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特許7544107画像検査装置、画像検査プログラム、画像検査システム、および画像検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】画像検査装置、画像検査プログラム、画像検査システム、および画像検査方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240827BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240827BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20240827BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240827BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H04N1/00 002B
B41J29/38 301
B41J5/30 Z
G03G21/00 510
H04N1/00 002A
H04N1/00 L
B41J29/393 105
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2022151242
(22)【出願日】2022-09-22
(62)【分割の表示】P 2018184381の分割
【原出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2022184992
(43)【公開日】2022-12-13
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】仲野 達矢
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-089095(JP,A)
【文献】特開2014-137512(JP,A)
【文献】特開2005-205687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 5/30
G03G 21/00
B41J 29/393
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像検査装置であって、
基準画像に基づいて、一の画像が形成された第1の記録媒体を読み取って生成された第1の読取画像に対する検査を実行するための検査ジョブの実行を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記一の画像がそれぞれ形成された複数の第2の記録媒体のそれぞれを読み取って生成された複数の第2の読取画像を取得し、前記第1の読取画像に対する検査に用いる前記基準画像を生成し、
前記制御部は、生成した前記基準画像を記憶部に記憶し、
前記検査ジョブごとに、画像形成装置による前記基準画像を生成するための新規の画像形成を伴って生成される基準画像を用いるための第1の操作、または、前記新規の画像形成を伴わず前記記憶部に記憶された基準画像を用いるための第2の操作を受け付けることを特徴とする画像検査装置。
【請求項2】
前記制御部は、さらに、前記第1の読取画像に対する検査の検査レベルの設定を受け付ける、請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の読取画像に対する検査として、前記基準画像に基づいて、前記第1の読取画像に汚れがあるか否かの判定を行う、請求項1または2に記載の画像検査装置。
【請求項4】
前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第1の操作を受け付ける、請求項1~3のいずれかに記載の画像検査装置。
【請求項5】
前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第2の操作を受け付ける、請求項1~4のいずれかに記載の画像検査装置。
【請求項6】
前記検査ジョブごとに前記基準画像と前記検査ジョブにおける検査の設定とが対応付けて前記記憶部に記憶される、請求項1~5のいずれかに記載の画像検査装置。
【請求項7】
前記記憶部に記憶されている前記基準画像を削除する削除部をさらに備える、請求項1~6のいずれかに記載の画像検査装置。
【請求項8】
基準画像に基づいて、一の画像が形成された第1の記録媒体を読み取って生成された第1の読取画像に対する検査を実行するための検査ジョブの実行を制御する画像検査装置のコンピュータで実行されるプログラムであって、
前記一の画像がそれぞれ形成された複数の第2の記録媒体のそれぞれを読み取って生成された複数の第2の読取画像を取得し、前記第1の読取画像に対する検査に用いる前記基準画像を生成するステップと、
生成した前記基準画像を記憶部に記憶するステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記検査ジョブごとに、画像形成装置による前記基準画像を生成するための新規の画像形成を伴って生成される基準画像を用いるための第1の操作、または、前記新規の画像形成を伴わず前記記憶部に記憶された基準画像を用いるための第2の操作を受け付けることを特徴とする画像検査プログラム。
【請求項9】
前記コンピュータに、前記第1の読取画像に対する検査の検査レベルの設定を受け付けるステップをさらに実行させる、請求項8に記載の画像検査プログラム。
【請求項10】
前記第1の読取画像に対する検査として、前記基準画像に基づいて、前記第1の読取画像に汚れがあるか否かの判定を行う、請求項8または9に記載の画像検査プログラム。
【請求項11】
前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第1の操作を受け付ける、請求項8~10のいずれかに記載の画像検査プログラム。
【請求項12】
前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第2の操作を受け付ける、請求項8~11のいずれかに記載の画像検査プログラム。
【請求項13】
前記検査ジョブごとに前記基準画像と前記検査ジョブにおける検査の設定とが対応付けて前記記憶部に記憶される、請求項8~12のいずれかに記載の画像検査プログラム。
【請求項14】
前記コンピュータに、前記記憶部に記憶されている前記基準画像を削除するステップをさらに実行させる、請求項8~13のいずれかに記載の画像検査プログラム。
【請求項15】
画像検査システムであって、
記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成された記録媒体を読み取って読取画像を生成する画像読取部と、
