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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】発光装置およびプロジェクター
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/042 20060101AFI20240827BHJP
   H01S 5/30 20060101ALI20240827BHJP
   H01S 5/42 20060101ALI20240827BHJP
   H01S 5/18 20210101ALI20240827BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H01S5/042 612
H01S5/30
H01S5/42
H01S5/18
G03B21/14 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020182873
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022073095
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】次六 寛明
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-526789(JP,A)
【文献】特開2014-154673(JP,A)
【文献】特表2014-530504(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0194598(US,A1)
【文献】特開2019-029522(JP,A)
【文献】特表2016-518708(JP,A)
【文献】特開2007-049062(JP,A)
【文献】特開2008-108757(JP,A)
【文献】国際公開第2008/129859(WO,A1)
【文献】特開2019-114739(JP,A)
【文献】特開2019-149503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
H01L 33/00 - 33/64
G03B 21/00 - 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられている半導体層と、
前記半導体層上に設けられている複数の柱状構造体からなる柱状構造体群と、を備え、
前記複数の柱状構造体は、
発光部に設けられている複数の第1柱状構造体と、
前記半導体層上に前記複数の第1柱状構造体と連続して設けられている複数の第2柱状
構造体と、を含み、
前記柱状構造体群は、
前記複数の第1柱状構造体、および前記複数の第1柱状構造体の各々の間に設けられ、
絶縁性材料から構成されている光伝搬層、を含む第1柱状構造体群と、
前記複数の第2柱状構造体、および前記複数の第2柱状構造体の各々の間に設けられて
いる絶縁層、を含む第2柱状構造体群と、を含み、
前記第1柱状構造体群と前記第2柱状構造体群とを覆う層間絶縁層が設けられ、
前記層間絶縁層上に、前記層間絶縁層に設けられたコンタクトホールを介して前記第1
柱状構造体群に電気的に接続される導電層が設けられ、
前記層間絶縁層上に、前記導電層と電気的に接続されている第1電極端子が設けられ、
前記第1柱状構造体は、前記基板上に設けられた第1導電型の第1半導体層と、前記第
1導電型とは異なる第2導電型の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層
との間に設けられた発光層と、から構成され、
前記導電層は、前記第2半導体層に電気的に接続され、
前記基板の法線方向から見て、前記導電層および前記第1電極端子は、前記第2柱状構
造体群と重なっている、発光装置。
【請求項2】
前記発光部は、第1発光部と、前記基板上において前記第1発光部から離れた位置に設
けられた第2発光部と、を有し、
前記基板の法線方向から見て、前記基板上の前記第1発光部と前記第2発光部とに挟ま
れた領域に、前記第2柱状構造体群が設けられた、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1柱状構造体群において隣り合う前記第1柱状構造体間の間隔と、前記第2柱状
構造体群において隣り合う前記第2柱状構造体間の間隔と、は互いに等しい、請求項1ま
たは請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2柱状構造体群のうち、少なくとも前記基板上の前記第1発光部と前記第2発光
部とに挟まれた領域の前記第2柱状構造体群において隣り合う前記第2柱状構造体間の間
隔は、前記第1柱状構造体群において隣り合う前記第1柱状構造体間の間隔よりも大きい
、請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記層間絶縁層上に設けられ、前記層間絶縁層に設けられたコンタクトホールを介して
前記第1柱状構造体群における前記第1柱状構造体の前記第1半導体層に電気的に接続さ
れる第2電極端子をさらに備え、
