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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】充電コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/66 20060101AFI20240827BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20240827BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20240827BHJP
【FI】
H01R13/66
H01R13/52 D
B60L53/16
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021124269
(22)【出願日】2021-07-29
(65)【公開番号】P2023019503
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】覚田 聖
(72)【発明者】
【氏名】高橋 健也
(72)【発明者】
【氏名】吉田 啓一
(72)【発明者】
【氏名】木下 賢
(72)【発明者】
【氏名】大澤 道紀
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-208228(JP,A)
【文献】特開2015-011797(JP,A)
【文献】特開2014-075333(JP,A)
【文献】特開2014-053091(JP,A)
【文献】国際公開第2017/043548(WO,A1)
【文献】中国実用新案第213812634(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/66
H01R 13/52
B60L 53/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、前記車両の外部電源に接続される外部充電コネクタと篏合し、前記車両に備えられるバッテリの充電に用いられる充電コネクタであって、
前記車両の外部側から前記バッテリへ電力を供給する前記外部充電コネクタの端子と接続される第1及び第2のパワー端子と、
前記車両の外部側から前記車両の制御部へ信号を送受信する前記外部充電コネクタの端子と接続されるシグナル端子と、
前記第1及び第2のパワー端子のうちの少なくとも1つに取り付けられ、前記第1及び第2のパワー端子のうちの少なくとも1つの温度を検出するサーミスタ本体と、
前記第1及び第2パワー端子をそれぞれに収容可能なパワー端子収容部が形成されるハウジングと、
前記パワー端子収容部に収容された前記第1及び第2のパワー端子を前記車両の内側から外側に向かう方向に押さえるリテーナーを備え、
前記パワー端子収容部には、その周方向に部分的な凹部が形成され、
前記サーミスタ本体の少なくとも一部が前記凹部に収容され、
前記ハウジングには、前記第1及び第2のパワー端子の並列方向と前記外部充電コネクタの挿抜方向とに直交する方向において、前記第1及び第2のパワー端子から離れた位置に、前記車両の外側から内側への水の流通路が形成され、
前記ハウジングは、前記流通路の前記車両の内側の開口と前記サーミスタ本体との間に、前記流通路から流出する水の前記サーミスタ本体方向への流入を遮断するように配置される被水防止部を有する、充電コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の充電コネクタにおいて、
前記サーミスタ本体は、ネジにより前記第1及び第2のパワー端子の少なくとも1つに固定される、充電コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載の充電コネクタにおいて、
前記サーミスタ本体と前記パワー端子との回り止め部材をさらに備え、
前記回り止め部材は、前記サーミスタ本体を保持するサーミスタ保持部と、前記第1及び第2のパワー端子の少なくとも1つに対して前記ネジにより固定されるための被固定部と、前記ネジの締付け方向に回ると前記パワー端子と当接する端子接触部とを有する、充電コネクタ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の充電コネクタにおいて、
前記リテーナーに、前記第1及び第2のパワー端子のうちの少なくとも1つと前記シグナル端子との間に、前記外部充電コネクタの挿抜方向に貫通する開口部が形成され、
前記開口部に、前記サーミスタ本体から引き出されるサーミスタ用電線が挿通される、充電コネクタ。
【請求項5】
請求項4に記載の充電コネクタにおいて、
前記外部充電コネクタの挿抜方向における前記リテーナーの前記車両の内側で、前記サーミスタ用電線とともに、前記シグナル端子から引き出されるシグナル用電線が、束ねられて配策される、充電コネクタ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の充電コネクタにおいて、
前記被水防止部は、前記第1及び第2のパワー端子の並列方向と前記外部充電コネクタの挿抜方向とに平行な平面に対して、前記挿抜方向の車両の内側方向に向かうにしたがって、下方から上方に傾斜する、充電コネクタ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の充電コネクタにおいて、
前記リテーナーは、前記被水防止部により誘導される水を排水する貫通孔を有し、
前記貫通孔は、前記被水防止部よりも下側に配置される、充電コネクタ。
【請求項8】
請求項7に記載の充電コネクタにおいて、
前記ハウジングの一部と前記リテーナーとを前記車両の内側から覆う外装部材をさらに備え、
前記外装部材は、前記リテーナーの貫通孔により誘導される水を排水する排水口を有し、
前記排水口は、前記リテーナーの前記貫通孔よりも下側に配置される、充電コネクタ。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の充電コネクタにおいて、
前記第1及び第2のパワー端子において前記外部充電コネクタと接続される側と反対側の端部にそれぞれに取り付けられ、前記外部充電コネクタの挿抜方向に交差する方向に延びる第1及び第2の中継端子と、
前記外部充電コネクタの挿抜方向に交差する方向に延びるように前記第1及び第2の中継端子にそれぞれ固定される電力線と、をさらに備える充電コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車等の車両には、電気スタンド側の外部充電コネクタと接続されて充電を受けるための充電コネクタが搭載される。このような充電コネクタと外部充電コネクタとの接続部分には接続端子が備えられる。
【0003】
このような充電コネクタとして、特許文献1に記載のような装置が知られている。特許文献1に記載の充電コネクタは、外部充電コネクタに嵌着される筒状部を備えている。筒状部の内部には、外部充電コネクタの端子と電気的に接続される複数の端子が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-83130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここにおいて、接続端子の温度を監視することが要請されている。また、近年の急速充電の要請から、大電流での充電の要望が高まっている。大電流での充電においては、接続端子の監視を行うことが特に要請される。
【0006】
