(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】バンド駒、バンド、および時計
(51)【国際特許分類】
A44C 5/10 20060101AFI20240827BHJP
A44C 5/02 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A44C5/10 511B
A44C5/02 E
A44C5/10 513C
A44C5/10 510E
(21)【出願番号】P 2022170422
(22)【出願日】2022-10-25
(62)【分割の表示】P 2020039692の分割
【原出願日】2020-03-09
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(74)【代理人】
【識別番号】100171882
【氏名又は名称】北庄 麗絵子
(72)【発明者】
【氏名】中塚 義樹
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-139306(JP,U)
【文献】特開2008-029803(JP,A)
【文献】特開2012-065756(JP,A)
【文献】特開2005-034294(JP,A)
【文献】特開2015-029806(JP,A)
【文献】特開平03-244404(JP,A)
【文献】実開昭58-074814(JP,U)
【文献】実開昭59-091122(JP,U)
【文献】実開昭59-068414(JP,U)
【文献】実開平06-029412(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/10
A44C 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1駒片と、
前記第1駒片を所定の方向から覆うようにして配置される第2駒片と、
前記第1駒片と前記第2駒片とを連結し、且つ他のバンド駒と連結するピン部材と、を備え、
前記第2駒片は、
前記第1駒片を前記所定の方向から覆う表面保護部と、
前記ピン部材が挿入される挿入孔であって前記他のバンド駒と連結する駒連結方向と直交する方向に延びる前記挿入孔が設けられ、当該第2駒片における前記駒連結方向と直交する方向の中間部に設けられる連結固定部と、
前記連結固定部が配置される側の前記第1駒片の一端部を覆い、且つ前記駒連結方向において前記連結固定部の厚みよりも薄い先端保護部と、を有し、
前記第1駒片は、
前記連結固定部に対応する装着凹部と、
前記装着凹部の両側において前記挿入孔と同一軸上に対応して設けられ、且つ前記ピン部材が挿入する取付孔と、
前記駒連結方向の前記一端部に突出し、且つ前記装着凹部及び前記取付孔を含む突起部と、
前記駒連結方向の前記一端部とは反対側の他端部に前記他のバンド駒の突起部に対応する連結凹部と、を有する、
ことを特徴とするバンド駒。
【請求項2】
請求項1に記載のバンド駒において、
前記第1駒片及び前記第2駒片は、夫々異なる材料によって形成されている、
ことを特徴とするバンド駒。
【請求項3】
請求項2に記載のバンド駒において、
前記第1駒片は、合成樹脂によって形成され、
前記第2駒片は、金属によって形成されている、
ことを特徴とするバンド駒。
【請求項4】
請求項1に記載のバンド駒において、
前記駒連結方向において、前記突起部の厚み及び前記連結固定部の厚みは略同じである、
ことを特徴とするバンド駒。
【請求項5】
請求項
1に記載のバンド駒において、
前記挿入孔に前記ピン部材を固定する固定部材を備える、
ことを特徴とするバンド駒。
【請求項6】
請求項
5に記載のバンド駒において、
前記挿入孔
からの前記固定部材の抜け出しを防ぐストッパ部材を備える、
ことを特徴とするバンド駒。
【請求項7】
請求項
3に記載のバンド駒において、
前記第2駒片は、金属粉末を焼結させた焼結金属で形成されている、
ことを特徴とするバンド駒。
【請求項8】
請求項
1に記載のバンド駒において、
前記第1駒片は、前記所定の方向へ開口するくり抜き凹部を有し、
前記第2駒片は、前記くり抜き凹部を前記所定の方向から覆うようにして配置される、
ことを特徴とするバンド駒。
【請求項9】
請求項
8に記載のバンド駒において、
前記第1駒片は、
前記くり抜き凹部内において前記くり抜き凹部から前記所定の方向へ突出し、前記第2駒片に当接して配置される支持柱を備える、
ことを特徴とするバンド駒。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれかに記載されたバンド駒同士を前記ピン部材によって連結した、ことを特徴とするバン
ド。
【請求項11】
請求項1~請求項
9のいずれかに記載されたバンド駒同士を前記ピン部材によって連結した
