(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】物体検知装置
(51)【国際特許分類】
G01S 7/539 20060101AFI20240827BHJP
G01S 15/931 20200101ALI20240827BHJP
G01S 15/42 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G01S7/539
G01S15/931
G01S15/42
(21)【出願番号】P 2020174644
(22)【出願日】2020-10-16
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深代 優輝
(72)【発明者】
【氏名】永井 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】種村 友貴
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-270536(JP,A)
【文献】特開2018-165945(JP,A)
【文献】特開2012-104027(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0049560(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/64
G01S 13/00-17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体検知装置であって、
搬送波である探査波を送信するとともに、搬送波を受信し、受信した搬送波に対応する受信信号を出力する送受信部(4)と、
前記受信信号に基づいて、前記探査波を反射した物標の反射点を検知し、該反射点が含まれる物標を判定する判定部(7)と、を備え、
前記判定部は、
前記受信信号に基づいて複数の反射点が検知されたとき、
該複数の反射点を前記送受信部からの距離に基づいて順位付けし、
該順位付けにおいて隣り合う2つの反射点を選択し、
該2つの反射点のうち前記送受信部からの距離がより近い一方の反射点を第1反射点とし、他方の反射点を第2反射点とし、
前記第1反射点の方位と前記第2反射点の方位との比較に基づいて、前記第1反射点と前記第2反射点とが同一の物標に含まれるか否かを判定
し、
前記判定部は、
前記第1反射点の方位が前記第2反射点の方位よりも所定の基準軸に近いとき、前記第1反射点と前記第2反射点とが同一の物標に含まれると判定し、
前記第1反射点の方位が前記第2反射点の方位よりも前記基準軸から遠いとき、前記第1反射点と前記第2反射点とが異なる物標に含まれると判定し、
前記基準軸は、前記送受信部から送信される前記探査波の指向性の中心軸である物体検知装置。
【請求項2】
物体検知装置であって、
搬送波である探査波を送信するとともに、搬送波を受信し、受信した搬送波に対応する受信信号を出力する送受信部(4)と、
前記受信信号に基づいて、前記探査波を反射した物標の反射点を検知し、該反射点が含まれる物標を判定する判定部(7)と、を備え、
前記判定部は、
前記受信信号に基づいて複数の反射点が検知されたとき、
該複数の反射点を前記送受信部からの距離に基づいて順位付けし、
該順位付けにおいて隣り合う2つの反射点を選択し、
該2つの反射点のうち前記送受信部からの距離がより近い一方の反射点を第1反射点とし、他方の反射点を第2反射点とし、
前記第1反射点の方位と前記第2反射点の方位との比較に基づいて、前記第1反射点と前記第2反射点とが同一の物標に含まれるか否かを判定
し、
前記判定部は、
前記第1反射点の方位が前記第2反射点の方位よりも所定の基準軸に近いとき、前記第1反射点と前記第2反射点とが同一の物標に含まれると判定し、
前記第1反射点の方位が前記第2反射点の方位よりも前記基準軸から遠いとき、前記第1反射点と前記第2反射点とが異なる物標に含まれると判定し、
前記送受信部は、圧電素子を備え、
前記基準軸は、前記圧電素子の中心軸である物体検知装置。
【請求項3】
物体検知装置であって、
搬送波である探査波を送信するとともに、搬送波を受信し、受信した搬送波に対応する受信信号を出力する送受信部(4)と、
前記受信信号に基づいて、前記探査波を反射した物標の反射点を検知し、該反射点が含まれる物標を判定する判定部(7)と、を備え、
前記判定部は、
前記受信信号に基づいて複数の反射点が検知されたとき、
該複数の反射点を前記送受信部からの距離に基づいて順位付けし、
該順位付けにおいて隣り合う2つの反射点を選択し、
該2つの反射点のうち前記送受信部からの距離がより近い一方の反射点を第1反射点とし、他方の反射点を第2反射点とし、
前記第1反射点の方位と前記第2反射点の方位との比較に基づいて、前記第1反射点と前記第2反射点とが同一の物標に含まれるか否かを判定
