂のアミン価)
塩基性分散樹脂のアミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
【0237】
<着色剤(A)の製造例>
(微細化した青色顔料(A-1))
銅フタロシアニン系青色顔料C.I.Pigment Blue15:6(トーヨーカラー株式会社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩1,000部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、50℃で12時間混練した。この混合物を温水3,000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化した青色顔料(A-1)を得た。
【0238】
(微細化した紫色顔料(A-2))
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメントバイオレット 23(トーヨーカラー株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1,400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次に、この混練物を8,000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム、およびジエチレングリコールを除いた後、85℃で24時間乾燥し、微細化した紫色顔料(A-2)を得た。
【0239】
(染料(A-3))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1とからなる造塩化合物である染料(A-3)を製造した。
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n-ブチルメタクリレート28.0部、2-エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、不揮発分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6,830であることを確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47質量%のアンモニウム基を有する側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
次に、水2,000部に不揮発分換算で30部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分間攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物である染料(A-3)を得た。このとき染料(A-3)中のC.I.アシッド レッド 52に由来する成分の含有量は25質量%であった。
【0240】
<分散樹脂(G)の製造例>
(分散樹脂(G-1)溶液)
ガス導入管、温度、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i-ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部、プロピレングリコールモノメチルアセテート(以下、PGMAcともいう)50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をPGMAc90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、PGMAc50部、シクロヘキサノン50部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、不揮発分測定で不揮発分30%となるようPGMAcを加えて希釈し、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量8,500の分散樹脂(G-1)溶液を得た。
【0241】
<アルカリ可溶性樹脂(B)の製造例>
(アルカリ可溶性樹脂(B-1)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n-ブチルメタクリレート37.2部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにPGMAcを添加してアルカリ可溶性樹脂(B-1)溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は26,000であった。
【0242】
(アルカリ可溶性樹脂(B-2)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'-アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアルカリ可溶性樹脂(B-2)溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は18,000であった。
【0243】
(アルカリ可溶性樹脂(B-3)溶液)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2'-アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(グリシジル基の100%)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け不揮発分酸価0.5となったところで反応を終了し、アクリル樹脂の溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100%)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してアルカリ可溶性樹脂(B-3)溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は19,000であった。
