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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】液体判定システムおよび液体判定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/59 20060101AFI20240827BHJP
   G01F 23/296 20220101ALI20240827BHJP
【FI】
G01N21/59 Z
G01F23/296
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020160166
(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公開番号】P2022053370
(43)【公開日】2022-04-05
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 康之
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-091455(JP,A)
【文献】特開平08-035930(JP,A)
【文献】特開平11-337488(JP,A)
【文献】特開平07-055706(JP,A)
【文献】実開昭61-028037(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0153777(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/00-G01N21/01
G01N21/17-G01N21/61
G01F23/00-G01F23/80
G01B 3/00-G01B 3/08
G01B 3/11-G01B 7/34
G01B11/00-G01B13/24
G01B21/00-G01B21/32
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する槽の上部から前記槽の底面に設けられる再帰性反射板に向かって液面に対して斜め方向から光を照射して反射光を受信する光検出部と、
前記槽の底面から液面までの液深を取得する液深取得部と、
前記光検出部が取得した反射光の光量に基づく前記光の光透過度を前記液深取得部が取得した液深で除算して単位距離当たりの光透過度を算出し、単位距離当たりの光透過度の所定の基準値からの変化量に基づいて、前記液体の汚染度を判定する判定部と、
を備える、液体判定システム。
【請求項2】
前記液深取得部は、前記槽の上部から液面に向かって発信して受信した超音波の反射波に基づいて検出した前記液面までの距離に基づいて、前記槽の底面から液面までの液深を算出する、
請求項1に記載の液体判定システム。
【請求項3】
前記判定部によって判定された前記液体の汚染度が所定の閾値以上である場合、所定の報知情報を報知する報知部を備える、
請求項1または2に記載の液体判定システム。
【請求項4】
液体を貯留する槽の上部から前記槽の底面に設けられる再帰性反射板に向かって液面に対して斜め方向から光を照射して反射光を受信する光検出ステップと、
前記槽の底面から液面までの液深を取得する液深取得ステップと、
前記光検出ステップで取得した反射光の光量に基づく前記光の光透過度を前記液深取得ステップで取得した液深で除算して単位距離当たりの光透過度を算出し、単位距離当たりの光透過度の所定の基準値からの変化量に基づいて、前記液体の汚染度を判定する判定ステップと、
を含む、液体判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体判定システムおよび液体判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
浴槽内の入浴者の入浴状態を検出する方法が知られている。例えば、特許文献1には、浴室の天井から浴槽に向かって超音波を発信させ、受信した反射波に基づいて入浴者の頭部と水面との距離を算出する沈水判定システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-129930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば適切なタイミングで入浴者に湯の交換を案内し清潔な入浴を促進させるために、浴槽内の湯の汚れ具合を検出する等、水面より下方の状態を検出することも望まれている。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、基準の清浄な液体に対する液体の汚染度を判定することができる液体判定システムおよび液体判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本開示の一態様の液体判定システムは、液体を貯留する槽の上部から前記槽の底面に設けられる再帰性反射板に向かって液面に対して斜め方向から光を照射して反射光を受信する光検出部と、前記槽の底面から液面までの液深を取得する液深取得部と、前記光検出部が取得した反射光の光量の変化量と前記液深取得部が取得した液深とに基づいて、前記液体の汚染度を判定する判定部と、を備える。
【0007】