し、
前記判定部は、
前記第1反射点の方位が前記第2反射点の方位よりも所定の基準軸に近いとき、前記第1反射点と前記第2反射点とが同一の物標に含まれると判定し、
前記第1反射点の方位が前記第2反射点の方位よりも前記基準軸から遠いとき、前記第1反射点と前記第2反射点とが異なる物標に含まれると判定し、
前記送受信部は、電気-機械エネルギー変換素子を内蔵したトランスデューサ(41)を備え、車両に搭載され、
前記基準軸は、該車両の外表面のうち前記トランスデューサが配置された部分の法線である物体検知装置。
【請求項4】
物体検知装置であって、
搬送波である探査波を送信するとともに、搬送波を受信し、受信した搬送波に対応する受信信号を出力する送受信部(4)と、
前記受信信号に基づいて、前記探査波を反射した物標の反射点を検知し、該反射点が含まれる物標を判定する判定部(7)と、を備え、
前記判定部は、
前記受信信号に基づいて複数の反射点が検知されたとき、
該複数の反射点を前記送受信部からの距離に基づいて順位付けし、
該順位付けにおいて隣り合う2つの反射点を選択し、
該2つの反射点のうち前記送受信部からの距離がより近い一方の反射点を第1反射点とし、他方の反射点を第2反射点とし、
前記第1反射点の方位と前記第2反射点の方位との比較に基づいて、前記第1反射点と前記第2反射点とが同一の物標に含まれるか否かを判定
し、
前記判定部は、
前記第1反射点の方位が前記第2反射点の方位よりも所定の基準軸に近いとき、前記第1反射点と前記第2反射点とが同一の物標に含まれると判定し、
前記第1反射点の方位が前記第2反射点の方位よりも前記基準軸から遠いとき、前記第1反射点と前記第2反射点とが異なる物標に含まれると判定し、
前記送受信部は、電気-機械エネルギー変換素子を内蔵したトランスデューサ(41)を備え、車両に搭載され、
前記基準軸は、前記トランスデューサを通る、該車両の前後方向、左右方向、または上下方向の軸である物体検知装置。
【請求項5】
前記判定部は、
前記複数の反射点の中に、方位が同じで前記送受信部からの距離が異なる2つ以上の反射点があるとき、
該2つ以上の反射点のうち前記送受信部からの距離が最も近い1つの反射点を採用し、他の反射点を除外して物標を判定する請求項1
ないし4のいずれか1つに記載の物体検知装置。
【請求項6】
前記判定部は、
前記第1反射点と前記第2反射点とが同一の物標に含まれると判定したとき、
前記複数の反射点のうち、前記第1反射点の方位と前記第2反射点の方位との間の方位にある反射点は、該同一の物標に含まれると判定する請求項1ないし
5のいずれか1つに記載の物体検知装置。
【請求項7】
前記搬送波は音波であり、
前記送受信部は、音波を受信する複数の受信部(40B)を備え、
前記判定部は、
前記探査波の送信から反射波の受信までの時間に基づいて、前記送受信部と反射点との距離を測定し、
前記複数の受信部が受信した音波の時間差または位相差に基づいて、反射点の方位を測定する請求項1ないし
6のいずれか1つに記載の物体検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動駐車等のために、超音波センサやレーダー等の距離センサを用いて障害物を検知する技術が提案されている。このような距離センサを用いた車載用の物体検知装置で障害物の高さ等を正確に検知するためには、複数の障害物が存在する状況では、障害物を個別に検知する必要がある。例えば、超音波等を送信して複数の反射波が返ってきた場合に、複数の反射波が、それぞれ、どの物標から返ってきたかを明らかにする必要がある。
【0003】
例えば特許文献1では、車両の移動の前後に測定された距離の値を用いて、背の低い複数の物体それぞれから反射波が返ってきたシーンと、背の高い1つの物体から複数の反射波が返ってきたシーンとを識別する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、車両の移動の前後で少なくとも2回距離を測定する必要があり、シーンの識別に時間がかかる。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、短時間で物標を識別できる物体検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、物体検知装置であって、搬送波である探査波を送信するとともに、搬送波を受信し、受信した搬送波に対応する受信信号を出力する送受信部(4)と、受信信号に基づいて、探査波を反射した物標の反射点を検知し、該反射点が含まれる物標を判定する判定部(7)と、を備え、判定部は、受信信号に基づいて複数の反射点が検知されたとき、該複数の反射点を送受信部からの距離に基づいて順位付けし、該順位付けにおいて隣り合う2つの反射点を選択し、該2つの反射点のうち送受信部からの距離がより近い一方の反射点を第1反射点とし、他方の反射点を第2反射点とし、第1反射点の方位と第2反射点の方位との比較に基づいて、第1反射点と第2反射点とが同一の物標に含まれるか否かを判定し、判定部は、第1反射点の方位が第2反射点の方位よりも所定の基準軸に近いとき、第1反射点と第2反射点とが同一の物標に含まれると判定し、第1反射点の方位が第2反射点の方位よりも基準軸から遠いとき、第1反射点と第2反射点とが異なる物標に含まれると判定し、基準軸は、送受信部から送信される探査波の指向性の中心軸である。
