(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】圧縮式アトマイザ
(51)【国際特許分類】
A61M 11/02 20060101AFI20240827BHJP
F04B 39/06 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A61M11/02 Z
F04B39/06 F
(21)【出願番号】P 2023557921
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 JP2022038516
(87)【国際公開番号】W WO2023079930
(87)【国際公開日】2023-05-11
【審査請求日】2024-02-27
(31)【優先権主張番号】202111296816.X
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100122286
【氏名又は名称】仲倉 幸典
(72)【発明者】
【氏名】華 齊▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】方 甲華
(72)【発明者】
【氏名】田畑 信
(72)【発明者】
【氏名】王 東梅
(72)【発明者】
【氏名】王 楊
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-234403(JP,A)
【文献】実開昭63-130053(JP,U)
【文献】特開2018-204521(JP,A)
【文献】特開平10-30594(JP,A)
【文献】特開2022-98193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 11/02
F04B 39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アトマイザケース、圧縮機及びファンを含む圧縮式アトマイザであって、
前記アトマイザケース内に設けられ、前記圧縮機を取り囲んで収容する圧縮機ケースを備え、
前記アトマイザケースが、第1の吸気口と第1の排気口とを備え、
前記圧縮機が、第3の吸気口と第3の排気口とを備え、
前記圧縮式アトマイザは、
前記アトマイザケースと前記圧縮機ケースを貫通して設けられた、前記アトマイザケース外から前記圧縮機にガスを入れる吸気側ガス経路と、前記圧縮機が吐出するガスを前記アトマイザケース外に排出する排気側ガス経路とを備え、
前記ガスが、前記第1の吸気口から前記第3の吸気口までの前記吸気側ガス経路を通して前記圧縮機に入り、続いて、前記圧縮機によって吐出されたガスが、前記第3の排気口から前記第1の排気口までの前記排気側ガス経路を通して前記アトマイザケース外に排出されるように構成され、前記排気側ガス経路を通して前記アトマイザケース外に排出されたガスが液体を霧化するのに用いられるようになっており、
前記アトマイザケース内に設けられ、前記ファンを収容するファンケースを含み、
前記圧縮機ケースは、第1の放熱入口を備え、前記ファンケースは、吸気口及び第1の放熱出口を備え、
前記第1の放熱入口、前記吸気口及び前記第1の放熱出口に沿って、前記圧縮機を放熱するための風路構造が形成されており、
前記吸気側ガス経路に介挿されたサイレンサをさらに含み、
前記サイレンサが、拡張室型サイレンサである、
ことを特徴とする圧縮式アトマイザ。
【請求項2】
前記アトマイザケースは、第2の放熱入口と第2の放熱出口とを備え、前記第1の放熱出口と前記第2の放熱出口とが流体流通可能に重なり合う、ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項3】
前記第1の放熱入口が前記圧縮機ケースの底部又は後部に設けられ、
前記第1の放熱出口が前記ファンケースの底部又は後部に設けられ、
前記第2の放熱入口と前記第2の放熱出口とが、前記アトマイザケースの底部又は後部に設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項4】
前記アトマイザケースは、前記第2の放熱入口と前記第2の放熱出口とが前記アトマイザケースの底部に設けられる場合に、前記第2の放熱入口及び前記第2の放熱出口の周辺に設けられる溝をさらに備える、ことを特徴とする請求項3に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項5】
前記第2の放熱入口及び前記第2の放熱出口は、前記アトマイザケースの底部の表面に対して前記アトマイザケース内に向かって窪んでいる、ことを特徴とする請求項4に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項6】
前記圧縮式アトマイザは、前記第2の放熱入口及び前記第2の放熱出口が前記アトマイザケースの底部に設けられる場合に、前記アトマイザケースの底部の外側に設けられる導風バッフルケースをさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項7】
前記ファンは、放熱気流を前記圧縮機ケースの内部から前記第1の放熱出口に排出させるように案内する遠心ファンである、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項8】
