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特許7543978装置、監視システム、方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】装置、監視システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/115 20140101AFI20240827BHJP
   H04N 19/132 20140101ALI20240827BHJP
   H04N 19/154 20140101ALI20240827BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H04N19/115
H04N19/132
H04N19/154
H04N7/18 D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021081013
(22)【出願日】2021-05-12
(65)【公開番号】P2022174948
(43)【公開日】2022-11-25
【審査請求日】2022-07-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 修
(72)【発明者】
【氏名】奈良岡 順
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 敏明
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大樹
(72)【発明者】
【氏名】尾川 貴昭
【審査官】坂東 大五郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-184062(JP,A)
【文献】特開平11-187407(JP,A)
【文献】特表2019-512954(JP,A)
【文献】特開2013-093668(JP,A)
【文献】特開2020-191077(JP,A)
【文献】特開2006-109251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00-19/98
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像画像を取得する画像取得部と、
撮像画像を圧縮して圧縮データを生成する圧縮部と、
前記圧縮データから、前記撮像画像を再現した再現画像を生成する再現部と、
前記再現画像と、前記撮像画像との近似度に応じた評価を取得する評価取得部と、
前記評価と、当該評価に対応する撮像画像と、当該撮像画像の圧縮で適用された圧縮パラメータ値とを含む学習データを用いて、新たな撮像画像が入力されることに応じて、当該撮像画像の圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値を出力するモデルの学習処理を行う学習処理部と、
を備え
前記画像取得部は、被写体が存在する撮像領域の明るさまたは天候についての撮像条件のうち、基準撮像条件とは異なる他の撮像条件で撮像された撮像画像を取得し、
前記圧縮部は、前記撮像画像に対し、前記基準撮像条件に応じた画像効果を適用して圧縮を行った画像を前記圧縮データとして生成し、
前記再現部は、前記圧縮データの画像に対し、前記他の撮像条件に応じた画像効果を適用して再現を行った画像を前記再現画像として生成する、装置
【請求項2】
前記圧縮部は、前記撮像画像からフレーム間引きを行った動画像を前記圧縮データとして生成し、
前記再現部は、間引きされたフレームを再現した動画像を前記再現画像として生成する、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記圧縮部は、前記撮像画像を非可逆的に圧縮して前記圧縮データを生成する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記圧縮部は、圧縮パラメータ値を変更して逐次、前記圧縮データを生成する、請求項1からの何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記圧縮部は、否定的な前記評価が前記評価取得部によって取得されるまで、圧縮パラメータ値を増加または減少させる、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記学習処理部は、圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値が、肯定的な前記評価に対応する前記圧縮データの圧縮パラメータ値と、否定的な前記評価に対応する前記圧縮データの圧縮パラメータ値との間となるよう、前記モデルの学習処理を行う、請求項1からの何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記圧縮部は、前記圧縮データのデータ量を取得し、
前記学習処理部は、前記近似度および前記データ量に応じた前記評価を含む前記学習データを用いて学習処理を行う、請求項1からの何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記学習処理部により学習処理が行われた前記モデルに対し、前記画像取得部により新たに取得された撮像画像を供給する供給部をさらに備え、
前記圧縮部は、前記供給部によって新たな撮像画像が供給されたことに応じて前記モデルから出力される圧縮パラメータ値を適用して、当該新たな撮像画像から圧縮データを生成する、請求項1からの何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記圧縮データと、前記他の撮像条件を示す識別情報とを監視端末に送信する送信部をさらに備える、請求項1からの何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
当該装置は、撮像画像を生成する監視カメラと、前記監視端末との間に配置されるトランスコーダである、請求項に記載の装置。
【請求項11】
請求項1から1の何れか一項に記載の装置と、
前記装置から送信される前記圧縮データを用いて撮像領域の異常を検知する監視端末と、
を備え、
前記監視端末は、
前記圧縮データに対して解析を行い、撮像領域に異常が生じているか否かを判定する判定部を有する、監視システム。
【請求項12】
前記監視端末は、ユーザからの操作に応じて前記圧縮データから前記再現画像を生成する再現部をさらに有する、請求項1に記載の監視システム。
【請求項13】
撮像画像を取得する画像取得段階と、
撮像画像を圧縮して圧縮データを生成する圧縮段階と、
前記圧縮データから、前記撮像画像を再現した再現画像を生成する再現段階と、
前記再現画像と、前記撮像画像との近似度に応じた評価を取得する評価取得段階と、
