(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240827BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022009682
(22)【出願日】2022-01-25
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】柏倉 俊樹
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-048228(JP,A)
【文献】特開2004-326397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に設置された読取装置と通信可能な情報処理装置であって、制御部を含み、前記制御部は、
前記読取装置により、車両を検出することと、
前記駐車場内の駐車枠のうち1以上の空き枠を検出することと、
前記1以上の空き枠のそれぞれにつき駐車料金を算出することと、
算出された駐車料金を、前記駐車場の各交差点に設置された表示装置に表示することと、
を含む動作を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、前記動作は、
前記1以上の空き枠のそれぞれにつき
、自動運転車両の動線に影響するか否
かから前記駐車料金を算出することを含む、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記表示装置は、前記交差点で交差するそれぞれの道路の先に位置する空き枠の駐車料金の最低料金を表示する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1
乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記動作は、
検出された前記車両のユーザによって操作されるユーザ端末に、
前記駐車場に関連付けられた店舗での買い物により駐車料金の割引を受けるための割引情報を提供することを含み、
前記割引情報は、前記店舗に設置されたリーダーで読み取られると、駐車料金の割引が適用されるコードを含む、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記動作は、
前記読取装置により、前記車両が駐車した駐車枠と前記駐車枠の利用時間帯とを判定することと、
前記駐車枠と、前記利用時間帯と、算出された前記駐車料金とから、前記車両のユーザに請求される請求金額を算出することと、
を含む、情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置において、前記動作は、
前記車両による前記駐車場の利用が終了したと判定すると、前記請求金額を自動的に決済することを含む、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記動作は、
前記読取装置により、前記車両が駐車した駐車枠を判定することと、
判定された前記駐車枠を、前記車両のユーザによって操作されるユーザ端末に通知することを含む、
情報処理装置。
【請求項8】
駐車場に設置された読取装置と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータに、
前記読取装置により、車両を検出することと、
前記駐車場内の駐車枠のうち1以上の空き枠を検出することと、
前記1以上の空き枠のそれぞれにつき駐車料金を算出することと、
算出された駐車料金を、前記駐車場の各交差点に設置された表示装置に表示することと、
を含む動作を実行させる、プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムにおいて、前記動作は、
前記1以上の空き枠のそれぞれにつき
、自動運転車両の動線に影響するか否
かから前記駐車料金を算出することを含む、プログラム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のプログラムにおいて、
前記表示装置は、前記交差点で交差するそれぞれの道路の先に位置する空き枠の前記算出された駐車料金の最低料金を表示する、プログラム。
【請求項11】
請求項8
乃至10のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、前記動作は、
検出された前記車両のユーザによって操作されるユーザ端末に、
前記駐車場に関連付けられた店舗での買い物により駐車料金の割引を受けるための割引情報を提供することを含み、
前記割引情報は、前記店舗に設置されたリーダーで読み取られると、駐車料金の割引が適用されるコードを含む、
プログラム。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、前記動作は、
前記読取装置により、前記車両が駐車した駐車枠と前記駐車枠の利用時間帯とを判定することと、
前記駐車枠と、前記利用時間帯と、算出された前記駐車料金とから、前記車両のユーザに請求される請求金額を算出することと、
を含む、プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムにおいて、前記動作は、
前記車両による前記駐車場の利用が終了したと判定すると、前記請求金額を自動的に決済することを含む、プログラム。
【請求項14】
請求項8乃至13のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、前記動作は、
前記読取装置により、前記車両が駐車した駐車枠を判定することと、
判定された前記駐車枠を、前記車両のユーザによって操作されるユーザ端末に通知することを含む、プログラム。