前記拡張室型サイレンサの拡張室の横断面が丸角の矩形である、ことを特徴とする請求項1から
6のうちのいずれか一項に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項9】
アトマイザケース、圧縮機及びファンを含む圧縮式アトマイザであって、
前記アトマイザケース内に設けられ、前記圧縮機を取り囲んで収容する圧縮機ケースを備え、
前記アトマイザケースが、第1の吸気口と第1の排気口とを備え、
前記圧縮機が、第3の吸気口と第3の排気口とを備え、
前記圧縮式アトマイザは、
前記アトマイザケースと前記圧縮機ケースを貫通して設けられた、前記アトマイザケース外から前記圧縮機にガスを入れる吸気側ガス経路と、前記圧縮機が吐出するガスを前記アトマイザケース外に排出する排気側ガス経路とを備え、
前記ガスが、前記第1の吸気口から前記第3の吸気口までの前記吸気側ガス経路を通して前記圧縮機に入り、続いて、前記圧縮機によって吐出されたガスが、前記第3の排気口から前記第1の排気口までの前記排気側ガス経路を通して前記アトマイザケース外に排出されるように構成され、前記排気側ガス経路を通して前記アトマイザケース外に排出されたガスが液体を霧化するのに用いられるようになっており、
前記アトマイザケース内に設けられ、前記ファンを収容するファンケースを含み、
前記圧縮機ケースは、第1の放熱入口を備え、前記ファンケースは、吸気口及び第1の放熱出口を備え、
前記第1の放熱入口、前記吸気口及び前記第1の放熱出口に沿って、前記圧縮機を放熱するための風路構造が形成されており、
前記吸気側ガス経路に介挿されたサイレンサをさらに含み、
前記サイレンサは、上記吸気側ガス経路のうち上流側の部分に流体流通可能に連なる第2の吸気口と、上記吸気側ガス経路のうち上記上流側の部分よりも下流側の部分に流体流通可能に連なる第2の排気口とを備え、
前記第2の吸気口及び前記第2の排気口が前記サイレンサの同一側に設けられている、
ことを特徴とする圧縮式アトマイザ。
【請求項10】
前記圧縮機の前記第3の吸気口及び前記第3の排気口が前記圧縮機の同一側に設けられ、
前記アトマイザケースに対して、前記サイレンサの前記第2の吸気口及び前記第2の排気口と、前記圧縮機の前記第3の吸気口及び前記第3の排気口とが、同一側に配置されている、ことを特徴とする請求項9に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項11】
前記サイレンサは、前記圧縮機ケースと一体に形成されている、ことを特徴とする請求項1から
6のうちのいずれか一項に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項12】
前記アトマイザケースが、第1の上ケースと第1の下ケースとを含み、前記圧縮機ケースが、第2の上ケースと第2の下ケースとを含む、ことを特徴とする請求項1から
6のうちのいずれか一項に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項13】
前記アトマイザケースの前記第1の下ケースが前記圧縮機ケースの前記第2の下ケースと一体に形成されている、ことを特徴とする請求項12に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項14】
前記圧縮機ケースが前記ファンケースと一体に形成されている、ことを特徴とする請求項1から
6のうちのいずれか一項に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項15】
前記吸気口が、前記ファンケースの前記圧縮機に対向して隣り合う側部に設けられている、ことを特徴とする請求項1から
6のうちのいずれか一項に記載の圧縮式アトマイザ。
【請求項16】
前記吸気側ガス経路および前記排気側ガス経路は、それぞれシリコーンチューブからなる、ことを特徴とする請求項1から
6のうちのいずれか一項に記載の圧縮式アトマイザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の分野に関し、特に圧縮式アトマイザに関する。
【背景技術】
【0002】
臨床医療において、アトマイザを使用して呼吸器疾患を患う患者を治療することは、一般的な治療方式である。ここで、圧縮式アトマイザは、例えば特許文献1(特開2022-98193号公報)に記載されているようなネブライザとして、広く使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1は、従来の圧縮式アトマイザを、その上部ケースを取り除いた状態で斜め上方から見たときの斜視図であり、
図2は従来の圧縮式アトマイザの断面図である。
【0005】
図1及び
図2に示すように、圧縮式アトマイザ10がアトマイザケース11、圧縮機12及びファン13を含み、アトマイザケース11の両側に放熱入口14及び放熱出口15が設けられている。この圧縮式アトマイザ10では、ファン13により空気を放熱入口14からアトマイザケース11内に吸入してから、放熱出口15により空気を排出することにより、圧縮機12を放熱する。
【0006】
