(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】回路基板及び回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20240827BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240827BHJP
H01P 3/08 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H05K3/46 Z
H05K1/02 L
H05K1/02 B
H01P3/08 200
(21)【出願番号】P 2022557286
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(86)【国際出願番号】 JP2021033730
(87)【国際公開番号】W WO2022080067
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2020172347
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西尾 恒亮
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/087893(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/194434(WO,A1)
【文献】特開平04-048677(JP,A)
【文献】国際公開第2019/216188(WO,A1)
【文献】特開2016-131375(JP,A)
【文献】国際公開第2018/025697(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/080887(WO,A1)
【文献】特開2002-100842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/00 - 1/02
H05K 3/46
H01P 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1樹脂層と、前記第1樹脂層の下に積層されている第2樹脂層と、を含んでいる基板本体と、
前記第2樹脂層の上主面に設けられている第1信号導体層と、
を備えており、
前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とは、互いに接しており、
前記基板本体は、上下方向に見て、前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層が存在している重複領域、及び、上下方向に見て、前記第1樹脂層が存在しておらず、かつ、前記第2樹脂層が存在している第1非重複領域を有しており、
前記第1信号導体層は、前記第1非重複領域における前記第1信号導体層が前記重複領域における前記第1信号導体層より上に位置するように、前記第1信号導体層が上下方向に湾曲する第1湾曲部を有しており、
前記第1信号導体層は、前記第1非重複領域において、前記基板本体の上に配置される第1部材と電気的に接続可能であり、
前記第1樹脂層の厚みは、前記重複領域から前記第1非重複領域に近づくにしたがって、小さくなっている、
回路基板。
【請求項2】
前記第1信号導体層は、第1端部及び第2端部を有する線形状を有しており、
前記第1端部は、前記第1非重複領域に位置し、かつ、前記基板本体の上に設けられる第1部材と電気的に接続される、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記基板本体は、前記上下方向に見て、前記第1樹脂層が存在しておらず、かつ、前記第2樹脂層が存在している第2非重複領域を更に有しており、
前記第1信号導体層は、前記第2非重複領域における前記第1信号導体層が前記重複領域における前記第1信号導体層より上に位置するように、前記第1信号導体層が上下方向に湾曲する第2湾曲部を有しており、
前記第2端部は、前記第2非重複領域に位置し、かつ、前記基板本体の上に配置される第2部材と電気的に接続される、
請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記回路基板は、
前記第2非重複領域において、前記第2樹脂層の下に配置されている第2補強部材を、
更に備えている、
請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記第1端部は、前記基板本体の上主面に位置し、かつ、第1信号電極として機能する、
請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の回路基板。
【請求項6】
前記回路基板は、
前記第1非重複領域において、前記基板本体の上主面に設けられている第1信号電極と、
前記第1信号電極と前記第1信号導体層とを電気的に接続する第1層間接続導体と、
更に備えている、
請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の回路基板。
【請求項7】
前記回路基板は、
前記第1非重複領域において、前記第2樹脂層の下に配置されている第1補強部材を、
更に備えている、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項8】
前記基板本体に設けられており、前記第1信号導体層の上に配置されている第1グランド導体層と、
前記基板本体に設けられており、前記第1信号導体層の下に配置されている第2グランド導体層と、
を更に備えており、
前記第1グランド導体層及び前記第2グランド導体層は、上下方向に見て、前記第1信号導体層と重なっている、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第2グランド導体層は、前記第1非重複領域における前記第2グランド導体層が前記重複領域における前記第2グランド導体層より上に位置するように、前記第2グランド導体層が上下方向に湾曲している第3湾曲部を有している、
請求項8に記載の回路基板。
【請求項10】
前記回路基板は、
前記第1非重複領域において、前記基板本体の上主面に設けられている第1グランド電極と、
前記第1非重複領域において前記第2樹脂層を上下方向に貫通し、かつ、前記第1グランド電極と前記第2グランド導体層とを電気的に接続する第2層間接続導体と、
更に備えている、
請求項9に記載の回路基板。
【請求項11】
前記第1湾曲部の線幅及び前記第1端部の線幅は、前記重複領域における前記第1信号導体層の線幅より大きい、
請求項2に記載の回路基板。
【請求項12】
前記第2樹脂層の誘電率は、前記第1樹脂層の誘電率より低い、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項13】
前記第1樹脂層の材料のヤング率は、前記第2樹脂層の材料のヤング率より大きい、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項14】
前記第1湾曲部は、上下方向に見て、ミアンダ形状を有している、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項15】
前記第1湾曲部には、線幅方向に延びる複数の切り欠きが設けられている、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項16】
前記第1信号導体層は、第1端部及び第2端部を有する線形状を有しており、
前記第1端部は、前記第1非重複領域に位置し、かつ、前記基板本体の上に配置される第1部材と電気的に接続され、
前記基板本体は、前記第2樹脂層の下に積層されている第3樹脂層を更に含んでおり、
前記第2樹脂層と前記第3樹脂層とは、互いに接しており、
前記第3樹脂層は、熱可塑性樹脂を含んでおり、
前記基板本体は、上下方向に見て、前記第3樹脂層が存在しておらず、かつ、前記第2樹脂層が存在している第3非重複領域を、更に有しており、
前記第1信号導体層は、前記第3非重複領域における前記第1信号導体層が前記重複領域における前記第1信号導体層より下に位置するように、前記第1信号導体層が上下方向に湾曲する第4湾曲部を有しており、
前記第2端部は、前記第3非重複領域に位置し、かつ、前記基板本体の下に配置される第3部材と電気的に接続可能である、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項17】
前記回路基板は、
前記基板本体において前記第1信号導体層の下に設けられている第2信号導体層を、
更に備えており、
前記第2信号導体層は、前記第1非重複領域における前記第2信号導体層が前記重複領域における前記第2信号導体層より上に位置するように、前記第2信号導体層が上下方向に湾曲する第5湾曲部を有しており、
前記第2信号導体層は、前記第1非重複領域において、前記基板本体の上に配置される第4部材と電気的に接続され、
前記第2信号導体層を伝送される高周波信号の周波数は、前記第1信号導体層を伝送される高周波信号の周波数より低い、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項18】
前記基板本体は、
前記第1樹脂層の上主面及び前記第2樹脂層の上主面を覆う保護層を、
更に備えている、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項19】
前記重複領域における前記第1樹脂層の上主面と前記第1非重複領域における前記第2樹脂層の上主面は、同一平面上に位置している、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項20】
前記第1非重複領域における前記基板本体の上下方向の大きさは、前記重複領域における前記基板本体の上下方向の大きさより小さい、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項21】
前記回路基板は、
前記第1非重複領域において、前記第2樹脂層の下に配置されている第1補強部材を、
更に備えており、
前記第1非重複領域における前記第1補強部材の下端は、前記重複領域における前記基板本体の下主面より上に位置している、
請求項20に記載の回路基板。
【請求項22】
熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層を準備する第1準備工程と、
熱可塑性樹脂を含む第2樹脂層であって、前記第2樹脂層の上主面に第1信号導体層が設けられた前記第2樹脂層を準備する第2準備工程と、
