(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】コイル部品及びコイル部品付き電気機器
(51)【国際特許分類】
H01F 27/06 20060101AFI20240827BHJP
H01F 27/30 20060101ALI20240827BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20240827BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20240827BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H01F27/06 103
H01F27/30 160
H01F17/04 Z
H01F27/29 J
H01F27/30 101A
H05K1/18 B
(21)【出願番号】P 2023057033
(22)【出願日】2023-03-31
(62)【分割の表示】P 2021529903の分割
【原出願日】2020-05-13
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】P 2019122994
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000107804
【氏名又は名称】スミダコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】河端 諒
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 紀陽
(72)【発明者】
【氏名】馬原 繁
(72)【発明者】
【氏名】福岡 昌和
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 孝男
(72)【発明者】
【氏名】田中 慶
【審査官】秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-273145(JP,A)
【文献】特開2005-123636(JP,A)
【文献】再公表特許第2015/072568(JP,A1)
【文献】特開2009-222935(JP,A)
【文献】特開2002-368349(JP,A)
【文献】特開2015-130566(JP,A)
【文献】実開昭56-176506(JP,U)
【文献】特開2015-159617(JP,A)
【文献】特開2004-022812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/06
H01F 27/30
H01F 17/04
H01F 27/29
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板に取り付けられるコイル部品であって、
コアと、
該コアの周囲に巻回されたコイルと、
該コアを
内部に収容するベース部と、
一対の端子を有する電気素子と、
導電性を有する
リードフレームと、を備え、
該
リードフレームは、前記電気素子の前記一対の端子が半田により接合される一対のランドを有し、
前記
リードフレームの一部は、前記ベース部の内部に
埋設され、
前記一対のランドは、前記ベース部から外部に露出しており、
前記ベース部には、前記一対のランドの間における、前記ランドに接合された前記電気素子に重なる位置に穴が形成されていることを特徴とするコイル部品。
【請求項2】
前記穴の縁は、前記一対のランドそれぞれにおける相互の対向側の縁と重なるように形成、又は当該対向側の縁よりも外側まで形成されている請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記電気素子が搭載される前記一対のランドの平面内において、前記一対のランドを結ぶ方向を第1方向とし、該第1方向に垂直な方向を第2方向としたときに、
前記穴は、前記平面に垂直な方向からみて、前記第2方向において前記電気素子よりも外側まで広く形成されている請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記電気素子は複数設けられており、
前記
リードフレームに設けられたランドは、前記電気素子の前記端子に対応して複数対設けられており、
前記穴は、前記複数対のランドの間に跨るように延在している請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のコイル部品と、
前記プリント基板と、を備えるコイル部品付き電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品及びコイル部品とプリント基板とを備えるコイル部品付き電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
信号電波を送受信することによって、自動車や家屋等のドアに直接触れることなく施錠したり、開錠したりすることが可能なキーレスエントリシステムが実用化されている。そして、キーレスエントリシステムを実現するために、信号電波を送受信できるLF(Low Frequency)送信アンテナ等のコイルアンテナが多く採用されている。また、無線電波によって正確な時間調整を行おうとする、いわゆる電波時計においてもコイルアンテナが多く採用されている。
なお、磁性体コアと、巻線コイルとから構成されるコイル部品は、コイルアンテナに好適に用いられるものである。
【0003】
例えば、特許文献1には、キーレスエントリシステムに用いるコイル部品(同文献には、アンテナ装置と記載。)が開示されている。当該コイル部品は、構成部品であるケースの下面に係止体を嵌合させることによって、車両に取り付けられている。
また、当該コイル部品には、車両側に設けられた制御装置のコネクタが挿し込まれるコネクタ部が設けられており、当該コネクタ部を介して制御装置が取り付けられている。コネクタ部は、円筒状の閉栓体の一部を構成しており、アンテナ体に接続された接続端子が内部に突出して形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、キーレスエントリシステムは、自動二輪車等の大きな振動の加わる車両にも採用されている。しかし、プリント基板上にLF送信アンテナを設置する場合、このような環境下で大きな振動が繰り返し加わるときには、アンテナの重さから耐振動性を確保することが困難となる。
この点、特許文献1に開示されたコイル部品においては、コイル部品の耐震性を確保するために、上記のようにコイル部品と制御装置を別体とし、それぞれを車両に取り付ける必要があった。
