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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】通信制御装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/42 20060101AFI20240827BHJP
   H04Q 3/58 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H04M3/42 D
H04Q3/58 101
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020144216
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039272
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 徹
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-178358(JP,A)
【文献】特開2007-036598(JP,A)
【文献】特開2011-244165(JP,A)
【文献】特開2019-145972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/42
H04Q 3/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内線通話網内の発着信制御を行う通信制御装置であって、
音声通話可能な携帯通信端末から通話可能位置情報及び前記携帯通信端末の現在位置情報を含む1の登録要求を、無線通信を介して受け付ける受付部と、
前記1の登録要求に含まれる前記通話可能位置情報及び前記現在位置情報の一致に基づき前記携帯通信端末に前記内線通話網内の内線通話を許可するか否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記携帯通信端末に内線通話を許可した場合、前記携帯通信端末を前記内線通話網内の内線電話機として登録して前記内線通話網内の呼制御を行う制御部と、
を有することを特徴とする通信制御装置。
【請求項2】
前記携帯通信端末は、前記通話可能位置情報を含む通話ソフトウェアを前記携帯通信端末にインストールするインストール手段を有し、且つ、前記通話ソフトウェアが起動して前記内線通話網内の内線電話機として画像表示するタッチパネルを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記通話ソフトウェアにより前記携帯通信端末が所定周期に送る前記現在位置情報を受け付け、前記制御部へ通知し、
前記制御部は、前記携帯通信端末の前記現在位置情報が前記通話可能位置情報から変わった場合又は前記登録からの経過時間が予め規定された許可接続時間の上限時間を超過した場合に接続断を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記通信制御装置は、前記携帯通信端末が接続断にある場合、前記受付部、前記判定部及び前記制御部を介して再度無線通信して内線電話機として再登録を受け付ける
ことを特徴とする請求項3に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記携帯通信端末で通話可能領域の名称と前記通話可能領域に関連するGPS位置情報として前記通話可能位置情報を記憶し、前記GPS位置情報と前記携帯通信端末の前記現在位置情報との一致により認証を行う
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の通信制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末の間の発着信制御を行う構内電話交換機(PBX)等の通信制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、移動端末と無線回線で通信するための無線基地局を接続した交換機とからなる無線通信交換システムにおける、移動端末が複数の無線通信交換システムの加入端末である場合の移動端末認証方式が提案されている。
【0003】
認証方式の一例としては、「コミュニケーションシステムにおける登録、認証機能」に関する非特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-4586号公報
【文献】RFC 3261 - SIP: Session Initiation Protocol
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
構内電話交換機(PBX)に収容される固定内線電話機を設置するデスクには空きスペースが必要であり、さらに電話専用線も必要になる。さらに、内線電話機の使用頻度が低い会議室等の各部屋でも設置する必要があり、設備費用や維持管理費用が負担となるという問題点があった。だからといって、内線電話機が設置されていない会議室等において、社内の者も社外からの来訪者もその建物内の他の内線電話機との通話が行えず、連絡が取りづらくなるという問題点もある。