バンドを備える、ことを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、腕時計や腕輪、バックなどに用いられるバンド駒、それらを連結したバンド、およびそれらを備えた時計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、腕時計のバンドにおいては、特許文献1に記載されているように、合成樹脂製の一対の外駒片と、これら一対の外駒片間に配置される合成樹脂製の内駒片と、一対の外駒片の外側面に取り付けられる金属製の側駒片と、を備え、これらをピン部材によってほぼY字形状に連結してバンド駒を構成したものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなバンドのバンド駒では、一対の外駒片と内駒片と側駒片とをピン部材によって連結させてバンド駒を形成し、このバンド駒同士を別のピン部材で連結させる構造であるから、部品点数が多く、組立作業が煩雑であるという問題がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、構造の簡素化を図ることができるバンド駒、それらを連結したバンド、およびそれらを備えた時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、
第1駒片と、
前記第1駒片を所定の方向から覆うようにして配置される第2駒片と、
前記第1駒片と前記第2駒片とを連結し、且つ他のバンド駒と連結するピン部材と、を備え、
前記第2駒片は、
前記第1駒片を前記所定の方向から覆う表面保護部と、
前記ピン部材が挿入される挿入孔であって前記他のバンド駒と連結する駒連結方向と直交する方向に延びる前記挿入孔が設けられ、当該第2駒片における前記駒連結方向と直交する方向の中間部に設けられる連結固定部と、
前記連結固定部が配置される側の前記第1駒片の一端部を覆い、且つ前記駒連結方向において前記連結固定部の厚みよりも薄い先端保護部と、を有し、
前記第1駒片は、
前記連結固定部に対応する装着凹部と、
前記装着凹部の両側において前記挿入孔と同一軸上に対応して設けられ、且つ前記ピン部材が挿入する取付孔と、
前記駒連結方向の前記一端部に突出し、且つ前記装着凹部及び前記取付孔を含む突起部と、
前記駒連結方向の前記一端部とは反対側の他端部に前記他のバンド駒の突起部に対応する連結凹部と、を有する、
ことを特徴とするバンド駒である。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、構造の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明を腕時計に適用した一実施形態を示した斜視図である。
【
図2】
図1に示された腕時計の時計バンドの一部を示し、(a)はその拡大正面図、(b)はその拡大側面図、(c)はその拡大裏面図である。
【
図3】
図2に示された時計バンドのバンド駒を示し、(a)はその拡大正面図、(b)はその裏面側を示した拡大斜視図、(c)は(a)のA-A矢視における拡大断面図である。
【
図4】
図3に示されたバンド駒を分解して示した拡大斜視図である。
【
図5】
図4に示されたバンド駒を裏面側から見た拡大斜視図である。
【
図6】
図3(a)に示されたバンド駒の第2駒片に固定パイプとストッパ部材とを取り付けた状態の側面を示し、(a)はその拡大側面図、(b)はそのA部を更に拡大して示した側面図、(c)は(b)に示されたストッパ部材のストッパ孔を示した拡大図である。
【
図7】
図3に示されたバンド駒同士を連結する状態を示した拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1~
図7を参照して、この発明を腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この腕時計は、
図1に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1の12時側と6時側とには、時計バンド2が取り付けられるバンド取付部3がそれぞれ設けられている。また、この腕時計ケース1の2時側、3時側、4時側、8時側、および10時側には、スイッチ装置4がそれぞれ設けられている。
【0010】
時計バンド2は、
図1および
図2に示すように、複数のバンド駒5を順次連結した構造になっている。バンド駒5は、
図3~
図5に示すように、合成樹脂製の第1駒片6と、この第1駒片6の一面側である裏面側を露出させて第1駒片6を覆う金属製の第2駒片7と、を備え、これらを重ね合わせて棒状のピン部材8によって連結した構造になっている。
【0011】
第1駒片6は、
図3~
図5に示すように、駒連結方向の一端部6aに突出して設けられた突起部10と、この一端部6aと反対側の他端部6bに突起部10が配置可能に設けられた連結凹部11と、を備えている。この第1駒片6は、ウレタン樹脂などの合成樹脂によって形成されている。この第1駒片6の中央部、すなわち突起部10と連結凹部11との間には、くり抜き凹部12が表面側に開放されて設けられている。
【0012】
このくり抜き凹部12は、
図3および
図4に示すように、ウレタン樹脂などの合成樹脂の材料を削減するための凹部であり、このくり抜き凹部12内には、2本の支持柱13が表面側に突出して設けられている。また、この第1駒片6の突起部10における先端部には、表面側から裏面側に向けて傾斜する傾斜面10aが設けられている。この突起部10における駒連結方向と直交する方向の中間部には、後述する第2駒片7の連結固定部23が配置される装着凹部14が表面側および先端側に開放されて設けられている。
【0013】
また、この第1駒片6の突起部10には、
図3~