【0008】
このように、反射点を送受信部からの距離で順位付けし、この順位付けにおいて隣り合う反射点の方位の比較によって反射点が含まれる物標を判定するため、簡単な計算で処理を行うことが可能であり、短時間で物標を識別することができる。
【0009】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態にかかる物体検知装置のブロック図である。
【
図5】方位の測定方法について説明するための図である。
【
図6】地面に置かれた物体の検知方法について説明するための図である。
【
図7】地面に置かれた物体の検知方法について説明するための図である。
【
図8】天井から突出した物体の検知方法について説明するための図である。
【
図9】車両左側の物体の検知方法について説明するための図である。
【
図12】第2実施形態における物体検知処理のフローチャートである。
【
図13】複雑な形状の物体における反射点を示す図である。
【
図14】複雑な形状の物体における反射点を示す図である。
【
図15】第3実施形態における物体検知処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0012】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態の物体検知装置1は、自動車等の車両に搭載されていて、当該車両の周囲の物体Bを検知するように構成されている。物体検知装置1を搭載する車両を、以下「自車両」と称する。
【0013】
物体検知装置1は、超音波センサ2と、超音波センサ2の動作を制御する制御部3とを備えている。超音波センサ2は、超音波である探査波を送信するとともに探査波の物体Bによる反射波を受信することで、物体Bを検知するように構成されている。
【0014】
超音波センサ2は、送受信部4と、駆動信号生成部5と、受信信号処理部6と、判定部7とを備えている。送受信部4は、送信部40Aと、受信部40Bとを有している。送信部40Aは、探査波を外部に向けて送信可能に設けられている。受信部40Bは、送信部40Aから送信された探査波の物体Bによる反射波を含む超音波を受信可能に設けられている。
【0015】
送受信部4は、トランスデューサ41と、送信回路42と、受信回路43とを備えている。送受信部4は、探査波の送信用のトランスデューサ41と、受信用の複数のトランスデューサ41とを備えている。送信用のトランスデューサ41をトランスデューサ41Aとし、受信用のトランスデューサ41をトランスデューサ41Bとする。
図1では、複数のトランスデューサ41Bのうちの1つのみを図示している。
【0016】
トランスデューサ41Aは、探査波を外部に向けて送信する送信器としての機能を有していて、送信回路42と電気接続されている。トランスデューサ41Bは、反射波を受信する受信器としての機能を有していて、受信回路43と電気接続されている。送信部40Aは、トランスデューサ41Aと送信回路42とによって構成されている。受信部40Bは、トランスデューサ41Bと受信回路43とによって構成されている。
【0017】
トランスデューサ41は、圧電素子等の電気-機械エネルギー変換素子を内蔵した、超音波マイクロフォンとして構成されている。トランスデューサ41Aは、探査波を自車両の外部に送信可能なように、自車両の外表面に面する位置に配置されている。トランスデューサ41Bは、反射波を自車両の外部から受信可能なように、自車両の外表面に面する位置に配置されている。
【0018】
複数のトランスデューサ41Bは、自車両の外表面に面して、2方向に並ぶように配置されている。例えば、送受信部4は4つのトランスデューサ41Bを備えており、自車両の外表面に平行で互いに直交する一方向および他方向のそれぞれにおいて、2つのトランスデューサ41Bが並ぶように配置されている。4つのトランスデューサ41Bが車両前面に配置される場合には、例えば
図2に示すように、自車両の左右方向および上下方向それぞれにおいて、2つのトランスデューサ41Bが並ぶように配置される。
【0019】
また、例えば、送受信部4は3つのトランスデューサ41Bを備え、2つのトランスデューサ41Bが一方向に並ぶように配置され、他方向において該2つのトランスデューサ41Bからずれた位置に1つのトランスデューサ41Bが配置される。3つのトランスデューサ41Bが車両前面に配置される場合には、例えば
