(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6581 20110101AFI20240827BHJP
H01R 12/73 20110101ALI20240827BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R12/73
(21)【出願番号】P 2021168552
(22)【出願日】2021-10-14
【審査請求日】2023-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100183438
【氏名又は名称】内藤 泰史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 将
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-530164(JP,A)
【文献】特開2020-109730(JP,A)
【文献】国際公開第2020/150075(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/002129(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/132721(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/6581
H01R 12/73
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタと、前記第1コネクタに嵌合される第2コネクタと、を備えるコネクタ装置であって、
前記第1コネクタは、
一又は複数の第1種コンタクト、及び、前記第1種コンタクトにより伝送される信号よりも高い周波数の高周波信号を伝送するための一又は複数の第2種コンタクトを有し、第1基板の導体に電気的に接続される第1コンタクトと、
前記第1コンタクトを保持する絶縁性の第1ハウジングと、
前記第1ハウジングの外周を囲む第1側部、及び、前記第1側部における、前記第1基板に近接する方向の端部に連続すると共に前記第1側部によって囲まれた領域内に前記第1基板に沿って延在する底部を有し、前記第1基板のグランド導体に電気的に接続される第1シェルと、を備え、
前記第1側部は、平面視した際に略四角形状となるように前記第1ハウジングの外周を囲み、前記第1ハウジングの外周における長手方向に沿う一対の第1側壁部と、前記第1側壁部に連続すると共に前記第1ハウジングの外周における長手方向に直交する方向に沿う一対の第1端壁部とを有し、
前記第1コンタクトは、前記第1側部によって囲まれた領域内に配置され、
前記底部は、一対の前記第1側壁部を互いに連結する連結部を有し、
前記第2コネクタは、
第2基板の導体に電気的に接続される第2コンタクトと、
前記第2コンタクトを保持する絶縁性の第2ハウジングと、
前記第2ハウジングの外周を囲む第2側部、及び、前記第2側部における、前記第2基板から離間する方向の端部に連続すると共に前記第2側部によって囲まれた領域内に延在する上部を有し、前記第2基板のグランド導体に電気的に接続される第2シェルと、を備え、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合された状態では、前記第1コンタクトが前記第2コンタクトに接触し、前記第1側部が前記第2側部に接触し、前記底部が前記上部に接触する、
コネクタ装置。
【請求項2】
前記第2側部は、平面視した際に略四角形状となるように前記第2ハウジングの外周を囲み、前記第2ハウジングの外周における長手方向に沿う一対の第2側壁部と、前記第2側壁部に連続すると共に前記第2ハウジングの外周における長手方向に直交する方向に沿う一対の第2端壁部とを有し、
前記第2コンタクトは、前記第2側部によって囲まれた領域内に配置される、
請求項
1記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記連結部は、前記第1種コンタクトが配置される領域と前記第2種コンタクトが配置される領域とを分割するように前記第1基板に沿って設けられる、請求項
1記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記連結部は、前記第1基板から離間する方向に立設し、且つ前記第1ハウジングを、前記第1種コンタクトを保持する第1種保持エリアと、前記第2種コンタクトを保持する第2種保持エリアとに区画する区画壁部を有する、請求項
3記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記底部は、前記第1基板から離間する方向に突出する係合部を有し、
前記上部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合された状態において、前記係合部に係合される被係合部を有する、
請求項1~
4のいずれか一項記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記係合部は、前記第2種コンタクトを挟むように一対設けられている、請求項
5記載のコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プラグコネクタとレセプタクルコネクタとの嵌合接続において、プラグコネクタのプラグシールド部材に側板部が設けられたコネクタ組立体が開示されている。このコネクタ組立体では、二つの脚部を有する屈曲形状断面をもつ側板部によって、二重にシールドが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に例示されるようなコネクタ組立体(コネクタ装置)においては、更なるシールド性能の向上が望まれている。そこで本開示は、シールド性能を向上させることができるコネクタ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るコネクタ装置は、第1コネクタと、第1コネクタに嵌合される第2コネクタと、を備える。第1コネクタは、一又は複数の第1種コンタクト、及び、第1種コンタクトにより伝送される信号よりも高い周波数の高周波信号を伝送するための一又は複数の第2種コンタクトを有し、第1基板の導体に電気的に接続される第1コンタクトと、第1コンタクトを保持する絶縁性の第1ハウジングと、第1ハウジングの外周を囲む第1側部、及び、第1側部における、第1基板に近接する方向の端部に連続すると共に第1側部によって囲まれた領域内に第1基板に沿って延在する底部を有し、第1基板のグランド導体に電気的に接続される第1シェルと、を備える。第2コネクタは、第2基板の導体に電気的に接続される第2コンタクトと、第2コンタクトを保持する絶縁性の第2ハウジングと、第2ハウジングの外周を囲む第2側部、及び、第2側部における、第2基板から離間する方向の端部に連続すると共に第2側部によって囲まれた領域内に延在する上部を有し、第2基板のグランド導体に電気的に接続される第2シェルと、を備える。第1コネクタと第2コネクタとが嵌合された状態では、第1コンタクトが第2コンタクトに接触し、第1側部が第2側部に接触し、底部が上部に接触する。
【0006】
本開示の一態様に係るコネクタ装置では、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合された状態において、第1シェルの第1側部と第2シェルの第2側部とが接触すると共に、第1側部に連続する底部と第2側部に連続する上部とが接触する。このように一体的に構成された部分の2点で第1シェルと第2シェルとが互いに接触することによって、第1シェルと第2シェルとのグランド電位差が低減する。その結果、嵌合状態におけるシールド性能が安定するため、コネクタ装置のシールド性能を向上させることができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、シールド性能を向上させることができるコネクタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】コネクタ装置の一例で、各コネクタの嵌合前の状態を示す図である。
