(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】ログ生成装置、ログ生成方法及びログ生成プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/49 20140101AFI20240827BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240827BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20240827BHJP
A63F 13/833 20140101ALI20240827BHJP
A63F 13/497 20140101ALI20240827BHJP
【FI】
A63F13/49
A63F13/53
A63F13/80 E
A63F13/833
A63F13/497
(21)【出願番号】P 2020117895
(22)【出願日】2020-07-08
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 愛美
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 友洋
(72)【発明者】
【氏名】南澤 沙良
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祐太郎
(72)【発明者】
【氏名】武田 真衣
(72)【発明者】
【氏名】有馬 和宏
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 俊平
(72)【発明者】
【氏名】王 林
(72)【発明者】
【氏名】村澤 昂樹
(72)【発明者】
【氏名】久徳 晃史
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼村 竜哉
(72)【発明者】
【氏名】江 龍
(72)【発明者】
【氏名】紙徳 直生
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-336283(JP,A)
【文献】特開2017-188833(JP,A)
【文献】特開2019-013349(JP,A)
【文献】特開2018-108191(JP,A)
【文献】深層学習によるAI実況プレイ動画生成:プロジェクト評価書,2018年度未踏IT人材発掘・育成事業プロジェクト成果,2019年04月19日,インターネット<URL:https://www.ipa.go.jp/archive/files/000073231.pdf, リンク元URL:https://www.ipa.go.jp/archive/jinzai/mitou/it/2018/seika.html>,[2024年3月1日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム映像を取得する取得部と、
ゲームの画面レイアウトのパーツごとに前記パーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定データにしたがって前記パーツに対応する前記ゲーム映像の領域に前記画像処理を適用する画像処理部と、
前記画像処理の結果から前記ゲームに関するログデータを生成するログ生成部と、
前記ログデータを用いて前記ゲームの進行状況を示す表示を行う表示制御部と、
を有し、
前記ログ生成部は、所定のフレーム数ごとまたは所定の期間ごとに前記ゲーム映像上で常時表示されるパーツに対する画像処理の結果から前記ログデータを生成し、
前記表示制御部は、前記ログデータから前記ゲームの戦況の時系列変化を表示する
、
ログ生成装置。
【請求項2】
ゲーム映像を取得する取得部と、
ゲームの画面レイアウトのパーツごとに前記パーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定データにしたがって前記パーツに対応する前記ゲーム映像の領域に前記画像処理を適用する画像処理部と、
前記画像処理の結果から前記ゲームに関するログデータを生成するログ生成部と、
前記ログデータを用いて前記ゲームの進行状況を示す表示を行う表示制御部と、
を有し、
前記表示制御部は、前記ゲームの戦況の時系列変化を複数のチームごとに表示する
、
ログ生成装置。
【請求項3】
前記設定データは、前記パーツが前記ゲーム映像上で常時表示されるか否かの選択肢、前記パーツが前記ゲーム映像中で表示される座標が固定されるか否かの選択肢、および、前記パーツが文字列、オブジェクトまたは領域のいずれを認識対象とするかの選択肢の組合せによる分類と、各画像処理に定義された分類との一致度に基づいて設定される請求項
1または2に記載のログ生成装置。
【請求項4】
前記ログデータは、落ち物パズルにおける操作ピース数および前記操作ピース数に特殊ピースが足し合わされた合計ピース数を含み、
前記ゲームの戦況の時系列変化は、前記合計ピース数に対する前記操作ピース数の割合である請求項
1または2に記載のログ生成装置。
【請求項5】
前記ログデータは、格闘ゲームにおける体力ゲージの面積および残量ゲージの面積を含み、
前記ゲームの戦況の時系列変化は、前記体力ゲージの面積に対する前記残量ゲージの面積の割合である請求項
1または2に記載のログ生成装置。
【請求項6】
前記ログ生成部は、前記画像処理の結果として前記ゲーム映像上で常時表示されないパーツの表示が検知された場合、検知されたタイミングに対応するハイライトシーンの動画を前記ログデータとして生成し、
前記表示制御部は、前記ハイライトシーンの動画を再生する請求項
1~5のいずれか1つに記載のログ生成装置。
【請求項7】
ゲーム映像を取得し、
ゲームの画面レイアウトのパーツごとに前記パーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定データにしたがって前記パーツに対応する前記ゲーム映像の領域に前記画像処理を適用し、
前記画像処理の結果から前記ゲームに関するログデータを生成
し、
前記ログデータを用いて前記ゲームの進行状況を示す表示を行う、
処理をコンピュータが実行
し、
前記生成する処理は、所定のフレーム数ごとまたは所定の期間ごとに前記ゲーム映像上で常時表示されるパーツに対する画像処理の結果から前記ログデータを生成する処理を含み、
前記表示を行う処理は、前記ログデータから前記ゲームの戦況の時系列変化を表示する処理を含む、
ログ生成方法。
【請求項8】
ゲーム映像を取得し、
ゲームの画面レイアウトのパーツごとに前記パーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定データにしたがって前記パーツに対応する前記ゲーム映像の領域に前記画像処理を適用し、
前記画像処理の結果から前記ゲームに関するログデータを生成
し、
前記ログデータを用いて前記ゲームの進行状況を示す表示を行う、
処理をコンピュータが実行
し、
前記表示を行う処理は、前記ゲームの戦況の時系列変化を複数のチームごとに表示する処理を含む、
ログ生成方法。
【請求項9】
ゲーム映像を取得し、
ゲームの画面レイアウトのパーツごとに前記パーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定データにしたがって前記パーツに対応する前記ゲーム映像の領域に前記画像処理を適用し、
前記画像処理の結果から前記ゲームに関するログデータを生成
し、
前記ログデータを用いて前記ゲームの進行状況を示す表示を行う、
処理をコンピュータに実行させ
、
前記生成する処理は、所定のフレーム数ごとまたは所定の期間ごとに前記ゲーム映像上で常時表示されるパーツに対する画像処理の結果から前記ログデータを生成する処理を含み、
前記表示を行う処理は、前記ログデータから前記ゲームの戦況の時系列変化を表示する処理を含む、
ログ生成プログラム。
【請求項10】
ゲーム映像を取得し、
ゲームの画面レイアウトのパーツごとに前記パーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定データにしたがって前記パーツに対応する前記ゲーム映像の領域に前記画像処理を適用し、
前記画像処理の結果から前記ゲームに関するログデータを生成
し、
前記ログデータを用いて前記ゲームの進行状況を示す表示を行う、
処理をコンピュータに実行させ
、
前記表示を行う処理は、前記ゲームの戦況の時系列変化を複数のチームごとに表示する処理を含む、
ログ生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ログ生成装置、ログ生成方法及びログ生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームの実況解説に関する技術の1つとして、ゲーム機から出力される、ゲームの中で起こった事象の内容及び時間を示すゲームデータを実況用コンテンツを含む実況用画面の生成に用いるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術では、ゲーム機からゲームデータが得られない場合に実況用画面が生成できないので、ゲーム観戦の盛り上がりがゲーム機に依存するという一面がある。
【0005】
1つの側面では、本発明は、ゲーム映像からログデータを生成できるログ生成装置、ログ生成方法及びログ生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様のログ生成装置は、ゲーム映像を取得する取得部と、ゲームの画面レイアウトのパーツごとに前記パーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定データにしたがって前記パーツに対応する前記ゲーム映像の領域に前記画像処理を適用する画像処理部と、前記画像処理の結果から前記ゲームに関するログデータを生成するログ生成部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
