(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】端末装置、及びネットワーク装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/1268 20230101AFI20240827BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20240827BHJP
H04W 72/231 20230101ALI20240827BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W72/0446
H04W72/231
(21)【出願番号】P 2023135093
(22)【出願日】2023-08-23
(62)【分割の表示】P 2022544220の分割
【原出願日】2020-01-21
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リャン リン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/244207(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110167152(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0349180(US,A1)
【文献】特開2010-88116(JP,A)
【文献】Qualcomm Incorporated,Remaining Details on QCL [online],3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1807398,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_93/Docs/R1-1807398.zip>,2018年05月25日
【文献】CATT,Considerations on multi-TRP/panel transmission [online],3GPP TSG RAN WG1 #98b R1-1910349,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_98b/Docs/R1-1910349.zip>,2019年10月20日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
複数のスロットを有する第1の期間における第1のシンボルであって、アップリンク送信のためのアンテナポートにおける前記第1のシンボルが送信される第1のチャネルが、前記第1の期間における第2のシンボルであって、前記アンテナポートにおける前記第2のシンボルが送信される第2のチャネルから推測できるかを示す第1の情報をネットワーク装置から受信する手段と、
前記第1の情報に基づいて、前記ネットワーク装置への送信を実行する手段を有する、
端末装置。
【請求項2】
前記第1の情報はRRCメッセージにおいて受信される、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記第1の期間は第1のスロットと第2のスロットを含み、前記第1のシンボルは前記第1のスロットにおいて送信され、前記第2のシンボルは前記第2のスロットにおいて送信される、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記第1の情報は前記第1の期間を示す、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
前記端末装置は、前記第1の期間において複数のアップリンク送信を実行する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項6】
前記複数のアップリンク送信は前記アップリンク送信の繰り返しである、
請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
さらに、前記第1のチャネル又は前記第2のチャネルのうちの少なくとも1つにおいて前記ネットワーク装置に参照信号を送信する手段を有する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項8】
チャネル推測は、前記参照信号に基づき、前記複数のスロットにわたって実行される、
請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
ネットワーク装置であって、
複数のスロットを有する第1の期間における第1のシンボルであって、アップリンク送信のためのアンテナポートにおける前記第1のシンボルが送信される第1のチャネルが、前記第1の期間における第2のシンボルであって、前記アンテナポートにおける前記第2のシンボルが送信される第2のチャネルから推測できるかを示す第1の情報を端末装置に送信する手段と、
前記第1の情報に基づいて、前記端末装置からの送信を受信する手段を有する、
ネットワーク装置。
【請求項10】
前記第1の情報はRRCメッセージにおいて送信される、
請求項9に記載のネットワーク装置。
【請求項11】
前記第1の期間は第1のスロットと第2のスロットを含み、前記第1のシンボルは前記第1のスロットにおいて送信され、前記第2のシンボルは前記第2のスロットにおいて送信される、
請求項9に記載のネットワーク装置。
【請求項12】
前記第1の情報は前記第1の期間を示す、
請求項9に記載のネットワーク装置。
【請求項13】
複数のアップリンク送信は前記第1の期間において受信される、
請求項9に記載のネットワーク装置。
【請求項14】
前記複数のアップリンク送信は前記アップリンク送信の繰り返しである、
請求項13に記載のネットワーク装置。
【請求項15】
さらに、前記第1のチャネル又は前記第2のチャネルのうちの少なくとも1つにおいて前記端末装置から参照信号を受信する手段を有する、
請求項9に記載のネットワーク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は全体として通信分野に関し、特にカバレッジ強化のための解決手段に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)規格の最新の発展は、Evolved Packet Core(EPC)ネットワークのロングタームエボリューション(LTE)及びEvolved Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN)と称され、一般には「4G」とも称される。また、「5G新無線(NR)」という用語は、さまざまなアプリ及びサービスをサポートすることが期待される進化し続ける通信技術を指す。5G NRは、遅延、信頼性、セキュリティ、スケーラビリティ(例えばモノのインターネットIoT)及びその他の要件に関連する新たな要件を満たすために、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって発表された継続的なモバイルブロードバンドの進化の一部である。5G NRのいくつかの側面は、4Gロングタームエボリューション(LTE)規格に基づくことがある。
【0003】
5G NRにおいてカバレッジは、サービス品質や資本的支出(CAPEX)、運用費(OPEX)に直接影響を与えるため、事業者がセルラー通信ネットワークを商用化する際に考慮する重要な要素の1つである。NRの商用化の成功にはカバレッジが重要であるにもかかわらず、NRの仕様の詳細をすべて考慮した、カバレッジの包括的な評価や従来のRATとの比較はこれまで行われていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、本開示の例示的な実施形態は、カバレッジ強化のための解決手段を提供する。
【0005】
第1の態様において、通信のための方法が提供される。当該方法は、端末デバイスにおいて、第1スロットに関連付けられている第1チャネルと第2スロットに関連付けられている第2チャネルとの間の推測関係に関する情報を、ネットワークデバイスから受信することを含む。当該方法はさらに、当該情報に基づいて、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であるか否かを決定することを含む。当該方法はさらに、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であると決定したことに応じて、推測関係に基づいて、第1チャネル及び第2チャネルにおいてネットワークデバイスとの通信を実行することを含む。
【0006】
第2の態様において、通信のための方法が提供される。当該方法は、端末デバイスにおいて、ネットワークデバイスから、端末デバイスとネットワークデバイスとの間の、同じデータについての複数の送信の早期終了の指示を受信することを含む。当該方法はさらに、複数の送信が完了していないと決定したことに応じて、複数の送信のうち残りの送信が停止されると決定することを含む。
【0007】
第3の態様において、通信のための方法が提供される。当該方法は、ネットワークデバイスにおいて、第1スロットに関連付けられている第1チャネルと、第2スロットに関連付けられている第2チャネルとが相互に推測可能であるか否かを決定することを含む。当該方法はさらに、第1チャネルと第2チャネルとの間の推測関係に関する情報を端末デバイスに送信することを含む。当該方法はさらに、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であると決定したことに応じて、推測関係に基づいて、第1チャネル及び第2チャネルにおいて端末デバイスとの通信を実行することを含む。
【0008】
第4の態様において、通信のための方法が提供される。当該方法は、ネットワークデバイスにおいて、ネットワークデバイスと端末デバイスとの間の、同じデータの複数の送信が完了しておらず、複数の送信のうち残りの送信が停止されると決定することを含む。当該方法はさらに、複数の送信の早期終了の指示を端末デバイスに送信することを含む。
【0009】
第5の態様では、端末デバイスが提供される。当該端末デバイスは、プロセッサと、命令を格納するメモリとを含む。メモリ及び命令は、プロセッサと共に、端末デバイスに第1の態様又は第2の態様にかかる方法を実行させるように設定されている。
【0010】
第6の態様では、ネットワークデバイスが提供される。当該ネットワークデバイスは、プロセッサと、命令を格納するメモリとを備える。メモリ及び命令は、プロセッサと共に、ネットワークデバイスに第3の態様又は第4の態様にかかる方法を実行させるように設定されている。
【0011】
第7の態様では、命令が格納されるコンピュータ可読媒体が提供される。当該命令は、デバイスの少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合に、デバイスに、第1の態様又は第2の態様にかかる方法を実行させる。
【0012】
第8の態様では、命令が格納されるコンピュータ可読媒体が提供される。当該命令は、デバイスの少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合に、デバイスに、第3の態様又は第4の態様にかかる方法を実行させる。
【0013】
理解すべき点として、発明の概要部分の記述は、本開示の実施形態の重要又は必要な特徴を特定することを意図したものではなく、本開示の範囲を限定することも意図していない。本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明することで、本開示の上述及びその他の目的、特徴及び利点を、さらに明らかにする。
【0015】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な通信環境の模式図である。
【0016】
【
図2】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワークデバイスと端末デバイスとの間の例示的な通信プロセスを示す。
【0017】
【
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる、異なるスロットで参照信号を送信するためのリソースパターンの例を示す。
【0018】
【
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる、異なるスロットで参照信号を送信するためのリソースパターンの別の例を示す。
【0019】
【
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる、異なるスロットで参照信号を送信するためのリソースパターンのさらに別の例を示す。
【0020】
【
図6】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワークデバイスと端末デバイスとの間の別の例示的な通信プロセスを示す。
【0021】
【
図7】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的方法のフローチャートを示す。
【0022】
【
図8】本開示のいくつかの実施形態にかかる別の例示的方法のフローチャートを示す。
【0023】
【
図9】本開示のいくつかの実施形態にかかる、さらに別の例示的方法のフローチャートを示す。
【0024】
【
図10】本開示のいくつかの実施形態にかかる、さらに別の例示的方法のフローチャートを示す。
【0025】
【
図11】本開示のいくつかの実施形態を実施するのに適したデバイスの概略ブロック図である。