【
図2】プラグコネクタの一例を示す図である。
図2(a)は平面図、
図2(b)は底面図、
図2(c)は斜視図である。
【
図3】プラグコンタクト及びプラグシェルの一例を示す図である。
図3(a)は平面図、
図3(b)は底面図、
図3(c)は斜視図である。
【
図4】リセプタクルコネクタの一例を示す図である。
図4(a)は平面図、
図4(b)は底面図、
図4(c)は斜視図である。
【
図5】リセプタクルコンタクト及びリセプタクルシェルの一例を示す図である。
図5(a)は平面図、
図5(b)は底面図、
図5(c)は斜視図である。
【
図6】嵌合状態におけるコネクタ装置の一例を示す図である。
図6(a)は平面図、
図6(b)は底面図、
図6(c)は斜視図である。
【
図7】嵌合状態におけるコネクタ装置の一例を示す図である。
図7(a)は底面図、
図7(b)は
図7(a)中のA-A線に沿う断面を示す断面図、
図7(c)は
図7(a)中のB-B線に沿う断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
[コネクタ装置]
図1に示すコネクタ装置1は、電子機器内において回路基板同士の接続に用いられる装置である。電子機器の具体例としては、携帯電話、スマートフォン、ラップトップ型コンピュータ、又はタブレット型コンピュータ等の携帯型の通信端末が挙げられるが、これらに限られない。
【0011】
図1に示されるように、コネクタ装置1は、2枚の回路基板である基板101,201にそれぞれ取り付けられるプラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とを備える。基板101と基板201には、夫々図示しない複数の導体(信号回路の一部を構成する導体)、およびグランド導体(グランド回路の一部を構成する導体)が形成される。コネクタ装置1は、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合することによって2枚の基板101,201における各導体を電気的に接続する。なお、
図1においては、プラグコネクタ10は、嵌合方向である上下方向において、上下が反転した状態で示される。
【0012】
プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態で、リセプタクルコネクタ20から見たプラグコネクタ10の形状、及び、プラグコネクタ10から見たリセプタクルコネクタ20の形状は、いずれも長方形に近似している。以下、この長方形の長辺に沿う方向を長辺方向DL1といい、この長方形の短辺に沿う方向を短辺方向DS1という。また、長辺方向DL1及び短辺方向DS1に垂直な方向をプラグコネクタ10及びリセプタクルコネクタ20の接続方向CD1(又は嵌合方向)という。以下、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態で、リセプタクルコネクタ20から見たプラグコネクタ10の構造を説明する際には、単に「リセプタクルコネクタ20から見て」といい、プラグコネクタ10から見たリセプタクルコネクタ20の構造を説明する際には、単に「プラグコネクタ10から見て」という。「リセプタクルコネクタ20から見て」は、プラグコネクタ10の平面視に対応する。「プラグコネクタ10から見て」は、リセプタクルコネクタ20の平面視に対応する。
【0013】
[プラグコネクタ]
まず、プラグコネクタ10の構成を詳細に説明する。プラグコネクタ10は、基板101に取り付けられ、相手コネクタであるリセプタクルコネクタ20に接続される。
図2(a)~(c)に示されるように、プラグコネクタ10は、プラグコンタクト11と、プラグハウジング12と、プラグシェル13とを有する。
【0014】
プラグコンタクト11は、基板101の導体(例えば信号導体)に電気的に接続される導電性の部材である。プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態(以下、単に「嵌合状態」という場合がある)において、プラグコンタクト11は、リセプタクルコネクタ20のリセプタクルコンタクト21(
図4(a)~(c)参照)に接触する。
【0015】
プラグコンタクト11は、互いに種別の異なるコンタクトを有する。種別が異なるとは、種別の違いを特定する何らかの定義の下で、互いに異なる種別に属することを意味する。種別が異なる具体例としては、伝送対象とする信号の周波数帯域の違い、許容電流の違い、許容電圧の違い、信号導体(信号回路の一部を構成する導体)の接続用であるかグランド導体(グランド回路の一部を構成する導体)の接続用であるかの違い等が挙げられる。例えばプラグコンタクト11は、一又は複数の第1種コンタクト11Aと、第1種コンタクト11Aとは異なる種別の一又は複数の第2種コンタクト11Bとを有する。第2種コンタクト11Bは、第1種コンタクト11Aにより伝送される信号よりも高い周波数の高周波信号を伝送するためのコンタクトである。
【0016】
一例として、プラグコンタクト11は、
図2(a)~(c)に示されるように、6つの第1種コンタクト11Aと2つの第2種コンタクト11Bとを有する。長辺方向DL1において、例えば2つの第2種コンタクト11Bが両端に配置され、当該2つの第2種コンタクト11Bに挟まれるように6つの第1種コンタクト11Aが配置される。6つの第1種コンタクト11Aは、短辺方向DS1において対向する一対の第1種コンタクト11Aが、長辺方向DL1において3セット配置される。リセプタクルコネクタ20から見て、6つの第1種コンタクト11A及び2つの第2種コンタクト11Bは、それぞれ接続方向CD1に沿うように配置される。
【0017】
第1種コンタクト11Aは、嵌合状態においてリセプタクルコネクタ20の第1種コンタクト21A(
図4(a)~(c)参照)に挟み込まれるように、接続方向CD1に沿ってリセプタクルコネクタ20に向けてそれぞれ突出している。第1種コンタクト11Aは、金属板から1枚の板材を打ち抜き、これに曲げ加工等を施すことで形成される。第1種コンタクト11Aは、基板101の導体に接続されるように、短辺方向DS1に沿ってプラグコネクタ10内に設けられる。
【0018】
第2種コンタクト11Bは、嵌合状態においてリセプタクルコネクタ20の第2種コンタクト21B(
図4(a)~(c)参照)に接触するように、接続方向CD1に沿ってリセプタクルコネクタ20に向けてそれぞれ突出している。第2種コンタクト11Bは、金属板から1枚の板材を打ち抜き、これに曲げ加工等を施すことで形成される。第2種コンタクト11Bは、基板101の導体に接続されるように、長辺方向DL1に沿ってプラグコネクタ10内の両端付近に設けられる。
【0019】
図3(a)~(c)に示されるように、第1種コンタクト11Aは、接続部111と、接触部112とを有する。接続部111は、基板101の導体(例えば信号導体)に半田等で接続される。接続部111は、短辺方向DS1に沿って外方に向けて張り出している。接触部112は、リセプタクルコネクタ20の第1種コンタクト21A(
図4(a)~(c)参照)に接触する。接触部112は、接続部111の張出部分の基端から、接続方向CD1に沿ってリセプタクルコネクタ20に向けて突出している。接続部111と接触部112とは、互いに連結されている。第1種コンタクト11Aは、基板101に取り付け可能であればいかなる形状であってもよく、例えば接続部111が外方に向けて張り出さない形状であってもよい。
【0020】
第2種コンタクト11Bは、接続部113と、接触部114とを有する。接続部113は、基板101の導体(例えば信号導体)に半田等で接続される。接続部113は、短辺方向DS1に沿って外方に向けて張り出している。接触部114は、リセプタクルコネクタ20の第2種コンタクト21B(