前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層が上から下へとこの順に並び、かつ、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とが接触し、かつ、上下方向に見て、前記第1樹脂層が前記第2樹脂層の上に配置されている重複領域、及び、上下方向に見て、前記第1樹脂層が前記第2樹脂層の上に配置されていない第1非重複領域が形成されるように、前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層を配置する配置工程と、
前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とを熱圧着することにより、前記第1非重複領域における前記第1信号導体層が前記重複領域における前記第1信号導体層より上に位置するように、前記第1信号導体層を上下方向に湾曲させる熱圧着工程と、
を備えている、
回路基板の製造方法。
【請求項23】
前記配置工程では、前記第1非重複領域において、前記第2樹脂層の下に第1補強部材を配置する、
請求項22に記載の回路基板の製造方法。
【請求項24】
前記第1信号導体層は、前記第1非重複領域において、前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層を含む基板本体の上に配置される第1部材と電気的に接続可能である、
請求項22又は請求項23のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
【請求項25】
第1樹脂層と、前記第1樹脂層の下に積層されている第2樹脂層と、前記第2樹脂層の下に積層されている第3樹脂層と、を含んでいる基板本体と、
前記第3樹脂層の上主面に設けられている第1信号導体層と、
を備えており、
前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とは、互いに接しており、
前
記第2樹脂層と前記第3樹脂層とは、互いに接しており、
前記基板本体は、上下方向に見て、前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層が存在している重複領域、及び、上下方向に見て、前記第1樹脂層が存在しておらず、かつ、前記第2樹脂層が存在している第1非重複領域を有しており、
前記第1信号導体層は、前記第1非重複領域における前記第1信号導体層が前記重複領域における前記第1信号導体層より上に位置するように、前記第1信号導体層が上下方向に湾曲する第1湾曲部を有しており、
前記第1信号導体層は、前記第1非重複領域において、前記基板本体の上に配置される第1部材と電気的に接続可能である、
回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1樹脂層及び第2樹脂層が積層された構造を有する回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の回路基板に関する発明としては、特許文献1に記載の伝送線路が知られている。この伝送線路は、積層絶縁体、信号導体パターン、コネクタ接続電極及び複数の層間接続導体を備えている。積層絶縁体は、複数の絶縁体層が積層された構造を有している。信号導体パターンは、絶縁体層の上主面に設けられている。信号導体パターンは、積層絶縁体の内部に設けられている。コネクタ接続電極は、積層絶縁体の上主面に設けられている。複数の層間接続導体は、直列に接続されている。複数の層間接続導体は、信号導体パターンの端部とコネクタ接続電極とを接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の伝送線路では、複数の層間接続導体において特性インピーダンスが変動しやすい。より詳細には、複数の層間接続導体が直列接続されるために、複数の層間接続導体の間に接続用の導体パターンが設けられる。このような接続用の導体パターンは、層間接続導体の周囲の導体パターンと容量を形成しやすい。よって、複数の層間接続導体において特性インピーダンスの変動が発生する場合がある。このような特性インピーダンスの変動は、高周波信号の反射の原因となる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、高周波信号の反射を低減できる回路基板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る回路基板は、
第1樹脂層と、前記第1樹脂層の下に積層されている第2樹脂層と、を含んでいる基板本体と、
前記第2樹脂層の上主面に設けられている第1信号導体層と、
を備えており、
前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とは、互いに接しており、
前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層は、熱可塑性樹脂を含み、
前記基板本体は、上下方向に見て、前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層が存在している重複領域、及び、上下方向に見て、前記第1樹脂層が存在しておらず、かつ、前記第2樹脂層が存在している第1非重複領域を有しており、
前記第1信号導体層は、前記第1非重複領域における前記第1信号導体層が前記重複領域における前記第1信号導体層より上に位置するように、前記第1信号導体層が上下方向に湾曲する第1湾曲部を有しており、
前記第1信号導体層は、前記第1非重複領域において、前記基板本体の上に配置される第1部材と電気的に接続可能である。
【0007】
本発明の一形態に係る回路基板の製造方法は、
熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層を準備する第1準備工程と、
熱可塑性樹脂を含む第2樹脂層であって、前記第2樹脂層の上主面に第1信号導体層が設けられた前記第2樹脂層を準備する第2準備工程と、
前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層が上から下へとこの順に並び、かつ、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とが接触し、かつ、上下方向に見て、前記第1樹脂層が前記第2樹脂層の上に配置されている重複領域、及び、上下方向に見て、前記第1樹脂層が前記第2樹脂層の上に配置されていない第1非重複領域が形成されるように、前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層を配置する配置工程と、
前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とを熱圧着することにより、前記第1非重複領域における前記第1信号導体層が前記重複領域における前記第1信号導体層より上に位置するように、前記第1信号導体層を上下方向に湾曲させる熱圧着工程と、
を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る回路基板によれば、高周波信号の反射を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図2は、
図1のA-Aにおける回路基板10の断面図である。
【
図4】
図4は、回路基板10を備える電子機器1を示した図である。
【
図5】
図5は、回路基板10の製造時の断面図である。
【
図6】
図6は、回路基板10の製造時の断面図である。
【
図8】
図8は、回路基板10aの製造時の断面図である。
【
図9】
図9は、回路基板10aの製造時の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
[回路基板10の構造]
以下に、本発明の実施形態に係る回路基板10について図面を参照しながら説明する。
図1は、回路基板10の外観斜視図である。
図2は、
図1のA-Aにおける回路基板10の断面図である。
図3は、回路基板10の分解斜視図である。
【0011】
本明細書において、方向を以下のように定義する。基板本体12の積層方向を上下方向と定義する。基板本体12の長手方向を左右方向と定義する。基板本体12の短手方向を前後方向と定義する。上下方向、前後方向及び左右方向は互いに直交している。なお、本明細書における方向の定義は、一例である。従って、基板本体12の実使用時における方向と本明細書における方向とが一致している必要はない。
【0012】
以下に、本明細書における用語の定義について説明する。まず、本明細書における部材の位置関係について定義する。XないしZは、回路基板10を構成する部材又は部品である。本明細書において、前後方向に並ぶX及びYとは、以下の状態を示す。前後方向に垂直な方向にX及びYを見て、X及びYの両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている状態である。本明細書において、上下方向に見て前後方向に並ぶX及びYとは、以下の状態を示す。上下方向にX及びYを見て、X及びYの両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている。この場合、上下方向とは異なる左右方向からX及びYを見ると、X及びYのいずれか一方が前後方向を示す任意の直線上に配置されていなくてもよい。なお、XとYとが接触していてもよい。XとYとが離れていてもよい。XとYとの間にZが存在していてもよい。この定義は、上下方向及び左右方向にも適用される。
【0013】
本明細書において、XがYの前に配置されるとは、以下の状態を指す。Xの少なくとも一部は、Yが前方向に平行移動するときに通過する領域内に配置されている。よって、Xは、Yが前方向に平行移動するときに通過する領域内に収まっていてもよいし、Yが前方向に平行移動するときに通過する領域から突出していてもよい。この場合、X及びYは、前後方向に並んでいる。この定義は、上下方向及び左右方向にも適用される。
【0014】
本明細書において、左右方向に見て、XがYの前に配置されるとは、以下の状態を指す。左右方向に見て、XとYが前後方向に並んでおり、かつ、左右方向に見て、XのYと対向する部分が、Yの前に配置される。この定義において、XとYは、3次元では、前後方向に並んでいなくてもよい。この定義は、上下方向及び左右方向にも適用される。
【0015】
本明細書において、XがYより前に配置されるとは、以下の状態を指す。Xは、Yの前端を通り前後方向に直交する平面の前に配置される。この場合、X及びYは、前後方向に並んでいてもよく、並んでいなくてもよい。この定義は、上下方向及び左右方向にも適用される。
