(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】リコートアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B29C 64/205 20170101AFI20240827BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240827BHJP
【FI】
B29C64/205
B33Y30/00
(21)【出願番号】P 2023068725
(22)【出願日】2023-04-19
(62)【分割の表示】P 2021567073の分割
【原出願日】2020-05-22
【審査請求日】2023-04-19
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ブロンバーグ、ヴァディム
(72)【発明者】
【氏名】ステルレ、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】スモレンスキ、ジョセフ、ルシアン
(72)【発明者】
【氏名】ボニージャ、カルロス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス、タイラー、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】フルトン、ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】バトラー、ロバート
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-047603(JP,A)
【文献】特表2014-527481(JP,A)
【文献】特開2016-107543(JP,A)
【文献】特開2018-192656(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109605737(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/273762(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/368054(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/190923(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B22F 1/00-12/90
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
前記ベース部材に回転可能に接続されている前ローラと、
前記ベース部材に接続され、前記前ローラの前方に配置され、前記前ローラの前方にエネルギーを放出する、前方エネルギー源と、
前記ベース部材に接続され、前記前方エネルギー源の後方に配置され、前記前方エネルギー源の後方にエネルギーを放出する、後方エネルギー源と、
前記ベース部材に回転可能に接続され、前記前ローラと離間している、後ローラと、
前記前ローラおよび前記後ローラの少なくとも一方、および前記ベース部材に接続され、前記ベース部材に対して垂直方向に、前記前ローラおよび前記後ローラの少なくとも一方を移動させる、垂直アクチュエータと、
前記前ローラおよび前記後ローラの少なくとも一方の垂直方向の動きを制限するハードストップと、
を
含み、
前記垂直アクチュエータが前記ベース部材の静止部に対して移動可能な前記ベース部材の枢動部に結合され、前記前ローラ及び前記後ローラが前記枢動部に連結され、前記ハードストップの連結部が前記枢動部に連結され、前記ハードストップのポスト部が前記静止部に移動可能に係合され、前記前ローラ及び前記後ローラがx軸方向に回転し、前記垂直方向がz軸方向である場合に、前記ハードストップは、x軸及びz軸に直交するy軸周りの前記前ローラ及び後ローラの移動の制限を補助する、
リコートアセンブリ。
【請求項2】
少なくとも部分的に前記ハードストップを封入するダストシールドをさらに含む、
請求項
1に記載のリコートアセンブリ。
【請求項3】
前記前ローラおよび前記後ローラが前記ベース部材に対して、相互に独立に移動可能であるように、前記前ローラおよび前記後ローラに接続されている、垂直アクチュエータをさらに含む、請求項
1に記載のリコートアセンブリ。
【請求項4】
前記垂直アクチュエータは、前記前ローラに接続されている第1垂直アクチュエータであり、
前記リコートアセンブリは、前記後ローラに接続されている第2垂直アクチュエータをさらに含み、
前記第2垂直アクチュエータは、前記ベース部材に対して垂直方向に前記後ローラを移動させる、
請求項
1に記載のリコートアセンブリ。
【請求項5】
前記前ローラは、前ローラ直径を有し、
前記後ローラは、後ローラ直径を有し、
前記前ローラ直径と前記後ローラ直径とは異なる、
請求項
1に記載のリコートアセンブリ。
【請求項6】
前記ベース部材に接続され、前記前ローラによって画定されるローラ窓内にある高さで、前記前ローラの前方に位置する、粉末係合部材をさらに含む、
請求項1に記載のリコートアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は一般に、リコートアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造システムを利用して、有機または無機粉末などのビルド材料からオブジェクトを層状に「ビルド」することができる。従来の付加製造システムはバインダ材料を堆積させ、硬化させてオブジェクトを「ビルド」することができるように、ビルド材料の層を連続的に分配するように構成された様々な「リコート」装置を含む。しかしながら、従来のリコート装置はビルド材料を一貫性なく分配し、付加製造システムによってビルドされるオブジェクトに変動をもたらす可能性がある。さらに、従来のリコート装置の構成要素が破損した場合には、一般に、修理のためにリコート装置を取り外す必要があり、それによって、システムのダウンタイムを増大させ、運転コストを増大させることに寄与する。さらに、いくつかの従来のリコート装置はビルド材料を流動化することによってビルド材料を分配し、空気中のビルド材料は、付加製造システムの他の構成要素に分散され得、付加製造システムの他の構成要素を妨害および/または劣化させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、付加製造システムのための代替的なリコートアセンブリが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、オブジェクトを形成する方法は、リコートアセンブリをビルド材料上で塗布方向に移動させることを含み、リコートアセンブリは、第1ローラと、第1ローラから間隔を空けて配置された第2ローラと、を含み、リコートアセンブリの第1ローラを、第1ローラの底部が塗布方向に移動するように逆回転方向に回転させることと、リコートアセンブリの第1ローラとビルド材料を接触させ、それによってビルド材料の少なくとも一部を流動化させることと、リコートアセンブリの前端に結合された前方エネルギー源で、ビルド領域に配置されたビルド材料の初期層に放射線を照射することと、ビルド材料の初期層に放射線を照射した後、ビルド領域にビルド材料を広げることと、それによって、ビルド材料の初期層の上にビルド材料の第2層を堆積させ、ビルド材料の第2層を広げるのに続いて、前方エネルギー源の後方に配置された後方エネルギー源を用いて、ビルド領域内のビルド材料の第2層に放射線を照射する、ことを含む。
【0005】
別の実施形態では、オブジェクトを形成する方法が、ビルド材料の上でリコートアセンブリを移動させるステップを含み、リコートアセンブリは第1ローラと、第1ローラと離間された第2ローラとを含み、第2ローラを第1ローラの上方を垂直方向に移動させ、リコートアセンブリの第1ローラを逆回転方向に回転させ、第1ローラの底部が塗布方向に移動し、ビルド材料をリコートアセンブリの第1ローラに接触させ、それによってビルド材料の少なくとも一部を流動化させ、一方、第2ローラはビルド材料から垂直方向に離間させ、流動化ビルド材料を第1ローラで移動させ、それによってビルド領域内に位置決めされた初期ビルド材料層の上に第2層を堆積させる。
【0006】
さらに別の実施例では、付加製造システムのリコートアセンブリがベース部材と、ベース部材に回転可能に連結された前ローラと、ベース部材に回転可能に連結された後ローラと、前ローラが後ローラから離間して配置されたベース部材と、ベース部材に連結され前
ローラの前方に配置された前方エネルギー源であって、前方エネルギー源が前ローラの前方にエネルギーを放出する前方エネルギー源と、ベース部材に連結され前方エネルギー源の後方に配置され、後方エネルギー源が前方エネルギー源の後方にエネルギーを放出する後方エネルギー源とを含む。
【0007】
さらに別の態様では、付加製造システム用のリコートアセンブリがベース部材と、ベース部材に回転自在に連結され、第1ローラ直径を有する第1ローラと、ベース部材に回転自在に連結された第2ローラと、を有し、第2ローラは第1ローラから離間して第2ローラ直径を有し、第2ローラ直径は第1ローラ直径よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2A】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による付加製造システムを概略的に示す。
【
図2B】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、別の付加製造システムを概略的に示す。
【
図2C】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による付加製造システムのビルド材料の拡大図を概略的に示す。
【
図3】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、
図2Aの付加製造システムのリコートアセンブリの実施形態を概略的に示す。
【
図4】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図3のリコートアセンブリの別の図を概略的に示す。
【
図5】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図3のリコートアセンブリの別の図を概略的に示す。
【
図6A】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、リコートアセンブリの別の側面図を概略的に示す。
【
図6B】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、リコートアセンブリの断面図を概略的に示す。
【
図6C】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、分離して示された
図6Bのリコートアセンブリのローラおよびローラ支持体を概略的に示す。
【
図7A】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、
図6Cのローラ支持体を単独で概略的に示す。
【
図7B】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、
図7Aのローラ支持体の別の図を概略的に示す。
【
図7C】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図7Aのローラ支持体と共に使用するための歪みゲージを概略的に示す。
【
図8】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、別のローラ支持体を単独で概略的に示す。
【
図9A】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、別のローラ支持体を単独で概略的に示す。
【
図9B】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図9Aのローラ支持体の別の図を概略的に示す。
【
図9C】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図9Aのローラ支持体の断面図を概略的に示す。
【
図9D】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図9Aのローラ支持体と共に使用するロードセルを概略的に示す。
【
図10】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、ロードセルおよび少なくとも1つの歪みゲージに結合されたローラ支持体を概略的に示す。
【
図11A】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図6Bのリコートアセンブリの別の断面図を概略的に示す。
【
図11B】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、リコートアセンブリの斜視図を概略的に示す。
【
図11C】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図11Bのリコートアセンブリの斜視断面図を概略的に示す。
【
図11D】本明細書に示され説明される1つ以上の実施形態による、
図11Bのリコートアセンブリの断面図を概略的に示す。
【
図11E】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、リコートアセンブリの底面斜視図を概略的に示す。
【
図12】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図6Bのリコートアセンブリのローラおよびエネルギー源を概略的に示す。
【
図13】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図6Bのリコートアセンブリのローラのレイアウトの1つの実施形態を概略的に示す。
【
図14】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図6Bのリコートアセンブリのローラのレイアウトの別の実施形態を概略的に示す。
【
図15】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図6Bのリコートアセンブリのローラのレイアウトの別の実施形態を概略的に示す。
【
図16A】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、清掃部材を含むリコートアセンブリの斜視図を概略的に描写する。
【
図16B】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、清掃部材を含むリコートアセンブリの斜視図を概略的に示す。
【
図16C】本明細書に示され記載される1つまたは複数の実施形態による、
図16Bのリコートアセンブリの斜視断面図を概略的に示す。
【
図16D】本明細書に示され記載される1つまたは複数の実施形態による、
図16Cのクリーニング部材と係合されるクリーニング位置調整アセンブリの分解図を概略的に示す。
【
図17A】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図3のリコートアセンブリのクリーニング部材およびローラの上面図を概略的に示す。
【
図17B】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図3のリコートアセンブリのローラおよび清掃部材の別の上面図を概略的に示す。
【
図17C】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、
図3のリコートアセンブリのローラおよびクリーニング部材の側面図を概略的に示す。
【
図18A】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図3のリコートアセンブリの二次収容ハウジングおよびバキュームの斜視図を概略的に示す。
【
図18B】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図3のリコートアセンブリの一次収容ハウジングおよびバキュームの斜視図を概略的に示す。
【
図19】本明細書中に示され、記載される1つ以上の実施形態による、
図3のバキュームおよびリコートアセンブリの断面図を概略的に示す。
【
図20】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、別のリコートアセンブリの斜視図を概略的に示す。
【
図21】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図20のリコートアセンブリの別の斜視図を概略的に示す。
【
図22】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図20のリコートアセンブリの断面図を概略的に示す。
【
図23】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、リコートアセンブリの別の断面図を概略的に示す。
【
図24】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による付加製造システムの制御図を概略的に示す。
【
図25】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、付加製造システムの動作パラメータを調整するためのフローチャートである。
【
図26】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、付加製造システムの動作パラメータを調整するための別のフローチャートである。
【
図27】本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、ビルド材料をビルド領域に移動させるためのフローチャートである。
【
図28】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、ビルド材料をビルド領域に移動させるリコートアセンブリを概略的に示す。
【
図29A】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、ビルド材料をビルド領域に移動させるリコートアセンブリを概略的に示す。
【
図29B】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、ビルド領域内でビルド材料を圧縮するリコートアセンブリを概略的に示す。
【
図29C】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、ビルド材料をビルド領域に移動させるリコートアセンブリを概略的に示す。
【
図29D】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、戻り方向に移動するリコートアセンブリを概略的に示す。
【
図30】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、リコートアセンブリからビルド材料を引き出す方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載される付加製造装置およびその構成要素の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載され、一部はその説明から当業者に容易に明らかになり、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、ならびに添付の図面を含む、本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識される。
【0010】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方が様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の性質および特徴を理解するための概観またはフレームワークを提供することを意図していることを理解されたい。添付の図面は、様々な実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は本明細書で説明される様々な実施形態を示し、説明とともに、特許請求される主題の原理および動作を説明する役割を果たす。
