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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】樹脂フィルム、袋及び包装製品
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/18 20060101AFI20240827BHJP
   B65D 30/02 20060101ALI20240827BHJP
   B65D 65/40 20060101ALN20240827BHJP
【FI】
C08J5/18 CES
B65D30/02
B65D65/40 D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020123637
(22)【出願日】2020-07-20
(65)【公開番号】P2022020246
(43)【公開日】2022-02-01
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100213997
【弁理士】
【氏名又は名称】金澤 佑太
(72)【発明者】
【氏名】上西 利彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】美馬 直秀
【審査官】石塚 寛和
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-189160(JP,A)
【文献】特開2017-114037(JP,A)
【文献】特開2013-155343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/00-5/02、5/12-5/22
B65D 30/00-33/38、65/00-65/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂組成物から構成される樹脂フィルムであって、
前記樹脂組成物は、
1種又は2種以上の、化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体と、
バイオマス由来のエチレンと、化石燃料由来のαオレフィンと、の共重合体と、
高圧法低密度ポリエチレンと、
を少なくとも含み、
前記樹脂組成物に含まれる、エチレンと、炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体の含有量は、前記樹脂組成物全体に対して、35質量%以上であり、
前記樹脂組成物に含まれる、バイオマス由来のエチレンと、化石燃料由来のαオレフィンと、の共重合体の含有量は、前記樹脂組成物全体に対して、50質量%以下であり、
前記樹脂組成物に含まれる高圧法低密度ポリエチレンの含有量は、前記樹脂組成物全体に対して、1質量%以上30質量%以下であり、
前記樹脂フィルムの厚みが、20μm以上70μm以下である、樹脂フィルム。
【請求項2】
樹脂組成物から構成される樹脂フィルムであって、
前記樹脂組成物は、
1種又は2種以上の、化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体と、
バイオマス由来のエチレンと、化石燃料由来のαオレフィンと、の共重合体と、
高圧法低密度ポリエチレンと、
を少なくとも含み、
前記樹脂組成物に含まれる高圧法低密度ポリエチレンの含有量は、前記樹脂組成物全体に対して、1質量%以上30質量%以下であり、
前記樹脂フィルムの一方向における引張強度が40.0MPa以上であり、
前記樹脂フィルムの前記一方向と直する方向における引張強度が37.0MPa以上であり、
前記樹脂フィルムの前記一方向と直する方向における引張伸度が600%以上である、樹脂フィルム。
【請求項3】
単層構成である、請求項1又は2に記載の樹脂フィルム。
【請求項4】
ポリエチレン系樹脂フィルムである、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
【請求項5】
前記樹脂組成物の密度が、0.925g/cm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
【請求項6】
JIS K 7136:2000に準拠して測定された樹脂フィルムのヘイズ値が、10%以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
【請求項7】
前記高圧法低密度ポリエチレンは、バイオマス高圧法低密度ポリエチレンを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂フィルムを含む、袋。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂フィルムを含む、包装製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂フィルム、袋及び包装製品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、材料分野においてもエネルギーと同様に化石燃料からの脱却が望まれており、バイオマスの利用が注目されている。バイオマスは、二酸化炭素と水から光合成された有機化合物であり、それを利用することにより、再度二酸化炭素と水になる、いわゆるカーボンニュートラルな再生可能エネルギーである。昨今、これらバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックの実用化が急速に進んでおり、各種の樹脂をバイオマス原料から製造する試みも行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、石油資源の使用量を低減することを目的として、植物(バイオマス)由来ポリエチレンを含むシーラントフィルム、及びこれを用いた包装体が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-50789
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、袋や包装製品等に用いられる樹脂フィルムには、使用用途や使用環境等に応じて種々の機能が求められる。樹脂フィルムを袋等の包装製品に用いる場合において、例えば、内容物の重量及び形状により、破れにくい樹脂フィルムが望まれている。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、二酸化炭素の排出量を削減することができ、かつ、耐破れ性に優れる樹脂フィルムを提供することである。
本発明の別の目的は、この樹脂フィルムを含む袋及び包装容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、樹脂組成物から構成される樹脂フィルムであって、
樹脂組成物は、
1種又は2種以上の、化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体と、
バイオマス由来のエチレンと、化石燃料由来のαオレフィンと、の共重合体と、
を少なくとも含み、
樹脂組成物に含まれる、エチレンと、炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体の含有量は、樹脂組成物全体に対して、35質量%以上であり、
樹脂組成物に含まれる、バイオマス由来のエチレンと、化石燃料由来のαオレフィンと、の共重合体の含有量は、樹脂組成物全体に対して、50質量%以下であり、
樹脂フィルムの厚みが、20μm以上70μm以下である、樹脂フィルムである。
【0008】
本発明は、樹脂組成物から構成される樹脂フィルムであって、
樹脂組成物は、
1種又は2種以上の、化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体と、
バイオマス由来のエチレンと、化石燃料由来のαオレフィンと、の共重合体と、
を少なくとも含み、
樹脂フィルムの一方向における引張強度が40.0MPa以上であり、
樹脂フィルムの一方向と直行する方向における引張強度が37.0MPa以上であり、
樹脂フィルムの一方向と直行する方向における引張伸度が600%以上である、樹脂フィルムである。
