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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】充電設備および充電設備の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240827BHJP
   B60L 53/31 20190101ALI20240827BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60L53/31
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021053047
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022150447
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木野村 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 大和
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-502910(JP,A)
【文献】特開2019-154190(JP,A)
【文献】特開2007-216790(JP,A)
【文献】特開2017-229221(JP,A)
【文献】特開2012-100448(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0307477(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 53/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に形成された凹部の底面に設置され、車両に搭載された蓄電装置の充電が可能な可動式の充電設備であって、
前記蓄電装置と接続可能な接続機器を含む可動部と、
前記可動部が地面下に収納された第1状態と、前記可動部が地面上に露出した第2状態とを含む複数の状態のうちのいずれかの状態になるように前記可動部を昇降させる昇降装置と、
前記充電設備の設置地点における降水に関連する天候情報を取得する情報取得装置と、
前記昇降装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記天候情報を用いて、前記設置地点において前記降水が観測されている場合、および、前記設置地点において予め定められた時間が経過するまでに前記降水が予測される場合のうちのいずれかの場合に、前記第2状態になるように前記昇降装置を制御し、
前記可動部の上端の外周部分と前記地面との間には、シールが設けられ、
前記制御装置は、前記降水の間および前記降水後の少なくともいずれかにおいて、前記第1状態した後に前記第2状態になるように前記昇降装置を制御する、充電設備。
【請求項2】
前記制御装置は、前記降水が終了してから予め定められた時間が経過するまで前記第2状態を維持する、請求項1に記載の充電設備。
【請求項3】
地面に形成された凹部の底面に設置され、車両に搭載された蓄電装置の充電が可能な可動式の充電設備の制御方法であって、前記充電設備は、前記蓄電装置と接続可能な接続機器を含む可動部と、前記可動部が地面下に収納された第1状態と、前記可動部が地面上に露出した第2状態とを含む複数の状態のうちのいずれかの状態になるように前記可動部を昇降させる昇降装置とを備え、前記可動部の上端の外周部分と前記地面との間には、シールが設けられ、
前記制御方法は、
前記充電設備の設置地点における降水に関連する天候情報を取得するステップと、
前記天候情報を用いて、前記設置地点において前記降水が観測されている場合、および、前記設置地点において予め定められた時間が経過するまでに前記降水が予測される場合のうちのいずれかの場合に、前記第2状態になるように前記昇降装置を制御するステップと
前記降水の間および前記降水後の少なくともいずれかにおいて、前記第1状態した後に前記第2状態になるように前記昇降装置を制御するステップとを含む、充電設備の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載の蓄電装置を充電する可動式の充電設備の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に搭載される蓄電装置を充電するための充電設備は、車両等の外部の駐車場や歩道に設置されるが、設置スペースを占有するため、歩行や車両の走行の妨げになる場合がある。そのため、充電設備を可動式とし、たとえば、地面下に収納させる技術が公知である。
【0003】
たとえば、特開2011-109807号公報(特許文献1)には、地面から立ち上がった状態になることができるとともに、地面下に収納された状態になるよう昇降可能に設置される充電用ポールが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-109807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような昇降可能な可動式の充電設備の非使用時においては、地面下に収納された状態になるため、可動部分に砂や泥が侵入して汚れやすくなる。そして、砂や泥により汚れた部分においては錆や腐食等の不具合の発生の原因になり得る。
【0006】
