(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】バッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 11/00 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
A45C11/00
(21)【出願番号】P 2024073842
(22)【出願日】2024-04-30
【審査請求日】2024-05-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524165997
【氏名又は名称】株式会社シルビアント
(73)【特許権者】
【識別番号】524166008
【氏名又は名称】サンドディー・アイ・ジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】阿武 優吉
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-231804(JP,A)
【文献】登録実用新案第3124104(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2021/0274904(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状の収容部と、
前記収容部の底部の
底面の外側に着脱される天板部及び前記天板部から伸びた脚部を有するテーブル部と、を有する、
ことを特徴とするバッグ。
【請求項2】
前記脚部が、前記収容部に沿って前記収容部の高さ方向に伸びた、
ことを特徴とする請求項1に記載されたバッグ。
【請求項3】
前記底部の近傍に、前記天板部を留める天板留部を有する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載されたバッグ。
【請求項4】
前記天板部の表面が、前記収容部に対して外側に向けられ、
前記天板留部が、前記天板部の表面を覆っている、
ことを特徴とする請求項3に記載されたバッグ。
【請求項5】
前記収容部の側部に、
前記脚部を留める脚留部を有する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載されたバッグ。
【請求項6】
前記天板部が、カップホルダーを有する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載されたバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば野球やサッカー等のスポーツ観戦では、競技場等で販売されている軽食や飲料(以下、飲料等と記す。)を購入することができ、観戦者は、飲食を伴って観戦を楽しむことができる。しかし、競技場の観戦席に、飲料等を置く場所が用意されているとは限らないため、場合によっては、観戦者は、飲料等を手で持ち続けるか、足元に置くことになる。
【0003】
例えば、下記特許文献1に記載されたクーラーボックス(以下、文献公知1発明と記す。)は、ボックスの側面が変形して、テーブルやドリンクホルダーとなるため、このクーラーボックスを携行していれば、いつでも飲料等を置くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、文献公知1発明は、大掛かりであって、作製が困難であるし、競技場等に手軽に携行できるものではない。
【0006】
本発明は、上記の実情に鑑みて提案されたものであり、簡便な構成で飲料等を置くことができるテーブルを携行することができるバッグの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るバッグは、袋状の収容部と、前記収容部の底部の外側に着脱される天板部及び前記天板部から伸びた脚部を有するテーブル部と、を有する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るバッグは、前記脚部が、前記収容部に沿って前記収容部の高さ方向に伸びた、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るバッグは、前記底部の近傍に、前記天板部を留める天板留部を有する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係るバッグは、前記天板部の表面が、前記収容部に対して外側に向けられ、前記天板留部が、前記天板部の表面を覆っている、ことを特徴とする。
【0011】
本発明に係るバッグは、前記収容部の側部に、前記脚部を留める脚留部を有する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るバッグは、前記天板部が、カップホルダーを有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るバッグは、袋状の収容部と、収容部の底部の外側に着脱される天板部及び天板部から伸びた脚部を有するテーブル部とを有している。収容部の底部にテーブル部が着脱されることから、収容部と共にテーブル部を携行することができる。競技場等の観戦席や屋外において、テーブル部が収容部から取り外され、脚部で自立させれば、天板部に飲料等を置くことができる。
【0014】
本発明に係るバッグは、脚部が、収容部に沿って収容部の高さ方向に伸びている。長尺な脚部であっても、収容部の外面に沿っているため、脚部が嵩張らない。
【0015】
本発明に係るバッグは、底部の近傍に、天板部を留める天板留部を有している。天板留部を介してテーブル部が収容部に取り付けられるため、収容部と共にテーブル部を携行することができる。
【0016】