【0009】
樹脂フィルムが、単層構成であってもよい。
【0010】
樹脂フィルムが、ポリエチレン系樹脂フィルムであってもよい。
【0011】
樹脂フィルムにおいて、樹脂組成物の密度が、0.925g/cm以下であってもよい。
【0012】
樹脂フィルムにおいて、JIS K 7136:2000に準拠して測定された樹脂フィルムのヘイズ値が、10%以下であってもよい。
【0013】
樹脂フィルムにおいて、樹脂組成物は、高圧法低密度ポリエチレンを含み、
樹脂組成物に含まれる高圧法低密度ポリエチレンの含有量は、樹脂組成物全体に対して、30質量%以下であってもよい。
【0014】
樹脂フィルムにおいて、高圧法低密度ポリエチレンは、バイオマス高圧法低密度ポリエチレンを含んでもよい。
【0015】
本発明は、上記樹脂フィルムを含む、袋である。
【0016】
本発明は、上記樹脂フィルムを含む、包装製品である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、二酸化炭素の排出量を削減することができ、かつ、耐破れ性に優れる樹脂フィルムを提供することができる。
本発明によれば、この樹脂フィルムを含む袋及び包装容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】樹脂フィルムの一実施形態を示す断面図である。
図2】袋の一実施形態を示す正面図である。
図3図2に示す袋の斜視図である。
図4】袋の一実施形態を示す正面図である。
図5図4に示す袋の斜視図である。
図6】袋の一実施形態を示す正面図である。
図7図6に示す袋の斜視図である。
図8】袋の一実施形態を示す正面図である。
図9図8に示す袋の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1図9を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
【0020】
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
【0021】
[樹脂フィルム]
本発明の樹脂フィルムは、後述する樹脂組成物から構成されるものである。
一実施形態において、本発明の樹脂フィルム10は、図1に示すように、単層構成の樹脂フィルムである。
本発明の樹脂フィルムは、2層以上の多層構成の樹脂フィルムであってもよい。
【0022】
樹脂フィルムは、ポリエチレン系樹脂フィルムであることが好ましい。ポリエチレン系樹脂フィルムは、主成分としてポリエチレンを50質量%超含むものである。ポリエチレン系樹脂フィルムに含まれるポリエチレンの含有量は、ポリエチレン系樹脂フィルム全体に対して、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが更に好ましい。
ポリエチレン系樹脂フィルムに含まれるポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が挙げられる。ポリエチレン系樹脂フィルムは、これらのポリエチレンを1種又は2種以含んでもよい。
なお、高密度ポリエチレンとは、0.942g/cm以上の密度を有するポリエチレンを意味し、中密度ポリエチレンとは、0.930g/cm以上0.942g/cm未満の密度を有するポリエチレンを意味する。低密度ポリエチレンとは、0.930g/cm未満の密度を有するポリエチレンを意味する。ポリエチレンの密度は、JIS K6760-1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112-1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。
【0023】
ここで、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)について説明する。直鎖状低密度ポリエチレンとは、チーグラーナッタ触媒に代表されるマルチサイト触媒又はメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を使用して重合した、エチレンと、αオレフィンと、の共重合体であり、密度が0.930g/cm未満のものを指す。従って、高圧法エチレン単独重合体であり、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)とは区別される。直鎖状低密度ポリエチレンのモノマーとなるαオレフィンは、炭素数3以上のものであり、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-オクテン、1-ノネン、4-メチルペンテン、3,3-ジメチルブテン等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0024】
上記のシングルサイト触媒とは、均一な活性種を形成しうる触媒であり、通常、メタロセン系遷移金属化合物や非メタロセン系遷移金属化合物と、活性化用助触媒と、を接触させることにより調整される。シングルサイト触媒は、マルチサイト触媒に比べて、活性点構造が均一であるため、高分子量かつ均一度の高い構造の重合体を重合することができるため好ましい。シングルサイト触媒としては、特に、メタロセン系触媒を用いることが好ましい。メタロセン系触媒は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物と、助触媒と、必要により有機金属化合物と、担体の各触媒成分と、を含む触媒である。
【0025】
上記のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、そのシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1~30の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも一種の置換基を有するものである。その置換シクロペンタジエニル基の置換基は2個以上有していてもよく、また置換基同士が互いに結合して環を形成し、インデニル環、フルオレニル環、アズレニル環、その水添体等を形成してもよい。置換基同士が互いに結合し形成された環が更に互いに置換基を有していてもよい。
【0026】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、その遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウム、ハフニウムが好ましい。該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては通常2個を有し、各々のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は架橋基により互いに結合しているものが好ましい。なお、架橋基としては炭素数1~4のアルキレン基、シリレン基、ジアルキルシリレン基、ジアリールシリレン基等の置換シリレン基、ジアルキルゲルミレン基、ジアリールゲルミレン基等の置換ゲルミレン基等が挙げられる。好ましくは、置換シリレン基である。
【0027】
周期律表第IV族の遷移金属化合物において、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、代表的なものとして、水素、炭素数1~20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基等が挙げられる。
【0028】
上記のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、1種又は2種以上の混合物を触媒成分とすることができる。
【0029】
助触媒としては、上記の周期律表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になしうる、又は触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衝させうるものをいう。助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合物、イオン交換性層状珪酸塩、ホウ素化合物、活性水素基含有あるいは非含有のカチオンと非配位性アニオンからなるイオン性化合物、酸化ランタン等のランタノイド塩、酸化スズ、フルオロ基を含有するフェノキシ化合物等が挙げられる。
