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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】自動二輪車のフレーム
(51)【国際特許分類】
   B62K 11/04 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
B62K11/04 Z
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019134984
(22)【出願日】2019-07-23
(65)【公開番号】P2020015498
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】62/703377
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523044769
【氏名又は名称】ライブワイヤー イーブイ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】デナート,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】テド,ジャレド ピー.
(72)【発明者】
【氏名】シャーバース,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】コンケル,エリック ジョン
(72)【発明者】
【氏名】シャンツ,ジョン ダブリュ.
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-199976(JP,A)
【文献】特開平11-129966(JP,A)
【文献】特開平6-191459(JP,A)
【文献】特開平4-55186(JP,A)
【文献】特開2015-58740(JP,A)
【文献】米国特許第9365255(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 1/00- 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車のフレームであって、当該自動二輪車のフレームは、
左サイドフレーム部材と、
右サイドフレーム部材と、
前記左サイドフレーム部材と前記右サイドフレーム部材との間の前記フレームの長手方向の中心面に沿って位置付けされたステアリングヘッド部材であって、ステアリング軸線を規定するステアリングヘッド部分を含むステアリングヘッド部材と、を有しており、
複数の締結ジョイントが、前記ステアリングヘッド部材と前記左サイドフレーム部材と前記右サイドフレーム部材との間に設けられ、且つ前記ステアリングヘッド部分の後ろに位置付けされ、
前記複数の締結ジョイントとは別の締結ジョイントが、前記ステアリングヘッド部材と前記左サイドフレーム部材との間で前記複数の締結ジョイントの後ろに設けられ、
前記複数の締結ジョイントとは別の締結ジョイントが、前記ステアリングヘッド部材と前記右サイドフレーム部材との間で前記複数の締結ジョイントの後ろに設けられている、
自動二輪車のフレーム。
【請求項2】
前記ステアリングヘッド部分は、前記左サイドフレーム部材も前記右サイドフレーム部材も含まない前記ステアリングヘッド部材のみによって連続的に形成される、請求項1に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項3】
前記左サイドフレーム部材及び前記右サイドフレーム部材の前縁が、前記ステアリング軸線の後ろにオフセットしている、請求項1に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項4】
前記複数の締結ジョイントは、前記ステアリング軸線と平行に一列に配置される、請求項1に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項5】
前記左サイドフレーム部材は、前記長手方向の中心面の左側にのみ位置付けされ且つ前記中心面から離間しており、前記右サイドフレーム部材は、前記長手方向の中心面の右側にのみ位置付けされ且つ前記中心面から離間している、請求項1に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項6】
前記複数の締結ジョイントのうちの締結ジョイントは、前記ステアリングヘッド部材と前記左サイドフレーム部材及び前記右サイドフレーム部材との間の最前方のジョイントである、請求項1に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項7】
前記ステアリングヘッド部材の、前記ステアリング軸線に対して垂直に延びる部分が、前記複数の締結ジョイントの後ろに形成されている、請求項1に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項8】
