(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】振動モータ
(51)【国際特許分類】
B06B 1/04 20060101AFI20240827BHJP
H02K 33/16 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B06B1/04 S
H02K33/16 A
(21)【出願番号】P 2020167852
(22)【出願日】2020-10-02
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 篤範
(72)【発明者】
【氏名】小林 知弘
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 征伸
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-518592(JP,A)
【文献】特開2018-019459(JP,A)
【文献】特開平06-315255(JP,A)
【文献】特開2017-184585(JP,A)
【文献】特開2020-054018(JP,A)
【文献】特開2020-150542(JP,A)
【文献】特開2001-298890(JP,A)
【文献】国際公開第2005/115094(WO,A2)
【文献】特開2004-357403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/04
H02K 33/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止部と、マグネット部材を有し、かつ第1方向に振動可能な可動子と、弾性部材と、を備え、 前記静止部は、 通電により前記マグネット部材に駆動力を付与するコイルと、 内部に前記可動子および前記コイルを収容するケースと、を有し、 前記可動子は、前記マグネット部材の第1方向一方側端部を保持するホルダー部材を有し、 前記弾性部材は、前記ホルダー部材に連結され、 前記ケースは、ケース切欠き部を有し、 前記ケース切欠き部は、前記ケースの第1方向一方側端から第1方向他方側へ向かって切欠かれ、 前記ホルダー部材は、第1方向に垂直な第2方向一方側へ向かって切欠かれるホルダー切欠き部を有し、 前記ケース切欠き部と前記ホルダー切欠き部は、第2方向に視て重な
り、前記弾性部材は、 第1方向に視て、第2方向に並ぶ2つの直線部と、第3方向に並ぶ2つの曲線部と、を含む外形と、 前記外形で囲まれる領域に少なくとも2つ設けられるスリットにより形成される梁部と、を有する、振動モータ。
【請求項2】
前記マグネット部材は、 第1方向に2つ配置されるマグネットと、 前記マグネットにより第1方向に挟まれて配置される磁性体部と、を有し、 前記マグネットの前記磁性体部と対向する側の磁極は、同極である、請求項1に記載の振動モータ。
【請求項3】
前記マグネット部材は、単一部材であって、 前記マグネット部材は、第1方向に2つ配置される磁化領域と、 前記磁化領域により第1方向に挟まれて配置される非磁化領域と、を有し、 前記磁化領域の前記非磁化領域と対向する側の磁極は、同極である、請求項1に記載の振動モータ。
【請求項4】
前記ホルダー切欠き部の第1方向および第2方向に垂直な第3方向の幅は、前記ケース切欠き部の第3方向の幅と同一、または前記ケース切欠き部の第3方向の幅よりも短い、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振動モータ。
【請求項5】
前記ホルダー切欠き部における第2方向他方側の内端面と、前記ケース切欠き部における第
2方向一方側の内端面は、いずれも第2方向に平行な平面である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の振動モータ。
【請求項6】
前記弾性部材は、第2方向一方側へ向かって切欠かれる弾性部材切欠き部を有し、前記弾性部材切欠き部の第1方向および第2方向に垂直な第3方向の幅は、前記ケース切欠き部の第3方向の幅と同一である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の振動モータ。
【請求項7】
前記ホルダー部材の少なくとも一部は、金属により構成される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の振動モータ。
【請求項8】
前記ホルダー部材の少なくとも一部は、樹脂部により構成され、 前記弾性部材は、前記樹脂部に直接的または間接的に固定される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の振動モータ。
【請求項9】
前記ケースの第1方向一方側に配置される蓋部と、緩衝部材と、を有し、 前記弾性部材は、前記可動子と前記蓋部との間に配置され、 前記緩衝部材は、前記蓋部における前記可動子の第1方向一方側端面と対向する内面に配置される、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の振動モータ。