そこで、パワー端子の温度監視が可能な充電コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の充電コネクタは、車両に搭載され、前記車両の外部電源に接続される外部充電コネクタと篏合し、前記車両に備えられるバッテリの充電に用いられる充電コネクタであって、前記車両の外部側から前記バッテリへ電力を供給する前記外部充電コネクタの端子と接続される第1及び第2のパワー端子と、前記車両の外部側から前記車両の制御部へ信号を送受信する前記外部充電コネクタの端子と接続されるシグナル端子と、前記第1及び第2のパワー端子のうちの少なくとも1つに取り付けられ、前記第1及び第2のパワー端子のうちの少なくとも1つの温度を検出するサーミスタ本体と、前記第1及び第2パワー端子をそれぞれに収容可能なパワー端子収容部が形成されるハウジングと、前記パワー端子収容部に収容された前記第1及び第2のパワー端子を前記車両の内側から外側に向かう方向に押さえるリテーナーを備え、前記パワー端子収容部には、その周方向に部分的な凹部が形成され、前記サーミスタ本体の少なくとも一部が前記凹部に収容され、前記ハウジングには、前記第1及び第2のパワー端子の並列方向と前記外部充電コネクタの挿抜方向とに直交する方向において、前記第1及び第2のパワー端子から離れた位置に、前記車両の外側から内側への水の流通路が形成され、前記ハウジングは、前記流通路の前記車両の内側の開口と前記サーミスタ本体との間に、前記流通路から流出する水の前記サーミスタ本体方向への流入を遮断するように配置される被水防止部を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、パワー端子の温度監視が可能な充電コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は充電コネクタを備える車両を外部電源とともに示す概略図である。
図2図2は実施形態1にかかる充電コネクタ及びその組付態様を示す平面図である。
図3図3は実施形態1にかかる充電コネクタを示す斜視図である。
図4図4は実施形態1にかかる充電コネクタを示す分解斜視図である。
図5図5は実施形態1にかかる充電コネクタを示す正面図である。
図6図6図5のVI-VI線に沿った断面図である。
図7図7は充電コネクタを構成するパワー端子を示す斜視図である。
図8図8は充電コネクタを構成するパワー端子を示す平面図である。
図9図9はサーミスタユニットが固定される状態を説明する図である。
図10図10図9のX―X線に沿った断面図である。
図11図11はハウジングの一部、パワー端子、およびサーミスタユニットの配置関係を背面斜方から示す部分拡大図である。
図12図12はハウジングの一部、パワー端子、およびサーミスタユニットの配置関係を背面から示す部分拡大図である。
図13図13はサーミスタ本体、凹部、被水防止部、流通路、および開口の位置関係を示す概略図である。
図14図14はリテーナーをパワー端子およびシグナル端子とともに背面側から示す斜視図である。
図15図15はグロメットの正面側から示す斜視図である。
図16図16はハウジングの一部、パワー端子、およびサーミスタユニットの配置関係を背面斜方から示す部分拡大図である。
図17図17はハウジングの一部、パワー端子、およびサーミスタユニットの配置関係を背面から示す部分拡大図である。
図18図18はサーミスタ本体、凹部、被水防止部、流通路、および開口の位置関係を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0011】
本開示の充電コネクタは、次の通りである。
【0012】
(1)車両に搭載され、前記車両の外部電源に接続される外部充電コネクタと篏合し、前記車両に備えられるバッテリの充電に用いられる充電コネクタであって、前記車両の外部側から前記バッテリへ電力を供給する前記外部充電コネクタの端子と接続される第1及び第2のパワー端子と、前記車両の外部側から前記車両の制御部へ信号を送受信する前記外部充電コネクタの端子と接続されるシグナル端子と、前記第1及び第2のパワー端子のうちの少なくとも1つに取り付けられ、前記第1及び第2のパワー端子のうちの少なくとも1つの温度を検出するサーミスタ本体と、前記第1及び第2パワー端子をそれぞれに収容可能なパワー端子収容部が形成されるハウジングと、前記パワー端子収容部に収容された前記第1及び第2のパワー端子を前記車両の内側から外側に向かう方向に押さえるリテーナーを備え、前記パワー端子収容部には、その周方向に部分的な凹部が形成され、前記サーミスタ本体の少なくとも一部が前記凹部に収容され、前記ハウジングには、前記第1及び第2のパワー端子の並列方向と前記外部充電コネクタの挿抜方向とに直交する方向において、前記第1及び第2のパワー端子から離れた位置に、前記車両の外側から内側への水の流通路が形成され、前記ハウジングは、前記流通路の前記車両の内側の開口と前記サーミスタ本体との間に、前記流通路から流出する水の前記サーミスタ本体方向への流入を遮断するように配置される被水防止部を有する充電コネクタである。
【0013】
パワー端子収容部には、その周方向に部分的な凹部が形成され、サーミスタ本体の少なくとも一部が凹部に収容され、ハウジングが流通路から流出する水のサーミスタ本体方向への流入を遮断するように配置される被水防止部を有することによって、全体的な大きさを変えることなくサーミスタ本体の収容スペースを作ることができるという作用を生じ、小型化可能でありながら、接続端子の温度検出が可能となる。流通路とサーミスタ本体との間に被水防止部を有するため、サーミスタ本体への水かかりが抑制される。これにより、水かかりによるサーミスタ本体の温度検出部の温度の低下が抑制され、パワー端子の温度がより正確に検出される。
【0014】
(2)前記サーミスタ本体は、ネジにより前記第1及び第2のパワー端子の少なくとも1つに固定されてもよい。サーミスタ本体とパワー端子との固定が簡易で確実になるからである。
【0015】
(3)前記サーミスタ本体と前記パワー端子との回り止め部材をさらに備え、前記回り止め部材は、前記サーミスタ本体を保持するサーミスタ保持部と、前記第1及び第2のパワー端子の少なくとも1つに対して前記ネジにより固定されるための被固定部と、前記ネジの締付け方向に回ると前記パワー端子と当接する端子接触部とを有してもよい。サーミスタ本体がパワー端子に固定されるときに、サーミスタ本体の配置位置の変動が抑制される。サーミスタ本体のパワー端子への組付けが容易になるからである。
【0016】
(4)前記リテーナーに、前記第1及び第2のパワー端子のうちの少なくとも1つと前記シグナル端子との間に、前記外部充電コネクタの挿抜方向に貫通する開口部が形成され、前記開口部に、前記サーミスタ本体から引き出されるサーミスタ用電線が挿通されてもよい。開口部からサーミスタ本体の電線が挿通されるので、組付けが容易になるからである。
【0017】
(5)前記外部充電コネクタの挿抜方向における前記リテーナーの前記車両の内側で、前記サーミスタ用電線とともに、前記シグナル端子から引き出されるシグナル用電線が、束ねられて配策されてもよい。サーミスタ用電線とシグナル用電線とが束ねられて配策されるので、組付け後の信号線とシグナル用電線との管理が容易になる。または収納が容易になる。
【0018】
(6)前記被水防止部は、前記第1及び第2のパワー端子の並列方向と前記外部充電コネクタの挿抜方向とに平行な平面に対して傾斜してもよい。被水防止部に水がたまることが抑制される。これにより、排水性が向上するからである。
【0019】
(7)前記リテーナーは、前記被水防止部により誘導される水を排水する貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記被水防止部よりも下側に配置されてもよい。被水防止部よりも下側に配置される貫通孔へ水が誘導され、貫通孔から水が排水されるので、リテーナーの水たまりが抑制されるからである。
【0020】