図5に示すように、ピン部材8が挿入して取り付けられるピン取付孔15が、駒連結方向と直交する方向における装着凹部14の両側に互いに同一軸上に対応して設けられている。この場合、ピン部材8は、外径がピン取付孔15の内径と同程度の大きさで、軸方向の長さが第1駒片6の突起部10と連結凹部11との間に対応するバンド駒5における駒連結方向と直交する方向の長さと同程度の長さで形成されている。
【0014】
このため、ピン部材8は、
図2(a)および
図2(c)に示すように、第1駒片6の突起部10における装着凹部14の両側にそれぞれ設けられたピン取付孔15に挿入された際に、ピン部材8の両側の端部8aがピン取付孔15から抜け出して突起部10における駒連結方向と直交する方向の両側に突出するように構成されている。
【0015】
また、第1駒片6の連結凹部11における両側の側部11aには、
図3~
図5に示すように、隣接するバンド駒5の第1駒片6の突起部10から両側に突出したピン部材8の端部8aがそれぞれ挿入して取り付けられる第1連結孔16が、隣接するバンド駒5の突起部10に設けられたピン取付孔15と同一軸上に対応するように設けられている。さらに、第1駒片6の裏面には、汗抜き用の複数の溝部17が駒連結方向に沿って設けられている。
【0016】
一方、第2駒片7は、
図3~
図5に示すように、第1駒片6の表裏面における一面側である裏面側を露出させて覆うものであり、ステンレスやチタン合金などの金属によって形成されている。すなわち、この第2駒片7は、第1駒片6の突起部10から連結凹部11に亘る表面を覆って保護する第1表面保護部18と、駒連結方向と直交する方向の連結凹部11の両側の側部11aにおける第1駒片6の一端部6aから他端部6bに亘る表面を覆って保護する第2表面保護部19と、を備えている。
【0017】
この場合、第1表面保護部18は、
図3および
図4に示すように、両側の第2表面保護部19よりも表面側に一段高く突出して形成されている。これにより、第1表面保護部18は、第1駒片6の表面を覆った際に、第1駒片6の2本の支持柱13が内面に当接して支持されるように構成されている。
【0018】
また、この第1表面保護部18は、
図3および
図4に示すように、第1駒片6の突起部10の傾斜面10aに対応する箇所が、先端側に向けて低くなる傾斜面18aに形成されている。この第1表面保護部18の傾斜面18aは、第1駒片6の突起部10の傾斜面10aと同じ傾斜で形成されて、突起部10の傾斜面10a上に配置される。これにより、第2駒片7は、第1表面保護部18と第2表面保護部19とによって第1駒片6の全表面を覆って第1駒片6に配置されるように構成されている。
【0019】
また、この第2駒片7は、
図3~
図5に示すように、第1駒片6の駒連結方向と直交する方向の両側の側部11aにおける第1駒片6の一端部6aから他端部6bに亘る側面を覆って保護する側面保護部20を備えている。この側面保護部20には、ピン部材8の両側の端部8aが挿入して取り付けられる第2連結孔20aが、第1駒片6の両側の側部11aにそれぞれ設けられた第1連結孔16と同一軸上に対応して設けられている。
【0020】
さらに、この第2駒片7は、
図3~
図5に示すように、第1表面保護部18と第2表面保護部19とによって第1駒片6の全表面を覆った際に、第1駒片6の突起部10の先端面を覆って保護する先端保護部21と、第1駒片6の連結凹部11の両側の側部11aにおける他端部6bの端面を覆って保護する他端保護部22と、を備えている。
【0021】
これにより、第2駒片7の先端保護部21は、
図2および
図7に示すように、バンド駒5同士が連結された時計バンド2が駒連結方向に引っ張られた際に、合成樹脂製の第1駒片6の突起部10の破損を防ぐように構成されている。同様に、この第2駒片7の他端保護部22は、バンド駒5同士が連結された時計バンド2が駒連結方向に引っ張られた際に、合成樹脂製の第1駒片6の連結凹部11の両側の側部11aにおける他端部6bの破損を防ぐように構成されている。
【0022】
また、この第2駒片7の内面には、
図3および
図5に示すように、連結固定部23が設けられている。この連結固定部23は、第1表面保護部18と先端保護部21との内面における駒連結方向と直交する方向の中間部に設けられている。これにより、この連結固定部23は、第2駒片7が第1駒片6を覆って配置された際に、第1駒片6の突起部10に設けられた装着凹部14内に配置されるように構成されている。
【0023】
また、この連結固定部23には、
図3および
図5に示すように、駒連結方向と直交する方向にピン部材8が挿入するピン挿入孔24が、第1駒片6の突起部10に設けられたピン取付孔15と同一軸上に対応して設けられている。このピン挿入孔24は、その内径がピン取付孔15の内径、つまりピン部材8の外径よりも大きく形成されている。このピン挿入孔24内には、Cリングなどの固定部材である固定パイプ25が設けられている。
【0024】
この固定パイプ25は、
図5および
図6に示すように、その外周にスリット25aが軸方向に沿って設けられた構造のものであり、径方向に膨張変形するように構成されている。すなわち、この固定パイプ25は、内径がピン部材8の外径よりも僅かに小さく形成され、外径がピン挿入孔24の内径と同程度に形成されている。また、この固定パイプ25は、軸方向の長さが連結固定部23のピン挿入孔24における軸方向の長さとほぼ同じか、それよりも少し短い長さで形成されている。