図4(a)~(c)参照)との接触部分である。接触部114は、接続部113の張出部分の基端から、接続方向CD1に沿ってリセプタクルコネクタ20に向けて突出している。接続部113と接触部114とは、互いに連結されている。
【0021】
図2(a)~(c)に示されるプラグハウジング12は、プラグコンタクト11を保持する絶縁性の部材である。プラグハウジング12は、例えばプラグコンタクト11を配置した状態において、樹脂材料のインサート成型によりプラグコンタクト11と一体に形成される。
図1に示されるように、プラグハウジング12は、リセプタクルコネクタ20から見て、長方形に近似する第1部分P1と、長辺方向DL1における第1部分P1の両端部に設けられた第2部分P2とを有する。第1部分P1は、長辺方向DL1に沿って延びる一対の第1壁部P11,P11と、短辺方向DS1に沿って延びる一対の第2壁部P12,P12とを有する。第1部分P1には、一対の第1壁部P11,P11及び一対の第2壁部P12,P12によって囲われた凹部P13が形成されている。凹部P13は、嵌合状態においてリセプタクルコネクタ20の凸部R13を収容する空間である。
図2(a)~(c)に示されるようにプラグハウジング12は、接続方向CD1においてリセプタクルコネクタ20に対向する前面12a、及び基板101に対向する背面12bを有する。
【0022】
プラグハウジング12は、接続方向CD1に垂直な方向において複数の保持エリアに区画されている。複数の保持エリアは、例えば1つの第1種保持エリア121と2つの第2種保持エリア122とを含んで構成されている。例えば、第1部分P1の第1壁部P11が第1種保持エリア121(詳細には、第1種保持エリア121の隆起部12c)に対応する。また、第2部分P2が第2種保持エリア122(詳細には、第2種保持エリア122の隆起部12d)に対応する。第1種保持エリア121と第2種保持エリア122とは、例えば長辺方向DL1に垂直な境界PL1,PL2により区画されている。プラグハウジング12は、例えば長辺方向DL1における両端が2つの第2種保持エリア122として区画され、当該2つの第2種保持エリア122に挟まれる領域が第1種保持エリア121として区画されている。すなわち、プラグハウジング12は、長辺方向DL1に沿って、第2種保持エリア122、第1種保持エリア121、第2種保持エリア122の順に区画されている。以下、2つの第2種保持エリア122をまとめて第2種保持エリア122という場合がある。
【0023】
第1種保持エリア121は、一又は複数(例えば6つ)の第1種コンタクト11Aを保持する。以下では、第1種保持エリア121が6つの第1種コンタクト11Aを保持するとして説明する。第2種保持エリア122は、一又は複数の第2種コンタクト11Bを保持する。以下では、各第2種保持エリア122が、それぞれ1つの第2種コンタクト11Bを保持するとして説明する。
【0024】
第1種保持エリア121は、接続方向CD1に沿ってリセプタクルコネクタ20に向けて突出した隆起部12cを有する。隆起部12cは第1種コンタクト11Aを保持する。隆起部12cには、前面12aから背面12bに亘って側面が形成されている。隆起部12cの側面には、第1種コンタクト11Aが露出するように装着される。隆起部12cは、リセプタクルコネクタ20の収容溝部22f(
図4(c)参照)に収納される。
【0025】
第2種保持エリア122は、接続方向CD1に沿ってリセプタクルコネクタ20に向けて突出した隆起部12dを有する。隆起部12dは第2種コンタクト11Bを保持する。隆起部12dには、前面12aから背面12bに亘って側面が形成されている。隆起部12dの側面には、第2種コンタクト11Bが露出するように装着される。隆起部12dは、リセプタクルコネクタ20の収容溝部22g(
図4(c)参照)に収容される。
【0026】
第1種保持エリア121が保持する第1種コンタクト11Aは、一方の第2種保持エリア122が保持する第2種コンタクト11Bと境界PL1を介して隣り合う。また、第1種保持エリア121が保持する第1種コンタクト11Aは、他方の第2種保持エリア122が保持する第2種コンタクト11Bと境界PL2を介して隣り合う。境界PL1,PL2を介して隣り合う第1種コンタクト11Aと第2種コンタクト11Bとの長辺方向DL1における間隔は、第1種保持エリア121内において長辺方向DL1に沿って隣り合う第1種コンタクト11A同士の間隔よりも大きい。
【0027】
リセプタクルコネクタ20から見て、第1種保持エリア121が保持する第1種コンタクト11Aの接続部111は、短辺方向DS1に沿ってプラグハウジング12から露出している。また、リセプタクルコネクタ20から見て、第2種保持エリア122が保持する第2種コンタクト11Bの接続部113は、短辺方向DS1に沿ってプラグハウジング12から露出している。これにより、基板101に対する第1種コンタクト11A及び第2種コンタクト11Bの接続状態(実装状態)の目視確認が可能となる。
【0028】
図2(a)~(c)に示されるプラグシェル13は、基板101のグランド導体に半田等で電気的に接続される導電性の部材である。プラグシェル13は、リセプタクルコネクタ20から見て長方形に近似する外形の領域を包囲する。プラグシェル13は、プラグハウジング12の外周を囲むように配置される。プラグシェル13は、側部131及び底部132を有する。プラグシェル13は、金属板に対し絞り加工(例えば角筒絞り加工)を行うことによって形成される角型容器形状の部材のうち、側面部分である側部131と、底面部分である底部132とが一体的に設けられる。プラグシェル13が絞り加工により形成されているため、側部131には継ぎ目が形成されない。
【0029】
側部131は、リセプタクルコネクタ20から見て略四角形状となるようにプラグハウジング12の外周を囲む。プラグコンタクト11は、側部131によって囲まれた領域内に配置される。側部131は、プラグハウジング12の外周における長手方向(長辺方向DL1)に沿う一対の側壁部131c,131cと、側壁部131cに連続すると共にプラグハウジング12の外周における長手方向に直交する方向(短辺方向DS1)に沿う一対の端壁部131d,131dとを有する(
図2(b)参照)。
【0030】
側部131は、内周面131fから内方に向けて突出する凸部137を有してもよい。凸部137は、例えば側部131の外周面131eから内周面131fに向けて、ディンプル加工等を施すことにより形成される。凸部137は、複数の凸部137を含んで構成されてもよい。例えば、凸部137は、側壁部131c及び端壁部131dのそれぞれに形成されてもよい。凸部137は、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態において、リセプタクルコネクタ20の側部231(
図4(a)~(c)参照)を押圧する。
【0031】
底部132は、側部131における、基板101に近接する方向の端部131aに連続すると共に、側部131によって囲まれた領域内に基板101に沿って延在する。底部132は、リセプタクルコネクタ20から見て側部131の四隅において、側部131を構成する互いに交差する2つの辺(すなわち、側壁部131c及び端壁部131d)の両方に連続して設けられている。リセプタクルコネクタ20から見て、底部132は基板101の一部を覆う。
【0032】
底部132は、基板101のグランド導体(不図示)に電気的に接続される。底部132は、基板101のグランド導体に直接接続されてもよいし、プラグシェル13の他の部分を介して基板101のグランド導体に接続されてもよい。以下では、底部132が基板101のグランド導体に直接接続されているとして説明する。
【0033】
底部132は、底部132A及び底部132Bと、連結部133と、係合部136とを有している。