前記基板の法線方向から見て、前記第2電極端子は、前記第1柱状構造体群および前記
第2柱状構造体群とは重なっていない、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載
の発光装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の発光装置と、
前記発光装置から射出される光を投写する投写光学装置と、を備える、プロジェクター
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
周期構造を有する複数のナノ構造体を備える発光装置が従来から知られている。下記の特許文献1に、電流の注入によって発光可能な複数のナノ構造体を有する発光部と、発光部に対応して設けられ、ナノ構造体に注入される電流量を制御するトランジスターと、を備える発光装置が開示されている。ナノ構造体は、柱状の形状を有しており、例えばナノコラム、ナノワイヤー、ナノロッド、ナノピラー等とも呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-29513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来のナノ構造体を備える発光装置においては、リーク電流の影響によって発光領域に所定量の電流が流れにくくなることで所定の発光量が得られない、発光領域以外の領域で意図しない発光が生じる、等の不具合が生じるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一つの態様の発光装置は、基板と、前記基板上
に設けられている半導体層と、前記半導体層上に設けられている複数の柱状構造体からな
る柱状構造体群と、を備え、前記複数の柱状構造体は、発光部に設けられている複数の第
1柱状構造体と、前記半導体層上に前記複数の第1柱状構造体と連続して設けられている
複数の第2柱状構造体と、を含み、前記柱状構造体群は、前記複数の第1柱状構造体、お
よび前記複数の第1柱状構造体の各々の間に設けられ、絶縁性材料から構成されている
伝搬層、を含む第1柱状構造体群と、前記複数の第2柱状構造体、および前記複数の第2
柱状構造体の各々の間に設けられている絶縁層、を含む第2柱状構造体群と、を含み、
第1柱状構造体群と前記第2柱状構造体群とを覆う層間絶縁層が設けられ、前記層間絶
縁層上に、前記層間絶縁層に設けられたコンタクトホールを介して前記第1柱状構造体群
に電気的に接続される導電層が設けられ、前記層間絶縁層上に、前記導電層と電気的に接
続されている第1電極端子が設けられ、前記第1柱状構造体は、前記基板上に設けられた
第1導電型の第1半導体層と、前記第1導電型とは異なる第2導電型の第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、から構成され、前記
導電層は、前記第2半導体層に電気的に接続され、前記基板の法線方向から見て、前記導
電層および前記第1電極端子は、前記第2柱状構造体群と重なっている。
【0006】
また、本発明の一つの態様のプロジェクターは、本発明の一つの態様の発光装置と、前記発光装置から射出される光を投写する投写光学装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の発光装置の平面図である。
図2図1のII-II線に沿う発光装置の断面図である。
図3図2の符号IIIで示す部分の拡大断面図である。
図4図1のIV-IV線に沿う発光装置の断面図である。
図5】第2実施形態の発光装置の平面図である。
図6図5のVI-VI線に沿う発光装置の断面図である。
図7図5のVII-VII線に沿う発光装置の断面図である。
図8】第3実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
図9】従来例の発光装置の平面図である。
図10図9のX-X線に沿う発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1図4を用いて説明する。
本実施形態では、複数の柱状構造体(ナノコラム)を備える発光装置の一例を示す。
図1は、本実施形態の発光装置20の平面図である。図2は、図1のII-II線に沿う発光装置20の断面図である。図3は、図2の符号IIIで示す部分の拡大断面図である。図4は、図1のIV-IV線に沿う発光装置20の断面図である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0009】
図1図4に示すように、本実施形態の発光装置20は、基板23と、半導体層24と、第1柱状構造体群25を有する発光部26と、第2柱状構造体群27と、層間絶縁層28と、第1電極29と、第1配線301と、第1電極端子302と、第2電極端子31と、を備える。すなわち、発光装置20は、基板23と、基板23上に設けられている複数の柱状構造体からなる柱状構造体群25,27と、を備える。
【0010】
図2に示すように、基板23は、第1面23aと、第1面23aとは異なる第2面23bと、を有する。基板23は、例えばサファイア基板、シリコン(Si)基板、窒化ガリウム(GaN)基板等の基材から構成されている。また、基板23は、上記の基材とプリント基板との積層体からなる複合基板から構成されていてもよい。
