(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】香り出力制御装置、香り出力制御システム、および方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240827BHJP
B60H 3/00 20060101ALI20240827BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240827BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G06F3/01 510
B60H3/00 J
G01C21/26 C
G01C21/36
(21)【出願番号】P 2021537633
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(86)【国際出願番号】 JP2020026609
(87)【国際公開番号】W WO2021024682
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2019143652
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デュヴェール セドリック
(72)【発明者】
【氏名】紺谷 悟司
(72)【発明者】
【氏名】藤田 修二
(72)【発明者】
【氏名】井上 幸人
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-283844(JP,A)
【文献】特開2004-260764(JP,A)
【文献】国際公開第2009/037873(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
B60H 3/00
G01C 21/26
G01C 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
香り出力制御を実行する香り出力制御部と、
前記香り出力制御部の制御に従って香り出力を実行する香り出力ユニットを有し、
前記香り出力制御部は、
情報取得部からの入力情報に従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する構成であり、
前記香り出力制御部は、
出力する香りの選択処理に適用する入力情報を、ユーザ設定モードに従って選択し、さらに、
前記入力情報の解析結果に応じた香り出力制御情報であり、ユーザが設定した入力情報解析結果単位の香り出力制御情報に従って香りの出力制御を実行する香り出力制御装置。
【請求項2】
前記香り出力ユニットは、
自動車内に香りを出力する構成である請求項1に記載の香り出力制御装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、
(a)環境情報を取得する環境情報取得部、
(b)車両の動作情報を取得する動作情報取得部、
(c)車両内の乗員の生体情報を取得する生体情報取得部、
(d)音声情報を取得する音声情報取得部、
(e)ネット情報または放送情報の少なくともいずれかの情報を取得するネット、放送情報取得部、
(f)位置情報を取得する位置情報取得部、
(g)広告情報を取得する広告情報取得部、
少なくとも上記(a)~(g)のうち、2つ以上の情報取得部によって構成されている請求項1に記載の香り出力制御装置。
【請求項4】
前記香り出力制御部は、
予め設定されたモードに従って、前記(a)~(g)の情報取得部の取得した情報の1つの情報を選択し、選択した入力情報に従って、出力する香りを選択する請求項3に記載の香り出力制御装置。
【請求項5】
前記香り出力制御部は、
予め設定されたモードに従って、モード対応香りデータベースを選択し、
選択したモード対応香りデータベースに登録された香り出力態様に従って香り出力制御を実行する請求項1に記載の香り出力制御装置。
【請求項6】
前記モード対応香りデータベースには、
香り出力に適用する香り出力カートリッジの識別子が登録されており、
前記香り出力制御部は、
前記モード対応香りデータベースに登録された香り出力カートリッジを利用して香り出力を実行する請求項5に記載の香り出力制御装置。
【請求項7】
前記モード対応香りデータベースには、
香り出力に適用する香り出力カートリッジの識別子が複数、登録されており、
前記香り出力制御部は、
前記モード対応香りデータベースに登録された複数の香り出力カートリッジから利用する香りカートリッジをユーザに選択させるための表示情報を生成して表示部に表示する請求項5に記載の香り出力制御装置。
【請求項8】
前記香り出力制御部は、
前記情報取得部の一構成要素であり、音声情報を取得する音声情報取得部の取得したユーザ発話ワードに従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する請求項1に記載の香り出力制御装置。
【請求項9】
前記香り出力制御部は、
前記情報取得部の一構成要素であり、
ネット情報または放送情報の少なくともいずれかの情報を取得するネット、放送情報取得部の取得したネット、放送情報内の出現ワードに従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する請求項1に記載の香り出力制御装置。
【請求項10】
前記香り出力制御部は、
前記モードをユーザに選択させるための表示情報を生成して表示部に表示する請求項1に記載の香り出力制御装置。
【請求項11】
前記香り出力制御装置において設定可能なモードは、
(A)現在地対応モード、
(B)ワード対応モード、
(C)環境対応モード、
(D)動作状態対応モード、
(E)生体状態対応モード、
(F)広告対応モード、
(G)全取得情報対応モード、
上記(A)~(G)のモードのうち、少なくとも2つ以上のモードである請求項1に記載の香り出力制御装置。
【請求項12】
香り出力処理を実行する香り出力制御装置と、前記香り出力制御装置において出力する香りを決定する香り出力態様決定サーバを有する香り出力制御システムであり、
前記香り出力制御装置は、
情報取得部の取得した情報を前記香り出力態様決定サーバに送信し、
前記香り出力態様決定サーバは、
前記香り出力制御装置から受信した情報に従って、出力する香りを決定し、決定した香りの情報を前記香り出力制御装置に送信し、
前記香り出力制御装置は、
前記香り出力態様決定サーバの決定した香りを、香り出力ユニットを介して出力する構成であり、
前記香り出力制御装置は、
出力する香りの選択処理に適用する情報であり、出力態様決定サーバに送信する情報を、ユーザ設定モードに従って選択し、
前記出力態様決定サーバは、
前記香り出力制御装置から受信した情報の解析結果に応じた香り出力制御情報であり、ユーザが設定した入力情報解析結果単位の香り出力制御情報を前記香り出力制御装置に送信する香り出力制御システム。
【請求項13】
前記香り出力制御装置の前記情報取得部は、
(a)環境情報を取得する環境情報取得部、
(b)車両の動作情報を取得する動作情報取得部、
(c)車両内の乗員の生体情報を取得する生体情報取得部、
(d)音声情報を取得する音声情報取得部、
(e)ネット情報または放送情報の少なくともいずれかの情報を取得するネット、放送情報取得部、
(f)位置情報を取得する位置情報取得部、
(g)広告情報を取得する広告情報取得部、
少なくとも上記(a)~(g)のうち、2つ以上の情報取得部によって構成されており、
前記香り出力制御装置は、
予め設定されたモードに従って、前記(a)~(g)の情報取得部の取得した情報の1つの情報を選択し、選択した情報を前記香り出力態様決定サーバに送信する請求項12に記載の香り出力制御システム。
【請求項14】
香り出力制御装置において実行する香り出力制御方法であり、
前記香り出力制御装置は、
香り出力制御を実行する香り出力制御部と、
前記香り出力制御部の制御に従って香り出力を実行する香り出力ユニットを有し、
前記香り出力制御部が、
情報取得部からの入力情報に従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する処理を実行し、
予め設定されたモードに従って、前記入力情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した入力情報に従って、出力する香りを選択する
処理を実行し、
前記香り出力制御部は、
出力する香りの選択処理に適用する入力情報を、ユーザ設定モードに従って選択し、さらに、
前記入力情報の解析結果に応じた香り出力制御情報であり、ユーザが設定した入力情報解析結果単位の香り出力制御情報に従って香りの出力制御を実行する香り出力制御方法。
【請求項15】
香り出力処理を実行する香り出力制御装置と、前記香り出力制御装置において出力する香りを決定する香り出力態様決定サーバを有する香り出力制御システムにおいて実行する香り出力制御方法であり、
前記香り出力制御装置が、
予め設定されたモードに従って、情報取得部の取得した情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した情報を前記香り出力態様決定サーバに送信し、
前記香り出力態様決定サーバが、
前記香り出力制御装置から受信した情報に従って、出力する香りを決定し、決定した香りの情報を前記香り出力制御装置に送信し、
前記香り出力制御装置が、
前記香り出力態様決定サーバの決定した香りを、香り出力ユニットを介して出力する
処理を実行し、
前記香り出力制御装置は、
出力する香りの選択処理に適用する情報であり、出力態様決定サーバに送信する情報を、ユーザ設定モードに従って選択し、
前記出力態様決定サーバは、
前記香り出力制御装置から受信した情報の解析結果に応じた香り出力制御情報であり、ユーザが設定した入力情報解析結果単位の香り出力制御情報を前記香り出力制御装置に送信する香り出力制御方法。
【請求項16】
香り出力制御装置において香り出力制御処理を実行させるプログラムであり、
前記香り出力制御装置は、
香り出力制御を実行する香り出力制御部と、
前記香り出力制御部の制御に従って香り出力を実行する香り出力ユニットを有し、
前記プログラムは、前記香り出力制御部に、
情報取得部からの入力情報に従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する処理を実行させ、
予め設定されたモードに従って、前記入力情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した入力情報に従って、出力する香りを選択
