(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20240827BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H01F27/29 123
H01F17/00 B
(21)【出願番号】P 2021147852
(22)【出願日】2021-09-10
【審査請求日】2023-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 克文
(72)【発明者】
【氏名】金本 陸
【審査官】久保田 昌晴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/031880(WO,A1)
【文献】特開2015-103812(JP,A)
【文献】特開2005-167627(JP,A)
【文献】特開平11-008157(JP,A)
【文献】特開2021-111656(JP,A)
【文献】特開2018-032715(JP,A)
【文献】特開2018-026462(JP,A)
【文献】特開2017-212350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/00-19/08、27/29、30/10、37/00
H01F 41/04、41/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面及び前記第1主面に平行な第2主面を有する形状であり、前記第1主面及び前記第2主面を接続する複数の切り欠きを有する磁性体基板と、
前記第1主面上に積層されている複数の絶縁体層からなる積層体と、
前記積層体の内部で延びている複数のコイルと、
前記コイルの端に接続しており、一部が前記切り欠きの内部に露出している引出配線と、
前記切り欠きの内面に存在しており、前記引出配線に接続している接続体と、
前記第2主面上に存在しており、前記接続体に接続している外部電極と、
を備えており、
前記第1主面に垂直な方向を向いて前記磁性体基板を視たときに、前記磁性体基板の外縁は、直線状の第1辺を含み、複数の前記切り欠きのうちの少なくとも1つは、前記第1辺から内側に向かって窪んでおり、
前記第1主面に垂直な方向を向いて前記磁性体基板を視たときに、前記第1辺に沿う方向を第1方向とし、前記第1方向に垂直な方向を第2方向とした場合、前記切り欠きの前記第1方向の最大の寸法は、前記切り欠きの前記第2方向の最大の寸法と異なって
おり、
前記磁性体基板の前記第1方向の最大の寸法は、前記磁性体基板の前記第2方向の最大の寸法よりも大きく、
前記第1主面に垂直な方向を向いて前記磁性体基板を視たときに、前記磁性体基板の外縁は、前記第1辺と隣り合っており且つ前記第2方向に沿う第2辺を含み、
前記切り欠きは、前記第1辺において複数存在するとともに、前記第2辺において前記第1辺と同数存在しており、
隣り合う2つの前記切り欠き間の最短距離を、切り欠き間距離としたとき、
前記第1方向での前記切り欠き間距離は、前記第2方向での前記切り欠き間距離と等しくなっている
電子部品。
【請求項2】
第1主面及び前記第1主面に平行な第2主面を有する形状であり、前記第1主面及び前記第2主面を接続する複数の切り欠きを有する磁性体基板と、
前記第1主面上に積層されている複数の絶縁体層からなる積層体と、
前記積層体の内部で延びている複数のコイルと、
前記コイルの端に接続しており、一部が前記切り欠きの内部に露出している引出配線と、
前記切り欠きの内面に存在しており、前記引出配線に接続している接続体と、
前記第2主面上に存在しており、前記接続体に接続している外部電極と、
を備えており、
前記第1主面に垂直な方向を向いて前記磁性体基板を視たときに、前記磁性体基板の外縁は、直線状の第1辺を含み、複数の前記切り欠きのうちの少なくとも1つは、前記第1辺から内側に向かって窪んでおり、
前記第1主面に垂直な方向を向いて前記磁性体基板を視たときに、前記第1辺に沿う方向を第1方向とし、前記第1方向に垂直な方向を第2方向とした場合、前記切り欠きの前記第1方向の最大の寸法は、前記切り欠きの前記第2方向の最大の寸法と異なって
おり、
複数の前記切り欠きは、前記第1辺の端に位置する端切り欠きと、前記第1辺の途中に位置する中切り欠きと、を有しており、
前記第1主面に垂直な方向を向いて前記磁性体基板を視たときに、
前記中切り欠きの前記第2方向の最大の寸法は、前記第1辺上に存在する前記端切り欠きの前記第2方向の最大の寸法よりも小さくなっている
電子部品。
【請求項3】
前記第1主面に垂直な方向を向いて前記磁性体基板を視たときに、前記磁性体基板の外縁は、前記第1辺と隣り合っており且つ前記第2方向に沿う第2辺を含み、
N及びMを2以上の自然数としたとき、
前記切り欠きは、前記第1辺においてN個存在するとともに、前記第2辺においてM個存在しており、
前記磁性体基板の前記第1方向の最大の寸法をN-1で除した値は、前記磁性体基板の前記第2方向の最大の寸法をM-1で除した値よりも大きくなっており、
前記切り欠きの前記第1方向の最大の寸法は、前記切り欠きの前記第2方向の最大の寸法よりも大きくなっている
請求項1
又は請求項2に記載の電子部品。
【請求項4】
複数の前記切り欠きは、前記第1辺の端に位置する端切り欠きと、前記第1辺の途中に位置する中切り欠きと、を有しており、
前記第1主面に垂直な方向を向いて前記磁性体基板を視たときに、
前記中切り欠きの前記第2方向の最大の寸法は、前記第1辺上に存在する前記中切り欠きの前記第1方向の最大の寸法よりも小さくなっている
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電子部品。
【請求項5】
前記第1主面に垂直な方向を向いて前記磁性体基板を視たときに、
すべての前記切り欠きの面積が等しくなっている
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電子部品。
【請求項6】
前記第1主面に垂直な方向を向いて前記磁性体基板を視たときに、
前記切り欠きは、楕円の一部を切り取った形状となっている
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の電子部品は、磁性体基板及び積層体を備えている。磁性体基板は、第1主面及び第1主面に平行な第2主面を有する概ね直方体状である。磁性体基板は、第1主面と第2主面とを接続する複数の切り欠きを備えている。各切り欠きは、磁性体基板の4つの角にそれぞれ存在している。積層体は、磁性体基板の第1主面上に位置している。積層体は、互いに積層された複数の絶縁体層からなる。
【0003】
また、電子部品は、複数のコイル、複数の引出配線、複数の接続体、及び複数の外部電極を備えている。各コイルは、積層体の内部で延びている。各引出配線は、各コイルの端に接続している。各引出配線は、部分的に各切り欠き内に向けて露出している。各接続体は、各切り欠きの内面上に存在している。各接続体の一端は、各引出配線に接続している。各外部電極は、磁性体基板の第2主面上に存在している。各外部電極は、各接続体に接続している。すなわち、外部電極は、接続体及び引出配線を介して、コイルに接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような電子部品において、接続部を介して外部電極を引出配線に接続するという観点では、第1主面に垂直な方向を向いて磁性体基板を視たときの切り欠きの面積としてある程度大きな面積を確保することが好ましい。しかしながら、外部電極同士が電気的に干渉することなどを避ける必要があることから、単純に切り欠きの大きさを大きくすることは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、第1主面及び前記第1主面に平行な第2主面を有する形状であり、前記第1主面及び前記第2主面を接続する複数の切り欠きを有する磁性体基板と、前記第1主面上に積層されている複数の絶縁体層からなる積層体と、前記積層体の内部で延びている複数のコイルと、前記コイルの端に接続しており、一部が前記切り欠きの内部に露出している引出配線と、前記切り欠きの内面に存在しており、前記引出配線に接続している接続体と、前記第2主面上に存在しており、前記接続体に接続している外部電極と、を備えており、前記第1主面に垂直な方向を向いて前記磁性体基板を視たときに、前記磁性体基板の外縁は、直線状の第1辺を含み、複数の前記切り欠きのうちの少なくとも1つは、前記第1辺から内側に向かって窪んでおり、前記第1主面に垂直な方向を向いて前記磁性体基板を視たときに、前記第1辺に沿う方向を第1方向とし、前記第1方向に垂直な方向を第2方向とした場合、前記切り欠きの前記第1方向の最大の寸法は、前記切り欠きの前記第2方向の最大の寸法と異なっている電子部品である。