【0025】
これにより、固定パイプ25は、
図5および
図6に示すように、連結固定部23のピン挿入孔24内に挿入された状態で、固定パイプ25の内部にピン部材8が挿入される際に、ピン部材8によって固定パイプ25の内径が押し広げられて、固定パイプ25の外周面が連結固定部23のピン挿入孔24の内周面に押し付けられることにより、ピン部材8をピン挿入孔24内に固定させるように保持する構造になっている。
【0026】
この場合、連結固定部23には、
図4~
図6に示すように、ピン挿入孔24内からの固定パイプ25の抜け出しを防ぐストッパ部材26が設けられている。このストッパ部材26は、金属板の両側部を折り曲げたものであり、金属板の中間の設置片26aが連結固定部23の裏面に配置され、両側のストッパ片26bが連結固定部23の両側面に配置され、このストッパ片26bにストッパ孔26cがピン挿入孔24と同一軸上にそれぞれ対応して設けられた構造になっている。
【0027】
すなわち、ストッパ部材26のストッパ孔26cは、
図6(a)~
図6(c)に示すように、その内径が固定パイプ25の内径よりも大きく、且つ固定パイプ25の外径つまり連結固定部23のピン挿入孔24の内径よりも小さく形成されている。これにより、ストッパ部材26は、連結固定部23のピン挿入孔24に挿入された固定パイプ25にピン部材8が挿入される際に、固定パイプ25の端部がストッパ孔26cの縁部に当接して、固定パイプ25がピン挿入孔24内から抜け出さないように構成されている。
【0028】
また、このストッパ部材26は、
図6(a)~
図6(c)に示すように、ストッパ孔26cが駒連結方向に長い長孔に形成されている。これにより、ストッパ部材26は、連結固定部23に配置される際に、ストッパ孔26cが駒連結方向に位置ずれしても、ストッパ孔26cの縁部が連結固定部23のピン挿入孔24に挿入された固定パイプ25の端部に対応して当接するように構成されている。
【0029】
ところで、第2駒片7は、ステンレスやチタン合金などの金属粉末を焼結させた焼結金属によって肉厚が薄く形成されている。すなわち、この第2駒片7は、金属射出成形(MIM)によってステンレスやチタン合金などの金属粉末を流動性の樹脂に混入させて、成形用金型内に充填させ、この状態で焼結処理することにより、樹脂を蒸発させて金属粉末を焼結させることによって形成されている。
【0030】
この場合、第2駒片7は、
図5に示すように、ピン部材8が固定パイプ25を介して取り付けられる連結固定部23の強度を確保するために、連結固定部23が肉厚に形成されているが、これ以外の箇所つまり第1表面保護部18、第2表面保護部19、側面保護部20、先端保護部21、および他端保護部22の肉厚が極限まで薄く形成されている。
【0031】
次に、このような時計バンド2の作用について説明する。
この時計バンド2を組み立てる場合には、まず、バンド駒5を組み立てる。この場合には、予め、ステンレスやチタン合金などの金属粉末を焼結させる焼結処理によって第2駒片7を成形すると共に、第1駒片6をウレタン樹脂などの合成樹脂の射出成形によって成形する。
【0032】
そして、第2駒片7を第1駒片6に被せるように重ね合わせる。このときには、予め、第2駒片7の連結固定部23に設けられたピン挿入孔24に固定パイプ25を挿入させて配置させると共に、第1駒片6の装着凹部14内にストッパ部材26を配置させる。このときには、ストッパ部材26の両側における各ストッパ片26bのストッパ孔26cを第1駒片6の装着凹部14の両側における突起部10に設けられたピン取付孔15と同一軸上に対応させる。
【0033】
この状態で、第2駒片7を第1駒片6に被せる際には、第2駒片7の連結固定部23を第1駒片6の装着凹部14内に配置させる。すると、第1駒片6の装着凹部14内に配置されたストッパ部材26の中間の設置片26aが連結固定部23の裏面に配置されて、ストッパ部材26の両側のストッパ片26bが連結固定部23の両側面に配置される。
【0034】
このときには、ストッパ部材26の各ストッパ孔26cが連結固定部23のピン挿入孔24と同一軸上に対応する。これと同時に、第2駒片7の連結固定部23に設けられたピン挿入孔24が第1駒片6の装着凹部14の両側に設けられたピン取付孔15と同一軸上に対応する。
【0035】
この場合、ストッパ部材26は、ストッパ片26bのストッパ孔26cが駒連結方向に長い長孔に形成されていることにより、連結固定部23に配置される際に、ストッパ孔26cが駒連結方向に位置ずれしても、ストッパ孔26cの縁部が連結固定部23のピン挿入孔24に挿入された固定パイプ25の端部に対応して配置される。
【0036】
また、このときには、第2駒片7の第1表面保護部18が第1駒片6の突起部10から連結凹部11に亘る表面にこれを覆って配置されて、第1駒片6の2本の支持柱13によって支持されると共に、第1表面保護部18の傾斜面18aが第1駒片6の傾斜面10a上に配置される。これと同時に、第2駒片7の第2表面保護部19が駒連結方向と直交する方向の連結凹部11の両側の側部11aにおける第1駒片6の一端部6aから他端部6bに亘る表面にこれを覆って配置される。
【0037】
