IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図1
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図2
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図3
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図4
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図5
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図6
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図7
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図8
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図9
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図10
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図11
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図12
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図13
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図14
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図15
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図16
  • 特許-画像処理装置および画像処理システム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】画像処理装置および画像処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240827BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240827BHJP
   B41J 21/00 20060101ALN20240827BHJP
【FI】
H04N1/00 838
B41J29/38 203
B41J21/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020186507
(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2022076202
(43)【公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リネル・グマパック
(72)【発明者】
【氏名】クリス アントネット・トレオン
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-045402(JP,A)
【文献】特開2017-045413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動記入ジョブの要求を受け付ける操作パネルと、
前記自動記入ジョブの実行時、記入欄が未記入のシートを読み取る読取部と、
前記読取部による前記シートの読み取りで得られた読取データから、前記記入欄に登録済みの個人情報が記入された記入済みシートの出力データを生成する制御部と、を備え、
前記操作パネルは、前記個人情報を登録した登録済みユーザーから、自身の前記個人情報へのアクセスを許可する許可ユーザーの登録を受け付け、
前記自動記入ジョブの実行時、前記制御部は、
前記自動記入ジョブを要求したジョブ要求ユーザーを認識し、
前記ジョブ要求ユーザーを前記許可ユーザーとして登録した前記登録済みユーザーを候補に設定し、
前記候補に設定したいずれかの前記登録済みユーザーの指定の受け付けを前記操作パネルに行わせ、指定された前記登録済みユーザーを対象ユーザーとして認識し、
前記対象ユーザーの前記個人情報が前記記入欄に記入された前記記入済みシートの出力データを生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ジョブ要求ユーザーが所属するグループを認識するとともに、前記ジョブ要求ユーザーの役割を認識し、
前記ジョブ要求ユーザーの前記役割が所定の役割であるとき、前記制御部は、前記ジョブ要求ユーザーと同じ前記グループに所属する全ての前記登録済みユーザーを前記候補に設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記ジョブ要求ユーザーを前記候補に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記操作パネルは、スキャン登録の要求をユーザーから受け付け、
前記制御部は、
前記スキャン登録を要求した登録要求ユーザーを認識し、
前記登録要求ユーザーの本人確認書類の読み取りを前記読取部に行わせ、前記読取部による前記本人確認書類の読み取りで得られた読取データに基づき、前記本人確認書類に記載の前記個人情報を認識し、
前記本人確認書類に記載の前記個人情報を前記登録要求ユーザーの前記個人情報として登録することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記登録要求ユーザーが過去に登録した前記個人情報が存在するとき、前記制御部は、前記読取部が今回読み取った前記本人確認書類に記載の前記個人情報である最新情報と、前記登録要求ユーザーが過去に登録した前記個人情報である既存情報とを比較し、
前記最新情報と前記既存情報とが異なるとき、前記制御部は、前記個人情報を更新するか否かの受け付けを前記操作パネルに行わせ、
前記個人情報を更新する旨を前記操作パネルが受け付けたとき、前記制御部は、前記最新情報に基づき、前記登録要求ユーザーの前記個人情報を更新することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記シートの読取データに基づき、前記記入欄として日付欄が存在するか否かを判断し、
前記日付欄が存在するとき、前記制御部は、前記日付欄に記入すべき日付の入力の受け付けを前記操作パネルに行わせ、入力された前記日付が前記日付欄に記入された前記記入済みシートの出力データを生成することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
前記個人情報を記憶する個人情報サーバーと、
前記許可ユーザーと前記許可ユーザーの登録を行った前記登録済みユーザーとを対応付けた権限情報を記憶する権限管理サーバーと、を備え、
前記制御部は、前記権限管理サーバーにアクセスして、前記ジョブ要求ユーザーを前記許可ユーザーとして登録した前記登録済みユーザーを認識し、
前記制御部は、前記個人情報サーバーにアクセスして、前記対象ユーザーの前記個人情報を認識することを特徴とする画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートを読み取る画像処理装置が知られている。このような画像処理装置は、たとえば、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1の画像処理装置は、帳票生成装置として利用される複合機である。特許文献1の画像処理装置は、フォーム用紙からフォーム画像を読み取り、フォーム画像を記憶する。また、特許文献1の画像処理装置は、フォーム用紙に記入すべき情報を記憶する。そして、特許文献1の画像処理装置は、フォーム用紙に記入すべき情報をフォーム画像に合成して出力(印刷)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-131381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術を用いることにより、フォーム画像に個人情報を合成できる。これにより、たとえば、申請書などのシートに対する個人情報の記入作業が不要となる。
