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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】物質検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 5/02 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
G01N5/02 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020203344
(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公開番号】P2022090807
(43)【公開日】2022-06-20
【審査請求日】2023-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】緒方 健治
(72)【発明者】
【氏名】黒木 省吾
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-201436(JP,A)
【文献】国際公開第2020/066295(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0305191(US,A1)
【文献】特開2012-013620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 5/00-9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容される気体の状態が定常状態となるように前記気体の流入を制限するチャンバと、
前記チャンバに収容された前記気体に含まれる物質を検出する物質センサと、
前記チャンバに前記気体を供給する供給部と、
を備え、
複数の前記物質センサが、前記チャンバの流入口から排出口に向かう前記気体の流動方向に配列されており、
連通孔を有する基板が、前記連通孔が連通するように積層されて、前記チャンバが形成され、
積層された前記基板のうち、複数の前記基板が、前記連通孔としての第1の連通孔の一部を塞ぐ梁を有する第1の基板であり、
前記物質センサは、
前記物質との反応による前記梁の振動周波数の変化に基づいて前記物質を検出し、
積層された前記基板のうち、前記第1の基板を除く複数の前記基板が、前記連通孔としての第2の連通孔が形成された第2の基板であり、
前記第2の基板と前記第1の基板とが、この順に交互に前記流動方向に積層されており、
前記梁には、前記物質と反応する物質反応膜が形成されており、
前記第2の連通孔は、前記物質反応膜に向けて前記気体を流出するようにノズル状に形成されている、
物質検出システム。
【請求項2】
前記流動方向に見たときの前記梁の向きが、前記流動方向に隣接する前記梁同士で異なっている、
請求項に記載の物質検出システム。
【請求項3】
前記流動方向に見た前記梁の形状が、円柱状の前記第1の連通孔の中心軸に対して回転対称であり、
前記流動方向に隣接する前記梁同士について、前記流動方向に見たときの一方の前記梁の向きが他方の前記梁の向きに対して前記中心軸を中心に回転した向きにある、
請求項に記載の物質検出システム。
【請求項4】
前記梁は、前記流動方向に見て十字状に形成され、
前記流動方向に隣接する前記梁同士について、一方の前記梁の中心線と他方の前記梁の中心線との前記中心軸で交わる角度が45度である、
請求項に記載の物質検出システム。
【請求項5】
前記チャンバが、並列に複数形成されている、
請求項1からのいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項6】
複数の前記チャンバそれぞれに流入する前記気体の流れを一様に抑制して送る整流部を備える、
請求項に記載の物質検出システム。
【請求項7】
前記整流部は、複数の前記チャンバそれぞれに流入する前記気体の流量及び流速の少なくとも一方が均一となるように、前記気体の流れを整流する、
請求項に記載の物質検出システム。
【請求項8】
複数の前記チャンバは、それぞれ形状及び大きさが同じとなるように形成されている、
請求項からのいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項9】
前記供給部は、ポンプであり、
前記流入口の上流又は前記排出口の下流の少なくとも一方に設けられている、
請求項1からのいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項10】
前記供給部は、ポンプであり、
前記流入口の上流又は前記排出口の下流の両方に設けられている、