このため、制御装置とは別にコイル部品の設置場所を確保しなければならず、その分、設置個所が多くなり取り付けの手間がかかり、設置範囲の確保が必要になり車両設計に影響を与えることがあった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、コイル部品とプリント基板とを車両等の動作機器に好適に設置可能とするコイル部品、及びコイル部品付き電気機器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、プリント基板に取り付けられるコイル部品であって、コアと、該コアの周囲に巻回されたコイルと、該コアを内部に収容するベース部と、一対の端子を有する電気素子と、導電性を有するリードフレームと、を備え、該リードフレームは、前記電気素子の前記一対の端子が半田により接合される一対のランドを有し、前記リードフレームの一部は、前記ベース部の内部に埋設され、前記一対のランドは、前記ベース部から外部に露出しており、前記ベース部には、前記一対のランドの間における、前記ランドに接合された前記電気素子に重なる位置に穴が形成されていることを特徴とするコイル部品が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、前記コイル部品と、前記プリント基板と、を備えるコイル部品付き電気機器が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コイル部品とプリント基板とを車両等の動作機器に好適に設置可能とするコイル部品、及びコイル部品付き電気機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図6】係止爪及びクラッシュリブが、プリント基板の取付孔に係止している状態を示す模式的な正面図である。
【
図7】係止爪及びクラッシュリブが、プリント基板の取付孔に係止している状態を示す模式的な底面図である。
【
図8】(a)は、
図1のVIII部の金属端子部を示す図であり、コイルの端部が絡げられる前の状態を示す模式的な正面図、(b)は、
図1のVIII部の金属端子部を示す図であり、コイルの端部が絡げられる前の状態を示す模式的な右側面図である。
【
図9】(a)は、
図1のVIII部の金属端子部を示す図であり、コイルの端部が絡げられた後の状態を示す模式的な正面図、(b)は、
図1のVIII部の金属端子部を示す図であり、コイルの端部が絡げられた後の状態を示す模式的な右側面図である。
【
図10】(a)は、
図1のVIII部の金属端子部を示す図であり、金属端子部とコイルの端部とが溶接された後の状態を示す模式的な正面図、(b)は、
図1のVIII部の金属端子部を示す図であり、金属端子部とコイルの端部とが溶接された後の状態を示す模式的な右側面図である。
【
図11】コンデンサチップが搭載されるランドの周囲を拡大して示す斜視図である。
【
図12】ランド上にコンデンサチップを搭載した状態を示す斜視図である。
【
図13】リードフレーム、及びリードフレームの一部に取り付けられたコンデンサチップを示す斜視図である。
【
図14】(a)は、コンデンサチップを搭載する前のランド周りを示す模式的な正面図、(b)は、コンデンサチップを搭載した後のランド周りを示す模式的な正面図である。
【
図15】(a)は、相対する一対のランドの縁よりも第1方向において内側に貫通孔が形成されている例を示す模式的な正面図、(b)は、コンデンサチップよりも第2方向において内側に貫通孔が形成されている例を示す模式的な正面図である。
【
図16】コンデンサチップが搭載される一対のランド、及びチップ抵抗が搭載される一対のランドに跨って形成された貫通孔を示す模式的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が単一の構成要素として構成されていること、一つの構成要素が複数の構成要素に分割されて形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0013】
また、全ての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。また、本明細書では上下方向を規定して説明する場合があるが、これは構成要素の相対関係を説明するために便宜的に設定するものであり、本発明に係る製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。特に本実施形態においては、実装方向が下方向、その逆方向が上方向であるものとし、重力方向における上下方向とは必ずしも一致するものではない。
【0014】
<コイル部品の概要>
まず、
図1から
図4を主に参照して、コイル部品1の概要について説明する。
図1は、本実施形態におけるアンテナ装置1X(コイル部品1)の正面図、
図2は、アンテナ装置1Xの底面を示す斜視図である。
図3は、アンテナ装置1Xの正面側を示す斜視図、
図4は、アンテナ装置1Xの背面側を示す斜視図である。
【0015】
コイル部品1は、厚み方向(コイル部品1の実装方向)に形成された取付孔2aを有するプリント基板2に一部が挿し込まれて取り付けられるものである。
コイル部品1は、コア3と、コア3の周囲に巻回されたコイル5と、コア3を保持するベース部4と、コイル5及びプリント基板2に少なくとも一部(実装端子6X、6Y、6Z)が導通可能であり、ベース部4に保持された後述する複数の実装端子6W、6X、6Y、6Zと、を備える。
ベース部4は、弾性変形可能な係止片(係止爪7)を有する。係止片(係止爪7)は、弾性変形することにより取付孔2aを通ることが可能であり、弾性復元することにより取付孔2aの縁に係止可能であることを特徴とする。
コイル部品付き電気機器(アンテナ装置1X)は、コイル部品1と、プリント基板2と、を備えるものである。
【0016】
上記のように、係止片(係止爪7)がプリント基板2の取付孔2aの縁に係止することで、コイル部品1とプリント基板2との間の振動による影響を緩和(低減)することができる。
具体的には、アンテナ装置1Xに振動が加わったときに、コイル部品1とプリント基板2との間でガタツキが生じることを防止できるため、両者間に加わる衝撃力を抑制できる。また、プリント基板2の振動振幅と比較して、コイル部品1の振動振幅が増大することを抑制できる。
【0017】
したがって、プリント基板2を車両等の一部に取り付けることのみで、プリント基板2に取り付けられたコイル部品1をも車両等に間接的に取り付けることができることになる。このため、車両等に対するこれらの部品の設置箇所を少なくでき、設置範囲を小さくすることができる。
なお、本書において、「車両等」とは、例えば、自動車、自動二輪車、船舶、ジェットスキー、航空機やドローン等の無人航空機であり、電波によって動作可能な機構を含む動作機器をいうものとする。
【0018】
なお、上記において、一つの構成要素が複数の構成要素に分割されて形成されていてもよいとした。例えば、ベース部4が、コア3と、実装端子6W、6X、6Y、6Zと、を保持するものとしたが、複数の部材がそれぞれを保持するようにしてもよい。つまり、ベース部4は、一部材ではなく、複数の部材によって構成されるものであってもよい。
また、実装端子6W、6X、6Y、6Zの少なくとも一部が、コイル5及びプリント基板2に導通可能に構成されているものとして説明したが、他の導電部材を介してこれらを導通可能に構成されているものを含む。
【0019】
また、「係止片(係止爪7)は、弾性変形することにより取付孔2aを通ることが可能であり、弾性復元することにより取付孔2aの縁に係止可能である」とは、換言すると、係止爪7が自然状態のままでは取付孔2aの縁に係止することができないことを意味する。
なお、「係止片」としては、後述する、直線方向に弾性変形・弾性復元する爪状の係止爪7に限定されず、例えば、放射方向に弾性変形・弾性復元する複数の切片から構成される塊状の係止部材等であってもよい。
【0020】
本実施形態において、実装端子6W、6X、6Y、6Zは、プリント基板2に設けられた複数の挿通孔2b(