上記の目的を達成するため、本開示の一態様の液体判定方法は、液体を貯留する槽の上部から前記槽の底面に設けられる再帰性反射板に向かって液面に対して斜め方向から光を照射して反射光を受信する光検出ステップと、前記槽の底面から液面までの液深を取得する液深取得ステップと、前記光検出ステップで取得した反射光の光量の変化量と前記液深取得ステップで取得した液深とに基づいて、前記液体の汚染度を判定する判定ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、基準の清浄な液体に対する液体の汚染度を判定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る液体判定システムの一例を示す概略図である。
図2図2は、第1実施形態に係る液体判定システムの機能ブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る液体判定システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第2実施形態に係る液体判定システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示に係る液体判定システムについて実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本開示は、以下の実施形態の記載に限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、実質的に同一のもの、あるいは均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は、本開示の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。以下の実施形態では、本開示に係る液体判定システムの実施形態を例示する上で、必要となる構成要素を説明し、その他の構成要素を省略する。なお、以下の実施形態の説明において、同一構成には同一符号を付し、異なる構成には異なる符号を付すものとする。
【0011】
(第1実施形態)
[システムの構成]
図1および図2を用いて、本開示の第1実施形態に係る液体判定システム1について説明する。図1は、第1実施形態に係る液体判定システム1の一例を示す概略図である。図2は、第1実施形態に係る液体判定システム1の機能ブロック図である。第1実施形態の液体判定システム1は、槽に貯留される液体の光透過度の変化に基づいて、液体の汚染度を判定するシステムである。
【0012】
槽は、第1実施形態において、図1に示す浴室10に設けられる浴槽11である。液体は、第1実施形態において、湯12である。すなわち、第1実施形態の液体判定システム1は、図1に示す浴室10に設けられる浴槽11内の湯12の汚染度を判定する。液体判定システム1は、給湯器を操作する浴室リモコン等の他のシステムの機能として備えられてもよい。浴室10は、少なくとも浴槽11の上方の部分に天井13を有する。
【0013】
浴槽11の底面11bには、少なくとも1つの再帰性反射板14が取り付けられている。再帰性反射板14は、入射した光15を入射方向と同一の方向に反射させる。すなわち、光15を反射する再帰性反射板14の反射光16は、光15が照射された方向に戻る。なお、光15が再帰性反射板14によって反射されず、浴槽11の底面11bで反射された場合、反射光17は、光15が照射された方向に戻らない。
【0014】
第1実施形態の液体判定システム1は、光検出部2と、液深取得部3と、判定部4と、報知部5と、を備える。また、液体判定システム1は、光検出部2の一部と、液深取得部3の一部と、判定部4と、報知部5の一部と、を含み、各要素の制御を行う液体判定装置100を含む。
【0015】
光検出部2は、湯12を貯留する浴槽11の上部から浴槽11の底面11bに設けられる再帰性反射板14に向かって光15を照射して反射光16を受信する。光検出部2は、湯12の水面12sに対して斜め方向から光15を照射する。光15および反射光16、17は、第1実施形態において、赤外線である。光検出部2は、発光部21と、受光部22と、図2に示す液体判定装置100の発光制御部121および検出処理部122と、を含む。
【0016】
発光部21は、赤外線の光15を照射する赤外線発光素子を含む。発光部21は、浴室10の天井13に設けられた取付部13mに取り付けられる。取付部13mは、例えば、天井13に固定される筐体である。発光部21は、光15を照射する方向が再帰性反射板14に向かうように設けられる。発光部21は、発光制御部121からの制御信号に基づいて光15を照射する。
【0017】
受光部22は、赤外線の反射光16を受光する赤外線受光素子を含む。受光部22は、浴室10の天井13に設けられた取付部13mに取り付けられる。受光部22は、発光部21が光15を照射する方向と同軸に設けられる。受光部22は、反射光16の検出信号を、検出処理部122へ出力する。発光制御部121および検出処理部122の詳細については、後述にて説明する。
【0018】
液深取得部3は、浴槽11の底面11bから水面12sまでの水深Dを取得する。液深取得部3は、第1実施形態において、浴槽11の上部から水面12sに向かって発信して受信した超音波18の反射波19に基づいて水面12sまでの距離Lを検出する。液深取得部3は、距離Lに基づいて、水深Dを取得する。液深取得部3は、発信部31と、受信部32と、図2に示す液体判定装置100の発信制御部131および検出処理部132と、を含む。