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、可動部への砂や泥の侵入に起因した不具合の発生を抑制する充電設備および充電設備の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に係る充電設備は、地面に形成された凹部の底面に設置され、車両に搭載された蓄電装置の充電が可能な可動式の充電設備である。この充電設備は、蓄電装置と接続可能な接続機器を含む可動部と、可動部が地面下に収納された第1状態と、可動部が地面上に露出した第2状態とを含む複数の状態のうちのいずれかの状態になるように可動部を昇降させる昇降装置と、充電設備の設置地点における降水に関連する天候情報を取得する情報取得装置と、昇降装置の動作を制御する制御装置とを備える。制御装置は、天候情報を用いて、設置地点において降水が観測されている場合、および、設置地点において予め定められた時間が経過するまでに降水が予測される場合のうちのいずれかの場合に、第2状態になるように昇降装置を制御する。
【0008】
このようにすると、雨などの降水時において第2状態になるため可動部の露出した部分に付着した砂や泥による汚れを水によって流すことができる。そのため、可動部への砂や泥の侵入に起因した不具合の発生を抑制することができる。
【0009】
ある実施の形態においては、可動部の上端の外周部分と地面との間には、シールが設けられる。
【0010】
このようにすると、第1状態と第2状態との間で可動部が昇降するときにシールによって可動部の外周部分に付着した砂や泥を除去することができる。
【0011】
さらにある実施の形態においては、制御装置は、降水の間および降水後の少なくともいずれかにおいて、第1状態した後に第2状態になるように昇降装置を制御する。
【0012】
このようにすると、水に濡れることによって可動部の外周に付着した砂や泥が除去しやすい状態になり、第1状態と第2状態との間で可動部が昇降するときにシールによって可動部の外周部分に付着した砂や泥を除去することができる。
【0013】
さらにある実施の形態においては、制御装置は、降水が終了してから予め定められた時間が経過するまで第2状態を維持する。
【0014】
このようにすると、水に濡れた部分を乾燥させることができるため濡れた状態が維持されることを抑制することができる。
【0015】
本開示の他の局面に係る充電設備の制御方法は、地面に形成された凹部の底面に設置され、車両に搭載された蓄電装置の充電が可能な可動式の充電設備の制御方法である。充電設備は、蓄電装置と接続可能な接続機器を含む可動部と、可動部が地面下に収納された第1状態と、可動部が地面上に露出した第2状態とを含む複数の状態のうちのいずれかの状態になるように可動部を昇降させる昇降装置とを備える。制御方法は、充電設備の設置地点における降水に関連する天候情報を取得するステップと、天候情報を用いて、設置地点において降水が観測されている場合、および、設置地点において予め定められた時間が経過するまでに降水が予測される場合のうちのいずれかの場合に、第2状態になるように昇降装置を制御するステップとを含む。
【発明の効果】
【0016】
本開示によると、可動部への砂や泥の侵入に起因した不具合の発生を抑制する充電設備および充電設備の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】電動車両と、可動部が地面下に収納された状態の充電スタンドとの構成の一例を示す図である。
図2】電動車両と、可動部が地面上に露出した状態の充電スタンドとの構成の一例を示す図である。
図3】充電スタンドと駐車スペースとのレイアウトの一例を示す図である。
図4】充電スタンドと駐車スペースとのレイアウトの他の一例を示す図である。
図5】充電スタンドの制御装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図6】変形例において充電スタンドの制御装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0019】
以下では、本開示の実施の形態に係る充電設備である充電スタンド300の構成を一例として説明する。図1は、電動車両200と、可動部300a(後述)が地面下に収納された状態の充電スタンド300の構成の一例を示す図である。図2は、電動車両200と、可動部300aが地面上に露出した状態の充電スタンド300の構成の一例を示す図である。
【0020】
図1および図2に示すように、充電スタンド300は、上端の位置が地面と略同じ位置となり、可動部300aが地面下に収納された第1状態(図1参照)と、上端が地面上の所定位置まで上昇し、可動部300aが露出した第2状態(図2参照)との間で昇降可能に構成される。
【0021】
充電スタンド300は、たとえば、円筒形状の筐体を有し、地面に形成される凹部の底面に設置される。地面に形成される凹部は、充電スタンド300の筐体の外周面と所定の間隙を有するように形成され、深さが第1状態の充電スタンド300の鉛直方向の長さと同程度になるように形成される。
【0022】
充電スタンド300は、可動部300aと、固定部300bとを含む。可動部300aの上部には、コネクタ302を収納可能な収納スペースが形成される。コネクタ302には、他方端が電源350に接続されるケーブル304の一方端が接続される。電源350は、たとえば、商用電源等によって構成される交流電源である。ケーブル304は、たとえば、カール部を有する形状的な伸縮部あるいは巻き取り構造を有する構造的な伸縮部を有し、コネクタ302が持ち出された場合には、駐車スペースに駐車された電動車両200のインレット220まで伸縮可能に構成される。