請求項1からのいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項11】
前記チャンバ内に配列された複数の前記物質センサには、同じ物質を検出するものが含まれる、
請求項1から10のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項12】
前記チャンバ内に配列された複数の前記物質センサには、それぞれ異なる物質を検出するものが含まれる、
請求項1から10のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項13】
前記物質センサは、前記流動方向に向かって大きくなる補正値に基づいて、検出値を補正する、
請求項1から12のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、感応膜に対して物質が吸着又は脱離した時に生じる共振周波数の変化量に基づいて、物質を検出する物質検出システムとしての化学センサデバイスが開示されている。この化学センサデバイスは、それぞれが異なる物質に対して脱吸着特性を示す感応膜が設けられた複数の振動子を備えている。各振動子は、圧電基板を備えており、交流電圧が印加されて圧電基板が変形することで加振される。物質が感応膜に吸着又は脱離すれば、各振動子の共振周波数が変化する。これにより、物質の検出が可能になる。
【0003】
この化学センサデバイスを用いれば、複数種類の物質から構成される匂いを検出することが可能である。各感応膜の反応値のパターン、すなわち匂いを構成する複数の物質の構成比に基づいて、気体に含まれる匂いが特定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-204584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、気体の匂いは、気体に含まれる複数種類の物質で構成される。そのため、気体の匂いを正確に特定するためには、対応する物質をそれぞれ検出する複数の物質センサが必要となる。この場合、複数の物質センサを配置する領域が必要となり、検出する物質が多くなればなるほど、その領域の面積が増大するという不都合があった。
【0006】
本発明は、上記実情の下になされたものであり、複数の物質センサを配置するために必要な領域の面積を小さくすることができる物質検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る物質検出システムは、
内部に収容される気体の状態が定常状態となるように前記気体の流入を制限するチャンバと、
前記チャンバに収容された前記気体に含まれる物質を検出する物質センサと、
前記チャンバに前記気体を供給する供給部と、
を備え、
複数の前記物質センサが、前記チャンバの流入口から排出口に向かう前記気体の流動方向に配列されており、
連通孔を有する基板が、前記連通孔が連通するように積層されて、前記チャンバが形成され、
積層された前記基板のうち、複数の前記基板が、前記連通孔としての第1の連通孔の一部を塞ぐ梁を有する第1の基板であり、
前記物質センサは、
前記物質との反応による前記梁の振動周波数の変化に基づいて前記物質を検出し、
積層された前記基板のうち、前記第1の基板を除く複数の前記基板が、前記連通孔としての第2の連通孔が形成された第2の基板であり、
前記第2の基板と前記第1の基板とが、この順に交互に前記流動方向に積層されており、
前記梁には、前記物質と反応する物質反応膜が形成されており、
前記第2の連通孔は、前記物質反応膜に向けて前記気体を流出するようにノズル状に形成されている。
【0011】
前記流動方向に見たときの前記梁の向きが、前記流動方向に隣接する前記梁同士で異なっている、
こととしてもよい。
【0012】
前記流動方向に見た前記梁の形状が、円柱状の前記第1の連通孔の中心軸に対して回転対称であり、
前記流動方向に隣接する前記梁同士について、前記流動方向に見たときの一方の前記梁の向きが他方の前記梁の向きに対して前記中心軸を中心に回転した向きにある、
こととしてもよい。
【0013】
前記梁は、前記流動方向に見て十字状に形成され、
前記流動方向に隣接する前記梁同士について、一方の前記梁の中心線と他方の前記梁の中心線との前記中心軸で交わる角度が45度である、
こととしてもよい。
【0014】
前記チャンバが、並列に複数形成されている、
こととしてもよい。
【0015】
複数の前記チャンバそれぞれに流入する前記気体の流れを一様に抑制して送る整流部を備える、
こととしてもよい。
【0016】
前記整流部は、複数の前記チャンバそれぞれに流入する前記気体の流量及び流速の少なくとも一方が均一となるように、前記気体の流れを整流する、
こととしてもよい。
【0017】
複数の前記チャンバは、それぞれ形状及び大きさが同じとなるように形成されている、
