(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】梱包資材および緩衝材
(51)【国際特許分類】
B65D 81/113 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
B65D81/113 A
(21)【出願番号】P 2020192633
(22)【出願日】2020-11-19
【審査請求日】2023-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】綱島 龍之介
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-028474(JP,U)
【文献】特開2017-149439(JP,A)
【文献】特開2004-059047(JP,A)
【文献】特開2006-321525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 57/00-59/08
B65D 81/00-81/17
B65D 5/00- 5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の内フラップおよび一対の外フラップを有し、物品を収納する外側箱体と、
前記一対の内フラップおよび前記一対の外フラップが閉じた閉止状態において、前記物品と前記一対の外フラップとの間に配置される緩衝材とを備え、
前記緩衝材は、前記閉止状態において、前記一対の外フラップの突き合わせ部分に対向しかつ前記一対の内フラップの間の部分に対向する対向領域に、前記一対の外フラップ側へ突設された保護壁を有
し、
前記緩衝材において、前記保護壁が少なくとも前記内フラップの前記対向領域の全域に配置されている、梱包資材。
【請求項2】
前記緩衝材は、前記物品の付属品を収容する、前記一対の外フラップ側に開口した複数の収容凹部を有し、
前記収容凹部は、前記保護壁を挟んで前記保護壁の両側に設けられる、請求項1に記載の梱包資材。
【請求項3】
前記緩衝材は、平面視において略長方形形状を有しており、
前記保護壁は、前記緩衝材の短辺の中央に、前記緩衝材の長辺と平行に配置される、請求項1または2に記載の梱包資材。
【請求項4】
前記緩衝材は、該緩衝材の周縁に前記一対の外フラップ側へ突設された周壁を備え、
前記保護壁の上端は、前記周壁の上端と面一
である、請求項1から3のいずれか1項に記載の梱包資材。
【請求項5】
前記緩衝材は、該緩衝材の周縁に前記一対の外フラップ側へ突設された周壁を備え、
前記保護壁の上端は、前記周壁の上端よりも高くなっている、請求項1から3のいずれか1項に記載の梱包資材。
【請求項6】
一対の内フラップおよび一対の外フラップを有し、物品を収納する外側箱体の内部に配置される緩衝材であって、
前記一対の内フラップおよび前記一対の外フラップが閉じた閉止状態において、前記物品と前記一対の外フラップとの間に配置され、
前記閉止状態において、前記一対の外フラップの突き合わせ部分に対向しかつ前記一対の内フラップの間の部分に対向する対向領域に、前記一対の外フラップ側へ突設された保護壁を有
し、
前記
保護壁が少なくとも前記内フラップの前記対向領域の全域に配置されている、緩衝材。
【請求項7】
周縁に前記一対の外フラップ側へ突設された周壁を備え、
前記保護壁の上端は、前記周壁の上端と面一である、請求項6に記載の緩衝材。
【請求項8】
周縁に前記一対の外フラップ側へ突設された周壁を備え、
前記保護壁の上端は、前記周壁の上端よりも高くなっている、請求項6に記載の緩衝材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を梱包する梱包資材に関し、より詳細には、開梱時における刃物等による物品の損傷を防止する梱包資材および緩衝材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を梱包する段ボール箱(外側箱体)では、開口部に設けられた一対の外フラップの突き合わせ部分に粘着テープを貼り付けて閉止される。この種の段ボール箱では、例えばカッター等の刃物によって粘着テープを切断して開梱されるが、刃物等を使用して段ボール箱を開梱すると、刃物等の先端が深く入り込んだ場合に物品が損傷することがある。
【0003】
このような開梱時における物品の損傷を防止するために、特許文献1には、一対の外フラップの突き合わせ部分の下方に、内フラップの一部を折り返して形成した保護板を配置する梱包資材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、一対の外フラップの突き合わせ部分の下方に支えとなるものがなく、段ボール箱天面の中央付近に外部から強い力が加えられると、段ボール箱が潰れやすくなっていた。また、段ボール箱が変形することによって、段ボール箱の積載効率が低下していた。