【0023】
可動部300aの上端には、降水センサ312が設けられる。降水センサ312は、たとえば、可動部300aの上端に設けられ、降水の有無を検出する。降水センサ312は、たとえば、降水量を検出するセンサであってもよいし、水滴の付着の有無を検出するセンサであってもよい。降水センサ312は、降水の有無を示す情報を制御装置308に送信する。
【0024】
可動部300aの上端の外周部分と地面との間には、リップシール310が設けられる。リップシール310は、たとえば、ゴム等の弾力性を有する部材によって形成される。リップシール310は、中空円盤形状を有しており、その内周部分の径は、可動部300aの外周部分の径よりも小さくなるように形成される。リップシール310は、その中心軸が円筒形状の可動部300aの中心軸と一致するように設けられる。リップシール310の外周部分は、地面に固定される。
【0025】
このように形成されるリップシール310は、充電スタンド300が第1状態である場合には、図1に示すように、可動部300aの上端の外周部分と、地面との隙間を覆うように配置される。そのため、充電スタンド300が第1状態である場合に、可動部300aの外周部分と地面との隙間に砂や泥が浸入することが抑制される。
【0026】
一方、充電スタンド300が第2状態である場合には、図2に示すように、可動部300aが上昇するように移動する。そのため、リップシール310の内周部分と可動部300aの外周部分とが当接した状態でリップシール310の内周部分が第1状態である場合の初期位置よりも上方に移動するようにリップシール310が変形する。第1状態から第2状態に変化する場合、可動部300aの外周部分は、リップシール310の内側部分に摺動しつつ、上昇していく。
【0027】
固定部300bは、地面に形成される凹部の底面に固定される。なお、固定部300bは、地面に形成される凹部内のいずれかに固定されればよく、特に凹部の底面に固定されることに限定されるものではない。
【0028】
固定部300bは、可動部300aを上下方向に昇降する昇降装置306と、昇降装置306の動作を制御する制御装置308とを含む。
【0029】
昇降装置306は、たとえば、可動部300aに固定されたラックギヤに噛み合わされたピニオンギヤを電動アクチュエータを用いて回転させることにより可動部300aを昇降させる、ラックピニオン式の機構を有していてもよいし、ピストンに接続されるロッドを可動部300aに固定して、固定部300bに固定されるシリンダ本体に供給される油圧を増減することにより可動部300aを昇降させる、油圧シリンダを用いた機構を有していてもよいし、可動部300aと固定部300bとの間で磁力による反発力を発生させて可動部300aを昇降させる機構を有していてもよい。
【0030】
昇降装置306は、第1状態と第2状態とを含む複数の状態のうちのいずれかの状態になるように可動部300aを昇降させる。本実施の形態において、昇降装置306は、たとえば、ストッパ機構等により可動部300aが第1状態に相当する位置を超えて下降しないように構成され、また、第2状態に相当する位置を超えて上昇しないように構成される。
【0031】
制御装置308は、CPU(Central Processing Unit)308aと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等によって構成されるメモリ308bと、外部の機器の通信可能な通信部308cとを含む。制御装置308は、メモリ308bに記憶された情報や、通信部308cを経由して受信した情報や、センサ類(たとえば、降水センサ312など)から取得した情報に基づいて充電スタンド300に設けられる電気機器(たとえば、昇降装置306)を制御する。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理をCPU300aによって実行する構成に限られず、専用ハードウェア(電子回路)で構築する構成とすることも可能である。
【0032】
通信部308cは、充電スタンド300の外部の機器と各種情報等を通信可能に構成される。通信部308cは、たとえば、管理サーバ600と通信可能に構成される。なお、通信部308cは、管理サーバ600に加えて、充電スタンド300で充電を行なうユーザが所有する携帯端末(図示せず)と通信可能に構成されてもよいし、あるいは、他の充電スタンド300と通信可能に構成されてもよい。
【0033】
通信部308cは、たとえば、有線通信により管理サーバ600や他の充電スタンド300と通信可能に構成されてもよい。あるいは、通信部308cは、たとえば、無線通信により管理サーバ600、携帯端末あるいは他の充電スタンド300と通信可能に構成されてもよい。
【0034】
制御装置308は、たとえば、上昇制御の実行条件が成立する場合に、充電スタンド300が第1状態から第2状態に切り替わるように昇降装置306における上昇制御を実行する。上昇制御の実行条件は、たとえば、充電スタンド300が第1状態であるという条件と、充電スタンド300の上昇要求があるという条件とを含む。上昇要求は、たとえば、管理サーバ600、携帯端末、あるいは、他の充電スタンド300から受信してもよい。
【0035】
あるいは、制御装置308は、たとえば、下降制御の実行条件が成立する場合に、充電スタンド300が第2状態から第1状態に切り替わるように昇降装置306における下降制御を実行する。下降制御の実行条件は、たとえば、充電スタンド300が第2状態であるという条件と、充電スタンド300の下降要求があるという条件とを含む。下降要求は、たとえば、管理サーバ600、携帯端末、あるいは、他の充電スタンド300から受信してもよい。