【0011】
各図面において、基板23の第1面23aと第2面23bとを結ぶ方向、すなわち、基板23の法線方向をZ軸方向とし、Z軸方向から見て、後述する第1発光部261と第2発光部262とが配列された方向をX軸方向とし、Z軸方向とX軸方向とに直交する方向をY軸方向とする。
【0012】
半導体層24は、基板23の第1面23aに設けられている。半導体層24は、例えばシリコンがドープされたGaNからなるn型のGaNから構成されている。半導体層24は、後述する柱状構造体35の第1半導体層351に電流を供給するための導電層として機能する。
【0013】
発光部26は、半導体層24を介して基板23の第1面23aに設けられている。図1に示すように、本実施形態の発光部26は、第1発光部261と、基板23上において第1発光部261からX軸方向に沿って離れた位置に設けられた第2発光部262と、基板23上において第1発光部261からY軸方向に沿って離れた位置に設けられた第3発光部263と、基板23上において第2発光部262からY軸方向に沿って離れた位置に設けられた第4発光部264と、を含む複数の発光部26を有する。なお、図1において、X軸方向およびY軸方向に沿ってアレイ状に配置された4個の発光部26が示されているが、発光部26の数は特に限定されない。
【0014】
発光部26は、後述する複数の柱状構造体35と光伝搬層36とを含む第1柱状構造体群25を有する。発光部26は、複数の柱状構造体35に外部から電流が注入されることにより光が射出される部位のことである。発光部26は、第1電極29と、半導体層24と、第1電極29と半導体層24との間に挟まれた第1柱状構造体群25と、から構成される。発光部26の詳細な構成については、後で説明する。本実施形態の第1柱状構造体群25における柱状構造体35は、特許請求の範囲の第1柱状構造体に対応する。
【0015】
第2柱状構造体群27は、基板23の第1面23aにおいて発光部26以外の領域に設けられている。第2柱状構造体群27は、複数の柱状構造体35と絶縁体とを含んで構成されている。第2柱状構造体群27の詳細な構成についても、後で説明する。
【0016】
層間絶縁層28は、基板23の第1面23aにおいて第1柱状構造体群25および第2柱状構造体群27を覆って設けられている。層間絶縁層28は、例えば酸化シリコン層、窒化シリコン層等の絶縁性材料から構成されている。
【0017】
第1電極29は、基板23の第1面23aにおいて層間絶縁層28上の発光部26に対応する位置に設けられている。第1電極29は、例えばインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)層から構成されている。第1電極29は、第1柱状構造体群25に接触することで第1柱状構造体群25と電気的に接続され、後述する柱状構造体35の第2半導体層352に対して電流を注入する。
【0018】
第1配線301は、基板23の第1面23aにおいて層間絶縁層28上に設けられている。第1配線301は、層間絶縁層28に設けられたコンタクトホール33を介して第1電極29に電気的に接続され、第1電極29を介して第1柱状構造体群25に電気的に接続されている。これにより、第1電極29および第1配線301は、後述する柱状構造体35の第2半導体層352に電気的に接続されている。第1配線301は、例えば第1電極29と同様のITO、または銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の導電性材料から構成されている。
【0019】
第1電極端子302は、層間絶縁層28上に設けられ、第1電極29および第1配線301と電気的に接続されている。本実施形態においては、第1電極端子302は、第1配線301と一体に形成されている。したがって、第1電極端子302は、ITO、Cu、Al等の導電性材料から構成されている。
【0020】
柱状構造体35の発光層353で生じた光は、第1電極29および第1配線301を透過して射出される。なお、本実施形態では、第1電極29と第1配線301とが個別の層から構成されているが、第1電極29と第1配線301とは、一体化された一つの層、すなわち第1導電層から構成されていてもよい。本実施形態の第1電極29および第1配線301は、特許請求の範囲の導電層に対応する。
【0021】
図3に示すように、発光部26は、複数の柱状構造体35と、光伝搬層36と、を含む第1柱状構造体群25を有している。複数の柱状構造体35は、半導体層24を介して基板23の第1面23aに設けられている。図示を省略するが、Z軸方向から見た柱状構造体35の形状(平面形状)は、特に限定されず、例えば円形や楕円形でもよいし、多角形であってもよい。柱状構造体35の径、例えば柱状構造体35の平面形状が多角形の場合には内接円の径は、1μm未満のnmオーダーであり、具体的には例えば10nm以上、500nm以下である。柱状構造体35のZ軸方向の寸法、いわゆる柱状構造体35の高さは、例えば0.1μm以上、5μm以下である。複数の柱状構造体35は、互いに離間して配置されている。隣り合う柱状構造体35の間隔は、例えば1nm以上、500nm以下である。
【0022】
