(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】シナプス素子、これを含むリザーバーコンピューティング装置、及びこれを利用したリザーバーコンピューティング方法
(51)【国際特許分類】
G06N 3/063 20230101AFI20240827BHJP
【FI】
G06N3/063
(21)【出願番号】P 2022080076
(22)【出願日】2022-05-16
【審査請求日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0093382
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0031368
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 集会名 SCIENCE ADVANCEのWebサイトセミナー 開催日 令和 3年 5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】592127149
【氏名又は名称】韓国科学技術院
【氏名又は名称原語表記】KOREA ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】291,Daehak-ro Yuseong-gu,Daejeon 34141,Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】514107680
【氏名又は名称】成均館大学校 産学協力団
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ヒジュン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,リンペン
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0021650(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第110739393(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106847817(CN,A)
【文献】特開平06-020074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 3/063
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上の複数の単位セルと、を含み、
前記単位セルの各々は、チャンネル層、並びに前記チャンネル層と交差する第1電極及び第2電極を含
むメモリスタであり、
前記第1電極と前記第2電極とは、互いに離隔され、前記チャンネル層の一部を露出させるギャップ領域を定義し、
前記チャンネル層は、2次元半導体物質又は2次元強誘電物質を含み、
前記単位セルの各々には、電気的パルス信号又は光学的パルス信号の中の少なくともいずれか1つを含む入力信号が入力され、
前記電気的パルス信号は前記第1電極又は前記第2電極を通じて入力され、
前記光学的パルス信号
に対応した光学的パルスは前記ギャップ領域
により露出された前記チャンネル層の一部に入力されることを特徴とするシナプス素子。
【請求項2】
前記チャンネル層の厚さは、1nm乃至50nmであることを特徴とする請求項1に記載のシナプス素子。
【請求項3】
前記2次元半導体物質は、MoS
2、MoSe
2、MoTe
2、WS
2、WSe
2、SnS、SnS
2、酸化グラフェン(graphene oxide)、又は黒リン(Black phosphorous)の中の1つであり、
前記2次元強誘電物質は、SnS、SnSe、SnTe、InSe、又はIn
2Se
3の中の1つであることを特徴とする請求項1に記載のシナプス素子。
【請求項4】
前記ギャップ領域の幅は、0.5μm乃至3μmであることを特徴とする請求項1に記載のシナプス素子。
【請求項5】
前記チャンネル層は、前記単位セルを横切る一体の形状を有することを特徴とする請求項1に記載のシナプス素子。
【請求項6】
前記チャンネル層は、複数で提供され、
前記チャンネル層の各々は、互いに離隔され、その間に前記基板の一部を露出させることを特徴とする請求項1に記載のシナプス素子。
【請求項7】
前記チャンネル層は、繰り返される電気的パルス信号に応じて電流が減少する特性及び繰り返される光学的パルス信号に応じて電流が増加する特性を有することを特徴とする請求項1に記載のシナプス素子。
【請求項8】
前記チャンネル層は、同一周期で繰り返される同一サイズのパルスに対して非線形的に電流が変化する特性を有することを特徴とする請求項7に記載のシナプス素子。
【請求項9】
学習対象パターンに対応した入力信号を生成する入力信号生成部と、
前記入力信号に応じた結果を測定する測定部と、
前記測定部で測定された値を通じて前記学習対象パターンを学習する学習部と、を含み、
前記測定部は、
基板と、
前記基板の上の複数の単位セルと、を含み、
前記単位セルの各々は、チャンネル層、並びに前記チャンネル層と交差する第1電極及び第2電極を含
むメモリスタであり、
前記第1電極と前記第2電極とは、互いに離隔され、前記チャンネル層の一部を露出させるギャップ領域を定義し、