前記ステアリングヘッド部材は、前記複数の締結ジョイントの前側及び後側に隣接する第1の一対の平坦なテーパ面を含み、前記左サイドフレーム部材は、前記ステアリングヘッド部材の前記第1の一対の平坦なテーパ面と係合する一対の平坦なテーパ面を含み、前記ステアリングヘッド部材は、前記複数の締結ジョイントの前側及び後側に隣接する第2の一対の平坦なテーパ面を含み、前記右サイドフレーム部材は、前記ステアリングヘッド部材の前記第2の一対の平坦なテーパ面と係合する一対の平坦なテーパ面を含む、請求項1に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項9】
前記左サイドフレーム部材、前記右サイドフレーム部材、及び前記ステアリングヘッド部材は、それらの間に溶接接合部がない、請求項1に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項10】
自動二輪車のフレームであって、当該自動二輪車のフレームは、
左サイドフレーム部材と、
右サイドフレーム部材と、
前記左サイドフレーム部材と前記右サイドフレーム部材との間の前記フレームの長手方向の中心面に沿って位置付けされたステアリングヘッド部材であって、ステアリング軸線を規定するステアリングヘッド部分を含むステアリングヘッド部材と、
前記ステアリングヘッド部材と前記左サイドフレーム部材と前記右サイドフレーム部材との間に設けられ、前記ステアリングヘッド部分の後ろにのみ位置付けされた複数の締結ジョイントと、を有しており、
前記左サイドフレーム部材は、前記長手方向の中心面の左側にのみ位置付けされ且つ前記中心面から離間しており、前記右サイドフレーム部材は、前記長手方向の中心面の右側にのみ位置付けされ且つ前記中心面から離間しており、
前記ステアリングヘッド部材は、前記複数の締結ジョイントの前側及び後側に隣接する第1の一対の平坦なテーパ面を含み、前記左サイドフレーム部材は、前記ステアリングヘッド部材の前記第1の一対の平坦なテーパ面と係合する一対の平坦なテーパ面を含み、前記ステアリングヘッド部材は、前記複数の締結ジョイントの前側及び後側に隣接する第2の一対の平坦なテーパ面を含み、前記右サイドフレーム部材は、前記ステアリングヘッド部材の前記第2の一対の平坦なテーパ面と係合する一対の平坦なテーパ面を含む、
自動二輪車のフレーム。
【請求項11】
前記左サイドフレーム部材、前記右サイドフレーム部材、及び前記ステアリングヘッド部材は、それらの間に溶接接合部がない、請求項10に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項12】
前記ステアリングヘッド部分は、前記左サイドフレーム部材も前記右サイドフレーム部材も含まない前記ステアリングヘッド部材のみによって連続的に形成される、請求項10に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項13】
前記左サイドフレーム部材及び前記右サイドフレーム部材の前縁が、前記ステアリング軸線の後ろにオフセットしている、請求項10に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項14】
前記複数の締結ジョイントは、前記ステアリング軸線と平行に一列に配置される、請求項10に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項15】
前記複数の締結ジョイントは、前記ステアリング軸線の後ろにあり、前記左サイドフレーム部材と前記右サイドフレーム部材との両方は、前記ステアリング軸線の前で、前記ステアリングヘッド部材との接合部がなく、且つ互いに接合部がない、請求項10に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項16】
前記ステアリングヘッド部材の、前記ステアリング軸線に対して垂直に延びる部分が、前記複数の締結ジョイントの後ろに形成されている、請求項10に記載の自動二輪車のフレーム。
【請求項17】
前記複数の締結ジョイントとは別に、前記ステアリングヘッド部材と前記左サイドフレーム部材及び前記右サイドフレーム部材のそれぞれとの間にそれぞれ追加の締結ジョイントが設けられる、請求項10に記載の自動二輪車のフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2018年7月25日に出願された米国仮特許出願第62/703,377号に対して優先権を主張するものであり、この文献は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、自動二輪車のためのマルチピース式フレームに関する。