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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】健康積立投信システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20240827BHJP
【FI】
G06Q40/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021196676
(22)【出願日】2021-12-03
(65)【公開番号】P2023082764
(43)【公開日】2023-06-15
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】514090289
【氏名又は名称】株式会社ノースアイランド
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】嶋 敬介
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-27411(JP,A)
【文献】特開2017-117393(JP,A)
【文献】米国特許第7263493(US,B1)
【文献】米国特許第6044352(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
統計情報に基づく年齢別の医療費の一人当たり一日当たりの平均の自己負担額に基づいて計算される投信のための引落額を定める情報である自己負担日額情報を年齢別に保持する年齢別自己負担日額情報保持部と、
利用者の年齢情報と、引落のための情報である引落用情報とを少なくとも含む登録情報を入力受付する登録情報入力受付部と、
入力受付した登録情報を利用者識別情報と関連付けて保持する登録情報保持部と、
利用者毎に年齢情報で示される年齢に対応して保持されている自己負担日額情報に基づいて定期的に引落をするための処理である引落処理をする引落処理部と、
引落処理にて徴収された金額の少なくとも一部を所定のルールに従ってその利用者のための利用者識別情報と関連付け疾病罹患等にそなえた投資信託の資金として運用できるように処理する投資信託資金処理部と、
利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく引落中止の命令である引落中止命令を取得する引落中止減額命令取得部と、
引落中止命令の取得に応じて、その引落中止命令に関連付けられている利用者識別情報で識別される利用者について、引落処理部での引落処理を中止し、又は減額する引落処理中止減額部と、
利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく投資信託の一部又は全部を解約する旨の通知である投資信託解約通知を取得する投資信託解約通知取得部と、
投資信託解約通知を取得した場合に、その利用者識別情報と関連付けた投資信託の資金の運用の一部又は全部を解約するための処理をする投資信託解約処理部と、
を有する健康積立投信サーバ。
【請求項2】
前記投資信託の運用状況情報を取得する運用状況情報取得部と、
取得した運用状況情報を出力する運用状況情報出力部と、
をさらに有する請求項1に記載の健康積立投信サーバ。
【請求項3】
利用者の身体の健康に関する情報である身体健康情報を取得する身体健康情報取得部と、
取得した身体健康情報の履歴である身体健康情報履歴を保持する身体健康情報履歴保持部と、
取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に応じて出力すべき疾病罹患等に基づく引落中止命令を出力するか又は/及び投資信託解約通知を出力するかに関するアドバイス又は/及び質問に関する情報であるアドバイス質問情報を保持するアドバイス質問情報保持部と、
取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に基づいて保持されているアドバイス質問情報を出力するアドバイス質問情報出力部と、
引落中止命令を出力するための引落中止命令出力部と、
投資信託解約通知を出力するための投資信託解約通知出力部と、
運用状況情報を取得する運用状況情報取得部と、
を有する利用者端末と、
をさらに有する請求項1又は請求項2に記載の健康積立投信サーバと、
からなる健康積立投信システム。
【請求項4】
統計情報に基づく年齢別の医療費の一人当たり一日当たりの平均の自己負担額に基づいて計算される投信のための引落額を定める情報である自己負担日額情報を年齢別に保持する年齢別自己負担日額情報保持ステップと、
利用者の年齢情報と、引落のための情報である引落用情報とを少なくとも含む登録情報を入力受付する登録情報入力受付ステップと、
入力受付した登録情報を利用者識別情報と関連付けて保持する登録情報保持ステップと、
利用者毎に年齢情報で示される年齢に対応して保持されている自己負担日額情報に基づいて定期的に引落をするための処理である引落処理をする引落処理ステップと、
引落処理にて徴収された金額の少なくとも一部を所定のルールに従ってその利用者のための利用者識別情報と関連付け疾病罹患等にそなえた投資信託の資金として運用できるように処理する投資信託資金処理ステップと、
利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく引落中止の命令である引落中止命令を取得する引落中止減額命令取得ステップと、
引落中止命令の取得に応じて、その引落中止命令に関連付けられている利用者識別情報で識別される利用者について、引落処理部での引落処理を中止し、又は減額する引落処理中止減額ステップと、
利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく投資信託の一部又は全部を解約する旨の通知である投資信託解約通知を取得する投資信託解約通知取得ステップと、
投資信託解約通知を取得した場合に、その利用者識別情報と関連付けた投資信託の資金の運用の一部又は全部を解約するための処理をする投資信託解約処理ステップと、
を有するコンピュータである健康積立投信システムの動作方法。
【請求項5】
運用状況情報取得部と運用状況情報出力部をさらに備える健康積立投信システムの動作方法であって、前記投資信託の運用状況情報を取得する運用状況情報取得ステップと、
取得した運用状況情報を出力する運用状況情報出力ステップと、
をさらに有する請求項4に記載のコンピュータである健康積立投信システムの動作方法。
【請求項6】
利用者の身体の健康に関する情報である身体健康情報を取得する身体健康情報取得ステップと、
取得した身体健康情報の履歴である身体健康情報履歴を保持する身体健康情報履歴保持ステップと、
取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に応じて出力すべき疾病罹患等に基づく引落中止命令を出力するか又は/及び投資信託解約通知を出力するかに関するアドバイス又は/及び質問に関する情報であるアドバイス質問情報を保持するアドバイス質問情報保持ステップと、
取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に基づいて保持されているアドバイス質問情報を出力するアドバイス質問情報出力ステップと、
引落中止命令を出力するための引落中止命令出力ステップと、
投資信託解約通知を出力するための投資信託解約通知出力ステップと、
運用状況情報を取得する運用状況情報取得ステップと、
をさらに有する請求項4又は請求項5に記載のコンピュータである健康積立投信システムの動作方法。
【請求項7】
統計情報に基づく年齢別の医療費の一人当たり一日当たりの平均の自己負担額に基づいて計算される投信のための引落額を定める情報である自己負担日額情報を年齢別に保持する年齢別自己負担日額情報保持ステップと、
利用者の年齢情報と、引落のための情報である引落用情報とを少なくとも含む登録情報を入力受付する登録情報入力受付ステップと、
入力受付した登録情報を利用者識別情報と関連付けて保持する登録情報保持ステップと、
利用者毎に年齢情報で示される年齢に対応して保持されている自己負担日額情報に基づいて定期的に引落をするための処理である引落処理をする引落処理ステップと、
引落処理にて徴収された金額の少なくとも一部を所定のルールに従ってその利用者のための利用者識別情報と関連付け疾病罹患等にそなえた投資信託の資金として運用できるように処理する投資信託資金処理ステップと、
利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく引落中止の命令である引落中止命令を取得する引落中止減額命令取得ステップと、
引落中止命令の取得に応じて、その引落中止命令に関連付けられている利用者識別情報で識別される利用者について、引落処理部での引落処理を中止し、又は減額する引落処理中止減額ステップと、
利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく投資信託の一部又は全部を解約する旨の通知である投資信託解約通知を取得する投資信託解約通知取得ステップと、
投資信託解約通知を取得した場合に、その利用者識別情報と関連付けた投資信託の資金の運用の一部又は全部を解約するための処理をする投資信託解約処理ステップと、
をさらに有するコンピュータである健康積立投信システムに読み取り実行可能に記述した健康積立投信システムプログラム。
【請求項8】
前記投資信託の運用状況情報を取得する運用状況情報取得ステップと、
取得した運用状況情報を出力する運用状況情報出力ステップと、
をさらに有するコンピュータである健康積立投信システムに読み取り実行可能に記述した請求項7に記載の健康積立投信システムプログラム。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載のプログラムと、
利用者の身体の健康に関する情報である身体健康情報を取得する身体健康情報取得ステップと、
取得した身体健康情報の履歴である身体健康情報履歴を保持する身体健康情報履歴保持ステップと、
取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に応じて出力すべき疾病罹患等に基づく引落中止命令を出力するか又は/及び投資信託解約通知を出力するかに関するアドバイス又は/及び質問に関する情報であるアドバイス質問情報を保持するアドバイス質問情報保持ステップと、
取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に基づいて保持されているアドバイス質問情報を出力するアドバイス質問情報出力ステップと、
引落中止命令を出力するための引落中止命令出力ステップと、
投資信託解約通知を出力するための投資信託解約通知出力ステップと、
運用状況情報を取得する運用状況情報取得ステップと、
を有する利用者端末に読取実行可能に記述したプログラムとからなるプログラムセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投資信託の目的別利用として、民間医療保険商品の代替となる医療積立投信の機能を創設することが可能となるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、平均寿命も順調な伸びを見せて、人生100年時代と言われるようになり、長生きすることがリスクと考えられるようになってきた。これに伴い、引退して年金と貯蓄のみで生活を維持していく期間も長くなり、老後余裕のある生活が送れるかに不安を抱く人が増えつつある。一方で十分な蓄えをしたつもりでも、老後は病気やケガのリスクが高くなり、入院などが必要になると思わぬ出費となり、蓄えを切り崩すことになり、余裕のある豊かな生活が送れなくなるといった事態が考えられる。また、老後は体力も低下し、比較的大きな病気をする可能性が高くなるため、健康には気をかける傾向があるが、若いころは、あまり医療費がかからない代わりに、将来の健康リスクのことなど考えづらい傾向がある。従って、これまでは、医療費については民間の医療保険商品等を購入して備えるのが一般的であった。しかし医療保険商品については、一般的に支払った金額につき、病気等に係る支払が無ければ掛け捨てとなるか、支払った金額に対して相対的に僅少な金額を期間満了時に受け取るといったものが一般的であり、利用者自身が、健康である期間について将来負担する医療費相当分を蓄えることにより、老後の医療費に備えるためのシステムは存在しなかった。
【0003】
一方で、金融商品の購入等を自動的に行う金融資産形成システムが提案されている。例えば、特許文献1では、ユーザー端末と、当該ユーザーが所有する普通性預貯金口座或いは証券口座と、管理サーバーと、ユーザー端末上からトリガーとなる項目及び金融商品の購入額或いは定期性預貯金口座への積立額をユーザー自身が決定可能なウェブサイトとを備え、管理サーバーがトリガーとなる項目の実施情報を受信した場合、事前に決定した金融商品の購入或いは定期性預貯金口座への積立に自動的に充てるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許6381690号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年構築されている上記したような金融資産形成システムも、単に自身が設定したトリガーに基づいて自動的に金融商品の購入等を行うだけであるから、例えトリガーとして健康に関する情報を設定したとしても、どの範囲の金額を金融商品の購入に用いればよいのかといった判断を行うことは不可能であった。具体的には、例えば統計情報に基づく年齢別の医療費の一人当たり一日当たりの平均の自己負担額に基づいて定期的に引落をするための処理である引落処理をするような工夫が上記金融資産形成システムには存在しない。そのため、例えば、現実的には年齢が一定の年齢を過ぎると負担額が減る等の事情を加味すること等ができず、年齢等の個別具体的な状況に応じた最適な引き当てを行うことが不可能であった。
【0006】
本発明は、上記した従来の課題を解決するために成されたものである。本発明では統計情報に基づく年齢別の医療費の一人当たり一日当たりの平均の自己負担額に基づいて計算される自己負担日額を定め、利用者毎に年齢情報で示される年齢に対応して保持されている自己負担日額情報に基づいて定期的に引落をするための処理である引落処理を行う。これにより、医療費を目的とする投資信託の運用を、より個々人の生活実態に即して行うことを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、一生にかかる医療費を年代別に分類し、年代別の一日当たりの医療費の自己負担分を算出する。これにより、支出を行わなかった日分の医療費を所定の日数分例えば1か月分まとめて、あるいはまとめないで自動的に投資信託に対する投資額として積み増す処理を行うことで、投資した資金を、万一疾病等によって不意の出費が必要となった時の費用補填や、老後の医療費に充てることを可能とする。また本発明では、病気等により医療費の支出を行った際には、積立を一時的に停止し、治癒後にまた積立を再開することも可能である。本発明を行うことにより、医療保険に加入することに替えて、又は加えて利用者の状況に応じて老後の医療費を確保することができ、医療費の負担を不安に思うことなく安心して老後の生活を送ることが可能となる。
【0008】
具体的には、本発明の第一の形態は、統計情報に基づく年齢別の医療費の一人当たり一日当たりの平均の自己負担額に基づいて計算される投信のための引落額を定める情報である自己負担日額情報を年齢別に保持する年齢別自己負担日額情報保持部と、利用者の年齢情報と、引落のための情報である引落用情報とを少なくとも含む登録情報を入力受付する登録情報入力受付部と、入力受付した登録情報を利用者識別情報と関連付けて保持する登録情報保持部と、利用者毎に年齢情報で示される年齢に対応して保持されている自己負担日額情報に基づいて定期的に引落をするための処理である引落処理をする引落処理部と、引落処理にて徴収された金額の少なくとも一部を所定のルールに従ってその利用者のための利用者識別情報と関連付け疾病罹患等にそなえた投資信託の資金として運用できるように処理する投資信託資金処理部と、利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく引落中止の命令である引落中止命令を取得する引落中止減額命令取得部と、引落中止命令の取得に応じて、その引落中止命令に関連付けられている利用者識別情報で識別される利用者について、引落処理部での引落処理を中止し、又は減額する引落処理中止減額部と、利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく投資信託の一部又は全部を解約する旨の通知である投資信託解約通知を取得する投資信託解約通知取得部と、投資信託解約通知を取得した場合に、その利用者識別情報と関連付けた投資信託の資金の運用の一部又は全部を解約するための処理をする投資信託解約処理部とを有する健康積立投信サーバである。
【0009】
また、本発明の第二の態様は、前記投資信託の運用状況情報を取得する運用状況情報取得部と、取得した運用状況情報を出力する運用状況情報出力部とをさらに有する請求項1に記載の健康積立投信サーバである。
【0010】
さらに、本発明の第三の態様は、利用者の身体の健康に関する情報である身体健康情報を取得する身体健康情報取得部と、取得した身体健康情報の履歴である身体健康情報履歴を保持する身体健康情報履歴保持部と、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に応じて出力すべき疾病罹患等に基づく引落中止命令を出力するか又は/及び投資信託解約通知を出力するかに関するアドバイス又は/及び質問に関する情報であるアドバイス質問情報を保持するアドバイス質問情報保持部と、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に基づいて保持されているアドバイス質問情報を出力するアドバイス質問情報出力部と、引落中止命令を出力するための引落中止命令出力部と、投資信託解約通知を出力するための投資信託解約通知出力部と、運用状況情報を取得する運用状況情報取得部とを有する利用者端末と、をさらに有する請求項1又は請求項2に記載の健康積立投信サーバとからなる健康積立投信システムである。
【0011】
