(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20240827BHJP
H04M 1/72412 20210101ALI20240827BHJP
H04M 1/72415 20210101ALI20240827BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H04M9/00 D
H04M1/72412
H04M1/72415
H04M1/00 Q
(21)【出願番号】P 2022569677
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 JP2020047520
(87)【国際公開番号】W WO2022130636
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 康治
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-082419(JP,A)
【文献】特開2010-136238(JP,A)
【文献】特開2008-177929(JP,A)
【文献】特開2019-140579(JP,A)
【文献】特開2012-249103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 9/00
H04M 1/72412
H04M 1/72415
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被訪問者が保持している被訪問者端末を構成するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
訪問者が保持している訪問者端末
が有している撮像手段によって撮像された画像を処理することにより、または被訪問者宅に設置されている通信装置と通信することにより、前記訪問者端末が被訪問者端末と通信するための接続情報を取得し、当該取得した前記接続情報を用いて、予め記憶されている訪問者情報を前記被訪問者端末に送信することにより、当該訪問者端末から、訪問者情報を取得する取得手段と
、
前記訪問者別に、処理内容を変更する制御手段と、をコンピュータに実現させ
、
前記制御手段は、
前記訪問者が、登録済み人物か、知人か、部外者かを特定し、
さらに、前記登録済み人物は、宅配業者か否かを判別し、
前記制御手段により前記訪問者別に変更される前記処理内容は、以下の(1)~(4)のいずれかである、プログラム。
(1)前記訪問者が、前記登録済み人物、または、前記知人と特定された場合、前記被訪問者端末または宅内に設置されているインターホン親機への呼び出しを許可する処理
(2)前記訪問者が、前記部外者と特定された場合、呼び出しを禁止し、留守であると前記訪問者に通知する、または、伝言メモを登録するように指示する応答画面を前記訪問者端末に表示させる処理
(3)前記宅配業者と判別した場合、荷物の持ち帰り、置き配、および伝言メモの登録の少なくともいずれか一つを選択可能な応答画面を前記訪問者端末に表示させる処理
(4)前記宅配業者と判別した前記訪問者は、定期配送の宅配業者の担当者とさらに判別した場合、置き配の指示を自動応答する処理
【請求項2】
被訪問者が保持している被訪問者端末を実現する情報処理装置であって、
訪問者が保持している訪問者端末
が有している撮像手段によって撮像された画像を処理することにより、または被訪問者宅に設置されている通信装置と通信することにより、前記訪問者端末が被訪問者端末と通信するための接続情報を取得し、当該取得した前記接続情報を用いて、予め記憶されている訪問者情報を前記被訪問者端末に送信することにより、当該訪問者端末から、訪問者情報を取得する取得手段と
、
前記訪問者別に、処理内容を変更する制御手段と、を備え
、
前記制御手段は、
前記訪問者が、登録済み人物か、知人か、部外者かを特定し、
さらに、前記登録済み人物は、宅配業者か否かを判別し、
前記制御手段により前記訪問者別に変更される前記処理内容は、以下の(1)~(4)のいずれかである、情報処理装置。
(1)前記訪問者が、前記登録済み人物、または、前記知人と特定された場合、前記被訪問者端末または宅内に設置されているインターホン親機への呼び出しを許可する処理
(2)前記訪問者が、前記部外者と特定された場合、呼び出しを禁止し、留守であると前記訪問者に通知する、または、伝言メモを登録するように指示する応答画面を前記訪問者端末に表示させる処理
(3)前記宅配業者と判別した場合、荷物の持ち帰り、置き配、および伝言メモの登録の少なくともいずれか一つを選択可能な応答画面を前記訪問者端末に表示させる処理
(4)前記宅配業者と判別した前記訪問者は、定期配送の宅配業者の担当者とさらに判別した場合、置き配の指示を自動応答する処理
【請求項3】
被訪問者が保持している被訪問者端末を実現する情報処理装置の情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、
訪問者が保持している訪問者端末
が有している撮像手段によって撮像された画像を処理することにより、または被訪問者宅に設置されている通信装置と通信することにより、前記訪問者端末が被訪問者端末と通信するための接続情報を取得し、当該取得した前記接続情報を用いて、予め記憶されている訪問者情報を前記被訪問者端末に送信することにより、当該訪問者端末から、訪問者情報を取得し
、
前記訪問者別に、処理内容を変更し
、
前記処理内容を変更する際、
前記訪問者が、登録済み人物か、知人か、部外者かを特定し、
さらに、前記登録済み人物は、宅配業者か否かを判別し、
前記訪問者別に変更される前記処理内容は、以下の(1)~(4)のいずれかである、情報処理方法。
(1)前記訪問者が、前記登録済み人物、または、前記知人と特定された場合、前記被訪問者端末または宅内に設置されているインターホン親機への呼び出しを許可する処理
(2)前記訪問者が、前記部外者と特定された場合、呼び出しを禁止し、留守であると前記訪問者に通知する、または、伝言メモを登録するように指示する応答画面を前記訪問者端末に表示させる処理
(3)前記宅配業者と判別した場合、荷物の持ち帰り、置き配、および伝言メモの登録の少なくともいずれか一つを選択可能な応答画面を前記訪問者端末に表示させる処理
(4)前記宅配業者と判別した前記訪問者は、定期配送の宅配業者の担当者とさらに判別した場合、置き配の指示を自動応答する処理
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、訪問者応対システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関関する。
【背景技術】
【0002】
居住者を呼び出して通話する機能を有するインターホンシステムの一例が特許文献1に記載されている。特許文献1のインターホンシステムは、宅外に設置されたインターホン子機から取得した撮像画像に基づいて、来訪者の顔認識を行う顔認識部と、宅内の親機に認証結果に応じた出力を行う出力制御部とを有している。この構成により、来訪者を特定してマークを親機に表示したり、顔認識に失敗した場合は居住者に来訪を通知する呼出動作を行わないようにしたりして、居住者にとって適切な応対を実現している。
【0003】
また、特許文献2には、来訪者が所持する携帯電話と通信し認証データを読み込み可能な子機と、読み込まれた認証データと登録された認証データが一致したときに登録内容を表示するディスプレイを有する親機とを備えたインターホンシステムが記載されている。
【0004】
特許文献3に記載されたインターホンシステムは、訪問者が所持する通信端末装置と赤外線通信を行い、通信端末装置の識別情報を受信する子機と、子機から転送された識別情報を受信し、識別情報に基づいて、訪問者を特定し、訪問者宛に被訪問者が予め用意していた即答伝言を子機に送信して訪問者に提供するように指示する親機とを備えている。
【0005】
特許文献4には、訪問先において来訪者の身分照会を行うシステムが記載されている。来訪者の携帯端末は、来訪者の身分情報が記録されている非接触ICカードと、来訪者の認証用の生体識別情報が登録されている生体認証機能部とを有している。来訪受付装置は、来訪者の携帯端末の非接触ICカードから身分情報を読み取り、生体認証機能部に対して認証実行の指示を出して認証結果を受け取り、その結果に応じて画面表示装置に出力する情報を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-83468号公報
【文献】特開2003-224663号公報
【文献】特開2010-259015号公報
【文献】特開2009-26291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記文献記載のいずれのシステムにおいても、訪問が予定されている人物についてその訪問者を特定している。しかし、訪問者の中には、訪問することが予定されていない人も含まれる。このため、訪問が予想される人および訪問が予想されていない人のいずれが訪問してきたとしても、応対時の安全を確保できることが望ましい。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、訪問が予想される人および訪問が予想されていない人のいずれが訪問してきたとしても、応対時の安全を確保できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の各側面では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
【0010】
第一の側面は、情報処理装置に関する。
第一の側面に係る第1の情報処理装置は、訪問者が保持している訪問者端末を構成するコンピュータであって、
前記訪問者端末が有している撮像手段によって撮像された画像を処理することにより、または被訪問者宅に設置されている通信装置と通信することにより、被訪問者端末と通信するための接続情報を取得する取得手段と、
取得した前記接続情報を用いて、予め記憶されている訪問者情報を前記被訪問者端末に送信する送信手段と、を有する。
【0011】
第一の側面に係る第2の情報処理装置は、被訪問者端末を構成するコンピュータであって、
訪問者端末から、訪問者情報を取得する取得手段と、
取得した前記訪問者情報を含む画像を画面に表示させる表示処理手段と、
前記表示処理手段で前記画像を表示した後、入口の開錠指令が入力されると、前記入口に開錠指令を送信する送信手段と、を有する。
【0012】
第一の側面に係る第3の情報処理装置は、被訪問者が保持している被訪問者端末を構成するコンピュータであって、
前記被訪問者端末が有している撮像手段によって撮像された画像を処理することにより、訪問者端末と通信するための接続情報を取得する第1の取得手段と、
取得した前記接続情報を用いて、前記訪問者端末に、訪問者情報を要求して取得する第2の取得手段と、を有する。
【0013】
第二の側面は、少なくとも1つのコンピュータにより実行される情報処理方法に関する。
第二の側面に係る情報処理方法は、上記第一の側面に係る第1から第3のいずれか一つの情報処理装置の各手段により実現される情報処理方法である。
【0014】
なお、本発明の他の側面としては、上記第一の側面の第1から第3のいずれか一つの情報処理装置の各手段を少なくとも1つのコンピュータに実現させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
このコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、情報処理装置上で、その情報処理方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含む。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0016】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0017】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0018】
さらに、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0019】
上記各側面によれば、訪問が予想される人および訪問が予想されていない人のいずれが訪問してきたとしても、応対時の安全を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態に係る訪問者応対システムの使用例を説明するための図である。
【
図2】訪問者端末、および被訪問者端末を実現する情報処理装置を構成するコンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【
図3】本実施形態の情報処理装置(訪問者端末)の構成を論理的に示す機能ブロック図である。
【
図4】Bluetooth(登録商標)の通信距離(有効範囲)を説明するための図である。
【
図5】本実施形態の情報処理装置(訪問者端末)の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態の訪問者応対システムの使用例を説明するための図である。
【
図7】本実施形態の情報処理装置(被訪問者端末)の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
【
図8】本実施形態の情報処理装置(被訪問者端末)の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態の訪問者応対システム1の使用例を説明するための図である。
【
図10】本実施形態の情報処理装置(訪問者端末)の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
【
図11】本実施形態の訪問者応対システムの使用例を説明するための図である。
【
図12】本実施形態の情報処理装置(被訪問者の携帯端末またはインターホン親機)の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【
図13】本実施形態の訪問者応対システムの第1の使用例を説明するための図である。
【
図14】本実施形態の訪問者応対システムの第2の使用例を説明するための図である。
【
図15】本実施形態の訪問者応対システムの使用例を説明するための図である。
【
図16】本実施形態の情報処理装置(被訪問者端末)の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
【
図17】本実施形態の訪問者応対システムの使用例を説明するための図である。
【
図18】本実施形態の訪問者応対システムの使用例を説明するための図である。
【
図19】本人登録および当人確認の手続きの例を説明するための図である。
【
図20】訪問者端末に登録される訪問者情報を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、以下の各図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
【0022】
実施形態において「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)の少なくとも一方を含む。能動的な取得の例は、他の装置にリクエストまたは問い合わせしてその返信を受信すること、及び、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等がある。また、受動的な取得の例は、配信(または、送信、プッシュ通知等)される情報を受信すること等がある。さらに、「取得」とは、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することであってもよい。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る訪問者応対システム1の使用例を説明するための図である。訪問者応対システム1は、訪問者が使用する訪問者端末100と、宅内に設置されているインターホン親機20とを備えている。
【0024】
訪問者端末100は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯型の携帯端末である。訪問者の所有分であってもよいし貸与されているものであってもよい。訪問者端末100は、カメラ102と、ディスプレイ104と、Bluetooth(登録商標)(特に、BLE(Bluetooth Low Energy))などの短距離通信を行う通信部(不図示)を有している。
【0025】
被訪問者宅には、宅内にインターホン親機20が設置されていて、宅外にインターホン子機10(
図1には図示せず)が設置されている。子機10または子機10の周辺にはQR(Quick Response)コード(登録商標)12などの二次元コードが貼付されている。親機20は、ディスプレイ22と、通話ボタン24と、を有している。
【0026】
訪問者U1は、訪問者端末100のカメラ102を用いてQRコード12を撮像することで、QRコード12に記録されている接続情報を取得する。接続情報は、訪問者端末100が親機20と通信を行うのに必要な情報を含んでいる。
【0027】
他の例では、訪問者端末100は、被訪問者宅の子機10または子機10の周辺に設置された非接触ICカードなどの記録媒体に記録されている接続情報をNFC(Near Field Communication)で通信して読み取り取得してもよい。
【0028】
<ハードウェア構成例>
図2は、訪問者端末100、および被訪問者端末210(被訪問者の携帯端末200およびインターホン親機20を含む)を実現する情報処理装置を構成するコンピュータ1000のハードウェア構成を例示するブロック図である。さらに、インターホン子機10も、コンピュータ1000によって実現される。以下、訪問者端末100および被訪問者端末210を情報処理装置100および情報処理装置210とも呼ぶ。
【0029】
コンピュータ1000は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060を有する。
【0030】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0031】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0032】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0033】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は訪問者端末100、親機20、および被訪問者の携帯端末200の各機能(例えば、後述する接続情報取得部120、訪問者情報送信部122、訪問者情報取得部220、表示処理部222、開錠指令送信部224、制御部226など)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は訪問者端末100、被訪問者端末210などの各データも記憶してもよい。
【0034】
プログラムモジュールは、記録媒体に記録されてもよい。プログラムモジュールを記録する記録媒体は、非一時的な有形のコンピュータ1000が使用可能な媒体を含み、その媒体に、コンピュータ1000(プロセッサ1020)が読み取り可能なプログラムコードが埋め込まれてよい。
【0035】
入出力インタフェース1050は、コンピュータ1000と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。入出力インタフェース1050は、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信を行う通信インタフェースとしても機能する。
【0036】
ネットワークインタフェース1060は、コンピュータ1000を通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。この通信ネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060が通信ネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0037】
そして、コンピュータ1000は、入出力インタフェース1050またはネットワークインタフェース1060を介して、必要な機器(例えば、訪問者端末100のカメラ102、ディスプレイ104、被訪問者端末210のディスプレイ202、スピーカ、マイク、親機20のディスプレイ22、通話ボタン24、スピーカ、マイク、あるいは、インターホン子機10等)に接続する。
【0038】
訪問者端末100または被訪問者端末210のディスプレイ104やディスプレイ202は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどであり、利用者の操作を受け付ける受付手段と一体となったタッチパネルである。
【0039】
図3は、本実施形態の情報処理装置(訪問者端末)100の構成を論理的に示す機能ブロック図である。
図3の情報処理装置(訪問者端末)100の各構成要素は、
図2のコンピュータ1000のハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各実施形態の情報処理装置(訪問者端末)100を示す機能ブロック図は、ハードウェア単位の構成ではなく、論理的な機能単位のブロックを示している。
【0040】
訪問者端末100には、情報処理装置100を実現するアプリケーションがインストールされていて、アプリケーションを起動することで
図3の情報処理装置100の各構成要素の各機能が実現される。あるいは、訪問者端末100においてブラウザを起動し、所定のウェブサイトにログインして、サーバ(不図示)上で実行されるプログラムによって訪問者端末100上で
図3の情報処理装置100の各構成要素の各機能が実現されてもよい。
【0041】
また、アプリケーション利用の場合も、利用者は予めユーザ登録されているのが好ましく、訪問者応対システム1にユーザ登録情報を用いてログイン後に、アプリケーションが利用可能となってもよい。また、訪問者端末100またはアプリケーションの利用には、予め登録済みの生体認証情報との照合を行い認証に成功した場合に、訪問者端末100またはアプリケーションの利用が可能になるのが好ましい。
【0042】
生体認証情報は、例えば、虹彩、静脈、耳介、指紋、声紋等の少なくともいずれか一つの特徴量を含む。認証装置(不図示)は、カメラ102により撮像される画像またはマイクから集音される音声から生体認証情報の特徴量を抽出し、予め登録済みの訪問者端末100の利用者の生体認証情報と照合して認証処理を行う。
【0043】
訪問者端末100は、接続情報取得部120と、訪問者情報送信部122と、を有している。