ゲーム映像からログデータを生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施例1に係る情報処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、スクリーンのレイアウトの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、画像処理リストの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、チームスクリーンの表示例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施例1に係るログ生成処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施例1に係る表示制御処理の手順を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、チームスクリーンの表示例を示す図である。
【
図12】
図12は、チームスクリーンの表示例を示す図である。
【
図13】
図13は、チームスクリーンの表示例を示す図である。
【
図14】
図14は、ハイライトシーンの配信方法の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、コンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して本願に係るログ生成装置、ログ生成方法及びログ生成プログラムについて説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0010】
[システム構成]
図1は、実施例1に係る情報処理装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す情報処理装置10は、対戦型のスポーツ、例えばeスポーツ(electronic sports)の観戦を支援する観戦支援機能を有するものである。
【0011】
情報処理装置10は、上記の観戦支援機能を提供するコンピュータの一例である。一実施形態として、情報処理装置10は、パッケージソフトウェア又はオンラインソフトウェアとして、上記の観戦支援機能を実現する観戦支援プログラムを任意のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、情報処理装置10は、上記の観戦支援機能をオンプレミスに提供するサーバとして実装することができる。この場合、情報処理装置10は、必ずしも対戦スポーツの試合会場の外部に設けずともよく、対戦スポーツの試合会場の現場に設置される情報システム、例えば映像システム20等の一部に組み込まれることとしてもかまわない。これに限定されず、情報処理装置10は、SaaS(Software as a Service)型のアプリケーションとして実装することで、上記の観戦支援機能をクラウドサービスとして提供することとしてもよい。
【0012】
図1に示すように、情報処理装置10には、映像システム20が接続され得る。これら情報処理装置10及び映像システム20は、任意のネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、有線または無線を問わず、インターネットやLAN(Local Area Network)などの任意の種類の通信網であってよい。
【0013】
映像システム20は、eスポーツのゲーム映像などを表示するシステムである。例えば、映像システム20には、
図1に示すように、ゲーム装置21と、キャプチャ装置23と、表示装置25とが含まれ得る。
【0014】
ゲーム装置21は、コンピュータゲームのソフトウェアが実行されるコンピュータである。例えば、ゲーム装置21には、プレイヤによって操作されるコントローラ等の操作装置やプレイヤのゲーム映像が表示されるプレイヤ用の表示装置(不図示)などが接続され得る。ここで言う「ゲーム装置」とは、コンピュータゲームのソフトウェアが実行されるという側面から付与されたラベルであり、そのハードウェア構成や導入されるソフトウェアの種類は限定されず、任意の種類のコンピュータであってかまわない。また、「コンピュータゲーム」は、コンシューマまたはアーケードの種別を問わず、任意のタイトルやジャンルであってかまわない。その上で例を挙げれば、ファーストパーソンシューティングやサードパーソンシューティング、リアルタイムストラテジ、マルチプレイオンラインバトルアリーナ、パズルゲーム、陣取りゲーム、格闘ゲーム、スポーツゲームなどが挙げられる。このようなゲーム装置21が出力するゲーム映像は、キャプチャ装置23へ入力される。
【0015】
キャプチャ装置23は、ゲーム装置21により出力されたゲーム映像をキャプチャする装置の一例である。例えば、キャプチャ装置23は、キャプチャボード等により実現される。このようにキャプチャ装置23により取り込まれたゲーム映像は、ネットワークNWを介して情報処理装置10へ伝送される。
【0016】
なお、キャプチャ装置23には、対戦チーム、あるいは同一のチームに属するプレイヤの間でゲーム映像の視点が異なるゲームタイトルが実行される場合、後述の表示装置25が所定のスクリーンに表示する映像を切り替えるスイッチャを接続することもできる。このようなスイッチャにより、ゲーム装置21により出力されるプレイヤ視点のゲーム映像やゲーム上のフィールドやマップを上方向から俯瞰する俯瞰視点のゲーム映像のうち、図示しないコントロールパネルを介して選択されるゲーム映像を表示装置25に出力することもできる。
【0017】
表示装置25は、所定のスクリーンに映像を表示する装置である。あくまで一例として、表示装置25には、発光により表示を実現する液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを採用することができる。他の一例として、表示装置25には、投影により表示を実現するプロジェクタを採用することもできる。このようにプロジェクタが採用される場合、専用のスクリーンを用いることもできれば、壁や床などの平面をスクリーンとして用いることもできる。例えば、表示装置25は、ゲーム装置21から入力されるライブのゲーム映像を所定のスクリーンに表示する。この他、表示装置25は、ゲームの戦況やハイライトなどを所定のスクリーンに表示させることもできる。
【0018】
[表示制御機能]
このような映像システム20では、ノンプレイヤやライトファンの観戦ハードルを下げる側面から、ゲームの戦況やハイライトなどのタイムライン表示が対戦チームまたは個人の対戦者ごとに行われる。
【0019】
あくまで一例として、eスポーツを例に挙げれば、eスポーツの大会等は、コアプレイヤやコアファンなどの参加が多数である側面がある。コアプレイヤやコアファンは、eスポーツの試合に対する知識レベルが高い。その一方で、ノンプレイヤやライトファンには、コアプレイヤやコアファンほどの知識レベルはない。しかしながら、コンシューマ向けのゲームの普及が進む現状、ノンプレイヤやライトファンは、潜在的なeスポーツの観戦者となり得る。このようなノンプレイヤやライトファンにとって、コアプレイヤやコアファンとの知識レベルのギャップが観戦ハードルを高める一因となっている。
【0020】
例えば、ノンプレイヤやライトファンは、必ずしも各チームのプレイヤが使用するアバター等に関する知識を持っているとは限らない。それ故、戦況やハイライトシーンなどの表示が行われたとしても、観戦者が応援するチームのものであるのか、あるいは観戦者が応援するチームと対戦中のチームのものであるのかを把握するのは困難である。このように、観戦者が応援するチームのものが表示されているのか、あるいは対戦中のチームのものが表示されているのかも分からない状況では、スポーツ観戦の面白さが観戦者に伝わりづらい。このため、コアプレイヤやコアファンと一体となってスポーツ観戦を楽しむことができず、観戦ハードルを高める一因となっている。
【0021】
このような側面から、映像システム20では、ゲームの戦況やハイライトなどのタイムライン表示が対戦チームごとに行われる。
【0022】
図2は、スクリーンのレイアウトの一例を示す図である。
図2には、各チーム4人制のAチーム及びBチームの計2チームでeスポーツの対戦が行われる場合のスクリーンのレイアウトが示されている。なお、
図2には、あくまで一例として、eスポーツが4vs4のチーム戦である例を挙げるが、チームの構成人数は任意の人数であってよく、1vs1の個人戦のeスポーツが実施される場合にも同様のスクリーンの表示を適用できる。
【0023】
図2に示すように、eスポーツの会場に設置される映像システム20には、Aチームの4人のプレイヤPA1~PA4が使用するゲーム装置21
PA1~21
PA4と、Bチームの4人のプレイヤPB1~PB4が使用するゲーム装置21
PB1~21
PB4とが含まれる。さらに、映像システム20には、表示装置25により映像が表示される表示領域の一例として、メインスクリーン250の左右に、チームスクリーン251Aと、チームスクリーン251Bとが配置される。以下、チームスクリーン251Aおよびチームスクリーン251Bのラベルを区別しない場合に「チームスクリーン251」と記載する場合がある。
【0024】
これらメインスクリーン250、チームスクリーン251A及びチームスクリーン251Bは、3つのディスプレイを割り当てることによって実装したり、1つのディスプレイが3つに分割された表示領域を割り当てることによって実装したりすることができる。また、複数のディスプレイを結合することによってメインスクリーン250、チームスクリーン251Aまたはチームスクリーン251Bなどの表示領域を形成することもできる。この他、プロジェクションによる表示が行われる場合、eスポーツの会場の一部、例えば壁面をメインスクリーン250、チームスクリーン251Aまたはチームスクリーン251Bとして割り当てることもできる。
