(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20240827BHJP
B60L 50/70 20190101ALI20240827BHJP
B60L 58/30 20190101ALI20240827BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20240827BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
B60L50/70
B60L58/30
H01M8/10 101
(21)【出願番号】P 2021017677
(22)【出願日】2021-02-05
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 拓
(72)【発明者】
【氏名】赤松 一志
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-045036(JP,A)
【文献】特開2016-060432(JP,A)
【文献】特開2019-050671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00-8/2495
B60L 50/00-50/90
B60L 58/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は2以上の燃料電池ユニットと、
前記1又は2以上の燃料電池ユニットを制御するための制御ユニットと、
前記1又は2以上の燃料電池ユニットに対してそれぞれ準備される1又は2以上のリレーボックスと、
ワイヤーハーネス群と、
を備え、
前記ワイヤーハーネス群は、1又は2以上の第1ワイヤーハーネスと、1又は2以上の第2ワイヤーハーネスと、前記1又は2以上のリレーボックスにそれぞれ接続される1又は2以上の第3ワイヤーハーネスと、第4ワイヤーハーネスと、を備え、
前記1又は2以上の第1ワイヤーハーネスは、それぞれ、前記1又は2以上の燃料電池ユニットと前記制御ユニットとの間の制御信号線の一部を含んで前記1又は2以上の燃料電池ユニットと前記第4ワイヤーハーネスとを接続するワイヤーハーネスであり、
前記1又は2以上の第2ワイヤーハーネスは、それぞれ、前記1又は2以上の燃料電池ユニットと前記制御ユニットとの間の給電線の一部を含んで前記1又は2以上の燃料電池ユニットと前記1又は2以上の第3ワイヤーハーネスとを接続するワイヤーハーネスであり、
前記1又は2以上の第3ワイヤーハーネスは、それぞれ、前記給電線の他の一部を含んで前記1又は2以上の第2ワイヤーハーネスと前記第4ワイヤーハーネスとを接続するワイヤーハーネスであり、
前記第4ワイヤーハーネスは、前記制御信号線の他の一部と前記給電線のさらに他の一部とを含み、前記制御ユニットと、前記1又は2以上の第1ワイヤーハーネスと、前記1又は2以上の第3ワイヤーハーネスと、を接続するワイヤーハーネスである、
燃料電池システム。
【請求項2】
前記1又は2以上の第1ワイヤーハーネスは、さらに、前記1又は2以上の燃料電池ユニットをそれぞれ識別するための制御信号線を含む、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記燃料電池システムは、2以上の前記燃料電池ユニットを備える、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記燃料電池システムは、さらに、前記制御ユニットの制御下に、前記1又は2以上の燃料電池ユニットを制御するための下位制御ユニットを備え、
前記第4ワイヤーハーネスは、さらに、前記制御ユニットと前記下位制御ユニットとの間の制御信号線を、備え、
前記制御ユニットと、前記1又は2以上の第1ワイヤーハーネスと、前記1又は2以上の第3ワイヤーハーネスと、さらに、前記下位制御ユニットと、を接続するワイヤーハーネスである、請求項1~3のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記制御信号線は、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network、CAN)に基づく制御信号線であり、
前記1又は2以上のリレーボックスの少なくとも1つは、前記制御信
号線の一つの終端抵抗を備えており、前記第4ワイヤーハーネスの前記制御信号線から分岐し前記第3ワイヤーハーネスを介して、前記少なくとも1つのリレーボックスの前記一つの終端抵抗に接続される、請求項1~4のいずれかに記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、燃料電池システムの提供に関する。
【0002】
近年、電源としての燃料電池への要請が高まってきている。このため、例えば、乗用車用などとして用いられてきた燃料電池システムを、他の用途に展開することも期待されている。他の用途として、バス、トラックなどの商用車、電車、船舶などの種々の移動体のほか、定置用発電システムなどがある。
