(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】キャンペーンシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240827BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G06Q50/10
G09F3/00 M
(21)【出願番号】P 2020152594
(22)【出願日】2020-09-11
【審査請求日】2023-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100135954
【氏名又は名称】深町 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100119057
【氏名又は名称】伊藤 英生
(74)【代理人】
【識別番号】100131369
【氏名又は名称】後藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171859
【氏名又は名称】立石 英之
(72)【発明者】
【氏名】松井 遼太郎
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-070731(JP,A)
【文献】特開2007-233448(JP,A)
【文献】特開2004-175367(JP,A)
【文献】特開2002-297991(JP,A)
【文献】特開2003-022391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G09F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
応募コードを隠蔽した
状態で読み取り可能な形態のラベルコードを設けた多層ラベルを複数枚貼付した商品と,
一つの前記商品に前記多層ラベルを複数枚貼付した際に生成され,一つの前記商品に貼付した複数枚の前記多層ラベルそれぞれが隠蔽している応募コードを含む貼付実績データを前記商品ごとに記憶し,キャンペーンの応募を受け付けた際,前記貼付実績データを利用して,キャンペーンの応募者から取得した複数の応募コードからなる応募コード群の正当性を認証するウェブサーバと,
応募コードに対応する前記ラベルコードを応募コードごとに記憶し,前記多層ラベルから読み取った前記ラベルコードと対になる応募コードを特定する処理を,一つの前記商品に貼付された複数枚の前記多層ラベルから読み取った前記ラベルコードごとに行い,前記ウェブサーバが利用する前記貼付実績データを生成する貼付実績管理装置と,
を含むことを特徴とするキャンペーンシステム。
【請求項2】
前記ラベルコードを記憶させるRFタグを前記多層ラベルに実装し,
前記RFタグを実装した前記多層ラベルのシートに応募コードを印字すると,この応募コードに対応させる前記ラベルコードを前記RFタグに書き込み,応募コードとこれに対応する前記ラベルコードの対を発行ログデータとして生成するラベル発行装置を含み,
前記貼付実績管理装置は,前記ラベル発行装置が生成した前記発行ログデータを利用して前記ラベルコードと対になる応募コードを特定する,
ことを特徴とする,請求項
1に記載したキャンペーンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,応募コードを隠蔽した多層ラベルを用いたキャンペーンを実行するシステムなどに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
多層ラベルを用いたキャンペーンが以前より様々な業種で行われている。ここで,多層ラベルとは,下層となるシートである下層シートと上層となるシートである上層シートの二枚のシートを剥離可能に積層したラベルを意味する。多層ラベルには,上層シートを折り込んで三層以上にした形態も含まれるが,キャンペーンでは,上層シートを折り込まない二層の多層ラベルである二層ラベルを利用することが多い(例えば,特許文献1)。
【0003】
キャンペーンに多層ラベルを用いるのは,キャンペーンの対象製品の購入証明となる情報である応募コードを隠蔽できるからである。ここで,隠蔽とは,多層ラベルの表面からみたとき目視で内容を確認できなくすることを意味する。二層ラベルの場合,キャンペーンへの応募に必要な応募コードを下層シートの表面または上層シートの裏面に印刷すれば,キャンペーンへの応募に必要な応募コードを上層シートにより隠蔽できる。