【請求項15】
駐車場に設置された読取装置と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
前記読取装置により、車両を検出することと、
前記駐車場内の駐車枠のうち1以上の空き枠を検出することと、
前記1以上の空き枠のそれぞれにつき駐車料金を算出することと、
算出された駐車料金を、前記駐車場の各交差点に設置された表示装置に表示することと、
を含む情報処理方法。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理方法において、
前記1以上の空き枠のそれぞれにつき
、自動運転車両の動線に影響するか否
かから前記駐車料金を算出することを含む、情報処理方法。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の情報処理方法において、
前記表示装置は、前記交差点で交差するそれぞれの道路の先に位置する空き枠の前記算出された駐車料金の最低料金を表示する、情報処理方法。
【請求項18】
請求項15
乃至17のいずれか一項に記載の情報処理方法において、
検出された前記車両のユーザによって操作されるユーザ端末に、
前記駐車場に関連付けられた店舗での買い物により駐車料金の割引を受けるための割引情報を提供することを含み、
前記割引情報は、前記店舗に設置されたリーダーで読み取られると、駐車料金の割引が適用されるコードを含む、情報処理方法。
【請求項19】
請求項15乃至18のいずれか一項に記載の情報処理方法において、
前記読取装置により、前記車両が駐車した駐車枠と前記駐車枠の利用時間帯とを判定することと、
前記駐車枠と、前記利用時間帯と、算出された前記駐車料金とから、前記車両のユーザに請求される請求金額を算出することと、
を含む情報処理方法。
【請求項20】
請求項19に記載の情報処理方法において、
前記車両による前記駐車場の利用が終了したと判定すると、前記請求金額を自動的に決済することを含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場の将来の需要を予測し、将来の需要に応じて駐車場の駐車料金を算出することによって、将来の需要に応じた駐車料金を設定する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術では、駐車場内の駐車枠に応じて駐車料金が変動しない。このため、便利な駐車枠から早い者勝ちで埋まり、長時間の駐車が発生する場合もある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、駐車枠に応じて駐車料金を変動させることができる情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
駐車場に設置された読取装置と通信可能な情報処理装置であって、制御部を含み、前記制御部は、
前記読取装置により、車両を検出することと、
前記駐車場内の駐車枠のうち1以上の空き枠を検出することと、
前記1以上の空き枠のそれぞれにつき駐車料金を算出することと、
算出された駐車料金を、前記車両のユーザに通知することと、
を含む動作を実行する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
駐車場に設置された読取装置と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータに、
前記読取装置により、車両を検出することと、
前記駐車場内の駐車枠のうち1以上の空き枠を検出することと、
前記1以上の空き枠のそれぞれにつき駐車料金を算出することと、
算出された駐車料金を、前記車両のユーザに通知することと、
を含む動作を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
駐車場に設置された読取装置と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
前記読取装置により、車両を検出することと、
前記駐車場内の駐車枠のうち1以上の空き枠を検出することと、
前記1以上の空き枠のそれぞれにつき駐車料金を算出することと、
算出された駐車料金を、前記車両のユーザに通知することと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態による情報処理装置、プログラム及び情報処理方法によれば、駐車枠に応じて駐車料金を変動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】料金DB(database)のデータ構造を示す図である。
【
図8】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理システムSの概略図である。情報処理システムSは、ネットワークNWを介して互いに通信可能な情報処理装置1とユーザ端末2と表示装置3と読取装置4とを含む。ネットワークNWは、例えば移動体通信網とインターネットとを含む。
【0012】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置1とユーザ端末2と表示装置3と読取装置4とは1つずつ図示される。しかし、情報処理装置1とユーザ端末2と表示装置3と読取装置4とのそれぞれの数はこれに限られない。例えば、本実施形態の情報処理装置1が実行する処理は、分散配置された複数の情報処理装置1によって実行されてよい。複数のユーザ端末2がユーザによって操作されてよい。複数の表示装置3又は複数の読取装置4が設置されてよい。
【0013】