する処理を実行させ、
さらに、前記プログラムは、前記香り出力制御部に、
出力する香りの選択処理に適用する入力情報を、ユーザ設定モードに従って選択する処理と、
前記入力情報の解析結果に応じた香り出力制御情報であり、ユーザが設定した入力情報解析結果単位の香り出力制御情報に従って香りの出力制御を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、香り出力制御装置、香り出力制御システム、および方法、並びにプログラムに関する。さらに詳細には、自動車等の乗り物の車内に状況に応じた様々な香りを出力する香り出力制御装置、香り出力制御システム、および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、乗用車等の自動車のユーザは、利用する自動車の車内に香りを漂わせるために芳香剤を装着する場合が多い。
芳香剤には、例えばラベンダー、レモン、ジャスミン等、様々な種類があり、ユーザは好みの香りを放出する芳香剤を車内に取り付けることができる。
【0003】
さらに、香りを利用して運転者等の乗員に案内情報を通知する構成についても提案されている。
例えば、特許文献1(特開2001-349739号公報)は、自動者の運転者等の乗員に場所や施設等の案内のための香り放出構成について開示している。
自動車が、ある特定の場所や施設等に近づいた場合に特定の香りを自動的に放出し、運転者等に案内する構成である。
【0004】
さらに、特許文献2(特開2010-111315号公報)は、信号機の表示の遷移に応じた香りを放出して、信号機の表示が変更されたことを香りで知らせる構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-349739号公報
【文献】特開2010-111315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように香りによる通知処理を開示した従来技術は、複数存在する。しかし、特許文献1に記載の構成は、地図情報のみに依存した香り放出構成を開示しているに過ぎない。
また、特許文献2は、信号機の表示に連動した香り放出構成を開示しているに過ぎない。
【0007】
本開示は、香りの出力タイミングや出力間隔の制御を可能とし、さらに、自動車の運転者や乗員等のユーザの発話内容や、ネットから取得される話題となっているワード等、様々な入力情報を解析して、放出する香りを制御する香り出力制御装置、香り出力制御システム、および方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の側面は、
香り出力制御を実行する香り出力制御部と、
前記香り出力制御部の制御に従って香り出力を実行する香り出力ユニットを有し、
前記香り出力制御部は、
情報取得部からの入力情報に従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する構成であり、
予め設定されたモードに従って、前記入力情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した入力情報に従って、出力する香りを選択する香り出力制御装置にある。
【0009】
さらに、本開示の第2の側面は、
香り出力処理を実行する香り出力制御装置と、前記香り出力制御装置において出力する香りを決定する香り出力態様決定サーバを有する香り出力制御システムであり、
前記香り出力制御装置は、
情報取得部の取得した情報を前記香り出力態様決定サーバに送信し、
前記香り出力態様決定サーバは、
前記香り出力制御装置から受信した情報に従って、出力する香りを決定し、決定した香りの情報を前記香り出力制御装置に送信し、
前記香り出力制御装置は、
前記香り出力態様決定サーバの決定した香りを、香り出力ユニットを介して出力する構成であり、
前記香り出力制御装置は、
予め設定されたモードに従って、前記情報取得部の取得した情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した情報を前記香り出力態様決定サーバに送信する香り出力制御システムにある。
【0010】
さらに、本開示の第3の側面は、
香り出力制御装置において実行する香り出力制御方法であり、
前記香り出力制御装置は、
香り出力制御を実行する香り出力制御部と、
前記香り出力制御部の制御に従って香り出力を実行する香り出力ユニットを有し、
前記香り出力制御部が、
情報取得部からの入力情報に従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する処理を実行し、
予め設定されたモードに従って、前記入力情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した入力情報に従って、出力する香りを選択する香り出力制御方法にある。
【0011】
さらに、本開示の第4の側面は、
香り出力処理を実行する香り出力制御装置と、前記香り出力制御装置において出力する香りを決定する香り出力態様決定サーバを有する香り出力制御システムにおいて実行する香り出力制御方法であり、
前記香り出力制御装置が、
予め設定されたモードに従って、情報取得部の取得した情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した情報を前記香り出力態様決定サーバに送信し、
前記香り出力態様決定サーバが、
前記香り出力制御装置から受信した情報に従って、出力する香りを決定し、決定した香りの情報を前記香り出力制御装置に送信し、
前記香り出力制御装置が、
前記香り出力態様決定サーバの決定した香りを、香り出力ユニットを介して出力する香り出力制御方法にある。
【0012】
さらに、本開示の第5の側面は、
香り出力制御装置において香り出力制御処理を実行させるプログラムであり、
前記香り出力制御装置は、
香り出力制御を実行する香り出力制御部と、
前記香り出力制御部の制御に従って香り出力を実行する香り出力ユニットを有し、
前記プログラムは、前記香り出力制御部に、
情報取得部からの入力情報に従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する処理を実行させ、
予め設定されたモードに従って、前記入力情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した入力情報に従って、出力する香りを選択させるプログラムにある。
【0013】
なお、本開示のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置、画像処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0014】
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本開示の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【0015】
本開示の一実施例の構成によれば、情報取得部の取得する様々な情報に基づいて出力する香りを制御する装置、方法が実現される。
具体的には、例えば、香り出力制御を実行する香り出力制御部と、香り出力制御部の制御に従って香り出力を実行する香り出力ユニットを有し、香り出力制御部は、情報取得部からの入力情報に従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、香り出力ユニットを介して出力する。香り出力制御部は、予め設定されたモードに従って、入力情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した入力情報に従って、出力する香りを選択する。例えばユーザ発話や、地域、施設等の情報に基づいて出力する香りの制御を実行する。
本構成により、情報取得部の取得する様々な情報に基づいて出力する香りを制御する装置、方法が実現される。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の香り出力制御装置の利用例について説明する図である。
【
図2】本開示の香り出力制御装置の利用例について説明する図である。
【
図3】本開示の香り出力制御装置の構成例について説明する図である。
【
図4】情報取得部の取得する情報の例について説明する図である。
【
図5】香り出力制御装置の香り出力制御部の詳細構成例について説明する図である。
【
図6】入出力部(UI)に表示するデータの一例について説明する図である。
【
図7】本開示の香り出力制御装置の設定モードについて説明する図である。
【
図8】現在地対応モードにおける香り出力制御処理について説明する図である。
【
図9】現在地対応モードにおいて利用する位置、施設対応香りデータベースのデータ構成例について説明する図である。
【
図10】位置、施設対応香りデータベース等のモード対応香りデータベースに記録される香り出力態様の構成データについて説明する図である。
【
図11】現在地対応モードにおける香り出力制御処理について説明する図である。
【
図12】ワード対応モードにおける香り出力制御処理について説明する図である。
【
図13】ワード対応モードにおいて利用するワード対応香りデータベースのデータ構成例について説明する図である。
【
図14】サーバ側で処理を行うシステム構成を有する香り出力制御装置の構成例について説明する図である。
【
図15】サーバ側で処理を行うシステム構成を有する本開示の香り出力制御装置の構成例について説明する図である。
【
図16】本開示の香り出力制御装置が実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【
図17】本開示の香り出力制御装置が実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【
図18】香り出力制御装置のハードウェア構成例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本開示の香り出力制御装置、香り出力制御システム、および方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行なう。
1.本開示の香り出力制御装置の構成と処理について
2.香り出力制御部の構成と実行する処理について