複数の柱状構造体35は、Z軸方向から見た平面視において、所定の方向に所定のピッチで配列されている。このような周期構造によれば、複数の柱状構造体35のピッチと径および各部の屈折率により決定されるフォトニックバンド端波長λにおいて、光閉じ込め効果が得られる。発光装置20において、柱状構造体35の発光層353で生じる光の波長帯は、フォトニックバンド端波長λを含むため、フォトニック結晶の効果を発現することができる。図3に示す例では、複数の柱状構造体35は、X軸方向およびY軸方向に並んで設けられている。なお、複数の柱状構造体35は、X軸方向およびY軸方向から傾いた方向に並んでいてもよい。
【0023】
柱状構造体35は、第1導電型の第1半導体層351と、第1導電型とは異なる第2導電型の第2半導体層352と、第1半導体層351と第2半導体層352との間に設けられた発光層353と、から構成されている。換言すると、柱状構造体35は、第1半導体層351、発光層353、および第2半導体層352が半導体層24側からこの順に積層された積層体で構成されている。
【0024】
具体的には、第1半導体層351は、例えばSiがドープされたGaNからなるn型のGaN層で構成されている。発光層353は、電流が注入されることにより光を発することが可能な半導体材料で構成され、例えばGaN層とInGaN層が交互に複数積層された量子井戸構造を有する。発光層353を構成するGaN層およびInGaN層の数は、特に限定されない。第2半導体層352は、例えばMgがドープされたGaNからなるp型のGaN層で構成されている。第1半導体層351および第2半導体層352は、発光層353に光を閉じ込めるためのクラッド層として機能する。
【0025】
発光装置20においては、p型の第2半導体層352、不純物がドープされていない発光層353、およびn型の第1半導体層351により、pinダイオードが構成される。第1半導体層351および第2半導体層352のバンドギャップは、発光層353のバンドギャップよりも大きい。したがって、第1電極29と半導体層24との間に、pinダイオードの順バイアス電圧が印加される向きに電流を注入すると、発光層353において電子と正孔との再結合が生じ、発光が生じる。発光層353で発生した光は、第1半導体層351および第2半導体層352によりZ軸方向に閉じ込められ、Z軸方向と直交するXY平面方向に伝搬する。XY平面方向に伝搬した光は、定在波を形成し、発光層353において利得を受けてレーザー発振する。このとき、発光装置20は、+1次回折光および-1次回折光をレーザー光として、Z軸方向、すなわち第1電極29側および基板23側に射出する。
【0026】
発光装置20においては、XY平面方向に伝搬する光の強度が、Z軸方向において発光層353で最も大きくなるように、第1半導体層351、第2半導体層352、および発光層353の屈折率と厚さとが設計されている。なお、図示はしないが、基板23と半導体層24との間、または基板23の第2面23bに反射層が設けられていてもよい。反射層は、例えばDBR(Distributed Bragg Reflector)層で構成される。反射層が設けられた場合、発光層353において発生した光を反射層で反射させることができ、第1電極29側からのみ光を射出させることができる。
【0027】
本実施形態では、半導体層24上に、絶縁性材料からなるマスク層37が設けられている。マスク層37は、光伝搬層36と半導体層24との間に設けられている。マスク層37は、半導体層24上の所定の領域において各種の半導体膜を選択的に成膜して柱状構造体35を形成するためのマスクとして機能する。
【0028】
光伝搬層36は、隣り合う複数の柱状構造体35の間におけるマスク層37の上層に設けられている。Z軸方向から見た平面視において、光伝搬層36は、複数の柱状構造体35の各々の周囲を囲んで設けられている。光伝搬層36の屈折率は、発光層353の屈折率よりも低い。本実施形態の場合、光伝搬層36は、例えば酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、酸化チタン層等の絶縁性材料で構成されている。光伝搬層36は、各柱状構造体35の発光層353において生じた光をXY平面方向に伝搬させる。また、光伝搬層36は、空気、あるいは真空であってもよい。
【0029】
第2柱状構造体群27は、複数の柱状構造体35と、絶縁体38と、を有している。本実施形態の場合、第2柱状構造体群27の構成は、図3に示す発光部26を構成する第1柱状構造体群25の構成と同一である。すなわち、第2柱状構造体群27の柱状構造体35の構成は、第1柱状構造体群25の柱状構造体35の構成と同一である。したがって、第2柱状構造体群27の柱状構造体35は、第1半導体層351、発光層353、および第2半導体層352が半導体層24側からこの順に積層された積層体で構成されている。本実施形態の第2柱状構造体群27における柱状構造体35は、特許請求の範囲の第2柱状構造体に対応する。
【0030】