前記チャンネル層は、2次元半導体物質又は2次元強誘電物質を含み、
前記入力信号は、電気的パルス信号又は光学的パルス信号の中の少なくともいずれか1つを含み、
前記電気的パルス信号は、前記第1電極又は前記第2電極を通じて入力され、
前記光学的パルス信号
に対応した光学的パルスは、前記ギャップ領域
により露出された前記チャンネル層の一部に入力されることを特徴とするリザーバーコンピューティング装置。
【請求項10】
前記学習対象パターンは、子母音、音節、単語、文章、非言語記号、絵又は図形であることを特徴とする請求項9に記載のリザーバーコンピューティング装置。
【請求項11】
前記入力信号は、時間に応じて変わる信号であることを特徴とする請求項9に記載のリザーバーコンピューティング装置。
【請求項12】
前記測定部で測定される前記入力信号に応じた結果は、前記入力信号に応じて変わる前記チャンネル層の電気伝導度値であることを特徴とする請求項9に記載のリザーバーコンピューティング装置。
【請求項13】
前記学習対象パターンは、複数の行で表現され、
前記複数の行の各々は、複数の入力信号で表現されることを特徴とする請求項9に記載のリザーバーコンピューティング装置。
【請求項14】
前記学習部は、単層パーセプトロン(single-layer perceptron)、多層パーセプトロン(multi-layer perceptron)、ランダムフォレスト(random forest)、サポートベクトルマシン(support vector machine)、又はロジスティック回帰分析(logistic regression)を利用することを特徴とする請求項9に記載のリザーバーコンピューティング装置。
【請求項15】
学習対象パターンを準備することと、
前記学習対象パターンをパルス信号で示すことと、
前記パルス信号の各々をメモリスタに入力することと、
前記メモリスタの伝導度値を通じて前記学習対象パターンを学習させることと、を含み、
前記メモリスタは、チャンネル層、並びに前記チャンネル層と交差する第1電極及び第2電極を含み、
前記第1電極と前記第2電極とは、互いに離隔され、前記チャンネル層の一部を露出させるギャップ領域を定義し、
前記チャンネル層は、2次元半導体物質又は2次元強誘電物質を含み、
前記パルス信号は、電気的パルス信号又は光学的パルス信号の中の少なくともいずれか1つを含み、
前記電気的パルス信号は、前記第1電極又は前記第2電極を通じて入力され、
前記光学的パルス信号
に対応した光学的パルスは、前記ギャップ領域
により露出された前記チャンネル層の一部に入力されることを特徴とするリザーバーコンピューティング方法。
【請求項16】
前記パルス信号の各々は、2進パルス信号であることを特徴とする請求項15に記載のリザーバーコンピューティング方法。
【請求項17】
前記学習対象パターンを前記パルス信号で示すことは、
前記学習対象パターンを複数の行で示すことと、
前記複数の行の各々を前記パルス信号で示すことと、を含むことを特徴とする請求項15に記載のリザーバーコンピューティング方法。
【請求項18】
前記メモリスタの伝導度値を通じて前記学習対象パターンを学習させることは、
前記メモリスタの伝導度グラフから伝導度値を抽出することと、
前記伝導度値を機械学習モデルに入力することと、を含むことを特徴とする請求項15に記載のリザーバーコンピューティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シナプス素子、これを含むリザーバーコンピューティング装置、及びこれを利用したリザーバーコンピューティング方法に関し、より具体的にはシナプス可塑性を示し、電気的信号及び光学的信号に対して反対になる抵抗変化可塑性を有する2次元物質を含むシナプス素子、これを含むリザーバーコンピューティング装置、及びこれを利用したリザーバーコンピューティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脳ニューラルネットワークは、神経細胞であるニューロンとニューロンとの間を連結するシナプス等で構成される。シナプスは、ニューロンから入力された情報を演算し、学習する。特に、シナプスは、情報を処理するために約1pJ(10-12J)水準のエネルギーしか使用しないので、他の人工知能ハードウェアよりも効率的に情報を処理することができる。シナプスで行われる情報処理は、神経系で発現されるスパイク(spike)頻度が高い部位のシナプス連結は強くなり、そうでない部位の連結は弱くなる‘シナプス可塑性(synaptic plasticity)’という現象に起因する。
【0003】
したがって、モノのインターネット(internet of things;IoT)、エッジコンピューティング(edge computing)等、少ない消費電力が要求される幅広い分野で、シナプス可塑性を利用する人間の脳の情報処理過程をエミュレートするニューロモーフィック(neuromorphic)技術に対する研究が活発に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、シナプス可塑性を示し、電気的信号及び光学的信号に対して反対になる抵抗変化可塑性を有する2次元物質を含むシナプス素子を提供することにある。
【0006】