【0006】
本発明の一態様は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、開梱時における刃物等による物品の損傷を防止しつつ、外側箱体の潰れを低減する梱包資材および緩衝材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る梱包資材は、一対の内フラップおよび一対の外フラップを有し、物品を収納する外側箱体と、前記一対の内フラップおよび前記一対の外フラップが閉じた閉止状態において、前記物品と前記一対の外フラップとの間に配置される緩衝材とを備え、前記緩衝材は、前記閉止状態において、前記一対の外フラップの突き合わせ部分に対向しかつ前記一対の内フラップの間の部分に対向する対向領域に、前記一対の外フラップ側へ突設された保護壁を有する。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る緩衝材は、一対の内フラップおよび一対の外フラップを有し、物品を収納する外側箱体の内部に配置される緩衝材であって、前記一対の内フラップおよび前記一対の外フラップが閉じた閉止状態において、前記物品と前記一対の外フラップとの間に配置され、前記閉止状態において、前記一対の外フラップの突き合わせ部分に対向しかつ前記一対の内フラップの間の部分に対向する対向領域に、前記一対の外フラップ側へ突設された保護壁を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、開梱時における刃物等による物品の損傷を防止しつつ、外側箱体の潰れを低減する梱包資材および緩衝材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る梱包資材を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示される外側箱体の一対の外フラップおよび一対の内フラップを開いた状態を示す斜視図である。
【
図3】
図2に示される緩衝材の上面側を示す斜視図である。
【
図4】
図2に示される緩衝材の上面側を示す別の斜視図である。
【
図5】
図2に示される緩衝材の下面側を示す斜視図である。
【
図7】
図1に示される外側箱体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図7に基づいて説明する。ただし、以下の説明は本発明に係る梱包資材の一例であり、本発明の技術的範囲は図示例に限定されるものではない。
【0012】
〔梱包資材の概要〕
まず、
図1および
図2を参照して、本実施形態に係る梱包資材1の概要を説明する。
図1は、本実施形態に係る梱包資材1を示す斜視図である。
図2は、
図1に示される外側箱体2の一対の外フラップ24および一対の内フラップ23を開いた状態を示す斜視図である。
【0013】
本実施形態において、
図1に矢印を付して示す3つの方向が、上下方向A1、前後方向A2、および左右方向A3であり、これらの方向を用いて、梱包資材1について説明する。なお、
図1に示す3つの方向は、他の図面においても同様である。
【0014】
図1および
図2に示すように、梱包資材1は、物品を収納する外側箱体2と、外側箱体2の内部に配置される緩衝材3とを含む。この梱包資材1の内部には、例えば、用紙に画像を記録するためのプリンタ等の物品と、該物品の付属品等が収納される。物品がプリンタである場合、付属品としては、プリンタのマニュアル、インクカートリッジ、またはドライバソフトが記憶されたCD(コンパクトディスク)等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0015】
なお、梱包資材1は、プリンタ等の電子機器の梱包に好適に使用され得る。ただし、梱包資材1は、電子機器以外の各種物品の梱包にも使用可能である。
【0016】
外側箱体2は、例えば段ボール箱から構成される外箱である。ただし、外側箱体2は、段ボール以外の材料で構成されてもよい。外側箱体2は、上下両端に長方形形状の開口部を有する角筒状の筒状本体21と、筒状本体21の上端側の開口部22を挟んで筒状本体21の左右両端に設けられた一対の内フラップ23と、開口部22を挟んで筒状本体21の前後両端に設けられた一対の外フラップ24とを含む。
【0017】
外側箱体2は、一対の内フラップ23および一対の外フラップ24が閉じられた状態(以下、閉止状態と称する場合がある)において、左右方向A3に長尺な直方体形状を有する。閉止状態において、一対の外フラップ24は先端同士が突き合わされ、一対の内フラップ23は先端同士が離隔するように構成される。外側箱体2は、一対の外フラップ24の突き合わせ部分を覆うように粘着テープを貼り付けて閉止される。