【0019】
発信部31は、超音波18を発信するための圧電振動子を含む。発信部31は、浴室10の天井13に設けられた取付部13mに取り付けられる。発信部31は、発信する超音波18が浴槽11内の湯12の水面12sに伝播するように設けられる。発信部31は、発信制御部131からの制御信号に基づいて超音波18を発信する。
【0020】
受信部32は、超音波18の反射波19を受信する圧電振動子を含む。受信部32は、浴室10の天井13に設けられた取付部13mの発信部31に近接した位置に取り付けられる。受信部32は、受信した反射波19の検出信号を、検出処理部132へ出力する。発信制御部131および検出処理部132の詳細については、後述にて説明する。
【0021】
判定部4は、光検出部2が取得した反射光16と、液深取得部3が取得した水深Dとに基づいて、湯12の汚染度を判定する。判定部4は、図2に示す液体判定装置100の光透過度算出部141と、変化量算出部142と、状態判定部143と、を含む。光透過度算出部141、変化量算出部142および状態判定部143の詳細については、後述にて説明する。
【0022】
報知部5は、判定部4によって湯12の汚染度が所定の閾値以上であると判定された場合、所定の報知情報を報知する。所定の閾値は、予め液体判定装置100に記憶される。所定の閾値は、例えば、使用者によって適宜変更可能であってもよい。所定の報知情報は、映像、音声、音および光の少なくともいずれかを含む。所定の報知情報は、第1実施形態において、使用者に浴槽11内の湯12の交換等を案内する報知情報を含む。報知部5は、報知装置51と、図2に示す液体判定装置100の報知制御部151と、を含む。または、報知せずに、自動的に湯を交換するように構成してもよい。
【0023】
報知装置51は、報知制御部151から出力された映像信号、音声信号等を含む制御信号に基づいて、所定の報知情報を報知する。報知装置51は、浴室10の内部または外部に設けられる。報知装置51は、視覚的に予め定める報知情報を報知する表示装置、音によって予め定める報知情報を報知するスピーカ、光によって予め定める報知情報を報知する発光装置の少なくともいずれか1つを含む。表示装置は、例えば、液体判定システム1固有の表示装置、または、給湯器を操作する浴室リモコン等の他のシステムと共用した表示装置等である。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイ等を含むディスプレイである。表示装置は、各種操作を入力可能な操作部として機能するタッチパネル式のディスプレイであってもよい。報知制御部151の詳細については、後述にて説明する。
【0024】
液体判定装置100は、第1実施形態において、液体判定システム1の機能の1つとして実装される。液体判定装置100は、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられるデータが記憶される記憶装置、および予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD等である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)、システムLSI(Large Scale Integration)等である。液体判定装置100は、1つの記憶装置または複数の記憶装置と、1つの演算処理装置または複数の演算処理装置と、から実装される。液体判定装置100は、光検出部2の発光制御部121および検出処理部122と、液深取得部3の発信制御部131、検出処理部132および液深算出部133と、判定部4の光透過度算出部141、変化量算出部142、および状態判定部143と、報知部5の報知制御部151と、を含む。
【0025】
発光制御部121は、発光部21を制御する。より詳しくは、発光制御部121は、発光部21の発光状態と非発光状態との切り換え、および発光状態の発光部21が照射する光15の光量等を制御する。発光制御部121は、発光部21に光15を照射させる。発光部21が光15を照射する方向は、再帰性反射板14に向かう方向である。発光制御部121は、発光部21の制御情報を、検出処理部122へ出力する。
【0026】
検出処理部122は、受光部22から反射光16の検出信号を取得する。検出処理部122は、発光制御部121から取得した発光部21の制御情報と、受光部22から取得した反射光16の検出信号とに基づいて、反射光16の光量を取得する。検出処理部122は、取得した反射光16の光量を、判定部4の光透過度算出部141へ出力する。光検出部2は、例えば、発光制御部121が発光部21を非発光状態にするとともに、検出処理部122が受光部22を受光状態にすることによって、受光部22に環境光を受光させることができる。これにより、検出処理部122は、発光部21が発光状態の時と非発光状態の時との受光部22が受光した光の差分に基づいて、発光部21が発光した光15の反射光16のみを抽出して検出することができる。
【0027】