【0016】
本明細書において、特に断りのない場合には、Xの各部について以下のように定義する。Xの前部とは、Xの前半分を意味する。Xの後部とは、Xの後半分を意味する。Xの左部とは、Xの左半分を意味する。Xの右部とは、Xの右半分を意味する。Xの上部とは、Xの上半分を意味する。Xの下部とは、Xの下半分を意味する。Xの前端とは、Xの前方向の端を意味する。Xの後端とは、Xの後方向の端を意味する。Xの左端とは、Xの左方向の端を意味する。Xの右端とは、Xの右方向の端を意味する。Xの上端とは、Xの上方向の端を意味する。Xの下端とは、Xの下方向の端を意味する。Xの前端部とは、Xの前端及びその近傍を意味する。Xの後端部とは、Xの後端及びその近傍を意味する。Xの左端部とは、Xの左端及びその近傍を意味する。Xの右端部とは、Xの右端及びその近傍を意味する。Xの上端部とは、Xの上端及びその近傍を意味する。Xの下端部とは、Xの下端及びその近傍を意味する。
【0017】
本明細書における任意の2個の部材をX及びYと定義した場合、任意の2個の部材の関係は以下のような意味になる。本明細書において、XがYに支持されているとは、XがYに対して移動不可能にYに取り付けられている(すなわち、固定されている)場合、及び、XがYに対して移動可能にYに取り付けられている場合を含む。また、XがYに支持されているとは、XがYに直接に取り付けられている場合、及び、XがZを介してYに取り付けられている場合の両方を含む。
【0018】
本明細書において、「XとYとが電気的に接続される」とは、XとYとの間で電気が導通していることを意味する。従って、XとYとが接触していてもよいし、XとYとが接触していなくてもよい。XとYとが接触していない場合には、XとYとの間に導電性を有するZが配置されている。
【0019】
本明細書において、「湾曲」とは、樹脂層が曲がっていることを意味し、「屈曲」も含む意味である。
【0020】
回路基板10は、2つの電気回路を電気的に接続する高周波信号伝送線路である。回路基板10は、
図1に示すように、薄板形状を有している。回路基板10は、可撓性を有している。従って、回路基板10を上方向又は下方向に折り曲げることが可能である。回路基板10は、
図2及び
図3に示すように、基板本体12、第1信号導体層18a、第1グランド導体層20、第2グランド導体層22及び層間接続導体v1,v2を備えている。
【0021】
基板本体12は、
図1に示すように、薄板形状を有している。基板本体12は、上下方向に見て、左右方向に延びる帯形状を有している。基板本体12は、上主面及び下主面を有している。基板本体12の上主面は、基板本体12の2つの主面の内の上に位置する主面である。基板本体12の下主面は、基板本体12の2つの主面の内の下に位置する主面である。
【0022】
基板本体12は、
図2及び
図3に示すように、保護層17a、樹脂層16a(第1樹脂層)、樹脂層16b(第2樹脂層)及び保護層17bを含んでいる。基板本体12は、保護層17a、樹脂層16a,16b及び保護層17bが上下方向における上から下へとこの順に積層された構造を有している。すなわち、基板本体12は、樹脂層16a(第1樹脂層)と、樹脂層16a(第1樹脂層)の下に積層されている樹脂層16b(第2樹脂層)と、を含んでいる。
【0023】
樹脂層16aは、上主面及び下主面を有している。樹脂層16aの上主面は、樹脂層16aの2つの主面の内の上に位置する主面である。樹脂層16aの下主面は、樹脂層16aの2つの主面の内の下に位置する主面である。樹脂層16bは、上主面及び下主面を有している。樹脂層16bの上主面は、樹脂層16bの2つの主面の内の上に位置する主面である。樹脂層16bの下主面は、樹脂層16bの2つの主面の内の下に位置する主面である。これにより、樹脂層16aと樹脂層16bとは、互いに接している。すなわち、樹脂層16aの下主面と樹脂層16bの上主面とは、互いに接している。
【0024】
樹脂層16bの左右方向の長さは、樹脂層16aの左右方向の長さより長い。これにより、基板本体12は、
図2に示すように、重複領域A1、第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3を有している。重複領域A1は、上下方向に見て、樹脂層16a及び樹脂層16bが存在している領域である。従って、重複領域A1では、上下方向に見て、樹脂層16a及び樹脂層16bが重なっている。第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3は、上下方向に見て、樹脂層16aが存在しておらず、かつ、樹脂層16bが存在している領域である。従って、第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3では、樹脂層16aが樹脂層16bに重なっていない。第1非重複領域A2は、重複領域A1の左に位置している。第2非重複領域A3は、重複領域A1の右に位置している。
【0025】
また、
図2に示すように、第1非重複領域A2における樹脂層16bは、重複領域A1における樹脂層16bより上に位置している。そのため、樹脂層16bは、重複領域A1と第1非重複領域A2との境界近傍において上下方向に湾曲している。同様に、第2非重複領域A3における樹脂層16bは、重複領域A1における樹脂層16bより上に位置している。そのため、樹脂層16bは、重複領域A1と第2非重複領域A3との境界近傍において上下方向に湾曲している。これにより、第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3における樹脂層16bの上主面の上下方向における位置は、重複領域A1における樹脂層16aの上主面の上下方向における位置と略一致している。すなわち、重複領域A1における樹脂層16a(第1樹脂層)の上主面と第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3における樹脂層16b(第2樹脂層)の上主面は、同一平面上に位置している。
【0026】
また、樹脂層16aの厚みは、重複領域A1から第1非重複領域A2に近づくにしたがって、小さくなっている。すなわち、樹脂層16aの左端部の厚みは、左方向に行くにしたがって小さくなっている。同様に、樹脂層16aの厚みは、重複領域A1から第2非重複領域A3に近づくにしたがって、小さくなっている。すなわち、樹脂層16aの右端部の厚みは、右方向に行くにしたがって小さくなっている。
【0027】
樹脂層16a,16bは、熱可塑性樹脂を含んでいる。樹脂層16aの材料と樹脂層16bの材料とは同じである。熱可塑性樹脂は、例えば、液晶ポリマー(LCP)やポリイミド等である。保護層17a,17bについては後述する。以上のような基板本体12は、可撓性を有している。
【0028】
第1信号導体層18aは、基板本体12に設けられている。第1信号導体層18aは、樹脂層16bの上主面に設けられている。第1信号導体層18aは、重複領域A1、第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3に設けられている。第1信号導体層18aは、第1端部ta及び第2端部tbを有する線形状を有している。第1信号導体層18aは、左右方向に延びている。従って、第1端部taは、左端部である。第2端部tbは、右端部である。第1端部taは、第1非重複領域A2に位置している。第1非重複領域A2では、樹脂層16bの上に樹脂層16aが存在しない。そのため、第1端部taは、基板本体12の上主面に位置している。これにより、第1端部taは、第1信号電極として機能する。第2端部tbは、第2非重複領域A3に位置している。第2非重複領域A3では、樹脂層16bの上に樹脂層16aが存在しない。そのため、第2端部tbは、基板本体12の上主面に位置している。これにより、第2端部tbは、第2信号電極として機能する。
【0029】
第1信号導体層18aは、第1非重複領域A2における第1信号導体層18aが重複領域A1における第1信号導体層18aより上に位置するように、第1信号導体層18aが上下方向に湾曲する第1湾曲部Caを有している。より詳細には、第1信号導体層18aは、樹脂層16bの上主面に設けられている。樹脂層16bは、前記の通り、重複領域A1と第1非重複領域A2との境界近傍において上下方向に湾曲している。そのため、第1信号導体層18aも、重複領域A1と第1非重複領域A2との境界近傍において上下方向に湾曲している。
【0030】
第1信号導体層18aは、第2非重複領域A3における第1信号導体層18aが重複領域A1における第1信号導体層18aより上に位置するように、第1信号導体層18aが上下方向に湾曲する第2湾曲部Cbを有している。より詳細には、第1信号導体層18aは、樹脂層16bの上主面に設けられている。樹脂層16bは、前記の通り、重複領域A1と第2非重複領域A3との境界近傍において上下方向に湾曲している。そのため、第1信号導体層18aも、重複領域A1と第2非重複領域A3との境界近傍において上下方向に湾曲している。
【0031】
第1グランド導体層20は、基板本体12に設けられている。本実施形態では、第1グランド導体層20は、樹脂層16aの上主面に設けられている。これにより、第1グランド導体層20は、第1信号導体層18aの上に配置されている。第1グランド導体層20は、
図3に示すように、左右方向に延びる帯形状を有している。
【0032】
第2グランド導体層22は、基板本体12に設けられている。本実施形態では、第2グランド導体層22は、樹脂層16bの下主面に設けられている。これにより、第2グランド導体層22は、第1信号導体層18aの下に配置されている。第2グランド導体層22は、
図3に示すように、左右方向に延びる帯形状を有している。以上のように第1グランド導体層20及び第2グランド導体層22は、上下方向に見て、第1信号導体層18aと重なっている。よって、第1信号導体層18a、第1グランド導体層20及び第2グランド導体層22は、ストリップライン構造を形成している。
【0033】
第2グランド導体層22は、端部tc,tdを有している。端部tcは、左端部である。端部tdは、右端部である。端部tcは、第1非重複領域A2に位置している。端部tcは、基板本体12から外部に露出している。これにより、端部tcは、第1グランド電極として機能する。端部tdは、第2非重複領域A3に位置している。端部tdは、基板本体12から外部に露出している。これにより、端部tdは、第2グランド電極として機能する。
【0034】