【0018】
緩衝材3は、外側箱体2の内部に配置され、衝撃または外力等から物品を保護する。緩衝材3は、例えば発泡スチロール(ESP)から構成される。ただし、外側箱体2は、発泡スチロール以外の材料で構成されてもよい。緩衝材3は、物品上に配置され、上角部を含む物品の上部を覆う。緩衝材3は、閉止状態において、物品と一対の外フラップ24との間に配置され、物品によって下方から支持される。
【0019】
本実施形態に係る梱包資材1は、閉止状態において、一対の外フラップ24の突き合わせ部分に対向し、かつ一対の内フラップ23の間の部分に対向する緩衝材3の対向領域Rに、一対の外フラップ側(上側)23へ突設された保護壁32を有する。この対向領域Rは、刃物等によって粘着テープを切断して外側箱体2を開梱する際、刃物等の先端が深く入り込む可能性がある領域である。本実施形態に係る梱包資材1は、対向領域Rに保護壁32を有することにより、開梱時における刃物等による物品の損傷を防止しつつ、外側箱体2の潰れ(変形)を低減するものである。
【0020】
なお、梱包資材1は、物品の上部側を保護する緩衝材3とは別に、物品の下部側を保護する緩衝材をさらに含んでいてもよい。
【0021】
〔緩衝材の構成〕
次に、
図3~
図5を参照して、本実施形態に係る緩衝材3の構成を説明する。
図3は、
図2に示され緩衝材3の上面側を示す斜視図である。
図4は、
図2に示され緩衝材3の上面側を示す別の斜視図である。
図5は、
図2に示される緩衝材3の下面側を示す斜視図である。
【0022】
図3および
図4に示すように、緩衝材3は、その上面側に、周壁31、保護壁32、および仕切り壁33を有する。周壁31、保護壁32、および仕切り壁33は、各々の上端の高さが面一になるように、緩衝材3の上面側に突設される。
【0023】
周壁31は、緩衝材3の上面側の周縁に配置される環状の壁部である。この周壁31の内側に、保護壁32および仕切り壁33が配置される。保護壁32は、梱包資材1の開梱時における刃物等による物品の損傷を防止する壁部である。保護壁32は、緩衝材3の中央に、左右方向A3に延在して配置される。仕切り壁33は、後述する収容凹部34の間を仕切るための壁部である。図示の例では、仕切り壁33は、第1仕切り壁33aおよび第2仕切り壁33bを含む。第1仕切り壁33aおよび第2仕切り壁33bは、前後方向A2に延在して互いに平行に配置される。
【0024】
これらの周壁31、保護壁32、および仕切り壁33によって、物品の付属品を収容する収容凹部34が規定される。図示の例では、緩衝材3は、第1収容凹部34a、第2収容凹部34b、第3収容凹部34c、および第4収容凹部34dの合計4つの収容凹部34を含む。
【0025】
第1収容凹部34a~第4収容凹部34dは、前後方向A2の前側寄りに第1収容凹部34aが配置され、前後方向A2の後ろ側寄りに第2収容凹部34b~第4収容凹部34dが配置される。また、第2収容凹部34b~第4収容凹部34dは、左右方向A3の左側から右側へ向かってこの順に並んで配置される。
【0026】
第1収容凹部34aと第2収容凹部34bおよび第3収容凹部34cとは、保護壁32によって前後方向A2に仕切られる。また、第2収容凹部34bと第3収容凹部34cとは、第1保護壁33aによって左右方向A3に仕切られる。さらに、第3収容凹部34cと第4収容凹部34dとは、第2保護壁33bによって左右方向A3に仕切られる。
【0027】
これらの第1収容凹部34a~第4収容凹部34dには、例えばビニール袋内に包装された状態の付属品が収容される。このように、緩衝材3に収容凹部34を設けることにより、付属品を収容するためのアクセサリーシートを梱包資材1に別途設ける必要性がなくなる。従って、梱包資材1の部品数を少なくして、梱包資材1の製造コストを低減することができる。
【0028】
また、
図5に示すように、緩衝材3は、その下面側に、物品の上部を貫入させる嵌入凹部35を有する。物品の上部を嵌入凹部35に貫入させて物品の上部を緩衝材3によって覆うことにより、物品の上部が緩衝材3によって保護される。また、外側箱体2の内部に収納された物品の前後方向A2および左右方向A3の位置ずれが緩衝材3によって防止される。
【0029】
(保護壁の詳細)
次に、
図6および
図7を参照して、本実施形態に係る保護壁32の詳細を説明する。
図6は、
図2に示される緩衝材3を示す平面図である。
図7は、
図1に示される外側箱体2を示す平面図である。
【0030】
図6に示すように、緩衝材3は、平面視において、外側箱体2の開口部22の形状に対応した左右方向A3に長尺な略長方形形状を有する。このため、緩衝材3は、平面視において、前後方向A2と平行な短辺3aと、左右方向A3と平行な長辺3bとを含む。保護壁32は、緩衝材3の短辺3aの中央に、緩衝材3の長辺3bと平行に配置される。