さらにまた、本発明の第四の態様において、年齢別自己負担日額情報保持部と、登録情報入力受付部と、登録情報保持部と、引落処理部と、投資信託資金処理部と、引落中止減額命令取得部と、引落処理中止減額部と、投資信託解約通知取得部と、投資信託解約処理部と、
を有する健康積立投信サーバの動作方法であって、統計情報に基づく年齢別の医療費の一人当たり一日当たりの平均の自己負担額に基づいて計算される自己負担日額を定める情報である自己負担日額情報を年齢別に保持する年齢別自己負担日額情報保持ステップと、利用者の年齢情報と、引落のための情報である引落用情報とを少なくとも含む登録情報を入力受付する登録情報入力受付ステップと、入力受付した登録情報を利用者識別情報と関連付けて保持する登録情報保持ステップと、利用者毎に年齢情報で示される年齢に対応して保持されている自己負担日額情報に基づいて定期的に引落をするための処理である引落処理をする引落処理ステップと、引落処理にて徴収された金額の少なくとも一部を所定のルールに従ってその利用者のための利用者識別情報と関連付け疾病罹患等にそなえた投資信託の資金として運用できるように処理する投資信託資金処理ステップと、利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく引落中止の命令である引落中止命令を取得する引落中止減額命令取得ステップと、引落中止命令の取得に応じて、その引落中止命令に関連付けられている利用者識別情報で識別される利用者について、引落処理部での引落処理を中止し、又は減額する引落処理中止減額ステップと、利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく投資信託の一部又は全部を解約する旨の通知である投資信託解約通知を取得する投資信託解約通知取得ステップと、投資信託解約通知を取得した場合に、その利用者識別情報と関連付けた投資信託の資金の運用の一部又は全部を解約するための処理をする投資信託解約処理ステップとを有するコンピュータである健康積立投信システムの動作方法を規定している。
【0012】
さらには、本発明の第五の態様において、運用状況情報取得部と、運用状況情報出力部とをさらに有する健康積立投信サーバの動作方法であって、前記投資信託の運用状況情報を取得する運用状況情報取得ステップと、取得した運用状況情報を出力する運用状況情報出力ステップとをさらに有する請求項4に記載のコンピュータである健康積立投信システムの動作方法を規定している。
【0013】
さらにまた、本発明の第六の態様は、身体健康情報取得部と、身体健康情報履歴保持部と、アドバイス質問情報保持部と、アドバイス質問情報出力部と、引落中止命令出力部と、投資信託解約通知出力部と、運用状況情報取得部とを有する利用者端末とをさらに有する請求項1又は請求項2に記載の健康積立投信サーバ及び利用者端末の動作方法であって、利用者の身体の健康に関する情報である身体健康情報を取得する身体健康情報取得ステップと、取得した身体健康情報の履歴である身体健康情報履歴を保持する身体健康情報履歴保持ステップと、
取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に応じて出力すべき疾病罹患等に基づく引落中止命令を出力するか又は/及び投資信託解約通知を出力するかに関するアドバイス又は/及び質問に関する情報であるアドバイス質問情報を保持するアドバイス質問情報保持ステップと、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に基づいて保持されているアドバイス質問情報を出力するアドバイス質問情報出力ステップと、引落中止命令を出力するための引落中止命令出力ステップと、投資信託解約通知を出力するための投資信託解約通知出力ステップと、運用状況情報を取得する運用状況情報取得ステップとをさらに有する請求項4又は請求項5に記載のコンピュータである健康積立投信システムの動作方法である。
【0014】
さらにまた、本発明の第七の態様は、年齢別自己負担日額情報保持部と、登録情報入力受付部と、登録情報保持部と、引落処理部と、投資信託資金処理部と、引落中止減額命令取得部と、引落処理中止減額部と、投資信託解約通知取得部と、投資信託解約処理部とを有する健康積立投信サーバについて、統計情報に基づく年齢別の医療費の一人当たり一日当たりの平均の自己負担額に基づいて計算される自己負担日額を定める情報である自己負担日額情報を年齢別に保持する年齢別自己負担日額情報保持ステップと、利用者の年齢情報と、引落のための情報である引落用情報とを少なくとも含む登録情報を入力受付する登録情報入力受付ステップと、入力受付した登録情報を利用者識別情報と関連付けて保持する登録情報保持ステップと、利用者毎に年齢情報で示される年齢に対応して保持されている自己負担日額情報に基づいて定期的に引落をするための処理である引落処理をする引落処理ステップと、引落処理にて徴収された金額の少なくとも一部を所定のルールに従ってその利用者のための利用者識別情報と関連付け疾病罹患等にそなえた投資信託の資金として運用できるように処理する投資信託資金処理ステップと、利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく引落中止の命令である引落中止命令を取得する引落中止減額命令取得ステップと、引落中止命令の取得に応じて、その引落中止命令に関連付けられている利用者識別情報で識別される利用者について、引落処理部での引落処理を中止し、又は減額する引落処理中止減額ステップと、利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく投資信託の一部又は全部を解約する旨の通知である投資信託解約通知を取得する投資信託解約通知取得ステップと、投資信託解約通知を取得した場合に、その利用者識別情報と関連付けた投資信託の資金の運用の一部又は全部を解約するための処理をする投資信託解約処理ステップとをさらに有するコンピュータである健康積立投信システムに読み取り実行可能に記述した健康積立投信システムプログラムを規定している。
【0015】
さらにまた、本発明の第八の態様は、運用状況情報取得部と、運用状況情報出力部とをさらに有する健康積立投信サーバについて、前記投資信託の運用状況情報を取得する運用状況情報取得ステップと、取得した運用状況情報を出力する運用状況情報出力ステップとをさらに有するコンピュータである健康積立投信システムに読み取り実行可能に記述した請求項7に記載の健康積立投信システムプログラムである。
【0016】
さらにまた、本発明の第九の態様は、第7又は第8の態様に加えて、身体健康情報取得部と、身体健康情報履歴保持部と、アドバイス質問情報保持部と、アドバイス質問情報出力部と、引落中止命令出力部と、投資信託解約通知出力部と、運用状況情報取得部とを有する利用者端末ついて、利用者の身体の健康に関する情報である身体健康情報を取得する身体健康情報取得ステップと、取得した身体健康情報の履歴である身体健康情報履歴を保持する身体健康情報履歴保持ステップと、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に応じて出力すべき疾病罹患等に基づく引落中止命令を出力するか又は/及び投資信託解約通知を出力するかに関するアドバイス又は/及び質問に関する情報であるアドバイス質問情報を保持するアドバイス質問情報保持ステップと、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に基づいて保持されているアドバイス質問情報を出力するアドバイス質問情報出力ステップと、引落中止命令を出力するための引落中止命令出力ステップと、投資信託解約通知を出力するための投資信託解約通知出力ステップと、運用状況情報を取得する運用状況情報取得ステップを有する利用者端末に読取実行可能に記述したプログラムとからなるプログラムセットである。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、一般的に必要とされる医療費に相当する金額を、日々特に意識することなく自動で積立られ、浪費されることなく、将来の医療費に備えた資産形成ができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】基本ハードウエア図
図2】投信の仕組み概念図
図3】本発明の健康積立投信システムの概要を示す関係図
図4】実施形態1に係る健康積立投信サーバの機能ブロック図
図5】実施形態1に係る健康積立投信方法のフローチャート
図6】実施形態1に係る健康積立投信プログラムのハードウエア図
図7】実施形態2に係る健康積立投信サーバの機能ブロック図
図8】実施形態2に係る健康積立投信方法のフローチャート
図9】実施形態2に係る健康積立投信プログラムのハードウエア図
図10】実施形態3に係る健康積立投信サーバの機能ブロック図
図11】実施形態3に係る利用者端末の健康状態取得動作を示すフローチャート
図12】実施形態3に係る利用者端末のハードウエア図
図13】実施形態3に係る利用者端末の基本動作を示すフローチャート
図14】年齢別自己負担日額の一例を示す表
図15】登録情報入力受付部の一例で登録情報入力受付ステップ1画面
図16】登録情報入力受付部の一例で登録情報入力受付ステップ2画面
図17】登録情報入力受付部の一例で登録情報入力受付ステップ3画面
図18】登録情報入力受付部の一例で登録情報入力受付ステップ4画面
図19】登録情報入力受付部の一例で登録情報入力受付ステップ5画面
図20】ログイン画面の一例
図21】システムメニュー画面の一例
図22】引落情報表示画面の一例
図23】登録情報表示画面の一例
図24】投資信託情報閲覧画面の一例
図25】利用者健康状態確認画面の一例
図26】アドバイス質問情報の一例
図27】健康積立投信システムによる利用者身体健康情報取得の一例
図28】引落中止命令取得部の一例で引落処理変更ステップ1画面
図29】引落中止命令取得部の一例で引落処理変更ステップ2画面
図30】投資信託解約通知取得部の一例で引落処理変更ステップ1画面
図31】投資信託解約通知取得部の一例で引落処理変更ステップ2画面
図32】投資信託解約通知取得部の一例で引落処理変更ステップ2画面
図33】運用状況情報の表示方法のひとつであるポートフォリオ表示画面の一例
図34】運用状況情報の表示方法のひとつである積立資産の推移表示画面の一例
図35】本健康積立投信システムの投資信託購入時の資金の流れの一例
図36】本健康積立投信システムの利用者の積立額と投信購入額の一例
図37】本健康積立投信システムの投資信託解約時の資金の流れの一例<本発明を構成し得るハードウエアについて>
【0019】
本件発明は、原則的に電子計算機を利用する発明であるが、ソフトウエアによって実現され、ハードウエアによっても実現され、ソフトウエアとハードウエアの協働によっても実現される。本件発明の各構成要件の全部又は一部を実現するハードウエアでは、コンピュータの基本的構成であるCPU、メモリ、バス、入出力装置、各種周辺機器、ユーザーインターフェイスなどによって構成される。各種周辺機器には、記憶装置、インターネット等インターフェイス、インターネット等機器、ディスプレイ、キーボード、マウス、スピーカー、カメラ、ビデオ、テレビ、実験室又は工場などでの生産状態を把握するための各種センサ(流量センサ、温度センサ、重量センサ、液量センサ、赤外線センサ、出荷個数計数機、梱包個数計数機、異物検査装置、不良品計数機、放射線検査装置、表面状態検査装置、回路検査装置、人感センサー、作業者作業状況把握装置(映像、ID、PC作業量などで)等)、CD装置、DVD装置、ブルーレイ装置、USBメモリ、USBメモリインターフェイス、着脱可能タイプのハードディスク、一般的なハードディスク、プロジェクタ装置、SSD、電話、ファックス、コピー機、印刷装置、ムービー編集装置、各種センサー装置などが含まれる。 また、本システムは、必ずしも一つの筐体によって構成されている必要はなく、複数の筐体を通信で結合して構成されるものであってもよい。また、通信は、LANであってもWAN、Wifi、ブルートゥース(登録商標)、赤外線通信、超音波通信であってもよく、さらに、一部が国境を跨いで設置されていてもよい。さらに、複数の筐体のそれぞれが異なる主体によって運営されていてもよく、一の主体によって運営されていてもよい。本件発明のシステムの運用主体は、単数であるか複数であるかは問わない。また、本システムの他に第三者の利用する端末、さらに他の第三者の利用する端末を含むシステムとしても発明を構成することができる。また、これらの端末は国境を越えて設置されていてもよい。さらに、本システムや前記端末の他に第三者の関連情報や、関連人物の登録のために利用される装置、登録の内容を記録するためのデータベースに利用される装置などが用意されてもよい。これらは、本システムに備えてもよいし、本システム外に備えてこれらの情報を利用可能に本システムを構成してもよい。
図1は本実施形態1におけるハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態における飲食店単位のリサイクルウエブサイトシステムのハードウェア構成について、図1を用いて説明する。
【0020】
この図にあるように、計算機は、マザーボード上に構成される、チップセット、CPU、不揮発性メモリ、メインメモリ、各種バス、BIOS、USBやHDMI(登録商標)やLANなどの各種インターフェイス、リアルタイムクロック等からなる。これらはオペレーティングシステムやデバイスドライバ(USB、HDMI(登録商標)などの各種インターフェイス、カメラ、マイク、スピーカ又はヘッドホン、ディスプレイなどの各種機器組込み用)、各種プログラムなどと協働して動作する。本発明を構成する各種プログラムや各種データはこれらのハードウェア資源を効率的に利用して各種の処理を実行するように構成されている。
≪チップセット≫
【0021】
「チップセット」は、計算機のマザーボードに実装され、CPUの外部バスと、メモリや周辺機器を接続する標準バスとの連絡機能、つまりブリッジ機能を集積した大規模集積回路(LSI)のセットである。2チップセット構成を採用する場合と、1チップセット構成を採用する場合とがある。CPUやメインメモリに近い側をノースブリッジ、遠い側で比較的低速な外部I/Oとのインターフェイスの側にサウスブリッジが設けられる。
【0022】
(ノースブリッジ)
ノースブリッジには、CPUインターフェイス、メモリコントローラ、グラフィックインターフェイスが含まれる。従来のノースブリッジの機能のほとんどをCPUに担わせてもよい。ノースブリッジは、メインメモリのメモリスロットとはメモリバスを介して接続し、グラフィックカードのグラフィックカードスロットとは、ハイスピードグラフィックバス(AGP、PCI Express)で接続される。
【0023】
(サウスブリッジ)
サウスブリッジには、PCIインターフェイス(PCIスロット)とはPCIバスを介して接続し、ATA(SATA)インターフェイス、USBインターフェイス、EthernetインターフェイスなどとのI/O機能やサウンド機能を担う。高速な動作が必要でない、あるいは不可能であるようなPS/2ポート、フロッピーディスクドライブ、シリアルポート、パラレルポート、ISAバスをサポートする回路を組み込むことは、チップセット自体の高速化の足かせとなるためサウスブリッジのチップから分離させ、スーパーI/Oチップと呼ばれる別のLSIに担当させることとしてもよい。CPU(MPU)と、周辺機器や各種制御部を繋ぐためにバスが用いられる。バスはチップセットによって連結される。メインメモリとの接続に利用されるメモリバスは、高速化を図るために、これに代えてチャネル構造を採用してもよい。バスとしてはシリアルバスかパラレルバスを採用できる。パラレルバスは、シリアルバスが1ビットずつデータを転送するのに対して、元データそのものや元データから切り出した複数ビットをひとかたまりにして、同時に複数本の通信路で伝送する。クロック信号の専用線がデータ線と平行して設け、受信側でのデータ復調の同期を行う。CPU(チップセット)と外部デバイスをつなぐバスとしても用いられ、GPIB、IDE/(パラレル)ATA、SCSI、PCIなどがある。高速化に限界があるため、PCIの改良版PCI ExpressやパラレルATAの改良版シリアルATAでは、データラインはシリアルバスでもよい。
≪CPU≫
【0024】
CPUはメインメモリ上にあるプログラムと呼ばれる命令列を順に読み込んで解釈・実行することで信号からなる情報を同じくメインメモリ上に出力する。CPUは計算機内での演算を行なう中心として機能する。なお、CPUは演算の中心となるCPUコア部分と、その周辺部分とから構成され、CPU内部にレジスタ、キャッシュメモリや、キャッシュメモリとCPUコアとを接続する内部バス、DMAコントローラ、タイマー、ノースブリッジとの接続バスとのインターフェイスなどが含まれる。なお、CPUコアは一つのCPU(チップ)に複数備えられていてもよい。また、CPUに加えて、グラフィックインターフェイス(GPU)若しくはFPUによって、処理を行っても良い。なお、実施形態での説明は2コアタイプのものであるが、これに限定されない。またCPU内にプログラムを内蔵することもできる。
≪不揮発性メモリ≫
(HDD)
【0025】
ハードディスクドライブの基本構造は、磁気ディスク、磁気ヘッド、および磁気ヘッドを搭載するアームから構成される。外部インターフェイスは、SATA(過去ではATA)を採用することができる。高機能なコントローラ、例えばSCSIを用いて、ハードディスクドライブ間の通信をサポートする。例えば、ファイルを別のハードディスクドライブにコピーする時、コントローラがセクタを読み取って別のハードディスクドライブに転送して書き込むといったことができる。この時ホストCPUのメモリにはアクセスしない。したがってCPUの負荷を増やさないで済む。
≪メインメモリ≫
【0026】
CPUが直接アクセスしてメインメモリ上の各種プログラムを実行する。メインメモリは揮発性のメモリでDRAMが用いられる。メインメモリ上のプログラムはプログラムの起動命令を受けて不揮発性メモリからメインメモリ上に展開される。その後もプログラム内で各種実行命令や、実行手順に従ってCPUがプログラムを実行する。
≪オペレーティングシステム(OS)≫
【0027】
オペレーティングシステムは計算機上の資源をアプリケーションに利用させるための管理をしたり、各種デバイスドライバを管理したり、ハードウェアである計算機自身を管理するために用いられる。小型の計算機ではオペレーティングシステムとしてファームウェアを用いることもある。