また、第2グランド導体層22は、第1非重複領域A2における第2グランド導体層22が重複領域A1における第2グランド導体層22より上に位置するように、第2グランド導体層22が上下方向に湾曲している第3湾曲部Ccを有している。より詳細には、第2グランド導体層22は、樹脂層16bの下主面に設けられている。樹脂層16bは、前記の通り、重複領域A1と第1非重複領域A2との境界近傍において上下方向に湾曲している。そのため、第2グランド導体層22も、重複領域A1と第1非重複領域A2との境界近傍において上下方向に湾曲している。
【0035】
また、第2グランド導体層22は、第2非重複領域A3における第2グランド導体層22が重複領域A1における第2グランド導体層22より上に位置するように、第2グランド導体層22が上下方向に湾曲している湾曲部Cdを有している。より詳細には、第2グランド導体層22は、樹脂層16bの下主面に設けられている。樹脂層16bは、前記の通り、重複領域A1と第2非重複領域A3との境界近傍において上下方向に湾曲している。そのため、第2グランド導体層22も、重複領域A1と第2非重複領域A3との境界近傍において上下方向に湾曲している。以上のような第1信号導体層18a、第1グランド導体層20及び第2グランド導体層22は、例えば、樹脂層上の銅等の金属箔にパターニングが施されることにより形成されている。
【0036】
複数の層間接続導体v1,v2は、第1グランド導体層20と第2グランド導体層22とを電気的に接続している。より詳細には、複数の層間接続導体v1は、第1信号導体層18aの前に設けられている。複数の層間接続導体v1は、左右方向に等間隔に一列に並んでいる。複数の層間接続導体v2は、第1信号導体層18aの後に設けられている。複数の層間接続導体v2は、左右方向に等間隔に一列に並んでいる。複数の層間接続導体v1,v2は、樹脂層16a,16bを上下方向に貫通している。複数の層間接続導体v1,v2の上端は、第1グランド導体層20に接続されている。複数の層間接続導体v1,v2の下端は、第2グランド導体層22に接続されている。以上のような複数の層間接続導体v1,v2は、例えば、ビアホール導体である。層間接続導体v1,v2は、樹脂層16a,16bに形成された貫通孔に導電性ペーストが充填され、導電性ペーストが焼結されることにより、形成されている。
【0037】
保護層17aは、樹脂層16aの上主面及び樹脂層16bの上主面を覆っているレジスト層である。より正確には、保護層17aは、重複領域A1と第1非重複領域A2とを跨いでいると共に、重複領域A1と第2非重複領域A3とを跨いでいる。保護層17aは、第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3において樹脂層16aの上主面の一部を覆っている。ただし、保護層17aは、第1信号導体層18aの第1端部ta及び第2端部tbを覆っていない。従って、第1信号導体層18aの第1端部ta及び第2端部tbの全体は、保護層17aから露出している。また、保護層17aは、重複領域A1において樹脂層16bの上主面を覆っている。これにより、保護層17aは、第1グランド導体層20を覆っている。保護層17aは、第1グランド導体層20を保護している。
【0038】
保護層17bは、樹脂層16bの下主面を覆っているレジスト層である。これにより、保護層17bは、第2グランド導体層22を覆っている。ただし、第2グランド導体層22の一部は、保護層17bから露出している。保護層17bは、第2グランド導体層22を保護している。以上のような保護層17a,17bは、絶縁性材料が印刷されることにより作製されている。なお、保護層17a,17bは、カバーレイフィルム層であってもよい。
【0039】
以上のような回路基板10では、第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3における基板本体12の厚み(上下方向の大きさ)は、重複領域A1における基板本体12の厚み(上下方向の大きさ)より薄い(小さい)。
【0040】
[電子機器1の構造]
次に、回路基板10を備える電子機器1の構造について説明する。
図4は、回路基板10を備える電子機器1を示した図である。また、
図4では、回路基板10の左端部及びコネクタ200aの断面図も併せて示した。
【0041】
電子機器1は、例えば、スマートフォン等の携帯型通信端末である。電子機器1は、
図4に示すように、回路基板10、コネクタ200a,200b,210a,210b及び回路基板220a,220bを備えている。回路基板10の左端部は、コネクタ200aに挿入されている。回路基板10の右端部は、コネクタ200bに挿入されている。
【0042】
コネクタ210a,210bのそれぞれは、回路基板220a,220bの上主面に実装されている。コネクタ210a,210bのそれぞれは、コネクタ200a,200bに接続されている。これにより、回路基板220a,220bは、回路基板10を介して電気的に接続されている。
【0043】
ここで、回路基板10の左端部とコネクタ200aとの接続について説明する。コネクタ200aは、信号端子202a及びグランド端子202bを含んでいる。回路基板10の左端部がコネクタ200aに挿入されると、信号端子202a(第1部材)は、基板本体12の上に配置される。グランド端子202b(第2部材)は、基板本体12の下に配置される。より正確には、信号端子202aは、第1信号導体層18aの第1端部taの上に配置される。グランド端子202bは、第2グランド導体層22の端部tcの下に配置される。そして、第1信号導体層18aは、第1非重複領域A2において、信号端子202aと電気的に接続される。第1グランド導体層20は、第1非重複領域A2において、グランド端子202bと電気的に接続される。本実施形態では、第1信号導体層18aの第1端部taは、第1非重複領域A2において、信号端子202aと電気的に接続可能である。同様に、第1グランド導体層20の端部tcは、第1非重複領域A2において、グランド端子202bと電気的に接続可能である。
【0044】
なお、回路基板10の右端部とコネクタ200bとの接続は、回路基板10の左端部とコネクタ200aとの接続と同じであるので説明を省略する。
【0045】
なお、コネクタ200aは、基板本体12の上主面に実装されることにより第1信号導体層18aと電気的に接続されてもよい。この場合、コネクタ200aは、回路基板220aに実装されているコネクタ210aと接続される。このとき、コネクタ210aは、コネクタ200aの上に位置する。また、第1信号導体層18aの第1端部taは、コネクタ200a,210aを介することなく、半田により回路基板220aに実装されてもよい。
【0046】
[回路基板10の製造方法]
次に、回路基板10の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図5及び
図6は、回路基板10の製造時の断面図である。なお、本実施形態では、一つの回路基板10を製造する方法について説明する。ただし、実際には、大判のマザー樹脂層を積層及び熱圧着してマザー回路基板を作成し、マザー回路基板を複数の回路基板10にカットする。
【0047】
まず、熱可塑性樹脂を材料とする樹脂層16aを準備する(第1準備工程)。具体的には、銅等の金属箔が上主面に張り付けられた樹脂層16aを準備する。そして、金属箔にマスクを利用したエッチングを施して、第1グランド導体層20を樹脂層16aの上主面に形成する。
【0048】
次に、熱可塑性樹脂を含む樹脂層16bであって、樹脂層16bの上主面に信号導体層が設けられた樹脂層16bを準備する(第2準備工程)。具体的には、銅等の金属箔が上主面及び下主面に張り付けられた樹脂層16bを準備する。そして、2つの金属箔にマスクを利用したエッチングを施して、第1グランド導体層20及び第2グランド導体層22を樹脂層16aの上主面及び下主面に形成する。
【0049】
次に、
図5に示すように、樹脂層16a及び樹脂層16bが上から下へとこの順に並び、かつ、樹脂層16aと樹脂層16bとが接触し、かつ、重複領域A1、第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3が形成されるように、樹脂層16a及び樹脂層16bを配置する(配置工程)。具体的には、樹脂層16bの左端部及び右端部と樹脂層16aとが重ならないように、樹脂層16aを樹脂層16bの上に載置する。更に、第1非重複領域A2において樹脂層16bの下に台100aを配置する。第2非重複領域A3において樹脂層16bの下に台100bを配置する。
【0050】
次に、
図6に示すように、樹脂層16aと樹脂層16bとを熱圧着することにより、第1非重複領域A2における第1信号導体層18aが重複領域A1における第1信号導体層18aより上に位置するように、第1信号導体層18aを上下方向に湾曲させる(熱圧着工程)。具体的には、樹脂層16a,16b及び台100a,100bの上にツールT1を配置すると共に、樹脂層16a,16b及び台100a,100bの下にツールT2を配置する。そして、樹脂層16a,16bを加熱しながら、ツールT1,T2により上下方向から加圧する。これにより、樹脂層16a,16bは、加熱により軟化し、互いに接合される。更に、台100aは、第1非重複領域A2における樹脂層16bを上に押し上げる。台100bは、第2非重複領域A3における樹脂層16bを上に押し上げる。
【0051】
最後に、基板本体12の上主面及び下主面のそれぞれに保護層17a,17bを印刷する。以上の工程を経て、回路基板10が完成する。
【0052】
[効果]
回路基板10によれば、高周波信号の反射を低減できる。より詳細には、特許文献1に記載の伝送線路では、複数の層間接続導体が直列接続されるために、複数の層間接続導体の間に接続用の導体パターンが設けられる。このような接続用の導体パターンは、層間接続導体の周囲の導体パターンと容量を形成しやすい。よって、複数の層間接続導体において特性インピーダンスの変動が発生する場合がある。このような特性インピーダンスの変動は、高周波信号の反射の原因となる。
【0053】
そこで、回路基板10では、基板本体12は、上下方向に見て、樹脂層16a及び樹脂層16bが存在している重複領域A1、及び、上下方向に見て、樹脂層16aが存在しておらず、かつ、樹脂層16bが存在している第1非重複領域A2を有している。そして、第1信号導体層18aは、第1非重複領域A2における第1信号導体層18aが重複領域A1における第1信号導体層18aより上に位置するように、第1信号導体層18aが上下方向に湾曲する第1湾曲部Caを有している。これにより、回路基板10では、特性インピーダンスの変動の原因となる層間接続導体及び接続用の導体パターンが用いられることなく、第1信号導体層18aが第1非重複領域A2において基板本体12の上主面に近づくようになる。よって、第1湾曲部Caにおいて特性インピーダンスの変動が発生しにくい。以上より、回路基板10によれば、高周波信号の反射を低減できる。