発信制御部131は、発信部31を制御する。より詳しくは、発信制御部131は、発信部31から発信する超音波18のパルス幅および繰り返し周波数等を制御する。発信制御部131は、発信部31に超音波18を発信させる。発信部31から発信された超音波18は、浴槽11内の湯12の水面12sに向かって伝播する。発信制御部131は、発信部31の制御情報を、検出処理部132へ出力する。
【0028】
検出処理部132は、受信部32から反射波19の検出信号を取得する。検出処理部132は、発信制御部131から取得した発信部31の制御情報と、受信部32から取得した反射波19の検出信号とに基づいて、発信部31から超音波18が発信されてから受信部32が反射波19を受信するまでの遅延時間を取得する。検出処理部132は、取得した遅延時間の情報を、液深算出部133へ出力する。
【0029】
液深算出部133は、浴槽11の底面11bから水面12sまでの水深Dを算出する。より詳しくは、液深算出部133は、まず、発信部31から超音波18が発信されてから受信部32が反射波19を受信するまでの遅延時間を、検出処理部132から取得する。次に、液深算出部133は、算出した遅延時間に、発信部31の制御情報に基づく超音波18の伝播速度を乗算することによって、発信部31および受信部32から湯12の水面12sまでの距離Lを算出する。次に、液深算出部133は、天井高さHから距離Lを減算することによって、水深Dを算出する。天井高さHは、浴槽11の底面11bから発信部31および受信部32までの距離である。天井高さHは、予め取得されて、液体判定装置100の記憶装置に記憶されている。天井高さHは、浴槽11に湯12が貯留していない状態において、検出してもよい。液深算出部133は、算出した水深Dを、判定部4の光透過度算出部141へ出力する。
【0030】
光透過度算出部141は、光検出部2の検出処理部122から、浴槽11の底面11bに設けられる再帰性反射板14で反射した光15の反射光16の光量を取得する。光透過度算出部141は、液深取得部3の液深算出部133から、浴槽11の底面11bから水面12sまでの水深Dを取得する。光透過度算出部141は、反射光16の光量と、水深Dとに基づいて、湯12の単位距離当たりの光透過度を算出する。光透過度算出部141は、算出した単位距離当たりの光透過度を、変化量算出部142へ出力する。
【0031】
変化量算出部142は、湯12の光透過度について、所定の基準値からの変化量を算出する。基準値は、例えば、浴槽11に湯12を張った当初の新しい湯12について、取得した光15の反射光16の光量および水深Dから算出された、湯12の単位距離当たりの光透過度である。基準値は、例えば、浴槽11に湯12を張るごとに取得して液体判定装置100の記憶装置に記憶させてもよいし、以前に取得した基準値をそのまま使用してもよい。また、変化量は、この基準値と算出した単位距離当たりの光透過度との差分である。湯12の光透過度は、時間経過や入浴に使用されることによって低下し、湯の追加や浴槽の循環濾過によって上昇する。変化量算出部142は、算出した光透過度の基準値からの変化量を、状態判定部143へ出力する。
【0032】
状態判定部143は、湯12の単位距離当たりの光透過度の変化量に基づいて、湯12の汚染度を判定する。すなわち、状態判定部143は、光検出部2が取得した反射光16の光量の変化量と、液深取得部3が取得した水深Dとに基づいて、湯12の汚染度を判定する。汚染度は、湯12の単位距離当たりの光透過度に基づいて、予め定められる指標である。汚染度は、湯12の単位距離当たりの光透過度が低いほど高い。状態判定部143は、汚染度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。閾値は、液体判定装置100の記憶装置に予め記憶される。状態判定部143は、湯12の汚染度が予め設定された閾値以上である場合、判定結果を報知部5の報知制御部151へ出力する。
【0033】
報知制御部151は、予め定められた条件および取得した報知情報に基づいて報知装置51に所定の報知情報を報知させるよう制御する。報知制御部151は、判定部4の状態判定部143から取得した判定結果に基づいて、所定の報知情報を報知装置51に報知させるための映像信号、音声信号等を含む制御信号を、報知装置51に出力する。すなわち、報知制御部151は、湯12の汚染度が予め設定された閾値以上である場合、報知装置51に所定の報知情報を報知させる。
【0034】
[システムによる処理]
図3を用いて、第1実施形態に係る液体判定システム1における処理の流れについて説明する。図3は、第1実施形態に係る液体判定システム1の処理の一例を示すフローチャートである。図3に示す処理は、液体判定システム1の液体判定装置100が、予め定められた制御プログラムおよびデータに基づいて実行する。液体判定装置100は、例えば、液体判定装置100に電力が供給される、または使用者等による開始操作に関する所定の操作信号を受け付けること等によって、図3に示すステップST201に移行して処理を開始する。
【0035】
液体判定装置100は、再帰性反射板14に向けて光15を照射させる(ステップST201)。具体的には、発光制御部121が、発光部21に光15を照射させる。発光部21が光15を照射する方向は、再帰性反射板14に向かう方向である。発光制御部121は、発光部21の制御情報を、検出処理部122へ出力する。液体判定装置100は、ステップST202へ移行する。
【0036】
