(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】シーツ張設装置
(51)【国際特許分類】
A47C 21/02 20060101AFI20240827BHJP
A47G 9/02 20060101ALI20240827BHJP
A61G 7/05 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A47C21/02 Z
A47G9/02 Q
A61G7/05
(21)【出願番号】P 2024082392
(22)【出願日】2024-05-21
【審査請求日】2024-05-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523024428
【氏名又は名称】株式会社マーメイド
(74)【代理人】
【識別番号】100209129
【氏名又は名称】山城 正機
(72)【発明者】
【氏名】花城 忠雄
(72)【発明者】
【氏名】花城 康太
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】特許第7246809(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第115005631(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0242559(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 21/02
A47G 9/02
A61G 7/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二組の対向する辺を有する平面視略矩形状に形成され当該対向する二組の辺のうち少なくとも一組の辺に沿って複数の引っ掛け部が並設されたシーツを、ベッドフレームの上方に位置する略直方体形状に形成されたマットレスに張設するシーツ張設装置であって、
前記シーツ張設装置は、前記ベッドフレームと前記マットレスとの間に形成される間隙に配設され前記シーツを当該ベッドフレームの対向する辺に略直交する第一方向に引っ張る張設ユニットを備え、
前記張設ユニットは、前記ベッドフレームの上方に設置され前記第一方向に往復動する第一往復動を行う第一往復部、前記第一往復部に設置され当該第一往復部に従動して前記第一往復動を行うとともに当該第一往復動と独立して前記第一方向に往復動する第二往復動を行う第二往復部、及び、前記第二往復部に従動するとともに前記引っ掛け部に掛脱可能な掛脱部を備えた掛脱部材を備える、
シーツ張設装置。
【請求項2】
前記張設ユニットは、前記ベッドフレーム上に設置されるベース部をさらに備え、
前記ベース部は、平面視略矩形状を呈し前記ベッドフレーム上に載置される土台部と、前記土台部の範囲内において前記第一方向に配設される第一レール部とを備え、
前記第一往復部は、平面視略矩形状を呈する第一枠体と、前記第一枠体の範囲内において前記第一方向に配設される第二レール部と、前記第一レール部内を摺動可能な第一摺動部材とを備え、
前記第二往復部は、前記第二レール部内を摺動可能な第二摺動部材と、前記掛脱部材を収容する収容部を形成する平面視略矩形状の第二枠体とを備える、
請求項1に記載のシーツ張設装置。
【請求項3】
前記第二往復部の動きを規制するロック機構をさらに設けた、
請求項2に記載のシーツ張設装置。
【請求項4】
前記掛脱部が複数のフック状部材によって形成される、
請求項1~3のいずれかに記載のシーツ張設装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーツ張設装置に関し、特に、ベッドメイキングの際のシーツ交換を容易に行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばホテルや介護施設などにおいては、使用者が就寝するためのベッドが多数設置されており、ベッドにはベッドに設置されたマットレスを覆うように敷布(シーツ)が設置される。ベッドが使用されるたびにシーツは取り外され、新しく清潔なシーツが設置される。
【0003】
シーツはマットレスよりも大きな一枚の略矩形状の布材からなる。略直方体形状のマットレスをくるむようにシーツを張設するためには、まず、シーツを広げた状態でマットレス上に載置し、その後、マットレスを部分的に持ち上げ、持ち上げたマットレスの裏面側にシーツの端部を折り込む。シーツの端部をマットレスの裏面側に折り込む動作は、マットレスの下方に手を入れてマットレスの中心部に向けて手を伸ばしシーツの端部を引っ張る必要がある。そして、折り込んだシーツをマットレスの下方において中心部に向けて万遍なく引っ張って皺が生じないよう調節する。一枚のシーツを設置するためには、このような動作をマットレスの四辺全てにおいて行う必要があり、シーツをきれいに皺なく設置するのには、かなりの労力が必要である。しかも、ホテルや介護施設に設置されるベッドの数は膨大であり、限られた人手で全てのベッドのシーツ交換を行うのは負担が大きい。
【0004】
そこで、シーツ交換にかかる労力を軽減するための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された技術は、シーツの縁部に沿って複数設けられた輪にシーツ引張用フックを引っ掛けた状態で、シーツ引張用フックを駆動するためのハンドルを回すことで輪に引っかけたシーツ引張用フックを下方に移動させてシーツを設置するものである(特許文献1)。