3.本開示の香り出力制御装置が実行する香り出力制御の具体例について
3-(1)現在地対応モードにおける香り出力制御例について
3-(2)ワード対応モードにおける香り出力制御例について
4.香り出力態様決定処理を外部サーバにおいて実行する構成例について
5.本開示の香り出力制御装置が実行する処理のシーケンスについて
6.本開示の香り出力制御処理を利用したビジネス展開例について
7.香り出力制御装置のハードウェア構成例について
8.本開示の構成のまとめ
【0018】
[1.本開示の香り出力制御装置の構成と処理について]
図1以下を参照して本開示の香り出力制御装置の構成と処理について説明する。
【0019】
図1は、本開示の香り出力制御装置の利用例を示す図である。本開示の香り出力制御装置は、
図1に示すように例えば乗用車等の移動装置に装着される。なお、本開示の香り出力制御装置は、乗用車等の車両に限らず、電車、バイク、自転車等の様々な移動装置に装着可能である。
以下では、代表例として本開示の香り出力制御装置を乗用車等の自動車である車両に装着した場合の実施例について説明する。
【0020】
図1に示すように、車両の各座席に香り成分を出力(噴出)する香り出力ユニットを装着する。
香り出力ユニット1は、車両の前方右側座席の乗員、例えば運転者に向けて香り成分を出力する。
香り出力ユニット2は、車両の前方左側座席の乗員に向けて香り成分を出力する。
香り出力ユニット3は、車両の後方右側座席の乗員に向けて香り成分を出力する。
香り出力ユニット4は、車両の後方左側座席の乗員に向けて香り成分を出力する。
【0021】
本開示の香り出力制御装置は、これらの各香り出力ユニット1~4からの香りの出力を制御する。
なお、香り出力ユニットの数や配置、様々な設定が可能である。
例えば
図2に示すように、1つの香り検出ユニット1を車両天井中央部に設けて、各座席に向けて選択的に香りを出力する構成としてもよい。
【0022】
なお、本開示の構成において、香り出力ユニットは、例えばラベンダー、レモン、ジャスミン等の香りの他、例えば森林の香り、ラーメンの香り、ハンバーガーの香り、化粧品の香り等、様々な種類の香りを選択的に出力することが可能な構成を持つ。
【0023】
詳細は後段で説明するが、本開示の香り出力制御装置は、香りの出力タイミングや出力間隔の制御を可能とし、さらに、例えば自動車の運転者や乗員等のユーザの発話内容や、ネットから取得される話題となっているワード等、様々な入力情報を解析して、放出する香りを制御する構成を有する。
【0024】
香り出力ユニットは、様々な異なる香り成分をそれぞれ個別のカートリッジに格納し、香り出力制御装置の制御部が1つのカートリッジを選択してカートリッジ内の香り成分を外部に出力(噴出)させる制御を行う。
【0025】
香り出力ユニットは、香り出力制御部によって制御される。香り出力制御部は、出力香りの種類の選択処理を行い、さらに、香り出力の開始・停止処理を実行する。さらに、カートリッジ内の香り成分残量を検知することが可能な構成であり、残量が少なくなった場合は、アラーム出力等を実行する。
【0026】
なお、既存の香り出力ユニットの一構成例としてソニー製のAROMASTICがある。ソニー製のAROMASTICは、ソニー独自のScentents(登録商標)テクノロジーを利用して香りを出力する。具体的には、カートリッジ内にドライエアーを吹き込むブロア処理による気体拡散方式により空気そのものに香りづけを行う方式である。
本開示の香り出力制御装置の香り出力ユニットは、例えばこの方式を用いた香り出力ユニットであり、各ユニットの香り種類の切り替えや香り出力強度等の制御を制御部が実行する。
【0027】
図3に、本開示の香り出力制御装置の一構成例を示す。
図3に示すように、香り出力制御装置100は、環境センサ101、車両動作センサ102、生体センサ103、マイク104、通信部105、記憶部106、情報取得部110、香り出力制御部120、入出力部(UI)130、香り出力ユニット150を有する。
【0028】
情報取得部110は、環境情報取得部111、動作情報取得部112、生体情報取得部113、音声情報取得部114、ネット、放送(TV,ラジオ,Web,SNS等)情報取得部115、位置情報取得部(GNSS)116、広告情報取得部117を有する。
【0029】
香り出力ユニット150内には、ブロア制御部151、流路制御部152、香り選択出力部153を有する。
なお、香り出力ユニット150は、1つ、または複数、設けられる。
【0030】
情報取得部110の各構成要素が取得する情報について、
図4を参照して説明する。
図4には、情報取得部110の各構成要素、すなわち、環境情報取得部111、動作情報取得部112、生体情報取得部113、音声情報取得部114、ネット、放送(TV,ラジオ,Web,SNS等)情報取得部115、位置情報取得部(GNSS等)116、広告情報取得部117、これらの各構成要素が取得する情報の例を示している。
【0031】
環境情報取得部111は、環境センサ101から各種の環境情報を入力する。
環境センサ101は、例えば、温度センサ、湿度センサ、時計等の各種センサによって構成される。環境情報取得部111は、これら各種センサの検出情報を入力し、入力情報に基づいて、香り出力制御部120に出力するための情報を取得または生成する。
【0032】
具体的には、環境情報取得部111は、
図4に示すように、気温、湿度、天気、季節、月日、時間、これらの情報を環境センサ101からの入力情報から取得、または入力情報に基づいて生成して、香り出力制御部120に出力する。
【0033】
動作情報取得部112は、車両動作センサ102から各種の車両動作情報を入力する。
車両動作センサ102は、例えば、車両に備えられた速度センサや、アクセル、ブレーキ、ステアリング等の操作部の操作情報を検出するセンサ等等の各種センサによって構成される。動作情報取得部112は、これら各種センサの検出情報を入力し、入力情報に基づいて、香り出力制御部120に出力するための情報を取得または生成する。
【0034】
具体的には、動作情報取得部112は、
図4に示すように、車両動作情報、例えば、速度、傾き、加速、減速、トラクションコントロール情報等、これらの情報を車両動作センサ102からの入力情報から取得、または入力情報に基づいて生成して、香り出力制御部120に出力する。
【0035】
生体情報取得部113は、生体センサ103から各種の生体情報を入力する。
生体センサ103は、例えば、脈拍センサ、呼吸センサ、瞳孔センサ等の各種センサによって構成される。生体情報取得部113は、これら各種センサの検出情報を入力し、入力情報に基づいて、香り出力制御部120に出力するための情報を取得または生成する。
【0036】
具体的には、生体情報取得部113は、
図4に示すように、生体情報、例えば、脈拍、瞬き、瞳孔、呼吸、脳波等、これらの情報を生体センサ103からの入力情報から取得、または入力情報に基づいて生成して、香り出力制御部120に出力する。
【0037】
音声情報取得部114は、マイク104から各種の音声情報を入力する。
マイク104は、例えば、車両の運転者や乗員の発話を取得する。音声情報取得部114は、これらの音声情報を入力し、入力情報に基づいて、香り出力制御部120に出力するための情報を取得または生成する。
具体的には、音声情報取得部114は、
図4に示すように、会話内容、会話に基づく感情情報、これらの情報をマイク104からの入力情報から取得、または入力情報に基づいて生成して、香り出力制御部120に出力する。
【0038】
ネット、放送(TV,ラジオ,Web,SNS等)情報取得部115は、テレビ、ラジオ、スマホ、ナビシステム、さらに通信部105を介して外部サーバ、スマホ、他車両等から各種の情報を入力する。
例えば、車内で利用中のテレビ、ラジオ、スマホ、ナビシステム、あるいは通信部105を介して接続されるサーバ、スマホ等の通信装置、他車両等の外部機器から、様々な情報を入力し、入力情報に基づいて、香り出力制御部120に出力するための情報を取得または生成する。
【0039】
具体的には、ネット、放送(TV,ラジオ,Web,SNS等)情報取得部115は、
図4に示すように、TV,ラジオ、SNS、Webから取得される情報、例えば、ニュース、災害情報、SNSトレンド情報、SNS感情情報、近隣の話題情報、第三者のおすすめ情報等を取得、解析して、香り出力制御部120に出力する。
【0040】
位置情報取得部116は、通信部105を介して衛星から取得される例えばGNSS(Global Navigation Satellite System/全地球即位衛星システム)信号やWi-Fi信号を入力して、現在位置を解析して、香り出力制御部120に出力するための情報を取得または生成する。
【0041】
具体的には、位置情報取得部116は、
図4に示すように、GNSS(GPS)、Wi―Fi等の情報を入力情報から取得、または入力情報に基づいて生成して、香り出力制御部120に出力する。
【0042】
広告情報取得部117は、通信部105を介して入力する広告配信サーバ、放送、ネットから取得される広告情報や、予め記憶部106に格納済みの広告情報等を入力して、入力情報に基づいて、香り出力制御部120に出力するための情報を取得または生成する。
【0043】
広告情報取得部117は、
図4に示すように、広告配信サーバ、放送、ネットから取得される広告情報、これらの情報を入力情報から取得、または入力情報に基づいて生成して、香り出力制御部120に出力する。
【0044】
通信部105は、外部サーバである広告配信サーバ、香り管理サーバや、他車、他の通信機器(スマホ等)との通信を実行する。なお、通信情報は、情報取得部110の他、香り出力制御部120にも入力される。
【0045】
記憶部106は、地図情報、広告情報の他、情報取得部110が取得した情報、例えば
図4を参照して説明した各種情報の記憶領域として利用される。さらに、香り出力制御装置100が実行する処理プログラム、処理パラメータ等も記憶される。
【0046】
入出力部(UI)130は、ユーザによる様々な処理要求に対する入力部、ユーザに対する情報の出力部としてのUI(ユーザインタフェース)等にによって構成される。なお、入出力部(UI)130を介した情報表示例、情報入力例の具体例については後段で説明する。
【0047】
香り出力制御部120は、情報取得部110から入力する各種情報、さらに、入出力部(UI)130を介して入力されるユーザ指示情報等に基づいて、香り出力ユニット150-1~nを制御して様々な香りを出力する制御を実行する。
【0048】