本実施形態の情報処理装置1が実行する処理の概要が説明される。情報処理装置1の制御部11は、読取装置4により、車両を検出することと、駐車場内の駐車枠のうち1以上の空き枠を検出することと、1以上の空き枠のそれぞれにつき駐車料金を算出することと、算出された駐車料金を、車両のユーザに通知することと、を含む動作を実行する。この構成により情報処理装置1は、駐車枠に応じて駐車料金を変動させることができるので、駐車配置を効率化することができる。
【0014】
情報処理装置1は、データセンタなどの施設に設置される。情報処理装置1は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバなどのコンピュータである。
【0015】
図2を参照して情報処理装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0016】
情報処理装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13とを含む。情報処理装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0017】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。制御部11は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部11は通信部12を介して、任意の情報を送信及び受信する。
【0018】
通信部12は、ネットワークNWに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークNWを介して任意の情報を送信及び受信する。
【0019】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれるが、これらに限られない。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、情報処理装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。記憶部13は情報処理装置1の外部に設けられて、情報処理装置1からアクセスされてよい。記憶部13は後述される料金DB及び利用状況DBを含む。
【0020】
ユーザ端末2は、ユーザによって操作される端末である。ユーザ端末2は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器である。代替例としてユーザ端末2は、PCなどの汎用機器、又は専用機器であってよい。「PC」は、Personal Computerの略語である。
【0021】
図3を参照してユーザ端末2の内部構成が詳細に説明される。
【0022】
ユーザ端末2は、制御部21と通信部22と記憶部23と表示部24と入力部25とを含む。ユーザ端末2の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0023】
ユーザ端末2の制御部21と通信部22と記憶部23とのハードウェア構成についての説明は、情報処理装置1の制御部11と通信部12と記憶部13とのハードウェア構成についての説明と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0024】
表示部24は例えば、ディスプレイである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、Liquid Crystal Displayの略語である。「EL」は、Electro Luminescenceの略語である。表示部24は、ユーザ端末2に備えられる代わりに、外部の出力機器としてユーザ端末2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0025】
表示部24での表示内容は、ユーザ端末2にインストールされたアプリによって表示されてよい。
【0026】
入力部25は例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部25は、ユーザ端末2の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部25は、ユーザ端末2に備えられる代わりに、外部の入力機器としてユーザ端末2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0027】
表示装置3は、例えばディスプレイである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。表示装置3は、設置されてもよいし、地面又は床に埋め込まれてもよい。代替例として表示装置3はプロジェクタであってよい。この場合に表示装置3は、任意の画像を駐車場Pの地面、床又は壁に投影することができる。
【0028】
表示装置3はスピーカを含んでよい。表示装置3は、表示内容を音声により通知してよい。本実施形態における通知は、画面表示による通知と音声による通知との少なくとも一方を含んでよい。
【0029】
読取装置4は、カメラを用いて画像を撮像し画像内の情報を読み取る装置である。本実施形態の読取装置4は、車両のナンバープレートに記載されたナンバー情報を読み取る。
【0030】
以下、本実施形態の情報処理システムSで実行される処理が詳細に説明される。ここでは一例として、
図4に示されるように、ユーザによって運転される車両V1が駐車場Pに駐車する場面が説明される。
【0031】
駐車場Pは1以上の駐車枠を含む。1つの駐車枠につき1台の車両が駐車することができる。
図4に示される例では、駐車枠F1乃至駐車枠F9が空き枠である。空き枠情報は、駐車場Pの管理者によって提供されてよい。
【0032】