【0007】
上記構成によれば、切り欠きの第1方向の最大の寸法と第2方向の最大の寸法とをあえて異ならしめている。したがって、第1主面に垂直な方向を向いて磁性体基板を視たときの切り欠きの面積として充分な面積を確保しつつ、外部電極同士の電気的な干渉等を抑制した設計が可能である。
【発明の効果】
【0008】
切り欠きの面積として充分な面積を確保しつつ、設計自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態の電子部品の斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の電子部品の斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の電子部品の分解斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の電子部品の下面図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態の電子部品の斜視図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態の電子部品の下面図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態の電子部品の下面図である。
【
図8】
図8は、第3実施形態の電子部品の積層体の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、電子部品の第1実施形態について説明する。なお、図面は理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、又は別の図中のものと異なる場合がある。
【0011】
(全体構成について)
図1に示すように、電子部品10は、第1磁性体基板20と、積層体30と、第2磁性体基板40と、を備えている。
【0012】
図3に示すように、第1磁性体基板20は、概ね直方体状である。第1磁性体基板20は、第1主面MF1を有している。第1主面MF1は、第1磁性体基板20の外面を構成する平面のうち、最も面積の大きな面である。また、
図2に示すように、第1磁性体基板20は、第2主面MF2を有している。第2主面MF2は、第1主面MF1に平行になっている。
【0013】
第1主面MF1に垂直な方向を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第1磁性体基板20は、4つの角が切り欠かれたような概ね長方形状であり、直線状の4つの辺を有する。以下の説明では、
図3に示すように、第1主面MF1に垂直な方向を向いて第1磁性体基板20を視たときに、4つの辺のうちの特定の1つの辺と平行な軸を第1軸Xとする。また、第1主面MF1に垂直な方向を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第1軸Xと垂直な軸を第2軸Yとする。さらに、第1主面MF1に垂直な軸を第3軸Zとする。そして、第1軸Xに平行な方向の一方を第1正方向X1とし、第1軸Xに沿う方向の第1正方向X1と反対方向を第1負方向X2とする。また、第2軸Yに沿う方向の一方を第2正方向Y1とし、第2軸Yに沿う方向のうち第2正方向Y1と反対方向を第2負方向Y2とする。さらに、第3軸Zに沿う方向のうち第1主面MF1が向く方向を第3正方向Z1とし、第3正方向Z1と反対方向を第3負方向Z2とする。
【0014】
第1磁性体基板20の第2軸Yに沿う方向の寸法は、第1磁性体基板20の第1軸Xに沿う方向の寸法よりも大きくなっている。すなわち、第1磁性体基板20の第1主面MF1及び第2主面MF2は、全体として、第2軸Yに沿う方向に長い長方形状になっている。第1磁性体基板20は、磁性体からなっている。磁性体は、例えば、フェライトセラミックスの焼結体である。
【0015】
図3に示すように、第1磁性体基板20は、第1主面MF1と第2主面MF2とを接続する4つの切り欠き21A~21Dを備えている。各切り欠き21は、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、4つの角にそれぞれ存在している。つまり、切り欠き21は、第1磁性体基板20の4つの角に存在する空間である。また、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときの各切り欠き21の面積は、第2主面MF2から第1主面MF1に近づくほど小さくなっている。なお、以下では、4つの切り欠き21A~21Dを区別しないときには、切り欠き21と称呼する。
【0016】
切り欠き21Aは、第1磁性体基板20の中心から視て、第1正方向X1側且つ第2正方向Y1側の角に位置している。切り欠き21Bは、第1磁性体基板20の中心から視て、第1負方向X2側且つ第2正方向Y1側の角に位置している。切り欠き21Cは、第1磁性体基板20の中心から視て、第1負方向X2側且つ第2負方向Y2側の角に位置している。切り欠き21Dは、第1磁性体基板20の中心から視て、第1正方向X1側且つ第2負方向Y2側の角に位置している。
【0017】
電子部品10は、第1接着層51を備えている。第1接着層51は、ポリイミド樹脂などの有機系の接着剤からなっている。第3負方向Z2を向いて第1接着層51を視たときに、第1接着層51は、第1磁性体基板20の第1主面MF1を全て覆っている。
【0018】
図1に示すように、積層体30は、直方体状である。
図3に示すように、積層体30は、第1接着層51を挟んで、第1磁性体基板20の第1主面MF1上に積層されている。そのため、積層体30は、第1接着層51によって、第1磁性体基板20に接着されている。
【0019】
図3に示すように、積層体30は、第1層L1~第5層L5を有している。第1層L1~第5層L5の厚み、すなわち第3軸Zに沿う方向の寸法は、すべて略同一である。また、各層の主面は、第1磁性体基板20の第1主面MF1と平行になっている。
【0020】
第1層L1は、第1コイル61と、5つの引出部71A~71Eと、第1絶縁体層81と、を備えている。引出部71Aは、第1層L1の中心から視て、第1正方向X1側且つ第2正方向Y1側の角に位置している。引出部71Bは、第1層L1の中心から視て、第1負方向X2側且つ第2正方向Y1側の角に位置している。引出部71Cは、第1層L1の中心から視て、第1負方向X2側且つ第2負方向Y2側の角に位置している。引出部71Dは、第1層L1の中心から視て、第1正方向X1側且つ第2負方向Y2側の角に位置している。引出部71Eは、第1層L1の中心から視て第2正方向Y1側であり、且つ第1軸Xに沿う方向の中央に位置している。引出部71A~引出部71Eは、銅や銀などの導電性材料からなっている。本実施形態では、引出部71A~引出部71Eは、第1コイル61と同じ導電性材料からなっている。