また、本発明の目的は、時間に応じて変わる信号を少ないエネルギーと少ない費用で学習及び分析できるリザーバーコンピューティング装置並びにこれを利用したリザーバーコンピューティング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるシナプス素子は、基板と、前記基板の上の複数の単位セルと、を含み、前記単位セルの各々は、チャンネル層、並びに前記チャンネル層と交差する第1電極及び第2電極を含み、前記第1電極と前記第2電極とは、互いに離隔されて、前記チャンネル層の一部を露出させるギャップ領域を定義し、前記チャンネル層は、2次元半導体物質又は2次元強誘電物質を含むことを特徴とする。
【0008】
前記チャンネル層の厚さは、1nm乃至50nmであることが好ましい。
前記2次元半導体物質は、MoS2、MoSe2、MoTe2、WS2、WSe2、SnS、SnS2、酸化グラフェン(graphene oxide)、又は黒リン(Black phosphorous)の中の1つであり、前記2次元強誘電物質は、SnS、SnSe、SnTe、InSe、又はIn2Se3の中の1つであることが好ましい。
前記ギャップ領域の幅は、0.5μm乃至3μmであることが好ましい。
前記チャンネル層は、前記単位セルを横切る一体の形状を有し得る。
前記チャンネル層は、複数で提供され、前記チャンネル層の各々は、互いに離隔され、その間に前記基板の一部を露出させ得る。
前記チャンネル層は、繰り返される電気的パルス信号に応じて電流が減少する特性及び繰り返される光学的パルス信号に応じて電流が増加する特性を有し得る。
前記チャンネル層は、同一周期で繰り返される同一サイズのパルスに対して非線形的に電流が変化する特性を有し得る。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるリザーバーコンピューティング装置は、学習対象パターンに対応した入力信号を生成する入力信号生成部と、前記入力信号に応じた結果を測定する測定部と、前記測定部で測定された値を通じて前記学習対象パターンを学習する学習部と、を含み、前記測定部は、基板と、前記基板の上の複数の単位セルと、を含み、前記単位セルの各々は、チャンネル層、並びに前記チャンネル層と交差する第1電極及び第2電極を含み、前記第1電極と前記第2電極とは、互いに離隔され、前記チャンネル層の一部を露出させるギャップ領域を定義し、前記チャンネル層は、2次元半導体物質又は2次元強誘電物質を含むことを特徴とする。
【0010】
前記学習対象パターンは、子母音、音節、単語、文章、非言語記号、絵又は図形であり得る。
前記入力信号は、時間に応じて変わる信号であり得る。
前記入力信号は、電気的パルス信号及び光学的パルス信号の中の少なくともいずれか1つを含み得る。
前記測定部で測定される前記入力信号に応じた結果は、前記入力信号に応じて変わる前記チャンネル層の電気伝導度値(以下、伝導度値と略記)であり得る。
前記学習対象パターンは、複数の行で表現され、前記複数の行の各々は、複数の入力信号で表現され得る。
前記学習対象パターンは、複数の行で表現され、前記複数の行の各々は、複数の入力信号で表現され得る。
【0011】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるリザーバーコンピューティング方法は、学習対象パターンを準備することと、前記学習対象パターンをパルス信号で示すことと、前記パルス信号の各々をメモリスタに入力することと、前記メモリスタの伝導度値を通じて前記学習対象パターンを学習させることと、を含み、前記メモリスタは、チャンネル層、並びに前記チャンネル層と交差する第1電極及び第2電極を含み、前記第1電極と前記第2電極とは、互いに離隔され、前記チャンネル層の一部を露出させるギャップ領域を定義し、前記チャンネル層は、2次元半導体物質又は2次元強誘電物質を含むことを特徴とする。
【0012】
前記パルス信号の各々は、2進パルス信号であり得る。
前記学習対象パターンを前記パルス信号で示すことは、前記学習対象パターンを複数の行で示すことと、前記複数の行の各々を前記パルス信号で示すことと、を含み得る。
前記メモリスタの伝導度値を通じて前記学習対象パターンを学習させることは、前記メモリスタの伝導度グラフから伝導度値を抽出することと、前記伝導度値を機械学習モデルに入力することと、を含み得る。
前記パルス信号は、電気的パルス信号及び光学的パルス信号の中の少なくともいずれか1つを含み、前記電気的パルス信号は、前記第1電極又は前記第2電極を通じて入力され、前記光学的パルス信号は、前記ギャップ領域を通じて入力され得る。
【発明の効果】
【0013】
本発明のリザーバーコンピューティング方法によれば、入出力関数のみを学習させれば、十分であるので、学習させなければならないネットワークが最小化され、したがって、時間に応じて変わる信号を相対的に少ないエネルギー及び少ない費用で学習及び分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング装置を説明するための概念図である。
【
図2A】本発明の一実施形態によるシナプス素子を説明するための斜視図である。
【
図2B】本発明の一実施形態によるシナプス素子を説明するための斜視図である。
【
図3A】本発明の一実施形態によるシナプス素子の単位セルを説明するための概念図である。
【
