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特許7544032撮像装置、制御方法、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】撮像装置、制御方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/50 20230101AFI20240827BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20240827BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240827BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20240827BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20240827BHJP
【FI】
H04N23/50
G06F3/0484
G06F3/01 510
G03B17/02
G03B17/18
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021511136
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 JP2020002254
(87)【国際公開番号】W WO2020202724
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】P 2019071102
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】出水 将樹
(72)【発明者】
【氏名】長塚 理三
(72)【発明者】
【氏名】森本 博文
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-183477(JP,A)
【文献】特開2004-080478(JP,A)
【文献】特開2001-042378(JP,A)
【文献】特開2008-242212(JP,A)
【文献】特開2004-104722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/50
G06F 3/04847
G06F 3/01
G03B 17/02
G03B 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像条件の設定項目に対応した複数のボタンを有し、操作に応じて前記設定項目の調整を可能とする第1操作部と、
回転操作および押下操作が可能であり、操作に応じて前記設定項目に関する条件を設定する第2操作部と、
撮像条件を設定する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1操作部における前記ボタンの押下時間が所定の時間以下の場合には、前記ボタンに対応した設定項目の設定値を手動操作で変更可能な手動設定モードとし、
前記ボタンの押下時間が所定の時間超の場合には、前記設定項目に対して、前記手動設定モードと、最適値が前記制御部によって算出されて、設定値が当該最適値に設定される自動設定モードとの、2つのモードの間の切り替えを可能にする切替モードとする、
撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記切替モードにおいて、
前記第2操作部で前記回転操作が行われることにより前記ボタンで選択された設定項目の設定モードを選択し、
前記第2操作部で前記押下操作が行われることにより選択された前記設定モードを決定する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記手動設定モードにおいて、前記第2操作部の前記回転操作が行われることにより前記ボタンで選択された設定項目の設定値を変更する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記手動設定モードにおいて、前記第2操作部の前記回転操作の速度が所定の速度以上の場合に、前記手動設定モードから前記自動設定モードに切り替える、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記設定項目に関する情報を表示する表示部を備え、
前記制御部は、前記第1操作部および前記第2操作部の操作に応じた情報を前記表示部に表示する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、撮像された画像に前記第1操作部または前記第2操作部の操作に応じた情報を重畳して前記表示部に表示する、請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第2操作部は、光学系が配設された本体部の前面に配置され、
前記第1操作部は、前記本体部の側面に配設されている、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第2操作部は、前記本体部の前面のうち前記光学系より前記第1操作部が設けられた側面側に配設されている、請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第2操作部は、前方から押下操作が可能である、請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第2操作部は、
円柱状であり、当該円柱の軸方向が前記本体部の前面に対して垂直に配設され、
当該円柱の軸を中心に回転可能であり、かつ、当該軸方向に押下可能である、請求項7に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記設定項目は、アイリス、ゲイン、シャッタースピード、またはホワイトバランスの少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
プロセッサが、
撮像条件の設定項目に対応した複数のボタンを第1操作部として機能させ、前記第1操作部の操作に応じて前記設定項目の調整を可能とすることと、
回転操作および押下操作が可能な形状の部材の操作に応じて前記設定項目に関する条件を設定することと、
撮像条件を設定することと、を含み、
前記撮像条件を設定する処理は、前記第1操作部における前記ボタンの押下時間が所定の時間以下の場合には、前記ボタンに対応した設定項目の設定値を手動操作で変更可能な手動設定モードとし、
前記ボタンの押下時間が所定の時間超の場合には、前記設定項目に対して、前記手動設定モードと、最適値が前記撮像条件を設定する制御部によって算出されて、設定値が当該最適値に設定される自動設定モードとの、2つのモードの間の切り替えを可能にする切替モードとする、
制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、
