IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

特許7543812画像形成装置、画像形成システム、及びプログラム
<>
  • 特許-画像形成装置、画像形成システム、及びプログラム 図1
  • 特許-画像形成装置、画像形成システム、及びプログラム 図2
  • 特許-画像形成装置、画像形成システム、及びプログラム 図3
  • 特許-画像形成装置、画像形成システム、及びプログラム 図4
  • 特許-画像形成装置、画像形成システム、及びプログラム 図5
  • 特許-画像形成装置、画像形成システム、及びプログラム 図6
  • 特許-画像形成装置、画像形成システム、及びプログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240827BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240827BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240827BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
G06F3/12 337
G06F3/12 313
G06F3/12 320
G06F3/12 367
G06F3/12 385
H04N1/00 127Z
B41J29/38 202
B41J5/30 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020165023
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022056995
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】橋本 直樹
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-141238(JP,A)
【文献】特開2006-262207(JP,A)
【文献】特開2008-132599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/12
B41J 29/38
B41J 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体メモリと、
外部メモリを接続可能な第1接続インタフェースと、
画像形成を実行する画像形成部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
画像データを含む画像ジョブを受け付けた場合、受け付けた前記画像ジョブに含まれる前記画像データに基づいて前記画像形成部により画像形成を実行する画像形成処理と、
前記画像ジョブを前記外部メモリに記憶する特定記憶設定が設定されている場合、前記画像ジョブに含まれる前記画像データを前記外部メモリに蓄積する蓄積処理と、
前記特定記憶設定が設定されていない場合、前記画像ジョブの前記画像データに対する画像処理に係わる処理情報を含む設定ジョブを受け付けると、受け付けた前記設定ジョブに含まれる前記処理情報を前記本体メモリへ記憶する第1記憶処理と、
前記特定記憶設定が設定されている場合、前記設定ジョブを受け付けると、記憶先判断情報に基づいて、受け付けた前記設定ジョブに含まれる前記処理情報を、前記本体メモリ又は前記外部メモリに記憶する第2記憶処理と、
を実行する画像形成装置。
【請求項2】
外部装置と通信可能な第2接続インタフェースを備え、
前記制御部は、
前記特定記憶設定が設定されている場合、前記処理情報の記憶先を前記本体メモリとするか、又は前記外部メモリとするかを示す情報を含む前記設定ジョブを、前記第2接続インタフェースを介して前記外部装置から取得する取得処理を、実行し、
前記取得処理の結果、前記外部装置から前記本体メモリへ記憶する指示を前記記憶先判断情報として受け付けた場合、前記第2記憶処理において、前記設定ジョブに含まれる前記処理情報を前記本体メモリに記憶し、前記取得処理の結果、前記外部装置から前記外部メモリへ記憶する指示を前記記憶先判断情報として受け付けた場合、前記第2記憶処理において、前記設定ジョブに含まれる前記処理情報を前記外部メモリに記憶する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記特定記憶設定が設定されているか否かを、前記第2接続インタフェースを介して前記外部装置へ通知する通知処理を実行し、前記通知処理において、前記特定記憶設定が設定されていないことを通知した場合は、前記外部装置は、前記処理情報の記憶先を前記本体メモリとする指令を送信することが可能になり、
前記通知処理において、前記特定記憶設定が設定されていることを通知した後に、前記取得処理及び前記第2記憶処理を実行する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記蓄積処理において、前記画像ジョブに含まれる前記画像データに対して前記画像処理を実行して第2画像データを生成し、生成した第2画像データを前記外部メモリに蓄積し、前記画像処理において、前記画像ジョブで指定された前記処理情報を、前記本体メモリ及び前記外部メモリのうち少なくとも一方から読み出し、読み出した前記処理情報に基づいて前記第2画像データを生成する、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1記憶処理及び前記第2記憶処理において、前記処理情報に識別情報を付与して記憶し、
前記蓄積処理において、前記画像ジョブで指定された前記処理情報を、前記識別情報に基づいて、前記本体メモリ及び前記外部メモリから検索する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記処理情報が記憶された前記外部メモリが接続され、前記本体メモリと前記外部メモリとに、同一の前記識別情報の前記処理情報が存在した場合、前記外部メモリの前記処理情報を優先して前記画像処理に用いる、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記蓄積処理において、前記画像ジョブに含まれる前記画像データを暗号化して前記外部メモリへ蓄積し、
前記第2記憶処理において、前記記憶先判断情報に基づいて、前記処理情報を前記外部メモリへ記憶する場合、前記処理情報を暗号化して前記外部メモリへ記憶し、
前記処理情報の暗号化において、前記画像データの暗号化に使用する暗号化鍵を用いる、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第2記憶処理において、前記記憶先判断情報に基づいて、前記処理情報を前記本体メモリへ記憶する場合、前記処理情報を暗号化せずに記憶する、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記処理情報は、