【0026】
全ての図において、同一又は類似の図面符号は、同一又は類似の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、いくつかの例示的な実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。理解すべき点として、これらの実施形態は、単に説明を目的として記述され、当業者が本開示を理解し実施する際の助けとなるものであり、本開示の範囲に対する何らかの限定を示すものではない。本明細書で説明する本開示は、以下に説明する方法以外にも、さまざまな方法で実施可能である。
【0028】
以下の説明及び請求項において、別に定義がある場合を除き、文中で使用される全ての技術・科学用語は、本開示が属する分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。
【0029】
例えば、文中で使用される用語「ネットワークデバイス」又は「基地局」(BS)とは、端末デバイスが通信可能なセル又はカバー範囲を、提供又はホスト可能なデバイスを指す。ネットワークデバイスの例には、ノードB(NodeB又はNB)、進化型NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、V2X(車と全てのモノ間)通信用のインフラ装置、送信/受信ポイント(TRP)、リモート無線ユニット(RRU)、無線ヘッド(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノード等の低電力ノード等が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
文中で使用される用語「端末デバイス」は、無線又は有線での通信能力を有する全てのデバイスを指す。端末デバイスの例として、ユーザ端末(UE)、車両搭載端末デバイス、歩行者のデバイス、路側機、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、移動電話、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、携帯コンピュータ、画像取込デバイス(例えばデジタルカメラ)、ゲーム機器、音楽保存再生装置、又は無線若しくは有線によるインターネットへのアクセス・閲覧等をサポートするインターネットデバイスが含まれるが、これらに限定されない。議論のために、以下では、端末デバイスの例示としてUEを参考にいくつかの実施形態を説明する。また、用語「端末デバイス」及び「ユーザ端末」(UE)は、本開示の文脈では互換的に使用することができる。
【0031】
いくつかの実施形態において端末デバイスは、第1ネットワークデバイス及び第2ネットワークデバイスと接続してもよい。第1ネットワークデバイス及び第2ネットワークデバイスのうち、一方はマスターノードであり、他方はセカンダリノードであり得る。第1ネットワークデバイスと第2ネットワークデバイスは、異なる無線アクセス技術(RAT)を使用してもよい。いくつかの実施形態において第1ネットワークデバイスは、第1RATデバイスであり、第2ネットワークデバイスは、第2RATデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、第1RATデバイスはeNBであり、第2RATデバイスはgNBである。第1ネットワークデバイス及び第2ネットワークデバイスの少なくとも一方から、異なるRATに関連する情報を端末デバイスに送信してもよい。いくつかの実施形態において、第1情報は、第1ネットワークデバイスから端末デバイスに送信されてもよく、第2情報は、第2ネットワークデバイスから、直接又は第1ネットワークデバイスを介して端末デバイスに送信されてもよい。いくつかの実施形態では、第2ネットワークデバイスによって設定された端末デバイスのための設定と関連する情報が、第2ネットワークデバイスから第1ネットワークデバイスを介して送信されてもよい。また、第2ネットワークデバイスによって設定された端末デバイスの再設定と関連する情報が、第2ネットワークデバイスから端末デバイスに直接送信されてもよいし、第1ネットワークデバイスを介して端末デバイスに送信されてもよい。
【0032】
文中で使用される用語「送受信ポイント」、「送信/受信ポイント」又は「送信及び受信ポイント」は通常、ユーザ端末と通信する局を指すことができる。しかしながら送信及び受信ポイントは、例えば基地局(BS)、セル、ノードB、進化型Node-B(eNB)、次世代NodeB(gNB)、送受信ポイント(TRP)、セクタ、サイト、Base Transceiver System(BTS)、アクセスポイント(AP)、中継ノード(RN)、リモート無線ヘッド(RRH)、無線ユニット(RU)、アンテナ等の異なる用語で称してもよい。
【0033】
すなわち、本開示の文脈では、送信及び受信ポイント、基地局(BS)又はセルは、符号分割多元接続(CDMA)におけるBase Station Controller(BSC)、WCDMAにおけるノードB、LTEにおけるeNB又はセクタ(サイト)、NRにおけるgNB又はTRP等によってカバーされるエリア又は機能の一部を指す包括的な概念であると解釈されてもよい。したがって、送信及び受信ポイント、基地局(BS)及び/又はセルの概念は、さまざまなカバーエリア、例えばメガセル、マクロセル、ミクロセル、ピコセル、フェムトセル等を含んでもよい。また、このような概念は中継ノード(RN)、リモート無線ヘッド(RRH)又は無線ユニット(RU)の通信範囲を含んでもよい。
【0034】
本開示の文脈において、ユーザ端末及び送信/受信ポイントは、包括的な意味を有する2つの送信/受信主体であってもよく、本明細書に開示された技術及び技術的概念を具体化するためのものであり、特定の用語又は単語に限定されなくてもよい。また、ユーザ端末及び送信/受信ポイントは、包括的な意味を有する上りリンク又は下りリンクの送信/受信主体であってもよく、本開示に開示された技術及び技術的概念を具体化し結合するためのものであり、特定の用語又は表現に限定されなくてもよい。文中で使用される場合、アップリンク(UL)送信/受信は、データをユーザ端末から基地局に送信するスキームである。反対に、ダウンリンクリンク(DL)送信/受信は、データを基地局からユーザ端末に送信するスキームである。
【0035】
文中で使用される用語「リソース」、「送信リソース」、「リソースブロック」、「物理リソースブロック」、「アップリンクリソース」又は「ダウンリンクリソース」は、例えば端末デバイスとネットワークデバイスの間の通信等の通信を実行するための任意のリソースを指すことができる。例えば、時間領域のリソース、周波数領域のリソース、空間領域のリソース、コード領域のリソース、又は通信を実施する任意の他のリソース等である。以下では、本開示のいくつかの実施形態について、送信リソースの例示として、周波数領域及び時間領域のリソースを用いて説明する。留意すべき点として、本開示の実施形態は、他の領域の他のリソースにも同様に適用される。
【0036】
文中で使用される場合、文中で他に明記していない限り、単数形式である「1」、「1つ」及び「当該」は、複数形式を含むことを意味する。用語「含む」及びその変形は、「…を含むが、これらに限定されない」という意味の、開放式の用語であると解釈されるべきである。用語「…に基づいて」は、「少なくとも部分的に基づく」と解釈されるべきである。用語「1つの実施形態」及び「実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」と解釈されるべきである。用語「別の実施形態」は、「少なくとも1つの別の実施形態」と解釈されるべきである。用語「第1」、「第2」等は、異なるか又は同一の対象を示してもよい。以下の文中には、明示、暗示を問わず、その他の定義も含まれ得る。
【0037】
いくつかの例示において、値、プロセス又は装置は、「最適」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」等と称される。理解すべき点として、こうした説明は、使用される多くの機能の代替手段の中から、選択可能であると示すことを意図しており、こうした選択は、他の選択と比べて、より優れていたり、より小さかったり、より高かったり、又は他の態様ではより好ましかったりする必要はない。
【0038】
前述のように、カバレッジは、サービス品質やCAPEX、OPEXに直接影響するため、事業者がセルラー通信ネットワークを商用化する際に考慮する重要な要素の1つである。NRの商用化の成功にはカバレッジが重要であるにもかかわらず、NRの仕様の詳細をすべて考慮した、カバレッジの包括的な評価や従来のRATとの比較はこれまで行われていない。
【0039】
LTEと比較して、NRは、周波数範囲2(FR2)において28GHz又は39GHz等のより高い周波数で動作するように設計されている。さらに、多くの国では、3.5GHzのような周波数範囲1(FRI)でより多くのスペクトルが提供されており、これは一般的にLTE又は3Gの周波数よりも高い。周波数が高いため、無線チャネルでは経路損失が大きくなることが不可避であり、このため、従来のRATと少なくとも同等の十分なサービス品質を維持することがより困難になっている。特に重要なキーとなるモバイルアプリケーションは音声サービスであり、一般的なユーザはどこにいても常にユビキタスなカバレッジが得られることを求めている。
【0040】
FR1においてNRは、新たに割り当てられたスペクトル(例えば3.5GHz)で展開するか、又は、例えば3Gや4Gのような従来のネットワークから再度割り当てられたスペクトルで展開することができる。どちらの場合も、これらのスペクトルで音声や低速データサービス等の重要なモバイルサービスを扱う可能性が高いことを考慮すると、カバレッジが重要な問題となる。FR2については、IMT-2020提案に向けた自己評価活動の期間中、カバレッジに対し全面的な評価が行われず、またリリース16の強化においてもカバレッジは考慮されていない。これらの面で、NRのカバレッジ性能を全面的に理解するとともに、最新のNR仕様に対するサポートを考慮する必要がある。
【0041】
RAN#86では、NRカバレッジの強化がリリース17のRANの作業領域として確認されている。FR1について、カバレッジ強化のためには、都市部のシナリオ(屋外のgNBが屋内のUEにサービスを提供)と農村部のシナリオ(例えばISD=30km等、非常に長距離の農村部のシナリオを含む)を考慮しなければならない。カバレッジ強化のためには、VoIPとeMBBのサービスを考慮しなければならない。カバレッジ強化のためには、DLとULの両方を考慮しなければならない。UL(PUSCHとPUCCHを含む)のためのカバレッジ強化が、優先して考慮されなければならない。目標のデータレートは以下のとおりであることが確認されている。(1)都市部のシナリオ:DL 10Mbps、UL 1Mbps (2)農村部のシナリオ:DL 1Mbps、UL 100kbps。
【0042】
FR2について、カバレッジ強化のためには、屋内のシナリオ(屋内のgNBが屋内のUEにサービスを提供)と、都市部/郊外のシナリオ(屋外のgNBが屋外のUEにサービスを提供する場合と、屋外のgNBが屋内のUEにサービスを提供する場合)を考慮しなければならない。カバレッジ強化のためにはeMBBが考慮されるべきであり、VoIPが第2の優先事項とみなされる。カバレッジ強化のためには、DLとULの両方を考慮しなければならない。そして、どのチャネルを考慮すべきかは、評価結果によって決まる。目標のデータレートは以下のとおりであることが確認されている。(1)屋内のシナリオ:DL 25Mbps、UL 5Mbps (2)都市部のシナリオ:DL[25Mbps]、UL[5Mbps] (3)郊外のシナリオ:DL[1Mbps]、UL[50kbps]。
【0043】
カバレッジ強化に関しては、現在の3GPP仕様における既知の事実は以下のとおりである。カバレッジはLTEリリース8以降、重要な指標の1つである。リリース8以降のTTIバンドリングはカバレッジ強化に用いられるが、FDDのケースにのみ適用される。リリース8以降、TTIバンドルとTDDバンドルに関して、より多くのHARQの繰り返しが導入されている。また、仕様拡張以外に、複数のスロット間のジョイントチャネル推定等の実装強化も、カバレッジ強化に有効である。NRでは、HARQの指示の面で信号が柔軟性を有する。リリース15NR以降、TTIバンドルとTDDバンドルに関し、より多くのHARQの繰り返しがサポートされている。LTEでは、異なるサブフレームでのチャネル応答が同じアンテナポートに関連づけられるが、NRでは異なる。
【0044】
また、現在の3GPP仕様では、アンテナポートにおけるシンボルが送信されるチャネルを、同じアンテナポートにおける別のシンボルが送信されるチャネルから推測できるように、アンテナポートが定義されている。2つのアンテナポートは、一方のアンテナポートにおけるシンボルが送信されるチャネルの広域的特性(large-scale properties)が、他方のアンテナポートにおけるシンボルが送信されるチャネルから推測できる場合、疑似コロケーションされている(quasi co-located)と称される。広域的特性には、遅延分散、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、平均利得、平均遅延及び空間受信パラメータのうちの1つ又は複数が含まれる。
【0045】
また、物理チャネルについてスロット内の周波数ホッピングが上位層のパラメータにより有効とされていない場合、UE送信では、アップリンク送信用のアンテナポートのシンボルが送信されるチャネルが、同じアンテナポートの別のシンボルが送信されるチャネルから推測できるのは、その2つのシンボルが同じスロットに対応するときでなければならない。