【0005】
また、特許文献2に記載された技術は、シーツの対向する辺の縁部に複数設けたシーツ側留め具に、長さ調節機能を持つベルトの両端部に設けられたベルト側留め具を引っ掛け、ベルトをマットレスの下方に回した状態で、ベルトの長さを短くすることで対向するシーツ側留め具を互いに引っ張り、シーツを皺なく貼るものである(特許文献2)。
【0006】
特許文献1及び特許文献2に開示された技術によると、比較的労力をかけずにシーツを設置することができる一方で、シーツの縁部を下方に引っ張ることしかできず、マットレスの下方に折り込むことができず見栄えが良くない。
【0007】
すなわち、シーツを見栄え良く張設するためには、マットレスの裏面側にシーツの縁部を折り込む必要があるところ、上記特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、マットレスの側面や前後面からシーツの縁部が垂れ下がることとなり、シーツを美しく張設することはできない。
【0008】
また、特にホテルなどの宿泊施設においては、同一の施設であっても部屋のタイプによってベッドフレームのサイズに複数の種類があり、異なるサイズのベッドフレームに適した装置をそれぞれ用意するには、コストがかかるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第2922464号公報
【文献】特開2001-292882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、マットレス裏面側にシーツを折り込んで張設する際の労力を軽減することが可能であるとともに、取り扱いが容易で、かつ、張設度合いを微調整可能なシーツ張設装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の発明者らは、マットレス裏面側に、ベッドフレームの辺に直交する方向に往復動可能な第一往復機構と、第一往復機構上に設置され第一往復機構が往復動する方向と同じ方向に往復動可能な第二往復機構を設置することで、取り扱いが容易で、かつ、張設度合いを微調整可能となることを見出し、本発明に至った。
【0012】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0013】
第1の特徴に係るシーツ張設装置は、二組の対向する辺を有する平面視略矩形状に形成され当該対向する二組の辺のうち少なくとも一組の辺に沿って複数の引っ掛け部が並設されたシーツを、ベッドフレームの上方に位置する略直方体形状に形成されたマットレスに張設するシーツ張設装置である。
【0014】
シーツ張設装置は、ベッドフレームとマットレスとの間に形成される間隙に配設されシーツを当該ベッドフレームの対向する辺に略直交する第一方向に引っ張る張設ユニットを備える。
【0015】
張設ユニットは、ベッドフレームの上方に設置され第一方向に往復動する第一往復動を行う第一往復部、第一往復部に設置され当該第一往復部に従動して第一往復動を行うとともに当該第一往復動と独立して第一方向に往復動する第二往復動を行う第二往復部、及び、第二往復部に従動するとともに引っ掛け部に掛脱可能な掛脱部を備えた掛脱部材を備える。
【0016】
第1の特徴に係る発明によれば、互いに対向するよう配設される複数の張設ユニットを備えるため、複数の張設ユニットをベッドフレーム上に適切に配置することで、ベッドのサイズに関わらず、長辺及び短辺それぞれに直交する方向にシーツを張設することが可能なシーツ張設装置を提供できる。
【0017】
また、張設ユニットが、ベッドフレームの上方に設置され第一方向に往復動する第一往復動を行う第一往復部、第一往復部に設置され当該第一往復部に従動して第一往復動を行うとともに当該第一往復動と独立して第一方向に往復動する第二往復動を行う第二往復部、及び、第二往復部に従動するとともに引っ掛け部に掛脱可能な掛脱部を備えた掛脱部材を備えるため、第一往復部と第二往復部を同じ第一方向に往復動させるだけでシーツの張設を行うことができ、取り扱いが容易なシーツ張設装置を提供できる。
【0018】
そして、第一往復部による第一往復動と第二往復部による第二往復動を独立して行うことができるため、マットレスのサイズやシーツのサイズに関わらず、張設度合いを容易に微調整することが可能となる。
【0019】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、張設ユニットは、ベッドフレーム上に設置されるベース部をさらに備え、ベース部は、平面視略矩形状を呈しベッドフレーム上に載置される土台部と、土台部の範囲内において第一方向に配設される第一レール部とを備え、第一往復部は、平面視略矩形状を呈する第一枠体と、第一枠体の範囲内において第一方向に配設される第二レール部と、第一レール部内を摺動可能な第一摺動部材とを備え、第二往復部は、第二レール部内を摺動可能な第二摺動部材と、掛脱部材を収容する収容部を形成する平面視略矩形状の第二枠体とを備える。
【0020】
第2の特徴に係る発明によれば、ベース部が平面視略矩形状の土台部を備え、第一レール部が土台部の範囲内において配設されているため、第一レール部は土台部から突出することがない。そのため、張設ユニットをベース部の土台部の大きさに合わせることができ、設置が容易となる。また、第一往復部においても、第二レール部が平面視略矩形状に形成される第一枠体の範囲内において配設されているため、第二レール部が第一枠体から突出することがない。そして、ベース部、第一往復部及び第二往復部を上下方向に重ねて設置することができるため、ベッドフレームとマットレスの間という限られたスペースにおいてコンパクトに設置することが可能となる。