【0025】
メインスクリーン250には、ライブのゲーム映像が表示される。例えば、メインスクリーン250に表示されるゲーム映像は、図示しないスイッチャにより切り替えられる。
図2に示す例で言えば、ゲーム装置21
PA1~21
PA4及びゲーム装置21
PB1~21
PB4から入力されるプレイヤPA1~PA4視点およびプレイヤPB1~PB4視点のゲーム映像がスイッチャへ入力される。この場合、スイッチャでは、プレイヤPA1~PA4視点およびプレイヤPB1~PB4視点と、ゲーム上のフィールドが上方向から俯瞰された俯瞰視点との中から1つの視点が図示しないコントロールパネルを介して選択される。このような選択操作は、あくまで一例として、スイッチャと呼ばれるスタッフ、あるいは実況や解説者によって行われる。
【0026】
また、チームスクリーン251は、複数のチームそれぞれに割り当てられた表示領域であって、互いに重複しない表示領域の一例に対応する。例えば、チームスクリーン251Aには、ゲーム映像のうちAチームの戦況やハイライトが表示される。さらに、チームスクリーン251Bには、ゲーム映像のうちBチームの戦況やハイライトが表示される。以下、チームスクリーン251Aやチームスクリーン251Bにクリップされるハイライトシーンの動画のことを「クリップ」と記載する場合がある。
【0027】
このように、本実施例に係る観戦支援機能には、チームごとに割り当てられたスクリーンに、各チームの戦況やハイライトを整理して表示する表示制御機能がパッケージ化される。このような表示制御機能によって、観戦者が応援するチームの戦況やハイライトが表示されているのか、あるいは対戦中のチームの戦況やハイライトが表示されているのかを識別させることができる。それ故、本実施例に係る表示制御機能によれば、観戦者にとって、対戦中の複数チームそれぞれの戦況やハイライトを把握し易くできる。
【0028】
さらに、本実施例に係る表示制御機能では、チームスクリーン251にゲームにおける有利または不利の程度を表す戦況グラフや複数のクリップを時系列に並べて配置するタイムライン表示が行われる。例えば、チームスクリーン251A及びチームスクリーン250Bでは、戦況グラフのメインスクリーン250側にゲーム映像の最新フレームに対応する戦況を追加すると共に戦況グラフ全体をメインスクリーン250から遠ざかる側へシフトする更新が行われる。さらに、チームスクリーン251A及びチームスクリーン250Bでは、クリップの抽出時に当該クリップがメインスクリーン250側に追加されると共に配置済みのクリップがメインスクリーン250から遠ざかる側へシフトする更新が行われる。
【0029】
このように、チームスクリーン251に、チームごとの戦況グラフやクリップを時系列に配置するので、eスポーツにおけるゲームの戦況や見どころを時系列に把握しやすくできる。
【0030】
[課題の一側面]
上記の戦況グラフやクリップ等の表示制御機能は、ゲームのログデータがあって始めて機能する。それ故、上記の背景技術の欄で挙げた技術のように、ゲームデータの供給をゲーム機に依存したのでは、ノンプレイヤやライトファンの観戦を支援できる場面が限定されてしまう側面がある。
【0031】
[課題解決のアプローチの一側面]
そこで、本実施例では、ゲームの画面レイアウトのパーツごとにパーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定にしたがってゲーム映像内の各領域に適用された画像処理結果からゲームの戦況やハイライトの表示に用いるログを生成するログ生成機能を実装する。このようなログ生成機能を観戦支援機能にパッケージすることにより、ゲーム機からのデータ供給に依存しない観戦支援を実現する。
【0032】
[情報処理装置10の構成]
次に、本実施例に係る情報処理装置10の機能的構成の一例について説明する。
図1に示すように、情報処理装置10は、通信インタフェイス11と、記憶部13と、制御部15とを有する。なお、
図1には、データの授受の関係を表す実線が示されているが、説明の便宜上、最小限の部分について示されているに過ぎない。すなわち、各処理部に関するデータの入出力は、図示の例に限定されず、図示以外のデータの入出力、例えば処理部及び処理部の間、処理部及びデータの間、並びに、処理部及び外部装置の間のデータの入出力が行われることとしてもかまわない。
【0033】
通信インタフェイス11は、他の装置、例えば映像システム20との間で通信制御を行うインタフェイスの一例に対応する。あくまで一例として、通信インタフェイス11は、LANカードなどのネットワークインタフェイスカードなどにより実現される。例えば、通信インタフェイス11は、映像システム20から各種の映像、例えばライブのゲーム映像などを受け付けたり、各チームスクリーン251に配置する戦況グラフやクリップの表示指示を映像システム20へ出力したりする。
【0034】
記憶部13は、制御部15で実行されるOS(Operating System)を始め、上記の観戦支援プログラムなどの各種プログラムに用いられるデータを記憶する機能部である。
【0035】
あくまで一例として、記憶部13は、情報処理装置10における補助記憶装置などにより実現される。例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスクやSSD(Solid State Drive)などが補助記憶装置に対応する。この他、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などのフラッシュメモリも補助記憶装置に対応し得る。
【0036】
記憶部13は、制御部15で実行されるプログラムに用いられるデータの一例として、設定データ13Aと、ログデータ13Bとを記憶する。これらのデータ以外にも、上記の観戦支援プログラムによって参照または生成が行われるデータ、例えばゲーム動画やハイライトシーンの動画などが記憶部13に記憶されることとしてもかまわない。なお、設定データ13Aおよびログデータ13Bの説明は、各データの参照または生成が行われる制御部15の説明と合わせて行うこととする。
【0037】
制御部15は、情報処理装置10の全体制御を行う機能部である。
【0038】
一実施形態として、制御部15は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのハードウェアプロセッサにより実装することができる。ここでは、プロセッサの一例として、CPUやMPUを例示したが、汎用型および特化型を問わず、任意のプロセッサにより実装することができる。この他、制御部15は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによって実現されることとしてもよい。
【0039】
制御部15は、上記の観戦支援プログラムを実行することにより、図示しない主記憶装置として実装されるDRAM(Dynamic Random Access Memory)などのRAMのワークエリア上に
図1に示す処理部を仮想的に実現する。なお、ここでは、上記のログ生成機能および上記の表示制御機能などの一連の機能がパッケージ化された観戦支援プログラムが実行される例を挙げるが、情報処理装置10上で動作するプログラムはこれに限定されない。例えば、上記の観戦支援プログラムの機能のうちログ生成機能または表示制御機能の任意の機能が抜粋してプログラムモジュールとして実行されたり、あるいはライブラリとして参照されたりすることとしてもよい。
【0040】
例えば、制御部15は、
図1に示すように、取得部15Aと、画像処理部15Bと、ログ生成部15Cと、表示制御部15Dとを有する。
【0041】
取得部15Aは、各種のデータを取得する処理部である。1つの側面として、取得部15Aは、キャプチャ装置23からゲーム映像をコンピュータゲームにおける試合の進行と同期してリアルタイムに取得する。例えば、取得部15Aは、ゲーム映像のフレームごとに、コンピュータゲームにおける試合開始から試合終了までキャプチャ装置23から伝送される動画のストリームデータを受信する。このようにリアルタイムで取得されたゲーム映像が画像処理部15Bへ入力される。
【0042】
なお、ここでは、あくまで一例として、ゲーム映像がリアルタイムで取得される例を挙げたが、必ずしもゲーム映像はリアルタイムで取得されずともよく、所定期間のゲーム映像がバッチ処理で収集されることとしてもかまわない。また、ここでは、制御部15の各部が共有する記憶領域上で取得部15Aにより取得されるゲーム映像がバッファリングされる例を挙げるが、記憶部13に保存されたゲーム映像が画像処理部15Bにより参照されることとしてもかまわない。さらに、ここでは、キャプチャ装置23によりゲーム装置21から取り込まれたゲーム映像を取得する例を挙げたが、メインスクリーン250に表示されたゲーム映像を撮像することによりゲーム映像を取得することもできる。
【0043】
画像処理部15Bは、記憶部13に記憶された設定データ13Aにしたがってゲーム映像に画像処理を適用する処理部である。
【0044】
ここで、設定データ13Aは、ゲームの画面レイアウトのパーツごとに当該パーツの分類に対応する画像処理が割り当てられたデータである。あくまで一例として、設定データ13Aには、パーツID(IDentification)ごとにパーツ名、チーム名、領域定義および画像処理IDが対応付けられたデータを採用できる。ここで言う「パーツID」は、パーツの識別情報の一例に対応する。また、「パーツ名」は、パーツの名称を指す。さらに、「チーム名」とは、ゲームの試合を行うチームの中でもパーツに表示される情報が属する方のチームの名称を指すが、必ずしもチームの構成人数は複数でなくともよい。例えば、1vs1の個人戦が行われる場合、「チーム名」には、1人目のプレイヤ、いわゆる「1P」、あるいは2人目のプレイヤ、いわゆる「2P」などが設定される。さらに、「領域定義」とは、ゲーム映像上のパーツの位置およびサイズを識別する定義を指す。また、「画像処理ID」は、画像処理の識別情報を指し、ここでは、パーツに対応するゲーム映像上の領域に適用される画像処理IDを意味する。