液体判定装置100は、再帰性反射板14で反射した光15の反射光16を受光する(ステップST202)。具体的には、ステップST201で発光部21が照射した光15の、再帰性反射板14で反射した反射光16を、受光部22が受光する。受光部22は、反射光16の検出信号を、検出処理部122へ出力する。液体判定装置100は、ステップST203へ移行する。
【0037】
液体判定装置100は、反射光16の光量を取得する(ステップST203)。具体的には、検出処理部122が、受光部22から反射光16の検出信号を取得する。検出処理部122は、発光制御部121から取得した発光部21の制御情報と、受光部22から取得した反射光16の検出信号とに基づいて、反射光16の光量を取得する。検出処理部122は、取得した反射光16の光量を、判定部4の光透過度算出部141へ出力する。液体判定装置100は、ステップST204へ移行する。
【0038】
液体判定装置100は、水面12sに向けて超音波18を発信させる(ステップST204)。具体的には、発信制御部131が、発信部31に超音波18を発信させる。発信部31から発信された超音波18は、浴槽11内の湯12の水面12sに向かって伝播する。発信制御部131は、発信部31の制御情報を、検出処理部132へ出力する。液体判定装置100は、ステップST205へ移行する。
【0039】
液体判定装置100は、水面12sで反射した超音波18の反射波19を受信する(ステップST205)。具体的には、ステップST204で発信部31が発信した超音波18の、水面12sで反射した反射波19を、受信部32が受信する。受信部32は、受信した反射波19の検出信号を、検出処理部132へ出力する。液体判定装置100は、ステップST206へ移行する。
【0040】
液体判定装置100は、浴槽11の底面11bから水面12sまでの水深Dを算出する(ステップST206)。具体的には、まず、検出処理部132が、受信部32から反射波19の検出信号を取得する。次に、検出処理部132が、発信制御部131から取得した発信部31の制御情報と、受信部32から取得した反射波19の検出信号とに基づいて、発信部31から超音波18が発信されてから受信部32が反射波19を受信するまでの遅延時間を取得する。
【0041】
次に、液深算出部133が、遅延時間に、発信部31の制御情報に基づく超音波18の伝播速度を乗算することによって、発信部31および受信部32から湯12の水面12sまでの距離Lを算出する。次に、液深算出部133は、予め記憶されている浴槽11の底面11bから発信部31および受信部32までの天井高さHから、距離Lを減算することによって、水深Dを算出する。液深算出部133は、算出した水深Dを、判定部4の光透過度算出部141へ出力する。液体判定装置100は、ステップST207へ移行する。
【0042】
なお、ステップST204からステップST206までの処理は、ステップST201からステップST203までの処理より前に実行されてもよいし、ステップST201からステップST203までの処理と並行に実行されてもよい。
【0043】
液体判定装置100は、反射光16の光量および湯12の水深Dに基づいて、単位距離当たりの光透過度を算出する(ステップST207)。具体的には、光透過度算出部141が、浴槽11の底面11bに設けられる再帰性反射板14で反射した光15の反射光16の光量と、浴槽11の底面11bから水面12sまでの水深Dとに基づいて、湯12の単位距離当たりの光透過度を算出する。光透過度算出部141は、算出した単位距離当たりの光透過度を、変化量算出部142へ出力する。液体判定装置100は、ステップST208へ移行する。
【0044】
液体判定装置100は、湯12の単位距離当たりの光透過度について、所定の基準値からの変化量を算出する(ステップST208)。具体的には、変化量算出部142が、湯12の単位距離当たりの光透過度について、基準値からの変化量を算出する。変化量算出部142は、算出した単位距離当たりの光透過度の基準値からの変化量を、状態判定部143へ出力する。液体判定装置100は、ステップST209へ移行する。
【0045】
液体判定装置100は、湯12の単位距離当たりの光透過度の変化量に基づいて、湯12の汚染度を判定する。(ステップST209)。具体的には、状態判定部143が、光検出部2が取得した反射光16の光量の変化量と、液深取得部3が取得した水深Dとに基づいて、湯12の汚染度を判定する。汚染度は、湯12の単位距離当たりの光透過度に基づいて、予め定められる指標である。液体判定装置100は、ステップST210へ移行する。
【0046】
液体判定装置100は、汚染度が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップST210)。具体的には、状態判定部143が、ステップST209で判定された汚染度が、所定の閾値以上であるか否かを判定する。汚染度が所定の閾値以上である場合(ステップST210;Yes)、状態判定部143は、判定結果を報知部5の報知制御部151へ出力する。液体判定装置100は、ステップST211へ移行する。汚染度が所定の閾値より低い場合(ステップST210;No)、液体判定装置100は、ステップST212へ移行する。
【0047】