前記評価と、当該評価に対応する撮像画像と、当該撮像画像の圧縮で適用された圧縮パラメータ値とを含む学習データを用いて、新たな撮像画像が入力されることに応じて、当該撮像画像の圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値を出力するモデルの学習処理を行う学習処理段階と、
を備え
前記画像取得段階では、被写体が存在する撮像領域の明るさまたは天候についての撮像条件のうち、基準撮像条件とは異なる他の撮像条件で撮像された撮像画像を取得し、
前記圧縮段階では、前記撮像画像に対し、前記基準撮像条件に応じた画像効果を適用して圧縮を行った画像を前記圧縮データとして生成し、
前記再現段階では、前記圧縮データの画像に対し、前記他の撮像条件に応じた画像効果を適用して再現を行った画像を前記再現画像として生成する方法。
【請求項14】
コンピュータを、
撮像画像を取得する画像取得部と、
撮像画像を圧縮して圧縮データを生成する圧縮部と、
前記圧縮データから、前記撮像画像を再現した再現画像を生成する再現部と、
前記再現画像と、前記撮像画像との近似度に応じた評価を取得する評価取得部と、
前記評価と、当該評価に対応する撮像画像と、当該撮像画像の圧縮で適用された圧縮パラメータ値とを含む学習データを用いて、新たな撮像画像が入力されることに応じて、当該撮像画像の圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値を出力するモデルの学習処理を行う学習処理部
として機能させ
前記画像取得部は、被写体が存在する撮像領域の明るさまたは天候についての撮像条件のうち、基準撮像条件とは異なる他の撮像条件で撮像された撮像画像を取得し、
前記圧縮部は、前記撮像画像に対し、前記基準撮像条件に応じた画像効果を適用して圧縮を行った画像を前記圧縮データとして生成し、
前記再現部は、前記圧縮データの画像に対し、前記他の撮像条件に応じた画像効果を適用して再現を行った画像を前記再現画像として生成するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、監視システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「車両又は当該車両の周囲の状況を検出し、前記検出された車両状況に基づいて当該車両の監視レベルを判断する監視レベル判断手段と、前記判断された監視レベルに基づいて圧縮率を算出し、当該算出された圧縮率で前記車両に設置されたカメラにより撮像された撮像画像を圧縮した監視画像を生成する監視画像生成手段と、前記生成された監視画像を含む情報を、外部端末装置へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする車両用監視装置」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 国際公開第2012-160902号
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、装置が提供される。装置は、撮像画像を取得する画像取得部を備えてよい。装置は、撮像画像を圧縮して圧縮データを生成する圧縮部を備えてよい。装置は、圧縮データから、撮像画像を再現した再現画像を生成する再現部を備えてよい。装置は、再現画像と、撮像画像との近似度に応じた評価を取得する評価取得部を備えてよい。装置は、評価と、当該評価に対応する撮像画像と、当該撮像画像の圧縮で適用された圧縮パラメータ値とを含む学習データを用いて、新たな撮像画像が入力されることに応じて、当該撮像画像の圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値を出力するモデルの学習処理を行う学習処理部を備えてよい。
【0004】
画像取得部は、基準撮像条件とは異なる他の撮像条件で撮像された撮像画像を取得してよい。圧縮部は、撮像画像に対し、基準撮像条件に応じた画像効果を適用して圧縮を行った画像を圧縮データとして生成してよい。再現部は、圧縮データの画像に対し、他の撮像条件に応じた画像効果を適用して再現を行った画像を再現画像として生成してよい。
【0005】
圧縮部は、撮像画像からフレーム間引きを行った動画像を圧縮データとして生成してよい。再現部は、間引きされたフレームを再現した動画像を再現画像として生成してよい。
【0006】
圧縮データは、撮像画像の特徴マップであってよい。
【0007】
圧縮部は、撮像画像を非可逆的に圧縮して圧縮データを生成してよい。
【0008】
圧縮部は、圧縮パラメータ値を変更して逐次、圧縮データを生成してよい。
【0009】
圧縮部は、否定的な評価が評価取得部によって取得されるまで、圧縮パラメータ値を増加または減少させてよい。
【0010】
学習処理部は、圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値が、肯定的な評価に対応する圧縮データの圧縮パラメータ値と、否定的な評価に対応する圧縮データの圧縮パラメータ値との間となるよう、モデルの学習処理を行ってよい。
【0011】
圧縮部は、圧縮データのデータ量を取得してよい。学習処理部は、近似度およびデータ量に応じた評価を含む学習データを用いて学習処理を行ってよい。
【0012】
装置は、学習処理部により学習処理が行われたモデルに対し、画像取得部により新たに取得された撮像画像を供給する供給部をさらに備えてよい。圧縮部は、供給部によって新たな撮像画像が供給されたことに応じてモデルから出力される圧縮パラメータ値を適用して、当該新たな撮像画像から圧縮データを生成してよい。
【0013】
装置は、圧縮データを監視端末に送信する送信部をさらに備えてよい。
【0014】
装置は、撮像画像を生成する監視カメラと、監視端末との間に配置されるトランスコーダであってよい。
【0015】
本発明の第2の態様においては、監視システムが提供される。監視システムは、第1の態様の装置を備えてよい。監視システムは、装置から送信される圧縮データを用いて撮像領域の異常を検知する監視端末を備えてよい。監視端末は、圧縮データに対して解析を行い、撮像領域に異常が生じているか否かを判定する判定部を有してよい。
【0016】
監視端末は、ユーザからの操作に応じて圧縮データから再現画像を生成する再現部をさらに有してよい。
【0017】
本発明の第3の態様においては、方法が提供される。方法は、撮像画像を取得する画像取得段階を備えてよい。方法は、撮像画像を圧縮して圧縮データを生成する圧縮段階を備えてよい。方法は、圧縮データから、撮像画像を再現した再現画像を生成する再現段階を備えてよい。方法は、再現画像と、撮像画像との近似度に応じた評価を取得する評価取得段階を備えてよい。方法は、評価と、当該評価に対応する撮像画像と、当該撮像画像の圧縮で適用された圧縮パラメータ値とを含む学習データを用いて、新たな撮像画像が入力されることに応じて、当該撮像画像の圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値を出力するモデルの学習処理を行う学習処理段階を備えてよい。