図3に示すように、2つのトランスデューサ41Bが自車両の左右方向に並び、上下方向において該2つのトランスデューサ41Bからずれた位置に、1つのトランスデューサ41Bが配置される。
【0020】
送信回路42は、入力された駆動信号に基づいてトランスデューサ41Aを駆動することで、トランスデューサ41Aにて探査波を発信させるように設けられている。具体的には、送信回路42は、デジタル/アナログ変換回路等を有している。すなわち、送信回路42は、駆動信号生成部5から出力された駆動信号に対してデジタル/アナログ変換等の信号処理を施すことで、素子入力信号を生成するように構成されている。素子入力信号は、トランスデューサ41Aを駆動するための交流電圧信号である。そして、送信回路42は、生成した素子入力信号をトランスデューサ41Aに印加してトランスデューサ41Aにおける電気-機械エネルギー変換素子を励振することで、探査波を発生させるように構成されている。
【0021】
受信回路43は、トランスデューサ41Bによる超音波の受信結果に対応する受信信号を生成して受信信号処理部6に出力するように設けられている。具体的には、受信回路43は、増幅回路およびアナログ/デジタル変換回路等を有している。すなわち、受信回路43は、トランスデューサ41Bが出力した素子出力信号に対して、増幅およびアナログ/デジタル変換等の信号処理を施すことで、受信波の振幅および周波数に関する情報を含む受信信号を生成するように構成されている。素子出力信号は、超音波の受信により、トランスデューサ41Bに設けられた電気-機械エネルギー変換素子が発生する交流電圧信号である。
【0022】
送受信部4は、複数のトランスデューサ41Bに対応して複数の受信回路43を備えており、これにより複数の受信部40Bが構成されている。複数のトランスデューサ41Bが出力した素子出力信号は、別々の受信回路43に入力されて、増幅等の処理が施される。
【0023】
駆動信号生成部5は、駆動信号を生成して送信回路42に出力するように設けられている。駆動信号は、トランスデューサ41Aを駆動してトランスデューサ41Aから探査波を発信させるための信号である。
【0024】
受信信号処理部6は、受信信号に対して増幅、フィルタリング等の処理を行うものである。受信信号処理部6には、複数の受信回路43から受信信号が入力される。受信信号処理部6によって処理された複数の受信信号は、判定部7に出力される。
【0025】
判定部7は、受信信号処理部6が出力した信号に基づいて、探査波を反射した物標の反射点を検知し、この反射点が含まれる物標を判定するものである。また、判定部7は、物標の判定結果に基づいて、物体との距離の算出等を行う。判定部7は、距離の算出結果等を制御部3に送信する。
【0026】
制御部3は、車載通信回線を介して超音波センサ2と情報通信可能に接続されており、超音波センサ2の送受信動作を制御するように構成されている。制御部3は、いわゆるソナーECUとして設けられていて、図示しないCPU、ROM、RAM、不揮発性リライタブルメモリ、等を有する車載マイクロコンピュータを備えている。ECUはElectronic Control Unitの略である。不揮発性リライタブルメモリは、例えば、EEPROM、フラッシュROM、等である。EEPROMはElectronically Erasable and Programmable Read Only Memoryの略である。
【0027】
物体検知装置1の動作について説明する。物体検知装置1は、
図4に示す処理を含む物体検知処理を繰り返し実行する。物体検知処理では、まず、制御部3から駆動信号生成部5に送信指示が出され、駆動信号生成部5が生成した駆動信号に基づいてトランスデューサ41Aから探査波が送信される。そして、送受信部4による超音波信号の受信が検出されると、物体検知装置1は、
図4に示す処理を実行し、物体を検知する。
【0028】
1つの物標から、複数の反射波が送受信部4に返ることがある。例えば、地面に置かれた壁のような物体からは、物体の上端、下端、送受信部4に対向する正面部等で探査波が反射し、探査波を反射した複数の箇所が反射点として検知される。
【0029】
このように、1つの物標に複数の反射点がある場合には、送受信部4と反射点との距離が近いほど、反射点の方位が所定の軸に近くなる。以下、この所定の軸を基準軸と呼ぶ。
【0030】
基準軸は、例えば、送受信部4から送信される超音波の指向性の中心軸とされる。あるいは、基準軸は、トランスデューサ41が備える圧電素子の中心軸とされる。あるいは、基準軸は、車両の外表面のうちトランスデューサ41が配置された部分の法線とされる。あるいは、基準軸は、トランスデューサ41を通る、自車両の前後方向、左右方向、または上下方向の軸とされる。なお、基準軸が自車両の前後方向、左右方向の軸とされる場合には、基準軸は水平方向からずれていてもよい。