なお、上述した説明は、本発明の技術案を明確、完全に理解させるための説明であり、当業者を理解させるために記述されているものである。これらの説明は、当業者により認識されたものではない。
【0007】
ただし、発明者らは、ファン13が空気を放熱入口14からアトマイザケース11内に吸入するときに、風路構造がないため、ファンブレードの両側の空気がいずれもファンブレードによって吸入され、
図2における矢印Xに示されたように、ファンブレードの右側部分の熱空気がファンブレードに再吸入され、小さな循環、すなわち、渦巻きを形成し、これによって、放熱気流のノイズが大きくなり、放熱効果が低下してしまうという問題を発見している。
【0008】
また、発明者らは、放熱入口14及び放熱出口15がアトマイザケース11の両側に設けられ、圧縮機12に発生された機械的ノイズが直接的にケースの両側から伝播されているため、発生されたノイズが大きくなり、ユーザ体験がよくなくなることをさらに発見している。
【0009】
そこで、この発明の課題は、放熱気流によるノイズを効果的に低減し、放熱効果を改善することができ、また、アトマイザの外部に伝播する機械的ノイズを効果的に低減し、ユーザ体験を向上させることができる、圧縮式アトマイザを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施例の第1の態様によれば、
アトマイザケース、圧縮機及びファンを含む圧縮式アトマイザであって、
前記アトマイザケース内に設けられ、前記圧縮機を取り囲んで収容する圧縮機ケースを備え、
前記アトマイザケースが、第1の吸気口と第1の排気口とを備え、
前記圧縮機が、第3の吸気口と第3の排気口とを備え、
前記圧縮式アトマイザは、
前記アトマイザケースと前記圧縮機ケースを貫通して設けられた、前記アトマイザケース外から前記圧縮機にガスを入れる吸気側ガス経路と、前記圧縮機が吐出するガスを前記アトマイザケース外に排出する排気側ガス経路とを備え、
前記ガスが、前記第1の吸気口から前記第3の吸気口までの前記吸気側ガス経路を通して前記圧縮機に入り、続いて、前記圧縮機によって吐出されたガスが、前記第3の排気口から前記第1の排気口までの前記排気側ガス経路を通して前記アトマイザケース外に排出されるように構成され、前記排気側ガス経路を通して前記アトマイザケース外に排出されたガスが液体を霧化するのに用いられるようになっており、
前記アトマイザケース内に設けられ、前記ファンを収容するファンケースを含み、
前記圧縮機ケースは、第1の放熱入口を備え、前記ファンケースは、吸気口及び第1の放熱出口を備え、
前記第1の放熱入口、前記吸気口及び前記第1の放熱出口に沿って、前記圧縮機を放熱するための風路構造が形成されており、
前記吸気側ガス経路に介挿されたサイレンサをさらに含み、
前記サイレンサが、拡張室型サイレンサである、
圧縮式アトマイザを提供する。
【0011】
本発明の実施例の第2の態様によれば、前記アトマイザケースは、第2の放熱入口と第2の放熱出口とを備え、前記第1の放熱出口と前記第2の放熱出口とが流体流通可能に重なり合う。
【0012】
本発明の実施例の第3の態様によれば、前記第1の放熱入口が前記圧縮機ケースの底部又は後部に設けられ、前記第1の放熱出口が前記ファンケースの底部又は後部に設けられ、前記第2の放熱入口と前記第2の放熱出口とが、前記アトマイザケースの底部又は後部に設けられる。
【0013】
本発明の実施例の第4の態様によれば、前記アトマイザケースは、前記第2の放熱入口と前記第2の放熱出口が前記アトマイザケースの底部に設けられる場合に、前記第2の放熱入口及び前記第2の放熱出口の周辺に設けられる溝をさらに備える。
【0014】
本発明の実施例の第5の態様によれば、前記第2の放熱入口及び前記第2の放熱出口は、前記アトマイザケースの底部の表面に対して前記アトマイザケース内に向かって窪んでいる。
【0015】
本発明の実施例の第6の態様によれば、前記圧縮式アトマイザは、前記第2の放熱入口及び前記第2の放熱出口が前記アトマイザケースの底部に設けられる場合に、前記アトマイザケースの底部の外側に設けられる導風バッフルケースをさらに含む。
【0016】
本発明の実施例の第7の態様によれば、前記ファンは、放熱気流を前記圧縮機ケースの内部から前記第1の放熱出口に排出させるように案内する遠心ファンである。
【0017】
本発明の実施例の第8の態様によれば、前記拡張室型サイレンサの拡張室の横断面が丸角の矩形である。
【0018】
本発明の実施例の第9の態様によれば、
アトマイザケース、圧縮機及びファンを含む圧縮式アトマイザであって、
前記アトマイザケース内に設けられ、前記圧縮機を取り囲んで収容する圧縮機ケースを備え、
前記アトマイザケースが、第1の吸気口と第1の排気口とを備え、
前記圧縮機が、第3の吸気口と第3の排気口とを備え、
前記圧縮式アトマイザは、
前記アトマイザケースと前記圧縮機ケースを貫通して設けられた、前記アトマイザケース外から前記圧縮機にガスを入れる吸気側ガス経路と、前記圧縮機が吐出するガスを前記アトマイザケース外に排出する排気側ガス経路とを備え、
前記ガスが、前記第1の吸気口から前記第3の吸気口までの前記吸気側ガス経路を通して前記圧縮機に入り、続いて、前記圧縮機によって吐出されたガスが、前記第3の排気口から前記第1の排気口までの前記排気側ガス経路を通して前記アトマイザケース外に排出されるように構成され、前記排気側ガス経路を通して前記アトマイザケース外に排出されたガスが液体を霧化するのに用いられるようになっており、