【0021】
第3負方向Z2を向いて第1層L1を視たときに、第1コイル61は全体として、第1層L1の中心を中心として渦巻状に延びている。第1コイル61の第1端は、引出部71Aに接続している。第1コイル61の第2端は、引出部71Eに接続している。第3負方向Z2を向いて第1層L1を視たときに、第1コイル61は、第1端から第2端に向かうにつれて時計回りに進むように巻いている。第1コイル61は、銅や銀などの導電性材料からなっている。本実施形態では、第1コイル61は、引出部71A~引出部71Eと同じ導電性材料からなっている。
【0022】
第1層L1において、第1コイル61と、引出部71A~71Eと、を除く部分は、第1絶縁体層81である。第1絶縁体層81は、ガラス、樹脂、アルミナなどの非磁性の絶縁体からなっている。本実施形態では、第1絶縁体層81は、第1接着層51と同じ材料のポリイミド樹脂からなっている。
【0023】
第2層L2は、5つの引出部72A~72Eと、第2絶縁体層82と、を備えている。
引出部72Aは、第2層L2の中心から視て、第1正方向X1側且つ第2正方向Y1側の角に位置している。そのため、引出部72Aは、第1層L1の引出部71Aの第3正方向Z1を向く面に積層されている。
【0024】
引出部72Bは、第2層L2の中心から視て、第1負方向X2側且つ第2正方向Y1側の角に位置している。そのため、引出部72Bは、第1層L1の引出部71Bの第3正方向Z1を向く面に積層されている。
【0025】
引出部72Cは、第2層L2の中心から視て、第1負方向X2側且つ第2負方向Y2側の角に位置している。そのため、引出部72Cは、第1層L1の引出部71Cの第3正方向Z1を向く面に積層されている。
【0026】
引出部72Dは、第2層L2の中心から視て、第1正方向X1側且つ第2負方向Y2側の角に位置している。そのため、引出部72Dは、第1層L1の引出部71Dの第3正方向Z1を向く面に積層されている。
【0027】
引出部72Eは、第2層L2の中心から視て第2正方向Y1側であり、且つ第1軸Xに沿う方向の中央に位置している。つまり、第2層L2の引出部72Eは、第3負方向Z2を向いて積層体30を視たときに、第1層L1の引出部71Eと同じ箇所に位置している。そのため、引出部72Eは、第1層L1の引出部71Eの第3正方向Z1を向く面に積層されている。引出部72A~引出部72Eは、銅や銀などの導電性材料からなっている。本実施形態では、引出部72A~引出部72Eは、第1コイル61と同じ導電性材料からなっている。
【0028】
第2層L2において、引出部72A~72Eを除く部分は、第2絶縁体層82である。第2絶縁体層82は、ガラス、樹脂、アルミナなどの非磁性の絶縁体からなっている。本実施形態では、第2絶縁体層82は、第1絶縁体層81と同じ材料の絶縁体からなっている。
【0029】
第3層L3は、第2コイル62と、6つの引出部73A~73Fと、第3絶縁体層83と、を備えている。引出部73Aは、第3層L3の中心から視て、第1正方向X1側且つ第2正方向Y1側の角に位置している。そのため、引出部73Aは、第2層L2の引出部72Aの第3正方向Z1を向く面に積層されている。
【0030】
引出部73Bは、第3層L3の中心から視て、第1負方向X2側且つ第2正方向Y1側の角に位置している。そのため、引出部73Bは、第2層L2の引出部72Bの第3正方向Z1を向く面に積層されている。
【0031】
引出部73Cは、第3層L3の中心から視て、第1負方向X2側且つ第2負方向Y2側の角に位置している。そのため、引出部73Cは、第2層L2の引出部72Cの第3正方向Z1を向く面に積層されている。
【0032】
引出部73Dは、第3層L3の中心から視て、第1正方向X1側且つ第2負方向Y2側の角に位置している。そのため、引出部73Dは、第2層L2の引出部72Dの第3正方向Z1を向く面に積層されている。
【0033】
引出部73Eは、第3層L3の中心から視て第2正方向Y1側であり、且つ第1軸Xに沿う方向の中央に位置している。つまり、第3層L3の引出部73Eは、第3負方向Z2を向いて積層体30を視たときに、第2層L2の引出部72Eと同じ箇所に位置している。そのため、引出部73Eは、第2層L2の引出部72Eの第3正方向Z1を向く面に積層されている。
【0034】
引出部73Fは、第3層L3の中心から視て第2負方向Y2側であり、且つ第1軸Xに沿う方向の中央に位置している。引出部73A~引出部73Fは、銅や銀などの導電性材料からなっている。本実施形態では、引出部73A~引出部73Fは、第1コイル61と同じ導電性材料からなっている。
【0035】
第3負方向Z2を向いて第3層L3を視たときに、第2コイル62は全体として、第3層L3の中心を中心として渦巻状に延びている。第2コイル62の第1端は、引出部73Dに接続している。第2コイル62の第2端は、引出部73Fに接続している。第3負方向Z2を向いて第3層L3を視たときに、第2コイル62は、第1端から第2端に向かうにつれて時計回りに進むように巻いている。また、第2コイル62は、第1コイル61から視て第3正方向Z1側に位置している。これにより、第2コイル62は、第1コイル61とともにコモンモードチョークコイルを構成している。第2コイル62は、銅や銀などの導電性材料からなっている。本実施形態では、第2コイル62は、第1コイル61と同じ材料の導電性材料からなっている。
【0036】
第3層L3において、第2コイル62と、引出部73A~73Fと、を除く部分は、第3絶縁体層83である。第3絶縁体層83は、ガラス、樹脂、アルミナなどの非磁性の絶縁体からなっている。本実施形態では、第3絶縁体層83は、第1絶縁体層81と同じ材料の絶縁体からなっている。
【0037】
第4層L4は、引出部74Bと、引出部74Cと、引出部74Eと、引出部74Fと、第4絶縁体層84と、を備えている。
引出部74Bは、第4層L4の中心から視て、第1負方向X2側且つ第2正方向Y1側の角に位置している。そのため、引出部74Bは、第3層L3の引出部73Bの第3正方向Z1を向く面に積層されている。
【0038】
引出部74Cは、第4層L4の中心から視て、第1負方向X2側且つ第2負方向Y2側の角に位置している。そのため、引出部74Cは、第3層L3の引出部73Cの第3正方向Z1を向く面に積層されている。
【0039】
引出部74Eは、第4層L4の中心から視て第2正方向Y1側であり、且つ第1軸Xに沿う方向の中央に位置している。つまり、第4層L4の引出部74Eは、第3負方向Z2を向いて積層体30を視たときに、第3層L3の引出部73Eと同じ箇所に位置している。そのため、引出部74Eは、第3層L3の引出部73Eの第3正方向Z1を向く面に積層されている。
【0040】
引出部74Fは、第4層L4の中心から視て第2負方向Y2側であり、且つ第1軸Xに沿う方向の中央に位置している。つまり、第4層L4の引出部74Fは、第3負方向Z2を向いて積層体30を視たときに、第3層L3の引出部73Fと同じ箇所に位置している。そのため、引出部74Fは、第3層L3の引出部73Fの第3正方向Z1を向く面に積層されている。引出部74B~引出部74Fは、銅や銀などの導電性材料からなっている。本実施形態では、引出部74B~引出部74Fは、第1コイル61と同じ導電性材料からなっている。
【0041】
第4層L4において、引出部74B~引出部74Fを除く部分は、第4絶縁体層84である。第4絶縁体層84は、ガラス、樹脂、アルミナなどの非磁性の絶縁体からなっている。本実施形態では、第4絶縁体層84は、第1絶縁体層81と同じ材料の絶縁体からなっている。
【0042】
第5層L5は、引出部75Bと、引出部75Cと、第5絶縁体層85と、を備えている。