【0031】
また、複数の反射波は、反射点の距離が近い順に受信される。したがって、検知された反射点を距離が近い順、すなわち、トランスデューサ41Bによって反射波が受信された順に順位付けすると、同一の物標に含まれる反射点については、順位が先の反射点は、順位が後の反射点よりも、方位が基準軸に近くなる。本実施形態では、このことを利用して、検出された反射点の方位に基づいて物標を識別する。
【0032】
まず、ステップS101にて、判定部7は、探査波を反射した物体の反射点の距離と方位を測定する。具体的には、判定部7は、探査波の送信から反射波の受信までの時間と音速とに基づいたTOF(Time of Flight)方式により、自車両と反射点との距離を算出する。超音波の受信は、例えば受信信号の振幅が所定の閾値を超えたとき、あるいは、受信信号の振幅がピークになったときに検知される。このようなTOF方式により、複雑な変調をせずに距離測定が可能となる。
【0033】
また、判定部7は、複数のトランスデューサ41Bおよび受信回路43から出力された受信信号に基づいて、反射点の方位を測定する。反射点の方位は、例えば、受信波の位相差を用いて、次式で求められる。
図5に示すように、Φは反射波の位相差、dは2つのトランスデューサ41B間の距離、λは反射波の波長、θは反射波の入射角である。また、nは整数である。
【0034】
(数1)
Φ=(2nd/λ)sinθ
判定部7は、複数のトランスデューサ41Bから2つを選択するすべての組み合わせについて、位相差Φ、距離d、波長λから入射角θを算出し、算出結果を組み合わせて、3次元空間における反射点の方位を求める。反射点が複数存在する場合には、複数の反射点それぞれについて距離と方位が算出される。なお、ここでは受信波の位相差を用いて方位を算出する場合について説明したが、受信波の時間差を用いて方位を算出してもよい。
【0035】
続くステップS102にて、判定部7は、ステップS101で検出された反射点を、送受信部4からの距離に基づいて順位付けする。具体的には、判定部7は、複数の反射点を送受信部4からの距離が近い順に順位付けし、反射点P1、・・・、PNとする。Nは検出された反射点の数である。なお、複数の反射点を送受信部4からの距離が遠い順に順位付けしてもよい。
【0036】
続くステップS103にて、判定部7は、順位付けされた複数の反射点から、順位が隣り合う2つの反射点を選択する。選択された2つの反射点のうち送受信部4からの距離がより近い一方の反射点を第1反射点とし、他方の反射点を第2反射点とする。なお、複数の反射点を送受信部4からの距離が遠い順に順位付けした場合にも、2つの反射点のうち送受信部4からの距離がより近い一方の反射点を第1反射点とし、他方の反射点を第2反射点とすることで、以下の判定を同様に行うことができる。
【0037】
後述するように、ステップS107ですべての反射点について物標の判定が完了したと判定されるまで、ステップS103等の処理が繰り返される。ステップS103では、例えば、送受信部4からの距離が近い反射点から順に第1、第2反射点が選択される。すなわち、iを1以上N-1以下の整数として、i回目のステップS103では、反射点Pi、Pi+1が第1、第2反射点として選択される。なお、これとは異なる順で反射点を選択してもよい。例えば、送受信部4からの距離が遠い反射点から順に第1、第2反射点を選択してもよい。すなわち、i回目のステップS103で反射点PN-i、PN-i+1を第1、第2反射点として選択するようにしてもよい。
【0038】
続くステップS104にて、判定部7は、第1反射点の方位と第2反射点の方位を比較して、第1反射点の方位が第2反射点の方位よりも基準軸に近いか否かを判定する。
【0039】
ステップS104にて、第1反射点の方位が第2反射点の方位よりも基準軸に近いと判定されると、処理はステップS105に移行し、判定部7は、第1反射点と第2反射点が同一の物標に含まれると判定する。一方、第1反射点の方位が第2反射点の方位よりも基準軸から遠いと判定されると、処理はステップS106に移行し、判定部7は、第1反射点と第2反射点が異なる物標に含まれると判定する。
【0040】
ステップS105、S106から続くステップS107にて、判定部7は、すべての第1、第2反射点の組み合わせについて、ステップS105またはステップS106の処理が完了したか否かを判定する。例えば、判定部7は、N-1回目の物標の判定が終了したか否かを判定する。すべての反射点についてステップS105またはステップS106の処理が完了したと判定されると、物体検知装置1は処理を終了する。一方、ステップS105、S106のいずれの処理も完了していない第1、第2反射点の組み合わせが残っていると判定されると、処理はステップS103に移行する。
【0041】