【0003】
燃料電池システムは、通常、必要とされる出力に併せて、複数の燃料電池の単セルを積層した燃料電池スタックを1個又は複数個備えている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
種々の用途に燃料電池システムを適用するためには、出力のほかにも、その使用形態に合わせた要請に応じる必要がある。例えば、起動電源電圧の相違、制御信号の通信経路の構成の相違、燃料電池スタックを個別に制御する制御装置の有無など、種々の要請がある。
【0006】
上記要請に応じるための使用形態に応じた個別の配線構造を構成すると、そのためのハーネスやコネクタが必要となるほか、全体として部品数が多くなり、高コストになってしまう。
【0007】
以上を鑑み、本明細書は、種々の要請に容易に対応可能なワイヤーハーネス構造を備える燃料電池システムを構築できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書が開示する技術は、燃料電池システムに具現化される。このシステムは、1又は2以上の燃料電池ユニットと、1又は2以上の燃料電池ユニットを制御するための制御ユニットと、1又は2以上の燃料電池ユニットに対してそれぞれ準備される1又は2以上のリレーボックスと、ワイヤーハーネス群と、を備えている。
【0009】
ワイヤーハーネス群は、1又は2以上の第1ワイヤーハーネスと、1又は2以上の第2ワイヤーハーネスと、前記1又は2以上のリレーボックスにそれぞれ接続される1又は2以上の第3ワイヤーハーネスと、第4ワイヤーハーネスと、を備えている。
【0010】
1又は2以上の第1ワイヤーハーネスは、それぞれ、1又は2以上の燃料電池ユニットと制御ユニットとの間の制御信号線の一部を含んで前記1又は2以上の燃料電池ユニットと前記第4ワイヤーハーネスとを接続するワイヤーハーネスであり、1又は2以上の第2ワイヤーハーネスは、それぞれ、1又は2以上の燃料電池ユニットと制御ユニットとの間の給電線の一部を含んで1又は2以上の燃料電池ユニットと1又は2以上の第3ワイヤーハーネスとを接続するワイヤーハーネスであり、1又は2以上の第3ワイヤーハーネスは、それぞれ、給電線の他の一部を含んで1又は2以上の第2ワイヤーハーネスと第4ワイヤーハーネスとを接続するワイヤーハーネスであり、第4ワイヤーハーネスは、制御信号線の他の一部と給電線のさらに他の一部とを含み、制御ユニットと、1又は2以上の第1ワイヤーハーネスと、前記1又は2以上の第3ワイヤーハーネスと、を接続するワイヤーハーネスとなっている。
【0011】
上記構成によれば、燃料電池ユニットの制御及びリレーボックスを介した給電に関わるワイヤーハーネス網が、第1、第2、第3及び第4ワイヤーハーネスに区分されたワイヤーハーネス群によって構成される。第1、第2及び第3ワイヤーハーネスは、燃料電池ユニットの個数に応じて備えられている。このため、これらのワイヤーハーネスは、燃料電池システムに備えられる燃料電池ユニットの個数や設置部位等に応じて長さやその形状等を種々に設定することができるとともに、燃料電池ユニットの個数に応じた簡易なワイヤーハーネス構造を採ることができる。
【0012】
また、上記構成によれば、第4ワイヤーハーネスは、燃料電池ユニットの個数などに応じて備えられる第1及び第3ワイヤーハーネスと制御ユニットとの間を接続するようになっている。すなわち、第4ワイヤーハーネスは、燃料電池ユニットの個数等に応じてワイヤーハーネス群に要請される分岐構造を集約して備えることができる。このため、第4ワイヤーハーネスは、燃料電池ユニットの個数等や制御方法に応じることができるとともに、全体として簡易なワイヤーハーネス構造を採ることができる。
【0013】
また、上記構成によれば、燃料電池ユニットへの給電を制御するリレーを含んで、1又は2以上の燃料電池ユニットに対してそれぞれ準備される1又は2以上のリレーボックスに接続される第3ワイヤーハーネスを備えている。このため、燃料電池ユニットの起動電圧の相違にも応じたワイヤーハーネス構造を採ることができる。
【0014】
以上のことから、上記構成によれば、部品数を増加及びコストアップを抑制しつつ燃料電池ユニットの個数などの燃料電池システムの種々の要請に対応した燃料電池システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】1個の燃料電池ユニットを備える燃料電池システムにおけるワイヤーハーネス群の一例の概略を示す図である。
【
図2】
図1に示す燃料電池システムのワイヤーハーネス群の詳細を示す図である。
【
図3】2個の燃料電池ユニットと追加の下位制御ユニットを備える燃料電池システムにおけるワイヤーハーネス群の一例の概略を示す図である。
【
図4】
図3に示す燃料電池システムのワイヤーハーネス群の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本技術の一実施形態において、燃料電池システムは、2以上の燃料電池ユニットを備えることができる。2以上の燃料電池ユニットを備える場合において、種々の要請に応えてワイヤーハーネス構造を提供できる。