≪BIOS≫
【0028】
BIOSは、計算機のハードウェアを立ち上げてオペレーティングシステムを稼働させるための手順をCPUに実行させるもので、最も典型的には計算機の起動命令を受けるとCPUが最初に読取りに行くハードウェアである。ここには、ディスク(不揮発性メモリ)に格納されているオペレーティングシステムのアドレスが記載されており、CPUに展開されたBIOSによってオペレーティングシステムが順次メインメモリに展開されて稼働状態となる。なお、BIOSは、バスに接続されている各種デバイスの有無をチェックするチェック機能をも有している。チェックの結果はメインメモリ上に保存され、適宜オペレーティングシステムによって利用可能な状態となる。なお、外部装置などをチェックするようにBIOSを構成してもよい。以上については、すべての実施形態でも同様である。
【0029】
図に示すように、本発明は基本的に汎用計算機プログラム、各種デバイスで構成することが可能である。計算機の動作は基本的に不揮発性メモリに記録されているプログラムを主メモリにロードして、主メモリとCPUと各種デバイスとで処理を実行していく形態をとる。デバイスとの通信はバス線と繋がったインターフェイスを介して行われる。インターフェイスには、ディスプレイインターフェイス、キーボード、通信バッファ等が考えられる。以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
<投資信託>
投資信託とは図2のように、個人投資家から出資により資金を集め、大きな信託財産として、ファンドと呼ばれる運用機関が、株、債券、不動産など様々なものに投資をして運用を行う、運用で得られた利益は、投資家に分配される。低金利の昨今では、投資信託は資産形成をするうえで重要な要素となっている。本発明は、この投資信託を含む金融商品に定期的に積立を行うサービスを提供するためのシステムである。
<本発明の自然法則の利用性の充足>
【0030】
本発明は、コンピュータと通信設備とソフトウエアとの協働で機能するものである。従来、投資信託など金融商品の積立投資を行う場合、常に一定額または一定数量の積立をおこなうことが一般的であった。個人の状況に応じて、掛け金の変更や取り崩しを定期的に行うことは、非常に手間がかかり継続的に行うことが面倒な作業であるが、これをICTを用いて自動でおこなうことにより、特に手間をかけずに、自動で条件が変更されて積立投資ができることからICTならではの処理が含まれているのでいわゆるビジネスモデル特許として成立するものである。また、各種識別情報やリスク情報、課題情報、タスク情報が各部で保持されたり、処理されたりしており、この観点からも本願発明はコンピュータなどのリソースを請求項や明細書に記載された事項と、それらの事項に関係する技術常識に基づいて判断すれば、本願発明は自然法則を利用したものであることとなる。
<特許法で求められる自然法則の利用の意義>
【0031】
特許法で求められる自然法則の利用とは、法目的に基づいて、発明が産業上利用性を有し、産業の発達に寄与するものでなければならないとの観点から、産業上有用に利用することができる発明であることを担保するために求められるものである。つまり、産業上有用であること、すなわち出願に際して宣言した発明の効果がその発明の実施によってある一定の確実性の下再現できることを求めるものである。この観点から自然法則利用性とは、発明の効果を発揮するための発明の構成である発明特定事項(発明構成要件)のそれぞれが発揮する機能が自然法則を利用して発揮されるものであればよい、と解釈される。さらに言えば、発明の効果とはその発明を利用する利用者に所定の有用性を提供できる可能性があればよいのであって、その有用性を利用者がどのように感じたり、考えたりするかという観点で見るべきではない。したがって、利用者が本システムによって得る効果が心理的な効果であったとしても、その効果自体は求められる自然法則の利用性の対象外の事象である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明の実施形態を説明する。実施形態と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施形態1は主に請求項1、4および7に関し、実施形態2は主に請求項2、5および8に関し、実施形態3は主に請求項3、6および9に関する。
なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
<全体像:ビジネスモデルの説明>
【0033】
まず、実施例について説明する。本実施例は、本件出願の基本的なアイデアを具体的に示すものである。本発明は、個々人が年齢に合わせて、統計データから得られた適正な金額で医療費を目的とした投資信託の積立を行うことが可能となるビジネスモデルに関するものである。
図3は、このビジネスモデルの全体像を示す図である。図中括弧囲みの数字で示されている順にビジネス処理手順が進行する。
【0034】
(1)まず、利用者は自己の属性に関する情報である自己属性情報を登録する。これは、例えば利用者が自己属性情報を利用者端末に入力し、これからインターネット等のネットワークを介して健康積立投信サーバに送信されることにより行われる。自己属性情報とは、生年月日、病歴、父母の病歴、通院状況、アレルギーの有無など、個人の健康状態に係る情報や、口座情報、勤務先、資産金額等、健康状態に係らない情報も含む。特にDNA解析など、将来発病の可能性がある病気や発病確率は、本サービスにおいて有益な情報である。また、利用者端末とは、利用者の所有するスマートフォンやパソコンなどが該当する。
【0035】
次に、利用者は、(2)購入する投資信託を選択する。投資信託の選択は、例えばリスクとリターンにより分類されたものの中から利用者が選択した分類に属する投資信託を、健康積立投信サーバが利用者端末に表示させることにより、利用者がその中から選択する、といったように実施される。この投資信託の選択は、自動的に行われるものとしても良い。
【0036】
(1)(2)の手順を終えると、健康積立投信サーバは、利用者の登録した自己属性情報と統計情報から日本人の統計情報(例えば厚生労働省の「医療保険に関する基礎資料」中の情報)に基づいて算出される利用者の年齢に応じた医療費の一人当たり一日当たりの平均の自己負担額に基づいて自己負担日額を算出する。この、自己負担日額は年齢ごとでも良いし、3年乃至5年という具合に長くしても良いし、短く数か月ごとで短くしても良い。また、アレルギーなど、常時通院している場合は、それに相当する金額を減額しても良いし、DNAや血液検査で病気になる確率が高いと判定される場合は、金額を加算するなどしても良い。これにより、個人の状態やリスクに応じた最適な積立が可能になる。なお、この処理は後述する引落処理部に含まれる引落処理調整手段にて行われるように構成することができる。また引落処理の調整情報は、実施形態3で説明す利用者端末に設けられる引落処理調整情報入力部によって行われるように構成することが出来る。
(3)上記により算出した、自己負担日額を利用者の登録した銀行口座から引き落としする。銀行でなく、証券会社に口座を所有する場合は、投信の購入指示を行い、証券会社の口座から購入をすることになる。
【0037】
(4)引落した金額で、利用者が選択した投信信託を購入する。
この投資信託の購入は、月ごとに行っても良いし、3か月ごとにまとめて行っても良いし、10日ごとなど短くしても良い。利用者の希望に応じて選択できることが好ましい。なお、利用者の選択肢として健康積立投信サービスの管理者等に一任するという選択肢があってもよい。その場合には、利用者の属性情報などに応じて投資信託が健康積立投信サーバ側にて選択されるように構成することができる。健康積立投信サーバないしはこれと連携するサーバに利用者の属性情報などに応じて投資信託を選択するための投資信託選択ルールが保持(投資信託選択ルール保持部に保持)されており、このルールに基づいて選択するように構成することができる。この選択には、利用者の意図に基づく選択結果の統計情報があり、これも利用して選択するように構成することが出来る。
【0038】
(5)利用者は、健康状態に異変があった場合は、その旨を健康積立投信サーバに通知する。例えば、しばらくの通院や入院が必要になった場合はや、手術など多額の医療費が必要な事態になった場合は、必要な医療費を通知する。なお、利用者が直接医療費の状況を通知する場合もあるが、利便性を考えると健康保険を提供している団体からの請求に基づいて自動で行われることが望ましい。また、マイナンバーを使用した保険利用状況の参照が将来的に可能になった場合は、その方法を使用することが望ましい。
【0039】
(6)健康積立投信サーバは、利用者からの健康状態の通知に対応して、投資信託の積立状況の変更や、場合によっては解約を販売会社に対して行うように構成してもよい。もちろん、このように構成しなくともよい。
(7)解約があった場合は、銀行口座が指定されている場合は、銀行口座に投資信託の解約に基づく換金相当額(一部は手数料として徴収されてよい。)を振り込む。投資信託販売会社に口座がある場合は、その口座で解約金を清算する。
以上が、本発明の健康積立投信サーバの提供するサービスの流れとなる。
【0040】
また、利用者が健康積立投信サーバに対し、健康に関するアドバイスを求めたり、質問を行ったりすることも可能とすることができる。この場合、利用者が利用者端末よりこれらの情報を送信し、健康積立投信サーバがウエブ等を介してこれを受信する。健康積立投信サーバはこのアドバイス要求や質問に対する返答をウエブ等を介して利用者に対して送信する。またアドバイスと同時これに関連する商品の紹介などを行ってもよいし、商品の無料サンプルなどがある場合には、利用者に関連する商品のサンプルを送付する旨の連絡などをしてもよい。
<実施形態1(主に請求項1に対応)>
<実施形態1(主に請求項1に対応):概要>
【0041】
本実施形態に係る健康積立投信システムは、例えば利用者は自身の年齢に応じた自己負担日額により、投資信託などの金融商品の積立を行うことができる。また、利用者の状態や意向に基づいて、積立の減額や停止、及び解約による積立の取り崩しなどの手続きを簡単な手順で行うことができる。
<実施形態1(主に請求項1に対応):構成>
【0042】
本実施形態の健康積立投信システムは、図4に示すように統計情報に基づく年齢別の医療費の一人当たり一日当たりの平均の自己負担額に基づいて計算される投信のための引落額を定める情報である自己負担日額情報を年齢別に保持する年齢別自己負担日額情報保持部0401と、利用者の年齢情報と、引落のための情報である引落用情報とを少なくとも含む登録情報を入力受付する登録情報入力受付部0402と、入力受付した登録情報を利用者識別情報と関連付けて保持する登録情報保持部0403と、利用者毎に年齢情報で示される年齢に対応して保持されている自己負担日額情報に基づいて定期的に引落をするための処理である引落処理をする引落処理部0404と、引落処理にて徴収された金額の少なくとも一部を所定のルールに従ってその利用者のための利用者識別情報と関連付け疾病罹患等にそなえた投資信託の資金として運用できるように処理する投資信託資金処理部0405と、利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく引落中止の命令である引落中止命令を取得する引落中止減額命令取得部0406と、引落中止命令の取得に応じて、その引落中止命令に関連付けられている利用者識別情報で識別される利用者について、引落処理部での引落処理を中止し、又は減額する引落処理中止減額部0407と、利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく投資信託の一部又は全部を解約する旨の通知である投資信託解約通知を取得する投資信託解約通知取得部0408と、投資信託解約通知を取得した場合に、その利用者識別情報と関連付けた投資信託の資金の運用の一部又は全部を解約するための処理をする投資信託解約処理部0409とを有する健康積立投信サーバ0400により構成されている。
【0043】
<実施形態1(主に請求項1に対応):構成の説明>
<実施形態1(主に請求項1に対応):構成の説明 年齢別自己負担日額情報保持部>
【0044】
「年齢別自己負担日額情報保持部」0401は、統計情報に基づく年齢別の医療費の一人当たり一日当たりの平均の投信のための引落額に基づいて計算される投信のための引落額を定める情報である自己負担日額情報を年齢別に保持する。ここで自己負担日額情報は、必ずしも日額に限定されず、複数日単位の自己負担額でもよい。例えば週単位、月単位、4カ月単位、年単位などである。さらに年齢別とは、複数の年齢にわたった複数年齢別であってもよい。例えば、厚生労働省の「医療保険に関する基礎資料」の「統計表一覧」の「年齢階級別1人当たり医療費、自己負担額及び保険料の比較(年額)」のように、年齢として「0~4」「5~9」「10~14」「15~19」「20~24」「25~29」「30~34」「35~39」「40~44」「45~49」「50~54」「55~59」「60~64」「65~69」「70~74」「75~79」「80~84」「85~89」「90~94」「95~99」「100~104」のように年齢を階級化して保持していてもよい。これも年齢別と称することとする。
【0045】
統計情報とは、例えば厚生労働省をはじめとする政府系機関の発表した資料や調査報告、民間シンクタンクの報告書、医療機関や大学等の研究機関の発表した論文、赤十字等の公益法人の発表した調査報告等であるが、これに限らない、医療費に関する統計的資料である。これらの統計情報は、利用者が選択したタームで更新する、と設定することも可能である。また、年齢別に自己負担日額を定める際に用いる年齢の範囲も、利用者が任意に設定できるとすることも可能である。
そして、これらの統計情報から、利用者の該当する年齢層が平均的に一人当たり一日いくら医療費に支出しているかを示す金額である自己負担日額を算出する。もし利用者が一日を医療費の支出を行うことなく過ごした場合、自己負担日額は支出されずに済んだ費用であるから、この分を医療費目的の投資信託に積立し、将来的に医療費を支払う必要が発生した場合にこれを引き出すことができる。つまり、利用者は支出が発生しなかった日の医療費分に相当する金額を繰り延べ、統計的にみて将来発生しうる医療費分の積立を行い将来の支出に備えることが可能となるのである。
【0046】
この自己負担日額は、単純に統計的に利用者が該当する年齢層が1日に医療費に費やす金額として自動的に設定されるとしても良いし、利用者の承認を得て決定すると構成しても良い。また、例えば高齢になってくるのに従って平均的な医療費の支出が増えるが負担能力が減少する、あるいはさらに高齢になると国による医療費負担割合が増加することから利用者自身の負担額が減少する、といった事情を加味して、利用者の意思決定に基づいて修正した金額を算出する、とすることも可能である。
<実施形態1 請求項に記載のない構成について 医療情報サーバ等>
【0047】
「医療情報サーバ」とは、利用者の医療情報を利用者自身、医療情報を医療従事者や、薬剤師、生命保険会社、利用者が属している職場の管理者、等に開示するサーバで、利用者が医者にかかった際にその医者などが記録する情報を公開するものである。所定の権限がある者はこの公開情報を利用することができるように構成される。
「利用者医療情報取得部」をさらにこの健康積立送信サーバが有していてもよい。これは、前記医療情報サーバから利用者の個人個人の医療情報を定期的に取得するように構成されるものであって、この取得した情報に応じて、後述する「引落額増減手段」が所定のルールに応じて、自己負担日額から減額または増額した金額を引落処理部で引落すようにしても良い。
【0048】
自己負担日額は、健康積立投信サーバが統計情報を取得することにより保持されるが、これは健康積立投信システムの管理者がその利用するコンピュータ端末である運営者端末を介して入力し、インターネットやイントラネット等を介して健康積立投信サーバに対して送信することにより行うことが想定されるが、健康積立投信サーバ自身が例えばインターネット等に接続することによりインターネット上の特定のサイトから自動的に取得するよう構成するとその他の方法で取得するよう構成するとを問わない。
【0049】
図14は、自己負担日額の例を示したもので、18歳から70歳までの月額を2歳ごとに自己負担日額が算出されている。月々の引落金額は、日額にその月の日数を乗算することで求められる。また、日額は、月額で保持して、その月の日数で除算することで求めても良い。例えば引落を3か月ごとに行うのであれば、月額を基に3倍した額で求めればよい。
【0050】
なお、年齢別自己負担日額情報保持部は、年齢別の自己負担日額を保持するのが代表的な構成であるが、名称が日額であるとしても、これは時間軸に応じて年齢別に負担額としてふさわしい情報が保持されていれば日額に限定されるものではない。例えば、2日間の実質自己負担額であってもよいし、3日間の自己負担額でも良いし、1週間の実質自己負担額であってもよいし、1か月の実質自己負担額であってもよい。要するに実質的な自己負担額としてふさわしい額が時間単位(日、週、月、年など)で示されていれば良い。また統計情報に基づいて定められる額であるが、統計情報で示される値そのものである必要はなく、これに金額をプラスしたり、マイナスすることも考えられる。またこの差分値は、利用者の属性に応じて定められるようにしてもよい。これは利用者属性依存差分値決定ルール(差分値決定ルール保持部に保持)を利用して決定するように構成してもよい。例えば持病がある利用者や身体障害のある利用者はプラスの差分値を加えたり、健康診断で健康である度合が高い利用者にはマイナスの差分値を加えたりするように構成することが出来る。
【0051】
なお、ここで保持されている年齢別自己負担日額情報は、原則的に統計情報の更新に伴って更新できるように構成することが望ましい。統計情報は例えば厚生労働省の物の場合、毎年更新されるからである。従って、年の経過に伴って自己負担日額情報も更新されるので、最終的な投信積立額が本システムの利用開始時の予想から上下する場合がある。
<実施形態1 請求項の構成要件にない構成 年齢別自己負担日額情報取得部>
【0052】
「年齢別自己負担日額情報取得部」とは、統計情報から、年齢別の医療費自己負担の日額を算出し、年齢別自己負担日額情報保持部に保持するデータを生成するものである。