こととしてもよい。
【0018】
前記供給部は、ポンプであり、
前記流入口の上流又は前記排出口の下流の少なくとも一方に設けられている、
こととしてもよい。
【0019】
前記供給部は、ポンプであり、
前記流入口の上流又は前記排出口の下流の両方に設けられている、
こととしてもよい。
【0020】
前記チャンバ内に配列された複数の前記物質センサには、同じ物質を検出するものが含まれる、
こととしてもよい。
【0021】
前記チャンバ内に配列された複数の前記物質センサには、それぞれ異なる物質を検出するものが含まれる、
こととしてもよい。
【0022】
前記物質センサは、前記流動方向に向かって大きくなる補正値に基づいて、検出値を補正する、
こととしてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数の物質センサが、チャンバの流入口から排出口に向かう気体の流動方向に配列されている。このため、複数の物質センサを配置するために必要な領域の面積を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施の形態1に係る物質検出システムの基本構成を示す模式図である。
図2図1の物質検出システムの詳細な構成を示す断面図である。
図3図1の物質検出システムを構成する第1の基板の斜視図である。
図4図1の物質検出システムを構成する第2の基板の斜視図である。
図5】整流部の斜視図である。
図6】(A)は、排出口の側から見た梁の図である。(B)は、流入口の側から見た梁の図である。
図7図1の物質検出システムの他の全体構成その1を示す断面図である。
図8図1の物質検出システムの他の全体構成その2を示す断面図である。
図9図1の物質検出システムの動作を示すタイミングチャートである。
図10】本発明の実施の形態2に係る物質検出システムを構成する梁の配置を示す上面図である。
図11】(A)は、梁の向きが揃っていたときの気体の流れを示す図である。(B)は、梁の向きが異なっていたときの気体の流れを示す図である。
図12】本発明の実施の形態3に係る物質検出システムの基本構成を示す模式図である。
図13】異なる種類の物質を検出する物質センサの配列を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。各図面においては、同一又は同等の部分に同一の符号を付す。
【0026】
実施の形態1
まず、本発明の実施の形態1について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る物質検出システム1は、周囲の気体Fに含まれる物質を検出する。検出対象となる物質は、気体Fの匂いを構成する物質である。物質検出システム1は、気体Fの匂いを構成する複数種類の物質を検出する。物質検出システム1は、チャンバ2と、物質センサ3と、供給部4と、を備える。これらが物質検出システム1の基本構成となる。
【0027】
チャンバ2は、流入口2aから気体Fを流入するとともに排出口2bから気体Fを排出する。チャンバ2は、内部に収容される気体Fの状態が定常状態となるように気体Fの流入を制限する気体Fの収容室である。ここで、定常状態とは、気体Fの流れが常に同じである状態をいう。より具体的には、定常状態とは、気体Fの流れの方向、流速及び流量などが一定範囲内にあり、同じ状態であるとみなすことができる状態をいう。チャンバ2内の気体Fは、物質の検出時に定常状態であればよい。
【0028】
物質センサ3は、チャンバ2に収容された気体Fに含まれる物質を検出する。物質検出システム1は、物質センサ3を複数備えており、各物質センサ3が、それぞれ異なる物質を検出する。複数の物質センサ3は、チャンバ2内において、チャンバ2の流入口2aから排出口2bに向かう気体Fの流動方向(以下、単に「流動方向」とする)に配列されている。物質センサ3は、それ自体が、流入口2aから排出口2bまでの気体Fの通り道を完全に塞ぐことのない状態でチャンバ2内に設けられている。
【0029】
供給部4は、チャンバ2に気体Fを供給する。供給部4は、例えばポンプである。供給部4が稼働すると、チャンバ2内に気体Fが流入し、収容される。これにより、複数の物質センサ3が、気体Fに含まれる複数の物質を検出し、各物質センサ3が検出した物質の検出結果に相当する信号を出力する。出力された信号に基づいて、気体Fに含まれる物質が検出され、検出された物質の組み合わせに基づいて、気体Fの匂いが特定される。
【0030】
物質検出システム1の詳細な構成について説明する。図2に示すように、実際には、物質検出システム1は、複数の基板が積層されて構成されている。具体的には、物質検出システム1では、流入口2aから排出口2bに向かう流動方向に、第2の基板6と第1の基板5とが、この順に交互に積層されて構成されている。本実施の形態では、第2の基板6及び第1の基板5の積層数は3である。第1の基板5及び第2の基板6は、同様に積層される基板11,12によって保持されている。なお、積層される基板は、流入口2aから排出口2bに向かって、1段目、2段目、3段目と記載する。