図3B】本発明の一実施形態によるシナプス素子の特性を説明するためのグラフである。
【
図3C】本発明の一実施形態によるシナプス素子の特性を説明するためのグラフである。
【
図3D】本発明の一実施形態によるシナプス素子の特性を説明するためのグラフである。
【
図3E】本発明の一実施形態によるシナプス素子の特性を説明するためのグラフである。
【
図3F】本発明の一実施形態によるシナプス素子のチャンネル層の特性を説明するためのバンドダイヤグラムである。
【
図3G】本発明の一実施形態によるシナプス素子のチャンネル層の特性を説明するためのバンドダイヤグラムである。
【
図3H】本発明の一実施形態によるシナプス素子のチャンネル層の特性を説明するためのバンドダイヤグラムである。
【
図4A】本発明の一実施形態によるシナプス素子に様々な入力信号を入力した結果を説明するためのグラフである。
【
図4B】本発明の一実施形態によるシナプス素子に様々な入力信号を入力した結果を説明するためのグラフである。
【
図5】本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング方法を説明するためのフローチャートである。
【
図6A】本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング方法を説明するための概念図である。
【
図6B】本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング方法の中でシナプス素子の伝導度値を抽出することを説明するための概念図である。
【
図7A】本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング方法の結果を説明するためのグラフである。
【
図7B】本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング方法の結果を説明するためのグラフである。
【
図8A】本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング方法に利用される学習対象パターンの例を説明するための概念図である。
【
図8B】
図8Aにしたがう学習対象パターンを利用したリザーバーコンピューティング方法の結果を説明するためのグラフである。
【
図8C】
図8Aにしたがう学習対象パターンを利用したリザーバーコンピューティング方法の結果を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の構成及び効果を十分に理解するために、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0016】
本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、様々な形態で具現されることができ、多様な修正及び変更を加えることができる。以下の実施形態は、単に説明を通じて本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供される。図面において説明の便宜のために各構成要素の比率は誇張されるか、又は縮小される。
【0017】
本明細書で使用される用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定しようとするものではない。また、本明細書で使用される用語は特に定義されない限り、該当技術分野で通常の知識を有する者に一般的に公知された意味として解釈される。
【0018】
本明細書で、単数形は文中で特別に言及しない限り、複数形も含む。本明細書で使用される‘含む(comprise)’及び/又は‘含んでいる(comprising)’は、言及された構成要素、段階、動作、及び/又は素子が1つ以上の他の構成要素、段階、動作、及び/又は素子の存在又は追加を排除しない。
【0019】
本明細書で第1、第2などの用語が様々な領域、方向、形状等を記述するために使用されるが、これらの領域、方向、形状はこのような用語によって限定されない。これらの用語は、単にいずれか所定の領域、方向、又は形状を、他の領域、方向、又は形状と区別するために使用される。したがって、いずれかの一実施形態で第1部分として言及された部分が他の実施形態では第2部分と言及されることもあり得る。本明細書で説明され、例示される実施形態はその相補的な実施形態も含む。本明細書の全体に亘って同一の参照番号で表示された部分は同一の構成要素を示す。
【0020】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態によるシナプス素子、これを含むリザーバーコンピューティング装置、及びこれを利用したリザーバーコンピューティング方法について詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング装置を説明するための概念図である。
【0022】
図1を参照すると、本発明によるリザーバーコンピューティング装置は、入力信号生成部100、測定部200、及び学習部300を含む。
【0023】
入力信号生成部100で生成される信号は、パルス信号である。入力信号生成部100で生成される信号は、電気的信号であるか、又は光学的信号である。
【0024】
測定部200は、
図2A又は