【0006】
たとえば、個人情報は予め登録される。これにより、第1ユーザーは、第2ユーザーの個人情報を第2ユーザーから聞かなくても、第2ユーザーの個人情報が記入されたシートを出力し、当該シートを第2ユーザーに配布できる。第2ユーザーからすると、自身の個人情報が既に記入されたシートを受け取ることができるので、利便性が良い。
【0007】
しかし、第2ユーザーにとって個人情報を知られたくない第3ユーザーが第2ユーザーの個人情報が記入されたシートを出力する、という不都合が生じ得る。すなわち、第2ユーザーの個人情報が第3ユーザーに漏洩し得る。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、或るユーザーの個人情報が記入されたシートの出力を特定のユーザーにだけ許可することが可能な画像処理装置および画像処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の局面による画像処理装置は、自動記入ジョブの要求を受け付ける操作パネルと、自動記入ジョブの実行時、記入欄が未記入のシートを読み取る読取部と、読取部によるシートの読み取りで得られた読取データから、記入欄に登録済みの個人情報が記入された記入済みシートの出力データを生成する制御部と、を備える。操作パネルは、個人情報を登録した登録済みユーザーから、自身の個人情報へのアクセスを許可する許可ユーザーの登録を受け付ける。そして、自動記入ジョブの実行時、制御部は、自動記入ジョブを要求したジョブ要求ユーザーを認識し、ジョブ要求ユーザーを許可ユーザーとして登録した登録済みユーザーを候補に設定し、候補に設定したいずれかの登録済みユーザーの指定の受け付けを操作パネルに行わせ、指定された登録済みユーザーを対象ユーザーとして認識し、対象ユーザーの個人情報が記入欄に記入された記入済みシートの出力データを生成する。
【0010】
本発明の第2の局面による画像処理システムは、上記画像処理装置と、個人情報を記憶する個人情報サーバーと、許可ユーザーと許可ユーザーの登録を行った登録済みユーザーとを対応付けた権限情報を記憶する権限管理サーバーと、を備える。制御部は、権限管理サーバーにアクセスして、ジョブ要求ユーザーを許可ユーザーとして登録した登録済みユーザーを認識する。また、制御部は、個人情報サーバーにアクセスして、対象ユーザーの個人情報を認識する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成では、或るユーザーの個人情報が記入されたシートの出力を特定のユーザーにだけ許可できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態の画像形成装置のブロック図である。
図2】一実施形態の画像形成装置の概略図である。
図3】一実施形態の画像形成装置により読み取られるシートおよび出力される記入済みシートを示す図である。
図4】一実施形態の画像形成装置の操作パネルが表示する確認画面を示す図である。
図5】一実施形態の画像形成装置の操作パネルが表示する詳細確認画面を示す図である。
図6】一実施形態の画像形成装置の制御部が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図7】一実施形態の画像形成装置の制御部が行う候補設定処理について説明するための図である。
図8】一実施形態の画像形成装置の操作パネルが表示する第1設定画面を示す図である。
図9】一実施形態の画像形成装置の操作パネルが表示する第2設定画面を示す図である。
図10】一実施形態の画像形成装置の操作パネルが表示する第3設定画面を示す図である。
図11】一実施形態の画像形成装置の操作パネルが表示する第4設定画面を示す図である。
図12】一実施形態の画像形成装置の操作パネルが表示する第5設定画面を示す図である。
図13】一実施形態の画像形成装置の操作パネルが表示するダイアログボックスを示す図である。
図14】一実施形態の画像形成装置の制御部が行う出力データ生成処理について説明するための図である。
図15】一実施形態の画像形成装置の制御部が行う出力データ生成処理について説明するための図である。
図16】一実施形態の画像形成装置の操作パネルが表示するダイアログボックスを示す図である。
図17】一実施形態の画像形成装置の操作パネルが表示する日付入力画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態について、コピー機能など複数種の機能が搭載された画像形成装置(複合機)を例にとって説明する。
【0014】
<画像形成装置の構成>
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置1(「画像処理装置」に相当)は、制御部11を備える。制御部11は、CPUおよびASICなどの処理回路を含む。制御部11は、画像形成装置1を制御する。また、画像形成装置1は、記憶部12を備える。記憶部12は、ROM、RAMおよびHDDなどの記憶デバイスを含む。記憶部12は、制御部11に接続される。制御部11は、記憶部12への情報の書き込みおよび記憶部12からの情報の読み出しを行う。
【0015】
記憶部12には、文字認識プログラムが記憶される。制御部11は、文字認識プログラムに基づき、OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)処理を行う。
【0016】
また、制御部11は、自然言語処理を行う。OCR処理によって抽出されたテキストデータが自然言語処理の対象となる。自然言語処理では、形態素解析、構文解析、意味解析および文脈解析などが行われる。たとえば、機械学習によって生成された学習モデルを用いた自然言語処理が行われる。
【0017】
画像形成装置1は、読取部13および印刷部14を備える。制御部11は、読取部13の読取動作を制御する。制御部11は、印刷部14の印刷動作を制御する。読取部13および印刷部14の概略図を図2に示す。
【0018】
読取部13は、読取対象Dを光学的に読み取る。後述する自動記入ジョブでは、シートS(図3上図参照)が読取対象Dとなる。読取部13は、光源131およびイメージセンサー132を備える。光源131は、読取対象Dに光(2点鎖線で示す)を照射する。イメージセンサー132は、読取対象Dで反射された反射光(2点鎖線で示す)を受光して光電変換する。光源131およびイメージセンサー132は、読取部13の筐体内部に設置される。
【0019】
読取部13の筐体上面には、コンタクトガラスCG1およびCG2が取り付けられる。コンタクトガラスCG1は、搬送読取モードで使用される。コンタクトガラスCG2は、載置読取モードで使用される。
【0020】
また、読取部13は、原稿搬送ユニット133を備える。原稿搬送ユニット133は、読取部13の筐体に対して回動可能に取り付けられる。原稿搬送ユニット133は、読取対象Dを搬送する。
【0021】
搬送読取モードでは、原稿搬送ユニット133に読取対象Dがセットされる。原稿搬送ユニット133は、コンタクトガラスCG1に向けて読取対象Dを搬送する。読取部13は、コンタクトガラスCG1上を通過する読取対象Dを読み取る。
【0022】
また、載置読取モードでは、コンタクトガラスCG2に読取対象Dがセットされる。読取部13は、コンタクトガラスCG2上の読取対象Dを読み取る。
【0023】
印刷部14は、用紙搬送路(図2では、破線矢印で示す)に沿って用紙Pを搬送する。また、印刷部14は、画像を形成する。そして、印刷部14は、搬送中の用紙Pに画像を印刷し出力する。後述する自動記入ジョブでは、記入済みシートFS(図3下図参照)が出力される。
【0024】
印刷部14は、給紙ローラー141を備える。給紙ローラー141は、用紙カセットCAに収容された用紙Pに当接し、その状態で回転することにより、用紙カセットCAから用紙搬送路に用紙Pを給紙する。