【0031】
図3に示すように、第1の基板5には、第1の連通孔5aが形成されており、図4に示すように、第2の基板6には、第2の連通孔6aが形成されている。図3では、第1の基板5を排出口2bの側から見ており、図4では、1段目の第2の基板6を排出口2bの側から見ている。なお、2段目以降の第2の基板6は1段目の第2の基板6と外形が異なる。図2に示すように、第1の基板5と、第2の基板6とは、第1の連通孔5aと第2の連通孔6aが連通するように積層されている。第1の連通孔5aと第2の連通孔6aとでチャンバ2が形成される。第1の基板5と第2の基板6との間には、チャンバ2から気体Fが漏れないようにシール部材(不図示)が挿入されている。
【0032】
複数の第1の基板5には、第1の連通孔5aの一部を塞ぐ梁7が形成されている。物質センサ3は、第1の基板5に形成されており、梁7をその構成要素の1つとしている。物質センサ3は、物質との反応による梁7の振動周波数、例えば共振周波数の変化に基づいて物質を検出する。
【0033】
このように、チャンバ2内では、流入口2aから排出口2bに向かって第2の連通孔6aと、梁7が形成された第1の連通孔5aとが交互に3層ずつ積層された構成となっている。したがって、複数の物質センサ3は、各チャンバ2の流入口2aから排出口2bに向かう流動方向に3列に配列された構成となっている。なお、図2では、チャンバ2の排出口2bの位置は、3段目の物質センサ3に対応する梁7が形成された位置となっている。
【0034】
第1の基板5には、第1の連通孔5aが複数設けられており、第2の基板6には、第2の連通孔6aが、第1の連通孔5aの位置に合わせて複数設けられている。したがって、第1の基板5と第2の基板6とを積層することにより、第1の連通孔5aと第2の連通孔6aとが連通して、複数のチャンバ2が形成される。物質検出システム1では、複数のチャンバ2が並列に設けられている。本実施の形態では、チャンバ2の数は10となっている。10個のチャンバ2は、内部空間の形状及び大きさが同じとなるように形成されている。
【0035】
物質検出システム1は、複数のチャンバ2それぞれに流入する気体Fの流れを一様に抑制して送る整流部8を備える。図5に示すように、整流部8は、各チャンバ2の流入口2aが設けられた1段目の第2の基板6に設けられている。なお、図5は、1段目の第2の基板6を流入口2aの側、すなわち気体Fが流入する側から見ている。
【0036】
整流部8は、複数のチャンバ2それぞれに流入する気体Fの流量及び流速の少なくとも一方が均一となるように、気体Fの流れを整流する。整流部8には、気体Fの流路となる溝部8aが設けられている。この溝部8aが形成された面と、基板10(図2参照)とを貼り合わせることによって、整流部8の流路が形成される。
【0037】
図5に示すように、整流部8は、流入口2a、すなわち第2の連通孔6aに連通している。整流部8には、基板10の取入口10a(図2参照)を介して、図5の矢印で示す位置に、気体Fが流入する。整流部8において、流入した気体Fは、枝分かれした流路を介して、各第2の連通孔6aに送られる。整流部8の流路の形状は、複数の流入口2aそれぞれに供給される気体Fの流量及び流速が同じとなるように設計されている。
【0038】
図6(A)及び図6(B)に示すように、第1の基板5において、第1の連通孔5aは、円柱状に形成されており、その中心軸をOとする。また、第1の連通孔5aに形成された梁7は、駆動梁7aと検出梁7bとで構成されている。図6(A)は、排出口2bの側、すなわち気体Fの下流側から梁7を見ており、この面を表面とする。また、図6(B)は、流入口2aの側、すなわち気体Fの上流側から梁7を見ており、この面を裏面とする。
【0039】
図6(A)に示すように、駆動梁7a及び検出梁7bの形状は、幅が均一で細長板状であり、駆動梁7aの幅は、検出梁7bの幅よりも広くなっている。駆動梁7aと検出梁7bとは、第1の連通孔5aの縁の両端に固定されており、その中央で互いに直交している。流入口2aの側から流動方向に見た梁7の形状は、円柱状の第1の連通孔5aの中心軸Oに対して回転対称、具体的には2回回転対称となっている。
【0040】
梁7には、下部電極層と、圧電素子層とが表面全体に形成されており、その上に駆動電極15と、検出電極16とが形成されている。駆動電極15は、駆動梁7aの両端に形成されており、検出電極16は、検出梁7bの両端に形成されている。駆動梁7a及び検出梁7bの幅に合わせて、駆動電極15の幅も、検出電極16の幅より広くなっているが、これらの幅は同じであってもよい。