例えば、厚生労働省の「医療保険に関する基礎資料」の「統計表一覧」の「年齢階級別1人当たり医療費、自己負担額及び保険料の比較(年額)」などの情報を用いて、年齢別自己負担日額を算出する。この場合、年額の統計情報となっているため、年間日数365日で除算することで日額が求められる。年齢別自己負担日額は、健康積立投信サーバ管理者が統計情報の更新に応じて計算して入力するようにしても良い。この場合、入力に使用する情報端末が、年齢別自己負担日額情報取得部となる。また、公開されている統計情報がWebページ上に定型のフォーマットで公開されている場合は、スクレイピングなどの手法により自動で更新することができる。この場合、定期的(毎日定時に行うなど)統計情報が公開されているページを確認し、更新があった場合だけ年齢別自己負担日額を算出するようにすればよい。
<実施形態1(主に請求項1に対応):構成の説明 登録情報入力受付部>
【0053】
「登録情報入力受付部」0402は、利用者の年齢情報と、引落のための情報である引落用情報とを少なくとも含む登録情報を入力受付する。
図15は登録情報入力受付部の一例であり、登録情報入力受付ステップ1画面1500には、名前入力部1501、生年月日入力部1502、住所入力部1503、電話番号入力部1504、メールアドレス入力部1505、証明書入力部1506、パスワード入力1509などがあるがこれに限定されるものではない。また、BACKボタン1507はメニュー画面に戻り、NEXTボタン1508は次の入力画面に移行する。
図16は、登録情報受付ステップ2画面1600で利用者の登録情報に含まれる利用者属性情報などを入力する属性入力1601で構成され、運転の有無や喫煙の有無、基礎疾患や障害の有無、配偶者の有無などの入力を行うが、これ以外の情報を入力しても良い。
【0054】
登録情報とは、前述の年齢情報と引落用情報の他、例えば氏名、ふりがな、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、本人証明に用いた書類、運転や喫煙を行うかどうかといったライフスタイルに関する情報や、基礎疾患や身体障害の有無といった健康状態に関する情報、次回以降システムにログインする際に用いられるパスワード等が含まれうるが、これに限らず、例えば家族構成や家族の年齢、収入や住宅費等を入力し、引落可能な額の上限を計算するように設定する等の構成にしてもよい。これらの情報は利用者が例えば後述の利用者端末から図15図16のような画面に入力し、これをインターネット等を介して送信し、健康積立投信サーバがこれを受信して取得することが考えられるが、電話等により利用者から運営者のオペレータ等がこれらの情報を聞いて、運営者端末に入力し健康積立投信サーバに対して送信することにより取得するとしても良い。
【0055】
また、利用者のアレルギーに係る情報や、血液検査、DNA検査の結果などを指定するようにしても良い。このような、利用者の病歴や病気リスクにかかわる情報は、健康保険組合を通じて取得したり、検査会社と連携して行して取得することが考えられる。このような、将来的に実現される技術でも、利用者に係る情報を取得する場合はすべて含む。
【0056】
年齢情報とは利用者の現在の年齢であるが、利用者が例えば後述の利用者が利用するコンピュータやスマートフォン等の端末である利用者端末に入力し、これをインターネット等を介して送信し、健康積立投信サーバがこれを受信して取得することが考えられる。また、利用者は生年月日を入力し、これを健康積立投信サーバが受信することで、自動的に年齢を計算するよう構成することも考えられる。
図17は、登録情報受付ステップ3画面1700で、引落情報を取得する。引落方法を指定する引落方法種別1701と、引落用識別情報1702で構成されている。
引落用情報とは、例えば図17のような画面で、銀行引落やクレジットカード等の引落方法およびこれらの利用者に関する識別情報である引落用識別情報等(例えば、銀行口座番号、クレジット番号等)が考えられるが、これに限らない。
【0057】
また、登録情報には利用者が選択した投資信託に関する情報である選択投資信託情報も含まれる。選択投資信託情報は、例えば以下のような手順で決定される。まず、初期運用資金の有無や運用通貨に関する情報、リスクとリターンの関係に基づいて分類された投資信託のタイプについて利用者が選択した結果に関する情報である選択投資信託タイプ情報、投資信託の満了時の年齢に関する情報である予定積立満了年齢情報や満了時の受取人に関する満了時受取人情報等を利用者から利用者端末を介する等して取得する。これらの情報に基づいて健康積立投信サーバが予め分類された投資信託の中からこれに合致するものを利用者端末に表示させ、この中から利用者が任意の投資信託を選択し、その情報をインターネット等を介して健康積立投信サーバに対して送信する。
【0058】
図18は、登録情報受付ステップ4画面1800で、初期運用資金指定1801、投信タイプ選択1802、投資満了年齢選択1803、満了時受取人設定1804で構成されているがこれに限定されない。ここでは、自己資金がある場合はその金額を入力し、さらに投資信託のタイプを選択し、満了年齢で積立期間を設定するようにしている。
また図19は、登録情報受付入力ステップ5画面1900で、投資信託名1901と、説明ボタン1902と、選択スイッチ1903と、決定ボタン1904と、やり直しボタン1905で構成されている。投資信託名は、前の画面で選択したタイプから一致する投資信託の名前が表示され、説明ボタンを押すことで、投資信託の詳細な内容説明の画面を閲覧できるようになっている。積立を行う投資信託が決定した場合は、選択スイッチにより選択する。決定ボタンが押されると、その時選択している投資信託で積立を行うことが決定される。
【0059】
なお、登録情報入力受付部は、電子的に管理されている医療情報や処方箋情報、投薬情報などをその管理サーバ(医療情報管理サーバ)から定期的に又はその利用者についての情報更新があった場合に自動的に取得するように構成することができる。この情報を用いて後述する引落処理部での引落額を制御するように構成してもよい。例えばその利用者に加点された保険点数に応じて引落額を減少させたり、引き落としを中止するように構成することもできる。
<実施形態1(主に請求項1に対応):構成の説明 登録情報保持部>
【0060】
「登録情報保持部」0403は、登録情報入力受付部で、入力した登録情報を利用者識別情報と関連付けて保持する。
「利用者識別情報」とは、利用者を一意に特定するための情報であって、ユニークなナンバーやIDコードのようなものである。利用者登録した際のユーザーIDやログインIDなどの他、メールアドレスでも代用可能である。また、前述のように登録情報入力受付完了後に健康積立投信サーバにより自動的に付与されるよう構成することが想定されるが、これに限らない。
登録情報保持部は、不揮発性メモリ上に構成され、利用者識別情報をインデックスとして保持される。
<実施形態1(主に請求項1に対応):構成の説明 引落処理部>
【0061】
「引落処理部」0404は、利用者毎に年齢情報で示される年齢に対応して保持されている自己負担日額情報に基づいて定期的に引落をするための処理である引落処理をする。
引落処理とは、具体的には登録情報上の引落用情報に保持された引落方法およびこの識別情報である引落用識別情報に基づき、自己負担日額情報に基づいて所定の金額を引落あるいは振込のための処理等を行うことをさす。ここで自己負担日額情報で示される金額そのものが引落等の額と合致する必要はなく、手数料など必要な金額を上乗せして引落のための処理をする。また「引落をするための処理」であるので引落そのものの処理である必要はない。引落の用意のための処理なども該当する。具体的には、引落の処理は利用者の銀行口座からの引き落とし、クレジットカードを利用した支払、電子マネーを利用した支払の他、投資信託の運用を行う証券会社の口座を利用した率い落としである場合もある。電子マネーは、「LINE Pay(r)」、「PayPay(r)」、「Eddy(r)」、「Suica(r)」や「PASMO(r)」などの交通系電子マネー、「Apple Pay(r)」、「Google Pay(r)」「amazonポイント(r)」、[WAON(r)]、「nanao(r)」などが代表的であるが、これに類するものはすべて含む。
なお、自己負担日額情報で示される金額は、少数部を持つ場合がある。この場合、月額で引落処理を行うとして、その月の日数で月額にしても小数部が残る場合があり、この場合は、小数部を切り上げ処理しても良いし、切り捨て処理をしても良いし、四捨五入であっても良い。
<実施形態1(主に請求項1に対応):請求項にない構成の説明 手数料保持部>
【0062】
「手数料保持部」を健康積立投信サーバが有していてもよい。なお、手数料保持プログラムとしてコンピュータである健康積立投信サーバで動作するように構成することもできる。
手数料保持部は、健康積立投信サーバの管理・運用者等に対する本事業の手数料補を保持するように構成される。手数料は実際にサービスとして実行した手続きに対するものと、将来サービスとして発生するであろう手続きに対するものを区別して両者を保持するのが好ましいが、いずれか一方のみを保持するように構成してもよい。また保持する手数料を演算するための手数料演算ルールが別途設けられる手数料演算ルール保持部に保持されるように構成してもよい。手数料演算ルールに代入される変数としては、投資信託の運用成績や、取扱投資信託の残高、取り扱い投信の毎回積立額の変動、など種々の要因を代入することが出来るように構成されれていることが好ましい。また、この手数料は顧客単位で保持されていることが好ましく、さらに好ましくは顧客単位かつ投資信託の商品単位で保持されていることが好ましい。また履歴として時系列グラフで表示されるように構成されていることが好ましく、そのグラフ表示は顧客が閲覧できるように構成されていることが好ましい。
<実施形態1(主に請求項1に対応):請求項にない構成の説明 手数料演算ルール保持部>
【0063】
「手数料演算ルール保持部」を健康積立投信サーバが有していてもよい。なお、手数料演算ルール保持プログラムとしてコンピュータである健康積立投信サーバで動作するように構成することもできる。本構成の機能は前述の通りである。
【0064】
このように、利用者から引落された引落金はいったん本健康積立投信システムに入金されるように構成してもよいし、後述の投資信託資金処理部と併せて直接投資信託の購入処理がなされるよう振込処理を行うよう構成してもよい。この場合、健康積立投信サーバの運営者に対するサービス提供手数料は、投資信託販売会社からまとめて、または個別にキックバックして振り込まれるように構成することも可能である。また、利用者の状況によっては、積立金を減額したり、積立自体を一時的に停止する可能性がある。この場合、後述する引落中止減額部の指示に基づいて、引落金額の修正または、引落の停止を行う。
<実施形態1(主に請求項1に対応):構成の説明 引落額増減手段>
【0065】
引落処理部は、「引落額増減手段」を含んでも良い。「引落額増減手段」は、引落処理部で引き落とされる金額を増減できる引落額増減手段を設けることも考えられる。例えば、近年増加傾向にあるアレルギー疾患をもつ利用者の場合、定常的に医療費がかかるので、その医療費分を差し引いた額を引落額日額としても良いし、あるいはアレルギー疾患を持つと将来的に通常よりも多くの医療費の支払いが発生する可能性があるので引落日額を通常よりも増額した金額とすることも考えられる。季節性のアレルギー疾患の場合は、症状が悪化する期間の自己負担日額のみを差し引くようにしても良い。
また、血液検査やDNA検査により将来的な疾病リスクの高い利用者に関しては、自己負担日額を増額して、将来の備えを増やすということも考えられる。
<実施形態1 請求項の構成要件にない構成 仮想引落額(仮想積立額)表示部>
【0066】
「仮想引落額(仮想積立額)表示部」とは、自己負担日額に応じて引落された相当額を表示する。一例として、利用者のアプリ等でその月の引落額累計に相当する金額を表示することが考えられる。これは、日額で引落金額を積み立てたとしても、その額を毎日引落した場合、引落にかかる手数料が嵩む。このため、自己負担日額を月ごとに累積して、決まった日にまとめて引落すようにし、自己負担日額のその月の累積額を表示するようにすることで、現状どれだけ積立が行われているかを確認できるようにするものである。累積金額の表示は、その月の累積で表示しても良いし、全期間での積立金額に加算して表示するようにしても良い。また、後述する積立の中止や、減額などの積立条件の変更が行われた場合は、その時点で一旦引落を行うようにしても良い。また、仮想引落額表示部は、引落金額の表示に限らず、積立予定の投資信託の口数で表示するようにしても良い。この場合、その日の基準価格に応じて、購入口数を算出して表示するようにする。なお、この場合は、実際に購入する時点での購入口数とは異なるため、確定した口数ではない旨の表示を行うことが望ましい。
【0067】
以上に述べた仮想引落額表示部は、引落に手数料がかかる場合に、月単位でまとめて引落したほうが良いため必要となるものであるが、引落方法としては、電子マネーなど、1回の引落に手数料がかからない方法を使用する場合は、毎日日額を引落すようにすれば良い。従て、利用者の指定した引落方法に応じて、使用するか否かを判断することが望ましい。
<実施形態1(主に請求項1に対応):構成の説明 投資信託資金処理部>
【0068】
「投資信託資金処理部」0405は、引落処理にて徴収された金額の少なくとも一部を所定のルールに従ってその利用者のための利用者識別情報と関連付け疾病罹患等にそなえた投資信託の資金として運用できるように処理する。
この投資信託資金処理は、例えば健康積立投信サーバが自動的に選択投資信託の購入手続きを行い、前述のように健康積立投信サーバ運営者の管理する銀行預金口座から利用者の引落額分引き出し、これを証券会社等が指定する口座等に振り込む等のための処理をおこなってもよい。
また、利用者の口座が運用を行う証券会社等の口座である場合、その利用者の口座から引き当てて指定数量の投資信託の購入を行う指図であっても良い。
所定のルールとは、例えば健康積立投信サーバ運営者が、徴収した自己負担日額(自己負担日額の月間累積額、週間累積額等でもよい。)のうち一定の割合を手数料として取得するといった、サービス提供手数料に関するルールであることが想定されるが、これに限らない。また、投資信託の購入には、購入時手数料がかかるものもあり、これも含まれる。
【0069】
図35は、本発明の健康積立投信システム3500における投資信託の買い付けに係るお金の流れの一例を示す図であり、引落処理部3504は、多数の利用者3550から、積立金(積立投信への拠出金)の引落を行い、信託資金3501としてまとまった資金とする。投資信託資金処理部3505は、全利用者の登録情報に基づく選択した投資信託の購入金額の総和に当たる金額を、運用会社に振り込み、運用会社から所定数(購入金額の総和に当たる口数)の投資信託を買い付ける。図の例では、運用会社A3520から投資信託A3521を、運用会社B3530から投資信託B3531を、運用会社C3540から投資信託C3541を、それぞれ買い付けている。
【0070】
図36は、各利用者の自己負担日額に基づいた投資信託の買付日額の具体例を示した図であり、各利用者a~iが、投資信託A、B、Cにそれぞれの自己負担日額(自己負担日額の月間累積額、週間累積額等でもよい。)が引落され、各投資信託に対応した投資信託買付日額の合計が、それぞれの運用会社A、B、Cにそれぞれ振り込まれて買付が行われる。具体的には運用会社Aに投資信託Aの買付を305円、運用会社Bに投資信託Bの買付を265円、運用会社Cに投資信託Cの買付を337円の買付をおこなうことを意味している。図の例では、日額で買付を計算しているが、週ごとに買付を行う場合は、7日分まとめて買付をおこなうようにすれば良いし、月ごとに買付を行う場合は、その月の日数を乗算するようにすれば良い。
【0071】
このように、投信の買い付けを利用者個々の積立額に応じて行うのではなく、健康積立投信システムでまとめて行うことで、お金の移動を一回にまとめることができ、手数料を抑えることができる。このように投資信託資金処理部は、まとめて投資信託運用会社に支払処理をするためのまとめ支払処理手段を有するように構成することができる。また、投資信託の買い付けをまとめて行うので、買付手数料や信託手数料の割引等も見込める。また、実質代理店としての機能を果たしているため、代理事務手数料の収入なども見込める。このように、本健康投信積立システムによれば、利用者個人で積立を行うことと比べて、効率的な買い付け及び運用が可能になる。また、以上でのべたような様々なコスト低減によりシステムの運用収入も確保可能となる。
【0072】
この他、購入対象は投資信託に限られたものではなく、利用者が希望する場合には、貴金属、不動産、絵画など直接利益を発生するものではないが、値上がりによる利益が見込まれ、長期的な投資対象となりえるものはすべて含まれるが、利用者の状況により不定期な取り崩しもあるため、流動性のある資産が好ましい。流動性があるものとしては、株券、債権(社債、国債)、外国通貨、譲渡性預金、ビットコイン、REIT(不動産担保証券)などを挙げることもできる。
<実施形態1(主に請求項1に対応):構成の説明 引落中止減額命令取得部>
【0073】
「引落中止減額命令取得部」0406は、利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく引落中止の命令である引落中止命令を取得する。
引落中止命令は、例えば利用者が疾病に罹患した際に行われることが想定される。この場合、利用者は医療費を支払う必要があることから、罹患した日数分の自己負担日額を将来利用可能なように積立処理を行うと支出の負担がかかってしまう。従って、こうした際には利用者は一定期間引落中止命令を健康積立投信サーバに対して行うことで、積立を中断することが可能となる。また、引落中止命令は利用者の疾病罹患に限らず、家族の疾病罹患や災害等により不慮の支出があった場合など、自己負担日額の積立が困難となる事情がある場合等、利用者の判断により任意のタイミングで行うことができる。
【0074】
引落中止命令は、利用者端末に利用者がこれを入力し、インターネット等を介して健康積立投信サーバに対して送信することで取得されることが想定されるが、利用者により口頭や電子メール等で運営者のオペレータなどに伝えられ、この者が運営者端末を介す等して健康積立投信サーバに取得させること等も考えられ、方法は限定されない。
【0075】