香り出力制御部125は、各香り出力ユニット150のブロア制御部151、流路制御部152、香り選択出力部153の各々を制御して、出力する香りの種類の選択処理や、出力する香りの出力強度、出力時間、香りの出力流路の制御等を実行する。
香り選択出力部153は、例えば、様々な異なる香りを格納した多数のカートリッジから1つを選択してそのカートリッジの香りを車内に出力する制御を実行する。
【0049】
[2.香り出力制御部の構成と実行する処理について]
次に、
図3に示す香り出力制御装置100の香り出力制御部120の構成と実行する処理について説明する。
【0050】
図5は、香り出力制御装置100の香り出力制御部120の詳細構成例を示す図である。について説明する。
図5に示すように、香り出力制御部120は、香り出力態様決定部121、UI制御部122、香り出力ユニット制御部134を有する。
【0051】
香り出力態様決定部121は、情報取得部110からの入力情報と、UI制御部122を介して入力するユーザ設定情報等に基づいて、香り出力態様を決定する。
【0052】
情報取得部110は、先に
図3を参照して説明したように、、環境情報取得部111、動作情報取得部112、生体情報取得部113、音声情報取得部114、ネット、放送(TV,ラジオ,Web,SNS等)情報取得部115、位置情報取得部(GNSS等)116、広告情報取得部117、これらの各情報取得部によって構成される。
【0053】
香り出力態様決定部121は、これらの各構成要素から入力する情報と、UI制御部122を介して入力するユーザ設定情報等に基づいて、香り出力態様を決定する。
【0054】
UI制御部122は、ユーザに提示する表示情報を生成し、入出力部(UI)130に出力するとともに、入出力部(UI)130に対するユーザ入力を解析する。解析情報は、香り出力態様決定部121に入力される。
【0055】
香り出力ユニット制御部123は、香り出力態様決定部121の決定した香り出力態様に従って、香り出力ユニット150を制御して、香り出力ユニット150から様々な香りを出力する。
【0056】
なお、各香り出力ユニット150は、先に
図3を参照して説明したように、ブロア駆動部151、流路制御部152、香り選択出力部153を有し、香り出力ユニット制御部123は、香り出力ユニット150のこれらの各構成部に制御信号を入力して、出力する香りの種類選択と出力制御を実行する。
【0057】
次に、
図6を参照して、UI制御部122がユーザに提示する情報の一例について説明する。
図6は、UI制御部122が、入出力部(UI)130を構成する表示部に表示するUIデータ、すなわちユーザに提示する情報の一例を示す図である。
【0058】
UI制御部122は、
図5に示すように、表示データとして、モード選択部131、香り選択部132、モード選択部スクロールアイコン133、香り選択部スクロールアイコン134等を有する表示データを入出力部(UI)130に表示する。
【0059】
モード選択部131は、「現在地対応モード(ロケーションモード)」や、「ワード対応モード(ワードモード)」等、様々なモードを選択可能としたモード選択部である。
モード選択部スクロールアイコン133をタッチすることで、表示部に様々なモード選択部を表示し、ユーザは、表示されたモード選択部の1つにタッチすることで、タッチしたモードを選択することができる。
【0060】
図7を参照して、本開示の香り出力制御装置100において設定可能なモードの例と、各モードにおける香り出力態様の具体例について説明する。
【0061】
図7に示すように、本開示の香り出力制御装置100において設定可能なモードとして、例えば以下のモードがある。
(1)現在地対応モード
(2)ワード対応モード
(3)環境対応モード
(4)動作状態対応モード
(5)生体状態対応モード
(6)広告対応モード
(7)全取得情報対応モード
【0062】
(1)現在他対応モードは、香り出力制御装置100を搭載した車両の現在地に応じた香りを出力するモードである。具体的には、例えば位置情報取得部116が取得した現在位置や、現在位置にある施設等に基づいて選択した香りを出力するモードである。
【0063】
(2)ワード対応モードは、香り出力制御装置100を搭載した車両の乗員の発話や、テレビ、ラジオ、スマホ等の機器から出力される発話や音楽、さらに、ナビシステムの入出力ワード、ネット接続機器の入出力ワード、例えばSNS等において話題となっているワード等に基づいて選択した香りを出力するモードである。
例えば、音声情報取得部114、ネット、放送情報取得部115の取得情報に基づいて香り選択処理を実行する。
【0064】
(3)環境対応モードは、香り出力制御装置100を搭載した車両の外部環境、例えば天気や温度等に基づいて選択した香りを出力するモードである。
例えば、環境情報取得部111の取得情報に基づいて香り選択処理を実行する。
【0065】
(4)動作状態対応モードは、香り出力制御装置100を搭載した車両の動作状態に基づいて選択した香りを出力するモードである。
例えば、動作情報取得部113の取得情報に基づいて香り選択処理を実行する。
【0066】
(5)生体状態対応モードは、香り出力制御装置100を搭載した車両の乗員の生体状態に基づいて選択した香りを出力するモードである。
例えば、生体情報取得部114の取得情報に基づいて香り選択処理を実行する。
【0067】
(6)広告対応モードは、外部の広告や、テレビ、ラジオ、スマホ等の機器から検出した広告、あるは記憶部に予め記録された広告情報に基づいて選択した香りを出力するモードである。
【0068】
(7)全取得情報対応モードは、上記の各モード(1)~(6)をすべて実行するモードである。異なるモードで時間的に重複して異なる香りが選択されるのを防止するため、モードの実行順に予め優先順位を設定し、優先順位の高いモードにおいて選択された香りを優先的に出力する。
【0069】
なお、ユーザは、
図6に示す入出力部(UI)130の表示画面のモード選択部131を1つ選択した後、さらに、画面下部の香り選択部132から1つの香りを選択すすることができる。
【0070】
香り選択部132には、ユーザの選択したモードに従って選択された複数の異なる香り出力候補が表示される。
この香り選択部132にも、左右に香り選択部スクロールアイコン134が表示され、香り出力候補が多数、ある場合は、このスクロールアイコンをタッチすることで、多数の香り出力候補を順次、表示することができる。
【0071】
香り選択部132に表示される香り出力候補の各々は、それぞれ1つの香りカートリッジに対応し、各香りカートリッジに含まれる香り成分情報と、各香り成分の残量情報が併せて表示される構成となっている。
ユーザは、この残量表示を確認して、カートリッジの取り換え要否を判定することもできる。
【0072】
ユーザは、香り選択部132に表示された複数の香り出力候補から1つの香りを選択したタッチする。このタッチによるユーザ選択情報が、UI制御部122を介して香り出力態様決定部121に入力される。
香り出力態様決定部121は、このユーザによって選択された香りを香り出力ユニット制御部123に通知し、香り出力ユニット制御部123は、香り出力ユニット150を制御してユーザの選択した香りを出力する。
【0073】
なお、規定時間内にユーザによる選択が実行されなかった場合は、予め規定された優先順位の高いカートリッジ、例えば
図6に示す右端のおすすめカートリッジを利用カートリッジとして選択する。
【0074】
[3.本開示の香り出力制御装置が実行する香り出力制御の具体例について]
次に、本開示の香り出力制御装置100が実行する香り出力制御の具体例について説明する。以下では、以下の2つのモード設定時の香り出力制御の具体例について説明する。
(1)現在地対応モード
(2)ワード対応モード
【0075】
(3-(1)現在地対応モードにおける香り出力制御例について)
まず、現在地対応モードにおける香り出力制御例について説明する。
【0076】
図8は、本開示の香り出力制御装置100のモード設定が、現在地対応モードである場合に、香り出力制御部120が実行する処理を説明する図である。
【0077】
現在地対応モードである場合、香り出力制御部120の香り出力態様決定部121は、情報取得部110の位置情報取得部116から、車両の現在位置情報を入力する。
【0078】
香り出力制御部120の香り出力態様決定部121は、さらに、通信部105を介して接続されるデータ提供サーバ200、または記憶部106から、地図、施設データ171や、位置、施設対応香りデータベース172を取得する。
【0079】
地図、施設データ171は、地図情報や施設情報が記録されたデータであり、香り出力制御部120は、位置情報取得部116から入力する車両の現在位置情報に基づいて、現在の地図上の位置や近辺の施設情報等を確認することができる。
【0080】
位置、施設対応香りデータベース172には、地図上の位置や施設に対応する最適な香り出力候補や、香り出力態様情報等を記録したデータである。
【0081】
図9を参照して、位置、施設対応香りデータベース172の記録データの具体例について説明する。
図9に示すように、位置、施設対応香りデータベース172には、以下の各データが対応付けて記録されている。
(A)位置(緯度、経度)
(B)近隣の地域、施設情報
(C)出力する香りの種類
(D)利用する香りカートリッジ
(E)香り出力領域、
(F)香り出力間隔
(G)香り出力態様
【0082】
なお、これらの登録情報は、ユーザが自由に変更できる。例えば出力する香りの種類や利用するカートリッジ、香り出力領域、間隔、態様等は、ユーザの好みに応じて変更することが可能である。
【0083】
(A)位置(緯度、経度)は、例えば位置情報取得部116から入力する車両の現在位置情報との照合データとして利用される。
香り出力制御部120の香り出力態様決定部121は、位置情報取得部116から入力する車両の現在位置情報に最も近い位置情報が記録されたエントリを選択して、選択エントリに記録された情報に従った、UI情報の提示処理や香り出力制御を行う。
【0084】
なお、(G)香り出力態様には、各エントリ対応の様々な香り出力態様情報が記録されている。
(G)香り出力態様の記録データの種類の具体例を
図10に示す。
【0085】
図10に示すように、(G)香り出力態様には、各エントリ対応の様々な香り出力態様情報として、以下の情報が記録される。
(1)香りの種類、(2)ブレンド配合、(3)濃度、量、(4)方向時間、(5)強度、(6)デューテイ(Duty)比、(7)広がり、(8)距離、(9)経時強度変化、(10)経時香調変化、(11)フェードIN/OUT