図2Bを参照して後述するようなシナプス素子を含む。シナプス素子は、少なくとも1つ以上のメモリスタ(memristor)を含む。ここで、メモリスタとは、過去に流れた電流量を記憶することができる受動素子である。メモリスタは、過去に流れた電流の様状を記憶し、それに応じて抵抗が変化する特性を有する。
【0025】
学習部300は、測定部200で測定された値(例えば、伝導度値)を通じて学習対象パターンを学習する機械学習モデルである。機械学習モデルは、例えば、指導学習技法(supervised learning technique)を利用することができる。機械学習モデルは、例えば、単層パーセプトロン(single-layer perceptron)、多層パーセプトロン(multi-layer perceptron)、ランダムフォレスト(random forest)、サポートベクトルマシン(support vector machine)、又はロジスティック回帰分析(logistic regression)等の技法を利用することができる。
【0026】
図2Aは、本発明の一実施形態によるシナプス素子を説明するための斜視図である。
【0027】
図2Aを参照すると、本発明によるシナプス素子(即ち、測定部200)は、基板S及び基板S上の複数の単位セルUCを含む。基板Sは、例えば、シリコン基板のような半導体基板又はSOI基板(silicon on insulator)である。基板Sは、第1方向D1及び第1方向D1と交差する第2方向D2に並び、第3方向D3と直交する上面を有する。第1~第3方向(D1、D2、D3)は、例えば互いに直交する方向である。
【0028】
単位セルUCの各々は、第1方向D1に延長されるチャンネル層CL、チャンネル層CLと交差し、第2方向D2に延長される第1及び第2電極(EL1、EL2)を含む。単位セルUCの各々は、1つのメモリスタ(memristor)である。
【0029】
チャンネル層CLは、例えば、複数の単位セルUCを横切り第1方向D1に延長される一体の形状を有する。チャンネル層CLの第3方向D3への厚さは、例えば、1nm~50nmである。以下では、厚さは第3方向D3への厚さを意味する。チャンネル層CLは、2次元半導体物質(2-dimensional semiconductor material)又は2次元強誘電物質(2-dimensional ferroelectric material)を含む。2次元半導体物質は、例えば、MoS2、MoSe2、MoTe2、WS2、WSe2、SnS、SnS2、酸化グラフェン(graphene oxide)、又は黒リン(Black phosphorous)等である。2次元強誘電物質は、例えば、SnS、SnSe、SnTe、InSe、又はIn2Se3等である。
【0030】
第1及び第2電極(EL1、EL2)の各々は、チャンネル層CLから離隔される第1部分及び第1部分に連結され、チャンネル層CLを覆い、第2方向D2に延長される第2部分を含む。第1電極EL1の第1部分は、第2電極EL2の第1部分とはチャンネル層CLを介して互いに離隔される。第1電極EL1の第2部分及び第2電極EL2の第2部分は、第1方向D1に互いに離隔される。第1電極EL1の第2部分及び第2電極EL2の第2部分によって、チャンネル層CLの少なくとも一部を露出させるギャップ領域Gが定義される。ギャップ領域Gの第1方向D1への幅は約0.5μm~約3μmである。第1及び第2電極(EL1、EL2)の各々で、第2部分の厚さは第1部分の厚さよりも小さい。第1及び第2電極(EL1、EL2)の各々の第2部分の一部は基板Sの上面に接触してもよい。但し、これは例示的なものであり、第1及び第2電極(EL1、EL2)の各々はチャンネル層CLに接触し、ギャップ領域Gを定義する様々な形状を有し得る。第1及び第2電極(EL1、EL2)は金属等の導電物質を含む。例えば、第1及び第2電極(EL1、EL2)は金(Au)又はクロム(Cr)を含む。
【0031】
単位セルUCの各々に第1入力信号IS1及び第2入力信号IS2が入力される。第1入力信号IS1は、第1電極EL1及び第2電極EL2の中の1つを通じて入力される電気的パルス信号である。第2入力信号IS2は、第1電極EL1及び第2電極EL2の間のギャップ領域Gによって露出されたチャンネル層CLの一部を通じて入力される光学的パルス信号である。第2入力信号IS2は、例えば、約400nm~約850nmの波長帯域で選択された波長を有する。
【0032】
図2Bは、本発明の一実施形態によるシナプス素子を説明するための斜視図である。以下では、説明の便宜のために
図2Aを参考して説明したことと実質的に同一の事項に対する説明は省略し、相違点に対して詳細に説明する。
【0033】
図2Bを参照すると、基板S上のチャンネル層CLは複数で提供される。チャンネル層CLの各々は、第1電極EL1及び第2電極EL2と交差する。チャンネル層CLは互いに第1方向D1に離隔される。チャンネル層CLの間に基板Sの一部が露出される。
【0034】
図3Aは、本発明の一実施形態によるシナプス素子の単位セルを説明するための概念図である。
図3B、
図3C、
図3D、及び
図3Eは、本発明の一実施形態によるシナプス素子の特性を説明するためのグラフである。
【0035】