同様に、第2駒片7の側面保護部20が第1駒片6の両側の側部11aの側面にこれを覆って配置されて、側面保護部20の第2連結孔20aが第1駒片6の両側の側部11aの第1連結孔16と同一軸上に対応する。また、このときには、第2駒片7の先端保護部21が第1駒片6の突起部10の先端面にこれを覆って配置され、第2駒片7の他端保護部22が第1駒片6の連結凹部11の両側の側部11aにおける他端部6bの端面にこれを覆って配置される。
【0038】
これにより、合成樹脂製の第1駒片6は、裏面側を除いて、金属製の第2駒片7によって覆われて保護される。この状態で、連結固定部23のピン挿入孔24に配置された固定パイプ25にピン部材8を挿入させて、第1駒片6と第2駒片7とを連結してバンド駒5を組み立てる。
【0039】
この場合には、
図7に示すように、バンド駒5における第1駒片6の突起部10に対応する部分を隣接するバンド駒5における第1駒片6の連結凹部11に対応する箇所に配置する。すなわち、バンド駒5における第1駒片6の突起部10とこの突起部10に対応する第2駒片7の第1表面保護部18とを、隣接するバンド駒5における第1駒片6の連結凹部11とこれに対応する第2駒片7の第2表面保護部19との間に配置させる。
【0040】
このときには、バンド駒5の第1駒片6における突起部10のピン取付孔15が、隣接するバンド駒5の第1駒片6における連結凹部11の両側の側部11aに設けられた第1連結孔16と同一軸上に対応すると共に、第2駒片7の側面保護部20に設けられた第2連結孔20aとも同一軸上で対応する。
【0041】
この状態で、ピン部材8をバンド駒5の側方から第2駒片7の側面保護部20における一方の第2連結孔20aとこれに対応する第1駒片6の側部11aの第1連結孔16とに挿入させ、この挿入されたピン部材8を第1駒片6における一方のピン取付孔15に挿入させる。そして、この挿入されたピン部材8をストッパ部材26のストッパ孔26cに挿入させて第2駒片7の連結固定部23に設けられたピン挿入孔24内の固定パイプ25内に差し込む。
【0042】
このときには、固定パイプ25内に差し込まれたピン部材8が、固定パイプ25の内径を押し広げて、固定パイプ25の外周面を連結固定部23のピン挿入孔24の内周面に押し付ける。これにより、ピン部材8が固定パイプ25によって連結固定部23のピン挿入孔24内に固定されるように保持される。
【0043】
この場合、ピン部材8が固定パイプ25内に差し込まれる際には、連結固定部23の両側部に配置されたストッパ部材26の各ストッパ片26bに設けられたストッパ孔26cの縁部によって、固定パイプ25がピン挿入孔24内から抜け出すことが阻止される。すなわち、ストッパ部材26のストッパ孔26cは、その内径が固定パイプ25の内径よりも大きく、且つ固定パイプ25の外径つまり連結固定部23のピン挿入孔24の内径よりも小さく形成されている。
【0044】
このため、ピン部材8が固定パイプ25内に差し込まれる際には、固定パイプ25がピン部材8によって軸方向に押されても、固定パイプ25の端部がストッパ部材26のストッパ孔26cの縁部に当接するので、固定パイプ25がピン挿入孔24内から抜け出すことがなく、ピン部材8が固定パイプ25内に差し込まれる。
【0045】
そして、ピン部材8が更に固定パイプ25内に差し込まれると、ピン部材8の先端側の端部8aが第1駒片6における他方のピン取付孔15に挿入され、この挿入されたピン部材8の端部8aが隣接するバンド駒5の第1駒片6の側部11aにおける他方の第1連結孔16と第2駒片7の側面保護部20における他方の第2連結孔20aとに挿入される。
【0046】
これにより、第1駒片6と第2駒片7とがピン部材8によって連結されてバンド駒5が組み立てられ、これと同時に隣接するバンド駒5同士も連結される。すなわち、バンド駒5は、第1駒片6の突起部10と第2駒片7の連結固定部23とがピン部材8によって連結される。また、これと隣接するバンド駒5は、第1駒片6の連結凹部11の両側の側部11aと第2駒片7の側面保護部20とが同一のピン部材8によって連結される。
【0047】
このため、バンド駒5同士は、第1駒片6の一端部6a側における第1駒片6と第2駒片7との端部側と、第1駒片6の他端部6b側における第1駒片6と第2駒片7との端部側とが1本のピン部材8によって連結されると共に、隣接するバンド駒5同士も同時に連結される。このようにして、隣接するバンド駒5同士がピン部材8によって順次連結されることにより、時計バンド2が組み立てられる。
【0048】
このように組み立てられた時計バンド2は、合成樹脂製の第1駒片6が、その裏面側を除いて、金属製の第2駒片7によって覆われているので、時計バンド2全体が表面側から見て金属製に見えるので、高級感のあるものが提供される。この場合、この時計バンド2は、バンド駒5が外部から衝撃を受けても、その衝撃によって第1駒片6が傷ついたり破損したりしないように、金属製の第2駒片7によって確実に且つ良好に保護される。
【0049】
また、この時計バンド2は、第2駒片7がステンレスやチタン合金などの金属粉末を焼結された焼結金属であることにより、第2駒片7の肉厚が薄く形成されている。すなわち、このバンド駒5は、ピン部材8が固定パイプ25を介して取り付けられる第2駒片7の連結固定部23の強度を確保するために、この連結固定部23のみが肉厚に形成されていても、これ以外の箇所つまり第1表面保護部18、第2表面保護部19、側面保護部20、先端保護部21、および他端保護部22の肉厚が極限まで薄く形成されて、バンド駒5の軽量化が図られている。