接続情報取得部120は、訪問者端末100が有しているカメラ102によって撮像された画像を処理することにより、または被訪問者宅に設置されている通信装置(不図示)と通信することにより、被訪問者端末210(
図1ではインターホン親機20)と通信するための接続情報を取得する。
訪問者情報送信部122は、取得した接続情報を用いて、予め記憶されている訪問者情報を被訪問者端末210(
図1ではインターホン親機20)に送信する。
【0044】
被訪問者端末210(
図1ではインターホン親機20)と通信するための接続情報は、近距離無線通信用の情報である。
近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)などであるが、これに限定されない。接続情報は、被訪問者端末210(被訪問者の携帯端末200およびインターホン親機20の少なくとも一方)と訪問者端末100との間の通信を確立するのに必要な情報、被訪問者端末210(被訪問者の携帯端末200およびインターホン親機20の少なくとも一方)の識別情報を含んでいる。
【0045】
ただし、インターホン親機20を被訪問者端末210として機能させるためには、被訪問者端末210の機能を有しているプログラムがインターホン親機20のプロセッサ1020により実行可能な状態でメモリ1030に格納されている必要がある。つまり、本訪問者応対システム1に対応したインターホン親機20である必要がある。訪問者応対システム1に対応していないインターホン親機20の場合は、被訪問者の携帯端末200を被訪問者端末210として使用する。
【0046】
図4に示すように、Bluetoothは、通信距離(有効範囲)がクラス毎に定められている。Class1は、最大出力が100mWで、通信距離は100m程度、Class2は、最大出力が2.5mWで、通信距離は10m程度、Class3は、最大出力が
1mWで、通信距離は1m程度である。本実施形態では、一般的な住居の玄関から建屋の室内まで届く通信距離を有するClass2を使用することが好ましい。
【0047】
訪問者応対システム1のアプリケーションがインストールされている訪問者端末100は、被訪問者宅内のインターホン親機20と接続情報を用いて通信することができるが、不審者U11は訪問者端末100を用いずにインターホン子機10を操作するため、訪問者端末100と異なり、訪問者情報をインターホン親機20に送信することができない。そのため、被訪問者U3は、訪問者応対システム1のアプリケーションを利用している訪問者と、利用していない訪問者を区別することが可能になる。そして、訪問者応対システム1を利用していない訪問者(不審者U11)に対しては、自動応答にしたり、ドア6を開けずに応対したりすることができる。
【0048】
図1に示すように、本実施形態では、カメラ102により撮像される画像は、少なくとも接続情報を示すコード情報を含んでいる。例えば、画像は、接続情報を示すQRコード12などの二次元コードである。QRコード12は、例えば、被訪問者宅の玄関や門扉に設置されたインターホン子機10または子機10の周辺に貼付される。
【0049】
接続情報取得部120は、訪問者端末100のカメラ102を用いてQRコード12の画像を撮像し、画像を処理することで、QRコード12に記録されている接続情報を取得することができる。
【0050】
訪問者情報送信部122は、接続情報取得部120が取得した接続情報を用いて被訪問者端末210(
図1ではインターホン親機20)との間の通信を確立する。訪問者端末100から送信される訪問者情報は、訪問者端末100の利用者として正当であると認証された人物の情報であり、予め訪問者端末100のメモリ1030に格納される。訪問者情報は、例えば、訪問者の画像、特に顔画像を含むのが好ましい。顔画像は、訪問者端末100のメモリ1030に予め格納されているのが好ましい。より好ましくは、電子的本人確認(eKYC(electronic Know Your Customer))によって認証され、訪問者端末100のメモリ1030に格納されている顔画像である。
【0051】
訪問者情報は、訪問者端末100の利用者の所属(例えば、会社名、店舗名、団体名、企業コード、業種情報など)、および名前(例えば、本名でなくてもよく、ビジネスネームやニックネームであってもよい)の少なくとも一方を含んでもよい。さらに、訪問者情報は、訪問者端末100の利用者に関する各種証明書情報を含んでもよい。証明書情報とは、例えば、各種の資格情報、例えば、電気工事などの技術者関連の資格、ガスや水道の点検を行う技術者関連の資格を保有していることを示す情報、あるいは、感染症などにかかっていないことを証明する情報(抗体検査結果、抗原検査結果、ワクチン接種情報などの情報も含んでよい)、渡航歴に関する情報などを含んでもよい。
【0052】
訪問者情報送信部122は、被訪問者端末210(
図1ではインターホン親機20)に訪問者の顔画像を送信する。被訪問者端末210(
図1ではインターホン親機20)は、受信した顔画像をディスプレイ202またはディスプレイ22に表示させることができる。被訪問者端末210(
図1ではインターホン親機20)の動作については後述する実施形態で説明する。
【0053】
<動作例>
図5は、本実施形態の情報処理装置(訪問者端末)100の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、訪問者U1が、被訪問者宅を訪問したとき、訪問者U1は訪問者端末100において訪問者応対システム1のアプリケーションを起動する。すると、被訪問者宅の宅外に設置された子機10または子機10の周辺に貼付されたQRコード12を読み取るために、接続情報取得部120は、訪問者端末100のカメラ102を起動し、QRコード12を読み取るためのガイダンス(画面表示および/または音声出力)を出力する。訪問者U1はガイダンスに従い訪問者端末100を操作してQRコード12を撮像すると、接続情報取得部120は、撮像されたQRコード12の画像を処理してQRコード12から接続情報を取得する(ステップS1001)。
【0054】
あるいは、接続情報取得部120は、被訪問者宅に設けられた通信装置(例えば、非接触ICカード)とNFC通信して、接続情報を取得してもよい。
【0055】
そして、訪問者情報送信部122は、ステップS1001で取得した接続情報を用いて被訪問者端末210(
図1ではインターホン親機20)と通信を確立し、訪問者端末100のメモリ1030に予め記憶されている訪問者情報を被訪問者端末210(
図1ではインターホン親機20)に送信する(ステップS1003)。
【0056】
被訪問者端末210(
図1ではインターホン親機20)は、訪問者情報を受信し、ディスプレイ202またはインターホン親機20に表示させることができる。これにより被訪問者U3は、玄関前に訪ねてきた人物の情報として、訪問者端末100に予め格納されている訪問者情報を確認することができる。訪問者情報は、例えば、事前にeKYCにより認証された顔画像であるので、訪問者端末100の利用者として正当な人物を示している。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、接続情報取得部120により、QRコード12から被訪問者端末210と通信するための接続情報を取得し、訪問者情報送信部122により接続情報を用いて被訪問者端末210に訪問者情報を送信するので、被訪問者端末210では、訪問者情報取得部220が訪問者端末100から送信された訪問者情報を受信し、表示処理部222がディスプレイ22に表示させる。
【0058】
これにより、被訪問者U3は、インターホン親機20に表示された訪問者U1の情報を確認して、応対することができる。これにより、訪問が予想される人および訪問が予想されていない人のいずれが訪問してきたとしても、訪問者端末100を用いて訪問者情報が被訪問者端末210に送信されることで、応対時の安全を確保できる。また、被訪問者端末210と通信せずに呼び出しをした人物については、不審者U11と認識することができるので、応対しないなど適切な対応を選択することができる。
【0059】
また、QRコード12からは接続情報のみが取得されるので、被訪問者U3の個人情報は含まれず、部外者に個人は特定されないので、安全が担保される。
【0060】
(第2実施形態)
図6は、本実施形態の訪問者応対システム1の使用例を説明するための図である。
本実施形態では、訪問者応対システム1の被訪問者の携帯端末200およびインターホン親機20の少なくとも一方の構成について説明する。
【0061】
図7は、本実施形態の情報処理装置210(被訪問者の携帯端末200またはインターホン親機20)の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
図7の情報処理装置210(被訪問者の携帯端末200またはインターホン親機20)の各構成要素は、
図2のコンピュータ1000のハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各実施形態の情報処理装置210(被訪問者の携帯端末200またはインターホン親機20)を示す機能ブロック図は、ハードウェア単位の構成ではなく、論理的な機能単位のブロックを示している。
【0062】
被訪問者の携帯端末200には、情報処理装置210を実現するアプリケーションがインストールされていて、アプリケーションを起動することで
図7の情報処理装置210の各構成要素の各機能が実現される。あるいは、被訪問者の携帯端末200においてブラウザを起動し、所定のウェブサイトにログインして、サーバ(不図示)上で実行されるプログラムによって被訪問者の携帯端末200上で
図7の情報処理装置210の各構成要素の各機能が実現されてもよい。
【0063】
情報処理装置210(被訪問者の携帯端末200またはインターホン親機20)は、訪問者情報取得部220と、表示処理部222と、開錠指令送信部224と、を備えている。
訪問者情報取得部220は、訪問者端末100から訪問者情報を取得する。
表示処理部222は、訪問者情報取得部220が取得した訪問者情報を含む画像を画面(ディスプレイ202またはディスプレイ22)に表示させる。
開錠指令送信部224は、表示処理部222で画像を表示した後、入口(ドア6)の開錠指令が入力されると、入口に開錠指令を送信する。
【0064】
ただし、開錠指令送信部224は必ずしも必要ではない。被訪問者U3が訪問者U1を確認できた場合、被訪問者U3がドア6のところに行って手動で開錠してもよい。
【0065】
<動作例>
図8は、本実施形態の情報処理装置210(被訪問者の携帯端末200またはインターホン親機20)の動作の一例を示すフローチャートである。以下、
図6~
図8を用いて説明する。
まず、被訪問者の携帯端末200において訪問者応対システム1のアプリケーションを起動しておく。訪問者U1が被訪問者宅を訪問し、インターホン子機10の呼出ボタン14を押下すると(
図6のステップS1)、インターホン親機20はスピーカから呼出音を出力する(
図6のステップS11)。
【0066】
被訪問者U3は、インターホン親機20の通話ボタン24を押下して親機20越しに訪問者U1の呼出に応対すると(ステップS13)、訪問者U1は被訪問者U3に子機10越しに用件を伝える(ステップS3)。このとき、子機10は、カメラ16で訪問者U1を撮像し、親機20のディスプレイ22に撮像画像を表示させる。このとき、例えば、訪問者U1は、自身の身分証明書となる例えば、社員証30などをカメラ16に向かって提示してもよい。被訪問者U3はインターホン親機20のディスプレイ22に表示された訪問者U1の顔画像と社員証30を目視で確認することができる。ここまでは、一般的なインターホンシステムでの訪問者U1と被訪問者U3の応対方法である。