基準画像に基づいて、前記画像形成部により一の画像が形成された第1の記録媒体を前記画像読取部により読み取って生成された第1の読取画像に対する検査を実行するための検査ジョブの実行を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記一の画像がそれぞれ形成された複数の第2の記録媒体のそれぞれを読み取って生成された複数の第2の読取画像を取得し、前記第1の読取画像に対する検査に用いる前記基準画像を生成し、
前記制御部は、生成した前記基準画像を記憶部に記憶し、
前記検査ジョブごとに、前記画像形成部による前記基準画像を生成するための新規の画像形成を伴って生成される基準画像を用いるための第1の操作、または、前記新規の画像形成を伴わず前記記憶部に記憶された基準画像を用いるための第2の操作を受け付けることを特徴とする画像検査システム。
【請求項16】
前記制御部は、さらに、前記第1の読取画像に対する検査の検査レベルの設定を受け付ける、請求項15に記載の画像検査システム。
【請求項17】
前記制御部は、前記第1の読取画像に対する検査として、前記基準画像に基づいて、前記第1の読取画像に汚れがあるか否かの判定を行う、請求項15または16に記載の画像検査システム。
【請求項18】
前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第1の操作を受け付ける、請求項15~17のいずれかに記載の画像検査システム。
【請求項19】
前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第2の操作を受け付ける、請求項15~18のいずれかに記載の画像検査システム。
【請求項20】
前記検査ジョブごとに前記基準画像と前記検査ジョブにおける検査の設定とが対応付けて前記記憶部に記憶される、請求項15~19のいずれかに記載の画像検査システム。
【請求項21】
前記記憶部に記憶されている前記基準画像を削除する削除部をさらに備える、請求項15~20のいずれかに記載の画像検査システム。
【請求項22】
前記画像検査システムは、前記第1の記録媒体を排出する第1の排出トレイと第2の排出トレイとをさらに備え、
前記第1の読取画像に異常がないと判定された前記第1の記録媒体が前記第1の排出トレイに排出され、
前記第1の読取画像に異常があると判定された前記第1の記録媒体が前記第2の排出トレイに排出される、請求項15~21のいずれかに記載の画像検査システム。
【請求項23】
記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成された記録媒体を読み取って読取画像を生成する画像読取部と、
基準画像に基づいて、前記画像形成部により一の画像が形成された第1の記録媒体を前記画像読取部により読み取って生成された第1の読取画像に対する検査を実行するための検査ジョブの実行を制御する制御部と、を備える画像検査システムで実行される画像検査方法であって、
前記一の画像がそれぞれ形成された複数の第2の記録媒体のそれぞれを読み取って生成された複数の第2の読取画像を取得し、前記第1の読取画像に対する検査に用いる前記基準画像を生成するステップと、
生成した前記基準画像を記憶部に記憶するステップ、を有し、
前記検査ジョブごとに、前記基準画像を生成するための前記画像形成による新規の画像形成を伴って生成される基準画像を用いるための第1の操作、または、前記新規の画像形成を伴わず前記記憶部に記憶された基準画像を用いるための第2の操作を受け付けることを特徴とする画像検査方法。
【請求項24】
前記第1の読取画像に対する検査の検査レベルの設定を受け付けるステップをさらに有する、請求項23に記載の画像検査方法。
【請求項25】
前記制御部は、前記第1の読取画像に対する検査として、前記基準画像に基づいて、前記第1の読取画像に汚れがあるか否かの判定を行う、請求項23または24に記載の画像検査方法。
【請求項26】
前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第1の操作を受け付ける、請求項23~25のいずれかに記載の画像検査方法。
【請求項27】
前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第2の操作を受け付ける、請求項23~26のいずれかに記載の画像検査方法。
【請求項28】
前記検査ジョブごとに前記基準画像と前記検査ジョブにおける検査の設定とが対応付けて前記記憶部に記憶される、請求項26または27に記載の画像検査方法。
【請求項29】
前記記憶部に記憶されている前記基準画像を削除するステップをさらに有する、請求項23~28のいずれかに記載の画像検査方法。
【請求項30】
前記画像検査システムは、前記第1の記録媒体を排出する第1の排出トレイと第2の排出トレイとをさらに備え、
前記画像検査方法は、
前記第1の読取画像に異常がないと判定された前記第1の記録媒体を前記第1の排出トレイに排出するステップと、
前記第1の読取画像に異常があると判定された前記第1の記録媒体を前記第2の排出トレイに排出するステップと、
を有する、請求項23~29のいずれかに記載の画像検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検査装置、画像検査プログラム、画像検査システム、および画像検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置により用紙に画像を形成した後、形成された画像を読み取ることで生成されたスキャン画像を、正常な画像として検査の基準となる基準画像と比較することで、汚れ、角折れ、しわ、傾き等の異常を生じた印刷物をヤレ紙として検出している。
【0003】
このような技術に関連し、下記特許文献1には、次の技術が開示されている。同一絵柄が繰り返し印刷されている印刷物の所定箇所を撮像することで得られた検査画像と、予め記憶されている基準画像とを比較して良否判定し、不良と判断された場合は検査画像および比較に用いられた基準画像を関連付けて記録するとともに表示する。そして、表示された検査画像および基準画像を確認したユーザーにより、不良と判断された箇所が真の欠陥ではないとの判断を受け付けた場合は、記憶された検査画像および基準画像を削除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-112430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記先行技術は、適切な基準画像を使用して検査することで、ヤレ紙の検出精度を向上するということに対応できないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。すなわち、適切な基準画像を使用して検査でき、ヤレ紙の検出精度を向上できる画像検査装置、画像検査プログラム、画像検査システム、および画像検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決される。