【0050】
このように、この時計バンド2のバンド駒5によれば、駒連結方向の一端部6aに突出して設けられた突起部10およびこの一端部6aと反対側の他端部6bに突起部10が配置可能に設けられた連結凹部11を備えた第1駒片6と、この第1駒片6の表裏面における一面側である裏面側を除いて第1駒片6を覆う第2駒片7と、第1駒片6と第2駒片7とを連結し、且つ他のバンド駒5と連結するピン部材8と、を備えていることにより、構造の簡素化を図ることができると共に、軽量化を図ることができる。
【0051】
すなわち、この時計バンド2のバンド駒5では、第1駒片6に第2駒片7を被せて第1駒片6の裏面側を除いて第1駒片6を第2駒片で覆うことができ、この状態で第1駒片6と第2駒片7とをピン部材8によって連結することができるので、部品点数が少なく、構造が簡単で容易に組み立てることができると共に、第2駒片7のみを金属で形成することにより、高級感をもってバンド駒5の軽量化を図ることができる。
【0052】
この場合、この時計バンド2のバンド駒5では、第1駒片6と第2駒片7とをピン部材8によって連結する際に、第1駒片6を第2駒片7で覆った状態で、第1駒片6の突起部10に対応する部分を隣接するバンド駒5における第1駒片6の連結凹部11に対応する箇所に配置させ、この状態でバンド駒5とこれに隣接するバンド駒とをピン部材8によって連結することができると共に、第1駒片6と第2駒片7とを同時に連結してバンド駒5を形成することができるので、より一層、部品点数を削減して、構造の簡素化を図ることができる。
【0053】
また、この時計バンド2のバンド駒5では、第1駒片6がウレタン樹脂などの合成樹脂によって形成され、第2駒片7がステンレスやチタン合金などの金属によって形成されていることにより、第2駒片7によって第1駒片6の裏面側を除いて第1駒片6を覆って保護することができ、これによりウレタン樹脂などの合成樹脂によって形成された第1駒片6によって軽量化を図ることができる。
【0054】
この場合、この時計バンド2のバンド駒5では、第1駒片6がウレタン樹脂などの合成樹脂によって形成されていても、バンド駒5の表面にステンレスやチタン合金などの金属によって形成された第2駒片7が配置されるので、バンド駒5が外部から衝撃を受けても、その衝撃によって第1駒片6が傷ついたり破損したりしないように、第2駒片7によって第1駒片6を確実に且つ良好に保護することができるほか、第2駒片7によって高級感のあるものを得ることができる。
【0055】
また、この時計バンド2のバンド駒5では、第2駒片7が、駒連結方向と直交する方向に設けられてピン部材8が挿入するピン挿入孔24が設けられた連結固定部23を備え、第1駒片6が、連結固定部23が配置される装着凹部14と、この装着凹部14の両側にピン挿入孔24と同一軸上に対応して設けられ、且つピン部材8の両側が挿入するピン取付孔15と、を備えているので、第1駒片6と第2駒片7とをピン部材8によって簡単に連結することができる。
【0056】
すなわち、この時計バンド2のバンド駒5では、第2駒片7が第1駒片6を覆った際に、第2駒片7の連結固定部23が第1駒片6の装着凹部14に装着され、この装着された連結固定部23のピン挿入孔24が装着凹部14の両側に設けられたピン取付孔15に同一軸上で対応するので、ピン取付孔15の一方からピン部材8を挿入させて連結固定部23のピン挿入孔24に挿入させることができると共に、このピン部材8をピン取付孔15の他方に挿入させることができるので、第1駒片6と第2駒片7とをピン部材8によって簡単に且つ確実に連結することができる。
【0057】
この場合、このバンド駒5では、第1駒片6の装着凹部14およびピン取付孔15が第1駒片6の突起部10に設けられ、第2駒片7の連結固定部23が第1駒片6の突起部10に設けられた装着凹部14に対応して設けられ、第1駒片6の連結凹部11における両側の側部11aと、この側部11aを覆う第2駒片7の側面保護部20とに、ピン部材8の両側の端部8aが挿入して取り付けられる第1連結孔16と第2連結孔20aが、ピン取付孔15と同一軸上に対応して設けられているので、隣接するバンド駒5同士をピン部材8によって連結することができる。
【0058】
すなわち、このバンド駒5では、第1駒片6と第2駒片7とをピン部材8で連結する際に、バンド駒5の突起部10を隣接するバンド駒5の連結凹部11に配置させた状態で、ピン部材8を第2駒片7の第2連結孔20a、第1駒片6の第1連結孔16、第1駒片のピン取付孔15、および連結固定部23のピン挿入孔24に連続させて挿入させることができ、これにより1本のピン部材8によって第1駒片6と第2駒片7とを連結することができると共に、隣接するバンド駒5同士も同時に連結することができる。
【0059】
また、この時計バンド2のバンド駒5では、第2駒片7の連結固定部23におけるピン挿入孔24内にピン部材8を固定するように保持するための固定部材である固定パイプ25を備えていることにより、固定パイプ25によってピン部材8を連結固定部23のピン挿入孔24内に固定させるように確実に且つ良好に保持させることができる。