【0018】
本発明の第4の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、撮像画像を取得する画像取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、撮像画像を圧縮して圧縮データを生成する圧縮部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、圧縮データから、撮像画像を再現した再現画像を生成する再現部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、再現画像と、撮像画像との近似度に応じた評価を取得する評価取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、評価と、当該評価に対応する撮像画像と、当該撮像画像の圧縮で適用された圧縮パラメータ値とを含む学習データを用いて、新たな撮像画像が入力されることに応じて、当該撮像画像の圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値を出力するモデルの学習処理を行う学習処理部として機能させてよい。
【0019】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る警備システム1を示す。
図2】実施形態に係る警備システム1の学習段階での動作を示す。
図3】実施形態に係る警備システム1の運用段階での動作を示す。
図4】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
[1.警備システム1]
図1は、本実施形態に係る警備システム1を示す。警備システム1は、1または複数の監視カメラ2と、トランスコーダ3と、監視端末4とを備える。
【0023】
トランスコーダ3と監視端末4とは、通信ネットワーク10を介して接続されてよい。通信ネットワーク10は、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク等の各種ネットワークまたはその組み合わせを含んで構成されてよい。通信ネットワーク10は、有線および無線の少なくとも一方による接続ポイントを含んでよい。通信ネットワーク10は、インターネットなどの公衆回線から分離された専用回線により実現されてもよい。
【0024】
[1.1.監視カメラ2]
各監視カメラ2は、カメラの一例であり、撮像領域の撮像を行って撮像画像を生成する。各監視カメラ2は、撮像された画像(撮像画像とも称する)をトランスコーダ3に供給してよい。画像は動画像であってよく、監視カメラ2は、常時、撮像を行って動画像(映像とも称する)データを生成してよい。例えば、各監視カメラ2は30fpsで撮像を行ってよい。撮像画像の各フレームには、タイムスタンプが付加されてよい。なお、画像は静止画像であってもよい。この場合に、監視カメラ2は、定期的なタイミングで撮像を行い、静止画像を生成してよい。監視カメラ2は可視光のカメラであってもよいし、赤外線や紫外線(一例としてX線)のカメラであってもよい。警備システム1に複数の監視カメラ2が具備される場合には、各監視カメラ2は、互いに種類(一例としてメーカや型番)が異なってよい。
【0025】
各監視カメラ2は、道路や駐車場、電灯、電柱に配置されてもよいし、設備の出入り口や通路などに配置されてもよい。警備システム1に複数の監視カメラ2が具備される場合には、各監視カメラ2は、互いに設置位置や撮像領域が異なってよい。
【0026】
なお、設備は、プラントでもよいし、学校や住宅、駅、空港、博物館、病院、店舗(一例として飲食店)であってもよいし、テーマパークや遊園地、それらのアトラクション用施設などであってもよい。プラントとしては、化学やバイオ等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等が挙げられる。
【0027】
[1.2.トランスコーダ3]
トランスコーダ3は、装置の一例であり、監視カメラ2と、監視端末4との間に配置される。トランスコーダ3は、各監視カメラ2からの撮像画像を圧縮して監視端末4に供給してよい。トランスコーダ3は画像取得部30と、圧縮部31と、再現部32と、評価取得部33と、記憶部35と、学習処理部36と、供給部37と、送信部38とを有する。
【0028】
[1.2(1).画像取得部30]
画像取得部30は、撮像画像を取得する。画像取得部30は、複数の監視カメラ2から撮像画像を取得してよい。なお、本実施形態では一例として、画像取得部30は各監視カメラ2と直接接続されているが、通信ネットワーク10を介して接続されてもよい。
【0029】
画像取得部30は、取得した撮像画像を圧縮部31、学習処理部36、記憶部35および供給部37に供給してよい。画像取得部30は、複数の監視カメラ2から撮像画像を取得する場合には、監視カメラ2の識別情報(カメラIDとも称する)を、供給する撮像画像に付加してよい。
【0030】
[1.2(2).圧縮部31]
圧縮部31は、撮像画像を圧縮して圧縮データを生成する。本実施形態では一例として、圧縮部31は、圧縮データとして圧縮画像を生成してよい。また、圧縮部31は、非可逆的に圧縮を行ってよい。
【0031】
圧縮部31は、圧縮パラメータ値を変更して逐次、圧縮画像を生成してよい。また、圧縮部31は、後述の供給部37から圧縮パラメータ値が供給される場合には、当該圧縮パラメータ値を適用して圧縮画像を生成してよい。圧縮部31は、動画像としての撮像画像に含まれる各フレーム内で圧縮を行ってもよいし、連続するフレーム内で圧縮を行ってもよい。例えば、圧縮部31は、撮像画像からフレーム間引きを行った動画像を圧縮データとして生成してよい。圧縮パラメータ値は、圧縮率、解像度、階調数、および、フレームレートの少なくとも1つを示す値であってよい。圧縮画像の各フレームには、対応する撮像画像のフレームと同じタイムスタンプが付加されてよい。
【0032】
圧縮部31は、複数の監視カメラ2からの撮像画像をそれぞれ圧縮してよい。この場合に圧縮部31は、カメラIDを圧縮画像に付加してよい。
【0033】
圧縮部31は、圧縮画像を再現部32、記憶部35および送信部38に供給してよい。また、圧縮部31は、圧縮画像の生成に用いた圧縮パラメータ値と、当該圧縮画像に対応する圧縮前の撮像画像とを学習処理部36に供給してよい。
【0034】
[1.2(3).再現部32]