【0021】
第3の特徴に係る発明は、第2の特徴に係る発明であって、第二往復部の動きを規制するロック機構をさらに設けた。
【0022】
第3の特徴に係る発明によれば、第二往復部の動きを規制するロック機構をさらに設けたため、所望の位置まで第二往復部を移動させて張力をかけたのち、当該所望の位置を保持することができる。
【0023】
第4の特徴に係る発明は、第1~3のいずれかの特徴に係る発明であって、掛脱部が複数のフック状部材によって形成される。
【0024】
第4の特徴に係る発明によれば、掛脱部が複数のフック状部材によって構成されているため、第一往復部及び/又は第二往復部を第一方向奥側に移動させるだけで、所定範囲のシーツの端部を引っ張ることができ、シーツを張設するための労力を節約することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、マットレス裏面側にシーツを折り込んで張設する際の労力を軽減することが可能であるとともに、取り扱いが容易で、かつ、張設度合いを微調整可能なシーツ張設装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るシーツ張設装置10の張設対象であるシーツ20の全体構成を示す模式図である。
図1(a)はシーツ20全体の平面図であり、
図1(b)は部分拡大図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るシーツ張設装置10の全体構成を簡略的に示す模式図であり、
図2(a)は斜視図を、
図2(b)は平面図を示す。
【
図3】
図3は、往復動可能な張設ユニット100について説明する模式図であり、
図3(a)は引き出した状態における斜視図を、
図3(b)は押し込んだ状態における斜視図を示す。
【
図4】
図4は、往復動可能な張設ユニット100について説明する分解斜視図である。
【
図5】
図5は、張設ユニット100を引き出した状態を模式的に示す部分拡大図である。
【
図6】
図6は、張設ユニット100を構成する掛脱部材140の詳細を示す模式図であり、
図6(a)は斜視図を、
図6(b)は平面図を示す。
【
図7】
図7は、本実施形態に係るシーツ張設装置10から掛脱部材140を取り出す手順を示す模式図であり、
図7(a)は、往復動可能な張設ユニット100から掛脱部材140を取り出す様子を示し、
図7(b)は、固定の張設ユニット100から掛脱部材140を取り出す様子を示す。
【
図8】
図8は、本実施形態に係るシーツ張設装置10の張設対象であるシーツ20をマットレス40上に広げる手順を示す模式図である。
【
図9】
図9は、シーツ20に掛脱部材140を掛止する手順を示す模式図である。
【
図10】
図10は、本実施形態に係るシーツ張設装置10を用いてシーツ20を張設した状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0028】
[シーツ張設装置10の全体構成]
図1~
図2を用いて、本実施形態に係るシーツ張設装置10及び張設対象であるシーツ20の全体構成を説明する。
図1は、本実施形態に係るシーツ張設装置10の張設対象であるシーツ20の全体構成を示す模式図である。
図1(a)はシーツ20全体の平面図を、
図1(b)は部分拡大図を示す。
図2は、本実施形態に係るシーツ張設装置10の全体構成を簡略的に示す模式図である。
図2(a)は斜視図を、
図2(b)は平面図を示す。なお、本実施形態において、上方とは重力方向上方を指し、下方とは重力方向下方を指す。また、手前側とは、マットレス40の外側を指し、奥側とは、マットレス40の中心側を指す。また、マットレス40の表面とは、就寝のためなどで使用される際に使用者が乗る側の面を指し、マットレス40の裏面とは、ベッドフレーム30側の面を指す。
【0029】
本実施形態のシーツ張設装置10は、
図1に示す二組の対向する辺(短辺21a及び長辺21b)を有する略矩形状に形成され当該対向する二組の辺(短辺21a及び長辺21b)のうち少なくとも一組の辺の縁に沿って、各辺21a、21bを当該辺21a、21bに略直交する方向に引っ張るための複数の引っ掛け部22が並設されたシーツ20を、ベッドフレーム30の上方に載置される略直方体形状に形成されたマットレス40の周囲に皺なく張設するものである。なお、
図2に示す状態は、マットレス40をシーツ張設装置10の支持部材200上に載置する前の状態である。
【0030】
本実施形態のシーツ張設装置10を説明する前に、
図1を用いて、シーツ張設装置10で張設されるシーツ20について説明する。シーツ20は、対向する短辺21a及び長辺21bを有する略矩形状に形成されたシーツ本体21を備えており、シーツ本体21の各辺21a、21bを当該辺21a、21bに略直交する方向に引っ張るための複数の引っ掛け部22が、辺縁に沿って形成される。