【請求項10】
前記マグネット部材の外周面と前記コイルの内周面との間に配置される磁性流体を有する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の振動モータ。
【請求項11】
前記ケースの外周面に取り付けられ、かつ前記ケース切欠き部を覆うカバー部材を有する、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の振動モータ。
【請求項12】
前記マグネット部材と前記ケースは、いずれも、第2方向に並ぶ2つの平面部と、第3方向に並んで前記平面部同士を連結する2つの曲面部と、を含む外周面を有する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の振動モータ。
【請求項13】
前記マグネット部材および前記ケースそれぞれの前記平面部は、第1方向および第2方向に垂直な第3方向に平行である、請求項12に記載の振動モータ。
【請求項14】
回路基板を有し、前記ケースの前記平面部は、前記ケースの第1方向全体にわたって形成され、前記回路基板は、前記ケースの前記平面部に取り付けられる、請求項12または請求項13に記載の振動モータ。
【請求項15】
前記回路基板は、前記回路基板における前記平面部に取り付けられる領域に配置される2つの端子を有し、 前記コイルの2本の引き出し線の各々は、前記ケース切欠き部を介して各々の前記端子に接続され、 一方の前記端子と前記ケース切欠き部との間の第1方向の距離は、他方の前記端子と前記ケース切欠き部との間の第1方向の距離と異なる、請求項14に記載の振動モータ。
【請求項16】
前記ケースの第1方向一方側に配置される蓋部を有し、 前記弾性部材は、前記ケースの第1方向一方側端面と前記蓋部との間に挟まれ、 前記蓋部は、前記蓋部の外周面から内側へ向かって凹む凹部を有する、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の振動モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォン等の携帯機器など各種機器には、振動発生装置として振動モータが備えられている。振動モータは、例えば、着信またはアラーム等を利用者に知らせる機能、あるいはヒューマンインタフェースにおける触覚フィードバックの機能などの用途で用いられる。
【0003】
振動モータは、ケースと、コイルと、弾性部材と、可動子と、を有する。可動子は、マグネットを有する。可動子とケースとは、弾性部材により接続される。コイルに通電して磁界を発生させることにより、可動子は振動する。
【0004】
上記ケースを磁性体で構成する場合、可動子が吸引力によって筐体の内面に引き寄せられて張り付き、可動子が動かなくなる現象が発生する虞があった。なお、筐体を磁性体で構成するのは、磁気回路を構成して磁力を高めるためである。
【0005】
そこで、従来の振動モータには、ケースに固定されるシャフトが設けられる場合がある。この振動モータでは、可動子がシャフトに沿って振動方向に往復移動する。これにより、可動子が筐体の内面に張り付く現象を防止できる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のようなシャフトが設けられた振動モータには、次のような課題があった。シャフトは可動子の内部を通されて配置されるため、可動子の重量が減少するとともに、マグネット容積の低下による磁力低下が生じる。これにより、振動量が低下する虞があった。さらに、可動子とシャフトとの間の摺動により、騒音および摩耗が生じる虞もあった。
【0008】
上記状況に鑑み、本発明は、シャフトを用いない構成としつつ、可動子を安定して稼働させることのできる振動モータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の例示的な振動モータは、静止部と、マグネット部材を有し、かつ第1方向に振 動可能な可動子と、弾性部材と、を備える。前記静止部は、通電により前記マグネット部 材に駆動力を付与するコイルと、内部に前記可動子および前記コイルを収容するケースと 、を有する。前記可動子は、前記マグネット部材の第1方向一方側端部を保持するホルダー部材を有する。前記弾性部材は、前記ホルダー部材に連結される。前記ケースは、ケー ス切欠き部を有する。前記ケース切欠き部は、前記ケースの第1方向一方側端から第1方 向他方側へ向かって切欠かれる。前記ホルダー部材は、第1方向に垂直な第2方向一方側 へ向かって切欠かれるホルダー切欠き部を有する。前記ケース切欠き部と前記ホルダー切 欠き部は、第2方向に視て重なり、前記弾性部材は、第1方向に視て、第2方向に並ぶ2つの直線部と、第3方向に並ぶ2つの曲線部と、を含む外形と、前記外形で囲まれる領域に少なくとも2つ設けられるスリットにより形成される梁部と、を有する、振動モータ。
【発明の効果】
【0010】