駐車場Pの入口ENには読取装置4が設置されてよい。読取装置4は、駐車場Pに入る車両V1の識別情報(ここではナンバー)を読み取る。駐車場Pには、駐車場P内の全ての場所を撮像可能なように、複数の読取装置4が設置されてよい。
【0033】
駐車場Pは1以上の交差点を含む。
図4には、交差点J1及び交差点J2が示される。交差点は2本以上の道路(又は通路)が交差する部分である。交差点は例えば次のいずれかであってよい。
・三叉路(丁字路(T字路)又はY字路を含む)
・四叉路(十字路を含む)
【0034】
各交差点には表示装置3が設置される。
図5に示されるように、交差点J1には表示装置3Aが設置される。交差点J2には表示装置3Bが設置される。表示装置3は、車両V1を運転するユーザによって視認される。代替例として、各駐車枠に表示装置3が設置されてよい。
【0035】
情報処理装置1の制御部11は、定期的に又は不定期的に、駐車場P内の空き枠を検出する。制御部11は、空き枠のそれぞれにつき、駐車料金を算出する。例えば制御部11は、読取装置4によって車両V1が検出されたときに、空き枠のそれぞれにつき駐車料金を算出してよい。駐車料金は例えば、次の情報の少なくとも1つから、算出されてよい。
・入口ENからの距離
・自動運転車両の動線に影響するか否か
・駐車の難易度
【0036】
図5の料金DBには、空き枠に関連付けて、入口ENからの距離と、自動運転車両の動線に影響するか否かが記憶される。入口ENから距離を示す情報は、例えば駐車場Pの管理者によって提供されてよい。自動運転車両の動線に影響するか否かは、例えば次のいずれかであってよい。
・空き枠が、自動運転車両が駐車する予定の駐車枠であるか否か
・車両が空き枠に駐車するときに通過する範囲が、自動運転車両が通過する範囲と被るか否か
【0037】
図5に示されるように、制御部11は、空き枠が入口ENから遠いほど、空き枠の駐車料金を安く算出する。制御部11は、自動運転車両の動線に影響しない空き枠につき、自動運転車両の動線に影響する空き枠よりも駐車料金を安く算出する。自動運転車両の動線は、あらかじめ記憶部13に記憶されている。
【0038】
代替例として又は追加例として、制御部11は、駐車の難易度が高い空き枠ほど、駐車料金を安く算出してよい。駐車の難易度は、あらかじめ記憶部13に登録されてよい。
【0039】
制御部11は、読取装置4から取得した情報により車両V1を検出すると、算出された駐車料金をユーザに通知する。具体的には制御部11は、駐車料金を表示装置3に表示する。
【0040】
例えば車両V1が表示装置3Aの位置を右に曲がる場合、曲がった先には、駐車枠F4、F5、F6、及びF9が存在する。
図5に示されるように、これら4つの駐車枠の料金の範囲は、300円/時間から700円/時間までである。
図6に示されるように、制御部11は表示装置3にて、最低料金が300円/時間であることを表示する。代替例として制御部11は表示装置3にて、各空き枠につき駐車料金を表示してよいし、最大料金のみを表示してよい。別の代替例として制御部11は、駐車場Pの画像を表示し、各空き枠に駐車料金を重ねて表示してよい。
【0041】
代替例として制御部11は、読取装置4により車両V1を検出すると、車両V1と車両V1のユーザとの関連付けを記憶するテーブルを参照して、車両V1のユーザを識別する。テーブルは記憶部13に含まれる。制御部11は、識別されたユーザのユーザ端末2に、算出された駐車料金を通知する。ユーザ端末2の表示部24は、駐車料金を表示する。別の代替例として制御部11は、車両V1を検出すると、算出された駐車料金を車両V1の表示部(例えばカーナビ画面)に表示してよい。
【0042】
車両V1が表示装置3Aの位置を左に曲がる場合、曲がった先には、駐車枠F1乃至F3、F7及びF8が存在する。この場合の表示装置3Aでの表示内容の決定方法は、車両V1が表示装置3Aの位置を右に曲がる場合の表示内容の決定方法と同一であってよい。ここでの説明は省略される。表示装置3Bでの表示内容の決定方法は、表示装置3Aでの表示内容の決定方法と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0043】
車両V1が表示装置3の位置を直進する場合、直進した先には空き枠が存在しない。
図6に示されるように、制御部11は表示装置3にて、空き枠が無いことを表示する。
【0044】
制御部11は、読取装置4から取得した情報により、車両V1がどの空き枠に駐車したかを検出する。読取装置4は、入口ENに設置された読取装置4であってよいし、各駐車枠等に設置された別の読取装置4であってもよい。
図7に示されるように、制御部11は利用状況DBに、車両V1と関連付けて次の情報を記憶する。
・識別情報(ここではナンバー情報)
・利用対象の駐車枠
・駐車枠の利用開始時刻
・駐車枠の利用終了時刻
【0045】
制御部11は、利用状況DBに記憶された利用開始時刻と利用終了時刻とから、利用時間帯を判定する。制御部11は、利用時間帯と、料金DBに記憶された時間あたりの料金とから、車両V1に請求される請求金額を算出する。制御部11は、車両V1に請求される請求金額を、利用状況DBに更に記憶する。
【0046】
追加例として、制御部11は、車両V1が別の駐車枠に移動した場合には、車両V1がどの空き枠に駐車したかを改めて検出する。制御部11は、別の駐車枠での利用につき、新たなレコードを利用状況DBに追加する。制御部11は、別の駐車枠での利用につき、請求金額を算出する。
【0047】
追加例として又は代替例として、制御部11は、車両V1が駐車した駐車枠を判定すると、判定された駐車枠をユーザ端末2に通知してよい。
【0048】