【0006】
本発明は、上記した従来の課題に鑑みなされたものであり、利用者の携帯通信端末を内線電話機として一時的に接続して使用できるようにする通信制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の通信制御装置は、内線通話網内の発着信制御を行う通信制御装置であって、音声通話可能な携帯通信端末から通話可能位置情報及び前記携帯通信端末の現在位置情報を含む1の登録要求を、無線通信を介して受け付ける受付部と、前記1の登録要求に含まれる前記通話可能位置情報及び前記現在位置情報の一致に基づき前記携帯通信端末に前記内線通話網内の内線通話を許可するか否かを判定する判定部と、前記判定部が前記携帯通信端末に内線通話を許可した場合、前記携帯通信端末を前記内線通話網内の内線電話機として登録して前記内線通話網内の呼制御を行う制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、未登録のスマートフォン等の携帯通信端末を、内線電話機の無い会議室等の場所の情報および当該携帯通信端末の現在位置情報に基づく認証・登録を行うことにより、当該携帯通信端末を通信制御装置に接続して一時的に内線電話機として使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例の構内電話交換機である通信制御装置を含む通信システムの構成例の一例を示す概略説明図である。
図2】本実施例の通信制御装置に一時的に内線電話機として収容される携帯通信端末のスマートフォンの一例の構成を示すブロック図である。
図3】本実施例の通信制御装置の記憶部に記憶される一時内線テーブルの一例を説明する図ある。
図4】本実施例の通信制御装置により一時的内線電話機の接続断を制御する一時的使用制限フローを示すフローチャートである。
図5】本実施例の携帯通信端末を一時的内線電話機として利用する場合における携帯通信端末にソフトフォンをダウンロード・インストールする手順と、携帯通信端末の登録手順とを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例による通信制御装置として構内電話交換機について、図面を参照して説明する。さらに、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0011】
(構成の説明)
図1は、本実施例の構内電話交換機である通信制御装置10を含む通信システムの構成例の一例を示す概略説明図である。システム構成は、通信制御装置10とこれに通信可能に1つ以上接続(収容)された多機能電話機MFT(又は固定電話機)とで構成される。通信制御装置10は、通信網NWに接続され、この通信網NWには固定の通信端末CTTやフューチャーフォン等の携帯通信端末101や他の通信網(図示しない)が接続される。また、固定の通話端末CTTとしては、ビジネスフォン、IP電話機、固定電話機等が挙げられる。通信制御装置10は、外線の通信端末CTT等と内線の多機能電話機MFTとの間及び内線の多機能電話機MFT同士の間の通話の発着信制御を行う。すなわち、通信制御装置10は内線通話網nT内の発着信制御を行う。
【0012】
外線として複数の通信端末CTT等が接続可能な通信網NWの接続形態は、携帯電話網、IP(Internet Protocol)回線網、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)の他、例えばインターネット、衛星通信網等の公衆回線網や、各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、VoPN(Voice over Packet Network)のような専用回線網を含むものであってもよい。通信網NWの電話回線網には通信制御装置10に接続される回線終端装置が含まれ、この回線終端装置は、一般的に、通信回線網の終端部分に設置されるモデムやターミナルアダプタ(TA)、光回線終端装置(ONU)等が挙げられる。
【0013】
[通信制御装置]
構内電話交換機である通信制御装置10は、主制御部10mを備える一種のコンピュータ装置であり、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)と、内部バス、USB(Universal Serial Bus)や、ネットワーク接続部(NIC:Network Interface Card)や、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(solid state drive)等の記憶部を含み、記憶部に格納されたプログラムに従い、CPUがRAMを一次記憶用ワークメモリとして利用して、その内部構成機器の複数同士が内部バスや内部ケーブルで接続され、独自のソフトウェア制御により内部構成機器相互の通信が可能となるように構成されている。
【0014】