【0031】
図7に示すように、保護壁32は、閉止状態において、一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1に対向し、かつ一対の内フラップ23の間の部分R2に対向する、緩衝材3の対向領域Rに配置される。換言すれば、保護壁32は、閉止状態において、一対の外フラップ24の先端部の突き合わせ部分R1と、一対の内フラップ23の先端部に挟まれた間の部分R2との重複部分に対向する、緩衝材3の対向領域Rに配置される。この対向領域Rは、左右方向A3に延在する一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1のうち、その下方に一対の内フラップ23が配置されない部分の下方に位置する。このため、対向領域Rには、刃物等を使用して外側箱体2を開梱する際に刃物等の先端が深く入り込む可能性がある。
【0032】
そこで、緩衝材3では、少なくとも対向領域Rに保護壁32を配置している。対向領域Rに保護壁32を配置することにより、刃物等を一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1に突き刺しつつ左右方向A3に沿って刃物等を移動させて粘着テープを切断する際、刃物等が一対の内フラップ23の間の部分R2に落ち込んで先端が深く入り込んだ場合であっても、保護壁32の上端によって刃物等が受け止められる。このため、刃物等が物品に接触せず、開梱時における刃物等による物品の損傷を保護壁32によって防止することができる。
【0033】
また、対向領域Rに保護壁32を配置することにより、付属品を収容する収容凹部34は対向領域Rに配置されず、対向領域Rを除く領域に配置されることになる。このため、開梱時に刃物等が付属品に接触せず、開梱時における刃物等による物品の損傷を防止することもできる。
【0034】
さらに、対向領域Rに保護壁32を配置することにより、一対の外フラップ24から構成される外側箱体2の天面の中央付近に外部から強い力が加えられた場合であっても、一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1の中央付近が保護壁32によって下方から支えられる。このため、外側箱体2の潰れ(変形)を保護壁32によって低減することができる。これにより、外側箱体2の変形に伴う梱包資材1の積載効率の低下を防止することができる。
【0035】
なお、保護壁32は、複数の収容凹部34の仕切りとしての機能を有することが好ましい。緩衝材3では、保護壁32を挟んで、前後方向A2の前側に第1収容凹部34aが設けられ、前後方向A2の後ろ側に第2収容凹部34bおよび第3収容凹部34cが設けられる(
図6参照)。つまり、保護壁32は、第1収容凹部34aと、第2収容凹部34bおよび第3収容凹部34cとの間の仕切りとして機能する。このように、保護壁32の厚み方向(前後方向A2)における保護壁32の両側の各々に収容凹部34が設けられ、保護壁32が隣り合う収容凹部34の仕切りとして機能することにより、緩衝材3の上面側のスペースを有効活用することができ、より多くの収容凹部34を緩衝材3に設けることができる。
【0036】
また、保護壁32は、緩衝材3の短辺3aの中央に、緩衝材3の長辺3bと平行に配置されることが好ましい。左右方向A3に長尺な直方体形状の外側箱体2では、通常、一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1は、外側箱体2の短辺2aの中央に、外側箱体2の長辺2bと平行に形成される(
図7参照)。このため、緩衝材3の短辺3aの中央に、緩衝材3の長辺3bと平行に保護壁32を配置することにより、一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1の下方に保護壁32を好適に配置することができる。
【0037】
ただし、保護壁32は、一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1の下方全体にわたって配置される必要性はない。保護壁32は、一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1のうち、その下方に一対の内フラップ23が配置されない領域である対向領域Rに配置されていればよい。少なくとも対向領域Rに保護壁32を配置することにより、開梱時における刃物等による物品の損傷を防止しつつ、外側箱体の潰れを低減することが可能である。
【0038】