【0011】
以下、添付図面に例示された付加製造装置およびその構成要素の実施形態を詳細に参照する。可能な限り、同じ参照番号は同じまたは類似の部分を参照するために、図面全体にわたって使用される。付加製造システム100の一実施形態を
図2Aに概略的に示す。付加マニフェストシステムは一般に、ビルド領域にビルド材料を広げるためのリコートアセンブリを含むことができる。本明細書で説明する実施形態では、リコートアセンブリがリコートアセンブリに作用する力を検出する1つまたは複数のセンサを含む。リコートアセンブリに作用する力を検出することによって、欠陥を特定することができ、リコートアセンブリの動作に関連する1つ以上のパラメータを調整して、リコートアセンブリの性能を最適化することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているリコートアセンブリは、リコートアセンブリの1つ以上の構成要素が故障した場合に、リコートアセンブリが動作を継続することができるように、ローラやエネルギー源などの複数の冗長構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているリコートアセンブリは、空気中のビルド材料を収集して封じ込めるように作用する真空と流体連通している。付加製造システムのためのリコートアセンブリ、リコートアセンブリを含む付加製造システム、およびこれらを使用するための方法のこれらおよび他の実施形態は、添付の図面を具体的に参照しながら本明細書でさらに詳細に説明される。
【0012】
範囲は本明細書ではある特定の値の「約」から、および/または別の特定の値の「約」までとして表すことができる。そのような範囲が表現される場合、別の実施形態は、1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表される場合、先行する「約」を使用することによって、特定の値が別の実施形態を形成する
ことが理解される。範囲の始点および終点はそれぞれ他方の点(終点および始点)との関連において重要な意味を持ち、且つ、当該他方の点とは独立した意味を有している。
【0013】
本明細書で使用される方向用語(例えば、上、下、右、左、前、後、上、下)は図面を参照してのみなされ、特に明記しない限り、絶対的な向きを暗示することを意図しない。
【0014】
「通信可能に結合された」という語句は、本明細書では様々な構成要素の相互接続性を説明するために使用され、構成要素がワイヤ、光ファイバ、またはワイヤレスのいずれかによって接続され、その結果、電子信号、光信号、および/または電磁気信号が構成要素間で交換され得ることを手段する。
【0015】
特に明記しない限り、本明細書に記載される任意の方法は、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とするものとして解釈されることも、任意の装置の特定の向きを必要とするものとして解釈されることも、決して意図されていない。したがって、方法クレームがそのステップが従うべき順序を実際に列挙していない場合、または任意の装置クレームが個々の構成要素に対する順序または向きを実際に列挙していない場合、またはステップが特定の順序に限定されるべきであること、または装置の構成要素に対する特定の順序または向きが列挙されていないことは、いかなる点においても、順序または向きが推論されることは決して意図されていない。これは、ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序、または構成要素の向きに関する論理の事項、文法編成または句読点から導出される平易な意味、および本明細書に記載される実施形態の数またはタイプを含む、解釈のための任意の可能な非明示的な基礎に当てはまる。
【0016】
本明細書で使用されるように、単数形「1つの」などは文脈が明らかに沿わないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つの」コンポーネントへの言及は文脈が別段に明確に示さない限り、2つ以上のそのようなコンポーネントを有する態様を含む。
【0017】
本明細書に記載される実施形態は一般に、付加製造システムのためのリコートアセンブリを対象とする。付加製造システムは一般に、ビルド材料の連続的な堆積および結合を通して材料を「ビルド」することができる。従来の付加製造システムでは、ビルド材料の堆積が困難で、汚れており、時間がかかり、エラーが発生しやすいプロセスである。本明細書に記載される実施形態は、一貫した構成可能な方法でビルド材料を堆積させるアセンブリをリコーティングすることを対象とする。
【0018】
図1を参照すると、従来の付加製造システム10が概略的に示されている。従来の付加製造装置10は、供給プラットフォーム30と、ビルドプラットフォーム20と、クリーニングステーション11と、ビルドヘッド15とを含む。供給プラットフォーム30は、供給プラットフォームアクチュエータ32に結合される。供給プラットフォームアクチュエータ32は供給プラットフォーム30が上昇または下降され得るように、垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+/-Z方向)に作動可能である。ビルドプラットフォーム20は供給プラットフォーム30に隣接して配置され、供給プラットフォーム30と同様に、アクチュエータ、具体的にはビルドプラットフォームアクチュエータ22に結合される。ビルドプラットフォームアクチュエータ22はビルドプラットフォーム20を上昇または下降させることができるように、垂直方向に作動可能である。クリーニングステーション11は、供給プラットフォーム30に隣接して、ビルドプラットフォーム20の反対側に配置されている。すなわち、供給プラットフォーム30は従来の付加製造装置10の動作軸(すなわち、図に描かれた座標軸の+/-X軸に平行に延びる軸)に沿って、クリーニングステーション11とビルドプラットフォーム20との間に位置する。ビルドヘッド15は従来の付加製造装置10の動作軸に沿って、アクチュエータ(図示せず)で横
断してもよく、その結果、ビルドヘッド15はクリーニングステーション11と同じ位置にあるホームポジション12から、供給プラットフォーム30の上を通り、ビルドプラットフォーム20の上を通り、再び、最終的にホームポジション12に戻る。
【0019】
動作中、有機または無機粉末などのビルド材料31は、供給プラットフォーム30上に配置される。供給プラットフォーム30は、ビルドヘッド15の経路内にビルド材料31の層を提示するように作動される。次いで、ビルドヘッド15はホームポジション12からビルドプラットフォーム20に向かって、矢印40で示す方向に、従来の付加製造装置10の動作軸に沿って作動される。ビルドヘッド15が供給プラットフォーム30上をビルドプラットフォーム20に向かって動作軸を横切るとき、ビルドヘッド15は、ビルド材料31の層を、供給プラットフォーム30からビルドプラットフォーム20へのビルドヘッド15の経路内に分配する。その後、ビルドヘッド15がビルドプラットフォーム20上で動作軸に沿って継続すると、ビルドヘッド15はビルドプラットフォーム20上に分配されたビルド材料31の層上に、バインダ材料50の層を所定のパターンで堆積させる。任意選択で、バインダ材料50が堆積された後、ビルドヘッド15内のエネルギー源を利用して、堆積されたバインダ材料50を硬化させる。次に、ビルドヘッド15は、ビルドヘッド15の少なくとも一部がクリーニングステーション11上に位置決めされるホームポジション12に戻る。ビルドヘッド15がホームポジション12にある間、ビルドヘッド15はクリーニングステーション11と連動して作動し、要素が汚れたり、さもなければ詰まったりしないようにバインダ材料50を堆積させるビルドヘッド15の要素上にクリーニングおよびメンテナンス動作を提供する。これは、ビルドヘッドが後続の堆積パス中に所望のパターンでバインダ材料50を堆積させることができることを保証する。このメンテナンス間隔の間、供給プラットフォーム30は矢印43によって示されるように、上向きの垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+Z方向)に作動され、ビルドヘッド15の経路内にビルド材料31の新しい層を提示する。ビルドプラットフォーム20は矢印42で示すように、下向きの垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の-Z方向)に作動して、ビルドプラットフォーム20を準備し、供給プラットフォーム30から新しい層のビルド材料31を受け入れる。次に、ビルドヘッド15を従来の付加製造装置10の動作軸に沿って再び作動させて、ビルドプラットフォーム20にビルド材料31およびバインダ材料50の別の層を追加する。この一連のステップが複数回繰り返されて、ビルドプラットフォーム20上にオブジェクトが層ごとにビルドされる。
【0020】
ここで
図2Aを参照すると、付加製造システム100の実施形態が概略的に示されている。システム100は、クリーニングステーション110と、ビルド領域124と、供給プラットフォーム130と、アクチュエータアセンブリ102とを含む。アクチュエータアセンブリ102は、他の要素の中でもとりわけ、ビルド材料31を分配するためのリコートアセンブリ200と、バインダ材料50を堆積するためのプリントヘッド150とを備える。アクチュエータアセンブリ102は、リコートアセンブリ200およびプリントヘッド150を互いに独立してシステム100の動作軸上を横断することを容易にするように構成される。これは、付加製造プロセスの少なくともいくつかのステップが同時に実行されることを可能にし、それによって、付加製造プロセスの全サイクル時間を、各個々のステップについてのサイクル時間の合計未満に低減する。本明細書に記載されるシステム100の実施形態では、システム100の動作軸116が図に描かれる座標軸の+/-X軸に平行である。動作軸116を横切る付加製造装置100の構成要素、例えば、リコートヘッド140、プリントヘッド150等は、動作軸116を中心とする必要はないことを理解されたい。しかしながら、本明細書に記載される実施形態では、付加製造装置100の構成要素のうちの少なくとも2つは構成要素が動作軸を横切るときに、構成要素が適切に制御されない場合に、動作軸に沿って同じまたは重なり合うボリュームを占めることができるように、動作軸116に対して配置される。
【0021】
本明細書に記載される実施形態ではクリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、および供給プラットフォーム130は動作軸116の端部に近接して-X方向に位置するプリントヘッド150のプリントホームポジション158と、動作軸116の端部に近接して+X方向に位置するリコートアセンブリ200のリコートホームポジション148との間で、システム100の動作軸116に沿って直列に位置決めされる。すなわち、プリントホームポジション158とリコートホームポジション148とは、図に描かれている座標軸の+/-X軸と、クリーニングステーション110と、ビルド領域124と、供給プラットフォーム130との間に、互いに平行な水平方向に離間して配置されている。本明細書に記載の実施形態では、ビルド領域124がシステム100の動作軸116に沿ってクリーニングステーション110と供給プラットフォーム130との間に配置される。
【0022】
クリーニングステーション110は、システム100の動作軸116の一端に近接して配置され、プリントヘッド150がビルド領域124上に配置されたビルド材料31の層上にバインダ材料50を堆積する前および後に配置または「パーキング」されるプリントホームポジション158と同じ位置に配置される。クリーニングステーション110は堆積動作の間のプリントヘッド150のクリーニングを容易にするために、1つ以上のクリーニング部(図示せず)を含んでもよい。クリーニング部は例えば、プリントヘッド150上の過剰なバインダ材料を溶解するためのクリーニング溶液を含む浸漬ステーション、プリントヘッド150から過剰なバインダ材料を除去するための拭き取りステーション、プリントヘッド150からバインダ材料およびクリーニング溶液をパージするための噴射ステーション、プリントヘッド150のノズル内の水分を維持するためのパークステーション、またはそれらの様々な組合せを含むことができるが、これらに限定されない。プリントヘッド150は、アクチュエータアセンブリ102によってクリーニング部の間で遷移されてもよい。
【0023】
本明細書ではバインダ材料50を分配するプリントヘッド150を含む付加製造システムを参照しているが、本明細書で説明されるリコートアセンブリ200は他の適切な付加粉末ベースの付加製造システムと共に利用されてもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では硬化したバインダ50をビルド材料31に塗布したオブジェクトをビルドする代わりに、いくつかの実施形態ではレーザまたは他のエネルギー源をビルド材料31に適用してビルド材料31を融合させることができる。
【0024】
図2Aに示す実施形態では、ビルド領域124がビルドプラットフォーム120を含む容器を含む。ビルドプラットフォーム120はビルドプラットフォームアクチュエータ122に結合され、システム100の動作軸116に対して垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+/-Z方向に平行な方向)にビルドプラットフォーム120を上昇および下降させることを容易にする。ビルドプラットフォームアクチュエータ122は例えば、限定するものではないが、機械アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、または垂直方向にビルドプラットフォーム120に直線運動を付与するのに適した任意の他のアクチュエータであってもよい。適切なアクチュエータはこれに限定されないが、ウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータ等を含んでもよい。ビルドプラットフォーム120およびビルドプラットフォームアクチュエータ122はシステム100の動作軸116の下方(すなわち、図に描かれた座標軸の-Z方向)に位置するビルド領域124内に位置決めされる。システム100の動作中、ビルドプラットフォーム120は、バインダ材料50の各層がビルドプラットフォーム120上に位置するビルド材料31上に堆積された後、ビルドプラットフォームアクチュエータ122の作用によってビルド領域124内に引き込まれる。本明細書に記載され図示されたビルド領域124は容器を含むが、ビルド領域124はビルド材料31を支持するための任意の適切
な構造を含んでもよく、例えば、ビルド材料31を支持する単なる表面を含んでもよいことを理解されたい。
【0025】
供給プラットフォーム130は供給プラットフォームアクチュエータ132に結合され、垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+/-Z方向に平行な方向)において、システム100の動作軸116に対する供給プラットフォーム130の上昇および下降を容易にする。供給プラットフォームアクチュエータ132は例えば、これに限定されないが、供給プラットフォーム130に垂直方向の直線運動を付与するのに適した、機械的アクチュエータ、電気機械的アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、または任意の他のアクチュエータであってもよい。適切なアクチュエータはこれに限定されないが、ウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータ等を含んでもよい。供給プラットフォーム130および供給プラットフォームアクチュエータ132はシステム100の動作軸116の下方(すなわち、図に描かれた座標軸の-Z方向)に位置する供給容器134内に位置決めされる。システム100の動作中、供給プラットフォーム130は供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120にビルド材料31の層が分配された後に、供給プラットフォームアクチュエータ132の作用によって、供給容器134に対して上昇され、システム100の動作軸116に向かって上昇される。これについては、本明細書でさらに詳細に説明する。
【0026】
実施形態において、アクチュエータアセンブリ102は一般に、リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144と、プリントヘッドアクチュエータ154と、第1ガイド182と、第2ガイド184とを含む。リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144はリコートアセンブリ200に動作可能に結合され、ここでより詳細に説明するように、ビルドプラットフォーム120上にビルド材料31を分配するために、ビルドプラットフォーム120に対してリコートアセンブリ200を移動させるように動作可能である。プリントヘッドアクチュエータ154はプリントヘッド150に動作可能に結合され、プリントヘッド150を移動させるように動作可能であり、ビルドプラットフォーム120に対してプリントヘッド150を移動させて、ビルドプラットフォーム120上に結合材50を分配するように動作可能である。
【0027】
本明細書に記載される実施形態では、第1ガイド182および第2ガイド184がシステム100の動作軸116に平行な水平方向(すなわち、図に描かれる座標軸の+/-X方向に平行な方向)に延在し、互いに垂直方向に離間している。アクチュエータアセンブリ102がクリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、および
図2Aに描かれているような供給プラットフォーム130の上に配置されると、第1ガイド182および第2ガイド184は、少なくともクリーニングステーション110から供給プラットフォーム130を越えて水平方向に延在する。
【0028】
図2Aに示されるアクチュエータアセンブリ102の実施形態のような一実施形態では、第1ガイド182および第2ガイド184が水平方向に延び、第1ガイド182が第2ガイド184の上方に配置され、離間するように配向されるレール180の反対側である。例えば、一実施形態ではレール180が垂直断面(すなわち、図に描かれた座標軸のY-Z平面における断面)における「I」構成を有し、「I」の上部フランジおよび下部フランジはそれぞれ、第1ガイド182および第2ガイド184を形成する。しかし、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。例えば、これに限定されないが、第1ガイド182および第2ガイド184は水平方向に延在し、互いに垂直方向に離間された、別個のレールのような別個の構造であってもよい。いくつかの実施形態では、第1ガイド182および第2ガイド184が同じ高さに配置され、レール180の両側で互いに離間されてもよい。実施形態では、第1ガイド182および第2ガイド184が任意の
適切な構成で配置され、同一直線上にあってもよい。
【0029】
本明細書に記載される実施形態では、リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144が第1ガイド182の一方に結合され、第2ガイド184およびプリントヘッドアクチュエータ154はリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が「積み重ね」構成で配置されるように、第1ガイド182および第2ガイド184の他方に結合される。例えば、
図2Aに描かれたアクチュエータアセンブリ102の実施形態ではリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144が第2ガイド184に結合され、プリントヘッドアクチュエータ154は第1ガイド182に結合される。しかしながら、他の実施形態(図示せず)ではリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144が第1ガイド182に結合されてもよく、プリントヘッドアクチュエータ154は第2ガイド184に結合されてもよいことを理解されたい。
【0030】