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、本発明は、自動二輪車のフレームを提供し、このフレームは、左サイドフレーム部材と、右サイドフレーム部材と、左サイドフレーム部材と右サイドフレーム部材との間にフレームの長手方向の中心面に沿って位置付けされたステアリングヘッド部材とを含む。ステアリングヘッド部材は、ステアリング軸線を規定するステアリングヘッド部分を含む。複数の締結ジョイントが、ステアリングヘッド部材と左サイドフレーム部材と右サイドフレーム部材との間に設けられ、複数の締結ジョイントは、ステアリングヘッド部分の後ろに位置付けされる。複数の締結ジョイントとは別の締結ジョイントが、ステアリングヘッド部材と左サイドフレーム部材との間で複数の締結ジョイントの後ろに設けられる。複数の締結ジョイントとは別の締結ジョイントが、ステアリングヘッド部材と右サイドフレーム部材との間で複数の締結ジョイントの後ろに設けられる。
【0004】
他の態様では、本発明は、自動二輪車のフレームを提供し、このフレームは、左サイドフレーム部材と、右サイドフレーム部材と、左サイドフレーム部材と右サイドフレーム部材との間にフレームの長手方向の中心面に沿って位置付けされたステアリングヘッド部材とを含む。ステアリングヘッド部材は、ステアリング軸線を規定するステアリングヘッド部分を含む。複数の締結ジョイントが、ステアリングヘッド部材と左サイドフレーム部材と右サイドフレーム部材との間に設けられる。複数の締結ジョイントは、ステアリングヘッド部分の後ろのみに位置付けされる。左サイドフレーム部材は、長手方向の中心線の左側にのみ位置付けされ且つその中心線から離間しており、右サイドフレーム部材は、長手方向の中心線の右側にのみ位置付けされ且つその中心線から離間している。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】自動二輪車のフレームアセンブリの斜視図である。
図2図1のフレームアセンブリの上面図である。
図3図1のフレームアセンブリの右側面図である。
図4図1のフレームアセンブリの正面図である。
図5図1のフレームアセンブリの分解組立図である。
図6図1のフレームアセンブリの前方締結ジョイントを通る断面図である。
図7図1のフレームアセンブリの後方締結ジョイントを通る断面図である。
図8図1図7のフレームアセンブリを含む自動二輪車の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の実施形態について詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載される又は以下の図面に示される構成要素の構造及び配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、且つ様々な方法で実施又は実行することができる。また、本明細書で使用される表現及び用語は説明を目的としており、限定と見なすべきではないことを理解されたい。
【0007】
図1図7は、自動二輪車20(図8)のための自動二輪車のフレーム100を示す。自動二輪車20は、例えば、二輪のオートバイ(単車:single track motorcycle)である。いくつかの構成では、自動二輪車20は、後輪を駆動するバッテリ駆動電気モータを含むパワートレインを有する電動二輪車である。図示されるフレーム100は、複数の別々に形成されたピース又は部材から組み立てられたマルチピース式の自動二輪車メインフレームアセンブリである。さらに、フレーム100は、自動二輪車を組み立てる際に、動力源(内燃機関及び/又は電気モータ)、オプションの多段変速機、ステアリングアセンブリ、スイングアームアセンブリ、及び座席アセンブリ等の追加の構造体と組み合わされるようになっている。フレーム100は、上記の構造体のいずれか又は全てと直接的又は間接的に相互作用することができ、フットペグ、ハンドルバー、燃料タンク及び/又は電池パック、スイッチ及びレバーを含むライダーが操作可能な制御機器、機器類等を含む追加のアクセサリがフレーム100によって支持されることにも留意されたい。図示のフレーム100は、その主要要素として、ステアリングヘッド部材104、左サイド部材108L、及び右サイド部材108Rを含む。左サイド部材108L及び右サイド部材108Rは、独立してステアリングヘッド部材104に結合される。左サイド部材108L及び右サイド部材108Rは、互いに直接的に係合又は結合されるのではなく、ステアリングヘッド部材104によってフレーム100の長手方向の中心面CPの両側で互いに離間している。左サイド部材108L及び右サイド部材108Rのそれぞれは、それぞれの締結ジョイント(fastener joint)を規定する複数のねじ式締結具を用いてステアリングヘッド部材104に結合されており、これら締結ジョイントについて以下でさらに詳細に説明する。いくつかの構造では、左サイド部材108L及び右サイド部材108R及びステアリングヘッド部材104のそれぞれは金属鋳造品(例えば、アルミニウム)である。