また、引落中止減額命令取得部は、利用者の具体的な指示によらない場合も含まれる。例えば、日々の利用者の健康状態を問い合わせるようにする方法が考えられる。利用者が本発明に係る健康積立投資信託システムによるサービスを使用する場合、利用者のスマートフォンなどにアプリをインストールする。このアプリを経由して毎日又は毎週利用者が指定した時間に、図25のような利用者健康状態確認画面の表示を行い、利用者の健康状態を問い合わせるなどしても良い。図25の例で、健康であるとの選択がされた場合は、特に引落処理に対する変更は行わないが、病院に行ったことが選択された場合には、引落処理中止減額部でどのような対処を行うかを決定する。図27の健康積立投信システムによる利用者身体健康情報取得の一例は、アプリで利用者の状況把握のために行ったQ&Aの一例を示している。先ず、病院に行ったことが選択された場合2701、医療費がいくらかかったかを確認し2702、通院が必要か否か2703、通院期間の確認2704、を行って、引落処理中止減額部で行う判定に必要な情報を取得している。
【0076】
またこのような仕組みを用いて、体調が悪いなどの選択がされた場合は、アプリによる問診を行い、疑われる病名などの情報提供を行うようなサービスがあっても良い。アプリによる利用者の状態把握は利便性が良いが、そのような端末を持たない場合は、メールや電話での音声サービスで提供するようにしても良いし、スマートスピーカーのような対話が行えるデバイスを用いても良い。
<実施形態1(主に請求項1に対応):構成の説明 引落処理中止減額部>
【0077】
「引落処理中止減額部」0407は、引落中止命令の取得に応じて、その引落中止命令に関連付けられている利用者識別情報で識別される利用者について、引落処理部での引落処理を中止し、又は減額する。利用者より直接引落の中止や引落金額の変更などの指示があった場合は、それに応じて、引落金額を変更または、引落を中止する指示を引落処理部に通知する。
【0078】
例えば、図28のような引落処理変更ステップ1画面2800で、引落中止指定2801に中止期間の指定や、引落処理再開日指定2802による指定などにより引落の停止が指定された場合に引落の中止を行う。また、図29に示すように引落処理変更ステップ2画面2900で。引落減額・増額指定2901で指定され、金額指定2902で引落金額が指定された場合、変更開始日指定2903で指定された日より減額して計算した額を引落額より減額する。
【0079】
また、利用者の直接の指示ではなく、健康状態の把握により引落中止または引落金額の減額をする場合もある。この場合、通院の情報、病名、使用した医療費、使用する医療費の見込み額、医療費がかかる期間などの情報に基づいて、引落を停止するか、引落金額を減額するかを決定する。例えば、その月に使用した医療費、及び見込まれる医療費が引落金額を超える場合は引落を停止し、超えない場合は、該医療費分を減算した金額を引落金額として積立を行う。この他にも、所定の割合を乗算したり、減額は行わず停止のみ行うなど、利用者の利便性に応じて選択できるようにすることが望ましい。
【0080】
また健康状態の把握に関しては前述の「医療情報サーバ」から「医療情報取得部」が医療情報を取得するように構成されていてもよい。医療情報取得部は医療情報取得プログラムが本健康積立投信サーバに実行可能に保持されるように構成することも可能である。この健康状態の情報に基づいてどの程度の引落の減額をするか、又は引落の中止をするかは、予め利用者に減額中止ポリシーを選択的に設定させて、その設定され保持されている利用者ごとのポリシーに基づいて自動的に実行されるように構成することができる。そのために登録情報入力受付部は減額中止ポリシー入力手段を有するように構成されていることが好ましい。また入力を受付けた減額中止ポリシーは、利用者と関連付けられて保持されるように構成され、所定の健康状態の情報が利用情報サーバから取得できた場合には、そのポリシーを利用して演算を行って減額中止処理をすべきか判断するように構成する。引落処理中止減額部は、この減額中止処理判断手段を有するように構成する。これはプログラムとして計算機に保持されるように構成される。
<実施形態1(主に請求項1に対応):構成の説明 投資信託解約通知取得部>
【0081】
「投資信託解約通知取得部」0408は、利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく投資信託の一部又は全部を解約する旨の通知である投資信託解約通知を取得する。
投資信託解約通知についても、引落処理中止命令同様に利用者端末を通じて等により利用者より直接指示を受けることもできる。投資信託解約通知は一部解約も含むが、逆に一部追加購入という増額処理をここで行うように構成することも可能である。増額処理されるケースは、例えば、医療保障など保険により収入があった場合などに、本積立金として積み立てておくことも考えられるが、これ以外にも利用者の意思により買い増し、解約はいつでも受け付けられることが望ましい。
【0082】
例えば、図30に示すように投資信託変更ステップ1画面3000において、投資信託変更指示3001で選択した内容に応じて、投資信託の変更を行う方法が考えられる。解約が選択され、全部または金額が指定された場合はその指定内容に従って、健康積立投信サーバの投資信託解約通知取得部により解約指示として取得される。
【0083】
図30の例では、商品変更が選択されているので、投資信託商品の変更を行う。決定ボタン3003が押されると、投資信託変更ステップ2画面3100に表示を切り替え、変更する商品の選択に移行する。変更タイプ選択3101は、投資信託のタイプが表示されている。ここでの例は、リスクによる分類となっているが、投資対象による分類であっても構わないし、人気順や、お勧め順、資産規模による選択であっても構わない。これだけに限定されるものではなく利用者の志向に応じて選択可能な方法であれば構わない。
【0084】
図31の例では、ハイリスク・ハイリターンのタイプが選択され、決定ボタン3103が押されると、図32の投資信託変更ステップ3画面に表示が切り替わる。商品選択3201は、ハイリスク・ハイリターンのタイプで選択された投資信託商品が表示され、選択可能になっている。図32の例では、日本勝負ファンドが選択され、決定ボタン3202を押すと、積立対象の投資信託が、ピースベストジャパンから、日本株勝負ファンドに変更される。この後、最終の確認を行う画面を表示するようにしても良い。図の例では、3種の商品が表示されているが、対象商品がこれ以上ある場合は、全部表示するようにすれば良い。この場合、スクロールバーなどで、スクロールさせて全部の商品を確認できるようにすれば良い。
【0085】
また、利用者からの直接の指示によらず、本投資信託解約通知取得部で解約数量を自動で決定する場合もある。この場合、引落中止減額命令取得部と同様に、利用者から取得した、健康状態の情報を用いて判断する場合もある。これは、利用者が手術をして、多額の医療費が発生した場合などに行われる措置で、例えば利用者が指定した金額を超える医療費が発生した場合にその金額が確保できるように、投資信託等の解約を行う。このように、解約すべきか、解約する数量はいくらかを自動で判定した場合でも、解約を実際に行う場合は、利用者に確認するように構成するのが望ましい。
【0086】
図25の利用者健康状態確認画面で、「病院に行きました」が選択され、Q&Aでやり取りをする中で、手術などの一時的に大きな出費を必要とする医療を受けた場合など、アドバイスとして投資信託の解約による積立投資の取り崩しを提案する。この内容により、必要な医療費相当の投資信託を解約するか、不足の場合は全部解約するかなどの確認を行い、利用者から承認された場合は、投資信託解約通知取得部に解約通知を行う。
以上のよに、投資信託解約通知取得部は、利用者の希望や、状況に応じて生じる積立の取り崩し要求を取得できる。
<実施形態1(主に請求項1に対応):構成の説明 投資信託解約処理部>
【0087】
「投資信託解約処理部」0409は、投資信託解約通知取得部で投資信託解約通知を取得した場合に、その利用者識別情報と関連付けた投資信託の資金の運用の一部又は全部を解約するための処理をする。この解約処理は、健康積立投信サーバから投資信託販売会社にネットワークを介して解約指示が送信されると、運営者のオペレータを通じて行われると、電話やメール等で連絡が行われ、その結果が健康積立投信サーバに入力されると、を問わない。解約により売却された売却金は、利用者の登録情報に登録されている銀行等の口座に振り込みまたは支払いのための処理が行われる。利用者の口座が運用を行っている運用会社と同一の場合は、その口座への入金となる。また、健康投信積立システム側で積み立てた、投資信託を保有している場合は、一旦解約数に該当する投資信託を健康投信積立システム側で保持しておいて、他の利用者の積立に充当することも含まれる。これにより、運用会社側で生じる解約に係る手数料や、新規購入の際に生じる手数料を抑えることができる。このように投信運用会社を介さずに投資信託の利用者への再配分を行うための再配分実行部を健康積立投信サーバが有していてもよい。
【0088】
図37は、投資信託の解約に伴う、本健康積立投信システム3700での投資信託の売却と売却金の流れの一例を示す図ある。利用者3750からの解約通知を、投資信託解約通知取得部3708で取得したら、利用者識別情報に関連付けた売却投資信託と解約数量を含む情報である解約情報を投資信託解約処理部3709に通知し、投資信託解約処理部では、通知された投資信託及び解約数量にもとづいて解約処理を行う。この時、解約数量に応じて投資信託資金処理部3705で買付予定がある場合は、その数量に該当する投資信託を売却予定の売却数量から引き当てる。この引き当て数量と投資信託の単価から、売却金相当額を算出し、信託資金3701より売却金として支出する。解約数量が、投資信託資金処理部3705で割り当て可能な数量を超える場合は、その超過数量を運用会社A3720に対して保有する投資信託Aを解約して売却金を取得する。前述した引当金と、売却金は、解約に伴う清算金として、ユーザーの登録する銀行口座3560に振り込みを行う。この場合には健康積立投信サーバの運営者に対する手数料は変則的なものとなるが、この変則的な手数料に関しても手数料保持部(請求項1構成要件外)に保持されるように構成することが好ましい。
【0089】
以上から、利用者の解約にともなう投資信託の解約手続きが最小限に抑えられ、効率的なシステムの運用が行える。以上の解約に伴うながれは一例であり、これに限定されるものではない。例えば、銀行への売却金の振込を運用会社から直接行っても良いし、銀行口座が登録されていない場合は、電子マネーなどでキャッシュバックする方法も含まれる。また、購入予定の投資信託から解約数量を引き当てる処理は行わず、すべて運用会社に解約を通知する場合も含まれる。利用者の解約したタイミングで、解約代金を得られる方法であればこれに限定されるものではない。
<実施形態1(主に請求項4に対応):制御方法>
【0090】
以上が、本発明の構造であるあ、これを制御方法若しくはプログラムとして実現する場合も本発明の範囲内である。すなわち、健康積立投信システムの制御方法は、統計情報に基づく年齢別の医療費の一人当たり一日当たりの平均の自己負担額に基づいて計算される自己負担日額を定める情報である自己負担日額情報を年齢別に保持する年齢別自己負担日額情報保持ステップS0502と、利用者の年齢情報と、引落のための情報である引落用情報とを少なくとも含む登録情報を入力受付する登録情報入力受付ステップS0503と、入力受付した登録情報を利用者識別情報と関連付けて保持する登録情報保持ステップS0504と、利用者毎に年齢情報で示される年齢に対応して保持されている自己負担日額情報に基づいて定期的に引落をするための処理である引落処理をする引落処理ステップS0506と、引落処理にて徴収された金額の少なくとも一部を所定のルールに従ってその利用者のための利用者識別情報と関連付け疾病罹患等にそなえた投資信託の資金として運用できるように処理する投資信託資金処理ステップS0507と、 利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく引落中止の命令である引落中止命令を取得する引落中止減額命令取得ステップS0508と、引落中止命令の取得に応じて、その引落中止命令に関連付けられている利用者識別情報で識別される利用者について、引落処理部での引落処理を中止し、又は減額する引落処理中止減額ステップS0509と、利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく投資信託の一部又は全部を解約する旨の通知である投資信託解約通知を取得する投資信託解約通知取得ステップS0510と、投資信託解約通知を取得した場合に、その利用者識別情報と関連付けた投資信託の資金の運用の一部又は全部を解約するための処理をする投資信託解約処理ステップS0511とを有するコンピュータである健康積立投信システムの動作方法である。
<実施形態1(主に請求項7に対応):ハードウエア的構成>
【0091】
ハードウエア的構成は、図6に示すように、CPU0601と、バス0602、不揮発性メモリ(例えばハードディスク、SSD)0603と主メモリ0604とI/O0605などを備えている。不揮発性メモリはオペレーティングシステムやデバイス・ドライバーを備え、統計情報に基づく年齢別の医療費の一人当たり一日当たりの平均の自己負担額に基づいて計算される投信のための引落額を定める情報である自己負担日額情報を年齢別に保持する年齢別自己負担日額情報保持プログラム0606と、利用者の年齢情報と、引落のための情報である引落用情報とを少なくとも含む登録情報を入力受付する登録情報入力受付プログラム0607と、入力受付した登録情報を利用者識別情報と関連付けて保持する登録情報保持プログラム0608と、利用者毎に年齢情報で示される年齢に対応して保持されている自己負担日額情報に基づいて定期的に引落をするための処理である引落処理をする引落処理プログラム0609と、引落処理にて徴収された金額の少なくとも一部を所定のルールに従ってその利用者のための利用者識別情報と関連付け疾病罹患等にそなえた投資信託の資金として運用できるように処理する投資信託資金処理プログラム0610と、 利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく引落中止の命令である引落中止命令を取得する引落中止減額命令取得プログラム0611と、引落中止命令の取得に応じて、その引落中止命令に関連付けられている利用者識別情報で識別される利用者について、引落処理部での引落処理を中止し、又は減額する引落処理中止減額プログラム0612と、利用者から利用者識別情報と関連付けて、疾病罹患等に基づく投資信託の一部又は全部を解約する旨の通知である投資信託解約通知を取得する投資信託解約通知取得プログラム0613と、投資信託解約通知を取得した場合に、その利用者識別情報と関連付けた投資信託の資金の運用の一部又は全部を解約するための処理をする投資信託解約処理プログラム0614とを保持している。そしてCPUがこれらのプログラムを読み出し、メインメモリに格納し、実行される。
<実施形態1(主に請求項1に対応):処理の流れ>
【0092】
図5を用いて、実施形態1の健康積立投信システムの制御の流れを説明する。
先ず、厚生労働省などのWebページで公開されている統計情報に更新があったか否かを判定する(S0501)。この判定は、通常起動時に1回行えばよい。これは、統計情報は日々更新されるものではなく、少なくとも1年ごとなど長い期間であるためである。ただし、統計情報に更新があったか否かを自動で検出することは必須でなく、マニュアルで行ってもよい。従って、本処理外で自己負担日額を求める処理をおこなって、統計情報に更新があったときだけ自己負担日額情報を更新する処理行うようにしても良い。更新のための入力は手入力であってもよいし、厚生労働省などのホームページに存在するcsvデータをマニュアルで取得してドラッグドロップして自動的に更新させるように構成してもよい。統計情報に更新があった場合は、自己負担日額を算出して、不揮発性メモリ内に保持する自己負担日額情報保持ステップを実行する。(S0502)
【0093】
自己負担日額は、図14に示すように、年齢と日額がテーブルになったもので、年齢により日額を参照できるようにしている。
【0094】
図5に戻って、次に、利用者の登録情報の入力アクセスがあった場合は、登録情報の入力を受け付ける登録情報入力受付ステップを実行する。(S0503)
登録情報は、少なくとも年齢情報(特に生年月日を示す情報が含まれていることが好ましい。)を含み、病歴等の情報を含んでも良い。登録情報が入力されたら、ユーザーID等である利用者識別情報を発行して割り当てて、登録情報に関連付けて不揮発性メモリに保持する登録情報保持ステップを実行する。(S0504)
利用者識別情報は、登録情報に含まれるメールアドレス等を用いても構わない。この場合、追番などの重複しない番号と、メールアドレス等と登録情報を関連付けて記録するようにすれば良い。
【0095】
次に登録情報が保持されている利用者ごとに本日がその利用者の引落日にあたるのか判断する(S0505)。当日がその利用者の引落日に該当する場合には、引落処理ステップに移行する。
引落処理ステップは、引落処理をしていない引落日の利用者の自己負担日額情報を取得し、登録されている銀行口座またはその他の引落方法により自己負担日額分の金額を引落すが、引落の中止が指示されている場合は引落を中止し、引落の減額が指示されている場合は減額分を差し引いて引落を行う引落処理ステップ(S0506)を実行する。
【0096】
その後、引落に相当する金額の一部で運用会社に対して、投資信託の購入を指示する投資信託金処理ステップ(S0507)を実行する。購入した投資信託は、運用会社で保有するか、健康積立投信サーバの管理会社で保有するかは問わない。該当する利用者がいないか、すべて該当する利用者すべての引落処理が終了した場合は、引落処理ステップ及び投資信託金処理ステップはパスし、次のステップに移行する。
【0097】
次に、利用者より引落の中止または減額の指図があった場合、その内容を取得する。(S0508)ここでの、引落の中止または減額の指示は、利用者が直接指示する場合もあれば、利用者の健康状態の通知により所定のルールに従って判定し、引落の中止または減額を決定するようにしても良い。
【0098】
引落の中止または減額が指定した利用者がいる場合は、引落処理中止減額ステップ(S0509)を実行する。利用者識別情報に基づいて、登録情報にその旨を登録する引落処理中止減額部を有するように構成してもよい。また利用者より、投資信託の解約をする旨の指示があった場合、または、利用者の健康状態で積立の取り崩しが必要と判断され、利用者により承認された場合は(S0511)、投資信託の解約を実施する投資信託解約処理ステップ(S0512)を実行する。