再現部32は、圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)から、撮像画像を再現した再現画像を生成する。圧縮部31によってフレーム間引きを行った動画像が圧縮画像として生成されている場合には、再現部32は、間引きされたフレームを再現した動画像を再現画像として生成してよい。なお、本実施形態では一例として、圧縮画像は非可逆的に圧縮が行われているため、再現画像は撮像画像と一致していなくてもよい。再現画像の各フレームには、対応する圧縮画像のフレームと同じタイムスタンプが付加されてよい。また、再現画像には、対応する圧縮画像と同じカメラIDが付加されてよい。再現部32は、生成した再現画像を評価取得部33に供給してよい。
【0035】
[1.2(4).評価取得部33]
評価取得部33は、再現画像と、撮像画像との近似度に応じた評価を取得する。評価取得部33は、画像取得部30から供給される撮像画像と、再現部32から供給される再現画像との近似度を算出し、算出した近似度から評価を算出してよい。評価取得部33は、圧縮データから生成された再現画像と、当該圧縮データの元となった撮像画像との近似度を算出してよい。本実施形態では一例として、評価取得部33は、同じタイムスタンプおよびカメラIDに対応する撮像画像と再現画像との近似度を算出してよい。
【0036】
画像同士の近似度は、従来より公知の手法に算出される値であってよく、例えば画像解析による解析結果の一致度であってよい。近似度に応じた評価は、撮像画像と再現画像との近似度が下限近似度以上であることを示す肯定的な評価と、下限近似度未満であることを示す否定的な評価との二値の値であってよい。下限近似度は、ユーザが再現画像を見て撮像領域に異常が生じているか否かを確認できる近似度のうち、最も低い近似度であってよく、任意に設定されてよい。ユーザは、監視端末4を操作するオペレータや警備員であってよい。評価取得部33は、取得した評価を、再現画像に付加されたタイムスタンプやカメラIDとともに学習処理部36に供給してよい。
【0037】
[1.2(5).記憶部35]
記憶部35は、種々の情報を記憶する。記憶部35は、モデル350と、1または複数の画像ファイル351とを記憶してよい。
【0038】
モデル350は、新たな撮像画像が入力されることに応じて、当該撮像画像の圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値を出力する。モデル350は、学習処理部36による学習処理を受けてよい。なお、モデル350は、従来より公知の任意の機械学習アルゴリズムであってよく、例えばニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ロジスティック回帰、および、サポートベクタマシン(SVM)などであってよい。
【0039】
画像ファイル351は、圧縮部31から供給される圧縮画像を監視カメラ2毎に格納する。画像ファイル351は、圧縮前の撮像画像をさらに格納してもよい。記憶部35は、撮像画像を圧縮画像よりも短い期間の経過後に消去してよい。例えば、記憶部35は、撮像画像を記憶してから第1期間(一例として1時間や1日)の経過後に消去してよい。記憶部35は、圧縮画像を記憶してから、撮像画像よりも長い第2期間(一例として1週間や1月)の経過後に消去してよい。
【0040】
[1.2(6).学習処理部36]
学習処理部36は、評価取得部33によって取得された評価と、当該評価に対応する撮像画像と、当該撮像画像の圧縮で適用された圧縮パラメータ値とを含む学習データを用いてモデル350の学習処理を行う。学習処理部36は、記憶部35に格納されたモデル350の学習処理を行ってよい。
【0041】
ここで、評価に対応する撮像画像は、圧縮部31から学習処理部36に供給される撮像画像のうち、評価取得部33から評価と共に供給されたタイムスタンプやカメラIDに対応する撮像画像であってよい。撮像画像の圧縮で適用された圧縮パラメータ値は、圧縮部31から当該撮像画像と共に供給される圧縮パラメータ値であってよい。
【0042】
[1.2(7).供給部37]
供給部37は、学習処理部36により学習処理が行われたモデル350に対し、画像取得部30により新たに取得された撮像画像を供給する。供給部37は、モデル350から出力された圧縮パラメータ値を圧縮部31に供給してよい。これにより、供給部37によって新たな撮像画像が供給されたことに応じてモデル350から出力される圧縮パラメータ値が圧縮部31で適用されて、当該新たな撮像画像から圧縮画像が生成される。供給部37は、複数の監視カメラ2の撮像画像が画像取得部30から供給される場合には、撮像画像に付加されていたカメラIDを圧縮パラメータ値と対応付けて圧縮部31に供給し、当該カメラIDが付加された撮像画像の圧縮に適用させてよい。
【0043】
[1.2(8).送信部38]
送信部38は、圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)を監視端末4に送信する。送信部38は、圧縮部31から供給される圧縮画像を逐次、通信ネットワーク10を介して監視端末4に供給してよい。
【0044】
[1.3.監視端末4]
監視端末4は、トランスコーダ3から送信される圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)を用いて撮像領域の異常を検知する。監視端末4は、受信部40と、再現部42と、表示部44と、判定部45とを有する。
【0045】
[1.3(1).受信部40]
受信部40は、トランスコーダ3から圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)を受信する。受信部40は、受信した圧縮画像を再現部42および判定部45に供給してよい。
【0046】
[1.3(2).再現部42]
再現部42は、ユーザからの操作に応じて圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)から再現画像を生成する。複数の監視カメラ2の圧縮画像が受信部40から供給される場合には、再現部42は、これらの圧縮画像からそれぞれ再現画像を生成してよい。再現部42は、トランスコーダ3の再現部32と同様にして再現画像を生成してよく、生成した再現画像を表示部44に表示させてよい。再現部42は、再現画像の生成を指示する操作がユーザによって行われない場合には、再現画像の生成を行わなくてよい。
【0047】
[1.3(3).表示部44]
表示部44は、再現画像を表示する。複数の監視カメラ2の再現画像が再現部42から供給される場合には、表示部44は、これらの再現画像を併せて表示してよい。
【0048】
[1.3(4).判定部45]
判定部45は、圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)に対して解析を行い、撮像領域に異常が生じているか否かを判定する。判定結果は、異常が生じていることを示す値と、異常が生じていないことを示す二値の値であってもよいし、異常が生じている確度を示す0~1の間の比の値であってもよい。
【0049】