ただし、第2柱状構造体群27の上方には第1電極29が存在しないため、第2柱状構造体群27には電流が注入されず、発光が生じることはない。本実施形態の場合、第2柱状構造体群27において隣り合う柱状構造体35間の間隔と、第1柱状構造体群25において隣り合う柱状構造体35間の間隔とは、互いに等しい。第2柱状構造体群27の柱状構造体35のサイズと、第1柱状構造体群25の柱状構造体35のサイズとは、互いに等しい。また、絶縁体38は、光伝搬層36と同一の絶縁性材料から構成されている。絶縁体38は、例えば酸化シリコン層、窒化シリコン層等の絶縁性材料から構成されている。また、絶縁体38は、空気であってもよく、真空であってもよい。本実施形態における絶縁体38は、特許請求の範囲の絶縁層に対応する。
【0031】
図4に示すように、第2電極端子31は、基板23の第1面23aにおいて層間絶縁層28上に設けられている。第2電極端子31は、層間絶縁層28に設けられたコンタクトホール39を介して半導体層24に接触し、半導体層24と電気的に接続されている。これにより、第2電極端子31は、半導体層24を介して柱状構造体35における第1半導体層351に電気的に接続されている。第2電極端子31は、第1配線301と同様、ITO、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の導電性材料から構成されている。
本実施形態の第2電極端子31は、特許請求の範囲の第2導電層に対応する。
【0032】
図1に示すように、本実施形態の場合、複数の発光部26がX軸方向およびY軸方向に互いに間隔をおいて配置されている。また、第1電極端子302のY軸方向の幅は、第1配線301のY軸方向の幅よりも広い。Z軸方向から見て、基板23上の第1発光部261と第2発光部262とに挟まれた領域に、第2柱状構造体群27が設けられている。また、第3発光部263と第4発光部264とに挟まれた領域、第1発光部261と第3発光部263とに挟まれた領域、第2発光部262と第4発光部264とに挟まれた領域にも、第2柱状構造体群27が設けられている。換言すると、基板23上の複数の発光部26以外の領域に、第2柱状構造体群27が設けられている。
【0033】
図1において、第1柱状構造体群25および第2柱状構造体群27が設けられた領域には、点のハッチングを施している。Z軸方向から見た平面視において、第1電極29、第1配線301および第1電極端子302は、第1柱状構造体群25および第2柱状構造体群27と重なっている。これに対して、第2電極端子31は、第1柱状構造体群25および第2柱状構造体群27とは重なっていない。
【0034】
具体的には、第2電極端子31は、複数の発光部26が設けられた領域からY軸方向に離れた位置に配置されている。第1柱状構造体群25および第2柱状構造体群27が設けられた領域R1と、第1柱状構造体群25および第2柱状構造体群27が設けられていない領域R2と、の境界Kは、複数の発光部26と第2電極端子31との間においてX軸方向に沿って延びている。すなわち、図2に示すように、複数の発光部26が設けられた領域には、第1電極29、第1配線301および第1電極端子302の下方に第1柱状構造体群25および第2柱状構造体群27が存在するが、図4に示すように、第2電極端子31が設けられた領域には第2電極端子31の下方に第1柱状構造体群25および第2柱状構造体群27が存在しない。
【0035】
本実施形態の場合、説明の都合上、第1柱状構造体群25および第2柱状構造体群27と名称を区別しているが、上述したように、第1柱状構造体群25の構成と第2柱状構造体群27の構成とは同一である。したがって、発光装置20を製造する際には、まず、基板23の第1面23aに半導体層24を成膜した後、半導体層24上の全面にわたって複数の柱状構造体35を形成する。その後、第2電極端子31の形成領域に位置する複数の柱状構造体35をエッチングにより除去する。または、基板23上における第2電極端子31の形成領域にマスクを形成した後、複数の柱状構造体35を所定の領域に選択的に形成してもよい。この種の方法によって、本実施形態の発光装置20を製造することができる。
【0036】
また、図示を省略するが、本実施形態の発光装置20は、第1電極端子302および第2電極端子31と外部の配線基板とがボンディングワイヤー等で電気的に接続されることにより各発光部26に電流が供給される構成を有している。すなわち、第1電極端子302および第2電極端子31は、ワイヤボンディングあるいはバンプ等を形成するための電極パッドであり、発光装置20は、ワイヤボンディングあるいはバンプ等を介して外部の配線基板と電気的に接続される。なお、発光装置20は、発光部26毎に当該発光部26の点灯/消灯を制御するトランジスターを基板23上に備えていてもよい。
【0037】
ここで、従来の発光装置について説明する。
図9は、従来の発光装置120の平面図である。図10は、図9のX-X線に沿う発光装置120の断面図である。図9および図10において、図1および図2と共通の構成要素には、同一の符号を付す。
【0038】
図9に示すように、従来の発光装置120において、柱状構造体群125は、発光部126が設けられた領域にのみ設けられ、発光部126以外の領域、すなわち、隣り合う2つの発光部126を挟む領域には設けられていない。換言すると、柱状構造体群125は、発光部126毎に孤立して設けられている。そのため、発光装置120を製造する際には、半導体層24上の全面にわたって複数の柱状構造体35を形成した後、複数の柱状構造体35を発光部126毎にパターニングするためのエッチングを行う。または、発光部126の位置に対応して開口部が設けられたマスクを半導体層24上に形成した後、複数の柱状構造体35を発光部126の位置に選択的に形成する。