【0004】
キャンペーンへの応募には葉書を利用することも以前としてあるが,ネットワークが普及したことを受けて,ネットワークを利用したキャンペーンが主流になっている(例えば,特許文献2)。ネットワークを利用したキャンペーンの場合,キャンペーンの応募に必要な情報である応募コードに加え,キャンペーンの応募を受け付けるウェブサーバのURLを多層ラベルで隠蔽するのが一般的である。
【0005】
ネットワークを利用したキャンペーンの場合,多層ラベルが貼付されたキャンペーンの対象製品を購入した消費者は,上層シートを下層シートから剥がし,キャンペーンへの応募に必要な応募コードを露出させる。そして,消費者は,タブレットコンピュータやスマートフォンなどの端末装置を利用して,キャンペーンの応募を受け付けるウェブサーバにアクセスし,上層シートにより隠蔽された応募コードを少なくとも入力してキャンペーンへ応募する。応募コードが入力されたウェブサーバは,応募コードを認証して,応募コードの認証に成功すると,キャンペーンの特典をキャンペーンに応募した消費者に与える。(例えば,特許文献2)
【0006】
ネットワークを利用したキャンペーンを展開する企業にとって,キャンペーンへの不正な応募は,ネットワークを利用したキャンペーンを展開するときの重要な問題になる。応募コードを連番にすると,応募コードのなりすましが容易にできてしまう。このため,簡単に推測できない番号を応募コードに用いることで,応募コードのなりすましを防止するのが一般的になっている。例えば,キャンペーンの応募を受け付けるウェブサーバのURLとウェブサーバに入力する応募コードを暗号化することがすでに提案されている。(例えば,特許文献3)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2004-85729号公報
【文献】特開2002-007632号公報
【文献】特開2002-318878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
簡単に推測できない番号を応募コードに用いることで,応募コードのなりすましを防止できる。キャンペーンへの不正な応募の防止をより確かなものにすることを考えた場合,多層ラベルの製造工程などにおいて多層ラベルで隠蔽する応募コードが不正に取得されても,キャンペーンへの不正な応募が行えないことが望ましい。
【0009】
そこで,本発明は,多層ラベルの製造工程などにおいて多層ラベルで隠蔽する応募コードが不正に取得されても,キャンペーンへの不正な応募が行えないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決する第1発明は,応募コードを隠蔽した状態で読み取り可能な形態のラベルコードを設けた多層ラベルを複数枚貼付した商品と,一つの前記商品に前記多層ラベルを複数枚貼付した際に生成され,一つの前記商品に貼付した複数枚の前記多層ラベルそれぞれが隠蔽している応募コードを含む貼付実績データを前記商品ごとに記憶し,キャンペーンの応募を受け付けた際,前記貼付実績データを利用して,キャンペーンの応募者から取得した複数の応募コードからなる応募コード群の正当性を認証するウェブサーバと,応募コードに対応する前記ラベルコードを応募コードごとに記憶し,前記多層ラベルから読み取った前記ラベルコードと対になる応募コードを特定する処理を,一つの前記商品に貼付された複数枚の前記多層ラベルから読み取った前記ラベルコードごとに行い,前記ウェブサーバが利用する前記貼付実績データを生成する貼付実績管理装置を含むことを特徴とするキャンペーンシステムである。第1発明に係るキャンペーンシステムは,本発明に係る課題を解決するために,一つの前記商品に貼付した複数枚の前記多層ラベルそれぞれが隠蔽している応募コードを含む応募コード群を,キャンペーン対象になる商品の購入証明となる情報として,前記ウェブサーバが認証するように構成されている。また、第1発明では,応募コードを隠蔽した状態で読み取り可能な形態の前記ラベルコードを前記多層ラベルに設け,前記貼付実績管理装置が前記ラベルコードを利用して前記貼付実績データを生成するようにしている。
【0012】