判定部45は、予め設定された検出対象が撮像領域で検出された場合に、撮像領域が異常である旨の判定を行ってよい。この場合に、判定部45は、当該検出対象の特徴を示す特徴データを生成してよい。判定部45は、判定結果を表示部44に供給して表示させてよい。検出対象が検出された場合には、判定部45は、その特徴データを表示部44にさらに供給して表示させてよい。
【0050】
ここで、検出対象は、撮像領域に存在し得る被写体のうち検出するべき被写体(対象被写体とも称する)であってよい。対象被写体は、画像解析によって検出可能な被写体のうち、警備上、着目すべき被写体であってよい。例えば、対象被写体は、人の顔、人(一例として大人、子供)の全身、服装、車両(一例として走行中の車両、停車中の車両)、車種、車の色、ナンバープレート、および、特定の物体(一例としてカバン、凶器)などの少なくとも1つであってよい。また、対象被写体は、特定の人物の顔や、特定の車両であってもよい。
【0051】
対象被写体が人の顔である場合には、特徴データは、画像内の顔の特徴を示してよい。画像内の顔の特徴は、顔の特徴点の位置関係であってもよいし、瞳や皮膚、頭髪の色であってもよいし、アクセサリ(一例としてメガネやピアス等)の色や形状などであってもよい。また、対象被写体が車両である場合には、特徴データは画像内の車両の車種を示してよい。また、対象被写体がナンバープレートである場合には、特徴データは、画像内の車両の番号を示してよい。
【0052】
判定部45が画像解析を行う解析対象の画像は、再現画像としての動画像から抽出されるフレームであってよい。なお、判定部45は、ディープラーニングなどの機械学習により得られるモデルであってよいが、これに限定されるものではない。また、判定部45による検出対象は、複数のフレームに亘って行われる動作(一例として、商品を盗む動作)であってもよい。この場合には、判定部45は、特定の動作を検出したことに応じて、撮像領域が異常である旨の判定結果や、動作を行った被写体の特徴を示す特徴データを表示部44に供給して表示させてよい。
【0053】
以上のトランスコーダ3によれば、圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)から再現された再現画像と、圧縮データの元となった撮像画像との近似度に応じた評価が取得され、当該評価と、評価に対応する撮像画像と、当該撮像画像の圧縮で適用された圧縮パラメータ値とを含む学習データを用いて、新たな撮像画像が入力されることに応じて、当該撮像画像の圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値を出力するモデル350の学習処理が行われる。従って、撮像画像を入力したモデル350から出力される圧縮パラメータ値を当該撮像画像の圧縮に用いることにより、再現性の高い圧縮データを生成することができる。
【0054】
また、圧縮パラメータ値が逐次、変更されて圧縮データが生成されるので、値の異なる複数の圧縮パラメータ値と、当該圧縮パラメータ値を適用した場合の撮像画像および再現画像の近似度に応じた評価とを含む学習データを用いてモデル350の学習処理を行うことができる。従って、再現性の高い圧縮データを確実に生成することができる。
【0055】
また、撮像画像が非可逆的に圧縮されて圧縮データが生成されるので、データ量の小さい圧縮データを生成することができる。従って、撮像画像を入力したモデル350から出力される圧縮パラメータ値を用いて、当該撮像画像を非可逆的に圧縮することで、再現性が高く、かつ、データ量の小さい圧縮データを生成することができる。
【0056】
また、撮像画像からフレーム間引きを行った動画像が圧縮データとして生成され、間引きされたフレームを再現した動画像が再現画像として生成されるので、このような再現画像と撮像画像との近似度に応じた評価や、圧縮に適用された圧縮パラメータ値を学習処理に用いることで、フレーム間引き前の撮像画像に対して再現性が高い圧縮データを生成することができる。
【0057】
また、学習処理部36により学習処理が行われたモデル350に対し、新たに取得された撮像画像が供給されたことに応じて当該モデル350から出力される圧縮パラメータ値が適用されて、当該新たな撮像画像から圧縮データが生成される。従って、新たに取得された撮像画像から、再現性の高い圧縮データを適宜、生成することができる。
【0058】
また、圧縮データが監視端末4に送信されるので、監視端末4で撮像領域の監視を行うことができる。
【0059】
また、監視端末4では圧縮データに対して解析を行い、撮像領域に異常が生じているか否かが判定されるので、圧縮画像から異常を検知することができる。また、ユーザからの操作に応じて圧縮データから再現画像が生成されるので、再現画像の生成が不必要に行われるのを防止することができる。
【0060】
[2.動作]
[2.1.学習段階]
図2は、本実施形態に係る警備システム1の学習段階での動作を示す。警備システム1のトランスコーダ3は、ステップS11~S25の処理を行うことにより、モデル350の学習を行う。
【0061】
まずステップS11において画像取得部30は、各監視カメラ2から撮像画像を取得する。
【0062】
ステップS13において圧縮部31は、撮像画像を圧縮して圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)を生成する。圧縮部31は、取得された撮像画像のうち、圧縮されていない期間の撮像画像を圧縮してよい。例えば、ステップS13の処理が最初に行われる場合には、圧縮部31は、これまでの撮像画像の全体を圧縮してよい。ステップS11以降の処理が繰り返されてステップS13の処理が繰り返し行われる場合には、圧縮部31は、前回のステップS13の処理で圧縮された撮像画像よりも後の期間の撮像画像を圧縮してよい。
【0063】
また、圧縮部31は、ステップS13の処理が最初に行われる場合には、予め設定された圧縮パラメータ値の初期値を適用して圧縮データを生成してよい。ステップS11以降の処理が繰り返されてステップS13の処理が複数回行われる場合には、圧縮部31は、後述のステップS21により設定される圧縮パラメータ値を適用して圧縮データを生成してよい。圧縮部31は、複数の監視カメラ2からの撮像画像に対し、同一の圧縮パラメータ値を適用してもよいし、別々の圧縮パラメータ値を適用してもよい。
【0064】
ステップS15において再現部32は、圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)から、撮像画像を再現した再現画像を生成する。再現部32は、従来より公知の手法により圧縮画像から撮像画像を復元することで再現画像を生成してよい。
【0065】
ステップS17において評価取得部33は、再現画像と、撮像画像との近似度に応じた評価を取得する。本実施形態では一例として評価取得部33は、再現画像と撮像画像との近似度を算出し、算出した近似度を下限近似度と比較することで評価を取得するが、外部の演算装置などから近似度や評価を取得してもよい。