【0099】
制御を終了しない場合は、登録情報の入力受付ステップに戻るが、終了が指示された場合は制御を終了する。(S0513)
<実施形態1(主に請求項1に対応):の具体例>
【0100】
以下に、現在30歳である黒木博文が、健康積立投信を行う場合を例として説明する。
図15に示す登録情報入力受付ステップ1画面1500で、まず、利用者である黒木博文は、氏名入力欄1501に氏名(黒木博文)、生年月日入力欄1502に1993年4月1日、住所入力欄1503に東京都あきるの市中町1-2-3、電話番号入力欄1504に03-1234-5678、メールアドレス入力欄1505にメールアドレスである(kuroki@mail.com)、パスワード及び確認用入力欄1509に9桁のパスワードをそれぞれ入力している。本人確認に用いる証明入力1506には、マイナンバーカードや免許証の画像をドラック&ドロップにすることで情報が入力される。これにより、利用者の年齢情報が計算され、入力日である2023年5月23日現在、黒木博文に利用者識別情報がユーザーIDとして割り当てられ、例えばK3073として、住所や年齢が30歳である旨の自己識別情報に関連付けられて、登録情報保持部に保持される。パスワードは、次回ログイン時に、ユーザーIDと共に使用される。
【0101】
登録情報入力受付ステップ1が完了した後、健康積立投信サーバにより利用者を唯一に識別する情報である利用者識別情報が自動的に付与されるよう構成することが想定され、利用者は、以降、この利用者識別情報と、初回登録時に登録したパスワードを用いて図20に示すログイン画面で、システムにログインすること等が想定される。この利用者識別情報は後述の登録情報保持部に保持される。
【0102】
登録情報入力受付ステップ2以降の入力は、登録情報入力受付ステップ1に引き続き行っても良いし、一旦終了後、次回ログインしてから行うようにしても良い。
次回のログインは、図20のログイン画面2000のID入力2001に割り当てられたユーザーID(K3073)を入力すればよい。次に、利用者は、パスワードを入力し終えると「LOG IN」ボタン2003をクリックする。これにより、登録情報がすべて入力されていない場合は、図16に示す、登録情報入力受付ステップ2画面1600が表示される。
【0103】
図16に示す登録情報入力受付ステップ2画面において、利用者は、例えば自動車運転の機会の有無(有り)、運転対象(自家用セダン)、喫煙の有無(無)、入院履歴(無)、基礎疾患(糖尿病)および身体障害(無)、配偶者の有無といった、利用者の個別具体的な生活状況に関する情報を利用者属性情報入力1601に入力する。これは、利用者の属性情報として、登録情報保持部に利用者識別情報に関連付けて保持されるように構成してもよい。これにより、平均余命や基礎疾患に基づく医療費等が推定されることとなる。この推定された医療費等は、前述した引落額増減手段で引落額を変更する場合に使用しても良い。利用者がこれらの情報を入力し「NEXT」ボタン1603をクリックすることで、図17に示す登録情報入力受付ステップ3画面1700が表示される。
【0104】
図17に示す登録情報入力受付ステップ3画面1700において、利用者は、引落のための情報である引落用情報を入力する。引落用情報には、例えば、銀行等引落、クレジットカード等の引落方法種別と、利用者の具体的な口座等を識別する引落用識別情報がある。引落方法種別は、引落種別選択1701に、引落識別情報は、引落方法詳細(指定口座入力)1702に入力する。
ここでは、銀行引落が選択されているので、引落方法詳細の部分は、引落口座入力となっている。金融機関選択ボタン1703を押すと、銀行選択画面1710に切り替わる。銀行名入力1711に、「ピ」を入力すると、ピから始まる銀行が表示されるが、ピから始まる銀行はピース銀行しかないため、ピース銀行のみが表示され選択されている。さらに支店名入力1712に、「あ」を入力してあから始まる支店が表示されているが、あきる野支店が選択されている。OKボタン1713を押すと、登録情報入力ステップ3画面に戻り、口座番号入力1704に口座番号「0123890」と、引落日「25」日を入力している。「NEXT」ボタン1704をクリックする。これにより、図18に示す登録情報入力受付ステップ4画面1800が表示される。
【0105】
図18にあるように、登録情報入力受付ステップ4画面において、利用者は初期投資の有無や、「あり」の場合はその初期投資額を入力する。図の例では、初期投資の有無選択チェック1801「なし」が選択されており、このため初期投資額は空欄になっている。投資信託タイプ1802では、リスク/リターンにより分類されている投資信託のタイプを選択するようになっているが、図の例では、ミドルリスク/ミドルリターンのタイプを選択している。その他、積立満了年齢指定1803に「60」歳、死亡時受取人指定1804に「妻」である「黒木博子」を指定している。
初期投資に関しては、利用者が事前に預貯金などの資産を保有している場合、健康積立投信システムによる積立と合わせて、初期投資として投資信託を購入して運用できる。この場合、開始当初から資産がある程度確保されるため、すぐに健康リスクに備えた資金として確保できることと、資産運用による運用益も期待できる。また、初期投資額がある場合はその額に応じて、引落額を減額するようにしても良いが、早い時期にまとまった資金を運用に割り当てることで、長期運用で複利効果により低リスクでも高い運用益が見込める。
利用者が情報の入力を終え「NEXT」ボタン1806をクリックすると、図19に示す登録情報入力受付ステップ5画面1900が表示される。
【0106】
図19にあるように、登録情報入力受付ステップ5画面では、前記、登録情報入力受付ステップ4画面で選択した投信のタイプに該当する投信が投資信託名表示欄1901に列挙される。説明ボタン1902を押すと、投資信託の目論見書など詳細な情報が表示される。利用者は、所望の投資信託をチェックボックス1903で選択できる。また、積立割合指定1904で選択した投資信託の購入割合も指定できるようになっている。従って、複数の投資信託を選択して、所定の割合で積み立てることができるので、利用者は、タイプの違う投資信託を複数選択することでリスクを分散することができる。投資信託の詳細を知りたい場合、利用者は「説明」ボタン1902をクリックすることで図24の様な投資信託運用情報閲覧画面2400が表示され、それぞれの投資信託の説明を読み、投資を行いたい投資信託を決める。その後、投資信託の選択が終わったら決定ボタン1905を押せば選択した投資信託に決定される。
【0107】
本事例では利用者が選択したミドルリスク・ミドルリターンタイプである「ピースベストジャパン」「マイルド勝負ファンド」「しあわせ人生オープン」「日本株・債券ハイブリットファンド」の4つの投資信託が表示されているが、利用者は、「ピースベストジャパン」を50%、「マイルド勝負ファンド」を30%、「しあわせ人生オープン」を20%の割合で3種類の投資信託を購入するように設定している。そして、「NEXT」ボタンをクリックすることで登録情報の入力が完了し、投資信託の積立購入が開始される。
【0108】
なお、最初の引落は、本登録情報が入力されても、例えば月末締めで引落設定が反映され翌月の引落から引き落とされるようになる。本事例では、図17の登録情報入力受付ステップ3で毎月の引落日を25日に登録し、2023年5月23日に設定を行っているので、最初の引落日は、6月25日となる。もちろん、設定が即座に反映されて5月25日から引落が開始されても構わない。この場合、月末締めであれば、引落額はその月の日数で引落額が決まるが、即座に反映させた場合、5月23日から5月25日の日割り計算で3日分の自己負担日額により算出された額が引落されるようにすることが望ましい。
また、本事例では利用者である黒木博文が自身で投資信託を選択したが、投資信託の選択は例えば利用者の入力した情報に従って最適な投資信託が自動的に選択されるように構成することも可能である。
さらに、登録情報の入力は、ステップ1から5まであったが、例えば、ステップ1のみを登録すればユーザー登録が完了し、ステップ2から5までの入力は後日行うようにしても良い。この場合も積立が開始されるのは、ステップ5が完了してからである。本事例では5つのステップで登録情報を入力するようにしたが、これに限定されるものではなく1ステップですべて入力するようにしても良いし、もっと多くのステップで入力するようにしても良い。
【0109】
図23は、登録情報確認画面2300であり、利用者が入力した登録情報が確認できるようになっている。
上述したステップで登録情報の入力が終了したら、図23の登録情報確認画面2300で確認できるようにすることが望ましい。この場合、記入内容に問題が無ければ、確認ボタン2302を押して登録情報が確定するようにすれば良い。こうして、登録情報が確定されたら、健康積立投信サービスの提供が開始されるようにすれば良い。
【0110】
図21に示すシステムメニュー画面2100は、登録情報の入力が完了して、利用者向けに健康積立投信サーバのサービスが稼働し始めてからログインした場合に表示される画面であり、「運用状況閲覧」2101、「登録情報閲覧」2102、「登録情報編集」2103、「投資信託変更」2104、「引落情報表示」2105、「引落処理変更」2106の各ボタンがある。利用者は、所望の操作に応じて各ボタンを押すことで、健康積立投信サービスに係る様々な操作が行える。なお、操作内容は、上記に限定されるものではなく、適宜追加が可能である。
【0111】
システムメニュー画面からは、随時登録情報を閲覧および編集することが可能であるよう構成することが想定される。本事例では、システムメニュー画面から「登録情報閲覧」2102および「登録情報編集」ボタン2103を選択することで、登録情報の閲覧および変更が可能となるよう構成されている。
また、利用者が、「引落情報表示」のボタン2105を選択することで、図22に示す引落情報表示部画面2200が表示される。
【0112】
図22は、引落情報表示画面2200であり、利用者から毎月引落される金額の情報を表示する。図のように、積立される投資信託の名称や購入比率、満期時想定受取額などを表示するようにしても良い。
「引落情報」とは、例えば利用者が選択した投資信託である選択投資信託情報に保持された投資信託名称、利用者の自己負担日額情報およびその1カ月分の合計である自己負担月額情報、引落満期まで運用したと仮定した際の想定利率、満期時の想定受取額、投信満了年齢情報等が表示される。これにより、利用者は、満期時にいくら受領できるか、随時確認し、これに基づいて投資信託の変更や解約といった意思決定を行うことが可能となる。
【0113】
図24は、信託運用情報閲覧画面2400であり、利用者が投資信託の情報閲覧を希望する場合に表示される。例えば、図19の様な投資信託の選択画面で「説明」ボタン1902が押された場合に表示される。この説明においては、健康積立投信としてその投資信託が優れている理由などが説明される。特に、健康積立投信として優れている理由がグラフや表を用いて説明されるように構成することが好ましい。またそのグラフや表はユーザが入力する変数に応じてダイナミックに動作するように構成することが好ましい。例えば入力する変数としては、がん、心臓病、脳梗塞などの三大疾病の年齢別罹患率や、交通事故の発生確率の予想値、傷害を負う確率、災害の生じる確率などを入力するように構成することができる。利用者は、購入対象の投資信託の特徴2401や、組み込み銘柄比率2402、過去の運用実績2403、なども参照でき、利用者自身の健康状態や経済状態も考慮しながら投資信託の選定ができる。
<実施形態1(主に請求項1に対応):効果>
【0114】
上記したように、この実施形態1に係る健康積立投信システムでは、個々人が年齢や病気の罹患の有無といった生活状況に合わせて、統計データから得られた適正な金額で医療費等を目的とした投資信託の積立を行うことが可能となる。
これにより、例えば掛け捨てであったり、相対的に僅少な額が満期に償還されるだけであったりという性質を持つ医療費保険とは別に、生活状況に合わせて自らが選択した投資先に、統計的に医療費等として積立必要かつ可能であると考えられる金額分を積立て、運用し、万一の場合の医療費等への充当や、老後の医療費等に充てることができる、という非常に優れた効果を奏する。また、投資額の意義が明瞭で消費者に理解しやすい資産形成の仕組みである点も優れた点である。
<実施形態2(主に請求項2に対応)>
<実施形態2(主に請求項2に対応):概要>
【0115】
本実施形態に係る健康積立投信システムは、実施形態1の健康積立投信システムをベースとして、利用者の選択に基づき積立を行っている投資信託の運用状況を利用者が随時確認することを可能とする健康積立投信システムである。
これにより、利用者は随時投資信託の変更や、引落額の変更といった意思決定を行い、自己の意思に基づき最適な資産形成を行うことで老後の医療費に備えることが可能となる。
<実施形態2(主に請求項2に対応):構成>
【0116】
本実施形態の健康積立投信システムは、図7に示すように、実施形態1の年齢別自己負担日額情報保持部0701と、登録情報入力受付部0702と、登録情報保持部0703と、引落処理部0704と、投資信託資金処理部0705と、引落中止減額命令取得部0706と、引落処理中止減額部0707と、投資信託解約通知取得部0708と、投資信託解約処理部0709に加えて、前記投資信託の運用状況情報を取得する運用状況情報取得部0710と、取得した運用状況情報を出力する運用状況情報出力部0711とから構成されている。本実施形態では実施形態1で説明した機能に関しては説明を省略し、実施形態2特有の構成についてのみ説明を加える。
<実施形態2(主に請求項2に対応):構成の説明 運用状況情報取得部>
【0117】
「運用状況情報取得部」0710は、前記投資信託の運用状況情報を取得する。
投資信託の運用状況情報は、例えば投資信託販売会社より自動的に受信されるよう構成しても良いし、健康積立投信サーバが投資信託販売会社より送信された情報を取得し保持するよう構成しても、投資信託販売会社のウエブサイト等より取得するよう構成してもよく、取得方法を問わない。
【0118】
ここで「運用状況情報」とは、「基準価額」と「純資産総額」の推移や、「分配の推移」、「主要な資産の状況」などを指す。「主要な資産の状況」は、組み入れられている資産の内容、バランスや上位銘柄などでさらにファンドの詳細情報を取得できるように構成してもよい。ファンドの詳細情報とは、資産リバランスのタイミングや、そのルール、資産のリスク情報、資産運用計画と実際の資産の運用実績との差分、運用者の運用者毎の成績、運用資産ごとに予想されるリスクなどである。また、資産に関する会計監査の情報などを取得して出力できるように構成することも考えられる。また、運用会社は1社のみではなく、商品により購入先を変更する場合も考えられる。これは、取り扱い商品のあるなし、購入時手数料の違い、信託報酬の違いなど、購入先の証券会社等でことなる場合があるためである。この場合は、複数の運用先から運用状況を取得する。このような場合には、複数の運用先の運用状況を簡単に比較できるように構成することが好ましく、情報のフォーマットは統一的に整備されていることが好ましい。コンピュータで各運用先から運用状況の情報を取得する場合には、各運用先での運用状況のフォーマットは統一されたものでないので健康積立投信サーバないしは、これに付属している運用状況情報取得サーバ等で運用状況の情報のフォーマットを統一するフォーマット統一部を有するように構成することが好ましい。
【0119】
本運用状況取得部が動作するタイミングとしては、図21のシステムメニュー2100の運用状況閲覧スイッチ2101がおされたら、運用状況情報取得部が運用先から運用状況情報の取得を行う場合が考えられる。また、毎日定時に取得するようにして、利用者識別情報と関連づけて保持しておくようにしても良い。利用者が閲覧したいと思ったタイミングで、遅延を生じることなく確認できるようにシステムが構成されていることが望ましい。
<実施形態2(主に請求項2に対応):構成の説明 運用状況情報出力部>
【0120】
「運用状況情報出力部」0711は、取得した運用状況情報を出力する。
投資信託の運用状況情報は、例えば利用者端末に対してインターネットを介して閲覧可能とするよう出力されることが想定される。
例えば図21のシステムメニューの運用状況閲覧ボタン2101が押された場合に、利用者の運用状況情報を運用状況情報取得部が取得した後、画面表示として出力する構成が考えられる。例えば図24に示すような購入した投資信託のパフォーマンスとして表示するほか、運用状況情報は、例えば現在のポートフォリオや、利回り実績の経時的グラフ等が考えられる。
【0121】
図33は、ポートフォリオの一例である。購入した投資信託やその他の資産の資産比率、積立総額、現在の評価額、運用利回りなどが一目で確認できるようになっている。従って、複数の運用先から運用状況を取得した場合も、統合して運用状況を把握できるように表示することが望ましい。
【0122】
図33の事例では、30歳で加入した黒木博文が、10年後の2033年5月20日に表示をしたと仮定したものである。まず、資産比率3301に運用資産のその時点での評価額で換算した資産額の比率を円グラフで表示している。投資信託情報3302には、保有している投資信託の直近1年での運用生成を年間騰落率として表示している。積立資金総額3303は、これまでに積み立ててきた積立金の総額を示しており、現在までに、348,520円が積み立てられていることがわかる。ここでの積立金額の表示は、月々の引き落とし金額の総額で示してもよいし、前述した仮想引落額表示部に基づいて、自己負担日額を、表示時点での仮想引落累積金額を加算した額(2033年4月26日から2033年5月20日までの自己負担日額の累積額)を加算して表示するようにしてもよい。
【0123】
現在評価額表示3304は、表示日時点での投資信託などの資産評価額を示している。この表示も同様に仮想引落額表示部に従い、画僧引落額で投資信託を購入したと仮定した場合の評価額を表示するようにしても良い。図の例では、546,405円の評価額となっている。
【0124】