【0017】
本技術の一実施形態において、1又は2以上の第1ワイヤーハーネスは、さらに、1又は2以上の燃料電池ユニットは、自身を識別する識別信号を取得するための識別信号線を含むことができる。こうすることで、電池ユニット10自身が、自身に割り当てられた識別子に対応する固有の識別信号を識別できる。
【0018】
本技術の一実施形態において、燃料電池システムは、さらに、制御ユニットの制御下に、1又は2以上の燃料電池ユニットを制御するための下位制御ユニットを備え、第4ワイヤーハーネスは、さらに、制御ユニットと下位制御ユニットとの間の制御信号線を、備え、前記制御ユニットと、前記1又は2以上の第1ワイヤーハーネスと、前記1又は2以上の第3ワイヤーハーネスと、さらに、前記下位制御ユニットと、を接続するワイヤーハーネスとすることもできる。こうすることで、下位制御ユニットを備えていても、全体のワイヤーハーネス構造を複雑化することなく対応することができる。
【0019】
本技術の一実施形態において、制御信号線は、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network、CAN)に基づく制御信号線であり、1又は2以上のリレーボックスの少なくとも1つは、制御信号回線の一つの終端抵抗を備えており、第4ワイヤーハーネスの制御信号線から分岐して第3ワイヤーハーネスを介して、少なくとも1つのリレーボックスの一つの終端抵抗に接続するようにしてもよい。こうすることで、こうすることで、リレーボックス内にCANの終端抵抗を備えることで、CANの終端抵抗の設置要請がある場合においても容易に対応することができる。
【0020】
以下、適宜図面を参照し、種々の要請に対応が容易なワイヤーハーネス構造を備える燃料電池システム(以下、単に、システムともいう。)について説明する。本明細書におけるシステムには、例えば、乗用車、バス、トラックなどの商用車、電車、船舶などの種々の移動体のほか定置用などの燃料電池システムが含まれる。また、本明細書における燃料電池は、固体高分子電解質形燃料電池(PEFC)など公知の種々のタイプの燃料電池を含んでいる。
【0021】
<第1の実施形態>
第1の実施形態を
図1及び
図2に示す。この実施形態は、燃料電池ユニット(以下、単に、電池ユニットともいう。)を1個備えるシステム100に関している。
図1は、例示されるシステム100に関連する構成要素を概念的に示している。システム100は、電池ユニット10と、電池ユニット10を起動停止するほか種々の制御を行う上位の電子制御ユニット(以下、単に、上位制御ユニットともいう。)20と、を備えている。システム100は、さらに、電池ユニット10と上位制御ユニット20との間の給電のオン/オフを行うリレーボックス30と、ワイヤーハーネス群40とを備えている。なお、
図1においては、電源、バッテリなど、本実施形態の説明上関連性が低い要素を省略している。
【0022】
<電池ユニット>
図1に示すように、電池ユニット10は、空気極、電解質及び燃料極からなる単セルを、セパレータを介して複数層積層した燃料電池スタック(以下、単に、スタックという。)12と、電池ユニット10の内部に備えられる固有の電子制御ユニット(以下、単に、内部制御ユニットという。)14を備えており、これらを適当な筐体に収容して構成されている。電池ユニット10は、また、内部制御ユニット14に接続されるベースワイヤーハーネス16を併せて備えている。電池ユニット10は、外部からの配線群をベースワイヤーハーネス16に接続するための制御信号用の接続端子群と給電信号用の接続端子群(図示せず。)とを備えている。なお、電池ユニット10は、スタック12に対する燃料ガス及び空気の供給系、排ガス系、冷却系などスタック12の運転に必要な構成要素(図示せず)を備えている。
【0023】
<上位制御ユニット>
図1に示すように、上位制御ユニット20は、電池ユニット10の起動や停止の制御を行うほか、種々の制御を行うために、プロセッサ、メモリなどを備えるコンピュータとして構成されている。上位制御ユニット20は、電池ユニット10との間の制御信号線を接続するための制御信号用の接続端子群及び電池ユニット10との間の給電線を接続するための給電信号用の接続端子群(図示せず。)を備えている。
【0024】
<リレーボックス>
図1に示すように、リレーボックス30は、電池ユニット10及び/又は上位制御ユニット20のための種々の起動電圧に対応できるように、1又は2以上のリレーと電源とを備えることができる。また、
図2に示すように、リレーボックス30にあっては、電池ユニット10又は内部制御ユニット14を所定起動電圧で起動するための、リレー32と電源33とを備えている。また、上位制御ユニット20を所定の起動電圧で起動するためのリレー34と電源35とを備えている。なお、これらの電源33、35は、適宜リレーボックス30の外部に備えられていてもよい。