【0066】
ステップS19において、学習処理部36は、ステップS17の処理を基準ステップ数だけ行ったか否かを判定する。基準ステップ数だけ処理を行っていないと判定された場合(ステップS19;No)には、ステップS21に処理が移行する。ステップS19において基準ステップ数だけ処理を行ったと判定された場合(ステップS19;Yes)には、ステップS23に処理が移行する。
【0067】
ステップS21において圧縮部31は、圧縮に適用する圧縮パラメータ値を変更する。これにより、変更後の圧縮パラメータ値が上述のステップS13で適用されて圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)が生成される。そして、ステップS11~S17の処理が繰り返されることにより、再現画像および撮像画像の近似度に応じた評価と、当該評価に対応する撮像画像と、当該撮像画像の圧縮で適用された圧縮パラメータ値とを含む学習データが基準ステップ数だけ生成される。
【0068】
なお、圧縮部31は、否定的な評価が評価取得部33によって取得されるまで、圧縮パラメータ値を増加または減少させてよい。例えば、ステップS17の処理において評価取得部33により否定的な評価が取得されない場合には、圧縮部31は、ステップS21の処理を行うごとに、圧縮パラメータ値で示される圧縮率、解像度、階調数、および、フレームレートのうち何れか1つ(第1種類のパラメータとも称する)を増加または減少の一方向に変更してよい。ステップS17の処理において評価取得部33により否定的な評価が取得された場合には、圧縮部31は、それまで一方向に変更していた第1種類のパラメータを逆方向に変更してもよいし、圧縮パラメータ値で示される圧縮率、解像度、階調数、および、フレームレートのうち、第1種類のパラメータとは異なる何れか他の1つを増加または減少させてよい。
【0069】
圧縮部31は、ステップS21の処理を行うごとに、圧縮パラメータ値を連続的に変化させてもよいし、非連続的、つまり段階的に変化させてもよい。圧縮部31は、圧縮パラメータ値を非連続的に変化させる場合には、ステップS21の処理を行うごとの変化量を一定にしてもよいし、一定にしなくてもよい。
【0070】
ステップS23において学習処理部36は、取得された評価と、当該評価に対応する撮像画像と、当該撮像画像の圧縮で適用された圧縮パラメータ値とを含む学習データを用いてモデル350の学習処理を行う。
【0071】
学習処理部36は、モデル350に新たな撮像画像が入力されることに応じ、否定的ではない評価の圧縮データを生成するために適用するべき圧縮パラメータ値が当該モデル350から出力されるように、学習処理を行ってよい。例えば、学習処理部36は、圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値が、肯定的な評価に対応する圧縮データの圧縮パラメータ値と、否定的な評価に対応する圧縮データの圧縮パラメータ値との間となるよう、モデル350の学習処理を行ってよい。
【0072】
肯定的な評価に対応する圧縮データとは、近似度に応じた評価が肯定的な評価となった撮像画像および再現画像に対応する圧縮データであってよい。否定的な評価に対応する圧縮データとは、近似度に応じた評価が否定的な評価となった撮像画像および再現画像に対応する圧縮データであってよい。
【0073】
学習処理部36は、肯定的な評価に対応する複数の圧縮データの圧縮パラメータ値のグループと、否定的な評価に対応する複数の圧縮データの圧縮パラメータ値のグループとの境界を検出してよい。そして、学習処理部36は、圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値が、肯定的な評価に対応する複数の圧縮データの圧縮パラメータ値のうち当該境界に最も近い圧縮パラメータ値と、否定的な評価に対応する複数の圧縮データの圧縮パラメータ値のうち当該境界に最も近い圧縮パラメータ値との間となるよう、モデル350の学習処理を行ってよい。
【0074】
ステップS25において学習処理部36は、ステップS11~S23の処理を基準繰り返し(イテレーション)数だけ行ったか否かを判定する。基準繰り返し数だけ処理を行っていないと判定された場合(ステップS23;No)には、ステップS11に処理が移行する。基準イテレーション数だけ処理を行ったと判定された場合(ステップS23;Yes)には、処理が終了する。
【0075】
以上の動作によれば、否定的な評価が取得されるまで圧縮パラメータ値が増加または減少されるので、再現性が悪くならない極限の圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)を生成することができる。従って、圧縮データのデータ量を小さくするよう圧縮パラメータ値を変更することで、再現性がよく、かつ、データ量の小さい圧縮データを生成して、学習処理に供することができる。
【0076】
また、圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値を、肯定的な評価に対応する圧縮データの圧縮パラメータ値と、否定的な評価に対応する圧縮データの圧縮パラメータ値との間とするよう、学習処理部33によってモデル350の学習処理が行われる。従って、学習済みのモデル350から出力される圧縮パラメータ値を圧縮に適用することにより、再現性が悪くならない極限の圧縮データを生成することができる。
【0077】
[2.2.運用段階]
図3は、本実施形態に係る警備システム1の運用段階での動作を示す。警備システム1は、ステップS41~S57の処理を行うことにより、学習済みのモデル350を用いて監視を行う。
【0078】
まずステップS41において画像取得部30は、各監視カメラ2から撮像画像を取得する。
【0079】
ステップS43において供給部37は、撮像画像をモデル350に供給する。供給部37は、各監視カメラ2の撮像画像をモデル350に供給してよい。供給部37は、取得された撮像画像のうち、圧縮されていない期間の撮像画像をモデル350に供給してよい。例えば、ステップS43の処理が最初に行われる場合には、供給部37は、これまでの撮像画像の全体をモデル350に供給してよい。ステップS41以降の処理が繰り返されてステップS43の処理が繰り返し行われる場合には、供給部37は、前回のステップS43の処理で供給された撮像画像よりも後の期間の撮像画像をモデル350に供給してよい。
【0080】
ステップS45において供給部37は、モデル350から出力される圧縮パラメータ値を取得する。供給部37は撮像画像ごと、つまり当該撮像画像を撮像した監視カメラ2ごとに、モデル350から圧縮パラメータ値を取得してよい。
【0081】
ステップS47において圧縮部31は、供給部37からの圧縮パラメータ値を適用して撮像画像を圧縮する。圧縮部31は、撮像画像の入力に応じてモデル350から出力された圧縮パラメータ値を、当該撮像画像に適用して圧縮してよい。