【0030】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、無機又は有機化合物の担体に担持して使用されてもよい。該担体としては無機又は有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的には、モンモリロナイト等のイオン交換性層状珪酸塩、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等又はこれらの混合物が挙げられる。
【0031】
また更に必要により使用される有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物等が例示される。このうち有機アルミニウムが好適に使用される。
【0032】
一実施形態において、本発明の樹脂フィルムは、樹脂フィルムの一方向における引張強度が40.0MPa以上のものである。該引張強度は、41.0MPa以上であることが好ましく、42.0MPa以上であることがより好ましく、45.0MPa以上であることが更に好ましい。
樹脂フィルムの一方向における引張伸度は、200%以上700%以下であることが好ましく、300%以上600%以下であることがより好ましく、350%以上500%以下であることが更に好ましい。
樹脂フィルムの一方向は、流れ方向(MD)であってもよい。
【0033】
一実施形態において、本発明の樹脂フィルムは、樹脂フィルムの一方向と直行する方向における引張強度が37.0MPa以上のものである。該引張強度は、38.0MPa以上であることが好ましく、40.0MPa以上であることがより好ましく、42.0MPa以上であることが更に好ましい。
一実施形態において、本発明の樹脂フィルムは、樹脂フィルムの一方向と直行する方向における引張伸度が、600%以上のものである。該引張伸度は、650%以上1000%以下であることが好ましく、700%以上900%以下であることがより好ましく、7%以上850%以下であることが更に好ましい。
樹脂フィルムの一方向と直行する方向は、上記流れ方向(MD)の垂直(TD)方向であってもよい。
【0034】
引張強度及び引張伸度は、JIS Z 1702:1994に準拠して測定することができる。試験装置は、クロスヘッド速度一定型を用いることができる。試験片としては、樹脂フィルムを幅10mm、長さ120mmのダンベル形のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は80mmであり、引張速度は500mm/分である。なお、試験片の長さは、一対のチャックによって試験片を把持することができる限りにおいて、調整可能である。本願において、特に断らない限り、引張強度及び引張伸度の測定時の温度は23℃、相対湿度50%である。
引張試験機としては、株式会社イマダ製のフォースゲージ ZTA-500Nを用いることができる。
【0035】
樹脂フィルムのヘイズ値は、15%以下であってもよい。樹脂フィルムのヘイズ値は、10%以下であることが好ましく、9%以下であることがより好ましく、7%以下であることが更に好ましい。樹脂フィルムのヘイズ値は、JIS K 7136:2000に準拠して測定することができる。ヘイズ値の測定器(ヘイズメーター)としては、日本電色工業株式会社製のNDH7000SPを用いることができる。
【0036】
一実施形態において、本発明の樹脂フィルムは、樹脂フィルムの厚みが20μm以上70μm以下のものである。
樹脂フィルムの厚みを20μm以上とすることにより、樹脂フィルムの耐破れ性を向上することができる。
樹脂フィルムの厚みを70μm以下とすることにより、樹脂組成物の使用量を低減することができ、二酸化炭素の排出量を削減すること、即ち、環境負荷低減性を向上することができる。
樹脂フィルムの厚みは、20μm以上60μm以下であることが好ましく、25μm以上55μm以下であることがより好ましい。
【0037】
<樹脂組成物>
本発明の樹脂フィルムにおいて、樹脂組成物は、
1種又は2種以上の、化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体と、
バイオマス由来のエチレンと、化石燃料由来のαオレフィンと、の共重合体と、
を少なくとも含むものである。
これにより、樹脂フィルムの環境負荷低減性及び耐破れ性を向上することができる。
【0038】
化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来のαオレフィンは、植物由来の原料を用いず、石油から得られるナフサ等を熱分解して得られるものである。
【0039】
αオレフィンは、炭素数3以上のものであり、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-オクテン、1-ノネン、4-メチルペンテン、3,3-ジメチルブテン等、及びこれらの混合物が挙げられる。
バイオマス由来のエチレンとの共重合モノマーとして用いられるαオレフィンは、ブテンであることが好ましく、1-ブテンであることがより好ましい。
化石燃料由来のエチレンとの共重合モノマーとして用いられる、炭素数6以上のαオレフィンは、例えば、1-へキセン、1-オクテン、1-ノネン、4-メチルペンテン、3,3-ジメチルブテン等、及びこれらの混合物が挙げられる。炭素数6以上のαオレフィンは、1-へキセン、1-オクテン、又はこれらの混合物であることが好ましい。
αオレフィンの炭素数は、6以上10以下であることが好ましく、6以上8以下であることがより好ましい。
【0040】
樹脂組成物において、化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体は、2種以上を組み合わせてもよい。化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体は、化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数6のαオレフィンと、の共重合体、及び化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数8のαオレフィンと、の共重合体を組み合わせたものが好ましく、化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の1-へキセンと、の共重合体、及び化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の1-オクテンと、の共重合体を組み合わせたものがより好ましく、
【0041】
バイオマス由来のエチレンの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により得ることができる。以下、バイオマス由来のエチレンの製造方法の一例を説明する。
【0042】
バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することができる。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されず、従来公知の植物を用いることができる。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、及びマニオクを挙げることができる。
【0043】
バイオマス由来の発酵エタノールとは、植物原料より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物又はその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールを指す。培養液からのエタノールの精製は、蒸留、膜分離、及び抽出等の従来公知の方法が適用可能である。例えば、ベンゼン、シクロヘキサン等を添加し、共沸させるか、又は膜分離等により水分を除去する等の方法が挙げられる。
【0044】
上記エチレンを得るために、この段階で、エタノール中の不純物総量が1ppm以下にする等の高度な精製を更に行ってもよい。
【0045】