【0025】
図2に示すように、リレーボックス30には、CANの終端部としての終端抵抗36を備えることができる。CANを用いる場合には、二つの終端抵抗を備えることが好適である。システム100によっては、別途これら2つの終端抵抗のうち1個又は2個を備えることが要請される場合がある。あらかじめリレーボックス30に1個又は2個の終端抵抗36を備えておくことで、こうした要請に容易に答えることができる。CANの制御信号線から終端抵抗36への導入については後段で説明する。
【0026】
<ワイヤーハーネス群>
図1に示すように、ワイヤーハーネス群40は、第1ワイヤーハーネス42と、第2ワイヤーハーネス44と、第3ワイヤーハーネス46と、第4ワイヤーハーネス48と、を備えている。以下、併せて、
図2を参照して、ワイヤーハーネス群40における各ワイヤーハーネス42、44、46、48における配線構成について説明する。
【0027】
(第1ワイヤーハーネス)
図1に示すように、第1ワイヤーハーネス42は、電池ユニット10と第4ワイヤーハーネス48とに接続するように構成されている。第1ワイヤーハーネス42は、第4ワイヤーハーネス48に着脱可能に接続するためのコネクタ42aと、電池ユニット10の制御信号用の接続端子群に着脱可能に接続するためのコネクタ42bとを備えている。
【0028】
図2に示すように、第1ワイヤーハーネス42は、上位制御ユニット20と電池ユニット10との間の制御信号のやりとりを行う制御信号線SAの一部としての制御信号線SA1を含んでいる。制御信号線SA1は、いわゆるCANとして構成されており、上位制御ユニット20及び電池ユニット10の内部制御ユニット14との間等において種々の制御信号のやりとりを行うことができる。
【0029】
また、第1ワイヤーハーネス42は、さらに、追加の制御信号線SB1を含むことができる。制御信号線SB1は、必要に応じて適宜使用される。例えば、
図1及び
図2に示すように、制御信号線SB1は、電池ユニット10の内部制御ユニット14に識別信号を与えるための識別信号線として使用することができる。この場合、制御信号線SB1を複数の信号線で構成し、そのうちの第1の信号線を用いて、電池ユニット10からコネクタ42aに向けて所定の基本信号を出力させる。この基本信号は、例えば一定の電圧信号であってよい。コネクタ42aが接続されるコネクタ48cでは、電池ユニット10に割り当てる識別子に応じて、第1の信号線を複数の信号線のうちの一部へ選択的に接続しておく。例えば、電池ユニット10に識別子「1」を与えたい場合は、コネクタ42aにおいて、第1の信号線を複数の信号線のうちの第2の信号線に接続しておく。電池ユニット10に識別子「2」を与えたい場合は、コネクタ42aにおいて、第1の信号線を複数の信号線のうちの第3の信号線に接続しておく。そして、電池ユニット10に識別子「3」を与えたい場合は、コネクタ42aにおいて、第1の信号線を第2の信号線と第3の信号線との両者に接続しておく。これにより、電池ユニット10の内部制御ユニット14は、第2の信号線のみを通じて基本信号を受信した場合、自己に割り当てられた識別子が「1」であることを認識することができる。内部制御ユニット14は、第3の信号線のみを通じて基本信号を受信した場合、自己に割り当てられた識別子が「2」であることを認識することができる。そして、内部制御ユニット14は、第2の信号線と第3の信号線との両者を通じて基本信号を受信した場合、自己に割り当てられた識別子が「3」であることを認識することができる。このように、電池ユニット10から出力された基本信号が、コネクタ48cにおける接続を介して特定の信号線から再び電池ユニット10に入るようにすることで、電池ユニット10に識別信号を与えることができる。
【0030】
このような制御信号線SB1の利用により、電池ユニット10に個別の識別子を付与することができる。こうすることで、上位制御ユニット20が、電池ユニット10毎に個別の識別信号を付与しなくても、また、電池ユニット10の内部制御ユニット14が、上位制御ユニット20からの個別の識別信号の同一性を照合しなくても、電池ユニット10自身が、自身に割り当てられた識別子に対応する固有の識別信号を識別できるようになっている。このような電池ユニット10自身における識別信号の取得及び識別は、複数個の電池ユニット10を備える場合において、また、特に、後述する下位制御ユニットを備えない場合において、電池ユニット10等の出力制御等に有利である。
【0031】
なお、
図2に示すように、本実施例の電池ユニット10では、その内部において、制御信号線SB1の先に、給電線FA1の先が接続されている。これにより、給電線FA1における安定した電圧信号を、上述した識別信号を生成するための基本信号として用いることができる。
【0032】