運用利回りは、すべての投資信託の年間の運用利回りから、全資産の年間運用利回りを算出し、それを、これまでの運用期間で平均化したものである。これは、各投資信託の資産比率と年間利回りを乗算したものの総和により求められたのが、全資産でみた年間運用利回りであり、これを、運用期間で1年ごとに求めた運用利回りを平均化することで、運用全期間での平均運用利回りが求められる。図の例では、全運用期間で平均3%の利回りで運用できていることがわかる。
以上のような表示により、現在の資産がどのような割合で投資信託を保持しているか、その投信の運用成績はどうか、これまでの運用成績などが把握できる。
【0125】
図34は、資産の推移を示すグラフである。本事例も同様に、30歳で加入した黒木博文が10年後に40歳になった時点(2033年5月20日)で表示したものとして想定したもので、直近10年および、10年後までの運用状況の推移を表示している。30歳からの積立金の変動と、評価額の変動を示しており、積立を継続した場合で直近の10年の平均運用利回りで運用した場合の状況を10年先まで示している。こうすることで、何歳時点で資産がいくらになったかなどの状況を把握しやすくなる。このような表示期間は、例では10年としているが、これに限定されるものではなく、満期まで表示しても良いし、開始時点からの累積で表示してもよい。
【0126】
本実施形態により、本健康積立投信システムの利用者は随時、自己が引落を行っている投資信託の運用状況に関する情報を閲覧することが可能となり、これに基づいて引落額の増額/減額や、投資信託の変更や解約といった投資に関する意思決定を行うことが可能となる。
<実施形態2(主に請求項5に対応):動作方法>
【0127】
本実施形態2の健康積立投信システムの動作方法は、図8に示すように、実施形態1の年齢別自己負担日額情報保持ステップ0802と、登録情報入力受付ステップ0803と、登録情報保持ステップ0804と、引落処理ステップ0806と、投資信託資金処理ステップ0807と、引落中止減額命令取得ステップ0808と、引落処理中止減額ステップ0809と、投資信託解約通知取得ステップ0810と、投資信託解約処理ステップ0811に加えて、前記投資信託の運用状況情報を取得する運用状況情報取得ステップ0822と、 取得した運用状況情報を出力する運用状況情報出力ステップ0823とをさらに有する健康積立投信システムの動作方法である。
<実施形態2(主に請求項8に対応):ハードウェア構成>
【0128】
ハードウエア的構成は、図9に示すように、実施形態1のCPU0901と、バス0902、不揮発性メモリ(例えばハードディスク、SSD)0903と主メモリ0904とI/O0905とを備える。不揮発性メモリは年齢別自己負担日額情報保持プログラム0906と、登録情報入力受付プログラム0907と、登録情報保持プログラム0908と、引落処理プログラム0909と、投資信託資金処理プログラム0910と、引落中止減額命令取得プログラム0911と、引落処理中止減額プログラム0912と、投資信託解約通知取得プログラム0913と、投資信託解約処理プログラム0914に加えて、前記投資信託の運用状況情報を取得する運用状況情報取得プログラム0915と、取得した運用状況情報を出力する運用状況情報出力プログラム0916とを有し、これらをCPUが読取り、メインメモリに格納し実行する。
<実施形態2(主に請求項2に対応):処理の流れ>
【0129】
実施形態2に係る処理の流れについて説明するが、実施形態1と重複する部分に関しては省略する。利用者より、運用状況確認要求があった場合(S0821)、運用先の運用会社から、利用者の利用者識別情報に関連付けられた、登録情報から購入している投信信託等の運用状況を取得する運用状況取得ステップ(S0822)を実行する。
取得した、運用状況を、ポートフォリオとして運用商品の比率や、各商品の利益率、現在の評価額や、総合的な利益率など利用者に理解しやすい形式で出力し表示する運用状況出力ステップ(S0823)を実行する。
利用者から運用状況確認要求が無かった場合は、終了指示があったか否かの判断に移行する。以上のように、利用者が希望した場合は、いつでも運用資産すべての運用状況を把握することができる。
<実施形態2(主に請求項2に対応):効果>
【0130】
上記したように、この実施形態2に係る健康積立投信システムでは、利用者の選択に基づき積立を行っている投資信託の運用状況を利用者が随時確認することを可能となる。 これにより、利用者が随時、投資信託の変更や、引落額の変更といった意思決定を行い、自己の意思に基づき最適な資産形成を行うことで老後の医療費に備えることが可能となるという効果を奏する。
<実施形態3(主に請求項3に対応)>
<実施形態3(主に請求項3に対応):概要>
【0131】
本実施形態は、実施形態1又は実施形態2に記載の健康積立投信サーバにさらに利用者端末を加えた健康積立投信システムに関する。
本実施形態に係る健康積立投信システムは、利用者が管理するコンピュータ等の端末である利用者端末により、利用者が随時健康積立投信システムより健康に関するアドバイスを得たり、これに対して質問をしたりすることができる。また利用者は利用者端末を通じて引落の減額/増額等の変更や、投資信託の運用状況の確認、積立を行っている投資信託の変更/解約手続きをすることが可能となっている。
<実施形態3(主に請求項3に対応):構成>
【0132】
本実施形態の健康積立投信システムは、図10に示すように、実施形態1または実施形態2の年齢別自己負担日額情報保持部1001と、登録情報入力受付部1002と、登録情報保持部1003と、引落処理部1004と、投資信託資金処理部1005と、引落中止減額命令取得部1006と、引落処理中止減額部1007と、投資信託解約通知取得部1008と、投資信託解約処理部1009を有する健康積立投信サーバ1000に加えて、利用者の身体の健康に関する情報である身体健康情報を取得する身体健康情報取得部1012と、取得した身体健康情報の履歴である身体健康情報履歴を保持する身体健康情報履歴保持部1013と、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に応じて出力すべき疾病罹患等に基づく引落中止命令を出力するか又は/及び投資信託解約通知を出力するかに関するアドバイス又は/及び質問に関する情報であるアドバイス質問情報を保持するアドバイス質問情報保持部1014と、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に基づいて保持されているアドバイス質問情報を出力するアドバイス質問情報出力部1015と、引落中止命令を出力するための引落中止命令出力部1016と、投資信託解約通知を出力するための投資信託解約通知出力部1017と、運用状況情報を取得する運用状況情報取得部1018とを有する利用者端末1019とからなる健康積立投信システムである。
【0133】
実施形態1及び実施形態2で説明した健康積立投信サーバに関する構成については説明を省略し、利用者端末に関して説明する。
利用者端末とは、利用者が所有/管理/利用するコンピュータ端末もしくはスマートフォン等の端末が想定されるが、これに限らない。
<実施形態3(主に請求項3に対応):構成の説明 身体健康情報取得部>
【0134】
身体健康情報取得部1012は、利用者の身体の健康に関する情報である身体健康情報を取得する。身体健康情報には、例えば病歴、既往症、入院歴、アレルギーに関する情報、血圧や血糖値等のデータや喫煙の有無等、毎日の運動量等の生活習慣などが考えられる。
【0135】
これらの情報を利用者端末から健康積立投信サーバが取得することで、後述の健康に関するアドバイスを出力することや、利用者の健康状態に応じて自己負担日額を修正する等の処理を行うことが可能となる。身体健康情報は利用者識別情報に関連づけられているが、自己属性情報の一部を構成してもよいし、独立した情報として構成されてもよい。さらに、身体健康情報は、疾病、傷病に関する定性的、定量的情報の他に、日常の健康を図るための情報を含んでいてもよい。日常の健康を図るための情報とは、体温、体重、脈拍、呼吸数、視力、聴力、運動量(歩行歩数、歩行速度、階段昇降段数)などである。これらの情報は、利用者端末に備えられているセンサーなどによって自動的に取得されてもよいし、利用者端末と情報連携している生体情報センサーや、生体情報センサーと情報連携しているスマート機器などから取得するように構成することもできる。スマート機器としては、スマートウオッチ、万歩計(登録商標)、スマートグラスなどであるがその他にフィットネスクラブにある各種の運動機器と連携して運動量や生体情報を取得するように構成してもよい。
【0136】
また、スマートフォンなど利用者が所持する情報端末にインストールするアプリとして構成しても良い。この場合、毎日決まった時間に、図25の様な利用者健康状態確認画面で利用者の体調を確認する画面を表示するようにしても良い。この表示で病院に行ったことが選択された場合は、質問と回答を繰り返しおこなうことで、必要な情報を取得するよにしても良い。また、毎日確認するのが利用者にとって煩わしい場合は、1週間ごとや月ごとに決まった曜日や日にちに確認するように、利用者で所望の間隔に設定できるようにすることが望ましい。
【0137】
また、前述した医療情報サーバから、利用者の医療情報を取得するようにしても良い。
この場合、利用者端末側に前述した、「利用者医療情報取得部」を有する構成となる。
具体的には、利用者医療情報取得部が、利用者が所属する健康保険組合の運営するサーバーから、マイナンバーと関連づけて、医療費の利用状況に関する通知を受け付ける方法も将来的には含まれる。このように自動的に利用者の医療費の自己負担額や受けた医療、処方薬などの情報に基づいて、引落処理部での処理内容を変更するように構成する場合も含まれる。
【0138】
但し、このような医療に係る情報は、秘匿性が高く、取り扱いに注意が必要である。
また、利用者本人も部分的に、または全部の公開を拒否する可能性もある。例えば、医療費に係る情報は、公開しても良いが、疾病に係る情報は公開したくないなどある。また、疾病内容によっても風邪等一般的な病名は公開しても良いが、伝染する可能性がある病名などは非公開としたい場合もある。また、処方薬に関しても、よく処方される鎮痛剤や抗生剤などは公開しても良いが、精神性の疾患に係る処方薬は公開したくないなどある。
このようなことから、医療サーバから取得する情報は、本人の希望サービスに応じて取捨選択するようにすることが望ましい。例えば、積立投資に係るサービスのみを希望する場合は、医療費等に係る情報に限定すれば良いし、健康に関するアドバイスを含むサービスを希望する場合には、疾病に係る情報や、処方薬に係る情報も取得し、取得できない情報は、アドバイス質問情報出力部でのやり取りに基づいて取得するようにすれば良い。
<実施形態3(主に請求項3に対応):構成の説明 身体健康情報履歴保持部>
【0139】
身体健康情報履歴保持部1013は、取得した身体健康情報の履歴である身体健康情報履歴を保持する。保持されている身体健康情報履歴は適当なタイミングやインターバルにて健康積み立て投信サーバに送信されるように構成することができる。健康積み立て投信サーバでは、この身体健康情報履歴に基づいて利用者の健康管理のための情報を取得し利用者端末に送信したり、健康の状況を見守るように構成されることが好ましい。
【0140】
アドバイス質問情報保持部1014は、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に応じて出力すべき疾病罹患等に基づく引落中止命令を出力するか又は/及び投資信託解約通知を出力するかに関するアドバイス又は/及び質問に関する情報であるアドバイス質問情報を利用者端末に保持する。
【0141】
図26はアドバイス質問情報の一例であり、利用者とQ&Aを行いながら、利用者の健康状態や医療費の状況を把握するための質問データや、積立を停止したほうが良いか、取り崩しをしたほうが良いかなどをアドバイスするためのアドバイスデータで構成されている。また、利用者の健康状態に対するアドバイスも含まれている。これらの質問に関する情報や、アドバイスに関する情報は利用者端末に保持されていることが前提であるが、そのコンテンツは適当なタイミングで健康積立投信サーバによって更新されてより利用者に対して適切な内容となるように構成することが好ましい。この更新は、ディープラーニングに代表されるAI(Artificial Intelligence)技術を用いるようしても良い。例えば、利用者ごとの身体健康情報に基づいてディープラーニングなどを行って質問情報やアドバイス情報をブラッシュアップして行うように構成する。つまり、過去に利用者端末から利用者に対して出力された質問情報やアドバイス情報が適切であったかは、利用者のその後の身体健康情報や、身体健康情報履歴に基づいて判断され、判断結果に基づいて質問情報やアドバイス情報の選択ルールが修正されるように構成される。あるいは質問情報やアドバイス情報の既存のものを修正して新規の質問情報やアドバイス情報としてその利用者の利用者端末に送信し保持させるように構成することができる。
<実施形態3(主に請求項3に対応):構成の説明 アドバイス質問情報出力部>
【0142】
アドバイス質問情報出力部1015は、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に基づいて保持されているアドバイス質問情報を出力する。図25の健康状態確認画面で、健康であった旨以外の選択がされた場合は、アドバイス質問情報出力部より質問を出力して、健康状態や医療費の使用状況を確認していく。そして、確認した内容に基づいて、必要なアドバイスがある場合にはアドバイスを出力する。また、質問情報としては保持されている身体健康情報履歴を所定のルールでコンピュータにより審査して疾病の可能性がある、と判断される場合には、その疾病の有無や、疾病の程度を判断するための質問を出力するように構成することが考えられる。質問はツリー構造をしており、質問に対する回答に応じて適切な次の質問が選択されて出力されるように構成することができる。
【0143】
図27は健康積立投信システムによる利用者身体健康情報取得の一例で、アドバイス質問情報出力部での質問やアドバイスの流れの一例をしめしたフロー図である。Qは、アドバイス質問情報出力部からの質問データの出力で、A:はその質問に対する利用者からの回答、AD:はアドバイス質問情報出力からのアドバイスデータの出力である。先ず、「本日の健康状態はいかがでしたか?」2701を出力して健康状態を確認する。利用者より「病院に行きました」との回答があったため、「医療費はいくらかかりましたか?」2702を表示して医療費の金額を確認する。利用者からは、「¥3,500」との回答が得られる。その後、「通院が必要ですか?」2703を表示し、さらに医療費がかかるかを確認し、利用者から「はい」が選択され通院が必要な旨が回答されている。その後、「いつまで通院続く見込みですか?」2704を出力し、通院期間の確認を行う。以上のやりとりから取得した情報で、どう対処すべきかを判定し、「今月の積立を停止したほうが良いです」2705とアドバイスを出力する。その後、「今月の積立を停止しますか?」2706と表示し、積立停止の確認を利用者から取得するようにしている。利用者は、「はい」と回答しているので、今月の積立に係る引落は中止される。
【0144】
但し、前述のようなやり取りは利用者にとって煩わし場合があり、継続的な利用が困難になる可能性がある。このため、例えば、利用者好みの声優の声を使用したり、利用者の出身地の方言を用いたりなど音声でやり取りを行うことや、利用者好みのアバターを使用するなど、モチベーションを高めるユーザーインタフェースが望ましい。また、利用者の健康意識が高まるように、運動を勧めたり、健康的な食事を勧めたりなどして、実施された場合は、称賛するなど、利用者を飽きさせないで、継続的に積立投資が継続できるような仕組みを搭載することが望ましい。なお、利用者とのやり取りに関してはLINE(登録商標)やFacebook(登録商標)などの通信アプリやSNSを利用するように構成してもよい。この場合には、SNSも本利用者端末の一部の機能を構成する。
<実施形態3(主に請求項3に対応):構成の説明 引落中止命令出力部>
【0145】
引落中止命令出力部1016は、引落中止命令を出力する。
この引落中止命令出力部は、利用者の意思による引落中止指示に基づいて、出力しても良いし、利用者の身体健康情報履歴と、アドバイス質問情報出力部によって取得した利用者の情報に基づいて、利用者端末または、健康積立投資サーバが自動で判断しても良い。
【0146】
図21にあるように、まず利用者は、利用者端末においてシステムログイン画面でシステムにログインした後、システムメニュー画面で「引落処理変更」2106ボタンをクリックする。
これにより、図28の引落処理変更ステップ1画面2800が表示される。この画面で、利用者は引落処理の中止/変更に関する情報である引落処理中止/変更情報を入力する。引落処理中止/変更情報には、引落処理中止期間の有無、引落処理中止期間の日数、引落処理再開日時、投資信託の解約の有無や、解約時の払戻金の処理(銀行預金に振り込む、定期預金とする等)と言った情報を入力し、「NEXT」ボタン2804をクリックする。これにより、図29の引落処理変更 ステップ2画面2900が表示される。なお、引落処理の中止をしない場合は、何も入力しないで、「NEXT」ボタンクリックする。図の例では、引落処理中止2801に、「あり」を選択で期間を7日間とし、引落処理中止開始日指定2802の指定を2023年8月15日からとしている。
従って、2023年8月15日から7日分の引落処理が中止される。
【0147】
図29に示す引落処理変更ステップ2画面2900では、引落の減額/増額処理2901(図の例では引落の減額)を選択し、引落処理変更後の自己負担日額(変更日額2902に「40」円/日と入力)および引落処理変更開始日2903(2023年9月14日)を入力し、「NEXT」ボタン2905をクリックすることで、引落処理の変更が利用者端末から健康積立投信サーバに対して送信される。
【0148】
なお、利用者が予め引落処理の中止判断を利用者端末又は健康積立投信サーバに一任するように登録する場合に、利用者端末ないしは健康積立投信サーバが取得し身体健康情報ないしは身体健康情報履歴と所定の引落処理中止判断ルールとに従って、自動的に引落処理を中止するように構成することもできる。この場合には、利用者はその判断をせずに、引落処理中止に対して一切介入しないように構成することもできるし、単に利用者端末や健康積立投信サーバの判断を承認、追認するように構成することもできる。承認入力受付部、追認受付部などによって構成し、承認、追認がされない場合には利用者主導によって中止処理を扱うように構成することもできる。
