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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】スマートバッテリーパック及び検測方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20240827BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240827BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240827BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240827BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240827BHJP
   B60L 53/80 20190101ALI20240827BHJP
【FI】
H01M50/204 401D
H02J7/00 Y
H02J7/00 U
H02J7/00 P
H01M10/48 301
H01M50/249
B60L50/60
B60L53/80
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021504534
(86)(22)【出願日】2019-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 CN2019097819
(87)【国際公開番号】W WO2020020323
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】201810847285.0
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519236398
【氏名又は名称】奥動新能源汽車科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】AULTON NEW ENERGY AUTOMOTIVE TECHNOLOGY GROUP
【住所又は居所原語表記】Block 1, Room 606, No. 1 Yichuang Street, China-Singapore Guangzhou Knowledge City, Huangpu District, Guangzhou, Guangdong 510700, China
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チエンピン
(72)【発明者】
【氏名】ルー、ウェンチョン
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106314178(CN,A)
【文献】国際公開第2018/030704(WO,A1)
【文献】特開2006-073527(JP,A)
【文献】特開2014-127386(JP,A)
【文献】国際公開第2012/105530(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/204
H02J 7/00
H01M 10/48
H01M 50/249
B60L 50/60
B60L 53/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーパック組立体、前記バッテリーパック組立体に設置される状態検測モジュール、及び、前記状態検測モジュールに通信接続されるBMSを備え、
前記状態検測モジュールは、前記バッテリーパック組立体の状態情報を取得して前記状態情報を前記BMSに送信することに用いられ、
前記状態情報は、自動車における前記バッテリーパック組立体の位置情報を含み、
前記状態検測モジュールは、具体的に、自体が検測する応力の方向及び応力の大きさに基づいて、前記自動車における前記バッテリーパック組立体の位置情報を取得することに用いられることを特徴とするスマートバッテリーパック。
【請求項2】
前記状態情報は、前記バッテリーパック組立体のバッテリーパック体の温度情報をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載のスマートバッテリーパック。
【請求項3】
前記バッテリーパック組立体は、前記バッテリーパック体及び前記バッテリーパック体に設置される接続部材を備え、
前記状態検測モジュールは、検知ヘッドが前記接続部材に設置される第一状態検測手段を備える、ことを特徴とする請求項に記載のスマートバッテリーパック。
【請求項4】
前記第一状態検測手段は、
前記スマートバッテリーパックが前記自動車に搭載されている場合に、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第一閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記スマートバッテリーパックの搭載方向と同じであると、前記自動車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が、搭載際における所定の目標位置となる旨であるようにする、
又は、前記スマートバッテリーパックが前記自動車に搭載されている場合に、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第二閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が重力方向と反対すると、前記自動車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が搭載済みの目標位置となる旨であるようにすることに用いられる、ことを特徴とする請求項に記載のスマートバッテリーパック。
【請求項5】
前記バッテリーパック組立体は、前記バッテリーパック体及び前記バッテリーパック体に設置される接続部材を備え、前記状態検測モジュールは、検知ヘッドが前記バッテリーパック組立体と前記自動車との当接面に設置される第二状態検測手段を備え、
前記第二状態検測手段は、