【0244】
(アルカリ可溶性樹脂(B-4)溶液)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート40部、メタクリル酸40部、メタクリル酸メチル120部、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート( 日本油脂製「パーブチルO 」)4部、PGMAc40部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n-ドデカンチオール8部、PGMAc32部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMAc395部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃ まで昇温した。反応槽の温度が90℃ に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃ に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110 ℃ にした。3時間110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(体積比)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル70部、2,2’-メチレンビス(4-メチルー6-t-ブチルフェノール)0.4部、トリエチルアミン0.8部を仕込み、そのまま110℃ で12時間反応させた。その後、PGMAc150部を加えて室温まで冷却し、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してアルカリ可溶性樹脂(B-4)溶液を得た。樹脂の重量平均分子量は18,000 、不揮発分当たりの酸価は2mgKOH/gであった。
【0245】
<分散体の製造>
(分散体1)
下記の原料を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、分散体1を作製した。
微細化した青色顔料(A-1) :9.05質量部
微細化した紫色顔料(A-2) :0.31質量部
染料(A-3) :4.16質量部
色素誘導体(F-1) :1.04質量部
分散樹脂(G-1)溶液 :3.47質量部
アルカリ可溶樹脂(B-1)溶液 :2.00質量部
有機溶剤(P-1) :79.97質量部
【0246】
色素誘導体(F-1):下記構造
【化17】
pcは、フタロシアニン骨格を表す。
有機溶剤(P-1):PGMAc
【0247】
<感光性着色組成物の製造>
[実施例1]
(感光性着色組成物1)
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物1を得た。
分散体1 :28.0質量部
アルカリ可溶性樹脂(B) :10.0質量部
重合性化合物(C-1-2) :3.0質量部
重合性化合物(C-2-1) :3.5質量部
光重合開始剤(D-1-1) :0.7質量部
光重合開始剤(D-2-1) :0.3質量部
酸化防止剤(L) :0.3質量部
レベリング剤(M) :1.0質量部
密着向上剤(O) :0.15質量部
溶剤(P) :53.05質量部
【0248】
[実施例2~33、比較例1~5]
(感光性着色組成物2~38)
実施例1の感光性着色組成物1を、表1に記載した原料、量に変えた以外は、実施例1と同様にして感光性着色組成物2~38を作製した。
【0249】
【0250】
【0251】
なお、それぞれの原料については、以下の通りである。
【0252】
[アルカリ可溶性樹脂(B)溶液]
前記アルカリ可溶性樹脂(B-2)~(B-4)溶液をそれぞれ同量にて混合し、アルカリ可溶性樹脂(B)溶液とした。
【0253】
[重合性化合物(C)]
(カプロラクトン構造を有する重合性化合物(C-1))
C-1-1:KAYARAD DPCA-20(日本化薬社製)
C-1-2:KAYARAD DPCA-30(日本化薬社製)
C-1-3:KAYARAD DPCA-60(日本化薬社製)
(酸基を有する重合性化合物(C-2))
C-2-1:アロニックスM-520(東亞合成社製)
(その他の重合性化合物(C-3))
C-3-1:アロニックスM-402(東亞合成社製)
【0254】
[光重合開始剤(D)]
(光重合開始剤(D-1))
D-1-1:上述の化学式(1)の化合物
D-1-2:上述の化学式(2)の化合物
D-1-3:上述の化学式(3)の化合物
D-1-4:上述の化学式(4)の化合物
D-1-5:上述の化学式(5)の化合物
D-1-6:上述の化学式(6)の化合物
【0255】
(光重合開始剤(D-2))
D-2-1:上述の化学式(7)の化合物
D-2-2:上述の化学式(8)の化合物
D-2-3:上述の化学式(9)の化合物
D-2-4:上述の化学式(10)の化合物
D-2-5:上述の化学式(11)の化合物
【0256】
(光重合開始剤(D-3))
D-3-1:「Omnirad 369」(IGM Resins社製、アセトフェノン系化合物)
D-3-2:「Omnirad TPO」(IGM Resins社製、アシルホスフィンオキサイド系化合物)
D-3-3:2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール(イミダゾール系化合物)
D-3-4:イルガキュアOXE01(BASFジャパン社製、オキシム系化合物)