【0054】
回路基板10によれば、第1端部taは、基板本体12の上主面に位置し、かつ、第1信号電極として機能する。そのため、第1信号電極と第1信号導体層18aとの接続に層間接続導体及び接続用の導体パターンが用いられない。その結果、回路基板10によれば、高周波信号の反射をより低減できる。
【0055】
回路基板10によれば、回路基板10の挿入損失を低減できる。前記の通り、回路基板10では、層間接続導体及び接続用の導体パターンが用いられることなく、第1信号導体層18aが第1非重複領域A2において基板本体12の上主面に近づいている。第1信号導体層18aの単位長さ当たりの抵抗値は、一般的に、層間接続導体の単位長さ当たりの抵抗値より小さい。その結果、回路基板10によれば、回路基板10の挿入損失を低減できる。
【0056】
回路基板10によれば、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。より詳細には、第2グランド導体層22は、第1非重複領域A2における第2グランド導体層22が重複領域A1における第2グランド導体層22より上に位置するように、第2グランド導体層22が上下方向に湾曲している第3湾曲部Ccを有している。これにより、第1湾曲部Caにおいて、第1信号導体層18aと第2グランド導体層22との距離が変動することが抑制される。その結果、回路基板10によれば、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。
【0057】
回路基板10の製造方法によれば、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10を容易に製造することができる。より詳細には、回路基板10の製造方法では、樹脂層16a及び樹脂層16bが上から下へとこの順に並び、かつ、樹脂層16aと樹脂層16bとが接触し、かつ、重複領域A1、第1非重複領域A2が形成されるように、樹脂層16a及び樹脂層16bを配置する。そして、樹脂層16aと樹脂層16bとを熱圧着することにより、第1非重複領域A2における第1信号導体層18aが重複領域A1における第1信号導体層18aより上に位置するように、第1信号導体層18aを上下方向に湾曲させる。これにより、第1信号導体層18aに第1湾曲部Caが形成される。このように、回路基板10の製造方法では、第1信号導体層18aに第1湾曲部Caを形成するために、樹脂層16a,16bの配置に工夫を施すだけでよい。すなわち、回路基板10の製造方法では、第1信号導体層18aに第1湾曲部Caを形成するために、特別な工程を追加する必要がない。その結果、回路基板10の製造方法によれば、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10を容易に製造することができる。
【0058】
回路基板10では、保護層17aは、重複領域A1と第1非重複領域A2とを跨いでいると共に、重複領域A1と第2非重複領域A3とを跨いでいる。これにより、樹脂層16aと樹脂層16bとの境界が保護層17aにより覆われる。その結果、樹脂層16aが樹脂層16bから剥離することが抑制される。
【0059】
(第1変形例)
[回路基板10aの構造]
以下に、第1変形例に係る回路基板10aについて図面を参照しながら説明する。
図7は、回路基板10aの断面図である。
【0060】
回路基板10aは、樹脂層116a,116b、層間接続導体v11,v12及びグランド電極50a,50bを更に備えている点において、回路基板10と相違する。以下では、この相違点を中心に回路基板10aについて説明する。
【0061】
基板本体12は、樹脂層116a,116bを更に備えている。樹脂層116aは、第1非重複領域A2において、樹脂層16bの下に配置されている。樹脂層116bは、第2非重複領域A3において、樹脂層16bの下に配置されている。
【0062】
グランド電極50a,50bのそれぞれは、樹脂層116a,116bの下主面に設けられている。層間接続導体v11,v12のそれぞれは、樹脂層116a,116bを上下方向に貫通している。層間接続導体v11は、第1グランド導体層20の端部tcとグランド電極50aとを電気的に接続している。層間接続導体v12は、第1グランド導体層20の端部tdとグランド電極50bとを電気的に接続している。なお、回路基板10aのその他の構造は、回路基板10と同じであるので説明を省略する。
【0063】
[回路基板10aの製造方法]
次に、回路基板10aの製造方法について図面を参照しながら説明する。
図8及び
図9は、回路基板10aの製造時の断面図である。
【0064】
回路基板10aの製造方法は、配置工程において回路基板10と相違する。より詳細には、回路基板10の製造方法では、配置工程において、第1非重複領域A2において樹脂層16bの下に台100aを配置する。更に、第2非重複領域A3において樹脂層16bの下に台100bを配置する。一方、回路基板10aの製造方法では、
図8に示すように、配置工程において、第1非重複領域A2において樹脂層16bの下に樹脂層116aを配置する。更に、第2非重複領域A3において樹脂層16bの下に樹脂層116bを配置する。この後、
図9に示す熱圧着工程において、樹脂層116a,116bは、加熱により軟化して、樹脂層16bに接合される。なお、回路基板10aの製造方法のその他の工程は、回路基板10の製造方法と同じであるので説明を省略する。
【0065】
[効果]
回路基板10aによれば、回路基板10と同じ理由により、高周波信号の反射を低減できる。回路基板10aによれば、回路基板10と同じ理由により、回路基板10aの挿入損失を低減できる。回路基板10aによれば、回路基板10と同じ理由により、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。回路基板10aの製造方法によれば、回路基板10の製造方法と同じ理由により、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10aを容易に製造することができる。
【0066】
(第2変形例)
以下に、第2変形例に係る回路基板10bについて図面を参照しながら説明する。
図10は、回路基板10bの断面図である。
【0067】
回路基板10bは、補強部材120a,120b、第1グランド電極122a、第2グランド電極122b及び層間接続導体v13,v14を更に備えている点において、回路基板10と相違する。以下に、この相違点を中心に回路基板10bについて説明する。
【0068】
補強部材120a(第1補強部材)は、第1非重複領域A2において、樹脂層16bの下に配置されている。補強部材120aは、第1非重複領域A2において樹脂層16bの下主面に接着層212aにより固定されている。第1非重複領域A2における補強部材120a(第1補強部材)の下端は、重複領域A1における基板本体12の下主面より上に位置している。補強部材120b(第2補強部材)は、第2非重複領域A3において、樹脂層16bの下に配置されている。補強部材120bは、第2非重複領域A3において樹脂層16bの下主面に接着層212bにより固定されている。第2非重複領域A3における補強部材120b(第2補強部材)の下端は、重複領域A1における基板本体12の下主面より上に位置している。補強部材120a,120bの材料は、例えば、SUS(ステンレス鋼材)である。接着層212a,212bの厚みは、保護層17a,17bの厚みより大きい。接着層212a,212bの厚みは、補強部材120a,120bの厚みより小さい。
【0069】
第1グランド電極122aは、第1非重複領域A2において、基板本体12の上主面に設けられている。すなわち、第1グランド電極122aは、第1非重複領域A2において、樹脂層16bの上主面に設けられている。第2グランド電極122bは、第2非重複領域A3において、基板本体12の上主面に設けられている。すなわち、第2グランド電極122bは、第2非重複領域A3において、樹脂層16bの上主面に設けられている。
【0070】
層間接続導体v13,v14のそれぞれは、第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3において樹脂層16bを上下方向に貫通している。層間接続導体v13(第2層間接続導体)は、第1グランド電極122aと第2グランド導体層22(第2グランド導体層22の端部tc)とを電気的に接続している。層間接続導体v14は、第2グランド電極122bと第2グランド導体層22(第2グランド導体層22の端部td)とを電気的に接続している。回路基板10bのその他の構造は、回路基板10と同じであるので説明を省略する。
【0071】
回路基板10bの製造方法は、配置工程において回路基板10と相違する。より詳細には、回路基板10の製造方法では、配置工程において、第1非重複領域A2において樹脂層16bの下に台100aを配置する。更に、第2非重複領域A3において樹脂層16bの下に台100bを配置する。一方、回路基板10bの製造方法では、配置工程において、第1非重複領域A2において樹脂層16bの下に補強部材120aを配置する。更に、第2非重複領域A3において樹脂層16bの下に補強部材120bを配置する。この後、熱圧着工程において、補強部材120a,120bは、樹脂層16bに接合される。なお、回路基板10bの製造方法のその他の工程は、回路基板10の製造方法と同じであるので説明を省略する。
【0072】
回路基板10bによれば、回路基板10と同じ理由により、高周波信号の反射を低減できる。回路基板10bによれば、回路基板10と同じ理由により、回路基板10bの挿入損失を低減できる。回路基板10bによれば、回路基板10と同じ理由により、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。回路基板10bの製造方法によれば、回路基板10の製造方法と同じ理由により、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10bを容易に製造することができる。
【0073】
回路基板10bは、第1非重複領域A2において、樹脂層16b(第2樹脂層)の下に配置されている補強部材120aを備えている。これにより、回路基板10bの第1非重複領域A2の強度が向上する。その結果、回路基板10bの破損が抑制される。また、回路基板10bの第1非重複領域A2にコネクタが実装される場合には、回路基板10bの変形によってコネクタが回路基板10bから外れることが抑制される。また、回路基板10bの第1非重複領域A2の意図しない変形が抑制される。
【0074】