【0008】
(1)画像検査装置であって、
基準画像に基づいて、一の画像が形成された第1の記録媒体を読み取って生成された第1の読取画像に対する検査を実行するための検査ジョブの実行を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記一の画像がそれぞれ形成された複数の第2の記録媒体のそれぞれを読み取って生成された複数の第2の読取画像を取得し、前記第1の読取画像に対する検査に用いる前記基準画像を生成し、
前記制御部は、生成した前記基準画像を記憶部に記憶し、
前記検査ジョブごとに、画像形成装置による前記基準画像を生成するための新規の画像形成を伴って生成される基準画像を用いるための第1の操作、または、前記新規の画像形成を伴わず前記記憶部に記憶された基準画像を用いるための第2の操作を受け付けることを特徴とする画像検査装置。
(2)前記制御部は、さらに、前記第1の読取画像に対する検査の検査レベルの設定を受け付ける、上記(1)に記載の画像検査装置。
(3)前記制御部は、前記第1の読取画像に対する検査として、前記基準画像に基づいて、前記第1の読取画像に汚れがあるか否かの判定を行う、上記(1)または(2)に記載の画像検査装置。
(4)前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第1の操作を受け付ける、上記(1)~(3)のいずれかに記載の画像検査装置。
(5)前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第2の操作を受け付ける、上記(1)~(4)のいずれかに記載の画像検査装置。
(6)前記検査ジョブごとに前記基準画像と前記検査ジョブにおける検査の設定とが対応付けて前記記憶部に記憶される、上記(1)~(5)のいずれかに記載の画像検査装置。
(7)前記記憶部に記憶されている前記基準画像を削除する削除部をさらに備える、上記(1)~(6)のいずれかに記載の画像検査装置。
(8)基準画像に基づいて、一の画像が形成された第1の記録媒体を読み取って生成された第1の読取画像に対する検査を実行するための検査ジョブの実行を制御する画像検査装置のコンピュータで実行されるプログラムであって、
前記一の画像がそれぞれ形成された複数の第2の記録媒体のそれぞれを読み取って生成された複数の第2の読取画像を取得し、前記第1の読取画像に対する検査に用いる前記基準画像を生成するステップと、
生成した前記基準画像を記憶部に記憶するステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記検査ジョブごとに、画像形成装置による前記基準画像を生成するための新規の画像形成を伴って生成される基準画像を用いるための第1の操作、または、前記新規の画像形成を伴わず前記記憶部に記憶された基準画像を用いるための第2の操作を受け付けることを特徴とする画像検査プログラム。
(9)前記コンピュータに、前記第1の読取画像に対する検査の検査レベルの設定を受け付けるステップをさらに実行させる、上記(8)に記載の画像検査プログラム。
(10)前記第1の読取画像に対する検査として、前記基準画像に基づいて、前記第1の読取画像に汚れがあるか否かの判定を行う、上記(8)または(9)に記載の画像検査プログラム。
(11)前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第1の操作を受け付ける、上記(8)~(10)のいずれかに記載の画像検査プログラム。
(12)前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第2の操作を受け付ける、上記(8)~(11)のいずれかに記載の画像検査プログラム。
(13)前記検査ジョブごとに前記基準画像と前記検査ジョブにおける検査の設定とが対応付けて前記記憶部に記憶される、上記(8)~(12)のいずれかに記載の画像検査プログラム。
(14)前記コンピュータに、前記記憶部に記憶されている前記基準画像を削除するステップをさらに実行させる、請求項8~13のいずれかに記載の画像検査プログラム。
(15)画像検査システムであって、
記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成された記録媒体を読み取って読取画像を生成する画像読取部と、
基準画像に基づいて、前記画像形成部により一の画像が形成された第1の記録媒体を前記画像読取部により読み取って生成された第1の読取画像に対する検査を実行するための検査ジョブの実行を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記一の画像がそれぞれ形成された複数の第2の記録媒体のそれぞれを読み取って生成された複数の第2の読取画像を取得し、前記第1の読取画像に対する検査に用いる前記基準画像を生成し、
前記制御部は、生成した前記基準画像を記憶部に記憶し、
前記検査ジョブごとに、前記画像形成部による前記基準画像を生成するための新規の画像形成を伴って生成される基準画像を用いるための第1の操作、または、前記新規の画像形成を伴わず前記記憶部に記憶された基準画像を用いるための第2の操作を受け付けることを特徴とする画像検査システム。
(16)前記制御部は、さらに、前記第1の読取画像に対する検査の検査レベルの設定を受け付ける、上記(15)に記載の画像検査システム。
(17)前記制御部は、前記第1の読取画像に対する検査として、前記基準画像に基づいて、前記第1の読取画像に汚れがあるか否かの判定を行う、上記(15)または(16)に記載の画像検査システム。
(18)前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第1の操作を受け付ける、上記(15)~(17)のいずれかに記載の画像検査システム。
(19)前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第2の操作を受け付ける、上記(15)~(18)のいずれかに記載の画像検査システム。
(20)前記検査ジョブごとに前記基準画像と前記検査ジョブにおける検査の設定とが対応付けて前記記憶部に記憶される、上記(15)~(19)のいずれかに記載の画像検査システム。
(21)前記記憶部に記憶されている前記基準画像を削除する削除部をさらに備える、上記(15)~(20)のいずれかに記載の画像検査システム。