なお、第1反射点の方位と第2反射点の方位が等しい場合には、物標の判定は行われず、処理はステップS104からステップS107に移行する。ステップS107では、このような第1、第2反射点の組み合わせについては、物標の判定が完了したものとして扱われる。
【0042】
物体検知処理では、このようにして反射点の含まれる物標が判定される。そして、判定部7は、物標の判定結果に基づいて自車両と物体との距離を算出し、算出結果を制御部3に送信する。なお、判定部7が、物体の高さや幅を算出し、距離の算出結果に加えて高さや幅の算出結果を制御部3に送信してもよい。制御部3は、距離等の算出結果と自車両の速度等に基づいて、物体との衝突可能性が高いか否かを判定する。この判定結果に応じて、回避制御や制動制御が行われる。
【0043】
例えば、
図6に示すように、自車両100の前方に2つの物体B1、B2があるときには、ステップS101にて、4つの反射点が検出される。なお、
図6および後述する
図7等において、超音波センサ2と反射点とを結ぶ矢印は、探査波の伝播経路を示す。
図6および後述する
図7等において、基準軸A1は、トランスデューサ41を通る、自車両100の前後方向の軸とされている。
【0044】
そして、ステップS102にて、手前にある背の低い物体B1の上端の反射点が反射点P1とされ、物体B1の根元の反射点が反射点P2とされる。また、奥にある背の高い物体B2の正面部の反射点が反射点P3とされ、物体B2の根元の反射点が反射点P4とされる。
【0045】
続くステップS103では、第1、第2反射点として反射点P
1、P
2が選択される。
図6に示すように、反射点P
1の方位が反射点P
2の方位よりも基準軸A1に近いため、処理はステップS104からステップS105に移行し、反射点P
1、P
2が同一の物標に含まれると判定される。
【0046】
その後、処理はステップS107からステップS103に移行し、第1、第2反射点として反射点P2、P3が選択される。反射点P2の方位が反射点P3の方位よりも基準軸A1から遠いため、処理はステップS104からステップS106に移行し、反射点P2、P3が異なる物標に含まれると判定される。
【0047】
その後、処理はステップS107からステップS103に移行し、第1、第2反射点として反射点P3、P4が選択される。反射点P3の方位が反射点P4の方位よりも基準軸A1に近いため、処理はステップS104からステップS105に移行し、反射点P3、P4が同一の物標に含まれると判定される。
【0048】
図6に示す例では、このようにして反射点P
1、P
2が物体B1に含まれると判定され、反射点P
3、P
4が物体B1とは異なる物体B2に含まれると判定されて、物体B1、B2が識別される。
【0049】
図7に示す例では、手前にある物体B3の上端と根元の反射点は
図6に示す例と同様に検出されるが、奥にある物体B4の根元は物体B3に隠れるため反射点が検出されず、物体B4については上端の反射点のみが検出される。そして、物体B3の上端、根元、物体B4の上端の反射点がそれぞれ反射点P
1、P
2、P
3とされ、
図6に示す例と同様に、反射点P
1、P
2が同一の物体B3に含まれると判定され、反射点P
3が物体B3とは異なる物体B4に含まれると判定される。このように、奥にある物体の一部が手前にある物体に隠れ、反射点が少なくなった場合においても、反射点が含まれる物標を正しく判定することができる。
【0050】
図6、
図7では物体が地面に置かれているが、
図8に示すように、通路の天井から突出した梁等の物体を検知することもできる。
図8に示す例では、天井から突出した2つの物体B5、B6それぞれの下端と天井への接合部が反射点として検出される。そして、手前にある物体B5の下端、天井との接合部の反射点がそれぞれ反射点P
1、P
2とされ、奥にある物体B6の下端、天井との接合部の反射点がそれぞれ反射点P
3、P
4とされる。
【0051】
図8に示す例においても、地面に置かれた物体を検知するときと同じ基準軸との方位の差の比較によって、反射点が含まれる物標を識別することができる。すなわち、反射点P
1の方位は反射点P
2の方位よりも基準軸A1に近いため、反射点P
1、P
2は同一の物標に含まれると判定される。また、反射点P
2の方位は反射点P
3の方位よりも基準軸A1から遠いため、反射点P
2、P
3は異なる物標に含まれると判定される。また、反射点P
3の方位は反射点P
4の方位よりも基準軸A1に近いため、反射点P
3、P
4は同一の物標に含まれると判定される。
【0052】
また、自車両の左右の壁から突出した柱等の物体を検知することもできる。
図9に示す例では、自車両100の左側の壁から突出した2つの物体B7、B8それぞれの角部と壁への接合部が反射点として検出される。そして、手前にある物体B7の角部、壁との接合部の反射点がそれぞれ反射点P
1、P