本明細書に記載される実施形態ではリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144がリコート動作軸146に沿って双方向作動可能であり、プリントヘッドアクチュエータ154はプリント動作軸156に沿って双方向作動可能である。すなわち、リコート動作軸146およびプリント動作軸156は、リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154がそれぞれ作動可能である軸を規定する。リコート動作軸146およびプリント動作軸156は水平方向に延在し、システム100の動作軸116と平行である。本明細書に記載される実施形態では、リコート動作軸146およびプリント動作軸156がリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154の積み重ね構成のために、互いに平行であり、互いに垂直方向に離間している。
図2Aに描かれたアクチュエータアセンブリ102の実施形態のようないくつかの実施形態では、リコート動作軸146およびプリント動作軸156が同じ垂直面(すなわち、図に描かれた座標軸のX-Z平面に平行な面)に位置する。しかしながら、リコート動作軸146およびプリント動作軸156が異なる垂直面に配置される実施形態のような、他の実施形態が企図され、可能であることを理解されたい。
【0031】
本明細書に記載される実施形態ではリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が例えば、これに限定されないが、機械的アクチュエータ、電気機械的アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、または直線運動を提供するのに適した任意の他のアクチュエータであってもよい。適切なアクチュエータはこれに限定されないが、ウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータなどを含んでもよい。1つの特定の実施形態では、リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154がPRO225LM機械軸受、リニアモータステージなど、ペンシルベニア州ピッツバーグのAerotech(商標) Inc.によって製造されたリニアアクチュエータである。
【0032】
実施形態において、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154は例えば、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が、PRO225LM機械軸受、リニアモータステージである場合など、レール180に固着される凝集性サブシステムであってもよい。しかしながら、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が、それぞれリコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154を形成するためにレール180上に個々に組み立てられる複数の構成要素を含む実施形態のような、他の実施形態も考えられ且つ可能であることが理解されるべきである。
【0033】
さらに
図2Aを参照すると、リコートアセンブリ200はリコートアセンブリ200が第1ガイド182および第2ガイド184の下方(すなわち、図に描かれた座標軸の-Z
方向)に位置するように、リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144に結合される。アクチュエータアセンブリ102がクリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、および
図2Aに描かれているような供給プラットフォーム130の上に配置されると、リコートアセンブリ200はシステム100の動作軸116上に位置する。従って、リコート動作軸146に沿ったリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144の双方向作動は、システム100の動作軸116上のリコートアセンブリ200の双方向運動に影響を及ぼす。
図2Aに描かれたアクチュエータアセンブリ102の実施形態では、リコートアセンブリ200がアクチュエータアセンブリ102のレール180とビルドプラットフォーム120と供給プラットフォーム130との間に依然としてクリアランスを提供しながら、リコートアセンブリ200がシステム100の動作軸116上に位置決めされるように、支持ブラケット176を備えたリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144に結合される。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がリコート動作軸146および動作軸116に直交する方向に固定されてもよい(すなわち、+/-Z軸に沿って固定され、および/または+/Y軸に沿って固定されてもよい)。
【0034】
同様に、プリントヘッド150はプリントヘッド150が第1ガイド182および第2ガイド184の下方(すなわち、図面に描かれた座標軸の-Z方向)に配置されるように、プリントヘッドアクチュエータ154に結合される。アクチュエータアセンブリ102がクリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、および
図2Aに描かれているような供給プラットフォーム130の上に配置されると、プリントヘッド150はシステム100の動作軸116上に位置する。したがって、プリント動作軸156に沿ったプリントヘッドアクチュエータ154の双方向作動は、システム100の動作軸116上のプリントヘッド150の双方向運動に影響を及ぼす。
図2Aに描かれたアクチュエータアセンブリ102の実施形態では、プリントヘッド150がアクチュエータアセンブリ102のレール180とビルドプラットフォーム120と供給プラットフォーム130との間に依然としてクリアランスを提供しながら、プリントヘッド150がシステム100の動作軸116上に位置決めされるように、支持ブラケット174と共にプリントヘッドアクチュエータ154に結合される。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、プリントヘッド150がプリント動作軸156および動作軸116に直交する方向に固定されてもよい(すなわち、+/-Z軸に沿って固定され、かつ/または+/-Y軸に沿って固定されてもよい)。
【0035】
図2Aは第1ガイド182と、リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144およびそれに取り付けられたプリントヘッドアクチュエータ154を有する第2ガイド184とをそれぞれ備えるアクチュエータアセンブリ102の実施形態を概略的に示すが、2つ以上のガイドおよび2つ以上のアクチュエータを備える実施形態など、他の実施形態も考えられ、可能であることが理解されるべきである。また、同じアクチュエータ上にプリントヘッドおよびリコートアセンブリ200を備える実施形態など、他の実施形態も企図され、可能であることを理解されたい。
【0036】
図2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、付加製造システム100が
図2Aに関して本明細書で説明されるように、クリーニングステーション110およびビルド領域124を備える。しかし、
図2Bに示す実施形態では、付加製造システムは供給容器を含まない。代わりに、システムは、ビルド材料31をビルド領域124に供給するために使用されるビルド材料ホッパ360を備える。この実施形態ではビルド材料ホッパ360がリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144に連結され、その結果、ビルド材料ホッパ360はリコートアセンブリ200と共にリコート動作軸146に沿って横断する。
図2Bに描かれた実施形態では、ビルド材料ホッパ360が例えばブラケット361と共に支持ブラケット176に結合される。しかしながら、ビルド材料ホッパ360は、中間ブラ
ケットなしで支持ブラケット176に直接連結されてもよいことが理解されるべきである。あるいは、ビルド材料ホッパ360が直接または中間ブラケットのいずれかでリコートアセンブリ200に結合されてもよい。
【0037】
ビルド材料ホッパ360はビルド材料ホッパ360がビルド領域124上を横切るときにビルド材料31をビルド領域124上に解放するために、電気的に作動するバルブ(図示せず)を含んでもよい。実施形態において、バルブは、ビルド領域に対するビルド材料ホッパ360の位置に基づいてバルブを開閉するためのコンピュータ読み取り可能かつ実行可能な命令を実行する電子制御ユニット300(
図24)に通信可能に結合されてもよい。次いで、ビルド領域124上に解放されたビルド材料31はリコートアセンブリ200がビルド領域124上を横断するときに、リコートアセンブリ200と共にビルド領域上に分散される。
【0038】
図2Cを参照すると、ビルド材料31AA~31DDのオブジェクト層を形成するために、オブジェクト層は、順次、互いの上に配置されてもよい。
図2Cに示す例では、バインダ50AA-50CCの連続層がビルド材料31AA-31DDの層の上に配置されている。バインダ50AA-50CCの層を硬化させることによって、完成品を形成することができる。
【0039】
図3を参照すると、リコートアセンブリ200の一実施形態の斜視図が概略的に描かれている。いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がリコートアセンブリ200の一部を少なくとも部分的に封入する1つまたは複数のハウジング222、224を含むことができる。リコートアセンブリ200はリコートアセンブリ200を横方向(すなわち、図示のようにX方向)に移動させるリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144を含む。いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がさらに、リコートアセンブリ200を垂直方向(すなわち、図示のようにZ方向)に移動させるリコートアセンブリ垂直アクチュエータ160を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がベース部材250を含み、リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144はベース部材250に結合され、ベース部材250を横方向(すなわち、図示のようにX方向)に移動させる。本明細書で言及されるように、ベース部材250はリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144に結合されたリコートアセンブリ200の任意の適切な構造を含むことができ、ハウジング、プレートなどを含むことができる。
図3および
図4に描かれた実施形態では、リコートアセンブリ200がさらに、リコートアセンブリ200のベース部材250を傾けるように動作可能な少なくとも1つの傾斜アクチュエータ164を含む(例えば、
図4に描かれているように、X方向に延びる軸を中心として)。本明細書でより詳細に説明するように、実施形態では、傾斜アクチュエータ164がリコートアセンブリ200のベース部材250を傾斜させることができる。実施形態において、傾斜アクチュエータ164はまた、メンテナンスがリコートアセンブリ200上で行われ得るように、リコートアセンブリ200の下方へのアクセスを提供するためにベース部材250を傾斜させてもよい。
【0041】
図3および
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がベース部材250に結合されたベース部材回転アクチュエータ162をさらに含む。ベース部材回転アクチュエータ162はベース部材250を垂直方向(例えば、図示のようにZ方向)に延在する軸を中心に回転させるように動作可能である。実施形態において、ベース部材回転アクチュエータ162および傾斜アクチュエータ164は例えば、これに限定されないが、ウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータなどの、任意の適切なアクチュエータを含んでもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では
図4および
図6Aを参照すると、リコートアセンブリ200はベース部材250と選択的に係合可能な傾斜ロック部材161を含むことができる。例えば、傾斜係止部材161は、
図4に示すX軸を中心としたベース部材250の移動を選択的に制限することができる。ベース部材250の移動を選択的に制限することによって、傾斜アクチュエータ164による力の印加なしに、ベース部材250の配向を維持することができる。このようにして、傾斜アクチュエータ164へのエネルギーの印加を必要とせずに、メンテナンスがリコートアセンブリ200上で行われる間、ベース部材250を
図4に示すように傾斜位置に維持することができる。いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200が第1回転ロック部材163および/または第2回転ロック部材165をさらに含む。第1回転ロック部材163および/または第2回転ロック部材165は、
図4に描かれたZ軸を中心とするベース部材250の移動を選択的に制限することができる。実施形態において、リコートアセンブリ200は、ビルド材料31(
図2A)を分配する、1つ以上のローラのような粉末拡散部材を含む。
【0043】
例えば、
図6Bおよび
図6Cを参照すると、リコートアセンブリ200の側面図およびリコートアセンブリ200のローラ202、204の図がそれぞれ描かれている。実施の形態において、リコートアセンブリ200は、第1ローラ支持体210と、第2ローラ支持体212と、第1ローラ支持体210と第2ローラ支持体212との間に配置され支持されている第1ローラ202とを有している。
図6Bおよび
図6Cに示す実施の形態では、リコートアセンブリ200が第3ローラ支持体216と、第4ローラ支持体218と、第3ローラ支持体216と第4ローラ支持体218との間に設けられ支持されている第2ローラ204とを更に有している。実施態様において、第2ローラ204は第1ローラ202の後方(すなわち、図示のように-X方向)に位置している。これらの実施形態では、第1ローラ202は一般に「前」ローラと呼ばれ、第2ローラ204は「後」ローラと呼ばれる。
【0044】
実施態様において、リコートアセンブリ200は、第1ローラ202および/または第2ローラ204に連結されたローラ垂直アクチュエータ252を含む。ローラ垂直アクチュエータ252はベース部材250に対して第1ローラ202および/または第2ローラ204を垂直方向(すなわち、図示のようにZ方向)に移動させるように動作可能である。いくつかの実施態様において、垂直アクチュエータ252は、前ローラ202および後ローラ204に連結され、前ローラ202および後ローラ204がベース部材250に対して互いに独立に移動可能であるようになっている。いくつかの実施態様において、ローラ垂直アクチュエータ252は第1ローラ202に連結された第1ローラ垂直アクチュエータ252であり、リコートアセンブリ200はさらに、第2ローラ204に連結された第2ローラ垂直アクチュエータ254を含み、前ローラ202と後ローラ204とが互いに独立にベース部材250に対して移動可能となるようになっている。第1および第2ローラ垂直アクチュエータ252、254は例えば、これに限定されないが、空気圧アクチュエータ、モータ、油圧アクチュエータなど、任意の適切なアクチュエータを含んでもよい。
【0045】
リコートアセンブリ200はさらに、
図11Bに最もよく示されるように、第1ローラ202に連結された第1回転アクチュエータ206を含む。いくつかの実施態様において、第1回転アクチュエータ206は第1ローラ202から離間しており、ベルト、チェーン等を介して第1ローラ202に連結されていてもよい。リコートアセンブリ200が第2ローラ204を含む実施形態では、リコートアセンブリ200が第2ローラ204に結合された
図11Bに最もよく示されている第2回転アクチュエータ208を含んでもよい。いくつかの実施態様において、第2回転アクチュエータ208は第2ローラ204から離間しており、ベルト、チェーン等を介して第2ローラ204に連結されていてもよい。
いくつかの実施態様において、リコートアセンブリ200は、第1ローラ202および第2ローラ204の両方に連結された単一の回転アクチュエータを含んでもよい。いくつかの実施態様において、第1回転アクチュエータ206は第1ローラ202に直接連結され、および/または第2回転アクチュエータ208は第2ローラ204に直接連結される。
【0046】
第1回転アクチュエータ206は、第1回転軸226を中心として第1ローラ202を回転させるように構成されている。
同様に、第2回転アクチュエータ208は、第2回転軸228を中心として第2ローラ204を回転させるように構成されている。
図6Cに描かれた実施形態では、第1回転軸226および第2回転軸228が略互いに平行であり、描かれているようにX方向に互いに離間している。ここでより詳細に説明するように、第1ローラ202および第2ローラ204は「回転方向」(例えば、
図6Cに示す透視図から時計回り方向)および/または回転方向の逆である「反回転方向」(例えば、
図6Cに示す透視図から反時計回り方向)に回転してもよい。第1および第2ローラ202、204は同じ方向に回転させることができ、または互いに反対方向に回転させることができる。第1および第2回転アクチュエータ206、208は交流(AC)または直流(DC)ブラシレスモータ、リニアモータ、サーボモータ、ステッパモータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータなどであるが、これらに限定されない、第1および第2ローラ202、204の回転を誘導するための任意の適切なアクチュエータを含むことができる。
【0047】
実施形態ではリコートアセンブリ200がローラ支持体210、212、216、および/または218に機械的に結合された1つまたは複数のセンサを含み、1つまたは複数のセンサは第1ローラ202および/または第2ローラ204を介してローラ支持体210、212、216、および/または218に入る力を示す信号を出力するように構成される。
【0048】
例えば、
図7A~
図7Cを参照すると、実施の形態では、歪みゲージ240Aが第1ローラ支持体210に機械的に連結されている。いくつかの実施態様において、歪みゲージ240Aは第1歪みゲージ240Aであり、第2歪みゲージ240Bは、第1ローラ支持体210に機械的に連結される。ここでは第1ローラ支持体210に機械的に連結されている歪みゲージ240A、240Bを参照するが、1つ以上の歪みゲージを第1、第2、第3、および第4ローラ支持体210、212、216、218のいずれかまたは全てに連結してもよいことを理解されたい。
【0049】
実施形態ではローラ支持体210、212、216、および/または218は歪みゲージ240A、240Bが結合される1つまたは複数の屈曲部214を画定する。歪みゲージ240A、240Bは、ローラ支持体210、212、216、および/または218に作用する力に一般的に相関させることができる湾曲部214の弾性変形を検出するように構成される。図示の実施形態では湾曲部214がローラ支持体210、212、216、および/または218を通って延びるキャビティの壁であるが、湾曲部214は湾曲部214の歪みを決定することができるように弾性変形するローラ支持体210、212、216、および/または218の任意の適切な部分を含むことができることを理解されたい。
【0050】
実施形態において、歪みゲージ240A、240Bは、歪みを測定するために配向される。例えば、
図7Aおよび7Bに描かれた実施形態では、歪みゲージ240A、240Bは垂直方向(すなわち、描かれているように、かつ第1回転軸226に対して横断方向のZ方向)に配向され、水平(X軸)と垂直(Z軸)方向との間のある角度で、結果として生じるベクトル内の歪みを測定する。合成ベクトル方向の歪みを測定することによって、法線力、すなわち、塗布方向を横切る方向にローラ支持体210、212、216、および/または218に作用する力を決定することができる。例えば、リコートアセンブリ2
00がビルド材料31(
図2)および/または硬化したバインダ50をビルド材料31の層で覆うためにビルド材料31をビルド領域124上で移動させるとき、リコートアセンブリ200によって分配されたビルド材料31(
図2A)および/または硬化したバインダ50(