各々の本発明の例示的な振動モータによると、シャフトを用いない構成としつつ、可動子を安定して稼働させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る振動モータの斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の例示的な実施形態に係る振動モータの断面斜視図である。
【
図3】
図3は、振動モータの一部構成を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、変形例に係るマグネット部材を示す断面斜視図である。
【
図6】
図6は、振動モータの製造工程における第1工程を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、振動モータの製造工程における第2工程を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、ホルダー部材を第1方向一方側から視た平面図である。
【
図10】
図10は、振動モータの製造工程における第3工程を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第3工程におけるレーザ溶接を説明するための斜視図である。
【
図12】
図12は、振動モータの製造工程における第4工程を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、ホルダー部材を第1方向一方側から視た平面図である。
【
図14】
図14は、カバー部材および回路基板を有する振動モータを示す斜視図である。
【
図16】
図16は、緩衝部材を用いた振動モータを示す断面斜視図である。
【
図17】
図17は、磁性流体を用いた振動モータを示す断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して本発明の例示的な実施形態を説明する。
【0013】
なお、図面において、可動子が振動する方向である第1方向をZ方向として、第1方向一方側をZ1、第1方向他方側をZ2として示す。また、第1方向に垂直な方向である第2方向をX方向として、第2方向一方側をX1、第2方向他方側をX2として示す。また、第1方向および第2方向に垂直な方向である第3方向をY方向として示す。
【0014】
<振動モータの全体構成>
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る振動モータ10の外観を示す斜視図である。
図2は、振動モータ10の断面斜視図である。
【0015】
振動モータ10は、静止部1と、可動子5と、弾性部材81,82と、を有する。可動子5は、第1方向(Z方向)に振動可能である。
【0016】
静止部1は、コイル2と、ケース3と、蓋部41,42と、を有する。ケース3は、外周面として、2つの曲面部31と、2つの平面部32と、を有する。曲面部31は、第3方向に互いに対向する。平面部32は、第2方向に互いに対向する。平面部32は、第1方向に平行である。平面部32同士は、曲面部31により連結される。ケース3は、第1方向両側に開口する内部空間3Sを有する。ケース3は、磁性体により構成される。上記磁性体としては、例えばステンレスである。
【0017】
コイル2は、振動モータ10の第1方向に延びる中心軸J(
図1)周りに導線を巻き回されて形成され、ケース3の内面に固定される。すなわち、ケース3は、内部にコイル2を収容する。コイル2は、通電を行うことにより磁界を発生させる。コイル2は、ケース3の第1方向中央部に配置される。
【0018】
可動子5は、マグネット部材6と、ホルダー部材71,72と、を有し、ケース3の内部に収容される。マグネット部材6は、一方向一方側のマグネット6Aと、一方向他方側のマグネット6Bと、を有する。すなわち、マグネット部材6は、第1方向に2つ配置されるマグネット6A,6Bを有する。マグネット部材6は、磁性体部6Cを有する。磁性体部6Cは、マグネット6A,6Bにより第1方向に挟まれて配置される。ここで、
図3に示すように、マグネット部材6は、外周面として、2つの曲面部61と、2つの平面部62と、を有する。曲面部61は、第3方向に互いに対向する。平面部62は、第2方向に互いに対向する。平面部62は、第1方向に平行である。平面部62同士は、曲面部61により連結される。
【0019】
図2に示すように、マグネット6Aの一方向他方側がN極であり、一方向一方側がS極である。マグネット6Bの一方向一方側がN極であり、一方向他方側がS極である。このように、N極同士が磁性体部6Cを挟んで一方向に対向する。すなわち、マグネット6A,6Bの磁性体部6Cと対向する側の磁極は、同極である。これにより、磁束は、マグネット6A,6BをS極からN極へ流れ、磁性体部6Cを径方向外側へ流れ、コイル2を径方向に貫く。なお、径方向とは、中心軸Jに対する径方向である。ケース3を磁性体により構成することで、コイル2を貫いた磁束は、ケース3を第1方向に流れ、マグネット6A,6BのS極に戻される。このような構成により、コイル2を貫く磁束量を高めることができる。
【0020】
なお、マグネット部材6の構成は、
図4に示すような変形例としてもよい。