図3Aを参照すると、本発明によるシナプス素子の単位セルUCは、チャンネル層CL及びこれに連結される第1及び第2電極(EL1、EL2)を含む。第1及び第2電極(EL1、EL2)の各々はチャンネル層CLの一部を覆う。
【0036】
図3A及び
図3Bを参照すると、単位セルUCの第1電極EL1と第2電極EL2との間に印加される電圧を増加させた後に、減少させる試行を複数回進行した結果に該当する電圧-電流(V-I)グラフが図示される。この時、電圧の単位はV(voltage)であり、電流の単位はμAである。第1~第8試行(T1-T8)の結果、試行が繰り返されるほど、同一電圧に対する電流が減少し、これはチャンネル層CLがシナプス可塑性(synaptic plasticity)(又はメモリスタ特性)を示すことを意味する。以下では、電流(又は光電流)はチャンネル層CLに流れる電流を意味し、これは第1電極EL1又は第2電極EL2によって測定される。
【0037】
図3Cを参照すると、第1入力信号IS1が入力される場合の時間に対する電流変化を示すグラフが図示される。この時、時間の単位はs(second、秒)であり、電圧の単位はV(voltage)であり、電流の単位はμAである。第1入力信号IS1は、例えば、パルス電圧が約4.5Vであり、パルス幅(pulse width)が約20msであり、パルス反復周期(pulse repetition interval;PRI)が約30msであるパルス信号である。第1入力信号IS1を約0.75sの間に入力した結果、時間が経過するほど、電流が減少し、これは
図3Bと一致する結果である。
【0038】
図3Dを参照すると、第2入力信号IS2が入力される場合の時間に対する電流変化を示すグラフが図示される。この時、時間の単位はs(second、秒)であり、電流の単位はμAである。第2入力信号IS2は、例えば、波長が約725nmであり、パルスパワーが約43mWであり、パルス反復周期が約3sであるパルス信号である。この時、第2入力信号IS2によって誘導される電流を測定するために、第1電極EL1と第2電極EL2との間に約0.5Vの読出し電圧(read voltage)が印加される。第2入力信号IS2を約120sの間に入力した結果、時間が経過するほど、電流が増加し、これは
図3B及び
図3Cとは反対になる結果である。
【0039】
図3C及び
図3Dを参照すると、第1入力信号IS1又は第2入力信号IS2に応じた電流変化は非線形的(nonlinear)である。再び言えば、同一サイズのパルスが同一周期で反復されても電流は非線形的に変化する。
【0040】
図3Eを参照すると、
図3Dを参照して説明した第2入力信号IS2と類似であり、波長が互いに異なるパルストレインが入力される場合の正規化された光電流(normalized photocurrent)の変化を示すグラフが図示される。本発明によるシナプス素子は少なくとも約400nm~約850nmの波長帯域で
図3Dと一致する結果を示す。
【0041】
図3F、
図3G、及び
図3Hは、本発明の一実施形態によるシナプス素子のチャンネル層の特性を説明するためのバンドダイヤグラムである。以下では、
図3F、
図3G、及び
図3Hを参照して、
図3B及び
図3Cと
図3Dが互いに反対になる傾向性を示す理由について説明する。この時、チャンネル層CLは、一例として、p型(p-type)SnSを含む。
【0042】
図3Fを参照すると、平衡状態(equilibrium state)にあるチャンネル層CLのバンドダイヤグラムが図示される。この時、第1電極EL1と第2電極EL2との間に印加されるバイアス電圧Vdは閾値電圧Vthよりも小さく、アクセプタ状態(acceptor state、Ea)は電子(electron)で満たされる。
【0043】
図3Gを参照すると、第1電極EL1と第2電極EL2との間に印加されるバイアス電圧Vdが閾値電圧Vthよりも大きい場合(即ち、第1入力信号IS1のような電気的パルス信号が印加される場合)のチャンネル層CLのバンドダイヤグラムが図示される。この時、アクセプタ状態Eaにトラップされている電子の中の一部は正孔(hole)と再結合(recombine)され、したがって、チャンネル層CLの電流が減少する。
【0044】
図3Hを参照すると、第1電極EL1と第2電極EL2との間に印加されるバイアス電圧Vdが閾値電圧Vthよりも小さいが、第2入力信号IS2のような光学的パルス信号が印加される場合のチャンネル層CLのバンドダイヤグラムが図示される。この時、アクセプタ状態Eaの電子は励起されてドナー状態Edにトラップされ、原子が価電子帯(valence band)から正孔をさらに生成し、したがって、チャンネル層CLの伝導度(即ち、電気伝導度)が増加する。このような現象は、フォトゲーティング効果(photo-gating effect)と称される。
【0045】
図4A及び
図4Bは、本発明の一実施形態によるシナプス素子に様々な入力信号を入力した結果を説明するためのグラフである。
【0046】
図2A及び
図4Aを参照すると、本発明によるシナプス素子の単位セルUCに第1入力信号IS1が入力される場合の時間に対するリード電流(read current)変化を示すグラフが図示される。この時、時間の単位はs(second、秒)であり、電流の単位はnAである。
【0047】