引出部75Bは、第3負方向Z2を向いて第5層L5を視たときに、第4層L4の引出部74Bと重複する箇所から第4層L4の引出部74Eと重複する箇所にまで延びている。
【0043】
引出部75Cは、第3負方向Z2を向いて第5層L5を視たときに、第4層L4の引出部74Cと重複する箇所から第4層L4の引出部74Fと重複する箇所まで延びている。
第5層L5において、引出部75Bと、引出部75Cと、を除く部分は、第5絶縁体層85である。第5絶縁体層85は、ガラス、樹脂、アルミナなどの非磁性の絶縁体からなっている。本実施形態では、第5絶縁体層85は、第1絶縁体層81と同じ材料の絶縁体からなっている。
【0044】
上述した第1層L1~第5層L5が積層されることによって、複数の第1絶縁体層81~第5絶縁体層85からなる積層体30が構成されている。また、積層体30の内部で、第1コイル61と第2コイル62とが伸びている。
【0045】
また、上述した引出部71Aと、引出部72Aと、引出部73Aとによって、第1引出配線70Aが構成されている。第1引出配線70Aは、第1コイル61の第1端に接続している。そして、第1引出配線70Aのうち、引出部71Aの第3負方向Z2を向く面は、積層体30及び第1接着層51の外部に露出している。
【0046】
上述した引出部71Eと、引出部72Eと、引出部73Eと、引出部74Eと、引出部75Bと、引出部74Bと、引出部73Bと、引出部72Bと、引出部71Bとによって、第2引出配線70Bが構成されている。第2引出配線70Bは、第1コイル61の第2端に接続している。そして、第2引出配線70Bのうち、引出部71Bの第3負方向Z2を向く面は、積層体30及び第1接着層51の外部に露出している。
【0047】
上述した引出部71Dと、引出部72Dと、引出部73Dとによって、第3引出配線70Cが構成されている。第3引出配線70Cは、第2コイル62の第1端に接続している。そして、第3引出配線70Cのうち、引出部71Cの第3負方向Z2を向く面は、積層体30及び第1接着層51の外部に露出している。
【0048】
上述した引出部73Fと、引出部74Fと、引出部75Cと、引出部74Cと、引出部73Cと、引出部72Cと、引出部71Cとによって、第4引出配線70Dが構成されている。第4引出配線70Dは、第2コイル62の第2端に接続している。そして、第4引出配線70Dのうち、引出部71Cの第3負方向Z2を向く面は、積層体30及び第1接着層51の外部に露出している。
【0049】
電子部品10は、第2接着層52を備えている。第2接着層52は、ポリイミド樹脂などの有機系の接着剤からなっている。第3負方向Z2を向いて第2接着層52を視たときに、第2接着層52は、積層体30の第3正方向Z1を向く面を全て覆っている。
【0050】
第2磁性体基板40は、直方体状である。第2磁性体基板40は、磁性体からなっている。磁性体は、例えば、フェライトセラミックスの焼結体である。本実施形態では、第2磁性体基板40は、第1磁性体基板20と同じ磁性体からなっている。
【0051】
電子部品10は、4つの接続体91A~91Dと、4つの外部電極92A~92Dと、を備えている。
接続体91Aは、切り欠き21Aの内面に位置している。接続体91Aは、切り欠き21Aの内面全体に亘って存在している。接続体91Bは、切り欠き21Bの内面に位置している。接続体91Bは、切り欠き21Bの内面全体に亘って存在している。接続体91Cは、切り欠き21Cの内面に位置している。接続体91Cは、切り欠き21Cの内面全体に亘って存在している。接続体91Dは、切り欠き21Dの内面に位置している。接続体91Dは、切り欠き21Dの内面全体に亘って存在している。これら接続体91A~91Dは、銅を主成分とする導電体からなっている。なお、以下では、複数の接続体91A~91Dを区別しないときには、接続体91と称呼する。
【0052】
接続体91Aが切り欠き21Aの内面全体に亘って存在していることで、積層体30及び第1接着層51の外部に露出している第1引出配線70Aと接続体91Aとが接続している。同様に、接続体91Bが切り欠き21Bの内面全体に亘って存在していることで、積層体30及び第1接着層51の外部に露出している第2引出配線70Bと接続体91Bとが接続している。接続体91Cが切り欠き21Cの内面全体に亘って存在していることで、積層体30及び第1接着層51の外部に露出している第3引出配線70Cと接続体91Cとが接続している。接続体91Dが切り欠き21Dの内面全体に亘って存在していることで、積層体30及び第1接着層51の外部に露出している第4引出配線70Dと接続体91Dとが接続している。
【0053】
外部電極92Aは、第2主面MF2上に存在しており、接続体91Aに接続している。外部電極92Bは、第2主面MF2上に存在しており、接続体91Bに接続している。外部電極92Cは、第2主面MF2上に存在しており、接続体91Cに接続している。外部電極92Dは、第2主面MF2上に存在しており、接続体91Dに接続している。外部電極92A~92Dは、互いに接続していない。
【0054】
このようにして、外部電極92Aは、接続体91A及び第1引出配線70Aを介して、第1コイル61に接続している。外部電極92Bは、接続体91B及び第2引出配線70Bを介して、第1コイル61に接続している。外部電極92Cは、接続体91C及び第3引出配線70Cを介して、第2コイル62に接続している。外部電極92Dは、接続体91D及び第4引出配線70Dを介して、第2コイル62に接続している。
【0055】
外部電極92A~92Dは、銅を主成分とする導電体からなっている。本実施形態では、外部電極92A~92Dは、接続体91A~91Dと同じ導電体の材料からなっている。
【0056】
(切り欠きの寸法関係について)
図4に示すように、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第1磁性体基板20の外縁は、4つの直線状の辺S1~S4を含んでいる。
【0057】
辺S1は、第2軸Yに沿う方向に延びる直線状の辺である。辺S1は、第1磁性体基板20の中心から視て、第1正方向X1側に位置している。辺S2は、第2軸Yに沿う方向に延びる直線状の辺である。辺S2は、第1磁性体基板20の中心から視て、第1負方向X2側に位置している。辺S3は、第1軸Xに沿う方向に延びる直線状の辺である。第1磁性体基板20の中心から視て、第2正方向Y1側に位置している。辺S3は、切り欠き21Aを挟んで辺S1と隣り合っている。また、辺S3は、切り欠き21Bを挟んで辺S1と隣り合っている。辺S4は、第1軸Xに沿う方向に延びる直線状の辺である。辺S4は、第1磁性体基板20の中心から視て、第2負方向Y2側に位置している。辺S4は、切り欠き21Cを挟んで辺S2と隣り合っている。また、辺S4は、切り欠き21Dを挟んで辺S1と隣り合っている。なお、「隣り合っている」とは、直接接続している必要はなく、上述のように切り欠き21を挟んで隣り合っている場合を含む。
【0058】
ここで、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き21Aは、辺S1及び辺S3から内側に向かって窪んでいる。すなわち、切り欠き21Aは、辺S1から第1負方向X2側に窪んでおり、且つ辺S3から第2負方向Y2側に窪んでいる。第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き21Bは、辺S2及び辺S3から内側に向かって窪んでいる。すなわち、切り欠き21Bは、辺S2から第1正方向X1側且つ辺S3から第2負方向Y2側に向かって窪んでいる。第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き21Cは、辺S2及び辺S4から内側に向かって窪んでいる。すなわち、切り欠き21Cは、辺S2から第1負方向X2側且つ辺S4から第2正方向Y1側に向かって窪んでいる。第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き21Dは、辺S1及び辺S4から内側に向かって窪んでいる。すなわち、切り欠き21Dは、辺S1から第1正方向X1側且つ辺S4から第2正方向Y1側に向かって窪んでいる。なお、