また、第1ワイヤーハーネス42は、さらに、追加の制御信号線SC1を含むことができる。制御信号線SC1は、必要に応じて適宜使用される。例えば、制御信号線SC1は、後述する下位制御ユニットを備える場合に、下位制御ユニットが電池ユニット10のバッテリなどを制御したり、システム100が電池ユニット10を複数個備える場合において、複数の電池ユニット10間のバッテリなど起動等に関する制御信号線として利用できる。
【0033】
図1及び
図2に示すように、第1ワイヤーハーネス42は、制御信号線SA1などの制御信号線など、リレーボックス等への分岐なく構成されるため、必要に応じた長さや形状等を容易に備えることができる。例えば、
図1に示すように、システム100に関する種々の要請、例えば、電池ユニット10と上位制御ユニット20との配置位置や離間距離等に応じて、電池ユニット10と離れて設置される上位制御ユニット20との間を接続できる充分な長さや形状等に容易に調節可能となっている。
【0034】
また、電池ユニット10を複数個備える場合であっても、電池ユニット10等毎に第1ワイヤーハーネス42を備え、個々の第1ワイヤーハーネス42が、個々の電池ユニット10等の配置位置等の要請に応じた長さや形状を備えることで、容易にシステム100の個別要請に応じることができる。
【0035】
また、第1ワイヤーハーネス42が追加的に制御信号線SB1、SC1を備えることで、必要に応じて、これらを他の電池ユニット10等や上位制御ユニット20の下位に追加された下位制御ユニットを備える場合の制御信号のやりとりに適宜用いることができる。これにより、システム100の種々の要請に容易に応じることができる。なお、下位制御ユニットとは、例えば、用途や各種事業者の種々の要請に応じて1個又は2個以上の電池ユニットを制御する制御ユニットが挙げられる。なお、追加的に備えられた制御信号線SB1、SC1は、特段使用されない場合でも、そのまま第1ワイヤーハーネス42に備えられていてもよい。
【0036】
(第2ワイヤーハーネス及び第3ワイヤーハーネス)
図1に示すように、第2ワイヤーハーネス44は、電池ユニット10と第3ワイヤーハーネス46とを接続するように構成されている。第2ワイヤーハーネス44は、第3ワイヤーハーネス46に着脱可能に接続するためのコネクタ44aと電池ユニット10の給電用の接続端子群に着脱可能に接続するためのコネクタ44bとを備えている。
【0037】
図2に示すように、第2ワイヤーハーネス44は、上位制御ユニット20が電池ユニット10ないし内部制御ユニット14を所定の起動電圧で起動するための給電線FAの一部である給電線FA1を含んでいる。また、第2ワイヤーハーネス44は、内部制御ユニット14が上位制御ユニット20を所定の起動電圧で起動するための給電線FBの一部である給電線FB1を含んでいる。
【0038】
図1に示すように、第3ワイヤーハーネス46は、リレーボックス30に接続されており、第2ワイヤーハーネス44と第4ワイヤーハーネス48とに接続するように構成されている。第3ワイヤーハーネス46は、第4ワイヤーハーネス48と着脱可能に接続するためのコネクタ46aと第2ワイヤーハーネス44と着脱可能に接続するためのコネクタ46bとを備えている。
【0039】
図2に示すように、第3ワイヤーハーネス46は、給電線FAの他の一部である給電線FA2を含んでいる。給電線FA2は、リレーボックス30に収容されるリレー32を備えている。また、第3ワイヤーハーネス46は、給電線FBの他の一部である給電線FB2を含んでいる。給電線FB2は、リレーボックス30に収容されるリレー34を備えている。なお、第3ワイヤーハーネス46は、リレーボックス30の終端抵抗36に至る制御信号線SA4を含む。第3ワイヤーハーネス46が制御信号線SA4を含むことで、システム100の要請に応じて終端抵抗が必要な場合に、制御信号線SA4に、第4ワイヤーハーネス48からの制御信号線SA3を接続することで、終端抵抗36を利用することができる。
【0040】
第2及び第3ワイヤーハーネス44,46を通じる給電線FA1、FA2は、コネクタ44a、46bを介して接続されている。また、同様に、給電線FB1、FB2も、コネクタ44a、46bを介して接続されている。
【0041】
図1及び
図2に示すように、第3ワイヤーハーネス46は、第2ワイヤーハーネス44によって、電池ユニット10側に延長して接続された状態となっている。第2ワイヤーハーネス44は、第3ワイヤーハーネス46を電池ユニット10側に延長して接続するのに充分な長さを備えている。
【0042】
リレーボックス30を備える第3ワイヤーハーネス46を、システム100に関する種々の要請にかかわらず、所定のリレーボックス30と所定長さの給電線FA2、FB2を備えることができる。こうすることで、第3ワイヤーハーネス46は、種々のシステム100に対して汎用性の高いワイヤーハーネスとなっており、部品点数の増大を抑制し、またコストアップを回避して種々のシステム100に使用できるものとなっている。また、第2ワイヤーハーネス44が、システム100に関する種々の要請、例えば、電池ユニット10と上位制御ユニット20の配置位置や離間距離等に応じてその長さや形状等を備えることで、部品点数の増大を抑制し、またコストアップを回避して、システム100の個別の種々の要請に応じることができる。