図2A)によって、X方向およびZ方向に垂直な力をローラ支持体210、212、216、および/または218に加えることができる。本明細書でより詳細に説明するように、リコートアセンブリ200の動作の1つまたは複数のパラメータを変更して、ローラ支持体210、212、216、および/または218に作用する垂直力を低減して、ビルド材料31の下に配置された硬化バインダ50(
図2C)によって結合されたビルド材料31の構造的完全性を維持することができる。
【0051】
図8を参照すると、いくつかの実施形態では、歪みゲージ240A、240Bの一方または両方が水平方向(すなわち、描かれているようにX方向であり、第1回転軸226に対して横方向)に配向され、水平(X軸)と垂直(Z軸)方向との間のある角度で、結果として生じるベクトル内の歪みを測定してもよい。いくつかの実施形態では歪みゲージ240A、240Bは第1および第2ローラ支持体210、212上で水平方向に配向されてもよく、一方、歪みゲージ240A、240Bは
図7A~7Bに描かれているように、第3および第4ローラ支持体216、218上で垂直方向に配向されてもよい。水平方向(すなわち、図示のようにX方向)の歪みを測定することによって、剪断力、すなわち、塗布方向に対応する方向にローラ支持体210、212、216、および/または218に作用する力を決定することができる。例えば、ローラ支持体210、212、216、および/または218に、リコートアセンブリ200によって分配されたビルド材料31(
図2A)によって、および/またはリコートアセンブリ200がビルド領域124に移動して、硬化したバインダ50によって結合されたビルド材料31および/またはビルド材料31をビルド材料31の別の層で以前の層を覆うときに、硬化したバインダ50によって結合されたビルド材料31(
図2A)によって、剪断力を加えることができる。本明細書でより詳細に説明するように、リコートアセンブリ200の動作の1つまたは複数のパラメータを変更して、ローラ支持体210、212、216、および/または218に作用する剪断力を低減して、硬化したバインダ50(
図2A)によって結合されたビルド材料31の構造的完全性を維持することができる。本明細書でより詳細に説明されるように、決定された力はまた、リコートアセンブリ200の開ループ(すなわち、フィードフォワード)制御および/またはリコートアセンブリ200の閉ループ(すなわち、フィードバック)制御において利用され得る。例えば、実施形態において、決定された力は所望の力のルックアップテーブルと比較されてもよく、リコートアセンブリ200の動作の1つ以上のパラメータは所望の力と比較された決定された力の比較に基づいて変更されてもよい。実施形態ではローラ支持体210、212、216、および/または218に作用する力は限定しないが、ビルド材料31(
図2A)の層厚、リコートアセンブリ200(
図2A)の横断速度、第1および/または第2ローラ202、204(
図6C)の方向および回転速度、ビルド材料31(
図2A)のタイプ/組成、ビルド材料31(
図2A)の粒子サイズ、バインダ50(
図2A)のタイプ/組成、バインダ材料50(
図2A)の容積(または飽和)、バインダがその場で部分的にまたは完全に硬化されるかどうか、ビルドされる構成要素の幾何学的形状などを含む、いくつかの要因のいずれかに依存し得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、ビルドされているオブジェクトの現在の層および/または先行する層に関連する情報を利用して、リコートアセンブリ200がビルド領域124を横断するときに受けるべき期待される力または圧力曲線を生成してもよい。いくつかの実施形態では、ビルドされているオブジェクトの現在の層の幾何学的形状、またはビルドされた直前の層の幾何学的形状を使用して、予想される圧力または力プロファイル(例えば、リコートアセンブリ200が現在の層のための材料を分配するためにリコートアセンブリ200がビルド領域124を横切るときに経験されることが予想される剪断力、現在の層のための材料を分配するためにリコートアセンブリ200がビルド領域124を横切ると
きに経験することが予想される垂直力、および/またはリコートアセンブリ200が現在の層のための材料を分配するために経験されることが予想される任意の他のタイプの予想される力)を決定することができ、ローラ支持体に結合された1つまたは複数のセンサ(例えば、1つまたは複数の歪みゲージおよび/または1つまたは複数のロードセル)からの出力信号を使用して、リコートアセンブリ200が現在の層のための材料を分配するためにビルド領域124を横切るときに測定された力または圧力を計算することができ、予想される圧力または測定された力または圧力と測定された力または圧力との比較を行うことができる。そして、その比較に応答してアクションを取ることができる。いくつかの実施形態では、予期される力または圧力情報を含むルックアップテーブルが様々な条件(例えば、バインダで塗布されたビルド領域のサイズ、リコート横断速度、リコートローラ回転速度、層厚、リコートローラ幾何学的塗布など)の下で生成される較正力測定に基づいて、予め生成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態ではリコートアセンブリ200による現在の層のための材料の拡散中に、期待される圧力または力が測定された圧力または力から逸脱した場合、プリントリコートプロセスは欠陥があると判断されてもよい。力の偏差の程度は欠陥のタイプ(例えば、粉末欠陥、リコートローラ欠陥、不十分なバインダ硬化、噴射欠陥など)を決定するために使用されてもよい。所与のしきい値を超える偏差が発生したと判定された場合、現在の層のためのリコート横断速度を調整し、現在の層のためのローラ回転速度を調整し、1つまたは複数の後続の層のためのリコート横断速度を調整し、1つまたは複数の後続の層のためのローラ回転速度を調整し、現在の層のための1つまたは複数のローラの高さを調整し、および/または1つまたは複数の後続の層のためのローラの高さを調整するなどの修正措置をとることができる。そのような測定、比較、および制御動作は、電子制御ユニット300がそのメモリコンポーネントに格納された1つまたは複数の命令を実行することによって実施することができる。
【0053】
いくつかの実施形態ではローラ支持体210、212、216、および/または218に機械的に結合された1つまたは複数のセンサはロードセルを含むことができる。
【0054】
例えば、
図9A~
図9Dを参照すると、実施形態において、ロードセル242は第1ローラ支持体210に機械的に連結され、垂直方向(すなわち、第1回転軸226に描かれ横断方向のZ方向)の力を測定するように構成される。
図9Cに示すように、いくつかの実施形態では、止めねじ246がロードセル242に係合して、例えば、ロードセル242に既知量の力を加えることによってロードセル242を較正することができる。
【0055】
図10を参照すると、いくつかの実施態様において、第1ローラ支持体210は、ロードセル242と歪みゲージ240A、240Bの両方を含んでもよい。
図10に描かれた実施形態では歪みゲージ240A、240Bは水平方向に向いているが、歪みゲージ240A、240Bの一方または両方が垂直方向に向いていてもよいことを理解されたい。
【0056】
いくつかの実施態様において、加速度計244が、第1ローラ支持体210に連結されている。
図10に描かれた実施形態ではロードセル242、歪みゲージ240A、240B、および加速度計244が第1ローラ支持体210に結合されているが、いくつかの実施形態では加速度計244のみが第1ローラ支持体210に機械的に結合されてもよいことを理解されたい。いくつかの実施態様において、加速度計244は、ロードセル242、歪みゲージ240Aおよび/または歪みゲージ240Bの任意の組合せとともに第1ローラ支持体210に連結される。さらに、加速度計244は、ローラ支持体210、212、216、および/または218のいずれかに連結されてもよい。
【0057】
いくつかの実施態様において、ローラ支持温度センサ247が第1ローラ支持体210に連結される。ローラ支持体温度センサ247はローラ支持体210の温度を検出するように動作可能であり、これを利用して、ロードセル242からのロードセル読み取り値を
較正および/または補償することができる。
図10に描かれた実施形態ではロードセル242、歪みゲージ240A、240B、加速度計244、ローラ支持温度センサ247が第1ローラ支持体210に結合されているが、いくつかの実施形態ではローラ支持温度センサ247のみが第1ローラ支持体210に機械的に結合されてもよいことを理解すべきである。いくつかの実施態様において、ローラ支持温度センサ247は、ロードセル242、歪みゲージ240A、歪みゲージ240Bおよび/または加速度計244の任意の組合せとともに第1ローラ支持体210に連結される。さらに、ローラ支持体温度センサ247は、ローラ支持体210、212、216、および/または218のいずれかに結合することができる。
【0058】
図11Aを参照すると、いくつかの実施態様において、リコートアセンブリ200は一般に、ベース部材250に連結され、前ローラ202の前方(すなわち、図示のように+X方向)に位置決めされた前方エネルギー源260を含む。
図11Aに示す実施形態では、リコートアセンブリ200がベース部材250に結合され、後ローラ204の後方(すなわち、図示の-X方向)に配置された後方エネルギー源262をさらに含む。前方エネルギー源260は一般に、前ローラ202の前方にエネルギーを放出し、後方エネルギー源262は、後ローラ204の後方にエネルギーを放出する。実施形態において、前方および後方のエネルギー源260、262は一般に、赤外線放射、紫外線放射等の電磁放射を放出することができる。いくつかの実施形態では、前方および後方エネルギー源260、262は本明細書でより詳細に説明するように、ビルド材料31(
図2A)を加熱し、かつ/またはビルド材料31上のバインダ材料50(
図2A)を硬化させるように作用することができるエネルギーを放出することができる。
図11Aに示す実施形態では前方エネルギー源260が前ローラ202の前方に配置され、後方エネルギー源262が後ローラ204の後方に配置されているが、これは単なる例であることを理解されたい。例えば、いくつかの実施態様では
図6Aに示されるように、前方エネルギー源260および後方エネルギー源262は両方とも前ローラ202の前方に配置されてもよく、あるいは前方エネルギー源260および後方エネルギー源262は両方とも前ローラ202および後ローラ204の後方に配置されてもよい。複数のエネルギー源(例えば、前方エネルギー源260および後方エネルギー源262)を含むことによって、単一のエネルギー源を介したエネルギーの印加と比較して、比較的長い期間にわたって、エネルギーをビルド材料31(
図1A)に印加することができる。このようにして、硬化したバインダ50によって結合されたビルド材料31の過硬化を最小限に抑えることができる。
図11Aに示す実施形態では前方エネルギー源262および後方エネルギー源262が示されているが、本明細書で説明する実施形態は前ローラ202および後ローラ204の前方および後方に任意の適切な方法で配置された任意の適切な数のエネルギー源を含むことができることを理解されたい。
図11B~
図11Dを参照すると、いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がベース部材250に結合された1つまたは複数のハードストップ410を含む。単一のハードストップ410が
図11Cおよび11Dに示される断面図に示されるが、ハードストップ410の各々は同一であり得ることが理解されるべきである。さらに、
図11Bに示す実施形態ではリコートアセンブリ200は2つのハードストップ410を含むが、リコートアセンブリ200は単一のハードストップ410または任意の適切な数のハードストップ410を含むことができることを理解されたい。
【0059】
ハードストップ410は例えばローラ垂直アクチュエータ252の作動の結果として描かれているように、第1ローラ202および/または第2ローラ204のY軸周りの移動を制限するのを補助することができる。例えば、特に
図11A、
図11C、および
図21を参照すると、いくつかの実施形態では、ローラ垂直アクチュエータ252が図示されているように、Y軸を中心としてベース部材250の静止部251に対して移動可能なベース部材250の枢動
部249に結合されている。第1ローラ202および第2ローラ204は、枢動部249に連結されていてもよく、その結果、枢動部249がY軸を中心に
移動することによって、図示のように第1ローラ202および/または第2ローラ204がY軸を中心に移動することになる。
【0060】
実施形態において、ハードストップ410は、ベース部材250の
枢動部249に連結される
連結部414と、ベース部材250の静止部251と移動可能に係合されるポスト
部412とを含む。例えば、ハードストップ410の
ポスト部412は垂直方向(例えば、図示のようにZ方向)に静止部251に対して移動可能であってもよい。ハードストップ410の
ポスト部412の上下方向(例えば図示のようにZ方向)への移動は制限されることがある。例えば、ナット420は、ポスト
部412と調整可能に係合されてもよく、ベース部材250の静止部251に対するポスト
部412の移動を制限してもよい。ハードストップ410の
連結部414はベース部材250の枢動部249に結合されているため、
静止部251に対するハードストップ410のポスト部412の移動の制限によって、垂直方向(例えば、図示のようにZ方向)における
静止部251に対する枢動部249の移動が制限される。いくつかの実施形態では、ナット420が示されるように、ポスト
部412上でZ方向に調節可能である。ナット420をポスト部412に沿ってZ方向に移動させることによって、ベース部材250の
静止部251に対するベース部材250の枢動
部249、従って第1ローラ202および/または第2ローラ204の移動の自由度を調整することができる。ハードストップ410を介して、ベース部材250の枢動部249の移動、およびそれに応じて、ローラ垂直アクチュエータ
252の作動を介した第1ローラ202および/または第2ローラ204の移動を、所望に応じて正確に調整することができる。
図11Cおよび
図11Dに示す実施形態ではハードストップ410がハードストップ410の移動を制限するナット420を含むが、これは単なる一例であることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、ハードストップ410の移動が手動マイクロメータ、1つまたは複数のモータなどによって制限されてもよい。例えば、
図16Bに最もよく示されているように、いくつかの実施態様において、リコートアセンブリは図示されているように、第1ローラ202および第2ローラのY軸周りの移動を制限する複数のハードストップ410を含んでもよい。ハードストップ410は、ハードストップ410の位置を移動させるためのマイクロメータを含むことができる。いくつかの実施形態では、ハードストップ410がハードストップ410の位置を検出するためのロードセルをさらに含むことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、ハードストップ410のポスト
部412がベース部材250の
静止部251を通って延びる開口253を通って延びる。いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200が開口253および/またはハードストップ410の少なくとも一部を少なくとも部分的に封入するダストシールド430を含む。例えば、
図11Cおよび11Dに描かれた実施形態では、ダストシールド430が開口253の上方開口部とハードストップ410のポスト
部412とを少なくとも部分的に覆う上方部分432と、開口253の下方開口部を少なくとも部分的に覆う下方部分434とを含む。ダストシールド430はさらに、ダストシールド430の下部434を付勢して開口253と係合させる下方付勢部材436を含んでもよい。ダストシールド430はさらに、ダストシールド430の上部432を付勢して開口253と係合させる上方付勢部材438を含んでもよい。開口253を少なくとも部分的に囲むことによって、ダストシールド430はビルド材料31(
図1)が開口253に入り込み、開口253を通してハードストップ410のポスト部分412の動きを妨げるのを防止するのを助けることができる。さらに、実施形態において、下方付勢部材436および/または上方付勢部材438は、第1回転アクチュエータ206と第1ローラ202との間、および/または第2回転アクチュエータ208と第2ローラ204との間の接続から生じる張力を、少なくとも部分的に相殺することができる。例えば、
図11Bに示すように、第1回転アクチュエータ206をベルトを介して第1ローラ202に連結してもよい。同様に、第2回転アクチュエータ208はベルトを介して第2ローラ204に連結されていてもよい。ベルトの張力により、示されているように第1ローラ202および/または第2ローラ204がZ方向に移動することがある。この動きは、下方付勢部材436および/または上方付勢部材438によって対向させ、それによって、図示されているように、第1ローラ202および/または第2ローラ204のZ方向の位置を安定させることができる。
【0062】
図11Eを参照すると、リコートアセンブリ200の下方斜視図が概略的に描かれている。いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がピボット点452でリコートアセンブリ200のベース部材250に旋回可能に連結された粉末ガイド450を含む。粉体ガイド450は図示されるように、Y軸の周りでベース部材250に対して旋回可能であってもよい。Y軸を中心としてベース部材250に対して枢動することによって、粉体ガイド450は、ローラ202、204が描かれているようにZ方向に移動するときにビルドプラットフォーム20(
図1)および/または供給プラットフォーム30(
図1)との接触を維持することができる。粉体ガイド450は、リコートアセンブリ200から離れるY方向へのビルド材料31(
図1)の流れを制限するのを助けることができる。
【0063】
図11Aおよび
図12を参照すると、いくつかの実施形態では、前方エネルギー源260および後方エネルギー源262がそれぞれ、エネルギー源ハウジング264内に少なくとも部分的に配置される。エネルギー源ハウジング264はいくつかの実施形態では前方エネルギー源260および後方エネルギー源262によって放射されるエネルギーを集束させることができ、反射性の内部表面等を含んでもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200が1つまたは複数のハウジング温度センサ266を含む。
図12に描かれた実施形態では、リコートアセンブリ200が前方エネルギー源260のエネルギー源ハウジング264に結合されたハウジング温度センサ266と、前方エネルギー源262のエネルギー源ハウジング264に結合されたハウジング温度センサ266とを含む。実施形態において、ハウジング温度センサ266は、それぞれの前方および後方エネルギー源260、262および/またはエネルギー源ハウジング264の温度を検出するように構成される。前方および後方エネルギー源260、262によって放出されるエネルギーは前方および後方エネルギー源260、262および/またはエネルギー源ハウジング264の検出された温度に少なくとも部分的に基づいて、前方および後方エネルギー源260、262および/またはエネルギー源ハウジング264への損傷を防止するために、および/または適切なエネルギーがビルド材料31に印加されることを確実にするために、制御されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がリコートアセンブリ200の外側端部に配置され、付加製造システム100のハウジングと係合する1つ以上のハウジング係合部材257を含む。ハウジング係合部材257は一般に、付加製造システム100の側面に係合し、ビルド材料31を「鋤く」または「掻き出す」ように構成される。いくつかの実施形態では、ハウジング係合部材257がブラシ、ブレードなどの任意の適切な構造を含むことができる。
【0066】