前記画像処理に用いるフォントデータである、請求項1から請求項8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記処理情報は、
前記画像処理の処理内容を指示するマクロデータであり、前記画像形成装置は、前記マクロデータによって前記画像処理において付加する画像を指定されること、前記マクロデータによって前記画像処理において形成する画像データの態様を指定されることが可能である、請求項1から請求項9の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記第2記憶処理において、前記記憶先判断情報として、前記処理情報のデータサイズに基づいて、前記処理情報の記憶先を、前記本体メモリにするか前記外部メモリにするかを決定する、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第2記憶処理において、前記記憶先判断情報として、前記処理情報の種類に基づいて、前記処理情報の記憶先を、前記本体メモリにするか前記外部メモリにするかを決定する、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記記憶先判断情報は、
前記特定記憶設定が設定されているか否かの情報であり、
前記制御部は、
前記特定記憶設定が設定されている場合、前記第2記憶処理において、前記処理情報を前記外部メモリに記憶する、請求項1から請求項11の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
画像形成装置と、
前記画像形成装置に接続された外部装置と、
を備える画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
本体メモリと、
外部メモリを接続可能な第1接続インタフェースと、
画像形成を実行する画像形成部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記外部装置から画像データを含む画像ジョブを受け付けた場合、受け付けた前記画像ジョブに含まれる前記画像データに基づいて前記画像形成部により画像形成を実行する画像形成処理と、
前記画像ジョブを前記外部メモリに記憶する特定記憶設定が設定されている場合、前記外部装置から受け付けた前記画像ジョブに含まれる前記画像データを前記外部メモリに蓄積する蓄積処理と、
前記特定記憶設定が設定されていない場合、前記画像ジョブの前記画像データに対する画像処理に係わる処理情報を含む設定ジョブを前記外部装置から受け付けると、受け付けた前記設定ジョブに含まれる前記処理情報を前記本体メモリへ記憶する第1記憶処理と、
前記特定記憶設定が設定されている場合、前記設定ジョブを前記外部装置から受け付けると、記憶先判断情報に基づいて、受け付けた前記設定ジョブに含まれる前記処理情報を、前記本体メモリ又は前記外部メモリに記憶する第2記憶処理と、
を実行する画像形成システム。
【請求項15】
本体メモリと、
外部メモリを接続可能な第1接続インタフェースと、
画像形成を実行する画像形成部と、
を備える画像形成装置の制御をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
画像データを含む画像ジョブを受け付けた場合、受け付けた前記画像ジョブに含まれる前記画像データに基づいて前記画像形成部により画像形成を実行する画像形成処理と、
前記画像ジョブを前記外部メモリに記憶する特定記憶設定が設定されている場合、前記画像ジョブに含まれる前記画像データを前記外部メモリに蓄積する蓄積処理と、
前記特定記憶設定が設定されていない場合、前記画像ジョブの前記画像データに対する画像処理に係わる処理情報を含む設定ジョブを受け付けると、受け付けた前記設定ジョブに含まれる前記処理情報を前記本体メモリへ記憶する第1記憶処理と、
前記特定記憶設定が設定されている場合、前記設定ジョブを受け付けると、記憶先判断情報に基づいて、受け付けた前記設定ジョブに含まれる前記処理情報を、前記本体メモリ又は前記外部メモリに記憶する第2記憶処理と、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、画像形成の処理に係わる処理情報を記憶する画像形成装置、画像形成システム、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像データを含む画像ジョブを蓄積する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、所謂、セキュアプリント機能を有するプリンタについて記載されている。セキュアプリント機能を有するプリンタでは、例えば、パスワードを付加された印刷ジョブをPCから受信すると、受信した印刷ジョブを直ぐには印刷せずにメモリに蓄積する。プリンタは、ユーザインタフェースを介して入力されたパスワードと、予め記憶したパスワードとが一致した場合、蓄積した印刷ジョブの印刷を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-113595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、プリンタは、画像データを印刷する前に、フォントデータなどの処理情報を参照して画像処理を実行した上で印刷を実行する。上記したような受け付けたジョブを直ぐに実行せずに蓄積する場合、フォントデータのような処理情報をどのように記憶しておくのかが問題となる。
【0005】
そこで本願は、画像ジョブを蓄積するか否かに応じて、画像処理に係わる処理情報の記憶先を変更できる画像形成装置、画像形成システム、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る画像形成装置は、本体メモリと、外部メモリを接続可能な第1接続インタフェースと、画像形成を実行する画像形成部と、制御部と、を備え、前記制御部は、画像データを含む画像ジョブを受け付けた場合、受け付けた前記画像ジョブに含まれる前記画像データに基づいて前記画像形成部により画像形成を実行する画像形成処理と、前記画像ジョブを前記外部メモリに記憶する特定記憶設定が設定されている場合、前記画像ジョブに含まれる前記画像データを前記外部メモリに蓄積する蓄積処理と、前記特定記憶設定が設定されていない場合、前記画像ジョブの前記画像データに対する画像処理に係わる処理情報を含む設定ジョブを受け付けると、受け付けた前記設定ジョブに含まれる前記処理情報を前記本体メモリへ記憶する第1記憶処理と、前記特定記憶設定が設定されている場合、前記設定ジョブを受け付けると、記憶先判断情報に基づいて、受け付けた前記設定ジョブに含まれる前記処理情報を、前記本体メモリ又は前記外部メモリに記憶する第2記憶処理と、を実行する。
【0007】