前記アトマイザケース内に設けられ、前記ファンを収容するファンケースを含み、
前記圧縮機ケースは、第1の放熱入口を備え、前記ファンケースは、吸気口及び第1の放熱出口を備え、
前記第1の放熱入口、前記吸気口及び前記第1の放熱出口に沿って、前記圧縮機を放熱するための風路構造が形成されており、
前記吸気側ガス経路に介挿されたサイレンサをさらに含み、
前記サイレンサは、上記吸気側ガス経路のうち上流側の部分に流体流通可能に連なる第2の吸気口と、上記吸気側ガス経路のうち上記上流側の部分よりも下流側の部分に流体流通可能に連なる第2の排気口とを備え、
前記第2の吸気口及び前記第2の排気口が前記サイレンサの同一側に設けられている、圧縮式アトマイザを提供する。
【0019】
本発明の実施例の第10の態様によれば、
前記圧縮機の前記第3の吸気口及び前記第3の排気口が前記圧縮機の同一側に設けられ、
前記アトマイザケースに対して、前記サイレンサの前記第2の吸気口及び前記第2の排気口と、前記圧縮機の前記第3の吸気口及び前記第3の排気口とが、同一側に配置されている。
【0020】
本発明の実施例の第11の態様によれば、前記サイレンサは、前記圧縮機ケースと一体に形成されている。
【0021】
本発明の実施例の第12の態様によれば、前記アトマイザケースが、第1の上ケースと第1の下ケースとを含み、前記圧縮機ケースが、第2の上ケースと第2の下ケースとを含む。
【0022】
本発明の実施例の第13の態様によれば、前記アトマイザケースの前記第1の下ケースが前記圧縮機ケースの前記第2の下ケースと一体に形成されている。
【0023】
本発明の実施例の第14の態様によれば、前記圧縮機ケースが前記ファンケースと一体に形成されている。
【0024】
本発明の実施例の第15の態様によれば、前記吸気口が、前記ファンケースの前記圧縮機に対向して隣り合う側部に設けられている。
本発明の実施例の第16の態様によれば、前記吸気側ガス経路および前記排気側ガス経路は、それぞれシリコーンチューブからなる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施例による有利な効果は、圧縮機ケースが圧縮機を取り囲んで収容することにより、圧縮機によって発生された機械的ノイズがアトマイザ外に拡散することを効果的に遮断して、ノイズ低減効果を実現することができる。また、ファンによる案内を介して、圧縮機ケースの第1の放熱入口、ファンケースの吸気口及び第1の放熱出口に沿って所定の風路構造が形成されることにより、放熱気流によって渦巻きを形成することを回避して、放熱効果を改善して、放熱気流によるノイズを低減することができることにある。
【0026】
後述する説明と図面を参照して、本発明の特定の実施形態は、後述の説明及び図面に示すように、詳細に開示され、本発明の原理を採用されることが可能な方式を示している。なお、本発明の実施形態は、範囲上には限定されるものではない。本発明の実施形態は、添付されている特許請求の範囲の主旨及び内容の範囲内、各種の変更、修正、及び均等的なものが含まれる。
【0027】
1つの実施形態について説明及び/又は示される特徴は、1つ又は複数の他の実施形態に同一又は同様な方式で使用され、他の実施形態における特徴と組み合わせ、或いは他の実施形態の特徴の代わりに使用してもよい。
【0028】
用語「備え」又は「含む」は、説明された特徴、要素全体、ステップ又は部材の存在を意味するが、他の1つ又は複数の特徴、要素全体、ステップ又は部材の存在又は追加を排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以下の図面を参照して本発明の多くの態様をよりよく理解することができる。図面における部材は比例的に描かれたものではなく、本発明の原理を示すためだけである。本発明のいくつかの部分を示し、説明しやすくするために、図面において対応する部分が拡大又は縮小される可能性がある。本発明の一図面又は一実施形態に記載された要素及び特徴情報は、一つ以上の他の図面又は実施形態に示された要素及び特徴情報と組み合わせることができる。また、図面において、類似する符号はいくつかの図面における対応する部材を示し、かつ複数の実施形態に使用された対応する部材を示すこともができる。
図面において、
【
図1】従来の圧縮式アトマイザを、その上部ケースを取り除いた状態で斜め上方から見たときの斜視図である。
【
図3】本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザを、アトマイザケースを部分的に取り除いた状態で、斜め下方から見たときの斜視図である。
【
図4】
図3に示された圧縮式アトマイザを、さらに圧縮機ケースを部分的に取り除いた状態で、斜め下方から見たときの斜視図である。
【
図5】本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザの断面図である。
【
図6】本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザの別の断面図である。
【