図2参照)にそれぞれ通されて、プリント基板2に半田付けにより溶着されている。係止爪7は、上記のように、弾性変形した状態で取付孔2aの縁に係止している。このため、アンテナ装置1Xに振動が加わることによって発生する荷重のうち、係止爪7が受ける荷重の分だけ、実装端子6W、6X、6Y、6Zの半田部分に加わる振動・衝撃を緩和することができる。したがって、実装端子6W、6X、6Y、6Zとプリント基板2への接合は維持されやすくなる。
【0021】
なお、本実施形態に係る実装端子6X、6Y、6Zは、プリント基板2の導体配線に導通するものであり、実装端子6Wは、プリント基板2の導体配線に導通はせずに、プリント基板2へのコイル部品1の実装をより強固にするために設けられたものである。
たとえば、一対の係止爪7によって、コイル部品1の実装の安定性が十分に確保されているならば、実装端子6Wは必須の構成要件ではなく、さらに後述のコンデンサチップ12を備えないものであれば、実装端子6Zは必須の構成要件ではない。一方で、当該安定性の確保が不十分であれば、更に複数の実装端子を設けるようにしてもよい。
【0022】
<コア>
コア3は、コイル5から生じる磁場を増幅させるものであり、
図4に示すように、ベース部4の内部に背面側の一部を露出しつつ収容されている。コア3は、長尺に形成され、長尺方向に垂直な断面において長辺3aと短辺3bとを含む偏平断面形状(長方形状)を有する。
本実施形態に係るコア3の断面形状は長方形状であるが、角が丸いもの、C面取りされているものであってもよい。
【0023】
コア3の材料としては、酸化鉄を主成分とするセラミックスからなるもの(フェライトコア)、非晶質合金からなるもの(アルモファスコア)、金属粉末を圧縮成形したもの(ダストコア)、複数の電磁鋼板を電気的に絶縁して積層構造にしたもの(積層コア)等が挙げられる。
【0024】
詳細については後述するが、コア3は、ベース4bに設けられた支持リブ4bbに下面を支持され、かつ後述する立壁4cに沿って立設するようにベース部4に背面側から取り付けられている。また、コア3は、正面向きかつ下方向きの保持爪8X、8Yからの弾性復元力を上面及び背面で受けることによって、その姿勢を保持されている。
【0025】
<コイル>
コイル5は、コイル部品1の直列共振回路におけるインダクタンス要素の主要部分となる要素であり、第1巻回部5a、第1経路部5b、第2巻回部5c、第2経路部5d及び第3巻回部5eを含んでいる。
第1巻回部5aは、コイル5におけるインダクタンス要素であり、ボビン4aの周りに巻回されている部位である。第1巻回部5aの外周には、電気絶縁用の絶縁テープ14が巻き付けられている。
【0026】
第1経路部5bは、第1巻回部5aの一端側から後述する金属端子部9Xまでの引き回し経路を形成している。
第2巻回部5cは、第1経路部5bから引き回された先にあり金属端子部9Xに絡げられる部位である。
第2経路部5dは、第1巻回部5aの他端側から後述する金属端子部9Yまでの引き回し経路を形成している。
第3巻回部5eは、第2経路部5dから引き回された先にあり金属端子部9Yに絡げられる部位である。
【0027】
<ベース部>
ベース部4は、樹脂等の絶縁素材によって形成されており、長尺方向の中央部にありコイル5の第1巻回部5aが巻回されるボビン4aと、その他の部位であり、ボビン4aの両側に形成されたベース4bと、で構成される部位である。ベース部4は、内部に収容されるコア3と、ボビン4aの周囲に巻回されているコイル5と、を絶縁している。
【0028】
ボビン4aは、内側にコア3の中央部が配設できるように断面が角張ったC字状に形成されており長尺方向に延在しており、正面側の立壁4cの一部を構成している。
ベース4bは、底板4baと、底板4baの正面側の端部から上方に立設する立壁4cの他の一部と、ベース部4の長尺方向両側に位置する底板4baの端部から上方に立設する側壁4bcと、を備える。
底板4baには、上方に突出し、ベース部4の短尺方向(奥行方向)にコア3よりも長い長さで延在し、ベース部4の長尺方向に複数設けられた支持リブ4bbが形成されている。支持リブ4bbは、コア3を下方から支持するものである。
【0029】
コイル部品1(ベース部4)が振動するとコア3も振動する。ベース部4の振動に対するコア3の振動の増幅を抑制するため、ベース部4(ベース4b)は、
図4及び
図5に示すように、コア3を上方から押さえて保持する弾性変形可能な保持片(保持爪8X、8Y)を有する。
図5は、保持爪8Xを示す、
図4のV部の拡大図である。保持片(保持爪8X、8Y)は、弾性変形した状態でコア3を保持している。
【0030】
上記構成によれば、弾性変形した状態の保持片(保持爪8X、8Y)により、コア3に対して常に付勢力を付与することができ、ベース部4に対するコア3の固定状態をより安定させることができる。なお、本実施形態に係るコア3は、エポキシ系の接着剤によって、ベース部4に完全に接着固定されている。
また、「保持片(保持爪8X、8Y)は、弾性変形した状態でコア3を保持している。」とは、換言すると、保持片(保持爪8X、8Y)は、弾性変形することによりコア3を外部から収容位置に通すことが可能であり、弾性復元することにより収容位置に保持可能であることを意味する。
【0031】
詳細には、保持爪8Xは、
図5に示すように、立壁4cの上端部に設けられた架橋部4caから後方に突出して形成されている。
より具体的には、保持爪8Xは、基端部8Xaと、基端部8Xaから後方かつ下方に斜めに延在する延在部8Xbと、延在部8Xbの端部に設けられた先端部8Xcと、によって構成されている。
先端部8Xcは、背面側に向かうにつれて上方に向かうように傾斜する傾斜面を有して、倒立三角柱状に形成されている。
【0032】
作業者が、コア3を立壁4cに沿わせるように、ボビン4aの背面側から正面側に取り付ける際に、先端部8Xcの上向きの傾斜面に当接してさらに押圧することで、自然に保持爪8Xが上方に弾性変形することになる。
そして、コア3が立壁4cに沿う位置に配設されたときに、保持爪8Xが弾性復元力を残した状態で弾性復元し、延在部8Xbがコア3の背面を押圧することで、その配設状態が維持されることになる。
【0033】
保持爪8Yは、保持爪8Xに対して、ボビン4aを挟んだ逆側に設けられており、
図4に示すように、側壁4bcの上端部かつ前端部(正面側端部)から長尺方向内側に突出するレバー4bdの内側端部から、後方に突出して形成されている。
より具体的には、保持爪8Yの構成は、保持爪8Xの構成と同様であるため、その説明を省略する。
【0034】
コア3は、長辺3aがプリント基板2への載置方向に向くようにコア3が立てられた状態で、ベース部4に支持されている。
このようにコア3が立設した状態でベース部4に支持されていることで、プリント基板2の面方向の領域を狭めることがなく、プリント基板への搭載スペースを好適に確保することができる。
なお、コア3は、プリント基板2に対して完全に垂直に起立しているものに限定されず、例えば、20度の傾斜幅を持って斜めに起立しているものであってもよい。
【0035】
<係止爪>
次に、プリント基板2に形成された
図2に示す取付孔2aの縁に係止する機能を有する係止爪7について、
図4に加え、
図6及び
図7を主に参照して説明する。
図6は、係止爪7及びクラッシュリブ10が、プリント基板2の取付孔2aに係止している状態を示す模式的な正面図、
図7は、当該状態を示す模式的な底面図である。なお、
図7におけるクラッシュリブ10における破線部は、圧入前(破壊前)の形状を示すものである。
【0036】
ベース部4は、上記のように長尺に形成されており、一対の係止片(係止爪7)は、ベース部4の長尺方向の両端部(側壁4bc)に設けられている。