尚、蓄積処理とは、画像ジョブに含まれる画像データを変更することなくそのまま外部メモリへ蓄積する処理だけでなく、画像ジョブの画像データに対する画像処理を実行した上で外部メモリへ蓄積する処理を含む概念である。また、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、上記画像形成装置及び画像形成装置に接続された外部装置を備える画像形成システム、上記画像形成装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【発明の効果】
【0008】
本願に係る画像形成装置、画像形成システム、プログラムによれば、特定記憶設定が設定された場合、画像データを外部メモリに蓄積する。また、特定記憶設定が設定されていない場合、設定ジョブを受け付けると、受け付けた設定ジョブに含まれる処理情報を本体メモリへ記憶する。また、特定記憶設定が設定されている場合、記憶先判断情報に基づいて、受け付けた設定ジョブに含まれる処理情報を、本体メモリ又は外部メモリに記憶する。これにより、画像ジョブの画像データを蓄積するか否かに応じて、処理情報の記憶先を変更できる。また、処理情報を本体メモリへ記憶すれば、処理情報を外部メモリに記憶する場合に比べて画像処理を実行する際に処理情報を迅速に読み出し画像処理に用いることができる。画像処理に必要な処理時間を短縮できる。また、処理情報を外部メモリへ記憶すれば、画像データとともに設定情報を外部メモリに記憶することで、データを管理し易くなる。また、本体メモリの使用可能な記憶容量が、設定情報の記憶によって減ることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】MFPの電気的構成を示すブロック図である。
図2】画像ジョブと設定ジョブの内容を示す図である。
図3】登録処理の内容を示すフローチャートである。
図4】マクロデータを登録するプリンタドライバの登録画面を示す図である。
図5】フォントデータを登録するプリンタドライバの登録画面を示す図である。
図6】ジョブ処理の内容を示すフローチャートである。
図7】ジョブ処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願に係わる画像形成装置を具体化した一実施形態であるMFP1について図1を参照しつつ説明する。図1は、MFP1の電気的構成を示すブロック図である。MFP(Multi Function Peripheralの略)1は、印刷機能、コピー機能、スキャナ機能、FAX機能を備える複合機である。図1に示すように、MFP1は、メモリ11、CPU12、印刷部16、画像を読み取る画像読取部17、FAXを送受信するFAXIF(インタフェースの略)18、ユーザIF20、ネットワークIF24、USBIF27などを備えている。これらのCPU12等は、バス10で互いに接続されている。
【0011】
メモリ11は、例えば、RAM、ROM、不揮発性メモリ(EEPROMなど)を備えている。メモリ11には、例えば、プログラム用領域11A、エンジン用領域11B、共通鍵用領域11C、処理情報用領域11D、画像データ蓄積用領域11Eが設けられている。プログラム用領域11A、エンジン用領域11B、共通鍵用領域11C、処理情報用領域11Dは、例えば、ROMや不揮発性メモリによって構成される不揮発性の記憶領域である。画像データ蓄積用領域11Eは、例えば、RAMによって構成される揮発性の記憶領域である。尚、メモリ11の構成は特に限定されない。メモリ11は、例えば、HDD、NVRAM、フラッシュメモリ等を備えても良い。また、プログラム用領域11A、エンジン用領域11B等は、揮発性の記憶領域でも良く、画像データ蓄積用領域11Eは、不揮発性の記憶領域でも良い。
【0012】
プログラム用領域11Aは、CPU12より実行される各種のプログラム31や画像処理プログラム32が記憶されている。プログラム31は、例えば、MFP1の各部を統括的に制御するプログラムである。画像処理プログラム32は、RIP(Raster Image Processorの略)処理を実行するプログラムである。尚、以下の説明では、CPU12でプログラム31を実行するMFP1のことを、単に装置名で記載する場合がある。例えば、「MFP1がネットワークIF24を介してジョブを受け付ける」という記載は、「MFP1がCPU12でプログラム31を実行することでネットワークIF24を制御し、ネットワークIF24を介してジョブを受け付ける」ということを意味する場合がある。
【0013】
また、エンジン用領域11Bは、印刷部16によって使用される記憶領域である。共通鍵用領域11Cは、後述するUSBストレージ47に記憶する第2画像データGD2や処理情報PD2の暗号化や復号化に用いる共通鍵78が記憶されている。処理情報用領域11Dは、後述する処理情報PD1の記憶に使用される。画像データ蓄積用領域11Eは、後述する第2画像データGD2の記憶に使用される。印刷部16は、例えば電子写真方式の印刷エンジンを有し、電子写真方式により印刷を実行する。印刷部16は、エンジン用領域11Bに記憶された画像データに基づいて印刷を実行する。尚、印刷エンジンは、例えば、インクジェットヘッド等を用いてインクジェット方式で印刷する構成であっても良い。
【0014】
ユーザIF20は、例えば、タッチパネルやキーを備え、CPU12の制御に基づいて、例えば各種の設定画面や装置の動作状態等をタッチパネルに表示する。また、ユーザIF20は、タッチパネルやキーに対する操作入力に応じた信号をCPU12へ送信する。ネットワークIF24は、例えば、LANインタフェースである。本実施形態のネットワーク51には、例えば、複数のPC(パーソナルコンピュータの略)53が接続されている。ネットワークIF24は、第2接続インタフェースの一例である。第2接続インタフェースは、例えば、IEEE1394インタフェースでも良いし、無線LAN、NFCやBluetooth(登録商標)等の無線通信インタフェースでも良い。また、第2接続インタフェースを介してMFP1を、WANに接続しても良い。また、PC53は、外部装置の一例である。外部装置は、PC53に限らず、スマートフォン、タブレット端末等でも良い。
【0015】
USBIF27は、例えば、USB規格に準拠したインタフェースである。USBIF27は、第1接続インタフェースの一例である。第1接続インタフェースは、第1接続インタフェースと同様に、各種のインタフェースを採用できる。
【0016】
USBIF27は、CPU12の制御に基づいてUSBポート46に接続されたUSB機器との間でデータの入出力を実行する。図1に示すように、例えば、USBポート46には、USB機器としてUSBストレージ47が接続されている。USBストレージ47は、例えば、USBメモリなどの可搬性の記憶装置である。USBストレージ47は、外部メモリの一例である。尚、外部メモリは、USBメモリに限らず、USB接続が可能なHDD、USB接続されたカードリーダで通信可能なメモリーカード、MFP1とネットワーク接続したPCや携帯端末のHDD、SDカード、ネットワークストレージなどの記憶装置を採用できる。