示されるように、左サイド部材108L及び右サイド部材108R及びステアリングヘッド部材104のそれぞれは、側面から見たときに、1つ又は複数の開口部を規定するいくつかの材料セグメントを含むトレリス(trellis)構成を有することができる。例えば、左サイド部材108L及び右サイド部材108Rのそれぞれは、外周面と、側面視で3つの開口部116を規定する2つの中間ウェブセグメント112とを含む。ステアリングヘッド部材104は、(主に垂直方向のステアリングヘッドチャネル124及び対応するステアリング軸線Aを規定する)ステアリングヘッド部分120と、ステアリングヘッド部分120の後端部で垂直方向のウェブセグメント128によって接続される一体形成された上部及び下部ウェブとを含み、単一の開口部132が、ステアリングヘッド部分120の左右両側に規定される。両側の開口部132は、1つの共通の開口部を効果的に確立するために、左サイド部材108L又は右サイド部材108Rの開口部116のうちの最前方の開口部の形状と重なり且つ一致する。
【0008】
ステアリングヘッド部分120は、左サイドフレーム部材108Lも右サイドフレーム部材108Rも含まないステアリングヘッド部材104のみによって連続的に形成される。さらに、図示されるように、左サイドフレーム部材108L及び右サイドフレーム部材108Rの前縁が、ステアリング軸線Aの後部にオフセットしている(例えば、前縁は、ステアリング軸線Aと平行に延びることができる)。このように、左右の側面視において、ステアリングヘッド部分120は露出される一方、ステアリングヘッド部材104の残りの部分は、左サイドフレーム部材108L及び右サイドフレーム部材108Rによって隠される。ステアリングヘッド部材104の隠された部分は、側面視で、ステアリングヘッド部材の外周によって規定される全領域の大部分を占める。
【0009】
示されるように、左サイドフレーム部材108L及び右サイドフレーム部材108R及びステアリングヘッド部材104のそれぞれは、リブ付きシェル部材として形成することができる。これは、閉断面構造(例えば、管又は箱部分)とは対照的である。左サイド部材108L及び右サイド部材108Rは、(例えば、アルミニウムの)個別の鋳造品として形成することができる。示されるように、左サイド部材108L及び右サイド部材108R及びステアリングヘッド部材104のそれぞれは、凸状の外向き面及び凹状の内向き面を有する。内向き面を横切って補強リブが設けられている。さらに、(例えば、電池パック140(図3)を含む充電式エネルギー貯蔵システムを取り付けるための)複数の締結具受容孔136が左サイド部材108L及び右サイド部材108R全体に分散している。左サイド部材108L及び右サイド部材108Rは、例えばスイングアーム旋回(pivot)シャフトを受容するように、スイングアーム旋回点を規定するように位置合わせされたそれぞれの孔144をその後端に含む。左サイド部材108L及び右サイド部材108Rは、座席フレーム部材(図示せず)を取り付けるためのそれぞれの孔146(例えば、それぞれ2つ)をさらに含み得る。
【0010】
ステアリングヘッド部材104は、ステアリングヘッド部材104の前端に向けて配置された複数の締結ジョイント150を用いて左サイド部材108L及び右サイド部材108Rに固定される。これら締結ジョイント150のそれぞれは、ステアリングヘッド部分120及びステアリング軸線Aを規定するステアリングヘッドチャネル124の後ろに位置付けされる。一群の締結ジョイント150は、側面視で、一列に配置された又は整列した2つより多い(例えば、3つの)ボルト式ジョイントを含むことができる(図3)。その単列は、ステアリングヘッド部分120によって規定されるステアリング軸線Aと平行であり得る。締結ジョイント150は、ステアリングヘッド部材104と左サイドフレーム部材108L及び右サイドフレーム部材108Rとの間の最前方のジョイントである。図6に最もよく示されるように、各締結ジョイント150は、ステアリングヘッド部材104と左サイド部材108L及び右サイド部材108Rの両方との間に形成される。各締結ジョイント150は、ねじ式締結具154(例えば、ボルト)を含み、この締結具154は、左サイド部材108L及び右サイド部材108Rの一方(例えば、右サイド部材108R)の孔158を通って、ステアリングヘッド部材104の孔162を通って、左サイド部材108L及び右サイド部材108Rの他方(例えば、左サイド部材108L)の孔166を通って延び、サイド部材108Lの外側のナット170と係合してボルト式ジョイントを規定する。こうして、左サイド部材108L及び右サイド部材108Rの孔158、166はねじ切りされておらず、締結具154は、孔158、166と係合するシャンク部分においてねじ切りしなくてもよい。しかしながら、他の構成では、第2の孔166のそれぞれをねじ切りして、ナット170を省いてもよい。