このように、係止片(係止爪7)がベース部4の長尺方向の両端部に設けられていることで、係止の際に加わる応力をベース部4の広範囲に印加することが可能となり、ベース部4のプリント基板2への係止状態を安定させることができるため好適である。
【0037】
特に、一対の係止片(係止爪7)は、互いに逆方向に弾性変形及び弾性復元して、互いに別の取付孔2aの縁に係止可能に構成されている。
このように構成されていることで、作業者は、一対の係止爪7を摘んで、ベース部4の長尺方向内側に押し狭めるようにして、取付孔2aに挿入することができる。
【0038】
換言すると、一対の係止爪7は、弾性変形したときにおいて取付孔2aの内部に収まり挿入可能な位置に配設される。
また、一対の係止爪7は、弾性復元したとき(自然状態の他、復元過程状態を含む)において、取付孔2aの縁に交差する位置に配設される。
【0039】
また、一対の係止爪7は、ベース部4の長尺方向の内側に弾性変形し、当該長尺方向の外側に弾性復元する構成となっているが、逆の構成であってもよい。つまり、一対の係止爪7は、ベース部4の長尺方向の外側に弾性変形し、当該長尺方向の内側に弾性復元する構成であってもよい。
【0040】
また、係止爪7が設けられているのは、ベース部4の長尺方向の少なくとも一方側であると、長尺であることにより振れの多くなる部位に常に弾性復元力を付与できるため振動の抑制に効果的であり好適であるが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、ベース部4の短尺方向の少なくとも一方側に設けられていてもよい。
さらには、本発明の係止片は一対で構成されるものに限定されず、一方のみ弾性変形する係止片、他方は塑性変形をするもの、又は変形をしないものであってもよい。
【0041】
係止片(係止爪7)は、プリント基板2への実装方向である実装端子6W、6X、6Y、6Zの延出方向(本実施形態においては下方向)と同じ方向に延出している。
係止片(係止爪7)が、実装端子6W、6X、6Y、6Zの延出方向と同じ方向に延出していることで、コイル部品1をプリント基板2に実装する際に、係止片(係止爪7)を取付孔2aにスムーズに係止させることができる。
具体的には、係止片(係止爪7)は、折り曲がった先にある先端側(延在部7b及び先端部7c)が、実装端子6W、6X、6Y、6Zと同じ方向に延出している。
【0042】
より具体的には、係止片(係止爪7)は、ベース部4の端部(側壁4bc)における中央部よりも上側からベース部4の長尺方向外側に突出して(突出部7a)、プリント基板2への載置方向(本実施形態においては下方)に向くように曲がって延在している(延在部7b)。つまり、係止片(係止爪7)は、プリント基板2への実装方向に延在する延在部7bを備える。
そして、延在部7bは、後述する第1傾斜面7dよりも基端側に設けられている。
【0043】
係止片(係止爪7)がベース部4の端部における中央部よりも上側から突出し、プリント基板2の載置方向に向くように曲がって延在していることで、中央部よりも下側から延在しているものと比較して撓み量に応じた復元力を大きくすることができる。このため、係止爪7とプリント基板2との係止状態を安定させることができる。
なお、係止爪7は、ベース部4の長尺方向外側に突出する突出部7a及び延在部7bにつながる屈曲部を有さずに、直線的に延在するものであってもよい。
【0044】
係止片(係止爪7)の端部(先端部7c)は、先端側に向かうにつれて弾性復元する側に向かうように傾斜する第1傾斜面7dと、第1傾斜面7dよりも先端側に設けられ、先端側に向かうにつれて弾性変形する側に向かうように傾斜する第2傾斜面7eと、を有する。
具体的には、第2傾斜面7eは、延在部7b(における内側の面)よりも、係止爪7が弾性変形する側(ベース部4の長尺方向内側)に延在している。
【0045】
このように、第1傾斜面7dにおいてプリント基板2の取付孔2aの縁に当接するようにすれば、取付孔2aの縁から加わる係止爪7の弾性復元力に対する反力により、プリント基板2への載置方向に係止爪7の端部が押し込まれ、係止状態が安定することになる。また、第1傾斜面7dが上記のように形成されていることで、第1傾斜面7dが取付孔2aの縁面に当接して係止爪7が弾性変形状態にあるときに、基端から先端にかけて一様な外面形状を有する不図示の部材の撓み量と比較して、先端部7cの撓み量を大きくすることができる。このため、係止爪7の弾性復元力を大きくすることができる。
【0046】
また、第2傾斜面7eが設けられていることで、コイル部品1をプリント基板2に取り付ける際に、係止爪7を弾性変形させて取付孔2aに挿入しやすくできる。
具体的には、取付孔2aの外側の縁が延在部7bの内側(コイル部品1の中央側)の面よりも中央側にあったとしても、第2傾斜面7eが取付孔2aの外側の縁に当接する位置関係にあればよい。第2傾斜面7eと取付孔2aがこのような位置関係にあれば、取付孔2aの外側の縁から、第2傾斜面7eの法線方向のうちベース部4の長尺方向内側向きの成分を有する反力が係止爪7に加わることになる。
このため、コイル部品1を実装方向に押し込むことのみで、係止爪7に内側方向に荷重を加えずとも、係止爪7を内側(コイル部品1の中央側)に弾性変形させることができ、係止爪7を最先端部7f(
図4参照)から取付孔2aに挿入することができる。
【0047】
コイル部品1(ベース部4のベース4b)は、プリント基板2に取り付けられたときにプリント基板2に当接する当接部(当接リブ11)を有する。
具体的には、当接リブ11は、底板4baの下面から下方に突出し、ベース部4の短尺方向に延在し、ベース部4の長尺方向に複数並んで設けられている。
当接部(当接リブ11)がプリント基板2に当接している状態のときに、係止片(係止爪7)の端部(先端部7c)は、第1傾斜面7dにおいてプリント基板2の取付孔2aの縁に当接している。
【0048】
上記構成によれば、当接部(当接リブ11)がプリント基板2に当接していることで、係止爪7の先端部7cを同じ位置で取付孔2aの縁に係止させることができる。このため、係止爪7の係止状態をより安定させることができる。
第1傾斜面7dは、係止片(係止爪7)の先端部7cのうち、係止爪7を弾性変形させてプリント基板2の取付孔2aに挿入した後に、係止爪7が弾性復元した場合に、プリント基板2の取付孔2aの縁に当接する部位である。
【0049】
<実装爪>
図6及び
図7等に示すように、ベース部4の長尺方向の両端部にある2つの係止爪7よりも内側には、プリント基板2の取付孔2aに係止爪7とともに挿入される実装爪15が底板4baから下方(実装方向)に突出して設けられている。
実装爪15は、コイル部品1のプリント基板2への実装の際に、係止爪7とともに取付孔2aに通される。実装爪15は、ベース部4の長尺方向内側にある内壁15aと、内壁15aから延在する補強壁15bと、補強壁15bにおけるベース部4の長尺方向の両端部から奥行方向の両側に延在する支持壁15c、15dと、を一体的に備える。
【0050】
より詳細には、内壁15aは、ベース部4の奥行方向に延在する板片であり、補強壁15bは、内壁15aにおける奥行方向の中央部からベース部4の長尺方向外側に延在する板片である。また、内壁15a及び補強壁15bは、実装方向に同じ量だけ延在し、支持壁15c、15dは、内壁15a及び補強壁15bの長さよりも短い。
【0051】