図2(b)に示されるように、底部132A及び底部132Bは、2つの第2種保持エリア122のそれぞれに対応するように設けられる。底部132Aは、一方の側壁部131cの基板101に近接する方向における端部131a及び一方の端壁部131dの端部131aの両方に連続する部分(第1の隅の部分)と、他方の側壁部131cの端部131a及び一方の端壁部131dの端部131aの両方に連続する部分(第2の隅の部分)と、を有する。また、底部132Bは、一方の側壁部131cの端部131a及び他方の端壁部131dの端部131aの両方に連続する部分(第3の隅の部分)と、他方の側壁部131cの端部131a及び他方の端壁部131dの端部131aの両方に連続する部分(第4の隅の部分)と、を有する。
【0034】
連結部133は、一対の側壁部131c,131cを互いに連結する。例えば、連結部133は、2つの第2種保持エリア122のそれぞれに対応するように設けられる連結部133A,133Bを有する。連結部133Aは、底部132Aの第1の隅の部分と、底部132Aの第2の隅の部分とを短辺方向DS1に沿って互いに連結することにより、一対の側壁部131c,131cを互いに連結する。連結部133Bは、底部132Aの第3の隅の部分と、底部132Aの第4の隅の部分とを短辺方向DS1に沿って互いに連結することにより、一対の側壁部131c,131cを互いに連結する。
【0035】
また、連結部133は、第1種コンタクト11Aが配置される領域と第2種コンタクト11Bが配置される領域とを分割するように基板101に沿って設けられる。
図3(a)及び
図3(b)に示されるように、プラグシェル13には開口134が形成されている。開口134は、例えば絞り加工により形成された角型容器形状の部材のうち、底面部分の切り抜き等によって形成される。例えば、プラグシェル13には、2つの第2種コンタクト11Bが配置される領域をそれぞれ囲む2つの開口134Bが長辺方向DL1における両端に形成されている。また、プラグシェル13には、6つの第1種コンタクト11Aが配置される領域を囲む1つの開口134Aが形成されている。開口134Aと一方の開口134Bとの間には、切り抜きの残留部分によって連結部133が形成される。また、開口134Aと他方の開口134Bとの間には、切り抜きの残留部分によって連結部133が形成される。このような連結部133は、第1種コンタクト11Aが配置される領域(開口134A)と、第2種コンタクト11Bが配置される領域(開口134B)とを分割する。
【0036】
図3(a)~(c)に示されるように、連結部133は、基板101から離間する方向(接続方向CD1)に立設する区画壁部135を有する。区画壁部135の短辺方向DS1における長さは、連結部133の区画壁部135以外の領域の短辺方向DS1における長さよりも短い。
図2(a)~(c)に示されるように、区画壁部135は、プラグハウジング12を、第1種コンタクト11Aを保持する第1種保持エリア121と、第2種コンタクト11Bを保持する第2種保持エリア122とに区画する。例えば、区画壁部135は、区画壁部135A及び区画壁部135Bを含んで構成される。区画壁部135Aは、プラグハウジング12における一方の第2種保持エリア122と第1種保持エリア121とを区画する位置(境界PL1)に設けられている。区画壁部135Bは、プラグハウジング12における他方の第2種保持エリア122と第1種保持エリア121とを区画する位置(境界PL2)に設けられている。
【0037】
係合部136は、基板101から離間する方向に突出する。係合部136は、基板101のグランド導体に接続される。係合部136は、リセプタクルコネクタ20の被係合部235(
図5(a)参照)に係合する。例えば、係合部136は、接続方向CD1に沿って延伸するS字形状の板バネとして形成されている。係合部136は、例えば短辺方向DS1において第2種コンタクト11Bを挟むように一対設けられている。すなわち、係合部136による基板101のグランド導体との接点は、第2種コンタクト11Bを挟むように一対設けられている。
【0038】
このように形成されたプラグシェル13は、各部材が電気的に接続される。なお、基板101のグランド導体は、同じく基板101に形成された複数の導体を包囲するように略周状に形成されてもよい。これにより、プラグコネクタ10を装着した後、基板101全体におけるシールド性能をさらに向上させることができる。
【0039】
なお、以上の構成はあくまで一例であり、適宜変更可能である。例えばプラグハウジング12は、少なくとも1つの第2種保持エリア122を有していればよく、必ずしも2つ以上の第2種保持エリア122を有しなくてよい。プラグハウジング12は、4つ以上の保持エリアに区画されてもよい。2つの第2種保持エリア122の間に、必ずしも第1種保持エリア121が介在していなくてよく、第2種保持エリア122同士が隣り合っていてもよい。
【0040】
[リセプタクルコネクタ]
続いて、リセプタクルコネクタ20の構成を詳細に説明する。リセプタクルコネクタ20は、基板201に取り付けられ、相手コネクタであるプラグコネクタ10に接続される。
図4(a)~(c)に示されるように、リセプタクルコネクタ20は、リセプタクルコンタクト21と、リセプタクルハウジング22と、リセプタクルシェル23とを有する。
【0041】
リセプタクルコンタクト21は、基板201の導体(例えば信号導体)に電気的に接続される導電性の部材である。プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態において、リセプタクルコンタクト21は、プラグコネクタ10のプラグコンタクト11に接触する。
【0042】
リセプタクルコンタクト21は、互いに種別の異なるコンタクトを有する。例えばリセプタクルコンタクト21は、一又は複数の第1種コンタクト21Aと、第1種コンタクト21Aとは異なる種別の一又は複数の第2種コンタクト21Bとを有する。第2種コンタクト21Bは、第1種コンタクト21Aにより伝送される信号よりも高い周波数の高周波信号を伝送するためのコンタクトである。
【0043】
一例として、リセプタクルコンタクト21は、
図4(a)~(c)に示されるように、6つの第1種コンタクト21Aと2つの第2種コンタクト21Bとを有する。長辺方向DL1において、例えば2つの第2種コンタクト21Bが両端に配置され、当該2つの第2種コンタクト21Bに挟まれるように6つの第1種コンタクト21Aが配置される。6つの第1種コンタクト21Aは、短辺方向DS1において対向する一対の第1種コンタクト21Aが、長辺方向DL1において3セット配置される。プラグコネクタ10から見て、6つの第1種コンタクト21A及び2つの第2種コンタクト21Bは、それぞれ接続方向CD1に沿うように配置される。
【0044】
第1種コンタクト21Aは、プラグコネクタ10の第1種コンタクト11Aを挟み込むように、一対の突起形状を有する。第1種コンタクト21Aは、接続方向CD1に沿ってプラグコネクタ10に向けてそれぞれ突出している。第1種コンタクト21Aは、金属板から1枚の板材を打ち抜き、これに曲げ加工等を施すことで形成される。第1種コンタクト21Aは、基板201の導体に接続されるように、短辺方向DS1に沿ってリセプタクルコネクタ20内に設けられる。
【0045】
第2種コンタクト21Bは、プラグコネクタ10の第2種コンタクト11Bに接触されるように、接続方向CD1に沿ってプラグコネクタ10に向けてそれぞれ突出している。第2種コンタクト21Bは、金属板から1枚の板材を打ち抜き、これに曲げ加工等を施すことで形成される。第2種コンタクト21Bは、基板201の導体に接続されるように、長辺方向DL1に沿ってリセプタクルコネクタ20内の両端付近に設けられる。
【0046】