【0067】
通話ボタン24を被訪問者U3が押下したとき、さらに、親機20は、Bluetoothなどの近距離通信機能を起動し、他の装置からの接続リクエストの待機状態となる(ステップS15)。被訪問者U3は、訪問者U1に対して親機20越しに、QRコード12の読み込みを依頼する(ステップS17)。
【0068】
第1実施形態で説明したように、訪問者U1は訪問者端末100で訪問者応対システム1のアプリケーション(図中、「デジタル社員証アプリ」と記載される)を起動する(ステップS5)。このとき、訪問者端末100は、顔認証などの生体認証処理を行い、認証された場合に訪問者端末100は利用可能な状態となるのが好ましい。
【0069】
そして、第1実施形態で説明したように、訪問者U1は訪問者端末100でアプリケーションのガイダンスに従いQRコード12を読み取り、親機20との接続情報を取得し、親機20との通信を確立し、訪問者情報を親機20に送信する。本実施形態では、この一連の手続きを「当人認証」とも呼ぶ(ステップS7)。
【0070】
親機20は、訪問者端末100からの接続要求に呼応して訪問者端末100との間の接続を確立した後、訪問者端末100から送信された訪問者情報を受信し、受信した訪問者情報をディスプレイ22に表示させる(ステップS19)。
【0071】
表示処理部222は、子機10のカメラ16で撮像された訪問者U1の顔画像と、訪問者端末100から受信した訪問者情報に含まれる顔写真とをディスプレイ22に同じ画面に表示させる。2つの画像は、並べて表示されてもよいし、子機10のカメラ16で撮像された訪問者U1の顔画像に、訪問者情報に含まれる顔写真を重ねて表示してもよい。
【0072】
ディスプレイ22には、子機10のカメラ16で撮像された訪問者U1の顔画像と、訪問者端末100から受信した訪問者情報(会社名、名前、顔写真など)が表示される。このとき、被訪問者U3の携帯端末200も訪問者端末100との接続を確立し、訪問者端末100から訪問者情報を受信しディスプレイ202に送信させてもよい。そして、被訪問者U3の携帯端末200のディスプレイ202には、訪問者端末100から受信した訪問者情報が表示される(ステップS21)。
【0073】
図8においては、訪問者情報取得部220は、訪問者端末100から訪問者情報を取得する(ステップS2001)。そして、表示処理部222は、取得した訪問者情報を含む画像をディスプレイ22またはディスプレイ202に表示させる(ステップS2003)。ステップS2003で、表示処理部222により画像を表示した後、開錠指令送信部224は、入口(ドア6)の開錠指令の入力を受け付けると(ステップS2005のYES)、入口に開錠指令を送信する(ステップS2007)。
【0074】
このようにして、インターホン親機20は、被訪問者宅に実際に訪れている訪問者U1の撮像画像と、訪問者端末100に予め登録されている訪問者情報とを受信し、ディスプレイ22に表示させることができる。そして、被訪問者U3は、訪問者U1が、訪問者端末100から送信された訪問者情報と一致する人物(つまり当人)か否かをインターホン親機20のディスプレイ22の画面上で確認できる。
【0075】
本実施形態によれば、表示処理部222により、訪問者端末100に予め記録されている本人認証済みの顔写真と、インターホン子機10で実際に訪問している人物を撮像した画像とを同じ画面に表示させることができるので、なりすましなどの不正行為が行われた場合に、画面で確認することができる。
【0076】
(第3実施形態)
図9は、本実施形態の訪問者応対システム1の使用例を説明するための図である。本実施形態は、被訪問者U3が留守の場合などにも応対できる構成を有している点以外は上記実施形態と同じである。なお、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0077】
<機能構成例>
図10は、本実施形態の情報処理装置100の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態の情報処理装置100は、
図3の上記実施形態の情報処理装置100の構成に加え、さらに、制御部124を備えている。
【0078】
制御部124は、訪問者の所属に応じて、表示情報または処理内容を変更する。例えば、制御部124は、被訪問者の携帯端末200に訪問者情報を送信した後、被訪問者の携帯端末200からの応答がない場合に、所定の画面をディスプレイ104に表示させる。このとき、制御部124は、表示させる所定の画面を訪問者の所属に応じて変更する。
【0079】
例えば、所定の画面は、訪問者の所属が知人を示す場合、被訪問者が留守であることを通知するメッセージを含む。さらに、留守の被訪問者への用件などを伝言として被訪問者の携帯端末200に通知させる操作を受け付ける操作ボタンなどのUI(User Interface)を含んでもよい。さらに、所定の画面は、例えば、訪問者の所属が宅配業者を示す場合、荷物を宅配ボックスへの置き配を依頼するメッセージを含む。また、訪問者の所属が新聞勧誘を示す場合、所定の画面を表示しないようにしてもよい。具体例については後述する実施形態で説明する。
【0080】
制御部124は、訪問者の所属を、本人確認済みの訪問者情報(例えば、企業コードなど)、または、訪問者端末100にインストールされているアプリケーションの識別情報等に基づいて、特定することができる。あるいは、アプリケーション毎に表示情報および処理内容は決まっていてもよい。
【0081】
<動作例>
図9を用いて情報処理装置210の動作を説明する。
図9では、情報処理装置210は、被訪問者U3の携帯端末200を例に説明している。ただし、情報処理装置210はインターホン親機20であってもよく、被訪問者U3の携帯端末200およびインターホン親機20の少なくとも一方である。
まず、被訪問者U3の携帯端末200において訪問者応対システム1のアプリケーションを起動しておく。訪問者U1は、事前に訪問者端末100に訪問者応対システム1のアプリケーション(
図9では「ドアホンアプリ」と記載されている)をインストールしておく。そして、訪問者U1は、訪問時に訪問者端末100を顔認証により本人確認を行い(ステップS101)、認証に成功すると訪問者端末100の利用が可能になる。そして、訪問者端末100でドアホンアプリを起動する(ステップS103)。
【0082】
そして訪問者U1は、被訪問者宅の門扉8の近辺に設置されているQRコード12を訪問者端末100のガイダンスに従いカメラ102で撮像して読み取る(ステップS105)。訪問者端末100にはQRコード読取画面302が表示されている。訪問者端末100では、接続情報取得部120がQRコード12から接続情報を取得し、訪問者情報送信部122は、接続情報取得部120が取得した接続情報を用いて被訪問者U3の携帯端末200との接続要求を行う(ステップS107)。このとき、訪問者端末100の制御部124は、呼出画面304をディスプレイ104に表示させてもよい。
【0083】
そして、被訪問者U3が在宅しており、訪問者端末100と被訪問者U3の携帯端末200との通信が確立した場合には(ステップS109)、訪問者端末100は訪問者情報を被訪問者U3の携帯端末200に送信し、被訪問者U3を呼び出すための出力(呼出音の出力や呼出画面402の表示)を被訪問者U3の携帯端末200に行わせる(ステップS111)。呼出画面402には、訪問者端末100から受信した訪問者情報に含まれる、訪問者U1の顔写真が少なくとも表示される。さらに、呼出画面402は、被訪問者U3が応答するための応答ボタン406と、訪問者情報に含まれる、訪問者U1の名前などの情報を表示する訪問者情報表示部408と含んでもよい。
【0084】
被訪問者U3は呼出画面402の通知内容を確認し(ステップS113)、応答ボタン406を押下すると(ステップS115)、被訪問者U3の携帯端末200から訪問者端末100に応答通知が送信される。訪問者端末100では、制御部124により、被訪問者U3の携帯端末200から受信した応答通知の内容を示す在宅用応答画面306がディスプレイ104に表示される。訪問者U1は応答内容を確認する(ステップS117)。応答通知の内容は、例えば、「はい、少しお待ちください。」などのように、在宅していることを示す内容を含んでもよい。あるいは、「現在、取り込み中のため、応対できません。」など、在宅しているが、応対できないことを示す内容を含んでもよい。さらに、例えば、「ご用件をお話ください。」など訪問者U1に用件を録音させる内容を含んでもよい。そして、被訪問者U3の携帯端末200は、訪問者端末100から訪問者U1の音声データを受信し、訪問者情報と関連付けて記録してもよい。
【0085】
一方、被訪問者U3が不在の場合、訪問者端末100からの接続要求に対して被訪問者U3の携帯端末200が応答しないため、訪問者端末100では、所定時間以上、応答がなかった場合(ステップS121)、制御部124により被訪問者U3は留守である可能性を示す留守用応答画面308がディスプレイ104に表示される(ステップS123)。
【0086】
本実施形態によれば、表示処理部222により表示された訪問者U1の訪問者情報を呼出画面402で確認した後に、被訪問者U3は訪問者U1に応対することができる。さらに、訪問者端末100では、制御部124により、被訪問者U3が留守の場合、応答がないことを検知して、留守用応答画面308を訪問者端末100のディスプレイ104に表示させることができる。
【0087】
(第4実施形態)
図11は、本実施形態の訪問者応対システム1の使用例を説明するための図である。本実施形態は、被訪問者U3が外出の場合などに、被訪問者U3の携帯端末200に通知する構成を有している点以外は上記第3実施形態と同じである。訪問者端末100は、
図10を用いて説明する。情報処理装置210は、
図7を用いて説明する。なお、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0088】
訪問者端末100の訪問者情報送信部122は、訪問者情報を被訪問者U3の携帯端末200に送信したとき、被訪問者U3の携帯端末200からの応答がない場合、さらに、訪問者情報を携帯通信網などの通信ネットワーク2を介して認証サービスサーバ5に送信する。
【0089】
被訪問者U3の携帯端末200からの応答がない状況とは、被訪問者U3が不在であるか、または在宅しているが手が離せない状態で応答できない場合である。上記したように、訪問者端末100は、QRコードを読み取ることで、被訪問者端末210(インターホン親機20および被訪問者の携帯端末200の少なくともいずれか一方)との接続を確立させる。被訪問者U3が不在の場合、情報処理装置100とインターホン親機20の間の接続は確立することができるが、被訪問者U3の携帯端末200との接続は確立できていない状態である。
【0090】
被訪問者端末210からの応答がないことの判定方法は、以下の方法が考えられる。
(a1)インターホン親機20との接続は確立できているが、被訪問者の携帯端末200との接続が確立できてない(例えば、応答がなくタイムアウト)。
(a2)被訪問者端末210(インターホン親機20および被訪問者の携帯端末200の少なくともいずれか一方)に訪問者情報を送信したが、インターホン親機20は受信したが、被訪問者の携帯端末200に送信できない(例えば、応答がなくタイムアウト)。
(a3)被訪問者の携帯端末200との接続は確立していて、訪問者情報の送信も正常に完了しているが、被訪問者の携帯端末200からの返信がない(例えば、応答がなくタイムアウト)。