前記スマートバッテリーパックが前記自動車に搭載されている場合に、前記当接面が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第三閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記バッテリーパック体に沿って外側に向かう方向であると、前記自動車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が、搭載済みの位置に保持され前記自動車に近接して接続される旨であるようにすることに用いられる、ことを特徴とする請求項に記載のスマートバッテリーパック。
【請求項6】
前記状態検測モジュールは、ファイバグレーチングセンサーにより実現される、ことを特徴とする請求項1に記載のスマートバッテリーパック。
【請求項7】
前記BMSは、前記状態情報を記憶し、前記状態情報の受信時間を記録することに用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載のスマートバッテリーパック。
【請求項8】
前記スマートバッテリーパックは、前記BMSに通信接続される通信モジュールをさらに備え、
前記BMSは、前記通信モジュールにより、前記状態情報を遠隔検知装置に送信する、ことを特徴とする請求項1に記載のスマートバッテリーパック。
【請求項9】
前記スマートバッテリーパックは、前記BMSに通信接続されるデータ転送インターフェースをさらに備え、
前記BMSは、前記データ転送インターフェースにより、前記状態情報をVCUに送信し、或いは、前記データ転送インターフェースの装置にアクセスする、ことを特徴とする請求項1に記載のスマートバッテリーパック。
【請求項10】
請求項1に記載のスマートバッテリーパックにより実現されるスマートバッテリーパック検測方法であって、
状態検測モジュールがバッテリーパック組立体の状態情報を取得して状態情報をBMSに送信することを備え
状態検測モジュールがバッテリーパック組立体の状態情報を取得することは、
自体が検測する応力の方向及び応力の大きさに基づいて、前記自動車における前記バッテリーパック組立体の位置情報を取得することであることを特徴とするスマートバッテリーパック検測方法。
【請求項11】
前記状態情報は、自動車における前記バッテリーパック組立体の位置情報及び/或いは前記バッテリーパック組立体のバッテリーパック体の温度情報を備える、ことを特徴とする請求項10に記載のスマートバッテリーパック検測方法。
【請求項12】
前記バッテリーパック組立体は、前記バッテリーパック体及び前記バッテリーパック体に設置される接続部材を備え、前記状態検測モジュールは、検知ヘッドが前記接続部材に設置される第一状態検測手段を備える、ことを特徴とする請求項11に記載のスマートバッテリーパック検測方法。
【請求項13】
自体が検測する応力の方向及び応力の大きさに基づいて、前記自動車における前記バッテリーパック組立体の位置情報を取得することは、
前記第一状態検測手段は、前記スマートバッテリーパックが前記自動車に搭載される場合に、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第一閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記スマートバッテリーパックの搭載方向と同じであると、前記自動車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が、搭載際における所定の目標位置となる旨であるようにすることを備える、
又は、前記第一状態検測手段は、前記スマートバッテリーパックが前記自動車に搭載されている場合に、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第二閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が重力方向と反対すると、前記自動車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が搭載済みの目標位置となる旨であるようにすることを備える、ことを特徴とする請求項12に記載のスマートバッテリーパック検測方法。
【請求項14】
前記バッテリーパック組立体は、前記バッテリーパック体及び前記バッテリーパック体に設置される接続部材を備え、前記状態検測モジュールは、検知ヘッドが前記バッテリーパック組立体と前記自動車との当接面に設置される第二状態検測手段を備え、
自体が検測する応力の方向及び応力の大きさに基づいて、前記自動車における前記バッテリーパック組立体の位置情報を取得することは、
前記第二状態検測手段は、前記スマートバッテリーパックが前記自動車に搭載されている場合に、前記当接面に生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第三閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記スマートバッテリーパックの胴体に沿って外側に向かう方向であると、前記自動車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が、搭載済みの位置に保持され前記自動車に近接して接続される旨であるようにすることを備える、ことを特徴とする請求項11に記載のスマートバッテリーパック検測方法。
【請求項15】
前記状態検測モジュールは、ファイバグレーチングセンサーにより実現される、ことを特徴とする請求項10に記載のスマートバッテリーパック検測方法。
【請求項16】
前記スマートバッテリーパック検測方法は、
前記BMSが前記状態情報を記憶し、前記状態情報の受信時間を記録することをさらに備える、ことを特徴とする請求項10に記載のスマートバッテリーパック検測方法。
【請求項17】
前記スマートバッテリーパックは、前記BMSに通信接続される通信モジュールをさらに備え、
前記スマートバッテリーパック検測方法は、前記BMSが前記通信モジュールにより前記状態情報を遠隔検知装置に送信することをさらに備える、ことを特徴とする請求項10に記載のスマートバッテリーパック検測方法。
【請求項18】