撮像条件の設定項目に対応した複数のボタンを、操作に応じて前記設定項目の調整を可能とする第1操作部として機能させ、
回転操作および押下操作が可能な形状の部材を、操作に応じて前記設定項目に関する条件を設定する第2操作部として機能させ、
撮像条件を設定する制御部として機能させ、
前記制御部は、前記第1操作部における前記ボタンの押下時間が所定の時間以下の場合には、前記ボタンに対応した設定項目の設定値を手動操作で変更可能な手動設定モードとし、
前記ボタンの押下時間が所定の時間超の場合には、前記設定項目に対して、前記手動設定モードと、最適値が前記制御部によって算出されて、設定値が当該最適値に設定される自動設定モードとの、2つのモードの間の切り替えを可能にする切替モードとする、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は撮像装置、制御方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、デジタルビデオカメラなどの撮像装置では、フォーカスや露出などの撮像条件の変更を自動または手動で行う。撮像条件を容易に変更するには、撮像装置は、ユーザが操作しやすいようなユーザインタフェースを備えていることが重要である。
【0003】
上記のような撮像装置の一例として、以下の特許文献1には、操作キーからなる第1の操作手段と、操作キーとは別個に設けられ、操作方向に応じた2つの操作信号を出力する第2の操作手段と、制御手段とを有する撮像装置が開示されている。前記制御手段は、前記第1の操作手段の押下時間が一定時間未満の場合には、設定値の変更対象とされた設定項目についての自動設定モードとマニュアル設定モードとの切り替え処理を実行する。また、前記制御手段は、切り替え処理によりマニュアル設定モードに切り替えたときには、変更対象とされた前定項目の設定値を第2の操作手段の操作方向に応じて変更し、押下時間が一定時間以上の場合には、変更対象とする設定項目の選択画面を表示手段に表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-191235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の撮像装置は、2つの操作手段により、様々な撮像条件を変更することはできるものの、撮像条件を変更が完了するまでの操作が煩雑であり、改善の余地があった。
【0006】
そこで、本開示では、より少ない操作ステップで撮像条件を変更することが可能な撮像装置、制御方法、および、プログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、撮像条件の設定項目に対応した複数のボタンを有し、操作に応じて前記設定項目の調整を可能とする第1操作部と、回転操作および押下操作が可能であり、操作に応じて設定項目に関する条件を設定する第2操作部と、を備える、撮像装置を提案する。
【0008】
本開示によれば、プロセッサが、撮像条件の設定項目に対応した複数のボタンの操作に応じて設定項目の調整を可能とすることと、回転操作および押下操作が可能な形状の部材の操作に応じて設定項目に関する条件を設定することと、を含む、制御方法を提案する。
【0009】
本開示によれば、コンピュータを、撮像条件の設定項目に対応した複数のボタンを、操作に応じて設定項目の調整を可能とする第1操作部として機能させ、回転操作および押下操作が可能な形状の部材を、操作に応じて設定項目に関する条件を設定する第2操作部として機能させるための、プログラムを提案する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る撮像装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
図2】同実施形態に係る撮像装置の側面に備えられる操作パネルの一例を示す図である。
図3】同実施形態に係る撮像装置に備えられる表示部に表示された画面の一例を示す図である。
図4】同実施形態に係る撮像装置に備えられる表示部に表示された画面の一例を示す図である。
図5】同実施形態に係る撮像装置に備えられる表示部に表示された画面の一例を示す図である。
図6】同実施形態に係る撮像装置に備えられる表示部に表示された画面の一例を示す図である。
図7】同実施形態に係る撮像装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
図8】同実施形態に係る撮像装置による撮像条件の変更処理の流れの一例を示す流れ図である。
図9】同実施形態に係る撮像装置による撮像条件の変更処理によって表示される画面遷移の一例を示す図である。
図10】同実施形態に係る撮像装置による撮像条件の変更処理によって表示される画面遷移の別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、図中の各構成要素の比率、寸法は、実際の各構成要素の比率、寸法を表すものではない。
【0012】
説明は以下の順序で行うものとする。
1.撮像装置1の構成例
1-1.外観構成例
1-2.内部構成例
2.動作
2-1.動作処理
2-2.画面遷移
2-2-1.第1の例
2-2-2.第2の例
3.まとめ
【0013】
<<1.撮像装置1の構成例>>
<1-1.外観構成例>
まず、図1図6を参照して、本実施形態に係る撮像装置1の外観構成の一例を説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る撮像装置の外観構成の一例を示す図である。図2は、本実施形態に係る撮像装置の側面に備えられる調整部100の一例を示す図である。図3図6は、本実施形態に係る撮像装置に備えられる表示部に表示された画面の一例を示す図である。
【0014】
撮像装置1は、図1に示すように、本体部10、光学系20、ハンドル30、表示部40、マイクホルダ50、およびグリップリモコン60を備える。ただし、図1に示した撮像装置1は、あくまでも本開示の一実施形態に係る撮像装置の一例であり、ハンドル30、表示部40、マイクホルダ50、およびグリップリモコン60は、必要に応じて備えられるものであり、必ずしも備えられなくともよい。
【0015】
(本体部10)
本体部10は、光学系20で集光した光を撮像し、その光が電気に変換された電気信号を画像信号として記録する。本体部10の前面(X軸正方向側の面)には光学系20が配設されており、また、本体部10の前面から側面(Y軸正方向側の面)にわたって、調整部100が配設されている。
【0016】
調整部100は、本体部10の側面に、撮像装置1の各種操作を行うためのスイッチやボタンなどを有する。複数の撮像装置1の各種操作を行うためのスイッチやボタンなどにより、第1操作部160は構成される。また、調整部100は、本体部10の前面に、回転操作および押下操作が可能であり、操作に応じて前記設定項目に関する条件を設定する第2操作部170を有している。
【0017】