本発明に係るバッグは、天板部の表面が、収容部に対して外側に向けられ、天板留部が、天板部の表面を覆っている。テーブル部が、収容部から取り外されて上下に反転させられることで、天板部の表面が上に向けられ、脚部が下に向けられるため、即座にテーブル部として使うことができる。また、テーブル部が収容部に取り付けられた状態では、天板部の表面が、バッグの底部となって地面に接触する場合があるが、天板部の表面は、天板留部によって覆われているため、直接地面と接触することがない。
【0017】
本発明に係るバッグは、収容部の側部に、脚部を留める脚留部を有している。脚留部を介して、収容部に脚部が留められることで、収容部が脚部に支持されるため、収容部を自立させることができる。
【0018】
本発明に係るバッグは、天板部が、カップホルダーを有している。したがって、飲料をカップホルダーに支持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るバッグの正面斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るバッグの背面斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係るバッグの収容部の正面斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係るバッグの底面斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係るバッグのテーブル部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係るバッグを図面に基づいて説明する。
図1及び2には、本実施形態に係るバッグ1の外観が示されている。
図3には、バッグ1の収容部2の外観が示されている。
図4には、バッグ1の底面が示されている。
図5には、バッグ1のテーブル部15が示されている。
【0021】
図1及び2に示されているとおり、バッグ1は袋状の収容部2と、この収容部2の底部3の外側に取り付けられたテーブル部15とを有している。
図3に示されているとおり、収容部2は、例えば布製のトートバッグ等であり、携行品が収容される収容本体部13に手提げ部14が取り付けられている。収容本体部13は、下端部である底部3が閉じていて、正面部4、背面部5及び側部6が筒状であり、上端部7が収容口8として開口している。手提げ部14は、上端部7に取り付けられている。
【0022】
底部3の近傍には、天板留部9が取り付けられている。天板留部9は、収容部2と同じ布製の布片であり、収容部2の正面部4から背面部5に渡って、底部3の外側に跨っている。天板留部9の一方の縁は、正面部4の下部に縫合され(縫合部10)、他方の縁は、背面部5の下部に、着脱手段11を介して留められている(
図2参照)。なお、着脱手段11は、例えば、ボタンとボタンホール、スナップボタン、面テープ又はフック等が含まれる。また、縫合部10を、着脱手段11に替えてもよい。
【0023】
側部6の上部には、脚留部12が取り付けられている。脚留部12は、収容部2と同じ布製の布片である。脚留部12の下端縁は、側部6に縫合され(縫合部10)、上端縁は、着脱手段11を介して側部6に留られている。着脱手段11は、例えば、ボタンとボタンホール、スナップボタン、面テープ又はフック等が含まれる。また、縫合部10を、着脱手段11に替えてもよい。
【0024】
図4に示されているとおり、テーブル部15は、収容部2の底部3に着脱される天板部16と、この天板部16の裏面から収容部2に沿って高さ方向に伸びた脚部21とを有している。天板部16は、板状の長方形であり、収容部2の底部3の面積に倣った大きさである。
図5に示されているとおり、天板部16は、軽食等が置かれる載置部17と、紙コップ等が支持されるカップホルダー18と、天板留部9が通されるスリット19と、設置突部20とを有している。載置部17は、天板部16の表面が陥没した部位であり、天板部16の中央に形成されている。一対のカップホルダー18は、天板部16の厚み方向に抜けた孔であり、載置部17の両側方に隣接して形成されている。一対のスリット19は、天板部16の厚み方向に抜けており、載置部17の正面側の縁及び背面側の縁に形成されている。設置突部20は、天板部16の表面から突出し、天板部16の四ヵ所に形成されている。設置突部20は、天板部16の表面において、最も突出している部位である。なお、設置突部20の数、大きさ、形状、位置は任意である。
【0025】
脚部21は、左右一対で構成されている。それぞれの脚部21は、細長い一本の棒が折り曲げられたものである。脚部21の一方である第一側脚部22は、天板部16の右側部寄りにおいて、天板部16の正面側の縁と背面側の縁からそれぞれ伸びると共に、伸びた先で外側に向けてほぼ直角に曲がっており、曲がった先で繋がっている。すなわち、第一側脚部22は、天板部16から伸びた直線部24と、この直線部24の先に連接された湾曲部25とから構成されている。同様に、脚部21の他方である第二側脚部23は、天板部16の左側部寄りにおいて、天板部16の正面側の縁と背面側の縁からそれぞれ伸びると共に、伸びた先で外側に向けてほぼ直角に曲がっており、曲がった先で繋がっている。すなわち、第二側脚部23も、天板部16から伸びた直線部24と、この直線部24の先に連接された湾曲部25とから構成されている。
【0026】
図4に示されているとおり、テーブル部15は上下が反転した姿勢で、収容部2の底部3に着脱される。具体的には、天板部16の表面が、収容部2に対して外側に向けられた姿勢で、天板部16の裏面に収容部2の底部3が重ねられる。脚部21に、収容部2の側部6を合わせると、側部6は、脚部21の直線部24同士の間、かつ、脚部21の湾曲部25の内側に配置され、脚部21が収容部2の外面に沿った状態となる。湾曲部25は、側部6の脚留部12で留められる(