(22)前記画像検査システムは、前記第1の記録媒体を排出する第1の排出トレイと第2の排出トレイとをさらに備え、前記第1の読取画像に異常がないと判定された前記第1の記録媒体が前記第1の排出トレイに排出され、前記第1の読取画像に異常があると判定された前記第1の記録媒体が前記第2の排出トレイに排出される、上記(15)~(21)のいずれかに記載の画像検査システム。
(23)記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成された記録媒体を読み取って読取画像を生成する画像読取部と、
基準画像に基づいて、前記画像形成部により一の画像が形成された第1の記録媒体を前記画像読取部により読み取って生成された第1の読取画像に対する検査を実行するための検査ジョブの実行を制御する制御部と、を備える画像検査システムで実行される画像検査方法であって、
前記一の画像がそれぞれ形成された複数の第2の記録媒体のそれぞれを読み取って生成された複数の第2の読取画像を取得し、前記第1の読取画像に対する検査に用いる前記基準画像を生成するステップと、
生成した前記基準画像を記憶部に記憶するステップ、を有し、
前記検査ジョブごとに、前記基準画像を生成するための前記画像形成による新規の画像形成を伴って生成される基準画像を用いるための第1の操作、または、前記新規の画像形成を伴わず前記記憶部に記憶された基準画像を用いるための第2の操作を受け付けることを特徴とする画像検査方法。
(24)前記第1の読取画像に対する検査の検査レベルの設定を受け付けるステップをさらに有する、上記(23)に記載の画像検査方法。
(25)前記制御部は、前記第1の読取画像に対する検査として、前記基準画像に基づいて、前記第1の読取画像に汚れがあるか否かの判定を行う、上記(23)または(24)に記載の画像検査方法。
(26)前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第1の操作を受け付ける、上記(23)~(25)のいずれかに記載の画像検査方法。
(27)前記検査ジョブにおける検査の設定を受け付ける設定画面において、前記第2の操作を受け付ける、上記(23)~(26)のいずれかに記載の画像検査方法。
(28)前記検査ジョブごとに前記基準画像と前記検査ジョブにおける検査の設定とが対応付けて前記記憶部に記憶される、上記(26)または(27)に記載の画像検査方法。
(29)前記記憶部に記憶されている前記基準画像を削除するステップをさらに有する、上記(23)~(28)のいずれかに記載の画像検査方法。
(30)前記画像検査システムは、前記第1の記録媒体を排出する第1の排出トレイと第2の排出トレイとをさらに備え、
前記画像検査方法は、
前記第1の読取画像に異常がないと判定された前記第1の記録媒体を前記第1の排出トレイに排出するステップと、
前記第1の読取画像に異常があると判定された前記第1の記録媒体を前記第2の排出トレイに排出するステップと、
を有する、上記(23)~(29)のいずれかに記載の画像検査方法。
【発明の効果】
【0033】
適切な基準画像を使用して検査でき、ヤレ紙の検出精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】画像形成システムの構成を示す概略図である。
図2】画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図3】検査ジョブ実行後に基準画像を保存するかどうかを設定するための自動検品設定画面を示す模式図である。
図4】画像形成システムの動作を示すフローチャートである。
図5】画像形成システムの動作を示すフローチャートである。
図6】画像形成システムの動作を示すフローチャートである。
図7】画像形成システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0036】
(画像形成システム)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成システムの構成を示す概略図である。図2は、画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0037】
画像形成システム100は、画像形成装置101、読取装置102、後処理装置103、給紙装置104を有する。画像形成装置101は記録媒体(たとえば用紙)に画像形成(印刷)を行う。以下、記録媒体として用紙Sを例示して説明する。読取装置102は、用紙Sに形成された画像を読み取る。後処理装置103は画像形成された用紙を後処理する。給紙装置104は給紙トレイ41と共に、収納している用紙Sを画像形成部30へ供給する。なお、これらの装置は、それぞれ他の装置を含んで構成されてもよい。従って、例えば、画像形成装置101は、読取装置102を含んで構成され得る。画像形成システム100は、プロダクションプリント機であり得る。
【0038】
図2に示すように、画像形成システム100は、制御部10、記憶部20、画像形成部30、給紙搬送部40、操作表示部50、読取部60、後処理部70、および通信部80を有する。これらは、各部の間で信号をやり取りするためのバスを介して相互に接続されている。読取部60は画像読取部を構成する。
【0039】
制御部10は、CPUであり、プログラムに従って各部の制御や各種の演算処理を行う。制御部10は、画像形成装置101が備える制御部12と、読取装置102が備える制御部11とを含み、これらが協働して画像形成システム100全体を制御する。制御部10は、読取部60と共に検査部を構成する。制御部10の具体的な制御については後述する。
【0040】
記憶部20は、画像形成装置101が備える記憶部22と、読取装置102が備える記憶部21とを含む。記憶部20は、各種プログラムや各種データを格納しておくROM、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM、および各種プログラムや各種データを格納するハードディスク等から構成される。
【0041】
画像形成部30は、中間転写ベルト31、感光体ドラム32、現像部33、書込部34、および2次転写部35を備える。
【0042】
感光体ドラム32、現像部33、および書込部34は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各基本色に対応した構成をそれぞれ備える。図1では、感光体ドラム32、現像部33については、符号32(Y)、33(Y)以外の符号の表記を省略している。
【0043】