エタノールの脱水反応によりエチレンを得る際には通常は触媒が用いられるが、この触媒は、特に限定されず、従来公知の触媒を用いることができる。プロセス上有利なのは、触媒と生成物の分離が容易な固定床流通反応であり、例えば、γ―アルミナ等が好ましい。
【0046】
この脱水反応は吸熱反応であるため、通常加熱条件で行う。商業的に有用な反応速度で反応が進行すれば、加熱温度は限定されないが、好ましくは100℃以上、より好ましくは250℃以上、更に好ましくは300℃以上の温度が適当である。上限も特に限定されないが、エネルギー収支及び設備の観点から、好ましくは500℃以下、より好ましくは400℃以下である。
【0047】
エタノールの脱水反応においては、原料として供給するエタノール中に含まれる水分量によって反応の収率が左右される。一般的に、脱水反応を行う場合には、水の除去効率を考えると水が無いほうが好ましい。しかしながら、固体触媒を用いたエタノールの脱水反応の場合、水が存在しないと他のオレフィン、特にブテンの生成量が増加する傾向にあることが判明した。恐らく、少量の水が存在しないと脱水後のエチレン二量化を押さえることができないためと推察している。許容される水の含有量の下限は、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上必要である。上限は特に限定されないが、物質収支上及び熱収支の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
【0048】
このようにしてエタノールの脱水反応を行うことによりエチレン、水及び少量の未反応エタノールの混合部が得られるが、常温において約5MPa以下ではエチレンは気体であるため、これら混合部から気液分離により水やエタノールを除きエチレンを得ることができる。これは公知の方法で行えばよい。
【0049】
気液分離により得られたエチレンは更に蒸留され、このときの操作圧力が常圧以上であること以外は、蒸留方法、操作温度、及び滞留時間等は特に制約されない。
【0050】
原料がバイオマス由来のエタノールの場合、得られたエチレンには、エタノール発酵工程で混入した不純物であるケトン、アルデヒド、及びエステル等のカルボニル化合物ならびにその分解物である炭酸ガスや、酵素の分解物・夾雑物であるアミン及びアミノ酸等の含窒素化合物ならびにその分解物であるアンモニア等が極微量含まれる。エチレンの用途によっては、これら極微量の不純物が問題となるおそれがあるので、精製により除去してもよい。精製方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。好適な精製操作としては、例えば、吸着精製法をあげることができる。用いる吸着剤は特に限定されず、従来公知の吸着剤を用いることができる。例えば、高面積の材料が好ましく、吸着剤の種類としては、バイオマス由来のエタノールの脱水反応により得られるエチレン中の不純物の種類・量に応じて選択される。
【0051】
なお、エチレン中の不純物の精製方法として苛性水処理を併用してもよい。苛性水処理をする場合は、吸着精製前に行うことが望ましい。その場合、苛性処理後、吸着精製前に水分除去処理を施す必要がある。
【0052】
樹脂組成物に含まれる共重合体は、バイオマス由来のエチレン又は化石燃料由来のエチレと、化石燃料由来のαオレフィンとを、上記シングルサイト触媒等を用いて、公知の重合方法により得ることができる。
【0053】
一実施形態において、樹脂組成物に含まれる、バイオマス由来のエチレンと、化石燃料由来のαオレフィンと、の共重合体の含有量は、樹脂組成物全体に対して、50質量%以下である。
樹脂組成物に含まれる、バイオマス由来のエチレンと、化石燃料由来のαオレフィンと、の共重合体の含有量は、樹脂組成物全体に対して、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上30質量%以上であることが好ましい。これにより、樹脂フィルムの環境負荷低減性をより向上することができる。
また、上記共重合体の含有量を1質量%以下とすることにより、樹脂フィルムの滑り性を向上することができる共に、樹脂フィルムを包装製品に用いた際に、包装製品の開口性を向上することができる。
【0054】
樹脂組成物のバイオマス度は、50%以下であってもよい。樹脂組成物のバイオマス度は、1%以上50以下であることが好ましく、5%以上40%以下であることが更に好ましいく、10%以上30%以下であることが更に好ましい。これにより、樹脂フィルムの環境負荷低減性をより向上することができる。
【0055】
ここで、バイオマス度について説明する。
大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えば、とうもろこし中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。したがって、全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。
「バイオマス度」とは、バイオマス由来成分の重量比率を示すものである。例えば、ポリエチレンテレフタレートを例にとると、ポリエチレンテレフタレートは、2炭素原子を含むエチレングリコールと8炭素原子を含むテレフタル酸とがモル比1:1で重合したものであるため、エチレングリコールとしてバイオマス由来のもののみを使用した場合、ポリエステル中のバイオマス由来成分の重量比率は31.25%であるため、バイオマス度の理論値は31.25%となる。具体的には、ポリエチレンテレフタレートの質量は192であり、そのうちバイオマス由来のエチレングリコールに由来する質量は60であるため、60÷192×100=31.25となる。また、化石燃料由来のエチレングリコールと、化石燃料由来のジカルボン酸と、を用いて製造した化石燃料ポリエステル中のバイオマス由来成分の重量比率は0%であり、化石燃料ポリエステルのバイオマス度は0%となる。以下、特に断りのない限り、「バイオマス度」とはバイオマス由来成分の重量比率を示したものとする。
【0056】
理論上、ポリエチレンの原料として、バイオマス由来の原料のみを用いれば、バイオマス由来のエチレン濃度は100%であり、バイオマスポリエチレンのバイオマス度は100%となる。
また、化石燃料由来の原料のみで製造された化石燃料ポリエチレン中のバイオマス由来のエチレン濃度は0%である。
【0057】
一実施形態において、樹脂組成物に含まれる、エチレンと、炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体の含有量は、樹脂組成物全体に対して、35質量%以上である。これにより、樹脂フィルムの環境負荷低減性及び耐破れ性を向上することができる。
樹脂組成物に含まれる、エチレンと、炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体の含有量は、樹脂組成物全体に対して、35質量%以上90質量%以下であることが好ましく、45質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
【0058】
樹脂組成物は、エチレンと、炭素数8以上のαオレフィンと、の共重合体を含むことが好ましい。これにより、樹脂フィルムの耐破れ性を向上することができる。
樹脂組成物に含まれるエチレンと、炭素数8以上のαオレフィンと、の共重合体の含有量は、樹脂組成物全体に対して、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。
【0059】
樹脂組成物は、高圧法低密度ポリエチレンを含んでもよい。これにより、樹脂フィルムのヘイズ値を低減することができると共に、樹脂組成物の加工性を向上することができる。
樹脂組成物に含まれる高圧法ポリエチレンの含有量は、30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上25質量%以下であることが更に好ましい。
【0060】
高圧法低密度ポリエチレンは、バイオマス高圧法低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。これにより、樹脂フィルムの環境負荷低減性をより向上することができると共に、樹脂フィルムのヘイズをより低減することができる。