図4に示すマグネット部材6は、単一部材である。マグネット部材6は、第1方向一方側の磁化領域6Axと、第1方向他方側の磁化領域6Bxと、を有する。すなわち、マグネット部材6は、第1方向に2つ配置される磁化領域6Ax,6Bxを有する。また、マグネット部材6は、磁化領域6Ax,6Bxにより第1方向に挟まれて配置される非磁化領域6Cxを有する。
【0021】
また、
図4に示すように、磁化領域6Axの一方向他方側がN極であり、一方向一方側がS極である。磁化領域6Bxの一方向一方側がN極であり、一方向他方側がS極である。このように、N極同士が非磁化領域6Cxを挟んで一方向に対向する。すなわち、磁化領域6Ax,6Bxの非磁化領域6Cxと対向する側の磁極は、同極である。このよう構成であっても、コイルを径方向に貫く磁束量を高めることができる。さらに、単一部材であるマグネット部材6を用いることで、複数の部材から構成されるマグネット部材のようにマグネット部材の組み立てによる軸ずれがなくなるとともに、コスト低減を行うことができる。
【0022】
なお、上記の構成でマグネットまたは磁化領域において、N極とS極を逆にしてもよい。この場合、磁束の流れは、上記と逆方向となる。
【0023】
図2の構成に説明を戻す。
図2に示すように、ホルダー部材71は、マグネット部材6の第1方向一方側端部を保持する。より具体的には、
図3に示すように、ホルダー部材71は、カバー部711と、カバー部712と、を有する。カバー部711は、マグネット部材6の第1方向一方側端面を覆う板状部である。カバー部712は、カバー部711から第1方向他方側へ突出してマグネット部材6の外周面を覆う筒状部である。ホルダー部材71は、ウェイト(おもり)として機能し、例えばタングステン合金により構成される。
【0024】
カバー部711は、ホルダー切欠き部71A,71Bを有する。ホルダー切欠き部71Aは、第2方向一方側へ向かって切欠かれる(
図2)。ホルダー切欠き部71Bは、第2方向他方側へ向かって切欠かれる(
図2)。すなわち、ホルダー部材71は、第1方向に垂直な第2方向一方側へ向かって切欠かれるホルダー切欠き部71Aを有する。
【0025】
カバー部712は、ホルダー切欠き部71A,71Bから第1方向他方側に延びる孔部71C,71Dを有する(
図2)。
【0026】
ケース3は、ケース切欠き部3A,3Bを有する。ケース切欠き部3A,3Bは、ケース3の第1方向一方側端から第1方向他方側へ向かって切欠かれる。ケース切欠き部3A,3Bは、第2方向に対向する。
【0027】
ケース切欠き部3Aとホルダー切欠き部71Aは、第2方向に視て重なる。ケース切欠き部3Aと孔部71Cも、第2方向に視て重なる。ケース切欠き部3Bとホルダー切欠き部71Bは、第2方向に視て重なる。ケース切欠き部3Bと孔部71Dも、第2方向に視て重なる。
【0028】
このようなホルダー切欠き部71A,71B、孔部71C,71D、およびケース切欠き部3A,3Bは、後に詳述するように、振動モータ10の製造時に治具を用いて可動子5のケース3に対する位置決めを精密に行うための構成である。
【0029】
なお、ホルダー部材72の構成、およびケース3における第1方向他方側の構成は、第3方向に視た断面視で、振動モータ10の第1方向中央位置を第2方向に通る対称軸に対して、ホルダー部材71およびケース切欠き部3A,3Bの構成と対称である。従って、ホルダー部材72は、ホルダー切欠き部72A,72Bと、孔部72C,72Dと、を有する。また、ケース3は、ケース切欠き部3C,3Dを有する。
【0030】
弾性部材81,82は、第1方向に伸縮可能な圧縮ばねである。弾性部材81において第1方向他方側端部に位置する固定部81Aは、ホルダー部材71の第1方向一方側端面に固定される(
図2)。すなわち、弾性部材81は、ホルダー部材71に連結される。弾性部材81において第1方向一方側端部に位置する固定部81Bは、ケース3の第1方向一方側端面に固定される(
図2)。
【0031】
弾性部材82において第1方向一方側端部に位置する固定部82Aは、ホルダー部材72の第1方向他方側端面に固定される(
図2)。弾性部材82において第1方向他方側端部に位置する固定部82Bは、ケース3の第1方向他方側端面に固定される(
図2)。
【0032】
蓋部41,42は、第1方向を厚み方向とする板状部材である。蓋部41は、弾性部材81の第1方向一方側に配置され、固定部81Bに固定される。すなわち、振動モータ10は、ケース3の第1方向一方側に配置される蓋部41を有し、弾性部材81は、ケース3の第1方向一方側端面と蓋部41との間に挟まれる。蓋部42は、弾性部材82の第1方向他方側に配置され、固定部82Bに固定される。
【0033】
コイル2に通電されない非稼働状態では、可動子5は、自然長状態より圧縮された弾性部材81による第1方向他方側への弾性力と、自然長状態より圧縮された弾性部材82による第1方向一方側への弾性力を加えられて停止状態である。非稼働状態で可動子5の磁性体部6Cは、コイル2の第1方向中央位置に位置する(
図2)。
【0034】
コイル2に通電することにより、コイル2により生じる磁界とマグネット部材6による磁界との相互作用により、マグネット部材6に駆動力が付与される。すなわち、コイル2は、通電によりマグネット部材6に駆動力を付与する。可動子5に駆動力が付与されることにより、可動子5は第1方向に振動する。