【0046】
物理チャネルについてスロット内の周波数ホッピングが上位層のパラメータにより有効とされている場合、UE送信では、アップリンク送信用のアンテナポートのシンボルが送信されるチャネルが、同じアンテナポートの別のシンボルが送信される別のチャネルから推測することができるのは、ホッピング距離がゼロであるか否かにかかわらず、その2つのシンボルが同じ周波数ホッピングに対応する場合のみであるようにしなければならない。
【0047】
上述の従来技術に鑑みると、ネットワークデバイスと端末デバイス間の異なるスロットに関連付けられている複数のチャネルのジョイントチャネル推定をどのようにサポートするかは、今なお不明瞭である。さらに、ネットワークデバイスと端末デバイスの間で、参照信号なしのスロットでの送信(例:DMRSのない送信)をどのように示すかも明瞭ではない。また、ネットワークデバイスが端末デバイスからPUSCHを正常に受信した場合、PUSCHの繰り返しを早期に終了させる方法も不明瞭である。
【0048】
上述の技術的課題と、従来の解決手段に存在し得る他の技術的課題を解決するために、本開示の実施形態は、カバレッジ強化のための解決手段を提供する。いくつかの実施形態において、ネットワークデバイスは、例えばダウンリンク制御情報(DCI)指示又は無線リソース制御(RRC)指示を用いて、端末デバイスに、異なるスロットに関連付けられている複数のチャネル間の推測関係を通知してもよい。いくつかの他の実施形態において、ネットワークデバイスは、例えばDCI指示又はRRC指示を使用して、送信すべき参照信号がないスロット(例えば、DMRSがないスロット)を端末デバイスに通知してもよい。いくつかの別の実施形態において、ネットワークデバイスは、例えば新しいULグラントを使用して複数の送信に対する以前のULグラントを上書きする等、同じデータの複数の送信の早期終了を端末デバイスに通知してもよい。
【0049】
本開示の実施形態により、同じポート上の複数のスロットにわたってジョイントチャネル推定を実行することができ、参照信号なしのスロット(DMRSがないスロット等)は、より多くのリソースをデータ送信に用いて、通信のスループットを増加させることができる。また、UEがULの繰り返しを早期に終了させることができ、リソースが新たな送信に使用されることでUL通信のスループットを増加させることができる。したがって、本開示の実施形態は、通信のカバレッジを効果的に強化することで、通信性能を向上させる。以下、本開示の原理と実施について詳細に説明する。
【0050】
図1は、本開示のいくつかの実施形態を実施可能な通信環境100の模式図である。
図1に示すように、通信環境100は通信ネットワーク100と称されてもよく、ネットワークデバイス110のセル105に位置する端末デバイス120にサービスを提供するネットワークデバイス110を含む。特に、端末デバイス120は、通信チャネル115を介してネットワークデバイス110と通信してもよい。ネットワークデバイス110から端末デバイス120への送信の場合、通信チャネル115はダウンリンクチャネルと称されてもよく、端末デバイス120からネットワークデバイス110への送信の場合、通信チャネル115は代わりにアップリンクチャネルと称されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110及び端末デバイス120は、3GPP仕様で定義されるタイムスロット(又は単にスロットと称する)に基づいて互いに通信してもよい。例えば、サブキャリア間隔設定μに対しスロットは、サブフレーム内では昇順に
と番号付けされ、フレーム内では昇順に
と番号付けされる。1つのスロットには、
個の連続した直交周波数分割多重化(OFDM)シンボルがあり、ここで
は、関連する3GPP仕様で与えられるサイクリックプレフィックスによって決まる。サブフレーム内のスロット
の開始は、同じサブフレーム内のOFDMシンボル
の開始と時間的に揃う。スロットの他の関連する定義や情報は、既存又は将来の3GPP仕様において見出すことができる。
【0052】
端末デバイス120との通信において、ネットワークデバイス110(例えば、eNB又はgNB)は、復調参照信号(DMRS)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)、位相追跡参照信号(PT-RS)、微細な時間・周波数(fine time and frequency)の追跡参照信号(TRS)等のダウンリンク参照信号(RS)を送信してもよい。通信ネットワーク100内の端末デバイス120(例えば、ユーザ端末)は、割り当てられたリソースでダウンリンクRSを受信してもよい。また、端末デバイス120はさらに、対応する割り当てられたリソースで、ネットワークデバイス110にアップリンクRSを送信してもよい。RS用の割当リソース及び/又は他の必要な情報を示すために、ネットワークデバイス110は、RSの送信に先立ち、端末デバイス120にRS設定を送信してもよい。
【0053】
文中で使用される場合、RSは、ネットワークデバイス110と端末デバイス120の両方にとって既知の信号シーケンス(「RSシーケンス」とも称される)である。例えば、ネットワークデバイス110が一定のルールに基づいてRSシーケンスを生成して送信し、端末デバイス120が同じルールに基づいてRSシーケンスを導き出してもよい。ダウンリンク及びアップリンクのRS送信において、ネットワークデバイス110は、対応するリソース(「RSリソース」とも称される)を送信のために割り当て、且つ/又はどのRSシーケンスを送信するかを指定してもよい。
【0054】
いくつかのシナリオにおいて、ネットワークデバイス110と端末デバイス120の両方は複数のアンテナポート(又はアンテナ素子)を備えており、アンテナポート(アンテナ素子)を使用して、指定されたRSシーケンスを送信することができる。さらに、複数のRSポートに関連付けられているRSリソースセットが指定されている。RSポートは、RSシーケンスの一部又は全部を、時間領域、周波数領域及び/又はコード領域のうちRS送信のために割り当てられたリソース領域の1つ又は複数のリソース要素(RE)にマッピングする特定のマッピングと称されてもよい。このようなリソース割当て情報は、RSの送信に先立って、端末デバイス120に示されてもよい。
【0055】
理解すべき点として、
図1に示した端末デバイスの数及びネットワークデバイスの数は、説明のためのものにすぎず、何らかの限定を意味するものではない。通信環境100は、任意の適切な数の端末デバイス、任意の適切な数のネットワークデバイス、及び本開示の実施形態を実施するのに適した任意の適切な数の他の通信デバイスを含んでもよい。
【0056】
また、すべての通信デバイスの間には、(必要に応じて)さまざまな無線通信及び有線通信が存在してもよいことを理解されたい。さらに留意すべき点として、
図1では、ネットワークデバイス110が基地局として模式的に描かれ、端末デバイス120が携帯電話として模式的に描かれているが、これらの描写は単なる例示であり、何らかの限定を意味するものではないことを理解されたい。他の実施形態において、ネットワークデバイス110は任意の他の無線ネットワークデバイスであってもよく、端末デバイス120は任意の他の無線通信デバイスであってもよい。
【0057】
通信環境100における通信は、任意の適切な規格に適合させることができる。ここで任意の適切な規格には、移動通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、Extended coverage GSM IoT(EC-GSM-IoT)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTE Evolution、LTE-アドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、GSM/EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)等が含まれるが、これらに限定されない。また、現時点で既知の、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに基づき、通信を実行してもよい。通信プロトコルの例として、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。
【0058】
図2は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間の例示的な通信プロセス200を示す。議論を目的として、
図1を参照して通信プロセス200を説明する。しかしながら、通信プロセス200は、ネットワークデバイスと端末デバイスが互いに通信する任意の他の通信シナリオにも同様に適用してもよいことを理解されたい。
【0059】
図2に示すように、ネットワークデバイス110は、第1スロットに関連付けられている第1チャネルと、第2スロットに関連付けられている第2チャネルとが相互に推測可能であるか否かを決定する(210)。文中で使用される場合、第1チャネルは、第1スロット期間でのネットワークデバイス110と端末デバイス120との間のチャネルを指してもよく、第2チャネルは、第2スロット期間でのネットワークデバイス110と端末デバイス120との間のチャネルを指してもよい。一般に、ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間のチャネルは時間と共に変化するので、第1スロットに関連付けられている第1チャネルは、第2スロットに関連付けられている第2チャネルと異なっていてもよい。
【0060】
例えば、第1チャネルと第2チャネルとの差は、ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間の物理無線チャネルの経時変化、ネットワークデバイス110の送信/受信要素(RF要素等)の経時変化、端末デバイス120の送信/受信要素(RF要素等)の経時変化等に起因する可能性がある。したがって、ネットワークデバイス110と端末デバイス120は、通常、異なるスロットに関連付けられている第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であるとみなすことはできない。その結果、第1チャネルと第2チャネルは、ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間で通信を実行する統一的な複合チャネルとして使用することができない。例えば、第1チャネルと第2チャネルは、ネットワークデバイス110又は端末デバイス120によって個別に推定しなければならない可能性がある。
【0061】
この問題を解決するために、本開示のいくつかの実施形態によれば、異なるスロットの(又は異なるスロット間の)チャネル間の新たな状態を導入し、「推測可能」と称することができ、これは、あるスロットのあるチャネルが別のスロットの別のチャネルから推測可能であることを意味する。ネットワークデバイス110が、新たな推測可能な状態を利用して、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であると決定し、端末デバイス120に通知した場合、ネットワークデバイス110と端末デバイス120はどちらも、第1スロットと第2スロットでの送信/受信パラメータを変更してはならない。同時に、ネットワークデバイス110と端末デバイス120はどちらも、両者間の物理的な無線チャネルが変更されていないとみなすことができる。このように、第1チャネルと第2チャネルを同じ又は類似であるとみなしてもよいので、第1チャネル及び第2チャネルの一方を他方から推測することができる。
【0062】
より具体的には、新たな推測可能な状態を用いることで、スロット内で周波数ホッピングが有効でない場合に、UE送信では、アップリンク送信用のアンテナポートのシンボルが送信されるチャネルが、同じアンテナポートの別のシンボルが送信されるチャネルから推測できるのは、その2つのシンボルが同じスロットに対応する場合、又は、推測可能と示された異なるスロットにその2つのシンボルが対応する場合であるようにしてもよい。
【0063】
反対に、スロット内の周波数ホッピングを有効とする場合、UE送信では次のようにしてもよい。アップリンク送信用のアンテナポートのシンボルが送信されるチャネルが、同じアンテナポートの別のシンボルが送信される別のチャネルから推測することができるのは、ホッピング距離がゼロであるか否か、又は、推測可能であると示された異なるスロットの同じホッピングインデックスにその2つのシンボルが対応するか否かにかかわらず、その2つのシンボルが同じ周波数ホッピングに対応する場合のみである。
【0064】
引き続き
図2を参照すると、第1チャネルと第2チャネルとの間に推測関係が存在するか否かを決定した(210)後、ネットワークデバイス110は、情報225を端末デバイス120に送信する(220)。情報225は、第1チャネルと第2チャネルがネットワークデバイス110によって相互に推測可能に設定されているか否かを示すことができる。例えば、ネットワークデバイス110が、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であると決定した(210)場合、情報225は、第1チャネルと第2チャネルとの間に推測関係が存在することを示してもよい。反対に、ネットワークデバイス110が、第1チャネルと第2チャネルとが相互に推測可能ではないと決定した(210)場合、情報225は、第1チャネルと第2チャネルとの間に推測関係が存在しないことを示してもよい。他の実施形態では、第1チャネルと第2チャネルとの間の推測関係に加えて、情報225は、他のチャネル間の推測関係を示してもよい。この情報225の例示については、後で詳しく説明する。