これらの各データは、香りの出力態様を決める様々なデータであり、各エントリについて予めこれらの各データが設定され、記録されている。
【0086】
例えば、位置情報取得部116から入力する車両の現在位置情報に最も近い位置情報が記録されたエントリがエントリ(1)である場合、エントリ(1)に記録された情報に従ってUI情報の提示処理や香り出力制御を行う。
エントリ(1)の(B)~(F)の情報は以下の通りである。
(B)近隣の地域、施設情報=香川県近辺
(C)出力する香りの種類=うどんの香り
(D)利用する香りカートリッジ=カートリッジB,F,Q
(E)香り出力領域=香川県内、
(F)香り出力間隔=領域侵入時と、その後1時間ごとに出力
【0087】
香り出力制御部120の香り出力態様決定部121は、位置情報取得部116から入力する車両の現在位置情報に最も近い(A)位置情報が記録されたエントリ(1)の登録データに基づいて、現在位置の近隣地域が香川県であると判定する。
さらに、出力する香りがうどんの香りであり、このうどんの香りを出力するために最適なカートリッジがカートリッジB,F,Qであることを登録データに基づいて判定する。
【0088】
香り出力態様決定部121は、このカートリッジB,F,Qの登録カートリッジ情報をUI制御部122に通知する。
UI制御部122は、カートリッジB,F,Qを香り選択候補とした一覧データを、先に
図6を参照して説明したUIデータの構成データである香り選択部132表示領域に出力する。
ユーザは、うどんの香りに類似する香りからなるカートリッジB、F,Qから出力する香りを選択することができる。
【0089】
香り出力制御部120の香り出力態様決定部121は、UI制御部122を介して入力するユーザ選択情報に従って、選択されたカートリッジを利用カートリッジとして決定し、香り出力ユニット制御部123に選択されたカートリッジ情報を通知する。
【0090】
さらに、香り出力態様決定部121は、位置、施設対応香りデータベース172に登録された、以下の各情報、すなわち、
(E)香り出力領域=香川県内、
(F)香り出力間隔=領域侵入時と、その後1時間ごとに出力
(G)香り出力態様、
これらの情報も香り出力ユニット制御部123に通知する。
【0091】
香り出力ユニット制御部123は、香り出力態様決定部121からの入力情報、すなわち、利用すべきカートリッジの種類(識別子)と、上記(E)~(G)の各情報を適用して、上記(E)~(G)の各情報に従った香り出力制御を実行する。
【0092】
次に、
図9に示すエントリ(4)を適用した処理を行う場合の処理例について、
図11を参照して説明する。
図11に示すように、車両が、サッカースタジアムから1Km以内の領域に侵入した段階で、ユーザの選択した香りカートリッジの香り出力を実行する例である。
図9に示すエントリ(4)は、本開示の香り出力制御装置100を搭載した車両がサッカースタジアムに近づいている際に適用されるエントリである。
【0093】
図9のデータのエントリ(4)の登録データは、
(D)カートリッジP,K,M
(E)香り出力領域=スタジアムから1Km
(F)香り出力間隔=領域侵入時と、その後20分ごとに出力
これらの登録データである。
【0094】
香り出力態様決定部121は、まず、カートリッジP,K,Mの登録カートリッジ情報をUI制御部122に通知する。
UI制御部122は、カートリッジP,K,Mを香り選択候補とした一覧データを、先に
図6を参照して説明したUIデータの構成データである香り選択部132表示領域に出力する。
ユーザは、出力する香りを選択する。
【0095】
香り出力制御部120の香り出力態様決定部121は、UI制御部122を介して入力するユーザ選択情報に従って、選択されたカートリッジを利用カートリッジとして決定し、香り出力ユニット制御部123に選択されたカートリッジ情報を通知する。
【0096】
さらに、香り出力態様決定部121は、位置、施設対応香りデータベース172に登録された、以下の各情報、すなわち、
(E)香り出力領域=スタジアムから1Km
(F)香り出力間隔=領域侵入時と、その後20分ごとに出力
(G)香り出力態様、
これらの情報も香り出力ユニット制御部123に通知する。
【0097】
香り出力ユニット制御部123は、香り出力態様決定部121からの入力情報、すなわち、利用すべきカートリッジの種類(識別子)と、上記(E)~(G)の各情報を適用して、上記(E)~(G)の各情報に従った香り出力制御を実行する。
具体的には、
図11に示すように、車両が、サッカースタジアムから1Km以内の領域に侵入した段階で、ユーザの選択した香りカートリッジの香り出力を実行する。さらに、その後、20分ごとに香り出力を実行する。
【0098】
このような制御により、ユーザ、すなわち車両の乗員は、車両がサッカースタジアムに近づいていることを香りに基づいて知ることができる。
【0099】
(3-(2)ワード対応モードにおける香り出力制御例について)
次に、ワード対応モードにおける香り出力制御例について説明する。
【0100】
先に
図7を参照して説明したように、ワード対応モードは、香り出力制御装置100を搭載した車両の乗員の発話や、テレビ、ラジオ、スマホ等の機器から出力される発話や音楽、さらに、ネット接続機器のワード、例えばSNS等において話題となっているワード等に基づいて選択した香りを出力するモードである。
例えば、音声情報取得部114、ネット、放送情報取得部115の取得情報に基づいて香り選択処理を実行する。
【0101】
図12は、本開示の香り出力制御装置100のモード設定が、ワード対応モードである場合に、香り出力制御部120が実行する処理を説明する図である。
【0102】
ワード対応モードである場合、香り出力制御部120の香り出力態様決定部121は、情報取得部110の音声情報取得部114や、ネット、放送情報取得部115から、香り出力制御装置100を搭載した車両の乗員の発話や、テレビ、ラジオ、スマホ等の機器から出力される発話や音楽、さらに、ネット接続機器のワード、例えばSNS等において話題となっているワード等の情報を入力する。
【0103】
香り出力制御部120の香り出力態様決定部121は、さらに、通信部105を介して接続されるデータ提供サーバ200、または記憶部106から、地図、施設データ171や、ワード対応香りデータベース173を取得する。
【0104】
地図、施設データ171は、地図情報や施設情報が記録されたデータであり、香り出力制御部120は、位置情報取得部116から入力する車両の現在位置情報に基づいて、現在の地図上の位置や近辺の施設情報等を確認することができる。
【0105】
ワード対応香りデータベース173には、車両の乗員の発話や、テレビ、ラジオ、スマホ等の機器から出力される発話や音楽に含まれるワード、さらに、ネット接続機器のワード、例えばSNS等において話題となっているワードに対応する最適な香り出力候補や、香り出力態様情報等を記録したデータである。
【0106】
図13を参照して、ワード対応香りデータベース173の記録データの具体例について説明する。
図13に示すように、ワード対応香りデータベース173には、以下の各データが対応付けて記録されている。
(A)ワード
(B)出力する香りの種類
(C)利用する香りカートリッジ
(D)香り出力タイミング、領域、
(E)香り出力間隔
(F)香り出力態様
【0107】
なお、これらの登録情報は、ユーザが自由に変更できる。例えば出力する香りの種類や利用するカートリッジ、香り出力タイミング、領域、間隔、態様等は、ユーザの好みに応じて変更することが可能である。
【0108】
(A)ワードは、例えば、音声情報取得部114や、ネット、放送情報取得部115から入力するワード、すなわち、車両の乗員の発話や、テレビ、ラジオ、スマホ等の機器から出力される発話や音楽に含まれるワード、さらに、ネット接続機器のワード、例えばSNS等において話題となっているワードとの照合データとして利用される。
香り出力制御部120の香り出力態様決定部121は、入力ワードに最も近いワードが記録されたエントリを選択して、選択エントリに記録された情報に従った、UI情報の提示処理や香り出力制御を行う。
【0109】
なお、(G)香り出力態様には、各エントリ対応の様々な香り出力態様情報が記録されており、先に
図10を参照して説明した以下の情報が記録されている。
(1)香りの種類、(2)ブレンド配合、(3)濃度、量、(4)方向時間、(5)強度、(6)デューテイ(Duty)比、(7)広がり、(8)距離、(9)経時強度変化、(10)経時香調変化、(11)フェードIN/OUT
これらの各データは、香りの出力態様を決める様々なデータであり、各エントリについて予めこれらの各データが設定され、記録されている。
【0110】
例えば、音声情報取得部114や、ネット、放送情報取得部115から入力するワードに最も近いワードが記録されたエントリがエントリ(1)である場合、エントリ(1)に記録された情報に従ってUI情報の提示処理や香り出力制御を行う。
エントリ(1)の(A)~(F)の情報は以下の通りである。
(A)ワード=家、うち、自宅、我が家・・
(B)出力する香りの種類=リラックスする香り
(C)利用する香りカートリッジ=カートリッジP,Q,R
(D)香り出力領域=ワード検出時、
(E)香り出力間隔=ワード検出時と、その後継続出力
【0111】
香り出力制御部120の香り出力態様決定部121は、音声情報取得部114や、ネット、放送情報取得部115から入力するワードに最も近い(A)ワードが記録されたエントリ(1)の登録データに基づいて、UI出力情報の設定処理や、出力する香りの決定処理等を実行する。
【0112】
まず、エントリ(1)の登録データに基づいて、出力する香りがリラックスする香りであり、この香りを出力するために最適なカートリッジがカートリッジP,Q,Rであることを登録データに基づいて判定する。
【0113】
香り出力態様決定部121は、このカートリッジP,Q,Rの登録カートリッジ情報をUI制御部122に通知する。
UI制御部122は、カートリッジP,Q,Rを香り選択候補とした一覧データを、先に
図6を参照して説明したUIデータの構成データである香り選択部132表示領域に出力する。
ユーザは、リラックスする香りを有するカートリッジP、Q,Rから出力する香りを選択することができる。
【0114】