調整部100は、具体的には、図2に示すように、本体部10の側面に、撮像された画像の録画の開始および終了指示が入力される録画ボタン101、録画状態または録画中止状態を維持する録画ホールドスイッチ103を有していてもよい。調整部100は、本体部10の側面に、さらに、光量を調節するNDフィルタの設定モードを変更するNDフィルタ設定スイッチ105、NDフィルタ選択スイッチ107、NDフィルタ変更ダイヤル109、NDフィルタ自動設定ボタン111を有していてもよい。調整部100は、本体部10の側面に、さらに、フォーカス設定モード切替スイッチ113、フォーカス設定ボタン115、アイリス羽根のポジションを調整可能とするアイリス調整ボタン117、ゲインを調整可能とするゲイン調整ボタン119、ホワイトバランスを調整可能とするホワイトバランス調整ボタン121、シャッタースピードを調整可能とするシャッタースピード調整ボタン123を有していてもよい。調整部100は、本体部10の側面に、さらに、設定値を予め準備された設定値に変更するプリセットスイッチ125、撮像装置1の状態を表示部40に表示させるステータスボタン127、表示部40への撮像装置1の各種設定の状態を示すアイコンなどの表示または非表示が選択されるディスプレイボタン129を有していてもよい。調整部100は、本体部10の側面に、さらに、装着されている記録メディアに収録されているクリップのサムネイルを表示部40に表示させるサムネイルボタン131、撮影または収録されたデータの再生などの各種設定条件の変更を可能にするメニューボタン133、表示部40に表示されたカーソルを移動させ、カーソルが位置したアイコンなどの表示を選択するコントロールボタン135を有していてもよい。調整部100は、本体部10の側面に、さらに、再生中の収録データの再生を停止するキャンセルボタン137、撮像装置1を稼働状態にする電源スイッチ139、撮像装置1の入力端子に接続された機器の機能の設定モードを変更する複数の外部機器モード切替スイッチ141を有していてもよい。調整部100は、本体部10の側面に、さらに、撮像装置1の入力端子に接続された機器の機能を調整する複数の調整ダイヤル143、記録メディアが装着されているスロットのうち使用するスロットを選択するスロット選択ボタン145を有していてもよい。調整部100は、本体部10の側面に、さらに、撮像装置1が有する機能を割り当てて使用できる複数のアサイナブルボタン147、および録画した映像とともに収録した音声を出力する際の音量を調整する音量調整ボタン149、を有していてもよい。
【0018】
調整部100が有しうる各種スイッチまたはボタンなどのうち、アイリス調整ボタン117、ゲイン調整ボタン119、ホワイトバランス調整ボタン121、およびシャッタースピード調整ボタン123は、本開示に係る第1操作部160に対応してもよい。つまり、第1操作部160は、撮像条件の設定項目に対応した複数のボタンを有し、操作に応じて当該設定項目の調整を可能とするものである。第1操作部160は、撮像条件の設定項目に対応したボタンの一例として、アイリス調整ボタン117、ゲイン調整ボタン119、ホワイトバランス調整ボタン121、およびシャッタースピード調整ボタン123を有する。
【0019】
なお、第1操作部160には、アイリス調整ボタン117、ゲイン調整ボタン119、ホワイトバランス調整ボタン121、およびシャッタースピード調整ボタン123が含まれうるが、これらの他に、自動設定および手動設定の選択が可能な設定項目に対応するボタンまたはスイッチ、例えば、NDフィルタ設定スイッチ105などが含まれてもよい。
【0020】
第1操作部160は、本体部10の側面における本体部10の前面側に配設されることが好ましい。第1操作部160が本体部10の側面における本体部10の前面側に配設されることで、ユーザは、本体部10の前面に配設された光学系20または第2操作部170の操作と、第1操作部160の操作とを、相互に容易に移行することができる。
【0021】
第2操作部170は、回転操作および押下操作が可能である。第2操作部170で回転操作が行われることにより、例えば、第1操作部160に含まれる撮像条件の設定項目に対応したボタンで選択された設定項目の設定モードが選択され、押下操作が行われることにより、選択された設定モードが決定されてもよい。第2操作部170により、設定モードの選択および決定が行われるため、これらを行うために必要な操作部材の数の増加を抑制することが可能となる。また、ユーザは、第2操作部170を使用して設定モードの選択および決定を行うため、手の位置を大きく移動させることなく操作が可能となり、操作に伴い生じうるカメラのぶれを抑制することが可能となる。
【0022】
なお、ここでいう設定モードは、撮像装置1において設定されうる種々のモードを含む。設定モードには、例えば、設定項目の設定値を手動操作で変更可能な手動設定モード、最適値が図7に示す制御部77によって算出されて設定値が当該最適値に設定される自動設定モード、手動設定モードと自動設定モードとを切り替える切替モード、設定項目を選択可能とする設定項目選択モード、撮像装置1がスタンバイとなっているとき、撮像対象の映像を収録しているとき、または収録した映像を再生しているときの定常モードなどがある。
【0023】
第2操作部170は、例えば、前方から押下操作が可能であってもよい。第2操作部170は、例えば、円柱状であり、当該円柱の軸方向が本体部10の前面に対して垂直に配設され、当該円柱の軸を中心に回転可能であり、かつ、当該軸方向に押下可能であってもよい。第2操作部170の形状は、例えば、ダイヤル状やスティック状であってもよい。
【0024】
このような第2操作部170は、本体部10の前面のうち光学系20より第1操作部160が設けられた側面側に配設されていることが好ましい。第2操作部170が本体部10の前面における第1操作部160側に配設されることで、光学系20、第1操作部160、および第2操作部170が集中して配置されるため、光学系20、第1操作部160、および第2操作部170の操作を片手で行うことができる。その結果、手の位置を変更することで生じうる手振れなどが抑制され、ユーザの意図する画像を撮像することが可能となる。
【0025】
なお、第2操作部170が設定する設定項目に関する条件とは、例えば、第1操作部160によって選択された設定項目の設定モード、当該設定項目の設定値などを含む。
【0026】
(光学系20)
光学系20は、複数のレンズ、アイリス羽根などの可動する複数の光学要素、およびこれらの光学要素を駆動させるアクチュエータを有している。光学系20で集光した光は、図7に示す、本体部10に内包されている撮像素子12上に結像する。ユーザは、光学系20が有する所定のレンズを移動させることにより、撮影画像の画角を変化させるズームや、被写体にピントを合わせるフォーカスを行うことができる。また、ユーザは、アイリス羽根のポジションを調整することで、明るさを調整することができる。この光学系20は、本体部10に対して着脱自在に構成されている。
【0027】
(ハンドル30)