【0025】
印刷部14は、感光体ドラム142aおよび転写ローラー142bを含む。感光体ドラム142aは、その周面上にトナー像を担持する。転写ローラー142bは、感光体ドラム142aに圧接し、感光体ドラム142aとの間で転写ニップを形成する。転写ローラー142bは、感光体ドラム142aとともに回転する。感光体ドラム142aおよび転写ローラー142bは、転写ニップに進入した用紙Pを搬送しつつ、用紙Pにトナー像を転写する。
【0026】
図示しないが、印刷部14は、帯電装置、露光装置および現像装置をさらに備える。帯電装置は、感光体ドラムの周面を帯電させる。露光装置は、感光体ドラムの周面上に静電潜像を形成する。現像装置は、感光体ドラムの周面上の静電潜像をトナー像に現像する。
【0027】
印刷部14は、定着ローラー対143を備える。定着ローラー対143は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを含む。加熱ローラーは、ヒーター(図示せず)を内蔵する。加圧ローラーは、加熱ローラーに圧接し、加熱ローラーとの間で定着ニップを形成する。定着ローラー対143は、回転することにより、定着ニップに進入した用紙Pを搬送しつつ、用紙Pに転写されたトナー像を用紙Pに定着させる。定着ニップを抜けた用紙Pは排出トレイETに排出される。
【0028】
図1に戻り、画像形成装置1は、操作パネル15を備える。操作パネル15は、タッチスクリーンを含む。タッチスクリーンは、画面を表示する。タッチスクリーンは、ユーザーからタッチ操作を受け付ける。操作パネル15には、スタートボタンなど複数のハードウェアボタンが設けられる。スタートボタンは、ジョブの実行要求をユーザーから受け付けるボタンである。スタートボタンを操作することにより、後述する自動記入ジョブの実行を要求できる。
【0029】
操作パネル15は、制御部11に接続される。制御部11は、操作パネル15の表示動作を制御する。また、制御部11は、操作パネル15に対して行われた操作を検知する。
【0030】
画像形成装置1は、通信部16を備える。通信部16は、通信回路を含む。通信部16は、LAN、インターネットおよび公衆電話回線などのネットワークNTに接続される。ネットワークNTには、個人情報サーバー2および権限管理サーバー3が通信可能に接続される。画像形成装置1、個人情報サーバー2および権限管理サーバー3によって画像処理システム10が構成される。
【0031】
制御部11は、通信部16を用いて、個人情報サーバー2および権限管理サーバー3にアクセスする。そして、制御部11は、個人情報サーバー2への情報の書き込みおよび個人情報サーバー2からの情報の読み出しを行う。また、制御部11は、権限管理サーバー3への情報の書き込みおよび権限管理サーバー3からの情報の読み出しを行う。
【0032】
<自動記入機能の概要>
画像形成装置1には、自動記入機能が搭載される。言い換えると、画像形成装置1は、自動記入機能に関するジョブ(以下、自動記入ジョブと称する)の実行が可能である。ここで、図3を参照し、自動記入機能の概要を説明する。
【0033】
自動記入ジョブの実行に際し、自動記入機能を利用するユーザーは、記入欄EFを有するシートSを読取対象Dとして準備する。なお、記入欄EFは未記入(空欄)である。シートSには、個人情報が記入される。たとえば、シートSは、会社の所定部署(人事部など)に提出する書類である。
【0034】
シートSは、記入欄EFを複数有する。なお、記入欄EFが1つでもよい。記入欄F1には、名前が記入される。記入欄F2には、住所が記入される。記入欄F3には、電話番号が記入される。記入欄F4には、生年月日が記入される。記入欄F5には、性別が記入される。
【0035】
シートSの記入欄F5には、チェックボックスSC1およびSC2が配される。シートSの提出者が男性の場合にはチェックボックスSC1にチェック記号が記入される。シートSの提出者が女性の場合にはチェックボックスSC2にチェック記号が記入される。記入欄F1、F2、F3、F4およびF5に記入される各情報は、個人情報である。
【0036】
また、シートSは、記入欄EFとして日付欄DFを有する。日付欄DFには、提出日などが記入される。すなわち、日付欄DFに記入される情報は、個人情報ではない。
【0037】
図3に示すシートSは、実際の申請書を簡略化したものである。実際の申請書には、説明文など種々の情報が記載される。また、シートSの種類に応じて、シートSのレイアウトは変わる。記入欄EFの個数および記入欄EFに記入すべき情報も変わる。
【0038】
自動記入機能を利用するユーザーは、シートSを読取対象Dとして画像形成装置1にセットする。そして、ユーザーは、操作パネル15に対して、自動記入ジョブの実行を要求する。これにより、自動記入ジョブが開始される。
【0039】
なお、操作パネル15は、自動記入機能の有効無効の設定をユーザーから受け付ける。そして、操作パネル15は、自動記入機能が有効に設定された状態でのスタートボタンに対する操作を自動記入ジョブの実行要求として受け付ける。操作パネル15が自動記入ジョブの実行要求を受け付けると、制御部11は、自動記入ジョブを開始する。
【0040】
自動記入ジョブの実行要求を受け付けると、制御部11は、記入欄EFが未記入のシートS(図3上図参照)の読み取りを読取部13に行わせる。また、制御部11は、記入欄EFに個人情報が記入された記入済みシートFS(図3下図参照)の出力データを生成する。そして、制御部11は、出力データに基づく印刷を印刷部14に行わせる。印刷部14は、記入済みシートFSの印刷し出力する。
【0041】
<個人情報の登録>
操作パネル15は、各ユーザーから、個人情報の通常登録の要求を受け付ける。個人情報は、名前、住所、電話番号、生年月日および性別などである。すなわち、個人情報は、複数の項目(名前、住所、電話番号、生年月日および性別など)に分類される。
【0042】
たとえば、図示しないが、個人情報の通常登録の要求を受け付けると、操作パネル15は、通常登録画面を表示する。通常登録画面には、個人情報の複数の項目にそれぞれ対応する複数の入力欄が配される。いずれかの入力欄に対してタッチ操作を受けると、操作パネル15は、ソフトウェアキーボードを表示し、タッチ操作を受けた入力欄に対応する情報の入力を受け付ける。ユーザーは、ソフトウェアキーボードを操作し、個人情報を入力する。
【0043】
制御部11は、個人情報の通常登録を要求したユーザーを認識する。制御部11は、通常登録の要求受付時に画像形成装置1にログインしていたユーザーを通常登録の要求ユーザーと認識する。また、制御部11は、通常登録画面に入力された情報を通常登録の要求ユーザーの個人情報として認識する。
【0044】
そして、制御部11は、通常登録画面に入力された個人情報を通常登録の要求ユーザーと対応付けて登録する。このとき、制御部11は、個人情報サーバー2にアクセスする。そして、制御部11は、通常登録の要求ユーザーの個人情報を個人情報サーバー2に記憶させる。なお、ユーザー端末(パーソナルコンピューターおよびスマートフォンなど)から個人情報サーバー2へのアクセスが可能であれば、個人情報の登録がユーザー端末で行えてもよい。
【0045】
ここで、操作パネル15は、スキャン登録の要求をユーザーから受け付ける。スキャン登録では、本人確認書類(免許証およびパスポートなど)をスキャンするだけで、個人情報を登録できる。たとえば、スキャン登録の要求を受け付けると、操作パネル15は、本人確認書類を読取対象Dとしてセットしスタートボタンを押すよう促すメッセージ(図示せず)を表示する。これにより、読取部13に本人確認書類がセットされ、操作パネル15のスタートボタンが操作される。
【0046】
制御部11は、個人情報のスキャン登録を要求したユーザーを認識する。そして、制御部11は、本人確認書類の読み取りを読取部13に行わせる。なお、スキャン登録の要求ユーザーは「登録要求ユーザー」に相当する。
【0047】