【0065】
一般に、ネットワークデバイス110は、任意の適切な方法で端末デバイス120に情報225を送信してもよい。例えば、新たに定義した専用メッセージ等の特別に設計したシグナリングを使用して、情報225を端末デバイス120に送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイスと端末デバイスとの間の既存のシグナリングを使用して情報225を搬送してもよい。例えば、情報225は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのDCIに含まれてもよい。別の例示として、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのRRCメッセージが情報225を含んでもよい。これらの例示についても、より詳細に後述する。
【0066】
引き続き
図2を参照すると、ネットワークデバイス110から情報225を受信した(230)後、端末デバイス120は、情報225に基づいて、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であるか否かを決定する(240)。特に、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であることを情報225が示す場合、端末デバイス120は、この2つのチャネル間に推測関係が存在すると決定することができる。この場合、端末デバイス120は、2つのチャネルが相互に推測可能であることを確実にするために、第1スロットと第2スロットの間でその送信/受信パラメータを変更しないようにしてもよい。逆に、情報225が、第1チャネルと第2チャネルとが相互に推測可能でないことを示す場合、端末デバイス120は、この2つのチャネル間に推測関係が存在しないと決定することができる。この場合、必要であれば、端末デバイス120は、第1スロット期間と比して、第2スロット期間において異なる送信/受信パラメータを使用してもよい。
【0067】
第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であると決定した(240)場合、端末デバイス120は、推測関係に基づいて、第1チャネル及び第2チャネルでネットワークデバイス110との通信255を実行する(260)。また、ネットワークデバイス110の側から見ると、ネットワークデバイス110が、推測関係に基づいて第1チャネル及び第2チャネルで端末デバイス120との通信255を実行する(250)と言ってもよい。例えば、第1チャネル及び第2チャネルは、ネットワークデバイス110及び端末デバイス120によって、両者間の通信255を実行するために、統一的な複合チャネルとして用いられてもよい。その結果、通信プロセスが簡略化され、通信255の性能が向上する。
【0068】
通信255は、端末デバイス120からネットワークデバイス110へのアップリンク送信と、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのダウンリンク送信とを含んでもよいことに留意されたい。すなわち、第1チャネル及び第2チャネルが端末デバイス120からネットワークデバイス110へのアップリンクチャネルである場合、端末デバイス120は、第1チャネルと第2チャネルとの間の推測関係に基づいて、ネットワークデバイス110へのアップリンク送信を実行することができる。
【0069】
このようなアップリンク送信の一例として、端末デバイス120は、第1スロット及び第2スロットの一方又は両方において、DMRS等の参照信号セットをネットワークデバイス110に送信することができる。第1スロット及び第2スロットの一方又は両方において端末デバイス120から参照信号セットを受信した場合、ネットワークデバイス110は、参照信号セットに基づいて第1チャネル及び第2チャネルに対しジョイントチャネル推定を実行してもよい。
【0070】
文中で使用される場合、ジョイントチャネル推定は通常、本分野で既知の意味を有し、これは、例えば、第1スロット及び第2スロットにおける参照信号を共に使用して、第1チャネル及び第2チャネルの一方又は両方についてチャネル推定を実行することができることを意味する。逆に、第1チャネルと第2チャネルを互いに推測できない場合、すなわち第1チャネルと第2チャネルのジョイントチャネル推定が不可能である場合、第1スロットと第2スロットの参照信号を共に使用できず、第1チャネルと第2チャネルを個別に推定する必要があることを意味する。
【0071】
端末デバイス120が、第1スロット及び第2スロットの一方又は両方において、ネットワークデバイス110に参照信号セットを送信し、また他のスロットにおいて他の参照信号を送信するには、さまざまな方法が可能である。例えば、端末デバイス120は、第1スロット及び第2スロットの一方のスロットにおいて当該参照信号セットを送信し、他方のスロットにおいて参照信号を送信しないようにしてもよい。別の例示として、端末デバイス120は、ゼロ電力を使用していくつかの参照信号を送信してもよい。別の例示として、端末デバイス120は、いくつかのスロットにおいて、より多くの参照信号を送信することができる。さらに別の例示では、利用可能な周波数領域リソースの一部が、この参照信号セットの送信に用いられる。これら全ての例示については、後で詳しく説明する。
【0072】
一方、第1チャネル及び第2チャネルがネットワークデバイス110から端末デバイス120へのダウンリンクチャネルである場合、ネットワークデバイス110は、第1チャネルと第2チャネルとの間の推測関係に基づいて、端末デバイス120へのダウンリンク送信を実行することができる。このようなダウンリンク送信の例示として、ネットワークデバイス110は、第1スロット及び第2スロットの一方又は両方において、端末デバイス120に参照信号セットを送信してもよい。端末デバイス120は、第1スロット及び第2スロットの一方又は両方においてネットワークデバイス110から参照信号セットを受信した場合、参照信号セットに基づいて第1チャネル及び第2チャネルに対してジョイントチャネル推定を実行してもよい。
【0073】
ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間の通信255の性能が改善されるように、ネットワークデバイス110又は端末デバイス120は、通信プロセス200を利用して複数のスロットにおいて、例えば同じアンテナポート上でジョイントチャネル推定を行うことができる。以下、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間のアップリンク通信を例として、本開示のさまざまな、より多くの実施形態について説明する。しかしながら、本開示の実施形態は、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間のダウンリンク通信にも同様に適用されることを理解されたい。
【0074】
上述したように、いくつかの実施形態において、情報225は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのDCIに含まれてもよい。こうすることで、第1チャネルと第2チャネルとの間や、異なるスロットに関連付けられている可能な他のチャネル間の推測関係を、ネットワークデバイス110によって比較的動的な方法で設定することができる。例えば、このようなDCIは、第1スロット及び第2スロットの1つにおいてネットワークデバイス110への送信を実行するように端末デバイス120をスケジューリングするDCIであってもよい。すなわち、ネットワークデバイス110は、DCIを使用して端末デバイス120に、第1スロットにおいてネットワークデバイス110へのアップリンク送信を実行するように指示する。あるいは、ネットワークデバイス110は、DCIを使用して、端末デバイス120に第2スロットにおいてネットワークデバイス110へのアップリンク送信を実行するように指示する。いずれの場合も、DCIは、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であるか否かを示す情報225を含んでもよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、情報225は、DCI内のビットによって示してもよい。例えば、現在のスロットをスケジューリングするDCIの1つビットが、現在のスロットと前のスロット又は次のスロットとの間の推測可能な状態を示すために用いられてもよい。特に、当該ビットの値「0」は、前のスロットから現在のスロットを推測できること、又は現在のスロットから次のスロットを推測できることを示してもよい。当該ビットの値「1」は、前のスロットから現在のスロットを推測できないこと、又は現在のスロットから次のスロットを推測できないことを示してもよい。理解すべき点として、ビットの特定の値は説明のためのものにすぎず、何らかの限定を意味するものではない。他の実施形態では、任意の他の適切なビット値を使用して、チャネル又はスロット間の任意の他の推測可能な状態を示すことができる。
【0076】
情報225が第1スロット又は第2スロットに関連付けられているDCIに含まれる場合、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からDCIを受信した後、DCIのビットに基づいて、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であるか否かを決定することができる。このように、隣り合う2つのスロット間の推測関係を、柔軟に設定することができる。また、一連のスロットをスケジューリングする一連のDCIに含まれるこのような情報を使用して、当該一連のスロットが相互に推測可能であることを示すことにより、2つより多いスロット間の推測関係に関する指示を避けることができる。
【0077】
いくつかの他の実施形態において、情報225は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのDCI内の1つのビットを使用するのではなく、DCI内の複数のビットによって示されてもよい。特に、これらのビットは、RRCメッセージで示された複数の推測関係設定のうち、対象の推測関係設定を示すことができる。複数の推測関係設定は、第1チャネル及び第2チャネルを含む、異なるスロットに関連付けられている複数のチャネル間の推測関係を示してもよい。対象の推測関係設定は、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であるか否かを示してもよい。
【0078】
例えば、ネットワークデバイス110は、DCIにおいてx個のビットを使用して対象の推測関係設定を示すことができ、また、xはRRCメッセージを介して設定することができる。このように、RRCメッセージによって、対象の推測関係設定を示すためのビットマップのオーバーヘッドを柔軟に制御することができる。特に、当該ビットマップ(又はフィールド)のビット幅は、log2(I)ビットとして決定されてもよく、上位層のパラメータが設定されている場合、Iは、上位層のパラメータ「pusch-SlotInferableList」のエントリ数であってもよい。例えば、パラメータ「pusch-SlotInferableList」は、設定された推測可能なパターンを列挙する「pusch-SlotInferable」のエントリで構成することができる。いくつかの実施形態において、「pusch-SlotInferable」の機能は類似しており、例として、次のn個のスロットを現在のスロットから推測することができる、推測可能の情報が別のDCIで示される等である。
【0079】
情報225がDCI内の複数のビットによって示される場合、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からDCIを受信すると、DCI内のビットに基づいて対象の推測関係設定を決定し、対象の推測関係設定に基づいて、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能か否かを決定してもよい。このように、複数のチャネル又はスロット間の推測関係のより複雑な指示を実現することができる。
【0080】
上述のように、いくつかの実施形態において、情報225は、DCIを使用せずに、その代わりRRCメッセージに含めることができる。こうすることで、第1チャネルと第2チャネルとの間や、異なるスロットに関連付けられている他の可能なチャネル間の推測関係について、比較的静的な指示が実現される。例えば、RRCメッセージの情報225は、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間の、異なるスロットに関連付けられている全てのチャネルが相互に推測可能であることを示してもよい。より具体的には、RRCメッセージの情報225は、端末デバイス120及びネットワークデバイス110に関連付けられているすべてのULスロットが推測可能であることを示してもよい。このように、異なるスロットに関連付けられているチャネル間の推測関係を大幅に簡略化することができる。
【0081】
あるいは、RRCメッセージ内の情報225は、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間の、異なるスロットに関連付けられているチャネルセットが相互に推測可能であることを示してもよい。例えば、RRCメッセージ内の情報225は、端末デバイス120及びネットワークデバイス110に関連付けられているいくつかのULスロットセットが相互に推測可能であることを示してもよい。このように、異なるスロットに関連付けられているチャネル間の推測関係の柔軟性を高めることができる。