【0035】
このように振動モータ10では、従来のような可動子をガイドするシャフトを用いない構成とすることができるので、可動子5の重量およびマグネット部材6の容積の低減を抑えることができる。従って、振動モータ10の振動量を確保できる。また、可動子とシャフトとの間の摺動がなくなり、摺動による騒音および摩耗が回避される。
【0036】
<ホルダー部材の構成>
ここで、ホルダー部材71,72について、さらに述べる。
図3に示すようなホルダー部材71,72の少なくとも一部は、金属により構成されることが好ましい。上記金属の一例は、タングステン合金である。これにより、ホルダー部材71,72の重量を大きくすることができ、振動量を増加できる。この場合、弾性部材81,82の固定部81A,82Aは、ホルダー部材71,72に対して、例えば溶接、接着、カシメなどにより固定される。
【0037】
また、ホルダー部材71,72の少なくとも一部は、樹脂部により構成されることも好ましい。その場合、ホルダー部材71,72の全部が樹脂部により構成されてもよいし、一部が金属、残りの一部が樹脂部により構成されてもよい。ホルダー部材71,72の一部が樹脂部により構成される場合は、固定部81A,82Aが固定される側が樹脂部により構成される。この場合、例えばインサート成型によりホルダー部材71,72を形成できる。
【0038】
上記のようにホルダー部材71,72の少なくとも一部が樹脂部により構成される場合、固定部81A,82Aは、ホルダー部材71,72に対して、例えば接着、カシメなどにより固定される。すなわち、弾性部材81,82は、樹脂部に直接的または間接的に固定される。樹脂部の加工性は良好であるため、低コストかつ精度良く弾性部材81,82の取り付けを行うことができる。
【0039】
<弾性部材の構成>
ここでは、弾性部材81,82の構成について、さらに述べる。
図5は、第1方向に視た弾性部材81の平面図である。
【0040】
図5に示すように、弾性部材81は、第1方向に視て、第2方向に並ぶ2つの直線部813,814と、第3方向に並ぶ2つの曲線部811,812と、を含む外形を有する。また、弾性部材81は、梁部81E,81Fを有する。梁部81E,81Fは、それぞれ直線部と曲線部とから構成され、固定部81Aと固定部81Bとを連結する。梁部81E,81Fは、スリット81C,81Dにより形成される。すなわち、弾性部材81は、上記外形で囲まれる領域に少なくとも2つ設けられるスリットにより形成される梁部81E,81Fを有する。
【0041】
これにより、梁部81E,81Fの直線部と曲線部の長さを調整することにより、上記外形を有する弾性部材81であっても、第2方向-第3方向の剛性・応力バランスを保ちつつ、適切な共振周波数を設定できる。
【0042】
<振動モータの製造方法>
次に、振動モータ10の製造工程の一例について述べる。なお、以下では、完成時の振動モータ10についての第1方向(Z方向)、第2方向(X方向)、および第3方向(Y方向)を用いて製造工程を説明する。
【0043】
図6は、第1工程を示す斜視図である。第1工程は、あらかじめホルダー部材72を接着剤によりマグネット部材6に固定したものをケース3内部に引き込む工程である。第1工程では、治具11,12,13,14を用いる。
【0044】
まず、ケース3を治具11,12により第2方向両側から挟みこむ。より具体的には、治具11は、矩形体状の基台111と、2つのガイドレール112,113と、を有する。なお、
図6でガイドレール113は、隠れており図示されていない。
【0045】
ここで、
図7は、
図6の状態において治具13の図示を省略した状態の一部拡大図を示す。
図7に示すように、ガイドレール112は、基部112Aと、突出部112Bと、を有する。基部112Aは、基台111の第2方向一方側面111Aから第2方向一方側へ突出し、第1方向に延びる矩形体状である。突出部112Bは、基部112Aから突出し、第1方向に延びる矩形体状である。突出部112Bは、基部112Aよりも第3方向幅が狭い。
【0046】
ガイドレール113は、基台111の第2方向一方側面111Aから第2方向一方側へ突出し、ガイドレール112と同様の形状である。ガイドレール113は、ガイドレール112と第1スペースを空けてガイドレール112の第1方向他方側に配置される。
【0047】
図6に示すように治具11をケース3にセットするとき、第2方向一方側面111Aをケース3における第2方向他方側の平面部32(
図1)に接触させる。このとき、ケース3におけるケース切欠き部3A,3Cにより第1方向に挟まれる部分は上記第1スペースに嵌り込み、ケース切欠き部3A,3Cの内面は基部112A,113Aの側面に接触する。なお、基部113Aは、ガイドレール113の図示されない基部である。
【0048】
治具12は、基台121と、ガイドレール122,123と、を有する。治具12の構成は、治具11の構成を第2方向に逆とした構成であるため、詳述は省く。ガイドレール122と123との間には第2スペースが配置される。