更に,第2発明は,第1発明に記載したキャンペーンシステムにおいて,前記ラベルコードを記憶させるRFタグを前記多層ラベルに実装し,前記RFタグを実装した前記多層ラベルのシートに応募コードを印字すると,この応募コードに対応させる前記ラベルコードを前記RFタグに書き込み,応募コードとこれに対応する前記ラベルコードの対を発行ログデータとして生成するラベル発行装置を含み,前記貼付実績管理装置は,前記ラベル発行装置が生成した前記発行ログデータを利用して前記ラベルコードと対になる応募コードを特定することを特徴とする。第2発明では,前記多層ラベルに設けた前記RFタグを利用して,前記ラベルコードを前記多層ラベルに設けられるようにしている。
【発明の効果】
【0019】
本発明は,本発明に課題を解決するため,一つの商品に貼付した複数枚の多層ラベルそれぞれが隠蔽している応募コードを含む応募コード群を,キャンペーン対象になる商品の購入証明となる情報として利用する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係るキャンペーンシステムの構成を説明する図。
【
図3】本実施形態に係る多層ラベルの層構成を説明する図。
【
図5】本実施形態に係るキャンペーンシステムの動作を説明する図。
【
図6】変形例に係るキャンペーンシステムの構成を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここから,本発明に係る実施形態について記載する。本実施形態は,本発明の理解を容易にするためのものであり,本発明は,本実施形態に限定されるものではない。また,特に断りのない限り,図面は,本発明の理解を容易にするために描かれた模式的な図である。
【0022】
図1は,本実施形態に係るキャンペーンシステム1の構成を説明する図である。
図1で図示したキャンペーンシステム1は,応募コード102を少なくとも隠蔽している多層ラベル10(ここでは,二層ラベル)を複数枚貼付(ここでは,二枚)した商品11と,キャンペーンの応募を受け付けるウェブサーバ13とから少なくとも構成される。
【0023】
図1で図示したキャンペーンシステム1は,商品11とウェブサーバ13に加え,キャンペーンに応募する応募者19が操作する装置で,ネットワーク14を介してウェブサーバ13と接続している端末装置12を含んでいる。
図1では,端末装置12をスマートフォンとして図示しているが,ウェブページを表示する機能を有していれば端末装置12の形態は任意でよい。端末装置12は,タブレットコンピュータでもよく,パーソナルコンピューターでもよい。ウェブページを表示する機能は,ウェブブラウザを用いるのが一般的であるが,商品11のメーカが提供するアプリケーションにすることもできる。
【0024】
多層ラベル10を貼付する商品11は,キャンペーンの対象製品になる。キャンペーンの対象製品には食料品もあるが,複数枚の多層ラベル10を貼付する費用を考えると,多層ラベル10を貼付する商品11としては,化粧品などの高額製品が適している。
【0025】
図2は,本実施形態に係る多層ラベル10を説明する図で,
図3は,本実施形態に係る多層ラベル10の構造を説明する図である。
【0026】
図2で図示した通り,本実施形態に係る多層ラベル10は,二枚のシートを剥離可能に積層したラベルである。本実施形態では,下層になるシートを下層シート101と呼び,上層となるシートを上層シート100と呼んでいる。
図2では,上層シート100を折り畳まない二層構造の二層ラベルとして多層ラベル10を図示している。多層ラベル10は,上層シート100を折り畳んだ3層以上の多層構造であってもよい。上層シート100の面積は,応募コード102を隠蔽できる大きさであればよく,
図2において,上層シート100の面積は,下層シート101の面積の約半分のサイズになっている。
【0027】
図2で図示した通り,本実施形態の多層ラベル10には,キャンペーン対象になる商品11の購入証明となる応募コード102が少なくとも隠蔽されている。応募コード102は,多層ラベル10の表面にならない上層シート100の面に印刷してもよいが,本実施形態では,上層シート100と重なる下層シート101の箇所に応募コード102を印刷し,目隠しシールとなる上層シート100により可視情報となる応募コード102を隠蔽している。
【0028】
上層シート100を用いて隠蔽する情報には,応募コード102以外の情報を含ませることができる。上層シート100を用いて隠蔽する情報には,ウェブサーバ13が公開しているウェブページのURLを含ませることができる。また,キャンペーンで付与する特典などの情報を上層シート100に印刷できる。更に,上層シート100を折り畳んだ3層以上の多層構造の多層ラベル10を用いる場合,商品11の説明文を上層シート100に印刷できる。
【0029】