2とされ、奥にある物体B8の角部、壁との接合部の反射点がそれぞれ反射点P
3、P
4とされる。
【0053】
図9に示す例でも、
図6~
図8に示す例と同様に、反射点が含まれる物標を識別することができる。すなわち、反射点P
1の方位は反射点P
2の方位よりも基準軸A1に近いため、反射点P
1、P
2は同一の物標に含まれると判定される。また、反射点P
2の方位は反射点P
3の方位よりも基準軸A1から遠いため、反射点P
2、P
3は異なる物標に含まれると判定される。また、反射点P
3の方位は反射点P
4の方位よりも基準軸A1に近いため、反射点P
3、P
4は同一の物標に含まれると判定される。
【0054】
図6~
図9では検知された反射点の数が物標の数よりも多いが、検知された反射点の数が物標の数と等しい場合でも、同様に物標の判定が可能である。例えば、
図7において、物体B3の上端からの反射波が、強度が低いことにより検知されなかった場合にも、物体B3の根元の反射点、物体B4の上端の反射点が検知されれば、この2つの反射点については、異なる物標に含まれると判定される。
【0055】
このように、物標の帰属を正しく判定することで、障害物の高さ検知等の処理における誤判定を抑制することができる。なお、地面に置かれた物体と、天井から突出した物体と、自車両の左右にある物体を、1つの超音波センサ2で検出してもよいし、複数の超音波センサ2によって個別に検出してもよい。
【0056】
以上説明したように、本実施形態では、反射点を距離に基づいて順位付けし、この順位付けにおいて隣り合う2つの反射点について、基準軸との方位の差を比較して、反射点が含まれる物標を判定する。そのため、簡単な計算で処理を行うことが可能であり、例えば探査波を送信してから次に探査波を送信するまでの短い時間で物標を判定することができる。また、複雑な計算が不要であるため、安価な回路で判定を行うことができる。また、反射点の方位と基準軸との差の比較によって判定を行うため、方位の絶対量とは関係なく物標を判定可能である。また、物標の識別に自車両の移動が不要であるため、移動できない状況でも物標を識別することができる。
【0057】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して複数の伝播経路による誤検知を抑制するための処理を追加したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0058】
第1実施形態では、探査波が1回の反射で送受信部4に返ってくる場合について説明したが、反射波は、物体表面を含む複数の箇所で反射して返ってくる場合がある。例えば、
図10に示すように、探査波が地面で反射し、その後物体で反射して送受信部4に返ってくる場合がある。
【0059】
このような場合には、探査波が1箇所で反射して返ってくる場合に比べて、探査波の送信から反射波の受信までの時間が長くなる。そのため、TOF方式で反射点の距離を算出すると、
図11に示すように、送受信部4と反射点との距離が実際の距離よりも遠く算出されることがある。
【0060】
一方、1箇所で反射した探査波の反射点と、複数箇所で反射した探査波の最後の反射点とが一致する場合には、この2つの探査波に基づいて算出される反射点の方位は同じになる。
【0061】
そこで本実施形態では、判定部7は、方位が同じで送受信部4からの距離が異なる2つ以上の反射点が検出された場合には、この2つ以上の反射点のうち送受信部4からの距離が最も近い1つの反射点のみを採用し、他の反射点を除外して、物標の識別を行う。具体的には、物体検知装置1は、
図12に示す処理を実行する。
【0062】
すなわち、処理はステップS101からステップS108に進み、ステップS108にて、判定部7は、同一の方位の反射点が複数検知された場合には、この複数の反射点のうち、送受信部4から最も近い距離にあるもののみを残し、他の反射点を除外する。そして、続くステップS102にて、判定部7は、除外されずに残った反射点を順位付けし、その後は第1実施形態と同様にステップS103~S107の処理を実行する。なお、ステップS108では、複数の反射点の方位が完全に同一である場合だけではなく、方位が略同一である場合、例えば超音波センサ2の方位分解能の範囲内で同一とみなされる場合にも、反射点の除外が行われる。
【0063】
図11に示すように、
図10に示す経路で返ってきた反射波による見かけの反射点が検知された場合には、この見かけの反射点は反射点P
1と方位が同じなので、ステップS108で除外される。そして、
図6と同様の反射点P
1~P
4について、その後の処理が行われ、物標が正しく判定される。
【0064】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに本実施形態では、ステップS108の処理により、1つの反射点について複数の伝播経路が存在する場合に、誤検知を抑制することができる。