図2参照)。収容部2の天板留部9は、天板部16の裏面から正面側のスリット19に通され、天板部16の表面に抜ける。天板留部9は、天板部16の表面のうち、載置部17を覆うと共に、天板部16の表面から背面側のスリット19に通され、天板部16の裏側に抜けて、着脱手段11で留められる(
図2参照)。
【0027】
上記のとおりバッグ1が構成されている。次に、バッグ1の効果を説明する。
【0028】
バッグ1は、収容部2と、この収容部2の底部3の外側に取り付けられたテーブル部15とを有していて、テーブル部15は、収容部2の底部3に着脱される天板部16と、この天板部16の裏面から収容部2に沿って高さ方向に伸びた脚部21とを有している(
図4参照)。底部3にテーブル部15が着脱されることから、収容部2と共にテーブル部15を携行することができる。競技場等の観戦席や屋外において、テーブル部15が収容部2から取り外され、脚部21で自立させれば、天板部16の載置部17に軽食を置くことができ、カップホルダー18に飲料を入れて支持させることができる(
図5参照)。
【0029】
また、収容部2の側部6は、脚部21の直線部24同士の間、かつ、脚部21の湾曲部25の内側に配置され、脚部21が収容部2の外面に沿っているため、脚部21が長尺であっても嵩張らない(
図4参照)。
【0030】
バッグ1は、収容部2の側部6に、脚部21を留める脚留部12を有していて、脚留部12を介して、収容部2に脚部21が留められる(
図2参照)。収容部2が脚部21に支持されるため、布製の収容部2を自立させることができる。
【0031】
バッグ1は、底部3の近傍に、天板部16を留める天板留部9を有している(
図4参照)。天板留部9を介してテーブル部15が収容部2に取り付けられるため、収容部2と共にテーブル部15を携行することができる。
【0032】
その際、バッグ1は、天板部16の表面が、収容部2に対して外側に向けられた姿勢で、天板部16の裏面に収容部2の底部3が重ねられ、天板留部9は、天板部16の表面の載置部17を覆う。テーブル部15が、収容部2から取り外されて上下に反転させられることで、天板部16の表面が上に向けられると共に脚部21が下に向けられるため、即座にテーブル部15として使うことができる。また、テーブル部15が収容部2に取り付けられた状態では、天板部16の表面が、バッグ1の底面となって地面に接触する場合があるが、載置部17は、天板留部9によって覆われているため、直接地面と接触することがない。
【0033】
特に、設置突部20が、天板部16の表面から突出しているため、天板部16は、地面から離れ、直接地面と接触することがない。
【0034】
なお、本発明の他の実施形態では、天板留部は、天板部の表面の全体を覆う大きさである。
別の他の実施形態では、脚部が、収容部の正面及び背面に沿って伸びている。この場合、脚留部は、収容部の正面及び背面に形成されている。
別の他の実施形態では、脚部の長さは任意である。但し、脚部の湾曲部が、収容部の収容口に近い程、収容部は自立しやすい。
別の他の実施形態では、天板部の裏面が収容部に対して外側に向けられている。すなわち、天板部の表面の上に、収容部の底部が重ねられている。この場合、テーブル部が収容部から取り外されると、テーブル部は反転されず、脚部が天板部から取り外されて天板部の裏面に取り付けられる。又は、脚部は、取り外されことなく、天板部に対して180度回転し、天板部の裏面に配置される。
別の他の実施形態では、天板留部を有し、脚留部を有していない。
別の他の実施形態では、脚留部を有し、天板留部を有していない。
別の他の実施形態では、天板部の載置部及びカップホルダーの数や配置は任意である。
別の他の実施形態では、載置部のみを有し、カップホルダーを有していない。
別の他の実施形態では、カップホルダーのみを有し載置部を有していない。
別の他の実施形態では、天板部はスリットを有していない。この場合、天板部の外面に、収容部の天板留部をガイドするための溝が形成され、天板留部が溝に沿って巻き付けられる。収容部の天板留部は、天板部の表面を覆って着脱手段で留められる。
別の他の実施形態では、スリットが、天板部の載置部の正面側の縁にのみ形成され、背面側の縁には形成されていない。この場合、天板部の外面に、収容部の天板留部をガイドするための溝が形成され、天板留部が溝に沿って巻き付けられる。収容部の天板留部は、天板部の裏面から正面側のスリットに通されて天板部の表面に抜け、天板部の表面を覆って着脱手段で留められる。
別の他の実施形態では、スリットが、天板部の載置部の背面側の縁にのみ形成され、正面側の縁には形成されていない。この場合、天板部の外面に、収容部の天板留部をガイドするための溝が形成され、天板留部が溝に沿って巻き付けられる。収容部の天板留部は、天板部の表面を覆い、天板部の表面から背面側のスリットに通され、天板部の裏面に抜けて着脱手段で留められる。
【0035】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 バッグ
2 収容部
3 底部
4 正面部
5 背面部
6 側部
7 上端部
8 収容口
9 天板留部
10 縫合部
11 着脱手段
12 脚留部
13 収容本体部
14 手提げ部
15 テーブル部
16 天板部
17 載置部
18 カップホルダー
19 スリット
20 設置突部
21 脚部
22 第一側脚部
23 第二側脚部
24 直線部
25 湾曲部
【要約】
【課題】簡便な構成で飲料等を置くことができるテーブルを携行することができるバッグを提供する。
【解決手段】バッグ1は、収容部2と、この収容部2の底部3の外側に取り付けられたテーブル部15とを有していて、テーブル部15は、収容部2の底部3に着脱される天板部16と、この天板部16の裏面から収容部2に沿って高さ方向に伸びた脚部21とを有している。天板部16及び脚部21は、収容部2に形成された天板留部9及び脚留部12によって留められる。
【選択図】
図4