(8)前記ハウジングの一部と前記リテーナーとを前記車両の内側から覆う外装部材をさらに備え、前記外装部材は、前記リテーナーの貫通孔により誘導される水を排水する排水口を有し、前記排水口は、前記リテーナーの前記貫通孔よりも下側に配置されてもよい。貫通孔よりも下側に配置される排水口へ水が誘導され、排水口から水が排水されるので、外装部材の水たまりが抑制されるからである。
【0021】
(9)前記第1及び第2のパワー端子において前記外部充電コネクタと接続される側と反対側の端部にそれぞれに取り付けられ、前記外部充電コネクタの挿抜方向に交差する方向に延びる第1及び第2の中継端子と、前記外部充電コネクタの挿抜方向に交差する方向に延びるように前記第1及び第2の中継端子にそれぞれ固定される電力線と、をさらに備えてもよい。外部充電コネクタの挿抜方向に交差する方向に電力線が延びるので、外部充電コネクタの挿抜方向での充電コネクタのスペースを縮小できるからである。
【0022】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の充電コネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内におけるすべての変更が含まれることが意図される。
【0023】
各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。また、本明細書における「平行」や「直交」は、厳密に平行や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用ならびに効果を奏する範囲内で概ね平行や直交の場合も含まれる。
【0024】
[実施形態1]
以下、実施形態1に係る充電コネクタ10について説明する。図1は、充電コネクタ10を備える車両1を外部電源9とともに示す概略図である。
【0025】
<車両1について>
車両1は、ボディ2と、バッテリ3と、PCU(Power Control Unit)4と、モータジェネレータ5と、充電器6と、充電コネクタ10と、を含む。
【0026】
バッテリ3は、二次電池であり、例えばリチウムイオン電池である。PCU4は、インバータおよびコンバータを含む。モータジェネレータ5は、駆動用のモータと発電機としての機能を有する回転電機である。PCU4は、バッテリ3から供給される直流電力を交流電力に変換して、モータジェネレータ5に供給する。モータジェネレータ5は、PCU4から供給される交流電力によって駆動して、駆動輪を駆動させる。また、車輪の減速時等にモータジェネレータ5が発電する。PCU4は、モータジェネレータ5によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ3を充電する。
【0027】
ボディ2は、車両1の外観を構成する部分である。ボディ2には、蓋が設けられている。蓋が開けられると、充電コネクタ10が外部に露出する。充電コネクタ10が設けられる位置は任意である。例えば、充電コネクタ10は、ボディ2の前部に設けられてもよいし、側部における後方部分に設けられてもよい。
【0028】
充電器6は、充電コネクタ10およびバッテリ3に接続されている。充電器6は、たとえば、充電コネクタ10から供給される交流電力を直流電力に変換し、あるいは、充電コネクタ10から供給される直流電力を電圧変換して、バッテリ3に供給する。
【0029】
車両1におけるバッテリ3の充電態様として、一般に、普通充電及び急速充電がある。急速充電は、普通充電よりも大きな電流を流すことによって、普通充電よりも短時間での充電を可能にする。普通充電では、家庭用電源又はそれと同等の外部電源が用いられることが想定される。急速充電では、例えば充電スタンドなどの専用の電源が用いられることが想定される。本開示の充電コネクタ10は、急速充電に対応した充電コネクタであるものとして説明される。
【0030】
<車両1における充電コネクタ10>
充電コネクタ10は、車両1に備えられるバッテリ3の充電に用いられる。充電コネクタ10は、車両1に搭載される。充電コネクタ10は、外部充電コネクタ7と嵌合することにより、外部充電コネクタ7の端子と接続される。本実施形態においては、外部充電コネクタ7のピン状の端子が、充電コネクタ10の筒状の端子に嵌合して接続される。なお、外部充電コネクタ7の筒状の端子に、充電コネクタ10のピン状の端子が嵌合して接続されても良い。外部充電コネクタ7は、変換器8を介して外部電源9に接続されている。
【0031】
変換器8は、外部電源9から供給される電力電流および電圧等を調整して、バッテリ3に供給する。車両1は、バッテリ3の電力によってモータが駆動されることによって走行する。車両1は、駆動源としてモータのみを備える電気自動車であってもよいし、モータとエンジンとを備えるハイブリッド自動車であってもよい。
【0032】
図2は、実施形態1にかかる充電コネクタ10及びその組付態様を示す平面図である。充電コネクタ10は、外部充電コネクタ7(図1参照)が嵌合されて電気的に接続されることが可能に構成される。充電コネクタ10は、例えば、車両1におけるボディ2に設けられた取付部100に取付けられる。図2には、取付部100の一例が示されている。取付部100は、例えば、ボディ2をなすパネル102の一部が車両の内側に凹む凹状に形成された部分である。このパネル102の凹部の開口が外部充電コネクタを受入可能な開口部を形成する。取付部100のうち底部のパネル102には貫通孔104が形成される。
【0033】
充電コネクタ10の外部充電コネクタ7(図1参照)の挿抜方向における車両1の外側には、外部充電コネクタ7との接続部分が設けられる。接続部分は、外部充電コネクタ7が挿し込まれて電気的に接続される部分を含む。充電コネクタ10における接続部分を含む一部は、貫通孔104を貫通してパネル102の外側に露出する。充電コネクタ10の他の一部は、パネル102よりも車両の内側に配置される。通常、取付部100には、車体側カバー106が設けられる。車体側カバー106は、ヒンジ等によって開閉可能にパネル102に取付けられる。車体側カバー106が閉じた状態で、車体側カバー106がパネル102の開口部を覆う。車体側カバー106が開いた状態で、充電コネクタ10が露出し、外部から充電コネクタ10へのアクセスが可能となる。
【0034】
本開示において、図2に示されるように、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向のうち、X方向が、充電コネクタ10がパネル102の貫通孔104を貫通する方向に平行な方向とされる。充電コネクタ10と外部充電コネクタ7とは、X方向に接続される。本明細書においては、X方向のことを、外部充電コネクタ7の挿抜方向と表現している。Y方向は一対のパワー端子の並列方向である。Z方向は、X方向及びY方向の両方に直交する方向である。例えば、充電コネクタ10が車両1の側面に設けられる場合、X方向は車両の左右方向であり、Y方向は車両の前後方向であり、Z方向は鉛直方向となる。例えば、充電コネクタ10が車両1の前面又は後面に設けられる場合、X方向は車両の前後方向であり、Y方向は車両の左右方向であり、Z方向は鉛直方向となる。
【0035】
<全体構成>
図2に加えて、図3から図6を参照しつつ、充電コネクタ10の全体構成について説明する。図3は実施形態1にかかる充電コネクタ10を示す斜視図である。図4は実施形態1にかかる充電コネクタ10を示す分解斜視図である。図5は実施形態1にかかる充電コネクタ10を示す正面図である。図6図5のVI-VI線に沿った断面図である。なお、図4において電力線29は省略されている。
【0036】
充電コネクタ10は、パワー端子20と、シグナル端子16と、中継端子28と、電力線29と、サーミスタユニット40と、ハウジング30と、リテーナー70と、リッドユニット80と、外装部品としてのグロメット90とを備える。中継端子28は、パワー端子20と電力線29との間に介在する。そして、中継端子28は、パワー端子20と電力線29とを電気的に接続する。中継端子28は、パワー端子20と同数(ここでは2つ)設けられる。