【0039】
このとき、柱状構造体群125の端部に位置する柱状構造体35に、エッチングによって結晶欠陥等のダメージが生じる場合がある。柱状構造体群125の端部にダメージが生じた場合、図10に示すように、第1電極29と半導体層24との間でダメージ部分を経路としてリーク電流I1が流れやすくなる。また、エッチングを用いずに複数の柱状構造体35を選択的に形成した場合でも、柱状構造体群125の端部では、柱状構造体群125の中央部に比べて柱状構造体35を構成する半導体層の組成や形状が乱れるため、リーク電流I1が流れやすくなる。
【0040】
また、図10に示すように、従来の発光装置120では、柱状構造体群125が設けられた領域と柱状構造体群125が設けられていない領域との間で段差が生じるため、段差を反映して柱状構造体群125を覆う層間絶縁層128にも段差が生じる。この場合、段差部分の層間絶縁層128は、他の部分に比べて膜厚が薄くなりやすく、応力に起因してクラック等のダメージを生じやすい。これらの理由から、第1配線130と柱状構造体35との間でリーク電流I2が流れやすくなる。また、場合によっては、第1配線130の断線が生じるおそれもある。
【0041】
さらに、図10に示すように、基板23上に柱状構造体群125のエッチング残渣125Bが生じる場合もある。この場合、エッチング残渣125B上には十分な膜厚の層間絶縁層128が形成されにくい。そのため、第1配線130とエッチング残渣125Bの柱状構造体35との間でリーク電流I3が流れる場合がある。
【0042】
以上の原因により、従来の発光装置120においては、リーク電流I1,I2,I3の影響によって発光部126に所定の電流が流れにくくなることで所定の発光量が得られない、発光部126以外の個所で意図しない発光が生じる、等の問題が生じるおそれがあった。
【0043】
この問題に対して、本実施形態の発光装置20の場合、図2に示すように、第1柱状構造体群25と第2柱状構造体群27とが半導体層24上に連続して設けられているため、発光部26の近傍に柱状構造体群の端部が存在せず、発光部26と発光部26以外の領域との間に段差が生じていない。そのため、層間絶縁層28にも段差が生じておらず、層間絶縁層28の上面が平坦になっている。これにより、本実施形態の発光装置20においては、従来の発光装置120のようなリーク電流の発生が抑えられ、発光部26において所定の発光量が得られない、発光部26以外の領域で意図しない発光が生じる、第1配線301の断線が生じるおそれがある、等の不具合の発生を抑えることができる。
【0044】
また、本実施形態の発光装置20において、発光部26は、第1発光部261、第2発光部262、第3発光部263、および第4発光部264を含む複数の発光部26を有しており、Z軸方向から見た平面視において、基板23上の隣り合う2つの発光部26に挟まれた領域に第2柱状構造体群27が設けられている。この構成によれば、第2柱状構造体群27が複数の柱状構造体35と各柱状構造体35の周囲を覆う絶縁体38とから構成されているため、隣り合う2つの発光部26間を絶縁分離し、各発光部26を独立して駆動することができる。
【0045】
また、本実施形態の発光装置20においては、第1柱状構造体群25において隣り合う柱状構造体35間の間隔と、第2柱状構造体群27において隣り合う柱状構造体35間の間隔と、は互いに等しい。さらに、第1柱状構造体群25の柱状構造体35のサイズと、第2柱状構造体群27の柱状構造体35のサイズと、は互いに等しい。この構成によれば、第1柱状構造体群25と第2柱状構造体群27とを一つの工程で同時に形成することができるため、製造プロセスが複雑になることがない。
【0046】
また、本実施形態の発光装置20において、Z軸方向から見た平面視において、第2電極端子31は、第1柱状構造体群25および第2柱状構造体群27とは重なっていない。この構成によれば、第2電極端子31と半導体層24とを確実に電気的に接続することができる。
【0047】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図5図7を用いて説明する。
第2実施形態の発光装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、第2柱状構造体群の構成が第1実施形態と異なる。そのため、発光装置の基本構成の説明は省略する。
図5は、第2実施形態の発光装置40の平面図である。図6は、図5のVI-VI線に沿う発光装置40の断面図である。図7は、図5のVII-VII線に沿う発光装置40の断面図である。
図5図7において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0048】
図5図7に示すように、本実施形態の発光装置40は、基板23と、半導体層24と、第1柱状構造体群25を有する発光部26と、第2柱状構造体群27,41と、層間絶縁層28と、第1電極29と、第1配線301と、第1電極端子302と、第2電極端子31と、を備える。
【0049】