【0045】
図3は、設定データ13Aの一例を示す図である。
図3には、eスポーツのあくまで一例として、落ち物パズルと呼ばれるジャンルに属するゲームタイトルに設定される設定データが示されている。ここで言う「落ち物パズル」とは、盤面上でピースとなる図柄を落下させて組み立てるパズルのことを指す。落ち物パズルの一例として、図柄を特定の配列に組み立てて図柄を消去することにより、盤面が図柄で埋まるといった敗北条件を回避しつつ対戦相手の盤面に組み立てを邪魔する特殊ピースを送り込み、消去の連鎖数や得点を競うものを例に挙げる。
【0046】
図3に示す設定データ13Aは、あくまで一例として、ユーザ定義により実現できる。例えば、ドラッグ&ドロップ等の範囲指定、あるいはパーツの境界条件、例えば頂点の座標指定などにより、パーツに対応する領域を定義することができる。
図3に示すように、設定データ13Aの領域定義が行われた場合、パーツID「1」~「9」で識別される各パーツには、
図4に示す位置およびサイズを持つ領域が定義されることになる。
【0047】
図4は、パーツの一例を示す模式図である。
図4には、落ち物パズルの画面レイアウトの一例として、
図3に示す設定データ13Aに設定されたパーツが模式的に示されている。
図4に示すように、
図3に示されたパーツID「1」で識別されるパーツ「盤面情報」には、1Pの盤面の位置およびサイズに対応する領域41Aが定義される。また、
図3に示されたパーツID「2」で識別されるパーツ「盤面情報」には、2Pの盤面の位置およびサイズに対応する領域41Bが定義される。さらに、
図3に示されたパーツID「3」で識別されるパーツ「得点」には、1Pの得点の表示欄に対応する領域42Aが定義される。また、
図3に示されたパーツID「4」で識別されるパーツ「得点」には、2Pの得点の表示欄に対応する領域42Bが定義される。さらに、
図3に示されたパーツID「5」で識別されるパーツ「連鎖数」には、1Pの盤面内に領域43Aが定義される一方で、
図3に示されたパーツID「6」で識別されるパーツ「連鎖数」には、2Pの盤面内に領域43Bが定義されている。これらは、いずれも1Pまたは2Pの盤面内に表示され得るが、表示タイミングは不定期であり、かつ表値位置は変動するので、便宜上の定義に過ぎない。さらに、
図3に示されたパーツID「7」で識別されるパーツ「勝敗」には、決着時に1Pの勝敗の表示欄に対応する領域44Aが定義される。また、
図3に示されたパーツID「8」で識別されるパーツ「勝敗」には、決着時に2Pの勝敗の表示欄に対応する領域44Bが定義される。さらに、
図3に示されたパーツID「9」で識別されるパーツ「時間」には、制限時間、あるいはゲーム開始からの経過時間の表示欄に対応する領域45が定義される。
【0048】
このような領域定義の下、パーツID「1」~「9」で識別されるパーツごとに当該パーツに表示される情報の分類の指定を受け付けることができる。ここで言う「分類」には、あくまで一例として、「常時表示」や「座標固定」、「認識対象」などが含まれ得る。例えば、「常時表示」には、ゲーム映像で常に表示される否かの分類が含まれる。また、「座標固定」には、ゲーム映像中で表示される座標が固定されるか否かの分類が含まれる。さらに、「認識対象」には、「文字列」、「オブジェクト」および「領域」の分類が含まれる。
【0049】
例えば、パーツID「1」~「9」で識別されるパーツごとに、ゲーム映像で常に表示されるパーツであるか否か、ゲーム映像中で表示される座標が固定されるパーツであるか否か、さらには、文字列、オブジェクトまたは領域のいずれを認識するパーツであるのかの選択肢をラジオボタンやプルダウンメニューなどのGUI(Graphical User Interface)コンポーネントを介して受け付ける。これにより、常時表示の選択肢「○」および「×」と、座標固定の選択肢「○」、「△」および「×」と、認識対象の選択肢「文字列」、「オブジェクト」および「領域」を定義できる。
【0050】
図3の例で言えば、パーツ「盤面情報」、パーツ「得点」およびパーツ「時間」は、ゲーム映像で常に表示されるので、パーツID「1」~「4」および「9」には常時表示の選択肢が選択される。一方、パーツ「連鎖数」およびパーツ「勝敗」は、ゲーム映像で常に表示されないので、パーツID「5」~「8」には一時表示の選択肢が選択される。また、パーツ「盤面情報」、パーツ「得点」、パーツ「勝敗」およびパーツ「時間」は、ゲーム映像中で表示される座標が固定されるので、パーツID「1」~「4」および「7」~「9」には座標固定の選択肢が選択される。一方、パーツ「連鎖数」は、ゲーム映像中で表示される座標が変動するので、パーツID「5」および「6」には座標変動の選択肢が選択される。さらに、パーツ「盤面情報」の認識対象は、パズルのピースとなる図柄であるので、パーツID「1」および「2」には「オブジェクト」の選択肢が選択される。また、パーツ「得点」の認識対象は、数値であるので、パーツID「3」および「4」には「文字列」の選択肢が選択される。さらに、パーツ「連鎖数」の認識対象は、数値と文字であるので、パーツID「5」および「6」にも「文字列」の選択肢が選択される。また、パーツ「勝敗」の認識対象は、文字あるいはセンテンスであるので、パーツID「7」および「8」には「文字列」の選択肢が選択される。さらに、パーツ「時間」の認識対象は、数値であるので、パーツID「9」には「文字列」の選択肢が選択される。
【0051】
これら「常時表示」、「座標固定」および「認識対象」の選択肢の組合せによる分類と、
図5に示す画像処理リストの分類との一致度に基づいて、パーツに適用する画像処理を絞り込むことができる。
【0052】
図5は、画像処理リストの一例を示す図である。
図5には、あくまで一例として、10個の画像処理が抜粋して例示されているが、この他の画像処理が含まれてよく、同種の画像処理であっても異なるエンジンで動作する画像処理が含まれることを妨げない。
図5に示すように、画像処理リストには、あくまで一例として、画像処理IDごとに、分類、タスク、技術および負荷が対応付けられたデータを採用できる。ここで言う「分類」とは、パーツに表示される情報の分類を指し、例えば、「常時表示」や「座標固定」、「認識対象」などの基準により分類される。また、「タスク」とは、画像処理のタスクを指し、例えば、タスクタイプ、出力型および準備データにより定義される。また、「技術」とは、画像処理に用いられる技術を指す。また、「負荷」とは、画像処理の実行時の負荷を指し、例えば、CPUやGPUなどのプロセッサやメモリの使用率等から求められる。
【0053】
ここでは、あくまで一例として、選択肢の組合せによる分類と、
図5に示す画像処理リストの分類との一致度が60%以上である画像処理ID、すなわち2つ以上の分類が一致する画像処理IDに絞り込まれる例を挙げる。
【0054】
例えば、パーツ「盤面情報」の場合、選択肢の組合せによる分類は、「常時表示」、「座標固定」および「オブジェクト」である。この場合、
図5に示す画像処理リストのうち2つ以上の分類が一致するのは、画像処理ID「6」および「7」に絞り込まれる。これによって、戦況グラフの作成に有用な画像処理に絞り込むことができる。例えば、盤面のメッシュ上でパズルのピースが存在するグリッドの検出を画像処理ID「7」の物体検出で実現し、存在が検出されたグリッド内のピースの分類処理、例えば色の認識を画像処理ID「6」の画像処理で実現することができる。このように戦況グラフの作成に有用なログデータを生成する側面から、パーツID「1」及び「2」には、盤面内の操作ピース数および特殊ピースを解析するのに有効である画像処理ID「7」および「6」の画像処理を割り当てることができる。
【0055】
また、パーツ「得点」の場合、選択肢の組合せによる分類は、「常時表示」、「座標固定」および「文字列」である。この場合、
図5に示す画像処理リストのうち2つ以上の分類が一致するのは、画像処理ID「5」に絞り込まれる。これによって、クリップの作成に有用な画像処理に絞り込むことができる。例えば、得点が描画されるブロック内の数字の分類処理、例えば数値の認識を画像処理ID「5」の画像処理で実現することができる。このようにクリップの作成に有用なログデータを生成する側面から、パーツID「3」及び「4」には、得点を解析するのに有効である画像処理ID「5」の画像処理を割り当てることができる。
【0056】
さらに、パーツ「連鎖数」の場合、選択肢の組合せによる分類は、「一時表示」、「座標変動」および「文字列」である。この場合、
図5に示す画像処理リストのうち2つ以上の分類が一致するのは、画像処理ID「4」に絞り込まれる。これによって、クリップの作成に有用な画像処理に絞り込むことができる。例えば、数字と文字の読取処理を画像処理ID「4」の画像処理で実現することができる。このようにクリップの作成に有用なログデータを生成する側面から、パーツID「5」及び「6」には、連鎖数を解析するのに有効である画像処理ID「4」の画像処理を割り当てることができる。
【0057】
また、パーツ「勝敗」の場合、選択肢の組合せによる分類は、「一時表示」、「座標固定」および「文字列」である。この場合、
図5に示す画像処理リストのうち2つ以上の分類が一致するのは、画像処理ID「3」に絞り込まれる。これによって、タイムラインのエンドマーク表示に有用な画像処理に絞り込むことができる。例えば、勝敗が描画される領域内の文字の読取処理を画像処理ID「3」の画像処理で実現することができる。このようにタイムラインのエンドマークの作成に有用なログデータを生成する側面から、パーツID「7」及び「8」には、勝敗を解析するのに有効である画像処理ID「3」の画像処理を割り当てることができる。