【0082】
あるいは、RRCメッセージ内の情報225は、アップリンクグラントによりスケジューリングされた複数のスロットに関連付けられている複数のチャネルが相互に推測可能であることを示してもよい。例えば、RRC内の情報225は、1つのULグラントにおけるスロットのみが相互に推測可能であり、1つのULグラントにおけるスロットは別のULグラントにおける他のスロットから推測できないことを示してもよい。ULグラントは動的なグラント又は設定済みのグラントであり得る。さらに、ULグラントでは、アグリゲーション(繰り返し)又はマルチスロットのスケジューリングを許可することができる。このように、同じグラントでスケジューリングされた送信用の複数のスロットが、相互に推測可能に設定されることが可能となり、これによって送信性能を高めることができる。
【0083】
上記に示したように、第1チャネルと第2チャネルや、異なるスロットに関連付けられている他の可能なチャネルが、互いに推測可能であるという条件の下で、端末デバイス120は、さまざまな可能な方法のうちの1つで、第1スロット及び第2スロットの一方又は両方において参照信号セット(DMRS等)を送信することができる。例えば、あるスロットにおいて、より少ないDMRSを送信するか、又はDMRSを送信しなくてもよい。その結果、DMRSのオーバーヘッドが削減するので、より多くのリソースとエネルギーをデータチャネルに用いることができ、また、カバレッジにとって有益である。より具体的には、1つのPUSCH復調に用いられる連続スロットのDMRSを使用して、BSのためにUEの動作を指定することができ、これにより、スロットあたりのDMRSオーバーヘッドを低減することも可能である。
【0084】
したがって、いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、第1スロットと第2スロットのうちの一方のみにおいて当該参照信号セットを送信することができ、他方のスロットではいかなる参照信号も送信しない。例えば、端末デバイス120は、第1スロットにおいて当該参照信号セットを送信し、第2スロットでは参照信号を送信しなくてもよい。したがって、ネットワークデバイス110は、第1スロットで参照信号を受信し、第2スロットでは参照信号を受信しなくてもよい。このように、第2スロットがデータ送信用により多くのリソースを有してもよく、スループットを増加させてもよい。
【0085】
参照信号がDMRSの場合、DMRSが送信されないスロットをDMRSなしスロットと称してもよい。DMRSなしスロットではDMRSは送信されないが、DMRSなしスロットに関連付けられているチャネルは、別のスロットから推測することができる。これは、スロット間の推測可能についての指示を使用して示されてもよい。あるいは、スロットがDMRSなしスロットとして設定された場合、DMRSなしスロットのチャネルは、その隣接するスロットから推測できるように暗黙的に設定される。
【0086】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、1つ又は複数のスロット(例えば、前述の第1スロットと第2スロットのうちの第2スロット)において送信する参照信号がないことを示す指示を、端末デバイス120に送信してもよい。したがって、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からの指示を受信した後、第1スロットでのみ参照信号セットを送信し、第2スロットで参照信号を送信しなくてもよい。このように、ネットワークデバイスは、参照信号なしスロットの存在と位置を有効に設定し、管理することができる。
【0087】
例えば、比較的静的な指示を実現するために、こうした参照信号なしのスロットの指示をRRCメッセージに含めることができる。より具体的には、マルチスロットPUSCH送信のスロットにおけるPUSCH送信は、マルチスロットPUSCH送信のいくつかのスロットがDMRSなしであることを示すために、DMRSなしのパターン(例えばビットマップ)によって設定することが可能である。DMRSなしスロットのRRC指示は、マルチスロットPUSCH送信のスロットのチャネルが相互に推測可能であることを意味する。こうすることで、同じRRCメッセージで、送信実行用スロットを示し、これらのスロットのうちどのスロットが参照信号なしのスロットであるかを示すこともできる。RRCメッセージに含まれるこのような指示の例示について、
図3を参照しながら以下でより詳細に説明する。
【0088】
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、異なるスロット310、320、330で参照信号を送信するためのリソースパターン300の例を示す。
図3では、横軸が時間領域、縦軸が周波数領域を表す。図示するように、スロット310、スロット320及びスロット330は、それぞれ複数のリソースを含み、各リソースは図中、ブロックで表される。いくつかの実施形態において、リソースは、3GPP仕様で定義されるリソース要素であってもよく、時間領域でのOFDMシンボル及び周波数領域でのサブキャリアに対応していてもよい。
【0089】
図3の例示では、スロット310が上述の第1スロットであり、スロット320が上述の第2スロットであると仮定し、スロット330は第3スロットと称されてもよい。また、端末デバイス120が第1スロット310、第2スロット320及び第3スロット330でアップリンク送信を実行するようにネットワークデバイス110がスケジューリングすると仮定する。この場合、ネットワークデバイス110は、端末デバイスに対してRRCメッセージを送信することができる。RRCメッセージは、端末デバイス120がネットワークデバイス110に対する複数の送信を実行する第1スロット310、第2スロット320及び第3スロット330を示す。さらに、RRCメッセージは、ネットワークデバイス110によって参照信号なしのスロットとして設定される第2スロット320を示すビットマップを含んでもよい。例示として、
図3のシナリオにおいて、ビットマップは{1,0,1}であってもよい。ビットマップの特定の値は単に説明のためのものであり、何らかの限定を意味するものでもないことを理解されたい。他の実施形態において、任意の他の適切な値が可能である。
【0090】
対応して、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からRRCメッセージを受信し、その後、RRCメッセージからビットマップ(例えば、ビットマップ{1,0,1})を取得してもよい。ビットマップに基づいて、端末デバイス120は、第1スロット310及び第3スロット330において参照信号が送信され、第2スロット320において参照信号が送信されないことを知ることができる。その後、端末デバイス120は、第1スロット310においてリソースセット311を使用して参照信号(DMRS等)を送信し、第3スロット330においてリソースセット331を使用して参照信号(DMRS等)を送信してもよく、また、第2スロット320において参照信号を送信しなくてもよい。参照信号を送信するための特定のリソースセット311、331は、単に説明のためのものであり、何らかの限定を意味するものではないことを理解されたい。他の実施形態では、参照信号を送信するために、スロット内の任意の他の適切なリソースセットを用いることができる。
【0091】
いくつかの他の実施形態では、比較的動的な指示を実現するために、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのDCIに、参照信号なしのスロットの指示を含めることができる。例えば、DCIの既存フィールドの未使用値を用いて、参照信号なしのスロットを示すことができる。より具体的には、3GPP仕様で定義された、(複数の)アンテナポートに関連付けられているテーブルを、以下の表1に示すように、(複数の)アンテナポート用のビットを再利用して再定義することができる。表1において、フィールド「データなしのDMRS CDMグループの数」の値「1」、「2」、「3」は、CDMグループ{0}、{0,1}、{0,1,2}を指し、このフィールドの新たに定義した値「0」は、DMRSなしスロット等、参照信号なしのスロットを指してもよい。これにより、参照信号なしのスロットを示すことによる既存規格への影響を最小化することができる。
表1 アンテナポートのビットの再利用
【0092】
いくつかの実施形態において、別の新しく定義されたテーブルは、参照信号のある/ないスロット、及び当該スロットと別のスロットとの間の推測可能関係を示すための、コード化されたビット又はフィールドの組合せを有してもよい。例えば、テーブル内のいくつかのインデックスは、参照信号(DMRS等)を有し、別のスロットから推測できない通常のスロットを示すことができ、テーブル内のいくつかのインデックスは、参照信号(DMRS等)を有し、別のスロットから推測できる通常のスロットを示してもよく、テーブル内のいくつかのインデックスは、参照信号を有さず、別のスロットから推測できるスロット(DMRSなしスロット等)を示してもよい等々である。このように、チャネル間の推測関係のための指示と、参照信号がある/ないスロットのための指示を組み合わせることで、指示のオーバーヘッドを削減することができる。
【0093】
別の例示として、DCIの既存のフィールドを再利用する代わりに、DCIの新しいビットを使用して、DCIに関連付けられている現在のスロットが、参照信号なしのスロット、例えばDMRSなしスロットであると示してもよい。すなわち、前述の第1スロット及び第2スロットについて、当該ビットの事前定義値(例えば、値「0」又は「1」)で、第2スロットで送信すべき参照信号がないことを示すことができる。こうすることで、参照信号なしのスロットをより明瞭且つ明確に示すことができる。
【0094】
既存のフィールドの場合と新規ビットの場合、第2スロットにおいて送信する参照信号がないことを示すために、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120にDCIを送信してもよい。DCIは、第2スロットにおいてネットワークデバイス110への送信を実行するように端末デバイス120をスケジューリングするものである。DCIでは、既存フィールドの未使用値又はビットの事前定義値により、第2スロットが参照信号なしのスロットであることを示すことができる。したがって、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からDCIを受信した後、DCI内の既存フィールドの未使用値又はビットの事前定義値を決定して、第2スロットで送信される参照信号がないことを知ることができる。
【0095】
いくつかの実施形態において、第1スロット及び第2スロットの一方又は両方において参照信号セットを送信する可能な方法として、端末デバイス120は、ゼロ電力を使用して、第2スロットにおいて参照信号セットのサブセットをネットワークデバイス110に送信することができる。したがって、ネットワークデバイス110は、ゼロ電力を使用して参照信号セットのサブセットを送信するために端末デバイス120が使用するリソースにおける干渉信号を推定してもよいので、チャネル推定の精度が向上する。
【0096】
言い換えれば、いくつかの参照信号(例えばDMRS)の送信電力をゼロにしてもよい。これは3GPP仕様で定義されたゼロ電力CSI-RSと同様のものとすることができる。1つのスロットでのDMRSなし送信の場合、そのスロットのチャネル応答は別のスロットから推測することができるが、各スロットの干渉信号は変化する可能性があることに留意されたい。したがって、ゼロ電力DMRSは、特定のスロットにおける干渉信号を推定し、そのスロットにおけるチャネルをより正確に推定するために用いることができる。また、参照信号に用いられるリソースのオーバーヘッドを減らすために、ゼロ電力の参照信号の数を通常の参照信号よりも少なくすることができることに留意されたい。
【0097】
いくつかの実施形態において、第1スロット及び第2スロット並びに可能な他のスロットが相互に推測可能である場合、第1スロット及び第2スロットの一方又は両方で送信される参照信号の量が、より大きな柔軟性を有してもよい。この柔軟性をサポートするために、ネットワークデバイス110は、参照信号セット以外に、他の参照信号も送信するように端末デバイス120に指示することができる。例えば、参照信号セットは、端末デバイス120からネットワークデバイス110に送信されるように予め決定されているか、又は初期設定されている参照信号であってもよい。こうすることで、参照信号なしのスロットを示すことなく、各スロットで柔軟な参照信号の量を実現することで、既存規格への影響を最小化することができる。このような実施形態の例示について、
図4を参照しながら以下で詳細に説明する。
【0098】
図4は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、異なるスロット310、320、330で参照信号を送信するためのリソースパターン400の別の例を示す。
図4では、横軸が時間領域、縦軸が周波数領域を表す。図示するように、スロット310、スロット320及びスロット330は、それぞれ複数のリソースを含み、各リソースは図中、ブロックで表される。いくつかの実施形態において、リソースは、3GPP仕様で定義されるリソース要素であってもよく、時間領域でのOFDMシンボル及び周波数領域でのサブキャリアに対応していてもよい。
【0099】