図5(a)~(c)に示されるように、第1種コンタクト21Aは、接続部211と、接触部212と、連結部213とを有する。接続部211は、基板201の導体(例えば信号導体)に半田等で接続される。接続部211は、短辺方向DS1に沿って外方に向けて張り出している。接触部212は、プラグコネクタ10の第1種コンタクト11Aに接触する。接触部212は、接続部211の張出部分の基端から、接続方向CD1に沿ってリセプタクルコネクタ20に向けて突出している。接続部211と接触部212とは、連結部213によって互いに連結されている。連結部213は、接続部211と接触部212の基部(上端)とを連結する。第1種コンタクト21Aは、基板201に取り付け可能であればいかなる形状であってもよく、例えば接続部211が外方に向けて張り出さない形状であってもよい。
【0047】
より詳細には、接触部212は、第1部分212aと、第2部分212bと、連結部212cとを有する略U字状の部分である。第1部分212a及び第2部分212bは、接続方向CD1に沿いプラグコネクタ10に向かってそれぞれ突出し、プラグコネクタ10の第1種コンタクト11Aを互いの間に挟む。第1部分212aと第2部分212bとは、短辺方向DS1において互いに対向するように接続方向CD1に沿って延びている。連結部212cは、第1部分212aの基部(下端)と第2部分212bの基部(下端)とを連結する。
【0048】
第2種コンタクト21Bは、接続部214と、接触部215と、突起部216とを有する。接続部214は、基板201の導体(例えば信号導体)に半田等で接続される。接続部214は、長辺方向DL1に沿って外方に向けて張り出している(
図5(a)参照)。接触部215は、プラグコネクタ10の第2種コンタクト11Bに接触する。接触部215は、接続部214の張出部分の基端から、接続方向CD1に沿ってプラグコネクタ10に向けて突出している。突起部216は、リセプタクルハウジング22に固定されるように、接続方向CD1に沿ってプラグコネクタ10に向けて突出している。接触部215と突起部216とは、接続部214を介して互いに連結されている。なお、本実施形態では第2種コンタクト21Bは、第1種コンタクト21Aと形状が異なるものを採用したが、第1種コンタクト21Aと同じ形状であってもよい。
【0049】
図4(a)~(c)に示されるリセプタクルハウジング22は、リセプタクルコンタクト21を保持する絶縁性の部材である。リセプタクルハウジング22は、例えば樹脂材料の射出成型等により形成される。
図1に示されるように、リセプタクルハウジング22は、プラグコネクタ10から見て、長方形に近似する第1部分R1と、長辺方向DL1における第1部分R1の両端部に設けられた第2部分R2とを有する。第1部分R1は、長辺方向DL1に沿って延びる一対の壁部R11と、一対の壁部R11のそれぞれの両端において短辺方向DS1に沿って設けられた溝である凹部R12とを有する。凹部R12は、プラグコネクタ10の第2壁部P12を収容する空間である。第1部分R1には、一対の壁部R11の間において長辺方向DL1に沿って延びる凸部R13が形成されている。
図4(a)~(c)に示されるようにリセプタクルコンタクト21は、プラグコネクタ10から見て、リセプタクルハウジング22の外縁(長辺方向DL1及び短辺方向DS1における最大寸法となる縁部)よりも内方に配置されている。
【0050】
リセプタクルハウジング22は、接続方向CD1に垂直な方向において複数の保持エリアに区画されている。複数の保持エリアは、例えば1つの第1種保持エリア221と2つの第2種保持エリア222とを含んで構成されている。例えば、第1部分R1の壁部R11及び凸部R13が第1種保持エリア221に対応する。また、第2部分R2が第2種保持エリア222に対応する。第1種保持エリア221と第2種保持エリア222とは、例えば長辺方向DL1に垂直な境界RL1,RL2により区画されている。リセプタクルハウジング22は、例えば長辺方向DL1における両端が2つの第2種保持エリア222として区画され、当該2つの第2種保持エリア222に挟まれる領域が第1種保持エリア221として区画されている。すなわち、リセプタクルハウジング22は、長辺方向DL1に沿って、第2種保持エリア222、第1種保持エリア221、第2種保持エリア222の順に区画されている。以下、2つの第2種保持エリア222をまとめて第2種保持エリア222という場合がある。
【0051】
第1種保持エリア221は、一又は複数(例えば6つ)の第1種コンタクト21Aを保持する。以下では、第1種保持エリア221が6つの第1種コンタクト21Aを保持するとして説明する。第2種保持エリア222は、一又は複数の第2種コンタクト21Bを保持する。以下では、各第2種保持エリア222が、それぞれ1つの第2種コンタクト21Bを保持するとして説明する。
【0052】
リセプタクルハウジング22は、接続方向CD1においてプラグコネクタ10に対向する前面22a、基板201に対向する背面22b、及び前面22aから背面22bに亘って形成される側面22cを有する。
図4(c)に示されるように、リセプタクルハウジング22には、第1種コンタクト収容部22d、第2種コンタクト収容部22e、収容溝部22f、及び収容溝部22gが形成されている。
【0053】
第1種コンタクト収容部22dは、第1種保持エリア221において、前面22aから背面22bに亘って設けられた複数の穴である。第1種コンタクト収容部22dは、第1種コンタクト21Aの数だけ(すなわち6個)、第1種コンタクト21Aに対応する位置に形成されており、第1種コンタクト21Aを収容する。プラグコネクタ10から見て、第1種コンタクト収容部22dには、第1種コンタクト21Aが露出するように収容されている。第1種コンタクト21Aは、圧入等により第1種コンタクト収容部22dに固定されている。
【0054】
第2種コンタクト収容部22eは、一対の第2種保持エリア222のそれぞれにおいて、前面22aから背面22bに亘って設けられた穴である。また、第2種コンタクト収容部22eには、背面22bに設けられた凹型の収容溝部22h(
図4(b)参照)が形成されている。収容溝部22hは、第2種コンタクト21Bの突起部216を収容する。第2種コンタクト収容部22eは、第2種コンタクト21Bに対応する位置に形成されており、第2種コンタクト21Bを収容する。プラグコネクタ10から見て、第2種コンタクト収容部22eには、第2種コンタクト21Bが露出するように収容されている。第2種コンタクト収容部22eは、圧入等により第2種コンタクト収容部22eに固定されている。
【0055】
収容溝部22fは、第1種保持エリア221において、前面22aに設けられた一又は複数の溝(凹部)である。収容溝部22fは、プラグハウジング12の隆起部12cを収容する。
【0056】
収容溝部22gは、一対の第2種保持エリア222のそれぞれにおいて、前面22aに設けられた一又は複数の溝(凹部)である。収容溝部22gは、プラグハウジング12の隆起部12dを収容する。
【0057】
第1種保持エリア221が保持する第1種コンタクト21Aは、一方の第2種保持エリア222が保持する第2種コンタクト21Bと境界RL1を介して隣り合う。また、第1種保持エリア221が保持する第1種コンタクト21Aは、他方の第2種保持エリア222が保持する第2種コンタクト21Bと境界PL2を介して隣り合う。境界RL1,RL2を介して隣り合う第1種コンタクト21Aと第2種コンタクト21Bとの長辺方向DL1における間隔は、第1種保持エリア221内において長辺方向DL1に沿って隣り合う第1種コンタクト21A同士の間隔よりも大きい。
【0058】
図4(b)に示される側面22cは、直線でもよいし、凹型でもよい。例えばリセプタクルハウジング22には、長辺方向DL1における側面22c中央に凹部223が形成されてもよい。長辺方向DL1における凹部223は、前面22aから背面22bに亘って形成されてもよい。本実施形態では、プラグコネクタ10から見て、第1種コンタクト21Aから基板201に接続されるように短辺方向DS1に張り出した部分(接続部211)が、リセプタクルハウジング22の長辺方向DL1における凹部223から露出している。これにより、基板201に対する第1種コンタクト21Aの接続状態(実装状態)の目視確認が可能となる。