【0061】
樹脂組成物は、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、又はこれらの混合物を含んでもよい。
【0062】
樹脂組成物は、1種又は2種以上のアンチブロッキング剤を含んでもよい。アンチブロッキング剤としては、合成シリカ、天然シリカ、タルク及び合成ゼオライト等が挙げられる。合成シリカ及び合成ゼオライトとは、人為的手段により生産されたものを意味する。これらの中でも、アンチブロッキング剤は、合成ゼオライトであることが好ましい。
樹脂組成物がアンチブロッキング剤を含むことにより、樹脂フィルムの滑り性を向上することができる共に、樹脂フィルムを包装製品に用いた際に、包装製品の開口性を向上することができる。
アンチブロッキング剤は、アンチブロッキング剤と、ポリエチレンと、を含むマスターバッチの形態で樹脂組成物に加えることができる。
【0063】
樹脂組成物に含まれるアンチブロッキング剤の含有量は、樹脂組成物全体に対して、0.01質量以上1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。
アンチブロッキング剤の含有量を0.01質量%以上とすることにより、樹脂フィルムの滑り性をより向上することができる。
アンチブロッキング剤の含有量を0.5質量%以下とすることにより、樹脂フィルムの破れ性をより向上することができる。
【0064】
本発明の樹脂フィルムは、1種又2種以上の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等ができる。
【0065】
樹脂組成物の密度は、0.925g/cm以下であることが好ましく、0.900g/cm以上0.925g/cm以下であることがより好ましく、0.910g/cm以上0.925g/cm以下であることが更に好ましい。
【0066】
化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体の密度は、0.930g/cm以下であることが好ましく、0.910g/cm以上0.930g/cm以下であることがより好ましく、0.915g/cm以上0.925g/cm以下であることが更に好ましい。
【0067】
バイオマス由来のエチレンと、化石燃料由来のαオレフィンと、の共重合体の密度は、0.925g/cm以下であることが好ましく、0.900g/cm以上0.925g/cm以下であることがより好ましく、0.910g/cm以上0.920g/cm以下であることが更に好ましい。
【0068】
化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数6以上のαオレフィンと、の共重合体のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることが更に好ましい。メルトフローレートとは、JIS K7210-1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。
MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。
【0069】
バイオマス由来のエチレンと、化石燃料由来のαオレフィンと、の共重合体のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることが更に好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。
【0070】
本発明の樹脂フィルムは、印刷層を備えてもよい。印刷層は、文字、数字、記号、図形、絵柄等を表現する。
【0071】
本発明の樹脂フィルムは、耐破れ性に優れていることから、包装製品、特に袋等に好適に用いることができる。
【0072】
[樹脂フィルムの製造方法]
本発明の樹脂フィルムの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。樹脂フィルムは、Tダイ法又はインフレーション法により行われることがより好ましい。以下、Tダイ法、インフレーション法により樹脂フィルムを製造する方法の一例を説明する。
【0073】
Tダイ法においては、まず、樹脂組成物を構成する材料を乾燥させた後、これを融点以上の温度(Tm)~Tm+100℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、これらを溶融し、Tダイのダイよりシート状に押出し、押出されたシート状物を回転している冷却ドラム等で急冷固化することにより樹脂フィルムを成形することができる。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
【0074】
インフレーション法においては、まず、樹脂組成物を構成する材料を乾燥させた後、これを融点以上の温度(Tm)~Tm+100℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、これらを溶融し、環状ダイのダイにより円筒状に押出しする。このときに、円筒状の溶融樹脂内に下方から空気を送り、円筒の径を所定の大きさに膨張させると共に、円筒外に下方から冷却用空気を送る。この膨張した円筒状体をバブルと呼ぶ。続いて、バブルを、案内板及びピンチロールによってフィルム状に折り畳み、巻き上げ部において巻き取る。折り畳まれたフィルムは、筒状のまま巻き取っても、筒の両端をスリッター等で除去し、2枚のフィルムに切り離してから、それぞれを巻き取ってもよい。これにより樹脂フィルムを成形することができる。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
【0075】
樹脂フィルムが多層構成である場合、樹脂フィルムは、共押出成形されてなることが好ましい。共押出成形は、Tダイ法又はインフレーション法により行われることがより好ましい。
【0076】
樹脂組成物を構成する材料の溶融温度は、150℃以上190℃以下であることが好ましく、170℃以上175℃以下であることがより好ましい。
【0077】
[包装製品]
本発明の包装製品は、本発明の樹脂フィルムを含むものである。包装製品としては、例えば、袋、ラミネート、チューブ、蓋材、シート成形品、ラベル材料等が挙げられる。本発明の包装製品に用いられる樹脂フィルムは、耐破れ性に優れていることから、包装製品は袋であることが好ましい。
【0078】
図2は、本発明の樹脂フィルム10を含む袋20の一実施形態を示す正面図である。図3は、図2に示すの袋20の斜視図である。袋20は、上部21と、下部22と、一対の側部23とを備え、略長方形の形状を有する。袋20において、表面フィルム24と裏面フィルム25とは、1枚の樹脂フィルム10から構成されている。袋20において、底部22は底部接合部26により接合されている。上部21には、内容物を収容又は取り出すための開口部27が設けられている。袋20の上方側には、表面フィルム24及び裏面フィルム25を貫通した穴28が設けられている。穴28は、内容物を運搬する際の持ち手として使用することができる。
袋20において、表面フィルム24と裏面フィルム25とは、独立した2枚の樹脂フィルム10から構成いてもよい。この場合、一対の側部23は、側部接合部により接合され、底部22は底部接合部26により接合されてもよい(図示せず)。
袋20において、一対の側部23は内側に谷折りとなった折り返し部を有してもよい(図示せず)。
なお、図2及び図3のハッチング部は接合部を意味する。
【0079】
一実施形態において、接合部は、ヒートシールにより形成することができる。ヒートシールとしては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール、及び溶断シール等の公知の方法が挙げられる。
一実施形態において、接合部は、ホットメルトにより形成することができる。ホットメルトとしては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、並びにゴム等の接着剤を用いた公知の方法が挙げられる。
【0080】
図2及び図3に示すような袋20を用いて、内容物を運搬すると、穴28の周りに負荷がかかり、袋20が破れる恐れがある。袋20は、本発明の樹脂フィルム10を含むことにより、耐破れ性を向上することができる。