図4の例示では、スロット310が上述の第1スロットであり、スロット320が上述の第2スロットであると仮定し、スロット330は第3スロットと称されてもよい。また、第1スロット310のリソースセット311と第2スロット320のリソースセット321は、第1スロット310及び第2スロット320の一方又は両方において上記参照信号セットの送信に用いられると仮定している。ネットワークデバイス110は、参照信号セットの以外に、第1スロット310でリソースセット318を使用して他の参照信号も送信するよう端末デバイス120に指示してもよい。同様に、端末デバイス120は、第3スロット330のリソースセット331で参照信号を送信するように予め決定されているか又は初期設定されており、ネットワークデバイス110は、第3スロット330においてリソースセット338を使用して他の参照信号を送信するように端末デバイス120に指示してもよいと仮定する。
【0100】
特に、第1スロットと第2スロットの一方又は両方で送信される参照信号セットに関して、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120から、参照信号セット以外に、予め決定されるか又は初期設定された他の参照信号もネットワークデバイス110に送信させるために、第1スロット及び第2スロットのうちの少なくとも1つ(
図4の例示では第1スロット310)における他の時間領域リソース(例えば、リソースセット318)の指示を端末デバイス120に送ってもよい。したがって、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から他の時間領域リソース(例えば、リソースセット318)の指示を受信し、その後、他の時間領域リソース(例えば、リソースセット318)を使用して、参照信号セット以外に、他の参照信号もネットワークデバイスに送信してもよい。ネットワークデバイス110は、他の時間領域リソース(例えば、リソースセット318)を使用して、第1スロット及び第2スロットの少なくとも1つ(
図4の例示では第1スロット310)において、端末デバイス120から他の参照信号を受信してもよい。
【0101】
このような指示の例示として、端末デバイス120が第1スロット310、第2スロット320及び第3スロット330でアップリンク送信を実行するように、ネットワークデバイス110がRRCメッセージを使用してスケジューリングすると仮定する。この場合、RRCメッセージのビットマップが、他の参照信号を送信するための他の時間領域リソースを示すのに用いられてもよい。例えば、RRCメッセージの「DMRS-AdditionalPosition」(DMRS-追加位置)フィールド(又はリスト)は、複数のスロットにおける他の参照信号のパターンを示すことができる。より具体的には、
図4に示す例示では、RRCメッセージの「DMRS-AdditionalPosition」(DMRS-追加位置)は、追加の時間領域リソースセットが第1スロット310及び第3スロット330で参照信号を送信するために用いられることを示すために、{pos1、pos0、pos1}であってもよい。すなわち、「pos1」、「pos0」、「pos1」のそれぞれの数は、対応するスロットで参照信号を送信するために用いられる、当該スロットの時間領域リソースの追加の行数を示すことができる。
【0102】
いくつかの実施形態において、第1スロット及び第2スロットの一方又は両方において参照信号セットを送信する別の可能な方法として、端末デバイス120は、周波数領域におけるリソースパターンを使用して、第1スロット及び第2スロットの1つにおいて参照信号を送信してもよい。例えば、ネットワークデバイス110は、周波数領域におけるリソースパターンを表すビットマップを使用して、DMRSといった参照信号の存在を示してもよい。このように、参照信号の送信に用いられるリソースの選択が、周波数領域においてより大きい柔軟性を有してもよい。このような実施形態の例示について、
図5を参照しながら以下でより詳細に説明する。
【0103】
図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、異なるスロット310、320で参照信号を送信するためのリソースパターン500の別の例を示す。
図5では、横軸が時間領域、縦軸が周波数領域を表す。図示するように、スロット310及びスロット320は、それぞれ複数のリソースを含み、各リソースは図中、ブロックで表される。いくつかの実施形態において、リソースは、3GPP仕様で定義されるリソース要素であってもよく、時間領域でのOFDMシンボル及び周波数領域でのサブキャリアに対応していてもよい。
【0104】
図5の例示では、スロット310が上述の第1スロットであり、スロット320が上述の第2スロットであると仮定する。ネットワークデバイス110は、第1スロット310における第1周波数領域リソースセット510を使用して前記参照信号セットの第1サブセット515を送信するように端末デバイス120に指示することができる。この特定の例示において、第1周波数領域リソースセット510は奇数の周波数領域リソースであってもよい。
【0105】
特に、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120が参照信号の第1サブセット515をネットワークデバイス110に送信するために、第1スロット310内の第1周波数領域リソースセット510の指示を端末デバイス120に送信してもよい。したがって、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から第1スロット310内の第1周波数領域リソースセット510の指示を受信し、その後、第1周波数領域リソースセット510を使用して第1スロット310においてネットワークデバイス110に参照信号の第1サブセット515を送信することができる。したがって、ネットワークデバイス110は第1周波数領域リソースセット510を使用して第1スロット310において端末デバイス120から参照信号の第1サブセット515を受信してもよい。
【0106】
いくつかの実施形態において、参照信号(DMRS等)の存在は、スロットごとにホッピングすることができる。すなわち、第1スロットにおいて参照信号を送信するために用いられる周波数領域リソースセットを、第2スロットにおいて参照信号を送信するために用いられる周波数領域リソースセットと異なるようにすることができる。このように、異なるスロットでの異なる周波数領域リソースを選択して参照信号の送信に用いることで、複数のスロットにおける周波数領域でのチャネル推定を向上させることができる。
【0107】
特に、引き続き
図5を参照すると、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120から参照信号セットの第2サブセット525をネットワークデバイス110に送信させるために、第2スロット320内の第2周波数領域リソースセット520の指示を端末デバイス120に送信してもよい。図示されるように、第2周波数領域リソースセット520は第1周波数領域リソースセット510と異なる。この特定の例示において、第2周波数領域リソースセット520は偶数の周波数領域リソースであってよい。
【0108】
したがって、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からの指示を受信し、その後、第2周波数領域リソースセット520を使用して第2スロット320においてネットワークデバイス110に参照信号の第2サブセット525を送信することができる。したがって、ネットワークデバイス110は第2周波数領域リソースセット520を使用して第2スロット320において端末デバイス120から参照信号の第2サブセット525を受信してもよい。
【0109】
図6は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間の別の例示的な通信プロセス600を示す。議論を目的として、
図1を参照して通信プロセス600を説明する。しかしながら、通信プロセス600は、ネットワークデバイスと端末デバイスが互いに通信する任意の他の通信シナリオにも同様に適用してもよいことを理解されたい。
【0110】
図6に示すように、端末デバイス120は、同じデータの複数の送信の一部615をネットワークデバイス110に送信する(610)。例えば、アップリンク送信のカバレッジを強化するために、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110によって、アップリンクの繰り返し、すなわち、同じデータをネットワークデバイス110に所定の回数だけ送信するようにスケジューリングされてもよい。例示的な通信プロセス600では、端末デバイス120からネットワークデバイス110への複数の送信が進行中であり、完了していないので、複数の送信の一部615のみが実行され、複数の送信の残りは実行されていないことに留意されたい。
【0111】
引き続き
図6を参照すると、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間の同じデータの複数の送信が完了しておらず、複数の送信のうち残りの送信が停止されると決定する(630)。例えば、ネットワークデバイス110は、予期したデータを当該一部615によって正常に受信したため、複数の送信のうち残りの送信が不要となった可能性がある。いくつかの他の実施形態において、ネットワークデバイス110は、任意の他の理由で複数の送信のうち残りの送信が停止されると決定してもよく、例えば、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120からのデータを受信しないと決定してもよい。
【0112】
ネットワークデバイス110は、複数の送信のうち残りの送信が停止されると決定した(630)後、複数の送信の早期終了の指示645を端末デバイス120に送信する(640)。端末デバイス120は、指示645を受信した(650)ときに、複数の送信が完了していない場合、複数の送信のうち残りの送信が停止されると決定する(660)。通信プロセス600により、UEは残りの予定されたULの繰り返しをスキップすることができる。また、リソースを新たな送信のために使用することができるので、ULスループットが増加する。このように、早期終了により不要な送信を回避し、ULリソースを節約できるため、カバレッジが制約されるUEをより多くサポートすることができる。
【0113】
一般に、ネットワークデバイス110は、任意の適切な方法で端末デバイス120に指示645を送信してもよい。例えば、ネットワークデバイス110は、複数の送信の早期終了のために明示的な終了指示を送信してもよい。文中で使用されるように、明示的な終了指示は完了指示と称してもよい。実際には、早期終了メカニズムがUEの上位層により設定されている(又は有効とされている)場合、UEはBSからアップリンクの繰り返しの完了指示を受信すると、アップリンクの繰り返しを停止してもよい。
【0114】
他のいくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、暗黙の方法で指示645を送信することができる。例えば、ネットワークデバイス110は、DCIを使用して、同じデータの複数の送信を暗黙の方法で終了させることができる。DCIは、第1期間においてネットワークデバイス110への新たな送信を実行するように端末デバイス120をスケジューリングしてもよい。第1期間は複数の送信のうち残りの送信を実行するための第2期間と重複する。
【0115】
現在の3GPP仕様に規定されているように、所定のスケジューリングされたセル内の(複数の)任意のHARQプロセスIDについて、UEが、別のPUSCHと時間的に重複するPUSCHを送信することは期待されていないことに留意されたい。したがって、早期終了メカニズムが上位層によって設定されている場合、UEは、繰り返し用のPUSCHと時間的に重複するPUSCH送信のULグラントを受信すると、繰り返しを停止してULグラントでスケジューリングされた送信を実行してもよい。いくつかのシナリオにおいてUEは、ULグラントを復号した後に繰り返しを停止することができ、これは、許可されたPUSCHに先行する可能性がある。すなわち、UEが繰り返しを早期に終了させる能力を有する場合、UEは繰り返し用のアップリンクグラントを書き換えることができる。
【0116】
あるいは、同じデータの複数の送信を暗黙的に終了させるために、ネットワークデバイス110は、重複する送信をスケジューリングする上述のDCIとは異なる別のDCIを送信してもよい。複数の送信をスケジューリングする前のDCIと比べると、この異なるDCIは、同じハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセス番号(ID)と、切り替えられる新規データのインジケータ(NDI)とを示してもよい。したがって、早期終了メカニズムが上位層により設定されている場合に、UEが、同じHARQ IDと、切り替えられるNDIとを有するPUSCHのULグラントを受信すると、UEはデータが基地局によって正常に受信されたことを知ることができ、したがって繰り返しを停止することができる。
【0117】
あるいは、同じデータの複数の送信を暗黙的に終了させるために、ネットワークデバイス110は、複数の送信のデータを正常に受信したことを示す正のフィードバックを送信してもよい。ネットワークデバイス110から正のフィードバックを受信すると、端末デバイス120は、複数の送信のうち残りの送信が不要であることを知り、停止することができる。より具体的には、早期終了メカニズムが上位層により設定されている場合、UEは、繰り返しに対する肯定応答(ACK)メッセージを受信すると、繰り返しを停止することができる。こうすることで、同じHARQIDと、切り替えられるNDIとを有するDCIと比較して、指示のオーバーヘッドを削減することができる。