【0091】
訪問者端末100が認証サービスサーバ5に送信する情報は、情報処理装置210に送信する訪問者情報に加え、さらに、訪問先の情報として、例えば、接続情報に含まれている被訪問者U3の携帯端末200の識別情報を含む。
【0092】
認証サービスサーバ5は、訪問者端末100から受信した訪問者情報と、訪問先の被訪問者U3の携帯端末200の識別情報と、受信日時情報を関連付けて記憶する。認証サービスサーバ5は、被訪問者U3の携帯端末200毎に、受信した訪問者情報を被訪問者U3の携帯端末200の訪問者履歴情報として蓄積する。認証サービスサーバ5は、被訪問者U3の携帯端末200からの問合せに応じて被訪問者U3の携帯端末200の訪問者履歴情報を被訪問者U3の携帯端末200に送信する。あるいは、被訪問者U3の携帯端末200に、訪問者があったことを通知するメッセージを送信してもよい。認証サービスサーバ5は、被訪問者U3の携帯端末200のアカウント毎にユーザ専用のウェブページを提供し、専用ウェブページにログインすることで訪問者履歴情報を閲覧できてもよい。
【0093】
情報処理装置(被訪問者端末)200の訪問者情報取得部220は、認証サービスサーバ5に携帯通信網などの通信ネットワーク2を介して接続し、被訪問者U3の携帯端末200の識別情報に関連付けられている訪問者履歴情報を取得する。表示処理部222は、取得した訪問者履歴情報を表示する訪問履歴画面410をディスプレイ202に表示させる。訪問履歴画面410に表示される訪問者履歴情報は、例えば、訪問日時、訪問者の所属、名前、顔画像などを含む。
【0094】
情報処理装置210がインターホン親機20の場合は、被訪問者U3は帰宅後に表示処理部222に訪問履歴画面410を表示させて訪問者履歴情報を確認することができてもよい。
【0095】
<動作例>
図11を用いて情報処理装置210の動作を説明する。
図11では、情報処理装置210は、被訪問者U3の携帯端末200を例に説明している。ただし、情報処理装置210は、インターホン親機20であってもよく、被訪問者U3の携帯端末200およびインターホン親機20の少なくとも一方である。
まず、被訪問者U3の携帯端末200において訪問者応対システム1のアプリケーションを起動しておく。訪問者U1は、事前に訪問者端末100に訪問者応対システム1のアプリケーション(
図11では「ドアホンアプリ」と記載されている)をインストールしておく。そして、訪問者U1は、訪問時に訪問者端末100を顔認証により本人確認を行い(ステップS101)、認証に成功すると訪問者端末100の利用が可能になる。そして、訪問者端末100でドアホンアプリを起動する(ステップS103)。
【0096】
そして訪問者U1は、被訪問者宅の門扉8の近辺に設置されているQRコード12を訪問者端末100のガイダンスに従いカメラ102で撮像して読み取る(ステップS105)。訪問者端末100にはQRコード読取画面302が表示されている。訪問者端末100では、接続情報取得部120がQRコード12から接続情報を取得し、訪問者情報送信部122は、接続情報取得部120が取得した接続情報を用いて被訪問者U3の携帯端末200との接続要求を行う(ステップS107)。このとき訪問者端末100には、制御部124により呼出画面304が表示されてもよい。
【0097】
被訪問者U3が不在の場合、訪問者端末100からの接続要求に対して被訪問者U3の携帯端末200が応答しないため、訪問者端末100では、所定時間以上、応答がなかった場合(ステップS121)、制御部124は、被訪問者U3は留守である可能性を示す留守用応答画面308をディスプレイ104に表示させる(ステップS123)。
【0098】
さらに、訪問者情報送信部122は、現地通信網などの通信ネットワーク2を介して認証サービスサーバ5に、訪問者情報と、訪問先の被訪問者U3の携帯端末200の識別情報を関連付けて送信する(ステップS124)。
【0099】
そして、被訪問者U3の携帯端末200の訪問者情報取得部220は、認証サービスサーバ5にアクセスし、訪問者履歴情報を取得し、表示処理部222は、訪問履歴画面410をディスプレイ202に表示させる(ステップS131)。上記したように、訪問者があったことを認証サービスサーバ5から被訪問者U3の携帯端末200に通知し、被訪問者U3の携帯端末200が認証サービスサーバ5にアクセスして訪問者履歴情報を取得(プル型)してもよいし、認証サービスサーバ5から訪問者履歴情報を被訪問者U3の携帯端末200に送信(プッシュ型)してもよい。
【0100】
本実施形態によれば、被訪問者端末210からの応答がない場合に、訪問者端末100は訪問者情報送信部122により訪問者情報を認証サービスサーバ5に送信するので、訪問者の履歴情報を認証サービスサーバ5で管理できる。そして、被訪問者U3の携帯端末200の訪問者情報取得部220は、認証サービスサーバ5にアクセスして履歴情報を取得し、表示処理部222により履歴情報をディスプレイ202に表示させることができる。これにより、不在時の訪問者U1の情報を被訪問者U3は確認することができる。
【0101】
(第5実施形態)
図12は、本実施形態の情報処理装置210(被訪問者の携帯端末200またはインターホン親機20)の機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態の情報処理装置210は、訪問者別に処理内容を変更する構成を有する点以外は、
図7の情報処理装置210と同じである。訪問者端末100は、
図10を用いて説明する。なお、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0102】
図12の情報処理装置210は、
図7の情報処理装置210の構成に加え、さらに、制御部226を有している。制御部226は、訪問者別に、処理内容を変更する。
【0103】
訪問者のうち、公的な本人確認の対象となる者は、例えば、以下に例示されるがこれらに限定されない。
(b1)宅配業者(荷物の配達、弁当などデリバリ商品の置き配(専用保存箱))
(b2)ガス、電気、水道などの公共事業者(点検、検針)
(b3)看護師、薬剤師(定期的な訪問看護、薬の配達)
(b4)警察、役所関係(住居人確認、各種調査、確認など)
【0104】
訪問者は、例えば、(c1)上記の公的に本人確認済みの人物と、(c2)友人や親戚を含む知人と、(c3)それ以外の訪問販売を行う者や不審者などを含む部外者に分類される。
【0105】
制御部226は、訪問者がいずれに分類されるか以下の方法の少なくともいずれか一つで判定してよい。
(d1)訪問者情報に含まれる所属情報(例えば、企業コードなど)または証明書情報を用いて(c1)の登録済みの人物を特定する。さらに、所属情報から職種を特定する。
(d2)訪問者端末100にインストールされているアプリケーションの識別情報(例えば、ドアホンアプリ、デジタル社員証アプリ)を用いて、デジタル社員証の場合は(c1)の登録済みの人物と判定し、ドアホンアプリの場合は(c2)の知人と判定する。アプリケーション不使用者は(c3)部外者に分類される。
(d3)知人や担当の訪問看護師など、訪問頻度の高い人物の情報を予め登録しておき、訪問者情報の訪問者の名前および顔画像と照合して、(c1)の登録済みの人物または(c2)の知人と判定する。さらに、定期配送担当の宅配業者を予め登録しておき、担当者を判別する。
(d4)上記(d1)~(d3)の判定で分類を特定できない場合は、(c3)の部外者に分類される。
【0106】
制御部226による訪問者別の処理内容は以下に例示されるが、これらに限定されない。以下の複数は矛盾が生じない範囲で組み合わせることができる。
(e1)(c1)の登録済みの人物、または、(c2)知人の場合、被訪問者の携帯端末200またはインターホン親機20への呼び出しを許可する。
(e2)(c3)の部外者の場合、呼び出しを禁止し、留守であると通知する、または、用件(伝言メモ)を登録するように指示する応答画面を訪問者端末100に表示させる。
(e3)宅配業者と判別した場合、荷物の持ち帰り、置き配、および伝言メモの登録の少なくともいずれか一つを選択可能な応答画面を訪問者端末100に表示させる。
(e4)(e3)で定期配送の宅配業者の担当者と判別された場合、置き配(専用保存箱へ)の指示を自動応答する。
【0107】
<動作例1>
図13は、本実施形態の訪問者応対システム1の第1の使用例を説明するための図である。この例では、訪問者U5が宅配業者である場合の動作例を示している。訪問者端末100は、
図10を用いて説明する。情報処理装置210は、
図12を用いて説明する。
図13では、情報処理装置210は、被訪問者U3の携帯端末200を例に説明している。ただし、情報処理装置210はインターホン親機20であってもよく、被訪問者U3の携帯端末200およびインターホン親機20の少なくとも一方である。なお、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0108】
まず、被訪問者U3の携帯端末200において訪問者応対システム1のアプリケーションを起動しておく。宅配業者である訪問者U5は、事前に訪問者端末100に訪問者応対システム1のアプリケーション(
図13では「デジタル社員証」と記載されている)をインストールしておく。そして、訪問者U5は、訪問時に訪問者端末100を顔認証により本人確認を行い(ステップS101)、認証に成功すると訪問者端末100の利用が可能になる。デジタル社員証アプリでは、訪問者情報(図中、デジタルキー50と示す)として、例えば、認証に成功した訪問者端末100の利用者の会社名、社員名、顔画像(顔認証情報)、事業者コードなどの情報が記憶される。ここでは、訪問者U5の訪問者情報の事業者コードは、宅配業者であることを示す。
【0109】
そして、訪問者端末100でデジタル社員証アプリを起動する(ステップS103)。そして訪問者U5は、被訪問者宅の門扉8の近辺に設置されているQRコード12を訪問者端末100のガイダンスに従いカメラ102で撮像して読み取る(ステップS105)。訪問者端末100にはQRコード読取画面302が表示されている。訪問者端末100では、接続情報取得部120がQRコード12から接続情報を取得し、訪問者情報送信部122は、接続情報取得部120が取得した接続情報を用いて被訪問者U3の携帯端末200との接続要求を行う(ステップS107)。このとき訪問者端末100には、制御部124により呼出画面304が表示されてもよい。
【0110】
そして、荷物60の受取人である被訪問者U3が在宅しており、訪問者端末100と被訪問者U3の携帯端末200との通信が確立した場合には(ステップS109)、訪問者端末100は訪問者情報を被訪問者U3の携帯端末200に送信する。ここで、被訪問者U3の携帯端末200では、制御部226が受信した訪問者情報に基づいて、訪問者を特定する。
【0111】
そして、事業者コードなどに基づいて、訪問者U5が宅配業者であることが特定されると、制御部226は、被訪問者U3を呼び出すための出力(呼出音の出力や呼出画面440の表示)を許可する。そして、表示処理部222は、ディスプレイ202に呼出画面440を表示させる(ステップS111)。呼出画面440には、訪問者端末100から受信した訪問者情報に含まれる、訪問者U5の顔写真が少なくとも表示される。さらに、呼出画面440は、被訪問者U3が応答するための応答ボタン442と、訪問者情報に含まれる、訪問者U5の所属と名前などの情報を表示する訪問者情報表示部444と含んでもよい。
【0112】