第1実施形態の発光装置20は、第1柱状構造体群25において隣り合う柱状構造体35間の間隔と、第2柱状構造体群27において隣り合う柱状構造体35間の間隔と、が互いに等しい構成を有していた。これに対し、本実施形態の発光装置40は、第2柱状構造体群27,41のうち、基板23上の隣り合う2つの発光部26に挟まれた領域R3の第2柱状構造体群41において隣り合う柱状構造体35間の間隔は、第1柱状構造体群25において隣り合う柱状構造体35間の間隔よりも大きい。
【0050】
より具体的には、図5に示すように、複数の発光部26以外の領域のうち、X軸方向に隣り合う2つの発光部26に挟まれたY軸に沿って延びる領域R31と、Y軸方向に隣り合う2つの発光部26に挟まれたX軸に沿って延びる領域R32と、を合わせた領域Rに設けられた第2柱状構造体群41において隣り合う柱状構造体35間の間隔は、第1柱状構造体群25において隣り合う柱状構造体35間の間隔よりも大きい。換言すると、上記の領域R3における第2柱状構造体群41の柱状構造体35の密度は、第1柱状構造体群25の柱状構造体35の密度よりも小さい。なお、柱状構造体35の密度は、単位面積あたりの柱状構造体35の数と定義する。すなわち、本実施形態の場合、複数の発光部26のそれぞれは、柱状構造体35の密度が第1柱状構造体群25よりも小さい第2柱状構造体群41によって区画されている。
発光装置40のその他の構成は、第1実施形態の発光装置20の構成と同様である。
【0051】
本実施形態の発光装置40においても、リーク電流の発生が抑えられ、所定の発光量が得られない、発光部26以外の領域で意図しない発光が生じる、第1配線301の断線が生じるおそれがある、等の不具合を抑えることができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0052】
第2柱状構造体群を構成する柱状構造体同士の間隔が狭い場合、各柱状構造体の周囲が絶縁体で囲まれているとは言っても、隣り合う柱状構造体同士が接触する場合が考えられる。この場合、各発光部間の絶縁分離が不十分になるおそれがある。この問題に対して、本実施形態の発光装置40においては、隣り合う発光部26に挟まれた領域R3の第2柱状構造体群41の柱状構造体35間の間隔は、第1柱状構造体群25の柱状構造体35間の間隔よりも大きいため、隣り合う柱状構造体35同士が接触するおそれが少なく、各発光部26間をより確実に絶縁分離することができる。
【0053】
なお、本実施形態では、発光部26以外の領域のうち、隣り合う発光部26間に位置する特定の領域において、第2柱状構造体群41において隣り合う柱状構造体35間の間隔が、第1柱状構造体群25において隣り合う柱状構造体35間の間隔よりも大きい構成とした。この構成に代えて、発光部26以外の全ての領域の第2柱状構造体群において隣り合う柱状構造体35間の間隔が、第1柱状構造体群25において隣り合う柱状構造体35間の間隔よりも大きい構成としてもよい。
【0054】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図8を用いて説明する。
図8は、本実施形態のプロジェクター10の概略構成図である。
【0055】
図8に示すように、本実施形態のプロジェクター10は、スクリーン11に画像を投写する投写型画像表示装置である。プロジェクター10は、光源装置12と、光変調装置13と、投写光学装置14と、を備えている。
【0056】
光源装置12は、発光装置20と、ヒートシンク21と、を備えている。発光装置20は、第1面20aと第2面20bとを有し、第1面20aから光束Lを射出する。ヒートシンク21は、発光装置20で生じる熱を放出するため、発光装置20の第2面20bに設けられている。発光装置20として、第1実施形態の発光装置20が用いられているが、第2実施形態の発光装置40が用いられてもよい。
【0057】
図8における光軸AX1は、発光装置20から射出される光束Lの主光線が通る軸である。光軸AX1は、第1実施形態および第2実施形態の説明に用いたZ軸と平行である。
【0058】
光変調装置13は、光源装置12から射出された光束Lを画像情報に応じて変調し、画像光を生成する。光変調装置13は、入射側偏光板16と、液晶表示素子17と、射出側偏光板18と、を有する。Z軸方向から見て、液晶表示素子17の画像形成領域の平面形状は、矩形状である。また、発光装置20の発光領域の平面形状は矩形状であり、画像形成領域の平面形状と発光領域の平面形状とは、略相似形である。発光領域の面積は、画像形成領域の面積と同じか、または、画像形成領域の面積よりも僅かに大きい。
【0059】
投写光学装置14は、光変調装置13から射出された画像光をスクリーン11等の被投写面上に投写する。投写光学装置14は、一つまたは複数の投写レンズで構成されている。
【0060】
本実施形態のプロジェクター10は、発光装置20として、第1実施形態の発光装置20または第2実施形態の発光装置40を備えているため、表示品質に優れるとともに、信頼性に優れる。