【0036】
管理サーバ600は、制御装置と、通信装置と、記憶装置(いずれも図示せず)とを含む。管理サーバ600の制御装置は、CPUおよびメモリ等によって構成される。管理サーバ600の通信装置は、通信ネットワークを介して、あるいは、直接的に充電スタンド300、あるいは、携帯端末などのその他の機器と通信可能に構成される。管理サーバ600の記憶装置には、所定の情報が記憶される。管理サーバ600の制御装置は、電動車両200や充電スタンド300から通信装置を経由して所定の情報を受信したり、受信した情報の一部または全部を記憶装置に記憶したりする。
【0037】
管理サーバ600は、たとえば、気象庁が定期的に提供するアメダス観測データ等の情報を気象庁の外部サーバ等に通信装置を経由してアクセスして取得するように構成される。管理サーバ600は、取得した情報を記憶装置に記憶させる。外部サーバ等から取得する情報は、たとえば、管理サーバ600が管理する複数の充電スタンド(充電スタンド300を含む)の設置地点における降水に関連する情報を含む。
【0038】
外部サーバ等から取得する情報は、たとえば、充電スタンド300の設置地点における現時点の降水の有無に関する情報、設置地点における現時点の降水量に関する情報、現時点から予め定められた時間が経過するまでの間における降水の有無に関する情報、および、現時点から予め定められた時間が経過するまでの間の降水量に関する情報のうちの少なくともいずれかを含む。
【0039】
図1および図2には、充電スタンド300によって充電が可能な駐車スペースに駐車される電動車両200の構成の一例がさらに示されている。図1および図2に示すように、電動車両200は、たとえば、プラグインハイブリッド自動車および電気自動車などの蓄電装置を搭載した車両が含まれる。なお、電動車両200の構成は、充電スタンド300から電力供給を受けることが可能な構成を有していればよく、特に上述のように列挙した車両に限定されるものではなく、たとえば、外部給電用の蓄電装置を搭載した車両であってもよい。
【0040】
電動車両200は、充電器212と、バッテリ214と、インバータ216と、モータジェネレータ218と、インレット220とを含む。
【0041】
充電器212は、インレット220から交流電力が供給される場合に、供給された交流電力を直流電力に変換してバッテリ214に供給する。充電器212が動作することによってバッテリ214が充電される。充電器212は、たとえば、電動車両200の図示しないECU(Electronic Control Unit)からの制御信号により制御される。
【0042】
バッテリ214は、たとえば、再充電可能に構成された電力貯蔵要素であり、代表的には、ニッケル水素電池あるいは液体または固体の電解質を含むリチウムイオン電池等の二次電池が適用される。あるいは、バッテリ214は、電力を貯蔵できる蓄電装置であればよく、たとえば、バッテリ214に代えて大容量のキャパシタが用いられてもよい。
【0043】
インバータ216は、たとえば、バッテリ214の直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ218に供給する。また、インバータ216は、たとえば、モータジェネレータ218から交流電力(回生電力)を直流電力に変換してバッテリ214に供給して、バッテリ214を充電する。
【0044】
モータジェネレータ218は、インバータ216からの電力供給を受けて駆動輪222に回転力を与える。駆動輪222は、モータジェネレータ218によって与えられた回転力によって回転し、電動車両200を走行させる。
【0045】
インレット220は、電動車両200の外装部分にリッド等のカバー(図示せず)とともに設けられる。インレット220は、外部の充電設備(たとえば、充電スタンド300)から充電電力の供給を受ける受電部である。インレット220は、充電スタンド300のコネクタ302が取り付け可能な形状を有する。インレット220およびコネクタ302の双方には接点が内蔵されており、インレット220にコネクタ302が取り付けられると接点同士が接触して、インレット220とコネクタ302とが電気的に接続される。このとき、電動車両200のバッテリ214は、充電スタンド300から供給される電力を用いた充電が可能な状態になる。
【0046】
充電スタンド300は、駐車場内の複数の駐車スペースに隣接する歩道や道路に設定された複数の駐車スペースに隣接する歩道等に設置される場合がある。図3は、充電スタンド300と駐車スペース400とのレイアウトの一例を示す図である。図3に示すように、駐車場内において複数箇所の駐車スペース400が仕切り線402によって横並びに設定される場合には、各駐車スペース400に隣接した位置に充電スタンド300が設置される。図3には、駐車スペース400の長手方向の一方端(図3の紙面右側)に歩道500が設けられる構成が一例として示される。この場合、充電スタンド300は、歩道500に沿って設置されることとなる。複数の駐車スペース400のいずれかに電動車両200を駐車する場合であって、充電スタンド300が第2状態である場合には、ユーザは、充電スタンド300からコネクタ302を持ち出して電動車両200のインレット220に接続する。
【0047】