図1(b)に示すように、シーツ本体21の短辺21aにおける引っ掛け部22は、短辺21aの辺縁に沿って配置した所定幅を有する紐状部材23に対して、辺縁に略直交する方向に縫着した縫着部23tを第一の所定間隔T1で均等に形成して複数の輪状部を生成することで形成される。同様に、長辺21bの辺縁に沿って配置した所定幅を有する紐状部材23に対して、辺縁に略直交する方向に縫着した縫着部23tを第二の所定間隔T2で均等に形成して複数の輪状部を生成することで、長辺21bにおける引っ掛け部22が形成される。なお、本実施形態においては、複数の引っ掛け部22は、シーツ20の生地に紐状部材23を所定の間隔で縫い付けることで形成されるが、引っ掛け部22の形成手段はこれに限ったものではなく、例えば、短い紐状部材の両端部をシーツ20の生地に縫い付けて形成したものを辺の縁に沿って複数設けるようにしてもよい。
【0031】
図2を用いて、本実施形態のシーツ張設装置10の全体構成について説明する。シーツ張設装置10は、
図2に示すように、ベッドフレーム30における二組の向かい合う辺縁部において、互いに対向するよう配設される複数の張設ユニット100と、ベッドフレーム30上において複数の張設ユニット100の間に配設され所定の高さでマットレス40を支持する支持部材200によって構成される。
【0032】
張設ユニット100は、ベッドフレーム30における二組の向かい合う辺縁部において、互いに対向するよう配設されており、対向するよう配設された一対の張設ユニット100のうち少なくとも一方の張設ユニット100は、ベッドフレーム30の辺に直交する方向に往復動可能な構成となっており、シーツ20の端縁をベッドフレーム30の中心側に向けて引っ張ることが可能である。例えば、
図2に示す例においては、ベッドフレーム30の長辺近傍に配設される向かい合う一組の張設ユニット100のうち、一方がシーツ20の端縁を引っ張ることができるが、他方はシーツ20の端縁を保持するのみの固定構造である。また、ベッドフレーム30の短辺近傍に配設される向かい合う一組の張設ユニット100のうち、足側の張設ユニット100はシーツ20の端縁を引っ張ることができるが、頭側の張設ユニット100はシーツ20の端縁を保持するのみの固定構造である。このように、
図2に示す例では、対向するよう配設された一対の張設ユニット100のうち一方の張設ユニット100が往復動可能な構造であり他方の張設ユニット100が固定の構造であるが、対向するよう配設された一対の張設ユニット100の両方が往復動可能な構造を有していてもよい。
【0033】
支持部材200は、ベッドフレーム30とマットレス40の間においてベッドフレーム30の天面に設置され、適宜の平面形状に加工されて形成される。支持部材200はマットレス40を支持する部材であり、後述する張設ユニット100が備える第一往復部120及び第二往復部130が往復動可能なように、第一往復部120及び第二往復部130が往復動する位置よりも高い所定の高さを有する。例えば本実施形態においては、支持部材200の高さは45mmであり、張設ユニット100の高さは40mmである。なお、支持部材200は発泡スチロールやハニカムなど、マットレス40を支持するための適度なクッション性を備え、かつ、所望の形状に加工が容易な材料によって形成される。また、ベッドフレーム30上に設置される支持部材200は必ずしも単一の部材によって構成される必要はなく、いくつかの支持部材200を組み合わせて構成してもよい。例えば、
図2に示すように、本実施形態においては、4つの支持部材200を組み合わせて構成される。シーツ張設装置10が備える支持部材200がマットレス40を支持することにより、ベッドフレーム30とマットレス40との間に張設ユニット100を配設するための間隙が形成される。
【0034】
[張設ユニット100の構成]
次に、シーツ20の端縁を引っ張ることが可能な構造の張設ユニット100について、
図3~
図6を用いて説明する。なお、シーツ20の端縁を引っ張ることなく保持するのみの固定構造の張設ユニット100については説明を省略する。
【0035】
図3は、張設ユニット100の引き出し状態及び収納状態について説明する模式図である。
図3(a)が引き出し状態を、
図3(b)が収納状態を示す。
図4は、ベッドフレーム30の辺に直交する方向に往復動可能な張設ユニット100について説明する分解斜視図である。
図5は、引き出し状態の張設ユニット100の部分拡大図である。
図6は、張設ユニット100を構成する掛脱部材140の詳細を示す模式図である。
図6(a)は斜視図を、
図6(b)は平面図を示す。
【0036】
シーツ20の端縁を引っ張ることが可能な構造の張設ユニット100は、それぞれ、平面視略矩形状の枠状体によって形成され第一往復部120を往復動可能に支持するベース部110、ベッドフレーム30の対向する辺に略直交する第一方向に往復動する第一往復動を行うようベース部110に設置される第一往復部120、第一往復部120に設置され第一往復部120に従動して第一往復動を行うとともに第一往復動と独立して第一方向に往復動する第二往復動を行う第二往復部130、及び、第二往復部130に従動するとともにシーツ20の引っ掛け部22に掛脱可能な掛脱部142を備えた掛脱部材140を有する。
【0037】
ベース部110は、設置する辺縁に平行な方向に長い平面視略矩形状に形成されベッドフレーム30上に載置される枠状の土台部111、第一往復部120が第一方向に往復動可能なように土台部111において第一方向に延設される第一レール部112、第二往復部130の動きを規制するロック機構113、及び、第一往復部120がベース部110から抜け出ることを防止するためのストッパ部114を備える。
【0038】