【0058】
さらに、パーツ「時間」の場合、選択肢の組合せによる分類は、「常時表示」、「座標固定」および「文字列」である。この場合、
図5に示す画像処理リストのうち2つ以上の分類が一致するのは、画像処理ID「5」に絞り込まれる。これによって、戦況グラフおよびクリップの作成に有用な画像処理に絞り込むことができる。例えば、時間が描画されるブロック内の数字の分類処理、例えば時間の認識を画像処理ID「5」の画像処理で実現することができる。このように戦況グラフおよびクリップの作成に有用なログデータを生成する側面から、パーツID「3」及び「4」には、得点を解析するのに有効である画像処理ID「5」の画像処理を割り当てることができる。
【0059】
以上のようにパーツごとに当該パーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定データ13Aにしたがって、画像処理部15Bは、ゲーム映像に画像処理を適用する。
【0060】
以下、戦況グラフの作成に用いる第1ログを一定期間、例えば所定のフレーム数または所定の期間ごとに生成する一方で、クリップの作成に用いる第2ログをイベント発生、例えば連鎖の発生などを条件として生成する例を挙げる。
【0061】
一実施形態として、画像処理部15Bは、第1ログの生成タイミングであるか否かを判定する。例えば、画像処理部15Bは、前回に第1ログに新規のレコードが追加されてから所定の期間、例えば1秒間が経過したか否かを判定する。このとき、前回に第1ログに新規のレコードが追加されてから所定の期間が経過した場合、画像処理部15Bは、取得部15Aにより取得されたゲーム映像のうち設定データ13Aに定義されたパーツに当該パーツに割り当てられた画像処理IDに対応する画像処理を適用する。
【0062】
ログ生成部15Cは、ゲーム進行に関するログデータ13Bを生成する処理部である。1つの側面として、ログ生成部15Cは、画像処理部15Bによる画像処理結果のうち、設定データ13Aに定義された分類が「常時表示」であるパーツの画像処理結果に基づいて第1ログ13B1に追加する新規のレコードを生成する。なお、第1ログB1は、対戦チームごとに分けて生成することもできれば、対戦チームを識別する情報が付与された状態で対戦チームを纏めて生成することもできる。
【0063】
図6は、第1ログの一例を示す図である。
図6には、1Pおよび2Pごとに分けて生成される第1ログのうち2P側の第1ログ13B1が示されている。
図6には、パーツ「時間」に対応する領域45に対する画像処理ID「5」の画像処理結果と、パーツ「盤面情報」に対応する領域41Bに対する画像処理ID「7」および「6」の画像処理結果と、パーツ「得点」に対応する領域42Bに対する画像処理ID「5」の画像処理結果とから2P側の第1ログ13B1のレコードが1秒ごとに生成される例が示されている。
図6に示すように、2P側の第1ログ13B1には、ゲーム開始からの経過時間、操作ピース数、操作ピース数に特殊ピース数が足し合わされた合計ピース数および得点が対応付けられたデータを採用できる。
【0064】
他の側面として、ログ生成部15Cは、設定データ13Aに定義された分類が「常時表示」でないパーツでイベントの発生、例えば連鎖の開始が検知された場合、所定のパーツに関する画像処理結果に基づいて第2ログに追加する新規のレコードの生成を開始する。その後、ログ生成部15Cは、イベントの終了、例えば連鎖の終了が検知された場合、所定のパーツに関する画像処理結果に基づいて第2ログに追加する新規のレコードを生成する。この際、ログ生成部15Cは、連鎖開始時間および連鎖終了時間に基づいてハイライトシーンの動画をさらに生成することができる。なお、第2ログは、対戦チームごとに分けて生成することもできれば、対戦チームを識別する情報が付与された状態で対戦チームを纏めて生成することもできる。
【0065】
図7は、第2ログの一例を示す図である。
図7には、1Pおよび2Pごとに分けて生成される第2ログのうち2P側の第2ログ13B2が示されている。
図7に示すように、
図7には、パーツ「時間」に対応する領域45に対する画像処理ID「5」の画像処理結果と、パーツ「連鎖数」に対応する領域43Bに対する画像処理ID「4」の画像処理結果と、パーツ「得点」に対応する領域42Bに対する画像処理ID「5」の画像処理結果とから2P側の第2ログ13B2のレコードが連鎖の発生時に生成される例が示されている。
図7に示すように、2P側の第2ログ13B2には、連鎖が発生したタイミング、いわゆる発火の開始時間ごとに、連鎖数と、連鎖開始時間および連鎖終了時間の間で獲得された連鎖獲得点とが対応付けられたデータを採用できる。このような画像処理結果以外にも、2P側の第2ログ13B2には、連鎖開始時および連鎖終了時を含むハイライトシーンの動画をさらに対応付けることもできる。なお、ハイライトシーンの抽出には、任意の手法が用いられてよい。
【0066】
表示制御部15Dは、各種の表示制御を行う処理部である。一実施形態として、表示制御部15Dは、チームスクリーン251にゲームにおける有利または不利の程度を表す戦況グラフや複数のクリップを時系列に並べて配置するタイムライン表示を行う。
【0067】
1つの側面として、表示制御部15Dは、第1ログ13B1に新規のレコードが追加された場合、当該新規のレコードに基づいて戦況グラフの表示をチームスクリーン251ごとに更新する。例えば、表示制御部15Dは、第1ログ13B1に含まれる操作ピース数および合計ピース数を用いて、盤面に対応するメッシュの総グリッド数に占める操作ピース数の割合と、盤面に対応するメッシュの総グリッド数に占める合計ピース数の割合とを算出する。このように算出された操作ピース数の割合および合計ピース数の割合が最新の戦況として追加される。ここで、戦況グラフは、縦軸を割合とし、横軸を時間としてチームスクリーン251ごとに描画される。例えば、表示制御部15Dは、戦況グラフのメインスクリーン250側に第1ログ13B1に追加された新規のレコードに対応する操作ピース数の割合および合計ピース数の割合を最新の戦況として描画する。これと共に、表示制御部15Dは、戦況グラフ全体をメインスクリーン250から遠ざかる側へシフトする更新を行う。これによって、戦況グラフのタイムライン表示が実現される。
【0068】
他の側面として、表示制御部15Dは、第2ログ13B2に新規のレコードが追加された場合、当該新規のレコードに基づいて新規のクリップを表示先のチームスクリーン251へ表示させる。例えば、表示制御部15Dは、ログ生成部15Cにより生成されたハイライトシーンの動画と、第2ログ13B2の新規のレコードとに基づいて新規のクリップを生成する。ここで、新規のクリップのサイズは、第2ログ13B2の新規のレコードに含まれる連鎖数または連鎖獲得点に基づいて設定することができる他、ゲーム映像の解析やeスポーツの試合会場における歓声が集音された音声データの分析から求められた盛り上がり度に基づいて設定することもできる。あくまで一例として、連鎖数、連鎖獲得点または盛り上がり度のうち少なくとも1つから求めた評価値が高くなるに連れて新規のクリップのサイズを大きくすることができる。さらに、新規のクリップには、ハイライトシーンの動画の表示領域の他、第2ログ13B2の新規のレコードに含まれる連鎖数や連鎖獲得点などの表示領域を含めることができる。その上で、表示制御部15Dは、新規のクリップを表示先のチームスクリーン251上の初期位置、例えばメインスクリーン250最寄りの位置に配置する指示を表示装置25へ行う。このように表示先のチームスクリーン251に配置されたクリップは、ハイライトシーンの動画の再生をループさせることができる。
【0069】
このように新規のクリップを配置する処理と並列して、表示制御部15Dは、各チームスクリーン251に配置済みであるクリップの位置をシフトさせる更新を行う。例えば、表示制御部15Dは、各チームスクリーン251に配置済みである各クリップの位置をメインスクリーン250と反対側にシフトさせる。これによって、ハイライトシーンが抽出されたタイミングが早いクリップほどメインスクリーン250の反対側寄りに表示される共に、ハイライトシーンが抽出されたタイミングが遅いクリップほどメインスクリーン250寄りに表示される。
【0070】
図8は、チームスクリーンの表示例を示す図である。
図8には、説明の便宜上、チームスクリーン251A及びチームスクリーン251Bのうちチームスクリーン251Bの表示が抜粋して示されている。さらに、
図8には、
図6に示された第1ログ13B1から作成された戦況グラフG1およびG2が示されると共に、
図7に示された第2ログ13B2から作成されたクリップC1~C3が示されている。
【0071】
図8に示すように、チームスクリーン251Bには、総グリッド数に占める操作ピース数の割合の時系列変化が戦況グラフG1として表示されると共に、総グリッド数に占める合計ピース数の割合の時系列変化が戦況グラフG2として表示される。これら戦況グラフG1およびG2の表示により、キャラクタBを使用する2Pが特殊ピースによって盤面一杯にピースの埋まるほど追い込まれながらも大逆転で勝利したといった戦況をノンプレイヤやライトファンにも把握させることができる。さらに、戦況グラフG2上には、2Pが連鎖を開始した時点がシンボル「発火!」として表示される。これら戦況グラフG2およびシンボル「発火!」の関連付けにより、対戦チームへの攻撃、あるいは反撃のタイミングを一目で把握できる。
【0072】