【0041】
駆動電極15と下部電極層との間に正弦波の電圧信号を印加すると、圧電素子層が伸縮して、駆動梁7aが上下に振動し、その振動に伴って検出梁7bが振動する。検出梁7bが振動すると、検出電極16と下部電極層との圧電素子層にその振動に応じた電圧が発生する。この電圧による信号が、梁7の振動周波数を示す信号として検出される。
【0042】
図6(B)に示すように、梁7の裏面全体には、物質と反応する物質反応膜9が形成されている。物質反応膜9に物質が付着すると、物質反応膜9の重量が変化する。これにより、梁7の振動周波数が変化する。この振動周波数の一例が共振周波数である。物質センサ3は、検出電極16と下部電極層との間の電圧信号に基づいて、この梁7の振動周波数の変化を検出する。なお、物質反応膜9は、梁7の裏面全体に形成(塗布)されていなくてもよい。物質反応膜9は、裏面の一部に形成されているだけでもよい。また、物質反応膜9は、梁7の表面に形成されていてもよい。物質反応膜9は、梁7のいずれかに形成されていればよい。
【0043】
物質反応膜9に付着する物質の量が増えれば増えるほど、梁7の振動周波数の変化も大きくなる。物質センサ3は、梁7の振動周波数の変化の大きさに基づいて、物質の量を検出する。
【0044】
図2に示すように、第2の基板6の第2の連通孔6aは、物質反応膜9に向けて気体Fを流出するようにノズル状に形成されている。これにより、物質反応膜9に当たる気体Fの量を多くして、物質の検出感度を高めることが可能となる。
【0045】
また、図1では、供給部4は、排出口2bの側に設けられるものとした。しかしながら、これには限られない。図7に示すように、供給部4は、チャンバ2の流入口2aの上流及び排出口2bの下流の両方に設けられているようにしてもよいし、図8に示すように、供給部4は、チャンバ2の流入口2aの上流に設けられるようにしてもよい。
【0046】
なお、図7図8に示すように、物質検出システム1は、気体取込部20、環境センサ21、気体排出部22及び外部筐体23をさらに備える。
【0047】
気体取込部20には、供給部4が組み込まれている。供給部4は、外部から気体Fを基板10の取入口10a(図2参照)に連通する内部空間に引き込む。内部空間には、緩和基板25が設けられている。緩和基板25は、供給部4から引き込まれた気体Fの流れを緩和し、流量及び流速を安定化させる。
【0048】
気体取込部20の内部空間に送られる気体Fは、基板10の取入口10a、整流部8(図5参照)を介して各チャンバ2に送られる。各チャンバ2の流入口2aからチャンバ2内に入った気体Fは、3段の物質センサ3(梁7)を経て、各チャンバ2の排出口2bから排出される。
【0049】
気体排出部22にも供給部4を組み込むことができる。供給部4は、各チャンバ2の排出口2bから排出された気体Fを外部に排出する。排出口2bの直上には、環境センサ21が設けられている。引き込まれた気体Fの環境情報、例えば温度、湿度が環境センサ21によって検出される。環境センサ21によって検出された環境情報は、物質センサ3で検出された物質の量の補正などに用いられる。
【0050】
外部筐体23は、気体取込部20、基板10、11、12、第1の基板5、第2の基板6及び気体排出部22を収容し、これらを保持する。
【0051】
次に、本発明の実施の形態1に係る物質検出システム1の動作について説明する。
【0052】
図9に示すように、まず、時刻t1において、供給部4は、気体Fの引き込みを開始する。この時刻t1から、気体Fが、整流部8を介して各チャンバ2に流入する。時刻t1から駆動時間T経過後の時刻t2において、供給部4は、気体Fの吹き込みを終了する。この時点で、各チャンバ2内の気体Fは、定常状態となる。
【0053】
吹き込み終了後、時刻t3において、各物質センサ3は、検出電極16と下部電極層との間の電圧信号、すなわち梁7の振動周波数の変化を示す信号に基づいて、気体Fに含まれる物質を検出する。複数の物質センサ3での検出結果を総合すれば、気体Fに含まれる物質の量の検出パターンを得ることができる。この検出パターンは、気体Fに含まれる匂いを構成する物質の割合に等しくなるため、検出された物質から構成される匂いを正確に特定することができる。物質の量は、必要に応じて、環境センサ21で検出された環境情報に基づいて補正される。
【0054】
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態に係る物質検出システム1の構成は、上記実施の形態に係る物質検出システム1の構成と梁7の向き以外は同じである。
【0055】