香り出力制御部120の香り出力態様決定部121は、UI制御部122を介して入力するユーザ選択情報に従って、選択されたカートリッジを利用カートリッジとして決定し、香り出力ユニット制御部123に選択されたカートリッジ情報を通知する。
【0115】
さらに、香り出力態様決定部121は、ワード対応香りデータベース173に登録された、以下の各情報、すなわち、
(D)香り出力領域=ワード検出時、
(E)香り出力間隔=ワード検出時と、その後継続出力
(F)香り出力態様、
これらの情報も香り出力ユニット制御部123に通知する。
【0116】
香り出力ユニット制御部123は、香り出力態様決定部121からの入力情報、すなわち、利用すべきカートリッジの種類(識別子)と、上記(D)~(F)の各情報を適用して、上記(D)~(F)の各情報に従った香り出力制御を実行する。
【0117】
なお、
図8~
図13を参照して、
(1)現在地対応モード
(2)ワード対応モード
これら2つのモードについての具体例を説明したが、先に説明したように、本開示の香り出力制御装置100において設定可能なモードには、例えば以下のモードがある。
(1)現在地対応モード
(2)ワード対応モード
(3)環境対応モード
(4)動作状態対応モード
(5)生体状態対応モード
(6)広告対応モード
(7)全取得情報対応モード
【0118】
本開示の香り出力香り出力制御装置100の香り出力制御部120の出力態様決定部121は、これらの各モードに応じて、それぞれ異なる香りデータベースを用いて、データベースから各モード対応の利用カートリッジ情報や香り出力態様情報等を取得し、取得した情報に従った制御を行う。
【0119】
(3)環境対応モードに設定されている場合は、温度、天気、季節等に対応付けられた香りの種類、利用すべき香りカートリッジ、香り出力タイミング、領域、間隔、香り出力態様を登録した環境対応香りデータベースの登録データを参照した処理を実行する。
【0120】
(4)動作状態対応モードに設定されている場合は、車両の動作状況、例えば発進、停止、加速、減速、カーブ等、車両動作に対応付けられた香りの種類、利用すべき香りカートリッジ、香り出力タイミング、領域、間隔、香り出力態様を登録した車両動作対応香りデータベースの登録データを参照した処理を実行する。
【0121】
(5)生体状態対応モードに設定されている場合は、乗員の、心拍、瞳孔等に対応付けられた香りの種類、利用すべき香りカートリッジ、香り出力タイミング、領域、間隔、香り出力態様を登録した生体情報対応香りデータベースの登録データを参照した処理を実行する。
【0122】
(6)広告対応モードに設定されている場合は、広告内容等に対応付けられた香りの種類、利用すべき香りカートリッジ、香り出力タイミング、領域、間隔、香り出力態様を登録した広告対応香りデータベースの登録データを参照した処理を実行する。
【0123】
このように本開示の香り出力制御装置は、設定モードに応じて利用するモード対応香りデータベースを切り替えて利用する。本開示の香り出力制御装置は、選択したモード対応香りデータベースに、各モードに応じて取得された情報に対応付けて登録された香りカートリッジを選択してUI情報の提示処理や香り出力制御を実行する。
【0124】
[4.香り出力態様決定処理を外部サーバにおいて実行する構成例について]
次に、香り出力態様決定処理を外部サーバにおいて実行する構成例について説明する。
【0125】
図1~
図13を参照して説明した香り出力制御装置100は、情報取得部110の各構成要素、すなわち、環境情報取得部111、動作情報取得部112、生体情報取得部113、音声情報取得部114、ネット、放送(TV,ラジオ,Web,SNS等)情報取得部115、位置情報取得部(GNSS)116、広告情報取得部117、これらの各構成部からの入力情報に基づいて、UI出力情報の設定処理や、出力する香りの決定処理等を実行していた。
【0126】
このUI出力情報の設定処理や、出力する香りの決定処理を外部サーバにおいて実行する構成としてもよい。
例えば
図14に示すように、香り出力制御部120が、外部サーバ、すなわち
図14に示す香り出力態様決定サーバ210と通信を実行して、香り出力態様決定サーバ210が決定したUI出力情報や、出力する香りの決定情報を香り出力態様決定サーバ210から受信して、UI出力や香り出力制御を実行する構成である。
【0127】
香り出力制御装置100は、予め設定されたモードに従って、情報取得部110の取得した情報から、香り選択に利用する情報を選択し、選択した情報を香り出力態様決定サーバ210に送信する。
【0128】
図15を参照して本実施例の処理について説明する。
図15には、香り出力制御部120の構成と、香り出力決定サーバ210を示している。
【0129】
まず、香り出力制御部120の香り出力態様決定部121は、情報取得部110から情報を入力する。具体的には、環境情報取得部111、動作情報取得部112、生体情報取得部113、音声情報取得部114、ネット、放送(TV,ラジオ,Web,SNS等)情報取得部115、位置情報取得部(GNSS)116、広告情報取得部117、これらのいずれかからの情報を入力する。
【0130】
香り出力態様決定部121は、情報取得部110からの入力情報を、通信部105を介して香り出力態様決定サーバ210に送信する。
なお、香り出力制御装置100の香り出力態様決定部121は、予め設定されたモードに従って、情報取得部110の取得した情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した取得情報と設定モード情報を香り出力態様決定サーバ210に送信する。
【0131】
香り出力態様決定サーバ210は、先に
図8、
図9を参照して説明した地図、施設データ171や位置、施設対応管理データベース172、さらに、
図12、
図13を参照して説明したワード対応香りデータベース盗、各モード対応の香りデータベースを保持している。
【0132】
すなわち、以下の各モード対応の香りの種類、利用すべき香りカートリッジ、香り出力タイミング、領域、間隔、香り出力態様を登録した各モード対応の香りデータベースである。
(1)現在地対応モード
(2)ワード対応モード
(3)環境対応モード
(4)動作状態対応モード
(5)生体状態対応モード
(6)広告対応モード
【0133】
香り出力態様決定サーバ210は、香り出力制御部120の香り出力態様決定部121から、情報取得部110からの入力情報を入力すると、モード対応香りデータベースを参照して、各モード対応の香りの種類、利用すべき香りカートリッジ、香り出力タイミング、領域、間隔、香り出力態様情報を取得し、取得情報を香り出力制御装置100の香り出力態様決定部121に送信する。
【0134】
香り出力態様決定部121は、香り出力態様決定サーバ210から受信した情報に基づいて、UI出力情報を決定してUI制御部122を介して入出力部(UI)130に出力する。さらに、入出力部(UI)130に入力されるユーザ選択情報に基づいて利用カートリッジを決定し、香り出力態様決定サーバ210から受信した情報に基づいて、香り出力ユニット制御部124に香り出力制御態様を通知し、香り出力制御を実行する。
【0135】
このように、香り出力態様決定サーバ210において、UI出力情報や、出力する香りの制御態様決定処理を実行する構成とすることで、香り出力制御装置100の処理負荷が低減され、また保持すべきデータも低減できる。すなわち各モード対応の香りデータベースを保持する必要がなく、記憶部の記憶容量を削減することが可能となる。
【0136】
[5.本開示の香り出力制御装置が実行する処理のシーケンスについて]
次に、本開示の香り出力制御装置100が実行する処理のシーケンスについて説明する。
【0137】
図16、
図17に示すフローチャートを参照して、本開示の香り出力制御装置100が実行する処理のシーケンスについて説明する。
図16、
図17に示すフローチャートに従った処理は、例えば、香り出力制御装置100の記憶部に格納されたプログラムに従って、プログラム実行機能を持つCPU等の制御の下に実行可能な処理であり、本開示の香り出力制御装置100のデータ処理部、すなわち、プログラム実行機能を持つCPUを持つデータ処理部の制御下で実行することができる。
図16~
図17に示すフローの各ステップの処理について、順次、説明する。
【0138】
(ステップS101)
まず、香り出力制御装置100の香り出力制御部120は、ステップS101において、UI情報をユーザに提示して、ユーザによるモード選択情報の入力を待機する。
【0139】
なお、本開示の香り出力制御装置100において設定可能なモードは、例えば、先に
図7を参照して説明した以下のモードである。
(1)現在地対応モード
(2)ワード対応モード
(3)環境対応モード
(4)動作状態対応モード
(5)生体状態対応モード
(6)広告対応モード
(7)全取得情報対応モード
【0140】
香り出力制御装置100の香り出力制御部120は、入出力部(UI)130に先に
図6を参照して説明したUI情報を表示する。すなわち表示部上部領域にモード選択部131を表示する。モード選択部131は、モード選択部スクロールアイコン133をタッチすることでスクロールすることが可能であり、ユーザは、上記(1)~(7)のいずれかのモードを選択することができる。
【0141】
(ステップS102)
次に、香り出力制御部120は、ステップS102において、予め規定された時間内にユーザによるモード選択情報の入力がなされたか否かを判定する。
【0142】
予め規定された時間内にユーザによるモード選択情報の入力が確認された場合は、ステップS103に進む。
一方、予め規定された時間内にユーザによるモード選択情報の入力が確認されなかった場合は、ステップS104に進む。
【0143】
(ステップS103)
ステップS102において、予め規定された時間内にユーザによるモード選択情報の入力が確認された場合は、ステップS103に進む。
この場合、香り出力制御部120は、ステップS103において、モードをユーザ選択モードに設定する。
【0144】
(ステップS104)
一方、ステップS102において、予め規定された時間内にユーザによるモード選択情報の入力が確認されなかった場合は、ステップS104に進む。
この場合、香り出力制御部120は、ステップS104において、モードをデフォルト設定モード、例えば全取得情報対応モードに設定する。
【0145】
前述したように、全取得情報対応モードは、上記の各モード(1)~(6)をすべて実行するモードである。異なるモードで時間的に重複して異なる香りが選択されるのを防止するため、モードの実行順に予め優先順位を設定し、優先順位の高いモードにおいて選択された香りを優先的に出力する。