図7】本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザの他の視点からの断面図である。
【
図8】本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザを、その正面の斜め上方から見た斜視図である。
【
図9】本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザを、その底面の斜め下方から見た斜視図である。
【
図10】本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザを、その底面の斜め下方から見た別の斜視図である。
【
図11】本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザが含むサイレンサの一例を示す図である。
【
図12】本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザが含むサイレンサの別の例を示す図である。
【
図13】本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザが含む圧縮機ケースの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0031】
本発明の実施例は、圧縮式アトマイザを提供する。
図3は、本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザ100を、アトマイザケースを部分的に取り除いた状態で、斜め下方から見たときの斜視図である。
図4は、
図3に示された圧縮式アトマイザ100を、さらに圧縮機ケースを部分的に取り除いた状態で、斜め下方から見たときの斜視図である。また、
図5は、本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザ100の断面図である。
【0032】
図3~
図5に示されたように、圧縮式アトマイザ100がアトマイザケース110、圧縮機120(
図4、
図5に示される)及びファン130を含む。また、圧縮式アトマイザ100が圧縮機ケース121(
図3、
図5に示される)及びファンケース131(
図3、
図5に示される)をさらに含む。圧縮機ケース121がアトマイザケース110内に設けられ、圧縮機120を取り囲んで収容する。これによって、圧縮機によって発生されたノイズを効果的に遮断して、ノイズがアトマイザケース110外に拡散することを回避して、ノイズ低減効果を実現することができる。
【0033】
また、本発明の実施例において、圧縮機ケース121が圧縮機120を取り囲んで収容するとは、完全的に密閉して収容することを意味しておらず、例えば、圧縮機ケース121には、放熱口(この例では、放熱入口および放熱出口)が設けられていてもよい。
【0034】
また、圧縮機ケース121とファンケース131とは一体に形成されてもよい。これによって、部品数を少なくして、コストを低減することができ、また、ノイズ低減効果を高めることもできる。ただし、本発明の実施例は、これを限定することなく、圧縮機ケース121とファンケース131とは、互いに独立して形成されてもよい。
【0035】
図3及び
図5に示されたように、ファンケース131もアトマイザケース110内に設けられて、ファン130を収容する。
図3においては、理解の容易のために、ファンケース131の頂部が除去されて図示されている。
【0036】
図5に示されたように、ファンケース131が吸気口132及び第1の放熱出口124を備え、さらに圧縮機ケース121が第1の放熱入口123を備えている。第1の放熱入口123、吸気口132及び第1の放熱出口124に沿って、圧縮機120を放熱するための風路構造が形成されている。例えば、
図5における矢印Aに示されたように、ファン130による案内を介して、圧縮機ケース121の第1の放熱入口123、ファンケース131の吸気口132及び第1の放熱出口124に沿って所定の風路構造が形成されている。これによって、放熱気流によって渦巻きを形成することを回避することができ、放熱効果を改善することもできる。
【0037】
本発明の実施例において、ファンケース131の吸気口132がファンケース131の圧縮機120に対向して隣り合う側部に設けられている。これによって、所定の風路構造を容易に形成して、放熱効率をさらに高めることができる。
【0038】
例えば、
図5に示されたように、ファンケース131の吸気口132がファンケース131の圧縮機120に対向して隣り合う側部の中央位置に設けられている。
【0039】
本発明の実施例において、
図5に示されたように、アトマイザケース110が第2の放熱入口111と第2の放熱出口112とを備え、ファンケース131の第1の放熱出口124がアトマイザケース110の第2の放熱出口112と流体流通可能に重なり合ってもよい。
【0040】
例えば、ファンケース131の第1の放熱出口124と、アトマイザケース110の第2の放熱出口112とは、同一の開口であってもよいし、それに代えて、第1の放熱出口124と第2の放熱出口112とは、放熱経路に沿う方向に互いに隣接して設けられた2つの放熱出口であってもよい。これによって、圧縮機ケース121内の放熱気流が単一の出口だけで排出されて、別の経路からファンに再吸入されないことをさらに確保することができる。さらに、放熱気流によって渦巻きを形成することをさらに回避して、放熱効果を改善して、放熱気流によって発生されたノイズを低下することができる。