土台部111は、ベッドフレーム30の天面に載置されベース部110の土台となる部材であり、平面視略矩形状の板状部材111aと、板状部材111aの辺縁に沿って配設される所定高さの枠状部材111bによって形成される。なお、枠状部材111bは、土台部111の奥側端部及び幅方向両端部の3か所に配設され、手前側端部には配設されない。土台部111の板状部材111a上面における幅方向端部近傍には、第一往復部120を第一方向に第一往復動可能に支持する一対の第一レール部112、112が配設される。
【0039】
第一レール部112は、土台部111に固定されるレール状の部材であり、張設ユニット100がベッドフレーム30の辺縁に配置されたときにベッドフレーム30の辺に対して直交する方向、つまり第一方向に沿って延設される。第一レール部112には、後述する第一往復部120が備える第一摺動部材123が第一方向に摺動することができるよう、第一方向に沿って溝が設けられている。
【0040】
ロック機構113は、適度な位置に移動させた第二往復部130が不意に動いてしまわないよう位置決めするものであり、第二往復部130が往復動する方向に直交する第一方向に往復動可能な押圧部材によって構成される。押圧部材には、後述する第二往復部130の幅方向両端部における係合部134として形成された凹凸部に係合可能な凹凸部113aが形成されており、ロック機構113の凹凸部113aと係合部134の凹凸部が係合した状態で押圧部材によって押圧することで、第二往復部130の動きを規制する。なお、ロック機構113は、第二往復部130の不意な動きを妨げることができるものであればよく、例えば挟持によるものや、押圧するものなど、凹凸部以外の手段も取り得るものである。
【0041】
ストッパ部114は、第一レール部112上を第一往復動する第一往復部120がベース部110から抜け出ないようにするためのものであり、土台部111の板状部材111a上に設置されるブロック状の部材である。
【0042】
次に、第一往復部120について説明する。第一往復部120は、その内側領域において第二往復部130を第二往復動可能に保持する平面視略矩形状の第一枠体121、第一枠体121の内側領域において第二往復部130が第一方向に往復動可能なように第一方向に延設される複数本の第二レール部122、第一レール部112に形成される溝内を摺動可能な第一摺動部材123、第一枠体121の手前側端部において第二往復部130が第一枠体121から抜け出ないようにするための規制部124を備える。
【0043】
第一枠体121は、第一往復部120の枠組みをなすものであり、奥側端部において幅方向に配設される所定高さの奥側壁部材121a、手前側において幅方向に配設される板状の手前側桁部材121b、第一方向に配設され奥側壁部材121aと手前側桁部材121bとを接続する複数の接続部材121c、奥側壁部材121aの幅方向両端部において奥行き方向に配設される端部部材121dによって形成される。
【0044】
第二レール部122は、第一枠体121に固定されるレール状の部材であり、張設ユニット100がベッドフレーム30の辺縁に配置されたときにベッドフレーム30の辺に対して直交する方向、つまり第一方向に沿って延設される。第二レール部122には、後述する第二往復部130が備える第二摺動部材133が第一方向に摺動することができるように、第一方向に沿って溝が設けられている。
【0045】
第一摺動部材123は、ベース部110が備える第一レール部112の溝内を摺動する部材であり、第一摺動部材123が第一レール部112の溝内を摺動することにより、本発明における第一往復動が機能する。なお、第一摺動部材123は第一レール部112に対して手前側端部からしか挿脱できないようになっており、特に、第一往復部120を上方に持ち上げたとしても第一レール部112から第一摺動部材123が抜けることがないよう形成されている。なお、第一摺動部材123は、第一枠体121の幅方向両端部において奥行き方向に配設される端部部材121dに複数個設けられる。
【0046】
規制部124は、第二往復部130を手前側に引っ張ったとしても第二往復部130が第一往復部120から抜け出るのを防止するための部材であり、本実施形態においては、幅方向に延設されるとともに手前側ないしは奥側に回動可能な所定高さを有する壁状部材によって形成され、第一枠体121の手前側端部に配設される。本実施形態においては、規制部124を奥側に回動させて立てた状態においては、第二往復部130を手前側に目いっぱい引いたとしても規制部124に当接するため、第二往復部130が第一往復部120から抜け出ることを防止することができる。また、規制部124を手前側に回動して倒した状態においては、
図3(a)に示すように、第二レール部122の手前側端部が開放されるため、第二レール部122から第二摺動部材133を着脱させることができる。なお、本実施形態においては、規制部124を立てた状態と倒した状態に切り替えることで抜け止め不能状態と抜け止め可能状態とを切り替えるよう構成したが、規制部124を第一枠体121の手前側端部に設けた所定高さを有する回動不能の板状部材によって構成してもよい。
【0047】
次に、第二往復部130について説明する。第二往復部130は、その内側領域において掛脱部材140を保持する平面視略矩形状の第二枠体131、第二枠体131内に形成される掛脱部材140を保持する収容部132、第一往復部120の第二レール部122に形成される溝内を摺動可能な第二摺動部材133、ベース部110のロック機構113の凹凸部113aと係合可能な係合部134を備える。