【0043】
また、システム100が電池ユニット10を複数個備える場合であっても、電池ユニット10等毎に第2及び第3ワイヤーハーネス44、46を備えるようにするとともに、第2ワイヤーハーネス44が、個々の電池ユニット10等の配置等の要請に応じた長さや形状を備えるようにすることで、部品点数の増大を抑制しつつ、容易にシステム100の個別要請に応じることができる。
【0044】
(第4ワイヤーハーネス)
図1に示すように、第4ワイヤーハーネス48は、上位制御ユニット20と第1ワイヤーハーネス42と第3ワイヤーハーネス46とに接続されるように構成されている。第4ワイヤーハーネス48は、上位制御ユニット20の制御信号用の接続端子群及び給電用の接続端子群にそれぞれ着脱可能に接続するためのコネクタ48a、48bと、第1ワイヤーハーネス42と着脱可能に接続するためのコネクタ48cと、第3ワイヤーハーネス46と着脱可能に接続するためのコネクタ48dと、を備えている。なお、上位制御ユニット20の上記接続端子群は、上位制御ユニット20に別途備えられたワイヤーハーネスのコネクタであってもよい。
【0045】
図2に示すように、第4ワイヤーハーネス48は、上位制御ユニット20と電池ユニット10との間の制御信号のやりとりを行う制御信号線SAの一部としての制御信号線SA2を含んでいる。制御信号線SA2は、第4ワイヤーハーネス48と第1ワイヤーハーネス42を介して、上位制御ユニット20及び電池ユニット10との間を接続する。なお、
図1に示す形態においては、制御信号線SB1、SC1は、上位制御ユニット20等との制御信号線としては用いられていないため、これらの制御信号線SB1、SC1に対応する制御信号線は第4ワイヤーハーネス48に含まれていない。
【0046】
第4ワイヤーハーネス48は、制御信号線SA2から分岐した制御信号線SA3を備えており、該信号線SA3は、コネクタ48d、46a及び第3ワイヤーハーネス46内の制御信号線SA4を介してリレーボックス30に収容されているCANの終端抵抗36に接続されている。これにより、リレーボックス30内の終端抵抗36により容易にCANに終端抵抗を付与できる。
【0047】
第4ワイヤーハーネス48は、また、給電線FAの他の一部である給電線FA3を含んでいる。また、第4ワイヤーハーネス48は、給電線FBの他の一部である給電線FB3を含んでいる。これらの給電線FA3、FB3は、上位制御ユニット20の給電用の接続端子に接続されている。これにより、上位制御ユニット20による電池ユニット10の起動や電池ユニット20による上位制御ユニット20の起動が可能となっている。
【0048】
このように、第4ワイヤーハーネス48が、制御や給電の要請に応じて複数に分岐した構造を採ることで、簡素化された第1~第3ワイヤーハーネス42~46が備える種々の制御信号線や給電線を、システム100の要請に応じて上位制御ユニット20に接続することができる。
【0049】
また、システム100が複数個の電池ユニット10を備える場合であっても、電池ユニット10等毎に備えられる第1ワイヤーハーネス42等と、第2及び第3ワイヤーハーネス44、46等と、に応じて、接続先を増大させることで容易に対応できる。
【0050】
また、システム100が、上位制御ユニット20の下位に追加的に下位制御ユニットを備える場合であっても、第1~第3ワイヤーハーネス42~46が備える種々の制御信号線や給電線を、システム100の種々の要請に応じて上位制御ユニット20と下位制御ユニットに接続するとともに、上位制御ユニット20と下位制御ユニットとの間に接続することができる。
【0051】
以上説明した種々の要素を用いることにより、システム100が、第1~第4ワイヤーハーネス42~48からなるワイヤーハーネス群40を備えることにより、システム100の個々の要請、すなわち、[1]電池ユニット10の個数及び配置位置、[2]電池ユニット10等と上位制御ユニット20との距離、[3]上位制御ユニット20に加えた下位制御ユニットの有無、[4]起動電源電圧の相違及び[5]CANの終端抵抗を上位制御ユニット20及び電池ユニット10の内部制御ユニット14等に備えていない場合の追加設置の要請、のうちの1つの要請及びこれらを2つ以上組み合わせた種々の要請に、容易に、部品点数の増大及びコストアップを抑制して応じることができる。
【0052】
<第2の実施形態>
第2の実施形態を
図3及び
図4に示す。この実施形態は、2個の電池ユニット10、110を備えるシステム200に関する。システム200は、第1の電池ユニット10、第2の電池ユニット110と、上位制御ユニット20、下位制御ユニット120,第1のリレーボックス30、第2のリレーボックス130と、ワイヤーハーネス群140を備えている。本実施形態においては、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略するか概要的に説明し、主として本実施形態に固有の形態について説明する。