<実施形態3(主に請求項3に対応):構成の説明 投資信託解約通知出力部>
【0149】
投資信託解約通知出力部1017は、投資信託解約通知を出力する。
この解約通知出力は、例えば以下のように行われる。
まず利用者は、利用者端末においてシステムログイン画面でシステムにログインした後、システムメニュー画面で「投資信託変更」2104ボタンをクリックする。これにより、図30の信託変更ステップ1画面3000が表示される。
【0150】
ここでは、現在利用者が選択している選択投資信託に関する情報が表示される。そして変更処理選択3001で、解約を行うか、商品の変更を行うかを選択する。解約を選択した場合は、全部解約するか、指定した金額分を解約するかを指定する。図の例では「商品変更」が選択され、「決定」ボタンをおすことで、図31に示す投資信託変更ステップ23100が表示される。
【0151】
図31に示す投資信託変更ステップ2画面では、利用者は、変更タイプ選択3101の中から、変更する投資信託のタイプを選択する。図の例では、リスクとリターンで分類されるような投資信託のタイプが表示され、商品タイプを選択したら、「決定」ボタン3103をクリックする。図の例では、現在ミドルリスク・ミドルリターンの「ピースベストジャパン」に対して積立を行っているが、ハイリスク・ハイリターンの投資信託の積立に変更するため、「ハイリスク・ハイリターン」のボタンを選択し「決定」ボタンをクリックした。これにより、図32の信託変更ステップ3画面3200が表示される。
【0152】
ここでは、投資信託変更ステップ2画面でタイプの投資信託が表示される。図の例では選択されたハイリスク・ハイリターン型の投資信託が複数表示されている。利用者はこのうち、積立を行いたい投資信託を変更投資信託3201の中から選択し、「決定」ボタン3203をクリックする。これにより、現在の投資信託の解約と、新たな投資信託の購入手続きを行う旨の通知が利用者端末より健康積立投信サーバに対して出力される。図の例ではハイリスク・ハイリターン型の投資信託である「日本勝負ファンド」を選択し、「決定」ボタンをクリックした。これにより、「ピースジャパンベスト」の解約と「日本勝負ファンド」の購入手続きの通知が利用者端末から健康積立投信サーバに対して出力される。
<実施形態3(主に請求項3に対応):構成の説明 運用状況情報取得部>
【0153】
運用状況情報取得部1018は、運用状況情報を取得する。
健康積立投信サーバに対して、運用状況情報の取得を要求する。要求を受けた健康積立投信サーバの運用状況情報取得部は、運用会社から運用状況情報を取得し、運用状況情報出力部で、利用者端末に対して、運用状況情報をネットワーク経由で出力し、利用者端末は、その情報を取得する。取得した運用状況情報の閲覧は、実施形態2で説明したとおり、例えば図33図34で示されるような形式で表示される。
<実施形態3(主に請求項6に対応):動作方法>
【0154】
以上が健康積立投信システムの構成であるが、本発明の健康積立投信システムは、動作方法やプログラムとしても実現可能であり、本発明の範囲に含まれる。本実施形態3の健康積立投信システムの動作方法は、実施形態1及び実施形態2の健康積立投信システムに加えて、利用者端末をさらに有し、利用者の身体の健康に関する情報である身体健康情報を取得する身体健康情報取得ステップ1102と、取得した身体健康情報の履歴である身体健康情報履歴を保持する身体健康情報履歴保持ステップ1103と、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に応じて出力すべき疾病罹患等に基づく引落中止命令を出力するか又は/及び投資信託解約通知を出力するかに関するアドバイス又は/及び質問に関する情報であるアドバイス質問情報を保持するアドバイス質問情報保持ステップ1101と、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に基づいて保持されているアドバイス質問情報を出力するアドバイス質問情報出力ステップ1105と、引落中止命令を出力するための引落中止命令出力ステップ1107と、投資信託解約通知を出力するための投資信託解約通知出力ステップ1109と、運用状況情報を取得する運用状況情報取得ステップ1304とをさらに有する動作方法である。
【0155】
ハードウエア的構成は、図12に示すように、実施形態1および2と同様、年齢別自己負担日額情報保持プログラム1206と、登録情報入力受付プログラム1207と、登録情報保持プログラム1208と、引落処理プログラム1209と、投資信託資金処理プログラム1210と、引落中止減額命令取得プログラ1211と、引落処理中止減額プログラム1212と、投資信託解約通知取得プログラム1213と、投資信託解約処理プログラム1214を不揮発性メモリに保持し、これをCPUが呼び出しメインメモリに格納し実行する。これに加えて、利用者端末1200は、CPU1201と、バス1202、不揮発性メモリ(例えばハードディスク、SSD)1203と主メモリ1204とI/O1205とを有する。また、不揮発性メモリはオペレーティングシステムとデバイス・ドライバーを備え、利用者の身体の健康に関する情報である身体健康情報を取得する身体健康情報取得プログラム1215と、取得した身体健康情報の履歴である身体健康情報履歴を保持する身体健康情報履歴保持プログラム1216と、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に応じて出力すべき疾病罹患等に基づく引落中止命令を出力するか又は/及び投資信託解約通知を出力するかに関するアドバイス又は/及び質問に関する情報であるアドバイス質問情報を保持するアドバイス質問情報保持プログラム1217と、取得した身体健康情報又は身体健康情報履歴に基づいて保持されているアドバイス質問情報を出力するアドバイス質問情報出力プログラム1218と、引落中止命令を出力するための引落中止命令出力プログラム1219と、投資信託解約通知を出力するための投資信託解約通知出力プログラム1220と、運用状況情報を取得する運用状況情報取得プログラム1221を保持し、これをCPUが呼び出しメインメモリに格納し、実行する。



【0156】
図13は、利用者端末の基本制御の流れを示すフローチャートであり、利用者端末でプログラムが起動すると先ずメインメニューを表示するメインメニュー表示ステップ(S1301)が実行される。図21はメインメニューの一例であり、各種処理を選択するボタンがあり利用者が所望の処理を選択できるようになっており、利用者のメニュー操作を待つメニュー選択ステップ(S1302)を実行する。利用者端末は、スマートフォンやタブレット端末が考えられるが、この場合、タッチパネルによる入力が一般的であるので、利用者は所望のメニューを指でタッチする操作を行う。利用者端末がPCの場合は、マウス操作によるクリックが入力操作となる。
【0157】
図21のシステムメニューで、選択されたメニューが運用状況閲覧2101である場合(S1303)、健康積立投信サーバから運用状況を取得するための要求を通知し、運用状況に係る情報を取得する運用状況取得ステップ(S1304)を実行する。運用状況の取得要求は、利用者の識別情報であるユーザーIDを関連付けて送信する。取得した運用状況は運用状況出力ステップ(S1305)を実行し、図33に示すようなポートフォリオで表示したり、図34のように運用経過を時系列が把握できるグラフで表示したりする。表示方法は、この2種類に限らず、利用者の選択に応じて、様々な表示形式で表示されることが望ましい。
【0158】
図21のシステムメニューで、選択されたメニューが、登録情報閲覧2102が選択された場合は(S1306)、登録情報として設定された内容を表示する登録情報出力ステップ(S1307)を実行する。図23は登録情報表示の一例で、登録情報表示画面2300に登録情報表示2301があり、確認ができたら確認ボタン2302を押して終了するとメニュー画面に戻る。
【0159】
図21のシステムメニューで、選択されたメニューが登録情報編集2103であった場合は(S1308)、登録情報の編出を行う登録情報編集ステップ(S1309)を実行する。画面は、閲覧画面と同様に図23のような表示で、各情報は編集可能になっている。各情報を編出して終了することで、登録内容の変更ができる。ただし、登録内容は重要な情報なので誤って変更されたり、不正アクセスにより変更されるなどあってはならないので、例えばパスワードなどを用いて、確認後に編集内容が反映されるようにすることが望ましい。
【0160】
図21のシステムメニューで、選択されたメニューが、投資信託変更2104であった場合(S1310)、投資信託変更の銘柄や買付比率等を変更する投資信託変更ステップ(S1311)を実行する。ここでは、所望の投資信託を解約したり、商品を変更したりすることができる。先ず、図30の投資信託変更画面ステップ1 3000が表示され、変更内容選択3001を入力し、決定ボタン3003を押すことで内容が確定される。例えば、解約を選択し、全部または、いくら分かを指定して決定ボタンを押すことで、指定金額分の投資信託の解約が実施される。また、商品変更を選択した場合は、図31の投資信託変更ステップ2 3100の画面に移行する。なお、BACKボタン3002を押すとメインメニューの画面に戻る。
【0161】
図30の例では、商品変更が選択され、決定ボタン3003が押されて、投資信託変更ステップ2の画面に移行している。ここでは、どのようなタイプの投資信託に変更するかを選択するが、図30の例では、ハイリスクハイリターンが選択されている。ここで決定ボタン3103が押されれば、図32の投資信託変更ステップ3の画面に移行する。なお、BACKボタン3102が選択されると、ステップ1の画面に戻る。図32の投資信託変更ステップ3の画面では、日本勝負ファンドが選択されている。ここで、決定3203を押すことで、積立対象の投資信託が、ピースベストジャパンから日本勝負ファンドに切り替わる。以上のようにして指定された、投資信託の解約または変更は、投資信託変更指示として健康積立投信サーバに送信される。
【0162】
選択されたメニューが、引落情報表示2105であった場合(S1312)、引落情報を表示する引落情報表示ステップ(S1313)を実行する。引落情報の表示は、図22の引落情報表示画面に示すような画面である。
【0163】
選択されたメニューが、引落処理変更2106であった場合(S1314)、引落処理の変更を行う引落変更処理ステップ(S1315)を実行する。引落変更処理とは、引落の一時中止や、引落額の変更などを利用者が指定する処理である。先ず、図28のような、引落処理変更ステップ1の画面2800を表示し、引落の中止を確認している。中止しない場合はそのまま、NEXT2804を押して次に行く。図28の例では、2023年8月15日から7日間分の引落中止を指定している。本例では、日割りで自己負担日額を計算しているので、7日分減額した額を次回引落から減額するようにする。
【0164】
つぎに、引落変更ステップ2では、引落金額の減額または増額を指定している。図29の例では現在60.2円の自己負担日額を40円に減算して、2023年9月14日から減額するよに指定している。ここで「NEXT」ボタン2905を押すことで、引落の変更が受け付けられ、健康積立投信サーバに、引落中止減額命令として送信される。
【0165】
以上述べてきたように、利用者端末では、メニュー操作に応じて、運用状況の確認や引落の停止・減額、投資信託の解約などサービスとして提供されるすべての機能を操作することができる。
【0166】
図11は、利用者端末で定期的に行われる利用者の健康情報を取得してサービスを提供する処理に係るフローチャートである。この処理は、例えば、1日の終わり(夜8時頃)に起動して、利用者の入力を促して、利用者の健康状態を取得するものである。従って、タイマー処理により起動するようにしても良い。
【0167】
まず、開始したら、アドバイス質問情報を内部メモリに保持するアドバイス質問情報保持ステップ(S1101)を実行する。この処理は、アドバイス質問情報を不揮発性メモリに記録することで毎回おこなう必要はなく、更新があった場合のみ行うようにすれば良い。アドバイス質問情報に関しては、プログラムのアップグレードや、利用者の健康状態により常に最適に更新される必要がある。
【0168】
その後、図25の利用者健康状態確認画面を表示して、利用者のその日の健康状態を取得する身体健康情報取得ステップ(S1102)を実行する。利用者の健康状態が取得されたら、回答内容を確認し「健康でした」が選択された場合は(S1103で「N」を選択)、そのまま、身体健康情報保持ステップ(S1109)に移行する。
利用者の健康状態の確認が必要と判断した場合(S1103で「Y」を選択)図27の健康積立投信システムによる利用者身体健康情報取得の一例に示すようなQ&Aを繰り返して、利用者の健康状態や使用した医療費に関する情報を取得するアドバイス質問情報出力ステップ(S1104)を実行する。このやり取りで、引落を中止するとの利用者の意向があった場合は(S1105)、引落の中止または減額を指示する引落中止命令を健康積立投信サーバに出力する引落中止命令出力ステップ(S1106)を実行する。また、投資信託の解約をするとの利用者の意向があった場合は(S1107)、投資信託の解約をする旨と、解約数量に係る情報を通知する投資信託解約通知を健康積立投信サーバに送信する投資信託解約通知ステップ(S1108)を実行する。
【0169】
最後に、利用者の健康状態や、アドバイス質問情報出力ステップで取得した、医療費に係る情報などをメモリに記録する身体健康情報保持ステップを実行する。ここでの記録は、不揮発性メモリに記録されることが望ましい。
【0170】
以上述べてきたように、利用者のスマートフォンなどにインストールされたアプリから、決まった時間に利用者の健康状態等を確認し、やり取りをしながら、積立を停止するかや投資信託を解約するかなどを利用者に判断しやすくしている。これにより、最適な運用と資金のやりくりが手間なく行えるようになる。
<実施形態3(主に請求項3に対応):効果>
【0171】
本実施形態により、利用者は、自身のコンピュータ端末やスマートフォンにより、随時投資信託の解約/変更、引落処理の変更/中止といった処理を行うことができる。また、利用者は健康に関するアドバイスを受けたり、健康や投資信託などに関する質問を行ったりすることが可能となり、積立に関する意思決定に資する情報を得ることが可能となる。こうした機能により、利用者は、より自身の意思を反映させた積立を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0172】
健康積立投信サーバ 0400、0700、1000
年齢別自己負担日額情報保持部 0401、0701、1001
登録情報入力受付部 0402、0702、1002
登録情報保持部 0403、0703、1003
引落処理部 0404、0704、1004
投資信託資金処理部 0405、0705、1005
引落中止減額命令取得部 0406、0706、1006
引落処理中止減額部 0407、0707、1007
投資信託解約通知取得部 0408、0708、1008
投資信託解約処理部 0409、0709、1009
運用状況情報取得部 0710
運用状況情報出力部 0711
利用者端末 1019
身体健康情報取得部 1012
身体健康情報履歴保持部 1013
アドバイス質問情報保持部 1014
アドバイス質問情報出力部 1015
引落中止命令出力部 1016
投資信託解約通知出力部 1017
運用状況情報取得部 1018
年齢別自己負担日額情報保持ステップ S0502、S0802
登録情報入力受付ステップ S0503、S0803
登録情報保持ステップ S0504、S0804
引落処理ステップ S0506、S0806
投資信託資金処理ステップ S0507、S0807
引落中止減額命令取得ステップ S0508、S0808
引落処理中止減額ステップ S0509、S0809
投資信託解約通知取得ステップ S0510、S0810
投資信託解約処理ステップ S0511、S0811
運用状況情報取得ステップ S0822
運用状況情報出力ステップ S0823
身体健康情報取得ステップ S1102
身体健康情報履歴保持ステップ S1109
アドバイス質問情報保持ステップ S1101
アドバイス質問情報出力ステップ S1104
引落中止命令出力ステップ S1106
投資信託解約通知出力ステップ S1108
メインメニュー表示ステップ S1308
メニュー選択ステップ S1302
運用状況情報取得ステップ S1304
運用状況情報出力ステップ S1305
登録情報出力ステップ S1307
登録情報編集ステップ S1309
投資信託変更ステップ S1311
引落情報表示ステップ S1313
引落処理変更ステップ S1315
CPU 0601、0901、1201
バス 0602、0902、1202
不揮発性メモリ 0603、0903、1203
主メモリ 0604、0904、1204
I/O 0605、0905、1205
年齢別自己負担日額情報保持プログラム 0606、0906
登録情報入力受付プログラム 0607、0907
登録情報保持プログラム 0608、0908
引落処理プログラム 0609、0909
投資信託資金処理プログラム 0610、0910
引落中止減額命令取得プログラム 0611、0911
引落処理中止減額プログラム 0612、0912
投資信託解約通知取得プログラム 0613、0913
投資信託解約処理プログラム 0614、0914
運用状況情報取得プログラム 0915
運用状況情報出力プログラム 0916
身体健康情報取得プログラム 1215
身体健康情報履歴保持プログラム 1216
アドバイス質問情報保持プログラム 1217
アドバイス質問情報出力プログラム 1218
引落中止命令出力プログラム 1219
投資信託解約通知出力プログラム 1220
運用状況情報取得プログラム 1221
健康積立投信システム 3500、3700
信託資金 3501、3701
保有投資信託 3502、3702
投資信託資金処理部 3505、3705
引落処理部 3504
投資信託解約通知取得部 3708
投資信託解約処理部 3709
運用会社 3520、3530、3540、3720
利用者 3550
銀行口座 3560

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37