【0081】
袋20の内容物としては、例えば、カタログ、パンフレット、雑誌、リーフレット、冊子、シール及び平らな樹脂成型品等が挙げられる。
【0082】
袋20は、例えば、10g以上2.5kg以下の内容物を入れることができる。
【0083】
図4は、本発明の樹脂フィルム10を含む袋30の一実施形態を示す正面図である。図5は、図4に示すの袋30の斜視図である。袋30は、上部31と、下部32と、一対の側部33とを備え、略長方形の形状を有する。袋30において、表面フィルム34と裏面フィルム35とは、1枚の樹脂フィルム10から構成されている。袋30において、一対の側部33はそれぞれ側部接合部36により接合されている。上部31には、内容物を収容又は取り出すための開口部37が設けられている。袋30の上方側には、表面フィルム34及び裏面フィルム35を貫通した穴38が設けられている。穴38は、内容物を運搬する際の持ち手として使用することができる。袋30は、表面フィルム34及び裏面フィルム35が、それぞれ内側に折り返された頭折部39を有する。袋30は、底部32は内側に谷折りとなった折り返し部40を有する。
なお、図4及び図5のハッチング部は接合部を意味する。接合部は、ヒートシール及び/又はホットメルトにより形成することができる。ヒートシール及びホットメルトとしては、上記したものが挙げられる。
【0084】
図4及び図5に示すような袋30を用いて、内容物を運搬すると、穴38の周りに負荷がかかり、袋30が破れる恐れがある。袋30は、本発明の樹脂フィルム10を含むことにより、袋の耐破れ性を向上することができる。また、袋30は、頭折部39を有することで、袋の耐破れ性をより向上することができる
【0085】
袋30の内容物としては、例えば、液体及び/又は固体充填ボトル、未充填ボトル、液体及び/又は固体充填缶容器、未充填缶容器、並びに詰め替えパウチ等が挙げられる。
【0086】
袋30は、例えば、0.3kg以上4.0kg以下の内容物を入れることができる。
【0087】
図6は、本発明の樹脂フィルム10を含む袋50の一実施形態を示す正面図である。図7は、図6に示すの袋50の斜視図である。袋50は、上部51と、下部52と、一対の側部53とを備え、略長方形の形状を有する。袋50において、表面フィルム54と裏面フィルム55とは、1枚の樹脂フィルム10から構成されている。袋50において、一対の側部53はそれぞれ側部接合部56により接合されている。上部51には、内容物を収容又は取り出すための開口部57が設けられている。袋50は、表面フィルム54及び裏面フィルム55が、それぞれ内側に折り返された頭折部58を有する。表面フィルム54の頭折部58は、頭折部接合部59で接合され、同様に裏面フィルム55の頭折部58は、頭折部接合部59で接合されている。袋50は、底部52が内側に谷折りとなった折り返し部60を有する。袋50は、2つの取手61を備えている。取手61は、それぞれ、表面フィルム54の上方及び裏面フィルム55の上方に、取手接合部62により接合されている。
なお、図6及び図7のハッチング部は接合部を意味する。接合部は、ヒートシール及び/又はホットメルトにより形成することができる。ヒートシール及びホットメルトとしては、上記したものが挙げられる。
【0088】
図6及び図7に示すような袋50を用いて、内容物を運搬すると、取手接合部62の周りに負荷がかかり、袋50が破れる恐れがある。袋50は、本発明の樹脂フィルム10を含むことにより、袋の耐破れ性を向上することができる。また、袋50は、頭折部58を有することで、袋の耐破れ性をより向上することができる
【0089】
袋50の内容物としては、例えば、液体及び/又は固体充填ボトル、未充填ボトル、液体及び/又は固体充填缶容器、未充填缶容器並びに詰め替えパウチが挙げられる。
【0090】
袋50は、例えば、0.3kg以上4.0kg以下の内容物を入れることができる。
【0091】
図8は、本発明の樹脂フィルム10を含む袋70の一実施形態を示す正面図である。図9は、図8に示す袋70の背面図である。袋70は、上部71と、下部72と、一対の側部73とを備え、略長方形の形状を有する。袋70において、表面フィルム74と裏面フィルム75とが、1枚の樹脂フィルム10から構成されている。袋50において、一対の側部53はそれぞれ側部接合部56により接合されている。図8において、袋70は、樹脂フィルム10の重ね合わせ部77を有する。袋50において、重ね合わせ部77は重ね合わせ部接合部78により接合されている。
なお、図8及び図9のハッチング部は接合部を意味する。接合部は、ヒートシール及び/又はホットメルトにより形成することができる。ヒートシール及びホットメルトとしては、上記したものが挙げられる。
【0092】
袋70の内容物としては、例えば、カタログ、パンフレット、雑誌、リーフレット、冊子、シール及び平らな樹脂成型品等が挙げられる。
【0093】
袋70は、例えば、10g以上2.5kg以下の内容物を入れることができる。
【0094】
本発明の包装製品は、包装製品の表側及び/又は内側に印刷層を備えてもよい。印刷層は、文字、数字、記号、図形、絵柄等を表現する。
【実施例
【0095】
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
なお、実施例において使用する各材料は以下の通りである。
・バイオC4共重合体:バイオマス由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数4のαオレフィンと、の共重合体(ブラスケム社製、商品名:SLL-118、密度:0.916g/cm、MFR:1.0g/10分、バイオマス度87%)
・石化C6共重合体:化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数6のαオレフィンと、の共重合体(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製、商品名:DOWLEX(登録商標)2645、密度:0.918g/cm、MFR:0.85g/10分、バイオマス度0%)
・石化C8共重合体:化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数8のαオレフィンと、の共重合体(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製、商品名:DOWLEX(登録商標)2045、密度:0.922g/cm、MFR:1.0g/10分、バイオマス度0%)
・石化C4共重合体:化石燃料由来のエチレンと、化石燃料由来の炭素数4のαオレフィンと、の共重合体(PTT Polymer Marketing Company Limited製、商品名:LL7410D、密度:0.921g/cm、MFR:1.0g/10分、バイオマス度0%)
・石化LDPE:化石燃料高圧法低密度ポリエチレン(PTT Polymer Marketing Company Limited製、商品名:LD2426H、密度:0.924g/cm、MFR:1.9g/10分、バイオマス度0%)
・バイオLDPE:バイオマス高圧法低密度ポリエチレン(ブラスケム社製、商品名:STN7006、密度:0.924g/cm、MFR:0.6g/10分、バイオマス度95%)
・石化MB:ポリエチレンマスターバッチ(株式会社プライムポリマー製、商品名:EAZ-30、密度:0.62g/cm、バイオマス度0%、合成ゼオライト30質量%及び低密度ポリエチレンを80質量%配合した組成物)
【0096】
[実施例1]
30質量部のバイオC4共重合体と、59質量部の石化C6共重合体と、10質量部の石化LDPEと、1質量部のポリエチレンマスターバッチと、を混合して溶融し、樹脂組成物を得た。
【0097】
得られた樹脂組成物の溶融物を、Tダイ成形にて押出し、厚み50μmの樹脂フォルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。なお、表1において、「%」は全て質量基準である。
【0098】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0099】
[実施例2]