汚染度が所定の閾値以上である場合(ステップST210;Yes)、液体判定装置100は、所定の報知情報を報知させる(ステップST211)。具体的には、報知制御部151が、所定の報知情報を報知装置51に報知させるための映像信号、音声信号等を含む制御信号を、報知装置51に出力する。報知装置51は、報知制御部151から出力された映像信号、音声信号等を含む制御信号に基づいて、所定の報知情報を報知する。所定の報知情報は、第1実施形態において、使用者に浴槽11内の湯12の交換等を案内する報知情報を含む。液体判定装置100は、図3に示すフローチャートの処理を終了する。
【0048】
汚染度が所定の閾値より低い場合(ステップST210;No)、液体判定装置100は、液体判定処理を終了するか否かを判定する(ステップST212)。液体判定装置100は、例えば、所定の終了操作を受け付ける、所定回数の液体判定処理を終了すること等によって、液体判定処理を終了する。液体判定処理を終了する場合(ステップST212;Yes)、液体判定装置100は、図3に示すフローチャートの処理を終了する。液体判定処理を終了しない場合(ステップST212;No)、液体判定装置100は、ステップST201へ戻り、ステップST212でYesと判定されるまで、ステップST201からステップST212までの処理を所定の周期毎に繰り返し実行する。所定の周期は、液体判定装置100の記憶装置に予め設定される。
【0049】
[システムの効果]
以上説明したように、第1実施形態の液体判定システム1は、槽(浴槽11)内の液体(湯12)に対して照射した光15の反射光16の光量の変化量に基づいて、液体の汚染度を判定する。汚染度は、液体の反射光16の光量が低いほど高くなるため、基準の清浄な液体に対して照射した光15の反射光16の光量に対する変化量に基づいて汚染度を判定することにより、基準の清浄な液体に対する液体の汚染度を判定することができる。
【0050】
また、第1実施形態の液体判定システム1は、液体(湯12)の外部から照射した光15の反射光16の光量を取得する。したがって、槽(浴槽11)内において液中で一定の距離を確保して発光素子および受光素子を装着する必要がない。また、入浴者の頭部と水面との距離を算出する従来の沈水判定システムの構成を用いて実現可能であるため、システムの導入が容易である。
【0051】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る液体判定システム1について説明する。第2実施形態に係る液体判定システム1の物理構成は、第1実施形態に係る液体判定システム1と同様であるため、説明を省略する。第2実施形態の液体判定システム1は、槽に貯留される液体の光透過度の変化に基づいて、液体に投入された物質の溶解度を判定するシステムである。
【0052】
槽は、第2実施形態において、図1に示す浴室10に設けられる浴槽11である。液体は、第2実施形態において、湯12である。物質は、例えば、粉粒状の入浴剤である。すなわち、第2実施形態の液体判定システム1は、図1に示す浴室10に設けられる浴槽11内の湯12に投入された入浴剤の溶解度を判定する。以下の説明では入浴のための浴槽11内の湯12に溶解させる場合について説明するが、第2実施形態は、例えば、化学工場等で使用される液体槽に薬剤を溶解させる場合にも適用できる。
【0053】
液体判定システム1は、判定部4による判定内容が第1実施形態と異なる。すなわち、第1実施形態では、湯12の単位距離当たりの光透過度の基準値からの変化量に基づいて湯12の汚染度を判定するのに対し、第2実施形態では、湯12の単位距離当たりの光透過度の単位時間当たりの変化量に基づいて湯12に投入された入浴剤の溶解度を判定する点で異なる。
【0054】
第2実施形態の判定部4について説明する。判定部4は、光検出部2が取得した反射光16と、液深取得部3が取得した水深Dとに基づいて、湯12に投入された入浴剤の溶解度を判定する。第2実施形態の判定部4は、第1実施形態と同様に、図2に示す液体判定装置100の光透過度算出部141と、変化量算出部142と、状態判定部143と、を含む。なお、第2実施形態の光透過度算出部141の機能は、第1実施形態の光透過度算出部141と同様であるため、説明を省略する。
【0055】
第2実施形態の変化量算出部142は、湯12の光透過度について、単位時間当たりの変化量を算出する。変化量算出部142は、例えば、光透過度算出部141から取得した単位距離当たりの光透過度を、時系列のデータとして記憶するとともに、時系列のデータに基づいて、単位距離当たりの光透過度の微分値を算出する。湯12の光透過度は、入浴剤が時間経過とともに湯12に溶解することによって上昇する。変化量算出部142は、算出した光透過度の単位時間当たりの変化量を、状態判定部143へ出力する。
【0056】
状態判定部143は、湯12の単位距離当たりの光透過度の単位時間当たりの変化量に基づいて、湯12に投入された入浴剤の溶解度を判定する。すなわち、状態判定部143は、光検出部2が取得した反射光16の光量の変化量と、液深取得部3が取得した水深Dとに基づいて、湯12に投入された入浴剤の溶解度を判定する。溶解度は、湯12の単位距離当たりの光透過度の単位時間当たりの変化量に基づいて、予め定められる指標である。溶解度は、湯12の単位距離当たりの光透過度が高いほど高く、光透過度の単位時間当たりの変化量が小さいほど高い。状態判定部143は、溶解度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。閾値は、液体判定装置100の記憶装置に予め記憶される。状態判定部143は、湯12に投入された入浴剤の溶解度が予め設定された閾値以上である場合、判定結果を報知部5の報知制御部151へ出力する。