【0048】
第二枠体131は、第二往復部130の枠組みを成すものであり、平面視略矩形状の枠状体によって形成される。第二枠体131の上端の高さ方向の位置は、第二摺動部材133が第二レール部122の溝内に挿入された状態において、第二枠体131の上端が支持部材200の上面よりも下方に位置するよう設定される。また、第二枠体131の下端の高さ方向の位置は、第二摺動部材133が第二レール部122の溝内に挿入された状態において、ベース部110のストッパ部114の上面よりも上方に位置するよう設定される。
【0049】
収容部132は、第二枠体131の内側領域に形成され、掛脱部材140を保持する。
【0050】
第二摺動部材133は、第一往復部120が備える第二レール部122の溝内を摺動する部材であり、第二摺動部材133が第二レール部122の溝内を摺動することにより、本発明における第二往復動が機能する。なお、第二摺動部材133は第二レール部122の手前側端部からしか挿脱できないようになっており、第二往復部130を上方に持ち上げたとしても第二レール部122から第二摺動部材133が抜けることがないよう形成されている。なお、第二摺動部材133は、第二枠体131の手前側端部において幅方向に複数個並設される。
【0051】
係合部134は、ベース部110のロック機構113が設ける凹凸部113aに係合可能なよう、第二枠体131の幅方向両端部において奥行き方向に配設される凹凸部として形成される。
【0052】
このように形成される第二往復部130は、支持部材200がマットレス40を支持する位置よりも下方において、ベッドフレーム30の辺に直交する方向に往復動可能となる。
【0053】
次に、掛脱部材140について説明する。本実施形態に係る掛脱部材140は、
図6に示すように、第二往復部130の収容部132に収容可能な形状を呈する、張設ユニット100を設置する辺縁に平行な方向に長い平面視略矩形状のプレート部141と、プレート部141の長手方向の一辺に形成された、シーツ20端縁の引っ掛け部22に掛脱可能な複数の掛脱部142によって構成される。すなわち、略矩形状に形成されたプレート部141の一辺にはフック状部材からなる掛脱部142が複数形成される。掛脱部142は、第二往復部130がベッドフレーム30の中心部側(第一方向の奥側)に移動された際に、掛脱部142に係止されるシーツ20の引っ掛け部22を第一方向の奥側に引っ張るように設定される。
【0054】
[シーツ張設装置10によるシーツ張設手順]
次に、
図7~
図10を用いて、本実施形態に係るシーツ張設装置10を用いてシーツ20をマットレス40に張設する手順について説明する。
図7は、本実施形態に係るシーツ張設装置10から掛脱部材140を取り出す手順を示す模式図であり、
図8は、本実施形態に係るシーツ張設装置10の張設対象であるシーツ20をマットレス40上に広げる手順を示す模式図であり、
図9は、シーツ20に掛脱部材140を掛止する手順を示す模式図であり、
図10は、本実施形態に係るシーツ張設装置10を用いてシーツ20を張設した状態を示す模式図である。なお、
図8及び
図10において、本実施形態に係るシーツ張設装置10はマットレス40とベッドフレーム30に挟まれて位置しているためほとんど図示されない。このとき、マットレス40はシーツ張設装置10を構成する支持部材200上に載置されており、第一往復部120及び第二往復部130はその動きを制限されることなく、それぞれ往復動可能な状態にある。
【0055】
まず、張設ユニット100から掛脱部材140を取り出す。
【0056】
張設ユニット100から掛脱部材140を取り出すに際し、まずは、
図7(a)に示すよう、往復動可能な張設ユニット100について、第一往復部120及び第二往復部130をマットレス40の下方から手前側に引き出し、第二往復部130の収容部132から掛脱部材140を取り出す(ステップS100)。
【0057】
その際、最初に、第一往復部120をマットレス40の下方から第一方向手前側に引き出す。このとき、所定高さを有する壁状部材によって形成された規制部124に指をかけて第一方向手前側に引き出すようにしてもよい。規制部124は、ベース部110の範囲内にあるときには手前側に回動不能の状態であるため、指をかけたとしても手前側に回動することなく、第一往復部120を手前側に引き出すことができる。そして、
図3(a)に示すように、ベース部110上において、第一枠体121の奥側壁部材121aがストッパ部114に当接するまで、第一往復部120を第一方向手前側に移動させる。このとき、第二往復部130の下端は、ストッパ部114の上端よりも高い位置になるよう設定されており、ストッパ部114に動きを妨げられることなく、第一往復部120の第一枠体121の内側領域における奥側位置において、第一往復部120の動きに従動する。
【0058】
続いて、第二往復部130を、第一往復部120の第一枠体121の領域内において、第一方向手前側に移動させる。このとき、第二往復部130が備える第二摺動部材133が第一往復部120が備える第二レール部122の溝内を摺動するため、第二往復部130を第一往復部120と独立して第一方向に移動させることができる(第二往復動)。このように、第一往復部120及び第二往復部130をそれぞれ第一方向手前側に引き出すことで、
図3(b)に示すようにマットレス40の下方において第一方向奥側に位置していた第二往復部130を、
図3(a)や