通信制御装置10は、複数の機能ユニット(図示せず)をプラグイン接続で搭載して、各機能ユニットが主制御部10mの下で内部構成機器や外部装置と通信並びにそれに係る機能を実現ができるように構成されている。機能ユニットとしては、主制御部10mの下で、収容した多機能電話機MFT同士や、回線終端装置等の外線回線の装置との通信(発着信制御)ができるように、外線回線収容部機能ユニットOSL、スイッチ部機能ユニットSWT、内線電話機収容部機能ユニットISL等が搭載されている。通信制御装置10は、図示しないが、一般的に様々なサービス機能ユニットを搭載し、それぞれに応じて、収容した各電話機の内線機能、例えば、ACR発信、PB発信、内線外線通話制御、通話録音、代理応答、昼夜切替、転送等を実現できる。
【0015】
本実施例の説明では、携帯通信端末101を一時的に内線電話機として収容する主制御部10mを詳述するために、機能ユニットの説明を省略する。
【0016】
[携帯通信端末]
携帯通信端末101としては、スマートフォン、タブレット、ノートPC(パーソナルコンピュータ、フューチャーフォンが挙げられる。
【0017】
図2は、通信制御装置10に一時的に内線電話機として収容される携帯通信端末101のスマートフォンの一例の構成を示すブロック図である。一般的に、スマートフォンは、音声通話やデータ通信に用いられ基地局との通信信号を送受信する通信部101a、利用者とのインターフェースのための操作部兼表示部であるタッチパネル101b、時計101c、マイク101d、スピーカ101e、振動子101f、カメラ101g、位置検出用のGPSセンサ101h、傾き検出用のジャイロセンサ101i、磁気検出用の地磁気センサ101j、距離検出用の近接センサ101k、明るさ検出用の照度センサ101l及び慣性検出用の加速度センサ101m、の作動装置・センサ、並びに、これらセンサからの信号を受け且つこれら作動装置を制御する制御部101nを含んでいる。
【0018】
制御部101nはCPUとフラシュメモリ等のROM,RAMの記憶部を含み、記憶部にインストールされた種々のソフトウエアプログラム(携帯通信端末101を一時的に内線電話機として通信制御装置10に収容する後述のソフトフォン(通話ソフトウェア)を含む)に従うCPUによって携帯通信端末の処理を含む全体動作を制御するコンピュータ装置である。なお、ソフトウエアプログラムに含まれるメーラーソフトや、カメラ101gと協働してQRコード(登録商標)を読み取るスキャナソフトはソフトウエアプログラムをインストールするインストール手段として機能する。
【0019】
GPSセンサ101hはGPS信号を受信し、CPUにより、GPS信号に基づいて携帯通信端末101の現在位置を検出する。現在時刻を計時する時計はGPSセンサによる測位の計算にCPUにより利用される。
【0020】
スマートフォン(以下、スマホともいう)やタブレット等の携帯通信端末101にインストールされた一時的内線電話機アプリケーションすなわちソフトフォンの機能としては、以下の(1)~(6):
(1)一時的内線電話機として登録を要求する「登録要求」を通信制御装置10へ送信する送信機能、
(2)認証に必要なGPSセンサ101h等を利用した携帯通信端末101の現在位置情報(スマホGPS情報)を取得する現在位置情報取得機能、
(3)通信制御装置10から受信した「現在位置情報要求」に対し、認証に必要な現在位置情報を返信する返信機能、
(4)通信制御装置10から受信した一時的内線電話機としての「登録許可」に応じて、ソフトフォンの内線電話機機能をアクティベートする(例えば、ソフトフォンが起動して内線通話網nT内の内線電話機として機能する様々な画像をタッチパネル101bに表示して入力・選択を促す)機能、
(5)タッチパネル101bやマイク101dを介した利用者による入力を受け付ける受付機能、
(6)当該入力・選択に応じて通信部101aを機能させる送受信制御機能、
(7)一時的内線電話機としての携帯通信端末101の登録後に、所定周期に、スマホGPS情報(現在位置情報)を通信制御装置10へ送信する送信機能、等を備える。
【0021】
[主制御部]
通信制御装置10の主制御部10mは、携帯通信端末101にインストールされたソフトフォンの機能と協働する一時内線テーブルTBと、受付部UTと、判定部HTを有する。
【0022】
[一時内線テーブル]
図3は、通信制御装置10の記憶部に記憶される一時内線テーブルTBの一例を示したものである。一時内線テーブルTBは、既定情報としての携帯通信端末101に一時的に割当られる電話番号(内線番号)と、部屋情報(会議室等の通話可能位置情報)と、部屋GPS情報(会議室等のGPS位置情報)と、許可接続時間(通話可能時間)と、登録情報としてのスマホGPS情報(現在位置情報)と、スマホMACアドレス(携帯通信端末101のMACアドレス(Media Access Control address))と、携帯通信端末101を内線電話機として登録した登録時刻とが、内線番号毎に関係付けられて一意的に格納される。部屋GPS情報及びスマホGPS情報は、同一コード形式であればよく、例えばplus code等でもよい。
【0023】