上記のように、支持壁15cと支持壁15dとは、補強壁15bにおけるベース部4の長尺方向の両端部に設けられ、離間して形成されている。このように支持壁15cと支持壁15dとが離間して形成されているのは、ベース部4の射出成形時に、ヒケが発生することを防止して、成形後の実装爪15の肉厚を一定にするように成形の精度を高めるためである。
【0052】
<クラッシュリブ>
ベース部4は、プリント基板2の孔(取付孔2a)の縁に当接することにより破壊されつつ係止可能なクラッシュリブ10を備える。
クラッシュリブ10は、係止片(係止爪7)とは異なる方向でプリント基板2の孔(取付孔2a)の縁に係止している。
クラッシュリブ10により、プリント基板2の縁との間のクリアランスをなくす(限りなく小さくする)ことができ、プリント基板2に対するコイル部品1のガタツキを抑制して、ベース部4のプリント基板2への係止状態を安定させることができる。
【0053】
本実施形態におけるクラッシュリブ10は、プリント基板2よりも硬度の低い樹脂で成形されている。クラッシュリブ10は、奥行方向(長穴である取付孔2aの短手方向(幅方向))に突出するように、2つ設けられた上記実装爪15のそれぞれの両面に2か所ずつ、計8か所設けられている。
【0054】
また、クラッシュリブ10は、上記の実装爪15における支持壁15c、15dそれぞれの奥行方向両側の外面から突出して、上下方向に延在している。
特に、クラッシュリブ10は、
図6に示すように、上下方向中央部から下方にかけて先細りとなるように、ベース部4の長尺方向の幅が狭くなるように形成されている。
【0055】
このように形成されていることにより、取付孔2aの縁面からクラッシュリブ10に加わる荷重を、実装爪15(クラッシュリブ10)の取付孔2aへの挿入始めから徐々に大きくすることができる。
つまり、取付孔2aへのクラッシュリブ10の挿入始めの荷重を小さく抑えることができ、係止爪7を取付孔2aにスムーズに挿入することができる。
【0056】
さらには、クラッシュリブ10は、第1傾斜面7dの下端よりも上方に設けられる部位を少なくとも含んで構成され、上下方向中央部から下方にかけて突出量が小さくなるように形成されており、くさび状に形成されている。
このようにクラッシュリブ10が形成されていることにより、取付孔2aへのクラッシュリブ10の挿入始めの荷重をより小さく抑えることができ、係止爪7を取付孔2aにスムーズに挿入することができる。
【0057】
また、クラッシュリブ10は、
図7において圧入前の形状を破線で示すように、奥行方向の先端側に向かうにつれて先細り状に形成されている。このような構成であれば、クラッシュリブ10の先端部を破壊させるための荷重を小さく抑えることができる。
【0058】
例えば、奥行方向の長さにおいて実装爪15の長さと取付孔2aの長さが完全に一致するものであれば、これらの間にクリアランスが生じないため、クラッシュリブ10でなくてもよい。
しかしながら、製造誤差を考慮すると、このようなものを多量に製造することは困難である。このため、クラッシュリブ10を採用することにより、クラッシュリブ10が取付孔2aの縁から受ける荷重により破壊されることにより、クリアランスをなくすことができるため、製造誤差の許容範囲を広くすることができ、歩留まりを高くすることができる。
【0059】
なお、本実施形態においては、クラッシュリブ10は、係止爪7が係止する取付孔2aの縁に当接するものとして説明しているが、このような構成に限定されない。例えば、取付孔2aとは異なる箇所に形成された不図示の孔の縁に当接するものであってもよい。
【0060】
<金属端子部>
次に、コイル5の端部が絡げられる金属端子部9X、9Yについて、
図8から
図10を主に参照して説明する。
図8(a)は、
図1のVIII部の金属端子部9Yを示す図であり、コイル5の端部が絡げられる前の状態を示す模式的な正面図、
図8(b)は、その模式的な右側面図である。
図9(a)は、
図1のVIII部の金属端子部9Yを示す図であり、コイル5の端部が絡げられた後の状態を示す模式的な正面図、
図9(b)は、その模式的な右側面図である。
図10(a)は、
図1のVIII部の金属端子部9Yを示す図であり、金属端子部9Yとコイル5の端部とが溶接された後の状態を示す模式的な正面図、
図10(b)は、その模式的な右側面図である。
金属端子部9X、9Yは同様の構成を有するものであるため、金属端子部9X、9Yのうち、金属端子部9Yを代表して図示して説明する。
【0061】
ベース部4は、コイル5の端部が絡げられる金属端子部9X、9Yを有する。
金属端子部9X、9Yは、複数の実装端子6W、6X、6Y、6Zの少なくとも一部(実装端子6X、6Y)に接続され、溶接により一部が融解可能である。本実施形態に係る金属端子部9X、9Yは、黄銅により形成されている。なお、金属端子部9X、9Yは、このような構成に限定されず、溶接により融解及び凝固可能なものであり、コイル5の端部を好適に接合可能なものであればよい。
金属端子部9X、9Yには、
図8に示すように、コイル5の端部が係止する凹部9Yc(又は不図示の凸部)の少なくとも一方が形成されている。
【0062】
上記のように、コイル5の端部を凹部9Yc(又は凸部)に係止させることで、金属端子部9X、9Yとコイル5の端部との溶接前に、コイル5の端部の絡げ位置を安定させることができる。
【0063】
本実施形態において、コイル5の絡げ部13は、金属端子部9X、9Yと、金属端子部9X、9Yに隣接して設けられて、ベース部4(ベース4b)の側方から上方に向かい屈曲して正面側に向かうようにL字状に突出している突起部4dと、によって構成されている。
【0064】
より詳細には、金属端子部9Xは、ベース部4の立壁4cの内部で屈曲して実装端子6Xと一体的に形成されている。
金属端子部9Yは、ベース部4の立壁4cの内部で屈曲して実装端子6Yと一体的に形成されており、枝分かれした一部がコンデンサチップ12を導通して、実装端子6Zと一体的に形成されている。このような構成により、コイル5とコンデンサチップ12とプリント基板2とにより、直列共振回路を構成可能となっている。
さらに、金属端子部9Yに接続される実装端子6Zが設けられていることで、コンデンサチップ12をプリント基板2に実装することができる。
【0065】
金属端子部9Xと突起部4dに第2巻回部5cが絡げられ、金属端子部9Yと突起部4dに第3巻回部5eが絡げられており、2つの絡げ部13が設けられている。後述するように、2つの絡げ部13のそれぞれは、溶接により一体的に接続されることになる。
【0066】
金属端子部9X、9Yは、基端側(基端部9Ya)よりも先端側(先端部9Yb)が細く形成されており、先端側(先端部9Yb)に凹部9Ycが形成されている。
上記構成によれば、厚い基端側(基端部9Ya)と細い先端側(先端部9Yb)の段差9Ydを利用してコイル5の端部を絡げることができ、突起部4dのある下方(実装方向)にコイル5の端部(後述する第3巻回部5eの中部5eb)がずれ落ちることを抑制できる。
【0067】
このため、
図10に示す溶接玉9Yeの内部に第3巻回部5eの中部5ebを所定量だけ確実に配設することができ溶接による接合強度を確保することができる。さらに、溶接後に、第3巻回部5eの下部5eaに余計な遊び(弛み)が生じることを抑制できる。
また、凹部9Ycにコイル5の最先端部(後述する第3巻回部5eの上部5ec)を絡げることにより、コイル5の最先端部の絡げ位置を安定させることができる。
【0068】