前記スマートバッテリーパックは、前記BMSに通信接続されるデータ転送インターフェースをさらに備え、
前記スマートバッテリーパック検測方法は、前記BMSが前記データ転送インターフェースにより前記状態情報をVCUに送信し、或いは、前記データ転送インターフェースの装置にアクセスすることをさらに備える、ことを特徴とする請求項10に記載のスマートバッテリーパック検測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートバッテリーパック及び検測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車が消費者に人気を集めるにつれて、自動車のバッテリーは、電気自動車に動力源として安定して稼働することが電気自動車の安全性能にとって鍵となっている。バッテリーパックを車に搭載する過程では、バッテリー交換装置を搭載する精度に限界があることから、バッテリーパックが十分や確実に搭載されない場合に、バッテリーを交換することが不具合となり、または、バッテリーパックにより車に電力を提供できない恐れがある。車が走行している過程では、道路の表面が揺れすぎ、又は、バッテリーパックと車主体の接続部材との接続が確実でない場合に、バッテリーパックが下落してしまうことがある。上記した場合が一旦発生すると、車、ひいては、乗員にとって極めて悪く、危なくなる。そして、バッテリーパックが十分に搭載されているか、下落しているかを検知することが十分に必要となっている。
【0003】
現在に、バッテリーを交換する過程では、バッテリーパックが十分に搭載されているかを検知することは、一般的に、バッテリー交換装置自体或いはバッテリーパック以外の他の装置により実現されえる。しかしながら、バッテリーが交換された後に、バッテリーパックが下落しているかどうかを検知するということは、一般的に、車が通電されているかどうかによって判断され、車が通電されていない場合に、バッテリーパックが下落していると判断する一方、車が通電されている場合に、バッテリーパックが下落していないと判断する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した検知の形態は、バッテリー交換装置により実現されたり、車内に位置する回路の検測により実現されたりすることができるものの、バッテリーパック自体に検測の機能を有していないことから、極めて不便となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする技術問題は、従来技術において、バッテリーパックが十分に搭載されているか或いは下落しているかということを検知できないバッテリーパック自体の欠陥を解決するために、スマートバッテリーパック及び検測方法を提供する。
【0006】
本発明は、以下の技術手段を用いて、上記した課題を解決する。本発明は、バッテリーパック組立体、前記バッテリーパック組立体に設置される状態検測モジュール、及び、前記状態検測モジュールに通信接続されるBMS(バッテリー管理システム)を備え、前記状態検測モジュールは、前記バッテリーパック組立体の状態情報を取得して、前記状態情報を前記BMSに送信することに用いられるスマートバッテリーパックを提供する。
【0007】
好ましくは、前記状態情報は、車における前記バッテリーパック組立体の位置情報及び/或いは前記バッテリーパック体の温度情報を備える。
【0008】
好ましくは、前記状態検測モジュールは、具体的に、自体が検測する応力の方向及び応力の大きさに基づいて、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報を取得することに用いられる。
【0009】
好ましくは、前記バッテリーパック組立体は、バッテリーパック体及び前記バッテリーパック体に設置される接続部材を備え、前記状態検測モジュールは、検知ヘッドが前記接続部材に設置される第一状態検測手段を備える。
【0010】
好ましくは、前記第一状態検測手段は、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載される場合に、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第一閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記スマートバッテリーパックの搭載方向と同じであると、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が、搭載際における所定の目標位置となる旨であるようにすることに用いられる。
【0011】
好ましくは、前記第一状態検測手段は、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載されている場合に、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第二閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が重力方向と反対すると、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が搭載済みの目標位置となる旨であるようにすることに用いられる。
【0012】
好ましくは、前記バッテリーパック組立体は、バッテリーパック体及び前記バッテリーパック体に設置される接続部材を備え、前記状態検測モジュールは、検知ヘッドが前記バッテリーパック組立体と前記車との当接面に設置される第二状態検測手段を備え、前記第二状態検測手段は、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載されている場合に、前記当接面が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第三閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記バッテリーパック体に沿って外側に向かう方向であると、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が、搭載済みの位置に保持され前記車に近接して接続される旨であるようにすることに用いられる。