第1入力信号IS1の各々は、順次的に入力される5回の信号を含む。この時、5回の信号の各々は‘1’又は‘0’を意味する。上記を意味する信号は、例えばパルス電圧が約4Vであり、パルス幅が約50msである電気的パルスである。5回の信号の周期は約100ms以下である。
【0048】
図4Aを参照すると、第1入力信号IS1は、(00100)、(01001)、(01010)、(11111)、(11101)、及び(01110)のような2進パルス信号(binary pulse signals)である。第1入力信号IS1の各々で、‘1’を意味する信号が現れると、電流が減少する。これは
図3Gを参照して説明したようにアクセプタ状態Eaにトラップされている電子の中の一部が正孔と再結合してデトラップされること(being detrapped)に起因する。第1入力信号IS1の各々で、‘0’を意味する信号が現れると、電流が再び増加し始める。これは
図3Fを参照して説明したように電子が再びアクセプタ状態(Ea)にトラップされることに起因する。
【0049】
図3Cを参照して説明したように、第1入力信号IS1の各々に応じた電流変化は非線形的であるので、第1入力信号IS1の各々の入力が終わった後の最終電流値(final current amplitude)は互いに異なる。
【0050】
図2A及び
図4Bを参照すると、本発明によるシナプス素子の単位セルUCに第2入力信号IS2が入力される場合の時間に対するリード電流(read current)変化を示すグラフが図示される。この時、時間の単位はs(second、秒)であり、電流の単位はnAである。
【0051】
第2入力信号IS2の各々は、順次的に入力される5回の信号を含む。この時、5回の信号の各々は‘1’又は‘0’を意味する。上記を意味する信号は、例えば波長が約725nmであり、パルスパワーが約42mWであり、パルス幅が約5sである光学的パルスである。5回の信号の周期は約3sである。
【0052】
図4Bを参照すると、第2入力信号IS2は、(00100)、(01001)、(01010)、(01110)、(11101)、及び(11111)のような2進パルス信号である。第2入力信号IS2の各々で、’1’を意味する信号が現れると、電流が増加する。これは
図3Hを参照して説明したようにアクセプタ状態(Ea)の電子が励起されてドナー状態(Ed)にトラップされ、原子が価電子帯(valence band)から正孔をさらに生成するフォトゲーティング効果に起因する。第2入力信号IS2の各々で、‘0’を意味する信号が現れると、電流が再び減少し始める。これは
図3Fを参照して説明したように電子が再びアクセプタ状態(Ea)にトラップされることに起因する。
【0053】
図3Dを参照して説明したように、第2入力信号IS2の各々に応じた電流変化は非線形的であるので、第2入力信号IS2の各々の入力が終わった後の最終電流値は互いに異なる。
【0054】
図5は、本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング方法を説明するためのフローチャートである。
【0055】
図5を参照すると、本発明によるリザーバーコンピューティング方法は、学習対象パターンを準備すること(S100)、学習対象パターンの各々を電気的パルス信号及び/又は光学的パルス信号で示すこと(S200)、パルス信号の各々をメモリスタに入力すること(S300)、及びメモリスタの伝導度値(又は電流値)を通じて学習対象パターンの各々を学習させること(S400)を含む。以下では6A及び
図6Bを参照して、本発明によるリザーバーコンピューティング方法についてより詳細に説明する。
【0056】
この時、リザーバーコンピューティング(reservoir computing;RC)というのは、時間に応じて変わるデータを学習するための学習アルゴリズムの中の1つであって、短期記憶(short-term memory)特性及び非線形的関数特性を有するリザーバー(reservoir)を利用して時間に応じた入力信号の情報を高次元の空間に投影(即ち、マッピング)する方式を利用する。時間に応じる、リザーバーコンピューティングでは入出力関数のみを学習させればよいので、学習させなければならないネットワークが最小化され、これによって時間に応じて変わる信号を相対的に少ないエネルギー及び少ない費用で学習及び分析することができる。
【0057】
図6Aは、本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング方法を説明するための概念図である。
図6Bは、本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング方法の中のシナプス素子の伝導度値を抽出することを説明するための概念図である。
【0058】
図5A及び
図6Aを参照すると、学習対象パターンPが準備される(S100)。学習対象パターンPは、例えば、ハングル子母音である。但し、これは例示的なものであり、学習対象パターンPは韓国語の音節、単語又は文章であってもよく、他の言語のアルファベット、単語又は文章、非言語記号、絵又は図形であってもよい。
【0059】
その後、学習対象パターンPの各々は、電気的パルス信号及び/又は光学的パルス信号で表現される(S200)。学習対象パターンPの各々を電気的パルス信号及び/又は光学的パルス信号で示すこと(S200)は、学習対象パターンPの各々を複数の行(rows)(又は列(columns))で示すこと、及び複数の行の各々を電気的パルス信号及び/又は光学的パルス信号に示すことを含む。一実施形態によれば、学習対象パターンPの各々は1つの行列(matrix)で表現されてもよい。