【0059】
また、リセプタクルハウジング22には、短辺方向DS1における側面22c中央に凹部224が形成されてもよい。短辺方向DS1における凹部224は、前面22aから背面22bに亘って形成されてもよい。本実施形態では、プラグコネクタ10から見て、第2種コンタクト21Bから基板201に接続されるように長辺方向DL1に張り出した部分(接続部214)が、リセプタクルハウジング22の短辺方向DS1における凹部224から露出している。これにより、基板201に対する第2種コンタクト21Bの接続状態(実装状態)の目視確認が可能となる。
【0060】
リセプタクルハウジング22には、境界RL1,RL2に沿って、一又は複数の係止穴22kが形成されている。係止穴22kは、前面22aから背面22bに亘って設けられた穴であり、リセプタクルシェル23の係止部234(
図4(a)参照)を受け入れる。
【0061】
リセプタクルハウジング22には、接続方向CD1においてプラグコネクタ10の係合部136に対応する位置に収容溝部22mが形成されている(
図4(a)参照)。収容溝部22mは、一対の第2種保持エリア222のそれぞれにおいて、前面22aに設けられた一又は複数の溝(凹部)である。収容溝部22mは、係合部136を収容する。
【0062】
図4(a)~(c)に示されるリセプタクルシェル23は、基板201のグランド導体に半田等で電気的に接続される導電性の部材である。リセプタクルシェル23は、プラグコネクタ10から見て長方形に近似する外形の領域を包囲する。リセプタクルシェル23は、リセプタクルハウジング22を囲むように、リセプタクルハウジング22に装着される。リセプタクルシェル23は、側部231と、上部232と、接地用接続部233を有する。リセプタクルシェル23は、金属板に対し絞り加工(例えば角筒絞り加工)を行うことによって形成される角型容器形状の部材のうち、側面部分である側部231と、上面部分である上部232と、フランジ部分である接地用接続部233とが一体的に設けられる。リセプタクルシェル23が絞り加工により形成されているため、側部231には継ぎ目が形成されない。
【0063】
側部231は、プラグコネクタ10から見て略四角形状となるようにリセプタクルハウジング22の外周を囲む。リセプタクルコンタクト21は、側部231によって囲まれた領域内に配置される。また、側部231は、リセプタクルハウジング22の外周における長手方向(長辺方向DL1)に沿う一対の側壁部231c,231cと、側壁部231cに連続すると共にリセプタクルハウジング22の外周における長手方向に直交する方向(短辺方向DS1)に沿う一対の端壁部231d,231dとを有する(
図4(a)参照)。
【0064】
上部232は、側部231における、基板201から離間する方向の端部231bに連続すると共に側部231によって囲まれた領域内に延在する。上部232は、プラグコネクタ10から見て側部231の四隅において、側部231を構成する互いに交差する2つの辺の両方に連続して設けられている。リセプタクルコネクタ20から見て、上部232は第2種保持エリア222の一部を覆う。
【0065】
図4(a)に示されるように、上部232は、2つの第2種保持エリア122のそれぞれに対応するように設けられる上部232A及び上部232Bを含んで構成される。上部232Aは、一方の側壁部231cの基板201から離間する方向における端部231b及び一方の端壁部231dの端部231bの両方に連続する部分(第1の隅の部分)と、他方の側壁部231cの端部231b及び一方の端壁部231dの端部231bの両方に連続する部分(第2の隅の部分)と、を有する。また、上部232Bは、一方の側壁部231cの端部231b及び他方の端壁部231dの端部231bの両方に連続する部分(第3の隅の部分)と、他方の側壁部231cの端部231b及び他方の端壁部231dの端部231bの両方に連続する部分(第4の隅の部分)と、を有する。
【0066】
接地用接続部233は、側部231の基板201に近接する方向における端部231aに連続して設けられており、側部231の外方に延伸する。接地用接続部233は、基板201のグランド導体(不図示)に半田等で接続される。これにより、リセプタクルシェル23は基板201から側部231にかけて密閉される。接地用接続部233は、基板201のグランド導体に直接接続されてもよいし、リセプタクルシェル23の他の部分を介して基板201のグランド導体に接続されてもよい。以下では、接地用接続部233が基板201のグランド導体に直接接続されているとして説明する。
【0067】
上部232は、接続方向CD1に沿い基板201に向かって延伸する係止部234を有する。係止部234は、例えば上部232を形成するための金属板に対し、曲げ加工等を施すことによって上部232と一体的に形成される。係止部234は、リセプタクルハウジング22の係止穴22kに固定される(
図4(b)参照)。
【0068】
係止部234は、基板201のグランド導体(不図示)に電気的に接続される。係止部234は、基板201のグランド導体に直接接続されてもよいし、リセプタクルシェル23の他の部分を介して基板201のグランド導体に接続されてもよい。以下では、係止部234Aが基板201のグランド導体に直接接続されているとして説明する。
【0069】
係止部234は、第1種コンタクト21Aが配置される領域と第2種コンタクト21Bが配置される領域とを区画する。係止部234は、例えば上部232Aに連続する係止部234Aと、上部232Bに連続する係止部234Bとを含んで構成される。係止部234Aは、短辺方向DS1の両端付近において、リセプタクルハウジング22における一方の第2種保持エリア222と第1種保持エリア221とを区画する位置(境界RL1上)に一対設けられている。係止部234Bは、短辺方向DS1の両端付近において、リセプタクルハウジング22における他方の第2種保持エリア222と第1種保持エリア221とを区画する位置(境界RL2上)に一対設けられている。
【0070】
プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態において、境界PL1と境界RL1とが重なると共に、境界PL2と境界RL2とが重なる。境界PL1,RL1上には、短辺方向DS1に設けられた一対の係止部234Aの間に区画壁部135Aが配置される。境界PL2,RL2上には、短辺方向DS1に設けられた一対の係止部234Bの間に区画壁部135Bが配置される。換言すると、境界PL1,RL1上には、短辺方向DS1に沿って、一方の係止部234A、区画壁部135A、他方の係止部234Aが順に配置されている。また、境界PL2,RL2上には、短辺方向DS1に沿って、一方の係止部234B、区画壁部135B、他方の係止部234Bの順に配置されている。すなわち、係止部234は、短辺方向DS1に沿って区画壁部135に隣接して配置されている。プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態において、区画壁部135及び係止部234は、第1種コンタクト11A,21Aをそれぞれ保持する第1種保持エリア121,221と、第2種コンタクト11B,21Bをそれぞれ保持する第2種保持エリア122,222とに区画する。
【0071】