【0013】
好ましくは、前記状態検測モジュールは、ファイバグレーチングセンサーにより実現される。
【0014】
好ましくは、前記BMSは、前記状態情報を記憶し、前記状態情報の受信時間を記録することに用いられる。
【0015】
好ましくは、前記スマートバッテリーパックは、前記BMSに通信接続される通信モジュールをさらに備え、前記BMSは、前記通信モジュールにより、前記状態情報を遠隔検知装置に送信する。
【0016】
好ましくは、前記スマートバッテリーパックは、前記BMSに通信接続されるデータ転送インターフェースをさらに備え、前記BMSは、前記データ転送インターフェースにより、前記状態情報をVCUに送信し、或いは、前記データ転送インターフェースの装置にアクセスする。
【0017】
本発明は、上記したスマートバッテリーパックにより実現されるスマートバッテリーパック検測方法であって、状態検測モジュールがバッテリーパック組立体の状態情報を取得して状態情報をBMSに送信することを備えるスマートバッテリーパック検測方法を、さらに提供する。
【0018】
好ましくは、前記状態情報は、車における前記バッテリーパック組立体の位置情報及び/或いは前記バッテリーパック体の温度情報を備える。
【0019】
好ましくは、状態検測モジュールがバッテリーパック組立体の状態情報を取得することは、自体が検測する応力の方向及び応力の大きさに基づいて、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報を取得することを備える。
【0020】
好ましくは、前記バッテリーパック組立体は、バッテリーパック体及び前記バッテリーパック体に設置される接続部材を備え、前記状態検測モジュールは、検知ヘッドが前記接続部材に設置される第一状態検測手段を備える。
【0021】
好ましくは、自体が検測する応力の方向及び応力の大きさに基づいて、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報を取得することは、前記第一状態検測手段は、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載される場合に、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第一閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記スマートバッテリーパックの搭載方向と同じであると、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が、搭載際における所定の目標位置となっている旨であるようにすることを備える。
【0022】
好ましくは、自体が検測する応力の方向及び応力の大きさに基づいて、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報を取得することは、前記第一状態検測手段は、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載されている場合に、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第二閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が重力方向と反対すると、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が搭載済みの目標位置となる旨であるようにすることを備える。
【0023】
好ましくは、前記バッテリーパック組立体は、バッテリーパック体及び前記バッテリーパック体に設置される接続部材を備え、前記状態検測モジュールは、検知ヘッドが前記バッテリーパック組立体と前記車との当接面に設置される第二状態検測手段を備え、自体が検測する応力の方向及び応力の大きさに基づいて、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報を取得することは、前記第二状態検測手段は、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載されている場合に、前記当接面に生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第三閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記バッテリーパックの胴体に沿って外側に向かう方向であると、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が、搭載済みの位置に保持され前記車に近接して接続される旨であるようにすることを備える。
【0024】
好ましくは、前記状態検測モジュールは、ファイバグレーチングセンサーにより実現される。
【0025】
好ましくは、前記スマートバッテリーパック検測方法は、前記BMSが前記状態情報を記憶し、前記状態情報の受信時間を記録することをさらに備える。
【0026】
好ましくは、前記スマートバッテリーパックは、前記BMSに通信接続される通信モジュールをさらに備え、前記スマートバッテリーパック検測方法は、前記BMSが前記通信モジュールにより前記状態情報を遠隔検知装置に送信することをさらに備える。
【0027】
好ましくは、前記スマートバッテリーパックは、前記BMSに通信接続されるデータ転送インターフェースをさらに備え、前記スマートバッテリーパック検測方法は、前記BMSが前記データ転送インターフェースにより前記状態情報をVCUに送信し、或いは、前記データ転送インターフェースの装置にアクセスすることをさらに備える。
【0028】
本分野の常識に基づいて上記した好ましい各条件を任意に組み合わせると、本発明における好ましい各実施例を得ることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明による積極的な進歩・効果は、本発明に係るスマートバッテリーパック及び検測方法によると、バッテリーパック自体によりその状態情報を検測することができ、例えば、バッテリーパックが十分に搭載されているか或いは下落しているかを検測することができることから、他の装置を設置したり、車に検測回路を専ら設置したりする必要が無くなるということにある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施例1に係るスマートバッテリーパックの模式図である。