図12を参照すると、リコートアセンブリ200の側面図が概略的に描かれている。実施の形態において、前ローラ202は前ローラ直径d1を有し、後ローラ204は、後ローラ直径d2を有する。いくつかの実施態様において、前ローラ直径d1は、後ローラ直径d2と異なる。例えば、いくつかの実施態様において、前ローラ直径d1は、後ローラ直径d2未満である。実施形態では、前ローラ直径d1が終点を含めて、20ミリメートルと25ミリメートルとの間である。いくつかの実施形態では、前ローラ直径d1が終点を含めて、10ミリメートルと40ミリメートルとの間である。いくつかの実施形態では、前ローラ直径d1が約22.23ミリメートル未満である。本明細書でより詳細に説明するように、比較的小さい直径は、ビルド材料31を流動化させる際に前ローラ202が
ビルド材料31を分配するのを助けることができる。実施形態では、後ローラ直径d2が終点を含めて、35ミリメートルと40ミリメートルとの間である。実施形態では、後ローラ直径d2が終点を含めて20ミリメートル~60ミリメートルである。いくつかの実施形態では、後ローラ直径d2が約38.1ミリメートルより大きい。本明細書でより詳細に説明するように、比較的大きな直径は、後ローラ204がビルド材料31を圧縮するのを助けることができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がベース部材250(
図11A)に結合され、前ローラ202の前方に配置された粉末係合部材255を含む。実施形態において、粉末係合部材255は前ローラ202によって画定されるローラ窓Rw内にある垂直方向(すなわち、図示のようにZ方向)に評価された高さに位置決めされる。粉体係合部材255は一般に前ローラ202の前方でビルド材料31を鋤いて除去するように作用し、これにより前ローラ202によって接触されるビルド材料31の高さを最小にする「ドクター」ブレードとすることができる。図示の実施形態ではリコートアセンブリ200が粉末係合部材255と、前ローラ202および後ローラ204とを含むが、いくつかの実施形態ではリコートアセンブリ200がビルド材料31を広げるために粉末係合部材255のみを含むことができることを理解されたい。
図12に示す実施形態では粉体係合部材255は前ローラ202の前方に配置されているが、本明細書に記載の実施形態は前ローラ202の前方および/または後ローラ204の後方に配置された単一または複数の粉体係合部材を含むことができる。
【0068】
いくつかの実施態様において、リコートアセンブリ200は、複数の前ローラ202および/または複数の後ローラ204を含む。
【0069】
例えば、
図13を参照すると、前ローラ202A、202Bおよび後ローラ204A、204Bの1つの構成の上面図が概略的に描かれている。
図13に示す実施形態では、リコートアセンブリ200が第1前ローラ202Aと、第1前ローラ202Aから左右方向(図示のY方向)に離間している第2前ローラ202Bとを有している。
図13に示す実施の形態では、リコートアセンブリ200が第1後ローラ204Aと、第1後ローラ204Aから左右方向(図示のY方向)に離間した第2後ローラ204Bとを更に有している。
図13に描かれた実施の形態は2つの前ローラ202A、202Bおよび2つの後ローラ204A、204Bを含むが、リコートアセンブリ200は互いに左右方向(すなわち、描かれたようにY方向)に離間された任意の適当な数の前ローラと、互いに左右方向に離間された任意の適当な数の後ローラとを含んでもよいことを理解されたい。いくつかの実施態様において、リコートアセンブリ200は、2つの前ローラ202A、202Bおよび単一の後ローラ、又は単一の前ローラを有する2つの後ローラ204A、204Bを含んでもよい。横方向に(すなわち、図示されるようにY方向に)互いに整列された複数の前ローラ202A、202Bを含むことによって、および/または横方向に互いに整列された複数の後ローラ204A、204Bを含むことによって、単一の前ローラおよび単一の後ローラを含むリコートアセンブリと比較して、リコートアセンブリ200は横方向に、より大きな距離を延在し得る。一例として、理論に束縛されるものではないが、ローラが横方向(すなわち、図示のY方向)に長く延びるほど、ローラに作用する力による弾性および/または非弾性変形の影響を受けやすくなる。従って、単一の前ローラおよび単一の後ローラを含むリコートアセンブリの幅を効果的に制限することができ、これにより、付加製造システム100によってビルドされ得るオブジェクトのサイズを制限することができる。しかしながら、横方向に(すなわち、図示されるようにY方向に)互いに整列された複数の前ローラ202A、202Bを含むことによって、および/または横方向に互いに整列された複数の後ローラ204A、204Bを含むことによって、リコートアセンブリ200は横方向に、より大きな距離を延在してもよい。
【0070】
図14を参照すると、いくつかの実施態様において、前ローラ202A、202Bは左右方向(すなわち、図示されているようにY方向)に互いに重なる。リコートアセンブリ200が2つの後ローラ204A、204Bを含む実施形態では、2つの後ローラが同様に、左右方向(すなわち、図示のようにY方向)に互いに重なってもよい。前ローラ202A、202Bおよび/または後ローラ204A、204Bを横方向(即ち、図示のようにY方向)に重ねることによって、前ローラ202A、202Bおよび/または後ローラ204A、204Bは、ビルド材料31(
図12)が隣接する前ローラ202A、202Bおよび/または隣接する後ローラ204A、204Bの間を通過するのを防止することができる。
【0071】
図15を参照すると、いくつかの実施態様において、ローラは、隣接するローラによって画定されるギャップを横切って延在するように配置される。例えば、
図15に示す実施形態ではリコートアセンブリ200が3つの前ローラ202A、202B、および202Cを含み、隣接する前ローラ202A、202Bは横方向(すなわち、図示のY方向)にローラ202A、202Bの間に配置されたギャップG1を画定し、隣接する前ローラ202B、202Cは横方向にローラ202B、202Cの間に配置されたギャップG2を画定する。リコートアセンブリ200は、隣接する前ローラ202A、202Bと、隣接する前ローラ202B、202C間に延在する後ローラ204Bとの間に延在する後ローラ204Aを含む。特に、後ローラ204Aは隣接する前ローラ202A、202B間のギャップG1を挟んで延びており、後ローラ204Bは、隣接する前ローラ202B、202C間のギャップG2を挟んで延びている。ギャップG1、G2を横切って延びることによって、後ローラ204A、204Bは、ギャップG1、G2を通過するビルド材料31(
図12)と係合し得る。
【0072】
図16Aを参照すると、いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がクリーニング部材270を含む。実施形態では、クリーニング部材270が少なくとも1つのローラと選択的に係合可能である。例えば、
図16Aに示す実施の形態では、クリーニング部材270が第1ローラ202と第2ローラ204との間に位置し、係合している。
図16Aに示される実施形態では、クリーニング部材270が横方向(すなわち、図示されるようにY方向)に評価される第1ローラ202および第2ローラ204の長さに沿って第1ローラ202および第2ローラ204の両方に概ね係合し、第1ローラ202および第2ローラ204が回転するときに第1ローラ202および第2ローラ204に付着したままであり得るビルド材料31(
図12)および/または硬化したバインダ50(
図12)を概ね除去する。いくつかの実施態様において、クリーニング部材270は、第1ローラ202および第2ローラ204に係合した状態で回転するように構成された溝272又はブラシを含むクリーニングローラである。いくつかの実施形態では、クリーニング部材270が第1ローラ202および第2ローラ204からビルド材料31(
図12)を除去するブレードなどを含むことができる。
図16Aに示される実施形態ではクリーニング部材270が第1ローラ202および第2ローラ204と同時に係合されるが、いくつかの実施形態ではクリーニング部材270が第1ローラ202または第2ローラ204のいずれかと単独で係合されてもよいことを理解されたい。さらに、
図16Aに示される実施形態は単一のクリーニング部材270を描写するが、実施形態において、リコートアセンブリ200は複数のクリーニング部材270を含み得ることが理解されるべきである。
【0073】
いくつかの実施形態では、クリーニング部材270の位置を第1ローラ202および/または第2ローラ204に対して調整することができる。例えば、
図16B、16C、および16Dを参照すると、いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がクリーニング位置調整アセンブリ500を含む。いくつかの実施形態では、クリーニング位置調整アセンブリ500が第1回転部材510と第2回転部材520とを含む。
図16Dに最もよく示されているように、いくつかの実施形態では、第1回転部材510が第1切欠き
フランジ512と第1偏心チューブ514とを含む。第2回転部材520は、第2切欠フランジ522と、第2偏心チューブ524とを含む。実施形態において、第1偏心チューブ514は
図16Cに示されるように、第2偏心チューブ524内に挿入可能である。クリーニング位置調整アセンブリ500は、第1偏心チューブ514内に挿入可能なベアリング530をさらに含んでもよく、クリーニング部材270はベアリング530に係合される。
【0074】
第1回転部材510および/または第2回転部材520を互いに対して回転させることによって、ベース部材250、すなわち、第1ローラ202および第2ローラ204に対するクリーニング部材270の位置を調整することができる。例えば、ベース部材250に対する第2回転部材520の位置は、概ね固定されてもよい。第1回転部材510と第2回転部材520とが互いに回転することにつれて、第1偏心チューブ514および第2偏心チューブ524の偏心によって、クリーニング部材270がベース部材250に対して、また、それに応じて第1ローラ202および第2ローラ204に対して移動する。このようにして、技術者などのユーザは、第1ローラ202および第2ローラ204に対してクリーニング部材270の位置を調整することができる。いくつかの実施形態では、クリーニング位置調整アセンブリ500が第1切欠きフランジ512および第2切欠きフランジ522の切欠きを通してベース部材250に挿入可能な1つまたは複数のピン540をさらに含む。1つまたは複数のピン540は、第1回転部材510および第2回転部材520の、互いに対する、およびベース部材250に対する回転運動を制限する。1つまたは複数のピン540は、一旦クリーニング部材270が所望のように位置決めされると、例えば技術者によって、第1ノッチフランジ512および第2ノッチフランジ522のノッチを通してベース部材250内に位置決めされてもよい。いくつかの実施形態では、第1回転部材510および/または第2回転部材520が互いに対して回転されてもよく、および/またはアクチュエータなどによって所定の位置に保持されてもよい。
【0075】
図17A~
図17Cを参照すると、第1および第2ローラ202、204に係合したクリーニング部材270の平面図および側面図が概略的に描かれている。
図17Aに示すように、第1ローラ202と第2ローラ204とが互いに左右方向(すなわち図示のY方向)にずれている実施態様など、いくつかの実施態様において、クリーニング部材270は、第1ローラ202および第2ローラ204の両方の長さ方向に沿って左右方向に延びていてもよい。
図17Bに示されるように、クリーニング部材270は第1ローラ202および第2ローラ204が互いに整列される実施形態において、第1ローラ202および第2ローラ204の両方の長さに沿って、横方向(すなわち、図示されるようにY方向)に同様に延在してもよい。実施の形態において、
図17Cに示すように、クリーニング部材270は一般に、第1ローラ202および第2ローラ204の上方に、上下方向(図示のZ方向)に位置している。
【0076】
図11A、18A、18B、および22を参照すると、いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がバキューム290と流体連通している。具体的には、実施形態ではバキューム290がリコートアセンブリ200のベース部材250の少なくとも一部と流体連通している。バキューム290は一般に、空気中のビルド材料31(
図12)をリコートアセンブリ200から引き出すように、および/または付加製造システム100(
図2A)内のエアロゾル化されたビルド材料31の流れを制御するように動作可能である。特に、ローラ202、204(
図19)がビルド材料31(
図17C)を流動化すると、制御されない限り、いくらかのビルド材料31が空中に浮遊するようになり、付加製造システム100の構成要素を汚すことがある。バキューム290は、実施形態ではポンプ等のような、負圧および/または正圧をリコートアセンブリ200に印加するための任意の適切なデバイスを含んでもよい。
図18Aに示すように、ベース部材250は一般に、二次収容ハウジング278を含む。いくつかの実施形態では、一次収容ハウジング276
および/または二次収容ハウジング278が一次収容ハウジング276および/または二次収容ハウジング278を通る空気および/またはビルド材料の流れを選択的に制限するために調節可能に開閉することができる1つまたは複数の調節可能な開口部279を含むことができる。例えば、
図11Aおよび
図23に示すように、一次収容ハウジングは、第1調整可能開口部279および第2調整可能開口部279’を含む。再調節アセンブリ200は、第1調整可能開口部279を選択的に覆うことができる第1可動カバー269をさらに含んでもよい。例えば、第1可動カバー269は、第1調整可能開口部279を選択的に広くしたり狭くしたりするように描かれているようにZ方向に可動であってもよい(描かれているようにZ方向に評価される)。同様に、リコートアセンブリ200は、第2調整可能開口部279’を選択的に覆うことができる第2可動カバー269’を含んでもよい。例えば、第2可動カバー269’は第1調整可能開口部279とは独立に、(図示のようにZ方向に評価されて)第2調整可能開口部279’を選択的に広げるまたは狭くするように描写されるように、Z方向に移動可能であってもよい。第1および/または第2調整可能開口部279、279’を広くまたは狭くすることによって、空気浮遊ビルド材料31の流れを導くために、一次収容ハウジング276内への空気の流れを必要に応じて調節することができる。
図18Bは第2収容ハウジング278が取り外された状態のベース部材250を示し、ベース部材250の第1収容ハウジング276を示す。
【0077】
理論に束縛されるものではないが、空気浮遊ビルド材料31は空気浮遊しないビルド材料31の平均粒直径よりも小さい粒子を含むことができる。従って、リコートアセンブリ200の外に、より小さなサイズの空中ビルド材料31を引き出すことによって、供給容器134(
図2A)および/またはビルド領域124(
図2A、2B)内のビルド材料31の平均粒直径が増大する可能性がある。従って、いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200から引き出されたビルド材料31のような、より小さな粒子を含むビルド材料31を、周期的に供給容器134(
図2A)および/またはビルド材料ホッパ360(
図2A)に再導入して、ビルド材料31の比較的一貫した粒子サイズを維持することができる。
【0078】
図19を参照すると、ベース部材250の断面図が示されている。実施形態では、一次収容ハウジング276が粉末拡散部材(例えば、第1および第2ローラ202、204および/または粉末係合部材255(
図12))を少なくとも部分的に封入する。二次収容ハウジング278は一次収容ハウジング276から離間しており、少なくとも部分的に一次収容ハウジング276を封入している。一次収容ハウジング276および二次収容ハウジング278は一般に、一次収容ハウジング276と二次収容ハウジング278との間に配置される中間キャビティ277を規定する。実施形態では、バキューム290が中間キャビティ277と流体連通しており、中間キャビティ277から空気浮遊ビルド材料31を引き出すように動作可能である。いくつかの実施形態では中間キャビティ277は前方中間キャビティ277であり、二次収容ハウジング278および一次収容ハウジング276は隔壁281によって前方中間キャビティ277から分離された後方中間キャビティ283を画定する。前方中間キャビティ277と後方中間キャビティ283とを分離することによって、前方中間キャビティ277と後方中間キャビティ283とに異なるバキューム圧力を加えることができる。例えば、後方中間キャビティ283はほぼ沈降したビルド材料31の上を通過することができ、したがって、沈降したビルド材料31を妨害することを回避するために、後方中間キャビティ283においてより低いバキューム圧力を加えることが望ましい場合がある。
【0079】
いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がベース部材250に連結された撹拌装置284をさらに含む。攪拌装置284は、ベース部材250、第1ローラ202、および/または第2ローラ204のようなリコートアセンブリ200の構成要素を振動させて、ベース部材250および/または第1ローラ202および第2ローラ204に取
り付けることができるビルド材料31(
図12)を取り外すように動作可能である。
図20および
図21を参照すると、いくつかの実施形態では、ベース部材250が粉体拡散部材(例えば、第1ローラ202および/または第2ローラ204)を少なくとも部分的に取り囲む第1収容ハウジング276のみを含むことができる。これらの実施形態では、バキューム290が一次収容ハウジング276と流体連通している。
【0080】
図22を参照すると、ベース部材250の断面図が概略的に示されている。
図22に示すように、バキューム290は一次収容ハウジング276と流体連絡状態にあり、一般に、空気浮遊ビルド材料31(
図12)を引き出すように作動する。いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200がバキューム290と粉末拡散部材(例えば、第1ローラ202および/または第2ローラ204)との間に配置されたディフューザプレート280を含む。ディフューザプレート280は一般に、それを通って延びる複数の開口282を含む。ディフューザプレート280は一般に、バキューム290によって一次収容ハウジング276に加えられる負圧を分配するのを助けることができる。
【0081】
図23を参照すると、いくつかの実施形態では、バキューム290が空気浮遊ビルド材料31をリコートアセンブリ200から引き出すように動作可能であり、さらに、収集されたビルド材料31をリコートアセンブリ200の下に垂直方向(すなわち、図示のようにZ方向)に向けるように動作可能である。
図23に描かれた実施態様において、バキューム290は、一次収容ハウジング276内に配置され、第1ローラ202と第2ローラ204との間に配置される。バキューム290は一般に、空気浮遊ビルド材料31を引き込み、収集し、その後、収集したビルド材料31をリコートアセンブリ200の下に堆積させるように作用する。
図23に示す実施形態ではバキューム290が第1ローラ202と第2ローラ204との間に位置し、バキューム290は回収されたビルド材料31を第1ローラ202と第2ローラ204との間に堆積させる。いくつかの実施形態では、バキューム290がリコートアセンブリ200の外側に配置されてもよく、リコートアセンブリ200の下の任意の適切な位置に、収集されたビルド材料31を再堆積させてもよい。
【0082】
図24を参照すると、付加製造システム100の制御図が概略的に示されている。実施形態において、歪みゲージ240A、240B、ロードセル242、および加速度計244は、電子制御ユニット300に通信可能に結合される。第1および第2回転アクチュエータ206、208、リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144、リコートアセンブリ縦方向アクチュエータ160、およびプリントヘッドアクチュエータ154は、実施形態において、電子制御ユニット300に通信可能に結合されている。また、電子制御ユニット300は、ローラ垂直アクチュエータ252、254、前方および後方エネルギー源260、262、攪拌装置284、1つまたは複数のハウジング温度センサ266、およびバキューム290に通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、温度センサ286および距離センサ288、およびローラ支持温度センサ247も、
図24に示すように、電子制御ユニット300に通信可能に結合される。
【0083】