【0065】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対して複雑な形状の物標を識別するための処理を追加したものであり、その他については第2実施形態と同様であるため、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0066】
複雑な形状の物体では、2つの反射点の距離と方位を比べたとき、距離が近い一方の反射点の方位が、距離が遠い他方の反射点の方位よりも基準軸から遠い場合がある。
【0067】
例えば、
図13に示す物体B9では、反射点P
2、P
3については距離と方位が第1、第2実施形態で説明した例と同様に変化するが、反射点P
1、P
2については距離と方位が第1、第2実施形態で説明した例とは逆に変化する。すなわち、距離の近い反射点P
1の方位が、距離の遠い反射点P
2の方位よりも基準軸から遠くなる。
【0068】
また、例えば、
図14に示す物体B10では、反射点P
1、P
2については距離と方位が第1、第2実施形態で説明した例と同様に変化するが、反射点P
2、P
3については距離と方位が第1、第2実施形態で説明した例とは逆に変化する。すなわち、距離の近い反射点P
2の方位が、距離の遠い反射点P
3の方位よりも基準軸から遠くなる。
【0069】
本実施形態では、このような場合にも物標を正しく判定するための処理が行われる。具体的には、
図15に示すように、判定部7は、ステップS105において第1反射点と第2反射点とが同一の物標に含まれると判定した後、ステップS109に進む。そして、判定部7は、ステップS109にて、複数の反射点のうち、第1反射点の方位と第2反射点の方位との間の方位にある反射点が、該同一の物標に含まれると判定し、ステップS107に進む。
【0070】
なお、ステップS109による判定結果は、その前後のステップS106による判定結果よりも優先される。例えば、ステップS103で距離の近い順に反射点が選択される場合、
図13では、1回目のステップS103、S104から処理がステップS106に移行し、反射点P
1、P
2が異なる物標に含まれると判定される。しかしながら、2回目のステップS103、S104から処理がステップS105に移行し、反射点P
2、P
3が同一の物標に含まれると判定されると、ステップS109によって、反射点P
1、P
2についての判定が変更される。すなわち、反射点P
1が反射点P
2、P
3と同一の物標に含まれると判定される。
【0071】
また、
図14では、1回目のステップS103、S104から処理がステップS105に移行し、反射点P
1、P
2が同一の物標に含まれると判定される。そして、続くステップS109で反射点P
3が反射点P
1、P
2と同一の物標に含まれると判定される。その後、2回目のステップS103、S104から処理がステップS106に移行するが、反射点P
2、P
3が異なる物標に含まれるとは判定されず、ステップS109における反射点P
2、P
3が同一の物標に含まれるとの判定結果が保持される。
【0072】
本実施形態においても、第1、第2実施形態と同様の効果が得られる。さらに本実施形態では、ステップS109の処理により、3つ以上の反射点がある複雑な形状の物標についても、正しく判定することができる。
【0073】
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0074】
例えば、超音波センサ2が、いわゆる送受信一体型の構成を有していてもよい。すなわち、送受信部4が複数のトランスデューサ41を備え、各トランスデューサ41が、送信器としての機能と、受信器としての機能とを有していて、送信回路42および受信回路43と電気接続されていてもよい。超音波センサ2が送受信一体型の構成を有する場合には、それぞれ送信器としての機能と受信器としての機能とを有する複数のトランスデューサ41が、例えば
図2、
図3に示す複数のトランスデューサ41Bと同様に配置される。
【0075】
また、第1実施形態において、第3実施形態のように判定を行ってもよい。また、上記実施形態では、超音波を用いる場合について説明したが、超音波以外の搬送波を探査波として用いてもよい。例えば、超音波以外の音波を用いるセンサや、電磁波を用いるレーダーに本発明を適用してもよい。
【0076】
本開示に記載の判定部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の判定部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の判定部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0077】
4 送受信部
7 判定部