制御部11は、本人確認書類の読み取りで得られた読取データ(画像データ)を取得する。そして、制御部11は、本人確認書類の読取データに対してOCR処理を行う。また、制御部11は、OCR処理によって抽出したテキストデータを対象に自然言語処理を行う。これにより、制御部11は、読取部13が読み取った本人確認書類に記載の個人情報を認識する。
【0048】
そして、制御部11は、読取部13が読み取った本人確認書類に記載の個人情報をスキャン登録の要求ユーザーの個人情報として登録する。具体的には、制御部11は、個人情報サーバー2にアクセスして、読取部13が読み取った本人確認書類に記載の個人情報とスキャン登録の要求ユーザーと対応付けて個人情報サーバー2に記憶させる。
【0049】
なお、個人情報が記憶部12に記憶されてもよい。この場合、個人情報サーバー2を省略してもよい。
【0050】
ここで、スキャン登録の要求ユーザーが過去にも個人情報の登録(当該登録は通常登録でもよいしスキャン登録でもよい)を行っている場合がある。すなわち、スキャン登録の要求ユーザーが過去に登録した個人情報が個人情報サーバー2に記憶されている場合がある。ここでは、読取部13が今回読み取った本人確認書類に記載の個人情報を最新情報と称し、スキャン登録の要求ユーザーが過去に登録した個人情報(個人情報サーバー2に既に記憶されている個人情報)を既存情報と称する。
【0051】
既存情報が存在する場合、制御部11は、最新情報と既存情報とを比較する。そして、最新情報と既存情報とが異なるとき、制御部11は、個人情報を更新するか否かの受け付けを操作パネル15に行わせる。
【0052】
個人情報を更新する旨を操作パネル15が受け付けた場合、制御部11は、最新情報に基づき、スキャン登録の要求ユーザーの個人情報を更新する。個人情報を更新しない旨を操作パネル15が受け付けた場合、制御部11は、スキャン登録の要求ユーザーの個人情報を更新しない。
【0053】
たとえば、最新情報と既存情報との間で、複数の項目のうち或る項目の情報が異なる場合、制御部11は、最新情報と既存情報との間で情報が異なる項目を不一致項目と認識する。そして、制御部11は、登録済みの個人情報のうち不一致項目の情報を最新情報に基づき変更する。
【0054】
また、制御部11は、最新情報には存在し既存情報には存在しない項目を新規項目と認識する。そして、制御部11は、登録済みの個人情報に新規項目の情報を追加する。
【0055】
たとえば、操作パネル15は、図4に示すような確認画面200を表示し、登録済みの個人情報を更新するか否かをスキャン登録の要求ユーザーから受け付ける。確認画面200は、更新ボタンB201およびキャンセルボタンB202が配される。更新ボタンB201に対する操作を検知した場合、制御部11は、登録済みの個人情報を更新する旨を操作パネル15が受け付けたと判断する。キャンセルボタンB202に対する操作を検知した場合、制御部11は、登録済みの個人情報を更新しない旨を操作パネル15が受け付けたと判断する。
【0056】
また、確認画面200には、項目ボタンB200が配される。項目ボタンB200は、不一致項目に対応する項目ボタンB211および新規項目に対応する項目ボタンB212を含む。図4に示す例では、項目「Address」が不一致項目に相当し、項目「Email Address」が新規項目に相当する。
【0057】
不一致項目に対応する項目ボタンB211に対する操作を検知すると、制御部11は、図5に示すような詳細確認画面300を操作パネル15に表示させる。詳細確認画面300は、既存情報領域A1および最新情報領域A2を有する。既存情報領域A1には、既存情報のうち不一致項目の情報が表示される。最新情報領域A2には、最新情報のうち不一致項目の情報が表示される。これにより、容易に、既存情報と最新情報との違いを確認できる。
【0058】
場合によっては、不一致項目が複数出現する。この場合、図示しないが、操作パネル15は、複数の不一致項目にそれぞれ対応する複数の項目ボタンB211を配した確認画面200を表示する。そして、いずれかの項目ボタンB211に対する操作を検知すると、制御部11は、操作を受けた項目ボタンB211に対応する項目を認識し、当該認識した項目に対応する詳細確認画面300を操作パネル15に表示させる。
【0059】
図5に示す詳細確認画面300は、項目「Address」に対応する。仮に、項目「Address」に加え、項目「Name」が不一致項目として存在すれば、項目「Address」および「Name」にそれぞれ対応する2つの項目ボタンB211が確認画面200に配される。そして、項目「Name」に対応する項目ボタンB211が操作されると、詳細確認画面300として項目「Name」に対応する画面が表示される。
【0060】
なお、新規項目が複数出現した場合にも、複数の新規項目にそれぞれ対応する複数の項目ボタン212が確認画面200に配される。
【0061】
詳細確認画面300の最新情報領域A2には、編集ボタンEBが配される。編集ボタンEBに対する操作を受け付けると、図示しないが、操作パネル15は、ソフトウェアキーボードを表示する。そして、操作パネル15は、最新情報のうち不一致項目の情報を編集する操作(ソフトウェアキーボードに対する操作)を受け付ける。すなわち、最新情報領域A2に表示されている情報を編集できる。そして、編集後の情報を登録できる。
【0062】
詳細確認画面300には、確定ボタンB301および戻るボタンB302が配される。確定ボタンB301に対する操作を検知すると、制御部11は、詳細確認画面300での編集を確定する。戻るボタンB302に対する操作を検知すると、制御部11は、操作パネル15に確認画面200を表示させる。
【0063】
確認画面200の新規項目に対応する項目ボタンB212に対する操作を検知すると、制御部11は、図示しないが、新規項目に対応する詳細確認画面を操作パネル15に表示させる。新規項目の詳細確認画面には、最新情報のうち新規項目の情報が表示される。新規項目の詳細確認画面では、図5に示す不一致項目の詳細確認画面300と同様、編集操作の受け付けが行われる。また、新規項目の詳細確認画面には、確定ボタンB301と同様のボタンおよび戻るボタンB302と同様のボタンが配される。
【0064】
確認画面200には、削除ボタンDBが配される。たとえば、削除ボタンDBに対する操作を検知すると、制御部11は、削除モードに移行する。そして、削除モードに移行した状態で、いずれかの項目ボタンB200に対する操作を検知すると、制御部11は、操作された項目ボタンB200に対応する項目を削除対象と認識し、削除対象の項目に対応する情報を削除する。
【0065】
一例として、削除モードへの移行後、項目「Address」に対応する項目ボタンB211を操作すると、当該項目ボタンB211が消える。この状態で更新ボタンB201を操作すると、個人情報としての項目「Address」の情報は変更されない。この例では、登録済みの個人情報に項目「Email Address」の情報を追加する処理だけが行われる。
【0066】
別の例として、削除モードへの移行後、項目「Email Address」に対応する項目ボタンB212を操作すると、当該項目ボタンB212が消える。この状態で更新ボタンB201を操作すると、個人情報としての項目「Address」の情報は変更されるが、項目「Email Address」の情報は追加されない。
【0067】
すなわち、操作パネル15は、確認画面200を表示し、変更する情報の指定をユーザーから受け付ける。また、操作パネル15は、確認画面200を表示し、追加する情報の指定をユーザーから受け付ける。
【0068】
<許可ユーザーの登録>
操作パネル15は、個人情報を登録したユーザー(以下、登録済みユーザーと称する)から、自身の個人情報へのアクセスを許可するユーザー(以下、許可ユーザーと称する)の登録を受け付ける。許可ユーザーは、登録済みユーザーから、個人情報を閲覧したり出力(印刷)したりすることを許可されたユーザーである。
【0069】