図4は、充電スタンド300と駐車スペース410とのレイアウトの他の一例を示す図である。図4に示すように、道路に沿って複数箇所の駐車スペース410が仕切り線412により縦列方向に設定される場合にも、各駐車スペース410に隣接した位置に充電スタンド300が設置される。図4には、歩道510に沿って駐車スペース410が設定される構成が一例として示される。この場合、充電スタンド300は、歩道510に沿って設置されることとなる。複数の駐車スペース410のいずれかに電動車両200を駐車する場合であって、充電スタンド300が第2状態である場合には、ユーザは、直近の充電スタンド300からコネクタ302を持ち出して電動車両200のインレット220に接続する。
【0048】
なお、充電スタンド300が第1状態である場合には、ユーザは、携帯端末を用いて充電スタンド300に上昇要求を送信したり、管理サーバを経由して充電スタンド300に上昇要求を送信したりする。充電スタンド300の制御装置308は、上昇要求を受けることによって第2状態になるように昇降装置306を制御する。
【0049】
上述のような昇降可能な可動式の充電スタンド300の非使用時においては、地面下の凹部に収納された状態になるため、可動部分に砂や泥が侵入して汚れやすくなる。そして、砂や泥により汚れた部分においては錆や腐食等の不具合の発生の原因になり得る。
【0050】
そこで、本実施の形態においては、充電スタンド300の制御装置308が、天候情報を用いて、充電スタンド300の設置地点において降水が観測されている場合、充電スタンド300の設置地点において予め定められた時間が経過するまでに降水が予測される場合のうちのいずれかの場合に、第2状態になるように昇降装置306を制御するものとする。なお、天候情報は、降水センサ312によって検出される降水の有無を示す情報と、管理サーバ600が外部サーバ等から取得する情報とのうちの少なくともいずれかの情報を含む。
【0051】
このようにすると、雨などの降水時において第2状態になるため可動部300aが露出した部分に付着した砂や泥による汚れを水によって流すことができる。そのため、可動部300aへの砂や泥の浸入に起因した不具合の発生を抑制することができる。
【0052】
以下、図5を参照して、制御装置308で実行される制御処理の一例について説明する。図5は、制御装置308で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、制御装置308により、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
【0053】
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、制御装置308は、充電スタンド300が第1状態であるか否かを判定する。制御装置308は、たとえば、上昇制御が実行されるとオン状態に設定され、下降制御が実行されるオフ状態に設定される昇降フラグがオフ状態である場合に充電スタンド300が第1状態であると判定する。充電スタンド300が第1状態であると判定される場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。
【0054】
S102にて、制御装置308は、天候情報を取得する。制御装置308は、たとえば、管理サーバ600が外部サーバ等から取得した情報を管理サーバ600から取得する。管理サーバ600が外部サーバ等から取得した情報については、上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。さらに、制御装置308は、降水センサ312から降水の有無を示す情報を取得する。制御装置308は、管理サーバ600および降水センサ312から取得した天候情報をメモリ308bに記憶させる。
【0055】
S104にて、制御装置308は、降水時であるか否かを判定する。制御装置308は、たとえば、降水センサ312に水滴が付着したという情報が含まれる場合に降水時であると判定する。あるいは、制御装置308は、たとえば、降水センサ312を用いて検出される単位時間当たりの降水量がしきい値よりも大きい場合に降水時であると判定する。あるいは、制御装置308は、管理サーバ600から取得した情報に充電スタンド300の設置地点において降水時であることを示す情報が含まれる場合に降水時であると判定する。あるいは、管理サーバ600から取得した情報に設置地点における降水量についての情報が含まれる場合には、制御装置308は、設置地点における単位時間当たりの降水量がしきい値よりも大きい場合に降水時であると判定する。なお、しきい値としては、たとえば、予め定められた値であって、可動部300aに付着した汚れを流せる程度の単位時間当たりの降水量が設定されてもよい。降水時であると判定される場合(S104にてYES)、処理はS106に移される。
【0056】
S106にて、制御装置308は、上昇制御を実行する。制御装置308は、可動部300aが第2状態に相当する位置まで上昇するように昇降装置306を制御する。このとき、制御装置308は、上述の昇降フラグをオン状態に設定する。制御装置308は、その後処理をS110に移す。なお、降水時でないと判定される場合(S104にてNO)、処理はS108に移される。
【0057】