いくつかの実施形態では、電子制御ユニット300が電流センサ306を含む。電流センサ306は一般に、リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144、第1回転アクチュエータ206、第2回転アクチュエータ208、縦方向アクチュエータ160、および/またはプリントヘッドアクチュエータ154を駆動する電流を感知する。リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144、第1回転アクチュエータ206、第2回転アクチュエータ208、垂直アクチュエータ160、および/またはプリントヘッドアクチュエータ154が電気的に作動される実施形態では、電流センサ306がリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144、第1回転アクチュエータ206、第2回転アクチュエータ208、垂直アクチュエータ160、および/またはプリントヘッドアクチュエータ154を駆動する電流を感知する。
図24に描かれた実施形態では電流センサ306が電子制御
ユニット300の構成要素であるとして描かれているが、電流センサ306は電子制御ユニット300に通信可能に結合された別個の構成要素であってもよいことを理解されたい。さらに、
図24に描かれた実施形態では単一の電流センサ306が描かれているが、付加製造システム100はリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144、第1回転アクチュエータ206、第2回転アクチュエータ208、縦方向アクチュエータ160、および/またはプリントヘッドアクチュエータ154に関連する任意の適切な数の電流センサ306を含んでもよいことを理解されたい。
【0084】
実施形態では、電子制御ユニット300が一般に、プロセッサ302およびメモリコンポーネント304を含む。メモリコンポーネント304は揮発性および/または不揮発性メモリとして構成することができ、ランダムアクセスメモリ(SRAM、DRAM、および/または他のタイプのRAMを含む)、フラッシュメモリ、セキュアデジタル(SD)メモリ、レジスタ、コンパクトディスク(CD)、デジタル汎用ディスク(DVD)、ベルノリカートリッジ、および/または他のタイプの非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。プロセッサ302は、(メモリコンポーネント304などからの)命令を受信し実行するように動作可能な任意の処理コンポーネントを含んでもよい。いくつかの実施形態では、電子制御ユニット300が本明細書でより詳細に説明するように、付加製造システム100を動作させるための1つまたは複数の動作パラメータを記憶することができる。
【0085】
ここで、リコートアセンブリ200を作動させるための方法を、添付図面を参照して説明する。
【0086】
集合的に
図24および
図25を参照すると、リコートアセンブリ200を作動させる一例の方法が概略的に描かれている。第1ステップ2502では、電子制御ユニット300が第1センサの第1出力信号を受信する。実施形態において、第1センサは第1ローラ支持体210(
図6B)に機械的に連結され、接触しており、第1歪みゲージ240A、第2歪みゲージ240B、ロードセル242、および/または加速度計244のいずれかを含んでもよい。第1センサは、実施の形態において、第1ローラ202に入る第1力を示す第1出力信号を出力する(
図6B)。第2ステップ2504において、電子制御ユニット300は、第1センサの第1出力信号に基づいて、第1ローラ202(
図6B)上の第1力を決定する。ステップ2506では、電子制御ユニット300が決定された第1力に応じて、付加製造システム100(
図2A)の少なくとも1つの動作パラメータを調整する。
【0087】
上述のように、実施形態において、電子制御ユニット300は、付加製造システム100(
図2A)を動作させるための1つ以上のパラメータを含んでもよい。第1ローラ202(
図6B)に作用する決定された力に応答して少なくとも1つの動作パラメータを調整することによって、電子制御ユニット300は、付加製造システム100の動作を能動的に調整することができる。一例として、実施形態では、付加製造システム100(
図2A)の少なくとも1つのパラメータが、リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144がビルド領域124(
図2A、2B)に対してリコートアセンブリ200(
図2A)を移動させる速度を含む。実施形態において、構成可能な閾値以下で第1ローラ202に作用する力を決定すると、電子制御ユニット300は、リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144を方向付けして、リコートアセンブリ200(
図2A)がビルド領域124(
図2A、2B)に対して移動する速度を増加させてもよい。例えば、第1ローラ202に作用する比較的低い力または力の決定は、第1ローラ202に有害な影響を与えることなく、リコートアセンブリ200(
図2A)が移動する速度を増加させることができることを示すものであってもよい。対照的に、構成可能な閾値を超えて第1ローラ202に作用する力を検出すると、電子制御ユニット300は、リコートアセンブリ200(
図2A)が
ビルド領域124(
図2A、
図2B)に対して移動する速度を減少させるようにリコートアセンブリ横方向アクチュエータ144に指示することができる。例えば、第1ローラ202に作用する比較的高い力又は力の決定は、第1ローラ202に作用する力を減少させるためにリコートアセンブリ200(
図2A)を減少させるべき速度を示すことができる。
【0088】
いくつかの実施態様において、少なくとも1つのパラメータは上下方向(例えば、
図6Bに示されるようにZ方向)に評価された第1ローラ202(
図6B)の高さである。実施形態において、構成可能な閾値を下回る第1ローラ202に作用する力を決定すると、電子制御ユニット300は、垂直アクチュエータ160を方向付けて、ビルド領域124(
図2A、2B)に対してリコートアセンブリ200を下げることができる。例えば、第1ローラ202に作用する比較的低い力または力の決定は、リコートアセンブリ200(
図2A)が下げられて追加的なボリュームのビルド材料31(
図2A)と係合し得る高さを示すことができる。対照的に、構成可能な閾値を超えて第1ローラ202に作用する力を検出すると、電子制御ユニット300は垂直アクチュエータ160に、組立領域124(
図2A、
図2B)に対してリコートアセンブリ200を上昇させるように指示することができる。例えば、第1ローラ202に作用する比較的高い力または力の決定は、第1ローラ202を、減容されたビルド材料31(
図2A)と係合するように上昇させるべきであることを示すものであってもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、付加製造システム100の少なくとも1つのパラメータがプリントヘッドアクチュエータ154がプリントヘッド150を移動させる速度を含む(
図2A)。実施形態では構成可能な閾値以下で第1ローラ202に作用する力を決定すると、電子制御ユニット300はプリントヘッドアクチュエータ154を方向付けして、プリントヘッドアクチュエータ154がビルド領域124(
図2A、2B)に対してプリントヘッド150(
図2A)を移動させる速度を増加させることができる。例えば、第1ローラ202に作用する比較的低い力または力の決定は第1ローラ202(
図2A)がビルド領域124(
図2A、2B)に対して移動する速度を増加させることができ、プリントヘッドアクチュエータ154がプリントヘッド150を移動させる速度を同様に増加させることができ、および/またはバインダ50(
図1A)のボリュームを増加させることができることを示すことができる。対照的に、設定可能な閾値を超えて第1ローラ202に作用する力を検出すると、電子制御ユニット300はプリントヘッドアクチュエータ154に、プリントヘッド150(
図2A)がビルド領域124(
図2A、
図2B)に対して移動する速度を減少させるように指示することができる。例えば、第1ローラ202に作用する比較的高い力又は力の判定は第1ローラ202(
図2A)がビルド領域124に対して移動する速度を減少させるべきであり(
図2A、2B)、プリントヘッドアクチュエータ154がプリントヘッド150を移動させる速度を同様に減少させるべきであり、かつ/又はバインダ50の容量を減少させることができることを示しているかもしれない(
図1A)。
【0090】
いくつかの実施形態では、電子制御ユニット300が電流センサ306からの感知電流に基づいて、付加製造システム100の少なくとも1つの動作パラメータを調整するように構成される。例えば、実施形態において、電流センサ306は、第1回転アクチュエータ206および/または第2回転アクチュエータ208からの電流を検出してもよい。構成可能な閾値未満の電流の検出は、第1ローラ202および/または第2ローラ204に作用する比較的低い力を一般的に示すことができる。対照的に、構成可能な閾値を超える電流の検出は、第1ローラ202および/または第2ローラ204に作用する比較的高い力を一般的に示すことができる。一部の実施形態では、電流センサ306がビルド領域124に対してリコートアセンブリ200を移動させる横方向アクチュエータ144を駆動する電流を感知してもよい。第1および第2回転アクチュエータ206、208と同様に
、構成可能な閾値以下の電流の検出は、第1ローラ202および/または第2ローラ204に作用する比較的低い力を一般的に示すことができる。対照的に、構成可能な閾値を超える電流の検出は、第1ローラ202および/または第2ローラ204に作用する比較的高い力を一般的に示すことができる。
【0091】
図2A、
図2B、
図24、および
図26を参照すると、付加製造システム100の少なくとも1つの動作パラメータを調整するための別の方法が示されている。第1ステップ2602において、本方法は、リコートアセンブリ200を用いてビルド領域上にビルド材料31の層を分配することを含む。第2ステップ2604では、本方法がビルド材料31の層がリコートアセンブリ200と共にビルド領域124上に分配されるときに、第1センサから第1出力信号を受信するステップを含む。上述したように、実施形態では、第1センサが第1ローラ支持体210(
図6B)に機械的に連結され、接触しており、第1歪みゲージ240A、ロードセル242、および/または加速度計244のいずれかを含んでもよい。第1センサは、実施の形態において、第1ローラ202に入る第1力を示す第1出力信号を出力する(
図6B)。
【0092】
ステップ2604では、方法が第1センサの第1出力信号に基づいて、第1ローラ202上の第1力を決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、予期される力または圧力情報を含むルックアップテーブルが様々な条件(例えば、バインダで塗布されたビルド領域のサイズ、リコート横断速度、リコートローラ回転速度、リコートローラ方向、層厚、リコートローラ形状塗布など)の下で生成される較正力測定に基づいて、予め生成されてもよい。いくつかの実施形態では、ビルドされているオブジェクトの現在の層および/または先行する層に関連する情報を利用して、リコートアセンブリ200がビルド領域124を横断するときに受けるべき期待される力または圧力曲線を生成してもよい。いくつかの実施形態では、ビルドされているオブジェクトの現在の層の幾何学的形状、またはビルドされた直前の層の幾何学的形状を使用して、予想される圧力または力プロファイル(例えば、リコートアセンブリ200が現在の層のための材料を分配するためにビルド領域124を横切るときに経験されることが予想される剪断力、リコートアセンブリ200が現在の層のための材料を分配するためにビルド領域124を横切るときに経験されることが予想される垂直力、および/またはリコートアセンブリ200が現在の層のための材料を分配するためにビルド領域124を横切るときに経験されることが予想される任意の他のタイプの予想される力)を決定することができ、予想される圧力または測定された力プロファイルと測定された力または圧力との間の比較を行うことができ、比較に応答して動作を行うことができる。
【0093】
ステップ2608において、本方法は、決定された第1力に応じて、付加製造システム100の少なくとも1つの動作パラメータを調整することを含む。例えば、いくつかの実施態様では、付加製造システム100の少なくとも1つの動作パラメータが第1センサの第1出力信号に基づいて決定された第1ローラ202上の第1力に対する第1ローラ202上の期待される力の比較に基づいて調整される。いくつかの実施形態では、所与のしきい値を超える偏差が発生したと判定された場合、現在の層のためのリコート横断速度を調整し、現在の層のためのローラ回転速度を調整し、1つまたは複数の後続の層のためのリコート横断速度を調整し、1つまたは複数の後続の層のためのローラ回転速度を調整し、現在の層のための1つまたは複数のローラの高さを調整し、および/または1つまたは複数の後続の層のための1つまたは複数のローラの高さを調整するなど、修正措置を講じることができる。
【0094】
いくつかの実施形態ではリコートアセンブリ200による現在の層のための材料の拡散中に、予想される圧力または力が測定された圧力または力から逸脱した場合、層のリコートプロセスは欠陥があると判断されてもよい。力の偏差の程度は欠陥のタイプ(例えば、
粉末欠陥、リコートローラ欠陥、不十分なバインダ硬化、噴射欠陥など)を決定するために使用され得る。
【0095】
実施形態において、ステップ2602~2608の各々は例えば、電子制御ユニット300によって実行されてもよい。上述のように、実施形態において、電子制御ユニット300は、付加製造システム100を動作させるための1つ以上のパラメータを含んでもよい。第1ローラ202(
図6B)に作用する決定された力に応答して少なくとも1つの動作パラメータを調整することによって、電子制御ユニット300は、付加製造システム100の動作を能動的に調整することができる。一例として、実施形態では、付加製造システム100の少なくとも1つのパラメータが、上に概説したように、リコートアセンブリ横方向アクチュエータ144がビルド領域124に対してリコートアセンブリ200を移動させる速度を含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのパラメータが第1回転アクチュエータ206の回転速度である。実施形態において、電子制御ユニット300は、構成可能な閾値以下で第1ローラ202に作用する力を決定すると、第1回転アクチュエータ206を方向付けて、第1回転アクチュエータ206が第1ローラ202を回転させる速度を低下させるようにしてもよい。例えば、第1ローラ202に作用する比較的低い力または力の決定はビルド材料31を流動化するのに十分でありながら、第1回転アクチュエータ206が低減され得る速度を示すことができる。対照的に、設定可能な閾値を超えて第1ローラ202に作用する力を検出すると、電子制御ユニット300は、第1回転アクチュエータ206が第1ローラ202を回転させる速度を増加させるように第1回転アクチュエータ206に指示することができる。例えば、第1ローラ202に作用する比較的高い力または力の決定は、第1回転アクチュエータ206が第1ローラ202を回転させている速度が所望のようにビルド材料31を流動化するには不十分であることを示すことができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのパラメータが後続のビルド材料層31および/または分配されるビルド材料層31の目標厚さである。実施形態において、第1ローラ202に作用する力を設定可能な閾値以下に決定すると、電子制御ユニット300は例えば、リコートアセンブリ200の高さを変更することによって、リコートアセンブリ200を指示して、後続のビルド材料31の層の目標厚さを増加させることができる。例えば、第1ローラ202に作用する比較的低い力または力の決定は、リコートアセンブリ200によって分配されるビルド材料31の層の厚さを増加させることができることを示すことができる。対照的に、構成可能な閾値を超えて第1ローラ202に作用する力を検出すると、電子制御ユニット300は例えば、リコートアセンブリ200の高さを変化させることによって、リコートアセンブリ200に、ビルド材料31の後続の層の目標厚さを減少させるように指示することができる。例えば、第1ローラ202に作用する比較的高い力または力の決定は、リコートアセンブリ200によって分配されるビルド材料31の層の厚さを減少させるべきであることを示すことができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、
図26に示される方法が欠陥のタイプを決定することをさらに含む。例えば、いくつかの実施態様において、欠陥の種類は、第1ローラ202に対する期待力と第1ローラ202に対する第1力との比較に基づいて決定されてもよい。例えば、ビルド材料31の欠陥は第1ローラ202に加えられる特定の力の量に関連付けられてもよく、第1ローラ202の欠陥は第1ローラ202に加えられる異なる力の量に関連付けられてもよい。したがって、第1ローラ202に加えられる力の量を利用して、付加製造システム100内の欠陥のタイプを決定することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、付加製造システム100の少なくとも1つの動作パラメータの調整がビルドサイクル中の1つまたは複数の時間に実施することができる。例えば、実
施形態では、少なくとも1つの動作パラメータがビルド材料31の層がリコートアセンブリ200によって分配されている間に調整されてもよい。いくつかの実施形態では、付加製造システム100の少なくとも1つの動作パラメータがビルド材料31の次の層がリコートアセンブリ200によって分配されるときに調整される。
【0100】
いくつかの実施形態では、摩耗パラメータが決定された第1力に基づいて決定されてもよい。例えば、第1ローラ202が例えば、ビルド材料31との繰り返し接触を介して摩耗することにつれて、第1ローラ202の直径は一般に減少し得る。第1ローラ202の直径の減少は第1ローラ202がビルド材料31を分散させるときに、一般に第1ローラ202に低い力をもたらすことができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200の他の構成要素の摩耗が決定された第1力に基づいて決定されてもよい。例えば、第1ローラ202は、1つ以上のベアリング等を介してベース部材250(
図3)に連結されてもよい。さらに、上述したように、第1ローラ202は、ベルト、チェーン等を介して第1回転アクチュエータ206(
図3)に連結されてもよい。1つまたは複数のベアリングおよび/またはベルト、チェーンなどに対する摩耗は一般に、第1ローラ202に対する力の増大につながり得る。いくつかの実施態様において、第1ローラ202上の増加した力は、電流センサ306によって決定することができる。
【0102】
いくつかの実施態様において、
図26に示される方法は、第2ローラ支持体212に機械的に連結され、これと接触している第2センサから第2出力信号を受け取ることをさらに含む。実施形態において、第2センサは、第1歪みゲージ240A、第2歪みゲージ240B、ロードセル242、および/または加速度計244のいずれかを含んでもよい。実施形態において、本方法はさらに、ビルド材料31の層がリコートアセンブリ200でビルド領域124上に分配されるときに、第2センサから第2出力信号を受信するステップと、第1センサの第1出力信号および第2センサの第2出力信号に基づいて、第1ローラ202上の第1力を決定するステップとを含む。
【0103】
いくつかの実施態様において、