【0060】
【0061】
その後、入力信号ISの各々は、測定部200のメモリスタMに入力される(S300)。メモリスタMは、
図1及び
図2Aを参照して説明した測定部200の単位セルUCに該当する。
【0062】
その後、メモリスタMの伝導度値を通じて学習対象パターンPの各々を学習させる(S400)。メモリスタMの伝導度値を通じて学習対象パターンPの各々を学習させること(S400)は、メモリスタMの伝導度グラフECから伝導度値を抽出すること、及び伝導度値を機械学習モデルに入力することを含む。
【0063】
伝導度グラフECから複数の伝導度値が抽出される。複数の伝導度値は初期伝導度値Ci、及び(11111)信号に応じて変化する第1~第5パルス伝導度値(C1-C5)を含む。第1パルス伝導度値C1は初期伝導度値Ciよりも大きい。第1パルス伝導度値C1から第5パルス伝導度値C5に行くほど、伝導度値のサイズは減少する。
【0064】
機械学習モデルは、
図1を参照して説明した学習部300に該当する。学習部300は複数のレイヤーを含む。複数のレイヤーの各々は複数のノードを含み、ノードは加重値(weight)を有し、互いに連結される。例えば、学習部300は入力レイヤーIL及び出力レイヤーOLを含む。学習部300は入力レイヤーIL及び出力レイヤーOLの間の少なくとも1つ以上の追加レイヤーをさらに含み得る。初期伝導度値Ci、及び第1~第5パルス伝導度値(C1-C5)は学習部300の入力レイヤーILに入力される。
【0065】
図7A及び
図7Bは、本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング方法の結果を説明するためのグラフである。
【0066】
図6A及び
図7Aを参照すると、学習対象パターンPを示す信号で、電気的パルス信号の第1入力信号IS1を利用する場合及び光学的パルス信号の第2入力信号IS2を利用する場合に、エポック数(epoch number)にしたがう精度(accuracy)を示すグラフが図示される。この時、エポック数は学習部300で機械学習を繰り返した回数を意味し、精度は学習対象パターンPに対する分類精度(classification accuracy)を意味する。第1入力信号IS1を利用する場合、エポック数が約50以上であれば、0.9(即ち、90%)以上の精度を得ることができる。第2入力信号IS2を利用する場合、エポック数が約75以上であれば、0.9(即ち、90%)以上の精度を得ることができる。
【0067】
図6A及び
図7Bを参照すると、互いに異なる2進パルス信号を入力した結果測定された電流を示すグラフが図示される。この時、電流の単位はnAである。メモリスタMに互いに異なる2進パルス信号を入力した結果、測定された電流は互いに異なり、これはメモリスタMの短期記憶特性及び非線形的関数特性に起因する。したがって、学習部300は学習対象パターンPのように時間に応じて変わる信号を相対的に少ないエネルギー及び少ない費用で学習及び分析することができる。
【0068】
図8Aは、本発明の一実施形態によるリザーバーコンピューティング方法に利用される学習対象パターンの例を説明するための概念図である。
図8B及び
図8Cは、
図8Aにしたがう学習対象パターンを利用したリザーバーコンピューティング方法の結果を説明するためのグラフである。
【0069】
図8Aを参照すると、学習対象パターンPは、‘行こう(Let’s go)’、‘出て行け(Get out)’、‘買おう(Let’s buy)’、‘乗ろう(Let’s ride)’、及び‘キックする(Kick)’のような2音節ハングル単語である。学習対象パターンPの各々は、例えば、第1~第5行(R1-R5)で表現される。第1~第5行(R1-R5)は複数の(例えば、5つの)入力信号ISで表現される。入力信号ISの各々は2進パルス信号である。
【0070】
図8Bを参照すると、本発明によるリザーバーコンピューティング方法で
図8Aの学習対象パターンPを学習する場合、エポック数にしたがう精度(accuracy)を示すグラフが図示される。この時、学習対象パターンPを示す信号に電気的パルス信号が利用され、エポック数が約80以上であれば、0.9(即ち、90%)以上の精度を得ることができる。
【0071】
図8Cを参照すると、エポック数にしたがう損失(loss)を示すグラフが図示される。この時、損失とは機械学習の交差エントロピー損失(cross entropy loss)を意味し、エポック数が増加するにつれて損失は減少する。
【0072】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更しなくとも、他の具体的な形態に実施されることができることを理解することができる。したがって、以上に記載した実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的ではない。
【符号の説明】
【0073】
100 入力信号生成部
200 測定部
300 学習部
CL チャンネル層
EL1、EL2 電極
G ギャップ領域
IS1、IS2 入力信号
S 基板
UC 単位セル