図7(a)に示すように第一方向手前側に引き出すことができる。
【0059】
次に、
図7(b)に示すよう、固定構造の張設ユニット100について、支持部材200上に載置されているマットレス40を平行にずらすことで固定構造の張設ユニット100をマットレス40から露出させ、掛脱部材140を取り出す(ステップS110)。このとき、マットレス40は所定の高さに設定された支持部材200上に載置され、他にマットレス40底面に接触する部材はないため、スムーズにマットレス40を平行にずらすことができる。
【0060】
ステップS100とステップS110によって全ての張設ユニット100から掛脱部材140を取り出したら、
図8(a)~(c)に示すように、本実施形態に係るシーツ張設装置10の支持部材200上に載置されたマットレス40の上に、シーツ20を広げる(ステップS120)。
【0061】
このとき、シーツ20のそれぞれの辺はマットレス40の辺よりも大きいため、
図8(c)に示すように、長辺21bの端部を折り畳み、長辺21bに設けられた引っ掛け部22がマットレス40上に載置される状態としてもよい。
【0062】
なお、本実施形態においては、
図8(a)に示すように、シーツ20を長辺21bの端部を折り畳んだ状態で巻き取り棒50に巻回しておき、シーツ20が巻回された巻き取り棒50をマットレス40上で転がすことで(
図8(b))、シーツ20をマットレス40上に広げる。このようにすることで、巻き取り棒50をマットレス40上で転がすだけで、
図8(c)に示すように、長辺21bの引っ掛け部22がマットレス40上に表出された状態でシーツ20を広げることができる。
【0063】
なお、
図8(a)に示すような巻き取り棒50は必須ではなく、本実施形態に係るマットレス用シーツ20をマットレス40上に広げることができれば、巻き取り棒50は使用せず、例えば矩形状に折り畳まれた状態から広げるようにしてもよい。
【0064】
このように、第二往復部130の収容部132に収容されている掛脱部材140をすべて取り出し、シーツ20をマットレス40上に広げたら、
図9に示すように、シーツ20の長辺21bに設けられた引っ掛け部22に掛脱部材140の掛脱部142を係止するとともに、短辺21aに設けられた引っ掛け部22に掛脱部材140の掛脱部142を係止する(ステップS130)。このとき、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、掛脱部142がマットレス40の外側に位置するように引っ掛け部22に掛脱部142を係止する。そして、掛脱部142を引っ掛け部22に係止してから、マットレス40上において掛脱部材140を何度か反転させて、掛脱部材140の周囲にシーツ20を巻き込むようにしてもよい。この掛脱部材140の周囲にシーツ20を巻き込むという動作をすることで、このあと掛脱部材140を収容部132に収容して張設する際に、確実にシーツ20を引っ張ることができるようになる。上記のような係止して反転させて巻き込むという動作を、長辺21b及び短辺21aに係止する掛脱部材140全てについて行い、それぞれの掛脱部材140に対応する収容部132に掛脱部材140を収容する。なお、本実施形態においては、
図9(b)に示すように、一つの長辺21bの引っ掛け部22に一つの掛脱部材140が取り付けられ、一つの短辺21aの引っ掛け部22に一つの掛脱部材140が取り付けられ、二組の短辺21a及び長辺21bに合計四つの掛脱部材140が取り付けられる。
【0065】
そして、図示は省略するが、短辺21aの引っ掛け部22及び長辺21bの引っ掛け部22に取り付けた掛脱部材140を、対応する辺縁に配置した張設ユニット100における第二往復部130の収容部132に収容する(ステップS140)。その際、掛脱部材140を取り出したのとは反対に、まずは固定構造の張設ユニット100に掛脱部材140を収納し、マットレス40の位置を正常状態に戻したのち、往復動可能な張設ユニット100の収容部132に掛脱部材140を収納する。このようにして、四つ全ての掛脱部材140を張設ユニット100に収納する。
【0066】
そして、第一往復部120及び第二往復部130を備える張設ユニット100において、第二往復部130を第一往復部120の第一枠体121の領域内において第一方向奥側に押し込み、さらに、第一往復部120を第一方向奥側に押し込むことで、シーツ20の張設を行う(ステップS150)。この動作により、マットレス40の裏面側において、掛脱部142がシーツ20の引っ掛け部22をマットレス40の中心部側に引っ張ることができ、少なくとも、掛脱部材140が設置されている張設ユニット100においては、シーツ20に皺を付けることなくマットレス40の裏面側に折り込むことができる。
【0067】
このとき、本実施形態に係るシーツ張設装置10においては、
図2に示すように、第一往復部120及び第二往復部130を備える可動構造の張設ユニット100と対向する側には、第一往復部120及び第二往復部130を有しない固定構造の張設ユニット100が配置されているため、固定構造の張設ユニット100を起点として第一往復部120及び第二往復部130によってシーツ20の一辺の端部を引っ張ることができ、対向する一組の辺において皺を形成することなくシーツ20の端部をマットレス40の裏面側に折り込むことができる。
【0068】
このような動作を、対向するもう一組の辺においても行うことにより、対向する長辺21bと短辺21aにおいて、固定構造の張設ユニット100を起点としてシーツ20の端部を引っ張ることができ、