【0061】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態では、InGaN系材料からなる発光層について説明したが、発光層として、射出される光の波長に応じて、種々の半導体材料を用いることができる。例えばAlGaN系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、InP系、GaP系、AlGaP系などの半導体材料を用いることができる。また、射出される光の波長に応じて、柱状構造体の径またはピッチを適宜変更してもよい。
【0062】
その他、発光装置、およびプロジェクターの各構成要素の形状、数、配置、材料等の具体的な記載については、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。上記実施形態では、本発明による発光装置を、透過型の液晶表示素子を光変調装置として用いたプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による発光装置を、光変調装置として反射型の液晶表示素子、またはデジタルマイクロミラーデバイスを用いたプロジェクターに搭載してもよい。または、本発明による発光装置をプロジェクターの表示素子として用いてもよい。
【0063】
上記実施形態では、本発明による発光装置をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による発光装置は、微小な発光素子をアレイ状に配置して画像表示させるμLED(micro-Light Emitting Diode)ディスプレイの発光素子にも適用することができる。また、本発明による発光装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
【0064】
本発明の一つの態様の発光装置は、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一つの態様の発光装置は、基板と、前記基板上に設けられている複数の柱状構造体からなる柱状構造体群と、を備え、前記複数の柱状構造体は、発光部に設けられている複数の第1柱状構造体と、前記基板上の前記発光部以外の領域に設けられている複数の第2柱状構造体と、を含み、前記柱状構造体群は、前記複数の第1柱状構造体、および前記複数の第1柱状構造体の間に設けられている光伝搬層、を含む第1柱状構造体群と、前記複数の第2柱状構造体、および前記複数の第2柱状構造体の間に設けられている絶縁層、を含む第2柱状構造体群と、を含み、前記基板上に、前記第1柱状構造体群と前記第2柱状構造体群とを覆う層間絶縁層が設けられ、前記層間絶縁層上に、前記層間絶縁層に設けられたコンタクトホールを介して前記第1柱状構造体群に電気的に接続される導電層が設けられ、前記層間絶縁層上に、前記導電層と電気的に接続されている第1電極端子が設けられ、前記第1柱状構造体は、前記基板上に設けられた第1導電型の第1半導体層と、前記第1導電型とは異なる第2導電型の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、から構成され、前記導電層は、前記第2半導体層に電気的に接続され、前記基板の法線方向から見て、前記導電層および前記第1電極端子は、前記第2柱状構造体群と重なっている。
【0065】
本発明の一つの態様の発光装置において、前記発光部は、第1発光部と、前記基板上において前記第1発光部から離れた位置に設けられた第2発光部と、を有し、前記基板の法線方向から見て、前記基板上の前記第1発光部と前記第2発光部とに挟まれた領域に、前記第2柱状構造体群が設けられていてもよい。
【0066】
本発明の一つの態様の発光装置において、前記第1柱状構造体群において隣り合う前記第1柱状構造体間の間隔と、前記第2柱状構造体群において隣り合う前記第2柱状構造体間の間隔と、は互いに等しくてもよい。
【0067】
本発明の一つの態様の発光装置において、前記第2柱状構造体群のうち、少なくとも前記基板上の前記第1発光部と前記第2発光部とに挟まれた領域の前記第2柱状構造体群において隣り合う前記第2柱状構造体間の間隔は、前記第1柱状構造体群において隣り合う前記第1柱状構造体間の間隔よりも大きくてもよい。
【0068】
本発明の一つの態様の発光装置は、前記層間絶縁層上に設けられ、前記層間絶縁層に設けられたコンタクトホールを介して前記第1柱状構造体群における前記第1柱状構造体の前記第1半導体層に電気的に接続される第2電極端子をさらに備え、前記基板の法線方向から見て、前記第2電極端子は、前記第1柱状構造体群および前記第2柱状構造体群とは重なっていなくてもよい。
【0069】
本発明の一つの態様のプロジェクターは、本発明の一つの態様の発光装置と、前記発光装置から射出される光を投写する投写光学装置と、を備える。
【符号の説明】
【0070】
10…プロジェクター、13…光変調装置、14…投写光学装置、20,40…発光装置、23…基板、25…第1柱状構造体群、26…発光部、27,41…第2柱状構造体群、28…層間絶縁層、29…第1電極(導電層)、301…第1配線(導電層)、302…第1電極端子、31…第2電極端子(第2導電層)、33,39…コンタクトホール、35…柱状構造体、36…光伝搬層、261…第1発光部、262…第2発光部、351…第1半導体層、352…第2半導体層、353…発光層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10