たとえば、許可ユーザーの登録受付を操作パネル15に行わせるとき、制御部11は、ユーザー名が選択肢としてリストアップされたユーザーリスト(図示せず)を生成する。そして、制御部11は、操作パネル15にユーザーリストを表示させる。操作パネル15は、ユーザーリストからユーザーを選択する操作(たとえば、リストアップされたユーザー名の表示領域をタッチする操作)を受け付ける。制御部11は、選択されたユーザーを許可ユーザーと認識する。ユーザーリストから一人だけ選択される場合もあれば複数人選択される場合もある。
【0070】
制御部11は、許可ユーザーと当該許可ユーザーを選択した登録済みユーザー(許可ユーザーの登録受付時に画像形成装置1にログインしていたユーザー)とを対応付けた権限情報を生成する。そして、制御部11は、権限管理サーバー3にアクセスして、権限管理サーバー3に権限情報を記憶させる。
【0071】
制御部11は、登録済みユーザーごとに権限情報を生成し、権限管理サーバー3に記憶させる。そして、許可ユーザーの登録を操作パネル15が受け付けると、制御部11は、今回登録を行った登録済みユーザーの権限情報に今回登録された許可ユーザーの情報を含める。
【0072】
ここで、ユーザーの所属グループおよび役割に応じて、当該ユーザーがアクセスできる個人情報が変わる。そこで、各ユーザーの権限情報には、対応するユーザーの所属グループおよび役割を示す情報がさらに含められる。たとえば、会社組織では、部署がグループに相当する。また、役職が役割に相当する。
【0073】
なお、権限情報が記憶部12に記憶されてもよい。この場合、権限管理サーバー3を省略してもよい。
【0074】
<自動記入ジョブの流れ>
以下に、図6に示すフローチャートを参照し、自動記入ジョブの実行時に制御部11が行う処理の流れを説明する。
【0075】
図6に示すフローのスタート時点では、記入欄EFが未記入のシートS(図3上図参照)が読取対象Dとして読取部13にセットされているとする。そして、自動記入ジョブの実行要求を受け付けた(操作パネル15のスタートボタンが操作された)と制御部11が判断したとき、図6に示すフローがスタートする。
【0076】
ステップS1において、制御部11は、画像形成装置1に現在ログインしているユーザー(以下、ログインユーザーと称する)を認識する。制御部11は、ログインユーザーを自動記入ジョブの実行を要求したジョブ要求ユーザーとして認識する。
【0077】
ここで、自動記入ジョブでは、ジョブ要求ユーザーは他の登録済みユーザーの個人情報を印刷出力できる。したがって、ジョブ要求ユーザーは他の登録済みユーザーの個人情報を知ることができる。しかし、画像形成装置1で自動記入ジョブを実行するには、画像形成装置1へのログインが必要である。すなわち、画像形成装置1にログインできない第3者は、画像形成装置1で自動記入ジョブを実行できない。これにより、第3者に個人情報が漏洩することはない。
【0078】
ステップS2において、制御部11は、候補を設定する候補設定処理を行う。候補設定処理を行うとき、制御部11は、権限管理サーバー3と通信し、登録済みユーザーの権限情報を確認する。そして、制御部11は、ジョブ要求ユーザーを許可ユーザーとして登録した登録済みユーザーを認識し、当該登録済みユーザーを候補に設定する。
【0079】
また、制御部11は、権限管理サーバー3と通信し、ジョブ要求ユーザーの権限情報を確認する。すなわち、制御部11は、ジョブ要求ユーザーが所属するグループを認識するとともに、ジョブ要求ユーザーの役割を認識する。そして、制御部11は、ジョブ要求ユーザーの役割が所定の役割であるか否かを判断する。ここでは、たとえば、ジョブ要求ユーザーが所属グループの管理者であるか否かが判断される。すなわち、所定の役割は管理職である。なお、所定の役割は任意に変更可能である。
【0080】
ジョブ要求ユーザーの役割が所定の役割であると判断した場合、制御部11は、ジョブ要求と同じグループに所属する登録済みユーザーを認識する。そして、制御部11は、ジョブ要求ユーザーを許可ユーザーとして登録しているか否かにかかわらず、ジョブ要求ユーザーと同じグループに所属する全ての登録済みユーザーを候補に設定する。
【0081】
すなわち、ジョブ要求ユーザーを許可ユーザーとして登録した登録済みユーザーは、ジョブ要求ユーザーと同じグループに所属していなくても、候補に設定される。また、所定の役割を有するジョブ要求ユーザーと同じグループに所属する登録済みユーザーは、ジョブ要求ユーザーを許可ユーザーとして登録していなくても、候補に設定される。
【0082】
また、制御部11は、ジョブ要求ユーザーを候補に設定する。
【0083】
ここで、候補設定処理について、図7を参照して説明する。以下の説明では、或る会社組織にグループG1が存在するとする。また、グループG1内にグループG11およびG12が存在するとする。
【0084】
また、グループG1の管理を担うユーザー(所定の役割を有するユーザー)に符号DMを付す。ユーザーDMは、グループG1に所属する。
【0085】
また、グループG11に所属しグループG11の管理を担うユーザー(所定の役割を有するユーザー)に符号M1を付す。また、グループG11に所属する一般ユーザーに符号N1を付す。
【0086】
また、グループG12に所属しグループG12の管理を担うユーザー(所定の役割を有するユーザー)に符号M2を付す。また、グループG12に所属する一般ユーザーに符号N2を付す。
【0087】
まず、一例として、ユーザーDMがジョブ要求ユーザーであるとする。ユーザーDMの役割は所定の役割(グループG1の管理者)であり、ユーザーDMの所属グループはグループG1である。このため、ユーザーM1、M2、N1およびN2がそれぞれ候補に設定される。また、ユーザーDMも候補に設定される。すなわち、ユーザーDMと同じグループG1に所属する全てのユーザーが候補に設定される。
【0088】
また、別の例として、ユーザーM1がジョブ要求ユーザーであるとする。ユーザーM1の役割は所定の役割(グループG11の管理者)であり、ユーザーM1の所属グループはグループG11である。このため、ユーザーN1が候補に設定される。また、ユーザーM1も候補に設定される。すなわち、ユーザーM1と同じグループG11に所属する全てのユーザーが候補に設定される。一方で、ユーザーDM、M2およびN2は、グループG11に所属していないので、候補に設定されない。
【0089】
また、別の例として、グループG11に所属し所定の役割を有するユーザーM1がジョブ要求ユーザーであるとする。また、グループG12に所属する或る一般ユーザーN2(当該一般ユーザーに符号N20を付す)がユーザーM1を許可ユーザーとして登録しているとする。この例では、ユーザーN1に加え、ユーザーN20も候補に設定される。仮に、ユーザーM2もユーザーM1を許可ユーザーとして登録していれば、ユーザーM2も候補に設定される。
【0090】
また、別の例として、グループG11に所属する或る一般ユーザーN1(当該一般ユーザーに符号N10を付す)がジョブ要求ユーザーであるとする。ここで、ユーザーN10は、一般ユーザーであり、所定の役割を有しない。このため、ユーザーN10だけが候補に設定される。
【0091】
また、別の例として、ユーザーN10がジョブ要求ユーザーであるとする。さらに、グループG11のうち、ユーザーM1がユーザーN10を許可ユーザーとして登録しているとする。また、或る一般ユーザーN1(当該一般ユーザーに符号N100を付す)がユーザーN10を許可ユーザーとして登録しているとする。この場合には、ユーザーN10に加え、ユーザーM1およびN100が候補に設定される。
【0092】
また、別の例として、ユーザーN10がジョブ要求ユーザーであるとする。また、ユーザーN20がユーザーN10を許可ユーザーとして登録しているとする。この場合には、ユーザーN10はユーザーN20とは所属グループが異なるが、ユーザーN10に加え、ユーザーN20が候補に設定される。仮に、ユーザーM2がユーザーN10を許可ユーザーとして登録していれば、ユーザーM2も候補に設定される。
【0093】