S108にて、制御装置308は、第1時間以内に降水が予測されるか否かを判定する。制御装置308は、たとえば、管理サーバ600から取得した情報に充電スタンド300の設置地点において現時点から第1時間が経過するまでの間に降水が予測される情報が含まれる場合に、第1時間以内に降水が予測されると判定する。あるいは、制御装置308は、たとえば、管理サーバ600から取得した情報に含まれる、充電スタンド300の設置地点において現時点から第1所定時間が経過するまでの間の降水量(あるいは、単位時間当たりの降水量)の予測値がしきい値よりも大きい場合に、第1時間以内に降水が予測されると判定する。第1時間は、予め定められた時間であって、実験等によって適合されてもよいし、たとえば、第2状態になった直近の時点と現時点との間の期間が長いほど第1時間を長くし、当該期間が短いほど第1時間を短くしてもよい。このようにすると、充電スタンド300が頻繁に第2状態になることを抑制できる。第1時間以内に降水が予測されると判定される場合(S108にてYES)、処理はS106に移される。
【0058】
S110にて、制御装置308は、降水が終了したか否かを判定する。制御装置308は、たとえば、一定時間、降水センサ312に水滴が付着しないという情報が含まれる場合に降水が終了したと判定する。あるいは、制御装置308は、たとえば、降水センサ312を用いて検出される単位時間当たりの降水量がしきい値以下である場合に降水が終了したと判定する。あるいは、制御装置308は、管理サーバ600から取得した情報に充電スタンド300の設置地点において降水していないことを示す情報が含まれる場合に降水が終了した判定する。あるいは、管理サーバ600から取得した情報に設置地点における降水量についての情報が含まれる場合には、制御装置308は、設置地点における単位時間当たりの降水量がしきい値以下である場合に降水が終了したと判定する。降水が終了したと判定される場合(S110にてYES)、処理はS112に移される。一方、降水が終了していないと判定される場合(S110にてNO)、処理はS110に戻される。
【0059】
S112にて、制御装置308は、第2状態を維持する。制御装置308は、たとえば、下降要求がある場合でも下降制御を非実行として第2状態を維持する。
【0060】
S114にて、制御装置308は、降水が終了してから第2時間が経過したか否かを判定する。第2時間は、予め定められた時間であって、たとえば、可動部300aの露出部分に付着した水分が乾燥するように設定される。第2時間が経過したと判定される場合(S114にてYES)、処理はS116に移される。一方、降水が終了してから第2時間が経過していないと判定される場合(S114にてNO)、処理はS114に戻される。
【0061】
S116にて、制御装置308は、下降制御を実行する。制御装置308は、可動部300aが第1状態に相当する位置まで下降するように昇降装置306を制御する。このとき、制御装置308は、上述の昇降フラグをオフ状態に設定する。
【0062】
なお、充電スタンド300が第1状態でないと判定される場合や(S100にてNO)、所定時間以内に降水が予測されないと判定される場合(S108にてNO)、この処理は終了される。
【0063】
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態における制御装置308の動作の一例について説明する。
【0064】
たとえば、充電スタンド300が設置される設置地点において雨が降っている場合を想定する。
【0065】
充電スタンド300が第1状態である場合には(S100にてYES)、天候情報が取得される(S102)。すなわち、降水センサ312からの降水の有無を示す情報と、管理サーバ600が外部サーバ等から取得した情報とが取得される。たとえば、降水センサ312に水滴が付着することによって降水していることを示す情報が取得されると、降水時であると判定され(S104にてYES)、上昇制御が実行される(S106)。すなわち、第2状態になるように昇降装置306が制御される。充電スタンド300が第2状態になることで可動部300aの地上に露出した部分が水に濡れると、可動部300aに付着した砂や泥などが流れることとなる。
【0066】
次に、充電スタンド300が設置される設置時点において降水が予測される場合を想定する。
【0067】
充電スタンド300が第1状態である場合には(S100にてYES)、天候情報が取得される(S102)。すなわち、降水センサ312からの降水の有無を示す情報と、管理サーバ600が外部サーバ等から取得した情報とが取得される。たとえば、降水センサ312に水滴が付着していないことによって降水していないことを示す情報が取得されると、降水時でないと判定され(S104にてNO)、第1時間以内に降水が予測されるか否かが判定される(S108)。たとえば、第1時間が経過するまでに単位時間当たりの降水量がしきい値を超えることが予測される場合には、第1時間以内に降水が予測されると判定され(S108にてYES)、上昇制御が実行される(S106)。すなわち、第2状態になるように昇降装置306が制御される。充電スタンド300が第2状態になることで第1時間が経過するまでに雨が降り、可動部300aの地上に露出した部分が水に濡れると、可動部300aに付着した砂や泥などが流れることとなる。
【0068】
雨がやんで、降水センサ312に水滴が付着しなくなり、降水していないことを示す情報が取得されると、降水が終了したと判定され(S110にてYES)、第2状態が維持される。降水していない状況で、第2状態が維持されることによって、可動部300aの地上に露出した部分のうちの水に濡れた部分が乾燥する。そして、降水が終了してから第2時間が経過すると(S114にてYES)、下降制御が実行される(S116)。下降制御が実行されることにより、可動部300aが地面下の凹部に収納された第1状態になる。
【0069】