【0118】
図7は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的方法700のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、方法700は端末デバイス、例えば
図1に示す端末デバイス120で実施してもよい。追加で又は代替として、方法700は
図1で示されていない他の端末デバイスで実施されてもよい。議論を目的として一般性を損なうことなく、端末デバイス120により実行される方法700について
図1を参照しつつ説明する。
【0119】
ブロック710において、端末デバイス120は、第1スロットに関連付けられている第1チャネルと第2スロットに関連付けられている第2チャネルとの間の推測関係に関する情報をネットワークデバイス110から受信する。ブロック720において、端末デバイス120は、当該情報に基づいて、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であるか否かを決定する。ブロック730において、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であると決定したことに応じて、端末デバイス120は、推測関係に基づいて、第1チャネル及び第2チャネルにおいてネットワークデバイス110との通信を実行する。
【0120】
いくつかの実施形態において、当該情報は、ダウンリンク制御情報DCIに含まれる。
【0121】
いくつかの実施形態において、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であるか否かを決定することは、第1スロット及び第2スロットの1つにおいてネットワークデバイス110への送信を実行するように端末デバイス120をスケジューリングするDCI内のビットに基づいて、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であると決定すること、を含む。
【0122】
いくつかの実施形態において、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であるか否かを決定することは、DCI内の複数のビットに基づいて、RRCメッセージで示された複数の推測関係設定のうち、対象の推測関係設定を決定することであって、当該複数の推測関係設定は、第1チャネル及び第2チャネルを含む、異なるスロットに関連付けられている複数のチャネル間の推測関係を示すことと、対象の推測関係設定に基づいて、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であると決定することと、を含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、複数のビットは、RRCメッセージによって示される。
【0124】
いくつかの実施形態において、前記情報はRRCメッセージに含まれ、且つ、以下のうちの1つを示す。すなわち、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間の、異なるスロットに関連付けられている全てのチャネルが相互に推測可能であること、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間の、異なるスロットに関連付けられているチャネルセットが相互に推測可能であること、アップリンクグラントによりスケジューリングされた複数のスロットに関連付けられている複数のチャネルが相互に推測可能であること、のうちの1つを示す。
【0125】
いくつかの実施形態において、通信を実行することは、ネットワークデバイス110が参照信号セットに基づいて第1チャネル及び第2チャネルに対してジョイントチャネル推定を実行できるように、第1スロット及び第2スロットの少なくとも1つにおいてネットワークデバイス110に参照信号セットを送信することを含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、当該参照信号セットを送信することは、第1スロットにおいて当該参照信号セットを送信し第2スロットでは参照信号を送信しないこと、を含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、方法700はさらに、第2スロットで送信される参照信号がないとの指示をネットワークデバイス110から受信することを含む。
【0128】
いくつかの実施形態において、指示を受信することは、端末デバイス120がネットワークデバイス110への複数の送信を実行する複数のスロットを示すRRCメッセージを、ネットワークデバイス110から受信することと、複数のスロットのうち第2スロットを示すビットマップをRRCメッセージから取得することと、を含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、指示を受信することは、第2スロットにおいてネットワークデバイス110への送信を実行するように端末デバイス120をスケジューリングするDCIを、ネットワークデバイス110から受信することと、DCI内の既存フィールドの未使用値又はビットの事前定義値を決定することと、を含む。当該未使用値又は事前定義値は、第2スロットで送信される参照信号がないことを示す。
【0130】
いくつかの実施形態において、参照信号セットを送信することは、第2スロットにおいてゼロ電力を使用してネットワークデバイス110に参照信号セットのサブセットを送信することを含む。
【0131】
いくつかの実施形態において、方法700はさらに、端末デバイス120がネットワークデバイス110に参照信号セット以外の他の参照信号を送信するために、第1スロット及び第2スロットの少なくとも1つにおける他の時間領域リソースの指示を、ネットワークデバイス110から受信することと、他の時間領域リソースを使用して第1スロット及び第2スロットの少なくとも1つにおいてネットワークデバイス110に他の参照信号を送信することと、を含む。
【0132】
いくつかの実施形態において、前記参照信号セットを送信することは、端末デバイス120がネットワークデバイス110に参照信号セットの第1サブセットを送信するために、第1スロット内の第1周波数領域リソースセットの指示をネットワークデバイス110から受信したことに応じて、第1周波数領域リソースセットを使用して第1スロットにおいてネットワークデバイス110に参照信号の第1サブセットを送信すること、を含む。
【0133】
いくつかの実施形態において、方法700はさらに、端末デバイス120が参照信号セットの第2サブセットをネットワークデバイス110に送信するために、第1周波数領域リソースセットとは異なる、第2スロット内の第2周波数領域リソースセットの指示をネットワークデバイス110から受信することと、第2周波数領域リソースセットを使用して第2スロットにおいてネットワークデバイス110に参照信号の第2サブセットを送信することと、を含む。
【0134】
いくつかの実施形態において、通信を実行することは、第1スロット及び第2スロットの少なくとも1つにおいてネットワークデバイス110から参照信号セットを受信することと、参照信号セットに基づいて第1チャネル及び第2チャネルに対してジョイントチャネル推定を実行することと、を含む。
【0135】
図8は、本開示のいくつかの実施形態にかかる別の例示的方法800のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、方法800は端末デバイス、例えば
図1に示す端末デバイス120で実施してもよい。追加で又は代替として、方法800は
図1で示されていない他の端末デバイスで実施されてもよい。議論を目的として一般性を損なうことなく、端末デバイス120により実行される方法800について
図1を参照しつつ説明する。
【0136】
ブロック810において、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間の、同じデータについての複数の送信の早期終了の指示を受信する。ブロック820において、端末デバイス120は、複数の送信が完了したか否かを決定する。ブロック830において、複数の送信が完了していないと決定したことに応じて、端末デバイス120は、複数の送信のうち残りの送信が停止されると決定する。
【0137】
いくつかの実施形態において、前記指示は、以下のうちの1つを含む。すなわち、複数の送信のうち残りの送信を実行するための第2期間と重複する第1期間においてネットワークデバイス110への新たな送信を実行するように端末デバイス120をスケジューリングするDCI、複数の送信をスケジューリングする前のDCIと比べ同じHARQプロセス番号及び切り替えられるNDIを示すDCI、複数の送信のデータが正常に受信されたことを示す正のフィードバック、及び、複数の送信の早期終了のための明示的な終了指示、のうちの1つを含む。
【0138】
図9は、本開示のいくつかの実施形態にかかる別の例示的方法900のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、方法900はネットワークデバイス、例えば
図1に示すネットワークデバイス110で実施してもよい。追加で又は代替として、方法900は
図1で示されていない他のネットワークデバイスで実施されてもよい。議論を目的として一般性を損なうことなく、ネットワークデバイス110により実行される方法900について
図1を参照しつつ説明する。
【0139】
ブロック910において、ネットワークデバイス110は、第1スロットに関連付けられている第1チャネルと、第2スロットに関連付けられている第2チャネルとが相互に推測可能であるか否かを決定する。ブロック920において、ネットワークデバイス110は、第1チャネルと第2チャネルとの間の推測関係に関する情報を端末デバイス120に送信する。ブロック930において、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であると決定したことに応じて、ネットワークデバイス110は、推測関係に基づいて、第1チャネル及び第2チャネルにおいて端末デバイス120との通信を実行する。
【0140】
いくつかの実施形態において、前記情報は、ダウンリンク制御情報DCIに含まれる。
【0141】
いくつかの実施形態において、前記情報は、第1スロット及び第2スロットの1つにおいてネットワークデバイス110への送信を実行するように端末デバイス120をスケジューリングするDCI内のビットによって示される。
【0142】
いくつかの実施形態において、情報は、DCI内の複数のビットにより示され、これらのビットは、RRCメッセージで示された複数の推測関係設定のうち、対象の推測関係設定を示す。当該複数の推測関係設定は、第1チャネル及び第2チャネルを含む、異なるスロットに関連付けられている複数のチャネル間の推測関係を示し、対象の推測関係設定は、第1チャネルと第2チャネルが相互に推測可能であるか否かを示す。
【0143】
いくつかの実施形態において、複数のビットは、RRCメッセージによって示される。
【0144】
いくつかの実施形態において、前記情報はRRCメッセージに含まれ、且つ、以下のうちの1つを示す。すなわち、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間の、異なるスロットに関連付けられている全てのチャネルが相互に推測可能であること、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間の、異なるスロットに関連付けられているチャネルセットが相互に推測可能であること、アップリンクグラントによりスケジューリングされた複数のスロットに関連付けられている複数のチャネルが相互に推測可能であること、のうちの1つを示す。
【0145】
いくつかの実施形態において、通信を実行することは、第1スロット及び第2スロットの少なくとも1つにおいて端末デバイス120から参照信号セットを受信することと、参照信号セットに基づいて第1チャネル及び第2チャネルに対してジョイントチャネル推定を実行することと、を含む。
【0146】
いくつかの実施形態において、前記参照信号セットを受信することは、第1スロットで前記参照信号を受信し、第2スロットでは参照信号を受信しないことを含む。
【0147】
いくつかの実施形態において、方法900はさらに、第2スロットで送信される参照信号がないとの指示を端末デバイス120に送信することを含む。
【0148】
いくつかの実施形態において、指示を送信することは、端末デバイス120がネットワークデバイス110に対し複数の送信を実行する複数のスロットを示すRRCメッセージを、端末デバイス120に送信することを含む。当該RRCメッセージは、複数のスロットのうち第2スロットを示すビットマップを含む。
【0149】
いくつかの実施形態において、指示を送信することは、第2スロットにおいてネットワークデバイス110への送信を実行するように端末デバイス120をスケジューリングするDCIを、端末デバイス120に送信することを含む。DCI内の既存フィールドの未使用値又はビットの事前定義値は、第2スロットで送信される参照信号がないことを示す。
【0150】
いくつかの実施形態において、方法900はさらに、第2スロットにおいてゼロ電力で参照信号セットのサブセットを送信するために端末デバイス120が使用するリソースにおける干渉信号を推定することを含む。