ハンドル30は、本体部10の上面(Z軸正方向側の面)に設けられ、本体部10の前後方向に延在している。ユーザによって、ハンドル30が把持されることで、撮像装置1は容易に持ち運びされる。ハンドル30は、前方に表示部40またはマイクホルダ50を取り付けるための取り付け部(図示せず。)を有してもよい。
【0028】
(表示部40)
表示部40は、制御部77によって、撮像された画像を表示してもよいし、動作モードや電池残量、撮像条件のマニュアル設定値、各種設定の状態を示すアイコンなどの表示を表示してもよい。表示部40は、撮像画像に上記表示を重畳して表示したOSD(On Screen Display)画像を表示してもよい。図3は、撮像装置1が撮像対象の映像を収録しているとき、または収録した映像を再生しているときのOSD画像が表示された画面(定常画面41)である。表示部40は、制御部77によって、図3に示すように、撮像画像に、文字、図形、または記号などからなるアイコンなどが表示されたOSD画像を表示することができる。具体的には、表示部40は、制御部77によって、フォーカスモードを示す表示401、フォーカスの位置を示す表示403、ズームポジションを示す表示405、位置情報の取得状態を示す表示407、手振れ補正機能の状態を示すアイコン409を表示したOSD画像を表示してもよい。さらに、表示部40は、制御部77によって、記録メディアの残量を示す表示411、ホワイトバランスを示す表示413、記録された画像の時刻情報であるタイムコードを示す表示415、クリップ名を示す表示417を表示したOSD画像を表示してもよい。さらに、表示部40は、制御部77によって、撮影シーンに合わせて設定したプロファイルの使用状態を示す表示419、NDフィルタの状態を示す表示421、アイリス羽根のポジションを示す表示423、ゲインを示す表示425、シャッタースピードを示す表示427を表示したOSD画像を表示してもよい。さらに、表示部40は、制御部77によって、画質レベルを示す表示429、水平面に対する撮像装置1の傾きを示す表示431、オーディオレベルを示す表示(オーディオレベルメータ)433、ガンマ値またはガンマテーブルの種類を示す表示435、記録メディアに記録される動画の記録フォーマットの名称を示す表示437を表示したOSD画像を表示してもよい。さらに、表示部40は、制御部77によって、1秒間に使用するフレーム数を示す表示439、記録される画像サイズを示す表示441、バッテリー残量を表示するアイコン443、撮像装置1で撮影、再生している映像または音声をストリーミング中の表示を示すアイコン445を表示したOSD画像を表示してもよい。さらに、表示部40は、制御部77によって、撮像装置1がネットワーククライアントとして動作する時の動作状態を表示するアイコン447、記録メディアが装着されているスロットの表示および動作状態を表示するアイコン449、ネットワーク接続の状態を表示するアイコン451を表示したOSD画像を表示してもよい。さらに、表示部40は、制御部77によって、PCやタブレット端末などの端末をインターネットに接続するためのアクセスポイントとして撮像装置1が動作していることを表示するアイコン453、有線LANへの接続状態を示すアイコン455、外部のストレージへのアップロード中の表示または転送ファイル残数を表示するアイコン457、またはNFC(Near Field Communication)機能が有効であることを表示するアイコン459を表示したOSD画像を表示してもよい。また、表示部40は、収録中と収録された映像の再生中とで異なる表示を撮像画像に重畳してもよい。
【0029】
表示部40は、制御部77によって、第1操作部160または第2操作部170の操作に応じた表示を撮像画像に重畳して表示してもよい。表示部40は、制御部77によって、例えば、第1操作部160によって選択された設定項目を示す表示を、例えばカーソルなどにより強調して表示することができる。図4は、アイリス羽根のポジションを示す表示423が強調表示されたOSD画像が表示された画面(調整画面42)である。
【0030】
また、表示部40は、制御部77によって、選択された設定項目の設定モードを変更するための表示をすることができる。図5は、アイリスの設定モードを変更するための表示が表示された画面(設定モード選択画面43)である。図5では、アイリスについて、自動設定モードを示す「Auto」、および現在の設定値「F5.6」が表示されたOSD画像が表示されている。詳細は後述するが、現在の設定値の表示が第2操作部170で選択されることで手動設定モードに遷移してもよい。
【0031】
また、表示部40は、制御部77によって、第2操作部170で選択可能な設定項目を強調して表示することができる。図6は、第2操作部170で選択可能な設定項目が強調表示された画面(設定項目選択画面44)である。図6では、フォーカスモードを示す表示401、手振れ補正機能の状態を示すアイコン409、ホワイトバランスを示す表示413、撮影シーンに合わせて設定したプロファイルの使用状態を示す表示419、NDフィルタの状態を示す表示421、アイリス羽根のポジションを示す表示423、ゲインを示す表示425、シャッタースピードを示す表示427、および画質レベルを示す表示429が強調されて表示されたOSD画像が表示されている。
【0032】
表示部40に撮像された画像に第1操作部160または第2操作部170の操作に応じた情報が重畳して表示されることで、ユーザは、撮像された画像を確認しながら、撮像条件を変更することが可能となり、ボタンを押し誤った場合にもユーザはその誤りを早期に認識して適切な操作をすることができる。その結果、撮影をより円滑に行うことが可能となる。
【0033】
なお、表示部40に表示される、動作モードや電池残量、撮像条件のマニュアル設定値、各種設定の状態を示すアイコンなどの表示は上記に限られず、表示部40は、制御部77によって、後述する制御部77などが制御可能な機能についての表示を表示することができる。
【0034】
なお、表示部40の配設位置は、特段制限されないが、位置および角度を調整可能に配設されることが好ましい。これにより、収録状況に応じて、表示部40の位置を変更することが可能となる。表示部40は、例えば、図1では、回動可能な支持部材によってハンドル30に設けられている。
【0035】
(マイクホルダ50)
マイクホルダ50は、音声を高音質で収録するためのマイクロフォンを撮像装置1に装着するために用いられる。マイクホルダ50は、マイクホルダ50に取り付けられるマイクロフォンが収録したい音声を収音可能な位置に配設されれば特段制限されないが、位置および角度を調整可能に配設されることが好ましい。これにより、収録状況に応じて、マイクロフォンの位置を変更することが可能となる。マイクホルダ50は、例えば、図1では、回動可能な支持部材によってハンドル30に設けられている。
【0036】
(グリップリモコン60)