締結具154は、長手方向の中心面CPに対して真っ直ぐ又は主に垂直に延びることができ、各締結具154は長手方向の中心面CPを横切る。締結具154の頭部174は、上面図及び/又は正面図において部分的又は完全に隠れるように、サイド部材108Rの外側に形成されたポケット内に受容され得る。同様に、ナット170は、上面図及び/又は正面図において部分的に又は完全に隠れるように、サイド部材108Lの外側に形成されたポケット内に受容され得る。ステアリングヘッド部材104を貫通する孔162は、ステアリングヘッド部材104のそれぞれの横方向の外側面に形成されたそれぞれのトラフ又はチャネル178L、178Rに沿ってその中に配置される。長手方向に中心面CPに向かう方向において、各チャネル178L、178Rの対向する前後の平坦面は、互いに向けてテーパが付けられる。同様に、孔158、166を有する左サイド部材108L及び右サイド部材108Rの対応する部分は、それぞれのチャネル178L、178Rの表面と係合するノーズ182を形成する相補的なテーパ面を有する。このように、締結ジョイント150の締め付けによって、締結具154の長さ方向に対して垂直な方向において、ステアリングヘッド部材104と左サイド部材108L及び右サイド部材108Rとの間に益々きつい嵌合を促す楔作用がもたらされる。
【0011】
締結ジョイント150がステアリングヘッド部分120の後ろに配置されるが、締結ジョイント150は、ステアリングヘッド部材104の前方半分に配置されており、ステアリングヘッド部分120の直ぐ後ろに配置されると説明することができる。ステアリング軸線Aに対して垂直方向に測定されたステアリングヘッド部材104の長さL(図3)の大部分が、締結ジョイント150の後ろに形成される。追加の締結ジョイント186が、オプションでステアリングヘッド部材104の後縁に沿って、ステアリング部材104の後方半分に配置される。こうして、追加の締結ジョイント186は、前方締結ジョイント150から開口部132を横切って離間している。図7には、このような1つの締結ジョイント186の断面図が示される。前方締結ジョイント150とは異なり、追加の締結ジョイント186は、ステアリングヘッド部材104と、左サイドフレーム部材108L及び右サイドフレーム部材108Rの個々のフレーム部材との間に形成される。また、前方締結ジョイント150とは異なり、追加の締結ジョイント186は、ナットを使用せずに、ステアリングヘッド部材104のねじ切りされたフレーム孔194と係合する締結具190によって確立される。締結具190の頭部198は、上面図及び/又は正面図において部分的又は完全に隠すために、締結具受容孔202の位置でサイド部材108L、108Rの外側に形成されたポケット内に受容され得る。図7に示されるように、ステアリングヘッド部材104は、厚さt2が、ステアリングヘッド部材104を形成する表面に対して垂直ではなく、t1に対して平行に測定される場合であっても、孔194の位置において、締結ジョイント186の直ぐ前方の厚さt2と比較して劇的に増大した材料厚さt1(締結具190の軸方向に測定される)を有し得る。いくつかの構成において、孔194の位置における厚さt1は、厚さt2の少なくとも3倍又は少なくとも4倍である。ステアリングヘッド部材104の各側面が、上端に1つと下端に1つとの2つのねじ孔194を含むように示されているが、ステアリングヘッド部材104は、締結具190を受容するために各側部に1つ又は2つ以上の孔を含むことができる。いずれにせよ、ステアリングヘッド部材104は全体として、ステアリングヘッド部分120において前方締結ジョイント150の後方に間隔を置いて配置された複数の締結ジョイント186を規定する。このように、開口部116、132の前部に沿って複数の締結ジョイント150があり、フレーム開口部116、132の後部に沿って及び複数の締結ジョイント186がある。
【0012】
本開示の文脈において、締結具及び締結ジョイントは、機械的締結装置の使用を意味し、溶接又は一体鋳造/鍛造等を意味しない。いくつかの構造において、締結ジョイントは、フレーム又は締結具に対して破壊的手段を必要とせずに、分解することができる。他の場合に、締結具は、恒久的な締結具、又は一度だけの設置使用であり得る。例示された実施形態を通して、ねじ式締結具は複数のボルト式ジョイントを作製するために使用され、そのねじ式締結具は、本明細書では概して取り外し可能なねじ式締結ジョイントを指すために使用される。
【0013】
特定の好ましい実施形態を参照して本開示について詳細に説明してきたが、説明したような本開示の1つ又は複数の独立した態様の範囲及び精神内において変形及び修正が存在する。本開示の様々な特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲に記載されている。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8