図5(a)に示されるように、上部232は被係合部235を有する。被係合部235は、例えば上部232の一部が短辺方向DS1に沿って切り欠かれるようにして形成される。被係合部235は、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態において、係合部136に係合される。例えば、係合部136は、接続方向CD1に沿って延伸するS字形状の板バネとして形成されている。ここで、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とを嵌合する際に、被係合部235は係合部136のS字形状の膨らみ部分に接触する。この状態で接続方向CD1に沿って被係合部235から係合部136に力が加わることにより、係合部136は被係合部235から逃げるように弾性変形する。換言すると、係合部136は接続方向CD1から傾く。さらに接続方向CD1に沿って被係合部235から係合部136に力が加わると、係合部136はS字形状の窪み部分に被係合部235を受け入れる。そして、被係合部235から係合部136への力が弱まるため、係合部136には変形状態から復元する力が働く。このようにして、被係合部235は係合部136に係合される。
【0072】
このように形成されたリセプタクルシェル23は、各部材が電気的に接続される。なお、基板201のグランド導体は、同じく基板201に形成された複数の導体を包囲するように略周状に形成されてもよい。これにより、リセプタクルコネクタ20を装着した後、基板201全体におけるシールド性能をさらに向上させることができる。
【0073】
なお、以上の構成はあくまで一例であり、適宜変更可能である。例えばリセプタクルハウジング22は、少なくとも1つの第2種保持エリア222を有していればよく、必ずしも2つ以上の第2種保持エリア222を有しなくてよい。リセプタクルハウジング22は、4つ以上の保持エリアに区画されてもよい。2つの第2種保持エリア222の間に、第1種保持エリア221が介在せずに、第2種保持エリア222同士が隣り合っていてもよい。
【0074】
[コネクタ装置の嵌合状態]
図6は、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態のコネクタ装置1を示す図である。
図6(a)は平面図、
図6(b)は底面図、
図6(c)は斜視図である。
【0075】
図6(a)及び
図6(b)に示されるように、プラグコネクタ10の外縁とリセプタクルコネクタ20の外縁とは近似する。
図6(b)に示されるように、コネクタ装置1の四隅において、底部132と上部232とが重なる位置に配置される。また、
図6(c)に示されるように、プラグシェル13はリセプタクルシェル23の外周に位置する。凸部137はリセプタクルシェル23の側部231を押圧している。すなわち、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態において、側部131と側部231とが凸部137を介して接触している。凸部137により、側部131と側部231との接触箇所を調整することができる。また、凸部137の押圧力によりコネクタ装置1の嵌合状態を強固にすることができる。
【0076】
図7は、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態のコネクタ装置1を示す図である。
図7(a)は底面図、
図7(b)は
図7(a)中のA-A線に沿う断面を示す断面図、
図7(c)は
図7(a)中のB-B線に沿う断面を示す断面図である。
【0077】
図7(b)に示されるように、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態において、プラグシェル13はリセプタクルシェル23の外周に位置する。プラグコネクタ10の隆起部12dは、リセプタクルコネクタ20の収容溝部22gに収容される。第2種コンタクト21Bの突起部216は、収容溝部22hに収容されることにより、リセプタクルハウジング22に固定される。
【0078】
また、プラグコネクタ10の係合部136は、リセプタクルコネクタ20の収容溝部22mに収容される。また、係合部136は、リセプタクルコネクタ20の被係合部235に係合する。係合部136と被係合部235とが係合した状態において、プラグコネクタ10の底部132は、リセプタクルコネクタ20の上部232に接触する。例えば、上部232は、係合部136の弾性力によって、底部132に押し付けられるように接触する。すなわち、係合部136はプラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20との嵌合状態を強固にすると共に、上部232と底部132との接触を安定させる。
【0079】
コネクタ装置1では、第2種コンタクト11Bと第2種コンタクト21Bとが一箇所において接触する。より詳細には、第2種コンタクト11Bの接触部114は、接続方向CD1に沿ってリセプタクルコネクタ20に向けて突出している。また、接触部114は、第2種コンタクト21Bの接続部214には至らないように形成されている。一方、第2種コンタクト21Bの接触部215は、接続方向CD1に沿ってプラグコネクタ10に向けて突出している。また、接触部215は、第2種コンタクト21Bの接続部113には至らないように形成されている。そして、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態において、接触部114の一方の側面に接触部215が接触する。
【0080】
図7(c)に示されるように、プラグコネクタ10の隆起部12cは、リセプタクルコネクタ20の収容溝部22fに収容される。
【0081】
コネクタ装置1では、第1種コンタクト21Aが第1種コンタクト11Aを挟むようにして接触する。より詳細には、第1種コンタクト21Aの第1部分212a及び第2部分212bは、接続方向CD1に沿いプラグコネクタ10に向かってそれぞれ突出している。また、第1部分212a及び第2部分212bは、第1種コンタクト11Aの接続部111には至らないように形成されている。一方、第1種コンタクト11Aの接触部112は、接続方向CD1に沿ってリセプタクルコネクタ20に向けて突出している。また、接触部112は、第1種コンタクト21Aの連結部212cには至らないように形成されている。そして、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態において、第1部分212a及び第2部分212bは、接触部112を互いの間に挟むようにして二か所で接触する。第1部分212aと第2部分212bとは、短辺方向DS1において互いに対向するように接続方向CD1に沿って延びている。
【0082】
[本実施形態の効果]
本実施形態の一態様に係るコネクタ装置1は、プラグコネクタ10(第1コネクタ)と、プラグコネクタ10に嵌合されるリセプタクルコネクタ20(第2コネクタ)と、を備える。プラグコネクタ10は、一又は複数の第1種コンタクト11A、及び、第1種コンタクト11Aにより伝送される信号よりも高い周波数の高周波信号を伝送するための一又は複数の第2種コンタクト11Bを有し、基板101(第1基板)の導体に電気的に接続されるプラグコンタクト11(第1コンタクト)と、プラグコンタクト11を保持する絶縁性のプラグハウジング12(第1ハウジング)と、プラグハウジング12の外周を囲む側部131(第1側部)、及び、側部131における、基板101に近接する方向の端部131aに連続すると共に側部131によって囲まれた領域内に基板101に沿って延在する底部132を有し、基板101のグランド導体に電気的に接続されるプラグシェル13(第1シェル)と、を備える。リセプタクルコネクタ20は、基板201(第2基板)の導体に電気的に接続されるリセプタクルコンタクト21(第2コンタクト)と、リセプタクルコンタクト21を保持する絶縁性のリセプタクルハウジング22(第2ハウジングと)、リセプタクルハウジング22の外周を囲む側部231(第2側部)、及び、側部231における、基板201から離間する方向の端部231bに連続すると共に側部231によって囲まれた領域内に延在する上部232を有し、基板201のグランド導体に電気的に接続されるリセプタクルシェル23(第2シェル)と、を備える。プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態では、プラグコンタクト11がリセプタクルコンタクト21に接触し、側部131が側部231に接触し、底部132が上部232に接触する。