一時内線テーブルTBのうち既定情報の電話番号(内線番号)と部屋情報(会議室等の通話可能位置情報)は、アプリケーションソフトであるソフトフォン(通話ソフトウェア)のダウンロード用サーバにも格納される。内線番号と部屋情報は、ソフトフォンと共に該サーバから携帯通信端末101に提供される。
【0024】
一時内線テーブルTBのうち既定情報の部屋GPS情報(会議室等のGPS位置情報)は、携帯通信端末101を内線電話機として認証・登録のための参照情報となり、部屋GPS情報と携帯通信端末101のスマホGPS情報(現在位置情報)との一致により端末の認証がなされる。
【0025】
一時内線テーブルTBのうち登録情報のスマホGPS情報(現在位置情報)とスマホMACアドレス(携帯通信端末101のMACアドレス)は、携帯通信端末101から送信され、端末の認証・登録の後に、登録した登録時刻と共に記録される。
【0026】
[受付部]
主制御部10mの受付部UTは、携帯通信端末101から通話可能となる会議室等の通話可能位置情報(部屋情報)及び携帯通信端末101のスマホGPS情報(現在位置情報)を含む内線登録要求を、無線通信を介して受け付ける。
【0027】
また、受付部UTは、携帯通信端末101がそのソフトフォンの機能により所定周期に送るスマホGPS情報(現在位置情報)を、受け付けて、主制御部10mが取得する。
【0028】
[判定部]
主制御部10mの判定部HTは、図3に示す記憶部に記憶される一時内線テーブルTBの既定情報を参照して、内線登録要求に含まれる部屋情報及びスマホGPS情報(現在位置情報)の一致に基づき携帯通信端末101に内線通話網nT内の内線通話を許可するか否かを判定する。
【0029】
判定部HTは、携帯通信端末101の通話可能領域である会議室の名称「第1会議室」等と該会議室の位置である会議室のGPS位置情報(部屋GPS情報)として部屋情報を記憶し、会議室のGPS位置情報と携帯通信端末101のスマホGPS情報(現在位置情報)との一致により認証を行う。
【0030】
主制御部10mは、判定部HTが携帯通信端末101に内線通話を認証した後、携帯通信端末101を内線通話網nT内の内線電話機として登録して、携帯通信端末101の接続要求に応じて携帯通信端末101の内線通話網nT内の呼制御を行う。
【0031】
[一時的使用制限]
登録した携帯通信端末101を内線電話機として一時的に使用させるために、主制御部10mは、送信された携帯通信端末101のスマホGPS情報(現在位置情報)が登録された部屋情報(部屋GPS情報)から変わる事象又は登録後の経過時間が予め規定された許可接続時間の上限時間を超過する事象を監視して、いずれかの事象の場合に接続断を行い、通話接続の場所的かつ時間的制限を実行する。
【0032】
図4は通信制御装置10により一時的内線電話機の接続断を制御する手順を示すフローチャートである。
【0033】
主制御部10mは、携帯通信端末101を内線電話機として登録されているか否かを判別する(S1)。すなわち、図2の一時内線テーブルTBの規定情報と登録情報が記録されていることを確認する。主制御部10mは、携帯通信端末101が登録されている場合(S1:Y)、登録後経過時間の計時を開始する(S2)。主制御部10mは、携帯通信端末101が登録されない場合(S1:N)、当該登録を待つ。
【0034】
主制御部10mは、携帯通信端末101の一時的内線電話機としての登録後の所定時間(許可接続時間)を経過したか否かを判別する(S3)。主制御部10mは、所定時間経過している場合(S3:Y)、携帯通信端末101の接続断とする(S5)。
【0035】
主制御部10mは、登録後所定時間(許可接続時間)を経過していない場合(S3:N)、携帯通信端末101のスマホGPS情報が部屋GPS情報から変化していないか判別する(S4)。主制御部10mは、携帯通信端末101がソフトフォンの起動により所定周期に送るスマホGPS情報(現在位置情報)を取得するので、図2の一時内線テーブルTBの部屋GPS情報とスマホGPS情報とを比較し変化を判別する。主制御部10mは、スマホGPS情報が部屋GPS情報(通話可能位置情報)と不一致であり変化している場合(S4:Y)、携帯通信端末101の接続断とする(S5)。
【0036】
主制御部10mは、スマホGPS情報が部屋GPS情報(通話可能位置情報)と一致して変化がない場合(S4:N)、登録後の所定時間(許可接続時間)を経過したか否かを判別するステップS3に戻る。
【0037】
以上の一時的使用制限フローで、携帯通信端末101の一時的内線電話機としての使用を制限する。
【0038】
(動作の説明)
図5は、会議室等例えば第1会議室に訪れた利用者が自身のスマホ(携帯通信端末101)を一時的内線電話機として利用する場合における、スマホにソフトフォンをダウンロード・インストールする手順と、携帯通信端末101の登録手順とを示すフローチャートである。
【0039】
利用者は、携帯通信端末101のスキャナソフトを起動してカメラで第1会議室にて掲示されているソフトフォンのダウンロード用QRコード(登録商標)を読みとらせると、携帯通信端末101は、自動的に、インターネットを経由してダウンロード用サーバに接続され(S101)、ソフトフォンのダウンロードを行う(S102)。なお、ダウンロードされるソフトフォンには部屋情報(第1会議室)も含まれている。