被訪問者U3は呼出画面440の通知内容を確認し(ステップS113)、応答ボタン442を押下すると(ステップS115)、被訪問者U3の携帯端末200から訪問者端末100に応答通知が送信される。訪問者端末100では、制御部124により、被訪問者U3の携帯端末200から受信した応答通知の内容を示す在宅用応答画面306がディスプレイ104に表示される。訪問者U1は応答内容を確認できる(ステップS117)。応答通知の内容は、例えば、「はい、少しお待ちください。」などのように、在宅していることを示す内容を含んでもよい。あるいは、「現在、取り込み中のため、応対できません。」など、在宅しているが、応対できないことを示す内容を含んでもよい。そして、被訪問者U3は、玄関に行き、訪問者U5から荷物60を受け取る(ステップS119)。
【0113】
一方、被訪問者U3が不在の場合、訪問者端末100からの接続要求に対して被訪問者U3の携帯端末200が応答しないため、訪問者端末100では、所定時間以上、応答がなかった場合(ステップS121)、制御部124は、被訪問者U3は留守である可能性を示す留守用応答画面308をディスプレイ104に表示させる(ステップS123)。
【0114】
留守用応答画面308は、留守であることを通知するメッセージを表示するとともに、連絡ボタン310を含んでもよい。連絡ボタン310の押下を受け付けると、制御部124は、連絡内容選択画面320をディスプレイ104に表示させる(ステップS127)。連絡内容選択画面320は、持ち帰りボタン322と、置き配ボタン324と、メモボタン326と、を含む。持ち帰りボタン322が押下されると、訪問者端末100は、荷物60を持ち帰ったことを連絡する内容として受け付ける。置き配ボタン324が押下されると、所定の置き場所に荷物60を置いたことを連絡する内容として受け付ける。メモボタン326が押下されると、さらに、制御部124は、被訪問者U3への伝言内容の入力を受け付ける画面(不図示)を表示させ、テキストの操作入力または訪問者U5の音声入力を受け付ける。
【0115】
そして、訪問者情報送信部122は、被訪問者U3の携帯端末200に対して連絡内容選択画面320で受け付けた被訪問者U3への連絡内容を送信する(ステップS129)。被訪問者U3の携帯端末200では、訪問者端末100から送信された連絡内容を受信すると、表示処理部222により通知画面430が表示される。この例では、通知画面430には、荷物60を持ち帰ったことを示すメッセージが表示されている。置き配が選択された場合には、所定の置き場所に荷物60を置いたことを示すメッセージが表示される。伝言メモが記録された場合には、通知画面460には伝言メモに記録されたメッセージが表示される。
【0116】
なお、連絡内容は、直接訪問者端末100から被訪問者U3の携帯端末200に送信されてもよいし、第4実施形態で説明したように、認証サービスサーバ5へ送信し、被訪問者U3の携帯端末200は、認証サービスサーバ5にアクセスして訪問者U5からの連絡内容を受信してもよい。
【0117】
<動作例2>
図14は、本実施形態の訪問者応対システム1の第2の使用例を説明するための図である。この例では、訪問者U7がコンビニエンスストアの商品の配達人である場合の動作例を示している。訪問者端末100は、
図10を用いて説明する。情報処理装置210は、
図12を用いて説明する。
図14では、情報処理装置210は、被訪問者U3の携帯端末200を例に説明している。ただし、情報処理装置210はインターホン親機20であってもよく、被訪問者U3の携帯端末200およびインターホン親機20の少なくとも一方である。なお、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0118】
まず、被訪問者U3の携帯端末200において訪問者応対システム1のアプリケーションを起動しておく。コンビニエンスストアの配達人である訪問者U7は、事前に訪問者端末100に訪問者応対システム1のアプリケーション(
図14では「デジタル社員証」と記載されている)をインストールしておく。そして、訪問者U7は、訪問時に訪問者端末100を顔認証により本人確認を行い(ステップS101)、認証に成功すると訪問者端末100の利用が可能になる。デジタル社員証アプリでは、訪問者情報(図中、デジタルキー50と示す)として、例えば、認証に成功した訪問者端末100の利用者の会社名、社員名、顔画像(顔認証情報)、事業者コードなどの情報が記憶される。ここでは、訪問者U7の訪問者情報の事業者コードは、コンビニエンスストアの配達人であることを示す。
【0119】
そして、訪問者端末100でデジタル社員証アプリを起動する(ステップS103)。そして訪問者U7は、被訪問者宅の門扉8の近辺に設置されているQRコード12を訪問者端末100のガイダンスに従いカメラ102で撮像して読み取る(ステップS105)。訪問者端末100にはQRコード読取画面302が表示されている。訪問者端末100では、接続情報取得部120がQRコード12から接続情報を取得し、訪問者情報送信部122は、接続情報取得部120が取得した接続情報を用いて被訪問者U3の携帯端末200との接続要求を行う(ステップS107)。このとき訪問者端末100には、制御部124により呼出画面304が表示されてもよい。
【0120】
そして、商品72の受取人である被訪問者U3が在宅しており、訪問者端末100と被訪問者U3の携帯端末200との通信が確立した後、訪問者端末100は訪問者情報を被訪問者U3の携帯端末200に送信する。ここで、被訪問者U3の携帯端末200では、制御部226が受信した訪問者情報に基づいて、訪問者を特定する。
【0121】
そして、事業者コードなどに基づいて、訪問者U7がコンビニエンスストアの配達人であることが特定されると、制御部226は、被訪問者U3を呼び出すための出力(呼出音の出力や呼出画面450の表示)を許可するとともに、自動応答通知を表示処理部222に行わせる。表示処理部222は、ディスプレイ202に呼出画面450を表示させる(ステップS111)。呼出画面450には、訪問者端末100から受信した訪問者情報に含まれる、訪問者U7の顔写真が少なくとも表示される。さらに、呼出画面450は、受信した訪問者情報に含まれる、訪問者U7の所属と名前などの情報を表示する訪問者情報表示部454と含んでもよい。
【0122】
被訪問者U3は呼出画面450の通知内容を確認する(ステップS113)。一方、制御部226は、訪問者端末100に自動応答を通知する。自動応答の通知を受けて(ステップS131)、訪問者端末100では、制御部124により自動応答画面330が表示される(ステップS133)。
【0123】
自動応答画面330は、商品72を宅配ボックス70へ入れるように指示するメッセージを表示するとともに、連絡ボタン332を含んでもよい。連絡ボタン332の押下を受け付けると、制御部124は、連絡内容選択画面340をディスプレイ104に表示させる(ステップS137)。連絡内容選択画面340は、置き配ボタン342と、メモボタン344と、を含む。置き配ボタン342が押下されると、宅配ボックス70に商品72が入れられたことを連絡する内容として受け付ける。メモボタン344が押下されると、さらに、制御部124は、被訪問者U3への伝言内容の入力を受け付ける画面(不図示)を表示させ、テキストの操作入力または訪問者U7の音声入力を受け付ける。
【0124】
そして、訪問者情報送信部122は、被訪問者U3の携帯端末200に対して連絡内容選択画面340で受け付けた被訪問者U3への連絡内容を送信する(ステップS139)。被訪問者U3の携帯端末200では、訪問者端末100から送信された連絡内容を受信すると、表示処理部222により通知画面460が表示される。この例では、通知画面460には、宅配ボックス70に商品72を入れたことを通知するメッセージが表示されている。伝言メモが記録された場合には、通知画面460には伝言メモに記録されたメッセージが表示される。
【0125】
なお、連絡内容は、直接訪問者端末100から被訪問者U3の携帯端末200に送信されてもよいし、第4実施形態で説明したように、認証サービスサーバ5へ送信し、被訪問者U3の携帯端末200は、認証サービスサーバ5にアクセスして訪問者U7からの連絡内容を受信してもよい。
【0126】
本実施形態によれば、制御部226により訪問者別に処理内容が変更されるので、訪問者に応じて適切な応対が可能になる。例えば、動作例2では、制御部226により、訪問者U6がコンビニエンスストアの商品72の配達人であると特定された場合、訪問者端末100に対して自動応答を通知することで、被訪問者U3は応対せずに、商品72を宅配ボックス70に入れる指示を配達人にすることができる。
【0127】
(第6実施形態)
図15は、本実施形態の訪問者応対システム1の使用例を説明するための図である。本実施形態は、訪問者U1と被訪問者U3が対面で応対する場合に使用され、デジタル名刺として本人確認済みの訪問者情報を被訪問者U3に送信できる構成を有している点で、上記実施形態のいずれとも相違する。
図16は、本実施形態の情報処理装置(被訪問者端末)200の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。情報処理装置(被訪問者端末)200は、
図16を用いて説明する。訪問者端末100は、
図3を用いて説明する。なお、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0128】
情報処理装置(被訪問者端末)200は、接続情報取得部230と、訪問者情報取得部220と、を備えている。接続情報取得部230は、被訪問者U3の携帯端末200が有しているカメラ204によって撮像された画像を処理することにより、訪問者端末100と通信するための接続情報を取得する。訪問者情報取得部220は、取得した接続情報を用いて、訪問者端末100に、訪問者情報を要求して取得する。訪問者情報取得部220が取得した訪問者情報は、訪問者情報表示画面510としてディスプレイ202に表示されてよい。
【0129】
本実施形態によれば、被訪問者U3の携帯端末200において、訪問者の資格証明書情報や感染症証明情報などを確認できる。また、被訪問者U3の携帯端末200で受信した訪問者情報を、後日、訪問者の正当性の検証に使用することもできる。また、後述する実施形態のようにデジタル署名されたデジタル社員証40などを受信した場合には、受信した際に、デジタル署名を検証することで、デジタル社員証40の正当性を確認できる。
【0130】
(第7実施形態)
図17は、本実施形態の訪問者応対システム1の使用例を説明するための図である。本実施形態は、高齢者などで例えば、聴覚に障害があり、訪問者が来ても気付かずに応対できない場合にも応対可能とする構成を有する点以外は、上記第1~第5実施形態と同じである。なお、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0131】
この例では、訪問者応対システム1は、さらに、テレビ80を有している。被訪問者U3は、在宅時にテレビ80を観ていることが多いことが想定される。そこで、本実施形態では、被訪問者U3の携帯端末200において、訪問者の来訪が検知された場合に、被訪問者U3の携帯端末200からテレビ80に来訪を通知するメッセージを表示させる。
【0132】
<動作例>