グリップリモコン60は、ユーザによって把持されながら、調整部100に備えられた機能の一部を調整部100を操作する代わりに用いられることができる。グリップリモコン60には、撮像装置1が有する機能を割り当てて使用できるアサイナブルボタンや、設定値を変更するためのアサイナブルダイヤル(図示せず。)、画像を拡大縮小するためのズームレバー(図示せず。)などを有してもよい。グリップリモコン60は、例えば、図1では、角度や長さの変更が可能な支持部材を介して本体部10に設けられている。
【0037】
以上、撮像装置1の外観構成例を説明した。なお、図1および図2に示す撮像装置1の外観構成は一例であって、本実施形態による撮像装置1の各構成はこれらに示した態様に限定されない。本実施形態に係る撮像装置は、例えば、他の機器と接続するための入力端子を備えていてもよい。また、各種操作ボタン、スイッチ、またはダイヤルなどの有無や形状、配置も、図2に示した態様に限定されない。
【0038】
<1-2.内部構成例>
続いて、本実施形態に係る撮像装置1の内部構成の一例を説明する。図7は、本実施形態に係る撮像装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、撮像装置1は、光学ブロック71、撮像素子72、TG(Timing Generator)73、FE(Front End)処理回路74、カメラ信号処理回路75、エンコーダ/デコーダ76、制御部77、入力部78、グラフィックI/F(インタフェース)79、モニタ80、電子ビューファインダ(EVF:Electronic View Finder)81、および記録メディア82を具備する。
【0039】
光学ブロック71は、被写体からの光を撮像素子72に集光するためのレンズ、レンズを移動させてフォーカス合わせやズームを行うための駆動機構、シャッタ機構、アイリス羽根を含むアイリス機構などを具備しており、これらは制御部77からの制御信号に基づいて駆動される。光学ブロック71は、光学系20に実装される。
【0040】
撮像素子72は、TG73から出力されるタイミング信号に基づいて駆動され、被写体からの入射光を電気信号に変換する。なお、撮像素子72には、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどが用いられてもよい。TG73は、制御部77からの制御信号に応じてタイミング信号を生成し、撮像素子72に出力する。
【0041】
FE処理回路74は、制御部77の制御の下で、撮像素子72から出力された画像信号に対して、CDS(Correlated Double Sampling)処理によりS/N(Signal/Noise)比を良好に保つように、入力信号を記憶して一定期間保持するサンプルホールドを行い、さらにAGC(Auto Gain Control)処理により入力に対する出力の比である利得を制御し、A/D変換を行ってデジタル画像信号を出力する。
【0042】
カメラ信号処理回路75は、制御部77の制御の下で、FE処理回路74からの画像信号に対して、ホワイトバランス調整処理や色補正処理、AF(Auto Focus)処理、AE(Auto Exposure)処理、AWB(Auto White Balance)処理などのカメラ信号処理を施す。
【0043】
エンコーダ/デコーダ76は、制御部77の制御の下で、カメラ信号処理回路75またはエンコーダ/デコーダ76からの画像信号に対して、DV(Digital Video)方式あるいはMPEG(Moving Picture Experts Group)方式などの所定の動画像データフォーマットで圧縮符号化処理を行う。また、エンコーダ/デコーダ76は、制御部77から供給された動画像の符号化データを伸張復号化処理する。なお、JPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)などの静止画像データフォーマットを用いて静止画像の圧縮符号化および伸張復号化処理を実行可能なようにしてもよい。
【0044】
制御部77は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などから構成されるマイクロコントローラであり、ROMなどに記憶されたプログラムを実行することにより、デジタルビデオカメラの各部を統括的に制御する。制御部77は、例えば、上述した第1操作部160および第2操作部170を含む調整部100が有する各種ボタン、スイッチ、ダイヤルなどによって入力された制御信号に応じた制御を行うことができる。
【0045】
制御部77は、例えば、第1操作部160におけるボタンの押下時間が所定の時間以下の場合には、ボタンに対応した設定項目の設定値を手動操作で変更可能な手動設定モードに設定モードを遷移させ、ボタンの押下時間が所定の時間超の場合には、そのボタンに対応した設定項目に対して、手動設定モードおよび制御部77が設定値を最適値に設定する自動設定モードの2つのモードの間の切り替えを可能にする切替モードに設定モードを遷移させてもよい。これにより、目的の設定項目の設定モードおよびその設定値を変更する処理を、より少ない操作ステップで行うことが可能となる。
【0046】
制御部77は、上述したように、自動設定モードの場合に、自動設定モードとなった設定項目の最適値を算出し、その設定項目の設定値を最適値に設定してもよい。
【0047】
また、制御部77は、切替モードにおいて、第2操作部170で回転操作が行われることにより第1操作部160のボタンで選択された設定項目の設定モードを選択し、第2操作部170で押下操作が行われることにより選択された設定モードを決定してもよい。また、制御部77は、手動設定モードにおいて、第2操作部170の回転操作が行われることにより、第1操作部160に配置されたボタンで選択された設定項目の設定値を変更してもよい。制御部77が上記の制御を行うことにより、撮像条件の設定項目の選択および設定モードの決定を、第1操作部160および第2操作部170で行うことができるため、操作部材の数の増加を抑制することが可能となる。
【0048】
また、制御部77は、手動設定モードにおいて、第2操作部170の回転操作の速度が所定の速度以上の場合に、手動設定モードから前記自動設定モードに切り替えてもよい。制御部77が、手動設定モードにおいて、第2操作部170の回転操作の速度が所定の速度以上の場合に、手動設定モードから前記自動設定モードに切り替えることで、ユーザは、設定モードの変更に要する手数を少なくすることができ、手動設定モードから自動設定モードへより簡便に切り替えることが可能となる。
【0049】
入力部78は、上述した第1操作部160および第2操作部170を含む調整部100が有する各種ボタン、スイッチ、ダイヤルなどにより構成され、ユーザによる入力操作に応じた制御信号を制御部77に出力する。
【0050】
グラフィックI/F79は、制御部77の制御の下で、カメラ信号処理回路75あるいはエンコーダ/デコーダ76から供給された画像信号からモニタ80やEVF81に表示させるための画像信号を生成して、この信号をモニタ80やEVF81に供給し、画像を表示させる。このグラフィックI/F79は、撮像中の画像や記録メディア82に記録されたデータの再生画像を表示させる他、制御部77からの信号を基に、動作モードや電池残量、撮像条件のマニュアル設定値、各種設定のためのメニューなどを示す表示を、撮像画像に重畳して表示することができる。モニタ80およびEVF81は、ともに例えばLCD(Liquid Crystal Display)などで構成され、撮像中の画像や再生画像などを表示する。モニタ80またはEVF81により、表示部40は実現されうる。