D-3-5:イルガキュアOXE02(BASFジャパン社製、オキシム系化合物)
D-3-6:イルガキュアOXE04(BASFジャパン社製、オキシム系化合物)
【0257】
[増感剤(E)]
E-1-1:カヤキュアDETX-S(日本化薬社製、チオキサントン系化合物)
E-2-1:CHEMARK DEABP(Chemark Chemical社製、ベンゾフェノン系化合物)
【0258】
(酸化防止剤(L))
L-1:イルガノックス1010(BASFジャパン社製、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
L-2:アデカスタブ2112(ADEKA社製,リン系酸化防止剤)
以上、酸化防止剤(L-1)と(L-2)をそれぞれ同量にて混合し、酸化防止剤(L)とした。
【0259】
(レベリング剤(M))
ビックケミー社製「BYK-330 」2部をPGMAc98部に溶解させた溶液。
【0260】
(密着向上剤(O))
O-1:シランカップリング剤KBM-403(信越化学工業社製)
O-2:シランカップリング剤KBE-503(信越化学工業社製)
以上、密着向上剤(O-1)と(O-2)をそれぞれ同量にて混合し、密着向上剤(O)とした。
【0261】
<感光性着色組成物の評価>
得られた感光性着色組成物について、水しみ評価、並びにパターン形状評価として、直線性評価、断面形状評価、および残膜率評価を下記の方法で行った。評価結果を表1に示す。
【0262】
[パターン作成]
得られた感光性着色組成物をスピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に塗工した後、クリーンオーブン中70℃で15分間加温して溶剤を除去し、約2μmの被膜を得た。次いで、この基板を室温に冷却後、高圧水銀灯を用い、100μm幅(ピッチ200μm)および10μm幅(ピッチ20μm)ストライプパターンのフォトマスクを介して照度20mW/cm2、50mJ/cm2で露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱した。スプレー現像は、それぞれの感光性着色組成物での被膜について、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行い、これを適正現像時間とした。
【0263】
(パターン形状評価1:直線性評価)
上記方法で作成されたパタ-ンについて、Nikon社製ECLIPSE LV100POL Model光学顕微鏡を用いて、10箇所のストライプパターンの線幅の最大と最小部分を測定しその平均を求めることで評価を行った。3以上を実用可能とする。
5:線幅の最大値と最小値の差が0.5μm未満
4:線幅の最大値と最小値の差が0.5μm以上1.5μm未満
3:線幅の最大値と最小値の差が1.5μm以上2.5m未満
2:線幅の最大値と最小値の差が2.5μm以上3.5μm未満
1:線幅の最大値と最小値の差が3.5m以上
【0264】
(パターン形状評価2:断面形状評価)
上記方法で作成されたパタ-ンについて、走査型電子顕微鏡(日立ハイテック社製「S-3000H」)にてパターン形状を確認した。評価は、幅100μmのストライプ型パターンの断面のSEM画像を取り込み、基材とパターン断面の端部とのテーパー角度を測定することで断面形状評価を行った。3以上を実用可能とする。
5:テーパー角度30度以上50度未満
4:テーパー角度50度以上60度未満
3:テーパー角度30度未満もしくは60度以上70度未満
2:テーパー角度70度以上90度未満
1:テーパー角度90度以上
【0265】
(残膜率評価)
上記パタ-ン作成時において、スプレー現像、イオン交換水で洗浄し風乾後の塗膜の膜厚を測定した。この膜厚を現像後膜厚とする。その後、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱し、現像後膜厚を測定した同じ場所の膜厚を測定した。この膜厚をベーク後膜厚とする。2つの膜厚から下記数式により残膜率を算出した。3以上を実用可能とする。なお、膜厚は、Dektak 3030(日本真空技術社製)を用いて行った。
数式:残膜率(%)=ベーク後膜厚÷現像後膜厚×100
5:残膜率90%以上
4:残膜率85%以上90%未満
3:残膜率80%以上85%未満
2:残膜率75%以上80%未満
1:残膜率75%未満
【0266】
(水しみ評価)
得られた感光性着色組成物について、縦100mm×横100mm、0.7mmのガラス基板(コーニング社製イーグル2000)上に塗布し、ホットプレート(アズワン社製「EC-1200N(商品名)」)を用いて95℃で2分間プリベークし、膜厚3.4μmの被膜を得た。次いで100μm幅のストライプパターンを有するマスクを通して高圧水銀灯を用いて照度20mW/cm2、40mJ/cm2の条件下にて紫外線露光を行った。その後、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液に、23℃で40秒間浸漬して現像し、純水で洗浄した。得られたパターンをNikon社製ECLIPSE LV100POL Model光学顕微鏡を用いて、パターンの表面を観察し、変色している部分の度合いを評価した。3以上を実用可能とする。
5:水しみがなかった。
4:水しみがあるが、全体の10%未満であった。
3:水しみが全体の10%以上20%未満であった。
2:水しみが全体の20%以上30%未満であった。
1:水しみが全体の30%以上であった。
【符号の説明】
【0267】
10 液晶表示装置
11 透明基板
12 TFTアレイ
13 透明電極層
14 配向層
15 偏光板
21 透明基板
22 カラーフィルタ
23 透明電極層
24 配向層
25 偏光板
30 バックライトユニット
31 白色LED光源
LC 液晶