【0017】
次に、PC53の動作について、図2及び図3を参照しつつ、説明する。図2に示すように、画像ジョブGJは、例えば、プリンタジョブ言語(略してPJL)で記述された指示情報DIと、ページ記述言語(略してPDL)で記述された第1画像データGD1とが含まれる。指示情報DIは、例えば、複数のPJLコマンドで記述されている。
【0018】
また、第1画像データGD1は、例えば、PCL(Printer Command Languageの略)で記述されたデータである。第1画像データGD1は、例えば、複数のPCLコマンドで記述されている。尚、第1画像データGD1は、PCLで記述されたPDLデータに限らず、PSデータ、JPEGデータ、GDIデータなどでも良い。設定ジョブCJは、例えば、PJLやPCLで記述され、MFP1に登録する処理情報PDを含んでいる。
【0019】
図3は、PC53が実行する登録処理の内容を示している。PC53は、例えば、プリンタドライバの印刷設定の画面を表示する操作入力を受け付けると、図3に示す登録処理を開始する。また、以下のフローチャートは、基本的に、プリンタドライバプログラムに記述された命令に従ったPC53の処理を示す。即ち、以下の説明における「表示」等の処理は、PC53の処理を表している。PC53による処理は、ハードウェア制御も含む。
【0020】
まず、図3のステップ(以下、単にSと記載する)11において、PC53は、マクロデータの登録を受け付ける画面を表示する。例えば、ユーザは、例えば、会社のロゴを挿入した画像、ヘッダ情報を設定した文書、余白を設定した文書など、ひな形となるようなコンテンツを、コンテンツ作成ソフトで作成した後、コンテンツ作成ソフトへ、所定の操作を行う。コンテンツ作成ソフトは、ドライバプログラムを呼び出して印刷設定の画面を表示させる。PC53は、例えば、ドライバプログラムを起動し、印刷設定の画面を表示した後、印刷設定の画面内の「マクロ登録設定」のボタンを選択する操作入力を受け付けると、図4に示す登録画面81を表示する。
【0021】
図4に示すように、PC53は、ID入力欄83、記憶先表示欄85、OKボタン87を登録画面81に表示する。PC53は、登録するマクロデータのID番号を、ID入力欄83で受け付け(S13)、入力されたID番号を、ID入力欄83に表示する(図4参照)。尚、ID番号の受け付け方法は、上記した方法に限らない。例えば、PC53は、入力されたID番号が登録済みのマクロデータのID番号と重複していないか、MFP1へPJLコマンド等で問い合わせても良い。PC53は、重複していた場合、エラーを登録画面81に表示しても良い。あるいは、重複していた場合、PC53やMFP1が、重複しないID番号を自動で付与しても良い。また、ユーザからID番号の入力を受け付けずに、PC53やMFP1が、重複しないID番号を自動で付与しても良い。また、PC53やMFP1は、既に登録済のID番号を指定された場合、そのID番号のマクロデータを削除又は上書きし、新たなマクロデータを登録しても良い。
【0022】
PC53は、第2画像データGD2の記憶先の情報を、MFP1から取得する(S15)。例えば、PC53は、PJLコマンドを用いて、MFP1へ記憶先の情報を問い合わせる。ここで、MFP1は、蓄積印刷機能、及び特定記憶機能を備えている。蓄積印刷機能は、画像ジョブGJをPC53から受信すると、受信した画像ジョブGJの第1画像データGD1をRIP処理した画像データ(第2画像データGD2と称する)を蓄積しておき、ユーザIF20を介して指示されたときに印刷する機能である。特定記憶機能は、例えば、蓄積印刷機能において、第2画像データGD2を、特定の記憶先に記憶する機能である。特定記憶機能が有効な場合、MFP1は、第2画像データGD2をUSBストレージ47へ蓄積する。特定機能が無効な場合、MFP1は、第2画像データGD2を、メモリ11へ蓄積する。特定記憶機能は、例えば、工場出荷状態では無効であり、ユーザIF20を介した操作で有効化できる。ユーザIF20ではなく、例えば、EWSプログラムをCPU12で実行しMFP1をWebサーバとして機能させ、Webページを介して、特定記憶機能を有効化する設定を受け付けても良い。尚、USBストレージ47に限らず、第1接続インタフェースに接続可能な記憶装置であれば、特定記憶機能が有効な場合の蓄積先として用いて良い。
【0023】
MFP1は、蓄積印刷機能が無効である場合や、特定記憶機能が無効である場合、記憶先がメモリ11であることを示す情報をPC53へ応答する。また、MFP1は、蓄積印刷機能及び特定記憶機能が有効である場合、記憶先がUSBストレージ47であることを示す情報をPC53へ応答する。
【0024】
PC53は、MFP1から取得した記憶先の情報に基づいて、記憶先がUSBストレージ47であると判断すると(S17:YES)、S19を実行する。S19において、PC53は、マクロデータの記憶先として、USBストレージ47に記憶するか、メモリ11に記憶するか選択する画面(図示略)を表示する(S19)。PC53は、選択画面を表示した後、記憶先の選択を受け付ける(S21)。PC53は、記憶先を選択する操作入力を受け付けると、選択された記憶先の情報を登録画面81に表示する(S21、図4参照)。図4は、記憶先として、メモリ11を選択された場合を示しており、記憶先表示欄85に「本体メモリ」の文字を表示している。PC53は、S21を実行した後、S23を実行する。
【0025】
一方、PC53は、S17において、記憶先がメモリ11であると判断すると(S17:NO)、S25を実行し、マクロデータの記憶先としてメモリ11を決定したことを登録画面81に表示する(S25、図4参照)。換言すれば、PC53やMFP1は、第2画像データGD2をUSBストレージ47に蓄積する場合(特定記憶機能が有効である場合)のみ、マクロデータをUSBストレージ47に記憶するかメモリ11に記憶するかの選択を受け付ける。PC53は、S25を実行した後、OKボタン87の選択を受け付けると、マクロデータ、記憶先の情報、ID番号を処理情報PDとして設定した設定ジョブCJ(図2参照)を、MFP1へ送信する(S27)。マクロデータは、コンテンツ作成ソフトが作成したコンテンツを、MFP1がマクロデータとして使用できるよう、プリンタドライバが変換したデータである。
【0026】
また、上記した説明では、マクロデータの登録について説明したが、フォントデータの登録についても同様に実行することができる。図5は、フォントデータを登録する場合の登録画面81Aを示している。ID入力欄83、記憶先表示欄85は、図4と同様である。PC53は、S13において、ID番号および、登録するフォントデータの取得元の情報を受け付ける。PC53は、例えば、フォントデータのファイルのパスを、パス入力欄89で受け付ける。このパスの情報は、例えば、PC53内に記憶されたフォントデータのパスであってもよいし、フォントデータのダウンロード元を示すURLであってもよい。