【0057】
[システムによる処理]
図4を用いて、第2実施形態に係る液体判定システム1における処理の流れについて説明する。図4は、第2実施形態に係る液体判定システム1の処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す処理は、液体判定システム1の液体判定装置100が、予め定められた制御プログラムおよびデータに基づいて実行する。液体判定装置100は、例えば、液体判定装置100に電力が供給される、または使用者等による開始操作に関する所定の操作信号を受け付けること等によって、図4に示すステップST301に移行して処理を開始する。
【0058】
液体判定装置100は、再帰性反射板14に向けて光15を照射させる(ステップST301)。具体的には、発光制御部121が、発光部21に光15を照射させる。発光部21が光15を照射する方向は、再帰性反射板14に向かう方向である。発光制御部121は、発光部21の制御情報を、検出処理部122へ出力する。液体判定装置100は、ステップST302へ移行する。
【0059】
液体判定装置100は、再帰性反射板14で反射した光15の反射光16を受光する(ステップST302)。具体的には、ステップST301で発光部21が照射した光15の、再帰性反射板14で反射した反射光16を、受光部22が受光する。受光部22は、反射光16の検出信号を、検出処理部122へ出力する。液体判定装置100は、ステップST303へ移行する。
【0060】
液体判定装置100は、反射光16の光量を取得する(ステップST303)。具体的には、検出処理部122が、受光部22から反射光16の検出信号を取得する。検出処理部122は、発光制御部121から取得した発光部21の制御情報と、受光部22から取得した反射光16の検出信号とに基づいて、反射光16の光量を取得する。検出処理部122は、取得した反射光16の光量を、判定部4の光透過度算出部141へ出力する。液体判定装置100は、ステップST304へ移行する。
【0061】
液体判定装置100は、水面12sに向けて超音波18を発信させる(ステップST304)。具体的には、発信制御部131が、発信部31に超音波18を発信させる。発信部31から発信された超音波18は、浴槽11内の湯12の水面12sに向かって伝播する。発信制御部131は、発信部31の制御情報を、検出処理部132へ出力する。液体判定装置100は、ステップST305へ移行する。
【0062】
液体判定装置100は、水面12sで反射した超音波18の反射波19を受信する(ステップST305)。具体的には、ステップST304で発信部31が発信した超音波18の、水面12sで反射した反射波19を、受信部32が受信する。受信部32は、受信した反射波19の検出信号を、検出処理部132へ出力する。液体判定装置100は、ステップST306へ移行する。
【0063】
液体判定装置100は、浴槽11の底面11bから水面12sまでの水深Dを算出する(ステップST306)。具体的には、まず、検出処理部132が、受信部32から反射波19の検出信号を取得する。次に、検出処理部132が、発信制御部131から取得した発信部31の制御情報と、受信部32から取得した反射波19の検出信号とに基づいて、発信部31から超音波18が発信されてから受信部32が反射波19を受信するまでの遅延時間を取得する。
【0064】
次に、液深算出部133が、遅延時間に、発信部31の制御情報に基づく超音波18の伝播速度を乗算することによって、発信部31および受信部32から湯12の水面12sまでの距離Lを算出する。次に、液深算出部133は、予め記憶されている浴槽11の底面11bから発信部31および受信部32までの天井高さHから、距離Lを減算することによって、水深Dを算出する。液深算出部133は、算出した水深Dを、判定部4の光透過度算出部141へ出力する。液体判定装置100は、ステップST307へ移行する。
【0065】
なお、ステップST304からステップST306までの処理は、ステップST301からステップST303までの処理より前に実行されてもよいし、ステップST301からステップST303までの処理と並行に実行されてもよい。
【0066】
液体判定装置100は、反射光16の光量および湯12の水深Dに基づいて、単位距離当たりの光透過度を算出する(ステップST307)。具体的には、光透過度算出部141が、浴槽11の底面11bに設けられる再帰性反射板14で反射した光15の反射光16の光量と、浴槽11の底面11bから水面12sまでの水深Dとに基づいて、湯12の単位距離当たりの光透過度を算出する。光透過度算出部141は、算出した単位距離当たりの光透過度を、変化量算出部142へ出力する。液体判定装置100は、ステップST308へ移行する。
【0067】
液体判定装置100は、湯12の単位距離当たりの光透過度について、単位時間当たりの変化量を算出する(ステップST308)。具体的には、変化量算出部142が、湯12の単位距離当たりの光透過度について、単位時間当たりの変化量を算出する。変化量算出部142は、算出した単位距離当たりの光透過度の単位時間当たりの変化量を、状態判定部143へ出力する。液体判定装置100は、ステップST309へ移行する。