【0037】
<端子について>
端子は、一対のパワー端子20、およびシグナル端子16を含む。一対のパワー端子20は、第1のパワー端子及び第2のパワー端子の一例である。パワー端子20およびシグナル端子16は、ハウジング30に収容される。パワー端子20およびシグナル端子16は、充電時に上述の外部充電コネクタ7の端子(図示しない)と接続される。より具体的には、一対のパワー端子20は、車両1の外部側からバッテリ3へ電力を供給する外部充電コネクタ7の端子と接続される。また、シグナル端子16は、車両1の外部側から車両1の制御部(PCU4)へ信号を送受信する外部充電コネクタ7の端子と接続される。
【0038】
これらの端子(パワー端子20、シグナル端子16)の数や種類は、充電コネクタ10の規格よって適宜設定される。本実施形態では、一対のパワー端子20、および6つのシグナル端子16が設けられる。
【0039】
<パワー端子20について>
図7は、パワー端子20、サーミスタユニット40、固定部材50、および回り止め部材60を上方から示す斜視図である。また、図8は、パワー端子20、サーミスタユニット40、固定部材50、および回り止め部材60を示す平面図である。図9は、パワー端子20に対してサーミスタユニット40が取り付けられる状態を示す説明図である。図10図9のX-X線に沿った断面図である。なお、図7および図8において、信号線42は省略されている。
【0040】
パワー端子20は導体で構成される。パワー端子20は、例えば、金属製である。上述のように、パワー端子20は、例えば、金属板をプレス加工することによって形成される。同一形状の物が多数生産される場合には、金属板のプレス加工法は他の加工法よりも簡易で安価に生産可能である。パワー端子20は、第1電気接続部21と、第2電気接続部22と、中間部23とを有する。第1電気接続部21は、例えば、パワー端子20の長さ方向の一端に設けられる。第2電気接続部22は、例えば、パワー端子20の長さ方向の他端に設けられる。中間部23は、第1電気接続部21と第2電気接続部22との間に設けられる。
【0041】
第1電気接続部21は、外部充電コネクタ7に備えられる端子(図示しない)に接続可能である。第1電気接続部21が外部充電コネクタ7の端子に電気的に接続されることにより、外部電源の電力がバッテリ13に供給可能となる。なお、第1電気接続部21は、例えば、筒状をなす。そして、例えば、第1電気接続部21に外部充電コネクタ7の端子が差し込まれることにより、パワー端子20と外部充電コネクタ7とが機械的に接続される。
【0042】
第2電気接続部22は、車両1の内部の導電部材(図示しない)に接続可能である。導電部材としては、例えば、端子付き電線、端子を有しない電線、又は、バスバなどが用いられる。第2電気接続部22は、導電部材を介して充電器6に電気的に接続される。
【0043】
図9および図10に示すように、中間部23は、後に詳細に説明する回り止め部材60に対向する第1面23aと、第1面23aと反対側の第2面23bとを有している。第1面23a及び第2面23bの各々は、例えば、互いに平行をなす平面状をなしている。また、中間部23は、固定穴24を有している。固定穴24は、第1面23aから窪む穴である。本実施形態の固定穴24は、例えば、第1面23aから第2面23bまで、中間部23を板厚方向に貫通する。
【0044】
また、中間部23は、図9に示す一対の側面23cを有している。各側面23cは、第1面23aと第2面23bとを連結する面である。側面23cは、中間部23の幅方向両縁にそれぞれ設けられている。
【0045】
<サーミスタユニット40について>
サーミスタユニット40は、一対のパワー端子20それぞれに取り付けられる。サーミスタユニット40は、パワー端子20それぞれの温度を検出する。図9および図10に示すように、サーミスタユニット40は、サーミスタ本体41と、サーミスタ本体41から引き出される信号線42とを備えている。サーミスタ本体41は、センサ素子とセンサ素子を収容するハウジングとを備える。センサ素子に信号線42が接続されている。ハウジングは、例えば、樹脂製である。サーミスタ本体41は、例えば略直方体状をなす。センサ素子は、温度変化に応じた信号を、信号線42を介して出力する。信号線42は、センサ素子からの信号に基づいてバッテリ3の充電に関する制御を行うPCU4に電気的に接続される。なお、サーミスタユニット40として、例えば、NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタ、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタ、またはPT(Platinum Thermometer)センサが採用される。
【0046】
<回り止め部材60について>
回り止め部材60は例えば導体である。回り止め部材60は、例えば、金属製である。金属製の回り止め部材60が採用されると、金属は樹脂等に比べて熱伝導率が高いため、パワー端子20からサーミスタユニット40まで、熱を効率的に伝達させることが可能となる。その結果、サーミスタユニット40によるパワー端子20の温度監視の精度が向上する。回り止め部材60は、例えば、金属板をプレス加工することによって形成されている。プレス加工された回り止め部材60が採用されると、上述のパワー端子20の場合と同様に、回り止め部材60の生産性が向上する。回り止め部材60は、被固定部61と、サーミスタ本体41を保持するサーミスタ保持部62と、パワー端子20と当接する端子接触部63と、を有する。このような構成により、サーミスタ本体41がパワー端子20に固定されるときに、サーミスタ本体41の配置位置の変動が抑制される。サーミスタ本体41のパワー端子20への組付けが容易になるからである。
【0047】
図9および図10に示すように、被固定部61は、固定部材50によって中間部23に固定されている。被固定部61は、例えば、被固定部61を貫通する貫通孔61aを有している。固定部材50は、例えば、金属製である。金属製の固定部材50が採用されると、パワー端子20からサーミスタユニット40まで、熱を効率的に伝達させることが可能となる。その結果、サーミスタユニット40によるパワー端子20の温度検出の精度が向上する。
【0048】
また、端子接触部63は、第1延出部63aと、第2延出部63bとを含む。後に説明するように固定部材50がネジである場合、端子接触部63がネジの締付け方向である矢印D1方向に回転すると、第1延出部63aと側面23cとが接触する。これにより、端子接触部63が矢印D1方向に変動することが防止される。これにより、サーミスタ本体41の配置位置の変動が抑制される。このため、サーミスタ本体41のパワー端子20への組付けが容易になる。なお、端子接触部63については、後により具体的に説明する。
【0049】
サーミスタ保持部62は、被固定部61に繋がっている。サーミスタ保持部62には、サーミスタユニット40のサーミスタ本体41が固定されている。サーミスタ保持部62は、上面62aと、上面62aとは反対側の下面62bとを有している。上面62aには、サーミスタ本体41が固定される。下面62bは、中間部23の第1面23aに直接接触している。
【0050】
図9および図10に示すように、回り止め部材60がパワー端子20に固定された状態において、被固定部61とサーミスタ保持部62とは、例えば、パワー端子20の長さ方向に並んでいる。また、被固定部61が第1電気接続部21側(図7および図8参照)に位置し、サーミスタ保持部62が第2電気接続部22側に位置している。サーミスタ保持部62が第2電気接続部22側に位置することにより、サーミスタユニット40の信号線42の配線が車両1の内側方向に引き込まれ易くなる。
【0051】