【0040】
利用者は、ダウンロードしたソフトフォンをインストールする(S103)。なお、利用者は、事前に電子メールにてダウンロード用サーバのURLを取得して、ダウンロード用サーバからソフトフォンをダウンロード・インストールしておいてもよい。
【0041】
利用者は、第1会議室にて携帯通信端末101にインストールしたソフトフォンを起動すると、携帯通信端末101は、タッチパネルに「内線電話機」の起動選択の画像表示をして(S104)、選択を促す。利用者がそれを選択すると、携帯通信端末101は、インターネット経由で通信制御装置10と通信し、部屋情報(第1会議室)及び登録情報(MACアドレス等のレジストリ)と共に、一時的内線電話機として登録を要求する「登録要求」を通信制御装置10へ送信する(S105)。
【0042】
通信制御装置10は、受信した部屋情報及び登録情報から携帯通信端末101が登録要求している部屋GPS情報を識別し、携帯通信端末101へスマホGPS情報(現在位置情報)の送信を要求する(S106)。
【0043】
位置情報の送信要求を受信した携帯通信端末101は、GPSセンサ101hから現在位置情報(スマホGPS情報)を取得し(S107)、これを通信制御装置10に送信する(S108)。
【0044】
携帯通信端末101からスマホGPS情報を受信した通信制御装置10は予め登録された部屋情報(第1会議室)の部屋GPS情報と一致することを確認し(S109)、一致する場合は登録許可を携帯通信端末101に送信する(S110)。同時に、通信制御装置10は携帯通信端末101を一時的内線電話機として一時内線テーブルTBに登録(スマホGPS情報(現在位置情報)と、スマホMACアドレスと、登録時刻)すると共に一時的使用制限フローを実行する(S111)。
【0045】
一時的内線電話機として登録された携帯通信端末101は、通信制御装置10に接続した内線電話機として他の内線の多機能電話機MFTとの発着信を行うことができる。すなわち、登録許可を受信した携帯通信端末101は内線電話機として発着信が可能となる。
【0046】
第1会議室にて、利用者が自身のスマホ(携帯通信端末101)を一時的内線電話機として利用する場合は、スマホにソフトフォンを起動させて、内線通話網nT内の内線電話機として機能する画像がタッチパネル101bに表示され、所望の内線番号を入力すれば(S112)、通信制御装置10が呼制御を行う(S113)。
【0047】
なお、一時的使用制限フローにより、通信制御装置10は、ソフトフォンの起動中で携帯通信端末101が登録後一定時間(許可接続時間)の経過やスマホGPS情報の変化等をした場合に、通信制御装置10は携帯通信端末101との接続を断にする。
【0048】
携帯通信端末101が接続断となった場合はソフトフォンから再認証を行うことにより再接続することができる。すなわち、通信制御装置10は、携帯通信端末101が接続断にある場合、受付部UT、判定部HT及び主制御部10mを介して再度無線通信して内線電話機として再登録を受け付ける。
【0049】
また、携帯通信端末101は通信制御装置10側で設定された権限(内線専用、公衆網発信可能等)で発着信を行うことができるが、電子メール等により追加で認証コードを取得している場合は、この認証コードを通信制御装置10に送信することにより、上位の権限を持たせることもできる。
【0050】
(効果の説明)
以上のように本実施例によれば、内線電話機を設置していない部屋においても外部から来た来訪者が所持している携帯通信端末101を使用し他の内線電話機との通話を行えるようになるため、連絡の利便性が向上する。
【0051】
また、現在の内線電話機を設置している部屋においても、QRコードを壁面に貼っておくことにより電話機を撤去することが可能となり、設備費用や維持管理費用の削減が可能となる。
【0052】
本実施例では、通信制御装置の内線電話機として接続する例で説明したが、一時内線テーブルに記録された携帯通信端末の現在位置情報の活用により、該当する第1会議室の使用状況の把握等にも活用が可能である。
【0053】
本発明によれば、携帯通信端末を通信制御装置に接続する行為において、登録及び認証されていない携帯通信端末でも、会議室等のその場でQRコード読み取り(又は事前に送付された電子メール)で得た情報を用いてインターネットを介してソフトフォンをダウンロードし、当該ソフトフォンに含まれた通話可能位置情報と携帯通信端末の現在位置情報を通信制御装置に送付して認証を行うことにより、一時的に内線電話機として使用することが可能となる。
【0054】
さらに、本発明によれば、一時的内線電話機として使用可能となった携帯通信端末について、現在位置情報が認証されたものから変わった場合や、登録後の経過時間が設定された上限時間を超過した場合に、通信制御装置は接続断を行い、携帯通信端末から再接続するには再認証を必要とすることにより、セキュリティ対策を可能とすることができる。
【符号の説明】
【0055】
10 通信制御装置
101 携帯通信端末
TB 一時内線テーブル
UT 受付部
HT 判定部
MFT 多機能電話機
CTT 通信端末
図1
図2
図3
図4
図5