【0027】
PC53は、S13で取得元の情報を受け付けた後、マクロデータの登録と同様に、S15~S27を実行する。PC53は、フォントデータ、記憶先の情報、ID番号を処理情報PDとして設定した設定ジョブCJをMFP1へ送信する(S27)。マクロデータは、取得元の情報を用いてPC53が取得したフォントデータである。
【0028】
次に、MFP1の動作について、図6及び図7を参照しつつ、説明する。MFP1は、画像ジョブGJ又は設定ジョブCJを受け付けると、図6及び図7に示すジョブ処理を開始する。また、以下のフローチャートは、基本的に、プログラム31に記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。
【0029】
図6のジョブ処理を、まず、設定ジョブCJを、PC53から受信した場合について説明する。MFP1のCPU12は、PC53から設定ジョブCJ又は画像ジョブGJを受信すると、S31以降の処理を、受信したジョブに含まれているコマンドごとに実行する。CPU12は、例えば、ジョブ内の最初の行のコマンドを処理対象のコマンドに設定し、最初の行から最終行に向かって処理対象のコマンドを変更しながら処理を実行する。
【0030】
S31において、CPU12は、処理対象のコマンドが蓄積印刷機能の利用を示すコマンド(例えば、Strage Print=ON)であるか否かを判断する。今回は、設定ジョブCJであり、上記した利用を示すコマンドが設定されていないため、CPU12は、否定判断し(S31:NO)、S35を実行する。CPU12は、S35において、処理対象のコマンドが、ページ記述言語で示されたデータ(以降、ページ記述データと記載する。例えば、第1画像データGD1、処理情報PD)の処理に移行を指示するコマンド(例えば、PJL ENTER LANGUAGE=PCL)であるか否かを判断する。CPU12は、否定判断すると(S35:NO)、残りのPJLコマンドを処理する。また、CPU12は、肯定判断すると(S35:YES)、S37以降の処理を実行してページ記述データを処理する。
【0031】
S37において、CPU12は、処理対象のコマンドが処理情報PD(例えば、フォントデータ、あるいは、マクロデータ)の登録コマンドであるか否かを判断する。CPU12は、設定ジョブCJに処理情報PDが設定されていると判断し(S37:YES)、処理情報PDの記憶先、ID番号を取得する(S39)。この記憶先、ID番号の情報は、例えば、上記した図3の登録処理において、PC53が、S27で設定ジョブCJに設定してMFP1へ送信する情報である。
【0032】
CPU12は、S39で取得した情報に基づいて、処理情報PDのフォントデータまたはマクロデータの登録を実行する(S41)。例えば、CPU12は、S39において、記憶先としてUSBストレージ47に記憶する情報を取得した場合、処理情報PDに含まれるフォントデータまたはマクロデータを、メモリ11の共通鍵78で暗号化し、暗号化したデータにID番号を関連付けて、処理情報PD2としてUSBストレージ47に記憶する(S41)。例えば、メモリ11の共通鍵用領域11Cには、工場の出荷時において共通鍵78が記憶されている。尚、CPU12は、工場の出荷後、システムが最初に起動された際等に、乱数などを用いて機器固有の共通鍵78を生成しても良い。
【0033】
また、CPU12は、S39において、記憶先としてメモリ11に記憶する情報を取得した場合、フォントデータまたはマクロデータを暗号化せずにID番号を関連付けて、処理情報PD1としてメモリ11に記憶する(S41)。以降、CPU12は、ID番号で処理情報PD1、PD2を管理することができる。
【0034】
CPU12は、処理対象のコマンドを、処理した処理情報PDの次の行のコマンドに変更し、S43を実行する。CPU12は、処理対処のコマンドが、処理情報PDの使用要求コマンドであるか否かを判断する(S43)。図2に示す設定ジョブCJの場合、CPU12は、否定判断する(S43:NO)。S49のでは、処理対象のコマンドが描画コマンドであれば、第2画像データGD2を生成するRIP処理を、画像処理プログラム32に実行させる。図2に示す設定ジョブCJの場合、CPU12は、RIP処理を実行させない。CPU12は、未処理のページ記述データが存在すると判断した場合(S51:YES)、処理対象のコマンドを次の行のコマンドに変更し、S37からの処理を実行する。一方、CPU12は、全てのページ記述データを処理した場合、処理対象のコマンドが印刷中の用紙の排紙を指示するコマンドである場合、処理対象のコマンドが終了を示すコマンドであると判断した場合(S51:NO)、S53を実行する。
【0035】
CPU12は、S49で画像処理プログラム32に実行させた、第2画像データGD2の生成が完了したか否かを判断する(S53)。図2に示す設定ジョブCJを受信した場合は、RIP処理を実行させないので、CPU12は、否定判断し(S53:NO)、図6及び図7に示す処理を終了する。これにより、設定ジョブCJの処理情報PDに含まれるフォントデータまたはマクロデータを、メモリ11又はUSBストレージ47へ登録することができる。
【0036】
次に、蓄積印刷の利用コマンドを含んでいる画像ジョブGJを受信した場合について説明する。尚、以下の説明では、上記した設定ジョブCJを受信した場合と同様の処理については、その説明を適宜省略する。図2に示す画像ジョブGJには、蓄積印刷機能の利用を示すコマンドが記述されている。このため、CPU12は、S31で肯定判断し(S31:YES)、処理対象のコマンドを変更しながら、画像ジョブGJからユーザ名、ジョブ名、パスワードの情報を取得する(S33、図2参照)。
【0037】
CPU12は、第1画像データGD1の「PJL ENTER LANGUAG=PCL」の行でS35:YESと判断し、「PCL フォント使用要求コマンド フォントID」の行で、S37:NOと判断する。「PCL フォント使用要求コマンド フォントID」の行は、使用要求コマンドであるため(S43:YES)、CPU12は、使用要求コマンドで指定されたID番号で、メモリ11に記憶した処理情報PD1やUSBストレージ47に記憶した処理情報PD2のうちから、フォントデータまたはマクロデータを検索する(S45)。フォントデータの使用要求コマンドであれば、フォントデータを検索し、マクロデータの使用要求コマンドであれば、マクロデータを検索する。CPU12は、例えば、検出したフォントデータを読み出して、メモリ11の作業領域に記憶する(S45)。CPU12は、USBストレージ47から処理情報PD2を読み出す場合、共通鍵78によって復号化を実行し、メモリ11に記憶する(S45)。
【0038】