図9に示すように、サーミスタ保持部62は、例えば、上面62aから突出する壁部62cを有している。壁部62cは、例えば一対設けられている。一対の壁部62cは、パワー端子20の長さ方向に直交する幅方向において、互いに対向している。サーミスタ本体41は、一対の壁部62cの間に収容される。
【0052】
サーミスタ本体41と回り止め部材60とは、例えば接着剤67により固定される(図10参照)。接着剤67は、例えば、熱硬化性樹脂である。接着剤67としては、例えば、エポキシ樹脂などを用いることができる。
【0053】
図10に示すように、接着剤67は、例えば、サーミスタ保持部62の上面62a、または、サーミスタ本体41において上面62aに対向する面に塗布される。各壁部65は、サーミスタ本体41と上面62aとの間から押し出された接着剤67を堰き止める役割をなす。また、各壁部62cは、サーミスタ保持部62に対してサーミスタ本体41を位置決めする役割をなす。なお、サーミスタ本体41と回り止め部材60とは、接着剤67と異なる固定方法により固定されてもよい。接着剤67は、サーミスタ本体及び壁部62cを上方から覆うことで、サーミスタ本体がサーミスタ保持部62に保持された状態を保ってもよい。
【0054】
また、壁部62cは、例えば、図7ないし図10に示す位置決め部66を有している。位置決め部66は、例えば、壁部62cにおける被固定部61側の端部から延出している。位置決め部66は、パワー端子20の長さ方向において、サーミスタ本体41に接触する。これにより、サーミスタ本体41が、パワー端子20の長さ方向において位置決めされる。なお、位置決め部66は、例えば、各壁部62cに設けられる。
【0055】
図9に示すように、第1延出部63aは、中間部23における第1面23aの側から第2面23bの側に向かって延出している。第1延出部63aは、ねじとしての固定部材50の固定側への回転方向において、中間部23の一方の側面23cに対向している。固定部材50の固定側への回転方向は、例えば、ねじの頭側から見て固定部材50の軸線を中心とした矢印D1(時計回り方向)である。第1延出部63aは、中間部23の一方の側面23cに接触可能である。
【0056】
このような構成の第1延出部63aにより、例えば、固定部材50の固定時(例えば、固定部材50としてねじの一種であるボルトが採用される場合には、ボルトの締結方向(ボルトが例えば矢印D1に回る方向))に回り止め部材60が連れ回されることが抑制される。具体的には、回り止め部材60がパワー端子20に固定されるときに、中間部23の側面23cに接触可能な第1延出部63aが側面23cに当接することによりストッパとして機能する。これにより、固定部材50の固定時に回り止め部材60が連れまわされることが抑制される。
【0057】
第2延出部63bは、第1延出部63aから延出している。第2延出部63bは、例えば屈曲形成された部位である。第2延出部63bは、例えば、第1延出部63aの先端部から中間部23の第2面23bに沿って延出している。第2延出部63bは、第2面23bに対向し、第2面23bに接触可能である。サーミスタ保持部62の下面62bが中間部23の第1面23aに接触する状態において、例えば、中間部23の第2面23bと第2延出部63bとの間には隙間が生じていてもよい(図10参照)。なお、回り止め部材60をパワー端子20から外した状態においては、第2延出部63bは、サーミスタ保持部62の下面62bに対向する。
【0058】
このような構成の第2延出部63bにより、例えば、サーミスタユニット40または回り止め部材60に対して第1面23aから離れる方向への力がかかったとしても、サーミスタユニット40が第1面23aから離れることが防止される。具体的には、サーミスタユニット40の信号線42の配策経路が中間部23の第1面23aから離れる方向に設定される場合、サーミスタ本体41及び回り止め部材60が信号線42に引っ張られて、回り止め部材60には第1面23aから離れる方向への力がかかる。このとき、本実施形態では、回り止め部材60の第2延出部63bが中間部23の第2面23bに接触することで、サーミスタ保持部62が第1面23aから離れることが抑制される。これにより、サーミスタ保持部62が第1面23aに接触する状態が維持される。
【0059】
<固定部材50について>
ここで、回り止め部材60をパワー端子20に固定するための固定部材50について説明しておく。固定部材50は、例えば、ボルトである。ボルトはネジの一例である。すなわち、固定部材50は、外周面にねじ山を有するねじ部51を有している。一方、中間部23の固定穴24の内周面には、例えば、図示しないねじ溝が形成されている。図10に示すように、ねじ部51は、被固定部61の貫通孔61aを挿通するとともに、固定穴24に螺合されている。これにより、被固定部61は、中間部23の第1面23aに接触する状態で固定されている。固定部材50としてボルトが採用されると、サーミスタユニット40とパワー端子20との固定が簡易で確実になる。固定部材50は、パワー端子20に取付けられたかしめナット20にねじ示されてもよい(図10参照)。かしめナット52は、圧入ナットとも呼ばれるナットであり、パワー端子20に形成された孔に部分的に圧入等されることによって当該パワー端子20に固定されるナットである。
【0060】
<ハウジング30について>
図11は、ハウジング30の一部、パワー端子20、およびサーミスタユニット40の配置関係を背面斜方から示す部分拡大図である。図12は、ハウジング30、パワー端子20、およびサーミスタユニット40の配置関係を背面から示す部分拡大図である。図13は、サーミスタ本体41、凹部31a、被水防止部35、流通路33、および開口34の位置関係を示す概略図である。
【0061】
ハウジング30は、例えば合成樹脂により形成される。ハウジング30には、一対のパワー端子20をそれぞれに収容可能なパワー端子収容部31が形成される。なお、パワー端子収容部31は必要に応じてパワー端子収容部31A、31Bに区別される場合がある。また、ハウジング30には、シグナル端子16をそれぞれに収容可能なシグナル端子収容部32が形成されている。シグナル端子収容部32は必要に応じてシグナル端子収容部32A、32B、32C、32Dに区別される場合がある。本実施形態においては、パワー端子収容部31A,31BはY方向に並列しており、一対のパワー端子20もまたY方向に並列している。特に本実施形態における充電コネクタ10では、一対のパワー端子収容部31の鉛直方向上側(+Z側とする、以下同じ)に3個のシグナル端子収容部32A、32B、32Cが形成される。パワー端子収容部31Aの直上にシグナル端子収容部32Aが形成され、パワー端子収容部31Bの直上にシグナル端子収容部32Bが形成される。なお、一対のパワー端子収容部31A、31Bの間にシグナル端子収容部32Cが形成され、シグナル端子収容部32Cの直下にシグナル端子収容部32Dが形成される。このようなパワー端子20とシグナル端子16との配置関係は、充電規格で定められたものであってもよい。
【0062】
一対のパワー端子20の並列方向(Y方向)と外部充電コネクタの挿抜方向(X方向)において、車両1の外側(-X側とする、以下同じ)から内側(+X側とする、以下同じ)へ繋がる水の流通路33が形成される。また、流通路33は、パワー端子20の並列方向(Y方向)と外部充電コネクタの挿抜方向(X方向)に直交する方向(Z方向)において、パワー端子20に被らない位置に形成される。流通路33は、例えば、シグナル端子収容部32においてシグナル端子16の配置位置よりも下側(-Z側とする、以下同じ)に形成される。流通路33は、シグナル端子16の配置位置よりも鉛直方向下側であってもよい。本実施形態では、流通路33は、シグナル端子収容部32A内を通過する空間である。例えば、図13に示すように、シグナル端子収容部32Aは、車外から車内に向かう貫通孔を有している。シグナル端子収容部32Aの車内側の端部のうち下向き部分に部分的な凹みである下向きの開口34が形成されている。流通路33は、シグナル端子収容部32A内の貫通孔から開口34に至るように形成されている。水は、流通路33内を通って開口34から下方に滴り落ちることが想定される。