本実施形態では、例えば、薬剤師など予め登録済み、かつ、本人確認済みの訪問者U9が来訪した場合を例に説明する。まず、被訪問者U3の携帯端末200において訪問者応対システム1のアプリケーションを起動しておく。薬剤師である訪問者U9は、事前に訪問者端末100に訪問者応対システム1のアプリケーションをインストールしておく。そして、訪問者U9は、訪問時に訪問者端末100を顔認証により本人確認を行い(ステップS101)、認証に成功すると訪問者端末100の利用が可能になる。例えば、認証に成功した訪問者端末100の利用者である薬剤師の所属している薬局名、薬剤師名、顔画像(顔認証情報)、事業者コードなどの情報が記憶される。ここでは、訪問者U9の訪問者情報の事業者コードは、薬剤師であることを示す。
【0133】
そして、訪問者端末100でアプリを起動した後、訪問者U9は、被訪問者宅の門扉8の近辺に設置されているQRコード12を訪問者端末100のガイダンスに従いカメラ102で撮像して読み取る(ステップS105)。訪問者端末100では、接続情報取得部120がQRコード12から接続情報を取得し、訪問者情報送信部122は、接続情報取得部120が取得した接続情報を用いて被訪問者U3の携帯端末200との接続要求を行う。
【0134】
訪問者端末100と被訪問者U3の携帯端末200との通信が確立した後、訪問者端末100は訪問者情報を被訪問者U3の携帯端末200に送信する(ステップS141)。ここで、被訪問者U3の携帯端末200では、制御部226が受信した訪問者情報に基づいて、訪問者を特定する。
【0135】
そして、事業者コードなどに基づいて、訪問者U9が薬剤師であることが特定されると(ステップS145)、制御部226は、被訪問者U3を呼び出すための出力を許可する。そして、制御部226は、表示処理部222に、テレビ80の画面にメッセージを表示させる(ステップS147)。画面には、訪問者端末100から受信した訪問者情報に含まれる、訪問者があることを知らせるメッセージとともに、訪問者U9の所属および名前が少なくとも表示される。さらに、訪問者U9の顔画像をテレビ80に表示させてもよい。
【0136】
被訪問者U3の携帯端末200とテレビ80の間は、例えば、宅内の無線LAN(Local Area Network)(所謂、Wi-Fi(Wireless Fidelity))により接続されていてよい。被訪問者U3は、テレビ80の画面に表示された訪問者の情報を確認し、被訪問者U3の携帯端末200を用いて応対することができる(ステップS149)。被訪問者U3は、被訪問者U3の携帯端末200を用いて訪問者U9と通話できてよい。例えば、被訪問者U3は、訪問者U9に、薬を宅配ボックス70に入れるように依頼してもよいし、ドア6を開けて応対してもよい。
【0137】
本実施形態によれば、被訪問者U3の携帯端末200では通知に気付きにくい被訪問者であっても、テレビ80などに訪問があったことを通知する機能を有しているので、訪問者の存在に気付きやすくなる。高齢者など、被訪問者U3の携帯端末200を携帯していない人物にも本訪問者応対システム1の利用を促すことができる。
【0138】
(第8実施形態)
図18は、本実施形態の訪問者応対システム1の使用例を説明するための図である。本実施形態は、訪問者端末100がQRコード12の読み取りが実行された場合に、認証サービスサーバ5において、訪問者端末100から送信された訪問者情報を認証する構成を有する点以外は、上記いずれかの実施形態と同様である。例えば、この例では、情報処理装置210の開錠指令送信部224は、個人宅ではなく、訪問者U1がビルなどに入場するときの開錠の許可を制御する。
【0139】
訪問者応対システム1において、訪問者端末100の接続情報取得部120は、ビルに設けられたQRコード12を読み取り接続情報を取得する。そして、訪問者情報送信部122は、接続情報を用いて、携帯通信網などの通信ネットワーク2を介して認証サービスサーバ5に接続し、訪問者情報を送信する。認証サービスサーバ5は、訪問者端末100から受信した訪問者情報の認証処理を行う。例えば、訪問者U1は、アプリケーションをインストール後に、本人確認情報として予め認証サービスサーバ5に認証情報を登録しておく。そして、認証サービスサーバ5は、受信した訪問者情報と登録済みの認証情報を照合し、登録済みの訪問者か否かを判定する。
【0140】
認証に成功した場合、認証サービスサーバ5は、ビルの管理者U13の情報処理装置210に認証成功を通信ネットワーク2を介して通知する。そして、情報処理装置210の表示処理部222は、認証成功を表示し、管理者U13は、訪問者U1のビルへの入場を許可する操作を行い、開錠指令送信部224は、ビルのドア6に開錠指令を送信する。
【0141】
認証に失敗した場合は、認証サービスサーバ5は、ビルの管理者U13の情報処理装置210に認証失敗を通信ネットワーク2を介して通知する。そして、情報処理装置210の表示処理部222は、認証失敗を表示し、管理者U13は、訪問者U1のビルへの入場を許可しない旨を、インターホン子機10などを介して訪問者U1に伝えてもよい。
【0142】
さらに、認証サービスサーバ5は、訪問者U1から受信した訪問者情報を、例えば、その訪問者U1の所属している事業者の本部に提供してもよい。事業者本部の管理者U15は、訪問者情報を確認することができる。これにより、例えば、事業者本部の管理者U15は、訪問者U1により、なりすましなどの不正行為が行われていないことを確認することができる。
【0143】
本実施形態によれば、ビルなどへの入場時においても、訪問者端末100により訪問者U1の認証を認証サービスサーバ5に依頼して行うことができる。また、認証結果は、訪問者U1の所属する事業者の管理者にも提供されるので、管理者は、訪問者のなりすましなどの不正行為が行われていないかを確認することもできる。
【0144】
(第9実施形態)
図19は、本人登録および当人確認の手続きの例を説明するための図である。
まず、訪問者U1が所属する事業者の本部において、例えば、管理者U15は、認証サービスサーバ5にデジタル署名の仕組みを用いたデジタル社員証40の作成を依頼する(手順P1)。デジタル社員証40には、秘密鍵44を用いて暗号化されたデジタル署名42が添付される。認証サービスサーバ5は、デジタル社員証40と輸送鍵48を訪問者端末100に配布し、公開鍵46をインターホン親機20に配布する(手順P5)。
【0145】
デジタル署名42は、例えば、警察官などは個人毎に設定されてもよいし、一般企業などは、認証サービスサーバ5が代行し、企業毎に設定されてもよい。
【0146】
訪問者U1は、訪問者端末100を用いて訪問者応対システム1に、顔認証およびユーザIDとパスワードを入力することでログインし、認証サービスサーバ5から配布されたデジタル社員証40を訪問者端末100に登録する(手順P3)。ここまでの手順で事前準備が完了する。
【0147】
そして、訪問時に、訪問者U1は、訪問者端末100でデジタル社員証40のアプリケーションを起動する(手順P7)。なお、訪問者端末100の利用は、顔認証により本人確認を行い許可され、アプリケーションを起動(または、訪問者応対システム1にログイン)できる。
【0148】
そして、アプリケーションにより訪問者端末100のカメラ102を用いてQRコード12を読み取り(手順P9)、接続情報取得部120が接続情報を取得する。そして、インターホン親機20と通信を行い、接続に成功すると、デジタル社員証40を、輸送鍵48を用いて暗号化し(デジタルキー50を付与)(手順P11)、訪問者情報送信部122は、デジタル社員証40をインターホン親機20に送信する(手順P13)。
【0149】
そして、インターホン親機20は、受信したデジタル社員証40を輸送鍵48を用いて復号し(手順P15)、さらに、公開鍵46を用いてデジタル署名42を復号する(手順P17)。そして、デジタル社員証40の正当性を確認した後(手順P19)、ディスプレイ22にデジタル社員証40に記録されている訪問者U1会社名や名前などの訪問者情報を表示させる(手順P21)。
【0150】
図20は、訪問者端末100に登録される訪問者情報を説明する図である。個人ユーザU1a所有のスマートフォン100aの場合と、会社から支給されて利用しているスマートフォン100bの場合に、訪問者端末100に登録される訪問者情報は異なる。
【0151】
例えば、個人のスマートフォン100aの場合、例えば、eKYCなどにより生体認証情報を登録するとともに、マイナンバーカードなどに基づいて、役所などの公的機関において、本人認証を行い、スマートフォン100aに、デジタル化したマイナンバーカードの情報を登録する(モバイルマイナンバー)。
【0152】
モバイルマイナンバーは、本人確認機能、感染症証明情報、資格証明書情報(例えば、健康保険証の情報)などを含んでもよい。
【0153】
一方、会社支給のスマートフォン100bは、認証サービスサーバ5は、ユーザU1bが所属する会社毎のディレクトリで管理される顔認証情報と、認証サービスサーバ5により認証されたデジタル署名42付きのデジタル社員証40とが、スマートフォン100bに登録される。
【0154】
デジタル社員証40には、ユーザU1bの所属する会社名、名前(例えば、ビジネスネーム)が訪問者情報として記憶されている。
【0155】
なお、デジタル社員証40の機能は、個人用のスマートフォン100aにまとめてもよい。
【0156】
本実施形態によれば、訪問者端末100に適切に認証処理された訪問者情報を格納することができる。
【0157】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、QRコード12は、例えば、シール状になっていて、訪問者応対システム1の被訪問者U3の携帯端末200用のアプリケーションとセット、または単独で、少なくとも1枚ずつ販売されてよい。あるいは、所定のウェブサイトからQRコード12の画像をダウンロードして印刷して貼付できてもよい。
【0158】
QRコードに記録されている情報は、被訪問者の携帯端末200のアプリケーションで復号されるように暗号化されている。例えば、QRコードと一緒にアクティベーションコード(例えば、所定桁数の英数字の組み合わせからなるコード)が隠されているスクラッチカードが販売される。被訪問者の携帯端末200に、アプリケーションをダウンロードおよびインストールして起動する。アプリケーションの初期設定において、被訪問者の携帯端末200にQRコードの読み取り画面が表示される。被訪問者は、画面のガイダンスに従い、QRコードの読み取りを行う。その際、被訪問者の携帯端末200に、スクラッチカードに記載されているアクティベーションコードの入力を促す画面が表示される。被訪問者はスクラッチカードの被覆を剥がし、アクティベーションコードを取得し、アクティベーションコードを入力する。被訪問者の携帯端末200は、アクティベーションコードの入力を受け付けることで、QRコードを復号し、QRコードに記録されている、被訪問者の携帯端末200のBluetoothの接続用の識別情報を取得することができる。
【0159】
被訪問者の携帯端末200は、自身の識別情報を例えば、メモリ1030に記憶する。被訪問者は、QRコードのシールをインターホン子機10に貼り付ける。
【0160】
一方、訪問者端末100のアプリケーションには本訪問者応対システム1共通のQRコード復号用の解読情報(処理ロジック)が含まれていて、訪問者端末100のメモリ1030に記憶されている。訪問者端末100では、QRコードを読み取ったとき、この解読情報を用いて復号を行い、QRコードに記録されている被訪問者の携帯端末200のBluetoothの接続用の識別情報を取得する。そして、被訪問者の携帯端末200に向けて、被訪問者の携帯端末200のBluetoothの接続用の識別情報を含む接続要求を発信する。
【0161】