図2】本発明の実施例2に係るスマートバッテリーパック検測方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に実施例の形態に基づいて本発明をさらに詳しく説明していくが、本発明が上記した実施例による範囲に限定されるわけではない。
【0032】
実施例1
スマートバッテリーパックは、図1に示されるように、バッテリーパック組立体11、状態検測モジュール12及びBMS13を備える。前記状態検測モジュール12は、前記バッテリーパック組立体11に設置され、前記状態検測モジュール12は、前記BMS13に通信接続される。そのうち、前記通信接続は、有線を介する通信接続であることが好ましい。
【0033】
前記状態検測モジュール12は、前記バッテリーパック組立体11の状態情報を取得し、前記状態情報を前記BMS13に送信することに用いられる。
【0034】
本実施例では、前記バッテリーパック組立体11は、バッテリーパック体及び前記バッテリーパック体に設置される接続部材を備える。本発明は、前記バッテリーパック体及び前記接続部材についての具体的な構成が限定されていない。
【0035】
前記状態情報は、車における前記バッテリーパック組立体11の位置情報を備えてもよい。
【0036】
そのうち、車における前記バッテリーパック組立体11の位置情報を取得するために、前記状態検測モジュール12は、具体的に、自体が検測する応力の方向及び応力の大きさに基づいて、前記車における前記バッテリーパック組立体11の位置情報を取得することに用いられる。
【0037】
具体的に、前記状態検測モジュール12は、検知ヘッドが前記接続部材に設置される第一状態検測手段121を備えてもよい。
【0038】
前記第一状態検測手段121は、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載される場合に、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第一閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記スマートバッテリーパックの搭載方向と同じであると、前記車における前記バッテリーパック組立体11の位置情報が搭載際における所定の目標位置となる旨であるようにすることに用いられてもよい。そのうち、第一閾値が所定の経験値とされる。
【0039】
例えば、車の底部にバッテリー外部ケースが設置され、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載される場合には、バッテリーの外部ケースの構成によって搭載際の所定過程も異なることがある。
【0040】
第一の搭載の所定過程は、バッテリー交換装置により車の下方から上向きに前記スマートバッテリーパックを持ち上げるということであり、ここで、搭載の所定過程においては、スマートバッテリーパックを搭載する方向が上向きとなり、目標位置がバッテリー外部ケース内の最も先端部として設置される。バッテリーパック組立体11が目標位置に達すると、ボルトやナットなどの接続部材によりスマートバッテリーパックをバッテリー外部ケースに接続して、前記目標位置に固定する。前記第一状態検測手段121は、前記バッテリー交換装置により上向きに前記スマートバッテリーパックを持ち上げる過程において、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第一閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が上向きであると、前記バッテリーパック組立体11がバッテリー外部ケース内における最も先端部に設置される目標位置となると判断する。
【0041】
第二の搭載の所定過程は、バッテリー交換装置により車の下方から上向きに前記スマートバッテリーパックを持ち上げる第一段階、及び、バッテリー交換装置により水平方向に沿って前方へ前記スマートバッテリーパックを移動する第二段階という二つの段階に分かれる。第一段階では、スマートバッテリーパックを搭載する方向が上向きとなり、目標位置がバッテリー外部ケース内における最も先端部として設置され、第二段階では、スマートバッテリーパックを搭載する方向が水平方向に沿う前方となり、目標位置がバッテリー外部ケース内における最も先端(車両前頭部の方向を前方とする)として設置される。バッテリーパック組立体11は、第二段階の目標位置に達するとロックシャフト或いは他の接続部材により、スマートバッテリーパックをバッテリー外部ケースに接続し前記目標位置に固定する。第一段階を実施している過程では、前記第一状態検測手段121は、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさがある閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が上向きであると、前記バッテリーパック組立体11がバッテリー外部ケース内における最も先端部に設置される目標位置となる。第二段階を実施している過程では、前記第一状態検測手段121は、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさがある閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が水平方向に沿う前方であると、前記バッテリーパック組立体11がバッテリー外部ケース内における最も先端に設置される目標位置となる。
【0042】
前記第一状態検測手段121は、さらに、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載されている場合に、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第二閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が重力方向と反対すると、前記車における前記バッテリーパック組立体11の位置情報が搭載済みの目標位置となるようにすることに用いられる。そのうち、第二閾値が所定の経験値とされる。