また、上記構成によれば、コイル5の端部の絡げ位置のばらつきの発生を抑制することができる。このため、
図10に示すように、金属端子部9X、9Yの上部を溶接により融解させて、溶接玉9Yeを形成したときに、コイル5の端部を溶接玉9Yeで十分に覆うことができ、その接合強度を高くすることができる。これにより、コイル5の端部の断線が抑制されることになる。
【0069】
より詳細には、コイル部品1の長手方向において、金属端子部9X、9Yの先端側(先端部9Yb)の長さは、基端側(基端部9Ya)の長さよりも短く形成されている。
金属端子部9X、9Yのそれぞれは、中心軸を含んでコイル部品1の長手方向に延在する仮想中心面に対して面対称に形成されている。
【0070】
ベース4bに設けられた突起部4dは、金属端子部9X、9Yの融解のストッパとして機能するとともに、突起部4dの上部の反り部分が第3巻回部5eの下部5eaの上方への移動を規制するものとして機能する。突起部4dは、金属端子部9X、9Yのそれぞれに隣接して設けられ、難燃性を有する樹脂製のベース4bと一体的に形成されている。
このため、金属端子部9X、9Yの溶接による熱エネルギーが突起部4dに伝わっても、突起部4dは融解しない。
したがって、突起部4dは、
図10に示すように、突起部4dの上面よりも下方にある、金属端子部9Yの基端部9Ya及び基端部9Yaに絡げられた第3巻回部5eの下部5eaが融解することを防止する。
【0071】
このように、第3巻回部5eの下部5eaの融解を防止できることで、下部5eaの絡げ部分を残すこととなり、第3巻回部5eの巻軸に対する径方向に若干の遊びを持って基端部9Yaに接続されることになる。
このため、第3巻回部5eに引張力が加わったときに、若干変位することが可能となり、応力の増大を抑制して、コイル5の端部が断線することを防ぐことができる。
【0072】
なお、本実施形態においては、第3巻回部5eの下部5eaが金属端子部9Yの基端部9Ya及び突起部4dに一巻きされており、第3巻回部5eの中部5ebが金属端子部9Yの先端部9Ybに一巻きされており、第3巻回部5eの上部5ecが金属端子部9Yの凹部9Ycに一巻きされているが、本発明はこのような構成に限定されない。つまり、第3巻回部5eの各部位における突起部4d又は金属端子部9Yに対する巻き数は任意に設定することが可能である。
【0073】
<コイル部品取付方法>
本発明の実施形態に係るコイル部品取付方法について説明する。本実施形態に係るコイル部品取付方法は、コイル部品1とプリント基板2とを用意し、金属端子部9X、9Yの少なくとも一部をコイル5の端部を接合する接合工程と、係止片(係止爪7)を弾性変形させることにより取付孔2aに通す取付工程と、取付工程の後に、係止片(係止爪7)を弾性復元させることにより取付孔2aの縁に係止させる係止工程と、を備える。
接合工程において、金属端子部9X、9Yの少なくとも一部を溶接により融解させて、金属端子部9X、9Yに係止するコイル5の端部を接合する。
【0074】
上記構成によれば、コイル5の端部を凹部9Yc(又は不図示の凸部)に係止させることで、金属端子部9X、9Yとコイル5の端部との溶接前に、コイル5の端部の絡げ位置を安定させることができる。
【0075】
接合工程の詳細について、金属端子部9X、9Yのうち、金属端子部9Yを代表し、
図9を参照して説明する。
まず、作業者は、突起部4d及び金属端子部9Yの基端部9Yaを縛るように、これらに少なくとも一周回コイル5の端部をベース4bの上方で巻回して、第3巻回部5eの下部5eaを形成する。
次に、作業者は、段差9Ydに掛かるように、先端部9Ybのみに少なくとも一周回コイル5の端部を巻回して、第3巻回部5eの中部5ebを形成する。
最後に、作業者は、凹部9Ycに掛かるように、先端部9Ybのみに少なくとも一周回コイル5の端部を巻回して、第3巻回部5eの上部5ecを形成する。
【0076】
このように、コイル5を巻回することで、第3巻回部5eが形成される。このように形成された第3巻回部5eについては、ベース4bの上面が、第3巻回部5eの下部5eaの下方への移動を制限でき、突起部4dの正面側に突出する部位の下面が、当該下部5eaの上方への移動を制限できる。
また、段差9Ydが、第3巻回部5eの中部5ebの下方への移動を制限でき、凹部9Ycが、第3巻回部5eの上部5ecの上下方向への移動を制限できる。
【0077】
このように、第3巻回部5eが金属端子部9Yに絡げられていることにより、溶接の前段階で、絡げ部13の状態を安定させることができる。
【0078】
上記のように、溶接後に残る第3巻回部5eの下部5eaは、ベース4bの上面と突起部4dの正面側に突出する部位の下面によって、上下方向の移動が制限されているため、溶接部以外についても振動により変位することを抑制できる。
【0079】
<電気素子の取付部位について>
次に、電気素子(例えば、上記のコンデンサチップ12)の取付部位について、
図11から
図16を参照して説明する。
図11は、コンデンサチップ12が搭載されるランド16aの周囲を拡大して示す斜視図、
図12は、ランド16a上にコンデンサチップ12を搭載した状態を示す斜視図である。
図13は、リードフレーム16(16X、16Y、16Z)、並びにリードフレーム16Y及び16Zの一部(ランド16a)に取り付けられたコンデンサチップ12を示す斜視図である。
図14(a)は、コンデンサチップ12を搭載する前のランド16a周りを示す模式的な正面図、
図14(b)は、コンデンサチップ12を搭載した後のランド16a周りを示す模式的な正面図である。
図15(a)は、相対する一対のランド16aの縁よりも第1方向において内側に貫通孔400eが形成されている例を示す模式的な正面図である。
図15(b)は、コンデンサチップ12よりも第2方向において内側に貫通孔400fが形成されている例を示す模式的な正面図である。
図16は、コンデンサチップ12が搭載される一対のランド16a、及びチップ抵抗18が搭載される一対のランド16cに跨って形成された貫通孔4fを示す模式的な正面図である。
なお、
図14及び
図15、並びに後述する
図16においては、貫通孔4e、4f、400e、400f近傍におけるベース部4の一部を簡略して方形状に示している。
また、
図14(b)、
図15及び
図16においては、コンデンサチップ12(及びチップ抵抗18)を二点鎖線及び塗り潰しにより仮想的に示している。
【0080】
電気素子(例えば、コンデンサチップ12及び後述するチップ抵抗18)は、
図12及び
図13に示すように、
図13に示すリードフレーム16Y、16Zの一部であるランド16a(16c)に、半田17によって電気的及び物理的に接続される。
そして、リフロー方式によって、電気素子をランド16a(16c)上に半田付けする場合には、
図15に示すように、コンデンサチップ12に異物としての半田玉17aが意図せずに発生することがある。
【0081】
このような半田玉17aの発生を防ぐため、一般的には(1)リフロー時の温度条件、(2)半田ペースト塗布条件(塗布量)の調整、(3)半田ペースト材の材料又は塗布形状の見直し、(4)ランド寸法の見直し等の対策が施されていた。
さらに、コイル部品1を輸送する場合や、コイル部品1が車両等に搭載されている場合等の振動が生じる環境下にコイル部品1が曝される場合には、この半田玉17aを除去するための検査と除去工程が特に必要となり、その改善が求められていた。特に、集積回路を構成する電気素子ではなく、表面実装タイプの電気素子においては、この半田玉17aの発生を抑制することが必要となる。