なお、回路基板10bにおいて、補強部材120a,120bの下面は、保護層17bの下主面より下に位置していてもよい。この場合、圧着工程が容易になる。一方、回路基板10bにおいて、補強部材120a,120bの下面は、保護層17bの下主面と上下方向において同じ位置に位置してもよい。これにより、回路基板10bの下面の平坦性が高くなる。その結果、回路基板10bの小型化が図られる。
【0075】
(第3変形例)
以下に、第3変形例に係る回路基板10cについて図面を参照しながら説明する。
図11は、回路基板10cの断面図である。
【0076】
回路基板10cは、樹脂層214(第2樹脂層)を更に備える点において回路基板10aと相違する。より詳細には、樹脂層214は、樹脂層16aの下、かつ、樹脂層16bの上に設けられている。従って、樹脂層16a(第1樹脂層)、樹脂層214(第2樹脂層)及び樹脂層16b(第4樹脂層)は、上下方向において上から下へとこの順に積層されている。すなわち、基板本体12は、樹脂層16a(第1樹脂層)と、樹脂層16a(第1樹脂層)の下に積層されている樹脂層214(第2樹脂層)と、を含んでいる。樹脂層214は、樹脂層16aと樹脂層16bとを接着する接着層として機能する。樹脂層214の誘電率は、樹脂層16a,16bの誘電率より低い、及び/又は、樹脂層214の誘電正接は、樹脂層16a,16bの誘電正接より低い。樹脂層214は、樹脂層16a,16bと熱圧着により接合される。例えば、樹脂層16a,16bの材料の主成分は、液晶ポリマーである。樹脂層214の材料の主成分は、フッ素樹脂(PTFE,PFAなど)である。主成分とは、材料に含まれる成分の内の最も割合が多い成分である。このような場合、樹脂層16a,16bの材料のヤング率が樹脂層214の材料のヤング率より大きくなる。これにより、回路基板10cの変形が抑制される。なお、回路基板10cのその他の構造は、回路基板10aと同じであるので説明を省略する。
【0077】
回路基板10cによれば、回路基板10と同じ理由により、高周波信号の反射を低減できる。回路基板10cによれば、回路基板10と同じ理由により、回路基板10cの挿入損失を低減できる。回路基板10cによれば、回路基板10と同じ理由により、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。回路基板10cの製造方法によれば、回路基板10の製造方法と同じ理由により、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10cを容易に製造することができる。
【0078】
回路基板10cによれば、回路基板10cの挿入損失を低減できる。より詳細には、第1信号導体層18aが樹脂層214に接している部分の長さは、第1信号導体層18aが樹脂層16aに接している部分の長さより長い。そのため、樹脂層214において発生する誘電損失を小さくすれば、回路基板10cの挿入損失を効果的に低減できる。そこで、樹脂層214の誘電率は、樹脂層16a,16bの誘電率より低い。これにより、回路基板10cによれば、回路基板10cの挿入損失を低減できる。
【0079】
(第4変形例)
以下に、第4変形例に係る回路基板10dについて図面を参照しながら説明する。
図12は、回路基板10dの断面図である。
【0080】
回路基板10dは、樹脂層16aの材料のヤング率において回路基板10aと相違する。より詳細には、樹脂層16aの材料のヤング率は、樹脂層16bの材料のヤング率より大きい。ただし、樹脂層16aと樹脂層16bとは、熱圧着により接合される。樹脂層16aの材料の主成分と樹脂層16bの材料の主成分とは同じである。ただし、回路基板10dにおいて、樹脂層16aの材料の主成分と樹脂層16bの材料の主成分とが異なっていてもよい。この場合、例えば、樹脂層16aの材料の主成分は、フッ素樹脂であり、樹脂層16bの材料の主成分は、液晶ポリマーである。主成分とは、材料に含まれる成分の内の最も割合が多い成分である。なお、回路基板10dのその他の構造は、回路基板10aと同じであるので説明を省略する。
【0081】
回路基板10dによれば、回路基板10と同じ理由により、高周波信号の反射を低減できる。回路基板10dによれば、回路基板10と同じ理由により、回路基板10dの挿入損失を低減できる。回路基板10dによれば、回路基板10と同じ理由により、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。回路基板10dの製造方法によれば、回路基板10の製造方法と同じ理由により、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10dを容易に製造することができる。
【0082】
回路基板10dによれば、熱圧着工程において、樹脂層16bが変形しやすくなる。より詳細には、樹脂層16aの材料のヤング率は、樹脂層16bの材料のヤング率より大きい。これにより、熱圧着工程において、樹脂層16bは、重複領域A1において、硬い樹脂層16aにより下方向に押し出される。その結果、回路基板10dによれば、熱圧着工程において、樹脂層16bが変形しやすい。本明細書において、硬いとは、ヤング率が大きいことを意味する。
【0083】
(第5変形例)
以下に、第5変形例に係る回路基板10eについて図面を参照しながら説明する。
図13は、回路基板10eの断面図である。
図13には、第1信号導体層18aの第1端部taの上面図も示した。
【0084】
回路基板10eは、第1信号導体層18aの第1端部taの構造において回路基板10aと相違する。より詳細には、第1湾曲部Caの線幅、第2湾曲部Cbの線幅、第1端部taの線幅及び第2端部tbの線幅は、重複領域A1における第1信号導体層18aの線幅より大きい。なお、回路基板10eのその他の構造は、回路基板10aと同じであるので説明を省略する。
【0085】
回路基板10eによれば、回路基板10と同じ理由により、高周波信号の反射を低減できる。回路基板10eによれば、回路基板10と同じ理由により、回路基板10eの挿入損失を低減できる。回路基板10eによれば、回路基板10と同じ理由により、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。回路基板10eの製造方法によれば、回路基板10の製造方法と同じ理由により、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10eを容易に製造することができる。
【0086】
回路基板10eによれば、第1湾曲部Ca及び第1端部taにおいて特性インピーダンスが変動することが抑制される。より詳細には、第1湾曲部Ca及び第1端部taでは、第1信号導体層18aと第1グランド導体層20とが対向していない。そのため、第1湾曲部Ca及び第1端部taにおいて第1信号導体層18aに発生する容量値は、重複領域A1において第1信号導体層18aに発生する容量値よりも小さくなりやすい。そこで、第1湾曲部Caの線幅、第2湾曲部Cbの線幅、第1端部taの線幅及び第2端部tbの線幅は、重複領域A1における第1信号導体層18aの線幅より大きい。これにより、第1湾曲部Ca及び第1端部taにおいて第1信号導体層18aに発生する容量値は、重複領域A1において第1信号導体層18aに発生する容量値に近づくようになる。その結果、回路基板10eによれば、第1湾曲部Ca及び第1端部taにおいて特性インピーダンスが変動することが抑制される。
【0087】
なお、第1信号導体層18aでは、第1信号導体層18aの線幅は不連続的に変化している。しかしながら、第1信号導体層18aの線幅は、連続的に変化してもよい。すなわち、第1信号導体層18aは、第1端部taの右端部においてテーパ形状を有していてもよい。
【0088】
(第6変形例)
以下に、第6変形例に係る回路基板10fについて図面を参照しながら説明する。
図14は、回路基板10fの断面図である。
図14には、第1信号導体層18aの第1端部taの上面図も示した。
【0089】
回路基板10fは、第1信号導体層18aの第1湾曲部Caの構造において回路基板10aと相違する。より詳細には、第1湾曲部Caには、線幅方向に延びる複数の切り欠き130が設けられている。なお、回路基板10fのその他の構造は、回路基板10aと同じであるので説明を省略する。
【0090】
回路基板10fよれば、回路基板10と同じ理由により、高周波信号の反射を低減できる。回路基板10fによれば、回路基板10と同じ理由により、回路基板10fの挿入損失を低減できる。回路基板10fによれば、回路基板10と同じ理由により、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。回路基板10fの製造方法によれば、回路基板10の製造方法と同じ理由により、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10fを容易に製造することができる。
【0091】
回路基板10fでは、第1湾曲部Caには、線幅方向に延びる複数の切り欠き130が設けられている。これにより、第1信号導体層18aは、第1湾曲部Caにおいて軟らかくなるので、第1湾曲部Caにおいて上下方向に曲がりやすくなる。
【0092】
(第7変形例)
以下に、第7変形例に係る回路基板10gについて図面を参照しながら説明する。
図15は、回路基板10gの断面図である。
図15には、第1信号導体層18aの第1端部taの上面図も示した。
【0093】
回路基板10gは、第1信号導体層18aの第1湾曲部Caの構造において回路基板10aと相違する。より詳細には、第1湾曲部Caは、上下方向に見て、ミアンダ形状を有している。なお、回路基板10fのその他の構造は、回路基板10aと同じであるので説明を省略する。
【0094】
回路基板10gよれば、回路基板10と同じ理由により、高周波信号の反射を低減できる。回路基板10gによれば、回路基板10と同じ理由により、回路基板10gの挿入損失を低減できる。回路基板10gによれば、回路基板10と同じ理由により、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。回路基板10gの製造方法によれば、回路基板10の製造方法と同じ理由により、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10gを容易に製造することができる。
【0095】
回路基板10gでは、第1湾曲部Caは、上下方向に見て、ミアンダ形状を有している。これにより、第1信号導体層18aは、第1湾曲部Caにおいて軟らかくなるので、第1湾曲部Caにおいて上下方向に曲がりやすくなる。
【0096】
(第8変形例)
以下に、第8変形例に係る回路基板10hについて図面を参照しながら説明する。
図16は、回路基板10hの断面図である。