5質量部のバイオC4共重合体と、84質量部の石化C6共重合体と、10質量部の石化LDPEと、1質量部の石化MBと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0100】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0101】
[実施例3]
40質量部のバイオC4共重合体と、49質量部の石化C6共重合体と、10質量部の石化LDPEと、1質量部の石化MBと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0102】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0103】
[実施例4]
50質量部のバイオC4共重合体と、39質量部の石化C6共重合体と、10質量部の石化LDPEと、1質量部の石化MBと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0104】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0105】
[実施例5]
30質量部のバイオC4共重合体と、29質量部の石化C6共重合体と、30質量部の石化C8共重合体と、10質量部の石化LDPEと、1質量部の石化MBと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0106】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0107】
[実施例6]
40質量部のバイオC4共重合体と、19質量部の石化C6共重合体と、30質量部の石化C8共重合体と、10質量部の石化LDPEと、1質量部の石化MBと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0108】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0109】
[実施例7]
40質量部のバイオC4共重合体と、49質量部の石化C8共重合体と、10質量部の石化LDPEと、1質量部の石化MBと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0110】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0111】
[実施例8]
20質量部のバイオC4共重合体と、69質量部の石化C6共重合体と、10質量部のバイオLDPEと、1質量部の石化MBと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0112】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0113】
[実施例9]
30質量部のバイオC4共重合体と、45質量部の石化C6共重合体と、25質量部の石化LDPEと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0114】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0115】
[比較例1]
90質量部の石化C4共重合体と、10質量部の石化LDPEと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0116】
本比較例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0117】
[比較例2]
5質量部のバイオC4共重合体と、85質量部の石化C4共重合体と、10質量部の石化LDPEと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0118】
本比較例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0119】
[比較例3]
30質量部のバイオC4共重合体と、60質量部の石化C4共重合体と、10質量部の石化LDPEと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0120】
本比較例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0121】
[比較例4]
40質量部のバイオC4共重合体と、50質量部の石化C4共重合体と、10質量部の石化LDPEと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0122】
本比較例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0123】
[比較例5]
50質量部のバイオC4共重合体と、40質量部の石化C4共重合体と、10質量部の石化LDPEと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0124】
本比較例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0125】
[比較例6]
40質量部の石化C4共重合体と、49質量部の石化C6共重合体と、10質量部の石化LDPEと、1質量部の石化MBと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0126】
本比較例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0127】
[比較例7]
25質量部の石化C6共重合体と、64質量部のバイオC4共重合体と、10質量部の石化LDPEと、1質量部の石化MBと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0128】
本比較例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0129】
[実施例10]
実施例1と同様の樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして、厚み40μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0130】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0131】
[実施例11]
実施例4と同様の樹脂組成物を用いて、実施例10と同様にして、厚み40μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0132】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0133】
[実施例12]
実施例5と同様の樹脂組成物を用いて、実施例10と同様にして、厚み40μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0134】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0135】
[実施例13]
実施例7と同様の樹脂組成物を用いて、実施例10と同様にして、厚み40μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0136】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0137】
[実施例14]
実施例8と同様の樹脂組成物を用いて、実施例10と同様にして、厚み40μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0138】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0139】
[実施例15]
実施例1と同様の樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして、厚み30μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0140】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0141】