【0063】
図13に示すように、パワー端子収容部31A,31Bには、その周方向に部分的な凹部31aが形成される。凹部31aは、例えば、金型成形時に形成された窪みであってもよい。凹部31aは、パワー端子収容部31A,31Bのうち車内側の端部の一部(ここでは上側の一部)に形成されている。凹部31aは、例えばパワー端子20に取り付けられたサーミスタ本体41を収容可能な幅及び奥行で凹む形状に形成される。そして、サーミスタ本体41のうち-X側の一部が凹部31aに収容され、反対側の残部が凹部31aから後方にはみ出ている。なお、本実施形態においては、サーミスタ本体41の一部が凹部31aに収容されるが、サーミスタ本体41の全部が凹部31aに収容されても良い。サーミスタ本体41の少なくとも一部が凹部31aに収容されるため、パワー端子収容部31A,31Bをパワー端子20を収容するのに適した内径としつつ、パワー端子20に取付けられたサーミスタ本体41の配置スペースが容易に確保される。このため、パワー端子20の温度監視を行うためのサーミスタ本体41をパワー端子20に取付ける構成を実現し易くなる。
【0064】
図13に示すように、ハウジング30は、流通路33の車両1の内側の開口34とサーミスタ本体41との間に配置される被水防止部35を有する。被水防止部35は、例えばサーミスタ本体41の鉛直方向上方に配置される。このような配置であれば、サーミスタ本体41への水の落下を防ぐことができる。この被水防止部35は、流通路33から流出する水のサーミスタ本体41の方向への流入を遮断する。具体的には、流通路33から流出する水が鉛直方向下方に落下する。このように落下した水は、サーミスタ本体41方向へ流れようとする場合に、被水防止部35によりサーミスタ本体41への水の流れが妨げられる。すなわち、被水防止部35が、サーミスタ本体41の、YZ平面視で左右のどちらかの方向に水の流れを誘導する。被水防止部35は、例えば、合成樹脂により形成される。被水防止部35は、例えば、ハウジング30と一体で形成されている。なお、被水防止部35は、合成樹脂以外の材料であってもよい。ただし、合成樹脂などの絶縁材料による被水防止部35を備えると、被水防止部35が存在しない場合にサーミスタ本体41とシグナル端子16との間の絶縁距離が十分でない場合であっても、被水防止部35の分だけ絶縁距離が長くなる。サーミスタ本体41が、パワー端子20においてシグナル端子16に近い位置に取り付けられたとしても、サーミスタ本体41とシグナル端子16との間に被水防止部35が配置されることにより、サーミスタ本体41とシグナル端子16との間での短絡が防止される。
【0065】
本実施形態において、被水防止部35は、一対のパワー端子20の並列方向(Y方向)と外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)とに平行な平面(XY平面)に対して傾斜する。図11および図12に示すように、被水防止部35は、例えば、YZ平面上において、中央部から左右に向かうにしたがって、上方から下方に傾斜する。被水防止部35は、直線的に傾斜してもよいし、湾曲しつつ傾斜してもよい。このため、被水防止部35に水がたまることが抑制される。これにより、ハウジング30の排水性が向上する。なお、被水防止部35は、YZ平面上に傾斜する形状に限定されない。被水防止部35は、XZ平面上に、+X側に向かうにしたがって、下方から上方に傾斜する形状であってもよい。また、被水防止部35は、流通路33から流出する水のサーミスタ本体41の方向への流入を遮断する形状(被水防止部35からサーミスタ本体41方向へ水が流れない形状)であれば、他の形状であってもよい。例えば、被水防止部35は、YZ平面上において、上方から下方に左右一方のみに傾斜する形状であってもよい。
【0066】
また、図12に示すように、本実施形態においては、被水防止部35は、例えば、凹部31aのY方向の両端部と接続壁36で連接されている。このような構成であれば、パワー端子収容部31と被水防止部35とによりパワー端子20およびサーミスタ本体41の周方向全域が囲まれる。これにより、サーミスタ本体41への多方向からの水かかりが抑制される。なお、被水防止部35が凹部31aのY方向における両端部と接続壁36により連接される構成に限定されない。被水防止部35と凹部31aとが離間していても、被水防止部35が流通路33から流出する水のサーミスタ本体41の方向への流入を遮断するような被水防止部35の配置であれば、他の構成が採用されても良い。図13に示すように、外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)において、開口34の車両1における外側(-X側)端N点よりも被水防止部35の車両1における内側(+X側)端M点の方が、車両1における内側(+X側)に配置される。これにより、流通路33から開口34を通して流出する水が、矢印E方向へ流れる。矢印E方向へ流れた水は、被水防止部35により、流通路33から流出する水のサーミスタ本体41の方向への流入が遮断される。したがって、このような被水防止部35の構成であれば、サーミスタ本体41への水かかりが抑制される。これにより、水かかりによるサーミスタ本体41の温度検出部(図示しない)の温度の低下が抑制され、パワー端子20の温度がより正確に検出される。結果、パワー端子20の温度監視が可能な充電コネクタを提供することができる。
【0067】
<中継端子28および電力線29について>
図4および図6に示すように、一対の中継端子28は、パワー端子20それぞれにおいて外部充電コネクタ7と接続される側と反対側の端部に取り付けられる。一対の中継端子28は、第1の中継端子及び第2の中継端子の一例である。図4に示すように、各中継端子28は、例えば、外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)に直交する方向に延びる。また、図2図3、および図5に示すように、一対の電力線29は、外部充電コネクタ7の挿抜方向に直交する方向に延びように、各中継端子28に固定される。このような構成により、外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)での充電コネクタ10のスペースが縮小される。なお、本実施形態においては、各中継端子28および電力線29が外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)に直交する方向に延びる構成としているが、直交する方向に限定されず、交差する方向に延びる構成であってもよい。ただし、外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)での充電コネクタ10の省スペース化の観点からは、外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)に直交する方向に延びる構成であることが好ましい。
【0068】
<リテーナー>
図14は、リテーナー70をパワー端子20およびシグナル端子16とともに背面側から示す背面斜視図である。リテーナー70は、ハウジング30からのパワー端子20およびシグナル端子16の抜けを抑制する。図6および図14に示すように、リテーナー70は、端子押え部71(図6参照)と、リブ75、76(図14参照)とを含む。端子押え部71は、ハウジング30に収容されたパワー端子20およびシグナル端子16の後方を押さえる。これにより、パワー端子20およびシグナル端子16がハウジング30から後方に抜けることを抑制する。端子押え部71は、後方カバー部72と、複数の突出筒部73とを含む。複数の突出筒部73は、後方カバー部72から前方(ハウジング30側)に向けて突出する。複数の突出筒部73は、各端子収容部31、32に対応する位置に形成されている。各突出筒部73は、各貫通孔と連通する。各突出筒部73の先端が、対応する端子収容部31、32に挿入されて、各端子20、16を後方から押える。