図6に示すように治具12をケース3にセットするとき、基台121の第2方向他方側面121A(
図7)をケース3における第2方向一方側の平面部32に接触させる。このとき、ケース3におけるケース切欠き部3B,3Dにより第1方向に挟まれる部分は、上記第2スペースに嵌り込み、ケース切欠き部3B,3Dの内面はガイドレール122,123の基部122A,123A(
図7)の側面に接触する。
【0049】
上記のように治具11,12をケース3にセットした状態で、ホルダー部材72が固定されたマグネット部材6を第1方向他方側からガイドレール113,123の間に挿入する。マグネット部材6を挿入すると、マグネット部材6の各平面部62(
図3)はガイドレール113,123の突出部113B,123Bに接触する。これにより、マグネット部材6は、第2方向に位置決めされる。また、ホルダー部材72のホルダー切欠き部72Aおよび孔部72Cは突出部113Bの側面に接触し、ホルダー切欠き部72Bおよび孔部72Dは突出部123Bの側面に接触する。これにより、マグネット部材6は、第3方向に位置決めされる。
【0050】
そして、
図6に示す治具13を第1方向一方側からガイドレール112と122との間に挿入する。治具13は、第1方向に延びる筒状部材である。治具13は、外周面として、第2方向両側に平面部131を有する。治具13を挿入すると、各平面部131は、突出部112B,122Bに接触する。
【0051】
治具13は磁性体により形成されるため、挿入された治具13の第1方向他方側端にマグネット部材6が固定される。そして、治具13を第1方向一方側へ引くと、マグネット部材6がケース3内部に引き込まれる。そして、
図6に示す治具14を治具13内部に挿入する。治具14は非磁性体により形成されるため、治具14によりマグネット部材6を第1方向他方側へ押すと、マグネット部材6が治具13から外れる。これにより、第1工程が完了する。
【0052】
図8は、第2工程を示す斜視図である。第2工程は、ホルダー部材71をマグネット部材6に固定する工程である。第2工程では、治具15,16,17,18を用いる。
【0053】
図8に示すように治具15は、治具11,12の第1方向他方側面に接触して配置される。第1方向に延びるシリンダー状の治具16は、治具15内部に挿入されて第1方向に移動可能である。
【0054】
また、
図8に示すように治具17は、治具11,12の第1方向一方側面に接触して配置される。第1方向に延びるシリンダー状の治具18は、治具17内部に挿入されて第1方向に移動可能である。治具18は磁性体により形成されるため、ホルダー部材71は治具18の第1方向他方側面に固定される。ホルダー部材71は、第1方向一方側からガイドレール112,122に挿入される。挿入された状態で、ホルダー部材71のホルダー切欠き部71Aおよび孔部71Cはガイドレール112の突出部112Bの側面に接触し、ホルダー切欠き部71Bおよび孔部71Dはガイドレール122の突出部122Bの側面に接触する。
【0055】
そして、治具16によりホルダー部材72を第1方向一方側へ押しつつ、治具18によりホルダー部材71を第1方向他方側へ押し込むことで、ホルダー部材71はマグネット部材6に嵌り込む。ホルダー部材71にはあらかじめ接着剤が塗布されているので、ホルダー部材71をマグネット部材6に接着により固定できる。これにより、第2工程が完了する。
【0056】
ここで、
図9は、ホルダー部材71をマグネット部材6に固定した状態での第1方向一方側から視た平面図である。
図9に示すように、ケース3のケース切欠き部3Aに、ガイドレール112の基部112Aが接触されるとともに、ホルダー部材71のホルダー切欠き部71Aに、ガイドレール112の突出部112Bが接触される。また、ケース3の平面部32に、基台111の第2方向一方側面111Aが接触されるとともに、マグネット部材6の平面部62に、突出部112Bが接触される。これにより、可動子5のケース3に対する第2方向および第3方向の位置決めがされ、可動子5およびケース3それぞれの第1方向に延びる中心軸を一致させることができる。
【0057】
図10は、第3工程を示す斜視図である。第3工程は、弾性部材81,82をホルダー部材71,72に固定する工程である。第3工程では、治具19,20,21を用いる。
【0058】
図10に示すように、弾性部材82を第1方向他方側からガイドレール113,123に挿入させてケース3の第1方向他方側面に接触させる。ここで、
図5に示すように、弾性部材81は、弾性部材切欠き部81G,81Hを有する。弾性部材切欠き部81Gは、第2方向一方側へ向かって切欠かれる。弾性部材切欠き部81Hは、第2方向他方側へ向かって切欠かれる。弾性部材82も弾性部材81と同様な弾性部材切欠き部を有する。
【0059】
弾性部材82の弾性部材切欠き部の第3方向の幅は、ケース切欠き部3C,3Dの第3方向の幅と同一である。これにより、弾性部材82の弾性部材切欠き部をガイドレール113,123の基部113A,123Aの側面に接触させることができ、弾性部材82のケース3に対する第2方向の位置決めを行うことができる。
【0060】
そして、