図6に戻り、候補設定処理後、ステップS3において、制御部11は、指定受付処理を行う。具体的には、制御部11は、候補に設定したいずれかの登録済みユーザーの指定の受け付けを操作パネル15に行わせる。このとき、操作パネル15は、図8に示すような第1設定画面410表示する。なお、第1設定画面410の下位階層には、第2設定画面420(図9参照)、第3設定画面430(図10参照)、第4設定画面440(図11参照)および第5設定画面450(図12参照)がある。第1~第5設定画面410~450では、ジョブ要求ユーザーから、いずれかの登録済みユーザーを指定する操作の受け付けが行われる。
【0094】
ここで、自動記入ジョブでは、制御部11は、指定されたユーザーを対象ユーザーとして認識し、対象ユーザーの個人情報を記入欄EFに埋め込む。すなわち、第1~第5設定画面410~450では、ジョブ要求ユーザーから、誰の個人情報を記入欄EFに埋め込むかを設定する操作の受け付けが行われる。
【0095】
図8に示すように、第1設定画面410には、ボタンB11が配される。ボタンB11は、ジョブ要求ユーザーを指定する旨を受け付けるためのボタンである。なお、ボタンB11は、第1設定画面410に必ず配される。
【0096】
ボタンB11に対する操作を検知すると、制御部11は、ジョブ要求ユーザーが自身を指定した(ジョブ要求ユーザーが指定された)と判断する。この場合、制御部11は、ジョブ要求ユーザーを対象ユーザーとして認識する。
【0097】
また、ボタンB11に対する操作を検知すると、制御部11は、図13に示すようなダイアログボックス400を操作パネル15に表示させる。ダイアログボックス400は、Yesボタン401およびNoボタン402を含む。
【0098】
Yesボタン401に対する操作を検知すると、制御部11は、指定受付処理を終了する。言い換えると、制御部11は、次のステップに進む(自動記入ジョブを続行する)。たとえば、ボタンB11が操作され、その後、他の操作が行われずにYesボタン401が操作された場合、対象ユーザーはジョブ要求ユーザーだけとなる。
【0099】
Noボタン402に対する操作を検知すると、制御部11は、指定受付処理を終了しない。ボタンB11を操作したことによってダイアログボックス400が表示された後、他の登録済みユーザーをさらに指定したい場合には、Noボタン402を操作すればよい。
【0100】
また、図8に示すように、第1設定画面410には、ボタンB11に加え、ボタンB12が配される場合がある。ボタンB12は、ジョブ要求ユーザー以外の登録済みユーザーを指定する旨を受け付けるためのボタンである。
【0101】
たとえば、図7に示した例において、ユーザーDM、M1およびM2のいずれかがジョブ要求ユーザーである場合には、ボタンB12が表示される。すなわち、ユーザーDM、M1およびM2は、それぞれ、自身以外の登録済みユーザーを指定できる。
【0102】
また、一般ユーザーがジョブ要求ユーザーであっても、一般ユーザーが許可ユーザーとして登録されていれば、ボタンB12が表示される。たとえば、一般ユーザーであるユーザーN10が許可ユーザーとして登録されているとする。この例では、ユーザーN10は一般ユーザーであるが、ユーザーN10がジョブ要求ユーザーである場合には、ボタンB12が表示される。すなわち、ユーザーN10は、自身以外の登録済みユーザーを指定できる。
【0103】
ジョブ要求ユーザーが一般ユーザーであり、かつ、ジョブ要求ユーザーが許可ユーザーとして登録されていない場合には、ボタンB12は表示されない。この場合、ジョブ要求ユーザーは、自身以外の登録済みユーザーを指定できない。
【0104】
第1設定画面410のボタンB12に対する操作を検知すると、制御部11は、第2設定画面420(図9参照)を操作パネル15に表示させる。第2設定画面420には、ボタンB21およびB22のうち少なくとも一方が配される。図9には、一例として、ボタンB21およびB22の両方が配された第2設定画面420を図示する。
【0105】
所定の役割を有する登録済みユーザー(管理ユーザー)がジョブ要求ユーザーである場合、ボタンB21が表示される。また、許可ユーザーとして登録されている登録済みユーザーがジョブ要求ユーザーである場合、ボタンB22が表示される。ジョブ要求ユーザーが所定の役割を有し、かつ、許可ユーザーとして登録されている場合、ボタンB21およびB22の両方が表示される。
【0106】
たとえば、図7に示す例において、ジョブ要求ユーザーがユーザーM1である場合、少なくともボタンB21が表示される。加えて、ユーザーM1が許可ユーザーとして登録されていれば、ボタンB22も表示される。ユーザーM1が許可ユーザーとして登録されていなければ、ボタンB21だけが表示される。
【0107】
一方で、一般ユーザーがジョブ要求ユーザーである場合には、ボタンB21は表示されない。許可ユーザーとして登録されている一般ユーザーがジョブ要求ユーザーであれば、ボタンB22が表示される。たとえば、一般ユーザーであるユーザーN10は、許可ユーザーとして登録されている。このため、ユーザーN10がジョブ要求ユーザーである場合には、ボタンB22だけが表示される。
【0108】
第2設定画面420のボタンB21に対する操作を検知した場合、制御部11は、第3設定画面430(図10参照)を操作パネル15に表示させる。第3設定画面430には、ボタンB30が配される。ボタンB30の個数は、ジョブ要求ユーザーが管理するグループ数によって変わる。たとえば、図7に示す例において、ユーザーDMがジョブ要求ユーザーであったとする。この場合、図10に示す第3設定画面430が表示される。
【0109】
ユーザーDMがジョブ要求ユーザーである場合には、グループG1に対応するボタンB30(符号B31を付す)およびグループG2に対応するボタンB30(符号B32を付す)が配される。図示しないが、ユーザーM1がジョブ要求ユーザーである場合には、ボタンB31だけが表示される。ユーザーM2がジョブ要求ユーザーである場合には、ボタンB32だけが表示される。
【0110】
すなわち、ジョブ要求ユーザー(所定の役割を有するユーザー)が管理するグループに対応するボタンB30が表示される。ジョブ要求ユーザーが複数のグループを管理している場合には、当該複数のグループにそれぞれ対応する複数のボタンB30が表示される。ジョブ要求ユーザーが1つのグループを管理している場合には、当該1つのグループに対応するボタンB30が表示される。
【0111】
ボタンB30に対する操作を検知した場合、制御部11は、操作されたボタンB30のチェックボックスC3にチェックを入れる処理を操作パネル15に行わせる。チェックボックスC3にチェックが入ったボタンB30に対する操作を検知すると、制御部11は、当該ボタンB30のチェックボックスC3からチェックを外す処理を操作パネル15に行わせる。
【0112】
制御部11は、チェックボックスC3にチェックが入ったボタンB30に対応するグループを対象グループとして認識する。そして、チェックボックスC3にチェックが入った状態で、第3設定画面430に配されたボタンB300に対する操作を検知すると、制御部11は、対象グループに所属する全ての登録済みユーザーが指定されたと判断する。すなわち、制御部11は、対象グループに所属する全ての登録済みユーザーを対象ユーザーとして認識する。
【0113】
なお、チェックボックスC3にチェックが入ったボタンB30に対して所定操作(たとえば、長押し操作)が行われたことを検知すると、制御部11は、第4設定画面440(図11参照)を操作パネル15に表示させる。第4設定画面440には、対象グループに所属する登録済みユーザーのユーザー名がリストアップされる。各ユーザー名には、チェックボックスC4が付される。
【0114】
チェックが入ったチェックボックスC4に対する操作を検知した場合、制御部11は、操作されたチェックボックスC4からチェックを外す処理を操作パネル15に行わせる。チェックが入っていないチェックボックスC4に対する操作を検知した場合、制御部11は、操作されたチェックボックスC4にチェックを入れる処理を操作パネル15に行わせる。また、第4設定画面440に配されたボタンB400に対する操作を検知すると、制御部11は、第3設定画面430を操作パネル15に表示させる。
【0115】