【0083】
本開示の一態様に係るコネクタ装置では、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態において、プラグシェル13の側部131とリセプタクルシェル23の側部231とが接触すると共に、側部131に連続する底部132と側部231に連続する上部232とが接触する。このように一体的に構成された部分の2点でプラグシェル13とリセプタクルシェル23とが互いに接触することによって、プラグシェル13とリセプタクルシェル23とのグランド電位差が低減する。その結果、嵌合状態におけるシールド性能が安定するため、コネクタ装置1のシールド性能を向上させることができる。
【0084】
特許文献1に記載のコネクタ組立体は、屈曲形状断面をもつ二つの脚部を有する。しかしながら、二つの脚部間の隙間が大きいとシールド性能が低下し得る。一方、コネクタ装置1では、側部131及び側部231には二重となる隙間が形成されないため、このようなシールド性能の低下を抑制できる。
【0085】
また、特許文献1に記載のコネクタ組立体においては、一方のコネクタの側面に二つの脚部が形成されることにより、他方のコネクタとの強度差が生じる。例えば、二つの脚部が形成された一方のコネクタは、嵌合方向に沿った軸を回転軸として回転するトルク負荷に対する強度が低下する。一方、コネクタ装置1では、プラグコネクタ10及びリセプタクルコネクタ20は、いずれも略角型容器に近似する形状と言える。すなわち、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20との間で強度差が生じない。これにより、コネクタ装置1では、例えば接続方向CD1に沿った軸を回転軸として回転するトルク負荷に対し強固となる。
【0086】
上記コネクタ装置1において、側部131は、リセプタクルコネクタ20から見て略四角形状となるようにプラグハウジング12の外周を囲み、プラグハウジング12の外周における長手方向に沿う一対の側壁部131c,131c(第1側壁部)と、側壁部131cに連続すると共にプラグハウジング12の外周における長手方向に直交する方向に沿う一対の端壁部131d,131d(第1端壁部)とを有する。プラグコンタクト11は、側部131によって囲まれた領域内に配置される。このような構成によれば、プラグハウジング12の外周が側部131の側壁部131c及び端壁部131dによって継ぎ目なく囲われており、プラグコンタクト11が側部131によって囲まれている。これにより、コネクタ装置1の外部に対し、側部131を介するノイズ漏れが抑制される。
【0087】
上記コネクタ装置1において、側部231は、プラグコネクタ10から見て略四角形状となるようにリセプタクルハウジング22の外周を囲み、リセプタクルハウジング22の外周における長手方向に沿う一対の側壁部231c,231c(第2側壁部)と、側壁部231cに連続すると共にリセプタクルハウジング22の外周における長手方向に直交する方向に沿う一対の端壁部231d,231d(第2端壁部)とを有する。リセプタクルコンタクト21は、側部231によって囲まれた領域内に配置される。このような構成によれば、リセプタクルハウジング22の外周が側部231の側壁部231c及び端壁部231dによって継ぎ目なく囲われており、リセプタクルコンタクト21が側部231によって囲まれている。これにより、コネクタ装置1の外部に対し、側部231を介するノイズ漏れが抑制される。
【0088】
上記コネクタ装置1において、底部132は、一対の側壁部131cを互いに連結する連結部133を有する。このような構成によれば、底部132の面積を広く確保可能な構成とすることができる。その結果、コネクタ装置1の外部に対し、底部132を介するノイズ漏れが抑制される。
【0089】
上記コネクタ装置1において、連結部133は、第1種コンタクト11Aが配置される領域と第2種コンタクト11Bが配置される領域とを分割するように基板101に沿って設けられる。このような構成によれば、第1種コンタクト11Aと第2種コンタクト11Bとの領域が基板101に沿って分割される。これにより、第1種コンタクト11A及び第2種コンタクト11Bの相互のノイズの影響を低減することができる。
【0090】
上記コネクタ装置1において、連結部133は、基板101から離間する方向に立設し、且つプラグハウジング12を、第1種コンタクト11Aを保持する第1種保持エリアと、第2種コンタクト11Bを保持する第2種保持エリアとに区画する区画壁部135を有する。このような構成によれば、ノイズ源となりやすく、且つノイズの影響を受けやすい第2種コンタクト11Bが第1種コンタクト11Aから隔離される。これにより、第1種コンタクト11A及び第2種コンタクト11Bの相互のノイズの影響を低減することができる。
【0091】
上記コネクタ装置1において、底部132は、基板101から離間する方向に突出する係合部136を有する。上部232は、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とが嵌合された状態において、係合部136に係合される被係合部235を有する。係合部136と被係合部235とが係合することにより、嵌合状態の抜けを防止すると共に、底部132と上部232とが安定して接触する。また、プラグシェル13とリセプタクルシェル23との接触箇所が増加することにより、プラグシェル13とリセプタクルシェル23とのグランド電位差のさらなる低減が図られる。
【0092】
上記コネクタ装置1において、係合部136は、プラグハウジング12を介して第2種コンタクト11Bを挟むように一対設けられている。このような構成によれば、底部132に連続する係合部136が第2種コンタクト11Bの近くに設けられる。第2種コンタクト11Bの近くでグランド接続が設けられることにより、第2種コンタクト11Bから出力される高周波信号がコネクタ装置1の外部に漏れ難くなる。
【0093】
[変形例]
以上、実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0094】
上述の実施形態では、プラグコネクタ10を第1コネクタとし、リセプタクルコネクタを第2コネクタとして説明したが、リセプタクルコネクタ20を第1コネクタとし、プラグコネクタ10を第2コネクタとしてもよい。
【0095】
また、上述の実施形態では、底部132と上部232とがコネクタ装置1の四隅において接触している例を説明したが、接触箇所はこれに限られない。底部132及び上部232は、平面同士で接触してもよいし、いずれか一方に形成された突起等を介して接触してもよい。また、側部231には、凸部137を受け入れるための凹部が形成されていてもよい。側部131には、凸部137が形成されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1…コネクタ装置、10…プラグコネクタ、11…プラグコンタクト、11A…第1種コンタクト、11B…第2種コンタクト、12…プラグハウジング、13…プラグシェル、20…リセプタクルコネクタ、21…リセプタクルコンタクト、21A…第1種コンタクト、21B…第2種コンタクト、22…リセプタクルハウジング、23…リセプタクルシェル、101…基板、121…第1種保持エリア、122…第2種保持エリア、131…側部、132,132A,132B…底部、131a…端部、131c…側壁部、131d…端壁部、133,133A,133B…連結部、135,135A,135B…区画壁部、136…係合部、201…基板、221…第1種保持エリア、222…第2種保持エリア、231…側部、231b…端部、231c…側壁部、231d…端壁部、232,232A,232B…上部、235…被係合部。