さらに、チームスクリーン251Bには、ゲーム開始27秒後から連鎖が開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、連鎖数「4」の表示領域と、連鎖獲得点「295」の表示領域とを含むクリップC1が表示されている。さらに、ゲーム開始1分28秒後から連鎖が開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、連鎖数「5」の表示領域と、連鎖獲得点「358」の表示領域とを含むクリップC2が表示されている。さらに、ゲーム開始2分29秒後から連鎖が開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、連鎖数「14」の表示領域と、連鎖獲得点「2963」の表示領域とを含むクリップC3が表示されている。これらクリップC1~C3は、あくまで一例として、連鎖数が大きいほど大きいサイズで表示されている。このように2Pが試合の勝負を決めたクリップC3がクリップC1やC2に比べて大きく表示されるので、ノンプレイヤやライトファンでも見どころを直感的に把握できる。
【0073】
なお、
図8には、説明の便宜上、チームスクリーン251A及び251Bのうちチームスクリーン251Bの表示が抜粋して示されているが、チームスクリーン251Aにおいてもクリップの初期位置やシフト方向が左右反転する他に変わりはない。
【0074】
なお、ここでは、全てのクリップを一定のシフト量ずつシフトさせる例を挙げたが、クリップによって異なるシフト量を用いてもかまわない。例えば、クリップが配置されている位置やクリップの表示サイズによってクリップのシフト量を変更することができる。例えば、クリップが配置されている位置がメインスクリーン250に近いほど小さいシフト量でクリップをシフトさせたり、あるいはクリップの表示サイズが大きいほど小さいシフト量でクリップをシフトさせたりすることができる。
【0075】
[処理の流れ]
次に、本実施例に係る情報処理装置10の処理の流れについて説明する。ここでは、情報処理装置10により実行される(1)ログ生成処理を説明した後、(2)表示制御処理を説明することとする。
【0076】
(1)ログ生成処理
図9は、実施例1に係るログ生成処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、あくまで一例として、ゲーム開始からゲーム終了まで繰り返して実行される。
図9に示すように、取得部15Aにより最初のフレームのゲーム映像が取得されると(ステップS101)、画像処理部15Bは、下記に例示するような初期設定を行う(ステップS102)。例えば、初期設定の一例として、設定データ13Aに定義されたパーツの領域定義と、最初のフレームのゲーム映像から検出されたコーナーとの間にける対応点の比較結果に基づいてパーツの領域定義のサイズの微調整等が行われる。
【0077】
その後、取得部15Aにより2フレーム以降のゲーム映像が取得されると(ステップS103)、画像処理部15Bは、前回に第1ログに新規のレコードが追加されてから所定の期間、例えば1秒間が経過したか否かを判定する(ステップS104)。なお、前回に第1ログに新規のレコードが追加されてから所定の期間が経過していない場合(ステップS104No)、ステップS107の処理へ移行する。
【0078】
このとき、前回に第1ログに新規のレコードが追加されてから所定の期間が経過した場合(ステップS104Yes)、画像処理部15Bは、次のような処理を実行する。すなわち、画像処理部15Bは、ステップS103で取得されたゲーム映像のうち設定データ13Aに定義されたパーツに当該パーツに割り当てられた画像処理IDに対応する画像処理を適用する(ステップS105)。
【0079】
その後、ログ生成部15Cは、ステップS105による画像処理結果のうち、設定データ13Aに定義された分類が「常時表示」であるパーツの画像処理結果に基づいて第1ログ13B1に追加する新規のレコードを生成する(ステップS106)。
【0080】
そして、1つ前のフレームでイベントが発生中でなく、かつステップS103でゲーム映像が取得されたフレームでイベントの発生が検知された場合(ステップS107NoかつステップS108Yes)、ログ生成部15Cは、所定のパーツに関する画像処理結果に基づいて第2ログに追加する新規のレコードの生成を開始する(ステップS109)。このフレームではイベントの終了は検知されないので(ステップS110No)、ステップS103へ移行する。
【0081】
一方、1つ前のフレームでイベントが発生中であり、かつステップS103でゲーム映像が取得されたフレームでイベントの終了が検知された場合(ステップS107YesかつステップS110Yes)、ログ生成部15Cは、次のような処理を実行する。すなわち、ログ生成部15Cは、所定のパーツに関する画像処理結果に基づいて第2ログに追加する新規のレコードを生成し(ステップS111)、ステップS103へ移行する。
【0082】
(2)表示制御処理
図10は、実施例1に係る表示制御処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、あくまで一例として、ゲーム開始からゲーム終了まで繰り返して実行される。
図10に示すように、第1ログ13B1に新規のレコードが追加された場合(ステップS301Yes)、表示制御部15Dは、当該新規のレコードに基づいて戦況グラフの表示をチームスクリーン251ごとに更新する(ステップS302)。なお、第1ログ13B1に新規のレコードが追加されていない場合(ステップS301No)、ステップS303へ移行する。
【0083】
続いて、第2ログ13B2に新規のレコードが追加された場合(ステップS303Yes)、表示制御部15Dは、当該新規のレコードに基づいて新規のクリップを表示先のチームスクリーン251へ表示させる(ステップS304)。なお、第2ログ13B2に新規のレコードが追加されていない場合(ステップS303No)、ステップS304の処理はスキップされる。
【0084】
そして、表示制御部15Dは、各チームスクリーン251に配置済みである各クリップの位置をメインスクリーン250と反対側にシフトさせ(ステップS305)、上記のステップS301の処理へ移行する。
【0085】
[効果の一側面]
上述してきたように、本実施例に係るログ生成機能は、ゲームの画面レイアウトのパーツごとにパーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定にしたがってゲーム映像内の各領域に適用された画像処理結果からゲームの戦況やハイライトの表示に用いるログを生成する。したがって、本実施例に係るログ生成機能よれば、ゲーム機からのデータ供給に依存しない観戦支援を実現することが可能である。
【実施例2】
【0086】
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0087】
[ゲームジャンルの応用例1]
上記の実施例1では、eスポーツの一例として、落ち物パズルのジャンルのゲームが行われる例を挙げたが、上記の観戦支援機能を適用できるゲームジャンルは落ち物パズルに限定されない。
【0088】
例えば、上記の観戦支援機能は、格闘ゲームにも適用することができる。このように上記の観戦支援機能が格闘ゲームに適用される場合、あくまで一例として、戦況グラフを作成する側面から、格闘ゲームの画面レイアウトのうち体力を表示する体力ゲージのパーツを設定データ13Aへ定義することとすればよい。パーツ「体力ゲージ」の場合、選択肢の組合せによる分類は、「常時表示」、「座標変動」および「領域」である。この場合、
図5に示す画像処理リストのうち2つ以上の分類が一致するのは、画像処理ID「8」に絞り込まれる。これによって、戦況グラフの作成に有用な画像処理に絞り込むことができる。例えば、体力ゲージが描画されるブロック内の体力ゲージと残量ゲージの各ゲージの色認識および分割処理を画像処理ID「8」の画像処理で実現することができる。このように戦況グラフの作成に有用なログデータを生成する側面から、パーツ「体力ゲージ」には、体力の残量を解析するのに有効である画像処理ID「8」の画像処理を割り当てることができる。このような画像処理が適用されることで、体力ゲージと残量ゲージとを第1ログのレコードに含めることができる。
【0089】
他の一例として、技名を認識する側面から、格闘ゲームの画面レイアウトのうちパーツ「キャラ」を設定データ13Aへ定義することとすればよい。格闘ゲームでは、パーツ「キャラ」の初期位置は、固定である。このため、初期位置からトラッキングを継続することで、パーツ「キャラ」の座標は、固定とは言えずとも既知である。それ故、パーツ「キャラ」の場合、選択肢の組合せによる分類は、常時表示「○」、座標変動「△」および認識対象「オブジェクト」である。この場合、
図5に示す画像処理リストのうち2つ以上の分類が一致するのは、画像処理ID「10」に絞り込まれる。これによって、タイムラインの表示に有用な画像処理に絞り込むことができる。例えば、連続の5フレームの映像を入力として技名のラベルを出力する分類処理を画像処理ID「10」の画像処理で実現することができる。このようにタイムラインの表示に有用なログデータを生成する側面から、パーツ「キャラ」には、技名を分類するのに有効である画像処理ID「10」の画像処理を割り当てることができる。
【0090】
図11は、チームスクリーンの表示例を示す図である。
図11には、説明の便宜上、格闘ゲームのタイムラインがチームスクリーン251Aに表示される例が抜粋して示されている。
図11に示すように、チームスクリーン251Aには、第1試合のタイムラインが表示されている。具体的には、第1試合のタイムラインには、キャラαを使用する1Pについて体力ゲージに占める残量ゲージの割合の時系列変化が戦況グラフG12として表示されると共に、1Pのキャラαが2Pのキャラβへ与えたダメージ量、いわゆる与ダメージがキャラβの体力ゲージに占める割合の時系列変化が戦況グラフG11として表示される。これら戦況グラフG11およびG12の表示により、キャラαを使用する1PがSTUNにより追い込まれながらも大逆転で勝利したといった戦況をノンプレイヤやライトファンにも把握させることができる。さらに、戦況グラフG12上には、1Pのキャラαが気絶した時点がシンボル「STUN」として表示される。これら戦況グラフG12およびシンボル「STUN」の関連付けにより、1Pのピンチを一目で把握できる。