キャンペーン対象になる商品11の購入証明となる応募コード102は,文字,数字および記号などを組み合わせたデータになる。応募コード102のなりすまし利用を防止するため,応募コード102は多層ラベル10ごとに異なるランダムな値になっている。応募コード102は,プレーンテキストの形態で下層シート101に印刷してもよいが,本実施形態では,二次元バーコードの形態で応募コード102を下層シート101に印刷している。二次元バーコードの形態で応募コード102を下層シート101に印刷することで,下層シート101に印刷した応募コード102を目視で読み取ることができなくなる。
【0030】
図3で図示した通り,本実施形態に係る多層ラベル10の層構成は,上層から順に,上層シート100,第1粘着剤層10a,剥離剤層10b,印刷層10c,下層シート101および第2粘着剤層10dになっている。第1粘着剤層は10a,上層シート100と下層シート101を粘着する層である。剥離剤層10bは,上層シート100を下層シート101から剥離し易くするための層である。印刷層10cは,応募コード102を印刷した層になる。第2粘着剤層10dは,多層ラベル10を商品11に粘着させるための層である。上層シート100および下層シート101には,ポリエチレンテレフタラート(PET),ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製フィルムや紙を用いることができる。第1粘着剤層10aおよび第2粘着剤層10dには,アクリル系やゴム系の粘着剤を利用できる。剥離剤層10bには,シリコンニスなどを用いることができる。
【0031】
一般的に,キャンペーンの応募を受け付けた際,一枚の多層ラベル10に隠蔽した一つの応募コード102が,キャンペーン対象になる商品11の購入を証明するための情報として利用される。これに対し,本実施形態では,一つの商品11に貼付した複数枚の多層ラベル10それぞれが隠蔽している応募コード102からなる応募コード群17が,キャンペーン対象になる商品11の購入を証明するための情報として利用される。一つの商品11には多層ラベル10を複数枚貼付するため,一つの商品11に係る応募コード群17には,複数の応募コード102が含まれる。例えば,一つの商品11に二枚の多層ラベル10を貼付する場合,ウェブサーバ13が認証する応募コード群17は,一つの商品11に貼付した一方の多層ラベル10に隠蔽した応募コード102ともう一方の多層ラベル10に隠蔽した応募コード102の対になる。
【0032】
一つの商品11に貼付した複数枚の多層ラベル10それぞれが隠蔽している応募コード102からなる応募コード群17をキャンペーン対象になる商品11の購入証明に利用するのは,多層ラベル10の製造工程などにおいて多層ラベル10に印字する応募コード102が不正に取得されても,キャンペーンへの不正な応募が行えないようにするためである。
【0033】
多層ラベル10のラベルに応募コード102を印刷する工程で応募コード102が漏洩したとしても,一つの商品11に貼付する複数枚の多層ラベル10の組合せをランダムにすれば,多層ラベル10を構成する下層シート101に応募コード102を印刷する工程で応募コード102が漏洩したとしても,一つの商品11に係る応募コード群17に含まれる応募コード102の組合せを特定できないため,キャンペーンへの不正な応募は行えない。
【0034】
このことを実現するためには,複数枚の多層ラベル10を一つの商品11に貼付する工程で,一つの商品11に貼付した複数枚の多層ラベル10それぞれが隠蔽した応募コード102を含む貼付実績データ18を生成することが必要になる。後に説明する変形例にて,貼付実績データ18を生成する一つの手法を述べるが,貼付実績データ18の内容が漏えいしないようにできれば,このことを実現する手法は任意である。
【0035】
図4は,キャンペーンシステム1を構成するウェブサーバ13を説明する図である。ウェブサーバ13は,ウェブサーバ13の動作を制御するプロセッサ,メインメモリとなるRAM,データの記憶に用いるストレージ,および,ネットワーク通信回路など汎用的なハードウェアを備えるが,
図4では,汎用的なハードウェアは図示していない。
【0036】
本実施形態に係るキャンペーンシステム1において,キャンペーン対象になる商品11の購入証明となる応募コード群17を認証する装置はウェブサーバ13になる。ウェブサーバ13は,応募コード群17を認証するために,キャンペーンの応募に必要な情報を入力できるように構成したウェブページであるキャンペーン応募ページ130と,一つの商品11に多層ラベル10を複数枚貼付した際に生成され,一つの商品11に貼付した複数枚の多層ラベル10それぞれが隠蔽している応募コード102を含む貼付実績データ18を商品11ごとに記憶したデータベース131を備える。