その後、第3設定画面430のボタンB300に対する操作を検知すると、制御部11は、対象グループのうち、対応するチェックボックスC4にチェックが入った登録済みユーザーが指定されたと判断し、当該登録済みユーザーを対象ユーザーとして認識する。すなわち、第4設定画面440では、登録済みユーザーの指定解除を選択的に行える。第3設定画面430でグループを指定した時点では、対象グループに所属する全ての登録済みユーザーが指定された状態となっているので、対象グループに所属する全ての登録済みユーザーを指定したい場合には、第4設定画面440での設定は不要である。
【0116】
第3設定画面430のボタンB300に対する操作を検知すると、制御部11は、ダイアログボックス400(図13参照)を操作パネル15に表示させる。すなわち、制御部11は、指定受付処理を終了するか否かの受け付けを操作パネル15に行わせる。
【0117】
また、第2設定画面420(図9参照)のボタンB22に対する操作を検知した場合、制御部11は、ジョブ要求ユーザーを許可ユーザーとして登録している登録済みユーザーを認識する。そして、制御部11は、第5設定画面450(図12参照)を操作パネル15に表示させる。第5設定画面450には、ジョブ要求ユーザーを許可ユーザーとして登録している登録済みユーザーのユーザー名がリストアップされる。各ユーザー名には、チェックボックスC5が付される。
【0118】
チェックが入ったチェックボックスC5に対する操作を検知した場合、制御部11は、操作されたチェックボックスC5からチェックを外す処理を操作パネル15に行わせる。チェックが入っていないチェックボックスC5に対する操作を検知した場合、制御部11は、操作されたチェックボックスC5にチェックを入れる処理を操作パネル15に行わせる。
【0119】
第5設定画面450のボタンB500に対する操作を検知すると、制御部11は、対応するチェックボックスC5にチェックが入った登録済みユーザーが指定されたと判断する。すなわち、制御部11は、対応するチェックボックスC5にチェックが入った登録済みユーザーを対象ユーザーとして認識する。
【0120】
また、ボタンB500に対する操作を検知すると、制御部11は、ダイアログボックス400(図13参照)を操作パネル15に表示させる。すなわち、制御部11は、指定受付処理を終了するか否かの受け付けを操作パネル15に行わせる。
【0121】
たとえば、図7に示す例において、ジョブ要求ユーザーがユーザーDMであるとする。また、ユーザーDMはユーザーN10を指定しようとしているとする。
【0122】
この場合、ユーザーDMは、まず、第1設定画面410(図8参照)を操作パネル15に表示させる。ユーザーDMがジョブ要求ユーザーである場合には、ボタンB11およびB12の両方が表示される。
【0123】
第1設定画面410が表示されると、ユーザーDMは、ボタンB12を操作する。これにより、操作パネル15に第2設定画面420(図9参照)が表示される。ユーザーDMがジョブ要求ユーザーである場合には、ボタンB21が必ず表示される。ユーザーDMが許可ユーザーとして登録されていれば、ボタンB22も表示される。
【0124】
第2設定画面420が表示されると、ユーザーDMは、ボタンB21を操作する。これにより、第3設定画面430(図10参照)が表示される。ユーザーDMがジョブ要求ユーザーである場合には、グループG1に対応するボタンB31およびグループG2に対応するボタンB32が表示される。
【0125】
ここで、ユーザーN10の所属はグループG1である。したがって、ユーザーDMは、グループG1に対応するボタンB31を操作する。これにより、第4設定画面440(図11参照)が表示される。
【0126】
第4設定画面440には、グループG1に所属する登録済みユーザーのユーザー名がリストアップされる。ユーザーDMは、少なくともユーザーN10に対応するチェックボックスC4にチェックが入った状態にする。ユーザーN10だけを指定したい場合には、他の全てのチェックボックスC4からチェックを外せばよい。
【0127】
その後、ユーザーDMは、第4設定画面440のボタンB400を操作する。これにより、ユーザーN10が指定された状態となる。このとき、ダイアログボックス400(図13参照)が表示されるが、他の登録済みユーザーを指定しないのであれば、Yesボタン401を操作すればよい。
【0128】
なお、制御部11は、個人情報サーバー2と通信する。そして、制御部11は、対象ユーザーの個人情報を認識する。
【0129】
図6に戻り、指定受付処理後、ステップS4に移行する。言い換えると、ダイアログボックス400のYesボタン401に対して操作が行われると、ステップS4に移行する。ステップS4に移行すると、制御部11は、シートSの読み取りを読取部13に行わせる。
【0130】
ステップS5において、制御部11は、読取部13によるシートSの読み取りで得られた読取データ(シートSの画像データ)を取得する。そして、制御部11は、出力データ生成処理を行う。出力データ生成処理では、シートSの記入欄EFに対象ユーザーの個人情報が記入された記入済みシートFSの出力データが生成される。以下、出力データ生成処理の一例を説明する。
【0131】
制御部11は、読取データ(画像データ)の左上の隅を原点(0,0)とする座標系において、読取データに存在する空欄領域(空白領域を区画する罫線)の位置を認識する。また、制御部11は、読取データに対してOCR処理を行う。また、制御部11は、OCR処理によって抽出したテキストデータを対象に自然言語処理を行う。これにより、制御部11は、記入欄EFに対応する領域(個人情報を記入すべき領域)の位置を検出する。また、制御部11は、空欄領域に記入すべき個人情報の項目を認識する、たとえば、「Name」というテキストが付された空欄領域が記入欄EFの対応領域として検出された場合、当該空欄領域に対応する個人情報の項目が「Name」と認識される。
【0132】
また、制御部11は、読取データに存在するチェックボックスの位置を認識する。記入欄EFに対応する空欄領域にチェックボックスが存在する場合、制御部11は、当該空欄領域に記入すべき情報がチェック記号であると認識する。
【0133】
また、図14に示すように、制御部11は、読取部13によるシートSの読み取りで得られた読取データ(画像データ)を第1データD1に設定する。さらに、制御部11は、第1データD1から、記入欄EFの対応領域を抽出し、当該抽出したデータを第2データD2に設定する。そして、制御部11は、対象ユーザーの個人情報を第2データD2に埋め込む。
【0134】
具体的には、読取部13が読み取ったシートSは、名前を記入すべき記入欄F1、住所を記入すべき記入欄F2、電話番号を記入すべき記入欄F3、生年月日を記入すべき記入欄F4、および、性別(チェック記号)を記入すべき記入欄F5を有する。
【0135】
このため、制御部11は、読取データから、記入欄F1~F5にそれぞれ対応する5つの空欄領域を検出する。また、制御部11は、各空欄領域に記入すべき個人情報の項目を認識する。なお、図14では、記入欄F1に対応する空欄領域に符号F10を付し、記入欄F2に対応する空欄領域に符号F20を付し、記入欄F3に対応する空欄領域に符号F30を付し、記入欄F4に対応する空欄領域に符号F40を付し、記入欄F5に対応する空欄領域に符号F50を付す。後の説明で参照する図15も同様である。
【0136】
そして、制御部11は、対象ユーザーの個人情報(名前、住所、電話番号、生年月日および性別)を第2データD2に埋め込む。具体的には、図15上図に示すように、制御部11は、対象ユーザーの名前を空欄領域F10に埋め込み、対象ユーザーの住所を空欄領域F20に埋め込み、対象ユーザーの電話番号を空欄領域F30に埋め込み、対象ユーザーの生年月日を空欄領域F40に埋め込む。
【0137】
なお、記入欄F5には、チェックボックスSC1およびSC2が存在する。このため、制御部11は、対象ユーザーが男性であれば、空欄領域F50のうちチェックボックスSC1に対応する位置にチェック記号を埋め込む(図15上図参照)。一方で、制御部11は、対象ユーザーが女性であれば、空欄領域F50のうちチェックボックスSC2に対応する位置にチェック記号を埋め込む(図示せず)。