【0041】
また、
図5には、圧縮機ケース121の第1の放熱入口123とアトマイザケース110の第2の放熱入口111とが重なり合うことが示されているが、本発明はこれに限らず、第1の放熱入口123と第2の放熱入口111とが重なり合わなくてもよい。本発明は、両方が重なり合うかを限定することなく、実際の必要に応じて設定することができる。
【0042】
また、本発明の実施例において、第1の放熱入口123、第1の放熱出口124、第2の放熱入口111、第2の放熱出口112の数を限定することはない。
【0043】
例えば、第1の放熱入口123、第1の放熱出口124、第2の放熱入口111、第2の放熱出口112がそれぞれ1つだけ設けられてもよい。
【0044】
また、例えば、第1の放熱入口123、第1の放熱出口124、第2の放熱入口111、第2の放熱出口112がそれぞれ複数設けられてもよい。
【0045】
本発明の実施例において、複数の第1の放熱入口123、複数の第1の放熱出口124、複数の第2の放熱入口111及び複数の第2の放熱出口112を備える場合に、複数の第2の放熱入口111、複数の第1の放熱入口123、吸気口132、複数の第1の放熱出口124、複数の第2の放熱出口112が所定の風路構造をそれぞれ形成する。
【0046】
本発明の実施例において、
図5に示されたように、第1の放熱入口123が圧縮機ケース121の底部に設けられており、第1の放熱出口124がファンケース131の底部に設けられており、また、第2の放熱入口111及び第2の放熱出口112がアトマイザケース110の底部に設けられている。これによって、ノイズが直接的にユーザに向かって伝播されることを回避して、ユーザ体験をさらに向上させることができる。
【0047】
ただし、本発明はこれに限らず、例えば、第1の放熱入口123が圧縮機ケース121の後部に設けられてもよく、第1の放熱出口124がファンケース131の後部に設けられてもよく、また、それに応じて、第2の放熱入口111及び第2の放熱出口112がアトマイザケース110の後部に設けられてもよい。それに代えて、第1の放熱入口123が圧縮機ケース121の後部に設けられて、第1の放熱出口124がファンケース131の底部に設けられて、また、それに応じて、第2の放熱入口111がアトマイザケース110の後部に設けられて、第2の放熱出口112がアトマイザケース110の底部に設けられてもよい。それに代えて、第1の放熱入口123が圧縮機ケース121の底部に設けられて、第1の放熱出口124がファンケース131の後部に設けられて、また、それに応じて、第2の放熱入口111がアトマイザケース110の底部に設けられて、第2の放熱出口112がアトマイザケース110の後部に設けられてもよい。
【0048】
本発明の実施例において、「後部」とは、アトマイザを用いる時に、圧縮機ケース121又はアトマイザケース110がユーザに面しない側部である。これによって、ノイズが直接的にユーザに向かって伝播されることを回避できる。したがって、ユーザ体験をさらに向上させることができる。
【0049】
図6は、本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザ100の別の断面図である。
図6に示されたように、第2の放熱入口111及び第2の放熱出口112がアトマイザケース110の底部に設けられる場合に、例えば、圧縮式アトマイザ100は、導風バッフルケース150をさらに含む。この例では、導風バッフルケース150がアトマイザケース110の底部の外側に設けられている。また、導風バッフルケース150とアトマイザケース110との間は、底部に隙間、及び、側面又は頂部に隙間があることで、気流を導入又は排出する。
【0050】
これによって、底部の出入り気流を側面又は頂部に案内することができ、底部が塞がれて放熱しにくくなることを防止することができる。
図6における矢印B1に示されたように、導風バッフルケース150により、室外の空気を側面から導入してから、矢印B2に示されたように、底部からアトマイザケース110、圧縮機ケース121及びファンケース131の内部に入れることができる。また、矢印B3,B4に示されたように、底部から排出された放熱気流を側面に案内して排出することができる。これによって、底部が塞がれて放熱しにくくなることを防止することができる。
【0051】
図7は、本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザ100の他の視点からの断面図である。
図7に示されたように、ファン130が、放熱気流を圧縮機ケース121及びファンケース131の内部から第1の放熱出口124に排出するように案内するための遠心ファンからなっている。また、圧縮機ケース121内には所定の風路構造が形成されているため、本発明の実施例は、圧縮機について放熱方式が、外部に排気するものである。このような放熱方式は、従来の内部に空気を送る放熱方式に比べて、渦巻きの形成をさらに低減し、且つ、ファン及び放熱気流によるノイズをさらに低減することができる。
【0052】