【0151】
いくつかの実施形態において、方法900はさらに、端末デバイス120からネットワークデバイス110に参照信号セット以外の他の参照信号も送信させるために、第1スロット及び第2スロットの少なくとも1つにおける他の時間領域リソースの指示を、端末デバイス120に送信することと、他の時間領域リソースを使用して第1スロット及び第2スロットの少なくとも1つにおいて端末デバイス120から当該他の参照信号を受信することと、を含む。
【0152】
いくつかの実施形態において、前記参照信号セットを受信することは、端末デバイス120からネットワークデバイス110に参照信号セットの第1サブセットを送信させるために、第1スロット内の第1周波数領域リソースセットの指示を端末デバイス120に送信したことに応じて、第1スロットにおいて第1周波数領域リソースセットを使用して端末デバイス120から参照信号の第1サブセットを受信すること、を含む。
【0153】
いくつかの実施形態において、方法900はさらに、端末デバイス120から参照信号セットの第2サブセットをネットワークデバイス110に送信させるために、第1周波数領域リソースセットとは異なる、第2スロット内の第2周波数領域リソースセットの指示を端末デバイス120に送信することと、第2周波数領域リソースセットを使用して第2スロットにおいて端末デバイス120から参照信号の第2サブセットを受信することと、を含む。
【0154】
いくつかの実施形態において、通信を実行することは、端末デバイス120が参照信号セットに基づいて第1チャネル及び第2チャネルに対してジョイントチャネル推定を実行できるように、第1スロット及び第2スロットの少なくとも1つにおいて端末デバイス120に参照信号セットを送信することを含む。
【0155】
図10は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、さらに別の例示的方法1000のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、方法1000はネットワークデバイス、例えば
図1に示すネットワークデバイス110で実施してもよい。追加で又は代替として、方法1000は
図1で示されていない他のネットワークデバイスで実施されてもよい。議論を目的として一般性を損なうことなく、ネットワークデバイス110により実行される方法1000について
図1を参照しつつ説明する。
【0156】
ブロック1010において、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間の同じデータの複数の送信が完了しておらず、複数の送信のうち残りの送信が停止されると決定する。ブロック1020において、ネットワークデバイス110は、複数の送信の早期終了の指示を端末デバイス120に送信する。
【0157】
いくつかの実施形態において、前記指示は、以下のうちの1つを含む。すなわち、複数の送信のうち残りの送信を実行するための第2期間と重複する第1期間においてネットワークデバイス110への新たな送信を実行するように端末デバイス120をスケジューリングするDCI、複数の送信をスケジューリングする前のDCIと比べ同じHARQプロセス番号及び切り替えられるNDIとを示すDCI、複数の送信のデータが正常に受信されたことを示す正のフィードバック、及び、複数の送信の早期終了のための明示的な終了指示、のうちの1つを含む。
【0158】
図11は、本開示のいくつかの実施形態を実施するのに適したデバイス1100の概略ブロック図である。デバイス1100は、
図1に示すネットワークデバイス110及び端末デバイス120のさらに別の例示的な実施形態であるとみなすことができる。したがって、デバイス1100は、ネットワークデバイス110及び端末デバイス120で実施することができ、又はネットワークデバイス110及び端末デバイス120の少なくとも一部として実施することができる。
【0159】
図に示すように、デバイス1100は、プロセッサ1110、プロセッサ1110に結合されるメモリ1120、プロセッサ1110に結合される適切な送信機(TX)及び受信機(RX)1140、並びにTX/RX1140に結合される通信インタフェースを含む。メモリ1120は、プログラム1130の少なくとも一部を格納する。TX/RX1140は双方向通信に用いられる。TX/RX 1140は、通信を促進する少なくとも1つのアンテナを有し、実際には本願で述べたアクセスノードは、複数のアンテナを有する可能性がある。通信インタフェースは、他のネットワーク部材と通信を行う際に必要な任意のインタフェース、例えば、gNB又はeNB間の双方向通信用のX2インタフェース、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)/サービングゲートウェイ(S-GW)とgNB又はeNBとの間の通信用のS1インタフェース、gNB又はeNBと中継ノード(RN)との間の通信用のUnインタフェース、又はgNB又はeNBと端末デバイスとの間の通信用のUuインタフェースを表してもよい。
【0160】
プログラム1130がプログラム命令を含むと仮定すると、該プログラム命令が、関連するプロセッサ1110により実行される場合、これにより、デバイス1100は、本明細書で
図7~
図10のいずれかを参照して説明したように、本開示の実施形態に基づき操作を行うことができるようになる。本明細書の実施形態は、デバイス1100のプロセッサ1110が実行可能なコンピュータソフトウェアにより実施するか、ハードウェアにより実施するか、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せにより実施してもよい。プロセッサ1110は、本開示の各実施形態を実施するように設定してもよい。また、プロセッサ1110及びメモリ1120の組合せは、本開示の各実施形態を実現するのに適した処理手段1150を構成してもよい。
【0161】
メモリ1120は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、任意の適切なデータ記憶技術により実現することができる。例として、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、半導体による記憶デバイス、磁気記憶デバイス及びシステム、光学記憶デバイス及びシステム、固定メモリ及び取り外し可能メモリ等が挙げられるが、これらに限定されない。デバイス1100には1つのメモリ1120しか示されていないが、デバイス1100には複数の物理上分離されるメモリモジュールを設置してもよい。プロセッサ1110は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器(DSP)、及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうち、1つ又は複数を含んでもよいが、これらに限定されない。デバイス1100は複数のプロセッサ、例えば、マスタープロセッサと同期するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0162】
本開示の装置及び/又はデバイスに含まれるコンポーネントは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組合せを含む、各種方法で実現してもよい。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のユニットは、ソフトウェア及び/又はファームウェア、例えば記憶媒体に記憶されるマシン可読命令によって実現可能である。マシン可読命令の他に、又はその代替として、装置及び/又はデバイスの一部又は全部のユニットは、少なくとも部分的に1つ又は複数のハードウェアロジックコンポーネントによって実現してもよい。例えば、使用可能なハードウェアロジックコンポーネントの例証的なタイプには、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け汎用品(ASSP)、システム・オン・チップ(SOC)、コンプレックス・プログラマブル・ロジックデバイス(CPLD)等が含まれるが、これらに限定されない。
【0163】
通常、本開示の各実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、論理又はそれらの任意の組合せにより実現してもよい。いくつかの態様はハードウェアによって実現し、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピュータデバイスが実行するファームウェア又はソフトウェアによって実現してもよい。本開示の実施形態の各態様はブロック図、フローチャートとして図示し説明し、又は他の図形によって示したが、理解すべき点として、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくは論理、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピュータデバイス、又はそれらの組合せによって実現してもよい。
【0164】
本開示はさらに、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体に有形記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。当該コンピュータプログラム製品は、コンピュータが実行可能な指令、例えば、プログラムモジュールに含まれるものを含む。該コンピュータが実行可能な指令は、対象の現実のプロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスにおいて実行されて、
図7~
図10のいずれかを参考に上述したプロセス又は方法を実行する。通常、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。各実施形態において、プログラムモジュールの機能は、要望に応じて、プログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割してもよい。プログラムモジュールに用いられるマシン可読命令は、ローカルデバイス又は分散型デバイスにおいて実行してもよい。分散型デバイスにおいて、プログラムモジュールはローカル及びリモートの記憶媒体に置いてもよい。
【0165】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1種類又は複数種類のプログラミング言語の任意の組合せにより記述してもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ若しくはコントローラに提供されてもよく、該プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/操作が実現される。プログラムコードは全てマシン上で実行してもよく、部分的にマシン上で実行してもよく、独立したソフトウェアパッケージとして実行してもよく、マシン上で部分的に実行するとともにリモートのマシン上で部分的に実行してもよく、又は全てリモートのマシン若しくはサーバ上で実行してもよい。
【0166】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で具体化することができ、当該マシン可読媒体は、指令実行システム、装置若しくはデバイスに使用のために供されるプログラム、又は、それらと結合して使用されるプログラムを含むか又は記憶してもよい任意の有形媒体であり得る。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であり得る。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、半導体の、システム、装置若しくはデバイス、又は前述の任意の適切な組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のより具体的な例には、1本若しくは複数のケーブルの電気的接続、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は上述の任意の適切な組合せが含まれる。
【0167】
なお、各操作について、特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした操作は、示された特定の順序で実行するか若しくは連続した順序で実行し、又は、図示された全ての操作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。いくつかのシナリオでは、複数のタスク及び並行処理が有利である可能性がある。同様に、上述の議論では、いくつかの特定の実施形態の詳細が含まれるが、これらは本開示の範囲に対する制限であると解釈されるべきではなく、特定の実施形態に特定される可能性がある特徴についての説明であると解釈されるべきである。個別の実施形態の文脈において説明したいくつかの特徴は、ある1つの実現形態において組み合わせて実現されてもよい。逆に、1つの実現形態の文脈において説明された各種特徴は、複数の実現形態において別々に、又は任意の適切なサブ的な組合せにより、実現されてもよい。
【0168】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法・動作に特有の言葉で説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示は、必ずしも前述の特定の特徴又は動作に限定されないと理解されるべきである。上述した特定の特徴や動作はむしろ、請求項を実施する例示的形態として開示されている。