【0051】
記録メディア82には、制御部77から供給されたデータが書き込まれ、また、記録メディア82から読み取られたデータが制御部77に出力される。なお、記録メディア82としては、例えば、半導体メモリからなるメモリカードや、書き込み可能な光ディスク、HDD(ハードディスクドライブ)、磁気テープなどが用いられてもよい。
【0052】
撮像装置1は、通信インタフェース(図示せず。)を有し、外部のストレージ(例えば、データサーバ、ネットワークストレージまたは外付けメモリなど)とのデータの送受信を行うことも可能である。通信インタフェースは、例えば、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などであってもよい。
【0053】
撮像装置1では、光学ブロック71を通った光が撮像素子72によって受光されて電気信号に光電変換され、光電変換された電気信号が順次FE処理回路74に供給される。FE処理回路74では、入力信号に対してCDS処理、AGC処理が施され、さらにデジタル信号に変換される。カメラ信号処理回路75は、FE処理回路74から供給されたデジタル画像信号を画質補正処理し、制御部77を介してグラフィックI/F79に供給する。これにより、画質補正処理された画像がモニタ80またはEVF81に表示される。
【0054】
この状態で、入力部78を通じて記録開始が要求されると、カメラ信号処理回路75からの画像信号がエンコーダ/デコーダ76により圧縮符号化され、符号化データが生成される。この符号化データは制御部77を通じて順次記録メディア82に記録される。
【0055】
以上、本実施形態に係る撮像装置1の内部構成の一例について説明した。なお、図7に示す内部構成は、あくまでも一例にすぎず、本開示に係る撮像装置の内部構成はこれに限定されない。例えば、撮像装置1は、GPS(Global Positioning System)などに挙げられる公知の自己位置検出部(図示せず。)を有していてもよい。
【0056】
<<2.動作>>
<2-1.動作処理>
続いて、図8を参照して、本実施形態に係る撮像装置1による撮像条件変更処理の動作の一例を説明する。図8は、本実施形態に係る撮像装置1による撮像条件の変更処理の流れの一例を示す流れ図である。なお、ここでは、アイリスが変更される場合を例に挙げて説明する。
【0057】
まず、制御部77は、第1操作部160のアイリス調整ボタン117が押下されたか否かを判定する(ステップS101)。アイリス調整ボタン117が押下されたと判定された場合(ステップS101/YES)、制御部77は、アイリス調整ボタン117の押下時間が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS102)。一方、アイリス調整ボタン117が押下されたと判定されなかった場合(ステップS101/NO)、制御部77は、第2操作部170(以下では、第2操作部170をマルチファンクションダイヤル170ということもある。)が押下されたかどうかを判定する(ステップS103)。
【0058】
ステップS102において、アイリス調整ボタン117の押下時間が所定の閾値以下であると判定された場合(ステップS102/YES)、制御部77は、設定モードを定常モードから手動設定モードに遷移させる(ステップS104)。このとき、表示部40には、図4に示すようにアイリス羽根のポジションを示す表示423が強調表示された調整画面42が表示される。ステップS104において、ユーザによってマルチファンクションダイヤル170が回転され、アイリスが変更される。このとき、撮像された画像は、変更されたアイリスに応じた明るさの画像となる。また、表示部40に表示されたアイリス羽根のポジションを示す表示423は、マルチファンクションダイヤル170の回転操作に応じて変更される。
【0059】
一方、アイリス調整ボタン117の押下時間が所定の閾値超であると判定された場合(ステップS102/NO)、制御部77は、アイリスの設定モードを定常モードから切替モードに遷移させる(ステップS105)。このとき、表示部40には、図5に示すように、アイリスの設定モードを変更するための表示が表示された設定モード選択画面43が表示される。ステップS105において、ユーザによってマルチファンクションダイヤル170が回転され、自動設定モードまたは手動設定モードのいずれかが選択され、マルチファンクションダイヤル170が押下されることで、自動設定モードまたは手動設定モードのいずれかに決定され、決定された設定モードに遷移する。自動設定モードに遷移した場合(ステップS105/YES)、アイリスが制御部77によって設定され、撮像された画像は、変更されたアイリスに応じた明るさの画像となる(ステップS106)。手動設定モードに遷移した場合(ステップS106/NO)、上述したステップS104の処理が行なわれる。
【0060】
ステップS103において、マルチファンクションダイヤル170が押下されたと判断された場合(ステップS103/YES)、制御部77は、設定モードを設定項目の選択が可能となる設定項目選択モードに遷移させる(ステップS107)。このとき、表示部40には、マルチファンクションダイヤル170で選択可能な設定項目が強調して表示された設定項目選択画面44が表示される。ステップS107において、ユーザによってマルチファンクションダイヤル170が回転されて設定項目にアイリスが選択され、マルチファンクションダイヤル170が押下されることで、アイリスの設定モードが設定項目選択モードから切替モードに遷移する(ステップS108)。
【0061】
ステップS108において、ユーザによってマルチファンクションダイヤル170が回転されて自動設定モードまたは手動設定モードのいずれかが選択され、マルチファンクションダイヤルが押下されることで、自動設定モードまたは手動設定モードのいずれかに決定され、決定された設定モードに遷移する。自動設定モードに遷移した場合(ステップS108/YES)、アイリスが制御部77によって設定され、撮像された画像は、変更されたアイリスに応じた明るさの画像となる(ステップS109)。手動設定モードに遷移した場合(ステップS108/NO)、ユーザによって第2操作部170が操作されアイリスが手動で調整される(ステップS110)。ステップS110で行われる処理は、上述したステップS104の処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0062】
ステップS103において、マルチファンクションダイヤルが押下されなかったと判定された場合(ステップS103/NO)、ステップS101から随時上述した処理が繰り返される。
【0063】