画像形成部30の書込部34は、画像データに基づいて、帯電された感光体ドラム32の表面を露光し、静電潜像を形成する。現像部33では、形成された静電潜像を現像部33のトナーにより現像して、各感光体ドラム32の表面に各色のトナー画像を形成する。これを各色の1次転写部(図示せず)で中間転写ベルト31上に順次重ねてゆき、フルカラーのトナー画像を形成する。このトナー画像は、2次転写部35で用紙S上に転写される。その後、トナー画像が形成された用紙Sは、定着部36へ搬送されて、定着部36で加熱・加圧処理することで用紙S上にフルカラーの画像を定着する。
【0044】
給紙搬送部40は、給紙トレイ41、搬送路42(42a~42d)、複数の搬送ローラー、これを駆動する駆動モーター(図示せず)、および給紙装置104を備える。
【0045】
給紙搬送部40は、駆動モーターの駆動によってそれぞれの搬送ローラーを所定のタイミングで回転させ、給紙トレイ41または給紙装置104から供給される用紙Sを画像形成部30へ搬送する。
【0046】
給紙トレイ41は、ここでは上トレイ41aと下トレイ41bの2段の引き出し式トレイとなっていて、それぞれ個別に用紙を収納し、画像形成装置101へ用紙を供給する。
【0047】
給紙装置104は、画像形成装置101内部の上トレイ41aおよび下トレイ41bよりも多くの用紙を収納し、画像形成装置101へ用紙Sを供給する。
【0048】
搬送路42は、画像形成部30内の搬送路42a、42d、読取装置102内の搬送路42b、後処理部70内の搬送路42cから構成される。
【0049】
給紙装置104または給紙トレイ41から給紙された用紙Sは、搬送路42aを搬送される。搬送路42aには、クラッチにより回転、停止することで用紙の搬送タイミングを調整するレジストローラー431が配置されている。
【0050】
搬送路42aを搬送され画像形成部30により画像形成された用紙Sは、下流側の搬送路42b、42cを経由して、印刷ジョブの印刷設定に応じた各処理を施されたのち機外に排出され排紙トレイ44上に載置される。印刷設定には、例えば、Nin1(ページ割付)、印刷部数の設定、ステープル、パンチ、折り、ウォーターマーク、原稿の向き、用紙サイズ、およびグレースケール化の設定が含まれる。
【0051】
印刷ジョブの印刷設定が、両面印刷の設定であれば、片面(第1面、通常は表面)に画像形成された用紙Sを画像形成部30の下部にあるADU搬送路42dに搬送する。このADU搬送路42dに搬送された用紙Sは、スイッチバック経路で表裏を反転された後、搬送路42aに合流し、再び画像形成部30で用紙Sのもう一方の面(第2面、通常は裏面)に画像形成される。
【0052】
操作表示部50はタッチパネル付きディスプレイ、テンキー、スタートボタン、ストップボタン等を備えており、各種指示を入力するための入力画面および装置の状態等を表示するとともに、印刷設定等の各種設定および各種指示の入力を受け付ける。操作表示部50は受付部および表示部として機能する。
【0053】
読取部60は、搬送路42b上に、この搬送路42bを通過する、画像形成された用紙Sの画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する。スキャン画像は、例えば、ビットマップ形式のデータであり得る。読取部60は、画像読取部として機能する。
【0054】
読取部60は、ラインイメージセンサー、レンズ光学系、LED(Light Emitting Diode)光源およびこれらを収納する筐体等を備え、搬送される用紙Sに形成された画像を読み取る。画像の読み取りは、LED光源からの光が、搬送路42b上の読取位置を通過する用紙Sの表面を照射し、読取位置の像がレンズ光学系により導かれ、ラインイメージセンサー上に結像することでなされる。
【0055】
後処理部70は、搬送路42cに設けられている。後処理部70では、たとえば綴じ処理を行い、用紙をスタックするスタック部とステープル部を有し、複数枚の用紙Sをこのスタック部で重ねた後、ステープル部でステープルを用いた平綴じ処理を行う。平綴じされた用紙Sの束は、排紙トレイ44上に排出される。また平綴じしない用紙Sは、そのまま搬送路42cを経由して排出される。
【0056】
通信部80には、SATA、PCI Expres、USB、イーサネット(登録商標)、IEEE1394などの規格によるネットワークインターフェース、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11などの無線通信インターフェース、などの各種ローカル接続インターフェースが用いられる。通信部80を通じてPC等の外部の端末からの印刷データおよび印刷設定で構成される印刷ジョブが受信される。
【0057】
制御部10は、印刷ジョブに基づいて、画像形成部30により用紙Sに画像形成し、画像形成された用紙Sを読取部60により読み取ることでスキャン画像を生成する。制御部10は、生成したスキャン画像と、当該印刷ジョブに関連付けられた(紐付けられた)基準画像(正解画像)とを比較することで、用紙Sに形成された画像を検査する。以下、用紙Sに形成された画像の検査を、単に「検査」と称する。基準画像は、正常な画像として、検査の基準となる画像である。これにより、自動検品機能が実行される。制御部10は、検査の結果、用紙Sに形成された画像に異常があると判断した場合は、異常があると判断した画像が形成された用紙Sをヤレ紙と判定し、排紙トレイ44とは別に設けられた、ヤレ紙排出用のトレイ(図示せず)へ排出する。ヤレ紙として判定される、用紙S上の画像の異常には、汚れ、角折れ、しわ、傾き等が含まれる。以下、検査対象となる画像を用紙S上に形成するための印刷ジョブを検査ジョブと称する。また、検査対象となる画像を検査対象画像と称する。この検査ジョブが実行されることで、検査の結果良品とされた用紙Sが商品の印刷物として出力される。検査ジョブは第1印刷ジョブを構成する。
【0058】
制御部10は、基準画像を生成するための印刷ジョブに基づいて、画像形成部30により用紙Sに画像形成し、画像形成された用紙Sを読取部60により読み取ることで、基準画像として使用するスキャン画像を生成する。生成されたスキャン画像は、ユーザーによる目視検査等により正常と判断された後、基準画像として、当該基準画像を検査に使用する検査ジョブに関連付けられるとともに、記憶部20に記憶される。以下、基準画像を生成するための印刷ジョブを基準画像生成ジョブと称する。基準画像生成ジョブは第2印刷ジョブを構成する。
【0059】