【0060】
すなわち、この時計バンド2のバンド駒5では、固定パイプ25が、その外周にスリット25aを軸方向に沿って設けて径方向に膨張変形する構造で、内径がピン部材8の外径よりも僅かに小さく形成されているので、固定パイプ25を連結固定部23のピン挿入孔24内に配置させた状態で、固定パイプ25内にピン部材8が挿入される際に、ピン部材8によって固定パイプ25が押し広げられて、固定パイプ25の外周面をピン挿入孔24の内周面に押し付けることができるので、固定パイプ25によってピン部材8をピン挿入孔24に確実に且つ良好に固定するように保持することができる。
【0061】
また、この時計バンド2のバンド駒5では、ピン挿入孔24内からの固定パイプ25の抜け出しを防ぐストッパ部材26を備えていることにより、ピン挿入孔24内に配置された固定パイプ25内にピン部材8が挿入される際に、ピン部材8によって固定パイプ25がピン挿入孔24内から抜け出すのをストッパ部材26によって確実に且つ良好に阻止することができる。
【0062】
すなわち、この時計バンド2のバンド駒5では、ストッパ部材26が、連結固定部23の裏面に配置される設置片26aと、連結固定部23の両側面に配置される両側のストッパ片26bと、を備え、これらストッパ片26bにストッパ孔26cがそれぞれ設けられ、これらストッパ孔26cの内径が固定パイプ25の内径よりも大きく、且つ固定パイプ25の外径よりも小さく形成されているので、ストッパ孔26cの縁部に固定パイプ25の端部を確実に当接させることができ、これにより固定パイプ25がピン挿入孔24内から抜け出すのを確実に且つ良好に阻止することができる。
【0063】
この場合、この時計バンド2のバンド駒5では、ストッパ部材26におけるストッパ片26bのストッパ孔26cが駒連結方向に長い長孔に形成されていることにより、ストッパ部材26が連結固定部23に配置される際に、ストッパ孔26cが駒連結方向に位置ずれしても、ストッパ孔26cの縁部を連結固定部23のピン挿入孔24に挿入された固定パイプ25の端部に確実に且つ良好に対応させることができる。
【0064】
また、この時計バンド2のバンド駒5では、第2駒片7が、第1駒片6における駒連結方向の端面である一端部6a側の突起部10の先端面と他端部6bの端面とを保護する保護部である先端保護部21と他端保護部22とを備えているので、複数のバンド駒5が連結された時計バンド2が駒連結方向に引っ張られた際に、これら先端保護部21と他端保護部22とによって合成樹脂製の第1駒片6の突起部10と連結凹部11の両側の側部11aにおける他端部6bとの破損を確実に且つ良好に防ぐことができる。
【0065】
この場合、この時計バンド2のバンド駒5では、第2駒片7が、第1駒片6における駒連結方向の一端部6aから他端部6bまでの側面を保護する保護部である側面保護部20を備えているので、バンド駒5の側面が衝撃を受けても、その衝撃によって第1駒片6の側面が傷ついたり破損したりしないように、第2駒片7の側面保護部20によって確実に且つ良好に保護することができる。
【0066】
さらに、この時計バンドのバンド駒5では、第2駒片7がステンレスやチタン合金などの金属粉末を焼結させた焼結金属で形成されていることにより、第2駒片7の肉厚を薄く形成することができる。すなわち、この第2駒片7は、金属射出成形(MIM)によってステンレスやチタン合金などの金属粉末を流動性の樹脂に混入させて、成形用金型内に充填させ、この状態で焼結処理することにより、樹脂を蒸発させて金属粉末を焼結させることによって形成されているの、第2駒片7の形状が複雑であっても、薄い肉厚で簡単に製作することができる。
【0067】
このため、この時計バンド2のバンド駒5では、ピン部材8が固定パイプ25を介して取り付けられる第2駒片7の連結固定部23の強度を確保するために、この連結固定部23のみを肉厚に形成しても、これ以外の箇所つまり第1表面保護部18、第2表面保護部19、側面保護部20、先端保護部21、および他端保護部22の肉厚を極限まで薄く形成することができ、これによりバンド駒5の軽量化を図ることができる。
【0068】
また、この時計バンド2によれば、バンド駒5の突起部10を隣接するバンド駒5の連結凹部11に配置させてピン部材8によって隣接するバンド駒5同士を連結することにより、複数のバンド駒5を順次連結した構造であるから、構造の簡素化を図ることができると共に、軽量化を図ることができる。
【0069】
すなわち、この時計バンド2では、バンド駒5の第2駒片7を第1駒片6に被せて第2駒片7で第1駒片6を覆った状態で、第1駒片6と第2駒片7とをピン部材8で連結する際に、バンド駒5の突起部10を隣接するバンド駒5の連結凹部11に配置させて、この状態で1本のピン部材8によって隣接するバンド駒5同士を連結することができるので、第1駒片6と第2駒片7とを連結してバンド駒5を組み立てる作業と、隣接するバンド駒5の連結作業と、を同時に行うことができる。
【0070】
このため、この時計バンドでは、部品点数の削減を図ることができると共に、組み立て作業の簡素化を図ることができ、且つ合成樹脂製の第1駒片6を覆う金属製の第2駒片7の肉厚を薄くすることができるので、軽量化をも図ることができると共に、金属製の第2駒片7によって時計バンド2全体に金属感をもたせることができるので、高級感のあるものを提供することができる。