また、第1状態から第2状態に変化したり、第2状態から第1状態に変化したりするときには、可動部300aがリップシール310の内周部分に対して摺動するため、可動部300aの外周部分の砂や泥による汚れがさらに除去される。
【0070】
以上のようにして、本実施の形態に係る充電設備である充電スタンド300によると、雨、雪、霰あるいは雹などの降水時において第2状態になるため可動部300aの露出した部分に付着した砂や泥による汚れを水によって流すことができる。そのため、充電スタンド300の可動部300aへの砂や泥などの侵入に起因した錆や腐食などの不具合が発生することを抑制することができる。したがって、可動部への砂や泥の侵入に起因した不具合を抑制する充電設備および充電設備の制御方法を提供することができる。
【0071】
さらに、第1状態と第2状態との間で可動部300aが昇降するときにリップシール310によって可動部300aの外周部分に付着した砂や泥をさらに除去することができる。
【0072】
さらに、降水が終了したと判定された後に、第2時間が経過するまで第2状態が維持されるので、第2状態で維持されている間に地上に露出した可動部300aの部分のうちの水に濡れた部分を乾燥させることができる。そのため、可動部300aが濡れた状態が第1状態になることを抑制することができる。
【0073】
以下、変形例について記載する。
上述の実施の形態では、電源350は、交流電源であるとして説明したが、電源350は、直流電源であってもよい。この場合において、電動車両200は、たとえば、充電器212を省略した構成であってもよい。
【0074】
さらに上述の実施の形態では、コネクタ302が可動部300aの上部の収納スペースに収納される構成を一例として説明したが、たとえば、可動部300aの上部側面には、ソケットが露出して設けられてもよい。このようにすると、ユーザは、別途用意した充電ケーブルを用いて充電スタンド300のソケットと電動車両200のインレット220とを接続することによって電動車両200に搭載されたバッテリ214を充電することができる。
【0075】
さらに上述の実施の形態では、充電スタンド300の筐体は、円筒形状を有する場合を一例として説明したが、特に昇降動作が可能な形状であればよく、特に円筒形状に限定されるものではない。たとえば、充電スタンド300の筐体は、直方形状を有していてもよい。
【0076】
さらに上述の実施の形態では、降水時または第1時間以内に降水が予測される場合に上昇制御を実行し、降水が終了してから第2時間が経過するまで第2状態を維持した後に、下降制御を実行するものとし説明したが、たとえば、上昇制御を実行した後の降水時、あるいは、降水が終了してから第2状態を維持している間に可動部300aを上下させる昇降制御を実行してもよい。
【0077】
図6は、変形例において充電スタンド300の制御装置308で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0078】
図6のフローチャートは、図5のフローチャートと比較して、S200の処理とS202の処理とをさらに含む点で異なる。それ以外の処理については、以下に説明する場合を除き、図5のフローチャートに示される処理と同様の処理であり、同じステップ番号が付与されている。そのため、それらの詳細な説明は繰り返さない。
【0079】
S106にて、上昇制御が実行されると、処理はS200に移される。S200にて、制御装置308は、可動部300aを上下に昇降させる昇降制御を実行する。昇降制御においては、たとえば、第2状態から第1状態になるように下降制御が実行された後に、第1状態から第2状態になるように上昇制御が実行される。なお、昇降制御は、下降制御と上昇制御とを複数回繰り返す制御を含むようにしてもよいし、あるいは、可動部300aが第1状態と第2状態との間の所定の位置まで下降させ、その後第2状態に相当する位置まで上昇する制御を含むようにしてもよい。制御装置308は、その後処理をS110に移す。
【0080】
S110にて、降水が終了したと判定されると(S110にてYES)、処理はS202に移される。S202にて、制御装置308は、昇降制御を実行する。昇降制御は、上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。なお、S202の処理における昇降制御は、S200の処理における昇降制御と同じ態様で実行されてもよいし、あるいは、下降制御と上昇制御とを繰り返す回数を異なるものとしたり、あるいは、下降制御におおいて可動部300aを下降させる位置を異なるものとしたりしてもよい。
【0081】
以上のようなフローチャートに基づく変形例における制御装置308の動作の一例について説明する。
【0082】
たとえば、充電スタンド300が設置される設置地点において雨が降っている場合を想定する。
【0083】
充電スタンド300が第1状態である場合には(S100にてYES)、天候情報が取得される(S102)。取得された天候情報を用いて降水時であると判定されると(S104にてYES)、上昇制御が実行される(S106)。すなわち、第2状態になるように昇降装置306が制御される。充電スタンド300が第2状態になることで可動部300aの地上に露出した部分が水に濡れると、可動部300aに付着した砂や泥などが流れることとなる。また、可動部300aの外周部分に残留した汚れは、水に濡れることにより除去されやすい状態になる。
【0084】
そのため、その後に昇降制御が実行されると(S200)、可動部300aの外周部分がリップシール310の内周部分に対して摺動するため、可動部300aの外周部分に残留した汚れは、リップシール310によって除去される。