基準画像生成ジョブは、検査ジョブの印刷部数を複数部から例えば1部に変更することで生成した印刷ジョブであり得る。また、基準画像生成ジョブは、必要に応じて、検査ジョブに対し印刷設定が変更され得る。基準画像生成ジョブを生成するときの出力モードとしては、例えば、サンプル出力モードおよびプルーフ出力モードがある。サンプル出力モードは、記憶されている検査ジョブのうちいずれかについて、印刷物を1部印刷するとともに、当該印刷物のスキャン画像を基準画像として前記検査ジョブに関連付けて検査ジョブとともに記憶するモードであり得る。プルーフ出力モードは、検査ジョブを実行する前に、印刷物を1部印刷し、目視検査で正常と判断された場合に、当該印刷物のスキャン画像を基準画像として記憶し、検査ジョブに対応付けて検査を行った後、検査ジョブを記憶部20から削除する(または記憶部20に記憶しない)モードであり得る。以下、説明を簡単にするために、特記しない限り、基準画像生成ジョブは、サンプル出力モードで実行されるものとして説明する。
【0060】
制御部10は、基準画像を生成する際、次の制御を行う。制御部10は、基準画像生成ジョブを実行することで生成された基準画像と検査ジョブとを関連付けて記憶部20に記憶する。基準画像は読取装置102の記憶部21に記憶され、印刷ジョブは画像形成装置101の記憶部22に記憶され得る。制御部10は、記憶部21に記憶された基準画像のデータ量が所定量以上になったときに、記憶された基準画像が所定の条件を満たすかどうか判断する。そして、所定の条件を満たすと判断した基準画像を記憶部21から削除する。基準画像の削除の判断の基準となるデータ量は、例えば、記憶部21の記憶容量の90%~100%に設定し得る。所定の条件には、例えば、次の条件が含まれる。
【0061】
(1)検査への使用頻度が所定の頻度以下の基準画像であること(第1条件)。所定の頻度は、実験等により適当な値に設定され得る。所定の頻度は、例えば、3回~5回/月に設定され得る。
【0062】
(2)記憶部21に記憶された日時、最後に編集された日時、および検査に最後に使用された日時の少なくともいずれかが所定の日時以前である基準画像であること(第2条件)。基準画像が、記憶部21に記憶された日時、最後に編集された日時、および検査に最後に使用された日時は、タイムスタンプとして、基準画像のファイルのヘッダーにおいて記憶され得る。所定の日時は、実験等により適当な値に設定され得る。所定の日時は、例えば、1月~1年以上前の日時に設定され得る。
【0063】
(3)サンプル出力モードにより1つの検査ジョブの検査に使用される基準画像が複数、記憶部21に記憶されていて、当該複数の基準画像のうち、当該検査ジョブに関連付けられていない基準画像であること(第3条件)。
【0064】
(4)所定のレベル以上の機密性レベルに設定された検査ジョブが実行されることで形成された検査対象画像の検査に用いるための基準画像であること(第4条件)。所定のレベルは、組織毎のセキュリティポリシー等の観点から適当に設定され得る。基準画像を検査に使用する検査ジョブのジョブIDは、基準画像のファイルのヘッダーにおいて記憶され得る。
【0065】
(5)検査ジョブの実行後に検査に使用した基準画像を削除する設定がされていて、実行された検査ジョブに使用された基準画像であること(第5条件)。当該設定は、操作表示部50から入力されるユーザーの指示に基づいて設定され得る。
【0066】
(6)設定された、基準画像の有効期限、基準画像を使用して検査対象画像を検査した検査ジョブのジョブ数、および基準画像を使用して検査対象画像を検査した用紙の枚数の少なくともいずれかに達した基準画像であること(第6条件)。基準画像の有効期限、基準画像を使用して検査対象画像を検査した検査ジョブのジョブ数、および基準画像を使用して検査対象画像を検査した用紙の枚数は、操作表示部50から入力されるユーザーの指示に基づいて設定され得る。
【0067】
(7)基準画像が記憶される際に、基準画像と同一のファイル名の他の基準画像が記憶部21にすでに記憶されている場合は上書きして記憶する設定がされていて、当該他の基準画像に該当すること(第7条件)。当該設定は、操作表示部50から入力されるユーザーの指示に基づいて設定され得る。
【0068】
(8)操作表示部50に表示された基準画像のうち、削除の選択が受け付けられた基準画像であること(第8条件)。当該削除の選択は、例えば、操作表示部50にサムネイル表示等により基準画像を選択可能に表示することにより受け付けられ得る。
【0069】
(9)印刷設定が異なる複数の基準画像生成ジョブを実行することにより、検査ジョブを実行することで形成される検査対象画像の検査に用いる基準画像を複数生成して記憶した場合に、基準画像が、検査ジョブの印刷設定と異なる印刷設定の基準画像生成ジョブの実行により生成された基準画像であること(第9条件)。
【0070】
(10)基準画像が、記憶部21または記憶部22に記憶された検査ジョブの印刷設定が変更される更新がされた場合の、当該検査ジョブに対応付けされた基準画像であること(第10条件)。印刷設定の変更には、ページ順の入れ替えや、画像の位置または範囲の変更等も含まれる。
【0071】
所定の条件は、上記第1条件~第10条件からユーザーにより選択された、いずれか1つの条件、または複数の条件のAND条件またOR条件であってもよい。
【0072】
図3は、検査ジョブ実行後に基準画像を保存するかどうかを設定するための自動検品設定画面を示す模式図である。
【0073】
自動検品設定画面503は、ジョブチケット編集画面500において、「出力設定」501の項目内の「自動検品」502を選択することにより表示される。「出力設定」501の項目内の「自動検品」502以外の項目については、従来の自動検品機能を備えた画像形成システムと同様であるので詳細な説明を省略する。
【0074】
自動検品設定画面503は、自動検品機能のオン/オフを設定する「検品設定」504と、基準画像を新規作成するか、または登録画像から選択するかを選択する「基準画像設定」505と、検品レベルを設定する「検品レベル設定」506を有する。図3に示す例では、「検品設定」504はON(オン)が選択されている。「基準画像設定」505は、「新規作成」が選択され、「終了時削除」が選択されている。「検品レベル設定」506はきびしいが選択されている。検品レベルについては、従来の自動検品機能を備えた画像形成システムと同様であるので説明を省略する。
【0075】
上記選択をして、「OK」ボタンを選択すると、「新規作成」が選択されたことで、自動検品機能による検査に使用するための基準画像を新規に作成することが設定される。また、「終了時削除」が選択されたことで、作成した基準画像を検査ジョブの実行後に記憶部21から削除することの設定がなされる。この場合、所定の条件として、上述した第5条件が設定されたことになる。
【0076】
画像形成システムの動作について説明する。
【0077】