【0037】
図5は,本実施形態に係るキャンペーンシステム1の動作を説明する図である。キャンペーンに応募する応募者19は,応募者19が購入した商品11に貼付されている複数枚の多層ラベル10それぞれについて下層シート101から上層シート100を剥離し,多層ラベル10に隠蔽されていた応募コード102をすべて露出させる(S1)。
【0038】
次に,応募者19は,端末装置12を操作して,キャンペーンの応募を受け付けるウェブサーバ13のキャンペーン応募ページ130へアクセスする(S2)。キャンペーンの応募を受け付けるためにウェブサーバ13が公開しているキャンペーン応募ページ130のURLは,多層ラベル10に印刷しておくことが一般的であるが,複数枚の多層ラベル10を商品11に貼付することを考えると,商品11のパッケージに印刷しておく形態も考えられる。
【0039】
ウェブサーバ13は,キャンペーン応募ページ130にアクセスした端末装置12に,キャンペーン応募ページ130のページ情報を送信して,キャンペーン応募ページ130を端末装置12に表示させる(S3)。キャンペーン応募ページ130のページ情報は,HTMLで記述されるのが一般的である。端末装置12に表示されたキャンペーン応募ページ130には,応募コード102の入力欄が複数設けられている。応募コード102の入力欄の数は,一つの商品11に貼付する多層ラベル10の枚数と同じである。一つの商品11に貼付する多層ラベル10の枚数が二枚の場合,キャンペーン応募ページ130に設けられる応募コード102の入力欄の数は二つになる。なお,ウェブサーバ13が備えるキャンペーン応募ページ130には,キャンペーンの応募に必要な応募コード102以外の応募情報を入力する入力欄を設けることができる。この応募情報としては,例えば,キャンペーンに応募する応募者19の個人情報(住所氏名年齢など)がある。
【0040】
応募者19は,多層ラベル10に隠蔽されていた応募コード102を入力するキャンペーン応募ページ130の入力欄を変更しながら,複数の多層ラベル10に隠蔽されていた応募コード102すべてをキャンペーン応募ページ130の入力欄に入力する(S4)。端末装置12は,応募コード102の入力を完了する操作がなされると,応募者19がキャンペーン応募ページ130の入力欄に入力した複数の応募コード102を含む応募コード群17をウェブサーバ13へ送信する(S5)。
【0041】
応募コード102を入力欄にする手法は,応募コード102の印刷形態で異なる。応募コード102が,プレーンテキストの形態で下層シート101に印刷されている場合,応募者19が,端末装置12のキーボードを利用して応募コード102を入力欄に入力する。また,応募コード102が,二次元バーコードの形態で下層シート101に印刷されている場合,応募者19が下層シート101に印刷された二次元バーコードを端末装置12が有するカメラ機能に認識させ,端末装置12が有するカメラ機能が二次元バーコードから読み取った応募コード102を自動的に入力欄に入力する。
【0042】
ウェブサーバ13は,端末装置12が送信した応募コード群17と一致する貼付実績データ18をデータベース131から検索することで,端末装置12が送信した応募コード群17の正当性を認証する(S6)。ウェブサーバ13は,端末装置12が送信した応募コード群17と一致する貼付実績データ18をデータベース131から検索できたときのみ,キャンペーン対象になる商品11の購入証明となる応募コード群17の認証に成功したと判定する。
【0043】
ウェブサーバ13は,端末装置12から受信した応募コード群17の認証結果に基づき処理を分岐させる(S7)。応募コード群17の認証に成功したと判定すると,キャンペーンの応募を受理する処理を実行して(S8),
図5の手順を終了する。また,ウェブサーバ13は,応募コード群17の認証に失敗したと判定すると,キャンペーンの応募を受理する処理を実行することなく,
図5の手順を終了する。本発明は,キャンペーンの応募を受理する処理を規定するものではないが,キャンペーンの応募を受理する処理はキャンペーンへの応募情報をウェブサーバ13に登録する処理にするのが一般的である。
【0044】