【0091】
さらに、第1試合のタイムラインには、コンボが開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、コンボ数「8」の表示領域とを含むクリップC11が表示されている。さらに、コンボが開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、コンボ数「4」の表示領域とを含むクリップC12が表示されている。さらに、コンボが開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、コンボ数「12」の表示領域とを含むクリップC13が表示されている。これらクリップC11~C13は、あくまで一例として、コンボ数が大きいほど大きいサイズで表示されている。このように1Pが試合の勝負を決めたクリップC3がクリップC1やC2に比べて大きく表示されるので、ノンプレイヤやライトファンでも見どころを直感的に把握できる。
【0092】
さらに、チームスクリーン251Aには、第2試合のタイムラインが表示されている。具体的には、第2試合のタイムラインには、キャラαを使用する1Pについて体力ゲージに占める残量ゲージの割合の時系列変化が戦況グラフG22として表示されると共に、キャラβを使用する2Pについて体力ゲージに占める残量ゲージの割合の時系列変化が戦況グラフG21として表示される。これら戦況グラフG21およびG22の表示により、キャラαを使用する1Pがパーフェクトに勝利したといった戦況をノンプレイヤやライトファンにも把握させることができる。
【0093】
さらに、第2試合のタイムラインには、コンボが開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、コンボ数「3」の表示領域とを含むクリップC21が表示されている。さらに、コンボが開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、コンボ数「3」の表示領域とを含むクリップC22が表示されている。さらに、コンボが開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、コンボ数「4」の表示領域とを含むクリップC23が表示されている。さらに、コンボが開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、コンボ数「6」の表示領域とを含むクリップC24が表示されている。これらクリップC21~C14は、あくまで一例として、コンボ数が大きいほど大きいサイズで表示されている。このように1Pが試合の勝負を決めたクリップC4がクリップC1~C3に比べて大きく表示されるので、ノンプレイヤやライトファンでも見どころを直感的に把握できる。
【0094】
[ゲームジャンルの応用例2]
上記の観戦支援機能は、落ち物パズルや格闘ゲーム以外の他のジャンル、例えば陣取りゲームにも適用できる。このように上記の観戦支援機能が陣取りゲームに適用される場合、あくまで一例として、戦況グラフを作成する側面から、陣取りゲームの画面レイアウトのうち俯瞰マップのパーツを設定データ13Aへ定義することとすればよい。パーツ「俯瞰マップ」の場合、選択肢の組合せによる分類は、常時表示「×」、座標固定「×」および「領域」である。この場合、
図5に示す画像処理リストのうち2つ以上の分類が一致するのは、画像処理ID「9」に絞り込まれる。これによって、戦況グラフの作成に有用な画像処理に絞り込むことができる。例えば、俯瞰マップ内のマップ全体と自陣の各面積の色認識および分割処理を画像処理ID「9」の画像処理で実現することができる。このように戦況グラフの作成に有用なログデータを生成する側面から、パーツ「俯瞰マップ」には、自陣の面積を解析するのに有効である画像処理ID「9」の画像処理を割り当てることができる。このような画像処理が適用されることで、マップ全体の面積と自陣の面積とを第1ログのレコードに含めることができる。
【0095】
図12は、チームスクリーンの表示例を示す図である。
図12には、説明の便宜上、4vs4のチーム戦の陣取りゲームのタイムラインがチームスクリーン251Bに表示される例が抜粋して示されている。
図12に示すように、チームスクリーン251Bには、チームBについてマップ全体の面積に占める自陣の面積の割合の時系列変化が戦況グラフG100として表示される。さらに、戦況グラフ100上には、自陣の面積が所定の閾値、例えば50%を下回る時点にシンボル「やられた」が表示されると共に、自陣の面積が上記の閾値を超える時点にシンボル「ギャクテン!」が表示される。これら戦況グラフG100、シンボル「やられた」およびシンボル「ギャクテン!」の関連付けにより、チームBの優勢および劣勢を一目で把握できる。
【0096】
また、上記の実施例1では、戦況グラフやクリップのタイムライン表示を行う例を挙げたが、戦況グラフやクリップは、必ずしもタイムライン表示が行われずともよく、他の表示が行われてもよい。例えば、上記の表示制御機能は、連鎖、コンボ、あるいはKill等のアクションに例示されるイベントが発生した位置にクリップを表示させることもできる。
図13は、チームスクリーンの表示例を示す図である。
図13には、説明の便宜上、陣取りゲームのクリップC110~C140がチームスクリーン251Bに表示された俯瞰マップ上にマッピングされる例が抜粋して示されている。
図13に示すように、チームスクリーン251Bには、アクション「Kill」が開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、Kill数「2」の表示領域とを含むクリップC110がアクションのイベントの発生地点に表示されている。さらに、アクション「Kill」が開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、Kill数「1」の表示領域とを含むクリップC120がアクションのイベントの発生地点に表示されている。さらに、アクション「Kill」が開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、Kill数「1」の表示領域とを含むクリップC130がアクションのイベントの発生地点に表示されている。さらに、アクション「Kill」が開始されたハイライトシーンの動画の表示領域と、Kill数「4」の表示領域とを含むクリップC140がアクションのイベントの発生地点に表示されている。これらクリップC110~C140は、あくまで一例として、Kill数が大きいほど大きいサイズで表示されている。このように2Pが試合の勝負を決めたクリップC4がクリップC1~C3に比べて大きく表示されると共に1P側の本拠地で表示されるので、ノンプレイヤやライトファンでも見どころを直感的に把握できる。
【0097】
[ハイライトシーンの動画配信]
上記の観戦支援機能は、ハイライトシーンの動画を配信することもできる。あくまで一例として、上記の観戦支援機能は、ユーザ端末によるダウンロード対象として決定されたハイライトシーンの動画をユーザ端末に配信する。この結果、ユーザ端末によりハイライトシーンの動画がダウンロードされる。これによって、チームスクリーン251を見て気に入ったハイライトシーンのコレクション機能を観戦者に提供することができる。このようなハイライトシーンのコレクション機能を提供することで、eスポーツの会場に来場するインセンティブを高めることが可能になる。
【0098】
図14は、ハイライトシーンの配信方法の一例を示す図である。
図14には、チームスクリーン251BのクリップCB31で再生されるハイライトシーンをダウンロードする例が示されている。
図14に示すように、ユーザ端末50のカメラを用いてチームスクリーン251Bに表示されたクリップCB31が撮影された場合、カメラにより撮像されたクリップ画像51と共にハイライトシーンのDLリクエストがユーザ端末50から情報処理装置10へ行われる(ステップS1)。このようにハイライトシーンのDLリクエストを受け付けると、クリップ画像51から抽出されたシルエット形状と一致するシルエット形状が記憶部13に保存されたハイライトシーン情報13bから検索される。
図14に示す例で言えば、クリップ画像51から抽出されたシルエット形状は、動画ID「YYYYYYY」のシルエット形状とヒットする。この場合、動画ID「YYYYYYY」を持つハイライトシーンがユーザ端末50によるダウンロード対象として決定される(ステップS2)。その後、ユーザ端末50によるダウンロード対象として決定されたハイライトシーンの動画がユーザ端末50に配信される(ステップS3)。この結果、ユーザ端末50によりハイライトシーンの動画がダウンロードされる。このようにハイライトシーンの動画がダウンロードされた場合、ハイライトシーン情報13bのレコードのうち、動画ID「YYYYYYY」のダウンロード数は、「76DL」から「77DL」へインクリメントされる。
【0099】
[処理の割り当て]
上記の観戦支援機能は、情報処理装置10で使用可能なCPUコア数やメモリ容量に制約がある状況でも画像処理を効率的に行う側面から、
図5の画像処理リストに定義された負荷に基づいてどのCPUコアにどの画像処理を割り当てるかを決定することもできる。
【0100】
[分散および統合]
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されておらずともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、取得部15A、画像処理部15B、ログ生成部15Cまたは表示制御部15Dを情報処理装置10の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、取得部15A、画像処理部15B、ログ生成部15Cまたは表示制御部15Dを別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記の情報処理装置10の機能を実現するようにしてもよい。