本発明の実施例において、遠心ファンのファンブレードが、後傾式遠心ファンブレード又は前傾式ファンブレードであってもよく、径方向式遠心ファンブレードであってもよい。
【0053】
径方向式遠心ファンブレードによって発生されたノイズに比べて、後傾式遠心ファンブレード又は前傾式ファンブレードによって発生されたノイズが低い。また、圧縮機ケース121内には所定の風路構造が形成されているため、ノイズをさらに低減して、放熱効果を改善することができる。
【0054】
本発明の実施例において、ケース内部には隙間が小さく、放熱しにくい場合に、前傾式ファンブレードを用いることにより、より大きな風圧を取得して、これによって、放熱気流をスムーズに排出させることができる。これによって、放熱効果を確保した場合に、製品の小型化に有利となる。
【0055】
本発明の実施例において、
図3に示されたように、圧縮式アトマイザ100がサイレンサ140を更に含んでもよい。例えば、サイレンサ140が圧縮式アトマイザ100の吸気側に設けられる。これによって、吸気側にて圧縮機に入る気流のノイズを低減することができる。
【0056】
図8は、本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザ100を、その正面の斜め上方から見た斜視図である。
図9は、本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザ100を、その底面の斜め下方から見た斜視図である。
図8及び
図3に示されたように、アトマイザケース110の上部に、第1の吸気口113及び第1の排気口114が設けられる。
図9及び
図5に示されたように、アトマイザケース110の底部には、第2の放熱入口111及び第2の放熱出口112が設けられる。
【0057】
図10は、本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザ100を、その底面の斜め下方から見た別の斜視図である。
図10に示されたように、第2の放熱入口111及び第2の放熱出口112がアトマイザケース110の底部に設けられる場合に、アトマイザケース110は、第2の放熱入口111及び第2の放熱出口112の周辺に設けられる溝117をさらに備える。これによって、放熱効率を向上することができる。
【0058】
本発明の実施例において、溝117が第2の放熱入口111及び第2の放熱出口112の周辺に設けられており、その具体的な形状及びサイズは、実際の必要に応じて設計されることができる。
【0059】
例えば、
図10に示されたように、溝117が、第2の放熱入口111と第2の放熱出口112とを接続して、アトマイザケース110の底部全体を跨ぐ。
【0060】
本発明の実施例において、第2の放熱入口111及び第2の放熱出口112がアトマイザケース110の底部の表面に対して内(上方)に向かって窪んでいる。これによって、放熱口(この例では、放熱入口および放熱出口)が塞がれることを回避して、放熱効率をさらに高めることができる。
【0061】
例えば、アトマイザケース110の底面が柔軟な物品に接触する場合に、第2の放熱入口111及び第2の放熱出口112と、アトマイザケース110の底部とが同一の高さにあると、第2の放熱入口111及び第2の放熱出口112が柔軟な物品によって塞がれて、よく放熱できなくなる可能性がある。本発明の実施例は、第2の放熱入口111及び第2の放熱出口112をアトマイザケース110の底部の表面に対して内(上方)に向かって凹ませることにより、溝117を追加している。これによって、第2の放熱入口111及び第2の放熱出口112が塞がれることを回避することができる。また、放熱気流が溝117に沿ってスムーズに排出されて、放熱効率をさらに向上することができる。
【0062】
図11は、本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザ100が含むサイレンサの一例の図である。
図11及び
図3に示されたように、サイレンサ140が第2の吸気口141及び第2の排気口142を備える。
【0063】
また、
図3に示されたように、圧縮機120が第3の吸気口125及び第3の排気口126をさらに備える。アトマイザケース110の第1の吸気口113及び第1の排気口114と、サイレンサ140の第2の吸気口141及び第2の排気口142と、圧縮機120の第3の吸気口125及び第3の排気口126との間が、シリコーンチューブにより接続されている。これによって、ガス経路を形成することができる。
【0064】
以下で、
図3を例として、本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザのガス経路構造を説明する。
【0065】
図3における矢印G1,G2に示されたように、ガスがアトマイザケース110の第1の吸気口113からシリコーンチューブを通過してサイレンサ140の第2の吸気口141に入り、それから、矢印G3,G4に示されたように、サイレンサ140の第2の排気口142からシリコーンチューブを通過して圧縮機120の第3の吸気口125に入り、圧縮機120によって圧縮される。矢印G1からG4までが吸気側ガス経路を示している。続いて、圧縮機120によって吐出されたガスは、矢印G5,G6に示されたように、圧縮機120の第3の排気口126からシリコーンチューブを通過してアトマイザケース110の第1の排気口114を通してアトマイザケース110外に排出される。矢印G5からG6までが排気側ガス経路を示している。第1の排気口114から排出されたガスは、例えば薬液ボトル(図示せず)に輸送されることで、液体としての薬液を霧化する。