このように,本実施形態に係るウェブサーバ13は,一つの商品11に貼付した複数の多層ラベル10それぞれが隠蔽している応募コード102の値とその組み合わせを認証する。多層ラベル10の製造工程などにおいて多層ラベル10に印字する応募コード102が不正に取得されても,一つの貼付する複数枚の多層ラベル10の組み合わせは多層ラベル10の製造工程ではわからないため,キャンペーンへの不正な応募は防止される。
【0045】
変形例について説明する。上述したように,本実施形態に係るキャンペーンシステム1では,複数枚の多層ラベル10を一つの商品11に貼付した際,一つの商品11に貼付した複数枚の多層ラベル10それぞれが隠蔽した応募コード102を含む貼付実績データ18を生成することが必要になる。応募コード102は,多層ラベル10を構成する一枚のシートに印刷される可視情報である。応募コード102は,目隠しシールとなる上層シート100で隠蔽されるため,何らかの工夫を施さなければ,多層ラベル10の状態で応募コード102を光学的に読み取ることができない。
【0046】
図6は,変形例に係るキャンペーンシステム2の構成を説明する図である。
図6において,
図1で図示したキャンペーンシステム2と同じ要素については同じ符号を付し,ここでは説明を省く。変形例では,応募コード102と対になるラベルコード204を,応募コード102を隠蔽した状態で読み取り可能に多層ラベル20に設け,商品11に貼付した多層ラベル20が隠蔽した応募コード102をラベルコード204から特定できるようにしている。
【0047】
図6で図示した変形例に係るキャンペーンシステム2では,変形例に係る多層ラベル20の下層シート201にRFタグ203を実装した点と,多層ラベル20の下層シート201を発行するラベル発行装置26を設けた点と,商品11に貼られた多層ラベル20のRFタグ203からラベルコード204を読み取り貼付実績データ18を生成する貼付実績管理装置25を設けた点で,
図1で図示したキャンペーンシステム1と相違する。
【0048】
図7は,変形例に係る多層ラベル20を説明する図である。変形例では,無線通信可能な媒体であるRFタグ203を多層ラベル20に実施し,応募コード102に対応させるラベルコード204をRFタグ203に記憶させている。多層ラベル20のRFタグ203に記憶させるラベルコード204と多層ラベル20で隠蔽する応募コード102を事前に対応付けておけば,多層ラベル20のRFタグ203が記憶しているラベルコード204を無線で読み取ることで,多層ラベル20のRFタグ203から読み取ったラベルコード204から多層ラベル20が隠蔽している応募コード102を特定できる。
【0049】
図7で図示した如く,変形例に係る多層ラベル20は二層ラベルの形態をなしている。変形例では,下層シート201がRFタグ203を内蔵し,下層シート201の表面に二次元バーコードの形態で印刷した応募コード102は,下層シート201の面積と同じ大きさの上層シート100により目隠しされている。変形例では,RFタグ203を下層シート201に実装しているが,応募コード102を印刷しない領域にRFタグ203を貼付した形態にしてもよい。なお,下層シート201がRFタグ203を内蔵している点と,上層シート100の大きさが異なる点を除けば,変形例に係る多層ラベル20の構造は
図3と同じである。
【0050】
図7では図示していないが,下層シート201が内蔵するRFタグ203は,アンテナとこれに接続するICチップを有している。下層シート201が内蔵するRFタグ203は,応募コード102とは異なる情報で,多層ラベル20を識別するためのラベルコード204を記憶する。下層シート201の表面には,上述した本実施形態と同様に,キャンペーン対象になる商品11の購入証明となる応募コード102は二次元バーコードの形態で印刷されている。
【0051】
図8は,変形例に係るキャンペーンシステム2に含まれるラベル発行装置26を説明する図である。ラベル発行装置26は,多層ラベル20の製造メーカに設置されるコンピュータ機器である。ラベル発行装置26は,下層シート201が内蔵しているRFタグ203にラベルコード204を書き込み,下層シート201の表面に応募コード102を印刷する。なお,ラベル発行装置26は,コンピュータ機器の動作を制御するプロセッサ,メインメモリとなるRAM,データの記憶に用いるストレージ,および,ネットワーク通信回路など汎用的なハードウェアを備えるが,
図8では,汎用的なハードウェアは図示していない。
【0052】