本実施の形態では、流入口2aの側から流動方向に見たときの梁7の向きが、流動方向に隣接する梁7同士で異なっている。図10では、流入口2aの側から見える梁7が実線で示され、実線で示された梁7の下段に隣接する梁7が破線で示されている。図10に示すように、流入口2aの側から見たときに、流入口2aから排出口2bに向かう流動方向に隣接する梁7同士の重なる部分が少なくなるように、流入口2aの側から流動方向に見たときの一方の梁7の向きが他方の梁7の向きに対して第1の連通孔5aの中心軸Oを中心に回転した向きにある。
【0056】
より具体的には、梁7は、流入口2aの側から流動方向に見て十字状に形成されている。また、流入口2aの側から流動方向に見たときに、流動方向に隣接する梁7同士について、図10に示すように、一方の梁7の中心線CL1と他方の梁7の中心線CL2との中心軸Oで交わる角度が45度である。
【0057】
図11(A)に示すように、流入口2aから排出口2bに向かって流動方向に隣接する梁7の向きが同じである場合、上流側の第1の連通孔5aを通過した気体Fの大部分は、そのまま下流側の第1の連通孔5aを通過する。したがって、下流側の第1の連通孔5aに設けられた物質反応膜9に当たる気体の量は少なくなる。
【0058】
一方、図11(B)に示すように、気体Fの上流側の第1の連通孔5aを通過した気体Fの大部分は、下流側の第1の連通孔5aに設けられた梁7上の物質反応膜9に当たるようになる。これにより、物質反応膜9に吸着する物質の量を多くして、下段の梁7の物質反応膜9の検出感度を高めることができる。
【0059】
なお、梁7が3段以上配列されている場合であっても、流動方向に隣接する梁7同士で向きを変えるようにすればよい。この場合、梁7の向きは1つ置きに同じであってもよい。
【0060】
実施の形態3
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態に係る物質検出システム1の構成は、上記実施の形態1、2に係る物質検出システム1の構成と同じとすることができる。
【0061】
上記実施の形態1では、各チャンバ2内に配列された複数の物質センサ3で検出される物質がすべて異なっていた。しかしながら、本実施の形態では、各チャンバ2内に配列された複数の物質センサ3で検出される物質は、同じである。
【0062】
ここで、図12に示すように、物質検出システム1が、チャンバ2として、2つのチャンバ2A,2Bを有しているものとする。さらに、チャンバ2Aには、物質センサ3としての3段の物質センサ3A1,3A2,3A3が配列されている。チャンバ2A内において物質センサ3A1,3A2,3A3は、流入口2aから排出口2bに向かう流動方向に、この順に配列されている。また、チャンバ2Bには、物質センサ3としての3段の物質センサ3B1,3B2,3B3が配列されている。チャンバ2B内において、物質センサ3B1,3B2,3B3は、流入口2aから排出口2bに向かう流動方向に、この順に配列されている。
【0063】
物質センサ3A1,3A2,3A3は、同じ物質Aを検出する。物質センサ3B1,3B2,3B3は、同じ物質Bを検出する。このように、同じチャンバ2A,2B内で同じ物質A,Bを検出する物質センサ3A1~3A3、物質センサ3B1~3B3を配列するようにすれば、物質A,Bの検出もれを防止し、検出精度を向上することができる。
【0064】
気体Fの流れを考慮すれば、物質Aの検出量は、物質センサ3A1,3A2,3A3の順に少なくなる。そこで、物質センサ3A2,3A3で検出された物質Aの検出量を補正するようにしてもよい。また、気体Fの流れを考慮すれば、物質Bの検出量は、物質センサ3B1,3B2,3B3の順に少なくなる。そこで、物質センサ3B2,3B3で検出された物質Bの検出量を補正するようにしてもよい。このように、物質検出システム1では、物質センサ3A1~3A3は、流入口2aから排出口2bに向かうにつれて、すなわち流動方向に向かって大きくなる補正値に基づいて、検出値を補正することができる。物質センサ3B1~3B3も同様である。
【0065】
例えば、1段目の物質センサ3A1の感度が80%であり、2段目の物質センサ3A2の感度が70%であり、3段目の物質センサ3A3の感度が60%であるとする。この場合、物質センサ3A2,3A3は、それぞれ補正値を1.14,1.33とすることができる。例えば、物質センサ3A2の検出値に補正値1.14を掛けた値を、物質センサ3A2の最終的な検出値とし、物質センサ3A3の検出値に補正値1.33を掛けた値を、物質センサ3A3の最終的な検出値とすることができる。
【0066】
もっとも、チャンバ2内に配列された複数の物質センサ3には、同じ物質を検出するものと、異なる物質を検出するものとが混在していてもよい。すなわち、チャンバ2内に配列された複数の物質センサ3には、同じ物質を検出するものが含まれるものとしてもよいし、チャンバ2内に配列された複数の物質センサ3には、それぞれ異なる物質を検出するものが含まれるものとしてもよい。
【0067】