【0082】
本実施形態に係るコイル部品1は、一対の端子を有する電気素子(コンデンサチップ12)と、導電性を有するパターン(リードフレーム16(リードフレーム16X、16Y、16Z))と、を備える。パターン(リードフレーム16Y、16Z)は、コンデンサチップ12の一対の端子12aが半田17により接合される一対のランド16aを有する。
リードフレーム16の一部は、ベース部4の内部に設けられ、一対のランド16aは、ベース部4から外部に露出している。
そして、ベース部4には、一対のランド16aの間における、ランド16aに接合されたコンデンサチップ12に重なる位置に穴(貫通孔4e)が形成されている。
【0083】
「電気素子」としては、コンデンサチップ12の他に、後述するチップ抵抗18等が含まれる。
ベース部4に形成された「穴」は、コンデンサチップ12周りの空間を広く拡張できるものであればよい。換言すると、ベース部4とコンデンサチップ12との近接を避けるようにできればよく、貫通孔4eに限定されず、有底の穴であってもよい。
つまり、ベース部4におけるコンデンサチップ12に対向する一部を周囲よりも肉薄とする窪みであってもよい。
なお、「コンデンサチップ12に重なる位置」とは、厳密には、一対のランド16aに垂直な方向からみて、コンデンサチップ12に重なる位置である。
【0084】
上記構成によれば、穴が形成されていることで、リフロー時に溶融した半田17が、コンデンサチップ12における一対のランド16aの間にある部位に残留することを抑制でき、ランド16aへ半田17が凝集されやすくなる。このため、コンデンサチップ12における穴(貫通孔4e)に対向する部位に半田玉17aが生じることを抑制できる。
なお、穴が貫通孔4eであることで、リフロー時に、ランド16aへの半田17の凝集をより促進でき、半田玉17aが生じることをより抑制できる。
【0085】
本実施形態のベース部4は、
図13に示すリードフレーム16を内部に含んで、インサート成形されている。
本実施形態に係るリードフレーム16は、金属端子部9Xを一端部に有するリードフレーム16Xと、金属端子部9Y及び一方のランド16aを有するリードフレーム16Yと、一方のランド16aと対をなすランド16aを有するリードフレーム16Zと、から構成されている。
具体的には、本実施形態に係るリードフレーム16は、リン青銅で形成されており、0.3mm厚の板材がプレスで打ち抜かれて、錫鍍金を全面に施されることによって形成される。
【0086】
一対のランド16aの間に半田17によりコンデンサチップ12が接合されている。
一対のランド16aは、その幅方向両側の端部、及び他方のランド16aから離間する側の端部がベース部4に埋設されていることにより、ベース部4に強固に保持されている。
そして、本実施形態に係るベース部4には、上下方向に長く延在して厚さ方向に貫通する貫通孔4eが形成されており、貫通孔4eの上下の両側から中央側にはみ出すように一対のランド16aが配設されている。因みに、本実施形態に係る貫通孔4eは、樹脂成型時に形成されるものである。
【0087】
穴(貫通孔4e)の縁4gは、一対のランド16aそれぞれにおける相互の対向側の縁16bと重なるように形成、又は
図14に示すように、対向側の縁16bよりも外側まで形成されている。
【0088】
ここで、「対向側の縁16bよりも外側まで形成されている」とは、一対のランド16a相互についての対向側の縁16bに対して直交する方向(
図14に示す第1方向)において、対向側の縁16bよりも両側で外側(本実施形態においては上側及び下側)まで形成されているという意味である。なお、「外側」とは、一対のランド16aの間の空間を内側としたときに、その側である外側である。
つまり、この状態は、上記方向において、コンデンサチップ12に対向する側にある空間の縁がランド16aの縁16bによって画定されている状態である。このような構成によれば、一対のランド16aの相互に対向する端面にも半田17が凝集することになる。
【0089】
比較例としての
図15(a)に示す構成は、穴(貫通孔400e)の縁400gが、一対のランド16aそれぞれにおける相互の対向側の縁16bよりも内側に形成されているものである。この構成においては、半田17は、リフロー時に、貫通孔400eの縁400gに付着したまま残留することがあり、残留した半田17が半田玉17aを形成することがある。
一方で、
図14(b)に示す上記の構成によれば、貫通孔4eの縁4gが、ランド16aの凝集部位と離れた内側に形成されていないため、リフロー時に半田17が縁4gに残留しにくい。このため、上記方向(後述する第1方向)に交差する貫通孔4eの縁4gに半田玉17aが生じることを抑制できる。
【0090】
電気素子(コンデンサチップ12)が搭載される一対のランド16aの平面内において、一対のランド16aを結ぶ方向を第1方向とし、第1方向に垂直な方向を第2方向とする。このとき、
図14(b)に示す穴(貫通孔4e)は、上記平面に垂直な方向からみて、第2方向においてコンデンサチップ12よりも外側まで広く形成されている。
つまり、この状態は、第2方向において、コンデンサチップ12に対向する側にある空間の縁がランド16aの縁16bによって画定されている状態である。
【0091】
比較例としての
図15(b)に示す構成は、穴(貫通孔400f)が、第2方向においてコンデンサチップ12と同じ、又はコンデンサチップ12よりも内側に形成されているものである。この構成においては、半田17は、リフロー時に、貫通孔400fの縁400hに付着したまま残留することがあり、残留した半田17が半田玉17aを形成することがある。
一方で、
図14(b)に示す上記の構成によれば、縁4hがコンデンサチップ12よりも外側まで広く形成されていることで、半田17が残留しにくい。このため、コンデンサチップ12と第2方向に交差する貫通孔4eの縁4hとの間において、半田玉17aが生じることを抑制できる。
【0092】
図16に示す構成においては、電気素子が複数設けられている(コンデンサチップ12及びチップ抵抗18)。パターン(リードフレーム16)に設けられたランド16a、16cは、電気素子(コンデンサチップ12及びチップ抵抗18)の端子12a、18aに対応して複数対設けられている。
そして、穴(貫通孔4f)は、複数対のランド16a、16cの間に跨るように延在している。
【0093】
本実施形態における電気素子は、コンデンサチップ12及びチップ抵抗18の二つのみであるが、さらに複数の電気素子が設けられていてもよい。
上記構成によれば複数対のランド16a、16cの間に跨る穴(貫通孔4f)によって、ベース部4における複数の電気素子に対向する部位に半田玉17aが生じることを抑制できる。
【0094】
上記の実施形態及び変形例は以下の技術思想を包含する。
(1)厚み方向に形成された取付孔を有するプリント基板に取り付けられるコイル部品であって、
コアと、
該コアの周囲に巻回されたコイルと、
該コアを保持するベース部と、
前記コイル及び前記プリント基板に少なくとも一部が導通可能であり、前記ベース部に保持された複数の実装端子と、を備え、
前記ベース部は、弾性変形可能な係止片を有し、
該係止片は、弾性変形することにより前記取付孔を通ることが可能であり、弾性復元することにより前記取付孔の縁に係止可能であることを特徴とするコイル部品。
(2)前記係止片は、前記プリント基板への実装方向である前記実装端子の延出方向と同じ方向に延出している(1)に記載のコイル部品。