【0053】
<下位制御ユニット>
下位制御ユニット120は、電池ユニット10、110の起動や停止の制御を行うほか、用途や使用者の要請に応じた種々の制御を行うために、プロセッサ、メモリなどを備えるコンピュータとして構成されている。下位制御ユニット120は、電池ユニット10、110との間の制御信号線を接続するための制御信号用の接続端子群(図示せず。)を備えている。
【0054】
<ワイヤーハーネス群>
図3及び
図4に示すように、システム200のワイヤーハーネス群140は、電池ユニット10に関する第1ワイヤーハーネス42,第2ワイヤーハーネス44及び第3ワイヤーハーネス46と、第1’ワイヤーハーネス142,第2’ワイヤーハーネス144及び第3’ワイヤーハーネス146とを備えるとともに、共用の第4ワイヤーハーネス48を備えている。
【0055】
第4ワイヤーハーネス48は、第1ワイヤーハーネス42,第3ワイヤーハーネス46及び上位制御ユニット20、下位制御ユニット120、第1’ワイヤーハーネス142,第3’ワイヤーハーネス146に接続するようになっている。
【0056】
次に、
図4を参照して、ワイヤーハーネス群140における配線構成について説明する。なお、第1及び第1’ワイヤーハーネス42,142は、互いに同じ配線構成を備え、第2及び第2’ワイヤーハーネス44,144も互いに同じ配線構成を備え、互いに第3及び第3’ワイヤーハーネス46,146も互いに同じ配線構成を備えている。
【0057】
第1ワイヤーハーネス42は、制御信号線SAの一部としての制御信号線SA1と、制御信号線SBの一部としての制御信号線SB1と、制御信号線SCの一部としての制御信号線SC1と、を含んでいる。本実施形態では、制御信号線SA1、SC1が、コネクタ42a、48cを介して第4ワイヤーハーネス48に接続されている。さらに、第4ワイヤーハーネス48を介して、下位制御ユニット120に接続されている。なお、制御信号線SB1は、第1の実施形態と同様、電池ユニット10に固有の識別信号を取得させるための識別信号線として利用されている。
【0058】
第2ワイヤーハーネス44及び第3ワイヤーハーネス46は、第1実施形態と同様の給電線FA1、FA2、FB1、FB2を含んで、コネクタ46a、48dを介して、第4ワイヤーハーネス48に接続され、第4ワイヤーハーネス48を介して、上位制御ユニット20の給電用の端子群に接続されている。
【0059】
第1’ワイヤーハーネス142も、第1ワイヤーハーネス42と同様、制御信号線SAの一部としての制御信号線SA1と、制御信号線SBの一部としての制御信号線SB1と、制御信号線SCの一部としての制御信号線SC1と、を含んでいる。制御信号線SA1、SC1は、コネクタ142a、48eを介して第4ワイヤーハーネス48に接続され、さらに、第4ワイヤーハーネス48を介して、下位制御ユニット120に接続されている。制御信号線SB1は、第1実施形態と同様に、コネクタ146a、48eを介することで、電池ユニット110が固有の識別信号を取得できるように構成されている。
【0060】
第2’ワイヤーハーネス144及び第3’ワイヤーハーネス146は、第2ワイヤーハーネス44及び第3ワイヤーハーネス46と同様に、給電線FA1、FA2、FB1、FB2を含んでいるが、給電線FA1、FA2が、コネクタ146a、48fを介して、第4ワイヤーハーネス48に接続され、第4ワイヤーハーネス48を介して、上位制御ユニット20に接続されている。なお、第3’ワイヤーハーネスの給電線FB1、FB2は、給電端子群に接続されていないことから、電池ユニット110から、上位制御ユニット20を起動させる構成とはなっておらず、電池ユニット10のみから起動が可能となっている。
【0061】
図3及び
図4に示すように、第4ワイヤーハーネス48は、上位制御ユニット20の2個の接続端子群、第1ワイヤーハーネス42,第3ワイヤーハーネス46、第1’ワイヤーハーネス142,第3’ワイヤーハーネス146、下位制御ユニット120の接続端子群に接続する合計7個のコネクタ48a~gを備えている。
【0062】
図4に示すように、第4ワイヤーハーネス48は、システム200が新たに下位制御ユニット120及び電池ユニット110を備えることで、これらとの接続のための態様を採ることができる。第4ワイヤーハーネス48は、コネクタ48a及びコネクタ48gの間に、第1及び第1’ワイヤーハーネス42、142の制御信号線SA1に関する制御信号線SA2に替えて、新たに、制御信号線SA5、SA6を備えている。制御信号線SA5は、上位制御ユニット20と下位制御ユニット120とを接続するCANに関する制御信号線であり、制御信号線SA6は、下位制御ユニット120と第1ワイヤーハーネス42及び第1’ワイヤーハーネス142との間を分岐して接続する制御信号線である。これらは、上位制御ユニット20からの制御信号を、第1及び第1’ワイヤーハーネス42、142の2つの制御信号線SA1を介して電池ユニット10、110に送信するためのものである。