図4は、基準画像を削除するための所定の条件として第1条件および第2条件が設定された場合の画像形成システムの動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、読取装置102が備える制御部11により、記憶部21に記憶されたプログラムに従って実行され得る。なお、本フローチャートの一部は、制御部11および制御部12が協働することで実行されてもよい。以下説明する、図5図7に示すフローチャートも同様に、制御部11により(または、一部は制御部12と協働することにより)プログラムに従って実行され得る。
【0078】
制御部11は、記憶部21の使用率が所定値以上となったかどうか判断する(S101)。当該所定値は、例えば、100%であり得る。記憶部21の使用率は、記憶部21に記憶された基準画像のデータ量に対応し、互いに換算可能である。制御部11は、記憶部21の使用率が所定値を超えていないと判断した場合は(S101:NO)、処理を終了する。
【0079】
制御部11は、記憶部21の使用率が所定値を超えたと判断した場合は(S101:YES)、基準画像を使用頻度が低い順に削除するという設定がされているかどうか判断する(S102)。基準画像を使用頻度が低い順に削除するという設定は、所定値(例えば、3回/月)以下の使用頻度の基準画像を削除するという設定であり得る。制御部11は、基準画像を使用頻度が低い順に削除するという設定がされていると判断した場合は(S102:YES)、基準画像を更新日時が古い順に削除する設定がされているかどうか判断する(S103)。更新日時が古い順に削除する設定は、最後に編集された日時が所定の日時(例えば、1月以上前の日時)の基準画像を削除するという設定であり得る。制御部11は、基準画像を、更新日時が古い順に削除する設定がされていると判断した場合は(S103:YES)、使用頻度が所定値以下の基準画像を削除し、さらに更新日時が所定の日時以前の基準画像を削除する(S104)。
【0080】
制御部11は、基準画像を、更新日時が古い順に削除する設定がされていないと判断した場合は(S103:NO)、使用頻度が所定値以下の基準画像を削除する(S105)。
【0081】
ステップS102において、基準画像を使用頻度が低い順に削除するという設定がされていないと判断した場合は(S102:NO)、制御部11は、基準画像を更新日時が古い順に削除する設定がされているかどうか判断する(S106)。制御部11は、基準画像を更新日時が古い順に削除する設定がされていないと判断した場合は(S106:NO)、処理を終了する。
【0082】
制御部11は、基準画像を更新日時が古い順に削除する設定がされていると判断した場合は(S106:YES)、更新日時が所定の日時以前の基準画像を削除する(S107)。
【0083】
図5は、基準画像を削除するための所定の条件として第3条件が設定された場合の画像形成システムの動作を示すフローチャートである。
【0084】
制御部11は、基準画像生成ジョブをサンプル出力モードで実行したかどうか判断する(S201)。制御部11は、基準画像生成ジョブをサンプル出力モードで実行していないと判断した場合は(S201:NO)、処理を終了する。
【0085】
制御部11は、基準画像生成ジョブをサンプル出力モードで実行したと判断した場合は(S201:YES)、生成された基準画像を記憶部21に記憶させ(S202)、基準画像生成ジョブをサンプル出力モードで再度実行したかどうか判断する(S203)。制御部11は、基準画像生成ジョブをサンプル出力モードで再度実行したと判断した場合は(S203:YES)、生成された基準画像を記憶部21に記憶させ(S202)、基準画像生成ジョブをサンプル出力モードで再度実行したかどうかの判断(S203)を繰り返す。
【0086】
制御部11は、基準画像生成ジョブをサンプル出力モードで再度実行したと判断しない場合は(S203:NO)、検査ジョブによる検査に使用する基準画像を選択し(S204)、検査ジョブを実行する(S205)。
【0087】
制御部11は、検査ジョブによる検査に使用しなかった基準画像が記憶部21に記憶されているかどうか判断する(S206)。すなわち、制御部11は、サンプル出力モードで、検査ジョブに使用するための基準画像を複数生成した場合に、実行した検査ジョブに関連付けられていない基準画像が記憶部21に記憶されているかどうか判断する。制御部11は、検査ジョブによる検査に使用しなかった基準画像が記憶部21に記憶されていないと判断した場合は(S206:NO)、処理を終了する。
【0088】
制御部11は、検査ジョブによる検査に使用しなかった基準画像が記憶部21に記憶されていると判断した場合は(S206:YES)、使用しなかった基準画像を記憶部21から削除する(S207)。
【0089】
図6は、基準画像を削除するための所定の条件として第4条件および第5条件が設定された場合の画像形成システムの動作を示すフローチャートである。
【0090】
制御部11は、検査ジョブを出力が完了するまで実行する(S301、S302)。
【0091】
制御部11は、検査ジョブの出力が完了したと判断した場合は(S302:YES)、検査ジョブの終了時に検査画像を削除するという設定がされているかどうか判断する(S303)。制御部11は、検査ジョブの終了時に検査画像を削除するという設定がされていると判断した場合は(S303:YES)、検査ジョブによる検査に使用された基準画像を記憶部21から削除する(S304)。
【0092】
制御部11は、検査ジョブの終了時に検査画像を削除するという設定がされていないと判断した場合は(S303:NO)、実行した検査ジョブが機密ジョブかどうか判断する(S305)。すなわち、制御部11は、検査ジョブの機密性レベルが所定のレベル以上に設定されているかどうか判断する。制御部11は、実行した検査ジョブが機密ジョブではないと判断した場合は(S305:NO)、処理を終了する。
【0093】
制御部11は、実行した検査ジョブが機密ジョブであると判断した場合は(S305:YES)、検査ジョブによる検査に使用された基準画像を記憶部21から削除する(S304)。
【0094】
図7は、基準画像を削除するための所定の条件として第7条件が設定された場合の画像形成システムの動作を示すフローチャートである。
【0095】
制御部11は、基準画像の記憶部21への記憶(保存)を開始し(S401)、記憶しようとする基準画像のファイル名と同一のファイル名の基準画像が記憶部21に記憶されているかどうか判断する(S402)。制御部11は、記憶しようとする基準画像のファイル名と同一のファイル名の基準画像が記憶部21に記憶されていないと判断した場合は(S402:NO)、基準画像を記憶部21に記憶させる(S405)。
【0096】
制御部11は、記憶しようとする基準画像のファイル名と同一のファイル名の基準画像が記憶部21に記憶されていると判断した場合は(S402:YES)、上書きして記憶するという設定がされているかどうか判断する(S403)。上書きして記憶するという設定がされていると判断した場合は(S403:YES)、記憶部21は、すでに記憶部21に記憶されている同一ファイル名の基準画像を削除して(S404)、基準画像を記憶させる(S405)。