【0146】
ステップS103、またはステップS104の処理によってモード設定が完了するとステップS151に進む。
【0147】
(ステップS151)
次に、香り出力制御部120は、ステップS105において、情報取得部110から情報を入力する。
【0148】
香り出力制御部120は、ステップS105において、情報取得部110の各構成要素、すなわち、環境情報取得部111、動作情報取得部112、生体情報取得部113、音声情報取得部114、ネット、放送(TV,ラジオ,Web,SNS等)情報取得部115、位置情報取得部(GNSS)116、広告情報取得部117、これらの各構成部から情報を入力する。
【0149】
(ステップS152)
次に、香り出力制御部120は、ステップS152において、ステップS151で情報取得部110から入力した情報と、設定モードに基づいて、参照する香りデータベースを選択する。さらに、選択した香りデータベースを参照して入出力部(UI)130に表示する香り選択部表示用の香りカートリッジ一覧データを生成して表示する。
【0150】
すなわち、先に
図6を参照して説明した入出力部(UI)130に表示する香り選択部132に表示すべき香りカートリッジ一覧データを生成して表示する。
【0151】
なお、表示すべき香りカートリッジは、モード対応の香りデータベースから取得する。
例えば、モードが「現在地対応モード」である場合は、先に
図9を参照して説明したデータ構成を有する位置、施設対応香りデータベース172の記録データから、表示すべき香りカートリッジの識別子を取得する。
【0152】
まず、情報取得部110の位置情報取得部116から入力する現在位置情報に最も近い「(A)位置情報」が登録されたエントリを位置、施設対応香りデータベース172から選択する。次に選択エントリの「(D)利用可能な香りカートリッジ」に登録されたカートリッジ識別子を選択し、選択したカートリッジの内容を含むカートリッジ一覧データを生成して表示する。
【0153】
なお、先に
図6を参照して説明したように、入出力部(UI)130に表示するカートリッジ一覧データには、各香りカートリッジに含まれる香り成分情報と、各香り成分の残量情報が含まれる。
【0154】
(ステップS153)
次に、香り出力制御部120は、ステップS153において、表示された香りカートリッジ一覧データに対するユーザ選択情報が規定時間内に入力されたか否かを判定する。
【0155】
表示された香りカートリッジ一覧データに対するユーザ選択情報が規定時間内に入力された場合は、ステップS154に進む。
一方、表示された香りカートリッジ一覧データに対するユーザ選択情報が規定時間内に入力されなかった場合は、ステップS155に進む。
【0156】
(ステップS154)
ステップS153において、表示された香りカートリッジ一覧データに対するユーザ選択情報が規定時間内に入力された場合は、ステップS154に進む。
【0157】
この場合、香り出力制御部120は、ステップS154において、ユーザの選択した香り(香りカートリッジ)を選択して、選択した香り対応の香り出力領域、タイミング、間隔、香り出力態様をモード対応香りデータベースから取得して、取得した情報に従った香り出力態様で香りを出力する。
【0158】
(ステップS155)
一方、ステップS153において、表示された香りカートリッジ一覧データに対するユーザ選択情報が規定時間内に入力されなかった場合は、ステップS155に進む。
【0159】
この場合、香り出力制御部120は、ステップS155において、荒華夏締め規定されたデフォルトの香り、例えばおすすめの香りカートリッジを選択して、選択した香り対応の香り出力領域、タイミング、間隔、香り出力態様をモード対応香りデータベースから取得して、取得した情報に従った香り出力態様で香りを出力する。
【0160】
このようにして、本開示の香り出力制御装置は、情報取得部110から入力する様々な情報に応じた最適な香りを、モード対応香りデータベースに記録された態様、具体的には、香り出力タイミング、領域、間隔、その他の詳細な香り出力態様の規定に従って出力することが可能となる。
【0161】
なお、モード対応香りデータベースに記録された香り出力態様には、先に
図10を参照して説明した各情報、すなわち、(1)香りの種類、(2)ブレンド配合、(3)濃度、量、(4)方向時間、(5)強度、(6)デューテイ(Duty)比、(7)広がり、(8)距離、(9)経時強度変化、(10)経時香調変化、(11)フェードIN/OUT、これらの各情報が含まれており、本開示の香り出力制御装置は、これらの情報に従った香り出力制御を実行する。
【0162】
[6.本開示の香り出力制御処理を利用したビジネス展開例について]
次に、本開示の香り出力制御処理を利用したビジネス展開例について説明する。
上述したように、本開示の香り出力制御装置100は、情報取得部110の各構成要素、すなわち、環境情報取得部111、動作情報取得部112、生体情報取得部113、音声情報取得部114、ネット、放送(TV,ラジオ,Web,SNS等)情報取得部115、位置情報取得部(GNSS)116、広告情報取得部117、これらの各構成部から情報を入力し、これらの情報に基づいて、モード設定に応じた様々な香りを出力する制御を行う。
【0163】
香りを出力する香りカートリッジの設定も様々な設定が可能である。
例えば香りカートリッジに、複数の香りをまとめて、切り替え出力可能な構成とし、1つ、または複数のカートリッジを利用して、日本都道府県の名物巡り用の香りカートリッジセット、フランス縦断の旅用の香りカートリッジセット、サッカースタジアムめぐり用のカートリッジセット等を利用可能とし、ユーザの旅の目的に応じた香りカートリッジを装着して利用する処理が可能である。
【0164】
本開示の香り出力制御装置を利用することで、例えば以下のような処理が可能となる。
GNSSやナビシステムによる位置情報取得により、目的の位置に近づいた場合に香りを出力する。
車両の乗員が「うどん」と発話、あるいはナビシステムに検索ワードとして「うどん」を入力すると、うどんの香りを出力する。
【0165】
このように、本開示の装置を利用すれば、様々な情報に基づく様々な香り出力を行うことが可能となる。
例えば、香りカートリッジの販売戦略として、以下のような処理を行うことが可能である。
ファッションブランドとのコラボで、世界中の店舗に合った香水を決めて、各香水を含めたカートリッジを販売する。さらにネットやナビシステム等で商品紹介を行うといったサービス展開が可能となる。
【0166】
また、本開示の香り出力制御装置では、様々なモード設定に応じて香り出力制御を行うが、これらはモード対応香りデータベースの登録情報に従った処理として実行される。
前述したように、モード対応香りデータベースの登録情報はユーザが自由に変更するこみとが可能であり、ユーザの好みに応じた香りを出力させることができる。
【0167】
例えば、「職場」に近づいた場合は、「集中レベル」をアップさせるための香りを出力させる設定とし、「自宅」に近づいた場合は、「リラックス」させるための香りを出力する等、状況に応じてユーザの好みの香りを出力させることができる。
【0168】
このように、本開示の香り出力制御装置を利用することで、香りを通じてモビリティに新たな立体感と日常におけるインテラクティビティ、さらなるエンターテインメントを実現することができる。
【0169】
環境に合った香りや周辺情報に関連した香りを出力することで、車両の移動に新たな価値を付加することができる。例えば、地域団体(観光地)や店など、多くの観光客やお客さんに来てほしいという集客要望がある場合、これらの地域団体(観光地)や店などの位置を予め、位置、施設対応香りデータベースに登録することで、それぞれの地域や店単位の香りを出力することが可能となる。
【0170】
[7.香り出力制御装置のハードウェア構成例について]
次に、上述した処理を実行する香り出力制御装置の具体的なハードウェア構成例について、
図18を参照して説明する。車両に搭載される香り出力制御装置として適用可能なハードウェア構成例である。なお、香り出力態様決定サーバも
図18に示すハードウェア構成を持つ装置として実現可能である。
【0171】
図18は、香り出力制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
CPU(Central Processing Unit)301は、ROM(Read Only Memory)302、または記憶部308に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行するデータ処理部として機能する。例えば、上述した実施例において説明したシーケンスに従った処理を実行する。RAM(Random Access Memory)303には、CPU301が実行するプログラムやデータなどが記憶される。これらのCPU301、ROM302、およびRAM303は、バス304により相互に接続されている。
【0172】
CPU301はバス304を介して入出力インタフェース305に接続され、入出力インタフェース305には、各種スイッチ、キーボード、タッチパネル、マウス、マイクロフォン、さらに、センサ、カメラ、GPS、GNSS等のデータ取得部などよりなる入力部306、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部307が接続されている。
なお、香り出力ユニットも出力部307の構成要素となる。
【0173】
CPU301は、入力部306から入力される指令や状況データ等を入力し、各種の処理を実行し、処理結果を例えば出力部307に出力する。
入出力インタフェース305に接続されている記憶部308は、例えばハードディスク等からなり、CPU301が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部309は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介したデータ通信の送受信部として機能し、外部の装置と通信する。
【0174】
入出力インタフェース305に接続されているドライブ310は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはメモリカード等の半導体メモリなどのリムーバブルメディア311を駆動し、データの記録あるいは読み取りを実行する。
【0175】