従って、保護壁32の長さ(左右方向A3の幅)は、一対の内フラップ23の間の部分R2の長さ(左右方向A3の幅)以上であればよい。例えば、保護壁32の長さを、一対の内フラップ23の間の部分R2の長さに対応(一致)させることにより、保護壁32の長さ方向(左右方向A3)における保護壁32の両側の各々に収容凹部34を設けるスペースを確保することができる。これにより、緩衝材3の上面側のスペースを有効活用することができ、より多くの収容凹部34を緩衝材3に設けることができる。
【0039】
また、保護壁32上端は、周壁31および仕切り壁33の上端と面一、または周壁31および仕切り壁33の上端よりも高くなっていることが好ましい。つまり、保護壁32の上端は、緩衝材3の最上面に位置することが好ましい。これにより、外側箱体2の天面の中央付近に外部から強い力が加わったとしても、一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1が保護壁32によって下方から好適に支えられる。従って、外側箱体2の潰れを低減しやすくなる。
【0040】
なお、保護壁32の厚み(前後方向A2の幅)は、特に限定されるものではない。ただし、保護壁32の厚みは、刃物等の先端を保護壁32の上端で好適に受け止めることができ、かつ、外側箱体2の潰れを低減可能な保護壁32の強度が確保される範囲で適宜設定される。
【0041】
保護壁32の厚みは、例えば12mm以上、30mm以下であることが好ましい。保護壁32の厚みが1.2mm以上であることにより、刃物等の先端を保護壁32の上端で好適に受け止めることができ、かつ、外側箱体2の潰れを低減可能な十分な強度を得ることができる。一方、保護壁32の厚みが30mm以下であることにより、緩衝材3の上面側に収容凹部34を設けるスペースを確保しやすくなり、緩衝材3の上面側のスペースを有効活用することができる。
【0042】
〔梱包資材および緩衝材の効果〕
本実施形態に係る梱包資材1は、一対の内フラップ23および一対の外フラップ24を有し、物品を収納する外側箱体2と、一対の内フラップ23および一対の外フラップ24が閉じた閉止状態において、物品と一対の外フラップ24との間に配置される緩衝材3とを備える。緩衝材3は、閉止状態において、一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1に対向しかつ一対の内フラップ23の間の部分R2に対向する対向領域Rに、一対の外フラップ24側へ突設された保護壁32を有する。
【0043】
梱包資材1は、対向領域Rに保護壁32を有するため、外側箱体2の開梱時における刃物等による物品の損傷を防止することができる。また、梱包資材1では、外側箱体2の天面の中央付近に外部から強い力が加えられたとしても、一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1の中央付近が保護壁32によって下方から支えられるため、外側箱体2が潰れにくくなる。
【0044】
従って、本実施形態によれば、開梱時における刃物等による物品の損傷を防止しつつ、外側箱体2の潰れを低減する梱包資材1を実現することができる。
【0045】
また、本実施形態に係る緩衝材3は、一対の内フラップ23および一対の外フラップ24を有し、物品を収納する外側箱体2の内部に配置される緩衝材3であって、一対の内フラップ23および一対の外フラップ24が閉じた閉止状態において、物品と一対の外フラップ24との間に配置される。緩衝材3は、閉止状態において、一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1に対向しかつ一対の内フラップ23の間の部分R2に対向する対向領域Rに、一対の外フラップ24側へ突設された保護壁32を有する。
【0046】
緩衝材3は、対向領域Rに保護壁32を有するため、外側箱体2の開梱時における刃物等による物品の損傷を防止することができる。また、緩衝材3では、外側箱体2の天面の中央付近に外部から強い力が加えられたとしても、一対の外フラップ24の突き合わせ部分R1の中央付近が保護壁32によって下方から支えられるため、外側箱体2が潰れにくくなる。
【0047】
従って、本実施形態によれば、開梱時における刃物等による物品の損傷を防止しつつ、外側箱体2の潰れを低減する緩衝材3を実現することができる。
【0048】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 梱包資材
2 外側箱体
3 緩衝材
23 内フラップ
24 外フラップ
31 周壁
32 保護壁
34 収容凹部
34a 第1収容凹部
34b 第2収容凹部
34c 第3収容凹部
34d 第4収容凹部
R 対向領域
R1 一対の外フラップの突き合わせ部分
R2 一対の内フラップの間の部分