【0082】
ステップS49において送信部38は、圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)を監視端末4に送信する。これにより、ステップS51において監視端末4の受信部40が圧縮データを受信する。トランスコーダ3は、ステップS49の処理が終了したら、ステップS41に処理を移行してよい。
【0083】
ステップS53において監視端末4の判定部45は、圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)に対して解析を行い、撮像領域に異常が生じているか否かを判定する。判定部45は、判定結果を表示部44に表示させてよい。また、判定部45は、検出対象が撮像領域で検出された場合には、その特徴データを表示部44にさらに表示させてよい。
【0084】
ステップS55において監視端末4の再現部42は、再現画像を表示する旨の操作が行われるか否かを判定する。ステップS53において操作が行われないと判定した場合(ステップS55;No)には、上述のステップS51に処理が移行してよい。ステップS53において操作が行われたと判定した場合(ステップS55;Yes)には、ステップS57に処理が移行してよい。
【0085】
ステップS57において再現部42は、圧縮データ(本実施形態では一例として圧縮画像)から再現画像を生成し、表示部44に表示させる。これにより、ユーザが再現画像を視認して異常の有無を確認することができる。なお、複数の監視カメラ2の圧縮データが受信部40から供給される場合には、再現部42は、これらの圧縮データからそれぞれ再現画像を生成して表示部44に表示させてよい。ステップS57の処理が終了したら、監視端末4は上述のステップS51に処理を移行してよい。
【0086】
[3.変形例]
なお、上記の実施形態においては、トランスコーダ3は記憶部35、供給部37および送信部38を有することとして説明したが、これらの何れかを有しないこととしてもよい。例えば、トランスコーダ3は記憶部35を有しない場合には、学習処理部36は、外部接続された記憶装置内のモデル350に学習処理を行ってよい。
【0087】
また、圧縮部31は、一の撮像画像から一の圧縮データを生成することとして説明したが、互いに異なる複数の圧縮データを生成してもよい。例えば、圧縮部31は、同じタイムスタンプが付された撮像画像に対して別々の圧縮パラメータ値を適用して、複数の圧縮データを生成してよい。この場合には、再現部32は、各圧縮データから再現画像を生成してよい。また、評価取得部33は、撮像画像と、当該再現画像から生成された複数の再現画像との近似度に応じた評価をそれぞれ取得してよい。これにより、評価の取得効率、ひいてはモデル350の学習効率を高めることができる。
【0088】
また、学習処理部36は圧縮に適用するべき圧縮パラメータ値が、肯定的な評価に対応する圧縮データの圧縮パラメータ値と、否定的な評価に対応する圧縮データの圧縮パラメータ値との間となるようモデル350の学習処理を行うこととして説明したが、圧縮パラメータ値が他の値となるように学習処理を行ってもよい。例えば、学習処理部36は、圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値が、肯定的な評価に対応する圧縮データの圧縮パラメータ値のうち、否定的な評価に対応する圧縮パラメータ値に最も近い圧縮パラメータ値となるようモデル350の学習処理を行ってよい。一例として、学習処理部36は肯定的な評価に対応する複数の圧縮データの圧縮パラメータ値のグループと、否定的な評価に対応する複数の圧縮データの圧縮パラメータ値のグループとの境界を検出してよい。そして、学習処理部36は、圧縮で適用するべき圧縮パラメータ値が、肯定的な評価に対応する複数の圧縮データの圧縮パラメータ値のうち当該境界に最も近い圧縮データの圧縮パラメータ値となるよう、モデル350の学習処理を行ってよい。
【0089】
また、圧縮部31は圧縮率、解像度、階調数およびフレームレートの少なくとも1つを示す圧縮パラメータ値を適用して圧縮を行うこととして説明したが、これに加えて、または、これに代えて、画像効果(画像エフェクトとも称する)を示す圧縮パラメータ値を適用して圧縮を行ってよい。別言すれば、圧縮部31は、圧縮パラメータ値で示される画像効果を撮像画像に適用して圧縮を行ってよい。例えば、画像取得部30は、基準撮像条件とは異なる他の撮像条件で撮像された撮像画像を取得してよく、圧縮部31は、当該撮像画像に対し、基準撮像条件に応じた画像効果を適用して圧縮を行った画像を圧縮データとして生成してよい。撮像条件は撮像領域の明るさや天候に応じた条件であってよく、基準撮像条件は、被写体が鮮明に撮像される撮像条件(例えば日中の晴天時の撮像条件)、他の撮像条件は、被写体が不鮮明に撮像され得る撮像条件(例えば夜間や降雪、降雨の撮像条件)であってよい。基準撮像条件とは異なる他の撮像条件で撮像された撮像画像に対し、基準撮像条件に応じた画像効果を適用するとは、他の撮像条件に応じた画像効果を撮像画像から取り除くことであってよく、他の撮像条件で撮像された撮像画像を、基準撮像条件で撮像された画像にすることであってよい。一例として、圧縮部31は、降雪の撮像条件で撮像された撮像画像に対して、晴天の撮像条件に応じた画像効果を適用し、雪の粒が除去された圧縮画像を生成してよい。撮像条件に応じて画像効果が適用される場合には、トランスコーダ3には、各監視カメラ2の撮像領域の撮像条件を検知して圧縮部31に提供する検知部(図示せず)が具備されてよく、検知部には明るさセンサや温度計、雨量計、風速計などが設けられてよい。また、撮像条件に応じて画像効果が適用される場合には、送信部38は、圧縮画像と、撮像領域の撮像条件を示す識別情報とを監視端末4に送信してよい。これにより、撮像条件に応じた画像の特徴が圧縮によって消失していることを監視端末4のユーザに報知することができる。
【0090】
また、撮像領域の撮像条件に応じて圧縮部31により画像効果が適用される場合には、再現部32は、圧縮データの画像に対し、当該撮像領域の撮像条件(つまり上述の他の撮像条件)に応じた画像効果を適用して再現を行った画像を、再現画像として生成してよい。これにより、基準撮像条件とは異なる他の撮像条件で撮像された撮像画像に対し、基準撮像条件に応じた画像効果を適用して圧縮が行われた画像が圧縮データとして生成され、圧縮データの画像に当該他の撮像条件の画像効果を適用して再現を行った画像が再現画像として生成される。従って、このような再現画像と撮像画像との近似度や、圧縮に適用された圧縮パラメータ値を学習処理に用いることで、基準撮像条件とは異なる他の撮像条件で撮像された撮像画像に対して再現性が高い圧縮データを生成することができる。なお、画像効果を適用して再現を行うとは、画像効果を適用することで再現を行うことであってもよいし、画像効果を適用することに加えて再現(一例として上記の実施形態において再現部32により行われる再現)を行うことであってもよい。