【0043】
また、上記した第一の搭載の所定過程を例とすると、搭載済みの目標位置がバッテリー外部ケース内における最も先端部として設置される。前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載されている場合に、バッテリーパック組立体11が搭載済みの目標位置となると、バッテリーパック組立体が一定の重さを有していることから、バッテリーパック組立体が下向きに加わる重力が接続部材に加われ、バッテリーパック組立体を支持するように、上向きする応力が接続部材に生じ、一方、バッテリーパック組立体が搭載済みの目標位置とならない場合に、上向きする応力が接続部材に生じなく、或いは、たとえ応力が生じてもその応力の大きさが十分ではない。そして、前記第一状態検測手段121の検知ヘッドが接続部材に設置されることから、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記バッテリーパック組立体11が搭載済みの目標位置となるかどうかを判断でき、つまり、前記応力の大きさが第二閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が上向きであると判断すると、前記バッテリーパック組立体11が搭載済みの目標位置となる。
【0044】
上記した第二の搭載の所定過程を例とすると、搭載済みの目標位置がバッテリー外部ケース内における鉛直方向の最も先端部及び水平方向の最も先端として設置される。前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載されている場合に、バッテリーパック組立体11が搭載済みの目標位置となると、バッテリーパック組立体が一定の重さを有していることから、バッテリーパック組立体が下向きに加わる重力が接続部材に加われ、バッテリーパック組立体を支持するように、上向きする応力が接続部材に生じ、一方、バッテリーパック組立体が搭載済みの目標位置とならないと、上向きする応力が接続部材に生じなく、或いは、たとえ応力が生じてもその応力の大きさが十分ではない。そして、前記第一状態検測手段121の検知ヘッドが接続部材に設置されることから、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記バッテリーパック組立体11が搭載済みの目標位置となるかどうかを判断でき、つまり、前記応力の大きさが第二閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が上向きであると、前記バッテリーパック組立体11が搭載済みの目標位置となる。
【0045】
さらに、前記状態検測モジュール12は、検知ヘッドが前記バッテリーパック組立体11と前記車との当接面に設置される第二状態検測手段122をさらに備えてもよい。そのうち、前記当接面は、前記バッテリーパック組立体11と前記車との当接形態により決められ、具体的な当接形態は、側面の当接や天井面の当接などであってもよく、対応する当接面は、バッテリーパック組立体11の側面や天井面などである。
【0046】
前記第二状態検測手段122は、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載されている場合に、前記当接面に生じる応力の方向及び応力の大きさを前記検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第三閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記バッテリーパックの胴体に沿って外側に向かう方向であると、前記車における前記バッテリーパック組立体11の位置情報が搭載済みの位置に保持され前記車と近接して接続される旨となるようにすることに用いられる。そのうち、第三閾値が所定の経験値とされる。
【0047】
例えば、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載されている場合に、バッテリーパック組立体11の前側面が車内におけるバッテリー外部ケースと対応する前方内側面に当接し、バッテリーパック組立体11の天井面が車内におけるバッテリー外部ケースと対応する天井内側面に当接する。バッテリーパック組立体11の前側面に設置される第二状態検測手段122は、検知ヘッドにより検測された前側面に生じる応力の大きさが対応する閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記バッテリーパックの胴体に沿って外側に向かい(つまり、前方へ向かう)、しかも、バッテリーパック組立体11の天井面に設置される第二状態検測手段122は、検知ヘッドにより検測された天井面に生じる応力の大きさが対応する閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記バッテリーパックの胴体に沿って外側に向かう(つまり、上へ向かう)と、前記車における前記バッテリーパック組立体11の位置情報は、搭載済みの位置に保持され前記車と近接して接続される旨となる。
【0048】
前記状態情報は、前記バッテリーパック体の温度情報をさらに備えてもよい。バッテリーの過熱により、破壊が発生してしまうことを防ぐ。
【0049】
応力の検測及び温度の測量を同時に実現するために、本実施例では、前記状態検測モジュール12は、ファイバグレーチングセンサーにより実現されてもよい。ファイバグレーチングセンサーは、一部の物質の吸収するスペクトルが温度の変化に応じて変化するという原理により、ファイバから転送されてきたスペクトルを分析して温度がリアルタイムで分かるようにするものである。
【0050】
また、状態情報が分かるように分析するために、前記BMS13は、前記状態情報を記憶し、前記状態情報の受信時間を記録することに用いられてもよい。
【0051】