【0068】
液体判定装置100は、湯12の単位距離当たりの光透過度の単位時間当たりの変化量に基づいて、湯12に投入された入浴剤の溶解度を判定する。(ステップST309)。具体的には、状態判定部143が、光検出部2が取得した反射光16の光量の単位時間当たりの変化量と、液深取得部3が取得した水深Dとに基づいて、湯12に投入された入浴剤の溶解度を判定する。溶解度は、湯12の単位距離当たりの光透過度の単位時間当たりの変化量に基づいて、予め定められる指標である。液体判定装置100は、ステップST310へ移行する。
【0069】
液体判定装置100は、溶解度が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップST310)。具体的には、状態判定部143が、ステップST309で判定された溶解度が、所定の閾値以上であるか否かを判定する。溶解度が所定の閾値以上である場合(ステップST310;Yes)、状態判定部143は、判定結果を報知部5の報知制御部151へ出力する。液体判定装置100は、ステップST311へ移行する。溶解度が所定の閾値より低い場合(ステップST310;No)、液体判定装置100は、ステップST312へ移行する。
【0070】
溶解度が所定の閾値以上である場合(ステップST310;Yes)、液体判定装置100は、所定の報知情報を報知させる(ステップST311)。具体的には、報知制御部151が、所定の報知情報を報知装置51に報知させるための映像信号、音声信号等を含む制御信号を、報知装置51に出力する。報知装置51は、報知制御部151から出力された映像信号、音声信号等を含む制御信号に基づいて、所定の報知情報を報知する。所定の報知情報は、第2実施形態において、使用者に浴槽11内の湯12に投入された入浴剤が溶けきり、入浴が可能であることを案内する報知情報を含む。液体判定装置100は、図4に示すフローチャートの処理を終了する。
【0071】
溶解度が所定の閾値より低い場合(ステップST310;No)、液体判定装置100は、液体判定処理を終了するか否かを判定する(ステップST312)。液体判定装置100は、例えば、所定の終了操作を受け付ける、所定回数の液体判定処理を終了すること等によって、液体判定処理を終了する。液体判定処理を終了する場合(ステップST312;Yes)、液体判定装置100は、図4に示すフローチャートの処理を終了する。液体判定処理を終了しない場合(ステップST312;No)、液体判定装置100は、ステップST301へ戻り、ステップST312でYesと判定されるまで、ステップST301からステップST312までの処理を所定の周期毎に繰り返し実行する。所定の周期は、液体判定装置100の記憶装置に予め設定される。
【0072】
[システムの効果]
以上説明したように、第2実施形態の液体判定システム1は、槽(浴槽11)内の液体(湯12)に対して照射した光15の反射光16の光量の単位時間当たりの変化量に基づいて、液体に投入された物質(入浴剤)の溶解度を判定する。溶解度は、液体の反射光16の光量が高いほど高くなり、光量の単位時間当たりの変化量が小さいほど高くなるため、所定周期で液体に対して照射した光15の反射光16の光量の単位時間当たりの変化量に基づいて溶解度を判定することにより、液体に投入された物質の溶解度を判定することができる。
【0073】
また、第2実施形態の液体判定システム1は、第1実施形態の液体判定システム1と同様に、液体(湯12)の外部から照射した光15の反射光16の光量を取得する。したがって、槽(浴槽11)内において液中で一定の距離を確保して発光素子および受光素子を装着する必要がない。また、入浴者の頭部と水面との距離を算出する従来の沈水判定システムの構成を用いて実現可能であるため、システムの導入が容易である。
【0074】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、本開示の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0075】
また、図示した液体判定システム1の構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。例えば、液体判定装置の具体的形態は、図示のものに限られず、液体判定装置の処理負担や使用状況等に応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0076】
液体判定装置の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラム等によって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【符号の説明】
【0077】
1 液体判定システム
2 光検出部
3 液深取得部
4 判定部
5 報知部
10 浴室
11 浴槽(槽)
11b 底面
12 湯(液体)
12s 水面(液面)
13 天井
13m 取付部
14 再帰性反射板
15 光(赤外線)
16、17 反射光
18 超音波
19 反射波
21 発光部
22 受光部
31 発信部
32 受信部
51 報知装置
100 液体判定装置
D 水深(液深)
L 距離
H 天井高さ
図1
図2
図3
図4