【0097】
上書きして記憶するという設定がされていないと判断した場合は(S403:NO)、制御部11は、基準画像を、ファイル名を変更して(S406)、記憶部21に記憶させる。
【0098】
本実施形態は以下の効果を奏する。
【0099】
自動検品機能を実行する際に生成され記憶された基準画像のデータ量が所定量以上となったときに、所定の条件を満たす基準画像を削除する。これにより、自動検品機能を実行する際に生成され記憶される基準画像による記憶部の容量圧迫を回避するために不要な基準画像を手動で削除するという手間をユーザーに強いることなく、生産性の低下を防止できる。
【0100】
さらに、記憶部に記憶された複数の基準画像の中から、検査対象画像の検査に用いる基準画像の選択をユーザーから受付け、選択を受け付けた基準画像を使用して、検査対象画像を検査する。これにより、適切な基準画像を使用して検査できるため、ヤレ紙の検出精度を向上できる。
【0101】
さらに、基準画像ごとの使用頻度を記憶し、基準画像を削除するための所定の条件を、記憶部に記憶された基準画像の使用頻度が所定の頻度以下であるという第1条件とする。これにより、必要性に乏しい基準画像を適切に削除できる。
【0102】
さらに、基準画像ごとの、保存日時、最後に編集された日時、および検査に最後に使用された日時の少なくともいずれかを記憶し、基準画像を削除するための所定の条件を、基準画像が、保存日時、最後に編集された日時、および最後に使用された日時の少なくともいずれかが所定の日時以前であるという第2条件とする。これにより、必要性に乏しい基準画像を適切に削除できる。
【0103】
さらに、サンプル出力モードにより、検査ジョブの検査に使用する基準画像を複数生成して記憶部に記憶させた場合に、生成された複数の基準画像のうちのいずれか一つを第1印刷ジョブに関連付けし、基準画像を削除するための所定の条件を、基準画像が、検査対象ジョブに関連付けられていないという第3条件とする。これにより、適切な基準画像を使用して検査できるため、ヤレ紙の検出精度を向上できる。
【0104】
さらに、検査ジョブの機密性レベルの設定指示を受け付け、基準画像を削除するための所定の条件を、基準画像が、所定のレベル以上の機密レベルに設定された検査ジョブが実行されることで形成された検査対象画像の検査に用いるための基準画像であるという第4条件とする。これにより、個人情報等の機密情報として扱うべき情報を含む基準画像を削除することで機密性レベルの高い機密情報の漏洩を防止できる。
【0105】
さらに、検査ジョブを実行した後に、検査ジョブに基づいて形成された検査対象画像の検査に用いた基準画像を削除する指示をユーザーから受け付け、基準画像を削除するための所定の条件を、実行された検査ジョブの検査に使用された基準画像であるという第5条件とする。これにより、リプリントをしない検査ジョブにおける検査に使用される不要な基準画像を適切に削除できる。
【0106】
さらに、基準画像の有効期限、基準画像を使用して検査対象画像を検査した検査ジョブのジョブ数、および基準画像を使用して検査対象画像を検査した用紙の枚数の少なくともいずれかの設定の指示をユーザーから受け付けて設定し、基準画像を削除するための所定の条件を、基準画像が、設定された、基準画像の有効期限、検査ジョブのジョブ数、および当該用紙の枚数の少なくともいずれかに達したという第6条件とする。これにより、必要性に乏しい基準画像を適切に削除できる。
【0107】
さらに、基準画像が記憶部に記憶される際に、基準画像と同一のファイル名の他の基準画像が記憶部にすでに記憶されている場合に、上書きして記憶する指示をユーザーから受け付けて設定し、基準画像を削除するための所定の条件を、基準画像が、基準画像が記憶部に記憶される際に、基準画像と同一のファイル名の基準画像がすでに記憶されている場合に、上書きして記憶する設定がされていて、当該他の基準画像に該当するという第7条件とする。これに、ユーザーの意図に対応して、必要な基準画像を残すことができるとともに、不要な基準画像を削除できる。
【0108】
さらに、記憶部に記憶された基準画像を表示し、表示された基準画像のうち削除する基準画像の選択をユーザーから受け付け、基準画像を削除するための所定の条件を、基準画像が、選択が受け付けられた基準画像であるという第8条件とする。これにより、適当なタイミングで必要性に乏しい基準画像を削除できる。
【0109】
さらに、基準画像を削除するための所定の条件を、印刷設定が異なる複数の基準画像生成ジョブを実行することにより、検査ジョブを実行することで形成される検査対象画像の検査に用いる基準画像を複数生成して記憶部に記憶した場合に、基準画像が、検査ジョブの印刷設定と異なる印刷設定の基準画像生成ジョブの実行により生成された基準画像であるという第9条件とする。これにより、印刷設定ミス等により不要となった基準画像を適切に削除できる。
【0110】
さらに、検査ジョブを記憶部または記憶部以外の記憶装置に基準画像と対応付けて記憶させ、基準画像を削除するための所定の条件を、基準画像が、記憶された検査ジョブの印刷設定が変更される更新がされた場合の、当該検査ジョブに対応付けされた基準画像であるという第10条件とする。これにより、印刷設定ミス等により不要となった基準画像を適切に削除できる。
【0111】
以上に説明した画像形成システム、画像形成装置、およびプログラムの構成は、上述の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上述の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。また、一般的な画像形成システム等が備える構成を排除するものではない。
【0112】
また、上述した実施形態に係る画像形成システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、USBメモリやDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、一機能としてその検出部等の装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0113】
10、11、12 制御部、
20、21、22 記憶部、
30 画像形成部、
40 給紙搬送部、
50 操作表示部、
60 読取部、
70 後処理部、
80 通信部、
100 画像形成システム、
101 画像形成装置、
102 読取装置、
103 後処理装置、
104 給紙装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7