【0071】
なお、上述した実施形態では、ピン部材8が棒状に形成されている場合について述べたが、この発明は、これに限らず、固定パイプ25と同じ構造のものであっても良い。すなわち、ピン部材は、パイプにスリットを軸方向に沿って設けた断面形状がC字状のパイプであっても良い。
【0072】
このようなパイプ状のピン部材であれば、連結固定部23のピン挿入孔24に固定パイプ25を設ける必要がなく、ピン挿入孔24内に直接差し込んで径方向に収縮変形させて固定させるように保持することができるので、ストッパ部材26も不要となり、より一層、部品点数の削減を図ることができる。
【0073】
また、上述した実施形態では、第1駒片6は合成樹脂で形成され、第2駒片7は金属で形成されている場合について述べたが、第1駒片6や第2駒片7は、他の材料で形成されても良い。
【0074】
また、上述した実施形態では、腕時計の時計バンド2に適用した場合について述べたが、この発明は必ずしも腕時計の時計バンド2である必要はなく、例えば腕輪やバックなどのバンドにも適用することができる。
【0075】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0076】
(付記)
請求項1に記載の発明は、駒連結方向の一端部に突出して設けられた突起部および前記一端部と反対側の他端部に前記突起部が配置可能に設けられた連結凹部を備えた第1駒片と、前記第1駒片の表裏面における一面側を除いて前記第1駒片を覆う第2駒片と、前記第1駒片と前記第2駒片とを連結し、且つ他のバンド駒と連結するピン部材と、を備えていることを特徴とするバンド駒である。
【0077】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバンド駒において、前記第1駒片は、合成樹脂によって形成され、前記第2駒片は、金属によって形成されている、ことを特徴とするバンド駒である。
【0078】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のバンド駒において、前記第2駒片は、前記駒連結方向と直交する方向に設けられて前記ピン部材が挿入する挿入孔が設けられた連結固定部を備え、前記第1駒片は、前記連結固定部が配置される装着凹部と、前記装着凹部の両側に前記挿入孔と同一軸上に対応して設けられ、且つ前記ピン部材の両側が挿入する取付孔と、を備えている、ことを特徴とするバンド駒である。
【0079】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のバンド駒において、前記第1駒片の前記装着凹部と前記取付孔とは、前記第1駒片の前記突起部に設けられ、前記第2駒片の前記連結固定部は、前記第1駒片の前記突起部に設けられた前記装着凹部に対応して設けられ、前記第1駒片の前記連結凹部における両側の側部と、当該側部を覆う前記第2駒片の側部とには、前記ピン部材の両側の端部が挿入して取り付けられる第1連結孔と第2連結孔とが、同一軸上に対応して設けられている、ことを特徴とするバンド駒である。
【0080】
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載のバンド駒において、前記第2駒片の前記連結固定部における前記挿入孔内に前記ピン部材を固定する固定部材を備えている、ことを特徴とするバンド駒である。
【0081】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のバンド駒において、前記挿入孔内からの前記固定部材の抜け出しを防ぐストッパ部材を備えている、ことを特徴とするバンド駒である。
【0082】
請求項7に記載の発明は、請求項1~請求項6のいずれかに記載のバンド駒において、前記第2駒片は、前記第1駒片における前記駒連結方向の端面を保護する保護部を備えている、ことを特徴とするバンド駒である。
【0083】
請求項8に記載の発明は、請求項1~請求項7のいずれかに記載のバンド駒において、前記第2駒片は、金属粉末を焼結させた焼結金属で形成されている、ことを特徴とするバンド駒である。
【0084】
請求項9に記載の発明は、請求項1~請求項8のいずれかに記載されたバンド駒の前記突起部を隣接するバンド駒の前記連結凹部に配置させて前記ピン部材によって前記隣接するバンド駒同士を連結することにより、複数のバンド駒を順次連結した、ことを特徴とするバンドである。
【0085】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載されたバンドを備えている、ことを特徴とする時計である。
【符号の説明】
【0086】
1 腕時計ケース
2 時計バンド
3 バンド取付部
5 バンド駒
6 第1駒片
6a 一端部
6b 他端部
7 第2駒片
8 ピン部材
10 突起部
11 連結凹部
11a 側部
12 くり抜き凹部
13 支持柱
14 装着凹部
15 ピン取付孔
16 第1連結孔
18 第1表面保護部
19 第2表面保護部
20 側面保護部
20a 第2連結孔
21 先端保護部
22 他端保護部
23 連結固定部
24 ピン挿入孔
25 固定パイプ
25a スリット
26 ストッパ部材
26a 設置片
26b ストッパ片
26c ストッパ孔