[実施例16]
実施例5と同様の樹脂組成物を用いて、実施例15と同様にして、厚み30μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0142】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0143】
[実施例17]
実施例8と同様の樹脂組成物を用いて、実施例15と同様にして、厚み30μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0144】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0145】
[実施例18]
実施例1と同様の樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして、厚み27μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0146】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0147】
[実施例19]
実施例5と同様の樹脂組成物を用いて、実施例18と同様にして、厚み27μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0148】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0149】
[実施例20]
実施例7と同様の樹脂組成物を用いて、実施例18と同様にして、厚み27μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0150】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0151】
[実施例21]
実施例8と同様の樹脂組成物を用いて、実施例18と同様にして、厚み27μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0152】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0153】
[実施例22]
実施例1と同様の樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして、厚み25μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0154】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0155】
[実施例23]
実施例5と同様の樹脂組成物を用いて、実施例22と同様にして、厚み25μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0156】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0157】
[実施例24]
実施例7と同様の樹脂組成物を用いて、実施例22と同様にして、厚み25μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0158】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0159】
[実施例25]
30質量部のバイオC4共重合体と、60質量部の石化C6共重合体と、10質量部の石化LDPEと、を用いて樹脂組成物を得たこと以外は、実施例22と同様にして、厚み25μmの樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの密度、バイオマス度、各樹脂の含有量を表1に示す。
【0160】
本実施例の樹脂フィルムを用いて、図2に示す袋を作製した。
【0161】
【表1-1】
【0162】
【表1-2】
【0163】
【表1-3】
【0164】
【表1-4】
【0165】
【表1-5】
【0166】
<引張強度及び引張伸度の測定>
上記実施例及び比較例で作製した樹脂フィルムの流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)における引張強度及び引張伸度を測定した。樹脂フィルムの引張強度は、JIS Z1702に準拠して測定した。引張試験機としては、株式会社イマダ製のフォースゲージ ZTシリーズ(クロスヘッド速度一定型)を用いた。試験片としては、樹脂フィルムを幅10mm、長さ120mmの矩形状のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は80mmであり、引張速度は500mm/分である。測定時の温度は23℃、相対湿度は50%とした。測定結果を表2に示す。
【0167】
<ヘイズ値の評価>
実施例2、4、5及び7~9で作製した樹脂フィルムのヘイズ値を測定した。樹脂フィルムのヘイズ値は、JIS K 7136:2000に準拠して測定した。測定器(ヘイズメーター)としては、日本電色工業株式会社製のNDH7000SPを用いた。測定結果を表3に示す。
【0168】
<滑り性の評価>
実施例1及び4、並びに比較例6で作製した樹脂フィルムの表面の滑り性を測定した。滑り性の評価では、樹脂フィルムの表面の摩擦係数を測定した。具体的には、樹脂フィルムの表面と、金属板の表面と、の間の静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。測定は、株式会社島津製作所製のオートグラフAG-5kNXpusHSを用いて、JIS K 7125:1999に準拠して行った。金属板としては、研磨SUS板(#360)を用いた。金属板と、樹脂フィルムとの接触面積は40cm(一辺の長さ:63mm)とし、法線力は1.96Nとした。
【0169】
以下、測定の具体的な方法について説明する。まず、樹脂フィルムが切断された試験片を準備した。続いて、試験片を、温度23±2℃及び湿度50±5%の環境下で48時間以上にわたって保管した。続いて、温度23±2℃及び湿度50±5%の環境下において、金属板の表面上で試験片を100mm/minの速度で滑動させた。滑動が開始する際に試験片に加えた力、及び活動中に試験片に加えた力に基づいて、試験片の表面の静摩擦係数及び動摩擦係数を算出した。これを5回行い、5回の平均値を算出した。平均値の算出結果を表4に示す。
【0170】
【表2-1】
【0171】
【表2-2】
【0172】
【表2-3】
【0173】
【表2-4】
【0174】
【表2-5】
【0175】
【表3】
【0176】
【表4】
【0177】
本発明の樹脂フィルムは、バイオマス由来の材料が用いられているため、環境負荷低減性に優れ、二酸化炭素の排出量を削減することができる。
表2に示すように、本発明の樹脂フィルムは、引張強度及び引張伸度が高いことから、耐破れ性に優れていることがわかる。
また、表3に示すように、低密度ポリエチレンの含有量を高くすることにより、ヘイズ値が低減されていることがわかる。また、バイオマス低密度ポリエチレンを用いることにより、ヘイズ値がより低減されていることがわかる。
また、表4に示すように、樹脂組成物に含まれるバイオC4共重合体の含有量が増加するほど、樹脂フィルムの滑り性が向上していることがわかる。
【符号の説明】
【0178】
10:樹脂フィルム
20:袋
21:上部
22:底部
23:側部
24:表面フィルム
25:裏面フィルム
26:底部接合部
27:開口部
28:穴
30:袋
31:上部
32:底部
33:側部
34:表面フィルム
35:裏面フィルム
36:側部接合部
37:開口部
38:穴
39:折り返し部
40:頭折部
50:袋
51:上部
52:底部
53:側部
54:表面フィルム
55:裏面フィルム
56:側部接合部
57:開口部
58:頭折部
59:頭折部接合部
60:折り返し部
61:取手
62:取手接合部
70:袋
71:上部
72:底部
73:側部
74:表面フィルム
75:裏面フィルム
76:側部接合部
77:重ね合わせ部
78:重ね合わせ部接合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9