次に、CPU12は、S45でメモリ11に記憶させたフォントデータまたはマクロデータを取得する処理を、画像処理プログラム32に実行させる(S47)。CPU12は、次の行のコマンドを処理対象とする。次のコマンドは描画コマンドであるため、第2画像データGD2を生成するRIP処理を、画像処理プログラム32に実行させる(S49)。CPU12は、画像処理プログラム32のRIP処理において、S47で取得したフォントデータまたはマクロデータを使用する。尚、例えば、第1画像データGD1に、使用要求コマンドが複数含まれていた場合、CPU12は、S45、S47の処理を繰り返し実行することで、画像処理プログラム32に複数のフォントデータやマクロデータを取得させる。これにより、画像処理プログラム32は、複数のフォントデータ、マクロデータを使用してRIP処理を実行し第2画像データGD2を生成することができる。第1画像データGD1に、印刷ページごとに異なるフォントデータやマクロデータの印刷要求コマンドが含まれていた場合、CPU12は、S45、S47の処理を繰り返し実行することで、画像処理プログラム32に取得させるフォントデータ、マクロデータを、印刷ページ毎に変更することもできる。
【0039】
未処理のデータがなくなると(S51:NO)、CPU12は、S53を実行する。S49で画像処理プログラム32に指示した、第2画像データGD2の生成が完了していると判断したら(S53:YES)、S55を実行する。蓄積印刷の利用コマンドを含んでいる画像ジョブGJであるため(S55:YES)、CPU12は、S61を実行する。
【0040】
尚、CPU12は、蓄積印刷機能が有効になっている場合、蓄積印刷の利用コマンドが含まれているか否かに係わらず、受信した全ての画像ジョブGJを蓄積印刷の対象としても良い。この場合、CPU12は、例えば、S55において、蓄積印刷機能が有効である場合、肯定判断しても良い(S55:YES)。また、CPU12は、蓄積印刷機能が無効である場合であっても、蓄積印刷の利用コマンドが含まれている画像ジョブGJについて、蓄積印刷の対象としても良い。
【0041】
CPU12は、生成が完了した第2画像データGD2に、S33で取得したユーザ名、ジョブ名、パスワードを関連付けて蓄積する(S61)。CPU12は、特定記憶機能が無効である場合、ユーザ名、ジョブ名、パスワードの情報や、第2画像データGD2を暗号化せずに、メモリ11に蓄積する。また、CPU12は、特定記憶機能が有効である場合、ユーザ名、ジョブ名、パスワードの情報や、第2画像データGD2を、共通鍵78で暗号化した上で、USBストレージ47に蓄積する。従って、本実施形態のMFP1は、第2画像データGD2と処理情報PD2の暗号化に同一の共通鍵78を用いる。また、特定記憶機能の有効/無効に応じて、第2画像データGD2の蓄積先を変更することができる。CPU12は、S61を実行すると、図6図7の処理を終了する。尚、第2画像データGD2と処理情報PD2とで異なる共通鍵を用いても良い。
【0042】
次に、図示しない、蓄積印刷を指定しない画像ジョブGJを受信した場合について説明する。蓄積印刷を指定しない画像ジョブGJは、図2の画像ジョブGJから、蓄積印刷機能を利用するコマンド(例えば、Strage Print=ON)およびパスワードを除いた画像ジョブである。尚、以下の説明では、上記した設定ジョブCJ、蓄積印刷の利用コマンドを含んでいる画像ジョブGJを受信した場合と同様の処理については、その説明を適宜省略する。
【0043】
CPU12は、蓄積印刷を指定しない画像ジョブGJの先頭行からコマンドを判断していき、S53までは、利用コマンドを含んでいる画像ジョブGJと同様に処理していく。蓄積印刷の利用コマンドを含んでいない画像ジョブGJであるため(S55:NO)、CPU12は、画像処理プログラム32に、生成した第2画像データGD2を、メモリ11のエンジン用領域11Bに出力させる(S57)。CPU12は、印刷部16に、エンジン用領域11Bに記憶した第2画像データGD2の印刷を実行させ(S59)、図6図7に示す処理を終了する。このようにして、蓄積印刷を指定しない画像ジョブGJの印刷を実行することができる。なお、CPU12は、S49の時点で、画像処理プログラム32に、第2画像データGD2の出力先をエンジン用領域11Bとするよう指示し、S57を省略してもよい。また、印刷部16が、S59の指示不要で、エンジン用領域11Bに記憶された第2画像データGD2を印刷する仕様になっていてもよい。
【0044】
また、蓄積した第2画像データGD2を印刷する場合、MFP1は、例えば、ユーザIF20を介して印刷指示を受け付けると、蓄積されている第2画像データGD2の一覧をユーザIF20に表示する。特定蓄積機能が有効な場合は、USBストレージ47に記憶されている第2画像データGD2を一覧表示し、特定蓄積機能が無効な場合は、メモリ11に記憶されている第2画像データGD2を一覧表示する。CPU12は、任意の第2画像データGD2の選択を受け付けると、選択された第2画像データGD2に関連付けられたパスワードによる認証をユーザIF20で実行し、認証に成功すると印刷を実行する。選択された第2画像データGD2がUSBストレージ47に記憶されており、かつ、パスワードが関連付けられている場合、CPU12は、第2画像データGD2およびパスワードを、共通鍵78によって復号化する。
【0045】
蓄積した第2画像データGD2の印刷を指示する方法や認証方法は、上記した方法に限らない。例えば、CPU12は、ユーザIF20において、ユーザ名とパスワードによる認証を実行しても良い。そして、CPU12は、認証に成功すると、認証に成功したユーザ名を関連付けられた第2画像データGD2をまとめて印刷しても良い。
【0046】
(その他の処理)
上記したように本実施形態のCPU12は、フォントデータまたはマクロデータである処理情報PDを記憶する際、ID番号を付与して記憶する(S41)。そして、CPU12は、フォントデータまたはマクロデータを印刷に使用する場合、そのID番号によりフォントデータまたはマクロデータを検索して使用した。例えば、処理情報PDを記憶したUSBストレージ47をMFP1から取り外して再度接続した場合や他のMFPに接続した場合にもMFP1または他のMFPがUSBストレージ47に記憶された処理情報PDを利用できる仕様だとすると、メモリ11に記憶された処理情報PD1のID番号と、USBストレージ47に記憶された処理情報PD2のID番号が重複する可能性がある。例えば、USBストレージ47を取り外している最中に、USBストレージ47に記憶された処理情報PD2のID番号が、メモリ11に新たに記憶する処理情報PD1に付与される可能性がある。
【0047】
このような場合に、CPU12は、重複したID番号の処理情報PDについて、メモリ11又はUSBストレージ47を優先し、優先した方の処理情報PDを使用しても良い。CPU12は、例えば、ID番号で処理情報PDを検索する際に、検索する順番に優先順位をつけて、最初に見つかった処理情報PDを使用しても良い。CPU12は、USBストレージ47から先にID番号の検索を実行し、同一のID番号が付与された処理情報PDがメモリ11とUSBストレージ47に記憶されている場合に、USBストレージ47の処理情報PDを先に検出することで、USBストレージ47の処理情報PDを優先的に使用しても良い。