図4においては、各切り欠き21の第2主面MF2上の輪郭を実線で示している。以下、電子部品の下面図においては、同様である。
【0059】
そして、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き21Aの辺S1に沿う方向に垂直な方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法を第1寸法M1とする。また、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き21Aの辺S1に沿う方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法を第2寸法M2とする。このとき、第1寸法M1は、第2寸法M2と異なっている。具体的には、第2寸法M2は、第1寸法M1よりも大きくなっている。この場合、辺S1を第1辺としたとき、第1方向は第2軸Yに沿う方向であり、第2辺は辺S3であり、第2方向は第1軸Xに沿う方向である。なお、切り欠き21の各寸法は、第2主面MF2と同一平面上での寸法である。そのため、本実施形態では、切り欠き21の各寸法は、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第1磁性体基板20の外縁上での寸法となる。具体的には、辺S1を第2正方向Y1に、辺S3を第1正方向X1に、それぞれ延長させたときの延長線の交差点を基準に、当該交差点から辺S1までの距離、を第2寸法M2とする。また、当該交差点から辺S3までの距離を、第1寸法M1とする。
【0060】
また、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き21Bの辺S1に沿う方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法は、切り欠き21Bの辺S1に沿う方向に垂直な方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法よりも大きくなっている。
【0061】
また、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き21Cの辺S1に沿う方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法は、切り欠き21Cの辺S1に沿う方向に垂直な方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法よりも大きくなっている。
【0062】
また、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き21Dの辺S1に沿う方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法は、切り欠き21Dの辺S1に沿う方向に垂直な方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法よりも大きくなっている。
【0063】
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第2寸法M2は、切り欠き21B~21Dの第2軸Yに沿う方向の最大の寸法に等しくなっている。また、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第1寸法M1は、切り欠き21B~21Dの第1軸Xに沿う方向の最大の寸法に等しくなっている。また、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き21Aの形状は、楕円を長軸と短軸とで切り取った際の4分の1分の形状である。切り欠き21Aの形状は、切り欠き21B~21Dと同一の形状になっている。そのため、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、すべての切り欠き21の面積は等しくなっている。
【0064】
また、辺S1において切り欠き21は、切り欠き21Aと切り欠き21Dとの2個存在している。辺S3において切り欠き21は、切り欠き21Aと切り欠き21Bとの2個存在している。
【0065】
ここで、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第1磁性体基板20は、全体として、第2軸Yに沿う方向に長い長方形状である。そのため、第1磁性体基板20の辺S1に沿う方向の寸法は、第1磁性体基板20の辺S3に沿う方向の寸法よりも大きくなっている。第1磁性体基板20の辺S1に沿う方向の寸法は、第1磁性体基板20の第2軸Yに沿う方向の最大の寸法である。また、第1磁性体基板20の辺S3に沿う方向の寸法は、第1磁性体基板20の第1軸Xに沿う方向の最大の寸法である。そして、第1磁性体基板20の辺S1に沿う方向の寸法を辺S1において存在する切り欠き21の数である2から1を引いた数で除した値を、第1辺ピッチP1とする。また、第1磁性体基板20の辺S3に沿う方向の寸法を辺S3において存在する切り欠き21の数である2から1を引いた数で除した値を、第2辺ピッチP2とする。この場合、第1辺ピッチP1は、第2辺ピッチP2よりも大きくなっている。つまり、辺S1に存在する切り欠き21間のピッチは、辺S3に存在する切り欠き21間のピッチよりも大きくなっている。
【0066】
上述したように、辺S1において存在する切り欠き21の数と、辺S3において存在する切り欠き21の数とは、同数である。ここで、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第1磁性体基板20の外縁において隣り合う2つの切り欠き21間の最短距離を、切り欠き間距離とする。この場合、辺S1に沿う方向の切り欠き間距離D1は、辺S3に沿う方向の切り欠き間距離D2と等しくなっている。
【0067】
(第1実施形態の作用及び効果について)
仮に、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き21Aの辺S1に沿う方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法を、切り欠き21Aの辺S1に沿う方向に垂直な方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法と等しくしたとする。この場合、切り欠き21の面積を単純に大きくしようとすると、第1軸Xに沿う方向の切り欠き21間の距離が短くなってしまう。一方で、第1軸Xに沿う方向の切り欠き21間の距離を確保すると、切り欠き21の面積を確保することが難しくなる。
【0068】
(1-1)上記第1実施形態によれば、第2寸法M2は、第1寸法M1よりも大きくなっている。このように、切り欠き21の寸法が異なっているため、第1軸Xに沿う方向の切り欠き21間の距離を確保しつつ、切り欠き21の面積を確保できる。
【0069】
このように、上記第1実施形態によれば、第2寸法M2と、第1寸法M1と、をあえて異ならしめている。したがって、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときの切り欠き21の面積として充分な面積を確保しつつ、外部電極92A~92Dの電気的な干渉などを抑制した設計が可能である。
【0070】