[8.本開示の構成のまとめ]
以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0176】
なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
(1) 香り出力制御を実行する香り出力制御部と、
前記香り出力制御部の制御に従って香り出力を実行する香り出力ユニットを有し、
前記香り出力制御部は、
情報取得部からの入力情報に従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する構成であり、
予め設定されたモードに従って、前記入力情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した入力情報に従って、出力する香りを選択する香り出力制御装置。
【0177】
(2) 前記香り出力ユニットは、
自動車内に香りを出力する構成である(1)に記載の香り出力制御装置。
【0178】
(3) 前記情報取得部は、
(a)環境情報を取得する環境情報取得部、
(b)車両の動作情報を取得する動作情報取得部、
(c)車両内の乗員の生体情報を取得する生体情報取得部、
(d)音声情報を取得する音声情報取得部、
(e)ネット情報または放送情報の少なくともいずれかの情報を取得するネット、放送情報取得部、
(f)位置情報を取得する位置情報取得部、
(g)広告情報を取得する広告情報取得部、
少なくとも上記(a)~(g)のうち、2つ以上の情報取得部によって構成されている(1)のまたは(2)に記載の香り出力制御装置。
【0179】
(4) 前記香り出力制御部は、
予め設定されたモードに従って、前記(a)~(g)の情報取得部の取得した情報の1つの情報を選択し、選択した入力情報に従って、出力する香りを選択する(3)に記載の香り出力制御装置。
【0180】
(5) 前記香り出力制御部は、
予め設定されたモードに従って、モード対応香りデータベースを選択し、
選択したモード対応香りデータベースに登録された香り出力態様に従って香り出力制御を実行する(1)~(4)いずれかに記載の香り出力制御装置。
【0181】
(6) 前記モード対応香りデータベースには、
香り出力に適用する香り出力カートリッジの識別子が登録されており、
前記香り出力制御部は、
前記モード対応香りデータベースに登録された香り出力カートリッジを利用して香り出力を実行する(5)に記載の香り出力制御装置。
【0182】
(7) 前記モード対応香りデータベースには、
香り出力に適用する香り出力カートリッジの識別子が複数、登録されており、
前記香り出力制御部は、
前記モード対応香りデータベースに登録された複数の香り出力カートリッジから利用する香りカートリッジをユーザに選択させるための表示情報を生成して表示部に表示する(5)に記載の香り出力制御装置。
【0183】
(8) 前記香り出力制御部は、
前記情報取得部の一構成要素であり、音声情報を取得する音声情報取得部の取得したユーザ発話ワードに従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する(1)~(7)いずれかに記載の香り出力制御装置。
【0184】
(9) 前記香り出力制御部は、
前記情報取得部の一構成要素であり、
ネット情報または放送情報の少なくともいずれかの情報を取得するネット、放送情報取得部の取得したネット、放送情報内の出現ワードに従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する(1)~(8)いずれかに記載の香り出力制御装置。
【0185】
(10) 前記香り出力制御部は、
前記モードをユーザに選択させるための表示情報を生成して表示部に表示する(1)~(9)いずれかに記載の香り出力制御装置。
【0186】
(11) 前記香り出力制御装置において設定可能なモードは、
(A)現在地対応モード、
(B)ワード対応モード、
(C)環境対応モード、
(D)動作状態対応モード、
(E)生体状態対応モード、
(F)広告対応モード、
(G)全取得情報対応モード、
上記(A)~(G)のモードのうち、少なくとも2つ以上のモードである(1)~(10)いずれかに記載の香り出力制御装置。
【0187】
(12) 香り出力処理を実行する香り出力制御装置と、前記香り出力制御装置において出力する香りを決定する香り出力態様決定サーバを有する香り出力制御システムであり、
前記香り出力制御装置は、
情報取得部の取得した情報を前記香り出力態様決定サーバに送信し、
前記香り出力態様決定サーバは、
前記香り出力制御装置から受信した情報に従って、出力する香りを決定し、決定した香りの情報を前記香り出力制御装置に送信し、
前記香り出力制御装置は、
前記香り出力態様決定サーバの決定した香りを、香り出力ユニットを介して出力する構成であり、
前記香り出力制御装置は、
予め設定されたモードに従って、前記情報取得部の取得した情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した情報を前記香り出力態様決定サーバに送信する香り出力制御システム。
【0188】
(13) 前記香り出力制御装置の前記情報取得部は、
(a)環境情報を取得する環境情報取得部、
(b)車両の動作情報を取得する動作情報取得部、
(c)車両内の乗員の生体情報を取得する生体情報取得部、
(d)音声情報を取得する音声情報取得部、
(e)ネット情報または放送情報の少なくともいずれかの情報を取得するネット、放送情報取得部、
(f)位置情報を取得する位置情報取得部、
(g)広告情報を取得する広告情報取得部、
少なくとも上記(a)~(g)のうち、2つ以上の情報取得部によって構成されており、
前記香り出力制御装置は、
予め設定されたモードに従って、前記(a)~(g)の情報取得部の取得した情報の1つの情報を選択し、選択した情報を前記香り出力態様決定サーバに送信する(12)に記載の香り出力制御システム。
【0189】
(14) 香り出力制御装置において実行する香り出力制御方法であり、
前記香り出力制御装置は、
香り出力制御を実行する香り出力制御部と、
前記香り出力制御部の制御に従って香り出力を実行する香り出力ユニットを有し、
前記香り出力制御部が、
情報取得部からの入力情報に従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する処理を実行し、
予め設定されたモードに従って、前記入力情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した入力情報に従って、出力する香りを選択する香り出力制御方法。
【0190】
(15) 香り出力処理を実行する香り出力制御装置と、前記香り出力制御装置において出力する香りを決定する香り出力態様決定サーバを有する香り出力制御システムにおいて実行する香り出力制御方法であり、
前記香り出力制御装置が、
予め設定されたモードに従って、情報取得部の取得した情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した情報を前記香り出力態様決定サーバに送信し、
前記香り出力態様決定サーバが、
前記香り出力制御装置から受信した情報に従って、出力する香りを決定し、決定した香りの情報を前記香り出力制御装置に送信し、
前記香り出力制御装置が、
前記香り出力態様決定サーバの決定した香りを、香り出力ユニットを介して出力する香り出力制御方法。
【0191】
(16) 香り出力制御装置において香り出力制御処理を実行させるプログラムであり、
前記香り出力制御装置は、
香り出力制御を実行する香り出力制御部と、
前記香り出力制御部の制御に従って香り出力を実行する香り出力ユニットを有し、
前記プログラムは、前記香り出力制御部に、
情報取得部からの入力情報に従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、前記香り出力ユニットを介して出力する処理を実行させ、
予め設定されたモードに従って、前記入力情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した入力情報に従って、出力する香りを選択させるプログラム。
【0192】
明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0193】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0194】
以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、情報取得部の取得する様々な情報に基づいて出力する香りを制御する装置、方法が実現される。
具体的には、例えば、香り出力制御を実行する香り出力制御部と、香り出力制御部の制御に従って香り出力を実行する香り出力ユニットを有し、香り出力制御部は、情報取得部からの入力情報に従って、出力する香りを選択し、選択した香りを、香り出力ユニットを介して出力する。香り出力制御部は、予め設定されたモードに従って、入力情報から香り選択に利用する情報を選択し、選択した入力情報に従って、出力する香りを選択する。例えばユーザ発話や、地域、施設等の情報に基づいて出力する香りの制御を実行する。
本構成により、情報取得部の取得する様々な情報に基づいて出力する香りを制御する装置、方法が実現される。
【符号の説明】
【0195】
100 香り出力制御装置
101 環境センサ
102 車両動作センサ
103 生体センサ
104 マイク
105 通信部
106 記憶部
110 情報取得部
111 環境情報取得部
112 動作情報取得部
113 生体情報取得部
114 音声情報取得部
115 ネット、放送(TV,ラジオ,Web,SNS等)情報取得部
116 位置情報取得部(GNSS)
117 広告情報取得部
120 香り出力制御部
121 香り出力態様決定部
122 UI制御部
123 香り出力ユニット制御部
130 入出力部(UI)
150 香り出力ユニット
151 ブロア駆動部
152 流路制御部
153 香り選択出力部
171 地図、施設データ
172 位置、施設対応香りデータベース
173 ワード対応香りデータベース
210 香り出力態様決定サーバ
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 バス
305 入出力インタフェース
306 入力部
307 出力部
308 記憶部
309 通信部
310 ドライブ
311 リムーバブルメディア