【0091】
また、評価取得部33は、撮像画像および再現画像の近似度に応じた評価を取得することとして説明したが、近似度と、圧縮データのデータ量とに応じた評価(統合評価とも称する)を取得してもよい。この場合には、圧縮部31は圧縮データのデータ量を取得して評価取得部33に供給してよい。例えば、圧縮部31は圧縮データのデータ量を再現部32を介して評価取得部33に供給してよく、一例として、圧縮データのデータ量を圧縮データと共に再現部32に供給し、再現部32から評価取得部33に対して圧縮データのデータ量を再現画像と共に供給させてよい。また、近似度と、圧縮データのデータ量とに応じた統合評価が評価取得部33によって取得される場合には、学習処理部36は、統合評価を含む学習データを用いて学習処理を行ってよい。これにより、元の撮像画像に対する再現性が高く、かつ、データ量が小さい圧縮データを生成することができる。統合評価は、予め設定された許容データ量よりも圧縮データのデータ量が大きい場合には、見やすさに応じた評価に関わらず、否定的な評価であってよい。また、統合評価は、圧縮画像のデータ量が許容データ量以下である場合には、見やすさに応じた評価そのものであってよい。統合評価は、肯定的な評価と、否定的な評価との二値の値であってよい。許容データ量は、通信ネットワーク10の通信帯域に基づいて設定されてよく、一例として圧縮画像を情報の欠落なしに逐次、監視端末4で表示し得るデータ量であってよい。これに代えて、許容データ量は、通信ネットワーク10での通信料金に基づいて設定されてよく、データ通信量に応じた通信料金が許容金額以下となるデータ量であってよい。
【0092】
また、圧縮部31は圧縮データとして圧縮画像を生成することとして説明したが、撮像画像の特徴マップを生成してもよい。特徴マップは、撮像画像を画像認識する処理において抽出される特徴を示すデータであってよく、画像認識処理の途中で抽出されるデータであってよい。例えば、特徴マップは、画像認識を行って画像内の異常の有無を判定するべくディープラーニングで学習された判定モデル(一例として上述の実施形態において判定部45で使用されるモデル)の中間層で出力される値の集合(ベクトルとも称する)であってよい。これにより、圧縮データが画像データである場合と比較して、圧縮データのデータ量を小さくすることができる。圧縮部31が特徴マップを生成する場合には、当該圧縮部31は、上述の判定モデルの入力層から中間層までの部分であってよく、監視端末4の判定部45は、当該判定モデルの中間層から出力層までの部分であってよい。これにより、判定部45は特徴マップから異常の有無を判定することができる。
【0093】
ここで、圧縮データとして特徴マップが生成される場合には、再現部32は、当該圧縮データを解凍(展開とも称する)して再現画像を生成してよい。特徴データが中間層で出力されるベクトルである場合には、再現部32は、特徴マップから再現画像を生成する生成モデルを有してよい。この生成モデルは、GAN(Generative Adversarial Network)などに代表される機械学習や深層学習の手法を用いたアルゴリズムによって予め学習が行われていてよい。GANとは、入力される画像が撮像画像であるか否かを判定する判定モデルを用いた敵対的生成ネットワークである。GANにおいては、判定モデルの学習と、生成モデルの学習とが交互に行われてよい。判定モデルの学習では、再現画像が判定モデルに入力されることに応じて入力画像が撮像画像ではない旨の判定結果が出力され、撮像画像が判定モデルに入力されることに応じて入力画像が撮像画像である旨の判定結果が出力されるよう学習が行われてよい。生成モデルの学習では、生成した再現画像を判定モデルに入力した場合に入力画像が撮像画像である旨の判定結果が判定モデルから出力されるよう学習が行われてよい。
【0094】
また、学習処理部36は複数の監視カメラ2の間で共通のモデル350の学習処理を行うこととして説明したが、監視カメラ2ごとに異なるモデル350の学習処理を行うこととしてもよい。
【0095】
また、装置をトランスコーダとして説明したが、他の装置としてもよい。例えば、装置は学習装置であってよく、学習済みのモデル350を生成してトランスコーダに供給してよい。
【0096】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0097】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0098】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0099】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0100】
図4は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0101】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0102】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0103】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0104】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0105】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0106】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0107】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0108】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0109】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0110】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0111】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0112】
1 警備システム
2 監視カメラ
3 トランスコーダ
4 監視端末
10 通信ネットワーク
30 画像取得部
31 圧縮部
32 再現部
33 評価取得部
35 記憶部
36 学習処理部
37 供給部
38 送信部
40 受信部
42 再現部
44 表示部
45 判定部
350 モデル
351 画像ファイル
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
図1
図2
図3
図4