例えば、図13に示すように、チャンバ2内に配列された複数の物質センサ3(3C,3D,3E)が、それぞれ異なる物質C,D,Eを検出する場合、物質Cを検出する1段目の物質センサ3Cの感度が80%であり、物質Dを検出する2段目の物質センサ3Dの感度が70%であり、物質Eを検出する3段目の物質センサ3Eの感度が60%であるとする。この場合、2段目の物質センサ3D及び3段目の物質センサ3Eは、それぞれ補正値を1.14、1.33とすることができる。例えば、2段目の物質センサ3Dの検出値に補正値1.14を掛けた値を、その物質センサ3Dの最終的な検出値とし、物質センサ3Eの検出値に補正値1.33を掛けた値を、その物質センサ3Eの最終的な検出値とすることができる。例えば、1段目の物質センサ3Cの検出値が40の場合には、検出値はそのまま40となり、2段目の物質センサ3Dの検出値が50の場合には、その検出値は57に補正され、3段目の物質センサ3Eの検出値が10の場合には、その検出値は、13.3に補正される。このように、物質検出システム1では、物質センサ3(3C,3D,3E)は、流動方向に向かって大きくなる補正値に基づいて、検出値を補正することができる。
【0068】
なお、同じ物質を検出する物質センサ3は、同じチャンバ2内になくてもよい。複数の物質センサ3の検出結果が、どの物質の検出結果であるかがわかっていれば、物質センサ3の配置は自由に設定することが可能である。
【0069】
以上詳細に説明したように、上記実施の形態によれば、それぞれ検出する物質が異なる複数の物質センサ3が、チャンバ2の流入口2aから排出口2bに向かう流動方向に配列されている。このため、物質センサ3を配置するために必要な領域の面積を小さくすることができる。
【0070】
なお、上記実施の形態によれば、流入口2aから排出口2bまでの流動方向に沿った物質センサ3の配列数を3つとした。しかしながら、本発明はこれには限られない。物質センサ3の配列数は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、複数の第1の基板5が、第1の連通孔5aの一部を塞ぐ梁7が形成されており、物質センサ3は、物質との反応による梁7の振動周波数の変化に基づいて物質を検出するものとした。このようにすれば、流入口2aから排出口2bに向かって流動方向に気体Fを送るとともに、その途中で、複数の物質センサ3を配列し、気体Fに含まれる異なる物質を検出する仕組みを構築することができる。また、このような構成を採用することにより、物質検出システム1を小型かつ薄型なものとすることができる。
【0072】
また、上記実施の形態では、積層された基板のうち、第1の基板5を除く複数の第2の基板6が、第2の連通孔6aが形成された基板であり、流入口2aの側から見て流動方向に、第2の基板6と第1の基板5とが、この順に交互に積層されている。このようにすれば、第1の連通孔5aに形成された梁7周辺の気体Fへの当たり方を均一化することができる。このように、第1の基板5の前段に第2の基板6が積層されてチャンバ2が積層されている。しかしながら、各梁7への気体Fの当たり方が十分に均一化できる場合には、第2の基板6はなくてもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、梁7には、物質と反応する物質反応膜9が形成されており、第2の連通孔6aは、物質反応膜9に向けて気体Fを流出するようにノズル状に形成されている。このようにすれば、物質反応膜9と物質とが反応しやすくなるため、物質の検出感度を向上することができる。
【0074】
また、上記実施の形態2に係る物質検出システム1では、流入口2aの側から流動方向に見たときの梁7の向きが、流動方向に隣接する梁7同士で異なっている。このようにすれば、下流の物質センサ3付近にも気体Fが当たって物質反応膜9に物質が付着しやすくなるので、物質の検出感度を高めることができる。
【0075】
また、上記実施の形態によれば、流入口2aの側から流動方向に見た梁7の形状が、円柱状の第1の連通孔5aの中心軸Oに対して回転対称であり、流入口2aの側から流動方向に見たときに、流動方向に隣接する梁7同士について、流入口2aの側から流動方向に見たときの一方の梁7の向きが他方の梁7の向きに対して第1の連通孔5aの中心軸Oを中心に回転した向きにある。このようにすれば、下流の物質センサ3付近にも気体Fがとどまりやすくなり、その物質反応膜9に物質が付着し易くなるので、物質の検出感度を高めることができる。
【0076】
また、上記実施の形態によれば、梁7は、流入口2aの側から流動方向に見て十字状に形成されている。また、流入口2aの側から流動方向に見たときに、梁7同士で、一方の梁7の中心線CL1と他方の梁7の中心線CL2との中心軸で交わる角度が45度である(図10参照)。このようにすれば、物質センサ3付近に一旦とどまる気体Fの量を最大とすることができる。なお、必ずしも回転角度が45度である必要はない。