【0063】
なお、制御信号線SA6は、リレーボックス30、130の各終端抵抗36、136に向けてそれぞれ分岐する制御信号線SA7を備えており、制御信号線SA7は、第3及び第3’ワイヤーハーネス46、146の制御信号線SA8を介して、リレーボックス30、130の終端抵抗36、136に接続されている。これにより、システム200に、CANの終端抵抗を提供している。
【0064】
また、第4ワイヤーハーネス48は、下位制御ユニット120が、電池ユニット10、110を制御できるように、新たに、コネクタ48g及びコネクタ48c、48eの間に制御信号線SC2を備えている。
【0065】
以上説明したように、システム200のワイヤーハーネス群140は、互いに共通した構成を有する第1及び第1’ワイヤーハーネス42,142、第2及び第2’ワイヤーハーネス44,144,第3及び第3’ワイヤーハーネス46,146を、電池ユニット10、110の設置位置や上位制御ユニット20との距離及び追加的な下位制御ユニット120などのバリエーションに対応可能なワイヤーハーネスとして、電池ユニット10、110の個数に応じて備えている。また、ワイヤーハーネス群140は、第4ワイヤーハーネス48を、電池ユニット10、110の個数や追加的な下位制御ユニット120に対応可能に分岐するワイヤーハーネスとして、ワイヤーハーネス群において共用するように備えている。こうすることで、システム200が、システム200の種々の要請、例えば既述の[1]~[5]の要請に、容易に、部品点数の増大及びコストアップを抑制して応じることができる。
【0066】
なお、システム200では、CANの終端抵抗として、リレーボックス30、130の終端抵抗36、136を用いるものとしたが、上位制御ユニット20、下位制御ユニット120、電池ユニット10、110など、このCANに接続される制御ユニットに終端がある場合には、適宜、終端抵抗36、136への接続を解消すればよい。例えば、制御信号線SA6から第3及び/又は第3’ワイヤーハーネス46、146のコネクタ46a、146aへの分岐する制御信号線SA7の削除、第3及び/又は第3’ワイヤーハーネス46、146内のこの制御信号線SA8の削除、リレーボックス30、130内における終端抵抗36、136の削除が挙げられる。
【0067】
また、以上の実施形態では、第2及び第3ワイヤーハーネス44、46による給電線FB1,FB2により、電池ユニット10から上位制御ユニット20を起動させる構成としたが、必ずしもかかる構成を備える必要はない。システムの要請に応じて適宜設定される。
【0068】
また、以上の実施形態では、リレーボックス30、130内に終端抵抗36、136を備えるものとしたが、これに限定するものではなく、終端抵抗を備えないリレーボックスを備える第3ワイヤーハーネスを採用することもできる。
【0069】
また、以上の実施形態では、第1及び第1’ワイヤーハーネス42,142内に、制御信号線SA1、SB1、SC1を備えるものとしたが、制御信号線SB1、SC1のいずれか又は双方を備えない態様があってもよい。また、第1及び第1’ワイヤーハーネス42、142においては、制御信号線SB1を識別信号のための制御信号線として用いたが、識別信号用に別途の制御信号線を備えていてもよい。
【0070】
なお、以上の実施形態では、第1及び第1’ワイヤーハーネス42、142は、制御信号線SA1、SB1、SCを備えるものとしたが、これに限定するものではない。これらの制御信号線の一部に替えて、あるいは追加して、ワイヤーハーネスにおいて、分岐しない給電線を備えていてもよい。
【0071】
また、以上の実施形態では、第2及び第2’ワイヤーハーネス44、144並びに第3及び第3’ワイヤーハーネス46、146は、上位制御ユニット20の起動のための給電線FB1、FB2を備えるものしたが、これに限定するものではなく、かかる起動形態を採用しない場合に、これらの給電線を備えない態様があってもよい。
【0072】
以上、本技術の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0073】
10、110:燃料電池ユニット
12:燃料電池スタック
14:燃料電池内の電子制御ユニット(内部制御ユニット)
16:ベースワイヤーハーネス
20:上位制御ユニット
30、130:リレーボックス
32、34:リレー
33、35:電源
36、136:終端抵抗
40、140:ワイヤーハーネス群
42:第1ワイヤーハーネス
42a、42b:コネクタ
142:第1’ワイヤーハーネス
142a、142b:コネクタ
44:第2ワイヤーハーネス
44a、44b:コネクタ
120:下位制御ユニット
144:第2’ワイヤーハーネス
144a、144b:コネクタ
46:第3ワイヤーハーネス
46a、46b:コネクタ
146:第3’ワイヤーハーネス
146a、146b:コネクタ
48:第4ワイヤーハーネス
48a、48b、48c、48d、48e、48f、48g:コネクタ
100、200:燃料電池システム