【0097】
回路基板10hは、樹脂層16c、信号電極124a,124b及び層間接続導体v21,v22を更に備えている点において、回路基板10aと相違する。以下に、この相違点を中心に回路基板10hについて説明する。
【0098】
基板本体12は、樹脂層16cを更に含んでいる。基板本体12は、保護層17a、樹脂層16a、樹脂層16b、樹脂層16c及び保護層17bが上から下へとこの順に積層された構造を有している。すなわち、基板本体12は、樹脂層16b(第2樹脂層)の下に積層されている樹脂層16c(第3樹脂層)を更に含んでいる。樹脂層16cは、樹脂層16bと同じ構造を有している。従って、第1非重複領域A2における樹脂層16cは、重複領域A1における樹脂層16bより下に位置している。樹脂層16cは、重複領域A1と第1非重複領域A2との境界近傍において上下方向に湾曲している。同様に、第2非重複領域A3における樹脂層16cは、重複領域A1における樹脂層16bより下に位置している。樹脂層16cは、重複領域A1と第2非重複領域A3との境界近傍において上下方向に湾曲している。
【0099】
信号電極124a(第1信号電極)及び信号電極124bのそれぞれは、第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3において基板本体12の上主面に設けられている。本実施形態では、信号電極124a,124bのそれぞれは、第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3において樹脂層16cの上主面に設けられている。層間接続導体v21,v22のそれぞれは、樹脂層16cを上下方向に貫通している。層間接続導体v21(第1層間接続導体)は、信号電極124aと第1信号導体層18a(第1信号導体層18aの第1端部ta)とを電気的に接続している。層間接続導体v22は、信号電極124bと第1信号導体層18a(第1信号導体層18aの第2端部tb)とを電気的に接続している。なお、回路基板10hのその他の構造は、回路基板10aと同じであるので説明を省略する。
【0100】
回路基板10hのように、第1信号導体層18aの第1端部taと信号電極124aとが層間接続導体v21により電気的に接続されていてもよい。この場合であっても、第1信号導体層18aが第1湾曲部Caを有しているので、層間接続導体の数及び接続用の導体パターンの数を減らすことができる。従って、回路基板10hにおいて特性インピーダンスの変動が抑制される。その結果、回路基板10hにおいても、高周波信号の反射を低減できる。
【0101】
回路基板10hによれば、回路基板10と同じ理由により、回路基板10hの挿入損失を低減できる。回路基板10hによれば、回路基板10と同じ理由により、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。回路基板10hの製造方法によれば、回路基板10の製造方法と同じ理由により、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10hを容易に製造することができる。
【0102】
(第9変形例)
以下に、第9変形例に係る回路基板10iについて図面を参照しながら説明する。
図17は、回路基板10iの断面図である。
【0103】
回路基板10iは、樹脂層16d,16e、第2信号導体層18b、層間接続導体v51,v52,v61,v62及び信号電極130a,130bを更に備えている点において回路基板10bと相違する。以下に、この相違点を中心に回路基板10iについて説明する。
【0104】
基板本体12は、樹脂層16d,16eを更に含んでいる。基板本体12は、保護層17a、樹脂層16a、樹脂層16b、樹脂層16d及び樹脂層16eが上から下へとこの順に積層された構造を有している。
【0105】
第2信号導体層18bは、基板本体12において第1信号導体層18aの下に設けられている。本実施形態では、第2信号導体層18bは、樹脂層16eの上主面に設けられている。従って、第2信号導体層18bは、第2グランド導体層22の下に設けられている。第2信号導体層18bは、上下方向に見て、第2グランド導体層22と重なっている。これにより、第2信号導体層18b及び第2グランド導体層22は、マイクロストリップライン構造を形成している。
【0106】
第2信号導体層18bは、第1非重複領域A2における第2信号導体層18bが重複領域A1における第2信号導体層18bより上に位置するように、第2信号導体層18bが上下方向に湾曲する湾曲部Ce(第5湾曲部)を有している。また、第2信号導体層18bは、第2非重複領域A3における第2信号導体層18bが重複領域A1における第2信号導体層18bより上に位置するように、第2信号導体層18bが上下方向に湾曲する湾曲部Cfを有している。
【0107】
また、第2信号導体層18bは、第1非重複領域A2において、基板本体12の上に配置される部材(第4部材)と電気的に接続される。この部材は、例えば、
図6のコネクタ200aの信号端子である。そのため、回路基板10iは、以下に説明する構造を有する。
【0108】
信号電極130a,130bのそれぞれは、第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3において基板本体12の上主面に設けられている。本実施形態では、信号電極130a,130bは、第1非重複領域A2及び第2非重複領域A3において樹脂層16bの上主面に設けられている。層間接続導体v51,v52のそれぞれは、樹脂層16b,16dを上下方向に貫通している。層間接続導体v51,v52は、互いに直列に電気的に接続されることにより、信号電極130aと第2信号導体層18b(第2信号導体層18bの端部te)とを電気的に接続している。層間接続導体v61,v62のそれぞれは、樹脂層16b,16dを上下方向に貫通している。層間接続導体v61,v62は、互いに直列に電気的に接続されることにより、信号電極130bと第2信号導体層18b(第2信号導体層18bの端部tf)とを電気的に接続している。
【0109】
以上のような回路基板10iでは、第2信号導体層18bを伝送される高周波信号の周波数は、第1信号導体層18aを伝送される高周波信号の周波数より低い。例えば、第1信号導体層18aには、相対的に高い高周波信号が伝送される。一方、第2信号導体層18bには、相対的に低い高周波信号やデジタル信号等が伝送される。
【0110】
回路基板10iでは、第2信号導体層18bは、基板本体12において第1信号導体層18aの下に設けられている。そのため、第2信号導体層18bから基板本体12の上主面までの距離は、第1信号導体層18aから基板本体12の上主面までの距離より長い。そこで、層間接続導体v51,v52が、信号電極130aと第2信号導体層18b(第2信号導体層18bの端部te)とを電気的に接続している。従って、層間接続導体v51,v52において特性インピーダンスの変動が発生する可能性がある。
【0111】
そこで、第2信号導体層18bを伝送される高周波信号の周波数は、第1信号導体層18aを伝送される高周波信号の周波数より低い。低い周波数の高周波信号は、特性インピーダンスの変動の影響を受けにくい。従って、回路基板10iによれば、第1信号導体層18a及び第2信号導体層18bにおいて高周波信号の反射を低減できる。
【0112】
回路基板10iよれば、回路基板10と同じ理由により、高周波信号の反射を低減できる。回路基板10iによれば、回路基板10と同じ理由により、回路基板10iの挿入損失を低減できる。回路基板10iによれば、回路基板10と同じ理由により、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。回路基板10iの製造方法によれば、回路基板10の製造方法と同じ理由により、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10iを容易に製造することができる。
【0113】
(第10変形例)
以下に、第10変形例に係る回路基板10jについて図面を参照しながら説明する。
図18は、回路基板10jの断面図である。
図19は、回路基板10jの製造時の断面図である。
【0114】
回路基板10jは、第1信号導体層18aの第2端部tbが電気的に接続される信号電極80cが基板本体12の下主面に設けられている点において、回路基板10aと相違する。以下に、この相違点を中心に回路基板10jについて説明する。
【0115】
基板本体12は、
図18に示すように、保護層17a、樹脂層16a~16c,116a,116b及び保護層17bを含んでいる。基板本体12は、樹脂層116b、保護層17a、樹脂層16a~16c,116a及び保護層17bが上から下へとこの順に積層された構造を有している。従って、基板本体12は、樹脂層16b(第2樹脂層)の下に積層されている樹脂層16c(第3樹脂層)を更に含んでいる。これにより、樹脂層16aと樹脂層16bとは、互いに接している。樹脂層16b(第2樹脂層)と樹脂層16c(第3樹脂層)とは、互いに接している。
【0116】
樹脂層16bの左右方向の長さは、樹脂層16aの左右方向の長さより長い。また、樹脂層16bの左右方向の長さは、樹脂層16cの左右方向の長さより長い。これにより、基板本体12は、
図2に示すように、重複領域A1、第1非重複領域A2及び第3非重複領域A4を有している。重複領域A1は、上下方向に見て、樹脂層16a及び樹脂層16bが存在している領域である。従って、重複領域A1では、上下方向に見て、樹脂層16a及び樹脂層16bが重なっている。また、重複領域A1は、上下方向に見て、樹脂層16b及び樹脂層16cが存在している領域である。従って、重複領域A1では、上下方向に見て、樹脂層16b及び樹脂層16cが重なっている。第1非重複領域A2は、上下方向に見て、樹脂層16aが存在しておらず、かつ、樹脂層16bが存在している領域である。従って、第1非重複領域A2では、樹脂層16aが樹脂層16bに重なっていない。第3非重複領域A4は、上下方向に見て、樹脂層16cが存在しておらず、かつ、樹脂層16bが存在している領域である。従って、第3非重複領域A4では、樹脂層16cが樹脂層16bに重なっていない。第1非重複領域A2は、重複領域A1の左に位置している。第3非重複領域A4は、重複領域A1の右に位置している。
【0117】
樹脂層116aは、第1非重複領域A2において、樹脂層16cの下に配置されている。樹脂層116bは、第3非重複領域A4において、樹脂層16bの上に配置されている。
【0118】