【0077】
また、上記実施の形態では、チャンバ2が、並列に複数形成されている。このように、チャンバ2の数を増やすようにすれば、検出可能な物質の種類を増やすことができる。また、このようにすれば、物質センサ3を並列かつ直列に配置することができる。例えば、上記実施の形態では、チャンバ2の数を10とし、物質センサ3の配列数を3として、物質センサ3の総数を30個とした。この場合、チャンバ2の数を6とし、物質センサ3の配列数を5としてもよいし、チャンバ2の数を15とし、物質センサ3の配列数を2としてもよい。このように、チャンバ2の数と、各チャンバ2の物質センサ3の配列数を調整すれば、物質検出システム1の縦、横、高さのサイズを使用用途に応じた適切なものとすることができる。
【0078】
また、上記実施の形態では、複数のチャンバ2それぞれに流入する気体Fの流れを一様に抑制して送る整流部8を備える。このようにすれば、各チャンバ2に送られる気体Fの流れを定常的なものとすることができるので、各物質センサ3での検出感度のばらつきを抑制することが可能となる。
【0079】
また、上記実施の形態では、整流部8は、複数のチャンバ2それぞれに流入する気体Fの流量及び流速の少なくとも一方が均一となるように、気体Fの流れを整流する。このようにすれば、各物質センサ3への気体Fの当たり具合を均一化することができる。
【0080】
また、複数のチャンバ2は、それぞれ形状及び大きさが同じとなるように形成されている。このようにすれば、各物質センサ3での検出感度のばらつきを抑制することができる。
【0081】
また、上記実施の形態によれば、供給部4は、ポンプであり、流入口2aの上流又は排出口2bの下流の少なくとも一方に設けられている。供給部4の配置は、物質検出システム1に求められる厚み、又は、複数の物質センサ3での検出のばらつき具合によって決定するようにしてもよい。また、供給部4は、チャンバ2毎に設けられるようにしてもよい。
【0082】
また、上記実施の形態では、梁7を、駆動梁7aと検出梁7bとが直交する十字状とした。しかしながら、これには限られない。駆動梁7aと検出梁7bとは交差していればよい。また、駆動梁7aと検出梁7bとは、幅が同じであってもよいし、駆動梁7aの幅が、検出梁7bの幅より狭くてもよい。
【0083】
また、駆動電極15は、駆動梁7aの一端に設ければよいし、検出電極16は、検出梁7bの一端に設ければよい。駆動電極15及び検出電極16の幅は同じであってもよい。
【0084】
また、梁7は、十字状でなくてもよい。梁7は、第1の連通孔5aの縁に両端に固定された1本の細長い梁であってもよい。この場合には、駆動電極15と、検出電極16とは、梁の両端又は一端に並列に設けるようにすればよい。
【0085】
上記実施の形態では、第1の連通孔5aの形状を円柱状とした。しかしながら、本発明はこれには限られない。第1の連通孔5aの形状は、断面が矩形状の多角形状であってもよいし、断面を他の形状としてもよい。
【0086】
また、第2の連通孔6aの形状をノズル状とした。しかしながら、本発明はこれには限られない。第2の連通孔6aの形状は、円柱状であってもよいし、断面が矩形状の多角形状であってもよいし、断面を他の形状としてもよい。
【0087】
上記実施の形態では、気体Fの匂いを構成する複数種類の物質を検出した。しかしながら、本発明はこれには限られない。気体Fに含まれる物質であれば、匂いを構成しない物質の検出にも適用することができる。
【0088】
上述のように、上記実施の形態に係る物質検出システム1は、物質センサ3の実装面積を小さくして、全体を小型化、薄型化することができるため、小さな電子機器に収納することが可能である。例えば、スマートフォン等の情報機器にも物質検出システム1を組み込むことができる。
【0089】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、気体に含まれる物質を検出するのに適用することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 物質検出システム、2,2A,2B チャンバ、2a 流入口、2b 排出口、3,3A1,3A2,3A3,3B1,3B2,3B3,3C,3D,3E 物質センサ、4 供給部、5 第1の基板、5a 第1の連通孔、6 第2の基板、6a 第2の連通孔、7 梁、7a 駆動梁、7b 検出梁、8 整流部、8a 溝部、9 物質反応膜、10 基板、10a 取入口、11,12 基板、15 駆動電極、16 検出電極、20 気体取込部、21 環境センサ、22 気体排出部、23 外部筐体、25 緩和基板、F 気体
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