ステップS105、ステップS107、ステップS112、およびステップS113の後、第1操作部160が有するボタンおよびマルチファンクションダイヤル170が一定時間操作されなかった場合、撮像条件の変更処理は終了する。
【0064】
以上、本実施形態に係る撮像装置1による撮像条件変更処理の動作の一例を説明した。なお、図8に示す動作処理は一例であって、本実施形態はこれに限定されない。例えば、図8に示す動作処理では、ステップS104、ステップS105、およびステップS107のそれぞれにおいて、表示部40は、調整画面42、設定モード選択画面43、および設定項目選択画面44が表示されているが、これらの画面をしなくてもよい。
【0065】
<2-2.画面遷移>
続いて、第1操作部160および第2操作部170の操作による画面遷移について、図9図10を参照して詳しく説明する。図9は、本実施形態に係る撮像装置による撮像条件の変更処理によって表示される画面遷移の一例を示す図である。図10は、本実施形態に係る撮像装置による撮像条件の変更処理によって表示される画面遷移の別の一例を示す図である。
【0066】
図9および図10に示す定常画面41は、撮像装置1がスタンバイとなっているとき、撮像対象の映像を収録しているとき、または収録した映像を再生しているときの定常モードにおいて表示されている定常画面である。図4は、定常画面41の一例である。図9および図10に示す調整画面42は、手動設定モードのときに表示される画面であり、第1操作部160によって選択された設定項目の表示が強調されて表示される画面である。図5は、調整画面42の一例である。図9および図10に示す設定モード選択画面43は、切替モードのときに表示される画面であり、選択された設定項目について手動設定モードまたは自動設定モードを選択するための画面である。図6は、設定モード選択画面43の一例である。図10に示す設定項目選択画面44は、マルチファンクションダイヤル170で設定項目が選択可能なときに表示される画面であり、設定項目が強調されて表示された画面である。図7は、設定項目選択画面44の一例である。なお、図9および図10に示した「短押し」とは、押下時間が所定の閾値以下であることをいい、「長押し」とは、押下時間が所定の閾値超であることをいう。
【0067】
(2-2-1.第1の例)
まず、図9を参照して、第1操作部160を主として使用したときの画面遷移について説明する。定常画面41において、第1操作部160が所定の閾値以下の時間押下された場合、調整画面42に遷移してもよい。また、設定モード選択画面43において、第1操作部160が所定の閾値以下の時間押下された場合も、調整画面42に遷移してもよい。このように、第1操作部160の押下時間が所定の閾値以下であれば、定常画面41または設定モード選択画面43のいずれからも調整画面42に遷移するようにしてもよい。これにより、一旦定常画面41または設定項目選択画面44に遷移させた後に調整画面42に遷移させるという2段階の操作を行うことなく、直接調整画面42に遷移させることが可能となる。その結果、短時間で撮像条件の変更が可能となり、撮像対象が変化する場合においてもユーザの意図に沿う画像を収録することが可能となる。
【0068】
調整画面42では、ユーザは、マルチファンクションダイヤル170を回転することで、選択した設定項目の設定値を変更することができる。
【0069】
一方、定常画面41において、第1操作部160が所定の閾値超の時間押下された場合、設定モード選択画面43に遷移してもよい。また、調整画面42において、第1操作部160が所定の閾値超の時間押下された場合も、設定モード選択画面43に遷移してもよい。このように、第1操作部160の押下時間が所定の閾値超であれば、図9に示すように、定常画面41または調整画面42のいずれからも設定モード選択画面43に遷移するようにしてもよい。これにより、一旦定常画面41または設定項目選択画面44に遷移させた後に設定モード選択画面43に遷移させるという2段階の操作を行うことなく、直接設定モード選択画面43に遷移させることが可能となる。また、単一の第1操作部160で調整画面42への遷移および設定モード選択画面43への遷移が可能であるため、ユーザは、撮像装置1を操作する手の位置を変更することなく操作することが可能となる。その結果、手の位置を変更することで生じうる手振れなどが抑制され、ユーザの意図する画像を撮像することが可能となる。
【0070】
設定モード選択画面43では、ユーザによってマルチファンクションダイヤル170が回転されて自動設定モードまたは手動設定モードのいずれかが選択され、マルチファンクションダイヤル170が押下されることで、自動設定モードまたは手動設定モードのいずれかに決定され、決定された設定モードに遷移する。図5に示したように、現在の設定値の表示が選択されることで、手動設定モードに遷移するようにしてもよい。手動設定モードに遷移すると、表示部40は調整画面42を表示し、自動設定モードに遷移すると、設定値が最適値に変更され、表示部40は定常画面41を表示する。
【0071】
なお、調整画面42または設定モード選択画面43において、第1操作部160およびマルチファンクションダイヤル170が所定の時間操作されなかった場合、調整画面42または設定モード選択画面43から定常画面に41に遷移するようにしてもよい。
【0072】
また、所定の設定項目における調整画面42において、第1操作部160が有するその設定項目に対応する機能ボタンが閾値以下の時間押下されることで、調整画面42から定常画面41に遷移するようにしてもよい。
【0073】
また、所定の設定項目における調整画面42において、第1操作部160が有するその設定項目以外の設定項目に対応する機能ボタンが閾値以下の時間押下されることで、先の設定項目についての調整画面42から後の設定項目についての調整画面に遷移するようにしてもよい。
【0074】
ここまで、第1操作部160を主として使用したときの画面遷移について画面遷移について説明した。
【0075】
(2-2-2.第2の例)
続いて、図10を参照して、マルチファンクションダイヤル170を主として使用したときの撮像条件の設定モードの遷移について説明する。定常画面41において、マルチファンクションダイヤル170が押下されると、図10に示すように、定常画面41から設定項目選択画面44に遷移するようにしてもよい。設定項目選択画面44において、マルチファンクションダイヤル170がユーザによって回転されることで設定項目が選択され、マルチファンクションダイヤル170が所定の時間以下の時間押下されることで調整画面42に遷移するようにしてもよい。
【0076】
調整画面42では、ユーザは、マルチファンクションダイヤル170を回転することで、選択した設定項目の設定値を変更することができる。
【0077】
また、設定項目選択画面44において、マルチファンクションダイヤル170が所定の時間超押下されることで、設定項目選択画面44から、選択された設定項目の設定モード選択画面43に遷移するようにしてもよい。
【0078】