図10に示すように治具19を治具11,12の第1方向他方側面に接触させる。治具19は、第1方向一方側に突出する突出部191を有する。突出部191により弾性部材82をケース3との間で挟み込む。
【0061】
また、
図10に示すように、弾性部材81を第1方向一方側からガイドレール112,122に挿入させてケース3の第1方向一方側面に接触させる。弾性部材切欠き部81G,81Hの第3方向の幅は、ケース切欠き部3A,3Bの第3方向の幅と同一である。これにより、弾性部材切欠き部81G,81Hをガイドレール112,122の基部112A,122Aの側面に接触させることができ、弾性部材81のケース3に対する第2方向の位置決めを行うことができる。
【0062】
そして、
図10に示すように治具20を治具11,12の第1方向一方側面に接触させる。治具20は、第1方向他方側に突出する突出部201を有する。突出部201により弾性部材81をケース3との間で挟み込む。
【0063】
そして、
図10に示すような第1方向に延びるシリンダー状の治具21を治具20の孔部20Aに挿入し、治具21により弾性部材81の固定部81Aを第1方向他方側へ押し込む。これにより、弾性部材82の固定部82Aは、ホルダー部材72に弾性力により押し当てられる。
【0064】
この状態で、
図11に示すように、弾性部材82の固定部82Aは、治具19の孔部19Aを通して視認できる。孔部19Aを介してレーザを固定部82Aに照射することで、固定部82Aをホルダー部材72に溶接により固定する。
【0065】
なお、弾性部材82の固定部82Bをケース3に数か所スポット溶接して仮止めしてもよい。ただし、この仮止めは必須でない。
【0066】
そして、治具21を治具19の孔部19Aに挿入し、治具21により弾性部材82の固定部82Aを第1方向一方側へ押し込む。これにより、弾性部材81の固定部81Aは、ホルダー部材71に弾性力により押し当てられる。
【0067】
この状態で、孔部20Aを介してレーザを固定部81Aに照射することで、固定部81Aをホルダー部材71に溶接により固定する。なお、固定部81Bをケース3に数か所スポット溶接して仮止めしてもよい。ただし、この仮止めは必須でない。
【0068】
図12は、第4工程を示す斜視図である。第4工程は、蓋部41,42を弾性部材81,82に固定する工程である。第4工程では、治具22,23,24,25を用いる。治具22には、あらかじめ第1方向に延びるピン状の治具23が挿入されており、治具23と治具22との間は不図示の弾性部材により接続されている。治具24には、あらかじめ第1方向に延びるピン状の治具25が挿入されており、治具25と治具24との間は不図示の弾性部材により接続されている。
【0069】
図12に示すように、蓋部41を第1方向一方側からガイドレール112,122に挿入する。そして、治具25の第1方向他方側端面を蓋部41に接触させつつ、治具24を治具11,12の第1方向一方側面に接触させる。この状態で上記弾性部材による弾性力により治具25は、蓋部41を第1方向他方側の弾性部材81の固定部81Bに押し当てる。同様に、治具23の第1方向一方側端面を蓋部42に接触させつつ、治具22を治具11,12の第1方向他方側面に接触させる。この状態で上記弾性部材による弾性力により治具23は、蓋部42を第1方向一方側の弾性部材82の固定部82Bに押し当てる。
【0070】
この状態で、蓋部41、固定部81B、およびケース3を溶接する。ここで、後述する
図14に示すように、蓋部41は、凹部41Aを有する。凹部41Aは、蓋部41の外周面から内側へ向かって凹む。凹部41Aは、一例として周方向の4箇所に設けられる。なお、周方向とは、中心軸J周りの方向である。上記仮止めによる溶接箇所Wは、凹部41Aの周方向位置に配置される。これにより、蓋部41と弾性部材81とを溶接する際に、溶接箇所Wと隣接して溶接されることを防止し、溶接箇所Wが変形することを抑制できる。
【0071】
蓋部42も同様に治具23により弾性部材82に押し当てられた状態で、弾性部材82に溶接により固定される。
【0072】
このように、振動モータ10では、振動モータの組み立ての際に、可動子5のケース3に対する位置決めを精密に行うことが可能となる。これにより、シャフトを用いない構成でありながら、可動子5のケース3への張り付きを抑制することができる。
【0073】
また、
図13に示すように、ホルダー切欠き部71Aの第3方向の幅Wc2は、ケース切欠き部3Aの第3方向の幅Wc1よりも短い。これにより、治具11(
図6)における突出部112Bの幅が基部112Aの幅よりも短くなるので、治具11をケース切欠き部3Aに挿入することが可能となる。また、ケース切欠き部3Aを通して、ケース3に対するホルダー部材71の位置を視認できる。なお、Wc1=Wc2であってもよい。
【0074】
また、
図13に示すように、ホルダー切欠き部71Aにおける第2方向他方側の内端面と、ケース切欠き部3Aにおける第
2方向一方側の内端面は、いずれも第2方向に平行な平面である。これにより、治具11を用いた可動子5の精密な位置決めを行うことができ、可動子5のケース3への張り付きを抑制できる。
【0075】