前記状態情報への転送及び検知を便宜にするために、前記スマートバッテリーパックは、前記BMS13に通信接続される通信モジュール14をさらに備え、前記BMS13は、前記通信モジュールにより、前記状態情報を遠隔検知装置に送信してもよい。前記スマートバッテリーパックは、前記BMS13に通信接続されるデータ転送インターフェースをさらに備え、前記BMS13は、前記データ転送インターフェースにより、前記状態情報をVCUに送信し、或いは、前記データ転送インターフェースの装置にアクセスしてもよい。
【0052】
本実施例に係るスマートバッテリーパックは、バッテリーパック以外の他の装置によらず自体の状態を検測することができ、例えば、バッテリーパック組立体11が搭載際における所定の目標位置となるかどうか、搭載済みの目標位置となるかどうか、搭載済みの位置に保持され前記車に近接して接続されるかどうかということを検測することができる。バッテリーパック状態を検測することができると共に、車又は他の装置の検測回路を簡単化させることができる。
【0053】
実施例2
スマートバッテリーパック検測方法は、実施例1に係るスマートバッテリーパックにより実現される。前記スマートバッテリーパックは、バッテリーパック組立体、状態検測モジュール及びBMSを備える。前記状態検測モジュールは、前記バッテリーパック組立体に設置され、前記状態検測モジュールは、前記BMSに通信接続される。図2に示されるように、前記スマートバッテリーパック検測方法は、前記状態検測モジュールがバッテリーパック組立体の状態情報を取得するステップ21と、前記状態検測モジュールが前記状態情報をBMSに送信するステップ22とを備える。
【0054】
本実施例では、前記バッテリーパック組立体は、バッテリーパック体及び前記バッテリーパック体に設置される接続部材を備える。本発明は、前記バッテリーパック体及び前記接続部材についての具体的な構成が限定されていない。
【0055】
前記状態情報は、車における前記バッテリーパック組立体の位置情報を備えてもよい。
【0056】
具体的に、ステップ21は、前記状態検測モジュールは、自体が検測する応力の方向及び応力の大きさに基づいて、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報を取得することを備える。
【0057】
前記状態検測モジュールは、検知ヘッドが前記接続部材に設置される第一状態検測手段を備えてもよい。
【0058】
ステップ21は、具体的に、前記第一状態検測手段は、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載される場合に、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第一閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記スマートバッテリーパックの搭載方向と同じであると、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が搭載際の所定の目標位置となるようにする、ことを備えてもよい。
【0059】
ステップ21は、具体的に、前記第一状態検測手段は、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載されている場合に、前記接続部材が生じる応力の方向及び応力の大きさを検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第二閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が重力方向と反対すると、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が搭載済みの目標位置となるようにする、ことをさらに備えてもよい。
【0060】
前記状態検測モジュールは、検知ヘッドが前記バッテリーパック組立体と前記車との当接面に設置される第二状態検測手段をさらに備えてもよい。
【0061】
ステップ21は、前記第二状態検測手段は、前記スマートバッテリーパックが前記車に搭載されている場合に、前記当接面に生じる応力の方向及び応力の大きさを検知ヘッドにより検測し、前記応力の大きさが第三閾値よりも大きくしかも前記応力の方向が前記バッテリーパックの胴体に沿って外側に向かう方向であると、前記車における前記バッテリーパック組立体の位置情報が搭載済みの位置に保持され前記車に近接して接続される旨であるようにする、ことを備えてもよい。
【0062】
本実施例では、前記状態情報は、前記バッテリーパック体の温度情報をさらに備えてもよい。バッテリーの過熱により、破壊が発生してしまうことを防ぐ。
【0063】
応力の検測及び温度の測量を同時に実現するように、本実施例では、前記状態検測モジュールがファイバグレーチングセンサーにより実現されてもよい。
【0064】
また、状態情報が分かるように分析するために、前記スマートバッテリーパック検測方法は、前記BMSが前記状態情報を記憶し前記状態情報の受信時間を記録するステップ23をさらに備えてもよい。
【0065】
前記状態情報への転送及び検知を便宜にするように、前記スマートバッテリーパックは、前記BMSに通信接続される通信モジュールをさらに備えてもよい。
【0066】
前記スマートバッテリーパック検測方法は、前記BMSが前記通信モジュールにより前記状態情報を遠隔検知装置に送信するステップ24をさらに備える。
【0067】
前記スマートバッテリーパックは、前記BMSに通信接続されるデータ転送インターフェースをさらに備える。
【0068】
前記スマートバッテリーパック検測方法は、前記BMSが前記データ転送インターフェースにより前記状態情報をVCUに送信し、或いは、前記データ転送インターフェースの装置にアクセスするステップ24’をさらに備える。
【0069】
以上には、本発明の具体的な実施形態を説明したが、これらが例示的な説明に過ぎず、本発明による保護範囲が特許請求の範囲に限定されていることが当業者にとって理解されるべきである。当業者は、本発明の原理及び趣旨を逸脱しない限り、これらの実施形態について数多くの変形や補正を実施することが可能であり、これらの変形や補正は、いずれも、本願の保護範囲に含まれている。
【0070】
本願は、出願日が2018年7月27日である中国特許出願2018108472850という優先権を主張している。本願は、上記した中国特許出願の全てを含んでいるとする。
図1
図2