【0085】
雨がやんで、降水センサ312に水滴が付着しなくなり、降水していないことを示す情報が取得されると、降水が終了したと判定され(S110にてYES)、再度昇降制御が実行される(S202)。昇降制御の実行により、可動部300aの外周部分に残留した汚れは、リップシール310によってさらに除去される。
【0086】
その後、充電スタンド300は、第2状態で維持される(S112)。降水していない状況で、第2状態が維持されることによって、可動部300aの地上に露出した部分のうちの水に濡れた部分が乾燥する。そして、降水が終了してから第2時間が経過すると(S114にてYES)、下降制御が実行される(S116)。下降制御が実行されることにより、可動部300aが地面下の凹部に収納された第1状態になる。
【0087】
このようにしても、降水時において第2状態にすることができるため、露出した可動部に付着した砂や泥による汚れを降水によって水に流すことができるとともに、降水の間の昇降制御および降水後の昇降制御によって汚れを除去することができる。
【0088】
なお、この変形例においては、降水の間、および、降水後の各々において昇降制御を実行する場合を一例として説明したが、降水の間にのみ昇降制御を実行してもよいし、あるいは、降水後にのみ昇降制御を実行してもよい。
【0089】
さらに上述の実施の形態では、制御装置308は、管理サーバ600から天候情報を取得する場合を一例として説明したが、たとえば、気象庁の外部サーバから直接的に充電スタンド300の設置地点の天候情報を取得してもよいし、あるいは、インターネットの降水状況を開示するサイトから充電スタンド300の設置地点の天候情報を取得してもよいし、あるいは、充電スタンド300の周辺を移動する携帯端末や他の充電スタンドから充電スタンド300の設置地点の天候情報を取得してもよい。
【0090】
さらに上述の実施の形態では、リップシール310は、充電スタンド300が第1状態である場合に、可動部300aの上端の外周と地面との間を覆うように設けられる場合を一例として説明したが、可動部300aの外周部分と凹部の内周面との間に設けられてもいてもよく、特に地面に固定されることに限定されるものではない。リップシール310は、たとえば、凹部の内周面に単数または複数設けられてもよい。さらに、リップシール310は、中空の円盤形状で構成される場合を一例として説明したが、特に中空円盤形状に限定されるものではなく、板形状の弾性部材をらせん状に巻き付けて構成されてもよいし、可動部300aよりも当接部位の面積を増加させた形状で構成されてもよい。このようにすると、リップシール310と可動部300aとの当接部位の面積が図1および図2に示される中空円盤形状よりも大きくなるため、可動部300aの外周部分の汚れを除去しやすくすることができる。
【0091】
さらに上述の実施の形態では、制御装置308は、降水センサ312に水滴が付着していることが検出される場合に降水時であると判定するものとして説明したが、制御装置308は、たとえば、予め定められた期間において降水センサ312に複数回水滴が付着することが検出される場合に降水時であると判定してもよい。
【0092】
さらに上述の実施の形態では、降水センサ312と管理サーバ600とから天候情報を取得するものとして説明したが、たとえば、管理サーバ600から天候情報を取得してもよいし、現時点での降水の有無の判定を降水センサ312によって検出される情報を用いて行なうとともに、所定時間以内の降水が予測されるか否かの判定を管理サーバ600から取得される情報を用いて行なうようにしてもよい。
【0093】
さらに上述の実施の形態では、降水センサ312と管理サーバ600とから天候情報を取得するものとして説明したが、降水センサ312を用いて現時点での降水の有無の第1判定結果と、管理サーバ600から取得する情報を用いた現時点での降水の有無の第2判定結果とが異なる場合には、第1判定結果および第2判定結果に対して予め設定された優先度に従って現時点での降水の有無を判定してもよい。
【0094】
さらに上述の実施の形態では、降水時または第1時間以内に降水が予測される場合に第2状態に相当する位置になるまで可動部300aを上昇させるものとして説明したが、少なくとも可動部300aが露出した状態になるように可動部300aを上昇させるものであればよく、上述の実施の形態における第2状態に相当する位置まで上昇することに特に限定されるものではない。制御装置308は、たとえば、降水時または第1時間以内に降水が予測される場合に、可動部300aが第1状態と第2状態との間に位置する所定の状態になるように上昇させるようにしてもよい。
【0095】
なお、上記した変形例は、その全部または一部を適宜組み合わせて実施してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0096】
200 電動車両、212 充電器、214 バッテリ、216 インバータ、218 モータジェネレータ、220 インレット、222 駆動輪、300 充電スタンド、300a 可動部、300b 固定部、302 コネクタ、304 ケーブル、306 昇降装置、308 制御装置、308a CPU、308b メモリ、308c 通信部、310 リップシール、312 降水センサ、350 電源、400,410 駐車スペース、402,412 仕切り線、500,510 歩道、600 管理サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6