図26に示される方法は、第3のローラ支持体216に機械的に連結され、これと接触している第3のセンサから第3の出力信号を受け取るステップをさらに含む。実施形態において、第3のセンサは、第1歪みゲージ240A、第2歪みゲージ240B、ロードセル242、および/または加速度計244のいずれかを含むことができる。実施形態において、本方法はさらに、ビルド材料31の層がリコートアセンブリ200と共にビルド領域124上に分配されるときに、第3のセンサから第3の出力信号を受け取り、第3のセンサの第3の出力信号に基づいて第2ローラ204上の第2力を決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、方法が決定された第1力および決定された第2力に応答して、少なくとも1つの動作パラメータを調整することをさらに含む。このようにして、第1ローラ202および第2ローラ204の両方に作用する決定された力に基づいて、少なくとも1つの動作パラメータを調整することができる。例えば、構成可能な閾値を超える第1ローラ202および/または第2ローラ204の減速度の検出は、付加製造システム100内の異物などのオブジェクトとのリコートアセンブリ200の衝突を示すことができる。衝突を検出することによって、付加製造システム100の動作を停止して、付加製造システム100に対するさらなる損傷を防止し、および/または保守が必要であることをユーザに示すことができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、
図26に示される方法がリコートアセンブリ200の衝突を決定することをさらに含む。例えば、幾つかの実施例では、この方法は更に、少なくとも1つの加速度計244の出力に基づいてローラ衝突事象を判定する実施形態を含み、ローラ衝突事象が発生したと判定されたときに少なくとも1つの動作パラメータを調整する実
施形態を含む。
【0105】
図24、
図27、および
図28を参照すると、オブジェクトを形成する方法が概略的に示されている。第1ステップ(2702)では、本方法が矢印40で示すように、リコートアセンブリ(200)を、供給容器(134)の上を塗布方向に移動させることを含む。供給容器134は供給容器134内に配置されたビルド材料31を備え、リコートアセンブリ200は第1ローラ202と、第1ローラ202から離間して配置された第2ローラ204とを備える。上述のように、いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200が単一のローラのみを含んでもよい。第2ステップ(2704)では、この方法がリコートアセンブリ200の第1ローラ202を逆回転方向60に回転させ、第1ローラ202の底部が塗布方向40に移動するようにするステップを含む。
図28に描かれた実施形態では、反回転方向60が時計回り方向として示されている。第3のステップ2706において、本方法は、ビルド材料31をリコートアセンブリ200の第1ローラ202と接触させ、それによってビルド材料31の少なくとも一部を流動化することを含む。ステップ2708において、この方法は、供給容器134から離間したビルド領域124内に配置されたビルド材料31の初期層を、前方エネルギー源260で照射することを含む。上述のように、ビルド材料31の初期層を照射することは、ビルド領域124に位置付けられたバインダ50にビルド材料31を結合させることができる。ステップ2708の後、ステップ2710で、本方法は、流動化ビルド材料31を供給容器134から第1ローラ202でビルド領域124に移動させ、それによってビルド領域124内でビルド材料31の初期層の上にビルド材料31の第2層を堆積させるステップを含む。ステップ2710に続いて、ステップ2712において、本方法は、背面エネルギー源262を用いて、ビルド領域124内のビルド材料31の第2層を照射することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ2708~2712が所定のサイクル時間内に生じてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ステップ2708~2712が5秒~20秒の範囲内で実行されてもよい。
【0106】
上述の方法はリコートアセンブリ200を供給容器134の上で移動させることを含むが、いくつかの実施形態では供給容器134が設けられず、代わりにビルド材料31がビルド材料ホッパ360(
図2B)などの他の装置を介してビルド領域124上に配置されてもよいことを理解されたい。
【0107】
いくつかの実施形態では、電子制御ユニット300が付加製造システム100の様々な構成要素に、ステップ2702~2712を実行するように指示することができる。実施形態ではビルド材料31の初期層を照射することによって、前方エネルギー源260はビルド領域124のビルド材料31上に配置されたバインダ50を硬化させるように作用することができる。ビルド材料31の第2層を照射することによって、後方エネルギー源262は一般に、ビルド材料31を予熱するように、および/またはバインダ材料50をさらに硬化させるように作用し得る。
【0108】
後方エネルギー源262とは別個の前方エネルギー源260でビルド材料31を照射することによって、単一のエネルギー源を含むリコートアセンブリと比較して、リコートアセンブリ200によって放出されるエネルギーの強度を分散させることができ、これにより、バインダ50および/またはビルド材料31の欠陥を低減することができる。より詳細には、単一のエネルギー源加熱システムの熱出力密度がスペースおよびコストの制約により、限界に迅速に達することができる。単一のエネルギー源加熱システムにおける過剰な電力出力は温度の大きなスパイクが比較的弱い部分に応力および亀裂を誘発し、バインダ50内の溶媒の制御されない蒸発を引き起こし得るので、ビルド材料31の各層におけるバインダ50の硬化の品質に有害であり得る。前方エネルギー源260および後方エネルギー源262を含むことによって、リコートアセンブリ200の熱出力強度を分散させ
ることができる。特に、および上述のように、複数のエネルギー源(例えば、前方エネルギー源260および後方エネルギー源262)を含む、エネルギーは、単一のエネルギー源を介したエネルギーの印加と比較して、比較的長い期間にわたって、材料31(
図1A)をビルドするために印加され得る。このようにして、硬化したバインダ50によって結合されたビルド材料31の過硬化を最小限に抑えることができる。
【0109】
さらに、リコートアセンブリ200は前方エネルギー源260および後方エネルギー源262を含むため、前方エネルギー源260または後方エネルギー源262の故障の場合に、リコートアセンブリ200の動作を維持することができる。特に、複数のエネルギー源(例えば、前方エネルギー源260および後方エネルギー源262および/または他の追加エネルギー源)を提供することによって、一方のエネルギー源の故障の場合には、他方のエネルギー源を利用し続けることができ、その結果、リコートアセンブリ200が作動し続けることができ、それによってリコートアセンブリ200のダウンタイムを減少させることができる。
【0110】
実施形態において、第1ローラ204は、ビルド材料31の少なくとも一部を流動化するのに十分な回転速度で回転される。いくつかの実施態様において、第1ローラ204は、毎秒少なくとも2.5メートルの回転速度で回転する。いくつかの実施態様において、第1ローラ204は、少なくとも毎秒2メートルの回転速度で回転する。いくつかの実施態様において、第1ローラ204を毎秒少なくとも1メートルの回転速度で回転させる。
【0111】
いくつかの実施形態では、前方エネルギー源260および/または後方エネルギー源262の動作を制御および修正することができる。実施形態において、前方エネルギー源260および/または後方エネルギー源262は、前方エネルギー源260および/または後方エネルギー源262の制御を容易にするソリッドステートリレー等の1つ又は複数のリレーを介して電子制御ユニット300に通信可能に結合されてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、付加製造システム100が電子制御ユニット300に通信可能に結合された温度センサ286を含むことができる。温度センサ286はビルド材料31の温度を検出するのに適した任意の接触または非接触センサを含んでもよく、例えば、これに限定されるものではないが、1つ以上の赤外線温度計、熱電対、熱電対列などを含んでもよい。
図6Aに示されるように、1つ以上の温度センサ286は第1ローラ202および/または第2ローラ204の後方に配置され得るが、1つ以上の温度センサ286は任意の適切な位置でリコートアセンブリに連結され得ることが理解されるべきである。実施形態ではビルド材料31の最初の層を前方エネルギー源260で照射し、および/またはビルド材料31の第2層を照射した後、この方法は照射されたビルド材料31の温度を温度センサ286で検出することをさらに含む。いくつかの実施形態では、前方エネルギー源260および/または後方エネルギー源262の出力がビルド材料31の検出された温度に応答して調整されてもよい(例えば、フィードバック制御)。いくつかの実施形態では、検出された温度が、電子制御ユニット300が前方エネルギー源260および/または後方エネルギー源262を制御するためのモデル(例えば、フィードフォワード制御)を改善し得るように記憶されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、方法が検出された温度に少なくとも部分的に基づいて、前方エネルギー源260または後方エネルギー源262の少なくとも1つのパラメータを変更することをさらに含む。さらに、いくつかの実施形態ではビルド材料の初期層31を前方エネルギー源260で照射すること、およびビルド材料の第2層31を照射することのうちの少なくとも1つは前方エネルギー源260または後方エネルギー源262に所定の電力を印加することを含み、方法は検出された温度に少なくとも部分的に基づいて所定の電力を変更することをさらに含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200が電子制御ユニット300に通信
可能に結合された距離センサ288を含む。距離センサ288は一般に、リコートアセンブリ200の下方に配置されたビルド材料31の層の厚さを検出するように構成される。実施形態において、電子制御ユニット300は、ビルド領域124に移動した層またはビルド材料31を示す距離センサ288からの信号を受信してもよい。電子制御ユニット300はリコートアセンブリ200がビルド材料31を必要に応じてビルド領域124に移動させることができるように、ビルド材料31の層の検出された厚さに基づいて1つ以上のパラメータを変更することができる。いくつかの実施形態では、距離センサ288がレーザセンサ、超音波センサなど(これらに限定されない)のような、ビルド材料31の厚さを検出するのに適した任意のセンサを含むことができる。
【0114】
いくつかの実施態様において、第2ローラ204は第1ローラ202の上方に垂直方向(すなわち、図示のようにZ方向)に配置されてもよい。これらの実施態様において、第1ローラ202のみがビルド材料31と接触してもよく、第2ローラ204は、第1ローラ202の故障又は誤動作の場合に利用できる予備のローラとして作用してもよい。
【0115】
いくつかの実施態様において、第2ローラ204は逆回転方向60とは逆の回転方向62に回転され、第2ローラ204はビルド領域124内のビルド材料31に接触する。第2ローラ204は、リコートアセンブリ200の直線速度に対応する回転速度で回転させることができる。より詳細には、第2ローラ204の回転速度をリコートアセンブリ200の直線速度に一致させることによって、第2ローラ204は一般に、ビルド材料31をコンパクトにするように作用し、その一方で、リコートアセンブリ200がビルド領域124に対して移動するときに、ビルド材料31に最小の混乱を生じさせることができる。実施態様において、第1ローラ202の回転速度は、第2ローラ204の回転速度よりも大きい。いくつかの実施態様において、第2ローラ204がビルド材料31を成形する際に、第2ローラ204を第1ローラ202よりも垂直方向(すなわち、図示のようにZ方向)に低く配置することができる。
【0116】
いくつかの実施態様において、第2ビルド材料層31が堆積されると、第1ローラ202は第1ローラ202がビルド材料の第2層31から離間するように、垂直方向(すなわち、図示されるようなZ方向)に上方に移動される。次いで、リコートアセンブリ200は塗布方向31と反対の方向に、供給容器134に移動される。このようにして、リコートアセンブリ200をリコートホームポジション148(
図2A)に戻すことができる。いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200が戻り速度で供給容器134に移動される。実施形態において、戻り速度は、リコートアセンブリ200が流動化ビルド材料31をビルド領域124に移動させる塗布速度よりも大きい。いくつかの実施形態では、硬化したバインダに損傷を与えることを回避するために、ビルド材料31の塗布速度を制限することができ、したがって、戻り速度を増加させることによって、ビルド材料31を堆積させるのに必要な全サイクル時間を短縮することができる。
【0117】
いくつかの実施態様において、第1ローラ202および/または第2ローラ204はリコートアセンブリ200がホームポジション148に戻るときに、ビルド領域124内のビルド材料31をコンパクトにすることができる。例えば、
図29Aおよび
図29Bを参照すると、リコートアセンブリ200は、それぞれ、塗布方向40、および塗布方向40と反対の方向42に移動することが描かれている。いくつかの実施態様において、方法は、第1ローラ202および/または第2ローラ204を逆回転方向60に回転させるステップをさらに含む。第1ローラ202および/または第2ローラ204を逆回転方向60に回転させることは、供給容器134に向かって移動するリコートアセンブリ200の直線速度に対応する回転速度で第1ローラ202および/または第2ローラ204を回転させることを含むことができる。
【0118】
いくつかの実施態様において、リコートアセンブリ200を供給容器134に移動させる前に、本方法は第1ローラ202および/または第2ローラ204を垂直方向(すなわち、図示のようにZ方向)に上方に移動させるステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1ローラ202および/または第2ローラ204が端点を含めて、垂直方向に8マイクロメートルから12マイクロメートルの間で上方に移動される。いくつかの実施形態では、第1ローラ202および/または第2ローラ204が垂直方向に約10マイクロメートル上方に移動される。いくつかの実施態様において、リコートアセンブリ200を供給容器134に移動させる前に、本方法は第1ローラ202および/または第2ローラ204を垂直方向(すなわち、図示のようにZ方向)に上方に移動させるステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1ローラ202および/または第2ローラ204が端点を含めて、垂直方向に5マイクロメートルから20マイクロメートルの間で上方に移動される。第1ローラ202および/または第2ローラ204を上下方向に移動させることによって、第1ローラ202および/または第2ローラ204を、ビルド領域124内のビルド材料31をコンパクトにするように配置してもよい。
【0119】
いくつかの実施態様において、第1ローラ202および/または第2ローラ204が供給容器134に向かって戻るビルド領域124内のビルド材料31に接触すると、第1ローラ202および/または第2ローラ204は、供給容器134に向かって戻るリコートアセンブリ200の直線速度に対応する回転速度で回転する。上述のように、第1ローラ202および/または第2ローラ204の回転速度をリコートアセンブリ200の直線速度に相関させることによって、第1ローラ202および/または第2ローラ204は長手方向(すなわち、図示のX方向)におけるビルド材料31の破壊を最小限に抑えながら、ビルド材料31を圧縮することができる。
【0120】
図29Aおよび29Bは供給容器134を含むが、いくつかの実施形態では供給容器134は提供されず、代わりに、ビルド材料31はビルド材料ホッパ360(
図2B)などの他のデバイスを介してビルド領域124上に配置されてもよいことを理解されたい。
【0121】
いくつかの実施態様において、第1ローラ202および第2ローラ204は
図29Cに示されるように、リコートアセンブリ200が塗布方向40に移動することにつれて、逆回転方向60に回転してもよい。いくつかの実施態様において、第1ローラ202はリコートアセンブリ200が塗布方向40に移動するときに、第2ローラ204の上方に配置される。第1ローラ202および第2ローラ204は
図29Dに示すように、リコートアセンブリ200が戻り方向42に移動することにつれて、回転方向62に回転してもよい。いくつかの実施態様において、第1ローラ202はリコートアセンブリ200が戻り方向42に移動するときに、第2ローラ204の下方に配置される。更に、いくつかの実施形態では、前方エネルギー源260および/または後方エネルギー源262が、リコートアセンブリ200が塗布方向40(
図29C)に移動するとき、および/またはリコートアセンブリ200が戻り方向42に移動するときに、ビルド領域124内のビルド材料31を照射することができる。
【0122】
図24および
図30を参照すると、リコートアセンブリ200から空中ビルド材料31を引き出すための例示的な方法が概略的に描かれている。第1ステップ3002において、本方法は、リコートアセンブリ200のビルド材料31を塗布方向40に移動させることを含む。ステップ3004において、本方法は、ビルド材料31を粉末拡散部材と接触させ、ビルド材料31の少なくとも一部を空気浮遊させることをさらに含む。ステップ3006において、本方法は、リコートアセンブリ200と流体連通するバキューム290を用いて、リコートアセンブリ200から空気浮遊ビルド材料31を引き出すことをさらに含む。
【0123】
実施形態では、ステップ3002~3006の各々が例えば、電子制御ユニット300によって実行されてもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、バキューム290がビルドサイクル中の1回以上の時点で、空気中のビルド材料31をリコートアセンブリ200から引き出すことができる。例えば、いくつかの実施形態では、空気浮遊ビルド材料31をリコートアセンブリ200から引き出すステップがビルド材料31を移動させるステップの後またはその間に存在する。別のやり方をすれば、バキューム290は、ビルドサイクルの最後にビルド材料31をリコートアセンブリ200から引き出す。いくつかの実施形態では、リコートアセンブリ200から空中ビルド材料31を引き出すステップがビルド材料31を移動させるステップと同時に存在する。別のやり方をすれば、空気浮遊ビルド材料31は、連続的または半連続的な方法でビルドサイクル中にリコートアセンブリ200から引き出されてもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、バキューム290がリコートアセンブリ200に正圧をかけて、リコートアセンブリ200内に蓄積されたビルド材料31を外すことができる。例えば、いくつかの実施形態ではビルド材料31を移動させた後、バキューム290は空気などのプロセスガスをリコートアセンブリ200に向ける。いくつかの実施形態ではバキューム290が正の圧力を加えることができるが、リコートアセンブリ200は負の圧力を加えてビルド材料31を集めるドレインの上に配置される。実施形態において、ドレインは、ビルド領域134(
図2A)に近接して配置されてもよい。
【0126】
上記に基づいて、本明細書に記載された実施形態は、付加製造システムのためのリコートアセンブリを対象とすることを理解されたい。本明細書で説明する実施形態では、リコートアセンブリがリコートアセンブリに作用する力を検出する1つまたは複数のセンサを含む。リコートアセンブリに作用する力を検出することによって、欠陥を特定することができ、リコートアセンブリの動作に関連する1つ以上のパラメータを調整して、リコートアセンブリの性能を最適化することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるリコートアセンブリがローラやエネルギー源のような複数の冗長構成部品を含んでもよく、その結果、リコートアセンブリのうちの1つまたは複数の構成部品が故障した場合にも、リコートアセンブリを作動し続けることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のリコートアセンブリが空気浮遊ビルド材料を収集し、収容するように作用するバキュームと流体連通する。
【0127】
〔関連出願の相互参照〕
【0128】
本出願は2019年5月23日に出願された米国仮特許出願第61/851,954号の利益を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0129】
実施形態のさらなる態様は、以下の条項の主題によって提供される:
1.