【0101】
[ログ生成プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、
図15を用いて、実施例1及び実施例2と同様の機能を有するログ生成プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
【0102】
図15は、コンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図15に示すように、コンピュータ100は、操作部110aと、スピーカ110bと、カメラ110cと、ディスプレイ120と、通信部130とを有する。さらに、このコンピュータ100は、CPU150と、ROM160と、HDD170と、RAM180とを有する。これら110~180の各部はバス140を介して接続される。
【0103】
HDD170には、
図15に示すように、上記の実施例1で示した取得部15A、画像処理部15B及びログ生成部15Cと同様の機能を発揮するログ生成プログラム170aが記憶される。このログ生成プログラム170aは、
図1に示した取得部15A、画像処理部15B及びログ生成部15Cの各構成要素と同様、統合又は分離してもかまわない。すなわち、HDD170には、必ずしも上記の実施例1で示した全てのデータが格納されずともよく、処理に用いるデータがHDD170に格納されればよい。
【0104】
このような環境の下、CPU150は、HDD170からログ生成プログラム170aを読み出した上でRAM180へ展開する。この結果、ログ生成プログラム170aは、
図15に示すように、ログ生成プロセス180aとして機能する。このログ生成プロセス180aは、RAM180が有する記憶領域のうちログ生成プロセス180aに割り当てられた領域にHDD170から読み出した各種データを展開し、この展開した各種データを用いて各種の処理を実行する。例えば、ログ生成プロセス180aが実行する処理の一例として、
図9および
図10に示す処理などが含まれる。なお、CPU150では、必ずしも上記の実施例1で示した全ての処理部が動作せずともよく、実行対象とする処理に対応する処理部が仮想的に実現されればよい。
【0105】
なお、上記のログ生成プログラム170aは、必ずしも最初からHDD170やROM160に記憶されておらずともかまわない。例えば、コンピュータ100に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD-ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にログ生成プログラム170aを記憶させる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体からログ生成プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などにログ生成プログラム170aを記憶させておき、コンピュータ100がこれらからログ生成プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。
【0106】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0107】
(付記1)ゲーム映像を取得する取得部と、
ゲームの画面レイアウトのパーツごとに前記パーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定データにしたがって前記パーツに対応する前記ゲーム映像の領域に前記画像処理を適用する画像処理部と、
前記画像処理の結果から前記ゲームに関するログデータを生成するログ生成部と、
を有するログ生成装置。
【0108】
(付記2)前記設定データは、前記パーツが前記ゲーム映像上で常時表示されるか否かの選択肢、前記パーツが前記ゲーム映像中で表示される座標が固定されるか否かの選択肢、および、前記パーツが文字列、オブジェクトまたは領域のいずれを認識対象とするかの選択肢の組合せによる分類と、各画像処理に定義された分類との一致度に基づいて設定される付記1に記載のログ生成装置。
【0109】
(付記3)前記ログデータを用いて前記ゲームの進行状況を示す表示を行う表示制御部をさらに有する付記1に記載のログ生成装置。
【0110】
(付記4)前記ログ生成部は、所定のフレーム数ごとまたは所定の期間ごとに前記ゲーム映像上で常時表示されるパーツに対する画像処理の結果から前記ログデータを生成し、
前記表示制御部は、前記ログデータから前記ゲームの戦況の時系列変化を表示する付記3に記載のログ生成装置。
【0111】
(付記5)前記表示制御部は、前記ゲームの戦況の時系列変化を複数のチームごとに表示する付記4に記載のログ生成装置。
【0112】
(付記6)前記ログデータは、落ち物パズルにおける操作ピース数および前記操作ピース数に特殊ピースが足し合わされた合計ピース数を含み、
前記ゲームの戦況の時系列変化は、前記合計ピース数に対する前記操作ピース数の割合である付記4に記載のログ生成装置。
【0113】
(付記7)前記ログデータは、格闘ゲームにおける体力ゲージの面積および残量ゲージの面積を含み、
前記ゲームの戦況の時系列変化は、前記体力ゲージの面積に対する前記残量ゲージの面積の割合である付記4に記載のログ生成装置。
【0114】
(付記8)前記ログ生成部は、前記画像処理の結果として前記ゲーム映像上で常時表示されないパーツの表示が検知された場合、検知されたタイミングに対応するハイライトシーンの動画を前記ログデータとして生成し、
前記表示制御部は、前記ハイライトシーンの動画を再生する付記3に記載のログ生成装置。
【0115】
(付記9)前記表示制御部は、前記ハイライトシーンの動画を複数のチームごとに表示する付記8に記載のログ生成装置。
【0116】
(付記10)ゲーム映像を取得し、
ゲームの画面レイアウトのパーツごとに前記パーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定データにしたがって前記パーツに対応する前記ゲーム映像の領域に前記画像処理を適用し、
前記画像処理の結果から前記ゲームに関するログデータを生成する、
処理をコンピュータが実行するログ生成方法。
【0117】
(付記11)前記設定データは、前記パーツが前記ゲーム映像上で常時表示されるか否かの選択肢、前記パーツが前記ゲーム映像中で表示される座標が固定されるか否かの選択肢、および、前記パーツが文字列、オブジェクトまたは領域のいずれを認識対象とするかの選択肢の組合せによる分類と、各画像処理に定義された分類との一致度に基づいて設定される付記10に記載のログ生成方法。
【0118】
(付記12)前記ログデータを用いて前記ゲームの進行状況を示す表示を実行する処理を前記コンピュータがさらに実行する付記10に記載のログ生成方法。
【0119】
(付記13)前記生成する処理は、所定のフレーム数ごとまたは所定の期間ごとに前記ゲーム映像上で常時表示されるパーツに対する画像処理の結果から前記ログデータを生成する処理を含み、
前記表示を実行する処理は、前記ログデータから前記ゲームの戦況の時系列変化を表示する処理を含む付記12に記載のログ生成方法。
【0120】
(付記14)前記表示を実行する処理は、前記ゲームの戦況の時系列変化を複数のチームごとに表示する付記13に記載のログ生成方法。
【0121】
(付記15)前記ログデータは、落ち物パズルにおける操作ピース数および前記操作ピース数に特殊ピースが足し合わされた合計ピース数を含み、
前記ゲームの戦況の時系列変化は、前記合計ピース数に対する前記操作ピース数の割合である付記13に記載のログ生成方法。
【0122】
(付記16)前記ログデータは、格闘ゲームにおける体力ゲージの面積および残量ゲージの面積を含み、
前記ゲームの戦況の時系列変化は、前記体力ゲージの面積に対する前記残量ゲージの面積の割合である付記13に記載のログ生成方法。
【0123】
(付記17)前記生成する処理は、前記画像処理の結果として前記ゲーム映像上で常時表示されないパーツの表示が検知された場合、検知されたタイミングに対応するハイライトシーンの動画を前記ログデータとして生成し、
前記表示を実行する処理は、前記ハイライトシーンの動画を再生する付記12に記載のログ生成方法。
【0124】
(付記18)前記表示を実行する処理は、前記ハイライトシーンの動画を複数のチームごとに表示する付記17に記載のログ生成方法。
【0125】
(付記19)ゲーム映像を取得し、
ゲームの画面レイアウトのパーツごとに前記パーツの分類に対応する画像処理が割り当てられた設定データにしたがって前記パーツに対応する前記ゲーム映像の領域に前記画像処理を適用し、
前記画像処理の結果から前記ゲームに関するログデータを生成する、
処理をコンピュータに実行させるログ生成プログラム。
【0126】
(付記20)前記設定データは、前記パーツが前記ゲーム映像上で常時表示されるか否かの選択肢、前記パーツが前記ゲーム映像中で表示される座標が固定されるか否かの選択肢、および、前記パーツが文字列、オブジェクトまたは領域のいずれを認識対象とするかの選択肢の組合せによる分類と、各画像処理に定義された分類との一致度に基づいて設定される付記19に記載のログ生成プログラム。
【符号の説明】
【0127】
10 情報処理装置
11 通信インタフェイス
13 記憶部
13A 設定データ
13B ログデータ
13B1 第1ログ
13B2 第2ログ
15 制御部
15A 取得部
15B 画像処理部
15C ログ生成部
15D 表示制御部