追加例として又は代替例として、制御部11は、駐車枠を利用中の車両V1のユーザに、割引情報を提供してよい。例えば制御部11は、利用状況DBから、車両V1が駐車場Pを利用していると判定すると、記憶部13を参照して、車両V1の識別番号があらかじめ登録されているか否かを判定する。車両V1の識別番号があらかじめ登録されているとき、制御部11は、識別番号に関連付けられて登録されたユーザ端末2に対し、駐車場Pに関連付けられた店舗での所定金額以上の買い物により駐車料金が所定金額割引されることを通知してよい。通知内容はユーザ端末2の表示部24に表示され、買い物時に店舗のスタッフに提示される。通知内容はQRコード(登録商標)形式であってよい。QRコードが、店舗に設置されたリーダで読み取られると、駐車料金の割引が適用されることが情報処理装置1に通知されてよい。識別番号が登録されていない車両のユーザは、割引を受けることができない。
【0049】
制御部11は、車両V1が駐車場Pから出るときに、読取装置4により車両V1の識別番号を読み取る。制御部11は、車両V1に自動決済機能が設定されていると判定すると、あらかじめ登録された請求先(例えばクレジットカード情報)に請求金額を請求して、請求金額を自動的に決済してよい。
【0050】
[フローチャート]
図8を参照して、情報処理装置1の制御部11による情報処理方法が説明される。
【0051】
ステップS1にて制御部11は、読取装置4により、駐車場Pを利用する車両V1の識別情報を読み取る。代替例としてステップS1は、ステップS5より前の任意のタイミングで実行されてよい。
【0052】
ステップS2にて制御部11は、駐車場P内の空き枠を検出する。
【0053】
ステップS3にて制御部11は、空き枠のそれぞれにつき駐車料金を算出する。算出方法は上記の通りであるため、ここでの説明は省略される。
【0054】
ステップS4にて制御部11は、算出された駐車料金を車両V1のユーザに通知する。
【0055】
ステップS5にて制御部11は、車両V1が駐車した駐車枠と駐車枠の利用時間帯とを判定する。
【0056】
ステップS6にて制御部11は、駐車枠の利用が終了したか否かを判定する。
【0057】
ステップS6にてNoのとき制御部11は、ステップS6を再度実行する。
【0058】
ステップS6にてYesのとき制御部11は、ステップS7にて、車両V1のユーザに請求される請求金額を算出する。
【0059】
ステップS8にて制御部11は、算出された駐車料金を決済する。決済は自動的に行われてよい。
【0060】
本実施形態によれば、制御部11は、読取装置4により、車両を検出することと、駐車場内の駐車枠のうち1以上の空き枠を検出することと、1以上の空き枠のそれぞれにつき駐車料金を算出することと、算出された駐車料金を、車両のユーザに通知することと、を含む動作を実行する。この構成により情報処理装置1は、駐車枠に応じて駐車料金を変動させることができるので、駐車配置を効率化することができる。
【0061】
また本実施形態によれば、制御部11の動作は、1以上の空き枠のそれぞれにつき、駐車場の入口からの距離と、自動運転車両の動線に影響するか否かと、駐車の難易度と、の少なくとも1つから駐車料金を算出することを含む。この構成により情報処理装置1は、例えば駐車場の入口から近い駐車枠の駐車料金を高く設定することで、便利な場所で長時間駐車等の問題が発生することを低減することができる。
【0062】
また本実施形態によれば、動作は、算出された駐車料金を、駐車場の交差点に設置された表示装置に表示することを含む。この構成により情報処理装置1は、交差点で車両がどの方向に進めば空き枠を発見できるか、及び、空き枠の駐車料金はいくらか、の情報を提供することができるので、ユーザの利便性を向上することができる。
【0063】
また本実施形態によれば、動作は、検出された車両のユーザによって操作されるユーザ端末2に、算出された駐車料金を通知することを含む。この構成により情報処理装置1は、空き枠の駐車料金はいくらかの情報を提供することができるので、ユーザの利便性を向上することができる。
【0064】
また本実施形態によれば、動作は、読取装置4により、車両が駐車した駐車枠と駐車枠の利用時間帯とを判定することと、駐車枠と、利用時間帯と、算出された駐車料金とから、車両のユーザに請求される請求金額を算出することと、を含む。動作は更に、車両による駐車場の利用が終了したと判定すると、請求金額を自動的に決済することを含む。この構成により情報処理装置1は、請求金額の決済にかかるユーザの手間を低減することができる。
【0065】
また本実施形態によれば、動作は、読取装置4により、車両が駐車した駐車枠を判定することと、判定された駐車枠を、車両のユーザによって操作されるユーザ端末2に通知することを含む。この構成により情報処理装置1は、ユーザが駐車場を出て戻ってきたときに駐車枠を発見することを容易にすることができる。
【0066】
本開示が諸図面及び実施例に基づき説明されるが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。例えば、各手段又は各ステップに含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0067】
例えば、上記の実施形態において、情報処理装置1の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを任意のサーバのストレージに格納しておき、任意のサーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0068】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0069】
1 情報処理装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部