図8で図示したごとく,ラベル発行装置26は,このことを実施できるように,下層シート201が有するRFタグ203に情報を無線で書き込むRFタグ発行手段261と,可視情報である応募コード102を下層シート201の表面に印刷する印刷手段260を備える。RFタグ発行手段261は,下層シート201が有するRFタグ203に対応したリーダライタで実現できる。印刷手段260は,昇華転写プリンタ,感熱転写プリンタまたはインクジェットプリンタなど,下層シート201ごとに異なる可変情報を印刷できるプリンタで実現できる。
【0053】
図9は,ラベル発行装置26の動作を説明する図である。ラベル発行装置26には,ラベルコード204と応募コード102が多層ラベル20ごとに登録される。ラベル発行装置26の発行制御手段は,下層シート201の発行に用いる応募コード102を切り替えながら下層シート201を発行する。下層シート201を発行する際,ラベル発行装置26は,まず,印刷手段260を用いて,応募コード102を下層シート201の表面に印字し(S10),次に,RFタグ発行手段261を用いて,応募コード102に対応させるラベルコード204を,応募コード102を印刷した下層シート201のRFタグ203に書き込む(S11)。このように,下層シート201を発行することで,下層シート201の表面に印字された応募コード102と下層シート201のRFタグ203に書き込まれたラベルコード204が対応付けられる。次に,ラベル発行装置26は,下層シート201の表面に印刷した応募コード102と下層シート201のRFタグ203に書き込んだラベルコード204を対応付けた発行ログデータを記憶して(S12),
図9の手順は終了する。
【0054】
図10は,変形例に係るキャンペーンシステム2に含まれる貼付実績管理装置25を説明する図である。貼付実績管理装置25は,多層ラベル20を商品11に貼付する製造メーカに設置されるコンピュータ機器である。貼付実績管理装置25は,商品11に貼付された複数の多層ラベル20それぞれからRFタグ203が記憶しているラベルコード204を一括して読み取り,ラベル発行装置26が生成した発行ログデータを利用して,一つの商品11に貼付した複数の多層ラベル20に係る貼付実績データ18を生成する。なお,貼付実績管理装置25は,コンピュータ機器の動作を制御するプロセッサ,メインメモリとなるRAM,データの記憶に用いるストレージ,および,ネットワーク通信回路など汎用的なハードウェアを備えるが,
図10では,汎用的なハードウェアは図示していない。
【0055】
貼付実績管理装置25は,このことを実施できるように,多層ラベル20の下層シート201が有するRFタグ203から情報を無線で読み出すRFタグ読取手段250を備える。貼付実績管理装置25には,ラベル発行装置26が生成した発行ログデータが事前に登録される。RFタグ読取手段250は,多層ラベル20が有するRFタグ203に対応したリーダライタで実現できる。
【0056】
図11は,貼付実績管理装置25の動作を説明する図である。貼付実績管理装置25は,一つの商品11に貼付された複数枚の多層ラベル20それぞれからRFタグ203が記憶しているラベルコード204を一括して読み取る(S20)。次に,貼付実績管理装置25は,RFタグ203から読み取ったラベルコード204ごとに実行するループ処理(S21)を実行する。このループ処理(S21)において,貼付実績管理装置25は,貼付実績管理装置25が記憶している発行ログデータの中から,ラベルコード204を含む発行ログデータを検索し(S22),検索した発行ログデータに含まれる応募コード102を取得する(S23)。次に,貼付実績管理装置25は,商品11に貼付された複数枚の多層ラベル20それぞれから読み出したラベルコード204を利用して特定した複数の応募コード102を含む貼付実績データ18を生成して記憶する(S24)。
【0057】
なお,多層ラベル20の状態で読み取り可能にラベルコード204を多層ラベル20に設ける手法はRFタグ203を用いる変形例の手法に限定されない。変形例では,無線通信可能な媒体であるRFタグ203を用いて,ラベルコード204を多層ラベル20に設けているが,紫外線で反応する不可視インクや可視インクを用いてラベルコード204を多層ラベル20の表面に印刷する手法も考えられる。
【符号の説明】
【0058】
1,2 キャンペーンシステム
10,20 多層ラベル
100 上層シート
101,201 下層シート
102 応募コード
203 RFタグ
204 ラベルコード
11 商品
12 端末装置
13 ウェブサーバ
17 応募コード群
18 貼付実績データ
19 応募者
25 貼付実績管理装置
26 ラベル発行装置