【0138】
ここで、制御部11は、読取部13が読み取ったシートSの読取データに基づき、記入欄EFとして日付欄DFが存在するか否かを判断する。ここで、読取部13が読み取ったシートSは、記入欄EFとして日付欄DFをさらに有する。このため、制御部11は、日付欄DFが存在すると判断する。
【0139】
読取部13が読み取ったシートSに日付欄DFが存在するとき、制御部11は、日付欄DFに記入する日付を設定するか否かの受け付けを操作パネル15に行わせる。このとき、操作パネル15は、図16に示すようなダイアログボックス500を表示し、日付を設定するか否かをジョブ要求ユーザーから受け付ける。
【0140】
ダイアログボックス500には、Yesボタン501およびNoボタン502が配される。Yesボタン501に対する操作を検知すると、制御部11は、日付を設定する旨を操作パネル15が受け付けたと判断する。Noボタン502に対する操作を検知すると、制御部11は、日付を設定しない旨を操作パネル15が受け付けたと判断する。
【0141】
日付を設定する旨を受け付けた場合、制御部11は、日付欄DFに記入すべき日付の入力の受け付けを操作パネル15に行わせる。このとき、操作パネル15は、図17に示すような日付入力画面510を表示し、ジョブ要求ユーザーから日付の入力を受け付ける。
【0142】
日付入力画面510には、日付入力欄F510が配される。また、日付入力画面510には、入力ボタンB511およびB512が配される。日付入力画面510の表示開始時点では、日付入力欄F510には現在の日付が入力された状態となっている。入力ボタンB511を操作することにより、日付入力欄F510の日付が進む。入力ボタンB512を操作することにより、日付入力欄F510の日付が戻る。なお、日付入力画面510では、年、月および日を別個に入力できる。さらに、日付入力画面510には、フォーマットボタンFBが配される。フォーマットボタンFBを操作することにより、日付フォーマットを変えることができる。
【0143】
なお、シートSに日付欄DFが存在する場合、制御部11は、読取データから、日付欄DFに対応する空欄領域を検出する。なお、図14および図15では、日付欄DFに対応する空欄領域に符号F0を付す。
【0144】
操作パネル15が日付の入力を受け付けると、制御部11は、入力された日付を認識する。そして、制御部11は、入力された日付を空欄領域F0に埋め込む。
【0145】
第2データD2の空欄領域F10~F50に個人情報を埋め込み、空欄領域F0に日付を埋め込んだ後、制御部11は、第2データD2を第1データD1に合成する。これにより、図15下図に示すように、対象ユーザーの個人情報が記入欄EF(F1~F5)に記入され、日付欄DFに日付が記入された出力データが生成される。
【0146】
なお、対象ユーザーが複数存在する場合には、対象ユーザーごとに出力データが生成される。
【0147】
図6に戻り、出力データ生成処理後、ステップS6に移行する。ステップS6に移行すると、制御部11は、出力データを出力する処理を行う。たとえば、制御部11は、出力データに基づく画像の用紙Pへの印刷を印刷部14に行わせる。すなわち、記入済みシートFSの印刷を印刷部14に行わせる。
【0148】
本実施形態の構成では、上記のように、操作パネル15は、個人情報を登録した登録済みユーザーから、自身の個人情報へのアクセスを許可する許可ユーザーの登録を受け付ける。制御部11は、自動記入ジョブを要求したジョブ要求ユーザーを認識し、ジョブ要求ユーザーを許可ユーザーとして登録した登録済みユーザーを候補に設定し、候補に設定したいずれかの登録済みユーザーの指定の受け付けを操作パネルに行わせ、指定された登録済みユーザーを対象ユーザーとして認識し、対象ユーザーの個人情報が記入欄に記入された記入済みシートFSの出力データを生成する。
【0149】
この構成では、ジョブ要求ユーザーは、自身を許可ユーザーとして登録した登録済みユーザーの個人情報にアクセスできる。すなわち、ジョブ要求ユーザーは、自身を許可ユーザーとして登録した登録済みユーザーの個人情報が記入された記入済みシートFSを出力できる。一方で、ジョブ要求ユーザーは、自身を許可ユーザーとして登録していない登録済みユーザーの個人情報が記入された記入済みシートFSを出力できない。
【0150】
これにより、登録済みユーザーは、許可ユーザーを登録しておくことにおり、許可ユーザーとは異なるユーザーによって自身の個人情報が記入された記入済みシートFSを出力されるのを抑制できる。すなわち、或るユーザーの個人情報が記入された記入済みシートFSの出力を特定のユーザーにだけ許可できる。
【0151】
また、登録済みユーザーは、ジョブ要求ユーザーから、自身の個人情報が既に記入された記入済みシートFSを受け取ることができる。これにより、登録済みユーザーからすると、登録済みの個人情報については記入しなくてもよいので、利便性が良い。
【0152】
また、本実施形態では、上記のように、ジョブ要求ユーザーの役割が所定の役割(管理職など)であるとき、制御部11は、ジョブ要求ユーザーと同じグループに所属する全ての登録済みユーザーを候補に設定する。この構成では、ジョブ要求ユーザーは、自身を許可ユーザーとして登録していない登録済みユーザーであっても、当該登録済みユーザーの個人情報が既に記入された記入済みシートFSを出力できる。これにより、ジョブ要求ユーザーの利便性が向上する。
【0153】
たとえば、会社の或る部署の部課長は、自身と同じ部署に所属する一般社員が自身を許可ユーザーとして登録していなくても、当該一般社員の個人情報が記入された記入済みシートFSを出力できる。これにより、部課長のような管理職の利便性が向上する。
【0154】
また、本実施形態では、上記のように、制御部11は、ジョブ要求ユーザーを候補に設定する。これにより、ジョブ要求ユーザーは、自身の個人情報が既に記入された記入済みシートFSを容易に得ることができる。これにより、ジョブ要求ユーザーの利便性が向上する。
【0155】
また、本実施形態では、上記のように、制御部11は、スキャン登録を要求した登録要求ユーザーの本人確認書類の読み取りを読取部13に行わせ、本人確認書類の読取データに基づき、本人確認書類に記載の個人情報を認識する。そして、制御部11は、認識した個人情報を登録要求ユーザーの個人情報として登録する。これにより、登録要求ユーザーは、自身の本人確認書類をスキャンするだけで、自身の個人情報を登録できる。これにより、個人情報の登録作業が容易になる。
【0156】
また、登録要求ユーザーが過去に登録した個人情報が存在するとき、制御部11は、読取部13が今回読み取った本人確認書類に記載の個人情報である最新情報と、登録要求ユーザーが過去に登録した個人情報である既存情報とを比較する。そして、最新情報と既存情報とが異なるとき、制御部11は、個人情報を更新するか否かの受け付けを操作パネル15に行わせる。個人情報を更新する旨を操作パネル15が受け付けた場合、制御部11は、最新情報に基づき、登録要求ユーザーの個人情報を更新する。これにより、容易に、登録済みの個人情報を更新できる。また、個人情報の更新を行うか否かの受け付けが事前に行われるので、個人情報の更新が意図せず行われるのを抑止できる。
【0157】
また、本実施形態では、上記のように、記入欄EFとして日付欄DFが存在するとき、制御部11は、日付欄DFに記入すべき日付の入力の受け付けを操作パネル15に行わせる。そして、制御部11は、入力された日付が日付欄DFに記入された記入済みシートFSの出力データを生成する。この構成では、日付欄DFに記入される日付を任意に設定できるので、ジョブ要求ユーザーの利便性が向上する。
【0158】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0159】
1 画像形成装置(画像処理装置)
2 個人情報サーバー
3 権限管理サーバー
10 画像処理システム
11 制御部
13 読取部
15 操作パネル
EF 記入欄
FS 記入済みシート
S シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17