また、マグネット部材6とケース3は、いずれも、第2方向に並ぶ2つの平面部62,32と、第3方向に並んで平面部62,32同士を連結する2つの曲面部61,31と、を含む外周面を有する(
図1、
図3)。これにより、治具11とマグネット部材6、および治具11とケース3とを平面部において安定的に接触させることができるので、可動子5の位置決めを精度良く行うことができる(
図9)。
【0076】
また、マグネット部材6およびケース3それぞれの平面部62,32は、第3方向に平行である。これにより、治具11を用いた可動子5の位置決めをより精密に行うことができる。
【0077】
<カバー部材>
振動モータ10には、
図14に示すように、カバー部材30を設けることが好ましい。すなわち、振動モータ10は、カバー部材30を有する。カバー部材30は、ケース3の外周面に取り付けられ、かつケース切欠き部3A,3Cを覆う。カバー部材30は、例えばポリイミドフィルムを基材としたテープである。これにより、異物がケース切欠き部3A,3Cを介してケース3内部へ侵入することを抑制できる。
【0078】
<回路基板>
また、振動モータ10には、
図14および
図15に示すように回路基板35を設けてもよい。
図15に示すように、ケース3の平面部32は、ケース3の第1方向全体にわたって形成される。振動モータ10は、平面部32に取り付けられる回路基板35を有する。これにより、回路基板35を取り付ける基板面の全体は平面となるので、回路基板35を安定的に固定できる。また、回路基板35においてコイル2が接続される端子T1,T2が設けられる領域を平面状とすることができる。
【0079】
また、回路基板35は、回路基板35における平面部32に取り付けられる領域に配置される2つの端子T1,T2を有する。コイル2の2本の引き出し線(図示を省略)の各々は、ケース切欠き部3Bを介して各々の端子T1,T2に接続される。一方の端子T1とケース切欠き部3Bとの間の第1方向の距離は、他方の端子T2とケース切欠き部3Bとの間の第1方向の距離と異なる。2本の引き出し線の長さを変えておき、巻き始めの引き出し線と巻き終わりの引き出し線を端子T1,T2に本来と逆に接続する接続ミスを抑制できる。従って、量産される振動モータ10において、コイル2に同じ方向の電圧を印加させることができる。
【0080】
<緩衝部材を用いた実施形態>
振動モータ10には、
図16に示すように、緩衝部材40A,40Bを設けてもよい。
図16に示すように、振動モータ10は、ケース3の第1方向一方側に配置される蓋部41と、緩衝部材40Aと、を有する。弾性部材81は、可動子5と蓋部41との間に配置される。緩衝部材40Aは、蓋部41における可動子5の第1方向一方側端面と対向する内面に配置される。これにより、製品落下時における可動子5の移動による弾性部材81と蓋部41との衝突を回避できる。緩衝部材40A,40Bは、例えばシリコンゴム、熱可塑性ポリウレタンなどから構成される。
【0081】
<磁性流体を用いた実施形態>
振動モータ10には、
図17に示すように、磁性流体45を設けてもよい。
図17に示すように、振動モータ10は、マグネット部材6の外周面とコイル2の内周面との間に配置される磁性流体45を有する。磁性流体45により、ダンパー機能および共振の鋭さを調整することができる。
【0082】
<その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上記の各種実施形態は、矛盾の生じない限りにおいて組み合わせて実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、例えば、携帯機器などの各種機器に搭載される振動モータに利用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1・・・静止部
2・・・コイル
3・・・ケース
3A,3B,3C,3D・・・ケース切欠き部
3S・・・内部空間
5・・・可動子
6・・・マグネット部材
6A,6B・・・マグネット
6Ax,6Bx・・・磁化領域
6C・・・磁性体部
6Cx・・・非磁化領域
10・・・振動モータ
11~25・・・治具
30・・・カバー部材
31・・・曲面部
32・・・平面部
35・・・回路基板
40A,40B・・・緩衝部材
41,42・・・蓋部
41A・・・凹部
45・・・磁性流体
61・・・曲面部
62・・・平面部
71,72・・・ホルダー部材
71A,71B ホルダー切欠き部
71C,71D・・・孔部
72・・・ホルダー部材
72A,72B・・・ホルダー切欠き部
72C,72D・・・孔部
81,82・・・弾性部材
81A,81B・・・固定部
81C,81D・・・スリット
81E,81F・・・梁部
81G,81H・・・弾性部材切欠き部
82A,82B・・・固定部
111・・・基台
111A・・・第2方向一方側面
112・・・ガイドレール
112A・・・基部
112B・・・突出部
121・・・基台
121A・・・第2方向他方側面
122・・・ガイドレール
122A・・・基部
122B・・・突出部
113,123・・・ガイドレール
J・・・中心軸
T1,T2・・・端子
W・・・溶接箇所