【0048】
あるいは、CPU12は、重複したID番号の処理情報PDを検出した場合に、メモリ11又はUSBストレージ47に記憶されている処理情報PDを無効にしても良い。CPU12は、例えば、USBストレージ47の接続時に、メモリ11とUSBストレージ47とに同一のID番号のフォントデータ又はマクロデータが記憶されていることを検出した場合、メモリ11又はUSBストレージ47の一方だけに対してID番号の検索を実行し、他方の検索を実行しなくとも良い。この場合、仮に、メモリ11にないID番号の処理情報PD2がUSBストレージ47に記憶されていても、USBストレージ47を無効とする場合、その処理情報PD2は、使用されないこととなる。
【0049】
また、CPU12は、ID番号と、そのID番号の処理情報PDの記憶先とを指定して、処理情報PDの削除処理を受け付けても良い。これにより、ID番号が重複した2つの処理情報PDについて、不要な方を指定して削除することができる。また、CPU12は、USBストレージ47が接続された場合に、USBストレージ47に記憶されたID番号と同一のID番号でメモリ11に記憶されている処理情報PDを削除しても良い。
【0050】
また、CPU12は、メモリ11とUSBストレージ47との間で、処理情報PDの移動を受け付けても良い。例えば、CPU12は、メモリ11からUSBストレージ47へフォントデータを個別に又は一括でUSBストレージ47へ移動させる指示をプリンタドライバで受け付けても良い。この場合、CPU12は、メモリ11のフォントデータを暗号化した上でUSBストレージ47へ移動させても良い。
【0051】
また、上記実施形態では、特定記憶機能が有効である場合に、PC53によって処理情報PDの記憶先の選択を受け付けたが、これに限らない。例えば、CPU12は、特定記憶機能が無効である場合に、PC53によって処理情報PDの記憶先の選択を受け付けても良い。また、CPU12は、PC53による選択を受け付けずに記憶先を決定しても良い。CPU12は、処理情報PDのフォントデータまたはマクロデータのデータ量に応じて記憶先を決定しても良い。CPU12は、例えば、特定記憶機能が有効である場合に、フォントデータのデータ量が所定の閾値以上であると判断すると、USBストレージ47へ記憶する。この閾値は、例えば、メモリ11の記憶容量、空き容量等に応じて決定することができる。例えば、メモリ11の記憶容量の全体に対して数十%以上の割合となるようなデータ量の大きいフォントデータについては、USBストレージ47へ記憶させることで、メモリ11の記憶容量が不足することを抑制できる。この場合、処理情報PDのデータ量は、記憶先判断情報の一例である。
【0052】
あるいは、CPU12は、処理情報PDの種類に応じて記憶先を変更しても良い。CPU12は、例えば、フォントデータをUSBストレージ47に記憶し、マクロデータをメモリ11に記憶しても良い。これにより、マクロデータに比べてデータ量が大きくなる可能性が高いフォントデータをUSBストレージ47に記憶し、メモリ11の記憶容量が不足することを抑制できる。この場合、処理情報PDの種類は、記憶先判断情報の一例である。また、上記したデータ量や種類による記憶先の判断を、PC53のプリンタドライバが実行しても良い。また、CPU12は、上記した処理情報PDの記憶先を自動で決定する場合に、仮に、USBストレージ47が接続されておらず、記憶できない場合は、エラーを表示する、メモリ11に記憶するなどの対応を実行しても良い。
【0053】
因みに、MFP1は、画像形成装置の一例である。CPU12は、制御部の一例である。メモリ11は、本体メモリの一例である。印刷部16は、画像形成部の一例である。ネットワークIF24は、第2接続インタフェースの一例である。USBポート46は、第1接続インタフェースの一例である。USBストレージ47は、外部メモリの一例である。PC53は、外部装置の一例である。共通鍵78は、暗号化鍵の一例である。第1画像データGD1は、画像データの一例である。
【0054】
以上、上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態のMFP1のCPU12は、受け付けた画像ジョブGJに含まれる第1画像データGD1に基づいて印刷を実行する(S59、画像形成処理の一例)。CPU12は、特定記憶機能(特定記憶設定の一例)が有効である場合、第1画像データGD1をRIP処理した第2画像データGD2をUSBストレージ47に蓄積する(S61、蓄積処理の一例)。CPU12は、特定記憶機能が無効である場合、受け付けた設定ジョブCJに含まれる処理情報PDを処理情報PD1としてメモリ11へ記憶する(S41、第1記憶処理の一例)。CPU12は、特定記憶機能が有効である場合、PC53からS39で受け付けた情報(記憶先判断情報の一例)に基づいて、受け付けた設定ジョブCJに含まれる処理情報PDを、メモリ11又はUSBストレージ47に記憶する(S41、第2記憶処理の一例)。これによれば、特定記憶機能が有効である場合、PC53からの指示に応じて、処理情報PDの記憶先を変更する。これにより、第2画像データGD2をUSBストレージ47に蓄積するか否かに応じて、処理情報PDの記憶先を変更できる。例えば、処理情報PDをメモリ11へ記憶すれば、RIP処理を実行する際に処理情報PDを迅速に読み出すことができる。
【0055】
(2)また、CPU12は、特定記憶機能が有効である場合、処理情報PDの記憶先の情報を含む設定ジョブCJをPC53から取得する(S15、S39、取得処理の一例)。CPU12は、PC53から取得した記憶先の情報に基づいて、処理情報PDの記憶先を変更する。これによれば、特定記憶機能が有効である場合のみ、処理情報PDの記憶先の選択を、PC53からMFP1へ指示することが可能となる。
【0056】
(3)また、CPU12は、第2画像データGD2の記憶先の情報を通知することで、特定記憶機能が有効であるか否かをPC53に通知する(S15、通知処理の一例)。CPU12から記憶先の設定としてメモリ11であることを通知した場合は、PC53は、処理情報PDの記憶先としてメモリ11を指定する(S25)。また、CPU12は、第2画像データGD2の記憶先としてUSBストレージ47を設定されていることを通知した場合は、処理情報PDの記憶先の選択をPC53で受け付ける。これによれば、MFP1から通知した情報に応じて、記憶先を決定するPC53側の処理内容を変更することができる。
【0057】
(4)また、CPU12は、特定記憶機能が有効である場合、第1画像データGD1をRIP処理して第2画像データGD2を生成し(S49、画像処理の一例)、生成した第2画像データGD2をUSBストレージ47に蓄積する(S61)。この際、S49において、画像ジョブGJの第1画像データGD1で指定された処理情報PDを、メモリ11及びUSBストレージ47のうち少なくとも一方から読み出し、読み出した処理情報PDに基づいて第2画像データGD2を生成する。これによれば、第1画像データGD1を蓄積する前に、フォントデータまたはマクロデータを用いたRIP処理を済ませた上で、USBストレージ47に蓄積することができる。