(1-2)上記第1実施形態によれば、第1辺ピッチP1は、第2辺ピッチP2よりも大きくなっている。そのうえで、ピッチの大きい辺S1の延びる方向である第2軸Yに沿う方向に、切り欠き21を長く設計している。よって、ピッチの小さい辺S3の延びる方向である第1軸Xに沿う方向の切り欠き21の寸法を比較的に小さくできるため、第1軸Xに沿う方向の切り欠き21間の距離を、確保しやすい。その結果、外部電極92A~92Dの電気的な干渉などを抑制しやすくなる。
【0071】
(1-3)上記第1実施形態によれば、第1軸Xに沿う方向の切り欠き間距離D1及び第2軸Yに沿う方向の切り欠き間距離D2が等しくなっている。そのため、両方向において、外部電極92A~92Dの電気的な干渉を同程度に防止しやすくなる。また、第2主面MF2の切り欠かれる範囲が、両方向において同程度の量となるため、電子部品10を基板に実装する際に、電子部品10が傾きにくく、電子部品10の姿勢が安定する。
【0072】
(1-4)上記第1実施形態によれば、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、すべての切り欠き21の面積は等しくなっている。そのため、電子部品10を基板に実装する際に、第1磁性体基板20の4つの角において略同量のはんだが付着する。これにより、はんだの多少に起因して、電子部品10が傾いて基板に実装されることを抑制できる。
【0073】
(1-5)上記第1実施形態によれば、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き21の形状は、楕円の一部を切り取った形状となっている。仮に切り欠き21の形状を四角形状などとする場合と比べて、角を加工せずに済むため、切り欠き21を簡易に形成できる。
【0074】
<第2実施形態>
以下、電子部品の第2実施形態について、図面を参照して説明する。第2実施形態の電子部品110は、第1実施形態の電子部品10と比べて、主に切り欠き121の数が異なる。なお、以下では、第1実施形態における電子部品10と比べて異なる点を中心に説明し、同一の点については説明を簡略化又は省略する。
【0075】
図5に示すように、電子部品110は、6つの外部電極92A~92F及び6つの接続体91A~91Fを備えている。これは、詳細は省略するが、電子部品10が、コイルを3つ備えているためである。図示は省略するが、各コイルは、積層体30の内部で延びている。また、各コイルの両端に接続された引出配線の一部が、接続体91A~91Fのそれぞれに接続している。そして、
図6に示すように、接続体91A~91Fに対応する位置に、6つの切り欠き121が位置している。
【0076】
(切り欠きについて)
図6に示すように、第1磁性体基板20は、6つの切り欠き121A~121Fを備えている。各切り欠き121は、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、4つの角と、長辺の途中と、に存在している。なお、以下では、6つの切り欠き121A~121Fを区別しないときには、切り欠き121と称呼する。
【0077】
切り欠き121Aは、第1磁性体基板20の中心から視て、第1正方向X1側且つ第2正方向Y1側の角に位置している。切り欠き121Bは、第1磁性体基板20の中心から視て、第1負方向X2側且つ第2正方向Y1側の角に位置している。切り欠き121Cは、第1磁性体基板20の中心から視て、第1負方向X2側且つ第2負方向Y2側の角に位置している。切り欠き121Dは、第1磁性体基板20の中心から視て、第1正方向X1側且つ第2負方向Y2側の角に位置している。
【0078】
切り欠き121Eは、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、辺S1の第2軸Yに沿う方向の中央に位置している。そのため、切り欠き121Eは、辺S1上にのみ存在しており、当該辺S1から内側に向かって窪んでいる。すなわち、切り欠き121Eは、辺S1から第1負方向X2側に窪んでいる。
【0079】
切り欠き121Fは、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、辺S2の第2軸Yに沿う方向の中央に位置している。そのため、切り欠き121Fは、辺S2上にのみ存在しており、当該辺S2から内側に向かって窪んでいる。すなわち、切り欠き121Fは、辺S2から第1正方向X1側に窪んでいる。
【0080】
そして、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き121Aの辺S1に垂直な方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法を、第1寸法M11とする。また、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き121Aの辺S3に沿う方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法を、第2寸法M12とする。このとき、第1寸法M11は、第2寸法M12と異なっている。具体的には、第1寸法M11は、第2寸法M12よりも大きくなっている。この場合、辺S3を第1辺としたとき、第1方向は第1軸Xに沿う方向であり、第2辺は辺S1であり、第2方向は第2軸Yに沿う方向である。
【0081】
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き121Bの辺S3に沿う方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法は、切り欠き121Bの辺S3に沿う方向に垂直な方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法よりも大きくなっている。
【0082】
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き121Cの辺S3に沿う方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法は、切り欠き121Cの辺S3に沿う方向に垂直な方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法よりも大きくなっている。
【0083】
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き121Dの辺S3に沿う方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法は、切り欠き121Dの辺S3に沿う方向に垂直な方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法よりも大きくなっている。
【0084】
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き121Eの辺S3に沿う方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法は、切り欠き121Eの辺S3に沿う方向に垂直な方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法よりも大きくなっている。
【0085】
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き121Fの辺S3に沿う方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法は、切り欠き121Fの辺S3に沿う方向に垂直な方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法よりも大きくなっている。
【0086】