【0066】
本発明の実施例において、サイレンサ140が拡張室型サイレンサであってもよい。拡張室型サイレンサの動作原理は公知であるから、本明細書では詳細に説明しない。
【0067】
しかしながら、本分野において、圧縮機の吸気ノイズの周波数をマッチングさせようとすると、設計された拡張室型サイレンサの長さが長くなる。小型アトマイザにおいては、アトマイザの内部空間が限られるため、噴霧器の体積を拡大しない限り、そのように設計された拡張室型サイレンサを小型アトマイザ内に入れることが困難である。
【0068】
本発明の実施例において、拡張室型サイレンサの長さが、アトマイザ体積に応じて設定されてもよく、また、拡張室の断面形状がアトマイザの形状に応じて自在に設計されてもよい。例えば、
図11に示されたように、拡張室型サイレンサの拡張室の横断面が丸角の矩形であってもよい。これにより、消音周波数とノイズ周波数が完全にマッチングしない場合に、拡張比を増大させることにより消音効果を満たすことができる。しかし、本願はこれに限定されるものではなく、拡張室の断面の面積の大きさを確保する場合、拡張室の断面形状は実際の状況に応じて設計されることができる。
【0069】
また、サイレンサの吸気口及び排気口をサイレンサの同一側に設けられてもよい。例えば、
図11に示されたように、上記吸気側ガス経路のうち上流側の部分(
図3中に矢印G2で示す部分)に流体流通可能に連なる第2の吸気口141と上記吸気側ガス経路のうち上記上流側の部分よりも下流側の部分(
図3中に矢印G3で示す部分)に流体流通可能に連なる第2の排気口142とが、サイレンサ140の同一側に設けられてもよい。これによって、アトマイザケースの内部空間を最大限に利用することができる。
【0070】
また、サイレンサの吸気口及び排気口の内径は、試験に基づいて、消音効果を確保するとともに、圧縮機の吸気流量に影響しない場合に得ることができる。
【0071】
図12は、本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザ100が含むサイレンサの別の例の図である。
図12に示されたように、サイレンサ140の第2の吸気口141と第2の排気口142とが、サイレンサ140の対向する両側に設けられてもよい。
【0072】
本発明の実施例において、サイレンサ140が圧縮機ケース121と一体に形成されてもよい。これによって、ノイズ低減効果を確保するとともに、部品数を少なくするので、コストを低減することができる。また、サイレンサ140と圧縮機ケース121とは個別に設計されてもよい。本発明は、サイレンサの位置を限定することなく、サイレンサがアトマイザケース内に自在に配置されてもよい。
【0073】
図13は、本発明の実施例に係る圧縮式アトマイザ100が含む圧縮機ケースの一例の図である。
【0074】
図8及び
図9に示されたように、アトマイザケース110が第1の上ケース115及び第1の下ケース116を含んでもよい。
図13に示されたように、圧縮機ケース121が第2の上ケース127及び第2の下ケース128を含んでもよい。
【0075】
また、アトマイザケース110の第1の下ケース116が圧縮機ケース121の第2の下ケース128と一体に形成されてもよい。これによって、ノイズ低減効果を確保するとともに、1層のケースを少なくして、放熱効果をさらに改善することができる。また、アトマイザケース110の第1の下ケース116と圧縮機ケース121の第2の下ケース128とは、1つの部材として形成されることによって、部品数を少なくして、コストを低減することができる。
【0076】
前述した実施例により分かるように、圧縮機ケースが圧縮機を取り囲んで収容することにより、圧縮機によって発生された機械的ノイズをアトマイザ外に拡散することを効果的に遮断して、ノイズ低減効果を実現することができる。さらに、圧縮機ケースがファンも取り囲んで収容することにより、ファンにより、圧縮機ケースの放熱入口と放熱出口との間に単一の放熱経路を形成してもよい。これによって、放熱気流によって渦巻きを形成することを回避して、放熱効果を改善して、放熱気流によるノイズを低減することができる。
【0077】
以上、具体的な実施形態を参照しながら本発明を説明しているが、上記の説明は、例示的なものに過ぎず、本発明の保護の範囲を限定するものではない。本発明の趣旨及び原理を離脱しない限り、本発明に対して各種の変形及び変更を行ってもよく、これらの変形及び変更も本発明の範囲に属する。
【0078】
上述した複数の実施の形態は、それぞれ単独で成立し得るものであるが、実施の形態同士の組みあわせも可能である。また、異なる実施の形態の中の種々の特徴も、それぞれ単独で成立し得るものであるが、異なる実施の形態の中の特徴同士の組みあわせも可能である。
【符号の説明】
【0079】
100 圧縮式アトマイザ
110 アトマイザケース
120 圧縮機
121 圧縮機ケース
130 ファン
131 ファンケース