【0058】
(5)また、CPU12は、S41において、処理情報PDにID番号(識別情報の一例)を付与して記憶する。CPU12は、RIP処理において、画像ジョブGJで指定された処理情報PDを、ID番号に基づいて、メモリ11及びUSBストレージ47から検索する(S45)。これによれば、処理情報PDを記憶する段階でID番号を付与して記憶しておくことで、RIP処理においてID番号で必要な処理情報PDを特定することができる。
【0059】
(6)また、CPU12は、処理情報PDが記憶されたUSBストレージ47が接続された場合に、メモリ11とUSBストレージ47とに、同一のID番号の処理情報PDが存在した場合、USBストレージ47の処理情報PDを優先して印刷に用いても良い。例えば、ユーザは、過去に購入等してUSBストレージ47に記憶しておいた処理情報PDを、MFP1に接続して使用する可能性がある。また、仮に、任意のMFP1で使用していた処理情報PDを、別のMFP1で使用できる場合、ユーザは、処理情報PDを記憶したUSBストレージ47を、別のMFP1に接続して使用する可能性がある。このようなID番号が重複する可能性がある場合に、USBストレージ47の処理情報PDを優先して用いることで、ユーザの意思に合った処理情報PDを優先して印刷に用いることができる。
【0060】
(7)また、CPU12は、USBストレージ47に記憶する第2画像データGD2と処理情報PD2の暗号化において、同じ共通鍵78を用いる。これによれば、第2画像データGD2と処理情報PD2の暗号化処理や復号化処理を効率的に実行することができ、暗号化・復号化に必要な処理時間を短縮できる。また、USBストレージ47に記憶するデータを暗号化することで、データの解読や漏洩を抑制することができる。
【0061】
(8)また、CPU12は、メモリ11へ記憶する処理情報PD1を暗号化しない。これによれば、メモリ11から処理情報PD1を読み出してRIP処理に使用するまでの時間を短縮することができる。
【0062】
(9)また、上記実施例の処理情報PDは、RIP処理に用いるフォントデータである。これによれば、特定記憶機能が有効である場合に、RIP処理に用いるフォントデータを、第2画像データGD2とともにUSBストレージ47へ記憶させることができる。
【0063】
(10)また、処理情報PDは、印刷するロゴ、ヘッダ情報、余白などを設定するマクロデータである。これによれば、特定記憶機能が有効である場合に、RIP処理に用いるマクロデータを、第2画像データGD2とともにUSBストレージ47へ記憶させることができる。
【0064】
(11)また、CPU12は、記憶先判断情報として、処理情報PDのデータサイズに基づいて、処理情報PDの記憶先を決定しても良い。これによれば、処理情報PDの記憶先の情報をユーザから受け付ける必要がなくなり、自動で記憶先を決定して処理情報PDを記憶先へ振り分けることができる。
【0065】
(12)また、CPU12は、記憶先判断情報として、処理情報PDの種類に基づいて、処理情報PDの記憶先を決定しても良い。これによれば、処理情報PDの記憶先の情報をユーザから受け付ける必要がなくなり、自動で記憶先を決定して処理情報PDを記憶先へ振り分けることができる。
【0066】
(13)また、記憶先判断情報として、特定記憶機能が設定されているか否かの情報(有効/無効の情報)を用いても良い。CPU12は、例えば、特定記憶機能が有効である場合、処理情報PDを一律にUSBストレージ47に記憶しても良い。これにより、第2画像データGD2の振り分けと合わせて、処理情報PDの記憶先も変更できる。
【0067】
尚、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。例えば、MFP1が処理する画像ジョブGJは、PC53から受信する画像ジョブGJに限らず、例えば、メールサーバからメール形式で受信し、印刷を指示するジョブでも良い。また、画像ジョブは、印刷ジョブに限らず、例えば、FAXジョブでも良い。また、CPU12は、特定記憶機能が無効である場合に、処理情報PDをUSBストレージ47に記憶しても良い。また、USBストレージ47に記憶する第2画像データGD2や処理情報PD2を暗号化しなくとも良い。また、メモリ11に記憶する第2画像データGD2や、メモリ11に記憶する処理情報PD1を暗号化しても良い。また、第2画像データGD2と処理情報PD2とで、異なる共通鍵78を用いても良い。また、処理情報PD1をメモリ11に記憶しても良い。また、画像処理は、RIP処理に限らず、ガンマ補正処理などの他の画像処理を採用できる。また、処理情報PDは、フォントデータ又はマクロデータの一方でも良く、それ以外のガンマ補正値などの画像処理に用いるパラメータでも良い。また、上記実施形態では、画像ジョブGJと設定ジョブCJとは、別のジョブであったが、これに限らない。画像ジョブGJは、処理情報PDを含み、画像ジョブ且つ設定ジョブでも良い。また、CPU12は、第1画像データGD1をRIP処理せずに、メモリ11やUSBストレージ47に記憶しても良い。また、画像ジョブは、印刷ジョブに限らず、スキャン機能の実行を指示するスキャンジョブ、FAX機能の実行を指示するFAXジョブでも良い。また、画像形成部は、印刷部16に限らず、画像読取部17、FAXIF18等の他の画像を形成する装置でも良い。また、識別情報は、ID番号に限らず、文字を含む情報、あるいは文字だけの情報でも良い。また、上記実施形態では、制御部として、所定のプログラムを実行するCPU12を採用したが、これに限らない。例えば、制御部を、ASICなどの専用のハードウェアで構成してもよい。また、制御部は、例えばソフトウェアによる処理と、ハードウェアによる処理とを併用して動作する構成でもよい。また、上記実施形態では、本願発明に係わる画像形成装置として複合機であるMFP1を採用したが、これに限らない。本願発明に係わる画像形成装置は、プリント機能のみを有するプリンタ装置でもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 MFP(画像形成装置)、11 メモリ(本体メモリ)、12 CPU(制御部)、16 印刷部(画像形成部)、24 ネットワークIF(第2接続インタフェース)、46 USBポート(第1接続インタフェース)、53 PC(外部装置)、78 共通鍵(暗号化鍵)、CJ 設定ジョブ、47 USBストレージ(外部メモリ)、GD1 第1画像データ(画像データ)、GD2 第2画像データ、GJ 画像ジョブ、PD、PD1、PD2 処理情報。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7