ビルド材料上を塗布方向にリコートアセンブリを移動させ、
前記リコートアセンブリは、第1ローラと、前記第1ローラと離間された第2ローラと、を含み、
前記第1ローラの底部が前記塗布方向に移動するように、前記リコートアセンブリの前記第1ローラを逆回転方向に回転させ、
前記ビルド材料を前記リコートアセンブリの前記第1ローラに接触させることで、前記ビルド材料の少なくとも一部を流動させ、
前記リコートアセンブリの前端に連結された前方エネルギー源でビルド領域内に位置するビルド材料の初期層を照射し、
前記ビルド材料の初期層を照射した後、前記第1ローラで前記ビルド領域上の前記ビル
ド材料を広げることで、前記ビルド材料の前記初期層の上に前記ビルド材料の第2層を堆積させ、
前記ビルド材料の第2層を広げた後、前記前方エネルギー源の後方に位置する後方エネルギー源で、前記ビルド領域内の前記ビルド材料の第2層を照射する、
オブジェクトを形成する方法。
2.
前記第2ローラは前記ビルド材料に接触しないよう、前記第2ローラは前記第1ローラの上方に垂直方向に配置されている、前項のいずれかに記載の方法。
3.
前記第1ローラは前ローラであり、
前記第2ローラは前記第1ローラの後方に位置する後ローラである、前項のいずれかに記載の方法。
4.
前記逆回転方向とは反対の回転方向に前記後ローラを回転させ、
前記ビルド領域内のビルド材料の前記第2層を前記後ローラと接触させる、ことをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
5.
前記後ローラを前記回転方向に回転させることは、前記リコートアセンブリの直線速度に対応する回転速度で前記後ローラを回転させることを含む、前項のいずれかに記載の方法。
6.
前記ビルド材料の初期層を前記前方エネルギー源で照射すること、および、前記ビルド材料の第2層を前記後方エネルギー源で照射することの少なくとも一方の後、照射された前記ビルド材料の温度を温度センサで検出することをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
7.
検出された前記温度に少なくとも部分的に基づいて、前記前方エネルギー源または前記後方エネルギー源の少なくとも1つのパラメータを変更することをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
8.
前記ビルド材料の初期層を前記前方エネルギー源で照射することと、前記ビルド材料の第2層を前記後方エネルギー源で照射することとの少なくとも一方が、前記前方エネルギー源または前記後方エネルギー源に所定の電力を印加することを含み、
前記方法が、検出された前記温度に少なくとも部分的に基づいて前記所定の電力を変更することをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
9.
ビルド材料上でリコートアセンブリを移動させ、
前記リコートアセンブリは、第1ローラと、前記第1ローラと離間された第2ローラと、を含み、
前記第2ローラを前記第1ローラの上方で垂直方向に移動させ、
前記第1ローラの底部が前記塗布方向に移動するように、前記リコートアセンブリの前記第1ローラを逆回転方向に回転させ、
前記第2ローラを垂直方向に前記ビルド材料から離間し、前記ビルド材料を前記リコートアセンブリの前記第1ローラに接触させることで、前記ビルド材料の少なくとも一部を流動させ、
前記第1ローラで流動した前記ビルド材料を移動させることで、前記ビルド領域に位置するビルド材料の初期層上に前記ビルド材料の第2層を堆積させる、
オブジェクトを形成する方法。
10.
前記ビルド材料の第2層を堆積させた後に、前記第1ローラが前記ビルド材料の第2層
から離間するように、前記第1ローラを垂直方向に上方に移動させ、前記塗布方向とは反対の方向に前記リコートアセンブリをホームポジションに移動させることをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
11.
前記リコートアセンブリを前記ホームポジションに移動させることは前記リコートアセンブリを戻り速度で移動させることを含み、
流動した前記ビルド材料を移動させることは前記リコートアセンブリを塗布速度で前記塗布方向に移動させることを含み、
前記戻り速度は前記塗布速度よりも大きい、前項のいずれかに記載の方法。
12.
前記リコートアセンブリを前記ホームポジションに移動させる前に、前記第2ローラが前記ビルド材料の第2層に接触するように前記第2ローラを下降させことをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
13.
前記第2ローラを前記逆回転方向に回転させることをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
14.
前記第2ローラを前記逆回転方向に回転させることは、前記ホームポジションに移動する前記リコートアセンブリの直線速度に対応する回転速度で前記第2ローラを回転させることを含む、前項のいずれかに記載の方法。
15.
前記第2ローラが第2ローラ直径を含み、
前記第1ローラが第1ローラ直径を含み、
前記第2ローラ直径が前記第1ローラ直径より大きい、前項のいずれかに記載の方法。16.
前記リコートアセンブリの前端に接続された前方エネルギー源で、前記ビルド領域内に配置されたビルド材料の前記初期層を照射することをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
17.
前記ビルド材料の前記第2層を移動させた後、前記リコートアセンブリに接続された後方エネルギー源で、前記ビルド領域内のビルド材料の前記第2層を照射することをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
18.
ビルド材料上でリコートアセンブリを移動させ、
前記リコートアセンブリは、前ローラと、前記前ローラと離間された後ローラと、を含み、
前記前ローラの底部が前記塗布方向に移動するように、前記リコートアセンブリの前記前ローラを逆回転方向に回転させ、
前記ビルド材料を前記リコートアセンブリの前記前ローラに接触させることで、前記ビルド材料の少なくとも一部を流動させ、
流動した前記ビルド材料を移動させることで、ビルド領域内に位置するビルド材料の初期層の上に前記ビルド材料の第2層を堆積させ、
前記逆回転方向の反対である回転方向に前記リコートアセンブリの前記後ローラを回転させ、
前記ビルド材料が前記前ローラに接触した後、前記後ローラを前記ビルド材料に接触させる、
オブジェクトを形成する方法。
19.
前記後ローラの少なくとも一部は、垂直方向において前記前ローラの下方に配置される、前項のいずれかに記載の方法。
20.
前記後ローラを前記回転方向に回転させることは、前記リコートアセンブリの直線速度に対応する回転速度で前記後ローラを回転させることを含む、前項のいずれかに記載の方法。
21.
前記前ローラを回転させることが、前ローラ回転速度で前記前ローラを回転させることを含み、
前記後ローラを回転させることが、後回転速度で後ローラを回転させることを含み、
前記前ローラ回転速度が前記後回転速度より大きい、前項のいずれかに記載の方法。
22.
前記ビルド材料の第2層を供給容器に堆積させた後に、前記前ローラおよび前記後ローラが前記ビルド材料の第2層から離間されるように、前記前ローラおよび前記後ローラを垂直方向に上方に移動させ、
前記塗布方向とは反対の方向に前記リコートアセンブリをホームポジションに移動させることをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
23.
前記リコートアセンブリを前記ホームポジションに移動させることは前記リコートアセンブリを戻り速度で移動させることを含み、
流動した前記ビルド材料を移動させることは前記リコートアセンブリを塗布速度で前記塗布方向に移動させることを含み、
前記戻り速度は前記塗布速度よりも大きい、前項のいずれかに記載の方法。
24.
前記リコートアセンブリの前端に接続された前方エネルギー源で、前記ビルド材料の前記初期層を照射することをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
25.
前記ビルド材料の前記第2層を移動させた後、前記リコートアセンブリの後端に接続された後方エネルギー源で、前記ビルド材料の前記第2層を照射することをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
26.
ビルド材料上でリコートアセンブリを移動させ、
前記リコートアセンブリがベース部材に回転可能に接続されたローラを含み、
前記ローラの底部が前記塗布方向に移動するように、前記リコートアセンブリの前記ローラを逆回転方向に回転させ、
前記ビルド材料を前記リコートアセンブリの前記ローラに接触させることで、前記ビルド材料の少なくとも一部を流動させ、
流動した前記ビルド材料を移動させることで、ビルド領域内に位置するビルド材料の初期層の上に前記ビルド材料の第2層を堆積させ、
前記ビルド材料の第2層を堆積させた後、前記リコートアセンブリの前記ローラを前記逆回転方向に回転させ、
前記塗布方向の反対である方向に前記リコートアセンブリを移動させ、
前記塗布方向と反対である方向に移動する間、前記ローラで前記ビルド材料の第2層に接触する、
オブジェクトを形成する方法。
27.
前記塗布方向とは反対の方向に前記リコートアセンブリを移動させる前に、前記ローラを垂直方向に上方に移動させることをさらに含む、前項のいずれかに記載の方法。
28.
前記ローラを垂直方向に上方に移動させることは、前記ローラを垂直方向に5マイクロメートルから20マイクロメートルの間で移動させることを含む、前項のいずれかに記載の方法。
29.
前記ビルド材料の第2層を接触させることは、前記リコートアセンブリを供給容器に移動させる前記リコートアセンブリの直線速度に対応する回転速度で前記ローラを回転させることを含む、前項のいずれかに記載の方法。
30.
ベース部材と、
前記ベース部材に回転可能に接続された前ローラと、
前記ベース部材に回転可能に接続された後ローラと、
を含み、
前記前ローラは前記後ローラと離間され、
前記ベース部材に接続され、前記前ローラの前方に配置され、前記前ローラの前方にエネルギーを放出する前方エネルギー源と、
前記ベース部材に接続され、前記前方エネルギー源の後方に配置され、前記前方エネルギー源の後方にエネルギーを放出する、後方エネルギー源と、
を含む、付加製造システムのリコートアセンブリ。
31.
前記前ローラおよび前記後ローラの少なくとも一方、および前記ベース部材に接続された垂直アクチュエータ、
をさらに含み、
前記垂直アクチュエータは、前記前ローラおよび前記後ローラの少なくとも一方を前記ベース部材に対して垂直方向に移動させる、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
32.
前記前ローラおよび前記後ローラの少なくとも一方の垂直方向への移動を制限するハードストップをさらに含む、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
33.
前記ハードストップを少なくとも部分的に封入するダストシールドをさらに含む、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
34.
前記前ローラおよび前記後ローラが互いに独立して前記ベース部材に対して移動可能であるように、垂直アクチュエータが前記前ローラおよび前記後ローラに接続されている、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
35.
前記垂直アクチュエータは前記前ローラに接続された第1垂直アクチュエータであり、
前記リコートアセンブリは、前記後ローラに接続された第2垂直アクチュエータをさらに含み、
前記第2垂直アクチュエータは前記後ローラを前記ベース部材に対して垂直方向に移動させる、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
36.
前記前ローラが前ローラ直径を有し、
前記後ローラが後ローラ直径を有し、
前記前ローラ直径と前記後ローラ直径が異なる、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
37.
前記前ローラ直径が前記後ローラ直径より小さい、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
38.
前記ベース部材に接続され、前記前ローラによって画定されるローラ窓内である高さで前記前ローラの前方に配置される粉末係合部材をさらに含む、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
39.
前記リコートアセンブリの外側端部に配置され、前記リコートアセンブリが配置されるハウジングと係合するハウジング係合部材をさらに含む、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
40.
前記ベース部材に回転可能に接続された第3ローラをさらに含み、
前記第3ローラは、横方向において前記前ローラおよび前記後ローラの一方と整列される、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
41.
前記ベース部材に回転可能に接続された第3ローラをさらに含み、
前記第3ローラは、横方向において、前記前ローラおよび前記後ローラの少なくとも一方と重なる、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
42.
ベース部材と、
前記ベース部材に回転可能に接続され、第1ローラ直径を有する第1ローラと、
前記ベース部材に回転可能に連結され、前記第1ローラから離間し、前記第1ローラ直径より大きい第2ローラ直径を有する第2ローラと、
を含む、付加製造システムのリコートアセンブリ。
43.
前記第1ローラが前ローラであり、
前記第2ローラが後ローラであり、
前記前ローラが前記後ローラよりも前方に位置する、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
44.
前記ベース部材に接続され、前記前ローラの前方に配置され、前記前ローラの前方にエネルギーを放出する前方エネルギー源と、
前記ベース部材に接続され、前記前方エネルギー源の後方に配置される後方エネルギー源と、
をさらに含む、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
45.
前記ベース部材に接続され、前記前ローラによって画定されるローラ窓内である高さで前記前ローラの前方に配置される粉末係合部材をさらに含む、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
46.
前記リコートアセンブリの外側端部に配置され、前記リコートアセンブリが配置されるハウジングと係合するハウジング係合部材をさらに含む、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
47.
前記第1ローラおよび前記第2ローラの少なくとも一方と係合するクリーニング部材をさらに含む、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
48.
前記第1ローラおよび前記第2ローラに対して前記クリーニング部材の位置を移動させるように構造的に構成されたクリーニング位置調整アセンブリをさらに含む、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
49.
前記ベース部材に枢動可能に接続された枢動ガイドをさらに含む、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
50.
前記第1ローラは後ローラであり、
前記第2ローラは前記後ローラよりも前方に位置する前ローラである、前項のいずれか
に記載のリコートアセンブリ。
51.
前記前ローラと横方向に整列する第3ローラをさらに含み、
前記後ローラは、前記第3ローラと前記前ローラとの間を横方向に延在する、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
52.
前記後ローラは、前記前ローラと前記第3ローラとによって画定されるギャップを横切って延在する、前項のいずれかに記載のリコートアセンブリ。
53.
ベース部材と、
前記ベース部材に接続され、横方向に前記ベース部材を移動させるリコートアセンブリ横方向アクチュエータと、
前記ベース部材に回転可能に接続された前ローラと、
前記ベース部材に回転可能に接続された後ローラと、を含み、
前記前ローラは前記前ローラから離間され、
前記前ローラおよび前記後ローラの少なくとも一方、および前記ベース部材に接続される垂直アクチュエータ、を含み、
前記垂直アクチュエータは前記前ローラおよび前記後ローラの少なくとも一方を前記ベース部材に対して垂直方向に移動させ、
前記垂直アクチュエータに通信可能に接続される電子制御ユニット、を含む、付加製造システム。
54.
前記ベース部材に接続され、前記前ローラの前方に配置された前方エネルギー源をさらに含み、
前記前方エネルギー源が前記前ローラの前方にエネルギーを放出し、
前記ベース部材に接続され、前記後ローラの後方に配置された後方エネルギー源を含み、
前記後方エネルギー源が前記後ローラの後方にエネルギーを放出する、前項のいずれかに記載のシステム。
55.
前記前ローラに接続され、前記電子制御ユニットに通信可能に連結された回転アクチュエータをさらに含み、
前記電子制御ユニットは、前記リコートアセンブリ横方向アクチュエータに、前記ベース部材を横方向に延在する塗布方向に移動させるように指示し、
前記回転アクチュエータに、前記前ローラの底部が前記塗布方向に移動するような方向に前記前ローラを回転させるように指示する、前項のいずれかに記載のシステム。
56.
前記電子制御ユニットは前記回転アクチュエータに、前記前ローラを少なくとも1メートル/秒の回転速度で回転させるように指示する、前項のいずれかに記載のシステム。
57.
前記回転アクチュエータは前方回転アクチュエータであり、
前記システムは、前記後ローラに接続され、前記電子制御ユニットに通信可能に接続された後方回転アクチュエータをさらに含み、
前記電子制御ユニットは、前記後方回転アクチュエータに、前記後ローラを前記前ローラと反対の方向に回転させるようにさらに指示する、前項のいずれかに記載のシステム。58.
前記電子制御ユニットは前記後方回転アクチュエータに、前記塗布方向に移動する前記ベース部材の速度に対応する回転速度で前記後ローラを回転させるように指示する、前項のいずれかに記載のシステム。
59.
前記電子制御ユニットは前記垂直アクチュエータに、前記垂直方向において評価された異なる高さに前記前ローラおよび前記後ローラを配置するように指示する、前項のいずれかに記載のシステム。
60.
【0130】
前記ベース部材を傾斜させることによって、前記前ローラと前記後ローラとを異なる高さに配置する傾斜アクチュエータをさらに備える、前項のいずれかに記載のシステム。
61.
前記ベース部材に接続され、前記電子制御ユニットに通信可能に接続されたベース部材回転アクチュエータをさらに含み、
前記電子制御ユニットは、前記ベース部材回転アクチュエータに、前記横方向を横切る前記垂直方向に対するよう指示する、前項のいずれかに記載のシステム。
62.
前記前ローラが前ローラ直径を有し、
前記後ローラが後ローラ直径を有し、
前記前ローラ直径と前記後ローラ直径が異なる、前項のいずれかに記載のシステム。
63.
前記前ローラ直径は前記後ローラ直径よりも小さい、前項のいずれかに記載のシステム。
64.
前記電子制御ユニットに通信可能に接続された距離センサをさらに備える、前項のいずれかに記載のシステム。
65.
前記電子制御ユニットは前記距離センサから、前記システムの下に配置されたビルド材料の層の厚さを示す信号を受信する、前項のいずれかに記載のシステム。
当業者には、特許請求される主題の思想および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態に対して様々な修正および変形を行うことができることが明らかであろう。したがって、本明細書はそのような修正および変形が添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入る限り、本明細書に記載される様々な実施形態の修正および変形を包含することが意図される。