【0069】
リテーナー70には、外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)に貫通する開口部77が形成される。この開口部77は、YZ平面上において、パワー端子20とシグナル端子16との間に位置する。突出筒部73のうちシグナル端子16を押え付けるものに、当該突出筒部73の軸方向に沿って延びるスリット73Sが形成されている。スリット73Sは、突出筒部73内の空間と開口部77内の空間とを連通させる。組付時において、シグナル端子16及び信号線42が開口部77に挿通される。この後、信号線42がスリット73Sを通って突出筒部73内に配置される。開口部77は、端部にシグナル端子16が取付けられた信号線42を、容易に突出筒部73内に通した状態とするための役割を持つ。この開口部77に、サーミスタ本体41から引き出されるサーミスタ用電線としての信号線42が挿通される。
【0070】
好ましくは、信号線42とともにシグナル用電線16aが、束ねられて配策される(図6参照)。このように信号線42とシグナル用電線16aとが束ねられて配策されるので、組付け後の信号線42とシグナル用電線16aとの管理が容易になる。または収納が容易になる。
【0071】
リブ75、76は、中継端子28同士を仕切る。また、リブ75、76は、中継端子28とシグナル端子16とを仕切る。リブ75、76は、中継端子28の位置決めもしている。中継端子28のうちパワー端子20と接続される部分は、リブ75、76に沿うように配置される。リブ75、76は、グロメット90の内部においてパワー端子20の収容空間と排水空間とを仕切る。
【0072】
リテーナー70は、被水防止部35により誘導される水を排水する貫通孔78を有する。貫通孔78は、被水防止部35よりも下側(-Z側)に配置される。本実施形態では、の貫通孔78は、リブ75およびリブ76の下方に形成される孔である。貫通孔78は、リテーナー70の鉛直方向の下端周辺に形成されても良い。上記のように、被水防止部35により案内され、下方に流れ落ちた水は、ハウジング50とリテーナ70との間の空間にたまる。ハウジング50とリテーナ70との間の水は、貫通孔78を通じてリテーナー70に対して車内側の排水空間に流される。これにより、ハウジング50とリテーナー70との間の排水性が向上する。なお、貫通孔78は、被水防止部35の鉛直方向下側に配置されてもよい。なお、貫通孔78は、鉛直方向下側に限定されることなく、被水防止部35の下側に配置されていれば、被水防止部35によって誘導される水が排水される。
【0073】
<グロメット90について>
図15はグロメット90の正面側から示す斜視図である。図2図3および図15に示すように、グロメット90は、ハウジング30及びリテーナー70を覆う。より具体的には、グロメット90は、ハウジング30とリテーナー70との一部を車両1の内側から覆う。グロメット90は、第1保護部91と、第2保護部94とを含む。第1保護部91は、ハウジング30の背面側とリテーナー70とを覆う。第2保護部94は、電線押え部(図示しない)を覆う。グロメット90は、例えば、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)などのエラストマ製である。グロメット90は、弾性を有する部材で構成されることが好ましい。
【0074】
第1保護部91には、ハウジング引出口92及び排水口93が形成されている。ハウジング引出口92を通じてハウジング30の前端部がグロメット90の外部に延び出る。排水口93は、充電コネクタ10の内部に浸入する水を外部に排水するための開口部である。排水口93は、リテーナー70よりも車内側であっての貫通孔78よりも鉛直方向下側(-Z側)に配置される。上述のとおり、充電コネクタ10の内部に侵入する水は、例えば、リッドユニット80が開いたときに、ハウジング30の流通路33を通して侵入することが想定される。水は、流通路33を通った後、リテーナー70の貫通孔78に誘導され、グロメット90の内部に侵入する。排水口93は、このようなリテーナー70の貫通孔78により誘導された水を排水する。このように、排水口93から水が排水されるので、グロメット90の水たまりが抑制される。すなわち、グロメット90の排水性が向上する。なお、排水口93は、貫通孔78よりも鉛直方向下側に配置される構成に限定されない。排水口93は、被水防止部35の下側に配置されていれば、被水防止部35によって誘導される水が排水され得る。
【0075】
ハウジング引出口92の外面には、結束バンド98が取付けられている。グロメット90は、結束バンド98によってハウジング30に取付けられている。
【0076】
第2保護部94には、電線引出口95が形成されている。電線引出口95を通じてパワー端子20から中継端子28を介して接続される電力線29の他端部がグロメット90の外部に延び出る。1つのグロメット90に3つの電線引出口95が設けられている(図5参照)。3つの電線引出口95のうち2つの電線引出口95は、2つの電力線29用に設けられる。2つの電線引出口95それぞれに1本の電力線29が通されている。3つの電線引出口95のうち残りの1つの電線引出口95に、信号線42やシグナル用電線16aがまとめて通されている。
【0077】
このようなグロメット90により、充電コネクタ10のうち車両1の内側の部分を、弾性を有する外装部材によって容易に全体的に覆うことができる。これにより、充電コネクタ10のうち車両1の内側の部分の防水性を向上させることができる。なお、弾性を有する外装部材として、グロメット90の他に、プロテクタも利用可能である。
【0078】
[実施形態2]
実施形態2に係る充電コネクタ210について説明する。
【0079】
図16は、ハウジング230、パワー端子20、およびサーミスタユニット40の配置関係を背面斜方から示す部分拡大図である。また、図17は、ハウジング230、パワー端子20、およびサーミスタユニット40の配置関係を背面から示す部分拡大図である。なお、本実施形態2の説明において、実施形態1において説明したものと同様の構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0080】
実施形態2にかかるハウジング230は、例えば合成樹脂により形成される。ハウジング30には、一対のパワー端子20をそれぞれに収容可能なパワー端子収容部231が形成される。また、ハウジング230には、シグナル端子16をそれぞれに収容可能なシグナル端子収容部232が形成されている。本実施形態においては、パワー端子収容部231A、231BはY方向に並列しており、一対のパワー端子20もまたY方向に並列している。特に本実施形態における充電コネクタ210では、一対のパワー端子収容部231A,231Bの間の中央部の上側に4個のシグナル端子収容部232がまとまって形成される。4個のシグナル端子収容部232はひし形の頂点に対応する位置に配置される。一対のパワー端子収容部231A,231Bの間の中央部の下側にも上記と同様に4個のシグナル端子収容部232がまとまって形成される。このようなパワー端子20とシグナル端子16との配置関係は、例えば、実施形態1の規格とは異なる規格で定められる。
【0081】
実施形態2におけるハウジング230における水の流通路233及び当該流通路233から流れ落ちる水の流路は、実施形態1とは異なっている。水の流れの相違に起因して、実施形態2における被水防止部は、実施形態1における被水防止部とは異なっている。この点に着目した説明が以下になされる。