設定モード選択画面43では、ユーザによってマルチファンクションダイヤル170が回転されて自動設定モードまたは手動設定モードのいずれかが選択され、マルチファンクションダイヤル170が押下されることで、自動設定モードまたは手動設定モードのいずれかに決定され、決定された設定モードに遷移する。手動設定モードに遷移すると、表示部40は調整画面42を表示し、自動設定モードに遷移すると、設定値が最適値に変更され、表示部40は定常画面41を表示する。
【0079】
なお、調整画面42、設定モード選択画面43または設定項目選択画面44において、第1操作部160およびマルチファンクションダイヤル170が所定の時間操作されなかった場合、調整画面42、設定モード選択画面43または設定項目選択画面44から定常画面41に遷移するようにしてもよい。
【0080】
また、所定の設定項目における調整画面42において、第1操作部160が有するその設定項目に対応する機能ボタンを閾値以下の時間押下することで、調整画面42から定常画面41に遷移するようにしてもよい。
【0081】
また、調整画面42において、マルチファンクションダイヤル170が所定の時間以下の時間押下されることで、調整画面42から設定項目選択画面44に遷移するようにしてもよい。ここまで、第2の例を説明した。
【0082】
なお、第1の例および第2の例で説明した処理において、第1操作部160が有するボタンのいずれかを所定の閾値以下の時間押下することで、設定項目選択画面44から調整画面42に遷移してもよい。
【0083】
以上、第1操作部160および第2操作部170の操作による画面遷移について説明した。なお、上述した第1操作部160および第2操作部170の操作により、表示部40に表示される画面が遷移することなく、撮像条件の設定モードが遷移してもよい。
【0084】
以上、本実施形態による動作処理の一例について説明した。本実施形態に係る撮像装置によれば、より少ない操作ステップで撮像条件を変更することが可能となる。
【0085】
<<3.まとめ>>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本技術はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0086】
例えば、上述した撮像装置1に内蔵されるCPU、ROM、およびRAMなどのハードウェアに、撮像装置1の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該コンピュータプログラムを記憶させたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【0087】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0088】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
撮像条件の設定項目に対応した複数のボタンを有し、操作に応じて前記設定項目の調整を可能とする第1操作部と、
回転操作および押下操作が可能であり、操作に応じて前記設定項目に関する条件を設定する第2操作部と、を備える、撮像装置。
(2)
撮像条件を設定する制御部を備え、
前記制御部は、前記第1操作部における前記ボタンの押下時間が所定の時間以下の場合には、前記ボタンに対応した設定項目の設定値を手動操作で変更可能な手動設定モードとし、
前記ボタンの押下時間が所定の時間超の場合には、前記設定項目に対して、前記手動設定モードと、最適値が前記制御部によって算出されて、設定値が当該最適値に設定される自動設定モードとの、2つのモードの間の切り替えを可能にする切替モードとする、(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記制御部は、前記切替モードにおいて、
前記第2操作部で前記回転操作が行われることにより前記ボタンで選択された設定項目の設定モードを選択し、
前記第2操作部で前記押下操作が行われることにより選択された前記設定モードを決定する、(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記制御部は、前記手動設定モードにおいて、前記第2操作部の前記回転操作が行われることにより前記ボタンで選択された設定項目の設定値を変更する、(2)または(3)に記載の撮像装置。
(5)
前記制御部は、前記手動設定モードにおいて、前記第2操作部の前記回転操作の速度が所定の速度以上の場合に、前記手動設定モードから前記自動設定モードに切り替える、(2)~(4)のいずれか1項に記載の撮像装置。
(6)
前記設定項目に関する情報を表示する表示部を備え、
前記制御部は、前記第1操作部および前記第2操作部の操作に応じた情報を前記表示部に表示する、(2)~(5)のいずれか1項に記載の撮像装置。
(7)
前記制御部は、撮像された画像に前記第1操作部または前記第2操作部の操作に応じた情報を重畳して前記表示部に表示する、(6)に記載の撮像装置。
(8)
前記第2操作部は、光学系が配設された本体部の前面に配置され、
前記第1操作部は、前記本体部の側面に配設されている、(1)~(7)のいずれか1項に記載の撮像装置。
(9)
前記第2操作部は、前記本体部の前面のうち前記光学系より前記第1操作部が設けられた側面側に配設されている、(8)に記載の撮像装置。
(10)
前記第2操作部は、前方から押下操作が可能である、(8)または(9)に記載の撮像装置。
(11)
前記第2操作部は、
円柱状であり、当該円柱の軸方向が前記本体部の前面に対して垂直に配設され、
当該円柱の軸を中心に回転可能であり、かつ、当該軸方向に押下可能である、(8)~(10)のいずれか1項に記載の撮像装置。
(12)
前記設定項目は、アイリス、ゲイン、シャッタースピード、またはホワイトバランスの少なくともいずれかを含む、(1)~(11)のいずれか1項に記載の撮像装置。
(13)
プロセッサが、
撮像条件の設定項目に対応した複数のボタンの操作に応じて前記設定項目の調整を可能とすることと、
回転操作および押下操作が可能な形状の部材の操作に応じて前記設定項目に関する条件を設定することと、を含む、制御方法。
(14)
コンピュータを、
撮像条件の設定項目に対応した複数のボタンを、操作に応じて前記設定項目の調整を可能とする第1操作部として機能させ、
回転操作および押下操作が可能な形状の部材を、操作に応じて前記設定項目に関する条件を設定する第2操作部として機能させるための、プログラム。
【符号の説明】
【0089】
1 撮像装置
10 本体部
20 光学系
30 ハンドル
40 表示部
41 定常画面
42 調整画面
43 設定モード選択画面
44 設定項目選択画面
50 マイクホルダ
60 グリップリモコン
100 調整部
117 アイリス調整ボタン
119 ゲイン調整ボタン
121 ホワイトバランス調整ボタン
123 シャッタースピード調整ボタン
160 第1操作部
170 第2操作部(マルチファンクションダイヤル)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10