切り欠き121E及び切り欠き121Fの形状は、楕円を短軸で切り取った2分の1の形状になっている。
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第2寸法M12は、切り欠き121B~121Fの第2軸Yに沿う最大の方向の寸法に等しくなっている。また、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第1寸法M11は、切り欠き121B~121Fの第1軸Xに沿う方向の最大の寸法に等しくなっている。そのため、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、すべての切り欠き121の面積は等しくなっている。
【0087】
また、辺S1において、切り欠き121Aと切り欠き121Dと切り欠き121Eとの3個存在している。辺S3において、切り欠き121Aと切り欠き121Bとの2個存在している。
【0088】
ここで、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第1磁性体基板20は、全体として、第2軸Yに沿う方向に長い長方形状である。そのため、第1磁性体基板20の辺S1に沿う方向の寸法は、第1磁性体基板20の辺S3に沿う方向の寸法よりも大きくなっている。第1磁性体基板20の辺S1に沿う方向の寸法は、第1磁性体基板20の第2軸Yに沿う方向の最大の寸法である。また、第1磁性体基板20の辺S3に沿う方向の寸法は、第1磁性体基板20の第1軸Xに沿う方向の最大の寸法である。そして、第1磁性体基板20の辺S3に沿う方向の寸法を辺S3において存在する切り欠き121の数である2から1を引いた数で除した値を第1辺ピッチP11とする。第1磁性体基板20の辺S1に沿う方向の寸法を辺S1において存在する切り欠き121の数である3から1を引いた数で除した値を第2辺ピッチP12とする。この場合、第1辺ピッチP11は、第2辺ピッチP12よりも大きくなっている。つまり、辺S3に存在する切り欠き121間のピッチは、辺S1に存在する切り欠き121間のピッチよりも大きくなっている。
【0089】
(第2実施形態の効果について)
上記第2実施形態によれば、第1実施形態の(1-1)、(1-2)、(1-4)、(1-5)の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0090】
(2-1)上記第2実施形態によれば、切り欠き121Eは、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、辺S1の第2軸Yに沿う方向の中央に位置している。切り欠き121Fは、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、辺S2の第2軸Yに沿う方向の中央に位置している。この場合に、第1磁性体基板20の第1軸Xに沿う方向及び第2軸Yに沿う方向の寸法に拘わらず、辺S1に存在する切り欠き121間のピッチと、辺S3に存在する切り欠き121間のピッチとに基づいて、切り欠き121の長い方向の寸法を設計できる。
【0091】
<第3実施形態>
以下、電子部品の第3実施形態について、図面を参照して説明する。第3実施形態の電子部品210は、第2実施形態の電子部品110と比べて、主に切り欠き221の形状が異なる。なお、以下では、第2実施形態における電子部品110と比べて異なる点を中心に説明し、同一の点については説明を簡略化又は省略する。
【0092】
(切り欠きについて)
図7に示すように、第1磁性体基板20は、6つの切り欠き221A~221Fを備えている。各切り欠き221は、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、4つの角と、長辺の途中と、に存在している。各切り欠き221の位置は、第2実施形態における切り欠き121の位置と同一である。なお、以下では、6つの切り欠き221A~221Fを区別しないときには、切り欠き221と称呼する。
【0093】
切り欠き221A~221Dは、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、4つの角に存在している。切り欠き221A~221Dは、真円を周方向に4分割した形状である。
【0094】
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き221Aの辺S1に沿う方向に垂直な方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法を第1寸法M21とする。また、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き221Aの辺S1に沿う方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法を第2寸法M22とする。このとき、第1寸法M21は、第2寸法M22と等しくなっている。また、切り欠き221Aは、辺S1及び辺S3の端に位置する端切り欠きである。
【0095】
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き221Bの辺S1に沿う方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法は、切り欠き221Bの辺S1に沿う方向に垂直な方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法と等しくなっている。また、切り欠き221Bは、辺S2及び辺S3の端に位置する端切り欠きである。
【0096】
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き221Cの辺S1に沿う方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法は、切り欠き221Cの辺S1に沿う方向に垂直な方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法と等しくなっている。また、切り欠き221Cは、辺S2及び辺S4の端に位置する端切り欠きである。
【0097】
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き221Dの辺S1に沿う方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法は、切り欠き221Dの辺S1に沿う方向に垂直な方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法と等しくなっている。また、切り欠き221Dは、辺S1及び辺S4の端に位置する端切り欠きである。
【0098】
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き221Eの辺S1に沿う方向に垂直な方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法を、第3寸法M23とする。また、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き221Eの辺S1に沿う方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法を、第4寸法M24とする。このとき、第3寸法M23は、第4寸法M24よりも小さくなっている。また、切り欠き221Eは、辺S1の途中に位置する中切り欠きである。
【0099】