被訪問者の携帯端末200では、訪問者端末100から発信された接続要求を受信すると、接続要求に含まれているBluetoothの接続用の識別情報を確認し、被訪問者の携帯端末200のBluetoothの接続用の識別情報が含まれていることを確認すると、接続要求に応答する。これにより、訪問者端末100と被訪問者の携帯端末200の間の接続が確立される。
【0162】
さらに他の例では、インターホン子機10などにディスプレイ(不図示)が設けられている場合、被訪問者U3の携帯端末200から子機10にQRコード12の画像を送信し、子機10のメモリ1030に記憶させておき、訪問者を検知したとき(例えば、呼出ボタン14の押下を検知したときなど)に、子機10のディスプレイにQRコード12を表示させる構成としてもよい。
【0163】
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
なお、本発明において利用者(訪問者および被訪問者)に関する情報を取得、利用する場合は、これを適法に行うものとする。
【0164】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 訪問者が保持している訪問者端末を構成するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記訪問者端末が有している撮像手段によって撮像された画像を処理することにより、または被訪問者宅に設置されている通信装置と通信することにより、被訪問者端末と通信するための接続情報を取得する取得手段と、
取得した前記接続情報を用いて、予め記憶されている訪問者情報を前記被訪問者端末に送信する送信手段と、をコンピュータに実現させるためのプログラム。
2. 1.に記載のプログラムにおいて、
前記被訪問者端末と通信するための前記接続情報は、近距離無線通信用の情報である、プログラム。
3. 1.または2.に記載のプログラムにおいて、
前記画像は、少なくとも前記接続情報を示すコード情報を含む、プログラム。
4. 1.から3.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記訪問者情報は、前記訪問者の画像を含む、プログラム。
5. 1.から4.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記訪問者情報は、前記訪問者に関する証明書情報を含む、プログラム。
6. 1.から5.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記訪問者情報は、前記訪問者の所属情報を含む、プログラム。
7. 6.に記載のプログラムにおいて、
前記訪問者の前記所属情報が示す所属に応じて、表示情報または処理内容を変更する制御手段をコンピュータに実現させるためのプログラム。
8. 被訪問者が保持している被訪問者端末を構成するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
訪問者が保持している訪問者端末から、訪問者情報を取得する取得手段と、
取得した前記訪問者情報を含む画像を画面に表示させる表示処理手段と、
前記表示処理手段で前記画像を表示した後、入口の開錠指令が入力されると、前記入口に開錠指令を送信する送信手段と、をコンピュータに実現させるためのプログラム。
9. 8.に記載のプログラムにおいて、
前記訪問者情報は画像を含み、
前記表示処理手段は、前記画像と、インターホンに設置されたカメラの画像と、を同じ画面に表示させる、プログラム。
10. 8.または9.に記載のプログラムにおいて、
前記取得手段は、前記訪問者情報としてさらに前記訪問者の属性情報を取得し、
前記表示処理手段は、取得した前記訪問者の前記属性情報を前記画面に表示させる、プログラム。
11. 8.から10.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記訪問者別に、処理内容を変更する制御手段をさらにコンピュータに実現させるためのプログラム。
12. 被訪問者が保持している被訪問者端末を構成するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記被訪問者端末が有している撮像手段によって撮像された画像を処理することにより、訪問者端末と通信するための接続情報を取得する第1の取得手段と、
取得した前記接続情報を用いて、前記訪問者端末に、訪問者情報を要求して取得する第2の取得手段と、をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【0165】
13. 訪問者が保持している訪問者端末を実現する情報処理装置であって、
前記訪問者端末が有している撮像手段によって撮像された画像を処理することにより、または被訪問者宅に設置されている通信装置と通信することにより、被訪問者端末と通信するための接続情報を取得する取得手段と、
取得した前記接続情報を用いて、予め記憶されている訪問者情報を前記被訪問者端末に送信する送信手段と、を備える情報処理装置。
14. 13.に記載の情報処理装置において、
前記被訪問者端末と通信するための前記接続情報は、近距離無線通信用の情報である、情報処理装置。
15. 13.または14.に記載の情報処理装置において、
前記画像は、少なくとも前記接続情報を示すコード情報を含む、情報処理装置。
16. 13.から15.のいずれか一つに記載の情報処理装置において、
前記訪問者情報は、前記訪問者の画像を含む、情報処理装置。
17. 13.から16.のいずれか一つに記載の情報処理装置において、
前記訪問者情報は、前記訪問者に関する証明書情報を含む、情報処理装置。
18. 13.から17.のいずれか一つに記載の情報処理装置において、
前記訪問者情報は、前記訪問者の所属情報を含む、情報処理装置。
19. 18.に記載の情報処理装置において、
前記訪問者の前記所属情報が示す所属に応じて、表示情報または処理内容を変更する制御手段をさらに備える情報処理装置。
20. 被訪問者が保持している被訪問者端末を実現する情報処理装置であって、
訪問者が保持している訪問者端末から、訪問者情報を取得する取得手段と、
取得した前記訪問者情報を含む画像を画面に表示させる表示処理手段と、
前記表示処理手段で前記画像を表示した後、入口の開錠指令が入力されると、前記入口に開錠指令を送信する送信手段と、を備える情報処理装置。
21. 20.に記載の情報処理装置において、
前記訪問者情報は画像を含み、
前記表示処理手段は、前記画像と、インターホンに設置されたカメラの画像と、を同じ画面に表示させる、情報処理装置。
22. 20.または21.に記載の情報処理装置において、
前記取得手段は、前記訪問者情報としてさらに前記訪問者の属性情報を取得し、
前記表示処理手段は、取得した前記訪問者の前記属性情報を前記画面に表示させる、情報処理装置。
23. 20.から22.のいずれか一つに記載の情報処理装置において、
前記訪問者別に、処理内容を変更する制御手段をさらに備える情報処理装置。
24. 被訪問者が保持している被訪問者端末を実現する情報処理装置であって、
前記被訪問者端末が有している撮像手段によって撮像された画像を処理することにより、訪問者端末と通信するための接続情報を取得する第1の取得手段と、
取得した前記接続情報を用いて、前記訪問者端末に、訪問者情報を要求して取得する第2の取得手段と、を備える情報処理装置。
【0166】
25. 訪問者が保持している訪問者端末を実現する情報処理装置の情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、
前記訪問者端末が有している撮像手段によって撮像された画像を処理することにより、または被訪問者宅に設置されている通信装置と通信することにより、被訪問者端末と通信するための接続情報を取得し、
取得した前記接続情報を用いて、予め記憶されている訪問者情報を前記被訪問者端末に送信する、情報処理方法。
26. 25.に記載の情報処理方法において、
前記被訪問者端末と通信するための前記接続情報は、近距離無線通信用の情報である、情報処理方法。
27. 25.または26.に記載の情報処理方法において、
前記画像は、少なくとも前記接続情報を示すコード情報を含む、情報処理方法。
28. 25.から27.のいずれか一つに記載の情報処理方法において、
前記訪問者情報は、前記訪問者の画像を含む、情報処理方法。
29. 25.から28.のいずれか一つに記載の情報処理方法において、
前記訪問者情報は、前記訪問者に関する証明書情報を含む、情報処理方法。
30. 25.から29.のいずれか一つに記載の情報処理方法において、
前記訪問者情報は、前記訪問者の所属情報を含む、情報処理方法。
31. 30.に記載の情報処理方法において、
前記情報処理装置が、さらに、
前記訪問者の前記所属情報が示す所属に応じて、表示情報または処理内容を変更する、情報処理方法。
32. 被訪問者が保持している被訪問者端末を実現する情報処理装置の情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、
訪問者が保持している訪問者端末から、訪問者情報を取得し、
取得した前記訪問者情報を含む画像を画面に表示させ、
前記画像を表示した後、入口の開錠指令が入力されると、前記入口に開錠指令を送信する、情報処理方法。
33. 32.に記載の情報処理方法において、
前記訪問者情報は画像を含み、
前記情報処理装置が、
前記画像と、インターホンに設置されたカメラの画像と、を同じ画面に表示させる、情報処理方法。
34. 32.または33.に記載の情報処理方法において、
前記情報処理装置が、
前記訪問者情報としてさらに前記訪問者の属性情報を取得し、
取得した前記訪問者の前記属性情報を前記画面に表示させる、情報処理方法。
35. 32.から34.のいずれか一つに記載の情報処理方法において、
前記情報処理装置が、さらに、
前記訪問者別に、処理内容を変更する情報処理方法。
36. 被訪問者が保持している被訪問者端末を実現する情報処理装置の情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、
前記被訪問者端末が有している撮像手段によって撮像された画像を処理することにより、訪問者端末と通信するための接続情報を取得し、
取得した前記接続情報を用いて、前記訪問者端末に、訪問者情報を要求して取得する、情報処理方法。
【0167】
37. 13.から19.のいずれか一つに記載の、訪問者が保持している訪問者端末を実現する第1の情報処理装置と、
20.から24.のいずれか一つに記載の、被訪問者が保持している被訪問者端末を実現する第2の情報処理装置と、を備える、訪問者応対システム。
【符号の説明】
【0168】
1 訪問者応対システム
2 通信ネットワーク
5 認証サービスサーバ
10 インターホン子機
12 QRコード
14 呼出ボタン
16 カメラ
20 インターホン親機
22 ディスプレイ
24 通話ボタン
30 社員証
40 デジタル社員証
80 テレビ
100 訪問者端末(情報処理装置)
102 カメラ
104 ディスプレイ
120 接続情報取得部
122 訪問者情報送信部
124 制御部
200 被訪問者の携帯端末
210 被訪問者端末(情報処理装置)
202 ディスプレイ
204 カメラ
220 訪問者情報取得部
222 表示処理部
224 開錠指令送信部
226 制御部
230 接続情報取得部
1000 コンピュータ
1010 バス
1020 プロセッサ
1030 メモリ
1040 ストレージデバイス
1050 入出力インタフェース
1060 ネットワークインタフェース