図10に示すように、皺を形成することなくシーツ20の端部をマットレス40の裏面側に折り込むことができる。
【0069】
なお、対向する一組の辺に配置された張設ユニット100の両方が第一往復部120及び第二往復部130を備えるものである場合には、片方ずつ順次、第一往復部120及び第二往復部130によってシーツ20の端部を引っ張るようにすれば良い。
【0070】
このように構成されたシーツ張設装置10によれば、互いに対向するよう配設される複数の張設ユニット100を備えるため、複数の張設ユニット100をベッドフレーム30上に適切に配置することで、ベッドのサイズに関わらず、長辺21b及び短辺21aそれぞれに直交する方向にシーツ20を張設することが可能なシーツ張設装置10を提供できる。
【0071】
また、張設ユニット100が、ベッドフレーム30の上方に設置され第一方向に往復動する第一往復動を行う第一往復部120、第一往復部120に設置され当該第一往復部120に従動して第一往復動を行うとともに当該第一往復動と独立して第一方向に往復動する第二往復動を行う第二往復部130、及び、第二往復部130に従動するとともに引っ掛け部22に掛脱可能な掛脱部142を備えた掛脱部材140を備えるため、第一往復部120と第二往復部130を同じ第一方向に往復動させるだけでシーツ20の張設を行うことができ、取り扱いが容易なシーツ張設装置10を提供できる。
【0072】
そして、第一往復部120による第一往復動と第二往復部130による第二往復動を独立して行うことができるため、マットレス40のサイズやシーツ20のサイズに関わらず、張設度合いを容易に微調整することが可能となる。
【0073】
また、ベース部110が平面視略矩形状の土台部111を備え、第一レール部112が土台部111の範囲内において配設されているため、第一レール部112は土台部111から突出することがない。そのため、張設ユニット100をベース部110の土台部111の大きさに合わせることができ、設置が容易となる。また、第一往復部120においても、第二レール部122が平面視略矩形状に形成される第一枠体121の範囲内において配設されているため、第二レール部122が第一枠体121から突出することがない。そして、ベース部110、第一往復部120及び第二往復部130を上下方向に重ねて設置することができるため、ベッドフレーム30とマットレス40の間という限られたスペースにおいてコンパクトに設置することが可能となる。
【0074】
また、第二往復部130の動きを規制するロック機構113をさらに設けたため、所望の位置まで第二往復部130を移動させて張力をかけたのち、当該所望の位置を保持することができる。
【0075】
また、掛脱部142が複数のフック状部材によって構成されているため、第一往復部120及び/又は第二往復部130を第一方向奥側に移動させるだけで、所定範囲のシーツ20の端部を引っ張ることができ、シーツ20を張設するための労力を節約することができる。
【0076】
なお、第一往復部120及び第二往復部130を平面視略矩形状の部材による構成としたが、これに限ったものではなく、長手方向に摺動する筒状部材によって構成してもよい。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0078】
また、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
この発明のシーツ張設装置は、ホテルや介護施設のベッドなど、ベッドメイキングに多大な労力を必要とする施設に適用することができる。また、本発明の技術は、ベッドのシーツのみならず、例えば、ソファを覆うカバー、鉄道の座席など、種々の布を張る必要がある設備に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 シーツ張設装置
100 張設ユニット
110 ベース部
111 土台部
111a 板状部材
111b 枠状部材
112 第一レール部
113 ロック機構
113a 凹凸部
114 ストッパ部
120 第一往復部
121 第一枠体
121a 奥側壁部材
121b 手前側桁部材
121c 接続部材
121d 端部部材
122 第二レール部
123 第一摺動部材
124 規制部
130 第二往復部
131 第二枠体
132 収容部
133 第二摺動部材
134 係合部
140 掛脱部材
141 プレート部
142 掛脱部
200 支持部材
20 シーツ
21 シーツ本体
21a 短辺
21b 長辺
22 引っ掛け部
23 紐状部材
23t 縫着部
30 ベッドフレーム
40 マットレス
50 巻き取り棒
【要約】 (修正有)
【課題】マットレス裏面側にシーツを折り込んで張設する際の労力を軽減することが可能であるシーツ張設装置を提供する。
【解決手段】本発明のシーツ張設装置10は、二組の対向する辺を有する平面視略矩形状に形成され当該対向する二組の辺のうち少なくとも一組の辺に沿って複数の引っ掛け部が並設されたシーツを、ベッドフレーム30の上方に位置する略直方体形状に形成されたマットレスに張設するシーツ張設装置10である。シーツ張設装置10は、ベッドフレーム30とマットレスとの間に形成される間隙に配設されシーツを当該ベッドフレーム30の対向する辺に略直交する第一方向に引っ張る張設ユニット100を備える。張設ユニット100は、シーツの引っ掛け部に掛脱可能な掛脱部を備えた掛脱部材を備える。
【選択図】
図2