(3)前記ベース部は、前記コアを保持する弾性変形可能な保持片を有し、
該保持片は、弾性変形した状態で前記コアを保持している(1)又は(2)に記載のコイル部品。
(4)前記ベース部は、長尺に形成されており、
一対の前記係止片は、長尺方向の両端部に設けられている(1)から(3)のいずれか一項に記載のコイル部品。
(5)前記ベース部は、長尺に形成されており、
前記係止片は、前記ベース部の端部における中央部よりも上側から前記ベース部の長尺方向外側に突出して、前記プリント基板への載置方向に向くように曲がって延在している(1)から(4)のいずれか一項に記載のコイル部品。
(6)前記係止片の端部は、
先端側に向かうにつれて弾性復元する側に向かうように傾斜する第1傾斜面と、
該第1傾斜面よりも前記先端側に設けられ、前記先端側に向かうにつれて弾性変形する側に向かうように傾斜する第2傾斜面と、を有する(1)から(5)のいずれか一項に記載のコイル部品。
(7)前記コアは、長尺に形成され、長尺方向に垂直な断面において長辺と短辺とを含む偏平断面形状を有し、
前記長辺が前記プリント基板への載置方向に向くように前記コアが立てられた状態で、前記ベース部に支持されている(1)から(6)のいずれか一項に記載のコイル部品。
(8)前記ベース部は、前記コイルの端部が絡げられる金属端子部を有し、
該金属端子部は、複数の前記実装端子の少なくとも一部に接続され、溶接により一部が融解可能であり、
前記金属端子部には、前記コイルの端部が係止する凹部又は凸部の少なくとも一方が形成されている(1)から(7)のいずれか一項に記載のコイル部品。
(9)前記金属端子部は、基端側よりも先端側が細く形成されており、
該先端側に前記凹部が形成されている(8)に記載のコイル部品。
(10)一対の端子を有する電気素子と、
導電性を有するパターンと、を更に備え、
該パターンは、前記電気素子の前記一対の端子が半田により接合される一対のランドを有し、
前記パターンの一部は、前記ベース部の内部に設けられ、
前記一対のランドは、前記ベース部から外部に露出しており、
前記ベース部における前記一対のランドの間において、前記ランドに接合された前記電気素子に重なる位置に穴が形成されている(1)から(9)のいずれか一項に記載のコイル部品。
(11)前記穴の縁は、前記一対のランドそれぞれにおける相互の対向側の縁と重なるように形成、又は当該対向側の縁よりも外側まで形成されている(10)に記載のコイル部品。
(12)前記電気素子が搭載される前記一対のランドの平面内において、前記一対のランドを結ぶ方向を第1方向とし、該第1方向に垂直な方向を第2方向としたときに、
前記穴は、前記平面に垂直な方向からみて、前記第2方向において前記電気素子よりも外側まで広く形成されている(10)又は(11)に記載のコイル部品。
(13)前記電気素子は複数設けられており、
前記パターンに設けられたランドは、前記電気素子の前記端子に対応して複数対設けられており、
前記穴は、前記複数対のランドの間に跨るように延在している(10)から(12)のいずれか一項に記載のコイル部品。
(14)(1)から(13)のいずれか一項に記載のコイル部品と、
前記プリント基板と、を備えるコイル部品付き電気機器。
(15)前記ベース部は、前記プリント基板の孔の縁に当接することにより破壊されつつ係止可能なクラッシュリブを備え、
該クラッシュリブは、前記係止片とは異なる方向で前記プリント基板の前記孔の縁に係止している(14)に記載のコイル部品付き電気機器。
(16)(6)に記載のコイル部品と、
前記プリント基板と、を備え、
前記コイル部品は、前記プリント基板に取り付けられたときに前記プリント基板に当接する当接部を有し、
該当接部が前記プリント基板に当接している状態のときに、前記係止片の端部は、前記第1傾斜面において前記プリント基板の前記取付孔の縁に当接しているコイル部品付き電気機器。
(17)(8)又は(9)に記載のコイル部品と、前記プリント基板と、を用意し、
前記金属端子部の少なくとも一部を前記コイルの端部を接合する接合工程と、
前記係止片を弾性変形させることにより前記取付孔に通す取付工程と、
該取付工程の後に、前記係止片を弾性復元させることにより前記取付孔の縁に係止させる係止工程と、を備え、
前記接合工程において、前記金属端子部の少なくとも一部を溶接により融解させて、前記金属端子部に係止する前記コイルの端部を接合するコイル部品取付方法。
(18)前記一対の係止片は、互いに逆方向に弾性変形及び弾性復元して、前記取付孔の縁に係止可能に構成されている(4)に記載のコイル部品。
(19)前記係止片は、前記プリント基板への実装方向に延在する延在部を前記第1傾斜面よりも基端側に備え、
前記第2傾斜面は、前記延在部よりも弾性変形する側に延在している(6)に記載のコイル部品。
(20)コアと、該コアの周囲に巻回されたコイルと、該コアを保持するベース部と、プリント基板に実装するための複数の実装端子と、を備え、
該ベース部は、前記コイルの端部が絡げられる金属端子部を有し、
該金属端子部は、複数の前記実装端子の少なくとも一部に接続され、溶接により一部が融解可能であり、
前記金属端子部には、前記コイルの端部が係止する凹部又は凸部の少なくとも一方が形成されていることを特徴とするコイル部品。
(21)プリント基板に取り付けられるコイル部品であって、
コアと、
該コアの周囲に巻回されたコイルと、
該コアを保持するベース部と、
一対の端子を有する電気素子と、
導電性を有するパターンと、を備え、
該パターンは、前記電気素子の前記一対の端子が半田により接合される一対のランドを有し、
前記パターンの一部は、前記ベース部の内部に設けられ、
前記一対のランドは、前記ベース部から外部に露出しており、
前記ベース部には、前記一対のランドの間における、前記ランドに接合された前記電気素子に重なる位置に穴が形成されていることを特徴とするコイル部品。
【0095】
本出願は、2019年7月1日に出願された日本出願(特願2019-122994号)を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【符号の説明】
【0096】
1X アンテナ装置(コイル部品付き電気機器)
1 コイル部品
2 プリント基板
2a 取付孔
2b 挿通孔
3 コア
3a 長辺
3b 短辺
4 ベース部
4a ボビン
4b ベース
4ba 底板
4bb 支持リブ
4bc 側壁
4bd レバー
4c 立壁
4ca 架橋部
4d 突起部
4e、4f 貫通孔(穴)
4g、4h 縁
5 コイル
5a 第1巻回部
5b 第1経路部
5c 第2巻回部
5d 第2経路部
5e 第3巻回部
5ea 下部
5eb 中部
5ec 上部
6W、6X、6Y、6Z 実装端子
7 係止爪(係止片)
7a 突出部
7b 延在部
7c 先端部
7d 第1傾斜面
7e 第2傾斜面
7f 最先端部
8X、8Y 保持爪(保持片)
8Xa 基端部
8Xb 延在部
8Xc 先端部
9X、9Y 金属端子部
9Ya 基端部
9Yb 先端部
9Yc 凹部
9Yd 段差
9Ye 溶接玉
10 クラッシュリブ
11 当接リブ(当接部)
12 コンデンサチップ(電気素子)
12a 端子
13 絡げ部
14 絶縁テープ
15 実装爪
15a 内壁
15b 補強壁
15c、15d 支持壁
16、16X、16Y、16Z リードフレーム(パターン)
16a、16c ランド
16b 縁
17 半田
17a 半田玉
18 チップ抵抗(電気素子)
18a 端子
400e、400f 貫通孔
400g、400h 縁