第1非重複領域A2における樹脂層16bは、重複領域A1における樹脂層16bより上に位置している。そのため、樹脂層16bは、重複領域A1と第1非重複領域A2との境界近傍において上下方向に湾曲している。同様に、第3非重複領域A4における樹脂層16bは、重複領域A1における樹脂層16bより下に位置している。そのため、樹脂層16bは、重複領域A1と第3非重複領域A4との境界近傍において上下方向に湾曲している。これにより、第1非重複領域A2における樹脂層16bの上主面の上下方向における位置は、重複領域A1における樹脂層16aの上主面の上下方向における位置と略一致している。第3非重複領域A4における樹脂層16bの下主面の上下方向における位置は、重複領域A1における樹脂層16cの下主面の上下方向における位置と略一致している。なお、樹脂層16cは、樹脂層16a,16bと同じように、熱可塑性樹脂を含んでいる。
【0119】
第1信号導体層18aは、基板本体12に設けられている。第1信号導体層18aは、樹脂層16bの上主面に設けられている。第1信号導体層18aは、第1端部ta及び第2端部tbを有する線形状を有している。第1端部taは、第1非重複領域A2に位置している。第2端部tbは、第3非重複領域A4に位置している。
【0120】
第1信号導体層18aは、第1非重複領域A2における第1信号導体層18aが重複領域A1における第1信号導体層18aより上に位置するように、第1信号導体層18aが上下方向に湾曲する第1湾曲部Caを有している。また、第1信号導体層18aは、第3非重複領域A4における第1信号導体層18aが重複領域A1における第1信号導体層18aより下に位置するように、第1信号導体層18aが上下方向に湾曲する第4湾曲部Cgを有している。
【0121】
回路基板10jは、グランド電極80a,80b、信号電極80c及び層間接続導体v61~v63を更に備えている。グランド電極80aは、樹脂層116aの下主面に設けられている。グランド電極80bは、樹脂層116bの上主面に設けられている。信号電極80cは、第3非重複領域A4において樹脂層16bの下主面に設けられている。
【0122】
層間接続導体v61は、樹脂層116aを上下方向に貫通している。層間接続導体v61は、第2グランド導体層22とグランド電極80aとを接続している。層間接続導体v62は、樹脂層116bを上下方向に貫通している。層間接続導体v62は、第1グランド導体層20とグランド電極80bとを接続している。層間接続導体v63は、樹脂層16bを上下方向に貫通している。層間接続導体v63は、第1信号導体層18aと信号電極80cとを接続している。
【0123】
グランド電極80aは、基板本体12の下に配置される部材(例えば、端子)と電気的に接続される。グランド電極80bは、基板本体12の上に配置される部材(例えば、端子)と電気的に接続される。信号電極80cは、基板本体12の下に配置される部材(例えば、端子)と電気的に接続される。これにより、第1信号導体層18aの第2端部tbは、基板本体12の下に配置される部材(第3部材 例えば、端子)と電気的に接続される。なお、回路基板10jのその他の構造は、回路基板10aと同じであるので説明を省略する。
【0124】
以上のような回路基板10jの配置工程は、以下の様に行われる。より詳細には、
図19に示すように、樹脂層16a、樹脂層16b及び樹脂層16cが上から下へとこの順に並び、かつ、樹脂層16aと樹脂層16bとが接触し、かつ、樹脂層16bと樹脂層16cとが接触し、かつ、重複領域A1、第1非重複領域A2及び第3非重複領域A4が形成されるように、樹脂層16a、樹脂層16b及び樹脂層16cを配置する。具体的には、樹脂層16bの左端部と樹脂層16aとが重ならないように、樹脂層16aを樹脂層16bの上に載置する。樹脂層16bの右端部と樹脂層16cとが重ならないように、樹脂層16cを樹脂層16bの下に載置する。更に、第1非重複領域A2において樹脂層16cの下に樹脂層116aを配置する。第3非重複領域A4において樹脂層16aの上に樹脂層116bを配置する。この後、樹脂層16a~16c,116a,116bに対して熱圧着工程を行う。その後、層間接続導体v63及び信号電極80cを樹脂層16bに形成する。
【0125】
回路基板10jよれば、回路基板10と同じ理由により、高周波信号の反射を低減できる。回路基板10jによれば、回路基板10と同じ理由により、回路基板10jの挿入損失を低減できる。回路基板10jによれば、回路基板10と同じ理由により、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。回路基板10jの製造方法によれば、回路基板10の製造方法と同じ理由により、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10jを容易に製造することができる。
【0126】
(第11変形例)
以下に、第11変形例に係る回路基板10kについて図面を参照しながら説明する。
図20は、回路基板10kの断面図である。
図21は、回路基板10kの製造時の断面図である。
【0127】
回路基板10kは、樹脂層116a,116bが設けられている位置において、回路基板10jと相違する。以下に、この相違点を中心に回路基板10kについて説明する。
【0128】
樹脂層116aは、
図20に示すように、第1非重複領域A2において、樹脂層16bの下、かつ、樹脂層16cの上に配置されている。樹脂層116bは、第3非重複領域A4において、樹脂層16aの下、かつ、樹脂層16bの上に配置されている。なお、回路基板10kのその他の構造は、回路基板10jと同じであるので説明を省略する。
【0129】
以上のような回路基板10kの配置工程は、以下の様に行われる。より詳細には、
図21に示すように、樹脂層16a、樹脂層16b及び樹脂層16cが上から下へとこの順に並び、かつ、樹脂層16aと樹脂層16bとが接触し、かつ、樹脂層16bと樹脂層16cとが接触し、かつ、重複領域A1、第1非重複領域A2及び第3非重複領域A4が形成されるように、樹脂層16a、樹脂層16b及び樹脂層16cを配置する。この際、第1非重複領域A2において、樹脂層16bの下、かつ、樹脂層16cの上に樹脂層116aを配置する。第3非重複領域A4において、樹脂層16aの下、かつ、樹脂層16bの上に樹脂層116bを配置する。この後、樹脂層16a~16c,116a,116bに対して熱圧着工程を行う。その後、層間接続導体v63及び信号電極80cを樹脂層16bに形成する。
【0130】
回路基板10kよれば、回路基板10と同じ理由により、高周波信号の反射を低減できる。回路基板10kによれば、回路基板10と同じ理由により、回路基板10kの挿入損失を低減できる。回路基板10kによれば、回路基板10と同じ理由により、第1湾曲部Caにおいて第1信号導体層18aの特性インピーダンスが変動することを抑制できる。回路基板10kの製造方法によれば、回路基板10の製造方法と同じ理由により、第1湾曲部Caを有する第1信号導体層18aを備えた回路基板10kを容易に製造することができる。
【0131】
(その他の実施形態)
本発明に係る回路基板及びその製造方法は、回路基板10,10a~10k及びその製造方法に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。従って、回路基板10,10a~10k及びその製造方法の構成や工程を任意に組み合わせてもよい。
【0132】
図22は、第1信号導体層18aの上面図である。
図22に示すように、回路基板10,10a~10kにおいて、第1信号導体層18aの第1端部taの一部及び第2端部tbの一部は、保護層17aと重なっていてもよい。
【0133】
なお、回路基板10,10a~10kにおいて、第1信号導体層18a及び第2信号導体層18bは、直線形状を有している。しかしながら、第1信号導体層18a及び第2信号導体層18bは、上下方向に見て、曲がった線形状を有していてもよい。
【0134】
なお、回路基板10,10a~10kにおいて、第1グランド導体層20及び第2グランド導体層22は、必須の構成要件ではない。従って、回路基板10,10a~10kにおいて、第1グランド導体層20又は第2グランド導体層22の一方が設けられていてもよいし、第1グランド導体層20及び第2グランド導体層22の両方が設けられていなくてもよい。
【0135】
なお、回路基板10,10a~10iにおいて、第1非重複領域A2又は第2非重複領域A3のいずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0136】
なお、回路基板10bにおいて、第1非重複領域A2における補強部材120a(第1補強部材)の下端は、重複領域A1における基板本体12の下主面より下に位置してもよい。従って、補強部材120aは、重複領域A1における基板本体12の下主面より下方向に突出してもよい。ただし、第1非重複領域A2における補強部材120a(第1補強部材)の下端が、重複領域A1における基板本体12の下主面より上に位置していれば、回路基板10bの上下方向の大きさが小型化される。
【0137】
また、回路基板10bにおいて、第2非重複領域A3における補強部材120b(第1補強部材)の下端は、重複領域A1における基板本体12の下主面より下に位置してもよい。従って、補強部材120bは、重複領域A1における基板本体12の下主面より下方向に突出してもよい。ただし、第2非重複領域A3における補強部材120b(第2補強部材)の下端が、重複領域A1における基板本体12の下主面より上に位置していれば、回路基板10bの上下方向の大きさが小型化される。
【0138】
また、回路基板10cにおいて、樹脂層16aの材料の主成分と樹脂層16bの材料の主成分とが異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0139】
1:電子機器
10,10a~10k:回路基板
12:基板本体
16a~16d,116a,116b:樹脂層
17a,17b:保護層
18a:第1信号導体層
18b:第2信号導体層
20:第1グランド導体層
22:第2グランド導体層
50a,50b,80a,80b:グランド電極
80c,124a,124b,130a,130b:信号電極
100a,100b:台
120a,120b:補強部材
122a:第1グランド電極
122b:第2グランド電極
130:切り欠き
200a,200b,210a,210b:コネクタ
202a:信号端子
202b:グランド端子
220a,220b:回路基板
A1:重複領域
A2:第1非重複領域
A3:第2非重複領域
A4:第3非重複領域
Ca:第1湾曲部
Cb:第2湾曲部
Cc:第3湾曲部
Cd~Cf:湾曲部
Cg:第4湾曲部
T1,T2:ツール
ta:第1端部
tb:第2端部
tc~tf:端部
v1,v2,v11~v14,v21,v22,v51,v52,v61~v63:層間接続導体