【0082】
一対のパワー端子20の並列方向(Y方向)と外部充電コネクタの挿抜方向(X方向)において、車両1の外側(-X側)から内側(+X側)へ繋がる水の流通路233が形成される。また、流通路233は、パワー端子20の並列方向(Y方向)と外部充電コネクタの挿抜方向(X方向)に直交する方向(Z方向)において、パワー端子20から離れた位置、即ち、パワー端子20に被らない位置に形成される。本実施形態においては、流通路233は、例えば、外部充電コネクタ7との接続時に、外部充電コネクタ7のラッチ(図示しない)と係合するラッチ挿入口としても機能する。ラッチとは、外部充電コネクタ7のレバー(図示しない)の操作により動かされる部分である。ラッチは、レバーの操作により、流通路233と係合するロック状態と、流通路233との係合を解除する解除状態とに切り替えられる。本実施形態においては、流通路233は、例えば、シグナル端子収容部232の鉛直方向上側(+Z側)に位置する。
【0083】
図16に示すように、パワー端子収容部231A,231Bには、その周方向に部分的な凹部231aが形成される。凹部231aは、例えば、金型成形時に形成された窪みであってもよい。凹部231aは、例えばサーミスタ本体41を収容可能な幅及び奥行で凹む形状で形成される。そして、サーミスタ本体41のうち-X側の一部が凹部231aに収容され、反対側の残部が凹部231aから+X側にはみ出ている。なお、本実施形態においては、サーミスタ本体41の一部が凹部231aに収容されるが、サーミスタ本体41の全部が凹部231aに収容されても良い。
【0084】
ハウジング230は、流通路233の車両1の内側の開口34とサーミスタ本体41との間に、流通路233から流出する水のサーミスタ本体41の方向への流入を遮断するように配置される被水防止部235を有する。
【0085】
本実施形態において、被水防止部235は、一対のパワー端子20の並列方向(Y方向)と外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)とに対して平行な平面(XY平面)に対して傾斜する。被水防止部235は、流通路33から流出する水のサーミスタ本体41の方向への流入を遮断する。被水防止部235は、例えばサーミスタ本体41の鉛直方向上方に配置される。このような配置であれば、サーミスタ本体41への水の落下を防ぐことができる。この被水防止部235は、流通路233から流出する水のサーミスタ本体41の方向への流入を遮断する。具体的には、流通路233から流出する水が鉛直方向下方に落下する。このように落下した水は、流通路233の鉛直方向下方に位置するシグナル端子収容部232によりY方向において左右方向へ誘導される。Y方向において左右方向に誘導された水がサーミスタ41本体方向へ流れようとする場合に、被水防止部235によりサーミスタ本体41への水の流れが妨げられる。すなわち、被水防止部235が、サーミスタ本体41の、YZ平面視で左右のどちらかの方向に水の流れを誘導する。図16および図17に示すように、被水防止部235は、例えば、YZ平面上において、ハウジング230の中央部から端部に向かうにしたがって、上方から下方に傾斜する。このように傾斜しているので、ハウジング230の中央部から端部に水が誘導される。また、被水防止部235が傾斜していることから、被水防止部235に水がたまることが抑制される。これにより、ハウジング230の排水性が向上する。なお、被水防止部235は、例えば、YZ平面上において、ハウジング230の中央部から端部に向かうにしたがって、下方から上方に傾斜しても良い。被水防止部235は、YZ平面上に傾斜する形状に限定されない。被水防止部235は、XZ平面上に、+X側に向かうにしたがって、下方から上方に傾斜する形状であってもよい。また、被水防止部235は、流通路33から流出する水のサーミスタ本体41の方向への流入を遮断する形状であれば、他の形状であってもよい。
【0086】
また、本実施形態においては、被水防止部235は、YZ平面に平行な平面上においての一端が凹部231aのY方向の一端と接続壁236により連接され、多端がシグナル端子収容部232に連接されている。このため、パワー端子収容部231と被水防止部235とシグナル端子収容部232とによりパワー端子20およびサーミスタ本体41が流通路233から流出する水から遮断される。これにより、サーミスタ本体41への多方向からの水かかりが抑制される。なお、被水防止部235が凹部231aと連接される構成に限定されない。被水防止部235と凹部231aとが離間していても、被水防止部235が流通路33から流出する水のサーミスタ本体41の方向への流入を遮断するような被水防止部235の配置であれば、他の構成が採用されても良い。
【0087】
また、図18は、サーミスタ本体41、凹部231a、被水防止部235、流通路233、および開口234の位置関係を示す概略図である。図18に示すように、外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)において、開口234の端N2点よりも被水防止部235の車両1における内側(+X側)端M2点の方が、車両1における内側(+X側)に配置される。これにより、流通路233から開口234を通して流出する水が、矢印F方向へ流れる。矢印F方向へ流れた水は、被水防止部235により、流通路233から流出する水のサーミスタ本体41の方向への流入が遮断される。したがって、このような被水防止部235の構成であれば、サーミスタ本体41への水かかりが抑制される。これにより、水かかりによるサーミスタ本体41の温度検出部(図示しない)の温度の低下が抑制され、パワー端子20の温度がより正確に検出される。
【0088】
[付記]
上述の実施形態においては、被水防止部35,235と凹部31a,231aとは接続壁36,236により接続されている。ただし、接続壁36,236により接続されない場合も、本発明に含まれる。
【0089】
実施形態1および実施形態2において説明された各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせられることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 車両
2 ボディ
3 バッテリ
4 PCU
5 モータジェネレータ
6 充電器
7 外部充電コネクタ
8 変換器
9 外部電源
10,210 充電コネクタ
16 シグナル端子
20 パワー端子
21 第1電気接続部
22 第2電気接続部
23 中間部
23a 第1面
23b 第2面
23c 側面
24 固定穴
28 中継端子
30,230 ハウジング
31,231 パワー端子収容部
31a,231a 凹部
32,232 シグナル端子収容部
33,233 流通路
34,234 開口
35,235 被水防止部
36,236 接続壁
40 サーミスタユニット
41 サーミスタ本体
42 信号線
50 固定部材
51 ねじ部
52 かしめナット
60 回り止め部材
61 被固定部
61a 貫通部
62 サーミスタ保持部
62a 上面
62b 下面
62c 壁部
63 端子接触部
63a 第1延出部
63b 第2延出部
66 位置決め部
67 接着剤
70 リテーナー
71 端子押え部
72 後方カバー部
73 突出筒部
73S スリット
75 リブ
76 リブ
77 開口部
78 貫通孔
80 リッドユニット
90 グロメット
91 第1保護部
92 ハウジング引出口
93 排水口
94 第2保護部
95 電線引出口
100 取付部
102 パネル
104 貫通孔
106 車体側カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図17
図18