第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、切り欠き221Fの辺S1に沿う方向に垂直な方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法は、切り欠き221Fの辺S1に沿う方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法よりも小さくなっている。また、切り欠き221Fは、辺S2の途中に位置する中切り欠きである。第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第3寸法M23は、切り欠き221Fの辺S1に沿う方向に垂直な方向すなわち第2軸Yに沿う方向の最大の寸法と等しくなっている。第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第4寸法M24は、切り欠き221Fの辺S1に沿う方向すなわち第1軸Xに沿う方向の最大の寸法と等しくなっている。
【0100】
(第3実施形態の作用及び効果について)
図8に示すように、第3正方向Z1を向いて積層体30を視たときに、積層体30の内部には、コイル361が延びている。ここで、積層体30の切り欠き221に対応する箇所には、引出部371が設けられるため、コイル361を巻き回す範囲が制限される。この点、仮に、中切り欠きである切り欠き221Eの第1軸Xに沿う方向の寸法が過度に大きいと、第3正方向Z1を向いて積層体30を視たときに、切り欠き221Eとコイル361とが重複する範囲が大きくなってしまう。その結果、コイル361を巻き回す範囲が小さくなってしまう。
【0101】
(第3実施形態の効果について)
上記第3実施形態によれば、第1実施形態の(1-1)の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0102】
(3-1)上記第3実施形態によれば、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、第1コイル61と中切り欠きである切り欠き221E及び切り欠き221Fとの距離を大きくできる。また、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、コイル361と中切り欠きとの重複範囲を小さくできる。したがって、切り欠き221に設けられる引出部371とコイル361との電気的な干渉を抑制できる。
【0103】
<その他の実施形態>
上記各実施形態は以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせて実施することができる。
【0104】
・第1磁性体基板20は、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、正方形状であってもよい。すなわち、第1磁性体基板20の第1軸Xに沿う方向の最大の寸法は、第1磁性体基板20の第2軸Yに沿う方向の最大の寸法と等しくてもよい。
【0105】
・第1磁性体基板20の切り欠きの形状は、上記各実施形態の例に限られない。例えば、
図9に示す変更例の電子部品310では、第1実施形態の電子部品10と比べて、各切り欠き321の形状が異なる。具体的には、切り欠き321A~321Dの形状が、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、長方形状になっている。
図10に示す変更例の電子部品410では、第1実施形態の電子部品10と比べて、各切り欠き421の形状が異なる。具体的には、切り欠き421A~421Dの形状が、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、三角形状になっている。
【0106】
また、
図11に示す変更例の電子部品510では、第2実施形態の電子部品110と比べて、各切り欠き521の形状が異なる。具体的には、切り欠き521A~521Fの形状が、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、長方形状になっている。
図12に示す変更例の電子部品610では、第2実施形態の電子部品110と比べて、各切り欠き621の形状が異なる。具体的には、切り欠き621A~621Fの形状が、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、三角形状になっている。このように、切り欠きの形状は、適宜変更されればよい。さらに、複数の切り欠きのうち、一部の切り欠きが、他の切り欠きと比べて、形状が異なっていてもよい。
【0107】
・上記各実施形態において、第3正方向Z1を向いて第1磁性体基板20を視たときに、各切り欠きの面積は互いに異なっていてもよい。例えば、切り欠きの位置に併せて、各切り欠きの面積を、適宜変更してもよい。
【0108】
・上記各実施形態において、各切り欠きの第1軸Xに沿う方向の最大の寸法及び第2軸Yに沿う方向の最大の寸法は、互いに異なっていればよい。例えば、第1実施形態において、第1寸法M1は、第2寸法M2より大きくなっていてもよい。
【0109】
・上記第2実施形態において、N及びMを2以上の自然数としたとき、切り欠き121は、第1辺である辺S3にN個存在するとともに、第2辺である辺S1においてM個存在しているとする。また、第1磁性体基板20の辺S3に沿う方向の寸法をN-1で除した値は、第1磁性体基板20の辺S1に沿う方向の寸法をM-1で除した値よりも大きくなっているとする。この場合、第1寸法M11は、第2寸法M12よりも大きくなっていることが好ましい。これによれば、第2実施形態と同様に、ピッチの小さい辺S1の延びる方向の切り欠き121の寸法を比較的に小さくできるため、辺S1に沿う方向の切り欠き121間の距離を、確保しやすい。
【0110】
・上記各実施形態において、第1辺における切り欠きのピッチ及び第2辺における切り欠きのピッチに拠らずに、切り欠きの第1軸Xに沿う方向の最大の寸法及び第2軸Yに沿う方向の最大の寸法が異なっていてもよい。例えば、第2実施形態において、切り欠き121の辺S3に沿う方向の寸法は、切り欠き121の辺S1に沿う方向の寸法より小さくなっていてもよい。
【0111】
・上記第1実施形態において、切り欠き間距離D1及び切り欠き間距離D2は、異なっていてもよい。例えば、第1磁性体基板20の第2主面MF2の面積を、全体として大きく確保できれば、切り欠き間距離D1又は切り欠き間距離D2が小さくなっても、電子部品10を基板へ実装する際の姿勢の傾きを抑制できる。
【0112】
・積層体30の構成は、適宜変更されればよい。例えば、第1実施形態において、第1コイル61の延び方や、その数、第1引出配線70Aの延び方などにあわせて適宜変更されればよい。積層体30は、少なくとも、複数の絶縁体層からなっていればよい。
【0113】
・第2磁性体基板40は、省略してもよいし、焼結体ではなく磁性粉を含有した樹脂であってもよい。
・第1接着層51及び第2接着層52は、省略してもよい。この場合、第1磁性体基板20と積層体30、第2磁性体基板40と積層体30と、圧着などによって接続してもよい。
【0114】
・各接続体91は、引出配線のうち、積層体30の外部に露出する部分を全て覆っていてもよい。例えば、
図9~
図12に示す変更例の電子部品では、各接続体91は、引出部の第3負方向Z2を向く面をすべて覆っている。
【符号の説明】
【0115】
10,110,210,310,410,510,610…電子部品
20…第1磁性体基板
21,121,221,321,421,521,621…切り欠き
30…積層体
40…第2磁性体基板
51…第1接着層
52…第2接着層
61…第1コイル
62…第2コイル
70A…第1引出配線
70B…第2引出配線
70C…第3引出配線
70D…第4引出配線
81…第1絶縁体層
82…第2絶縁体層
83…第3絶縁体層
84…第4絶縁体層
85…第5絶縁体層
91、91A~91F…接続体
92A~92F…外部電極